説明

自動食器洗い機においてガラス製品を表面腐食から保護するための全サイクル法

【課題】自動食器洗い機においてガラス製品を腐食から保護するための全サイクル法が提供される。
【解決手段】a)有効量の粒子状亜鉛含有物質を含むスルーザウォッシュ洗剤組成物を提供する工程、b)有効量の少なくとも1つの金属塩を含むすすぎ補助剤組成物を提供する工程、c)前記ガラス製品の表面を、前記スルーザウォッシュ洗剤組成物と接触させる工程、及びd)すすぎサイクルにおいて、前記ガラス製品の表面を、前記すすぎ補助剤組成物と接触させる工程を含む全サイクル法であって、前記すすぎ補助剤組成物が、水溶液中10%の濃度で測定されたときに5未満のpHを有する全サイクル法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スルーザウォッシュ(through-the-wash)洗剤組成物、特に亜鉛含有物質を含む洗剤組成物を、すすぎ補助剤組成物、特に可溶性亜鉛塩を含むすすぎ補助剤組成物と組み合わせて使用する自動食器洗い機において食器及びグラス類のようなガラス製品を腐食から保護するための全サイクル法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動食器洗い洗剤は、一般に認識される別個の種類の洗剤組成物を構成し、それら組成物の目的には、食品汚れを破壊及び除去すること、発泡を抑制すること、視覚的に観察可能な染み付き及び被膜形成を低減又は排除するために洗浄物品の濡れを促進すること、コーヒー及び紅茶のような飲料又はカロチノイド汚れのような野菜の汚れによって生じた可能性のある染みを除去すること、洗浄品表面への汚れ被膜の蓄積を防ぐこと、並びに実質的にエッチング又は腐食することなく、ないしは別の方法でガラス類又は食器の表面を損傷することなく、皿類の曇りを低減又は排除することを挙げることができる。自動食器洗い機での洗浄中のガラス製品の腐食の問題は、長い間知られている。現在の見解では、ガラス製品の腐食の問題は2つの別々の現象によるものであるとされている。1つは、洗浄に必要とされる高いpHが、シリカの加水分解を引き起こすことである。この溶解されたシリカ/ケイ酸塩は、陶磁器及び金属の腐食を防ぐために意図的に添加されたケイ酸塩と一緒になってガラス製品の表面に付着して、真珠光沢及び曇りをもたらす。他方は、ビルダーによるガラス製品の表面からのキレート金属イオンの除去、及びその結果生じる後続の金属イオンの浸出が、耐久性及び耐化学性の低いガラスにする。自動食器洗い機において数回の洗浄の後、両方の現象が、曇り、傷及び筋のような損傷をガラス製品に引き起こすことが可能である。これは、主洗浄(又は洗浄を経る)サイクル、並びにすすぎ/乾燥サイクルの両方で起こり得る。
【0003】
ほとんどの消費者は、自動食器洗い(ADW)での洗剤組成物の使用によるガラス製品の腐食が、満たされていない要求の最も深刻なもののうちの1つであることに同意する。ガラスの腐食に対する改善された保護のために有機酸類の亜鉛又はマグネシウム塩類を含有するADW洗剤組成物は、知られている。これらの塩類は可溶性が乏しいので、反応性亜鉛種の制御放出で使用されている。他のイオン類との不溶性の亜鉛塩類の沈殿物が洗浄溶液中で発生するので、洗剤組成物における可溶性の亜鉛塩類の使用は、制御することが困難である。更に不溶性亜鉛塩の沈殿物は、ガラス製品とADW機の構成要素自体の上の両方に付着する可能性がある。更に、例えば酸化亜鉛(ZnO)としての不溶性亜鉛塩類の一部は、不活性すぎて、必要なZn2+イオンを放出することができない可能性がある。硫酸アルミニウム塩類も有望であるが、製剤化の問題が依然として残る。例えば、ポリマー増粘剤との凝集及び酸素漂白剤性能への僅かな負の影響は、封入の手法を必要とし、それは処方費用の上乗せとなり得る。
【0004】
すすぎ補助剤の適用において、自動食器洗いで用いられる、水溶性金属塩類(例えば、塩化物、硫酸塩又は酢酸塩の亜鉛塩)を含む組成物は、ガラス製品に幾らかの規模の保護を提供する。水溶性亜鉛塩がセラミック表面の腐食を防止するために使用されてもよい。亜鉛合金の固体金属プレートも、ガラス製品に腐食保護を提供するために、洗剤組成物と組み合わせて使用されてよい。水溶性亜鉛塩は、更に、中性から高pHまで、低起泡性の非イオン性界面活性剤と併せて使用されてもよい。しかし、自動食器洗いにおけるこの高pH組成物の使用は、満足できない被膜形成及び不溶性物質の沈殿という結果を招くことがある。そのような沈殿剤物質は、洗浄サイクルの間に食器洗い機の内部、並びに食器類及びガラス製品の上に付着することがあるので、極めて望ましくない。可溶性亜鉛及びキレート剤を使用する1つの代替案は、ガラス製品に幾らかの腐食保護を提供するが、被膜形成という欠点を有する(すなわち、ガラス製品上に結晶及び被膜が形成される)。更に別の代替案は、被膜形成を回避するために、すすぎ洗いにおいてZn2+イオンの放出を不溶性の亜鉛塩を使用して制御することである。しかし、液体すすぎ補助剤の製剤に不溶性物質を使用することには不利な点がある。製品は濁り、すすぎ補助剤ディスペンサーからすすぎ溶液への製品の放出を妨げ得る特定の増粘剤及び安定剤が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ガラスの腐食は洗浄及びすすぎ/乾燥サイクルの両方で起こるので、いずれかの組成物を単独で使用するのと比べてガラス製品の腐食の問題が低減するように、スルーザウォッシュ(TTW)洗剤組成物及びすすぎ補助剤組成物の両方を使用する、改善された全サイクルADW法を開発する継続的な必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、粒子状亜鉛含有物質(PZCM)及び亜鉛含有層状物質(ZCLM)のような有効量の特定の亜鉛含有物質を有するTTW ADW洗剤組成物を、有効量の少なくとも1つの金属塩を有するすすぎ補助剤組成物と組み合わせて使用する自動食器洗い機においてガラス製品の表面を腐食から保護するための、家庭用、施設用、工業用及び/又は商業用の全サイクル法に関する。
【0007】
1つの態様によると、自動食器洗いにおいてガラス製品の表面を処理する家庭用、施設用、工業用及び/又は商業用の全サイクル法が提供される。その方法は、(a)有効量の粒子状亜鉛含有物質を含むスルーザウォッシュ洗剤組成物を提供する工程、(b)有効量の少なくとも1つの金属塩を含むすすぎ補助剤組成物を提供する工程、(c)ガラス製品の表面を、スルーザウォッシュ洗剤組成物と接触させる工程、及び(d)すすぎサイクルにおいて、ガラス製品の表面を、すすぎ補助剤組成物と接触させる工程を含む。
【0008】
別の態様では、自動食器洗いにおいて物質の組成物でガラス製品の表面を処理する家庭用、施設用、工業用及び/又は商業用の全サイクル法が提供される。その方法は、(a)洗浄溶液を含む物質の組成物であって、洗浄溶液が、(i)有効量の粒子状亜鉛含有物質、(ii)洗剤活性物質、(iii)任意で、分散性ポリマー又は担体媒質の1つ以上、及び(iv)任意で、補助剤成分を含むスルーザウォッシュ洗剤組成物を含む物質の組成物を提供する工程、(b)すすぎ溶液を含む物質の組成物であって、すすぎ溶液が、(i)有効量の少なくとも1つの水溶性金属塩、(ii)酸、(iii)非イオン性界面活性剤、(iv)分散性ポリマー、香料及びこれらの混合物の少なくとも1つ、並びに(v)任意で、酸、分散性ポリマー、香料、ヒドロトロープ、結合剤、担体媒質、抗菌活性物質、染料及びこれらの混合物から成る群から選択される少なくとも1つの構成成分を含むすすぎ補助剤組成物を含む物質の組成物を提供する工程、(c)ガラス製品の表面を洗浄溶液と接触させる工程、並びに(d)ガラス製品の表面をすすぎ溶液と接触させる工程を含み、その際すすぎ補助剤組成物は、水溶液中10%の濃度で測定されるとき約5未満のpHを有する。
【0009】
別の態様によると、処理システムが提供される。この処理システムは、(a)パッケージ、(b)TTW ADW洗剤組成物、(c)すすぎ補助剤組成物及び(d)使用説明書を含むキットを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】亜鉛含有層状物質の構造の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
驚くべきことに、自動食器洗いにおいてガラス製品の表面は、本明細書で記載されているガラス製品の表面を処理する全サイクル法を使用する洗浄及びすすぎの両方のサイクルの少なくとも一部分の間保護できることが判明した。全サイクルガラス製品表面腐食保護は、1つの処理法で洗浄サイクル保護とすすぎサイクル腐食保護とを組み合わせる。この処理法は、実質的な腐食保護を提供するばかりでなく、被膜形成防止効果の提供のような他の望ましい効果を、処理されたガラス製品の表面にもたらす。
【0012】
(洗浄サイクル腐食保護)
自動食器洗いにおけるガラス製品は、ガラス製品を、粒子状亜鉛含有物質(PZCM)及び亜鉛含有層状物質(ZCLM)のような特定の亜鉛含有物質を含有するTTW ADW洗剤組成物と接触させることによりガラス製品の表面を処理する方法を使用して、保護することができる。これは、キレート化剤及びビルダー類がガラス構造自体内で金属イオンをキレート化することによりガラス製品を損傷し得る軟水条件において、特に当てはまる。従って、そのような厳しい環境下においてさえ、表面腐食によるガラスの損傷は、ZCLMをADW洗剤組成物中で用いることによって、金属塩を用いることによる負の効果、例えば、(a)製造費用の増加、(b)不溶性物質の可溶性の不足による、処方中のより高い塩濃度の必要性、(c)金属イオン、例えば、Al3+イオン及びZn2+イオンと増粘剤物質との相互作用によるゲル洗剤組成物の希薄化、又は(d)全洗浄サイクルを通しての漂白剤の妨害により紅茶の染み(tea, stains)のクリーニング性能が低減することなしに、低減することができる。また驚くべきことに、TTW ADW洗剤組成物の製造プロセスに加える前に、又は製造プロセス中に、ZCLMが分散されるとき、ZCLMのガラスケア効果が著しく向上することが判明した。TTW ADW洗剤組成物中のZCLM粒子の良好な分散が達成されることが、洗浄溶液中のZCLM粒子のアグロメレーションを著しく低減させる。
【0013】
本明細書で記載されている方法では、いかなる好適なTTW AWD洗剤組成物もが、単独で、若しくは物質の組成物(例えば、洗浄溶液)との組み合わせで、並びに/又はPZCM及びZCLMのような有効量の特定の亜鉛含有物質を有するキットを含む処理システムの一部として使用されてもよい。本明細書における「有効量」は、本明細書に記載されている比較試験条件下で、洗浄を経て処理されたガラス製品上のガラス製品表面腐食による損傷を低減するのに十分である量を意味する。
【0014】
(粒子状亜鉛含有物質(PZCM))
粒子状亜鉛含有物質(PZCM)は、配合された組成物中でほとんど不溶性のままである。特定の非限定的実施形態で有用なPZCMの例には、以下を挙げることができる。
【0015】
無機物質:アルミン酸亜鉛、炭酸亜鉛、酸化亜鉛及び酸化亜鉛を含有する物質(すなわち、カラミン)、リン酸亜鉛(すなわち、オルトリン酸塩及びピロリン酸塩)、セレン化亜鉛、硫化亜鉛、ケイ酸亜鉛(すなわち、オルト−及びメタ−ケイ酸亜鉛)、ケイフッ化亜鉛、ホウ酸亜鉛、水酸化亜鉛及びヒドロキシ硫酸亜鉛(zinc hydroxide and hydroxy sulfate)、亜鉛含有層状物質、並びにこれらの組み合わせ。
【0016】
天然の亜鉛含有物質/鉱石及び鉱物:スファレライト(閃亜鉛鉱)、ウルツ鉱、菱亜鉛鉱、フランクリン鉄鉱、紅亜鉛鉱、ケイ酸亜鉛鉱、トルースタイト、異極鉱、及びこれらの組み合わせ。
【0017】
有機塩:脂肪酸亜鉛塩(すなわち、カプロエート、ラウレート、オレエート、ステアレートなど)、アルキルスルホン酸の亜鉛塩、ナフテン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、タンニン酸亜鉛、フィチン酸亜鉛、亜鉛モノグリセロレート(zinc monoglycerolate)、アラントイン酸亜鉛(zinc allantoinate)、尿酸亜鉛、アミノ酸亜鉛塩(すなわち、メチオネート(methionate)、フェニルアリネート(phenylalinate)、トリプトファネート(tryptophanate)、システイネート(cysteinate)など)、及びこれらの組み合わせ。
【0018】
高分子塩:ポリカルボン酸亜鉛(zinc polycarboxylate)(すなわち、ポリアクリレート)、ポリ硫酸亜鉛(zinc polysulfate)、及びこれらの組み合わせ。
【0019】
物理的に吸着された形態:亜鉛負荷イオン交換樹脂、粒子表面上に吸着された亜鉛、亜鉛塩が組み込まれた複合粒子(すなわちコア/シェル又は凝集体形態として)、及びこれらの組み合わせ。
【0020】
亜鉛塩:シュウ酸亜鉛、タンニン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、クエン酸亜鉛、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、オレイン酸亜鉛、リン酸亜鉛、ケイ酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、硫化亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛など、及びこれらの組み合わせ。
【0021】
酸化亜鉛の市販の供給元には、Z−コート(Cote)及びZ−コートHPI(BASF)、並びにUSP I及びUSP II(ジンク・コーポレーション・オブ・アメリカ(Zinc Corporation of America))が挙げられる。
【0022】
(PZCM粒子の物理的性質)
本明細書で記載されている方法において、TTW ADW洗剤組成物中でPZCMを使用することの多くの効果には、Zn2+イオンが可溶性にならずに化学的に利用可能であることが必要である。これは、「亜鉛反応活性度」と呼ばれる。PZCMの特定の物理的性質は、亜鉛反応活性度に影響を与える可能性を有する。発明者たちは、PZCM亜鉛反応活性度を最適化することに基づいて、より有効なTTW ADW洗剤組成物の製剤を開発した。
【0023】
亜鉛反応活性度に影響を与えることができるPZCMの幾つかの物理的性質には、結晶化度、表面積及び粒子のモルホロジー、並びにこれらの組み合わせを挙げることができるが、それらに限定されない。PZCMの亜鉛反応活性度に影響を与える可能性のあるPZCMの他の物理的性質には、容積密度、表面電荷、屈折率、純度、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【0024】
(結晶化度)
結晶構造のより少ないPZCMでは、相対亜鉛反応活性度がより高くなる可能性がある。粒子の結晶の欠陥又は結晶性の一体性を、X線回析(XRD)パターンの反射の半値全幅(FWHM)により測定することができる。理論に束縛されるものではないが、FWHM値が大きいほどPZCMにおいて結晶化度のレベルが低いことが想定される。亜鉛反応活性度は、結晶化度が減少すると増大すると思われる。いかなる好適なPZCM結晶化度も使用されてよい。例えば、好適な結晶化度値は、200(約13°2θ、6.9Å)反射ピークで、約0.01〜1.00、又は約0.1〜約1.00、又は約0.1〜約0.90、又は約0.20〜約0.90、あるいは約0.40〜約0.86FWHM単位の範囲で変わってもよい。
【0025】
(粒径)
TTW ADW洗剤組成物中のPZCM粒子は、いかなる適切な平均粒径を有してもよい。特定の非限定的実施形態において、より小さい粒径が相対亜鉛反応活性度(%)の増大に正比例することが判明している。適切な平均粒径には、約10nm〜約100μm、又は約10nm〜約50μm、又は約10nm〜約30μm、又は約10nm〜約20μm、又は約10nm〜約10μm、あるいは約100nm〜約10μmの範囲が挙げられるが、それらに限定されない。別の非限定的実施形態において、PZCMは、約15μm未満、又は約10μm未満、あるいは約5μm未満の平均粒径を有してもよい。
【0026】
(粒径分布)
いかなる好適なPZCM粒径分布を使用してもよい。好適なPZCM粒径分布には、約1nm〜約150μm、又は約1nm〜約100μm、又は約1nm〜約50μm、又は約1nm〜約30μm、又は約1nm〜約20μm、又は1nm〜約10μm、又は約1nm〜約1μm、又は1nm〜約500nm、又は約1nm〜約100nm、又は約1nm〜約50nm、又は約1nm〜約30nm、又は約1nm〜約20nm、あるいは約1nm以下〜約10nmの範囲が挙げられるが、それらに限定されない。
【0027】
(亜鉛含有層状物質(ZCLM))
上記で既に定義されているように、ZCLMは、PZCMのサブクラスである。層状構造は、主に二次元で起こっている結晶の成長を有するものである。層構造を、全ての原子が明確に画定された層に組み込まれるものとしてだけではなく、ギャラリーイオン(gallery ion)と呼ばれる、層の間にイオン又は分子があるものとして記載することが慣例的である(A.F.ウェルズ(A.F.Wells)の「構造無機化学(Structural Inorganic Chemistry)」、クラレンドン出版(Clarendon Press)、1975年)。例えば、ZCLMは、層に組み込まれている及び/又はギャラリーイオンのより不安定な構成成分として、Zn2+イオンを有してもよい。
【0028】
多くのZCLMは、鉱物として天然に生じる。一般例には、水亜鉛鉱(炭酸水酸化亜鉛)、塩基性炭酸亜鉛、水亜鉛銅鉱(炭酸水酸化銅亜鉛)、亜鉛孔雀石(炭酸水酸化亜鉛銅)、及び亜鉛を含有する多くの関連する鉱物が挙げられる。天然のZCLMもまた生じることができ、そこでは、粘土型鉱物(例えばフィロケイ酸塩)のようなアニオン性層の種は、イオン交換した亜鉛ギャラリーイオンを含有する。他の好適なZCLMには、水酸化酢酸亜鉛、水酸化塩化亜鉛、水酸化ラウリル硫酸亜鉛、水酸化硝酸亜鉛、水酸化硫酸亜鉛、ヒドロキシ複塩、及びこれらの混合物が挙げられる。天然ZCLMは、また、合成的に得ることができるか、又は組成物中にその場で若しくは製造プロセス中に形成できる。
【0029】
ヒドロキシ複塩は、以下の一般式により表されることができ、
[M2+1-x2+1+x(OH)3(1-y)+n-(1=3y)/n・nH2
式中、2つの金属イオンは異なっていてもよく、もし同じであり、亜鉛で表される場合には、式は、[Zn1+x(OH)22x+2xA-・nH2Oに簡素化される(H.モリオカ(Morioka)、H.タガヤ(Tagaya)、M.カラス(Karasu)、J.カドカワ(Kadokawa)、K.チバ(Chiba)、無機化学(Inorg.Chem.)1999年、38、4211〜6を参照すること)。この後者の式(式中、x=0.4)は、ヒドロキシ塩化亜鉛(zinc hydroxychloride)及びヒドロキシ硝酸亜鉛(zinc hydroxynitrate)のような一般物質を表す。二価のアニオンが一価のアニオンを置き換えるとき、これらは水亜鉛鉱にも関連する。
【0030】
炭酸亜鉛の市販の供給元には、炭酸亜鉛塩基(zinc carbonate basic)(ケイター・ケミカルズ(Cater Chemicals):米国イリノイ州ベンセンビル(Bensenville))、炭酸亜鉛(シェパード・ケミカルズ(Shepherd Chemicals):米国オハイオ州ノーウッド(Norwood))、炭酸亜鉛(CPSユニオン社(CPS Union Corp.):米国ニューヨーク州ニューヨーク)、炭酸亜鉛(エレメンティス・ピグメンツ(Elementis Pigments):英国ダラム(Durham))、及び炭酸亜鉛AC(zinc carbonate AC)(ブリュッグマン・ケミカル(Bruggemann Chemical):米国ペンシルベニア州ニュータウンスクエア(Newtown Square))が挙げられる。
【0031】
上記の種類のZCLMは、一般カテゴリーの比較的に一般的な例を表し、この定義に合う物質のより広い範囲に関する限定を意図するものではない。
いかなる好適な量のいかなる好適なZCLMもが、本明細書に記載される方法で使用されてよい。ZCLMの好適な量には、前記組成物の約0.001重量%〜約20重量%、又は約0.001重量%〜約10重量%、又は約0.01重量%〜約7重量%、あるいは約0.1重量%〜約5重量%の範囲が挙げられるが、それらに限定されない。
【0032】
(ZCLMガラス網状組織強化機構)
シリカガラスが、角共有Si−O四面体を欠いている対称性及び周期性の連続三次元(3D)網状組織であることは、よく知られている(W.H.ザカリアセン(Zachariasen)、米国化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)54、3841、1932年を参照すること)。Si4+イオンは、網状組織形成イオンである。各四面体の頂点において、2つの四面体の間で共有されているものは、架橋酸素として知られている酸素原子である。
【0033】
耐化学性、熱安定性及び耐久性のようなガラス表面の機械的特性は、ガラス製品の表面構造自体に左右され得る。理論に束縛されることを望まないが、幾つかの網状組織形成位置が、亜鉛化合物又はZn2+イオンにより占められているとき、ガラス製品表面構造の機械的特性が向上すると考えられる(G.カラス(Calas)ら、C.R.化学(C.R.Chimie)5 2002、831〜843を参照すること)。
【0034】
図1は、結晶の成長が主に二次元で起こっている亜鉛含有層状構造を示す。Zn2+イオンは層に、及び/又はギャラリーイオンのより不安定な構成成分として組み込まれる。例えば、合成炭酸水酸化亜鉛(ZCH)又は天然水亜鉛鉱(HZ)のようなZCLMは、以下の式:
3Zn(OH)2.2ZnCO3又はZn5(OH)6(CO32
を有してもよく、また図1で示されるように、幾つかの八面体の空間をもつZn2+イオン形成水滑石型水酸化物層から成る。幾つかのZn2+イオンは、水酸化物層の外側に四面体(Td)配位で空間部位の真上及び真下に位置する。層間アニオンはTd Zn2+イオンに弱く結合して、Td配位を完成する。洗浄溶液において、不安定なTd Zn2+イオンを有するADW洗剤組成物は、典型的なアルカリ性pHにおいて安定している。
【0035】
ZCLMが洗浄水に存在する場合、水滑石型水酸化物層のカチオン性電荷は、負荷電されたガラス表面と相互作用する推進力である。これは亜鉛化合物又はZn2+イオンのガラス表面への効率的な付着をもたらし、その結果、効果をもたらすのに極めて低いレベルのZCLMしか必要とされない。水滑石型水酸化物層がガラスと接触するように置かれるとすぐに、亜鉛化合物又はZn2+イオンは、ガラスに容易に付着し、ADW製品で通常起こる金属イオン浸出及びシリカ加水分解により作り出される空間を充填することができる。従って、ガラス網状組織形成剤として導入される新たな亜鉛化合物又はZn2+イオンは、ガラスを強化し、更なる洗浄の際にガラスの腐食を防ぐ。
【0036】
(TTW ADW洗剤組成物及び物質の組成物)
本明細書に記載されている方法は、洗浄サイクルの少なくとも幾らかの部分の間にTTW ADW洗剤組成物により処理されたとき、ガラス製品の表面に少なくとも幾らかのガラス製品表面腐食保護を提供する。
【0037】
1つの非限定的実施形態では、TTW ADW洗剤組成物は、ZCLMがガラス製品の表面に接触するように置かれたとき、亜鉛化合物又はZn2+イオンのある量が、ガラス製品表面の欠陥若しくは空隙上及び/又はその内部に付着するような、有効量のZCLMを含む。例えば、処理されたガラス製品の表面は、処理されたガラス製品表面の上方及び/又は下方に約1nm〜約1μmまで、又は1nm〜約500nm、又は約1nm〜約100nm、又は約1nm〜約50nm、又は約1nm〜約20nm、あるいは約1nm〜約10nmで存在する、亜鉛化合物又はZn2+イオンを有してもよい。
【0038】
別の非限定的実施形態では、物質の組成物は、自動食器洗い機において洗浄サイクルの少なくとも一部分の間に洗浄溶液を含み、洗浄溶液は、有効量のZCLMを含むTTW ADW洗剤組成物を含み、その際、約0.0001ppm〜約100ppm、又は約0.001ppm〜約50ppm、又は約0.01ppm〜約30ppm、あるいは約0.1ppm〜約10ppmのZCLMが洗浄溶液に存在してもよい。
【0039】
ZCLMを含有する水性TTW ADW洗剤組成物のいかなる好適なpHが本明細書で記載されている方法で使用されてもよい。特定の実施形態において、好適なpHは、約6.5〜約14の範囲内のどこでもよい。例えば、TTW ADW洗剤組成物の特定の実施形態は、約6.5以上、又は約7以上、又は約9以上、あるいは約10.0以上のpHを有する。
【0040】
(すすぎサイクル腐食保護)
酸性ADW環境もガラス製品の表面に対して典型的には過酷である。ガラス製品の表面腐食は、酸性環境で素早く起こる複雑なプロセスである。しかし一般に、より低いpHを有するすすぎ補助剤組成物ほど、より高いガラス製品表面初期腐食率を示す。驚いたことに、約5未満のpHで、少なくとも幾らかのキレート化剤を使用することなく、水溶性金属塩を(酸、非イオン性界面活性剤、分散性ポリマー類、香料及び/又は補助剤成分のような特定の構成成分を伴って)含むすすぎ補助剤組成物は、改善されたガラス製品の表面腐食保護を提供し、同時にガラス製品上に不溶性物質の好ましくない沈殿がない、改善されたガラス製品被膜形成防止効果を有する、より良好な香りをもつ製品を放出する。
【0041】
自動食器洗い機においてガラス製品を処理するいかなる好適な方法もが使用されてよい。好適な方法は、すすぎサイクルの少なくとも一部分の間に、ガラス製品の表面を、単独の、又は物質の組成物並びに/若しくは有効量の金属塩、金属酸化物、亜鉛塩、水溶性亜鉛塩及びこれらの混合物を有する処理システムと組み合わされた好適な任意のすすぎ補助剤組成物と接触させる工程を含む。本明細書における「有効量」は、どのような比較試験条件が用いられても、処理されたガラス製品上のすすぎ全体にわたるガラス製品表面腐食による損傷を低減するのに十分である量を意味する。
【0042】
水溶性金属塩を、有機又は無機のいずれかの酸と配合することにより、ガラス製品表面上の望ましくない沈殿が低減する。液体すすぎ補助剤組成物において、酸は、水溶性金属塩をすすぎ補助剤中で完全に溶解させることができ、それによりすすぎサイクルの間、ガラス製品の表面上での沈殿物形成の可能性を低減する。
【0043】
液体すすぎ補助剤組成物の場合、酸をすすぎ補助剤組成物に加えることは、水溶性金属塩が、組成物中で少なくとも部分的に溶解すること、あるいは完全に溶解することを可能にする。酸は、また、すすぎサイクルの間、硬質表面上の沈殿を少なくとも部分的に低減することに役立つ。酸は、また、使用前の製品中で液体すすぎ補助剤組成物を沈殿に対して安定化するために必要である可能性がある。固体すすぎ補助剤組成物の場合、酸をすすぎ補助剤組成物に加えることは、水溶性金属塩が、ひとたび放出されると、自動食器洗い機の洗浄及び/又はすすぎ溶液で、素早く、少なくとも部分的に溶解すること、あるいは完全に溶解することを可能にし、そのため、不溶性物質が形成すること、並びに/又は、皿類、グラス類、食器類のような硬質表面上に及び/若しくは自動食器洗い機自体の内部構成要素に付着することを防止することが可能になる。
【0044】
酸が固体すすぎ補助剤組成物に添加されると、水溶性金属塩は、ひとたびすすぎ溶液に放出されると素早く溶解する。酸の存在下での水溶性金属塩の添加も、ガラス製品の被膜形成防止性能を著しく改善する。驚くべきことに、この金属塩/酸混合物への分散性ポリマーの添加は、ガラス製品の被膜形成防止性能を更に改善する。すすぎ補助剤組成物への香料の添加は、自動食器洗い機の作動前、並びに作動中に、消費者用すすぎ補助剤製品の香り特性を改善する。
【0045】
固体水溶性金属塩は、粉末、結晶、コア粒子、コア粒子の凝集体、プリル、粒塊、及びこれらの混合物の形態であってもよい。これらの固体形態は、処理中、及び消費者によって使用されるときに、取り扱いの目的で非破砕性であってもよい。水溶性金属塩は、すすぎ補助剤組成物中で原材料として直接使用できるか、又は添加化合物として提供されることができ、これはすすぎ補助剤組成物を形成する他の構成成分と共に添加されてもよい。
【0046】
(水溶性金属塩)
本明細書で記載されている方法は、いかなる好適な水溶性金属塩をいかなる好適な量又は形態で含んでもよい。すすぎ補助剤組成物は、いかなる好適な量の水溶性金属塩を、すすぎサイクルの少なくとも一部分の間に、少なくとも幾らかのすすぎ溶液に放出してもよい。例えば、すすぎ補助剤組成物は、すすぎサイクルの少なくとも一部分の間に、約0.01mM〜約10mM、又は約0.02mM〜約5mM、又は約0.05mM〜約1mM、あるいは約0.05mM〜約0.5mMの水溶性金属塩をすすぎ溶液に放出してもよい。あるいは、すすぎ補助剤組成物は、すすぎサイクルの少なくとも一部分の間に、前記組成物の約0.1重量%〜約20重量%、又は約0.2重量%〜約15重量%、又は約0.5重量%〜約10重量%、あるいは約1重量%〜約5重量%をすすぎ溶液に放出してもよい。本方法の別の非限定的実施形態は、自動食器洗い機のすすぎサイクルの少なくとも一部分の間に、ガラス製品の表面を、有効量の水溶性金属塩を含むすすぎ補助剤組成物を含むすすぎ溶液を含む物質の組成物と接触させることを対象とし、その際、約0.0001ppm〜約100ppm、又は約0.001ppm〜約50ppm、又は約0.01ppm〜約30ppm、あるいは約0.1ppm〜約20ppmの水溶性金属塩がすすぎ溶液に存在してもよい。
【0047】
水溶性金属塩は、例えば、前記組成物の約0.01重量%〜約70重量%、又は約0.1重量%〜約50重量%、又は約0.5重量%〜約30重量%、あるいは約1重量%〜約10重量%の量ですすぎ補助剤組成物に存在してもよい。本明細書で記載されている方法では、すすぎ補助剤組成物は、自動食器洗い機のすすぎサイクルの少なくとも一部分の間に、前記組成物の約0.1重量%〜約20重量%の、Zn2+イオン、Al3+イオン、Mg2+イオン、Ca2+イオン、他のいかなる好適な金属イオン及びこれらの混合物から成る群から選択される金属イオンをすすぎ溶液の少なくとも一部に放出してもよい。本方法の1つの非限定的実施形態は、ガラス製品の表面を、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ランタン、スズ、ガリウム、ストロンチウム、チタン及びこれらの混合物から成る群から選択される有効量の水溶性塩を含むすすぎ補助剤組成物と接触させることを対象とする。
【0048】
(亜鉛塩)
本明細書で記載されている方法において、亜鉛のいかなる好適な水溶性塩がいかなる好適な量ですすぎ補助剤組成物に使用されてもよい。好適な水溶性亜鉛塩には、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、臭化亜鉛、塩化亜鉛、ギ酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、乳酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、リンゴ酸亜鉛、硝酸亜鉛、過ホウ酸亜鉛、硫酸亜鉛、スルファミン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0049】
水溶性亜鉛塩は、また、酸化亜鉛及び酸をすすぎ補助剤製剤中で反応させることにより、その場で形成できる。混合の後で組成物中に亜鉛塩の沈殿を生じない有機又は無機のいかなる酸も使用できる。すすぎ補助剤組成物は、酸化亜鉛を酸と混合してその場で調製された水溶性亜鉛塩を含んでもよい。例えば、液体すすぎ補助剤組成物の処方において、構成成分は、全ての粉末が溶解して清澄な溶液を得るまで混合される。その場での中和プロセスの後、液体すすぎ補助剤組成物を配合するため、他の成分を液体混合物に添加することができる。別の例では、結合剤又は固体界面活性剤(例えば、25℃で固体)が、固体すすぎ補助剤組成物を配合するために使用されてもよい。
【0050】
(アルミニウム塩)
本明細書で記載されている方法において、アルミニウムのいかなる好適な水溶性塩がいかなる好適な量ですすぎ補助剤組成物に使用されてもよい。好適な水溶性アルミニウム塩には、酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、塩素酸アルミニウム、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロハイドレート、二ギ酸アルミニウム、ホルム酢酸アルミニウム(formoacetate)、モノステアリン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、硫酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、酒石酸アルミニウム、三ギ酸アルミニウム(aluminum triformate)、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0051】
(マグネシウム塩)
本明細書で記載されている方法において、マグネシウムのいかなる好適な水溶性塩がいかなる好適な量ですすぎ補助剤組成物に使用されてもよい。水溶性マグネシウム塩には、酢酸マグネシウム、アセチルアセトン酸マグネシウム、リン酸マグネシウムアンモニウム、安息香酸マグネシウム、バイオリン酸マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸クエン酸マグネシウム、臭素酸マグネシウム、臭化マグネシウム、塩化カルシウムマグネシウム、塩素酸マグネシウム、塩化マグネシウム、クエン酸マグネシウム、重クロム酸マグネシウム、フッ化ケイ素酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、グリセロリン酸マグネシウム、硫酸ラウリルマグネシウム、硝酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、過マンガン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、スズ酸マグネシウム、スズ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0052】
(カルシウム塩)
本明細書で記載されている方法において、カルシウムのいかなる好適な水溶性塩がいかなる好適な量ですすぎ補助剤組成物に使用されてもよい。水溶性カルシウム塩には、酢酸カルシウム、アセチルサリチル酸カルシウム、アクリル酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、ホウ酸カルシウム、臭素酸カルシウム、臭化カルシウム、塩素酸カルシウム、塩化カルシウム、シクラミン酸カルシウム、デヒドロ酢酸カルシウム、重クロム酸カルシウム、エデト酸二ナトリウムカルシウム、エチルヘキソ酸カルシウム、ギ酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、ヨウ素酸カルシウム、亜硝酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、過ホウ酸カルシウム、過塩素酸カルシウム、過マンガン酸カルシウム、プロピオン酸カルシウム、カルシウムターテート(calcium tartate)、及びチオシン酸カルシウム、並びにこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0053】
(他の水溶性金属塩)
本明細書で記載されている方法において、ランタン、スズ、ガリウム、ストロンチウム、チタン及びこれらの組み合わせから成る群から選択される他のいかなる好適な水溶性金属塩も、上記で開示されたものと同じ方法及び量で、すすぎ補助剤組成物中で使用されてもよく、及び/又は自動食器洗い機においてすすぎ溶液に放出されてもよい。
【0054】
(全サイクル構成成分)
いかなる好適な洗剤活性物質がいかなる好適な形態又は量で使用されてもよい。好適な洗剤活性物質は、スルーザウォッシュ洗剤組成物及び/又はすすぎ補助剤組成物で使用されてもよい。好適な洗剤活性物質には、界面活性剤、界面活性剤系、酸、泡抑制剤、ビルダー類、ビルダー系、酵素、漂白剤、漂白系、分散性ポリマー類、担体媒質、ヒドロトロープ類、香料、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0055】
(界面活性剤)
いかなる好適な界面活性剤がいかなる好適な量又は形態で使用されてもよい。本明細書で記載されている方法は、1つ以上の好適な界面活性剤を、任意で、界面活性剤系で、いかなる好適な量及び形態で使用してもよい。好適な界面活性剤には、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤(amphoteric surfactant)、両性界面活性剤(ampholytic surfactant)、双極性界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。例えば、混合界面活性剤系は、1つ以上の異なる種類の上記で記載される界面活性剤を含んでもよい。
【0056】
本明細書に用いるのに好適なアニオン性界面活性剤には、アルキルサルフェート類、アルキルエーテルサルフェート類、アルキルベンゼンスルホネート類、アルキルグリセリルスルホネート類、アルキル及びアルケニルスルホネート類、アルキルエトキシカルボキシレート類、N−アシルサルコシネート類、N−アシルタウレート類、並びにアルキルサクシネート類及びスルホサクシネート類であり、ここで、アルキル、アルケニル又はアシル部分は、C5〜C20又はC10〜C18の直鎖又は分枝鎖であるものが挙げられるが、それらに限定されない。好適なカチオン性界面活性剤には、塩素エステル類、及びモノC6〜C16N−アルキル又はアルケニルアンモニウム界面活性剤であり、ここで、残りのN位置は、メチル、ヒドロキシエチル又はヒドロキシプロピル基で置換されているものが挙げられるが、それらに限定されない。好適な非イオン性界面活性剤には、低及び高曇点界面活性剤、並びにこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。好適な両性界面活性剤(amphoteric surfactants)には、C12〜C20アルキルアミンオキシド類(例えば、ラウリルジメチルアミンオキシド及びヘキサデシルジメチルアミンオキシド)、並びにミラノール(MIRANOL)(登録商標)C2Mのようなアルキルアンホカルボン酸(alkyl amphocarboxylic)界面活性剤が挙げられるが、それらに限定されない。好適な双極性界面活性剤には、ベタイン類及びスルタイン類、並びにこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。使用に適した界面活性剤は、例えば、米国特許第3,929,678号、同第4,223,163号、同第4,228,042号、同第4,239,660号、同第4,259,217号、同第4,260,529号及び同第6,326,341号、欧州特許0,414,549、欧州特許0,200,263、PCT国際公開特許WO93/08876及びPCT国際公開特許WO93/08874で開示されている。
【0057】
また好適な非イオン性界面活性剤には、低起泡性非イオン性(LFNI)界面活性剤が挙げられるが、それに限定されない。LFNI界面活性剤は、(特にガラス製品の)水被覆作用(water-sheeting action)を改善する能力のために、最も典型的に製品で使用される。これらは、また、非シリコーン、リン酸塩又は非リン酸塩高分子物質を包含してもよく、これらは自動食器洗いで遭遇する食物の汚れから泡を取り除くことが知られている。LFNI界面活性剤は、相対的に低い曇点及び高い親水性−親油性バランス(HLB)を有してもよい。水中の1%溶液の曇点は、全範囲の水温にわたる起泡の最適な抑制のために、典型的には約32℃未満であり、あるいはより低く、例えば0℃である。所望であれば、上記の特性を有する生分解性LFNI界面活性剤が使用されてもよい。
【0058】
LFNI界面活性剤には、アルコキシル化界面活性剤、特に一級アルコール類から誘導されるエトキシレート類、及びこれらとポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンリバースブロックポリマー類のようなより高級な界面活性剤とのブレンドを挙げることができるが、それらに限定されない。要件を満たす好適なブロックポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリマー化合物には、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン及びエチレンジアミン、並びにこれらの混合物に基づくものを挙げることができる。C12~18脂肪族アルコールのような、単一の反応性水素原子を有する反応開始剤化合物の連続的エトキシル化及びプロポキシル化により製造されるポリマー化合物は、一般に、満足のいく泡抑制をもたらさない。しかし、BASF−ワイアンドット社(Wyandotte Corp.)(ミシガン州ワイアンドット(Wyandotte))によりプルロニック(PLURONIC)(登録商標)及びテトロニック(TETRONIC)(登録商標)と表される特定のブロックポリマー界面活性剤化合物は、泡抑制に適している。
【0059】
LFNI界面活性剤は、任意で、プロピレンオキシドを約15重量%までの量で含むことができる。他のLFNI界面活性剤は、米国特許第4,223,163号で記載されている方法により調製できる。LFNI界面活性剤は、また、アルコール1モル当たり平均約6〜約15モル、又は約7〜約12モル、あるいは約7〜約9モルのエチレンオキシドと縮合された、約16〜約20個の炭素原子を含有する直鎖脂肪族アルコール(C16〜C20アルコール)、あるいはC18アルコールから誘導されてもよい。そのように誘導されたエトキシル化非イオン性界面活性剤は、平均と比べると狭いエトキシレート分布を有する可能性がある。
【0060】
特定の実施形態において、30℃未満の曇点を有するLFNI界面活性剤は、前記組成物の約0.01重量%〜約60重量%、又は約0.5重量%〜約10重量%、あるいは約1重量%〜約5重量%の量で存在してもよい。
【0061】
(酸)
いかなる好適な有機及び/又は無機酸がいかなる好適な量又は形態で使用されてもよい。好適な酸には、酢酸、アスパラギン酸、安息香酸、ホウ酸、臭素酸、クエン酸、ギ酸、グルコン酸、グルタミン酸、塩酸、乳酸、リンゴ酸、硝酸、スルファミン酸、硫酸、酒石酸、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0062】
水溶性金属塩のその場での調製に使用される酸は、非沈殿性酸でなければならない。特定の酸は、すすぎ補助剤組成物及び/若しくは製品自体、又はすすぎサイクル中の自動食器洗い機のすすぎ溶液中に、水溶性金属塩の沈殿を生じない。例えば、硝酸、塩酸、及びこれらの混合物が、典型的な非沈殿性酸である。反対に、リン酸、クエン酸、及びこれらの混合物のような他の酸は沈殿性酸であり、これらは、すすぎ補助剤組成物及び/又は製品自体に不溶性金属塩の沈殿を生じる可能性がある。これらの沈殿性酸は、その場での水溶性金属塩調製プロセス自体では使用できない。しかし、低濃度の沈殿性酸が、その場での水溶性金属塩調製プロセスが完了した後で添加されてもよい。
【0063】
その場での水溶性金属塩調製プロセスに必要な酸の量は、例えば、以下の式を使用して化学量論的(stoichimetrically)に決定されてもよく、
2HxA + XZnO→XZnA2/x + XH2
式中、Aは、有機及び/又は無機酸であり、xは、1〜2に変わる整数である。
【0064】
好適な酸は、典型的には、前記組成物の約0.01重量%〜約25重量%、又は約0.5重量%〜約20重量%、あるいは約1重量%〜約10重量%の範囲で、すすぎ補助剤組成物に存在する。その場での水溶性金属塩調製プロセスで使用される酸は、酢酸、ギ酸、グルコン酸、グルタミン酸、塩酸、リンゴ酸、硝酸、硫酸及びこれらの混合物から成る群から選択されてもよく、混合物の重量により使用されてよい。本方法の1つの非限定的実施形態は、ガラス製品の表面を、組成物全体の約0.01重量%〜約25重量%の量のその場で形成される酸を含むすすぎ補助剤組成物と接触させることを対象とする。
【0065】
(泡抑制剤)
いかなる好適な泡抑制剤がいかなる好適な量又は形態で使用されてもよい。使用に適した泡抑制剤は、低起泡性であってもよく、低曇点非イオン性界面活性剤(上記で記載されている)、及び高級起泡界面活性剤とその中で泡抑制剤として作用する低曇点非イオン性界面活性剤との混合物を挙げることができる(PCT国際公開特許WO93/08876、欧州特許0,705,324、米国特許第6,593,287号、同第6,326,341号、同第5,576,281号を参照すること)。特定の実施形態において、1つ以上の泡抑制剤は、組成物の約0重量%〜約30重量%、又は約0.2重量%〜約30重量%、又は約0.5重量%〜約10重量%、あるいは約1重量%〜約5重量%の量で存在してもよい。
【0066】
(ビルダー系)
いかなる好適なビルダーをいかなる好適な量又は形態で含むいかなる好適なビルダー系が使用されてもよい。いかなる従来のビルダーも本明細書での使用に好適である。例えば、好適なビルダー類には、クエン酸塩、リン酸塩(例えば、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウムとトリポリリンカリウムとの混合、ピロリン酸ナトリウム若しくはピロリン酸カリウム又はピロリン酸ナトリウムとピロリン酸カリウムとの混合)、アルミノケイ酸塩物質、ケイ酸塩、ポリカルボン酸塩及び脂肪酸、エチレンジアミン四酢酸のような物質、アミノポリホスホネート類のような金属イオン封鎖剤、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、並びにジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸が挙げられるが、それらに限定されない。
【0067】
他の好適なビルダー類の例は以下の特許及び出版物で開示されている:米国特許第3,128,287号、同第3,159,581号、同第3,213,030号、同第3,308,067号、同第3,400,148号、同第3,422,021号、同第3,422,137号、同第3,635,830号、同第3,835,163号、同第3,923,679号、同第3,985,669号、同第4,102,903号、同第4,120,874号、同第4,144,226号、同第4,158,635号、同第4,566,984号、同4,605,509号、同4,663,071号、及び同4,663,071号、ドイツ特許出願2,321,001(1973年11月15日公開)、欧州特許0,200,263、カーク・オスマー(Kirk Othmer)、第3版、17巻、426頁〜472頁並びにコットン(Cotton)及びウィルキンソン(Wilkinson)による「先端無機化学(Advanced Inorganic Chemistry)」、394頁〜400頁(ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社(John Wiley and Sons,Inc.)、1972年)。
【0068】
(酵素)
いかなる好適な酵素及び/又は酵素安定化系がいかなる好適な量又は形態で使用されてもよい。使用に適した酵素には、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、ペルオキシダーゼ、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。改善された漂白剤適合性を有するアミラーゼ及び/又はプロテアーゼが市販されている。実際の問題として、TTW ADW洗剤組成物は、組成物1g当たりの重量で約5mgまで、より典型的には約0.01mg〜約3mgの量の活性酵素を含んでもよい。プロテアーゼ酵素は、通常、組成物1g当たり0.005〜0.1アンソン単位(AU)の活性を提供するのに十分な濃度で、又は市販の酵素製剤の0.01重量%〜1重量%の濃度で、このような市販製剤中に存在する。
【0069】
自動食器洗いのために、放出される非触媒的活性物質の総量を削減し、それにより染み付き防止/被膜形成防止の結果を改善するため、活性酵素の含有量を増加することが望ましい可能性がある。特定の実施形態において、酵素含有TTW ADW洗剤組成物、特に、液体、液体ゲル及びゲル組成物は、約0.0001重量%〜約10重量%、又は約0.005重量%〜約8重量%、又は約0.01重量%〜約6重量%の酵素安定化系を含んでもよい。酵素安定化系は、洗浄性酵素と適合性のあるいかなる安定化系であることもできる。そのような安定化系は、カルシウムイオン、ホウ酸、プロピレングリコール、短鎖カルボン酸、ボロン酸、及びこれらの混合物を挙げることができるが、それらに限定されない。
【0070】
(漂白系)
いかなる好適な漂白剤がいかなる好適な量又は形態で使用されてもよい。使用に適した漂白剤には、塩素及び酸素漂白剤が挙げられるが、それらに限定されない。特定の実施形態において、漂白剤又は系は、組成物の約0重量%〜約30重量%、又は約1重量%〜約15重量%、又は約1重量%〜約10重量%、あるいは約2重量%〜約6重量%の量で存在してもよい。
【0071】
好適な漂白剤には、無機塩素(例えば、塩素化リン酸三ナトリウム)、有機塩素漂白剤(例えば、クロロシアヌレート類、水溶性ジクロロシアヌレート類、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム二水和物又はジクロロイソシアヌル酸カリウム二水和物、次亜塩素酸ナトリウム及び他のアルカリ金属次亜塩素酸塩類)、無機過水和物塩(例えば、過ホウ酸ナトリウム一水和物及び四水和物、並びに硫酸塩/炭酸塩コーティングについて英国特許1,466,799で開示されているように、制御された速度の放出をもたらすために任意でコーティングされていてもよい過炭酸ナトリウム)、予備成形有機ペルオキシ酸、並びにこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0072】
過酸素(Peroxygen)漂白化合物は、過ホウ酸ナトリウム一水和物、過ホウ酸ナトリウム四水和物、ピロリン酸ナトリウムペルオキシ水和物(sodium pyrophosphate peroxyhydrate)、尿素ペルオキシ水和物、過炭酸ナトリウム、過酸化ナトリウム及びこれらの混合物を含むいかなる過酸化物供給源でもあることができる。他の非限定的実施形態において、過酸素漂白化合物は、過ホウ酸ナトリウム一水和物、過ホウ酸ナトリウム四水和物、過炭酸ナトリウム、及びこれらの混合物を含んでもよい。
【0073】
漂白系は、また、遷移金属含有漂白剤触媒、漂白活性化剤、及びこれらの混合物を含んでもよい。使用に適した漂白剤触媒には、0重量%〜約10.0重量%、あるいは約0.0001重量%〜約1.0重量%の濃度での、マンガントリアザシクロノナン及び関連する錯体(米国特許第4,246,612号、米国特許第5,227,084号を参照すること)、Co、Cu、Mn及びFeビスピリジルアミン並びに関連する錯体(米国特許第5,114,611号を参照すること)、並びにペンタミンアセテートコバルト(III)及び関連する錯体(米国特許第4,810,410号を参照すること)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0074】
使用に適した典型的な漂白活性化剤には、0重量%〜約10重量%、又は0.1重量%〜1.0重量%の濃度での、ペルオキシ酸漂白剤前駆体、過安息香酸及び置換過安息香酸の前駆体、カチオン性ペルオキシ酸前駆体、TAED、アセトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム及びペンタアセチルグルコースのような過酢酸前駆体、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(イソ−NOBS)及びノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(NOBS)のような過ノナン酸前駆体、アミド置換されたアルキルペルオキシ酸前駆体(欧州特許0170386)、並びにベンゾオキサジンペルオキシ酸前駆体(欧州特許0,332,294及び欧州特許0,482,807)が挙げられるが、それらに限定されない。
【0075】
その他の漂白活性化剤は、置換ベンゾイルカプロラクタム漂白活性化剤、並びに漂白系及び洗剤におけるそれらの使用を含む。置換ベンゾイルカプロラクタムは以下の式を有し、
【0076】
【化1】

【0077】
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は、1〜12個の炭素原子又は1〜6個の炭素原子を含有し、H、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルコキシアリール、アルカリール、アルカリールオキシ及び以下の構造を有するメンバーから成る群から選択されるメンバーであり、
【0078】
【化2】

【0079】
式中、R6は、H、アルキル、アルカリール、アルコキシ、アルコキシアリール、アルカリールオキシ及びアミノアルキルから成る群から選択され、Xは、O、NH又はNR7であり、式中、R7は、H又はC1〜C4アルキル基であり、R8は、アルキル、シクロアルキル又は3〜11個の炭素原子を含有するアリール基であるが、但し、少なくとも1つのR置換基は、Hではない。R1、R2、R3及びR4はHであり、R5は、メチル、メトキシ、エチル、エトキシ、プロピル、プロポキシ、イソプロピル、イソプロポキシ、ブチル、第三級ブチル、ブトキシ、第三級ブトキシ、ペンチル、ペントキシ、ヘキシル、ヘキソキシ、Cl及びNO3から成る群から選択されてもよい。あるいは、R1、R2、R3はHであり、R4及びR5は、メチル、メトキシ及びClから成る群から選択されてもよい。
【0080】
(分散性ポリマー)
いかなる好適な分散性ポリマーがいかなる好適な量で使用されてもよい。重合して適切な分散性ポリマー類(例えば、ホモポリマー類、コポリマー類、又はターポリマー類)を形成できる不飽和モノマー酸には、アクリル酸、マレイン酸(又は無水マレイン酸)、フマル酸、イタコン酸、アコニット酸、メサコン酸、シトラコン酸、及びメチレンマロン酸が挙げられる。メチルビニルエーテル、スチレン、エチレンなどのようなカルボキシレートラジカル類を含有しないモノマーセグメントの存在は、このようなセグメントが分散性ポリマーの約50重量%を超えて構成しないという条件下で好適である可能性がある。好適な分散性ポリマー類には、米国特許3,308,067号、同第3,308,067号及び同第4,379,080号で開示されているものが挙げられるが、それらに限定されない。
【0081】
実質的に中和されていない形態のポリマーもまたTTW ADW洗剤組成物に使用されてもよい。ポリマーの分子量は、例えば約1,000〜約500,000、あるいは約1,000〜約250,000の広範囲で変わることができる。約3,000〜約100,000、又は約4,000〜約20,000の分子量及び分散性ポリマーの約50重量%未満、あるいは約20重量%未満のアクリルアミド含有量を有するアクリルアミドとアクリレートとのコポリマーも使用できる。分散性ポリマーは、約4,000〜約20,000の分子量及びポリマーの約0重量%〜約15重量%のアクリルアミド含有量を有してもよい。好適な変性ポリアクリレートコポリマー類には、米国特許第4,530,766号及び同第5,084,535号、並びに欧州特許0,066,915で開示されている不飽和脂肪族カルボン酸の低分子量コポリマー類が挙げられるが、それらに限定されない。
【0082】
好適な他の分散性ポリマー類には、約950〜約30,000の分子量を有するポリエチレングリコール類及びポリプロピレングリコール類が挙げられ、これらは、ミシガン州ミッドランドのダウ・ケミカル社(Dow Chemical Company)から入手できる。例えば、約30℃〜約100℃の範囲内で融点を有するそのような化合物は、1450、3400、4500、6000、7400、9500及び20,000の分子量で得ることができる。そのような化合物は、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドと必要モル数のエチレングリコール又はプロピレングリコールとの重合によって形成され、それぞれ及びポリプロピレングリコールの所望の分子量及び融点を提供する。ポリエチレン、ポリプロピレン及び混合グリコールは、以下の式を用いて参照され、
HO(CH2CH2O)m(CH2CH(CH3)O)n(CH(CH3)CH2O)OH
式中、m、n及びoは、上記で示された分子量及び温度要件を満たす整数である。
【0083】
また好適な分散性ポリマー類には、米国特許第3,723,322号で記載されている、ポリアスパルテート、カルボキシル化多糖類、特にデンプン類、セルロース類及びアルギネート類、米国特許番号3,929,107号で開示されているポリカルボン酸のデキストリンエステル類、米国特許第3,803,285号で記載されているヒドロキシアルキルデンプンエーテル類、デンプンエステル類、酸化デンプン類、デキストリン類及びデンプン加水分解産物、米国特許番号3,629,121号で記載されているカルボキシル化デンプン類、並びに米国特許第4,141,841号で記載されているデキストリンデンプン類が挙げられる。上記で記載された好適なセルロース分散性ポリマー類には、セルロースサルフェートエステル類(例えば、セルロースアセテートサルフェート、セルロースサルフェート、ヒドロキシエチルセルロースサルフェート、メチルセルロースサルフェート、ヒドロキシプロピルセルロースサルフェート、及びこれらの混合物)、ナトリウムセルロースサルフェート、カルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0084】
特定の実施形態において、分散性ポリマーは、前記組成物の約0.01重量%〜約25重量%、又は約0.1重量%〜約20重量%、あるいは約0.1重量%〜約7重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0085】
(担体媒質)
いかなる好適な担体媒質がいかなる好適な形態においていかなる好適な量で使用されてもよい。好適な担体媒質には、液体と固体の両方が挙げられる。固体担体媒質は、乾燥粉末、顆粒、錠剤、封入製品、及びこれらの組み合わせで使用されてもよい。好適な担体媒質には、周囲温度で非活性の固体である担体媒質が挙げられるが、それに限定されない。例えば、ポリエチレングリコール(PEG)のようないかなる好適な有機ポリマーが使用されてもよい。特定の実施形態において、固体担体媒質は、前記組成物の約0.01重量%〜約20重量%、又は約0.01重量%〜約10重量%、あるいは約0.01重量%〜約5重量%の範囲の量で存在してもよい。
【0086】
好適な液体担体媒質には、水(蒸留水、脱イオン水、又は水道水)、溶媒、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。液体担体媒質は、前記水性組成物の約1重量%〜約90重量%、又は約20重量%〜約80重量%、あるいは約30重量%〜約70重量%の範囲の量で存在してもよい。しかし、液体担体媒質は他の物質を含有してもよく、それは液体であるか、又は室温で液体担体媒質に溶解し、また担体の機能以外に他の幾つかの機能を果たす可能性もある。これらの物質には、分散剤、ヒドロトロープ類、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0087】
望ましい組成物は、「濃縮」系で提供できる。例えば、濃縮液体組成物は、従来の液体組成物と比較して低量の好適な担体媒質を含有することができる。濃縮系の好適な担体媒質含有量は、前記濃縮組成物の約30重量%〜約99.99重量%の量で存在してもよい。濃縮系の分散剤含有量は、前記濃縮組成物の約0.001重量%〜約10重量%の量で存在してもよい。
【0088】
(結合剤)
いかなる好適な結合剤がいかなる好適な量又は形態で使用されてもよい。例えば、固体(例えば、顆粒、粉末、錠剤)組成物の結合剤は、乾燥構成成分をまとめて1つの塊に保持する。結合剤は、相対的に高い融点であり、且つ製品の一体性を維持するいかなる物質を含んでもよい。好適な結合剤には、非イオン性界面活性剤、グリコール類(例えば、ポリエチレングリコール)、アニオン性界面活性剤、被膜形成ポリマー類、脂肪酸及びこれらの混合物のような物質が挙げられるが、それらに限定されず、その際、結合剤は、米国特許第4,486,327号(マーフィー(Murphy)ら、1984年12月4日発行)で開示されているように、40℃未満で溶融しない。特定の実施形態では、特定の結合剤には、アルカリ金属リン酸塩、脂肪酸アミド類、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0089】
好適な結合剤は、例えば、組成物全体の約0.05重量%〜約98重量%、又は約0.05重量%〜70重量%、又は0.05重量%〜50重量%、又は約0.05重量%〜30重量%、又は約0.05重量%〜10重量%、あるいは0.1重量%〜5重量%の濃度でいずれかの組成物に任意で組み込まれてもよい。充填物質もいずれかの組成物に存在することができる。これらには、組成物の0.001重量%〜60重量%、あるいは5重量%〜30重量%の量のスクロース、スクロースエステル類、アルカリ金属クロリド類(alkali metal chlorides)又はサルフェート類が挙げられる。
【0090】
(ヒドロトロープ)
いかなる好適なヒドロトロープがいかなる好適な量で使用されてもよい。好適なヒドロトロープ類には、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸ナトリウム、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0091】
以下の参考文献は多種多様の好適なヒドロトロープ類を開示している:米国特許第6,130,194号、米国特許第5,942,485号、米国特許第5,478,503号、米国特許第5,478,502号、米国特許第6,482,786号、米国特許第6,218,345号、米国特許第6,191,083号、米国特許第6,162,778号、米国特許第6,152,152号、米国特許第5,540,865号、米国特許第5,342,549号、米国特許第4,966,724号、米国特許第4,438,024号及び米国特許第3,933,671号。
【0092】
(香料)
いかなる好適な香料がいかなる好適な量で使用されてもよい。好適な香料は、非ブルーミング、並びにブルーミング香料として分類されてもよい。以下の参考文献は多種多様の香料を開示している:米国特許番号第3,983,079号、米国特許第4,105,573号、米国特許第4,219,436号、米国特許第4,339,356号、米国特許第4,515,705号、米国特許第4,714,562号、米国特許第4,740,327号、米国特許第4,933,101号、米国特許第5,061,393号、米国特許第5,066,419号、米国特許第5,154,842号、米国特許第5,232,613号、米国特許第5,500,154号、米国特許第5,670,475号、米国特許第6,143,707号及び米国特許第6,194,362号。
【0093】
本方法の1つの非限定的実施形態は、ガラス製品の表面を、前記組成物の約0.01重量%〜約5重量%、あるいは約0.1重量%〜約3重量%、あるいは約0.1重量%〜約2重量%の量で香料を含むすすぎ補助剤組成物と接触させることを対象とする。
【0094】
(補助剤成分)
いかなる好適な補助剤成分がいかなる好適な量及び形態で使用されてもよい。好適な補助剤成分が、スルーザウォッシュ洗剤組成物及び/又はすすぎ補助剤組成物で使用されてもよい。好適な補助剤成分には、他の洗浄剤(例えば、界面活性剤、補助界面活性剤)、キレート化剤、金属イオン封鎖剤、アルカリ性供給源、軟水剤、二次溶解度変性剤、増粘剤、汚れ放出ポリマー類、抗菌活性物質、洗剤充填剤、研磨剤、再付着防止剤、閾値剤又は系、審美性向上剤、(すなわち、染料、着色剤など)、油類、溶媒、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0095】
(pH)
TTW ADW洗剤組成物は、いかなる好適なpH範囲内で配合されてもよい。好適なpH範囲は、約6.5〜約14の範囲内のどこでもよい。例えば、本方法の特定の実施形態は、約6.5以上、又は約7以上、又は約9以上、あるいは約10.0以上のpHを有する水性TTW ADW洗剤組成物を使用する。固体TTW ADW洗剤組成物(compositon)のpH値を決定するために、pHは、水性溶液中の10%濃度で測定される。
【0096】
すすぎ補助剤組成物は、いかなる好適な酸性pH範囲内で配合されてもよい。pHは、いかなる形態のすすぎ補助剤組成物に対しても水溶液中10%の濃度で測定される。好適なpHは、約1〜約5未満、又は約1〜約4、あるいは約1〜約3の範囲である。より低いpH範囲は、すすぎ補助剤組成物と、使用前の自動食器洗い機のすすぎ補助剤ディスペンサーリザーバに残っている既存の市販されているすすぎ補助剤製品の残留物との不相溶性及び負の相互作用を低減する傾向がある。本方法の1つの非限定的実施形態は、ガラス製品の表面を、水溶液中10%の濃度で測定されたときに約1〜約5未満の範囲のpHを含むすすぎ補助剤組成物と接触させることを対象とする。
【0097】
(製品形態)
組成物は、いかなる好適な製品形態で提供されてもよい。好適な製品形態には、固体、顆粒、粉末、液体、ゲル、ペースト、半固体、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。組成物は、また、いかなる好適な方法で包装されてもよい。いずれの組成物も、ボトル(ポンプ補助付きボトル、スクイーズボトルなど)、複数区画ボトル、カプセル、複数区画カプセル、ペーストディスペンサー、単一及び複数区画水溶性小袋、並びにこれらの組み合わせのようないかなる好適なデバイスからも分与できる。組成物は、制御放出(例えば、遅延、徐放、誘発、又は持続放出)を可能にする1回用量の形態で提供されてもよい。いかなる好適な1回用量形態も使用することができる。例えば、組成物は、液体及び/又は固体の両方で提供されることができ、また錠剤として、並びに/又は単一及び/若しくは複数区画の水溶性小袋として包装されることができ、それにより他の構成成分との負の相互作用が低減される。
【0098】
組成物は、また、いかなる好適な溶液又は基材に放出されてもよい。好適な溶液及び基材には、熱水及び/又は冷水、洗浄溶液及び/又はすすぎ溶液、硬質表面、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、それらに限定されない。
【実施例】
【0099】
以下の実施例は、特定の実施形態を示す目的で提供され、これらはいかなる形でも限定することを意図しない。
【0100】
【表1】

【0101】
【表2】

【0102】
【表3】

【0103】
【表4】

*ZnOと硝酸とを反応させてその場で形成。
【0104】
(試験結果)
試験1〜3は、特に指示のない限り、同一又は同様の基材(例えば、ガラス、ガラススライド、及び/又はプレート)を使用する同一の条件下で実施される。それぞれの試験において、基材は、ゼネラル・エレクトリック(General Electric)モデルGE2000自動食器洗い機において、以下の洗浄条件:0mg/L(0gpg)水−54℃(130°F)、標準洗浄サイクル、加熱乾燥サイクル入で50〜100サイクル洗浄される。GE2000の上段ラックに以下の基材が置かれる:4個のリビー(Libbey)53非熱処理300mL(10oz)コリンズ(Collins)グラス、3個のリビー8564SRブリストル・バレー(Bristol Valley)250mL(8 1/2oz)白ワイングラス、3個のリビー139 380mL(13oz)イングリッシュ・ハイボール(English Hi-Ball)グラス、3個のルミナーク・メトロ(Luminarc Metro)470mL(16oz)クーラーズ(Coolers)又は350mL(12oz)ビバレッジ(Beverage)グラス(1つの試験に1つのサイズのみを使用)、1個のロンシャン・クリスタル・ダルク(Longchamp Cristal d’Arques)170mL(5 3/4oz)ワイングラス、及び1個のアンカー・ホッキング・プー(Anchor Hocking Pooh)(CZ84730B)240mL(8oz)ジュースグラス(1つの箱に1つ以上のデザインがある場合は、1つの試験に1つのデザインのみを使用)。GE2000の下段のラックに以下の基材が置かれる:2枚のリビー・サンレイ(Libbey Sunray)No.15532ディナープレート23cm(9 1/4in)、及び2枚のギブソン・ブラック・ストーンウエア(Gibson black stoneware)ディナープレート#3568DP(選択肢−使用しない場合は、2枚のバラスト(ballast)ディナープレートに代える)。
【0105】
グラス及び/又はプレートは、全て、洗浄及び乾燥後に真珠光沢について1〜5の評価尺度(以下で概説される)を使用して視覚的に等級付けされる。またグラス及び/又はプレートは、全て、エッチングの形跡について真珠光沢試験で使用されるのと同じ1〜5の評価尺度を使用して視覚的に等級付けされる。評価尺度の値は以下の通りである:「1」は、基材に対する極めて重大な損傷を表し、「2」は、基材に対する重大な損傷を表し、「3」は、基材に対する幾らかの損傷を表し、「4」は、基材に対する極めて僅かな損傷を表し、「5」は、基材に対する損傷がないことを示す。
【0106】
(試験1)
有効量のZCLMを含有する多様な洗剤組成物の多様な形態(すなわち、液体−ゲル、粉末若しくは顆粒、錠剤又は水溶性小袋)が使用され、同じ形態でZCLMのないこれらの洗剤組成物と比較される。これらの試験の結果は、表I〜VIに表される。試験結果は、TTW ADW洗剤組成物における有効量のZCLMの存在により、著しいガラス製品腐食効果保護がもたらされることを示す。
【0107】
真珠光沢試験結果−表I〜IIIは基材の真珠光沢の比較を表す。
【0108】
【表5】

【0109】
【表6】

【0110】
【表7】

【0111】
エッチング試験結果−表IV〜Vは、エッチング等級の比較を表す。
【0112】
【表8】

【0113】
【表9】

【0114】
【表10】

【0115】
少量のZCLM(例えば、0.1%ZCH及び/又は0.1%ヒドロキシ硫酸亜鉛(zinc hydroxy sulfate))でも、処理されたガラス製品表面に実質的なエッチング防止効果をもたらすのに十分であることが観察される。約0.1%のZCLM(例えば、ZCH又はヒドロキシ硫酸亜鉛)の、TTW ADW洗剤組成物への添加は、約6〜7ppmのZCLM(活性亜鉛又はZn2+イオンとして)を洗浄溶液に提供する。
【0116】
(試験2)
以下の50サイクル試験の結果は、製造プロセス中にTTW ADW洗剤組成物に混合されたZCH粉末と分散ZCLM複合粒子(PEG8000及びZCHを含む)との使用を比較した、ガラスケアに対する改善された性能を示す。試験結果は表VIIにまとめられている。
【0117】
【表11】

*組成物の0.28重量%の量のZCLM複合粒子が使用された。ZCLM複合粒子は、35.1%のZCH、3.5%の青色染料溶液、1.4%の漂白剤触媒及び60%のPEG8000を含有する。
【0118】
ZCH物質を分散性ポリマー及び/又は担体媒質に組み込むことにより、著しいガラスケア効果が達成されることが観察される。
【0119】
(試験3)
試験2の50サイクル試験と、異なる粒径を用いる複数サイクル及び浸積技術を組み合わせて実施される長時間の多変数試験との比較が実施される。試験の試験条件は以下の通りである:GE2000機は、手動で無効にされ23時間の連続洗浄に延長された主洗浄サイクルを用いて使用され、その後、標準のすすぎ及び乾燥サイクルが続く。第1の洗浄期の洗浄時間は、約24時間である。第2の洗浄期において、このプロセスは、新たな投入量の洗剤組成物及び洗浄水の添加の後、同じセットのグラスで直ちに1回繰り返される。両方の洗浄期の総洗浄時間は、約48時間である。軟水(0〜17mg/L(0〜1gpg))が使用される。温度調節器を有する外部加熱要素が機械に組み込まれて、連続主洗浄サイクル(浸積)の全体を通して洗浄温度を65℃(150°F)に維持する。24時間の第2洗浄期の終了時に、グラスは乾燥され、ライトボックス中で等級付けされ、撮影される。試験結果は、表VIIIにまとめられている。
【0120】
【表12】

【0121】
より大きい粒径のZCLMと比較してより小さい粒径のZCLMを使用すると、著しいガラスケア効果が達成されることが観察される。
【0122】
(試験4)
試験4は、ZCLM粒子結晶化度の間接的な測定である。X線回折(XRD)パターンの反射のFWHM(半値全幅)は、結晶性の欠陥の測定値であり、計測的要因と物理的要因との組み合わせである。同様の解像度の機器を用いて、結晶の欠陥又は結晶性の一体性を、準結晶特性に反応しやすいピークのFWHMに関連付けることができる。この手法に従って、結晶性の歪み/完全性が種々のZCLM試料に割り当てられる。
3つのピーク(200、約13°2θ、6.9Å;111、約22°2θ、4.0Å;510、36°2θ、2.5Å)が格子歪みに反応しやすいことが判明し、分析のために200の反射が選択される。ピークは、MDIによるジェイド(Jade)6.1ソフトウェアで標準ピアソンVII(Pearson VII)及び擬似ヴォイトアルゴリズム(Pseudo-Voigt algorithms)を使用して、個別に特性を適合させる。各ピークは、バックグラウンド定義及びアルゴリズムを変えて10回特性を適合されて、標準偏差の平均FWHMを得る。試験結果は表IXにまとめられている。
【0123】
【表13】

【0124】
結晶化度は、その供給源のFWHMに関連しているように思われる。理論に束縛されることを望まないが、より低い結晶化度が、亜鉛反応活性度を最大限にする可能性があると想定される。
【0125】
本明細書で記載されているポリマーに関しては、重量平均分子量という用語は、ゲル透過クロマトグラフィーを使用して、コロイド及び表面 A.物理化学及び工学の観点(Colloids and Surfaces A.Physico Chemical & Engineering Aspects)、162巻、2000年、107頁〜121頁で見出されるプロトコルに従って測定された重量平均分子量である。単位はダルトンである。
【0126】
本明細書の全体にわたって記載されている全ての特許、特許出願(及びそれに記載されているいかなる特許、加えて関連して発行されたいかなる外国特許出願も)、並びに刊行物の開示は、本明細書に参考として組み込まれる。しかし、本明細書に参考として組み込まれる文献のいずれもが本発明を教示又は開示していることを認めるものではないことを明言する。
【0127】
本明細書全体にわたって示されるあらゆる最大数値限定は、それより低いあらゆる数値限定を、そのようなより低い数値限定が本明細書に明確に記載されたものとして含むことが理解されるべきである。本明細書全体にわたって示されるあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのようなより大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体にわたって示されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。全ての分子量は、数値平均法を使用して計算される。
【0128】
主題発明の特定の実施形態が記載されてきたが、主題発明の様々な変更及び修正が、本発明の意図及び範囲から逸脱することなく行うことができることは当業者には明白であろう。本発明が、本明細書に記載されている実施形態及び実施例に限定されるものではないことが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動食器洗いにおいてガラス製品を表面腐食から保護するための、家庭用、施設用、工業用及び/又は商業用の全サイクル法であって、
a)有効量の粒子状亜鉛含有物質を含むスルーザウォッシュ洗剤組成物を提供する工程、
b)有効量の少なくとも1つの金属塩を含むすすぎ補助剤組成物を提供する工程、
c)前記ガラス製品の表面を、前記スルーザウォッシュ洗剤組成物と接触させる工程、及び
d)すすぎサイクルにおいて、前記ガラス製品の表面を、前記すすぎ補助剤組成物と接触させる工程
を含む全サイクル法であって、
前記すすぎ補助剤組成物が、水溶液中10%の濃度で測定されたときに5未満のpHを有する全サイクル法。
【請求項2】
前記スルーザウォッシュ洗剤組成物が、
a)有機亜鉛物質、無機亜鉛物質及びこれらの組み合わせから成る群から選択される、有効量の粒子状亜鉛含有物質、並びに
b)洗剤活性物質
を含む請求項1に記載の全サイクル法。
【請求項3】
前記スルーザウォッシュ洗剤組成物が、
c)分散性ポリマー、担体物質及びこれらの混合物の1つ以上
を更に含む請求項2に記載の全サイクル法。
【請求項4】
前記スルーザウォッシュ洗剤組成物が、
d)補助剤成分
を更に含む請求項2又は3に記載の全サイクル法。
【請求項5】
前記洗剤組成物が、
a)前記粒子状亜鉛含有物質の供給源が、天然供給源、合成供給源及びこれらの組み合わせから誘導される、
b)前記粒子状亜鉛含有物質が、前記組成物の0.001重量%〜10重量%で存在する、
c)前記粒子状亜鉛含有物質が、10nm〜100μmの平均粒径範囲及び1nm〜150μmの範囲内の粒径分布を有する、
d)前記洗剤組成物が、粒子状亜鉛含有物質、及び洗剤活性物質若しくは補助剤成分の1つ以上を含む複合粒子、フレーク、プリル及び/若しくは押出品を含む、又は
e)前記接触工程(c)の間に、前記洗剤組成物が、0.0001ppm〜100ppmの前記粒子状亜鉛含有物質を洗浄溶液に放出する
の1つ以上の特性を含む請求項2に記載の全サイクル法。
【請求項6】
前記粒子状亜鉛含有物質が、以下の式:
3Zn(OH)2.2ZnCO3 又は
Zn5(OH)6(CO32
を有する炭酸水酸化亜鉛である請求項2に記載の全サイクル法。
【請求項7】
前記少なくとも1つの水溶性金属塩が、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、ランタン、スズ、ガリウム、ストロンチウム、チタン及びこれらの混合物から成る群から選択される金属を含む請求項1に記載の全サイクル法。
【請求項8】
前記少なくとも1つの水溶性亜鉛塩が、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、グルコン酸亜鉛、ギ酸亜鉛、リンゴ酸亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛及びこれらの混合物から成る群から選択される請求項7に記載の全サイクル法。
【請求項9】
前記亜鉛塩が塩化亜鉛である請求項8に記載の全サイクル法。
【請求項10】
前記すすぎ補助剤組成物が酸を更に含み、前記酸が、酢酸、アスパラギン酸、安息香酸、ホウ酸、臭素酸、クエン酸、ギ酸、グルコン酸、グルタミン酸、塩酸、乳酸、リンゴ酸、硝酸、スルファミン酸、硫酸、酒石酸及びこれらの混合物から成る群から選択される請求項1に記載の全サイクル法。
【請求項11】
前記すすぎ補助剤組成物が分散性ポリマーを更に含み、前記分散性ポリマーが、15,000未満の分子量を有する低分子量ポリアクリレート分散性ポリマーであり、70重量%のアクリル酸及び30重量%のメタクリル酸を含むポリマーの非中和形態である請求項1に記載の全サイクル法。
【請求項12】
前記すすぎ補助剤組成物が、
a)前記少なくとも1つの水溶性金属塩の前記有効量が、前記すすぎ補助剤組成物の0.01重量%〜70重量%である、
b)前記酸が、前記すすぎ補助剤組成物の0.01重量%〜25重量%で存在する、
c)前記酸が、硬質表面での不溶性沈殿物の形成を低減するように、自動食器洗い機のすすぎ溶液中で前記金属塩を素早く溶解させることができる、
d)前記すすぎ補助剤組成物の前記pHが、1〜4の範囲である、
e)前記すすぎ補助剤組成物が固体であり、且つ少なくとも1つの前記水溶性金属塩が、粉末、結晶、コア粒子、コア粒子の凝集体、プリル、粒塊及びこれらの混合物の形態である、又は
f)接触工程(d)の間に、前記すすぎ補助剤組成物が、0.0001ppm〜100ppmの前記少なくとも1つの水溶性金属塩をすすぎ溶液に放出する
の1つ以上の特性を含む請求項10に記載の全サイクル法。
【請求項13】
前記洗剤組成物が、分散性ポリマー、担体媒質、界面活性剤、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、酵素、酵素安定化系、染料、香料又はスペックルの1つ以上を含み、前記すすぎ補助剤組成物が、ヒドロトロープ、結合剤、分散性ポリマー、香料、担体媒質、抗菌活性物質又は染料の1つ以上を含む請求項1に記載の全サイクル法。
【請求項14】
自動食器洗いにおいてガラス製品を表面腐食から保護するための、家庭用、施設用、工業用及び/又は商業用の全サイクル法であって、
a)洗浄溶液を含む物質の組成物であって、前記洗浄溶液が、
(i)有効量の粒子状亜鉛含有物質
を含むスルーザウォッシュ洗剤組成物を含む物質の組成物を提供する工程、
b)すすぎ溶液を含む物質の組成物であって、前記すすぎ溶液が、
(i)有効量の少なくとも1つの水溶性金属塩
を含むすすぎ補助剤組成物を含む物質の組成物を提供する工程、
c)前記ガラス製品の表面を前記洗浄溶液と接触させる工程、及び
d)前記ガラス製品の表面を前記すすぎ溶液と接触させる工程
を含む全サイクル法であって、
前記すすぎ補助剤組成物が、水溶液中10%の濃度で測定されたときに5未満のpHを有する全サイクル法。
【請求項15】
前記接触工程(c)の間に、前記洗剤組成物が、0.0001ppm〜100ppmの前記亜鉛含有層状物質を洗浄溶液に放出し、前記接触工程(d)の間に、前記すすぎ補助剤組成物が、0.0001ppm〜100ppmの前記少なくとも1つの水溶性金属塩をすすぎ溶液に放出する請求項14に記載の全サイクル法。

【図1】
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【公開番号】特開2011−21197(P2011−21197A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−204697(P2010−204697)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【分割の表示】特願2006−535441(P2006−535441)の分割
【原出願日】平成16年10月18日(2004.10.18)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】