説明

自動食器洗浄用製品及びその使用

自動食器洗浄操作中に食器洗浄機の内部部品を洗浄するための自動食器洗浄機内での自動食器洗浄用製品の使用であって、前記操作が少なくとも250ppmの非イオン性界面活性剤の送達を伴う、使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄の分野に属する。特に、本発明は、自動食器洗浄機の洗浄、より具体的には、高濃度の非イオン性界面活性剤を含む自動食器洗浄用製品及び自動食器洗浄操作中の自動食器洗浄機の内部部品の洗浄のためのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
食器洗浄機は、汚れた食器、食卓用食器及び調理器具に由来する大量の汚れを扱わなければならない。汚れは通常食物残渣の複雑な混合物であり、これらは食器洗浄機の様々な部品の中に集まり得る。集まった汚れは、食器洗浄機の内部部品の部分的又は全体的詰まりに寄与し得、機器の性能を損ない、場合によっては食器洗浄機を故障させることさえある。
【0003】
食器洗浄機の本体を洗浄するように特別に設計された製品が存在する。これらの製品は、主に、食器洗浄機の内部部品から残渣を除去するよりも、むしろ食器洗浄機の本体から水垢を除去するために設計されている。これらの製品は、通常、食器洗浄機が空の状態で使用することを必要とし、及びこれらは追加洗浄を行うことを必要する(すなわち、エネルギー及び水消費が増加する)。食器洗浄機の洗浄及び手入れのために余分な製品を使用することは、食器洗浄機使用者にとって余分な仕事であると考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在に至るまで、自動食器洗浄機の維持管理を助ける自動食器洗浄機用洗剤は存在していない。本発明の目的は、食器/食卓用食器/調理器具の良好な洗浄、並びに、それと同時に、食器洗浄機の耐用期間を延ばしかつ効率性を拡大する食器洗浄機の本体及び内部部品の良好な洗浄及び手入れを達成できる製品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一態様によれば、食器洗浄機の内部部品を洗浄するために高濃度の非イオン性界面活性剤を含む自動食器洗浄用製品の使用が提供される。この製品は、自動食器洗浄操作中に、すなわち、食器洗浄負荷(すなわち、汚れた食器、食卓食器及び/又は調理器具)の存在下で、使用され、したがって、食器洗浄機を洗浄するために食器洗浄機を空にして運転する必要がない。この利益は、負荷をかけた食器洗浄機を運転する単回それぞれで達成される。
【0006】
本発明は、食器洗浄負荷、並びに、それと同時に、食器洗浄機の本体及び最も驚くべきことには内部部品の優れた洗浄及び仕上がりを提供する。本発明の使用は、食器洗浄機の維持及び良好な外観に寄与する。また、食器洗浄機の耐用期間を延ばし、食器洗浄機の効率を長期にわたってより高く維持する。
【0007】
食器洗浄機は基本的に、場合によっては「タブ」とも呼ばれる、本体から構成される。通常、本体は、ステンレス鋼及び/又はプラスチック製であり、汚れた食器類を配置するための2つの棚と、汚れた食器類の上に水をスプレーする2つのスプレーアームと、を有する。アームの回転は、水ポンプにより生じる。いったん食器類がスプレーされると、汚れた食器洗浄液が送り出される。食器洗浄機のポンプ並びに給水管及び排水管は、本明細書では、「内部部品」と呼ばれる。
【0008】
食器洗浄機の内部部品(すなわち、ポンプ並びに給水管及び排水管)に対して洗浄及び/又は手入れを行う製品は、文献及び市場のいずれにも全く存在しない。従来、食器洗浄用洗剤は、食器洗浄機にセットした食器類の洗浄に寄与するだけで、食器洗浄機の内部部品には作用しないものと考えられてきた。また、食物残渣は食器洗浄機の内部部品上に付着するものであり、これは食器洗浄機の通常の消耗部分であるというのが一般の考えである。食器洗浄機使用者は、古い部品を物理的に交換するエンジニアを呼ぶことにより、食器洗浄性能に関する問題に対処している。本発明では、食器洗浄機の内部部品をより長期にわたってより良好な状態に維持し、内部部品の交換を減らし又は更にはその必要性をなくし、これにより、食器洗浄機の耐用期間を延ばし、その元々の効率性をより長く維持する。
【0009】
従来は、自動食器洗浄機考案者は、食器洗浄機にセットした食器類から汚れを除去するために製品を設計していたが、食器類から離れた汚れについて何が起こるのか考慮していない。食物の汚れは、時間経過と共に食器洗浄機のポンプ及び/又は配水管に集まり得、食器洗浄効率を損ない得る付着を引き起こし、最終的には食器洗浄機を完全に故障させ得る。
【0010】
グリースは、界面活性剤により完全に乳化されない場合、油滴を形成し得、これは融合して被膜を形成し得る。グリースはまた、脂肪酸に加水分解し得、これは今度は硬水イオンと相互作用してスカムを生じ得る。それ自体で又は他の食物残渣及び/若しくはイオンと組み合わされて固化したグリースは、食器洗浄機の内部部品上に、特にポンプ及び配水管上に付着し得、食器洗浄機の性能を損ない、最終的には、食器洗浄機を故障させさえする恐れがある。前に教示したように、これは食器洗浄機の消耗の一部であると考えられていた。本発明者らは、正しい洗剤が使用されれば、これが必ずしも当てはまらないことを発見した。
【0011】
本明細書での非イオン性界面活性剤の濃度は重要である。食器洗浄機にセットした食器類の洗浄及び仕上がり、並びに、それと同時に、食器洗浄機の内部部品における付着形成の除去及び/又は防止を提供することが必要である。高過ぎる濃度の界面活性剤が洗浄した物品の光沢を損なう場合があり、洗浄した物品の被膜形成及び曇りに寄与する場合があることから、界面活性剤の濃度は高過ぎるべきではない。これはガラス及びプラスチック物品においてより顕著である。本発明により提供される効果は、少なくとも250ppm(すなわち、mg/L)、好ましくは少なくとも300ppm、より好ましくは少なくとも400ppm、特に少なくとも500ppmの非イオン性界面活性剤を洗浄液に送達することを必要とする。食器洗浄製品は、1500ppm未満の非イオン性界面活性剤、好ましくは1000ppm未満の非イオン性界面活性剤を提供すべきである。非イオン性界面活性剤の特に好ましい濃度は、約300〜約700ppmである。非イオン性界面活性剤は、単一の非イオン性界面活性剤、又は、界面活性剤系、すなわち、2種以上の異なる界面活性剤の混合物であることができる。界面活性剤系が本明細書での使用に好ましい。
【0012】
グリース状の汚れは、通常、食器洗浄機にセットするあらゆる食器類に存在する。グリースは、食器洗浄操作中に到達する高温にて分散又は溶融し得る。理論に束縛されるものではないが、いったんグリースが液化すると、液化したグリースは油滴を形成するが、油滴は非イオン性界面活性剤により懸濁化され、非イオン性界面活性剤は油滴の融合を防止し、これにより被膜形成を阻止すると考えられている。本発明の界面活性剤は、食器洗浄液でグリースを懸濁するだけでなく、グリースを最後まで懸濁化された状態で維持して、食器洗浄機の内部部品上に付着させないようにするのに十分なほど強力なものである必要がある。洗浄液は、食器洗浄機の内部から配水管に移動する。食器洗浄機から配水管への軌道は、温度変化も伴う。界面活性剤は、食器洗浄液がさらされる全温度範囲にわたって食器洗浄液中でグリースを懸濁化した状態に維持する必要があるが、そうでなければグリースは洗浄毎に再凝集して付着物を形成することになり、特にいったん洗浄温度がグリースの融点を下回ると、グリースの付着物が増大してしまうことになる。
【0013】
従来、非イオン性界面活性剤は、自動食器洗浄において表面改質目的、特に被膜及び斑点形成防止並びに光沢改善のためのシーティングを目的として、使用されてきた。高濃度(少なくとも250ppm、好ましくは300ppmm、より好ましくは400ppm、特に約300〜約700ppm)の非イオン性界面活性剤はまた、洗浄した物品上だけでなく、内部部品などの食器洗浄機の部品上への汚れの付着を防止するのに寄与することができる。前に指摘したように、これは、食器洗浄機の手入れの点で巨大な利益を提供し、食器洗浄機の内部部品の詰まりを防止し、より効果的な洗浄に寄与する。この、より効果的な洗浄は、特に漂白可能なシミの場合に顕著である。食器洗浄機の内部部品が汚れている場合、食器洗浄機にセットした食器類から、漂白可能なシミを除去するのに負の影響があることが判明している。理論に束縛されるものではないが、食器洗浄機の内部部品では、食器洗浄液が送り出されたときにペルオキシドの欠乏が生じ得る。
【0014】
本発明における使用のための非イオン性界面活性剤の必要条件は、食器洗浄機にセットした食器類を洗浄することのみを目的とする製品における非イオン性界面活性剤に対する必要条件よりも厳格である。本発明の非イオン性界面活性剤は、汚れの懸濁、特にグリースの懸濁、を促進し、かつ汚れ及びグリースを、食器洗浄操作中だけでなく、以降の、洗浄液の排出時にも、懸濁された状態に維持することを必要とする。排出プロセス中、食器洗浄液は、冷たくなり始める。本発明の非イオン性界面活性剤は、汚れ及びグリースを懸濁し、かつたとえ食器洗浄液の温度が排出プロセス中に低下した場合でも、食器洗浄機の内部部品上の汚れ、特にグリース、の付着を防止するために、汚れ及びグリースを懸濁化された状態に維持することを必要とする。
【0015】
界面活性剤が汚れを懸濁し、特にグリースを懸濁し、たとえ温度がグリースの凝固点よりも低くなった場合でも懸濁された状態で維持する能力は、本明細書では、界面活性剤/グリース系に関する不透明度を測定することにより、定量化される。不透明度は、分散体に含まれる粒子によりブロックされ散乱したレーザー光線の量、すなわち、分散体を透過しない光の量、として定義される。それゆえに、不透明度が高いほど、界面活性剤の、汚れ懸濁能力、特に、グリース懸濁能力、は良好である。界面活性剤を食器洗浄機内で見出される条件と同様の条件にさらすために、界面活性剤を含む溶液は、30℃から50℃への温度勾配で、20℃で終わる温度プロファイルにさらされる。本明細書で引用される温度は、約±0.5℃の精度を有する。界面活性剤の汚れ(特にグリース)懸濁能力を理解するために有意な点は、36℃(ラード凝固点に近い)、及び、通常食器洗浄液の排出中に生じる最も低い温度である20℃である。
【0016】
好ましい実施形態では、0.75gのラードの存在下での界面活性剤の不透明度は、界面活性剤/ラードが30℃−50℃−20℃の温度サイクルを経た後では、36℃よりも20℃において高い。ここでの36℃は、冷却期の、すなわち、系が50℃に到達した後での、36℃を指す。好ましくは、この比較は、250ppmの界面活性剤と574ppmの炭酸ナトリウムと1896ppmのトリポリリン酸ナトリウムと0.75グラムのラードとを含む水溶液を用いて、本明細書で下記に特定される方法に従って行われる。
【0017】
好ましくは、本明細書での使用のための250ppmの界面活性剤は、574ppmの炭酸ナトリウム及び1896ppmのトリポリリン酸ナトリウムを含有する水溶液中で測定したときに、0.75グラムのラードの存在下で、36℃(界面活性剤/ラードが30℃−50℃−20℃の温度サイクルを経た後。ここでの36℃は、冷却期の、すなわち、系が50℃に到達した後での、36℃を指す。)で、0.8を超える、より好ましくは0.9を超える、更により好ましくは1を超える(本明細書で下記に定義されるように)正規化された不透明度を有する。
【0018】
好ましくは、本明細書で使用するための250ppmの界面活性剤は、0.75グラムのラードの存在下で、574ppmの炭酸ナトリウム及び1896ppmのトリポリリン酸ナトリウムを含有する水溶液中で測定したときに、20℃(界面活性剤/ラードが30℃−50℃−20℃の温度サイクルを経た後)で、0.8を超える、より好ましくは0.9を超える、更により好ましくは1を超える(本明細書で下記に定義されるように)正規化された不透明度を有する。
【0019】
特に好ましい実施形態では、非イオン性界面活性剤は、0.75グラムのラードの存在下で、少なくとも約0.7、好ましくは少なくとも約0.8、より好ましくは少なくとも約0.9の(本明細書で下記に定義されるように)正規化された不透明度指数を有し、ここで、不透明度指数は、20℃での不透明度に対する36℃での不透明度の比率として定義される(界面活性剤/ラードが30℃−50℃−20℃の温度サイクルを経た後、再び36℃は冷却期を指す)。ラードは、食器洗浄機にセットした食器類に典型的に見られるグリース状の汚れの代表であると考えられることと、室温にて凝固することから、ラードが本明細書で選択される。本明細書では、「ラード」により、36℃〜45℃の範囲の融解温度及び約0.9g/mLの密度を有する、英国風調理において典型的に使用されるような白色、無塩のブタ脂肪が意味される。ラードは、例えば、Tesco、Sainsbury、Morrison及びASDAといった英国のスーパーマーケットで市販されている。融解範囲は、毛細管法を用いて測定される。この標準的方法は、ラードのカラムを収容する毛細管を伴い、これを例えば、温度計を装備した加熱浴槽を用いて加熱する。加熱した浴槽中の温度は、例えば、管の中のラードが液体状態に遷移するまで、固定速度(例えば、1℃ずつ)で上昇させる。融解範囲は、視覚的に判定される。
【0020】
界面張力は、界面活性剤のグリース懸濁効率を定量化するのを助ける特性である。本発明での使用のために界面活性剤の懸濁効率を査定するのに、動的界面張力が、ISO 9101標準方法に従って測定された(本明細書下記に記載の変更を伴う)。界面活性剤とラードの間の界面張力は、13回の測定を行うことにより時間に対して測定されたが、0.07〜0.50s/μLの液滴生成速度範囲であった。動的界面張力は初め、均衡に至るまで時間と共に減衰する。最初の5個の測定点は、一次指数減衰に適合する(y=y0+A1(e−x/t1))。「t1」は、界面張力減衰定数を表す。最後の5個の測定点は、均衡界面張力を得るために平均する。一次指数減衰は、Originソフトウェアパッケージなどの様々な入手可能なソフトウェアパッケージを使用して適合され得る。
【0021】
好ましい実施形態では、非イオン性界面活性剤は、50℃におけるラードについて1.2秒未満、より好ましくは1秒未満、より好ましくは0.8秒以下、特に0.5秒以下の界面張力減衰定数を有する。界面張力減衰定数は、界面活性剤系の動力学、すなわち、どれだけ速く界面活性剤が界面に到達して会合し、これにより製品のグリース懸濁効率を向上させるか、の指標を与える。界面活性剤が速いほど、グリースが表面上に付着するのは困難になる。
【0022】
好ましい実施形態では、非イオン性界面活性剤は、50℃におけるラードについて1.4mN/m未満、より好ましくは1.2mN/m未満の均衡界面張力を有する。一般には、均衡界面張力が低いほど、界面活性剤のグリース懸濁効率は高くなる。
【0023】
特に好ましい実施形態では、非イオン性界面活性剤は、50℃におけるラードについて1.2秒未満、より好ましくは1秒未満、より好ましくは0.8秒未満、特に0.5秒未満の界面張力減衰定数、並びに、50℃におけるラードについて1.5mN/m以下、より好ましくは1.2mN/m以下の均衡界面張力を有する。これらの界面張力減衰定数及び均衡界面張力を有する界面活性剤は、食器洗浄機の内部部品を洗浄する点において非常に良好に働く。
【0024】
不透明度、界面張力減衰定数及び均衡界面張力の値は、必要な変更を加えて、本発明の製品の界面活性剤に適用する。
【0025】
好ましい実施形態では、界面活性剤は、1重量%水溶液中で測定されるとき、約20℃〜約50℃、より好ましくは約30℃〜約45℃、特に35℃〜約43℃の範囲の曇点を有する。好ましくは、界面活性剤の曇点は、洗浄温度以下である(通常50℃)。界面活性剤の曇点が洗浄温度よりも5℃〜10℃低いことが特に好ましい。
【0026】
好ましい実施形態では、界面活性剤は、低起泡性非イオン性界面活性剤である。「低起泡性非イオン性界面活性剤」により、本明細書では、自動食器洗浄操作において食器洗浄液中250ppmの濃度で5cmより低い、好ましくは3cmよりも低い、より好ましくは2cmよりも低い、より好ましくは1cmよりも低い、特に0.5cmよりも低い泡を生じる界面活性剤であると理解される。泡の高さは、汚れのない状態で、定規を食器洗浄機の壁に取り付けて、主洗浄の終わりに洗浄液から泡の頂部までの高さを測定することにより、測定される。
【0027】
好ましい実施形態では、界面活性剤は、アルコキシル化アルコールを含む。好ましくは、界面活性剤は界面活性剤系であり、系の界面活性剤のうちの1つは、8〜18個の炭素原子及び平均で4〜14モルのエチレンオキシド、好ましくは5〜10モルのエチレンオキシドを有するエトキシル化アルコールである。好ましくは、界面活性剤系は、界面活性剤系の少なくとも20重量%、より好ましくは少なくとも50重量%、特に少なくとも80重量%のエトキシル化アルコールを含む。
【0028】
好ましくは、界面活性剤は、8〜18個の炭素原子及び平均4〜14モルのエチレンオキシド、好ましくは5〜10モルのエチレンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキシド(PO)及び/又はブチレンオキシド(BO)を有するアルコキシル化アルコールを含む界面活性剤系である(すなわち、アルコキシル化アルコールは、アルコキシル化基EO、PO及びBOのうちの少なくとも2つを含む)。好ましくは、界面活性剤系は、界面活性剤系の50重量%未満、より好ましくは35重量%未満、特に少なくとも20重量%の、EO、PO及びBOから選択される少なくとも2つのアルコキシル化基を含むアルコキシル化アルコールを含む。
【0029】
界面活性剤、特に、界面活性剤系の少なくとも30重量%、より好ましくは少なくとも50重量%、特に少なくとも80重量%のエトキシル化アルコールと、界面活性剤系の50重量%未満、より好ましくは35重量%未満、特に少なくとも20重量%であるが5%超である、EO、PO及びBOから選択される少なくとも2つのアルコキシル化基を含むアルコキシル化アルコールと、を含む界面活性剤系は、本明細書での使用に特に好ましい。
【0030】
好ましい実施形態では、自動食器洗浄操作中の食器洗浄機の内部部品の洗浄のための自動食器洗浄用製品の使用が提供され、ここで、この製品は、0.75グラムのラードの存在下で、36℃での不透明度よりも大きな20℃での不透明度を有する(洗剤/ラードが30℃−50℃−20℃の温度サイクルを経た後、再び36℃は冷却期を指す)。好ましくは、製品は、少なくとも約90、好ましくは少なくとも約100、より好ましくは少なくとも約110の不透明度指数を有し、ここで、不透明度指数は、0.75グラムのラードの存在下、36℃での不透明度の、20℃での不透明度に対する比率として定義される。好ましくは、製品は、50℃におけるラードについて1秒未満、より好ましくは0.8秒未満、特に0.5秒未満の界面張力減衰定数、並びに、1.5mN/m以下、より好ましくは1mN/m以下、更により好ましくは0.9N/m以下、特に0.8N/m以下の均衡界面張力を有する。
【0031】
本発明の方法での使用のための界面活性剤の不透明度、界面張力減衰定数及び均衡界面張力の値は、必要な変更を加えて、本発明の製品の界面活性剤に適用する。
【0032】
本発明の第二の態様によると、リン酸塩を含まない自動食器洗浄用製品が提供される。本製品は、食器洗浄機の内部部品の良好な洗浄を提供することができる。本製品は、高濃度の非イオン性界面活性剤、漂白剤及びスケール防止ポリマーを含み、好ましくはスケール防止ポリマーは、カルボキシル化ポリマーである。好ましくは、リン酸塩を含まない製品は漂白触媒を含み、より好ましくは漂白触媒はマンガン錯体である。
【0033】
本発明の製品は、高濃度の非イオン性界面活性剤を含む。「高濃度」の非イオン性界面活性剤により、本明細書では、製品の約5重量%〜約20重量%、好ましくは約6重量%〜約18重量%、より好ましくは約7重量%〜約16重量%、特に約8重量%〜14重量%が意味される。
【0034】
本発明の別の態様によると、高濃度の非イオン性界面活性剤を含む単位用量形態の自動食器洗浄用製品が提供され、ここで、本製品は、挿入部材を備える多相錠剤、区画パウチ、又は、区画の1つがゲル形態の組成物を含む多区画パウチから選択される。
【0035】
本発明の別の態様によると、高濃度の非イオン性界面活性剤、酸素漂白剤及びマンガン漂白触媒を含む水溶性パウチの形態の自動食器洗浄用製品が提供される。
【0036】
本明細書で上記に述べたように、本発明の製品の界面活性剤は、本明細書で上記に記載した界面活性剤と同じ不透明度、界面張力減衰定数及び均衡界面張力の値を有する。本製品、すなわち、本発明の製品への同じ適用物は、好ましくは、本明細書で上記に記載した製品と同じ不透明度、界面張力減衰定数及び均衡界面張力の値を有する。
【0037】
本発明の最後の態様によると、少なくとも250ppm、好ましくは少なくとも300ppm、より好ましくは少なくとも400ppm、特に少なくとも500ppmの非イオン性界面活性剤を供給するために本発明の洗剤組成物を送達する工程を含む食器洗浄プロセス中に食器洗浄機の内部部品の洗浄を含む自動食器洗浄方法が提供される。食器洗浄方法は、1500ppm未満の非イオン性界面活性剤、好ましくは1000ppm未満、より好ましくは800ppm未満の非イオン性界面活性剤を供給すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は、通常の自動食器洗浄操作中に自動食器洗浄機の内部部品を洗浄するために高濃度の非イオン性界面活性剤を含む自動食器洗浄用製品の使用を想定する。本発明はまた、自動食器洗浄機の内部部品の洗浄を提供する高濃度の非イオン性界面活性剤を含む製品、及び、通常の自動食器洗浄操作中に自動食器洗浄機の内部部品の洗浄を提供する方法を想定する。本発明の使用、製品及び方法は、食器洗浄機にセットした食器類の良好な洗浄及び仕上がりだけではなく、食器洗浄機の際立った手入れも提供する。
【0039】
不透明度測定
界面活性剤を含む水溶液を調製する。ラードをこの溶液に添加して、分散液を形成する。この分散液から得られた不透明度を対時間及び温度で測定する。250ppmの界面活性剤と574ppmの炭酸ナトリウムと1896ppmのトリポリリン酸ナトリウムとを脱イオン水中に含む溶液625mLを作ることにより、界面活性剤溶液を調製する(炭酸塩とリン酸塩を添加して食器洗浄洗剤の典型的な配合のイオン強度をシミュレートする)。
【0040】
自動食器洗浄用製品の場合、(界面活性剤だけではなくむしろ)最終製品を含む溶液を調製する。得られた溶液を濾過して、不溶性物質を除去する。
【0041】
ラードを穏やかに加熱し、次に、50℃にてオーブン内に配置し、50℃のラード熱平衡温度を達成してから、0.75gを界面活性剤溶液に添加する。
【0042】
分散液中に存在する粒子によりブロックされ散乱されるレーザー光線の量、すなわち、分散液を透過しない光の量を定量化するゼロ角度の濁度測定値として、不透明度を定義する。これは、分光光度計の場合の吸光度と類似しており、試料濃度に直接及び直線的に比例する。
【0043】
界面活性剤/ラード分散液の不透明度は、レーザー回折粒子寸法測定機器(Malvern InstrumentsからのMastersizer 2000)を使用して、測定する。測定する分散液(界面活性剤/ラード)を含有するジャケット付きビーカーに機器を接続する。分散液にビーカーと、不透明度を測定する粒子寸法測定機器の試料採取セルと、の間を再循環させる。
【0044】
ジャケット付きビーカーを恒温水浴槽に接続して、懸濁液の温度を制御する。分散液の初期温度は30℃である。次に温度勾配を開始し、温度は50℃まで上げられ(これには約16分かかる)、次に、分散液は20℃に冷却される(これには約1時間45分かかる)。加熱及び冷却速度は、実質的に直線的、好ましくは直線的である。好ましくは、加熱速度は約1.25℃/分であり、冷却速度は約0.3℃/分である。この温度サイクルは、自動食器洗浄機内側の作動条件をシミュレートしている。不透明度指数は、下式に従って計算される:
不透明度指数=20℃における不透明度/36℃における不透明度(冷却期)。
【0045】
次に、この不透明度指数を、Brij 30界面活性剤の同一条件下での不透明度指数により正規化する。Brij 30は、Aldrichから入手可能な2−(ドデシルオキシ)エタノールである。
【0046】
正規化された不透明度指数は、同一条件下で測定されたBrij 30の不透明度指数に対する所定の界面活性剤の不透明度指数の比率である。
【0047】
不透明度を測定するための詳細なプロトコル
使用される設備は以下のものを備える:レーザー回折粒子寸法測定機器Malvern Mastersizer 2000;インペラを備えた湿潤分散システム(Malvern Hydro 2000MU)及びジャケット付きビーカー;ジャケット付きビーカーのジャケットを供給し、外付けのPt100熱電対を介してPIDフィードバックループで実際の試料温度を制御するための恒温水浴槽(例えば、Lauda Ecoline RE320);並びに水浴槽冷却速度を補助して所望の冷却温度勾配目標を達成する手段(例えば、Haake EK20冷蔵浸漬コイル冷却機、冷凍した「クールパック」又は同様物)。
【0048】
以下の工程を使用して、界面活性剤/ラード系の不透明度を測定する:
1.Mastersizer 2000のスイッチを入れ、ソフトウェアを開く。測定を開始するのに先立ち、レーザー安定のために30分をウォームアップ時間に充てる。
2.625mLの界面活性剤溶液をジャケット付きビーカーに移す。
3.インペラユニットをジャケット付きビーカーの中心に配置する。
4.1400rpmでの撹拌を開始する。
5.界面活性剤溶液を測定セルの周囲に循環させて、その温度を界面活性剤溶液と均衡化する。
6.撹拌を停止し、1400rpmで再び開始(して系の中の不必要な空気の除去を促進)する。
7.撹拌機の速度を2000rpmに上げる。
8.熱電対をジャケット付きビーカーの中に挿入する。
9.試料を30℃で平衡化させておく。
10.30℃に達したら、0.75gの溶融したラードをビーカーの中心に注入し、不透明度の測定を開始する。
11.直後に、30℃から50℃への水浴槽の加熱を開始する(これには約16分かかる)。
12.50℃に達したら、水浴槽を直ちに調整して、試料を20℃に冷却する(これには約1時間45分かかる)。
13.工程1〜12をBrij 30について繰り返す(図1は、時間/温度に対するBrij 30の不透明度についてのグラフを表す)。
14.冷却サイクルでは36℃及び20℃で記録した別個の不透明度データ点を用いて、上式のように正規化された不透明度指数を計算する。
【0049】
以下の測定パラメータを使用する:
試料−コーン油、RI=1.469、吸収=0
分散剤−水、RI=1.33、吸収=0
一般用途、通常感度測定モード
試料測定時間=10秒
バックグラウンド測定時間=15秒
測定間のずれ=10秒
運転当たりの測定サイクルの総数=142
【0050】
自動食器洗浄用製品の不透明度を測定するための方法は上記に記載のとおりであるが、界面活性剤は自動食器洗浄用製品により置き換えられる。製品は、単位用量形態又はゲル若しくはルースパウダー形態であることができ、ゲル及びルースパウダーの場合、製造者により推奨されている用量を使用する。溶液を作るために、製品を、50℃にて5リットルの蒸留水を有するビーカーの中に配置し、製品を、加熱せずに300rpmで撹拌しながら60分間かけて溶解させておく(それゆえに、60分経過後に溶液を50℃から約35℃に冷却させ、これは食器洗浄機において見られる条件をシミュレートしている)。60分後、得られた溶液を、真空ポンプ及びHartley漏斗を使用してWhatman GF/C(粗)ガラスマイクロファイバーフィルターを通して液体を通過させることにより、濾過する。濾液を回収し、Whatman GF/F(微細)ガラスマイクロファイバーフィルターを使用して二回目の真空濾過にかける。
【0051】
動的界面張力
ラード中の界面活性剤の動的界面張力は、ISO 9101:1987(E)に従って測定される。動的界面張力は、有機相(ラード)と接触している毛細管から分離する際に毛細菅の末端部に形成される水相(界面活性剤を含有する脱イオン水の溶液)の液滴の体積の測定である。液滴を支持する界面張力で液滴の重量をバランス調製し、補正因子を適用することにより2つの液相間の界面張力を得、次に、落下する液滴の体積、毛細管の外径、2つの液相間の密度差及び重力に起因する加速から、界面張力の計算を行う。
【0052】
ISO 9101:198(E)と本明細書で使用される方法との間の差異は、以下のとおりである:
a.手動操作する注射器の代わりに完全自動化機器が使用される
b.注射器体積=500μLの代わりに2500μL
c.機器が振動問題を防止するように設計されているので、液滴が最大体積に近づいたときに、恒温槽のスイッチは切らない
d.液滴経過時間当たりの液滴体積の測定を4回の代わりに平均3回で行った。
【0053】
動的界面張力を測定するために、2500μL注射器及び50℃をもたらすようにプログラムされた恒温水浴槽制御機と共に、Lauda TVT−2液滴体積張力計を使用する。ラードを張力計のキュベットの中に配置し、注射器の中に界面活性剤を配置する。
【0054】
以下の工程を使用して、ラード中の界面活性剤の動的界面張力を測定する:
1.機器のスイッチを入れ、温度を50℃にプログラムする。
2.冷蔵庫から複合ラードを取り出し、ホットプレート上で穏やかに溶融させる。
3.溶融したラードをLauda TVT−2機器に移し、ガラスキュベットに充填する。
4.保護蓋を嵌めて、汚染物質がキュベットに入るのを防止する。
5.注射器を取り外し、二重に蒸留した水で複数回十分にすすぐ。
6.注射器に界面活性剤(又は自動食器洗浄用洗剤製品)溶液をゆっくりと充填する。自動食器洗浄用洗剤製品の場合、0.45μm注射器フィルターを最初に使用して濾過する。
7.充填したら、注射器を反転し、あらゆる気泡を除去する。
8.調整済みブロック内の注射器を機器上に取り付ける。
9.およそ10分にわたって系全体を50℃で熱平衡化させておく。
10.以下の設定を用いて測定を開始する:
・2500μL注射器
・約0.9g/mLのラード密度
・13回の測定サイクル、サイクル当たり3回の液滴の繰り返し
・動的モード設定
・0.07〜0.50s/μLの液滴形成速度範囲
【0055】
非イオン性界面活性剤
本明細書での使用のための非イオン性界面活性剤は、単一の界面活性剤又は界面活性剤系(すなわち、界面活性剤の混合物)であり得、好ましくは非イオン性界面活性剤は界面活性剤系である。本発明により、当業者は、本明細書で上記に詳細を記した不透明度、界面張力減衰定数及び均衡界面張力に基づいて界面活性剤を選択することができる。好ましくは、本明細書での使用のための非イオン性界面活性剤は、低起泡性である。界面活性剤系の場合、系は、系を構成する単一の界面活性剤のそれぞれよりも低気泡性であるべきである。好ましくは、非イオン性界面活性剤は、20°〜50°の範囲の曇点を有する。界面活性剤系の場合、系は、系を構成する単一の界面活性剤のそれぞれよりも特定された曇点を有するべきである。
【0056】
好ましい非イオン性界面活性剤は、本来は脂肪族(直鎖又は分枝鎖)又は環状基を有するアルキル又はアルキル芳香族であり得る有機疎水性物質とアルキレンオキシド基の縮合により得られる化合物であり、好ましくは、EO、PO及び/又はBO部分を有するC2〜C18アルコールアルコキシレートからなる群から選択される化合物である。この部分は、ブロック配置又はランダム分布であることができる。
【0057】
好ましくは、界面活性剤は、実質的には他のアルコキシル化基を含まないエトキシル化アルコールを含む(すなわち、エトキシ基以外には、10%未満、より好ましくは5%未満、特に1%未満のアルコキシル化基)。本明細書で好適なのは、好ましくは8〜18個の炭素原子と、アルコール1モル当たり平均1〜12モルのエチレンオキシド(EO)を有する第一級アルコールであり、ここで、アルコール基は、直鎖又は2−メチル−分枝鎖であってもよく、あるいは、オキソアルコール基中に典型的に存在するように、直鎖とメチル分枝鎖基の混合物を含有してもよい。好ましいエトキシル化されたアルコールは、例えば、ココナッツ、パーム、タロー脂肪又はオレイルアルコールの、12〜18個の炭素原子と、アルコール1モル当たり平均2〜8個のEOと、を有する天然由来のアルコールの直鎖基を有する。好ましいエトキシル化アルコールとしては、例えば、3EO又は4EOを有するC12〜14アルコール、7EOを有するC9〜11アルコール、3EO、5EO、7EO又は8EOを有するC13〜15アルコール、3EO、5EO又は7EOを有するC12〜18アルコール、及びこれらの混合物、例えば、3EOを有するC12〜14アルコールと5EOを有するC12〜18アルコールの混合物が挙げられる。特定されるエトキシル化度は、特定の生成物についての整数又は分数であり得る統計平均値である。好ましいアルコールエトキシレートは、狭まった同族体分布(狭範囲エトキシレート、NRE)を有する。これらの非イオン性界面活性剤に加えて、12超のEOを有する脂肪族アルコールを使用することも可能である。この例は、14EO、25EO、30EO又は40EOを有するタロー脂肪族アルコールである。
【0058】
特に好ましいのは、約8〜約14個の炭素原子を含有するアルキル基を有するアルコールと、アルコール1モル当たり平均約6〜約8モルのエチレンオキシドとの縮合生成物である。好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも75%の界面活性剤は、直鎖エトキシル化一級アルコールである。この界面活性剤のHLB(親水性−親油性バランス)が、約18未満、好ましくは約15未満、更により好ましくは14未満であることも好ましい。本明細書で使用する市販の製品としては、BASFにより提供されるLutensol(登録商標)TOシリーズ、エトキシル化C13オキソアルコールが挙げられ、特に本明細書に用いるのに好適なのはLutensol(登録商標)TO7である。
【0059】
本明細書で使用するのに好適な他の非イオン性界面活性剤は、ランダム又はブロック分布のいずれかを有し、EO、PO及び/又はBO部分を有するC2〜C18アルコールアルコキシレートである。本明細書で使用するのに特に好ましいのは、エトキシル化されたアルコール、好ましくは4〜10個のエトキシ基を有するC10〜C16アルコール、を含む界面活性剤系である。好ましくはエトキシル化されたアルコールは、界面活性剤系の約10重量%〜約80重量%、好ましくは約20重量%〜約60重量%、より好ましくは約30重量%〜約50重量%の濃度である。界面活性剤系がエトキシル化アルコールに加えて、EO、PO及び/又はBO部分を有するC2〜C18アルコールアルコキシレート、特にEO及びBO部分をランダム構成で含むC2〜C18アルコールを含むことも好ましい。好ましくはアルコキシル化C2〜C18アルコールは、界面活性剤系の約10重量%〜約80重量%、好ましくは約20重量%〜約60重量%、より好ましくは約30重量%〜約50重量%の濃度である。特に好ましいのは、以下の脂肪族アルコールアルコキシレートであり、例えば、Adekanol B2020(Adeka)、Dehypon LS36(Cognis)、Plurafac LF 221(C13〜15、EO/BO(95%))、Plurafac LF 300、Plurafac LF 303(EO/PO)、Plurafac LF 1300、Plurafac LF224、Degressal SD 20(ポリプロポキシレート)(全てBASFから)、Surfonic LF 17(C12〜18のエトキシル化されたプロポキシル化アルコール、Huntsman)、Triton EF 24(Dow)、Neodolエトキシレート(Shellから)である。
【0060】
また本明細書での使用に好適なものは、脂肪族カルボン酸のポリオキシアルケン縮合体であり、直鎖又は分枝鎖のいずれであってもよく、並びに、不飽和又は飽和のいずれであってもよく、特に脂肪鎖中に約8〜約18個の炭素原子を含有し、約2〜約50個のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド単位を組み込んでいるエトキシル化及び/又はプロポキシル化脂肪族酸である。好適なカルボン酸としては、平均約12個の炭素原子を含有する「ココナッツ」脂肪酸(ココナッツ油から誘導される)、平均約18個の炭素原子を含有する「タロー」脂肪酸(タロー種の脂肪から誘導される)、パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸及びラウリン酸が挙げられる。
【0061】
また本明細書での使用に好適なものは、脂肪族アルコールのポリオキシアルケン縮合体であり、直鎖又は分枝鎖のいずれであってもよく、並びに、不飽和又は飽和のいずれであってもよく、特に約6〜約24個の炭素原子を含有し、約2〜約50個のエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド単位を組み込んでいるエトキシル化及び/又はプロポキシル化脂肪族アルコールである。好適なアルコールとしては、「ココナッツ」脂肪族アルコール、「タロー」脂肪族アルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール及びオレイルアルコールが挙げられる。
【0062】
他のタイプの例の非イオン性界面活性剤は、米国特許第4,340,766号(BASF)に記載されている、末端保護された末端基を有する直鎖脂肪族アルコールアルコキシレートである。
【0063】
他のタイプの例としては、式:
HO(CH2 CH2 O)a(CH(CH3)CH2 O)b(CH2 CH2 O)cH;又は
HO(CH(CH3)CH2 O)d(CH2 CH2 O)e(CH(CH3)CH2 O)H
(式中、a、b、c、d、e及びfは、上記ポリマーのそれぞれのポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドブロックを反映する1〜350の整数である)を有する(haying)ポリオキシエチレン(polyoxyethylene)−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーが挙げられる。このブロックポリマーのポリオキシエチレン構成要素は、ブロックポリマーの少なくとも約10%を構成する。この物質は、例えば、約1,000〜約15,000、より特定的には約1,500〜約6,000の分子量を有する。これらの物質は、当該技術分野において周知である。これらは、BASF Corporationから商標「Pluronic」及び「Pluronic R」で入手可能である。
【0064】
本明細書での使用に好適な非イオン性界面活性剤は、下式により表されるエポキシ末端保護ポリ(オキシアルキル化)アルコールである:
R1O[CH2CH(CH3)O]x[CH2CH2O]y[CH2CH(OH)R2] (I)
式中、R1は、4〜18個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族炭化水素基であり、R2は、2〜26個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖脂肪族炭化水素基であり、xは0.5〜1.5、より好ましくは約1の平均値を有する整数であり、yは少なくとも15、より好ましくは少なくとも20の値を有する整数である。
【0065】
好ましくは、式Iの界面活性剤は、末端エポキシド単位[CH2CH(OH)R2]中に少なくとも10個の炭素原子を有する。本発明による好適な式Iの界面活性剤は、例えば、国際公開第94/22800号(1994年10月13日発行、Olin Corporation)に記載されているように、Olin CorporationのPOLY−TERGENT(登録商標)SLF−18B非イオン性界面活性剤である。
【0066】
好ましくは本明細書での使用に好適な非イオン性界面活性剤は、Draves湿潤方法(以下の条件を用いる標準方法ISO 8022;3gフック、5g綿かせ、25℃の温度での0.1重量%水溶液)により測定されるとき、360秒未満、好ましくは200秒未満、より好ましくは100秒未満、特に60秒未満のDraves湿潤時間を有する。
【0067】
アミンオキシド界面活性剤はまた本明細書でも有用である。これらとしては、下式を有する直鎖及び分枝鎖化合物が挙げられる:
【0068】
【化1】

式中、R3は、8〜26個の炭素原子、好ましくは8〜18個の炭素原子を含有する、アルキル、ヒドロキシアルキル、アシルアミドプロピル及びアルキルフェニル基又はこれらの混合物から選択され、R4は、2〜3個の炭素原子、好ましくは2個の炭素原子を含有するアルキレン又はヒドロキシアルキレン基又はこれらの混合物であり、xは0〜5、好ましくは0〜3であり、各R5は、1〜3個、好ましくは1〜2個の炭素原子を含有するアルキル若しくはヒドロキシアルキル基、又は1〜3個、好ましくは1個のエチレンオキシド基を含有するポリエチレンオキシド基である。R5基は、例えば、酸素又は窒素原子を通して、互いに結合して、環構造を形成することができる。
【0069】
これらのアミンオキシド界面活性剤は特に、C10〜C18アルキルジメチルアミンオキシド及びC8〜C18アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドを含む。このような物質の例としては、ジメチルオクチルアミンオキシド、ジエチルデシルアミンオキシド、ビス−(2−ヒドロキシエチル)ドデシルアミンオキシド、ジメチルドデシルアミンオキシド、ジプロピルテトラデシルアミンオキシド、メチルエチルヘキサデシルアミンオキシド、ドデシルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、セチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、タロージメチルアミンオキシド及びジメチル−2−ヒドロキシオクタデシルアミンオキシドが挙げられる。C10〜C18アルキルジメチルアミンオキシド及びC10〜18アシルアミドアルキルジメチルアミンオキシドが好ましい。
【0070】
他の洗浄活性物質
非イオン性界面活性剤に加えて任意の洗浄成分を本発明の製品の一部として使用することができる。所与の濃度は重量%であり、かつ組成物全体について指す(包装又は梱包材料を有する単位用量形態の場合、水溶性材料製の包みは除外する)。本組成物は、非イオン性界面活性剤に加えて、リン酸塩ビルダーを含有することができ、あるいはリン酸塩ビルダーを含まなくてもよく、酵素、漂白剤、漂白活性化剤、漂白触媒、アルカリ性供給源、スケール防止ポリマー、染色助剤、腐食防止剤(例えば、ケイ酸ナトリウム)及びケア剤から選択され得る1種以上の洗剤活性物質を含むことができる。本明細書での使用に非常に好ましい洗浄成分としては、ビルダー化合物、漂白剤、アルカリ性供給源、界面活性剤、スケール防止ポリマー(好ましくはスルホン化ポリマー)、酵素及び追加の漂白剤が挙げられる。
【0071】
ビルダー
本明細書での使用のためのビルダーとしては、リン酸塩ビルダー及びリン酸塩を含まないビルダーが挙げられる。存在する場合、ビルダーは、組成物の5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは20〜50重量%の濃度で使用される。一部の実施形態では、製品は、リン酸塩ビルダーと非リン酸塩ビルダーの混合物を含む。
【0072】
リン酸塩ビルダー
好ましいリン酸塩ビルダーとしては、一リン酸塩、二リン酸塩、三リン酸塩が挙げられ、あるいは、オリゴマー状ポリリン酸塩が使用される。これらの化合物のアルカリ金属塩、特にナトリウム塩は好ましい。特に好ましいビルダーはトリポリリン酸ナトリウム(STPP)である。
【0073】
非リン酸塩ビルダー
好ましい非リン酸塩ビルダーとしては、アミノ酸系化合物、特にMGDA(メチル−グリシン−二酢酸)並びにその塩及び誘導体、GLDA(グルタミン−N,N−二酢酸)並びにその塩及び誘導体、IDS(イミノ二コハク酸)並びにその塩及び誘導体、カルボキシメチルイヌリン並びにその塩及び誘導体、並びにこれらの混合物が挙げられる。GLDA(この塩及び誘導体)は特に、本発明に従って好ましく、それらの四ナトリウム塩が特に好ましい。好ましくは、MGDA又はGLDAは、本発明の組成物中に、組成物の0.5重量%〜40重量%、より好ましくは約1重量%〜約35重量%、特に約2〜約10重量%の濃度で存在する。
【0074】
MGDA及び/又はGLDAに加えて又はこれらの代わりに本明細書での使用に好適なビルダーとしては、クエン酸塩などの水溶性硬度イオン錯体(封鎖ビルダー)及び、例えば、炭酸ナトリウムといった炭酸塩などの硬度析出物を形成するビルダー(析出ビルダー)が挙げられる。
【0075】
他の好適な非リン酸塩ビルダーとしては、アミノ酸系化合物又はコハク酸系化合物が挙げられる。用語「コハク酸塩系化合物」及び「コハク酸系化合物」は、本明細書において互換的に使用される。他の好適なビルダーは、米国特許第6,426,229号で述べられている。特に好適なビルダーとしては:例えば、アスパラギン酸−N−一酢酸(ASMA)、アスパラギン酸−N,N−二酢酸(ASDA)、アスパラギン酸−N−モノプロピオン酸(ASMP)、イミノ二コハク酸(IDA)、N−(2−スルホメチル)アスパラギン酸(SMAS)、N−(2−スルホエチル)アスパラギン酸(SEAS)、N−(2−スルホメチル)グルタミン酸(SMGL)、N−(2−スルホエチル)グルタミン酸(SEGL)、N−メチルイミノ二酢酸(MIDA)、α−アラニン−N,N−二酢酸(α−ALDA)、セリン−N,N−二酢酸(SEDA)、イソセリン−N,N−二酢酸(ISDA)、フェニルアラニン−N,N−二酢酸(PHDA)、アントラニル酸−N,N−二酢酸(ANDA)、スルファニル酸−N,N−二酢酸(SLDA)、タウリン−N,N−二酢酸(TUDA)及びスルホメチル−N,N−二酢酸(SMDA)、並びにこれらのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩が挙げられる。
【0076】
好ましくは、非リン酸塩ビルダーは、組成物中に、組成物全体の少なくとも1重量%、より好ましくは少なくとも5重量%、更により好ましくは少なくとも10重量%、及び最も好ましくは少なくとも20重量%の量で存在する。好ましくは、これらのビルダーは、組成物全体の最大50重量%、より好ましくは最大45重量%、更により好ましくは最大40重量%、特に最大35重量%の量で存在する。好ましい実施形態では、組成物は組成物全体の20重量%以下のリン酸塩ビルダー、より好ましくは組成物全体の10重量%以下のリン酸塩ビルダーを含有し、最も好ましくは組成物は実質的にはリン酸塩ビルダーを含まない。
【0077】
他の非リン酸塩ビルダーとしては、ポリカルボン酸及びこれらの部分又は完全中和塩、モノマーポリカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸並びにこれらの塩のホモポリマー及びコポリマーが挙げられる。上記化合物の好ましい塩は、アンモニウム及び/又はアルカリ金属塩、すなわち、リチウム、ナトリウム及びカリウム塩であり、特に好ましい塩はナトリウム塩である。
【0078】
好適なポリカルボン酸は、非環式、脂環式、複素環式及び芳香族カルボン酸であり、これらの場合において少なくとも2つのカルボキシル基が含まれ、これらはそれぞれ、互いに離れた場所に分離され、好ましくは炭素原子2つ分を超えない程度に互いに離れている。2つのカルボキシル基を含むポリカルボキシレートは、例えばマロン酸、(エチレンジオキシ)二酢酸、マレイン酸、ジグリコール酸、酒石酸、タルトロン酸、及びフマル酸の水溶性の塩を含む。3つのカルボキシル基を含有するポリカルボキシレートとしては、例えば水溶性クエン酸塩が挙げられる。それに相応するものとして、好適なヒドロキシカルボン酸は、例えばクエン酸である。別の好適なポリカルボン酸は、アクリル酸のホモポリマーである。他の好適なビルダーは、国際公開第95/01416号に記載されており、その内容は本明細書において参照として記載される。
【0079】
スケール防止ポリマー
このポリマーは、使用される場合、組成物の約0.1重量%〜約50重量%、好ましくは0.5重量%〜約20重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%の任意の好適な量で使用される。
【0080】
本明細書で好ましい有機ポリマーとしては、アクリル酸含有ポリマー、例えば、Sokalan PA30、PA20、PA15、PA10及びSokalan CP10(BASF GmbH)、Acusol 45N、480N、460N(Rohm and Haas)、アクリル酸/マレイン酸コポリマー、例えば、Sokalan CP5、並びにアクリル/メタクリルコポリマーが挙げられる。本明細書おいて好ましい汚れ剥離ポリマーとしては、アルキル並びにヒドロキシアルキルセルロース(米国特許第A−4,000,093号)、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン並びにこれらのコポリマー、及びエチレングリコール、プロピレングリコール並びにこれらの混合物のテレフタレートエステルをベースとする、非イオン性並びにアニオン性コポリマーが挙げられる。
【0081】
スルホン化/カルボキシル化ポリマーは、本発明の組成物に特に好適であり得る。
【0082】
本明細書に記載される好適なスルホン化/カルボキシル化ポリマーは、約100,000Da以下、又は約75,000Da以下、又は約50,000Da以下、又は約3,000Da〜約50,000Da、好ましくは約5,000Da〜約10,000Daの重量平均分子量を有し得る。
【0083】
本明細書に記載されるように、スルホン化/カルボキシル化ポリマーは、(a)一般式(I):
【0084】
【化2】

(式中、R1〜R4は、独立して、水素、メチル、カルボン酸基又はCH2COOHであり、式中、カルボン酸基は中和することができる)を有する少なくとも1つのカルボン酸モノマーから誘導される少なくとも1つの構造ユニット、(b)場合により、式(II):
【0085】
【化3】

(式中、R5は水素、C1〜C6アルキル、又はC1〜C6ヒドロキシアルキルであり、Xは芳香族であるか(Xが芳香族である時、R5は水素又はメチルである)又はXは一般式(III):
【0086】
【化4】

(式中、R6は(R5とは独立に)水素、C1〜C6アルキル、又はC1〜C6ヒドロキシアルキルであり、YはO又はNである)を有するかのいずれかである)を有する少なくとも1つのスルホン酸モノマーから誘導される1つ以上の構造ユニット、及び一般式(IV):
【0087】
【化5】

(式中、R7は少なくとも1つのsp2結合を含む基であり、AはO、N、P、S又はアミド若しくはエステル結合であり、Bはモノ−又は多環式芳香族基又は脂肪族基であり、各tは独立して0又は1であり、かつM+はカチオンである)を有する少なくとも1つのスルホン酸モノマーから誘導される少なくとも1つの構造ユニットを含み得る。一態様では、R7は、C2〜C6アルケンである。別の態様では、R7は、エテン、ブテン、又はプロペンである。
【0088】
好ましいカルボン酸モノマーには、以下:アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、メタクリル酸、又はアクリル酸のエトキシレートエステル、アクリル酸、の1つ以上が挙げられ、アクリル酸及びメタクリル酸がより好ましい。好ましいスルホン化モノマーには、以下の1つ以上が挙げられる:(メタ)アリルスルホン酸ナトリウム、スルホン酸ビニル、フェニル(メタ)アリルエーテルスルホン酸ナトリウム又は2−アクリルアミド−メチルプロパンスルホン酸。好ましい非イオン性モノマーには、以下の1つ以上が挙げられる:(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、メチル(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミド、スチレン又はα−メチルスチレン。
【0089】
好ましくは、ポリマーは以下の濃度のモノマーを含む:ポリマーの約40重量%〜約90重量%の、好ましくは約60重量%〜約90重量%の、1つ以上のカルボン酸モノマー;ポリマーの約5重量%〜約50重量%の、好ましくは約10重量%〜約40重量%の、1つ以上のスルホン酸モノマー;及び任意選択的にポリマーの約1重量%〜約30重量%の、好ましくは約2重量%〜約20重量%の、1つ以上の非イオン性モノマー。特に好ましいポリマーは、ポリマーの約70重量%〜約80重量%の少なくとも1つのカルボン酸モノマーと、ポリマーの約20重量%〜約30重量%の少なくとも1つのスルホン酸モノマーとを含む。
【0090】
カルボン酸は好ましくは(メタ)アクリル酸である。スルホン酸モノマーは、好ましくは以下のうちの1つである:2−アクリルアミドメチル−1−プロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、3−メタクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸(allysulfonic acid)、メタリルスルホン酸(methallysulfonic acid)、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−(2−プロペニルオキシ)プロパンスルホン酸、2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、3−スルホプロピルアクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、スルホメチルアクリルアミド、スルホメチルメタクリルアミド、及びこれらの水溶性塩。不飽和スルホン酸モノマーは、最も好ましくは2−アクリルアミド−2−プロパンスルホン酸(AMPS)である。
【0091】
好ましい市販のポリマーとしては、Alco Chemicalにより供給されるAlcosperse 240、Aquatreat AR 540及びAquatreat MPS、Rohm & Haasにより供給されるAcumer 3100、Acumer 2000、Acusol 587G及びAcusol 588G、BF Goodrichにより供給されるGoodrich K−798、K−775及びK−797、並びに、ISP technologies Inc.により供給されるACP 1042が挙げられる。特に好ましいポリマーは、Rohm & Haasにより供給されるAcusol 587G及びAcusol 588Gである。
【0092】
ポリマーにおいて、全ての又は一部のカルボン酸基又はスルホン酸基は、中和された形態で存在することができ、すなわち、全ての又は一部の酸性基中のカルボン酸基及び/又はスルホン酸基の酸性水素原子は、金属イオンで、好ましくはアルカリ金属イオンで、特にナトリウムイオンで、置換することができる。
【0093】
本明細書での使用に好適な他のスケール防止ポリマーとしては、アクリル酸主鎖及びアルコキシル化側鎖を含むポリマーが挙げられ、このポリマーは、約2,000〜約20,000の分子量を有し、このポリマーは、約20重量%〜約50重量%のアルキレンオキシドを有する。ポリマーは、約2,000〜約20,000、又は約3,000〜約15,000、又は約5,000〜約13,000の分子量を有するべきである。ポリマーのアルキレンオキシド(AO)構成要素は、通常、プロピレンオキシド(PO)又はエチレンオキシド(EO)であり、通常、ポリマーの約20重量%〜約50重量%、又は約30重量%〜約45重量%、又は約30重量%〜約40重量%を構成する。水溶性ポリマーのアルコキシル化された側鎖は、約10〜約55個のAO単位、又は約20〜約50個のAO単位、又は約25〜50個のAO単位を含んでもよい。好ましくは水溶性である、ポリマーは、ランダム、ブロック、グラフト又は他の任意の構成体として構成され得る。アルコキシル化されたアクリル酸ポリマーの形成方法は、米国特許第3,880,765号に開示されている。
【0094】
乾燥助剤
本明細書での使用に好ましい乾燥助剤としては、ポリエステル、特にテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、アルキルジオール又はポリアルキレングリコール及びポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルのモノマーから形成されるアニオン性ポリエステルが挙げられる。乾燥助剤として使用するのに好適なポリエステルは、国際公開第2008/110816号に開示されている。他の好適な乾燥助剤としては、国際公開第2008/119834号に記載のように、特定のポリカーボネート−、ポリウレタン−及び/若しくはポリ尿素−ポリオルガノシロキサン化合物又は反応性環状炭酸塩及び尿素タイプのこれらの前駆体化合物が挙げられる。
【0095】
乾燥の改善は、国際公開第2009/033830号に提案されているような界面活性剤及びアニオン性ポリマーの送達を伴うプロセスにより、又は、国際公開第2009/033972号に提案されているような特定の非イオン性界面活性剤をスルホン化ポリマーと組み合わせることにより、達成することもできる。
【0096】
好ましくは、本発明の組成物は、組成物の0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%、特に1重量%〜4重量%の乾燥助剤を含む。
【0097】
ケイ酸塩
好ましいケイ酸塩は、ケイ酸ナトリウム、例えば二ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、及び結晶性フィロケイ酸塩などである。ケイ酸塩がある場合は、組成物の約1重量%〜約20重量%、好ましくは約5重量%〜約15重量%の濃度で存在する。
【0098】
漂白剤
無機及び有機漂白剤は、本明細書において用いるのに適した洗浄活性物質である。無機漂白剤としては、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過硫酸塩及び過ケイ酸塩のような過水和物塩が挙げられる。無機過水和物塩は、通常、アルカリ金属塩である。無機過水和物塩は、追加的保護なしで、結晶性固体として含まれてよい。あるいは、塩はコーティングすることができる。
【0099】
過炭酸のアルカリ金属塩、特に過炭酸ナトリウムは、本明細書で用いるのに好ましい過水和物である。過炭酸塩は、最も好ましくは、製品内安定性を提供するコーティングされた形態で製品に取り込まれる。製品内安定性を提供する好適なコーティング材料は、水溶性アルカリ金属硫酸塩及び炭酸塩の混合塩を含む。このようなコーティングは、コーティングプロセスと共に、過去に英国特許第1,466,799号に記載されている。混合塩コーティング材料の過炭酸塩に対する重量比は、1:200〜1:4、より好ましくは1:99〜19、最も好ましくは1:49〜1:19の範囲である。好ましくは、混合塩は、一般式Na2SO4.n.Na2CO3を有する硫酸ナトリウムと炭酸ナトリウムのものであり、式中、nは0.1〜3、好ましくはnは0.3〜1.0であり、最も好ましくはnは0.2〜0.5である。
【0100】
製品内安定性を供給する別の好適なコーティングは、SiO2:Na2O比が1.8:1〜3.0:1、好ましくはL8:1〜2.4:1のケイ酸ナトリウム及び/又はメタケイ酸ナトリウムを含み、好ましくは無機過水和物塩の2重量%〜10重量%(通常は3重量%〜5重量%)のSiO2濃度で適用される。ケイ酸マグネシウムもコーティングに含むことができる。ケイ酸塩及びホウ酸塩又はホウ酸又はその他の無機物を含有するコーティングも好適である。
【0101】
ワックス類、油類、脂肪石鹸類を含有するその他のコーティングも、本発明内で有利に使用できる。
【0102】
ペルオキシ一過硫酸カリウムは、本明細書で有用な別の無機過水和物塩である。
【0103】
典型的な有機漂白剤は、ジアシル及びテトラアシルペルオキシドを含む有機ペルオキシ酸、特に、ジペルオキシドデカン二酸(diperoxydodecanedioc acid)、ジペルオキシテトラデカン二酸(diperoxytetradecanedioc acid)、及びジペルオキシヘキサデカン二酸(diperoxyhexadecanedioc acid)である。過酸化ジベンゾイルは、本明細書において好ましい有機ペルオキシ酸である。モノ−及びジペルアゼライン酸、モノ−及びジペルブラシル酸、並びにN−フタロイルアミノペルオキシカプロン酸(N-phthaloylaminoperoxicaproic acid)も、本明細書での使用に適している。
【0104】
ジアシルペルオキシド、特にジベンゾイルペルオキシドは、好ましくは約0.1〜約100μm、好ましくは約0.5〜約30μm、より好ましくは約1〜約10μmの重量平均径を有する粒子の形態で存在すべきである。好ましくは、少なくとも約25%、より好ましくは少なくとも約50%、更により好ましくは少なくとも約75%、最も好ましくは少なくとも約90%の粒子が10μmより小さく、好ましくは6μmより小さい。上記の粒径範囲内のジアシルペルオキシドは、より大きなジアシルペルオキシド粒子よりも優れた染み除去を、特にプラスチック食器からの除去を提供し、同時に自動食器洗浄機での使用中に、望ましくない付着及び被膜形成を最少化することも見出された。したがって、好ましいジアシルペルオキシドの粒径によって、配合者は低濃度のジアシルペルオキシドでの良好な染み除去を達成することができ、それによって付着及び被膜形成が軽減される。逆に、ジアシルペルオキシドの粒径が増すにつれて、良好な染み除去には更に多くのジアシルペルオキシドが必要となり、食器洗浄方法の間に生じる表面への付着を増やすことになる。
【0105】
更なる一般的な有機漂白剤としてはペルオキシ酸が挙げられ、具体例はアルキルペルオキシ酸及びアリールペルオキシ酸である。好ましい代表例は、(a)ペルオキシ安息香酸及びその環置換誘導体、例えばアルキルペルオキシ安息香酸、またペルオキシ−α−ナフトエ酸及びモノ過フタル酸マグネシウム、(b)脂肪族又は置換脂肪族ペルオキシ酸、例えばペルオキシラウリン酸、ペルオキシステアリン酸、ε−フタルイミドペルオキシカプロン酸[フタロイミノペルオキシへキサン酸(PAP)]、o−カルボキシベンズアミドペルオキシカプロン酸、N−ノネニルアミドペルアジピン酸及びN−ノネニルアミドペルコハク酸、並びに(c)脂肪族及び芳香脂肪族ペルオキシジカルボン酸、例えば1,12−ジペルオキシカルボン酸、1,9−ジペルオキシアゼライン酸、ジペルオキシセバシン酸、ジペルオキシブラシル酸、ジペルオキシフタル酸、2−デシルジペルオキシブタン−1,4−二酸、N,N−テレフタロイルジ(6−アミノペルカプロン酸)である。
【0106】
漂白活性化剤
漂白活性化剤は、一般的に、60℃以下の温度での洗浄過程において漂白作用を増強する有機過酸前駆体である。本明細書で用いるのに好適な漂白活性化剤としては、過加水分解条件(perhydrolysis condition)下で好ましくは1〜10個の炭素原子、特に2〜4個の炭素原子を有する脂肪族ペルオキシカルボン酸、及び/又は任意に置換された過安息香酸をもたらす化合物が挙げられる。好適な物質は、指定された炭素原子数のO−アシル及び/若しくはN−アシル基並びに/又は任意に置換されたベンゾイル基を有する。好ましいのは、ポリアシル化アルキレンジアミン、特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化トリアジン誘導体、特に1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(DADHT)、アシル化グリコールウリル、特にテトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、N−アシルイミド、特にN−ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化フェノールスルホネート、特にn−ノナノイル−又はイソノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n−又はイソ−NOBS)、無水カルボン酸、特に無水フタル酸、アシル化多価アルコール、特にトリアセチン、二酢酸エチレングリコール及び2,5−ジアセトキシ−2,5−ジヒドロフラン及び更にはトリエチルアセチルシトレート(TEAC)である。漂白活性化剤は、本発明の組成物に含まれる場合、組成物全体の約0.1〜約10重量%、好ましくは約0.5〜約2重量%の濃度であり得る。
【0107】
漂白触媒
本明細書で使用するのに好ましい漂白触媒としては、マンガントリアザシクロノナン及び関連する錯体(米国特許第4246612号、同第5227084号)、Co、Cu、Mn及びFeビスピリジルアミン及び関連する錯体(米国特許第5114611号)、並びにペンタミンアセテートコバルト(III)及び関連する錯体(米国特許第4810410号)が挙げられる。本明細書で用いるのに好適な漂白触媒の完全な記述は、国際公開第99/06521号、34ページ、26行〜40ページ、16行に見ることができる。漂白触媒は、本発明の組成物に含まれる場合、組成物全体の約0.1〜約10重量%、好ましくは約0.5〜約2重量%の濃度である。
【0108】
酵素
酵素に関連する用語
アミノ酸修飾に関する命名法
本明細書において酵素変異体を説明する際、参照し易くするために以下の命名法、元のアミノ酸、位置、置換したアミノ酸、が使用される。
【0109】
この命名法に従うと、例えば、195位でグルタミン酸をグリシンに置換したものはG195Eと表示する。同じ位置でグリシンが欠失したものはG195*と表示し、追加のアミノ酸残基、例えばリジンを挿入したものはG195GKと表示する。特定の酵素が他の酵素と比較して「欠失」を含有し、このような位置で挿入が行われる場合、これは、位置36におけるアスパラギン酸の挿入については*36Dというように、示される。複数の変異はプラスにより分離され、すなわち、S99G+V102Nは、位置99と102で、それぞれセリンをグリシンに、バリンをアスパラギンに置換する変異を表わす。ある位置(例えば、102)のアミノ酸が、一群のアミノ酸、例えば、N及びIからなる群から選択された別のアミノ酸により置換され得る場合、これは、V102N/Iにより、示される。
【0110】
全ての場合において、一般に認められたIUPACの一文字又は三文字アミノ酸略記を採用する。
【0111】
プロテアーゼアミノ酸の番号付与
本明細書で使用される番号付与は、当該技術分野において一般に使用され、国際公開第00/37627号に例として示されている、いわゆるBPN’番号付与スキームに対比される番号付与である。
【0112】
アミノ酸の同一性
2つのアミノ酸配列の間の関連性は、「同一性」パラメータにより説明される。本発明の目的では、2つのアミノ酸配列のアラインメントは、EMBOSSパッケージ(http://emboss.org)バージョン2.8.0.からのNeedleプログラムを使用することにより、決定される。Needleプログラムは、Needleman,S.B.and Wunsch,C.D.(1970)J.Mol.Biol.48,443〜453に記載のグローバルアラインメントアルゴリズムを実行する。用いる置換マトリクスはBLOSUM62、ギャップオープニングペナルティは10、ギャップエクステンションペナルティは0.5である。
【0113】
本明細書で使用される酵素のアミノ酸配列(「本配列(invention sequence)」)と異なるアミノ酸配列(「異質配列(foreign sequence)」)との間の同一性の度合いは、2つの配列のアラインメントにおける完全一致の数を「本配列」の長さ又は「異質配列」の長さのいずれか短い方で除算して、計算される。この結果を同一度(%)として表す。完全一致は、「本配列」と「異質配列」に、同一のアミノ酸残基が重複部分の同じ位置に備わっている場合に発生する。配列の長さは、配列内のアミノ酸残基の数である。
【0114】
本明細書で使用するのに好ましい酵素としては、プロテアーゼが挙げられる。好適なプロテアーゼとしては、スブチリシン(EC 3.4.21.62)のような、中性又はアルカリ性の微生物セリンプロテアーゼなどの、メタロプロテアーゼ及びセリンプロテアーゼが挙げられる。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物又は微生物由来のものが挙げられる。一態様では、このような好適なプロテアーゼは微生物由来のものであり得る。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学修飾又は遺伝子組み換えの変異体が挙げられる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼなどのセリンプロテアーゼであり得る。好適な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、
(a)サブチリシン(EC 3.4.21.62)(Bacillus lentus、B.alkalophilus、B.subtilis、B.amyloliquefaciens、Bacillus pumilus及びBacillus gibsoniiなどのBacillusから誘導されたものを含む)(米国特許第6,312,936(B1)号、同第5,679,630号、同第4,760,025号、同第7,262,042号及び国際公開第09/021867号に記載)。
(b)トリプシン(例えばブタ又はウシ由来)などのトリプシン型又はキモトリプシン型プロテアーゼ(国際公開第89/06270号に記述されているフサリウムプロテアーゼ、及び同第05/052161号及び同第05/052146号に記述されているCellumonasに由来するキモトリプシンプロテアーゼを含む)。
(c)メタロプロテアーゼ(国際公開第07/044993(A2)号に記述されているBacillus amyloliquefaciensから誘導されたものを含む)。
【0115】
好ましいプロテアーゼとしては、Bacillus gibsonii又はBacillus Lentusから誘導されたものが挙げられる。
【0116】
本発明での使用に好ましいプロテアーゼとしては、Bacillus lentus由来の野生型酵素と少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%、更により好ましくは少なくとも99%、特に100%の同一性を示し、参照により本明細書に組み込まれている、国際公開第00/37627号に示すようなBPN’番号付与システム及びアミノ酸略称を用いて、以下の位置の1つ以上、好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ以上で変異:
68、87、99、101、103、104、118、128、129、130、167、170、194、205及び222を含み、場合により、アミノ酸95〜103を含む領域での1つ以上の挿入を含むポリペプチドである。
【0117】
好ましくは、変異は、下記:V68A、N87S、S99D、S99SD、S99A、S101G、S103A、V104N/I、Y167A、R170S、A194P、V205I及び/又はM222Sのうちの1つ以上、好ましくは2つ以上、より好ましくは3つ以上から選択される。
【0118】
最も好ましくは、プロテアーゼは、PB92野生型(国際公開第08/010925号の配列番号2)又はサブチリシン309野生型(N87Sの天然変異を含むことを除きPB92主鎖と同じ配列)のいずれかと対比される下記の変異(BPN’番号付与システム)を含む群から選択される:
(i)G118V+S128L+P129Q+S130A
(ii)G118V+S128N+P129S+S130A+S166D
(iii)G118V+S128L+P129Q+S130A+S166D
(iv)G118V+S128V+P129E+S130K
(v)G118V+S128V+P129M+S166D
(vi)G118V+S128F+P129L+S130T
(vii)G118V+S128L+P129N+S130V
(viii)G118V+S128F+P129Q
(ix)G118V+S128V+P129E+S130K+S166D
(x)G118V+S128R+P129S+S130P
(xi)S128R+P129Q+S130D
(xii)S128C+P129R+S130D
(xiii)S128C+P129R+S130G
(xiv)S101G+V104N
(xv)N76D+N87S+S103A+V104I
(xvi)V68A+N87S+S101G+V104N
(xvii)S99SD+S99A
(xviii)N87S+S99SD+S99A
【0119】
好適な市販のプロテアーゼ酵素としては、Novozymes A/S(Denmark)により商品名Alcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)及びEsperase(登録商標)で販売されているもの、Genencor Internationalにより商品名Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)及びPurafect OXP(登録商標)で販売されているもの、Solvay Enzymesにより商品名Opticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)で販売されているもの、Henkel/Kemiraから入手可能なもの、すなわち、全てHenkel/KemiraからのBLAP(以下の変異:S99D+S101 R+S103A+V104I+G159Sを有する米国特許第5,352,604号の図29に示されている配列、これ以降ではBLAPと呼ばれる)、BLAP R(S3T+V4I+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP)、BLAP X(S3T+V4I+V205Iを有するBLAP)及びBLAP F49(S3T+V4I+A194P+V199M+V205I+L217Dを有するBLAP);並びに花王株式会社からのKAP(変異A230V+S256G+S259Nを有するBacillus alkalophilus)が挙げられる。
【0120】
本発明の組成物中の好ましい濃度のプロテアーゼは、組成物1グラム当たり約0.1〜約10mg、より好ましくは約0.5〜約5mg、特に約1〜約4mg、の活性プロテアーゼを含む。
【0121】
本明細書での使用に好ましい酵素としては、バクテリア又は真菌由来のものなどのα−アミラーゼが挙げられる。化学修飾された又は遺伝子操作された変異体(変異型)が含まれる。好ましいアルカリ性α−アミラーゼは、Bacillusの菌種から、例えば、Bacillus licheniformis、Bacillus amyloliquefaciens、Bacillus stearothermophilus、Bacillus subtilis、又は他のBacillus sp、例えばBacillus sp.NCIB 12289、NCIB 12512、NCIB 12513、DSM 9375(米国特許第7,153,818号)、DSM 12368、DSMZ no.12649、KSM AP1378(国際公開第97/00324号)、KSM K36又はKSM K38(欧州特許第1,022,334号)に由来する。好ましいアミラーゼとしては、以下のものが挙げられる。
(a)国際公開第94/02597号、同第94/18314号、同第96/23874号、及び同第97/43424号に記載の変異体、特に、国際公開第96/23874号の配列番号2としてリストされた酵素に対して、以下の位置:15、23、105、106、124、128、133、154、156、181、188、190、197、202、208、209、243、264、304、305、391、408及び444のうちの1つ以上が置換された変異体。
(b)米国特許第5,856,164号及び国際公開第99/23211号、同第96/23873号、同第00/60060号、及び同第06/002643号に記載の変異型、特に国際公開第06/002643号で配列番号12として記載のAA560酵素に対して、以下の位置:
26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、203、214、231、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、461、471、482、484のうちの1つ以上が置換された変異体であって、好ましくはD183*及びG184*の欠損を含有する変異体。
(c)国際公開第06/002643号での配列番号4(Bacillus SP722由来の野生型酵素)と少なくとも90%の同一性を呈し、特に位置183及び184で欠損を有する変異体、並びに本明細書に参照により組み込まれる国際公開第00/60060号に記載の変異体。
(d)Bacillus sp.707由来の野生型酵素と少なくとも95%の同一性を呈する変異体(米国特許第6,093,562号に記載の配列番号7)、特に、M202、M208、S255、R172、及び/又はM261の位置の1つ以上に変異を含むもの。好ましくはこのアミラーゼは、M202L、M202V、M202S、M202T、M202I、M202Q、M202W、S255N及び/又はR172Qのうちの1つ以上を含む。特に好ましいのは、M202L又はM202Tの変異を含むものである。
【0122】
好適な市販のα−アミラーゼとしては、DURAMYL(登録商標)、LIQUEZYME(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、NATALASE(登録商標)、SUPRAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、KEMZYM(登録商標)AT 9000(Biozym Biotech Trading GmbH(Wehlistrasse 27b A−1200 Wien Austria))、RAPIDASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、ENZYSIZE(登録商標)、OPTISIZE HT PLUS(登録商標)及びPURASTAR OXAM(登録商標)(Genencor International Inc.(Palo Alto,California))、並びに、KAM(登録商標)(花王株式会社(日本、103−8210、東京都中央区日本橋茅場町1丁目14−10))が挙げられる。一態様では、好適なアミラーゼとしては、NATALASE(登録商標)、STAINZYME(登録商標)及びSTAINZYME PLUS(登録商標)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0123】
好ましくは、本発明の組成物は、活性α−アミラーゼを組成物1グラム当たり少なくとも0.01mg含み、好ましくは組成物1グラム当たり約0.05〜約10、より好ましくは約0.1〜約6、特に約0.2〜4mgのα−アミラーゼを含む。
【0124】
金属処理剤
金属処理剤は、金属(アルミニウム、ステンレス鋼、及び非鉄金属(銀及び銅など)を含む)の錆、腐食又は酸化を防止又は低減し得る。好適な例としては、次の1つ以上が挙げられる。
(a)ベンゾトリアゾール又はビス−ベンゾトリアゾールとこれらの置換誘導体を包含するベンザトリアゾール。ベンゾトリアゾール誘導体は、芳香族環上の使用可能な置換部位が部分的又は完全に置換されている化合物である。好適な置換基としては、直鎖又は分枝鎖のC1〜C20−アルキル基と、ヒドロキシル、チオ、フェニル、あるいはフッ素、塩素、臭素、及びヨウ素などのハロゲンが挙げられる。
(b)金属が酸化状態II、III、IV、V又はVIの1つにある、亜鉛、マンガン、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、コバルト、ガリウム、及びセリウムの塩及び/又は錯体からなる群から選択される金属塩及び錯体。一態様では、好適な金属塩及び/又は金属錯体は、硫酸Mn(II)、クエン酸Mn(II)、ステアリン酸Mn(II)、Mn(II)アセチルアセトネート、K2TiF6、K2ZrF6、CoSO4、Co(NO3)2及びCe(NO3)3、亜鉛塩(例えば、硫酸亜鉛、水亜鉛土又は酢酸亜鉛)からなる群から選択され得る。
(c)ケイ酸ナトリウム又はカリウム、二ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、結晶性フィロケイ酸塩、及びこれらの混合物を包含するケイ酸塩。
【0125】
銀/銅腐食阻害剤として作用する更なる好適な有機及び無機レドックス活性物質は、国際公開第94/26860号及び国際公開第94/26859号で開示されている。
【0126】
好ましくは、本発明の組成物は、組成物全体の0.1〜5重量%、より好ましくは0.2〜4重量%、特に0.3〜3重量%の金属処理剤を含み、好ましくは金属処理剤は亜鉛塩である。
【0127】
単位用量形態
好ましくは、本発明の製品は単位用量製品である。単位用量形態の製品としては、錠剤、カプセル、分包剤、パウチなどが挙げられる。本明細書での使用に好適であるのは錠剤、水溶性フィルムで包装された単位用量形態(包装された錠剤、カプセル、分包剤、パウチなど)及び注入成形容器である。本発明の単位用量形態は好ましくは、水溶性多区画パックである。
【0128】
好ましくは、少なくとも1つの区画は固体組成物を収容し、別の区画はゲル形態の組成物を収容し、これらの組成物は、固体の、ゲルに対する比が、好ましくは約20:1〜約1:20、より好ましくは約18:1〜約2:1、更により好ましくは約15:1〜約5:1である。洗剤成分の多くは、固体形態での、好ましくは粉末形態での使用に最も好適であることから、特に好ましいものは固体の、ゲルに対する比率が高いパウチであることが見出されている。本明細書で定義される固体:ゲルの比は、パック内の全ての固体組成物の重量と全てのゲル組成物の重量との間の関係を指す。好ましい固体:ゲルの重量比は、約2:1〜約18:1であり、より好ましくは約5:1〜約15:1である。
【0129】
ディスペンサーへの適合性の理由から、特に自動食器洗浄機では、本明細書の単位用量形態の製品は正方形又は長方形の基材を有し、高さは約1〜約5cm、より好ましくは約1〜4cmである。好ましくは固体組成物の重量は約5〜約20グラム、より好ましくは約10〜約15グラムであり、液体組成物の重量は約0.5〜約4グラム、より好ましくは約0.8〜約3グラムである。
【0130】
好ましい実施形態では、異なる区画を形成するフィルムの少なくとも2つは、同一条件下で異なる溶解度を有し、それらのフィルムが部分的又は全体的に包む内容物(組成物)を異なる時間に放出する。
【0131】
多区画パウチの成分の制御放出は、フィルムの厚さ及び/又はフィルム材料の溶解度を変えることによって達成することができる。フィルム材料の溶解性は、例えば国際公開第02/102,955号の17及び18ページに記載されているようにフィルムの架橋により、遅らせることができる。すすぎ剤を放出するように設計された他の水溶性フィルムは、米国特許第4,765,916号及び同第4,972,017号に記載されている。フィルムのワックス性被覆層(国際公開第95/29982号を参照のこと)は、すすぎ剤放出を補助し得る。pHにより制御される放出手段、とりわけ選択される程度のアセチル化を有するアミノ−アセチル化多糖は、国際公開第04/111178号に記載されている。
【0132】
異なる区画(区画が、異なる溶解度を有するフィルムで作製されている)を有する多区画パウチによる遅延放出を得る他の手段は、国際公開第02/08380号に教示されている。
【実施例】
【0133】
以下に一覧表にされた組成物は、固体組成物(粉末形態)を含む第一区画と液体組成物を含む液体区画とを有する二区画水溶性パックに導入される。使用される水溶性フィルムは、Monosolにより供給されるMonosol M8630フィルムである。固体組成物の重量は17グラムであり、液体組成物の重量は2.6グラムである。
【0134】
【表1】

TO7:BASFから入手可能な非イオン性界面活性剤
LF224:BASFから入手可能な非イオン性界面活性剤
Neodol 1−9:BASFから入手可能な非イオン性界面活性剤。
588:Rohm & Haasから供給されるAcusol 588Gスルホン化ポリマー
【0135】
汚れた食器洗浄機にセットした食器類を、例示された組成物を使用して洗浄する。25サイクルを実行する。食器洗浄機から及び食器洗浄機につながっているパイプを調べる。視認可能な残渣は見出されない。
【0136】
[図1]

図1:574ppmの炭酸ナトリウム及び1896ppmのトリポリリン酸ナトリウムの存在下での417ppmのBrij 30の不透明度の例。
【0137】
本明細書で開示した寸法及び値は、列挙した厳密な数値に厳格に限定されるものとして解釈されるものではない。むしろ、別段の指定がない限り、そのような各寸法は、列挙した値と、その値を包含する機能的に等価な範囲との双方を意味することを意図したものである。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動食器洗浄操作中に食器洗浄機の内部部品を洗浄するための自動食器洗浄機内での自動食器洗浄用製品の使用であって、前記操作が少なくとも250ppmの非イオン性界面活性剤の送達を伴う、使用。
【請求項2】
0.75グラムのラードの存在下で30℃−50℃−20℃の温度サイクルにかけられた前記非イオン性界面活性剤が、前記サイクルの冷却段階で、36℃よりも20℃で不透明度が大きくなる、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
0.75グラムの存在下で30℃−50℃−20℃の温度サイクルにかけられた前記非イオン性界面活性剤が、少なくとも約0.5の正規化された不透明度指数を有し、前記不透明度指数が、30℃−50℃−20℃サイクルにかけられた際の、20℃での不透明度に対する前記サイクルの冷却段階内の36°での不透明度の比率である、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記非イオン性界面活性剤が、50℃下でラードに対して1.2秒未満の界面張力減衰定数を有し、かつ、好ましくは1.4mN/m未満の均衡界面張力を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記非イオン性界面活性剤が20°〜50°の範囲の曇点を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記非イオン性界面活性剤が低起泡性非イオン性界面活性剤である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
【請求項7】
前記非イオン性界面活性剤が界面活性剤系であり、前記界面活性剤系が、前記界面活性剤系の少なくとも30重量%のエトキシル化アルコールと、前記界面活性剤系の50重量%未満の、EO、PO及びBOから選択される少なくとも2個のアルコキシル化基を含むアルコキシル化アルコールと、を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
組成物の少なくとも7重量%の非イオン性界面活性剤、漂白剤及びスケール防止ポリマーを含む、自動食器洗浄機の内部部品の洗浄を提供することができる、リン酸塩を含まない自動食器洗浄用製品。
【請求項9】
組成物の少なくとも7重量%の非イオン性界面活性剤を含む、自動食器洗浄機の内部部品の洗浄を提供することができる、単位用量形態の自動食器洗浄用製品であって、前記製品が、挿入部材を備える多相錠剤、単一区画パウチ、又は、区画の1つがゲル形態の組成物を含む多区画パウチから選択される、製品。
【請求項10】
組成物の少なくとも7重量%の非イオン性界面活性剤、酸素漂白剤及びマンガン漂白触媒を含む、自動食器洗浄機の内部部品の洗浄を提供することができる、水溶性パウチ形態の自動食器洗浄用製品。
【請求項11】
前記非イオン性界面活性剤が、請求項2〜7のいずれか一項に特定されているとおりの非イオン性界面活性剤である、請求項8〜10のいずれか一項に記載の自動食器洗浄用製品。
【請求項12】
請求項8〜11のいずれか一項に記載の製品のうちの1つを使用して少なくとも250ppmの非イオン性界面活性剤を供給できる洗剤組成物を送達する工程を含む、食器洗浄操作中に、自動食器洗浄機の内部部品の洗浄を含む、自動食器洗浄方法。

【公表番号】特表2013−513700(P2013−513700A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543238(P2012−543238)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/059429
【国際公開番号】WO2011/071997
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】