説明

自己完結的生物学的アッセイ装置、方法及び応用

本発明は自己完結的生物学的アッセイ装置に関し、前記装置は:ハウジング;前記ハウジング内に設けられる、制御可能−移動可能な試薬分配システムを含む分配プラットフォーム;前記ハウジング内に設けられる試薬供給コンポーネント;前記ハウジング内に前記分配プラットフォームと空間を共有して設けられ、流体輸送層と複数の貯槽と移動可能に接続される、ニューマチックマニホールドを含み、前記流体輸送層、前記貯槽及びそこに導入される試験サンプルが前記ハウジング内に、前記分配プラットフォームから空間的に分離されて設けられ;前記ハウジング内に前記分配プラットフォームから空間的に離れて、前記ニューマチックマニホールドに移動可能に接続されるニューマチック供給システム、;及び前記分配プラットフォーム及び前記ニューマチック供給システムの少なくとも1つに接続され、前記ハウジング内に設けられる制御システムを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、次の米国仮特許出願:2011年2月2日出願米国仮特許出願第61/444952;2011年2月22日出願米国仮特許出願第61/445125;2011年2月23日出願米国仮特許出願第61/445130;2010年5月19日出願米国仮特許出願第61/346202;2010年6月17日出願米国仮特許出願第61/355773;2010年10月21日出願米国仮特許出願第61/405339;2010年2月23日出願米国仮特許出願第61/307186、2010年2月23日出願米国仮特許出願第61/307121、2010年10月14日出願米国仮特許出願第61/393237;2010年8月17日出願米国仮特許出願第61/374302について優先権を主張するものであり、これらの内容は参照されて本明細書に援用される。
【0002】
本発明の開示は、一般的にはミクロ流体及び、より具体的には自己完結型、ミクロ流体に基づく生物学的アッセイ装置、関連する方法及び応用に関する。
【背景技術】
【0003】
生化学的アッセイは、一般的には、研究、医療、環境及び工業環境で、特定の遺伝子配列、抗原、疾患及び病原体の存在や量を検出又は定量するために使用される。前記アッセイは、宿主生物又はサンプル内に存在する寄生生物、真菌、細菌及びウイルスを含む生物体を識別するために、しばしば使用される。ある条件下で、アッセイは、感染や疾患の程度を計算し、疾患の時間経過をモニタするために使用され得る定量化の尺度を提供することができる。一般に、生化学的アッセイは、研究、医療、環境又は工業的原料から由来のサンプルから抽出された抗原(免疫アッセイ)や核酸(核酸系アッセイ又は分子アッセイ)のいずれかを検出する。
【0004】
分子生物学は、核酸に基づくアッセイを含み、生物学の一分野として広く定義され得るものであり、核酸及びタンパク質などのマクロ分子の形成、構造と機能、及び核酸の操作同様に細胞増殖及び遺伝子情報の伝達におけるそれらの役割などを取り扱い、それらは配列解析され、変位され及びさらに操作されて有機体のゲノムへ導入され、前記変位有機体の生物学的効果を研究される。
【0005】
生化学及び分子生物学の従来方法では、研究対象物のサイズにしばしば反比例する規模の物理的なプロセスリソースを必要とすることがある。例えば、予定される分析のために核酸断片などの生物学的サンプルの調製及び精製に伴う装置及びプロセス化学は、通常は殺菌設備を持つ完全な規模の生物学実験室を必要とする。さらに、類似の規模の環境的に隔離された施設が、前記核酸断片を増幅するためにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの知られた核酸増幅手順を実施するために必要とされ得る。
【0006】
「ミクロフルイディクス」とは一般に、流体の少量容量をプロセスするためのシステム、装置及び方法を意味する。ミクロフルイディクスシステムは、流体を操作するための広い種々の操作を集積することができる。かかる流体は化学的又は生物学的サンプルを含む。これらのシステムはまた、生物学的アッセイ(例えば医学診断、創薬及び医薬輸送のため)、生化学的センサ又は環境分析同様に一般的な生命科学研究、工業的プロセスモニタ及び食品安全性試験など、多くの応用分野を含む。
【0007】
1つのタイプのミクロ流体装置は、ミクロ流体チップである。ミクロ流体チップは、流体を貯蔵し、チップ上の種々の位置へ及びから流体を経路付け及び/又は反応試薬のためのチャンネル、バルブ、ポンプ、リアクタ及び/又は貯槽などのミクロスケールの構造(又は「ミクロ構造」)を含む。しかし、既存のミクロ流体システムは、既設のフローパターンを通る以外の複数の流体の制御された操作を可能とするための適切な機構を欠失しており、システムを種々の化学又は生物学的アッセイで利用され得る実用性を限定する。この理由は、実際のアッセイでは、種々の分析目的のために異なる試薬の繰り返し操作がしばしば必要とされるからである。
【0008】
さらに多くの既存のミクロ流体装置は1つの特定の使用に限定され、完全に再設計しない限り、他の応用に容易に適合化することはできない。これらの装置はモジュール性を欠失しており、従って、1つの設計が複数の機能を実施できる共通の装置コンポーネントを共有することができない。このフレキシビリティを欠くということは、それぞれの使用が異なるシステムを製造する必要があるということにより製造コストを増加させることとなる。
【0009】
さらに、多くの既存のミクロ流体システムは、容易に相互作用又は前記アッセイから得られる検体の存在を検出することができる簡単なエンドポイントアッセイのための手段を欠く。例として、アッセイ後のサンプルの色変化を視覚的に検出することが前記アッセイ結果を評価するためにしばしば使用される。
【0010】
従って、生物学的又は化学的サンプルの分析及び特に、DNA、RNAアミノ酸及びタンパク質などのサンプルなどから由来する生物学的活性なマクロ分子の検出及び分析のために流体をプロセスするための改良されたミクロ流体システムの必要性が存在する。望ましいことは、前記システムが大量生産でき、安価で、かつ好ましくは使い捨てである、ということである。望ましいことは、前記システムが操作が容易で、前記流体プロセスステップの多く又は実質的に全てが自動化される、ということである。望ましいことは、前記システムがカスタマイズでき、モジュール化されることであり、それにより前記システムが、マクロ分子の検出が望まれる種々の応用に適するように容易にかつ迅速に再構成され得る、ということである。また望ましいことは、前記システムが簡単な意味のあるアッセイ結果を提供することができる、ということである。
【0011】
核酸系アッセイを実施する場合、サンプルの調製は、前記サンプル中に存在し得る目標核酸を放出させかつ安定化させる第1の最も重要なステップである。サンプル調製はまた、ヌクレアーゼ活性を除去し、かつ前記目標核酸の核酸増幅又は検出の潜在的インヒビタを除去又は不活性化するために供される。前記サンプル調製の方法は変更され得るものであり、プロセスされるサンプルの特質に部分的に依存するものである。種々の溶解手順は当技術分野で知られており、当初のサンプル内に懸濁された細胞やウイルスから核酸を具体的に単離するように設計される。
【0012】
溶解に続いて、前記サンプル中に放出された核酸は精製され、増幅反応を抑制する可能性があるインヒビタを核酸から除去され得る。一般には、精製は手間のかかる、大量の試薬、高価な設備及び労力を要する一連のくり返し作業であり、かつこのステップがその後の増幅反応の失敗に最も関係するステップである。
【0013】
精製に続いて、当技術分野で知られるいくつかの核酸増幅手順を用いて特定の核酸配列を増幅することが一般に望ましい。具体的には、核酸増幅は、増幅される核酸配列に相同性の配列を含む核酸アンプリコン(コピー)の酵素合成である。当技術分野で実施される核酸増幅手順の例は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、鎖置換増幅(SDA)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、核酸配列系増幅(NASBA)、転写関連増幅(TAA)、コールドPCR、及び非酵素増幅技術(NEAT)が含まれる。核酸増幅は、サンプル中の目標配列の量が非常に低い場合に特に有益である。目標配列を増幅し、合成されたアンプリコンを検出することで、アッセイの感度が飛躍的に改善される。というのは前記アッセイの最初にはほんの僅かな目標配列が、前記対象となる生物体又はウイルスに属するサンプル中の核酸の検出をより確実にするために必要とされるからである。
【0014】
目標核酸配列の検出は、前記目標配列又はその代わりのアンプリコンに相補的であるヌクレオチド塩基配列を持つ核酸プローブの使用を必要とする。選択的なアッセイ条件下で、前記プローブが前記目標配列又はそのアンプリコンにハイブリダイズさせることで、実施者がサンプル中に前記目標配列の存在を検出することができる。効果的なプローブは、目標配列の存在の検出を妨害する核酸配列と非特異的にハイブリダイズすることを防止するように設計される。プローブ及び/又はアンプリコンは検出可能なラベルを含み、前記ラベルは、例えば放射性ラベル、蛍光色素、ビオチン、酵素、電気化学的又は化学発光化合物が挙げられる。
【0015】
手動で実施する場合には、核酸系アッセイに伴うプロセスステップの複雑性と多数回のために、実施者誤差、病原体曝露及びアッセイ間のクロスコンタミネーションなどの機会を生じる。手動方式に従い、実施者は安全かつ簡便に、試験サンプル、試薬、廃棄容器、アッセイ容器、ピペットチップ、アスピレータ装置、ディスペンサ装置を配置整列させる必要があり、一方で、ラック、試験サンプル、アッセイ容器及び関連するチップを特に注意して区別し、又はチューブ、チップ、容器又は器具をひっくり返さないように特に注意する必要がある。さらに、実施者は、注意深く、手持ちの非固定器具を吸引し分配するステップを実施しなければならない。これらは、アッセイ容器間の望ましくない、接触、エアロゾル形成又は磁気粒子又は目標捕捉アッセイで使用される他の物質の吸引を避けるために正確な実施が要求される。
【0016】
核酸系アッセイを実施する手動方法に伴う多くの問題に対処する自動分析装置への要求が存在する。特に、核酸系アッセイの種々のプロセスステップを自動化することで、ユーザ誤差、病原体曝露、コンタミネーション及び漏流の危険を大きく防止することを含む重要な利点が実現され得る。核酸系アッセイのステップを自動化することはまた、実施者に要求される訓練の量を低減し、高体積の手動適用による物理的傷害の原因を実質的に除去するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の実施態様及び側面は、前記説明された要求に対処するものであり、自己完結的ミクロ流体に基づく生物学的アッセイ装置、関連する方法及びその応用を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
非限定的、例示的実施態様によれば、自己完結的、完全自動化、生物学的アッセイ−実施装置であり、前記装置は:自己完結的生物学的アッセイ装置であり、前記装置は:ハウジング;前記ハウジング内に設けられる、制御可能で、移動可能な試薬分配システムを含む分配プラットフォーム;前記ハウジング内に設けられる試薬供給コンポーネント;前記ハウジング内に前記分配プラットフォームと空間を共有して設けられ、流体輸送層と複数の貯槽と移動可能に接続される、ニューマチックマニホールドを含み、前記流体輸送層、前記貯槽及びそこに導入される試験サンプルが前記ハウジング内に、前記分配プラットフォームから空間的に分離されて設けられ;前記ハウジング内に前記分配プラットフォームから空間的に離れて、前記ニューマチックマニホールドに移動可能に接続されるニューマチック供給システム;及び前記分配プラットフォーム及び前記ニューマチック供給システムの少なくとも1つに接続され、前記ハウジング内に設けられる制御システムを含む。
【0019】
非限定的側面によれば、前記分配プラットフォームはさらに、前記試薬分配システムと操作的に接続される動作制御システムを含み、前記試薬分配システムが、遠位分配端部を持つ試薬分配コンポーネントを含み;及び前記試薬分配システムに接続されるカメラを含み、前記カメラは前記貯槽の対象となる選択された領域を少なくとも含む視野を含む。
【0020】
非限定的側面によると、前記ニューマチックマニホールドは、少なくとも1つのアッセイ容量を持つミクロ流体システムと相互作用する。前記ミクロ流体システムはさらに、多層、モノリシック、ポリマー性、非弾性的ミクロ流体コンポーネントを含み、これは複数のニューマチック的に駆動されるダイヤフラムを含むミクロ構造の所定の構成を持つ。前記ニューマチックマニホールドは、その下に1以上のニューマチックのみ(即ち、「流体」のない)ポート、及びそこに前記流体輸送層と1以上のニューマチックのみポートとを流体接続して設けられる1以上のニューマチックのみチャンネルを含み、前記1以上のニューマチックのみポートが固定構造を持ち、及び前記1以上のニューマチックのみチャンネルが所定の構造を持ち、これは特に前記流体輸送層内の前記1以上のニューマチック的に駆動されるダイヤフラムの所定の構造に対応する。前記ニューマチック供給システムはさらに、1以上の開口チューブを含み、これは、前記1以上のニューマチックのみポートと流体接続でそこを通る前記ニューマチックシグナルの通路を提供し、前記1以上の開口チューブは固定構造を持ち、特に、前記ニューマチックマニホールドの1以上のニューマチックポートの固定構造に対応し、前記ニューマチックマニホールドと移動可能に接続される。それぞれの多層、モノリシックミクロ流体コンポーネントがさらに:ポリマー性、非弾性的基板を含み、前記基板はそこに設けられる複数の流体チャンネルを持ち、前記流体チャンネルのそれぞれは入口端部及び出口端部を持ち;試薬材料を保持し得るタイプの少なくとも1つの試薬貯槽;少なくとも3つの非弾性膜に基づくダイヤフラムバルブ構造を含む少なくとも1つの双方向ダイヤフラムポンプ;及び前記少なくとも1つの試薬貯槽と前記少なくとも1つの入口端部と流体的に接続して設けられるバルブを含み前記バルブが、前記少なくとも1つの試薬貯槽から前記バルブと接続される前記少なくとも1つのチャンネルを介して複数の貯槽へ前記材料のフローの方向を制御可能に適合され、さらに、多層の、モノリシックのミクロ流体コンポーネントのそれぞれが非弾性的、ポリマー性材料から形成される。それぞれの基板はさらに、複数の分析貯槽を含み、それぞれの分析貯槽がそこに設けられる分析システムを含む。前記分析システムが、比色、蛍光発光、化学発光、電気化学、電気泳動、ラテラルフロー、タンパク質ミクロアッセイ、核酸ミクロアッセイ、蛍光を含む群から選択される1つである。前記装置はさらに、複数の周縁段差を持つ保護リング構造を含み、前記分析膜が前記保護リング構造と操作的に協働する。前記保護リング構造は2つの対抗するリング構造を持ち、それぞれは複数の周縁段差を持ち、さらに前記分析膜が前記2つの対抗する保護リング構造の中間に設けられる。前記装置はさらに、前記分析プロセスで試験サンプル又はその部分を加熱するために異なる位置に設けられる1以上のヒーターを含む。ヒーターは、磁気的係合可能な貯槽に近接して設けられる。前記装置はまた、前記基板の底部表面に付された1以上のチューブを含むチューブ層を含み、それぞれは、それぞれの流体チャンネルへ流体的に接続される近位端部と、前記基板から垂直下部に突出する遠位端部を含み;及び前記チューブ配置層に¥の上部領域で付される1以上のそれぞれの増幅/反応チャンバを含み、それぞれのチューブの遠位端部が実質的に前記底部領域の近くに設けられる。前記装置はさらに磁気アセンブリを含み、これは貯槽又はチャンネルの下に操作的に設けられ、前記磁気アセンブリがさらに磁石、磁石保持装置、ピストンロッド及びニューマチックピストンアセンブリ(又は前記ピストンアセンブリはモーター又は電磁的に駆動され得る)を含む。ヒーターアセンブリが前記磁気アセンブリの操作的に接続され得る。
【0021】
本発明の他の非限定的例示的実施態様は、流体試験サンプル中に存在し得るターゲット核酸を単離、増幅及び分析するための自動化プロセスに関する。前記プロセスは:流体輸送層とそこに設けられる流体チャンネルを含むミクロ流体システムを操作するニューマチックマニホールド、及びそれに付される貯槽を提供し;前記流体チャンネル内に前記流体試験サンプルを導入し;少なくとも1つの試薬を、前記流体輸送層と流体的に接続される少なくとも1つの貯槽から前記チャンネルへ提供し;前記流体試験サンプルと前記流体輸送層の領域内で前記少なくとも1つの試薬とを組合せ;前記流体試験サンプルを、前記流体輸送層と操作的に流通する温度制御された増幅/反応リアクタへ輸送し;前記流体試験サンプルを、前記増幅/反応リアクタ中で、増幅される前記ターゲット核酸配列を可能にするために十分な条件下でインキュベートし;前記流体試験サンプルを分析貯槽へ輸送し;及び前記試験サンプルから前記増幅されたターゲット核酸配列を分析し、前記試験サンプルは前記流体輸送層中の開始位置から、他の全てのサンプルから分離され、かつ前記ニューマチックマニホールド及び前記分配システムから分離された前記分離貯槽へ輸送される、自動化プロセスである。
【0022】
1つの側面では、前記輸送及び結合suテップハ、前記流体試験サンプル、及び前記ニューマチックマニホールドにより操作される少なくとも1つのマルチバルブダイヤフラムポンプを介して前記流体輸送層を通じて前記容量をポンプすることで達成される。1つの側面では、前記分析ステップはさらに、前記ミクロ流体システム中のミクロアレイ分析貯槽においてミクロアレイ分析を実施することを含む。前記自動化プロセスは、さらに、前記ミクロアレイ分析貯槽内のミクロアレイ分析膜を提供し;前記ミクロアレイ分析膜の上部表面に流体を流し;及び前記ミクロアレイ分析膜の周縁に沿って流体出口経路を実質的に通じて前記流体を除去することを含む。前記自動化プロセスはさらに、前記ミクロアレイ分析貯槽内のミクロ分析膜を提供し;及び前記ミクロ分析膜の上部表面を交互に前後に流体を流すことを含む。前記自動化プロセスは、さらに、前記ミクロアレイ分析膜に熱を与えることを含む。
【0023】
流体試験サンプルに存在し得るターゲット核酸配列を単離し、増幅しかつ分析するためのその他の非限定的実施態様では、前記ターゲット核酸配列が、対象となる疾患又は障害、感染源、病原体、癌の素因又は薬品、医薬組成物、化学物質又は化合物感受性の素因に関連する。
【0024】
流体試験サンプルに存在し得るターゲット核酸配列を単離し、増幅しかつ分析するためのその他の非限定的実施態様では、前記ターゲット核酸はSNPを含む。
【0025】
流体試験サンプルに存在し得るターゲット核酸配列を単離し、増幅しかつ分析するためのその他の非限定的実施態様では、前記疾患又は障害がHPV又は敗血症を含む。
【0026】
流体試験サンプルに存在し得るターゲット核酸配列を単離し、増幅しかつ分析するためのその他の非限定的実施態様では、前記ターゲット核酸配列が、ワルファリン感受性の素因又はワルファリン処置に応じた抗凝固の素因に関連する。
【0027】
流体試験サンプルに存在し得るターゲット核酸配列を単離し、増幅しかつ分析するためのその他の非限定的実施態様では、前記分析ステップが、前記増幅ターゲット核酸配列と前記ターゲット核酸配列の間の相互作用を検出することを含む。
【0028】
流体試験サンプルに存在し得るターゲット核酸配列を単離し、増幅しかつ分析するためのその他の非限定的実施態様では、前記分析ステップが、対象となる疾患又は障害、感染源、病原体、癌の素因又は薬品、医薬組成物、化学物質又は化合物感受性の存在を決定することを含む。
【0029】
流体試験サンプルに存在し得るターゲット核酸配列を単離し、増幅しかつ分析するためのその他の非限定的実施態様では、前記分析ステップが、前記増幅ターゲット核酸配列の量及びレベルの決定を含み、及び前記方法がさらに前記量及びレベルを前記ターゲット核酸配列の既定の量及びレベルと比較することを含む。
【0030】
さらに前記量又はレベル及び前記既定の量又はレベルの間の差が、対象となる疾患又は障害、感染源、病原体、癌の素因又は薬品、医薬組成物、化学物質又は化合物感受性の存在を示す。
【0031】
ここまで説明され、以下同様に発明の詳細な説明で示される本発明の構成及び効果については、当業者であれば、詳細な説明、図面及び特許請求の範囲に基づき、容易に明らかとなるであろう。
【0032】
理解されるべきことは、前記一般的説明及び以下の詳細な説明は、本発明を説明するためのものであり、特許請求される本発明の本質及び特徴の概略を与えることを意図するものである、ということである。
【0033】
以下の添付図面は、本発明の種々の請求される実施態様及び側面の理解を提供するものであり、これらは本明細書の一部を構成するものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、本発明の例示的実施態様による、自己完結生物学的アッセイの斜視図である。
【図2】図2は、図1に示される自己完結的生物学的アッセイ装置の正面図である。
【図3】図3は、図1に示される自己完結的生物学的アッセイ装置の平面図である。
【図4】図4は、図1に示される自己完結的生物学的アッセイ装置の斜視図である。
【図5】図5は、本発明の例示的側面による、貯槽の「6x4」の平面図である。
【図6】図6は本発明の例示的側面による、流体輸送層に付設され、ニューマチックマニホールド上に設けられた「6x4」の貯槽の配置を示す斜視図である。
【図7】図7は、本発明の例示的側面による、増幅反応に関与するニューマチックマニホールドとヒータの上部ガスケット層の「6x4」配置の断面正面図を示す。
【図8A】図8Aは、本発明の例示的側面による、自己完結的生物学的アッセイ装置のニューマチックマニホールドの底部の「6x4」配置の正面斜視図を示す。
【図8B】図8Bは、本発明の例示的側面による、自己完結的生物学的アッセイ装置のニューマチックマニホールドの底部の「6x4」配置の平面図を示す。
【図8C】図8Cは、本発明の例示的側面による、自己完結的生物学的アッセイ装置のニューマチックマニホールドの底部の「6x4」配置の底部斜視図を示す。
【図9】図9は、本発明の例示的側面により、流体輸送及び貯槽層の組合せである、貯槽、流体チャンネル及び増幅リアクタの「4アッセイユニット」の多層化、断面平面図を示す。
【図10A】図Aは、本発明の例示側面による、ニューマチックマニホールドにより操作される場合に、組み合わされた流体輸送層と貯槽層内のチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の正面図を示す。
【図10B】図Bは、本発明の例示側面による、ニューマチックマニホールドにより操作される場合に、組み合わされた流体輸送層と貯槽層内のチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の正面図を示す。
【図10C】図Cは、本発明の例示側面による、ニューマチックマニホールドにより操作される場合に、組み合わされた流体輸送層と貯槽層内のチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の正面図を示す。
【図10D】図Dは、本発明の例示側面による、ニューマチックマニホールドにより操作される場合に、組み合わされた流体輸送層と貯槽層内のチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の正面図を示す。
【図10E】図Eは、本発明の例示側面による、ニューマチックマニホールドにより操作される場合に、組み合わされた流体輸送層と貯槽層内のチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の正面図を示す。
【図10F】図Fは、本発明の例示側面による、ニューマチックマニホールドにより操作される場合に、組み合わされた流体輸送層と貯槽層内のチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の正面図を示す。
【図10G】図Gは、本発明の例示側面による、ニューマチックマニホールドにより操作される場合に、組み合わされた流体輸送層と貯槽層内のチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の正面図を示す。
【図10H】図Hは、本発明の例示側面による、ニューマチックマニホールドにより操作される場合に、組み合わされた流体輸送層と貯槽層内のチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の正面図を示す。
【図10I】図Iは、本発明の例示側面による、ニューマチックマニホールドにより操作される場合に、組み合わされた流体輸送層と貯槽層内のチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の正面図を示す。
【図10J】図Jは、本発明の例示側面による、ニューマチックマニホールドにより操作される場合に、組み合わされた流体輸送層と貯槽層内のチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の正面図を示す。
【図10K】図Kは、本発明の例示側面による、ニューマチックマニホールドにより操作される場合に、組み合わされた流体輸送層と貯槽層内のチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の正面図を示す。
【図11】図11は、本発明の例示的側面による、貯槽層、膜層を含む流体輸送層及び増幅リアクタを含む「4アッセイユニット」コンポーネントの斜視図を示す。
【図12】図12は、本発明の例示的側面による、図11で示される「4アッセイユニット」の断面側面図を示す。
【図13A】図13Aは、本発明の例示的側面による、「4アッセイユニット」コンポーネントの一例の分解図を示す、貯槽層、流体層、膜層、増幅リアクタを充填及び空にするために使用される空洞(ルーメン)を含む増幅リアクタ、孔付きリングと分析貯槽のための膜システム、シリカフィルタ及び孔付き保持リングを含む。
【図13B】図13Bをは、本発明の例示的側面による、孔付きリングの一例を示し、フローチャンネル、分析膜及び膜支持構造を持つ。
【図14A】図14Aは、本発明の例示的側面による、「4アッセイユニット」コンポーネントの分析領域のための貯槽層の他の実施態様を示し、前記分析膜を保持するために穴付きリングアセンブリを適用しない分析貯槽のためのカバーされ、かつ曲げられたコンポーネントを含む。
【図14B】図14Bは、本発明の例示的側面による、前記カバーされたかつ曲げられた分析貯槽の構造の拡大斜視図を示し、分析膜のモデル及び分析膜を保持するために使用される段差構造を含む。
【図14C】図14Cは、本発明の例示的側面による、4アッセイユニット構成の正面断面図を示し、前記構成は、ニューマチックマニホールドの上部ガスケット層、増幅リアクタに係合するヒーター及び分析貯槽の表面の下に係合するヒーターを含む。
【図14D】図14Dは、ニューマチックマニホールドの上部層の内部ニューマチックチャンネルを示し、これは、どのようにして前記ニューマチック供給システムから前記ニューマチックマニホールドの底部層内に導入されるニューマチックシグナルがさらに分けられて、ニューマチックマニホールドの表面上の特定のガスケット層ボイドにアドレスされるかを示す。
【図15A】図15Aは、本発明の例示的側面による、ニューマチックマニホールドの単一アッセイユニットの分解図であり、ニューマチック起動磁石と多目的ヒーターを含み、同様に前記流体層とニューマチックマニホールドの境界に選択的にダイヤフラム層を含む。
【図15B】図15Bは、本発明の例示的側面による、図15Aに示される単一ユニットアッセイの分解図であり、流体輸送層の薄膜層及びニューマチックマニホールド上のガスケット層を含む。
【図16】図16は、本発明の例示的側面による、貯槽、流体チャンネル及び増幅リアクタの「単一アッセイユニット」層状化された構成の断面正面図である。
【図17A】図17Aは、本発明の説明的側面による、ニューマチックマニホールドで操作される際の、流体輸送層と貯槽層とを組み合わせてチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の層状化正面図を示す。
【図17B】図17Bは、本発明の説明的側面による、ニューマチックマニホールドで操作される際の、流体輸送層と貯槽層とを組み合わせてチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の層状化正面図を示す。
【図17C】図17Cは、本発明の説明的側面による、ニューマチックマニホールドで操作される際の、流体輸送層と貯槽層とを組み合わせてチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の層状化正面図を示す。
【図17D】図17Dは、本発明の説明的側面による、ニューマチックマニホールドで操作される際の、流体輸送層と貯槽層とを組み合わせてチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の層状化正面図を示す。
【図17E】図17Eは、本発明の説明的側面による、ニューマチックマニホールドで操作される際の、流体輸送層と貯槽層とを組み合わせてチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の層状化正面図を示す。
【図17F】図17Fは、本発明の説明的側面による、ニューマチックマニホールドで操作される際の、流体輸送層と貯槽層とを組み合わせてチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の層状化正面図を示す。
【図17G】図17Gは、本発明の説明的側面による、ニューマチックマニホールドで操作される際の、流体輸送層と貯槽層とを組み合わせてチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の層状化正面図を示す。
【図17H】図17Hは、本発明の説明的側面による、ニューマチックマニホールドで操作される際の、流体輸送層と貯槽層とを組み合わせてチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の層状化正面図を示す。
【図17I】図17Iは、本発明の説明的側面による、ニューマチックマニホールドで操作される際の、流体輸送層と貯槽層とを組み合わせてチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の層状化正面図を示す。
【図17J】図17Jは、本発明の説明的側面による、ニューマチックマニホールドで操作される際の、流体輸送層と貯槽層とを組み合わせてチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の層状化正面図を示す。
【図17K】図17Kは、本発明の説明的側面による、ニューマチックマニホールドで操作される際の、流体輸送層と貯槽層とを組み合わせてチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の層状化正面図を示す。
【図17L】図17Lは、本発明の説明的側面による、ニューマチックマニホールドで操作される際の、流体輸送層と貯槽層とを組み合わせてチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の層状化正面図を示す。
【図17M】図17Mは、本発明の説明的側面による、ニューマチックマニホールドで操作される際の、流体輸送層と貯槽層とを組み合わせてチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の層状化正面図を示す。
【図17N】図17Nは、本発明の説明的側面による、ニューマチックマニホールドで操作される際の、流体輸送層と貯槽層とを組み合わせてチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の層状化正面図を示す。
【図17O】図17Oは、本発明の説明的側面による、ニューマチックマニホールドで操作される際の、流体輸送層と貯槽層とを組み合わせてチャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の層状化正面図を示す。
【図18】図18は、本発明の例示的側面による、単一アッセイユニットのニューマチックマニホールドとミクロ流体システムの断面側面図を示し、非加熱磁気アセンブリと多重化熱反応サイトを含むニューマチック起動磁石を含むマニホールドの機能的構成を示す。
【図19】図19は、本発明の例示的側面による、単一アッセイユニットのニューマチックマニホールドとミクロ流体システムの断面側面図であり、ニューマチック起動、加熱磁石アセンブリ及び多重化熱反応サイトを含む。
【図20】図20は、本発明の例示的側面による、貯槽、流体チャンネル及び増幅リアクタの「2アッセイユニット」構成の断面正面図であり、流体輸送層と貯槽層の組合せである。
【図21A】図21Aは、本発明の説明的側面であり、ニューマチックマニホールドにより操作される際に、流体輸送層と貯槽層との組合せで、チャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の正面図である。
【図21B】図21Bは、本発明の説明的側面であり、ニューマチックマニホールドにより操作される際に、流体輸送層と貯槽層との組合せで、チャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の正面図である。
【図21C】図21Cは、本発明の説明的側面であり、ニューマチックマニホールドにより操作される際に、流体輸送層と貯槽層との組合せで、チャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の正面図である。
【図21D】図21Dは、本発明の説明的側面であり、ニューマチックマニホールドにより操作される際に、流体輸送層と貯槽層との組合せで、チャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の正面図である。
【図21E】図21Eは、本発明の説明的側面であり、ニューマチックマニホールドにより操作される際に、流体輸送層と貯槽層との組合せで、チャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の正面図である。
【図21F】図21Fは、本発明の説明的側面であり、ニューマチックマニホールドにより操作される際に、流体輸送層と貯槽層との組合せで、チャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の正面図である。
【図21G】図21Gは、本発明の説明的側面であり、ニューマチックマニホールドにより操作される際に、流体輸送層と貯槽層との組合せで、チャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の正面図である。
【図21H】図21Hは、本発明の説明的側面であり、ニューマチックマニホールドにより操作される際に、流体輸送層と貯槽層との組合せで、チャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の正面図である。
【図21I】図21Iは、本発明の説明的側面であり、ニューマチックマニホールドにより操作される際に、流体輸送層と貯槽層との組合せで、チャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の正面図である。
【図21K】図21Kは、本発明の説明的側面であり、ニューマチックマニホールドにより操作される際に、流体輸送層と貯槽層との組合せで、チャンネル、リアクタ及び貯槽を用いる例示的プロセス段階の正面図である。
【図22】図22は、本発明の例示的側面による、2アッセイユニットの分解図を示し、貯槽層、流体操、膜層及び増幅リアクタを満たしかつ空にするために使用される空洞を含む増幅リアクタを示す。
【図23】図23は、本発明の非限定的説明的側面による、多目的ヒーターの分解図である。
【図24】図24は、本発明の非限定的な説明的側面による、CARDでのプロセスのための組織サンプルの固定プロセスを模式的に示す図である。
【図25】図25は、本発明の非限定的説明的側面による、CARDでのサンプル溶解プロセスを模式的に示す図である。
【図26A】図26Aは、プライマ伸長プロトコルを示す。3’被分析ヌクレオチドを含むアミノ酸末端キャプチャプローブが膜フィルタへ共有結合される。増幅に続いて、アンプリコン生成物は変性され前記相補鎖が前記プローブとアニールされる。ここで前記プローブの3’ヌクレオチドと前記アンプリコン(A)とが完全にマッチする場合には、DNA合成が生じてビオチン化(bio)ヌクレオチドが取り込まれる。さらなる詳細は実施例2を参照すること。
【図26B】図26Aは、プライマ伸長プロトコルを示す。3’被分析ヌクレオチドを含むアミノ酸末端キャプチャプローブが膜フィルタへ共有結合される。増幅に続いて、アンプリコン生成物は変性され前記相補鎖が前記プローブとアニールされる。ここで前記プローブの3’ヌクレオチドと前記アンプリコン(B)とがミスマッチである場合には、DNA合成は起こらずビオチン化(bio)ヌクレオチドが取り込まれない。さらなる詳細は実施例2を参照すること。
【図27】図27は、前記カードの実施態様でのワルファリンSNPアッセイのプライマ伸長コンポーネントから得られた代表的画像を示す。着色沈着物は、変性させたアンプリコンの固相キャプチャプローブとハイブリダイズさせ、ビオチン化dUTP及び非ラベル化dCTP、dATP及びdGTPをDNAポリメラーゼ存在下で取り込ませ、最後にストレプトアビジン化HRPと基質とをインキュベートすることで検出される。前記キーは前記キャプチャプローブで目標とされた対立遺伝子を示す。画像化に続いて、WTスポット上で検出された画素数が前記変異スポット上で検出された画素数で割算される。WT画素数/変異画素数>1はホモ接合性WTを示し;WT画素数/変異画素数=1はヘテロ接合性を示し;かつWT画素数/変異画素数<1はホモ接合変異体を示す。フィルタ上で示された得られた遺伝子型は:VKORC1−ヘテロ接合体;CYP2C9*2−ホモ接合型WT;及びCYP2C9*3−ホモ接合型WTを示す。
【図28】図28は、カードの実施態様でのプライマ伸長と共にワルファリンSNPアッセイを用いて得られた7つの個人の遺伝子型の結果を示す。7つの個人の口腔スワブからのフィルタ結果は図の上に示される。図の下には、これらのフィルタから読まれた遺伝子型が示される。さらに、全ての遺伝子型が双方向配列決定により検証された。これらの遺伝子型は試験された20の個人で代表された。遺伝子型のより稀な組合せはこの小さいサンプルセットでは予想されなかった。
【図29】図29は、カードの実施態様でRDBと共にワルファリンSNPアッセイを用いて得られた個人の遺伝子型の結果を示す。4の個人からの口腔スワブからのフィルタ結果は図の上に示される。フィルタの下の表はフィルタから読まれた遺伝子型を示す。図の下に示されるフィルタキーは、4つのミクロアッセイのそれぞれのスポットシステムを示す。
【図30】図30(表1)は、キャプチャプローブの配列を、配列番号NO:1から20で表1にしたものを示す。詳細は実施例4を参照すること。
【図31】図31(表2)は、特定のL1配列、配列番号NO:23から46を持つ前方及び後方プライマキャプチャプローブの配列を表2に示す。詳細は実施例4を参照すること。
【図32】図32(表3A)は、HPVL1遺伝子増幅するための前方プライマの配列、配列番号NO:50から77を配列を表3Aに示す。詳細は実施例4を参照すること。
【図33】図33(表3B)は、HPVL1遺伝子を増幅するためのビオチン化後方プライマの配列、配列番号NO:78から105を表3Bに示す。詳細は実施例4を参照すること。
【図34】図34は、L1プライマ混合物でHPV蔵づくの検証結果を示す。L1プライマ混合物の増幅対象物は、完全長HPVL1含有プラスミド、6、11、16、18及び52型、及び部分的HPVL135型含有プラスミドであった。PCRは、16ngC33A核酸のバックグラウンドでプラスミドDNAの40サイクル1000コピーで実施された。M=100bpDNA。詳細は実施例4を参照すること。
【図35A】図35Aは、連続的に希釈したHPVクローンのPCRを増幅の結果であって、完全長HPV−6及びHPV−18含有プラスミドの2倍増加量の増幅から得られた生成物を分離するために使用されたゲルの画像例を示したものであり;各レーンは、マーカー(100bpDNAラダー)、HPVプラスミドの0.122、244、977、1953、3906、7813、15625、31250、62500、125000コピーを示す。Aの下の画像は、上の画像で示された当量サンプルでのグロブリンの増幅から得られた生成物の分離を示す代表的ゲルを示す。特にこれは上で示されるHPV−16へのコンパニオンゲルである。
【図35B】図35Bは、完全長(6、11、16、18、52)又は部分長(35)HPV含有プラスミドのPCRの生成物を分離するゲルの画像分析を示す。
【図35C】図35Cは、臨床サンプルから生成されたHPVL1クローンのPCR生成物を分離するゲルの画像分析を示す。
【図35D】図35Dは、図35Aで示された曲線のそれぞれについてコンパニオングロブリンゲルの画像分析を示す。バーは、異なる数のHPV分子の存在下でグロブリン増幅の平均値と標準偏差を表す。
【図36】図36は、連続的希釈されたC33A精製核酸中でのベータグロブリンのPCRの増幅の結果を示す。上部:C33A精製核酸の2倍量増加でのベータグロブリンの増幅から得られた生成物の分離に使用されたゲルの画像例を示す。M=マーカー(100bpDNAラダー)、ngでの全導入核酸に対応して0、0.025、0.5、1、2、4、8及び16を示す。下部:PCRの、30(N=4)、35(N=3)又は40(N=2)サイクルでの増幅に続いて生成物を分離するゲルの画像分析を示す。データポイントは、平均値±標準偏差である。詳細は実施例4を参照すること。
【図37A】図37Aは、1.6ng/μlゲノム核酸のバックグラウンドでHPVの10コピー/μlの増幅結果を示す。上部画像は、HPVアンプリコンのゲル画像を示し、下部画像は、対応するグロブリンアンプリコン示す。
【図37B】図37Bは、Bは、HPVの及びグロブリンアンプリコンのそれぞれの組合せのRDBの結果を示す。詳細は実施例4を参照のこと。
【図38】図38は、臨床サンプルから精製された核酸の結果を示す。赤色バーは、260nm(左Y軸)での吸収に基づくDNAのng/μlでの収率を示す。青色曲線は、ベータグロブリン(右Y軸)のPCRの増幅の生成物を分離するゲルの画像分析から得られた画素強度を示す。増幅は、精製核酸の1μlを用いて濃度に寄らず30サイクルで行った。両方のデータについて直線傾向ラインが示される。詳細は実施例4を参照のこと。
【図39A】図39Aは、診療サンプル中のゲノム等価物の推定結果を示す。ベータグロブリンの増幅が、選ばれた臨床サンプルからの希釈精製核酸を用いて実施された。標準曲線がRNAのないC33A DNA RNA−DNAを用いて生成された。
【図39B】図39Bは、診療サンプル中のゲノム等価物の推定結果を示す。ベータグロブリンの増幅が、選ばれた診療サンプルからの希釈精製核酸を用いて実施された。図39Aに挿入された(後ろバー)線の式に基づいて等価「ゲノム」を計算するために画像分析が使用された。260nm(前バー)での吸収に基づく実際の導入核酸もまた示される。詳細は実施例4を参照のこと。
【図39C】図39Cは、診療サンプル中のゲノム等価物の推定結果を示す。ベータグロブリンの増幅が、選ばれた診療サンプルからの希釈精製核酸を用いて実施された。図39Aに挿入された(後ろバー)線の式に基づいて等価「ゲノム」を計算するために画像分析が使用された。260nm(前バー)での吸収に基づく実際の導入核酸もまた示される。詳細は実施例4を参照のこと。
【図40】図40(表4)は、臨床サンプルのPCR及びRDBの結果をまとめたものを示す。表で示されるように、サンプルの75%(88/117)がPCR後HPV増幅バンドを示し、HPVアンプリコンポジティブの45%(40/88)がRDB上HPV−特異的プローブでキャプチャされた。詳細は実施例4を参照のこと。
【図41A】図41Aは、Digeneシステムと実施例4で記載される実施態様を用いた、HPV高リスクについてポジティブサンプルを比較した結果を示す。
【図41B】図41Bは、Digeneシステムではネガティブとして読まれた6つの高リスクサンプルが、実施例4の記載された実施態様により検出されたことを示し、このことはアッセイに感度及び特異性において非常に優れていることを示す。
【図42】図42は、増幅の種々の目標領域に対応する強調された配列(配列番号NO:107から112)を含むHPV−16のL1遺伝子の配列(配列番号NO:106)を示す。
【図43A】図43Aは、対応するグロブリン画素強度と共にHPV画素強度の増加をプロットした結果を示す。
【図43B】図43Bは、プロットされたグロブリン画素対低高リスクHPVのタイプとの比を示す。
【図43C】図43Cは、プロットされたグロブリン画素対低高リスクHPVのタイプとの比を示す。一連の「Digene」は、本アッセイと比較した市販Digeneアッセイの結果を数字で与えられる。挿入された図はDigeneアッセイ結果を示し(異なる尺度のYを軸)、これをその後尺度を変えて主グラフに挿入されている。
【図44】図44は、実施例5で記載されるラテラルフローでの希薄目標のCARD検出から得られた結果を示す。クリプトスポリジウムパルバムからヒートショックmRNAが検出された。IMS=免疫磁気分離。
【図45】図45は、図20で示されるかつ図21、22で示されるプロセスによるCARDを用いることで、DNAが精製され、溶出され及び増幅され得ることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の例示的実施態様について以下詳細に記載される。以下記載の実施例はさらに添付図面において図示、説明される。ここで可能な限り同じ参照符号が図面を通じて同じ又は類似の部品について付される。
【0036】
図1から4には、本発明による自己完結型の完全自動化、生物学的アッセイ装置10が示される。前記装置は、ハウジングと;前記ハウジングに設けられた、制御可能な可動試薬分配システム13を含む分配プラットフォーム12と;前記ハウジング内に設けられた、前記分配システムと操作的に接続され、1以上の試薬の供給を保持することができる試薬供給コンポーネント14と;ニューマチックマニホールド15を含み、これは、流体輸送層16と前記流体輸送層16に付された複数の貯槽17内の流体の輸送に作用するために操作し、前記ニューマチックマニホールド15は前記分配プラットフォーム12と共有される空間で前記ハウジング11内に除去可能に設けられ、そこで、前記流体輸送層16、貯槽17及びそこへ導入される試験サンプルが前記分配プラットフォーム12から空間的に離れて設けられており;ニューマチック供給システム18を含み、ニューマチックシグナル(正圧及び負圧(真空))をニューマチックマニホールド15を通る経路を通じて提供して、前記ニューマチックマニホールド15上に設けられ、かつ前記分配システム12から空間的に離れたハウジング11内の前記ニューマチック供給システム18と操作的に接続されて、前記流体輸送層16及び複数の貯槽17内の前記試験サンプルと前記試薬の輸送に作用し;及び前記ハウジング内に設けられた制御システム19を含み、これは前記分配プラットフォーム12、加熱システム(29、48及び48a)、冷却システム(冷却は積極冷却でもそうでなくてもよく、前記加熱装置で前記ニューマチック供給システム18、又はファンからの空気フローの供給により圧縮空気のジェットを向けることで達成される)及びニューマチック供給システム18を制御するために使用される。
【0037】
図1から4、5、6、9、10から13、16及び20を参照して、自己完結型生物学的アッセイ装置10は前記アッセイ装置のオペレータに対して要求することは、対象となる生物学的サンプルを前記貯槽層17上の33などの複数のサンプル入力ポート33(これは流体輸送層16(膜層30を伴い)をカバーし、かつこれらは一緒になって前記ニューマチックマニホールド15により管理されている)に導入し、その後前記制御システム19のスタート手順を開始させるだけでよく、これにより前記サンプルは完全にかつ自動的に前記アッセイのエンドポイントに向かってアッセイがプロセスされることとなる。図に示されるように、「6x4」パターンに配置される24の別々の例示的サンプルアッセイがあり、それぞれのサンプルはそのアッセイユニット内で他の全てのサンプルと分離され、かつプロセス手順を通じて生物学的アッセイ装置から分離されている。24アッセイユニットが例示的実施態様には示されているが、下限は1つのアッセイであり、上限はない。
【0038】
操作では、分析されるサンプルが貯槽層17のサンプルインプット貯槽33内に導入されると、サンプルは自動的にサンプルインプット貯槽から前記流体輸送層16内へ引かれるか、試薬が流体輸送層16により別の貯槽からサンプルインプット貯槽33へ輸送される。サンプルを分析するために必要なプロセスステップの全てがその後、前記貯槽層17及び/又は流体輸送層16のいずれかの内部で実行される。これらにはオペレータの関与なしで、前記流体層16内に設けられる適切なリアクタ(例えば図11、12の31)を介する増幅、又は前記システムの空洞44を介する流体層16との流通が含まれる。自動的にサンプルを分析するために必要な一連のプロセスステップの全てが完了した際、前記システムは、前記試薬分配システム13、ニューマチックマニホールド15及びニューマチック供給システム18から前記サンプルを分離維持する。この分離特性はクロスコンタミネーションの問題を排除する。この問題とは、プロセスの間に装置内でサンプルをステーションからステーションへ動かす必要があるか、又はミクロ流体システム内で流体の移動を伝達する分配システムを必要とする類似の作業を実施する現在のシステムのコストを必然的に上げ、かつ信頼性を下げる、というものである。
【0039】
装置10はハウジング11を含み、これは操作の間システム内部を閉じるように設計されており、それにより全自動プロセスがオペレータに干渉されずに完了することを可能とする。ハウジング11はまた、制御システム19、分配プラットフォーム12、試薬供給コンポーネント14及び前記ニューマチックマニホールド15を操作するニューマチック供給システム18を閉じ込める。
【0040】
図1から4はまた、試薬分配システム13を示す。試薬分配システムは、X−Y−Z移動制御システムへ接続され、かつ共に分配プラットフォーム12である。前記分配システム13は、分配ニードル23、大貯槽ループ25、小貯槽ループ26、それぞれの貯槽ループ25、26のためのソレノイドバルブ及びカメラ27を含む。前記分配ニードル23は、異なるそれぞれ選択された孔サイズを持つ長さLの二重バレルチューブから構成されるか細長いニードル構造から構成される。前記小バレル(孔、ボア)が専用ソレノイドバルブ24を通じて前記小貯槽ループ26に付設され、前記大バレルが専用ソレノイドバルブ24を通じて前記大貯槽ループ25に付設される。異なるサイズの目的は、前記試薬分配システム13により輸送される試薬の正確な秤量を実行するためである。前記ニードルのバレルの孔が小さいほど、試薬の少量の秤量が容易になる。図示された側面では、試薬分配ニードルの1つはボア直径がb1(ここで0.003<b1<0.018インチ(in))を持ち、他の試薬分配ニードルはボア直径b2(ここで0.015<b2<0.030インチ)を持つ。
【0041】
カメラ27は、自己完結的生物学的アッセイ装置10のために種々の機能を持ち得る。1つの機能は、前記分配システム13の分配ニードル23の位置を前記試薬供給コンポーネント14及び前記流体輸送層16の付設される前記貯槽層17とに整合させ、試薬供給コンポーネント14内の試薬が前記貯槽層17上の適切な貯槽内に分配され得る、ことである。他の機能は、サンプル及び/又は分析情報を制御システム9に与えることである。オペレータが、特定のアッセイユニットの貯槽17のサンプルインプットポート33へサンプルを導入すると、前記カメラ27は、バーコードやその他の知られた光学的マーキングなどの光学ソースから前記サンプル情報を記録することができる。サンプルから得られた情報はその後制御システム19に適切なサンプル導入について知らせることができ、かつその後その情報は得られた結果と組み合わされることができる。識別され適切に導入されたサンプルはその後自己完結的生物学的アッセイ装置10によりプロセスされ、最終結果が同じカメラ27で記録される。前記情報はその後、制御システムを通じてオペレータに交信され得る。
【0042】
前記小及び大サイズの制御ループ25、26は、コイル状のチューブであり、前記ソレノイドバルブ24を介して前記二重バレル分配ニードル23のそれらの特定のバレルに付設される。特定の試薬がアッセイによる要求されると、前記分配ニードル23は前記X−Y−Z移動制御システムにより、前記試薬供給コンポーネント14にある特定に試薬へ動かされる。前記ニードルが前記試薬容器内に挿入され、前記小又は大貯槽ループ25、26及び開ソレノイドバルブ24を通じて負圧が供給される。前記特定の試薬の望ましい量が、前記試薬容器から引き出される。前記X−Y−Z移動制御システムはその後、前記分配システムを前記試薬が必要とされる貯槽の位置へ移送する。その後正圧を前記大又は小貯槽ループに供給し、適切なソレノイドバルブが開いて秤量された量の試薬を前記貯槽内に分配する。前記分配システム13はその後、同じ試薬を要求する他の貯槽へ再位置され、特定の試薬を要求する貯槽の全てが供給されるまでこのプロセスが繰り返される。用いられる分配ニードル23及び貯槽ループ25又は26はその後、前記分配ニードル23と貯槽ループ25、26を適切な洗浄流体で繰り返しフラッシュさせることで洗浄される。前記分配システム13はその後、前記アッセイが要求する場合、他の試薬の輸送及び供給の準備をする。
【0043】
試薬の適切な秤量は、制御システム19の積極的制御により達成され、試薬を引き上げるか分配するかの際に、前記貯槽ループ25、26への正又は負圧の供給と分配システム13のセレニドバルブ24の開閉のタイミングを制御システム19による積極的制御により達成される。
【0044】
自動的に洗浄される単一の分配ニードル23の配置が好ましい。というのは試薬分配の他の方法では、一般的にピペッタと多数の使い捨てピペットチップが必要とされるからである。前記自己完結的生物学的アッセイ装置10は、流体輸送層16を用い、これはサンプルを前記貯槽層17の前記試薬インプット貯槽から分離しており、これにより他の方法では起こり得るクロスコンタミネーションの可能性を防止する。従って、単一分配ニードルシステム23が適用され、ピペッタシステムは必要とされない。又は、前記分配システムは、ピペッタとして構成され同様に操作されることも可能であるが、この場合は試薬供給間に分配ニードルを洗浄する代わりに使い捨てピペットが用いられる。ピペットシステムが適用される場合には、前記サンプルはまた自動的に前記ピペットによりサンプルインプットポート33へ分配され、前記ピペットチップはクロスコンタミネーションを避けるために使い捨てられる。
【0045】
図5から14に種々図示されているように、前記ニューマチックマニホールド15は、2つのサブユニット15aと15bを含み、サブユニット15aは前記ニューマチック供給システム18からニューマチック供給を受けてそのシグナルをその組み込まれたニューマチックチャンネル32を通じて分けて前記ニューマチックシグナルをサブユニット15bのニューマチックチャンネルに輸送し、それにより前記ニューマチックシグナルを前記流体輸送層の下にあるダイヤフラムへ供給し、かつ前記ニューマチックマニホールド15は、複数のミクロ流体システム(16、16a及び17を組合せてここではアッセイユニット、又は市販されているCARD(R)(Chemistry and Reagent Device)と参照される)と相互作用し、それぞれのCARDが単一又は複数のアッセイ能力を有する。それぞれのCARDはさらに、多層、モノリシック、ポリマー性、非弾性的ミクロ流体チップ(ミクロ流体輸送層)16を含み、これは、複数のニューマチックシグナル起動ダイヤフラムバルブを含むミクロ構造の所定に構成を持つ。前記システムはさらに、分離された交換可能なニューマチックマニホールドを含み、これはそこを通じる複数のニューマチックポートと、そこに設けられるニューマチックチャンネルを含み、前記ニューマチックチャンネルは前記複数のダイヤフラムバルブと前記複数のニューマチックポートと流通接続されている。前記複数のニューマチックポートとニューマチックチャンネルは、前記流体輸送層16上の複数のダイヤフラムバルブの前記所定の構成に特定対応して所定の構成を持つ。前記流体輸送層16は、前記ニューマチックマニホールド15に除去可能に接続される。前記ニューマチック供給システム18はさらに、複数のニューマチック接続を含み、これはニューマチックシグナルを、前記複数のニューマチックポートと流通接続されるニューマチックマニホールド15へ与える。前記複数のニューマチック接続は、前記ニューマチックマニホールド15の前記複数のニューマチックポートの構成に対応する構成を持つ。前記ニューマチックマニホールド15は前記ニューマチック供給システム18に除去可能に接続される。
【0046】
それぞれの多層、モノリシック流体輸送層16はさらに、ポリマー性、非エラストマー基板16aを含み、これはそこに設けられた複数の流体チャンネル39を持ち、それぞれの流体チャンネル39は入口端部と出口端部を持ち、かつ少なくとも1つの双方向ダイヤフラムポンプを持ち、これは少なくとも3つの非エラストマー膜系バルブ構造を含み、これらは単一の非エラストマー、ポリマー性膜層30から構成される。種々の側面で、それぞれの流体輸送層16は、組み込まれたまたはコンポーネントである貯槽層17を含み、これはサンプルを保持することができる少なくとも1つのサンプルインプット貯槽33を含み、かつ試薬物質を保持することができる少なくとも1つの試薬貯槽(34)を含み得る。
【0047】
貯槽層17及びそれが付された流体輸送層16(輸送層基板16aを含む)は、前記ニューマチックマニホールド15上に除去可能に設けられており、分析が終了した際に、前記貯槽層17と流体輸送層16の組み合わせは除去され、貯槽層17と流体輸送層16の異なる組み合わせ(未使用又は洗浄されて再使用されるかいずれかの)と交換され得る。前記ニューマチックマニホールド15はまた、前記ハウジング内のニューマチック供給システム18上に除去可能に設けられる。前記ニューマチックマニホールド15はまた、その後、他のニューマチックマニホールド15と交換され得る。他のニューマチックマニホールド15は、他のアッセイのため、又は特定のアッセイの多いか少ないアッセイユニット数のために設計された他の貯槽層17と流体輸送層16の組合せに相補的なものである。
【0048】
図7、14C、15A、15B、18及び19に示されるように、ニューマチックマニホールド15は、例えば前記増幅/反応リアクタ31及び/又は他の貯槽やチャンネルを加熱するために使用される多目的及び/又は特定目的ヒータ(29、48及び48a)を含み得る。図23での分解図で示されるように非限定的側面において、多目的ヒータ2301はラミネート化銅/アルミニウム構造2303の形であってよく、これはバネ負荷電気接触ピン2305上に設けられ、これは抵抗2307へ電気的接触を提供し、熱を生成しこの熱が前記ラミネートされたヒータ本体を通じて伝動される。前記接触ピンはまた、前記ヒータを変調するために使用される温度検出装置2309に接続を提供する。前記バネ負荷電気接触はまた、前記ヒータ表面と加熱される対象物との間に均一な接触を提供する。前記ラミネートされたヒーター装置は、市販品を利用できる金属コア(ラミネートされる銅/アルミニウム;例えば熱伝導性PCB基板、Laird Technologies、Chesterfield、MO)ボードであり得る。前記金属コアボードは、優れた熱伝導性を与え、さらに前記回路レイアウトに組み込まれている温度センサコンポーネントを用いて優れた温度均一性を与える。ミクロ流体システムの1つの大きな問題は、加熱領域における温度を正確に測定することができる、ということである。ポゴ接触ピン(例えばSpring Contact Probes、Interconnect Devices Incorporated、Kansas City、KS)は、電気的及び機械的インタフェースを提供する。前記流体輸送相16は、前記ニューマチックポート及び前記ヒータ29、48及び48aと相互操作する。前記流体相16上に設けられる前記ダイヤフラムポンプは前記ニューマチック供給システム18からニューマチック又へ供給される正又は負のニューマチック圧力により操作され、前記サンプル及び/又は試薬は流体輸送相16に引かれそこへ移送されて種々のプロセスステップ及び分析ステップを実行する。これらのステップには、貯槽相17、増幅リアクタ31及びその他のヒータ29、48及び48a、及び前記ニューマチックマニホールド15上に設けられる磁石49などのコンポーネントが関与する。前記プロセスを通じて、前記サンプル及び前記流体輸送層16、貯槽層17又は増幅リアクタ31で実施される全ての中間的な反応が、それらの特定のアッセイユニットにおいてその他のアッセイユニットから分離されている。かかる分離は、前記サンプルと他の全てのアッセイユニット、試薬分配システム13、ニューマチックマニホールド15又はニューマチック供給システム18の又はからのクロスコンタミネーションを防止し、それにより優れた分析信頼性を与え、かつ操作費用を抑えることができる。というのはシステムの洗浄の必要性が大きく低減されるからである。前記ニューマチック供給システム18はニューマチックシグナル(正又は負圧)を与える機能を有し、このシグナルは前記ニューマチックマニホールド15を通じて前記流体輸送層16内の試験サンプル及び試薬の輸送に影響を与える。その操作は前記分配プラットフォーム12で調整され、試薬が特定の又は共通の貯槽層17へ、前記分配システム13による試薬供給コンポーネント14から輸送されて、適切なプロセス手順が起こることとなる。前記ニューマチックマニホールド15は、加熱、冷却(ヒーターでニューマチック供給システム18から、積極的冷却されたものか又はそうでない圧縮空気のジェットを直接向けること、又はファンからの空気フローを供給することで達成される)又は磁気を適用して反応を行わせる領域を含み得る。前記ニューマチック供給システム18は、前記ハウジング11内に前記ニューマチックマニホールド15と操作的に接続されて設けられ、前記分配プラットフォーム12及び前記分配プラットフォーム12を制御するために使用される制御装置19、前記ニューマチック供給システム18、及び全ての加熱、冷却(ヒーターでニューマチック供給システム18から、積極的冷却されたものか又はそうでない圧縮空気のジェットを直接向けること、又はファンからの空気フローを供給することで達成される)又は前記流体輸送層16、貯槽層17又は増幅リアクタ31で起こる前記ニューマチックマニホールド15反応により実施される磁気から空間的に分離される。
【0049】
図4は自己完結的生物学的アッセイ装置10の斜視図であり、前記ニューマチックマニホールドシステム15の下にあるニューマチック供給システム18の位置をより明瞭に示す。前記ニューマチックシグナルを8は前記ハウジング11の下部分内に位置される。前記ニューマチックマニホールド15は前記ニューマチック供給システム18に除去可能に付設され、前記流体輸送層16の異なる設計が必要なアッセイについて前記自己完結的生物学的アッセイ装置10を容易に再構成することを可能とする。前記ニューマチックシステム18はいくつかのサブコンポーネントを含み、前記制御システム19からの指示で、ニューマチックマニホールド15を通じてアッセユニットの前記流体輸送層16に位置するダイヤフラムを操作するために、ニューマチック圧を貯蔵、秤量及び配送するように設計されている。正圧及び負圧が、正圧及び負圧圧力制御装置20を通じて前記正圧及び負圧貯蔵貯槽21に供給される。正圧及び負圧は次に秤量され、ニューマチックマニホールド15のチャンネルへ、前記正圧及び負圧貯蔵貯槽21からニューマチック供給ソレノイド22(前記ニューマチック供給ソレノイド22からニューマチックマニホールド15の下部へ導くチューブは明瞭には示されていない(前記構成はまた、前記ニューマチック供給システム及びニューマチックマニホールド15の間にチューブレス半導体インタフェースを含ませることでチューブを用いない構成が可能である))を通じて供給される。前記圧力測定及びソレノイドの開閉は制御装置19で制御され、前記測定・秤量されたニューマチック力をニューマチックマニホールド15へ供給し、それにより前記流体輸送層16に設けられたダイヤフラムポンプを操作する。
【0050】
図5は、貯槽の「6x4」配置を示す6つのCARDアレイを示し、4つのアッセイユニットCARDは前記ニューマチックマニホールド15上に除去可能に設けられる。操作では、前記貯槽層17は膜(図示されていない)でカバーされて隣接するアッセイユニットでプロセスされるサンプルによるクロスコンタミネーションの可能性から内容物を保護し、前記貯槽17の内容物が分配プラットフォーム12、ニューマチックマニホールド15、ニューマチック供給システム18、制御装置19又はハウジング11を汚染することを防止する。
【0051】
図6はさらに、「6x4」CARD配置を示し、これはニューマチックマニホールド15の流体輸送層16へ除去可能に付設されている。
【0052】
図7は、前記流体輸送層16及びニューマチックマニホールド15の間の境界の正面図である。ガスケット28が、ニューマチックマニホールド15の上部に付設され、流体輸送層16の前記膜層(図15B)に供給されるニューマチック力を分離するように設計される。それぞれのガスケットボイド内の端部は、ニューマチック供給システム18からニューマチックマニホールド15を通じて経路付けされるチャンネルである。流体輸送層16が前記ガスケット28の上部に設けられると、流体輸送層16の前記膜層30の結合されていない部分は、従って、ニューマチックマニホールド15を通じてニューマチック供給システム18から及び制御システム19による制御されて供給される正圧及び/又は負圧によって、前記ガスケットボイドの内へ又は外へ自由に曲げられることとなる。制御システム19は、正圧又は負圧を順に選択された位置へ供給することができ、これによりダイヤフラムポンプシステムを形成する。これについては米国特許番号第7、832、429に記載されている。このような適切なシステムを用いることで、前記ニューマチックマニホールド供給システム18及びニューマチックマニホールド15は、流体輸送層16を通じて輸送される流体から分離維持され、このことはアッセイユニット間及びニューマチック供給システム18とニューマチックマニホールド15間のクロスコンタミネーションを防止するものである。
【0053】
前記の通り、ヒーター29はニューマチックマニホールド15内に位置され、増幅リアクタ31が、前記CARDがニューマチックマニホールド15上に位置されると適合されることとなる。サンプルのプロセスの間の適切な時間に、増幅リアクタ31は適切な試薬と、貯槽層17の種々の貯槽から流体輸送層16を通じて輸送されたプロセスされたサンプルで満たされる。増幅反応の内容物はその後、制御装置19からの指示を通じて制御された方法で加熱されかつ冷却される(ヒーターでニューマチック供給システム18から、積極的冷却されたものか又はそうでない圧縮空気のジェットを直接向けること、又はファンからの空気フローを供給することで達成される)。
【0054】
図8Aは、自己完結的生物学的アッセイ装置10のニューマチックマニホールド15の「6x4」配置の前記層15aの斜視図である。前記オリフィスを通じて、前記ニューマチックシグナルがニューマチックマニホールド15のより高い層15b及び前記ヒーターが設けられるベイへ経路付される。
【0055】
図8Bは、自己完結的生物学的アッセイ装置10のニューマチックマニホールド15aの「6x4」配置の層状化された正面図である。ニューマチックシグナルが通じるニューマチックマニホールド15の底部のオリフィスから経路付けされたチャンネル32は、ニューマチック供給システム18及び図8Aで示される前記層のオリフィスを形成する。
【0056】
図8Cは、自己完結的生物学的アッセイ装置10のニューマチックマニホールド15の「6x4」配置の斜視底面図である。図4で示されるニューマチックソレノイド22及び圧貯蔵貯槽21はニューマチック圧又は真空を前記ニューマチックマニホールド15の底部に位置されるオリフィスへ供給する。前記圧貯蔵貯槽21は、ニューマチックマニホールド15に形成された図8Bに示されるニューマチックチャンネル32へ秤量された正及び負圧を供給する。前記制御装置19がニューマチック供給ソレノイド22を開くと、ニューマチックチャンネル32は、圧貯蔵貯槽21が特定のニューマチック供給ソレノイド22に接続され前記制御装置19により開かれているか閉じられているかに依存して、秤量された負圧か秤量された正圧が供給される。前記圧の秤量は、貯蔵貯槽21の圧力調節、ニューマチック供給ソレノイド22の開閉調節又は制御装置19の管理の下でこれらの両方を組み合わせる方法で達成される。前記チャンネルへ供給された圧はその後流体輸送層16を、ニューマチックマニホールド15の前記ガスケットインタフェース28を通じて操作する。
【0057】
図9は、流体輸送層16の流体チャンネル39及び増幅リアクタ31を含む「4アッセイ」CARDの層状化された正面図である。図はサンプルインプット貯槽33、共通の調製および精製試薬貯槽34、廃棄貯槽35、及びシリカフィルタ保持リング36aを含むシリカフィルタ貯槽36を示し、前記シリカフィルタ保持リング36aは、シリカフィルタ36b(明瞭に図示されていない)をCARDの単一アッセイ部分の調製及び精製領域に保持する。また、溶出貯槽37(左及び右)、増幅マスタ混合物貯槽38(左及び右)及び前記流体輸送層16の下部に付設され空洞44を通じてアクセスされる増幅リアクタ31(左及び右)が示される。また、共通の試薬インプット貯槽40、分析貯槽41、及び廃棄貯槽42と穴付きリングシステム43が示されており、前記穴付きリングシステム43は、4アッセイユニットCARDの単一アッセイユニットの分析部の分析膜43(明瞭には図示されていない)を保持するために使用される。
【0058】
図10Aから10Kは、前記装置をサンプルをプロセスし分析するために使用する方法の、1つの非限定的な例示を一般的に示す。ここでは、単一アッセイユニットの説明がなされるが、サンプルが前記自己完結的生物学的アッセイ装置10に与えられる際には並行的に又は順序的にサンプルをプロセスすることができるアッセユニット数に特に上限はない。ここのサンプルがプロセスされる順は、前記制御装置19がニューマチック供給システム18及びニューマチックマニホールド15の特定に構成を管理する能力、及び試薬供給コンポーネント14により供給され、分配システム13により輸送される特定の試薬に基づく。特に、特定のアッセイは、前記ニューマチックマニホールド15と作用する貯槽層17及びそれに適合する流体輸送層16の設計を必要とする。適合する全ての要素が組み合わされると、前記プロセスは一般には次のように進行する。
【0059】
図10Aで、サンプルはサンプルインプット貯槽33内に導入され、分配システム13が共通貯槽34内に細胞溶解試薬を導入する。細胞溶解試薬はその後サンプルインプット貯槽33へポンプされ、前記アッセイによる必要な場合には緩やかな撹拌を伴うか、又は伴わずにインキュベートされる。この撹拌は共継続中の出願S/N 12/249、872で「フラフィング」(即ち、貯槽層に流体をダイヤフラムにより引いたり出したり交互にアクセスさせて乱流を生じさせて混合する)として記載されている。前記サンプルがサンプルインプット貯槽33内でインキュベートされる間、有機アルコール(例えばエタノール)が分配システム13により共有貯槽34に分配されサンプルインプット貯槽33へポンプされさらにサンプルインプット貯槽33の容量を増加させ;より多い混合物のインキュベートを続ける。インキュベーション期間の終了で、サンプルインプット貯槽33の内容物がシリカフィルタ貯槽36内のシリカフィルタ36bの上部にポンプされ、シリカフィルタ36bを通じて吸引され、前記内容物は廃棄貯槽35へポンプされる。
【0060】
図10Bで、有機アルコール(例えばエタノール)が共通貯槽34内に分配され、シリカフィルタ貯槽36内のシリカフィルタ36bの上位にポンプされ、シリカフィルタを通じて吸引され、廃棄貯槽35へポンプされる。洗浄緩衝液を共通貯槽34に分配し、シリカフィルタ貯槽36のシリカフィルタ36bの上部にポンプし、シリカフィルタ36bを通じて吸引して廃棄貯槽35へポンプする。同じ又は異なる洗浄緩衝液を共通貯槽34へ分配し、シリカフィルタ貯槽36内のシリカフィルタ36bの上部にポンプし、シリカフィルタ36bを通じて吸引し、廃棄貯槽へポンプする。
【0061】
図10Cで、溶出緩衝液がその後共通貯槽34へポンプされ、廃棄貯槽35へ直接ポンプされ、残留溶出物、有機アルコール及び洗浄緩衝液を洗浄する。新たな溶出緩衝液を共通貯槽34に分配しシリカフィルタ貯槽36のシリカフィルタ36bの上部にポンプし、前記貯槽を洗浄し、その後前記シリカフィルタ36bの上部から廃棄貯槽35へポンプされる。
【0062】
図10Dでは、溶出緩衝液がその後溶出貯槽37(右)へ分配され、シリカフィルタ36bの底部を通じて貯槽36へポンプアップされる。
【0063】
図10Eでは、増幅マスタ混合物がその後増幅マスタ混合物貯槽38(左及び右)に分配される。シリカフィルタ貯槽36の最初の容量が溶出貯槽37(右)内にポンプされ、その後一回ポンプの材料がシリカフィルタ貯槽36から増幅マスタ混合物貯槽38(右)へポンプされる。増幅マスタ混合物貯槽38(右)の内容物はその後増幅リアクタ31(右)に入れて空にされる。同じプロセスが左側で繰り返される。その後増幅リアクタ31(左及び右)の内容物は、特定のアッセイプロセスのプロトコルにより、制御装置19の制御の下で熱サイクルされる。
【0064】
次の図10Fでは、熱サイクルに続いて、前ハイブリダイズ緩衝液が共通試薬貯槽40に分配され、増幅リアクタ31(右)へポンプされ、その後前ハイブリダイズ緩衝液を増幅リアクタ(左)へ繰り返しポンプされる。増幅リアクタの温度はその後上げられて初めの熱サイクルで生成されたアンプリコンを変性させる。
【0065】
図10Gでは、前記アンプリコンを変性する間、前記初めの熱サイクルから生成されたアンプリコンと適切にハイブリダイズさせるために分析膜上にミクロアレイを調製するために、同じ又はその他の前ハイブリダイズ緩衝液を共通し約貯槽40に分配し、それを分析貯槽41内に保持された分析膜47(明瞭には図示されていない)上にポンプし、その後それを廃棄貯槽42へポンプし;洗浄緩衝液を共通試薬貯槽40へ分配し、それを分析貯槽41内の分析膜47上にポンプし、かつ廃棄貯槽42へポンプする(数回これを繰り返す)。
【0066】
図10Hでは、同じか、又は他の前ハイブリダイズ緩衝液が共通貯槽40に分配され、そこから増幅リアクタ31(左及び右)及び分析貯槽41内の分析膜47の上部へ分配される。
【0067】
図10Iでは、増幅リアクタ31(左及び右)の内容物は分析貯槽47内に分析膜47の上部にポンプされ、数回循環させて、前記アンプリコンと分析膜47に付けられたターゲットとの十分な接触を与える。望ましいハイブリダイズが生じたなら、前記内容物を廃棄貯槽42へポンプする。洗浄緩衝液を共通試薬貯槽40へ分配し、分析貯槽41内に保持された分析膜上部にポンプされ、その後廃棄貯槽42へポンプされる(数回繰り返される)。
【0068】
次に図10Jので、適切なアンプリコン可視化試薬(例えばホースラディッシュパーオキシダーゼ(「HRP」)を共通試薬貯槽40内に分配し、これを分析貯槽41内に保持された分析膜47の上部にポンプし、反応が十分完了するまで循環させ;その後内容物を廃棄貯槽42へポンプする。洗浄緩衝液を共通貯槽40へ分配し、それを分析貯槽41内に保持される分析膜47の上部にポンプし、廃棄貯槽42へポンプする(数回繰り返す)。
【0069】
図10Kでは、可視化試薬(例えばテトラメチルベンジジン「TMB」)を共通試薬貯槽40に分配し、それを分析貯槽41内に保持される分析膜47の上部にポンプし;前記のように試薬との反応を完了するように循環させ、その後内容物廃棄貯槽42へポンプする。洗浄緩衝液を共通試薬貯槽40へ分配し、これを分析貯槽41内に保持される分析膜47の上部へポンプし、廃棄貯槽42へポンプする(数回繰り返す)。最後に、分析貯槽41内に保持される分析膜47の上で分配システム13にカメラ27を配置して前記画像を記録する。画像データはその後制御装置19で処理され、その結果はオペレータに交信される。
【0070】
図11は、貯槽層17を含むCARDの「4アッセイ」構成の斜視図であり、前記流体輸送層16は前記膜層(非エラストマー膜又はダイヤフラム)30を含み、かつ前記増幅リアクタ31の1つをその付設システム45、46とともに持ち、分析貯槽41中の分析膜47を保持するために使用される孔付き保持リング43とを含む。より具体的には、それぞれの例示「4」CARDは4つのミクロアレイ分析貯槽41(図9、11)を持ち、これはそこに除去可能に設けられるミクロ分析膜47を含む。例示的分析膜47は、ナイロン、ニトロセルロース、PVDF又は知られている全ての他の適切な材料からなる。分析貯槽41は前記貯槽の底部に支持プラットフォーム又は前記底部回りにその内側境界回りに伸びる棚部又は肩部を持つ。孔付きの、区分け又はインデントされた保護リングは、前記膜を分析チャンバ内に確保するために使用され得る。図13はBは、例示的穴付き保護リング43を示し、流体を前記膜の境界にわたる分析貯槽内から前記貯槽の底部へ及びその外へ輸送するチャンネル1708を含む。1つの側面で、2つの保護リング43は膜47をその間にサンドイッチするために使用され得る。又は図示されるように前記膜よりもやや小さいが前記穴付きリング43の内部直径よりは小さくない支持プラットフォームが前記膜を保持するために使用される。
【0071】
図12は貯槽層17、チャンネル39の結合する膜層30を含む流体輸送層16、及び増幅リアクタを満たしかつ空にするために用いられる空洞44を持つ1つの増幅リアクタ31を含む、「アッセイユニット」の斜視図である。
【0072】
PCR反応の間、例えば水溶液が約30℃の低温から約50℃の高温へ繰り返し(20から50回)サイクルされる。例えば前記バルク溶液上にチューブ側での、水溶液が蒸発又は濃縮による容量の損失を避けるために、溶液の曝露表面をシールすることが有利であり、それによりシールされていない環境からの反応濃縮で十分な容量の不足や変化により反応を失敗することはない。
【0073】
制御できない蒸発や濃縮を避けるために、ワックス、シリコーン、ミネラルオイル、又はその他の材料が通常は溶液の表面に導入され蒸発を防止するが、これらの材料の使用は次の欠点を持つ。例えばミネラルオイルが室温では液体であり、それによりいくつかの自動システムにとっては取り扱い上の問題を生じる。ワックスは室温では固体であり、自動システムにとってはその融点が非常に制御可能であるが、ワックスはより望ましい複雑なPCR反応を阻害する。シリコーンは、ミネラルイオル同様に室温では液体であり、同様の取扱い上の問題を持つが、PCR反応を阻害はしない。
【0074】
自動PCR反応をシステムのために、特に有利なことは、PCR反応チューブ(例えば図11、12の31)が満たされると自動的に溶液をカバーすることができる材料を含むことである。例えば高純度シリコーンオイルで添加物として少量のワックス(数%)を含む制御可能な混合物が使用され得る。1つの例示的側面で、前記混合物はワックス=1%から20%及びシリコーンオイル=99%から80%である。1つの側面により、前記混合物は約5%ワックスと95%シリコーンオイルである。前記ワックスは標準PCRワックスであり得る(例えばSigma Aldrich パラフィンワックス、融点58−62℃)。前記混合物は室温及び予想貯蔵温度では固体である。前記混合物は、前記PCRチューブ(31)の上部内側表面、前記チューブの開口部の直下及び前記空洞44の底部開口部の上に、材料の層として設けられる。検体がチューブに導入された後最初の熱サイクルで温度上昇が実行されると、前記混合物は融解して溶液の表面をカバーして蒸発を防止し、同時に前記反応を阻害もしない。反応が完了した際、反応物が前記シールの下から前記空洞(44、図12)を通じて、前記増幅リアクタでの温度を前記混合物の融点以下に低減させる前又は後のいずれかで、除去され得る。1つの側面で、前記混合物は、冷却されて前記溶液及び空洞44の上をカバーする固体キャップの形成させ、溶液を前記固化された層の下から引き出すことを可能とする。
【0075】
図13Aは「4アッセイユニット」CARDの分解図であり、貯槽層17、膜層30を含む流体輸送層16及び増幅リアクタ31を含み、前記増幅リアクタは増幅リアクタを満たしかつ空にするために使用される空洞44を含む。図はまた、シリカフィルタ保持具36a、シリカフィルタ貯槽36のためのシリカフィルタ36b及び前記分析チャンバ内の分析膜47を保持するために使用される穴付き保護リング43を含む。
【0076】
図14AからDは、貯槽層17及びそこに付設される流体輸送層16の分析領域の1部分の他の変更配置を示す。前記変更配置は、分析貯槽41内の分析膜47上で循環しているアンプリコンと前記ターゲット分子との接触を改善するために、前記分析膜47をカバーするために使用される。前記カバーは、分析貯槽41から逃げる空気の泡を逃げすように通気される。前記配置はまた、上で説明された穴付きリング構成で使用されるステップ又はプラットフォームを省くことで分析貯槽41の効果的な加熱を可能とする。前記変更配置では、分析膜は直接膜層30上に位置され、これは加熱素子48a上に直接曝露される。分析反応の間に適用される熱はしばしば、アッセイで重要なステップであり得る。前記カバーされたシステムはまた、前記分析貯槽に供給しかつ空にするチャンネルにつき異なる配置を可能とする。前記変更配置において、前記膜は前記貯槽のまさに底部上にあることから、前記流体は交代パターンで前記膜47の上部が洗われ得る。前記貯槽の底部を構成する前記膜層上に前記膜を保持維持するために、図14Bで示されるように分析貯槽4部分の基板層16aでオーバーハングが形成され、チャンネル開口部が前記分析貯槽41のそれぞれの端部でのオーバーハングの下に形成される。前記分析貯槽41はまた、前記チャンネル開口部をそれぞれに組み合わせる幅よりも長く形成され、前記分析膜の長さにわたり効果的なフローを可能とし、かつさらに前記カバーと組み合わせて前記流体と前記分析膜の表面との接触を改善し、それにより前記流体中のアンプリコンが前記分析膜へ付されているそれらのターゲットとより効果的にハイブリダイズすることを可能とする。前記配置はさらに、前記流体が前記膜上を通過する方向を、前記流体輸送層16のポンプ及びチャンネルを用いて時計回りその後反時計回りに循環させることで、交互に変化させることができることで改善される。図14Cは、図14A及び14Bに記載される分析ユニットの前記変更配置に対応する他のニューマチックマニホールド15及びガスケット層28を示す。分析貯槽41の下のニューマチックマニホールド15に位置される第2のヒーター48aに留意すべきである。図14Dは、はニューマチックマニホールド15bの前記内部ニューマチックチャンネル32を示し、どのようにして前記ニューマチック供給システム18から前記底部層内に導入されたニューマチックシグナルがさらに分割されて前記15bの表面上のガスケット層28ボイドに到達するかを示す。
【0077】
図15Aからは、ニューマチックマニホールド15の例示的単一アッセイユニットの分解斜視図であり、ニューマチック的に起動される磁石アセンブリ51及びそれに接続される調製、増幅及び分析反応に必要な多目的ヒーター48を含む。前記図はまた、選択的なダイヤフラム層53を、前記流体輸送層16及びニューマチックマニホールド15との間のインタフェースのために含む。図示されたシステムは、「数上げ」(例えば「4CARD(R)」)され、制御装置19による指示として平行又はランダム順序で多重アッセイユニットを操作するためにニューマチック供給システム18へ付設される。図示されたシステムは、特定のアッセイにより、アッセイの際に必要とされる鉄、磁石又は常磁性粒子を操作するために必要とされる磁場の使用を提供する。実際に、必要とされる粒子は貯槽層17の特定の貯槽内に、分配システム13により導入され、かつ前記アッセイにあるステップでサンプルと混合される。又は、前記粒子は、サンプルインプット貯槽33内に負荷する前のサンプルに含まれ得る。又は前記粒子は、前記流体輸送層16又は貯槽層17を製造する際に貯槽又はチャンネル内に前負荷され得る。
【0078】
混合物中で前記粒子を含むサンプルは、ニューマチックピストンアセンブリ(又はピストンアセンブリはモーター又は電磁石駆動であり得る)51にわたり位置される貯槽又はチャンネルに前負荷され得る。又はサンプル/粒子混合物はニューマチックピストンアセンブリ(又はピストンアセンブリはモーター又は電磁石駆動であり得る)51にわたる貯槽又はチャンネルへポンプされ得る。いずれの場合でも、前記ニューマチックピストンアセンブリ(又はピストンアセンブリはモーター又は電磁石駆動であり得る)51にわたる前記貯槽又はチャンネルは磁石49の対象とされ、前記磁石は前記ニューマチックピストンアセンブリ(又はピストンアセンブリはモーター又は電磁石駆動であり得る)51のピストンロッド52の端部に固定された磁石ホルダ(保持装置)50に、前記ニューマチックピストンアセンブリ(又はピストンアセンブリはモーター又は電磁石駆動であり得る)51へ正圧を与えることで位置され、その後前記磁石を加熱された貯槽55又は非加熱貯槽56又はサンプル/粒子混合物をふくむチャンネルの直下に方向づける。磁気を前記サンプル/粒子混合物の場所に作用させて、前記アッセイは、粒子アッセイの要求を実行するために前記粒子の磁性を利用する。例えば前記粒子を特定の生物学的材料の濃縮ステップのために使用する、又は本技術分野で知られた他の共通粒子依存アッセイステップのために使用する。
【0079】
それに代えて又はそれと組み合わせて、ニューマチック的に起動される磁石システム51は、ニューマチックマニホールド15の領域内に導入され、進行中の粒子及びサンプルが磁気作用と関連付けて加熱作用を受け得る。かかる場合の例は、前記粒子を大量のサンプル容量から有機体を濃縮するための使用である。有機体が捕捉される際に生きている場合にはその後、それが死んでいる場合には発現されないか、され得ないRNAを加熱事象の対象として有機体にRNAを発現させる。加熱の後、磁場を前記ニューマチックピストンアセンブリ(又はピストンアセンブリはモーター又は電磁石駆動であり得る)51を負圧の対象とすることで除去し、それにより磁石49を加熱磁石貯槽55の下の位置から引き出し、前記有機体からRNAを抽出するために前記粒子と濃縮サンプルをふくむ溶液を前記有機体と共に他の位置へポンプし、及びさらに前記抽出されたRNAを増幅し得られるアンプリコンを上で説明されたプロセスに従う方法で分析する。
【0080】
図15Aはまた、分析前にアンプリコンを変性するため、ラベル化反応インキュベーションするため、又はその他の特定の反応のプロセスを改善するために、前記増幅リアクタ31から分離された貯槽54での加熱を提供する機会を示す。図はまた、増幅リアクタを配置する他の方法を示す。この図は前記のチューブ内の増幅リアクタ及び空洞44は設けられていないが、かかるチューブと空洞44配置が前記のニューマチックピストンアセンブリ51と共に使用できないという理由はない。図示されるように、ニューマチックマニホールド15と流体輸送層16の間のインタフェースは、場合により前記ガスケット層28でのダイヤフラム層53を含む。前記ダイヤフラム層は、前記膜層30に分離された空間を設けることで、負圧が前記膜層30の非結合領域に、制御装置19の指示下でニューマチック供給システム18へ付設されたニューマチックマニホールド15のニューマチックチャンネル32を通じて経路付けられたニューマチックシグナルからニューマチックマニホールド15により適用される場合に偏向させる機能と同じ機能を奏する。
【0081】
図15Bは、ダイヤフラム層がないが図15Aと同じ要素が図示されている。従って、ガスケット層28は、図7で記載のような機能を奏し、かつ流体輸送層16は前記ニューマチックマニホールド15と直接相互作用(インタフェース)する。ダイヤフラムのない配置は、ダイヤフラムのない場合には製造及び材料のコストが節約できかつシステムのアッセイ機能の点では大きな違いがない、という利点を持つ。
【0082】
図16は、希薄なターゲットであり、非生育又は生育可能な水性有機体の改善された迅速検出のための単一アッセイを示す斜視図であり、ニューマチック的に起動される磁石51と多重加熱反応サイトを、前記システムにより適用される貯槽及びチャンネルとともに含む機能的構成を示す。特に、前記システムは、ニューマチックマニホールド15がどのように、前記流体輸送相16とそれが付される貯槽相17との組合せで構成され、加熱がアッセイの異なるステップで提供され得ることを示す。具体的な場合において、加熱は、加熱磁石分離/濃縮/反応貯槽55(磁気はまた、貯槽55内の加熱と関連させて望ましいように選択的に適用され得る)での調製ステップで適用され得る。選択的な加熱に続いて、前記サンプルは前記流体輸送層16を通じてアッセイにさらなる調製ステップに輸送される。アッセにより要求されるようにDNA又はRNAの抽出に続いて、前記抽出されたDNA又はRNAはその後前記増幅マスタ混合物と混合され、前記流体輸送層16を通じて前記増幅リアクタ31へ輸送される。図16に示されるように、前記リアクタは前記流体輸送層16の面内に置かれる。しかしながらこれはまた、前記流体輸送層16の面から出た図11、12及び13のように構成されたリアクタを用いることも可能である。前記アンプリコンが増幅リアクタ31内で生成された後、それらは前記加熱分析リアクタ54に輸送され、そこでそれらは変性及び/又はラベル化、又は加熱を必要とされる組合せのために加熱される。前記アンプリコンはその後前記アッセイを完了するために前記分析貯槽41(これもまた加熱のための構成がされ得る)へ輸送される。
【0083】
図17AからOはさらに、以下説明する例示的分析プロセスを示す。
【0084】
図17Aに示されるように、サンプルを貯槽33/55内に入れ、緩衝液とビーズを貯槽33/55内に分配し、貯槽33/55に隣接する大型ダイヤフラムを用いてフラフィングによりゆっくりと撹拌しながらインキュベートされる。前記アッセイのために温度及びインキュベーション時間が選択される。磁石49を貯槽33/55の下に上げ、その後内容物を廃棄貯槽35へポンプする。
【0085】
図17Bに示されるように、磁石49を貯槽33/55の下の位置から下げて外し、洗浄緩衝液を共通貯槽34内に分配し(洗浄緩衝液1)、かつ共通貯槽34からの洗浄緩衝液(洗浄緩衝液1)を貯槽33/55へビーズを再懸濁させるためにポンプする。上のようにゆっくりとフラフィングにより撹拌し、その後磁石を貯槽の下に上げて位置させ、内容物を廃棄貯槽35へポンプする。
【0086】
図17Cに示されるように、多重目的ヒーター48を適切なインキュベーション温度(特定のアッセイで要求される場合に)を設定し、適切なインキュベーションの後、磁石49を貯槽33/55の下の位置から下げて外し;先行緩衝液を貯槽37/56内に分配しかつそれを前記ビーズを再懸濁させるために貯槽33/55へポンプし、ゆっくりと撹拌し、かつ多目的ヒーターを適切なインキュベーション温度と時間(具体的なアッセイで必要とされるように)に設定し;溶解緩衝液を共通貯槽34(溶解緩衝液)へ分配し、それを貯槽33/55へポンプし、上のようにフラフィングにより撹拌し、前記具体的なアッセイで要求されるように加熱し;有機アルコール(例えばエタノール)を共通試薬貯槽34(エタノール)へ分配し、それを貯槽33/55へポンプして上のようにフラフィングにより撹拌し、前記具体的なアッセイで必要とされる加熱をする。
【0087】
図17Dで示されるように、貯槽33/55の内容物をシリカフィルタ貯槽36内のシリカフィルタ36bの上部にポンプする。
【0088】
図17Eで示されるように、前記シリカフィルタ貯槽36内のシリカフィルタ36bを通じてシリカフィルタ36の内容物を吸引し、それを廃棄貯槽35にポンプし、続いて(場合により)真空ポート59を開く事で前記フィルタを通って空気を吸引する。
【0089】
図17Fに示されるように、有機アルコール(例えばエタノール)を共通貯槽34(エタノール)に分配し、それをシリカフィルタ貯槽36にポンプしてシリカフィルタ貯槽36内のシリカフィルタ36bの上部に置き;その後図17Eに記載されるステップを繰り返す。
【0090】
図17Gに示されるように、同じか又は別の洗浄緩衝液を共有貯槽34内に分配し(洗浄緩衝液2)、それをシリカフィルタ貯槽36にポンプしてシリカフィルタ貯槽36内のシリカフィルタ36bの上部に置き;その後図17Eに示されるステップを繰り返す。
【0091】
図17Hに示されるように、同じか又は別の洗浄緩衝液を共有貯槽34内に分配し(洗浄緩衝液3)、それをシリカフィルタ貯槽36にポンプしてシリカフィルタ貯槽36内のシリカフィルタ36bの上部に置き;その後図17Eに示されるステップを繰り返す。
【0092】
図17H及び17Eに示されるステップを繰り返し;その後図17F及び17Eで示されるステップを繰り返す。
【0093】
図17Iに示されるように、洗浄緩衝液を貯槽37/56に分配し、それをシリカフィルタ貯槽36へポンプしてシリカフィルタ貯槽36内のシリカフィルタ36bの上部に置く。適切にインキュベートし、それを前記貯槽37/56へポンプして戻す。
【0094】
図17Jに示されるように、結合緩衝液を貯槽37へ分配し(結合緩衝液)、それを貯槽37/56へポンプする;その後ビーズを貯槽37/56内に分配する;適切にインキュベートし撹拌する。磁石49を貯槽37/56の下に上げて位置させ、貯槽37/56の内容物を廃棄貯槽35へポンプする。
【0095】
図17Kに示されるように、磁石49を下げて貯槽37/56の下から外す。同じか異なる洗浄緩衝液を貯槽37へ分配し(洗浄緩衝液A)、貯槽37(洗浄緩衝液A)の内容をビーズを再懸濁させるための貯槽37/56へポンプする。ゆっくりと撹拌し適切にインキュベートする。磁石を貯槽37/56の下に上げて位置させ、貯槽37/56の内容物を廃棄貯槽35へポンプする。数回繰り返す。
【0096】
図17Lに示されるように、磁石49を下げて貯槽37/56の下から外す。同じか異なる洗浄緩衝液を貯槽37(洗浄緩衝液B)に分布して、貯槽37(洗浄緩衝液B)の内容物をビーズを再懸濁させるためにポンプする。ゆっくりと撹拌して適切にインキュベートする。磁石49を上げて貯槽37/56の下に位置させ、貯槽37/56の内容物を廃棄貯槽35へポンプする。磁石49を下げて貯槽37/56の下から外す。同じか異なる洗浄緩衝液を貯槽37(洗浄緩衝液B)へ分配し、貯槽37(洗浄緩衝液B)の内容物をビーズを再懸濁させるために貯槽37/56へポンプする。ゆっくりと撹拌して適切にインキュベートする。上部に49を貯槽37/56の下に位置させ、貯槽37/56の内容物を貯槽37(洗浄緩衝液B)へポンプして貯槽37/56及び増幅マスタ混合物貯槽38の間のチャンネル及びダイヤフラムを洗浄する。
【0097】
図17Mに示されるように、磁石49を下げて貯槽37/56のしたから外す。増幅マスタ混合物を増幅マスタ混合物貯槽38に分配し、増幅マスタ混合物貯槽38の内容物を貯槽37/56へポンプしてビーズを再懸濁させる。ゆっくり撹拌して適切にインキュベートする。貯槽37/56の内容物を増幅マスタ混合物貯槽38へポンプして戻す。増幅マスタ混合物の内容を増幅リアクタへポンプするか吸引して廃棄へ通じさせて増幅リアクタを満たす。増幅のための適切な温度と時間でインキュベートする。
【0098】
図17Nで示されるように、ハイブリダイゼーション緩衝液を分析貯槽41(ハイブリダイゼーション緩衝液)へ分配し、一部分を廃棄貯槽42へポンプする。貯槽41(ハイブリダイゼーション緩衝液)の内容物を貯槽54(加熱分析貯槽)へポンプする。前記増幅リアクタの内容物の一部を廃棄貯槽42へポンプする。増幅リアクタの内容物の一部分及び貯槽41(ハイブリダイゼーション緩衝液)の内容物の他の一部を貯槽54(加熱分析貯槽)へポンプする
図17Oで示されるように、全ての必要な試薬を貯槽54(加熱分析貯槽)へ要求に従い分配する。貯槽54(加熱分析貯槽)の内容物を要求に従い、撹拌、加熱及びインキュベートする。貯槽54(加熱分析貯槽)の全て又は一部の内容物を貯槽41(分析貯槽)にポンプして、貯槽54(加熱分析貯槽)の内容物の分析を続いて進行する。ゆすぎ緩衝液を貯槽41(ゆすぎ緩衝液)に分配し、貯槽41に前にポンプされた内容物の全てが消費される場合に、貯槽41(ゆすぎ緩衝液)の内容物を貯槽41(分析貯槽)にポンプしてアッセイを完了する。最後に、貯槽41(分析貯槽)内のフィルタ上に表示される結果を光学的に分析する。
【0099】
図18は、組み込まれたニューマチックピストンアセンブリ51を持つニューマチックマニホールド15の断面側面図を示し、その1つは多目的ヒーターアセンブリ48に位置され、1つは前記システムの調製の領域に位置される。図は具体的に、前記システムの調製領域のための前記ニューマチックピストンアセンブリ(又は前記ピストンアセンブリはモーター又は電磁気駆動であってよい)51の内部コンポーネントを示す。
【0100】
図19は、多目的ヒーターアセンブリ48に位置され、組み込まれたニューマチックピストンアセンブリ(又は前記ピストンアセンブリはモーター又は電磁気駆動であってよい)51を持つニューマチックマニホールド15の断面側面図及びその内部コンポーネントを示す。
【0101】
図20は、二重アッセイユニット配置の層状化正面図を示し、これはニューマチックマニホールド15の例示的に他の機能を示し、これは図17AからOに記載された貯槽の代わりに磁気分離/濃縮を目標とするニューマチック的起動磁石アセンブリ51を含み、かる前記システムに適用される貯槽及びチャンネルの構成を含む。
【0102】
図21A)からKはさらに、以下の例示的分析プロセスを示す。
【0103】
図21Aに示されるように、サンプルをサンプルインプット貯槽33に入れ、酵素を共通試薬貯槽34に分配し、それをサンプルインプット貯槽33にポンプする。ゆっくりとインキュベートする。溶解緩衝液を共通試薬貯槽34に分配し、それをサンプルインプット貯槽33にポンプする。ゆっくりと撹拌してインキュベートする。ビーズを共通試薬貯槽34に分配し、それをサンプルインプット貯槽へポンプする。ゆっくりと撹拌してインキュベートする。有機アルコール(例えばイソプロパノール)を共通試薬貯槽34に分配し、それをサンプルインプット貯槽33へポンプし、それをゆっくりと撹拌してインキュベートする。
【0104】
図21Bに示されるように、磁石49を上げて分離/濃縮チャンネル57の下に位置し、内容物を廃棄貯槽35へポンプする。磁石49を下げて分離/濃縮チャンネル57の下から外す。洗浄緩衝液を共通試薬貯槽34(調製)へ分配し、分離/濃縮チャンネル57へポンプし、分離/濃縮チャンネル57を通じて時計方向及び反時計方向に交互に数回循環させ前記ビーズを再懸濁させ、洗浄する。磁気49を上げて分離/濃縮チャンネル57の下に位置させ、内容物を廃棄貯槽35へポンプする。磁石49を下げて分離/濃縮チャンネル57の下から外す。同じか又か他の洗浄緩衝液を共通試薬貯槽34(調製)に分配し、分離/濃縮チャンネル57にポンプし、分離/濃縮貯槽347を通じて時計回り及び反時計回りに数回循環させてビーズを再懸濁させ洗浄する。磁石49を上げて分離/濃縮貯槽7の下に位置させ、内容物を廃棄貯槽35へポンプする。前記洗浄ステップをアッセイの要求に従い続ける。洗浄緩衝液を共通試薬貯槽34(調製)に分配し、それを廃棄貯槽35にポンプして、前記貯槽、チャンネル及び前記調製領域のダイヤフラムからの全ての残留試薬を洗浄する。
【0105】
図21Cに示されるように、分離/濃縮チャンネル57からの溶液を共通試薬貯槽34(調製)へポンプする。高濃度塩緩衝液を共通試薬貯槽34(調製)に分配する。有機アルコールを共通試薬貯槽34(調製)に分配する。共通試薬貯槽34(調製)の内容物を、シリカフィルタ貯槽36内のシリカフィルタ36bの上部にポンプし、廃棄貯槽35へポンプする。
【0106】
図21Dに示されるように、同じか他の洗浄緩衝液を共通試薬貯槽34(溶出)に分配し、これをシリカフィルタ貯槽36内のシリカフィルタ36bの上部にポンプし、シリカフィルタ貯槽36内のシリカフィルタ36bを通じて内容物を吸引し、廃棄貯槽35にポンプする。同じ又は他の洗浄緩衝液を用いてアッセイの要求に従い繰り返す。
【0107】
図21Eに示されるように、溶出緩衝液を貯槽37(溶出)へ分配し、それをシリカフィルタ貯槽36内のシリカフィルタ36bの底部から上部までポンプする。
【0108】
図21Fに示されるように、シリカフィルタ貯槽36の内容物をシリカフィルタを通じて吸引し、それを溶出貯槽37(中心)へポンプし、その後溶出貯槽37L及び37Rに等しくポンプするか又は、それを溶出貯槽37(中心)をバイパスして直接等しい量で貯槽37L及び37Rへポンプする。
【0109】
図21Gで示されるように、増幅マスタ混合物を貯槽38L及び38Rへ分配する。前記分離貯槽へ分配された前記マスタ混合物は、前記アッセイにより同じプライマを含むか、又は含まない。図では、最初のサンプルは2つの部分に分けられている。前記サンプルは単一の部分として残るか、又は2つ以上の部分に分けられ、これは具体的なアッセイ及び利用可能な貯槽、チャンネルにレイアウトに依存し、さらに前記サンプルを分ける増幅リアクタに依存する。貯槽37L及び増幅マスタ混合物貯槽38L内の溶液を増幅リアクタ31Lと31R(2つはアッセイユニットの左側に示されるが、単一の増幅リアクタのみが必要であるが、2以上も利用可能である)にポンプする。前記アッセイユニットの右についても繰り返される。増幅のために適切な温度及び時間でインキュベートされる。
【0110】
図21Hに示されるように、前ハイブリダイズ緩衝液を共通試薬貯槽40(右及び左)に分配し、そこから増幅リアクタ31(左及び右)に分配し、分析貯槽41(左及び右)の分析膜47(左及び右)の上部に分配される。
【0111】
図21Iで示されるように、増幅リアクタ31(左及び右)の内容物を分析貯槽41(左及び右)内の分析膜(左及び右)上にポンプされ、それを複数回循環して前記アンプリコンと分析膜47(左及び右)に付されたターゲットとの十分な接触を与える。十分なハイブリダイゼーションが生じたなら、内容物を廃棄貯槽42にポンプする。洗浄緩衝液を共通貯槽40(左及び右)に分配し、分析貯槽41(左及び右)に保持された分析膜47(左及び右)の上部にポンプされ、その後廃棄貯槽42へポンプされる(数回繰り返される。
【0112】
図21Jに示されるように、適切なアンプリコン可視化試薬(例えばホースラディッシュペルオキシダーゼ(「HRP」)を共通試薬貯槽49(左及び右)に分配し、それを分析貯槽41(左及び右)内に保持される分析膜47(左及び右)の上部にポンプされ、反応が十分進行するまで循環され、その後内容物は廃棄貯槽42へポンプされる。洗浄緩衝液を共通試薬貯槽40(左及び右)に分配し、それを分析貯槽41(左及び右)に保持される分析膜47(左及び右)の上部にポンプし、その後内容物を廃棄貯槽42へポンプする。数回繰り返される。
【0113】
図21Kに示されるように、可視化試薬反応物(例えばテトラメチルベンジジン「TMB」)を共通試薬貯槽40(左及び右)に分配し、それを分析貯槽41(左及び右)内に保持される分析膜47(左及び右)の上部に分配され、上で記載のように反応試薬(例えばHRPとTMB)を完全に反応させるために循環し、内容物を廃棄貯槽42へポンプする。洗浄緩衝液を共通試薬貯槽40(左及び右)に分配し、それを分析貯槽41(左及び右)に保持される分析膜47(左及び右)の上部に分配し、廃棄貯槽42へポンプする(数回繰り返す)。最後に、カメラ27を分配システム13上で、前記分析貯槽41(左及び右)に保持される分析膜47(左及び右)上に位置させ画像を記録する。画像データはその後制御システム19で処理され、結果がオペレーターに送信される。図24、25は非限定的、例示的な、CARD装置をここで説明するように使用する自動組織断片分析のためのプロセスを示す。図45は、図20に示されるCARD構成を用いて、図21、22で示されるプロセスにより、DNAが精製され溶出されかる増幅されることができることを示す。前記ゲル上に示されるバンドは、カンジダ(敗血症を起こす菌)から増幅された15SrRNAである。カラム見出しは、−Ctlsであり、これはベンチトップネガティブコントロールを示す。+Ctlはベンチトップポジティブコントロールを示す。S1−S4は4つのCARD実施例である。それぞれのS1−S4について白抜き四角はCARDから除去され前記精製の第2のステップに先立つ増幅された部分からのものである。この実施態様では、核酸は最初に精製され、その後溶出され(精製に2段階及び溶出に2段階あった:第1の段階から第2の段階への1つ、その後前記第2の段階から溶出)、その後増幅されて、ゲル上で操作される。結果は、前記精製の第2の段階はターゲットの増幅の非常に顕著な改善を与える、ということを確認する。この場合には、前記プライマは、全血液サンプルにスパイクされたカンジダからの25SrRNAを増幅した。
【0114】
図24を参照して、通常行われるように試験片をブレンドするよりはむしろ、組織サンプルは3mm直径カッターで切り取られる。カッターは、その後サンプル貯槽内に挿入され、ここでカッタープランジャを操作して前記切り取られたサンプルを分析チャンバに移動する。より具体的には、図25を参照して、サンプルを直上に説明されるように負荷し;制御装置が溶解緩衝液/プロテイナーゼKを前記試薬貯槽に分配し;前記溶解緩衝液/プロテイナーゼKをサンプル貯槽内にポンプし;前記混合物を循環させ;前記制御装置がエタノールを前記試薬貯槽に分配し;エタノールが前記反応溶液と混合され;前記反応溶液はシリカフィルタ上の精製装置内にポンプされ;及び前記反応溶液はシリカフィルタを通じてシリカ膜を介して廃棄貯槽内へポンプされる。さらに、スクリーンが前記貯槽内に、前記サンプルが挿入される前に挿入されてもよい。それにより、前記試薬と前記断片がより効果的に反応するために表面領域を増加させるために前記組織は前記スクリーンを通る。
【0115】
図22は、チャンネルスタイル磁気分離を/濃縮システムの二重アッセイユニット構成の拡大図であり、貯槽17、流体輸送層16、膜層30を示し、及びそれらのコンポーネントを示す面外増幅リアクタ31を示す。
【0116】
核酸
実施態様では、本発明は対象核酸分子(これはまた「対象核酸」、「ターゲット核酸」、「ターゲットポリヌクレオチド」とも参照される)の増幅及び/又は単離の方法を提供する。単離された核酸分子(又は「単離核酸」)は、前記核酸分子の天然原料中に存在する他の核酸から分離された核酸分子(又は「核酸」)である。好ましくは、「単離」核酸は、前記核酸が由来する有機体のゲノムDNA中の核酸(即ち前記核酸の5’及び3’末端に位置する配列)を自然に切り出した遊離の核酸配列(例えばタンパク質をコードする配列)である。他の実施態様では、前記単離された核酸はイントロンのない配列である。
【0117】
「対象核酸」、「ターゲット核酸」又は「ターゲットポリヌクレオチド」とは対象となる特定のポリヌクレオチドを意味する。本発明の方法で分析されるかかる対象核酸には、限定されるものではないが、ゲノムDNAなどのDNA分子、cDNA分子及びそれらの断片を含み、前記断片にはオリゴヌクレオチド、発現配列タグ(「EST」)、配列タグサイト(「STS」)などが含まれる。本発明の方法で分析され得る対象核酸にはまた、限定されるものではないが、メッセンジャーRNA(mRNA)分子、リボソームRNA(rRNA)分子、cRNA(即ち、インビボで転写されるcDNAから調製されるRNA)分子およびそれらの断片が含まれる。種々の実施態様で、単離された核酸分子は、約5kb、4kb、3kb、2kb、1kb、0.5kb又は0.1kbの核酸配列を含むことができ、これらは前記核酸が誘導されるゲノムDNA中の核酸分子が自然に切り出されたものである。さらに、cDNA分子などの単離核酸は、遺伝子組換技術で製造される際の他の細胞性物質や培地を含まず、また、化学的に合成される化学的前駆体又は化学物質を含まない。
【0118】
対象核酸はDNAやRNA又はキメラ混合物やその誘導体や変性物であり得る。前記核酸は、塩基基、糖基又はリン酸エステル主鎖で修飾されることができ、及び他の追加の基やラベル基を含むことができる。
【0119】
例えば、いくつかの実施態様では、前記核酸は少なくとも1つの変性塩基を含み、これは、限定されるものではないが、5−フルオロウラシル、5−ぶろもウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトシン、5−(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、ベータ−D−ガラクトシルクエオシン、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2、2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、ベータ−D−マンオシルクエオシン、5’メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、シュードウラシル、クエオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w及び2、6−ジアミノプリンを含む群から選択される。
【0120】
他の実施態様では、核酸は少なくとも1つの変性糖基を含むことができ、これは限定されるものではないが、アラビノース、2−フルオロアラビノース、キシルロース及びヘキソースが含まれる群から選択される。
【0121】
他の実施態様では、核酸は少なくとも1つの変性されたリン酸エステル主鎖を含むことができ、これには限定されるものではないが、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロアミドチオエート、ホスホロアミデート、ホスホロジアミデート、メチルホスホネート、アルキルホスホトリエステル及びホルムアセタール又はその類似体を含む群から選択される。
【0122】
プライマ、プローブ又はテンプレートとして使用される核酸は、市販品又は当技術分野で知られている標準方法により得られる。前記標準方法としては、例えば自動DNA合成装置(例えば、Biosearch Technologies、Inc.、Novato、CA;Applied Biosystems、 Foster City、CAなどから市販されている)及び標準のホスホロアミデート化学を用いること;又は非特異的核酸開裂化合物や酵素又はサイト特異的制限エンドヌクレアーゼを用いて大きい核酸断片の開裂により得られる。
【0123】
1つの種から対象核酸の配列が知られており、他の種の相補遺伝子が望まれる場合には、その知られた配列の基づいてプローブを設計することは日常の操作である。前記プローブは、配列が望まれる種からの核酸とハイブリダイズ、例えば対象種からのゲノム又はDNAライブラリからの核酸とのハイブリダイズする。
【0124】
1つの実施態様では、増幅されるべき対象単離核酸に相補的であり、又は温和なストリンジェントな条件下でハイブリダイズできる核酸をプローブとして使用される。
【0125】
他の実施態様では、温和なストリンジェントな条件下でハイブリダイズでき、かつ対象増幅される核酸と少なくとも95%相補的である核酸が、プローブとして使用される。
【0126】
他の実施態様では、少なくとも45%(又は55%、65%、75%、85%、95%、98%、又は99%)の対象ヌクレオチド配列との同一性である核酸をプローブとして使用される。
【0127】
他の実施態様では、対象核酸又はそれと相補的な核酸の少なくとも25(50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、500、550、600、650、700、800、900、1000、1200、1400、1600、1800、2000、2400、2600、2800、3000、3200、3400、3600、3800、又は4000)のヌクレオチド断片を含む核酸分子がプローブとして使用される。
【0128】
他の実施態様では、対象ヌクレオチド配列又はそれと相補的ヌクレオチド配列を持つ増幅される核酸へ温和なストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸分子がプローブとして使用される。他の実施態様では、少なくとも25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、500、550、600、650、700、800、900、1000、1200、1400、1600、1800、2000、2200、2400、2600、2800、3000、3200、3400、3600、3800又は4000の長さのヌクレオチドを持ち、対象ヌクレオチド配列又はそれと相補的ヌクレオチド配列を持つ増幅される核酸へ温和なストリンジェント条件下でハイブリダイズする核酸分子がプローブとして使用される。
【0129】
対象増幅される核酸の検出のためにプローブ(又はテンプレート)として使用され得る核酸は、全ての知られた方法で得ることができる。例えば、プラスミドから、対象ヌクレオチド配列の3’及び5’末端へハイブリダイズ可能な合成プライマを用いてポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により及び/又はcDNAやゲノムライブラリから前記ヌクレオチド配列のための特異的なオリゴヌクレオチドプローブを用いることで、得ることができる。ゲノムクローンは、適切なハイブリダイズ条件下ゲノムDNAライブラリからプロービングすることで識別され得る。例えば高ストリンジェント条件、低ストリンジェント条件又は温和なストリンジェント条件など、プロービングされるゲノムDNAと前記プローブとの関連性の高さに依存する。例えば、対象となるヌクレオチド配列のプローブとゲノムDNAが同じ種からのものである場合、高ストリンジェントハイブリダイズ条件が使用され;一方前記プローブとゲノムDNAが異なる種からのものである場合には、低ストリンジェントハイブリダイズ条件が使用され得る。高、低及び温和なストリンジェント条件は、全てこの技術分野でよく知られている。
【0130】
対象増幅核酸は、この技術分野で知られている方法により検出可能にラベル化され得る。
【0131】
検出可能なラベルが蛍光ラベルであり、例えばヌクレオチド類似体に組み込まれている。本発明の使用のために適した他のラベルには、限定されるものではないが、ビオチン、イムノビオチン、抗原、コファクタ、ジニトロフェノール、リポ酸、オレフィン性化合物、検出可能なポリペプチド、電子豊富分子、基質との反応により検出可能なシグナルを生成する酵素及び放射性同位体が挙げられる。好ましくは32P、35S、14C、15N及び125Iなどの放射性同位体である。本発明に適切な蛍光分子には、限定されるものではないが、フルオレセイン及びその誘導体、ローダミン及びその誘導体、テキサスレッド、5’−カルボキシ−フルオレセイン(「FMA」)、2’、7’−ジメトキシ−4’、5’−ジクロロ−6−カルボキシ−フルオレセイン(「JOE」)、N、N、N’、N’−テトラメチル−6−カルボキシ−ローダミン(「TAMRA」)、6’−カルボキシ−X−ローダミン(「ROX」)、HEX、TET、IRD40及びIRD41が挙げられる。本発明に適する蛍光分子はさらに:限定されるものではないがCy2、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7及びFluorXを含むシアニン色素;限定されるものではないがBODIPY−FL、BODIPY−TR、BODIPY−TMR、BODIPY−630/650及びBODIPY−650/670を含むBODIPY色素;及び、限定されるものではないがALEXA−488、ALEXA−532、ALEXA−546、ALEXA−568、及びALEXA−594を含むALEXA色素;また同様にこの技術分野で知られたその他の蛍光色素が挙げられる。本発明に適する電子豊富インジケータ分子には、限定されるものではないが、アフェリチン、ヘモシアニン及び金コロイドが挙げられる。又は、対象増幅核酸(ターゲットポリヌクレオチド)はそれへの第1の基と特異的に複合体化によりラベル化され得る。インジケータ分子と共有結合され、かつ前記第1の基と親和性を有する第2の基は前記ターゲットポリヌクレオチドを検出するために使用され得る。かかる1つの実施態様では、第1の基としての使用に適した化合物は、限定されるものではないがビオチン及びイムノビオチンが含まれる。
【0132】
本発明の方法により増幅され分析される(例えば検出される)対象核酸は、単一また複数のプローブと、相補的配列を持つポリヌクレオチド分子がハイブリダイズするような条件下で接触され得る。ここで使用される「プローブ」とは、特定の配列(一般的に前記プローブと相補的配列)を持つ対象核酸分子がハイブリダイズでき、前記ターゲットポリヌクレオチド分子の前記プローブとのハイブリダイゼーションが検出され得る特定の配列のポリヌクレオチド分子を意味する。前記プローブのポリヌクレオチド配列は、例えばDNA配列、RNA配列、又はDNAとRNAのコポリマー配列であり得る。例えば、前記プローブのポリヌクレオチド配列は、ゲノムDNA、cDNA、mRNA又は細胞から抽出されたcRNA配列の全配列又は部分配列である。前記プローブのポリヌクレオチド配列はまた、例えばこの技術分野で知られるオリゴヌクレオチド合成技術を用いて合成され得る。前記プローブ配列はまた、インビボで酵素的に、インビトロで酵素的に(例えばPCRで)又はインビトロで非酵素的に合成され得る。
【0133】
好ましくは、本発明で使用される前記プローブは固体支持体又は表面に固定されたものであり、それにより前記プローブへハイブリダイズ又は結合しないポリヌクレオチドを、前記プローブ及びそれに結合又はハイブリダイズするポリヌクレオチド配列を除去することなく、洗浄除去することができる。固定支持体又は表面へのプローブの固定化の方法はこの技術分野でよく知られている。1つの実施態様では、前記プローブは、ガラス表面又はナイロン表面又はニトロセルロース膜などの固体(又は半固体)支持体又は表面へ結合された別々のポリヌクレオチドのアレイを含む。最も好ましくは、前記アレイがアドレス可能なアレイであり、それぞれの異なるプローブが前記支持体又は表面の特定の知られた位置に位置され、特定のプローブの識別が前記支持体又は表面のその位置から識別され得る、ものである。具体的な実施態様では、国際公開第2009/049268A1(Zhou等(2009年4月16日公開)に記載された方法が、固体支持体又は表面へ核酸プローブを固定化するために使用される。
【0134】
本発明で使用されるプローブは全てのタイプのポリヌクレオチドを含むことができ、好ましい実施態様では、プローブはオリゴヌクレオチド配列(即ち、約4と約200塩基長さ、より好ましくは約15と約150塩基長さの間)を含む。1つの実施態様では、約4と約40塩基長さのより短いオリゴヌクレオチドが使用され、かつより好ましくは約15と約30塩基長さのオリゴヌクレオチドが使用される。しかし本発明のより好ましい実施態様は、より長いオリゴヌクレオチドプローブを使用するものであり、約40と約80塩基長さ、さらに約50と約70塩基長さ(例えば約60塩基長さのオリゴヌクレオチド配列)を使用する。
【0135】
CARDの使用
当業者に明らかなことは、前記CARDに基づく診断アッセイが、ベンチトップアッセイが現在使用されている多くの異なる応用のために使用されてきている、ということである。プラスチックCARDの設計が、全ての必要なミクロ流体ネットワーク、バルブ、ポンプ及び貯槽を、簡単な安価な使い捨てのミクロ流体装置を可能にする。全てのアッセイ機能(即ち、フロー及び混合速度、熱サイクルを含む温度制御、レジデンスタイムなど)がソフトウェアで容易に制御されることから、複雑な多重PCRアッセイが熟練度の異なる個々人により容易に実施され得る。さらに、CARDは、ポータブルな電池駆動POC制御装置に挿入され得るか、又は高スループットEncompassMDx(TM)ワークステーションに挿入され得る。しかし形式の選択に拘わらず容易に実施が達成される。
【0136】
前記CARDは、増幅のためのプライマの選択及び検出されるべきプローブの選択を通じて全ての対象核酸配列のアッセイを行う当業者に採用され得る。
【0137】
1つの実施態様では、前記CARDは分子診断を実施するために使用され得る。これは個々人のバックグラウンドに基づく潜在的な疾患の管理のための基礎を提供することができる。
【0138】
他の実施態様では、前記CARDは薬ゲノム感受性、例えば対象となる医薬、医薬組成物、化学物質又は化合物への感受性の遺伝子的素因をスクリーンするために使用され得る。
【0139】
他の実施態様では、前記CARDは、癌スクリーンアッセイ、即ち癌素因に関連する対象となる核酸のスクリーニングを実施するために使用され得る。
【0140】
他の実施態様では、前記CARDは、感染症剤、病原体又は敗血症のためのスクリーニングアッセイのための使用され得る。
【0141】
他の実施態様では、前記CARDは、腫瘍の目的、医薬ゲノムの目的、コンパニオン診断(特定の医薬組成物に特異的な投与又はその他の必要性)又は伝染性又は非伝染性感染症を検出するために、単一塩基多型(SNP)の分析のために使用され得る。
【0142】
他の実施態様では、前記CARDは対象となる有機体の工業的又は環境学的アッセイのために使用され得る。これら有機体には人、動物又は植物への感染性の有機体、又はプロセスされた食品又は非プロセス食品での腐敗有機体が含まれる。
【0143】
他の実施態様では、前記CARDは、娯楽用水(ビーチ、プールなど)又は飲用水のための水処理システムの監視、バラスト水又は処理排水の監視のためのアッセイを実施するために工業的に使用され得る。
【0144】
他の実施態様では、前記CARDは、大量の液体中に分布された希薄なターゲット核酸をスクリーンアッセイを実施するために使用され得る。
【0145】
他の実施態様では、前記CARDは、希薄な核酸のスクリーニングアッセイを実施するために使用され得る。ここで前記希薄な核酸はサンプル中の非ターゲット核酸の高いバックグラウンドから区別されるべきものである。
【0146】
いくつかの実施態様では、前記CARDは、競合するプライマを隔離し、単一の分析貯槽41へフィードする多重増幅リアクタ(例えば図11、12の31)へ適合されることが容易であり、これにより多重増幅リアクタが連続的に単一サンプルから核酸について実行され得る。
【0147】
前記CARDは当業者により、知られた熱介在核酸増幅を実行するために適合され得るものであり、これには、限定されるものではないが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、逆転者(RT)PCR、cDNAエンドの迅速増幅(RACE)、ローリングサークル増幅、核酸配列系増幅(NASBA)、転写介在増幅(TMA)、リガーゼ連鎖反応、転写物関与増幅(TAA)、冷PCR及び非酵素的増幅技術(NEAT)などが挙げられる。
【0148】
核酸増幅のためのCARDを加熱することに加えて、前記CARDは、検出有機体(例えば前記有機体で発現される熱ショック関連RNAの存在など)の実行可能性について試験するために加熱され得る。加熱はまた、単一ヌクレオチド多型(SNP)などの分析でハイブリダイゼーションのストリンジェント性を制御するために使用され得る。
【0149】
前記CARDは当業者により、この技術分野で知られるアンプリコンについての全ての分析又は検出方法を実施するように適合され得る。例えば、限定されるものではないが、比色測定、蛍光比色測定、化学発光、電気化学、電気泳動、ラテラルフロー、タンパク質ミクロアッセイ、核酸ミクロアッセイ、蛍光検出方法又はこれらの検出方法の種々の組合せなどが挙げられる。
【0150】
以下の実施例は説明的、例示的目的でなされるものであり、なんら限定することを意図するものではない。
【0151】
実施例
実施例1: ワルファリン感受性のためのゲノム薬理学的アッセイ
この例はワルファリン感受性のゲノム薬理学的アッセイの具体的な実施例を示す、前記CARDに完全に組み込まれ自動化されている。逆ドットブロット(RDB)は結果を分析するために実施された。しかし以下示されるように前記プライマ伸長方法もまた使用され得る。以下記載されるプロトコルは当業者に容易に、プライマ及びプローブの選択により対象の単一塩基多型(SNP)のためのアッセイに適合され得る。
【0152】
一般的に、前記CARDで実行されるアッセイは次のステップを含む:
1. 前記CARD(オペレーターが行う唯一のステップ)へ原料試験片を適用するステップ、
2. 化学的細胞溶解ステップ、
3. 核酸抽出及び前記CARDに含まれるシリカカラムへ結合させることによる精製ステップ、
4. 前記シリカカラムから精製核酸溶出ステップ、
5. 前記精製核酸の一部を、緩衝液、プライマ、ヌクレオチドトリリン酸、塩化マグネシウム、TaqDNA、ポリメラーゼ及びウラシル−DNAグルコシラーゼ(これは起こり得ないアプリコンのクロスオーバーコンタミネーションを保証するために使用される)を含むPCRを増幅を実行するために必要な全ての試薬を含むPCRマスタ混合物と混合するステップ、
6. 前記完全な混合物を、前記マニホールドに埋め込まれた抵抗ヒーター上に直接位置されるPCR熱サイクルチャンバ内に導入するステップ、
7. 前記熱サイクルプログラムを完了させた後、前記アンプリコンを前記検出モジュール内に導入し、そこでアッセイ、例えばプライマ伸長反応(図26A、B)又は逆ドットブロット(RDB)アッセイ「図29)などのアッセイを実施するステップ、
8. 例えばプライマ伸長方法又はRBD膜を介して分析膜上に検出されたスポットの画像化及び分析するステップ、
9. 結果をユーザに提供するステップ。
【0153】
PCR増幅はこの実施態様で実施されるが、当技術分野で知られる全ての熱介在核酸増幅反応が上の方法を用いて実施され得る、これには限定されるものではないが:ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、逆転写(RT−)PCR、cDNA末端迅速増幅(RACE)、ローリングサークル増幅、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、転写介在増幅(TMA)、リガーゼ連鎖反応、転写関与増幅(TAA)、コールドPCR及び非酵素的増幅技術(NEAT)が挙げられる。
【0154】
図14Aから14L及び図18の貯槽の変更例を参照して、以下の操作及び試薬はワルファリン感受性のインジケータとして知られてる3つの個々のSNP:CYP2C9*2、CYP2C9*3及びVKORCl*2の単一塩基多型(「SNP」)に関連するゲノム薬理学研究を実施するために使用された。
【0155】
プローブセット
次のプローブセットが、CYP2C9*2、CYP2C9*3及びVKORCl*2を検出するために使用された。
【0156】
CYP2C9*2_WT/5AmMC6/TGAGGACCGTGTTCA(配列番号NO:113)。
【0157】
CYP2C9*2_MUT/5AmMC6/TGAGGACTGTGTTCA(配列番号NO:114)。
【0158】
CYP2C9*3_WT/5AmMC6/AAGGTCAATGTATCTCT(配列番号NO:115)。
【0159】
CYP2C9*3_MUT/5AmMC6/AGGTCAAGGTATCTC(配列番号NO:116)。
【0160】
VKORCl_WT/5AmMC6/CATCGACCCTTGGAC(配列番号NO:117)。
【0161】
VKORCl_MUT/5AmMC6/GTCCAAGAGTCGATGA(配列番号NO:118)。
【0162】
サンプル添加及び細胞溶解
(a) オペレーターが、前記サンプルインプット貯槽内に、血液又は口腔スワブ懸濁物のサンプルを5μl添加する。
(b) 細胞貯蔵緩衝液30μlを前記試薬インプット貯蔵へ分配し、それを前記サンプルインプット貯槽内へポンプする。
(c) 30μlのプロテイナーゼK及び溶解緩衝液の混合物を前記試薬貯槽に分配し、それを前記サンプルインプット貯槽内にポンプし、5分間インキュベートする。
(d) 30μlのエタノールを前記試薬貯槽に分配し、それを前記サンプルインプット貯槽へポンプする。
(e) 前記サンプルインプット貯槽の内容物全てを前記精製貯槽内の前記フィルタの上部にポンプし、その後内容物を前記フィルタを通して吸引しそれを廃棄へポンプする。
(f) 40μlのエタノールを前記試薬インプット貯槽内に分配し、それを前記精製貯槽内の前記フィルタ上にポンプし、その後内容物を前記フィルタを通して吸引し、それを廃棄へポンプする。
(g) 70μlの洗浄緩衝液1を前記試薬インプット貯槽に分配し、それを前記精製貯槽内の前記フィルタ上にポンプし、その後内容物を前記フィルタを通して吸引し、廃棄へポンプする。
(h) 70μlの洗浄緩衝液2を前記試薬インプット貯槽に分配し、それを前記精製貯槽内の前記フィルタ上にポンプし、その後内容物を前記フィルタを通して吸引し、廃棄へポンプする。
(i) 90μlの水を前記試薬インプット貯槽へ分配し、それを廃棄へポンプする。
(j) 70μlの溶出緩衝液を前記試薬インプット貯槽に分配し、それを前記精製貯槽内の前記フィルタ上にポンプし、その後それをそれが通ってきたチャンネルを通って廃棄へポンプして戻される。その後全ての残流体を前記フィルタを通して吸引しそれを廃棄へポンプする。
【0163】
溶出
(a) 50μlの溶出緩衝液を1つの溶出貯槽へ分配し、その一部分を他の溶出貯槽へポンプし、その後残りを前記精製貯槽内の前記フィルタの底部を通じてポンプして上げ、その後それを少なくとも2回前記精製貯槽を交互に満たしたり空にしてそれをフラフィングする。
【0164】
PCR負荷
(a) 12μlのPCRのマスタ混合物1を1つの前記マスタ混合物貯槽に分配し、その後12μlのPCRマスタ混合物2で他のマスタ混合貯槽へ分配を繰り返す。
(b) 前記精製貯槽の内容物の小部分(ダイヤフラム3フレックス分)を、溶出緩衝液がポンプされた前記第2の溶出貯槽へポンプする。
(c) 前記精製貯槽から少量の材料を移動するためにダイヤフラム1回フレックス分を増幅貯槽の1つにポンプし、その後同じ増幅貯槽を、前記増幅貯槽と同じ側の前記マスタ混合物貯槽からの前記マスタ混合物で満たす。これを繰り返して前記第2の増幅貯槽を満たす。
【0165】
PCR条件
(a) 10分間、37℃、
(b) 2分間、95℃、
(c)次を40サイクル:
(i) 30秒間、95℃、
(ii) 30秒間、45℃、
(iii) 30秒間、72℃、
(iv) 3分間、72℃。
【0166】
逆ドットブロット(RDB)フィルタブロック
RDBフィルタブロックは熱サイクルの間に実施され、2つのステップが増幅を完全に行わせるために連携させる。
(a) 80μlの水を前記分析試薬貯槽内に分配し、それを分析フィルタへポンプし、その後時計回り及び反時計回りに交互に廃棄へ15回循環させる。
(b) 80μlの0.1NのNaOHを前記分析試薬貯槽へ分配し、それを前記分析フィルタへポンプし、それをその後時計回り及び反時計回りに交互に廃棄へ15回循環させる。
(c) 80μlの水を前記分析試薬貯槽に分配し、それを前記分析フィルタへポンプし、それをその後時計回り及び反時計回りに交互に廃棄へ循環させる。このステップを2回以上繰り返す。
【0167】
前ハイブリダイゼーション
(a) 80μlのSS緩衝液(0.15MのNaCl+0.01Mのリン酸ナトリウム+0.001MのEDTA+0.1%のSDS;最終pH7.25−7.50)を前記分析貯槽へ分配し、それを前記分析フィルタへポンプし、それを循環させる。80μlの水を前記分析試薬貯槽へ分配し、それを前記分析フィルタへポンプし、その後時計回り及び反時計回りに交互に5回循環させ、その後10分間循環させずにインキュベートする。
【0168】
アンプリコン取り出し
10分間の前ハイブリダイゼーションの間にこれらのプロセスが開始され得る。
(a) 前記増幅反応での温度を、前記SS緩衝液を添加する直前の30秒間95℃に上げる。
(b) 同時に80μlのSS緩衝液を前記分析試薬貯槽に分配し、それを前記増幅リアクタの1つにポンプする。他の増幅リアクタでも繰り返す。
(c) 増幅反応ヒーターを切り、前記増幅リアクタを冷却して、前記ワックス/シリコーンのシーリング層を固化させ、アンプリコンを取り出す際に液状相ワックス/シリコーン層がアンプリコンと共に取り出されないようにする。
【0169】
ハイブリダイゼーション
(a) アンプリコン取り出しステップ(a)−(c)と同時に、前記分析貯槽を空にし、前記分析貯槽の下のヒーターの温度を50℃にあげて前記膜を加熱する。
(b) それぞれの増幅リアクタについて3回分ポンプしてそれぞれのリアクタの内容物をいくらかを前記分析膜へポンプする。
(c) 前記分析貯槽の内容物を、時計回り及び反時計回りに15分間循環させてインキュベートする。前記反応を改善するためにカバーされた分析貯槽を用いることが最も好ましい。その後前記内容物を廃棄へ空にする。
(d) 80μlのSS緩衝液を前記分析試薬貯槽へ分配し、それを前記分析フィルタへポンプし、その後15分間時計回り及び反時計回りに循環させてその後廃棄へポンプする。これを2回繰り返す。
(e) 前記分析貯槽の温度を下げて30℃未満とする。
(f) 80μlのSS緩衝液を前記分析試薬貯槽に分配し、それを前記分析フィルタへポンプし、その後1回循環し、その後それを、1分間に1回循環させて5分間インキュベートし、その後それを廃棄へポンプする。
【0170】
共役(コンジュゲート)
(a) 80μlのHRPを前記分析試薬貯槽へ分配し、それを分析膜へポンプし、10分間、時計回り及び反時計回りに循環させ、その後廃棄へポンプする。
(b) 80μlのSS緩衝液を前記分析試薬貯槽に分配し、それを前記分析フィルタへポンプし、その後時計回り及び反時計回りに15回循環させその後廃棄へポンプする。
【0171】
基質の添加
(a) 80μlのTMBを前記分析試薬貯槽に分配し、それを前記分析膜へポンプし、時計回り及び反時計回りに5分間循環し、その後廃棄へポンプする。
(b) 80μlの水を前記分析試薬貯槽へ分配し、それを分析膜にポンプし、時計回り及び反時計回りに15回循環させて、廃棄へポンプする。これを2回繰り返す。
【0172】
画像分析
(a) カメラを前記分析膜の上に位置させ、画像を記録する。
(b) 画像を制御システムへ処理のために送る。
(c) 結果を記録する。
【0173】
実施例2: 単一塩基多型(SNP)の迅速かつ自動的検出のためのCARDに基づく方法
イントロダクション
この実施例は、臨床生サンプルを分析するための低コストのCARD技術を組み込んだ先進分子診断業界のための前記CARDの使用を示すものである。生の試験片が前記CARDに導入されると、細胞溶解、核酸精製、多重PCR及びエンドポイント分析の全てのアッセイ機能が自動的に実行される。
【0174】
前記CARDは、ワルファリン感受性に関連する単一塩基多型(SNP)を検出するためのゲノム薬学的アッセイで使用された。20人の個人ボランティアの生口腔スワブサンプルが分析され、前記CARDで実施されたワルファリン感受性アッセイにより識別されたそのSNPプロフィルが、双方向DNA配列解析を介して確認された。以下記載するゲノム薬学的プロトコルは、しかし、当業者には、プライマ及びプローブを選択することで対象となる全ての核酸配列又はSNPのためのアッセイを行うように容易に適合され得る。かかるアッセイは、例えば、ウイルス性病原体、腫瘍又は他の遺伝子変異、変異体又は対象物のマーカーをスクリーニングするために使用され得るものであり、さらに実質的に全ての細胞又は組織をアッセイすることができるものである。
【0175】
背景
分子診断の使用は、1980年代に、特に成長の遅い又は感染性疾患の原因となる選好性細菌の検出を可能とする手段として認められて依頼、大きく拡張されてきた。ウイルス性病原体の検出はまた、ウイルス負荷試験を含み、分子診断により大きく改善されてきた。ヒトゲノムについてのデータがより利用可能になるにつれて、ゲノム薬理学、コンパニオン診断及びその他の個人化された医薬の応用での分子診断の使用はますます大きくなってきている。その潜在能力と有用性にも拘わらず、しかしながら、高度に訓練された人員と高価な装置が必要なために、分子診断は、適切な装置と人員を持つ専門研究室又は中央実験室での使用に制限されている。
【0176】
多くの有効な「ポイントオブケア(POC)」診断が開発されており、これはラテラルフローアッセイ方式(例えば妊娠試験)で免疫アッセイによるものである一方で、容易に使用できかつ安価なPOC方式ではより複雑な分子アッセイを実施する能力はいまだに十分に達成されていない。分子診断が種々のPOC設定で広く使用されるようになるには、前記アッセイを簡略化し、必要な装置を減らさなければならない。現在「ベンチトップ」分子アッセイは、分析するためのサンプルを生の臨床試験片から調製するための高度に訓練された人員による大きな労力を必要とする。従って、遺伝子増幅及び検出ステップはまた、高度なスキルと高価な装置を必要とする。さらに、ラテラルフローPOCアッセイはしばしば試験片上の色強度の主観的な解釈に頼るところがあり、より高度な分子アッセイからの結果は、曖昧でないかつ客観的なデジタル化された結果が提供されるならばより意味のあるものとなろう。これらのプロセスの全てが1つのシームレスな、完全に自動化された方法で組み込まれるならば、種々のスキルを持つ個人が広い範囲のPOC分子アッセイを実施でき、経済的なアッセイ方式で結果を客観的にかつ明瞭に解釈することを達成できることとなる。
【0177】
分子POC市場での課題は、いくつかの「サンプルから結果」プラットフォームの導入をもたらしたが、しかしそのほとんどが「サンプル調製」ステップ及び/又は装置の分離を必要とするか、遺伝子増幅及び検出を達成するために前記システムへ導入する前の相当なサンプル「前調製」を必要とするものである。真の「サンプルから結果」を達成するために、プラットフォームの簡単化が開発された。このプラットフォームは、全ての必要なサンプル調製、アッセイ及び検出ステップを単一の、安価な使い捨てプラスチック装置に組み込み、完全に自動化された分子診断試験を達成することができる。この実施例で示される前記CARDは、生試験片を導入するだけで、全てのステップが自動化されている。資本設備及び使い捨てという両方の前記装置の低コストは、また全ての「手作業」が必要ないことと共に、分子診断を臨床及びポイントオブケアテストの全ての面で実用的なものとする。
【0178】
材料及び方法
アッセイ
「ベチトップ」アッセイは種々のパラメータを確立するために最適化され、それらは前記CARDの自動化プラットフォームに変換された。例えば増幅及びキャプチャのためのプライマ及びプローブは、本技術分野で知られる方法を用いて設計された。これにはまた、分析される有機体が強すぎて溶解されない場合に標準化学溶解及び核酸精製プロトコルの最適化が含まれ得る。
【0179】
全ての配列は、国立バイオテクノロジセンタ(NCBI)情報(www.ncbi.nlm.nih.gov)から得た。プライマ及びプローブは、CLC Sequence Viewer(www.clcbio.com)、Integrated DNA Technologies SciTools(www.idtdna.com/scitools/)及びNCBI Primer Blast(www.ncbi.nlm.nih.gov/tools/primer−blast)を用いて本技術分野で知られた方法で設計された。全てのプライマ及びプローブは、Integrated DNA Technologies(Coralville、IA)を用いて合成された。全ての微生物及びウイルスDNA、はAmerican Type Culture Collection(ATCC、Manassas、VA)から購入された。
【0180】
ワルファリン感受性アッセイ
口腔スワブを内容説明の上でボランティアから得た。それを溶解しDNAを中有出した。DNAは前記CARDで増幅の対象とした。使用プライマは、ワルファリン感受性について知られる3つの個々のSNPの回りの領域CYP2C9*2、CYP2C9*3及びVKORCl*2(27−32)を増幅するように設計された。CYP2C9*2及びCYP2C9*3SNPはチトクロームP450遺伝子の変異に対応し、VKORCl*2はビタミンKエポキシドリダクターゼ複合体サブユニット1遺伝子の変異に対応する。
【0181】
精製に続き、DNAを2つの識別PCR反応へ分け;1つはCYP2C9変異の両方の周りの領域を増幅するためのプライマを含む混合物であり、他方には、VKORCl*2変異の回りの領域を増幅するためのプライマを含む混合物である。PCRに続いて、両方の反応混合物からのアンプリコンを混合し、変性させ、その後前記膜フィルタに共有結合されたプローブを含むチャンバへ移送した。変性されたアンプリコンは、緩衝液、ビオチン化dUTPを含むdNTP、マグネシウムイオン及び3’−5’エキソヌクレアーゼプルーフリーディング機能が欠失したDNAポリメラーゼ(例えばVent Polymerase、New England Biolabs、Ipswich、MA)の存在下で前記キャプチャプローブとアニーリングさせた。
【0182】
前記プライマ伸長アッセイのために、前記固定化プローブは、約20塩基長さであり、その3’末端に情報提供ヌクレオチドが含まれる。この条件下で、前記変性されアニーリングされたアンプリコン鎖はテンプレートとして挙動し、固体相プローブが伸長される「プライマ」を表す。前記テンプレートとプライマとの完全な一致がある場合に、DNA合成が起こりビオチン化dUTPを含むdNTPが取り込まれる。しかし、前記固定化「プライマ」の末端塩基とテンプレートの間に単一のミスマッチが存在する場合、伸長は起こらず従って、ビオチン取り込みは起こらない(図26A及び、B)。
【0183】
前記CARDで実施するように、プライマ伸長アッセイの熱サイクルは前記分析貯槽41内で実施される(図14AからC参照)。
【0184】
一回の伸長反応に続いて、伸長された生成物はその後、ストレプトアビジン共役HRP及びTMB基質とインキュベートされて検出される。
【0185】
デジタル化取り込み画像は、ImageJソフトウェア(rsb.info.nih.gov/ij)での分析対象となる。スポットの平均強度が測定され、野生型のスポットの平均が変異プローブの平均で割り算された。1以上、1又は1未満の比率は、ホモ接合野生型、ヘテロ接合型、又はホモ接合変異体遺伝子タイプのそれぞれ対応する。
【0186】
プライマ伸長遺伝子タイプの確認は、Cornell University Life Sciences Core Laboratories Center (Cornell University、Ithaca、NY)で、Applied Biosystems Automated 3730DNA AnalyzerとBig Dye Terminator chemistry(Rosenblum、BB、Lee、LG、Spurgeon、SL等、New dye−labeled terminators for improved DNA sequencing patterns.Nucleic Acid Res.1997;25:4500−4504;Heiner、CR.、Kunkapiller、KL、Chen、S−M.、et al.Sequencing Multimegabase−Template DNA with BigDye Terminator Chemistry.Genome Research 1998;8:557−561)及びAmpli−Taq−FS DNA Polymerase(Applied Biosystems、Inc.、Foster City、CA)を用いて双方向配列決定により達成された。
【0187】
結果
前記CARDで実施されたこのアッセイは、ワルファリンの代謝に影響することが知られている3つの別のSNPを識別することで遺伝子タイプ分析(ワルファリン感受性アッセイ)を実行するように設計された。この単一(VKORCl*2)及び多重(CYP2C9*2及びCYP2C9*3)PCRアッセイは、それぞれのSNP周りの領域を増幅し、その後変性されたアンプリコンをプライマ伸長反応の対象としてそれぞれのアレル体遺伝子タイプをアッセイするものである。
【0188】
前記CARDでのSNPアセイの評価のために、20人のボランティアからの口腔スワブが分析された。それぞれのサンプルは、(1)前記CARDで実施されるワルファリンSNPアッセイ及び(2)双方向DNA塩基配列決定を用いて評価された。プライマ伸長アッセイを使用することで、ワルファリン感受性アッセイは前記3つの別々のワルファリン関連SNPにわたり見出された種々のアレル体間を識別する。図26A、Bで示されるように、PCR−増幅DNA配列は変性され、膜フィルタ上に固定化された特異的キャプチャプローブとハイブリダイズさせることができる。このアッセイでは、前記キャプチャプローブは最終的にはテンプレートとして前記アンプリコンを用いて伸長されるプライマとして作用する。前記プライマ伸長された配列に沿ってビオチン化dUTPの挿入は、ストレプトアビジン化HRPと結合させてその結果、上の材料及び方法で説明したように色が検出される。
【0189】
図27は、どのようにして遺伝子タイプがプライマ伸長フィルタから読み出せるかを表す代表的画像であり、及び図28は前記20人の個人から得られた異なる遺伝子タイプを示す。識別された3つのSNPにつき存在する3つの可能な遺伝子タイプが目視で検出され及び/又は個々のスポットのシグナル強度の比が決定されることで確立され得る。20人のボランティからの口腔スワブサンプルのそれぞれがワルファリン感受性アッセイで評価され、最初前記遺伝子タイプは少なくとも2つの異なる個人により読まれた。これらの結果は、上の材料及び方法で記載されたように画像分析同様、双方向塩基配列決定により確認された。
【0190】
この実施例での前記ワルファリン感受性アッセイは前記CARDの有用性を示す。前記アッセイは一度だけ「手動」(ユーザ実施)ステップが必要であるにも拘わらず、全ての続くステップはコンピュータ自動化されている。この実施に容易性及び結果の解釈の容易性のために、医者がワルファリンの適切な初期投与量の確立の助けるために他の臨床情報と共にゲノムデータの使用を望む場合にこのアッセイはPOC設定で有用となる。従って、ワルファリンの適切な治療投与量を達成するために繰り返しPT/INR試験に頼る時間のかかるしかも潜在的に危険性を伴う「試行錯誤」投与に頼る代わりに、医者はいくつかの従来知られたワルファリン投与アルゴリズムを用いて最初からワルファリンのより適切な投与量で開始するころができる(Daly、AK and King、BP.Pharmacogenetics of oral anticoagulants.Pharmacogenetics 2003;13:247−252;Takahashi、H.and Eschizen、H.Pharmacogenetics of warfarin elimination and its clinical implications.Clin.Pharmacokinet 2001;40:587−603;Schwarz、UI、Ritchie、MD、Bradford、Y、 et al.Genetic determinants of response to warfarin during initial anticoagulation.N.Eng.J.Med 2008;358:999−1008;Osinbowale、O.、Al Malki、M.、Schade、A.、et al.An algorithm for managing warfarin resistance.Clev.Clinic J.of Med.2009;76:724−730)。
【0191】
前記CARDで実施されるアッセイは、完全に「手作業なし」で高度な分子アッセイを実施するための簡便な、費用対効果の優れた手段を提供する。さらに、前記アッセイを実施するために必要な装置の低資本コスト及び低い使い捨てコストのために、このプラットフォームを、真の「サンプルから結果」分子試験ポイントオブケア設定を可能とする。
【0192】
実施例3: CARDに基づく自動化ヒトパピローマウイルス(HPV)アッセイ
この実施例は、ヒトパリローマウイルス(HPV)アッセイの具体的な実施態様を示し、前記CARDに完全に組み込まれている。以下説明するプロトコルが当業者により、増幅のためのプライマ選択及びアレイのためのプローブの選択により、対象となる他の核酸配列のアッセイに容易に適合させることができる。
【0193】
膣スワブは、必要な場合には長期室温貯蔵が可能ある移動媒体中に収集される。移動媒体は、例えば、PBS緩衝液であり、ここで前記サンプルは分析のために前記CARD内にすぐに導入され得る。前記移動媒体はまた、この技術分野で知られるDNAを分解しない全てのタイプの溶液であり、前記サンプルを後の使用のために保持され得る。
【0194】
一部を前記CARDに供給し、以下のプロトコルで説明されるように開始される。オペレーターのさらなる干渉なく、全ての以下のステップは自動的に実施される:即ち細胞溶解、核酸精製、PCR増幅及び低密度ミクロアレイ上で複合エンドポイント検出である。以下の走査及び試薬は、前記CARDでHPVアッセイを実施するために使用された。図14Aから14Lを参照すること。
【0195】
サンプル添加及び細胞溶解
(a) オペレーターがサンプル(例えば膣スワブ)をサンプルインプット貯槽に挿入する。
(b) 30μlのプロテインキナーゼK及び溶解緩衝液の混合物を前記試薬インプット貯槽に分配し、それを前記サンプルインプット貯槽へポンプし、5分間インキュベートする。
(c) 30μlのエタノールを前記試薬インプット貯槽へ分配し、それを前記サンプルインプット貯槽へポンプする。
(d) 前記サンプルインプット貯槽の全内容物を前記精製貯槽内の前記フィルタ上にポンプし、その後前記内容部をフィルタを通じて吸引しそれを廃棄へポンプする。
(e) 40μlのエタノールを前記試薬インプット貯槽内に分配し、それを前記精製貯槽内の前記フィルタ上にポンプし、その後前記内容物を前記フィルタを通じて吸引し、それを廃棄へポンプする。
(f) 70μlの洗浄緩衝液1を前記試薬インプット貯槽に分配し、それを前記精製貯槽内の前記フィルタ上にポンプし、その後前記内容物を前記フィルタを通じて吸引し、それを廃棄へポンプする。
(g) 70μlの洗浄緩衝液2を前記試薬インプット貯槽内に分配し、それを前記精製貯槽内の前記フィルタ上にポンプし、その後前記内容物を前記フィルタを通じて吸引し、それを廃棄へポンプする。
(h) 90μlの水を前記試薬インプット貯槽内に分配し、それを廃棄へポンプする。
(i) 70μlの溶出緩衝液を前記試薬インプット貯槽内に分配し、それを前記精製貯槽内の前記フィルタ上にポンプし、その後それを通ってきたチャンネルを通して廃棄へポンプして戻す。その後全ての残留流体を前記フィルタを通じて吸引し、それを廃棄へポンプする。
【0196】
溶出
(a) 50μlの溶出緩衝液を前記溶出貯槽内に分配し、それを他の溶出貯槽へポンプし、その後残りを前記精製貯槽内の前記フィルタの底部を通してポンプして上げ、その後前記精製貯槽を少なくとも2回交互に満たしたり空にしたりしてフラフィングさせる。
【0197】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)負荷
(a) 12μlのPCRマスタ混合物1を前記マスタ混合物貯槽の1つに分配し、その後繰り返して12μlのPCRマスタ混合物2を他のマスタ混合物貯槽に分配する。
(b) 前記精製貯槽の内容物の少量(ダイヤフラムの3回分)を溶出緩衝液がポンプされる前記第2の溶出貯槽へポンプする。
(c) 前記ダイヤフラムの1回フレックス分を、前記精製貯槽から前記材料の少量を増幅貯槽の1つに移動させるためにポンプし、その後その同じ増幅貯槽を前記増幅貯槽と同じ側のマスタ混合貯槽からの前記マスタ混合物で満たす。前記第2の増幅貯槽も繰り返し満たす。
【0198】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
(a) 10分間、37℃、
(b) 2分間、95℃、
(c) 次のサイクル10回
(i) 30秒、95℃、
(ii) 30秒、46℃
(iii) 30秒、72℃、
(d) 次のサイクル30回
(i) 15秒、95℃、
(ii) 30秒、49℃、
(iii) 30秒、72℃
(iv) 3分間、72℃。
【0199】
逆ドットブロット(RDB)フィルタブロック
(a) 前記PCR熱サイクルの間に逆ドットブロット(RDB)フィルタブロックを開始し、2つのステップが前記増幅反応の完了に調整される。
(b) 150μlの0.1NのNaOHを前記分析試薬貯槽内に分配し、それを前記分析フィルタの上部にポンプしそれを前記膜の上部から前記穴付きリングを通じて膜の上部へ戻る循環を5回させ、その後廃棄へポンプされる。
(c)90μlの水を前記分析試薬貯槽内に分配し、それを前記分析フィルタ上にポンプし、その後それを前記膜の上部から前記穴付きリングを通じて膜の上部へ戻る循環を3回させ、その後廃棄へポンプされる。このステップを1回以上繰り返す。
【0200】
前ハイブリダイゼーション
(a) 70μlのハイブリダイゼーション緩衝液(0.15MのNaCl+0.01Mのリン酸ナトリウム+0.001MのEDTA+0.1%のSDS+15%のホルムアルデヒド、最終pH7.25−7.50)を前記分析貯槽内に分配し、それを前記分析フィルタ上にポンプし、それを前記膜の上部から前記穴付きリングを通じて前記膜の上部へ戻る循環を5回行い、その後廃棄へポンプする。
【0201】
アンプリコン取り出し
(a) 70μlのハイブリダイゼーション緩衝液を前記分析試薬貯槽内に分配し、それを前記分析フィルタ上にポンプする。
(b) 70μlのハイブリダイゼーション緩衝液を前記分析貯槽に分配し、それを増幅リアクタの1つのポンプする。他の増幅リアクタについて繰り返す。
(c) 増幅反応ヒーターを切り、増幅リアクタを冷却し、シーリング層のワックス/シリコーンを硬化させ、アンプリコンを移動させる際に液状層ワックス/シリコーン層が前記アンプリコンと共に動かされないようにする。
【0202】
ハイブリダイゼーション
(a) それぞれの増幅リアクタの内容物を前記分析膜上にポンプする。
(b) 前記分析貯槽内の内容物を、12.5分間、循環(前記分析膜の上部から穴付きリングを通じて前記分析膜の上部へ戻る循環)させてインキュベートする。
(c)90μlの洗浄緩衝液を前記分析試薬貯槽内に分配し、それを前記分析フィルタ上部にポンプしその後前記分析膜の上部から前記穴付きリングを通じて前記分析膜の上部へ戻る循環を3回させてその後廃棄へポンプする。これを2回繰り返す。
【0203】
共役(コンジュゲート)
(a) 120μlのHRPを前記分析試薬貯槽へ分配し、それを前記分析膜の上部にポンプする。それを前記膜の上部から前記穴付きリングを通じて前記分析膜に上部へ戻る循環を4分間行い、その後廃棄へポンプする。
(b) 90μlの洗浄緩衝液を前記分試薬貯槽へ分配し、それを前記分析フィルタ上にポンプする。その後前記分析膜上部から前記穴付きリングを通じて前記分析膜の上部へ戻る循環を3回行い、それぞれ廃棄へポンプする。これを3回繰り返す。
【0204】
基質添加
(a) 120μlのTMBを前記分析試薬貯槽内に分配し、それを前記分析膜上にポンプし、前記膜上から前記穴付きリングを通じて前記分析膜上に戻る循環を10分間行い、その後廃棄へポンプする。
(b) 90μlの水を前記分析試薬貯槽内に分配し、それを前記膜上にポンプする。その後前記分析膜上から前記穴付きリングを通じて前記分析膜上に戻る循環を15分間行いその後廃棄へポンプする。これを3回繰り返す。
【0205】
画像分析
(a) カメラを前記分析膜上に配置し、画像を記録する。
(b) 前記画像を前記制御装置へ処理のために送る。
(c) 結果を報告する。
【0206】
実施例4: 20の臨床的に関連するHTPタイプのCARDに基づく迅速分子検出及び識別
この実施例は、実施例3で説明されたプロトコルを用いて、前記CARDで臨床サンプルから直接ヒトパピローマウイルス(HPV)に臨床的に関連する少なくとも20のタイプを、迅速に、容易に、自動的に検出し識別するための方法を示す。
【0207】
イントロダクション
子宮頸癌は低所得国の女性の間で癌に関連する死亡の主な原因であり、世界的な規模では女性の癌に関する死亡の第2の原因である。現在FDA承認分子診断においては、種々のHPVの識別を、「高リスク」又は「低リスク」と分類する以上にはできない。
【0208】
現在、2つのFDA承認分子診断試験が、HPVDNAの直接検出のために合衆国内で利用可能である。ハイブリッドキャプチャテスト(Digene HC2、Qiagen、Valencia、CA)及びセルビスタHPVテスト(Hologic、Bedford MA)である。両方のテストとも、ターゲット増幅よりはむしろシグナル増幅に依存する。しかし、両方のFDA認証キットは、個々のHRHPVを識別はせず、むしろ単一の又は多重のHRHPVの存在を同じポジティブ結果として読まれる。さらに、LRHPVをグループとして検出するハイブリッドキャプチャキットがあり、セルビスタキットは特にHPV16及び18のみを検出ためのものである。
【0209】
子宮頸癌の可能性を決定するための2つの高度な予期テストが利用可能であるにも拘わらず、低所得領域と産業化領域との間の子宮頸癌死亡率の乖離はなお大きく。文化的、社会経済的及び物流的障壁が、貧困領域の女性がこれらのテストの予期値から得られる利益を妨害している。HPVの分子テストのための安価なポイントオブケア装置の設計は、世界規模で子宮頸癌検出についての改善をもたらすであろう。かかるテストは、HPV状態に関して迅速明確な結果を与え、さらなる処置の必要性又は次のチェックアップの期限についていずれかの情報を与えるであろう。この実施例で示されるHPV核酸テストは、これらの前記バリアにも拘わらず異なる集団にアクセス可能なものである。
【0210】
材料及び方法
ゲノムDNAの調製、希釈及び貯蔵
C−33ヒト子宮頸癌細胞株はAmerican Type Culture Collection(ATCC、Manassas、VA)から購入し、10%ウシ胎児血清を含むイーグルスの最小必須媒体で37℃でCO水ジャケット培養装置で増幅させ、保持された。細胞はコンフルエンスになるまで成長させ、直接PBSに掻き取るか、又はトリプシン処理して細胞を計数した。約5百万細胞(10百万ゲノムに等しい)を集めて溶解し、Qiagen DNeasy kit(Qiagen、Valencia、CA)を用いてゲノムDNAを精製した。核酸濃度は260nmでの吸収により決定された。精製核酸は−20℃で保存された。
【0211】
HPV核酸プラスミドDNAの調製、希釈及び貯蔵
HPVゲノムを含むキメラプラスミドDNAはAmerican Type Culture Collection(ATCC、Manassas、VA)から購入し、DH5αE.coli大腸菌を形質転換させた。培地を拡大し、プラスミドDNAをQiagen Plasmid Mini Kit(Qiagen、Valencia、CA)を用いて精製した。DNAの濃度は260nmの吸収により決定され、かつDNAを1μl当たり1E6コピーに希釈した。プラスミドDNAを−20度で保存した。
【0212】
臨床サンプルからDNAの調製
全てのサンプルは、最初膣スワブとしてDigene 貯蔵媒体中に収集した。サンプルの一部をまた、Digene変性溶液で前処理した。サンプルの200μlをQiagen DNAeasyでの核酸精製の対象とし又は他で説明されるインハウス精製試薬で精製した。精製された核酸は−20℃で保存した。
【0213】
HPVプライマ及びプローブの設計
HPVL1遺伝子プライマセットは、L2遺伝子の3’末端及びL1遺伝子の5’末端に対応する前記HPV領域にもとづいて設計された。これは最初Yoshikawaにより記載されその後他者により精緻化された方法である(Yoshikawa H、Kawana T、Kitagawa K、Mizuno M、Yoshikura H、Iwamoto A:Detection and typing of multiple genital human papillomaviruses by DNA amplification with consensus primers.Jpn J Cancer Res 1991、82(5):524−531;Jeney C、Takacs T、Sebe A、Schaff Z:Detection and typing of 46 genital human papillomaviruses by the L1F/L1R primer system based multiplex PCR and hybridization.J Virol Methods 2007、140(l−2):32−42;Takacs T、Jeney C、Kovacs L、Mozes J、Benczik M、Sebe A:Molecular beacon−based real−time PCR method for detection of 15 high−risk and 5 low−risk HPV types.J Virol Methods 2008、149(1):153−162)。それぞれの特定のHPVタイプの配列は、National Center for Biotechnology information (www.ncbi.nlm.nih.gov)から得られた。前記HPVタイプ及び対応する受け入れ番号(accession number)は次のとおりである:6:NC_000904;11:M14119;16:NC_001526;18:NC_001357;31:J04353;33:M12732;35:M74117;39:M62849 M38185;42:M73236;43:AJ620205;44:U31788;45:X74479;5LM62877;52:X74481;53:NC_001593;56:EF177177;58:D90400;59:X77858;66:U31794;68:DQ080079。
【0214】
Jeney等(Jeney C、Takacs T、Sebe A、Schaff Z:Detection and typing of 46 genital human papillomaviruses by the L1F/L1R primer system based multiplex PCR and hybridization.J Virol Methods 2007、140(1−2):32−42)に記載されるプライマに基づいて、前記対象となるHPVゲノムの前方及び逆方向プライマ領域をCLCSequence Viewer(www.clcbio.com)を用いて整列させた。プライマは、最も類似する配列にグループ化された。ミスマッチは、前記ポリメラーゼがヌクレオチドの挿入を触媒する上流で、直接最善の塩基対を持つように最大10の3’ヌクレオチド内では許されなかった。前記配列が整列されると、これらは2以上の縮重ヌクレオチドが単一のプライマには含まれないようにグループ化された。
【0215】
前記キャプチャプローブのための配列は、HPV6、11、16及び18の僅かな変更以外はJeney等の論文に記載されている。前記キャプチャプローブ配列は図30に示される(表1、配列番号NO:1−20)。プローブは、6炭素スペーサを介してリンクされた一級アミンで5’修飾された。
【0216】
全てのプライマ及びプローブは、Integrated DNA Technologies(Coralville、IA)で合成された。
【0217】
グロビンプライマ及びプローブの設計
ヒトベータグロビン遺伝子は、内部ポジティブコントロールとして選択され、これは臨床サンプルからの核酸増幅が成功したかどうかを確認するために必要である。前方及び後方プライマは次のように設計された:即ちそれぞれ、5’−GAATAACAGTGATAATTTCTGGG−3’及び5’−GAAGATAAGAGGTATGAACATGA−3’ (配列番号NO:21)である。アミノ末端ベータグロビンキャプチャプローブは、5’−ATCGAGCTGAAGGGCATCGACTTCAA−3’(配列番号NO:22)であった。
【0218】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)
拡張PCR最適化プロトコルが、高リスクサブタイプとしての顕著性に基づくHPV16及びHPV18について完全長ウイルスDNAを含むプラスミドを用いて実施された。予備実施例は、HPV16は18よりも増幅することが難しいことを示し、従って最適化はHPV16増幅に焦点を合わせた。Jeneyら(Jeney C、Takacs T、Sebe A、Schaff Z:Detection and typing of 46 genital human papillomaviruses by the L1F/L1R primer system based multiplex PCR and hybridization.J Virol Methods 2007、140(1−2):32−42)に記載された条件と類似の熱サイクル条件が実施され、PCRは低温で10サイクルアニーリングし、及び残り25から35サイクルをより高温でアニーリングして実施された。PCRは、32ngのC33精製核酸と最適化MgCl濃度、プライマ濃度、緩衝液構成物のバックグラウンドに重ねてプラスミドを含むHPV16の1000コピーを用いて、前記2つのアニーリング温度のそれぞれのアニーリング温度で実施された。PCRは最終的に次の条件で最適化された:10mMのTris−HCl、pH9、50mMのKCl、100μg/mlBSA、1.5mMのMgCl、0.2mMのdATP、0.2mMのdGTP、0.2mMのdCTP、0.075mMのdTTP、0.125mMのdUTP、0.2μMのそれぞれのプライマ、0.002ユニット/μl熱安定ウラシル−DNAグリコシラーゼ、UDG、(USB Corp.、Cleveland、OH)及び0.05ユニット/μlGoTaqホットスタートポリメラーゼ(Hot Start Polymerase)(Promega Corp.、Madison WI)。熱サイクル条件は次のとおりであった:37℃で10分(UDG活性化)、95℃で2分、10サイクルの95℃で30秒、46℃で30秒、72℃で30秒、25−35サイクルの95℃で30秒、49℃で30秒、72℃で30秒及び最後に72℃で3分で拡張。この同じ条件が、ベータグロビン増幅について有効であることが検証された。PCR最適化は、MJ Mini Gradient Thermal Cycler(Biorad、Hercules、CA)で行い、さらにMultigene II Thermal Cycler(Labnet、Woodbridge、NJ)で確認された。
【0219】
電気泳動及び画像分析
増幅に続いて、2μlの6x色素を10μlに加えて最終容積12μlとする。サンプルは、1/100000容積のGelGreen(Biotium、Hayward、CA)が添加された0.5XTAE(50XTAEは2MのTrisアセテート、100mMのEDTA;0.5XTAEは20mMのTrisアセテート、1mMのEDTAである)緩衝液中に溶解させた3%アガロースゲルで分析された。サンプルは、VWR mini Electrophoresis System (VWR、West Chester、PA)を用いて100ボルトで30−60分間電気泳動された。ウェルは、17レーン(4mm幅)又は24レーン(3mm幅)コムで生成され、そこへ色素を含む5μl又は3μlそれぞれのサンプルが負荷された。
【0220】
ゲルバンドはDark Reader Transilluminator(Clare Chemical Research、Delores、CO)を用いて照明され、画像を、Sony Cyber−shot DSCH2 Digital camera、ISO設定80、F=3.5、シャッタ速度=3秒及びタイマ=2秒を用いてキャプチャした。バックグラウンドは、ローリングボール半径セットを用いて50画素に差し引かれ、前記バンドを測定するピーク下の領域が収集された。
【0221】
臨床サンプルからL1断片のクローニング
HPVL1増幅領域が臨床サンプルから精製されたDNAからの特定のタイプにつきクローンされた。これを行うために、HPVタイプは、増幅及び逆ドッロブロっとハイブリダイゼーションを介して識別された。HPVL1領域が単一感染を含むサンプルからクローン化された。前方及び後方プライマは、BamH1及びEcoR1制限サイトそれぞれが隣接するタイプ特異的L1配列(図31参照、表2(配列番号NO:23から46)を用いて設計された。消化断片は、その後ゲル精製され、消化BamH1/EcoR1とゲル精製されたpBS IIKS+(Bluescript)クローニングベクターへ連結された。HPV挿入物の増幅の達成は、HPVプライマ混合物を用いて確認され、特異的タイプは、RDB及びApplied Biosystems Automated 3730 DNA AnalyzerをBig Dye Terminator chemistry and Ampli−Taq−FS DNA Polymerase(Applied Biosystems、Inc.、Foster City、CA)とともに用いて確認された。
【0222】
スポッティング制御とポジティブコントロールの設計
RDBフィルタのスポッティング制御は次のように設計された:/5AmMC6/AAAAAAAAAAAAAAAAAA/3Bio/(配列番号NO:47)。
【0223】
ポジティブコントロールは、HPV6/11への前方プライマ配列、及びHPV42への後方プライマを含むように設計され、グリーン蛍光タンパク質、プラスミド、pEGFP−C2から誘導される非HPV関連配列を隣接させる。これを行うために、プライマは、前方及び後方プライマ配列にBamH1及びEcoR1制限サイトを隣接させるように設計され、それによりGFP特異的配列が隣接されて258bpGFPインサートの増幅を可能とする。得られる前方及び後方プライマ配列は、それぞれ5’−GCTTGGATCCCGTAAACGTATTCCCTTATTTTTTTAAACGGCCACAAGTTCAGCGTG−3’(配列番号NO:48)及び5’−AAGCGAATTCACTCTAAATACTCTGTACTGTCTTGTAGTTGCCGTCGTCCTTGA−3’(配列番号NO:49)である。増幅の後、PCR産物を生成しBamH1及びEcoR1で切り出した。消化させた断片を続いてゲル精製し、BamH1/EcoR1消化しゲル精製したpBS IIKS+(Bluescript)クローニングベクタに連結した。GFP断片の増幅の達成はHPVプライマ混合物を用いて確認された。
【0224】
逆ドットブロット(RDB)
膜フィルタは、Zhang等(Zhang Y、Coyne MY、Will SG、Levenson CH、Kawasaki ES:Single−base mutational analysis of cancer and genetic diseases using membrane bound modified oligonucleotides.Nucleic Acids Res 1991、19(14):3929−3933)の記載する方法に従い調製された。即ち、負に荷電されたナイロン、0.45μm、Biodyne C membranes(Pall Corporation)を0.1NのHClで前湿潤化させ、続いて10%のN−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩化水素(EDC)で15分間活性化させた。膜を水ですすぎ、空気乾燥させた。アミノ末端核酸プローブは、0.1%Tweenを含む0.5Mの炭酸水素ナトリウム中に再分散され、かつBioRobotics Biogrid(Boston、MA)を用いて前記膜上にスポットされた。膜を空気乾燥し、使用するまでデシケータ中に保存した。使用直前に、膜は0.1NのNaOHでインキュベートして全ての残留非結合活性化サイトをクエンチされた。
【0225】
アンプリコン5μlを50μlのハイブリダイゼーション緩衝液(3XSSPE、0.1%SDS、25%ホルムアミド)と混合し、5分間95℃で加熱し、その後直ぐに氷に載せて再アニーリングを防止した。全ての膜操作は、ゆっくりと撹拌しながら室温で実施された。膜は250μlのハイブリダイゼーション緩衝液に15分間前ハイブリッドさせ、続いて変性アンプリコンを添加して1−3時間ハイブリダイゼーションさせる。ハイブリダイゼーションに続いて、フィルタを1.5mlの0.1%のSDS中で10−15分間洗浄された。膜は、1:500に希釈されたホースラディッシュペルオキシダーゼ共役ストレプトアビジン(Thermo Fisher Scientific、Inc.、Waltham、MA)と1XSSPE/0.1%SDS中で30分間インキュベートし、続いて3回、それぞれ10分間0.5XSSPE/0.3%SDS中ですすがれた。One−Step TMB−Blotting Solution(Thermo Fisher Scientific、Inc.)の750μlを前記膜に添加し、色現像を10分間実施した。膜を10分間5mlの水で洗浄された。現像されたフィルタをHewlett Packard Scanjet4850でスキャンするか及び/又は写真を取って資料とした。
【0226】
結果
PCRプライマの設計
図32(表3A、配列番号NO:50−77)及び図33(表3B、配列番号NO:78−105)はHPVL1遺伝子増幅のためのプライマを示し、材料及び方法に記載したルールに沿って設計された。3’末端で開始する整列に続いて、最大10の3’ヌクレオチド内にミスマッチがなく、プライマにつき最大2つの縮重を用いることで合計8前方及び8後方プライマ配列が設計された。これにより、Jeney等(Jeney C、Takacs T、Sebe A、Schaff Z:Detection and typing of 46 genital human papillomaviruses by the L1F/L1R primer system based multiplex PCR and hybridization.J Virol Methods 2007、140(1−2):32−42)により合成された個々のプライマの半数に低減され、従って、PCRアッセイに合計コストを節約できた。合計で、これらの縮重配列から13の前方及び21の後方プライマとなった。この戦略に続いて、その中に含まれるプライマ混合物は、高リスクタイプの1つ以外の術店を含む20のHPVターゲットの16と正確に一致する。さらに、できるだけ多くのプライマ配列をカバーするように試みられたが、ミスマッチは低リスクタイプで懸念されるほど多くはなかった。その理由は、全ての関連するタイプがこれらのプライマで増幅され得ることは予想されるが、低リスクが増幅されないという可能性の低い場合に、これらの条件下で偽陰性は高リスクの偽陽性ほど重要ではない、とされるからである。前方プライマセットでのミスマッチは、低リスク42、43については単一のミスマッチであり、低リスク44については3ミスマッチである。後方プライマセットでのミスマッチは低リスク11と44及び高リスク66では単一ミスマッチである。HPV44前方配列での1つ以外の全てのミスマッチは、プライマの5’末端内であった。
【0227】
HPVプライマ増幅の検証
前記HPVL1プライマセットは、最初に完全又は部分長HPV配列を含むキメラプラスミドで試験された。図34は、種々のHPVタイプについてプラスミドDNAの増幅の結果を示す。HPV6、11、16、18、52について完全長のDNA配列を含むプラスミド又はHPV35について部分配列のいずれかを100コピー/μl含む反応混合物を40サイクルの増幅の対象とされた。全ての場合において、HPVは、1.6ng/μlC33A核酸の存在で増幅された。全てのプラスミドが前記プライマセットで増幅された。前記プラスミドには、テンプレートとしてどの程度好ましく作用するかに関して違いがあり、HPV18が他の比較して非常に好ましいテンプレートであった。
【0228】
それぞれのプラスミドの間のL1プライマセットについてテンプレートとしての作用の違いを明確に示すために、増幅反応が2倍連続希釈プラスミドで実施された。図35A−Dは、代表的な実施例の結果を示し、反応当たり1.6ng/μlのゲノム核酸のバックグラウンドに重ねてDNAの12から12500コピー/μlでHPVプラスミドDNAが増幅された。上画像は、HPV16及びHPV含有プラスミドの増幅産物を分離するために使用されるゲルの画像であり、これは図34で示される画像と類似するものである。HPV18はHPV16よりも低コピー数でより優れた増幅を示す。これらのゲルの画像分析結果と同様に、その他のプラスミドについても増幅産物の類似のゲル分析の結果も図35Bに示される。これらのグラフからのデータは、HPV18の増幅は他のプラスミドに比較して非常に優れた増幅をすることを確認するものであり、同様にHPV16はこれらの条件下では増幅に対しより低い感受性を有することを確認するものである。HPV18の増幅は、約200コピー/μlでプラトーとなり、HPV11、35及び52の増幅は約800コピー/μlでプラトーとなり、HPV16の増幅は、最も弱いものであり、約1500コピー/μlでプラトーとなった。
【0229】
完全長及び部分長HPVクローンに加えて、臨床サンプルから直接クローン化されたL1ターゲット領域はまた、L1プライマとの増幅反応が実施された。図35Dでグラフは、12のタイプ特異的HPVクローンの10から10000コピー/μlのPCR、の画像分析の結果を示す。前記完全長プラスミドで見られたものと同様にいくつかのテンプレートは他のものよりもより感受性であった。最も感受性であるテンプレート、HPV18、31、33、51、56及び66の増幅は、 150コピー/μl未満でプラトーとなった。より難しいテンプレートの増幅は 300コピー/μlを超えるとでプラトーとなり、16で最も難しいものは1500コピー/μlであった。残るテンプレートは、これらの低及び高い範囲の間でプラトーとなった。まとめると、これらのデータは、試験されたHPVの全てのターゲットはL1プライマセットで増幅するための適切なテンプレートであることを示した。
【0230】
予備実施例(データは示されていない)は、HPVの及びベータグロビンは、お互いに強く影響与えることなく、同じ反応混合物内で同時に増幅されないことを示した。通常、1つのテンプレートが他のテンプレートの比べて有意に過剰である場合にはPCR反応物の競争が生じ、最終産物のためによくないアッセイ設計とする恐れがある。従って、アッセイは、ベータブロビンとHPVが別々のチャンバ内で増幅され得るが、同じ熱サイクル条件に従うことができるように設計された。図35Aの下の画像は、グロブリン増幅産物の代表的ゲルを示す。これらの実験のサンプルは、前記HPV増幅曲線と同じインプットHPVゲノムDNAを含んでいた。HPVインプットは増加される一方で、前記ゲノムインプット核酸は1.6ng/μlを維持していた。前記画像で見られるように、インプットHPVのレベルはほとんど又は全くグロビン増幅に影響を与えなかった。図35Dは、図35Bに示されるプラスミドHPVのそれぞれについての実施のコンパニオングロビンゲルの画像分析の結果を示す。これらのデータは、HPVのインプットに拘わらず、ベータグロビン増幅は比較的一定を維持することを、示す。従って、HPV及びグロビンの共増幅が競争となる一方で、特異的プライマがないといずれかのテンプレートが存在しても前記特異的ターゲットの増幅に悪影響を与えることはない。
【0231】
グロビン曲線
内部コントロールベータグロビンがHPVとは別のチャンバで増幅されたが、HPVと同じ温度及びサイクル条件で実施された。従って、どのようにしてベータブロビン増幅がこれらの条件下で作用するかを確立することが重要であった。この質問に答えるために、C33A及び細胞から精製された連続的希釈核酸がベータブロビンプライマで増幅の対象とされた。増幅は、精製核酸の0.024−1.6ng/μlを、30、35又は40サイクルで実施された。これらの実験からの結果は図36に示される。PCRを40サイクルで実施された場合、アンプリコン産物はインプット核酸0.2ng/μlで完全に飽和した。対照的に、30又は35サイクルで実施された場合には、グロビンの増加はそれぞれ0.4又は0.1ng/μlでプラトーとなり、それぞれ1.6又は0.8ng/μlまでは飽和しなかった。これらのデータは異なる時間で精製されたC33A核酸を用いて種々の日で生成され、このアッセイの高い再現性が示された。
【0232】
図36での実施例では、テンプレートは、精製DNAよりもC33A細胞から精製された全核酸の内容物中に提示された。この実施例の最終目的が、HPV検出のためのポイントオブケアミクロ流体分子診断ツールを設計することであることから、前記アッセイのそれぞれのステップは前記エンドポイントを考えて設計された。従って、RNAフリー(存在しない)精製DNAを与えるリボヌクレアーゼ処理核酸の使用が考慮された。実施例では、前記精製モジュール中のリボヌクレアーゼは不必要であることが決定され、低細胞濃度から核酸を実際に回収することに有害であり得ることが決定された。即ち、DNAを制限する条件下では、RNAは精製を補助するキャリアとして作用し得る。いくつかの精製実施例を行い、収率プラス/マイナスリボヌクレアーゼ処置を比較した。C33A細胞の場合には、核酸の収率は一般的にリボヌクレアーゼ処理をしない場合に比べて4倍高かった。このことは、ゲノムDNAの実際の量は、260nmでの吸収を介して決定され収率は実際の約1/4であることを示唆する。
【0233】
RDBHPV/グロビン
別の容器でゲノム及びHPVDNAのPCRの増幅に続いて、アンプリコンを一緒にして、単一膜フィルタ上でRDBの対象とした。図37Aには、1.6ng/μlのゲノム核酸のバックグラウンドに重ねてHPVの10コピー/μlの増幅の結果を示す。上の画像は、HPVアンプリコンのゲル画像を示し、下画像は対応するグロビンアンプリコンのゲル画像を示す。それぞれのクローンのテンプレートとしての作用を示す相対的強度は、これまでの10コピー/μlで見られたものと整合した(図37B及びデータは示されていない)。図37Bは、HPVのとグロビンのアンプリコンの組合せのRDBの結果を示す。それぞれのクローンがその特異的膜結合性プローブによりキャプチャされ、明確なスポットを生成した。一例以外の全てで、前記EDBスポットは前記アンプリコン画像の強度に拘わらず強かった。一方でHPV53キャプチャの強度は低強度増幅を真似るものではあるが、なお識別され得る。
【0234】
臨床サンプル−細胞数の決定
HPV及びグロビン増幅、続いてRDB上での特異的検出の堅牢性と再現性の条件を確立したので、前記アッセイを標準的生物学的試験種を用いて検証した。117の臨床サンプルを入手し、HPV及びグロビンの核酸増幅の対象とし、RDBを介して最終的検出の対象とした。全ての117のサンプルが貯蔵移動媒体(STM、Qiagen)中に集められ保存された。前記サンプルの一部分がまた、貯蔵に先立ってアルカリ変性試薬(Qiagen)で処理された。サンプルを凍結して核酸増幅に先立って数週間貯蔵された。前記追加の変性試薬とともに貯蔵されたサンプルから精製された核酸は、STMのみで貯蔵されたサンプルに比較してやや高い収率と純度を与えた。SMTのみの溶液に対して、前記変性/STM含有溶液からの平均収率は、それぞれ11および4.6ng/μlであり、260/280nmでの吸収の比率はそれぞれ1.8と1.6であった。最初、これらのサンプルのそれぞれの0.5μlを30サイクルのPCRを介してグロビンの存在が分析され、かつ、それぞれのサンプルが、生成された核酸の濃度にかかわらず、画素強度により測定可能な検出可能なアンプリコンにつき分析され、EDB検出を介して確認された。図38に見られるように、これらの条件下で直接関連はないが、画素強度の増加の傾向はng/μl収率の増加の傾向を伴った。そこで、検出可能な核酸の不存在下(吸収による、内部スペースのドロップ制限は約1ng/μl)でも、前記アッセイは30サイクルのPCRで検出可能なグロビンアンプリコンを生成し、それにより臨床開発のためのアッセイの感度及び有用性を検証した。
【0235】
グロビンの半定量的PC増幅は前記臨床サンプル中のゲノムの数を計算するために使用された。報告により、膣スワブは約1から5百万細胞を含み(Depuydt CE、Benoy IH、Bailleul EJ、Vandepitte J、Vereecken AJ、Bogers JJ:Improved endocervical sampling and HPV viral load detection by Cervex−Brush Combi.Cytopathology 2006、17(6):374−381;Quint WG、Pagliusi SR、Lelie N、de Villiers EM、Wheeler CM:Results of the first World Health Organization international collaborative study of detection of human papillomavirus DNA.J Clin Microbiol 2006、44(2):571−579;Schellenberg J、Blake Ball T、Lane M、Cheang M、Plummer F:Flow cytometric quantification of bacteria in vaginal swab samples self−collected by adolescents attending a gynecology clinic.J Microbiol Methods 2008、73(3):216−226)、これは6.4x10−6から3.2x10−5gの純粋なDNAに相当する。C33A細胞からのRNAフリーDNAを用いて、かつ30サイクルのPCRを実施して、画素強度対ngインプットの曲線を生成した(図39A)。これは図36で生成された曲線と類似するが、しかしこの場合の全インプット核酸はゲノムDNAであり、従ってゲノム数と直接関連する。
【0236】
ng/μlからゲノム数への変換のために、次の式が使用された:((ng/μl/1E9)/3.2E−12g/ゲノム。
【0237】
ゲノムを細胞に変換するためには、上の式から得られた結果を2で割ればよい。
【0238】
臨床サンプル内にあるゲノムの数を決定するために、アンプリコンの得られた強度は前記アッセイの直線範囲内に含まれるように、種々の低、中間的及び高収率のサンプル(図38)を希釈法で分析された。図39Bの結果は、STMのみ中で保存されたサンプルについて計算された範囲は、1から40ng/μlの範囲であった。これらの数は、260nmでの吸収から得られたng/μl値より約2から7倍高い値であった。このことは驚きではない。というのは上で説明したように、リボヌクレアーゼの不存在で精製された全核酸は、リボヌクレアーゼ処理に続いて精製されたDNAよりも平均して4倍高かったからである。上の式を用いると、この範囲は、312.5から12500ゲノム/μl又は156.25から6250細胞/μlに相当する。これらのサンプルの初期容量は1mlであった。そこでこれらのサンプル中で見出された細胞の数は、156250から6250000の範囲であった。
【0239】
図39Cは、STM及び変性剤中で貯蔵されたサンプルにつき計算されらng/μl値を示す。この条件下では、計算ng/μl値と260nmでの吸収から得られたng/μl値の相違は、アルカリ存在下でRNAの加水分解と大きな一貫性はなかった。これらの条件下で計算されたDNAの範囲は、0.6から20ng/μlであった。これは、187.5から6250ゲノム/μl又は93.75から3125細胞/μlに相当する。これらのサンプルの最初の容量は1.5mlであった。そこで、これらのサンプル中で見出された細胞数は、140625から4687500の波にであった。
【0240】
まとまると、これらのデータは、半定量的システムを用いると、異なる条件下で保存されていたサンプルからの細胞数が評価されること、及び貯蔵に拘わらず、計算された細胞数はこれまでの報告値と整合することを示した。これらのデータは、膣スワブサンプルで予期される下限(約150000細胞)及び上限(約5000000細胞)値を与えるものであり、前記アッセイが前記サンプルで予期される全範囲と整合するものである、ことを示した。
【0241】
臨床サンプル及びHPVの証明
本発明のシステムがHPVを、現在認められているHPV検出の方法に比較してよりよく検出することができることを示すために、全ての117臨床サンプルから精製された核酸に基づきL1プライマセットを用いたPCR、さらに得られたアンプリコンのRDBにより実施された。
【0242】
図40(表4)は、臨床サンプルのPCR及びEDBの結果を示す。表で示されるように、75%(88/117)のサンプルがPCRによりHPV増幅バンドを示し、さらにHPVアンプリコンポジティブの45%(40/88)がRDB上のHPV特異的プローブによりキャプチャされた。残る非検出物に対する最もあり得る説明は、前記HPVタイプの特異的キャプチャプローブが存在しないことである。HPV・RDBポジティブスポットのうち、31/40は高リスクHPVタイプを含み、単一感染(21)、複数感染(5)又は低及び高リスク感染の組合せ(5)として存在した。残る9RDBポジティブサンプルは低リスク(7)又は複数(2)感染であった。
【0243】
前記アッセイが、高リスクHPV検出でのDigeneHC2(Qiagen、Valencia、CA)によるデータと比較された。図41Aのデータは、Digeneシステムを用いるHPVの高リスクのポジティブサンプルと、この実施例に記載されたシステムで得られたHPV結果との比較を示す。前記アッセイは、Digeneの高リスクサンプルの1つ以外につき全てが高リスク感染であることを確認した。Digeneで1.01のポジティブ結果であるこのサンプル(データは示されていない)は、ほとんど高リスクDigeneポジティブとは考えられなかった。しかし、このサンプルの繰り返しでは、HPVアンプリコンは検出されなかった。このことは、このサンプルは偽陽性とされたものか、又は非常に低いポジティブ性であるとされたものであろう。一方で、この実施例で示されたアッセイシステムは、Digene HC2キットでは検出されなかったいくつかの他の高リスクサンプルを見出した。図41Bに示されるように、本発明のアッセイシステムは、6つの高リスクサンプルを見出したが、これらはDigeneシステムでは見出されなかったものであり、このことはこの実施例で示されたアッセイの顕著な感度及び特異性を示すものである。
【0244】
議論
この実施例は、個々の低及び高リスクHPVサブタイプを検出し識別するHPV分子診断試験の開発を示す。前記方法は、完全に自動化されたミクロ流体(CARD)プラットフォーム上で使用するように開発され、ユーザは生物学的試験片をインプットするだけが必要とされる。前記自動化プロトコルは、サンプルから核酸を遊離させ、それをグロビン及びHPV特異的プライマを用いて増幅し、及び逆ドットブロットハイブリダイゼーション及び検出を介してHPVのサブタイプを識別する。実施例は、HPVアッセイが20の異なる感染HPVタイプを、ヒト上皮細胞からのベータグロビン同様に識別することができることを示す。さらに、このアッセイの感度が、再現性とともに示された。
【0245】
予備実験(示されていない)が、既に知られた生物学的サンプル中でのHPV特異的サブタイプの識別のためのPCRに基づく方法で、これらの方法のいずれがHPVアッセイへの使用に適するか及び/又は改善できるか、について決定するためになされた。
CARDでの使用に選択された好ましいターゲットとしての基準は:
(1) PCRの際に相当な伸長時間を必要とせず、PCRの全所要時間を低減する、短いアンプリコンの増幅、
(2) 新たなHPVサブタイプが関連ありとされる場合に新たなHPVサブタイプを含む全ての対象となるターゲットのためのキャプチャプローブの設計をするための超可変領域をターゲットとすること、
(3) 対象とする全てのHPVターゲットを増幅するために必要なプライマの数を最小化するためにターゲットサイトの隣接領域での有意な相同性、である。
【0246】
この技術分野で多くのPCRに基づく方法が、L1遺伝子内の区別された核酸配列の増幅に依存するけれども、HPVゲノム内の他の遺伝子に依存する方法も存在する(Josefsson A、Livak K、Gyllensten U:Detection and quantitation of human papillomavirus by using the fluorescent 5’exonuclease assay.J Clin Microbiol 1999、37(3):490−496)。図42(配列番号NO:106)は、強調された配列(配列番号NO:107から112)を含むHPV16のL1遺伝子の配列を示し、これは増幅のターゲット領域に対応する。即ち、配列番号NO:107と配列番号NO:108はL1の前方及び後方プライマであり、配列番号NO:109及び配列番号NO:110はSPFプライマであり、配列番号NO:110及び配列番号NO:111はGP5/GP6であり、配列番号NO:109及び配列番号NO:112はPGMY11/09に対応する。
【0247】
確立された3つのシステムは、L1遺伝子の中間にある450bp領域の全て又は一部を増幅した。前記MY09/MY11システムは最初、縮重プライマセットとして1990年の初めに記載され(Hildesheim A、Schiffman MH、Gravitt PE、Glass AG、Greer CE、Zhang T、Scott DR、Rush BB、Lawler P、Sherman ME et al:Persistence of type−specific human papillomavirus infection among cytologically normal women.J Infect Dis 1994、169(2):235−240)、複数のHPVタイプを検出でき、約450bpのアンプリコンが得られた。縮重プライマの使用による生じる問題を避けるために、Gravitt等(Gravitt PE、Peyton CL、Alessi TQ、Wheeler CM、Coutlee F、Hildesheim A、Schiffman MH、Scott DR、Apple RJ:Improved amplification of genital human papillomaviruses.J Clin Microbiol 2000、38(1):357−361)は前記MY09/MY11システムを変更し、5つの前方及び13の後方プライマの集合を設計した。これらのプライマの個々の組合せが前記ターゲットHPVのタイプの全てを増幅することを可能にする。前記同じ領域を増幅するためにSnijders等は(Snijders PJ、van den Brule AJ、Schrijnemakers HF、Snow G、Meijer CJ、Walboomers JM:The use of general primers in the polymerase chain reaction permits the detection of a broad spectrum of human papillomavirus genotypes.J Gen Virol 1990、71(Pt1):173−181)、単一のプライマ配列を識別し、これらはさらに3’末端での伸長により改変され(de Roda Husman AM、Walboomers JM、van den Brule AJ、Meijer CJ、Snijders PJ:The use of general primers GP5 and GP6 elongated at their 3’ends with adjacent highly conserved sequences improves human papillomavirus detection by PCR.J Gen Virol 1995、76(Pt4):1057−1062)、及びHPVタイプの広い範囲をカバーするように拡張された(Schmitt M、Dondog B、Waterboer T、Pawlita M:Homogeneous amplification of genital human alpha papillomaviruses by PCR using novel broad−spectrum GP5+ and GP6+ primers.J Clin Microbiol 2008、46(3):1050−1059)。この「一般的プライマ」システムにより生成されるアンプリコンのサイズは150bpであった。
【0248】
L1遺伝子の前記同じ領域をターゲットとするために、Kleter等(Kleter B、van Doom LJ、Schrauwen L、Molijn A、Sastrowijoto S、ter Schegget J、Lindeman J、ter Harmsel B、Burger M、Quint W:Development and clinical evaluation of a highly sensitive PCR−reverse hybridization line probe assay for detection and identification of anogenital human papillomavirus.J Clin Microbiol 1999、37(8):2508−2517;Kleter B、van Doom LJ、ter Schegget J、Schrauwen L、van Krimpen K、 Burger M、ter Harmsel B、Quint W:Novel short−fragment PCR assay for highly sensitive broad−spectrum detection of anogenital human papillomaviruses.Am J Pathol 1998、153(6):1731−1739)は、「汎用塩基」イノシンの導入により全てのHPVタイプを認識することができる4つの前方及び2つの後方プライマのシステムを設計した。これらのプライマは65bp領域を増幅し、これは前記アンプリコン内にタイプ特異的キャプチャのために直接ターゲットとされ得る、超可変領域を含むものであった。L1配列に焦点を合わせるために、Yoshikawa等は(Yoshikawa H、Kawana T、Kitagawa K、Mizuno M、Yoshikura H、Iwamoto A:Detection and typing of multiple genital human papillomaviruses by DNA amplification with consensus primers.Jpn J Cancer Res 1991、82(5):524−531)、L1C1/L1C2プライマについて記載し、これらは後に改変されてHPVの46の区別されるタイプまで含まれるようにされた(Jeney C、Takacs T、Sebe A、Schaff Z:Detection and typing of 46 genital human papillomaviruses by the L1F/L1R primer system based multiplex PCR and hybridization.J Virol Methods 2007、140(l−2):32−42;Takacs T、Jeney C、Kovacs L、Mozes J、Benczik M、Sebe A:Molecular beacon−based real−time PCR method for detection of 15 high−risk and 5 low−risk HPV types.J Virol Methods 2008、149(1):153−162)。Jeney等の研究(Jeney C、Takacs T、 Sebe A、Schaff Z:Detection and typing of 46 genital human papillomaviruses by the L1F/L1R primer system based multiplex PCR and hybridization.J Virol Methods 2007、 140(l−2):32−42;Takacs T、Jeney C、Kovacs L、Mozes J、Benczik M、Sebe A:Molecular beacon−based real−time PCR method for detection of 15 high−risk and 5 low−risk HPV types.J Virol Methods 2008、149(1):153−162)は、より多くのタイプをより感度良く検出することができる新規な領域を識別することを目的としてなされ、HPVL1配列内に1つの領域を見い出し、この領域はX線結晶構造解析により識別された前記タンパク質の超可変領域の1つの整合し(Chen XS、Garcea RL、Goldberg I、Casini G、Harrison SC:Structure of small virus−like particles assembled from the LI protein of human papillomavirus 16.Mol Cell 2000、5(3):557−567)、及びさらにドメイン交換実験により確認した(Olcese VA、Chen Y、Schlegel R、Yuan H:Characterization of HPV16 LI loop domains in the formation of a type−specific、 conformational epitope. BMC Microbiol 2004、4:29)。Jeney C、Takacs T、Sebe A、Schaff Z(Detection and typing of 46 genital human papillomaviruses by the L1F/L1R primer system based multiplex PCR and hybridization.J Virol Methods 2007、140(l−2):32−42)、及びTakacs T、Jeney C、Kovacs L、Mozes J、Benczik M、Sebe A(Molecular beacon−based real−time PCR method for detection of 15 high−risk and 5 low−risk HPV types.J Virol Methods2008、149(1):153−162)により記載されたプライマの使用は250bpのアンプリコンを生じる。
【0249】
これらのL1増幅方法のそれぞれの試験が実施された。それぞれにつき成功した。上流L1250bpの試験が、そのアンプリコンのサイズ及び前記キャプチャプローブ領域内の超可変性によりさらなる研究のために選択され、これにより、さらに好ましい室温でもハイブリダイゼーションし得るキャプチャプローブの設計を可能とした。
【0250】
HPV感染及び子宮頸癌の潜在的進展に関してより知られるようになるにつれて、高リスクHPVタイプの存在を示すことに加えて、細胞当たりのウイルス保持量又はHPV粒子数を理解することがまた診断に寄与するようになってくる。前記アッセイを用いてこのことを試験するために、同じサンプルからのHPV及びグロビンの画素強度が評価された。図43Aは、HPV画素強度の増加を対応するグロビン画素強度に対してプロットした結果を示す。図43Aに示されるように、グロビン画素強度とHPV画素強度の増加には関連性はない。
【0251】
HPVとグロビン画素の比率をその後高リスクHPVタイプの存在と比較された。図43Bは、HPVとグロビン画素の比率を示し、低リスクHPVタイプに対してプロットされた。これらの比率は1未満から6を超える値まで変化したが、HPVタイプの存在とは明瞭な関連性はないように見えた。図43Cは、HPVとグロビン画素の比率を低リスクHPVタイプに対してプロットしたものを示す。「Digene」は、本発明のアッセイと比較するために市販のDigeneアッセイの結果を示す数字である。挿入された図面は、Digeneアッセイ結果(異なる寸法Y軸で)を示し、これは寸法を合して主図面に組み込まれている。
【0252】
まとめると、CARDで実施されたHPVアッセは、臨床的に関連するHPVタイプにつき、完全に自動化された、迅速かつ信頼性のある分子検出システムを提供するものである。さらに、前記CARDの簡便性(持ち運び可能)により、この実施例で示された方法は、工業化された国及び発展途上の国の両方において広く応用分野を持つものである。
【0253】
実施例5: CARDに基づく希釈ターゲットの検出
この実施例は希釈ターゲットの検出を示す。この例では、希釈ターゲット核酸は水系病原体に関連する。前記希釈ターゲットの検出は給水系でのターゲットの存在を示す。かかるアッセイは、大量の液状サンプル容積中の希釈ターゲット(少数の有機体又は細胞核)を検出するために使用され得る。
【0254】
図20Aから20Pを参照して、以下の操作及び試薬が、生きている水系病原体であるクリプトスポリジウム・パルバムの検出を実施するために使用された。
【0255】
サンプル添加及び磁気免疫分離
クリプトスポリジウム・パルバムの磁気免疫キャプチャのための全ての試薬はDynalから入手される。容量をCARDでの自動操作のために調節された。
(a) オペレーターが1mlの前濃縮水サンプルをサンプルインプットへ導入。
(b) 100μlの緩衝液1、100μlの緩衝液2、及び10μlのビーズを前記サンプルと同じチューブに入れる。ゆっくりと撹拌又はフラフィングして30分インキュベートする。
(c) 前記サンプルインプットの下へ磁石を持ち上げ、貯槽の内容物を廃棄へポンプする。
(d) 200μlの緩衝液1を緩衝液1貯槽へ分配し、前記磁石を下げてから、サンプルインプットへポンプし、ビーズを再懸濁させる。
(e) 前記サンプルインプット貯槽の下に磁石を再度持ち上げ、内容物を廃棄へポンプする。
【0256】
ヒートショック
場合によりヒートショックを前記磁気免疫分離ステップでキャプチャされた生きている有機体の試験のために実施する(でない場合は、以下説明する標準PCR方法によりDNA増幅へ進む)。
【0257】
増幅はRNA(増幅試薬及びRNA増幅技術(例えば、TR−PCR又はNASBA又はこれらと知られた同等の方法)を用いて実施される。
(a) 磁石を下げる。
(b) 40μlのヌクレアーゼフリー水を前記非加熱されていない磁気分離ユニット貯槽内に分配し、全内容物を加熱された磁気分離貯槽へポンプし、ゆっくりとフラフィングしてビーズを再懸濁させる。
(c) ヒーターを入れて、5分間42℃とする。生きているクリプトはヒートショックタンパク質をコードするRNAを発現し始める。
【0258】
溶解及び精製
全ての試薬はQiagenから入手可能である。容量をCARDの自動操作のために調節する。
(a) 100μlのQiagen溶解緩衝液RLTを前記溶解緩衝液貯蔵へ分配、それを前記サンプルインプット貯槽へポンプし、6回フラフィングして撹拌する。その後前記ヒーターの温度を60℃へ上げて10分間インキュベートする。10分間で2回フラフィングし、5分間で1回フラフィングし、その後丁度10分直前フラフィングする。
(b) 100μlのエタノールを前記エタノール貯槽に分配し、それを前記サンプルインプット貯槽へポンプし、6回フラフィングする。
(c) 前記サンプルインプット貯槽の全内容物を前記シリカフィルタの上部にポンプし、その後前記内容を前記フィルタを通して吸引し、それを廃棄へポンプする。前記真空ポートへ接続されたバルブを開いて、真空を30秒間供給して前記フィルタを通して空気を吸引する。
(d) 100μlのエタノールをエタノール貯槽へ分配し、それを前記シリカフィルタの上部へポンプし、内容物を前記フィルタを通して吸引しそれを廃棄へポンプする。前記真空ポートへ接続されたバルブを開いて、真空を30秒間供給して前記フィルタを通して空気を吸引する。
(e) 100μlの緩衝液2を緩衝液2貯槽へ分配し、それを前記シリカフィルタの上部にポンプし、内容物を前記フィルタを通して吸引し、それを廃棄へポンプする。前記真空ポートへ接続されたバルブを開いて、真空を30秒間供給して前記フィルタを通して空気を吸引する。
(f) 100μlの緩衝液3を緩衝液2貯槽へ分配し、それを前記シリカフィルタ上部へポンプし、内容物を前記フィルタを通して吸引しそれを廃棄へポンプする。前記真空ポートへ接続されたバルブを開いて、真空を30秒間供給して前記フィルタを通して空気を吸引する。
(g) 100μlのエタノールをエタノール貯槽へ分配し、それを前記シリカフィルタ上にポンプし、内容物を前記フィルタを通して吸引し、それを廃棄へポンプする。前記真空ポートへ接続されたバルブを開いて、真空を30秒間供給して前記フィルタを通して空気を吸引する。
(h) 40μlのヌクレアーゼフリーの水を、前記非加熱磁気分離貯槽へ分配し、全内容を前記シリカフィルタを通してポンプして満たし、2分間インキュベートし、その後全内容をポンプして前記加熱磁気分離貯槽へ戻す。
【0259】
mRNA分離
全ての試薬はDynalから入手される。容量はCARDで自動操作されるように調節される。
(a) 100μlの結合緩衝液及びその後20μlのビーズを前記非加熱磁気分離貯槽へ分配し、その後前記結合緩衝液を前記非加熱磁気分離貯槽へポンプする。ゆっくりと撹拌して5分間インキュベートする。
(b) 前記非加熱磁気分離貯槽の下に磁石を上げ、内容物を廃棄へポンプする。
(c)100μlの洗浄緩衝液Aを洗浄緩衝液A貯槽に分配し、それを前記非加熱磁気分離貯槽へポンプする。磁石を下げてゆっくりとフラフィングしてビーズを再懸濁させる。
(d) 磁石を前記非加熱磁気分離貯槽の下に持ち上げ、内容物を廃棄へポンプする。
(e) ステップ(c)及び(d)を繰り返す。
(f) 100μlの洗浄緩衝液Bを洗浄緩衝液B貯槽に分配し、それを前記非加熱磁気分離貯槽へポンプする。磁石を下げてゆっくりとフラフィングしてビーズを再懸濁される。
(g) 磁石を前記非加熱磁気分離貯槽の下に持ち上げ、内容物を廃棄へポンプする。
(h) ステップ(f)と(g)を繰り返す。
(i) 前記非加熱磁気分離貯槽が空の際に(ビーズ以外)、前記洗浄緩衝液B貯槽空気を逆ポンプして前記チャンネル及びダイヤフラムから全ての残留流体を除いてきれいにする。
【0260】
NASBA増幅
(a) 磁石を前記非加熱磁気分離貯槽の下から下げる。
(b) 30μlのNASBAマスタ混合物を、増幅マスタ混合物貯槽へ分配し、それを前記非加熱磁気分離貯槽へポンプする。前記非加熱磁気分離貯槽の内容物をフラフィングしてビーズを再懸濁させる。
(c) 前記非加熱磁気貯槽の内容物を前記増幅マスタ混合物貯槽へポンプして戻す。
(d) 前記多目的ヒーターの温度を41℃へ上げる。
(e) 前記増幅マスタ混合物貯槽の内容物を前記増幅リアクタを通して吸引し、少量を廃棄へポンプする。このプロセスは前記増幅リアクタを完全に流体で満たす(空気の泡がない)。
(f) 前記増幅クリアクタの内容物を、41℃で90分間インキュベートする。
【0261】
ラテラルフロー分析
(a) 20μlのハイブリダイゼーション緩衝液を前記ハイブリダイゼーション緩衝液貯槽に分配し、その最初の4μl部分を廃棄へポンプして前記チャンネル及びダイヤフラムをきれいにする。
(b) 前記ハイブリダイゼーション緩衝液の4μlを前記加熱分析貯槽へポンプする。
(c) 前記増幅リアクタから最初の14μlの容量を廃棄へポンプして前記チャンネルとダイヤフラムをきれいにする。
(d) その後前記増幅リアクタから2μlを前記加熱分析貯槽へ、その後前記ハイブリダイゼーション緩衝液から6μlを前記加熱分析貯槽へポンプする。
(e) マーカー(この場合、前記アンプリコンと相同性のオリゴヌクレオチドでタグ化され、前記ラテラルフロー分析のエンドポイントで可視化され得るマーカーで満たされたリポソーム)の4μlを前記加熱分析貯槽へ分配する。ゆっくりと撹拌しながら41℃で5分間インキュベートする。
(f) 前記加熱分析貯槽の内容物の8μlを前記分析貯槽内のラテラルフローストリップへポンプする。
(g) 同時にランニング緩衝液の35μlをランニング緩衝液貯槽に分配し、それを、最初の8μl又は前記加熱分析貯槽からの溶液が前記ラテラルフローストリップにポンプされる後に、前記ラテラルフローストリップにポンプする。
(h) タグ化されたリポソームが、前記アンプリコンとハイブリダイゼーションすると、前記ラテラルフローストリップに結合された他の相補的オリゴヌクレオチドによりキャプチャされ、前記リポソームに含まれる内部色素が同じ点で可視化され得る。
【0262】
画像分析
(a) カメラを前記分析膜上に配置し、画像を記録する。
(b) 前記画像を制御システムへ処理のために送る。
(c) 結果を報告する。
【0263】
図44は、CARDに基づく検出から得られた結果を示す。クリプトスポリジウムからのヒートショックmRNAが検出される。IMS=磁気免疫分離、HS=ヒートショックを示す。
【0264】
ここで引用される刊行物、特許出願及び特許を含む全ての参照文献は、参照されて本明細書に援用される。即ち個々の文献の全内容が個別にかつ具体的に参照されて本明細書の援用される。
【0265】
ここで本発明を記載する内容において、用語「1つの」、「及び」、「前記」及び類似の参照用語は、特に断りがなされない限り、単数及び複数の両方含む。用語「含む」、「持つ」は、特に断りがなされない限り、制限的に使用されるものではない(即ち、「含む、しかし限定されるものではない」という意味である)。用語「接続され」は、部分的又は中に完全に含まれる、付されているか又は一緒に連結されている、と解釈されるべきである。
【0266】
ここで使用される数値範囲とは、特に断りがなされない限り、前記数値範囲に入るそれぞれの値を個別に参照する簡便な方法としてのみ使用されているものである。さらにそれぞれの別々の値は、ここであたかも個別に引用されているように、明細書内に取り込まれる。
ここで記載される全ての方法は、特に断りがなされない限り、全ての適切な順序で実施され得るものである。ここで全ての例又は例示的用語(例えば「など」、「例えば」など)は、本発明の実施態様をよりよく理解するために意図的に使用されるものであり、特に断りがなされない限り、特許請求の範囲の本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0267】
明細書では、いかなる用語も、請求されていないエレメントを本発明の実施に本質的なものとして示すように解釈されてはならない。
【0268】
当業者には明確なことであるが、本発明の本質及び範囲から離れることなく種々の変更・変法が本発明でなされ得る。本発明を開示された具体的な形状に限定する意図はなく、逆に、本発明の本質及び範囲に含まれる全ての修正、変更構成及びそれに均等な構成が全て本発明に含まれる、ということを意図するものである。従って、本発明は、特許請求の範囲の範囲に含まれるものである限り、本発明の修正。変更。変法などを全て含むことを意図するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己完結的生物学的アッセイ装置であり、前記装置は:
ハウジング;
前記ハウジング内に設けられる、制御可能で、移動可能な試薬分配システムを含む分配プラットフォーム;
前記ハウジング内に設けられる試薬供給コンポーネント;
前記ハウジング内に前記分配プラットフォームと空間を共有して設けられ、流体輸送層と複数の貯槽と移動可能に接続される、ニューマチックマニホールドを含み、
前記流体輸送層、前記貯槽及びそこに導入される試験サンプルは、前記ハウジング内に、前記分配プラットフォームから空間的に分離されて設けられ;
前記ハウジング内に前記分配プラットフォームから空間的に離れて、前記ニューマチックマニホールドに移動可能に接続されるニューマチック供給システム;及び
前記分配プラットフォーム及び前記ニューマチック供給システムの少なくとも1つに接続され、前記ハウジング内に設けられる制御システムを含み、
前記装置が、自己完結的、完全自動化、生物学的アッセイ−実施装置である、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であり、前記分配プラットフォームがさらに:
前記試薬分配システムと操作的に接続される動作制御システムを含み、前記試薬分配システムが、遠位分配端部を持つ試薬分配コンポーネントを含み;及び
前記試薬分配システムに接続されるカメラを含み、前記カメラは前記貯槽の対象となる選択された領域を少なくとも含む視野を持つ、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であり、前記試薬分配コンポーネントが、長さL及び選択された孔サイズを持つ細長いニードル構造である、装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であり、前記試薬分配システムはさらに、前記試薬分配コンポーネントと流体的に接続される試薬貯蔵構造を含み、前記試薬貯蔵構造が、前記選択された孔サイズと操作的に一致する選択された寸法を持つ、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であり、前記試薬貯蔵構造がチューブの長さである、装置。
【請求項6】
請求項2に記載の装置であり、前記試薬分配コンポーネントが、複数の、異なるそれぞれ選択された孔サイズを持つ、長さLの細長いニードル構造である、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置であり、前記試薬分配システムがさらに、
複数の試薬貯蔵構造を含み、これらはそれぞれ前記複数の試薬分配コンポーネントへ流体的に接続され、それぞれの試薬貯槽構造が選択された寸法を持ち、前記それぞれ選択された孔サイズと操作的に一致する、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であり、前記試薬貯蔵構造のそれぞれがチューブの長さである、装置。
【請求項9】
請求項7に記載の装置であり、2つの試薬貯蔵構造を含み、これらはそれぞれ2つの試薬分配コンポーネントと流体的に接続され、前記試薬分配コンポーネントの1つが、孔直径b1が、0.003<b1<0.018インチであり、他の試薬分配コンポーネントが、孔直径b2が、0.015<b2<0.030インチである、装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置であり、前記ニューマチックマニホールドが、少なくとも1つのアッセイ容量を持つミクロ流体システムと相互作用する、装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置であり、前記ミクロ流体システムがさらに、多層、モノリシック、ポリマー性、非弾性的ミクロ流体コンポーネントを含み、これは複数のニューマチック的に駆動されるダイヤフラムを含むミクロ構造の所定の構成を持つ、装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であり、
前記ニューマチックマニホールドはその下側に複数のニューマチックのみポート、及び前記流体輸送層中の複数のバルブと前記複数のニューマチックのみポートとを流体接続するように設けられる複数のニューマチックのみチャンネルを含み、
前記複数のニューマチックポートが固定構造を持ち、かつ前記複数のニューマチックのみチャンネルが所定の構成を持ち、特に前記流体輸送層内の前記複数のニューマチック的に駆動されるダイヤフラムの所定の構造に対応する、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であり、前記ニューマチック供給システムがさらに、
前記複数のニューマチックのみポートと流体接続して、前記ニューマチックシグナルが通過する通路を与える複数の開口チューブを含み、
前記複数の開口チューブが、特に、前記ニューマチックマニホールドの複数のニューマチックのみポートの前記構造に対応する、前記ニューマチックマニホールドと移動可能に接続された固定構造を持つ、装置。
【請求項14】
請求項11に記載の装置であり、それぞれの多層、モノリシックミクロ流体コンポーネントがさらに:
ポリマー性、非弾性的基板を含み、前記基板はそこに設けられる複数の流体チャンネルを持ち、前記流体チャンネルのそれぞれは入口端部及び出口端部を持ち;
試薬材料を保持し得るタイプの少なくとも1つの試薬貯槽;
少なくとも3つの非弾性膜に基づくダイヤフラムバルブ構造を含む少なくとも1つの双方向ダイヤフラムポンプ;及び
前記少なくとも1つの試薬貯槽と前記少なくとも1つの入口端部と流体的に接続して設けられるバルブを含み、
前記バルブが、前記少なくとも1つの試薬貯槽から前記バルブと接続される前記少なくとも1つのチャンネルを介して複数の貯槽へ前記材料のフローの方向を制御可能に適合され、さらに、多層の、モノリシックのミクロ流体コンポーネントのそれぞれが非弾性的、ポリマー性材料から形成される、装置。
【請求項15】
請求項14に記載の装置であり、それぞれの基板がさらに、複数の分析貯槽を含み、それぞれの分析貯槽がそこに設けられる分析システムを含む、装置。
【請求項16】
請求項14に記載の装置であり、前記分析システムが、比色、蛍光発光、化学発光、電気化学、電気泳動、ラテラルフロー、タンパク質ミクロアッセイ、核酸ミクロアッセイ、蛍光を含む群から選択される1つである、装置。
【請求項17】
請求項14に記載の装置であり、さらに、複数の周縁段差を持つ保護リング構造を含み、前記分析膜が前記保護リング構造と操作的に協働する、装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置であり、前記貯槽が、前記分析膜が設けられる少なくとも部分的に内側周辺に棚部を持つ、装置。
【請求項19】
請求項17に記載の装置であり、前記保護リング構造は2つの対抗するリング構造を持ち、それぞれは複数の周縁段差を持ち、さらに前記分析膜が前記2つの対抗する保護リング構造の中間に設けられる、装置。
【請求項20】
請求項15に記載の装置であり、さらにヒーターを含む、装置。
【請求項21】
請求項20に記載の装置であり、前記ヒーターは、加熱可能な、磁気的係合可能な貯槽に近接して設けられる、装置。
【請求項22】
請求項14に記載の装置であり、さらに:
前記基板の底部表面へ付される空洞配置層を含み、前記空洞配置層は、複数の駆動を含み、それぞれが流体チャンネルに流体的に接続される近位端、及び前記基板から下向き垂直に突出した遠位端を持ち;及び
それぞれ複数の増幅/反応チャンバを含み、前記チューブ配置層への上部領域に付され、それぞれのチューブの前記遠位端部で実質的にその底部領域の近くに設けられる、装置。
【請求項23】
請求項22に記載の装置であり、さらに前記増幅/反応チャンバのそれぞれに温度上昇のためのヒーターを含む、装置。
【請求項24】
請求項11に記載の装置であり、さらに、貯槽又はチャンネルの下に操作的に設けられる磁気アセンブリを含み、前記磁気アセンブリがさらに、磁石、磁石保持装置、ピストンロッド、及びニューマチックピストンアセンブリ(又は、前記ピストンアセンブリは、モーター又は電磁的駆動され得る)を含む、装置。
【請求項25】
請求項24に記載の装置であり、さらに前記磁気アセンブリと操作的に接続されるヒーターアセンブリを含む、装置。
【請求項26】
流体試験サンプル中に存在するターゲット核酸配列を単離し、増幅し及び分析するための自動化プロセスであり、前記プロセスは:
流体輸送層とそこに設けられる流体チャンネルを含むミクロ流体システムを操作するニューマチックマニホールド、及びそれに付される貯槽を提供し;
前記流体チャンネル内に前記流体試験サンプルを導入し;
少なくとも1つの試薬を、前記流体輸送層と流体的に接続される少なくとも1つの貯槽から前記チャンネルへ提供し;
前記流体試験サンプルと前記流体輸送層の領域内で前記少なくとも1つの試薬とを組合せ;
前記流体試験サンプルを、前記流体輸送層と操作的に流通する温度制御された増幅/反応リアクタへ輸送し;
前記流体試験サンプルを、前記増幅/反応リアクタ中で、増幅される前記ターゲット核酸配列を可能にするために十分な条件下でインキュベートし;
前記流体試験サンプルを分析貯槽へ輸送し;及び
前記試験サンプルから前記増幅されたターゲット核酸配列を分析し、前記試験サンプルは前記流体輸送層中の開始位置から、他の全てのサンプルから分離され、かつ前記ニューマチックマニホールド及び前記分配システムから分離された前記分離貯槽へ輸送される、自動化プロセス。
【請求項27】
請求項26に記載の自動化プロセスであり、前記輸送及び組合せステップが、前記流体試験サンプル、及び前記ニューマチックマニホールドにより操作される少なくとも1つのマルチバルブダイヤフラムポンプを介して前記流体輸送層を通じて前記容量をポンプすることで達成される、自動化プロセス。
【請求項28】
請求項26に記載の自動化プロセスであり、前記分析ステップがさらに、前記ミクロ流体システム中のミクロアレイ分析貯槽においてミクロアレイ分析を実施することを含む、自動化プロセス。
【請求項29】
請求項28に記載の自動化プロセスであり、さらに、前記ミクロアレイ分析貯槽内のミクロアレイ分析膜を提供し;前記ミクロアレイ分析膜の上部表面に流体を流し;及び前記ミクロアレイ分析膜の周縁に沿って流体出口経路を実質的に通じて前記流体を除去することを含む、自動化プロセス。
【請求項30】
請求項28に記載の自動化プロセスであり、さらに、前記ミクロアレイ分析貯槽内のミクロ分析膜を提供し;及び前記ミクロ分析膜の上部表面を交互に前後に流体を流すことを含む、自動化プロセス。
【請求項31】
請求項28に記載の自動化プロセスであり、さらに、前記ミクロアレイ分析膜に熱を与えることを含む、自動化プロセス。
【請求項32】
請求項26に記載の自動化プロセスであり、前記ターゲット核酸配列が、対象となる疾患又は障害、感染源、病原体、癌の素因又は薬品、医薬組成物、化学物質又は化合物感受性の素因に関連する、自動化プロセス。
【請求項33】
請求項26に記載の自動化プロセスであり、前記ターゲット核酸配列がSNPを含む、自動化プロセス。
【請求項34】
請求項32の記載の自動化プロセスであり、前記疾患又は障害がHPV又は敗血症である、自動化プロセス。
【請求項35】
請求項32に記載の自動化プロセスであり、前記ターゲット核酸配列が、ワルファリン感受性の素因又はワルファリン処置に応じた抗凝固の素因に関連する、自動化プロセス。
【請求項36】
請求項26に記載の自動化プロセスであり、前記分析ステップが、前記増幅ターゲット核酸配列と前記ターゲット核酸配列の間の相互作用を検出することを含む、自動化プロセス。
【請求項37】
請求項36に記載の自動化プロセスであり、前記分析ステップが、対象となる疾患又は障害、感染源、病原体、癌の素因又は薬品、医薬組成物、化学物質又は化合物感受性の存在を決定する、自動化プロセス。
【請求項38】
請求項26に記載の自動化プロセスであり、前記分析ステップが、前記増幅ターゲット核酸配列の量及びレベルの決定を含み、及び前記方法がさらに前記量及びレベルを前記ターゲット核酸配列の既定の量及びレベルと比較することを含む、自動化プロセス。
【請求項39】
請求項38に記載の自動化プロセスであり、前記量又はレベル及び前記既定の量又はレベルの間の差が、対象となる疾患又は障害、感染源、病原体、癌の素因又は薬品、医薬組成物、化学物質又は化合物感受性の存在を示す、自動化プロセス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図10G】
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【図10H】
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【図10I】
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【図10J】
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【図10K】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図14D】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図17D】
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【図17E】
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【図17F】
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【図17G】
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【図17H】
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【図17I】
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【図17J】
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【図17K】
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【図17L】
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【図17M】
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【図17N】
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【図17O】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図21D】
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【図21E】
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【図21F】
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【図21G】
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【図21H】
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【図21I】
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【図21J】
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【図21K】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26A】
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【図26B】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35A】
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【図35B】
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【図35C】
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【図35D】
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【図36】
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【図37A】
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【図37B】
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【図38】
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【図39A】
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【図39B】
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【図39C】
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【図40】
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【図41A】
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【図41B】
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【図42】
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【図43A】
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【図43B】
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【図43C】
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【図44】
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【図45】
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【公表番号】特表2013−520658(P2013−520658A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−554090(P2012−554090)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【国際出願番号】PCT/US2011/025712
【国際公開番号】WO2011/106315
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(510100405)レオニックス,インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】