説明

自己要因による組織の移動の補正方法及びシステム

神経的に誘発される又はその他の自己要因による、ヒトを含む動物の組織の移動を補正するシステムであって、この組織を含む動物若しくはヒト又はそれらの体の部分を固定化する手段を備えた台、台と接触する1つ又はそれ以上の移動手段、組織の中又はその近傍に配置されたマーカーから位置データを採取する手段、1つ又はそれ以上の移動源から源活動データを採取する手段、位置データ及び源活動データを関連付けて、予測対応を生み出すマイクロプロセッサ手段、予測対応に基づく源活動データによって1つ又はそれ以上の移動手段を制御する手段を含むシステム。対応する方法及び使用も開示されている。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、神経的に誘発される又はその他の自己要因による、ヒトを含む動物の組織の移動の補正方法、及び対応するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
外科手術、特にマイクロサージェリー(顕微手術)において、検体試料の取得において、医用撮像において、ニューロン及びグリア細胞からの電気的活動の記録において、そして組織の治療的照射において、一方の罹患組織と、他方の手術装置、生検探子、撮像装置又は照射ビームの間の幾何学的関係は安定しているべきである。患者は、その人が手術などの間に動くのを防ぐために、部分的に又は全体的に支持体の上に固定化できるものの、これによって自律的制御下にある組織が動くことを防ぐこと、及び、例えば、患者が呼吸し又は換気し又は目を動かすことを妨げることはできない。
【0003】
そのような動きに対処する方法が従来技術において知られている。それらの方法には、組織を撮像するための装置、又は組織を照射するための線源、又は生検のための器具のような組織と相互作用する器具などに対する、問題の組織の変化する位置、即ち、動きをモニターすることが含まれる。この装置、線源又は器具は、組織に対するその空間的関係を保持するよう、又は組織上に合わせたその焦点を長時間に亘って一定に保持するよう、動いている組織に対して鏡映のようにモーター手段によって移動する。この移動をもたらすモーター手段は、組織の動きをモニターすることによって取得される位置データに基づいて、マイクロプロセッサ手段によって制御される。このように、従来技術において公知の方法では、組織の動きをできる限り綿密に追跡し、この追跡において取得される位置データを、マイクロプロセッサ手段を介して、モーター手段を可能な限り迅速に制御するために使用することを目指している。
【0004】
これらの従来技術において公知の方法に伴う問題は、それらが単に組織の動きに対応するのみで、それはしばしば予測することが困難な点である。組織の動きの登録と、マイクロプロセッサによって制御され、実効するモーター手段によって実施される、それに基づく対応手段との間の時間的ずれのために、そのような神経的に誘発される又はその他の自己要因による組織の移動の許容される補正がしばしばできなくなる。
【0005】
不随意な体の動きの源には、心臓の鼓動、呼吸、腸の蠕動的な動き、及び筋肉の震えが挙げられる。種々の器官及び組織のこれらの動きは、殆どの場合、互いに関係が無い、即ち、非調和的であり、そしてしばしば均一ではない。それらは、複雑な様相で相互作用することができ、生理学的に無関係な動きを起こし、互いに付加され又は互いに補正される。殆どの場合、それらは問題の組織の単なる撮像からは予測することができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来技術において公知の補正方法のいくつか又は全ての欠陥に苦しむことのない、前述の種類の方法を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、その方法を実施するためのシステムを提供することである。
本発明のその他の目的は、本発明の以下の記述、図面に例示されたその多くの好ましい実施態様、及び添付された請求の範囲から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に従えば、神経的に誘発される又はその他の自己要因による、ヒトを含む動物の組織の移動の補正(compensating)方法が提供され、ここで、組織の補正移動は、神経的に誘発される又はその他の自己要因による移動源からの電気信号によって開始される。
【0009】
より具体的には、本発明に従えば、移動手段と接触している台の上に固定された状態で配置された体の部分を含む、神経的に誘発される又はその他の自己要因による、ヒトを含む動物の組織の移動の補正方法であって、組織の中又はその近傍に配置された1個又は数個の指標マーカーから位置データを採取し;1個又は数個の移動源から源活動データを採取し;位置データと源活動データを関連付けて予測対応を生み出し;予測対応に基づく源活動データによって移動手段を制御する;ことを含む補正方法が提供される。本出願において、「移動した組織」とは、自己要因による移動が補正されるべき組織である。移動した組織の「近傍の」組織とは、移動した組織と呼応して動く組織である。「自己要因による」とは、移動の源又は要因が、自身に、特に、自身の神経系に存在すること意味する。本発明の方法は、組織の移動をマクロ範囲で、即ち、mmからcmの範囲で補正することができるが、ミクロ範囲、即ち、m−4からm−6及びそれよりも小さい範囲でも補正することができる。撮像法によって得られる位置データから組織の動きを追跡する従来技術における公知の方法に比べ、本発明の方法は、源活動データからの動きの予測に基づいている。
【0010】
本発明の方法は、予測対応を、間隔を置いて又は連続的に更新することを含むことが好ましい。
【0011】
本発明の方法によって、自己要因によるその移動を補正する場合、移動手段によって引き起こされる、以下において「人工的移動」と呼ばれる組織の移動、特に、移動−補正の動きの開始及び/又は終了時点でのその突然の組織の加速及び/又は減速による組織の移動を考慮することが好ましい。人工的移動を防ぐため又は最小化するために、スプリングコイル又はゴム緩衝手段のような物理的制振手段を配置することができる。物理的制振手段の代替法として又はその追加として、移動手段の加速及び/又は減速を制御するソフトウエアプログラム手段を供することができる。
【0012】
本発明の第1の好ましい態様に従えば、台の移動は直線的である。
【0013】
本発明の第2の好ましい態様に従えば、台の移動は平面内である。
【0014】
本発明の第3の好ましい態様に従えば、台の移動は三次元的である。
【0015】
本発明の第4の好ましい態様に従えば、台は、動物若しくはヒト又はそれらの体の部分を台に対して固定した関係に保持するための手段を含む。この保持手段は、好ましくは、台の上面の上に配置される;それは、台の上に又は台と一体になって搭載される。この保持手段は、クラッチ、リボンなどを供された枠であって、その中に人若しくは動物又はその体の部分が置かれ、それに固定される、枠であり得る。この枠は、動物若しくは患者又はその体の部分を所望する位置に保持するための台の上に移動できるように配置することができる:例えば、台の上面に配置された穴の列のねじ込み穴の数に対応して、1個から6個のねじのように、限られた数のねじによって、枠を台に固定することができる。この枠は、台の上面の選ばれた位置に挟み付けることもできる。動物若しくは患者又はそれらの体の部分の固定又は固定化の手段の選択は重大ではない。この目的に好適ないかなる開放可能な固定手段も使用することができる。
【0016】
本発明の更に好ましい態様に従えば、移動手段は、油圧手段、ソレノイド手段及び電気モーター手段から選ばれる。一方向への台の移動のために2つの移動手段:粗移動のための第1の手段及び精密移動のための第2の手段の使用のように、異なる種類の移動手段を組合せて使用することは、本発明の範囲内である。精密移動のための手段は、位置センサーからのフィードバックに基づく移動補正に有利に使用される。
【0017】
もし移動した組織が粘膜組織、特に皮膚組織又は粘膜若しくは皮膚に隣接する組織の場合は、指標マーカーが粘膜又は皮膚に配置されることが好ましい。マーカーは、例えば、皮膚に付けられるインクマークであり得る。マーカーの位置は、ビデオ、特に、高速ビデオのように写真的に確定することができ、このように位置データはビデオデータであり得る。もし、移動が三次元的である場合は、粘膜の上、特に皮膚に配置されたマーカーの移動を、2つ以上の角度からモニターすることが好ましい。粘膜の上、特に皮膚の上に配置された発光ダイオード(LED)又はその他の小型光源も指標マーカーとして使用できる。代替法として、マーカーの位置をレーザードップラーシフト検出装置によって追跡することができる。
【0018】
もし、移動した組織が、その移動が粘膜又は皮膚の上にそれぞれ配置されたマーカーの観察によって容易に追跡できないような、粘膜又は皮膚からの距離にそれぞれ位置するものである場合は、そのマーカーは移動した組織中に又は移動した組織に隣接する組織中に埋め込まれたものである。そのような場合、マーカーは、超音波、磁気共鳴、X−線のような適切な組織浸透性画像技術によって検出できるものである。埋め込まれたマーカーは、好ましくは金属製であり、又は金属を含む。代わりに、深部組織中に埋め込まれたマーカーの動きを、外科手術的に埋め込まれた光ファイバーによって追跡することができる。その位置が前記方法の1つによって追跡可能な、移動した組織の上又は中、又は移動した組織に隣接する組織の上又は中の解剖学的構造体を、埋め込まれたマーカーとして使用することも本発明の範囲内である。埋め込まれたマーカーが、そこに埋め込まれている組織によって再溶解されるものであることも好ましい。再溶解性の埋め込みマーカーに好適な材料は、例えば、ポリ(ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド、グリコリド)のようなポリエステルであり、そして、場合により、炭酸カルシウム及び燐酸カルシウムのような、放射線非透過性で生体適合性がありかつ再溶解性の材料を含有するそれらのマトリックスである。再溶解性で放射線非透過性のマーカーが、米国特許第2005/0036945号及び米国特許第6,862,470B2号に開示されており、これらの公報は、参照することにより本明細書に取り込まれている。
【0019】
好ましい源活動データは、呼吸筋(Resp−EMG)のデータ及び心電図(ECG)データのような、骨格筋からの筋電図(EMG)データを含む。
【0020】
本発明の第2の好ましい実施態様に従えば、駆動手段は台の面内移動を可能にする。
【0021】
本発明の第3の好ましい実施態様に従えば、駆動手段は台の三次元的移動を可能にする。
【0022】
本発明の別の好ましい実施態様に従えば、台の線形駆動手段は、同一方向及び/又は反対方向に作用する2つ以上の駆動下位手段を含むことができる。cm範囲ともう一方はmm範囲の移動用の駆動手段、又は、一方はmm範囲でもう一方はミクロン範囲のような、粗移動用駆動下位手段と精密移動用駆動下位手段の組合せが好ましい。好ましい実施態様に従えば、精密移動用駆動手段は粗移動用駆動手段と別個に配置され、好ましくは、問題の組織が位置する体の部分に出来るだけ近くに配置される。特に好ましいのは、精密制御用の駆動手段による、台に対する枠移動の制御である。精密制御用の駆動手段は、電気モーター又は油圧式シリンダーを含むことができる。心臓の鼓動又は呼吸に起因する動きのような脳幹の動きが補正されるべき本発明の実施態様においては、精密制御用駆動手段が、枠上で又は患者若しくは動物の頭骸骨の上で作用するように配置される。
【0023】
本発明の台は、好ましくは実質的に平坦であり、ほぼその水平面に対応する面内を移動するように設計される;好ましい実施態様において、台は介在する球体の列を介して、支持体の1つ又はそれ以上の平坦面の上に静置される。もし支持体が2つ以上の面を含む場合は、それらは1つ又はそれ以上の平行面内に配置される。台の移動に対する摩擦抵抗は出来る限り低く保持されるべきである。台の移動に対する摩擦抵抗が最小化される、別の好ましい支持体上の台の配置は、空気流のクッションを介することである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
患者30は、本発明の位置決めシステムの第1の実施態様の位置決めテーブル1の、患者又は動物の台3の上に、仰向けになった位置に静置される(図1;図2、2a及び3も同様に参照)。この台3は、一般的形態の矩形板を有する。患者は剛体の台3の上に複数のストラップ31によって固定される(図1)。この位置決めシステムは、オペレータインターフェース25を有する移動制御ユニット2を含む。この台3は、その平行で平坦な下面によって規定される水平面内を移動でき;この台は、台3及びロッキングリング20によってベアリング内に確保されている球体の配列(図3)を有する、対応する形態の下面を鏡映する剛体支持体4の平行で平坦な上面の上を滑走する。図1において、台3と支持体4の間の間隙は、多少誇張して示されている。台3は、シリンダーハウジング7、8、9、10内に配置された空気圧シリンダーによって制御され、共に操作されるピストン対11、12;13、14によって水平に移動することができる。各対のこれらのピストン11、12;13、14は、中央部で台3の反対側の壁に固定される。シリンダーハウジング7、8、9、10は、それぞれレール16、17、18、19の上を走り、これらは、中央部で支持体4の反対側の壁に搭載され、水平方向に延びている。支持体4は、中央部で円形足部6を含む柱5によって支持されている。移動制御ユニット2による制御下で、ケーブル21、22、23、24を介して、ハウジング内の電気ポンプ(図示されていない)によって、ハウジング7、8、9、10内の空気圧シリンダーに液体が供給される。制御ユニット2は、マイクロプロセッサ及びメモリー内に保存された移動制御ソフトウエアを有する。マイクロプロセッサへの指令は、オペレータによって、インターフェース25のキーボード27を介して入力される。操作パラメータ及びその他の情報はモニター26上に表示される。
【0025】
患者30は、胸の組織35の手術のために選ばれているが、胸は自発的な心臓の動き及び呼吸筋の動きの影響を受ける。非自発的な呼吸事象の影響を防ぐために、患者は一般的な麻酔状態に置かれている。組織35の動きは、組織35から至近距離にある皮膚に付けられたマーカー32に焦点を合わせたビデオカメラ33によってモニターされる。このカメラ33からの画像データは、ビデオケーブル34によって中央ユニット2に伝送される。ビデオカメラ33の代わりに、例えば、レーザードップラー探子を使用することができる。組織35の三次元的な動きの補正において要求される、マーカー33の空間位置を求めるためには、2台以上のビデオカメラからの画像が供される必要があろう。患者の心臓の活動をモニターするために、ECG電極36、37、38が患者30の脇の下と左足に取付けられる;そのリ−ド線はバス39を介して制御ユニット2に接続される;これに代わって、電極36、37、38を患者の胸に取付けることもできる。しかしながら、患者又は動物の胸の上に置かれた単一の電極で、心臓の活動の開始を記録するのに通常は十分である。更に十分な情報を得るために、追加のECG電極を適切な場所に取付け、制御ユニット2と接続することができる;しかしながら、分かり易くするためこれは図中に示されていない。
【0026】
図2においては、図1の位置決めテーブル1の患者又は動物の台3が、動物30’をその上に配置した状態で示されている。動物30’の足が、クランプ40におけるスリット41を通って延びているボルト42によって、台3のねじ付き穴に搭載された4つのクランプ40によって台3に固定されている。この配置によって、動物30’が台3の上に固定される。クランプの設計及びねじ42をとめるための穴の列(示されていない)を供することによって、動物30’を台3の上の所望の位置に固定することができる。組織35’は、台3の面内における、神経的に誘発される又はその他の自己要因による移動が、図1に関して説明したように、油圧シリンダー9、10、11、12によって防がれる。
【0027】
図2Aにおいては、図1の位置決めテーブル1の患者又は動物の台3が、動物30’’をその上に配置した状態で示されている。動物30’’の足の3本が、ボルト62がその中を通って延びるスリット61を備えたクランプ60、63、64によって台3に固定されている。ボルト62は、台3の上面に配置されたねじ付き穴(示されていない)の列の選ばれた穴中に搭載される。動物30’’の4番目の足は、クランプ45、46によってU字形をした内部枠43の底板44に固定される。内部枠43は、滑走するように台3の上に配置され、U字形をした外部枠47の足に搭載された油圧シリンダー48、50によって、その足と直交する反対方向に移動させることができる。外部枠47は、ボルト52によって台に搭載され、そして内部枠43を囲んでおり、その上で油圧シリンダー48、50のピストンロッド49、51が作動する。油圧シリンダー49、50は、油圧シリンダー7、8、9、10によって供される台3の粗移動と協調して内部枠43の精密調整移動を行うために設計されている。このことによって、クランプされた足における問題の組織44が、神経的に誘発される又はその他の自己要因による移動から保護される。
【0028】
ここで、図4及び5を参照する。図4の構成図は、本発明の位置補正システムの実施態様の概略を示す。哺乳動物Aは、水平支持体SUPの上に固定される。この哺乳動物の組織Nは、手術、生検、照射などの間動くことを防がなければならない;組織Nが大動脈の近くにあるため、組織Nは、心臓周期中の動脈の膨張収縮の影響を受け、その結果移動する。組織Nの動きは、組織Nの極く近傍の皮膚上に配置されたマーカーMに焦点を合わせたビデオカメラによってモニターされる。ビデオ信号がビデオプロセッサに送られ、その中で画像が解析され、マーカーMの座標が求められて更新され、それがマイクロプロセッサのメモリー中に保存される。これに追加的に又はこれとは独立に、マイクロプロセッサは増幅されたECG信号データを、哺乳動物A上に搭載された1組の電極E(1つだけ示されている)から受ける。この信号データが、マイクロプロセッサ中に組込まれているECG解析ユニットにおいて解析され、心電図を得る。この心電図は、前もって現れるQ波のような選ばれた事象に対する専用のソフトウエア/ハードウエアによって調べられ、このようにして左心室の収縮を予測する。このQ波の同定が引金となり、マイクロプロセッサがX及び/又はYモータースイッチに指令を出し、支持体SUP上で作動し、x、y面におけるその適切な移動をもたらす1対のモーター手段X、X’及びY、Y’の一方をスタートさせる。この移動の距離と方向は、それが生じる時間間隔に亘る移動を補正するように、ビデオによって記録されたマーカーMのそれ以前の移動に基づいている。モーター手段X、X’;Y、Y’は、例えば、電気モーターであり得るが、流体によって移動し得る、空気圧シリンダー中の電気的流体ポンピング手段とピストンの組合せが好ましい。この対になったモーター手段は反対方向に作動する。もし、モーター手段が電気モーター、特に、DCステップモーターを含む場合は、その極性が容易に変えられるため、両方向への線形移動に対して1個のモーターで原理的に十分である。しかしながら、精密で、かつ最も重要な迅速な移動を必要とするならば、1対のモーター手段の使用が推奨される。必要な場合は、x、y面に直交する(垂直方向の)z方向への移動は、Zモータースイッチを介して、Z、Z’モーター手段の活性化によってもたらされる。組織Nは、支持体SUPを用いて移動される。そうすることによって、組織Nは、例えば、手術装置又は照射源に対して、空間におけるその位置を保つ。ECGデータは、収縮期の開始を予測する情報を含む。心筋の収縮源は、心臓の伝導系の電気的活動である。従って、ECGデータは「源活動データ」と呼ばれてもよい。マイクロプロセッサは、位置データ(ビデオデータ)と、増幅され解析された源活動データ(ECGデータ)を関連付けて、予測対応を提供する。位置データと源活動データの間の予測対応は、支持体SUPの移動をもたらすモーター手段X、X’;Y、Y’;Z、Z’を制御するために使用される。位置データは、マーカーMのビデオモニターによって連続的に更新され;更新されたデータは、マイクロプロセッサのメモリー内に保存されている位置データと比較される。もし、更新されたデータと保存されているデータの間に差異が認識された場合、位置データと源活動データの間の関係、その結果としての予測対応を訂正するために、更新データが使用される。このようにして、例えば、微小体積の変化又は呼吸の干渉に対処することができる。マイクロプロセッサ内に保存されているソフトウエアは、隣接する軟質組織の慣性によって引き起される組織Nの移動中の遅延効果を最小化するため、モーター手段の加速と減速を制御するアルゴリズムを含む。
【0029】
これに代わって、組織Nを移動させる恐れのある呼吸筋の収縮が、関連する神経(類)の電気的活動をモニターすることによって予測でき;その目的のための好適な埋込み可能な電極が、従来技術において公知である。呼吸運動の筋肉内心電図(EMG)の記録を、吸気段階において収縮する筋肉グループ、特に、吻側胸骨肋間筋、胸鎖乳突筋及び横隔膜筋、及び呼気段階において収縮する腹筋グループから、特に腹直筋、斜内部腹筋、斜外部腹筋、横断腹筋及び肋間筋、特に三角胸骨から、実施することができる。本発明における使用に好適な、呼吸に関与する筋肉からEMG記録を提供する方法が、Grandeviaら、J.Physiol、573:263-275、2006に開示されており、この文献は、参照することにより本明細書に取り込まれている。これらの筋肉のいくつかからの表面記録は、本発明の方法において使用されてもよいが、それらのS/Nレベルは筋肉内記録よりもはるかに低いため、好ましくない。
【0030】
患者又は動物の、通常の並びに異常な神経状態において、骨格筋における震えが起こることがある。震えは骨格筋の周期的な収縮及び緩和であり、移動を防ぐべき組織に伝達され得る。8から10Hzの周波数の生理的震えは、物理的に活動的な又は非活動的な健康な人において起こる。基本神経節及び小脳のような神経系のある領域の損傷が、物理的に活動的状態の及び安静状態の人又は動物の両者において、震えを著しく増大させる。そのような損傷によって起る震えは、生理学的震えの周波数範囲外の周波数で起こり得る。震えを補正するために、影響を受ける骨格筋におけるEMGが、好ましくは、筋肉内に挿入された1つ又はそれ以上の電極を介して記録される。そのような電極は市販品として入手することができ、そして臨床的に使用されている。
【0031】
内部器官、例えば、胃、腸及び膀胱の動きはしばしば周期的に起こる。そのような場合、そのような筋肉、殆どの場合は平滑筋の電気的活動は、1つ又はそれ以上の電極を筋肉中に挿入することによって、又はそれらを筋肉の近くに配置することによって記録することができる。骨格筋において使用される又は神経系において使用される電極は、平滑筋からの記録のために使用することができる。
【0032】
神経系において筋肉の活動を誘発する信号は、その活動の数ミリ秒だけ、時には30〜100ミリ秒だけ前に起こる。ある状況では、神経系からのそのような信号を、個々の筋肉から発せられる信号の代わりに又はそれに追加して記録することが有利である。神経系からの記録は、震えを引き起すモーターの中心に埋め込まれた電極によって、又はモーター神経からなされ得る。好適な電極は市販品として入手することができる:それらは、白金、金、ステンレス鋼又は好適な合金の細いワイヤを含み又はそれらから成ることができるが、また例えば、電気伝導性ポリマーから成ることもできる。これらの電極は、抹消神経への外科手術又は経皮的挿入によって、神経系中に埋め込むことができる。
【0033】
図6は、本発明のシステムの別の実施態様の構成図である。図4に例示されたシステムの要素とは異なる要素のみを述べる。支持台SUP上に固定された哺乳動物aの深部組織mの動きは、隣接組織と境界を接する皮膚表面上のマーカーの、直接又は間接ビデオによるモニターによっては把握できない。マーカーmは組織n中に埋め込まれている。マーカーmの位置は、組織nを超音波探子で掃引することによってモニターされる。反射された超音波信号が超音波画像処理装置に供給され、そこで一連のデジタル化された二次元画像に変換される。マーカーmの正確な位置をもたらす三次元画像が、異なる視線からの一連の二次元画像から創出される。こうして得られたマーカーmの位置データは、ビデオによって得られるマーカーMの位置データに対して上述したように、マイクロプロセッサ内のECG源活動データと関連付けられる。
【0034】
図7に示される本発明のシステムの実施態様は、マーカーmが埋め込まれている組織nのミクロスケールの移動を補正するための配置の1例である。図4及び/又は6に既に存在する要素の説明のために、これらの図を参照する。組織nは顕微鏡中で拡大されて可視化される。組織nにおけるマーカーmの位置データは、スプリットビーム顕微鏡に搭載されたレーザードップラー振動測定マイクロ探子によって採取される。レーザードップラー探子からの信号はレーザー振動測定機中で復調され、そこから位置データは中央マイクロプロセッサユニットに移送される。ECGと呼吸EMG探子(E;F)によって採取された源活動データは、ECGとEMG信号増幅器にそれぞれ移送される。増幅された信号は中央マイクロプロセッサユニットに供給され、そこで解析され、そしてビデオによって得られるマーカーMの位置データに対して上述したように、マーカーmの位置データと関連付けられる。モーター対X、X’;Y、Y’;Z、Z’がそれぞれのモータースイッチを介して作動させられ、心臓と呼吸に関わる筋肉組織の活動によって引き起されるその移動を補正するように、組織nがその上に固定されている支持体SUPを移動させる。
【0035】
一若しくは二次元、又は三次元空間における動きから避けられるべき組織の補正的移動を制御するための、センサー及びビデオからの入力データを解析するためのソフトウエアの重要な性質は、モーター油圧手段又は電気のような移動手段への指令に使用される最後に受信した入力データと、それに対応する指令との間の時間差が非常に短く、例えば1又は2マイクロ秒乃至それより短くなるよう、入力データが非常に短時間に、例えば1ミリ秒以下で処理されなければならないという点である。オペレータが信頼することができる補正的移動は、通常、前もって検量されなければならない。典型的な検量には約10分掛かるが、1分という短時間であってもよい。検量によって、オペレータは、源信号と、例えば、ビデオ又は超音波によって測定された問題の組織の動きの間の関係を確立する。次いで、前述の検量に基づく1つ又はそれ以上のアクチュエーターによる組織の補正的移動が、オペレータ及び/又はソフトウエアによって最適化される。オペレータは、画面上の若しくはプリントアウトデータによる、又はその他の如何なる適切な方法によっても、最適化プロセスに従うことができる。第2の段階において、最適化された補正的移動データは、次いでマイクロプロセッサ内のメモリーに保存される。1つ又はそれ以上のアクチュエーターへのソフトウエアによる指令は、生の入力データ及び/又は既に解析されそして修正された、又はそうではない保存されている入力データによって予測される組織の動きの鏡像である。
【0036】
この二段階検量に続いて、呼吸/吸気活動及び心室/心房の心臓の活動の開始の信頼できる検出のための規範が決定される。そのような決定の信頼性は、採取位置データと源活動データが採取されてメモリー内に保存される間の採取時間の長さと共に増大する。これらのデータから、補正的移動のよりどころとなる源活動データに対する閾値又は閾値プロファイルが計算される。次いで、この閾値又は閾値プロファイルが源活動データセンサーによってモニターされる。マイクロプロセッサによるアクチュエーターへの補正的移動指令が、マイクロプロセッサによって記録されたこの閾値によって又は同定された閾値プロファイルによって誘発される。問題の組織の動きには経時的にずれがあり得るため、ずれをモニターし、もし検出されたら、閾値を再設定するか又は閾値プロファイルを修正するマイクロプロセッサ内ソフトウエアによって、そのずれを補正することが重要である。閾値又は閾値プロファイル値に影響を及ぼす源活動データの潜在的ずれをモニターして、そのようなずれを補正することも重要である。誤差信号、即ち、ビデオ又はその他の位置データモニター手段によって記録された、問題の組織の予測される移動パターンからのずれの信号が、予測される組織の動きのパターンを更新するために使用される。この予測される組織の動きのパターンを徐々に改善し、そうすることによってこのパターンにおける大きな振動を避けるために、この予測される動きのパターンの更新を小さなステップ、例えば、各々の更新サイクルに対して、誤差信号の5%以下で行うことができる。この予測される組織の動きのパターンの補正は、ソフトウエアによって、以下のような補正サイクルで実施される。そのような更新に使用される誤差信号のパーセントは、オペレータによって設定することができ、又はソフトウエア内に一体化することができる。この予測される動きのパターンの更新は、フィードバック信号、即ち、ビデオ又はその他のデータモニター手段によって記録された、問題の組織の予測される移動パターンからのずれの信号の大きさを、それより前に定めた積極的是正モデルに関連付けて測る、Kalmanフィルターの手段によっても実施することができる。問題の組織の予期せぬ大きな動きの場合には、アクチュエーターの移動を、その予期せぬ動きが生じた時間間隔の連続した分割に制限することができる。源活動振幅データにおいて顕著な変化が生じた場合、これによって積極的是正を段階的に更新し、その結果、周期的動きの振幅を予測するために源活動データを使用することができる。源活動データ振幅データを使用すると、アクチュエーターによる是正的補正移動を比例的に測定することが可能となる。1つ又はそれ以上の方向への精密移動と粗移動に対して別々のアクチュエーターを使用する、本発明の装置の1つの態様においては、精密移動と粗移動のレベルの両者において、積極的是正をそれに対応して更新することが必要である。
【0037】
問題の組織の位置は、市販品として入手可能な探子を用いても測定することができる。1つの例は、組織の上に配置されたマーカーから又は組織から反射された光を検出する光ファイバー探子(MTI-2100 Fotonic Sensor, MTI instruments社製)であり、それによって、ナノメーター範囲における移動が検出でき、モニターすることができる。問題の組織から短い距離に配置されたこの種の探子を2個又は3個使用することによって、面内又は空間内の組織の移動をモニターすることができる。また従来技術として知られており、そして組織の位置のマイクロメーター範囲での測定に有用なものとして、レーザー三角測定及びレーザードップラー技術がある。
【0038】
本発明の方法及びシステムにおいて使用するための、20MHzまでの周波数で移動するミクロ構造上の精密測定用のレーザードップラー装置には、MSV−050手動顕微鏡アダプター及びMSV−100遠隔制御顕微鏡アダプター(Polytec社製、Waldbronn, Germany)がある。マクロ構造の移動測定用としては、同社製のCLV−3Dコンパクト3−Dレーザー振動測定器及びPSV−400−3D走査型振動測定器を使用することができる。
【0039】
動物の脳及び脊髄の機能を調べるには、神経活動及び神経構造をモニターするために、共焦点又は多光子共焦点顕微鏡を使用することができる。しかしながら、鼓動する心臓及び呼吸の影響で、この種の顕微鏡によって得られる画像の解像度は著しく低下する。安定化させなければ、ニューロン、例えばシナプス、のマイクロメーター範囲のより精密な詳細は可視化できないと思われる。呼吸と鼓動する心臓に起因する周期的な動きに対して、本発明の方法及びシステムによって補正することにより、これらの動きをかなりの程度に補正することができ、光学的解像度をそれに応じて増大することができる。
【0040】
本発明に従う、一次元、二次元又は三次元における組織の安定化のための別の例は、直径が10−6m未満の超精密電極チップによる神経活動の記録である:この場合、問題の組織は外科手術を受け、1つ又はそれ以上のミクロ電極が、剛体枠に取付けられたミクロマニピュレータによって、神経系内に挿入される。心臓の鼓動又は呼吸に起因するこの組織の、ミクロ電極に対する相対的な動きによって、電気的ノイズが生じて、影響を受けたニューロンからの記録を損ない又は妨げる程に、ニューロンを損傷することさえあり得る:本発明の方法によって、この危険性は取り除かれ、又は少なくとも実質的に低減される。
【0041】
位置検出器は好ましくは問題の組織の近くに配置される。位置検出器の小型化により、単独神経細胞の動きさえも追跡することが可能になる。動物は、図1及び2の実施態様の患者支持テーブルに原則として対応して、本発明の動物支持テーブルの台の上に置かれ、必要ならば、完全に又は部分的に台の上の所望の位置に、台の上面に搭載された固定用枠のような取付け手段によって固定化され、そして動物の頭若しくは脊髄の部分、又は足若しくはその他の体の部分がそこに置かれ、それによって保持される。問題の体の部分における問題の組織の移動は、本発明の位置決めシステムを含む電気的又は油圧式アクチュエーターによって補正される。この配置は、動物における筋肉活動に起因する組織の移動によって、組織の画像解像度が全く又は殆ど損なわれない条件下で、共焦点又は多光子共焦点顕微鏡による神経組織の研究を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0042】
本発明を、図に例示されている多くの好ましい実施態様を参照しながら以下に説明する。
【図1】本発明の位置決めシステムの第1の実施態様の斜視図である。
【図2】図1のシステムの患者又は動物支持テーブルの上面図であり、動物が固定された関係でテーブル上に配置されている。
【図2a】図1のシステムの患者又は動物支持テーブルの上面図であり、動物が、テーブル上に載せられた枠に対して固定された関係でテーブル上に配置されている。
【図3】図1における、図2の患者又は動物支持テーブルの台の支持部である。
【図4】本発明のシステムの別の実施態様の構成図である。
【図5】本発明の方法の実施態様の構成図である。
【図6】本発明のシステムの第3の実施態様の構成図である。
【図7】本発明のシステムの第4の実施態様の構成図である。
【符号の説明】
【0043】
1:テーブル
2:移動制御ユニット
3:台
4:支持体
30:患者
32:マーカー
33:ビデオカメラ
35:組織

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動手段と接触している台の上に固定された状態に配置された体の部分を含む、神経的に誘発される又はその他の自己要因によるヒトを含む動物の組織の移動の補正方法であって、
(a)該組織の中若しくはその近傍に指標マーカーを配置するか、又は該組織の中若しくはその近傍の構造体を指標マーカーとして同定し;
(b)該指標マーカー又は該構造体から位置データを採取し;
(c)1個又は数個の移動源から源活動データ(source activity data)を採取し;
(d)該位置データと該源活動データを関連付けて、予測対応を生み出し;
(e)該予測対応に基づいて源活動データによって移動手段を制御して、該神経的に誘発される又はその他の自己要因による組織の移動を補正するように該台を移動させる;
ことを含む方法。
【請求項2】
(f)上記予測対応を、間隔を置いて又は連続的に更新する;
ことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
移動の開始又は終了時点において、上記移動手段による組織の加速及び/又は減速に関して該移動手段を制御することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
上記台の補正的移動が直線的、平面内、三次元空間内のいずれかである、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
該動物若しくはヒト、又はそれらの体の部分を上記台に対して固定した関係に保持するための固定化手段を該台が含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
上記固定化手段が上記台の頂部に搭載された枠を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
上記台又は枠が、クラッチ、リボン、テープ、接着パッド又はリボン、Velcro(登録商標)ストラップから選択されるロッキング(locking)手段を含む、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
上記予測対応に基づいて源活動データにより制御される移動手段によって、上記台に関して上記枠を追加的に移動することを含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
上記移動手段が油圧手段、ソレノイド手段及び電気モーター手段から選択される、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
一方向における上記台及び/又は枠の移動手段が、粗移動手段及び精密移動手段を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
位置センサーからのフィードバックに基づいて該精密移動手段による上記台又は枠の移動を補正することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
上記位置データが、高速ビデオカメラ、レーザードップラーシフト検出装置、3−D超音波装置、磁気共鳴装置、X−線装置を起源とする、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
上記指標マーカーが、インクマーク、着色接着パッド、金属埋込み、発光ダイオード、組織構造体から選択される、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
上記源活動データが、骨格筋からの筋電図(EMG)データ、特に呼吸筋(Resp−EMG)のデータ、心電図(ECG)データの1つ以上を含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
神経的に誘発される又はその他の自己要因による、ヒトを含む動物の組織の移動を補正するシステムであって、該組織を含む動物若しくはヒト又はそれらの体の部分を固定化する手段を備えた台、該台と接触する1つ又はそれ以上の移動手段、該組織の中又はその近傍に配置されたマーカーから位置データを採取する手段、1つ又はそれ以上の移動源から源活動データを採取する手段、位置データと源活動データを関連付けて予測対応を発生させるマイクロプロセッサ手段、該予測対応に基づく源活動データによって1つ又はそれ以上の該移動手段を制御する手段を含む補正システム。
【請求項16】
上記予測対応を、間隔を置いて又は連続的に更新する手段を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
移動の開始又は終了時点で、上記移動手段による上記組織の加速及び/又は減速に関して上記移動手段を制御する手段を含む、請求項15又は16に記載のシステム。
【請求項18】
上記台の補正移動が直線的な、平面内の、又は三次元的移動を可能とするものである、請求項15から17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
上記固定化手段が上記台に対して固定された又は移動可能な関係で搭載される、請求項15から18のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
上記固定化手段が1つ又はそれ以上のロッキング手段を供された枠を含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
上記ロッキング手段が、クラッチ、リボン、テープ、接着パッド又はリボン、Velcro(登録商標)ストラップから選ばれる、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
上記移動手段が油圧手段、ソレノイド手段及び電気モーター手段から選ばれる、請求項15から21のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項23】
一方向への上記台及び/又は枠の移動手段が、粗移動手段及び精密移動手段を含む、請求項15から22のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項24】
上記位置データ採取手段が、高速ビデオカメラ、レーザードップラーシフト検出装置、3−D超音波装置、磁気共鳴装置、X−線装置を含む、請求項15から23のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項25】
上記指標マーカーが、インクマーク、着色接着パッド、金属埋込み、発光ダイオード、組織構造体、生体吸収性放射線非透過性材料から選ばれる、請求項15から24のいずれか1項に記載の補正システム。
【請求項26】
上記源活動データを採取する手段が、1つ又はそれ以上の、骨格筋からの筋電図(EMG)データ、特に呼吸筋(Resp−EMG)データ、心電図(ECG)データ、呼吸気流量からのデータ、神経系における神経活動からのデータ、特に、神経モーター指令、平滑筋活動に関するデータを含む、請求項15から25のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項27】
上記台の線形移動のための駆動手段が、同一方向及び/又は反対方向に作用する2つ以上の駆動下位手段を含む、請求項15から26のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項28】
上記台が実質的に平坦であり、そしてその水平面に対応する面内を移動するよう設計されている、請求項15から27のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項29】
上記台が平坦な支持体の上に静置され、そして該支持体上に水平面内に配置可能である、請求項28記載のシステム。
【請求項30】
精密マイクロサージェリー(顕微手術)、生検試料の取得、医療用撮像、ニューロン及びグリア細胞における又はそれらからの電気的活動の記録及び刺激、病的組織の治療照射、電子装置の埋め込みにおける、請求項15から29のいずれか1項に記載のシステムの使用。
【請求項31】
神経的に誘発される又はその他の自己要因によるヒトを含む動物の組織の移動の補正方法であって、該組織の移動補正が、神経的に誘発される又はその他の自己要因による移動源からの電気的信号によって開始される方法。


【図1】
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【図2】
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【図2a】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−521984(P2009−521984A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−548464(P2008−548464)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際出願番号】PCT/SE2006/001506
【国際公開番号】WO2007/075137
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(508194652)ニューロナノ アーベー (3)
【Fターム(参考)】