自走台車
【課題】 走行制御コントローラ5の振動により防振部材が破損するのを防止できる自走台車を提供する。
【解決手段】 自走台車1は、走行制御コントローラ5を備え、走行制御コントローラ5の下に走行制御コントローラ5を支持する複数の弾性体12を敷いている。複数の弾性体12の間に、別の弾性体13を敷いている。
【解決手段】 自走台車1は、走行制御コントローラ5を備え、走行制御コントローラ5の下に走行制御コントローラ5を支持する複数の弾性体12を敷いている。複数の弾性体12の間に、別の弾性体13を敷いている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行制御コントローラを備えた自走台車に関する。
【背景技術】
【0002】
走行制御コントローラ(インバータ盤やセンサー信号等の入出力を行うIO盤等の制御盤や動力盤)を台車上に備えた自走台車が世に広く普及している。
この自走台車として、例えば、鉄鋼等の金属業界で金属片(スラブ)を搬送するのに用いられる、図13に示すような自走台車100が知られている。この自走台車100は、1つ又は複数のスラブSを搬送する搬送台101と、搬送台101に設置され、レールR上を走行する複数の車輪102と、車輪102を駆動するモータ103と、モータ103の駆動周波数や界磁電流を制御する走行制御コントローラ104とを備えている。
【0003】
走行制御コントローラ104は、搬送台101に取付けられた基部105上に設置された制御盤台106上に備えられている。そして、走行制御コントローラ104には、自走台車100の走行速度を制御するため、自走台車100側方に取付けられたケーブルリール107から繰り出されるケーブル(図示せず)を介して図示しない別の制御装置から速度指令が送られ、一方、モータ103の回転軸に接続された図示しないアブソコーダ(センサ)からモータ103の回転数をカウントするためのパルス信号が送られてくるようになっている。そして、走行制御コントローラ104では、アブソコーダから送られてくるモータ103の回転数が速度指令と一致するように、モータ103の駆動周波数や界磁電流を制御している。
【0004】
この走行制御コントローラ104は、振動すると故障しやすいため、走行制御コントローラ104の下(走行制御コントローラ104と制御盤台106との間)に防振用ゴムなどの弾性体(図示せず)を敷いて走行制御コントローラ104を支持し、上下方向の振動を吸収する対策が多くとられている。弾性体を敷く位置は、走行制御コントローラ104の両幅端(図13において紙面に対して直交する方向の両幅端)の場合が一般的であるが、走行制御コントローラ104の幅の大きさに応じてそれらの間にも敷く場合もあり、結果的に走行制御コントローラ104の下に複数敷いている。
【0005】
また、特許文献1には、図14に示すように、車軸201の左右両端に配置された軸箱202に軸ばね203を介して台車枠204を設け、この台車枠204と車体207との間の左右両側に空気ばね205を設け、この空気ばね205と車体207との間に防振用の積層ゴムなどの弾性体206を設けた鉄道車両の車体傾斜装置が開示されている。空気ばね205は、車体207の上下方向及び左右方向の振動を緩和するよう作用する。そして、防振用の積層ゴムなどの弾性体206は、車体207の主に左右方向の振動を緩衝する役割を果たしている。
【0006】
このような車体傾斜装置によれば、軌道不整等により生じる車体207の左右方向の振動は、弾性体206の左右方向の振動を緩衝する作用により抑制され、乗り心地を改善することができる。
【特許文献1】特開平7−81560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図13に示した自走台車100では、例えば、レールRの継ぎ目上を走行するときなどに、自走台車100が通常よりも大きく振動し、走行制御コントローラ104の重量の数倍の力が防振用ゴムなどの弾性体に加わり、防振用ゴムなどの弾性体が破損してしまう場合があるという問題があった。
また、図14に示した鉄道車両の車体傾斜装置においても、振動により車体207の重量の数倍の力が積層ゴムなどの弾性体206に加わり、積層ゴムなどの弾性体206が破損してしまう場合があるという問題があった。
従って、本発明は上述の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、振動により防振用ゴムなどの弾性体が破損するのを防止できる自走台車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題を解決するため、本発明のうち請求項1に係る自走台車は、走行制御コントローラを備え、前記走行制御コントローラの下に前記走行制御コントローラを支持する複数の弾性体を敷いた自走台車において、前記複数の弾性体の間に、別の弾性体を敷いたことを特徴としている。
また、本発明のうち請求項2に係る自走台車は、請求項1記載の発明において、前記別の弾性体は、前記走行制御コントローラとの間に隙間をもって敷かれることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明のうち請求項1に係る自走台車によれば、走行制御コントローラの下に敷かれた、走行制御コントローラを支持する複数の弾性体の間に、別の弾性体を敷いたので、走行制御コントローラが振動するときに、前記走行制御コントローラの重量の数倍の力がそれを支持する前記複数の弾性体のみならず、間に敷いた前記別の弾性体にも分散して加わり、前記複数の弾性体の側に走行制御コントローラの重量の数倍の力が集中的に加わるのを防止でき、振動により前記複数の弾性体のうちの1つ以上が破損してしまうのを防止することができる。
【0010】
また、本発明のうち請求項2に係る自走台車によれば、請求項1に係る自走台車において、前記別の弾性体は、前記走行制御コントローラとの間に隙間をもって敷かれるので、通常は、走行制御コントローラを支持する複数の弾性体の側だけに力が加わり、自走台車が大きく振動して前記走行制御コントローラの変位量がある一定の値以上となったときに、初めて間に敷く前記別の弾性体にも力が加わり、この別の弾性体には常時力が加わるわけではない。このため、請求項1に係る自走台車の場合よりも、間に敷く別の弾性体を長持ちさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態に係る自走台車の側面図である。図2は図1の自走台車の平面図である。図3は図1の自走台車の正面図(図1、2のA視方向から見た図)である。図4は走行制御コントローラの正面図(図1、2のA視方向から見た図)である。図5は図4に示す走行制御コントローラの側面図である。図6は制御盤台の平面図である。
【0012】
図1乃至図3に示す自走台車1は、1つ又は複数のスラブSを搬送する自走台車であり、1つ又は複数のスラブSを積載する搬送台2と、搬送台2に設置され、レールR上を走行する複数の車輪3と、車輪3を駆動するモータ4と、モータ4の駆動周波数や界磁電流を制御する走行制御コントローラ5とを備えている。
搬送台2は、レールRが延びる前後方向(図1における左右方向)に延びる略直方体状に形成され、搬送台2の上面には、前後方向と直交する方向(図1における紙面と直交する方向)に延びる複数のスキッドレール2aが設けられている。
【0013】
車輪3は、搬送台2の前方側下方及び後方側下方のそれぞれに回動可能に設置された、左右方向に延びる車軸3aの両端に設置されている。
モータ4は、ここでの例では、搬送台2の下方であって前方側の車軸3aの前方側に設置されている。そして、ここでの例では、モータ4は、前方側の車軸3aを駆動することによってこの車軸3aの両端に設置された車輪3を駆動するようにしている。が、ここでの例はあくまで一例であり、前方側にかえて後方側の車軸3aを駆動させても、前方側と後方側両方の車軸3aを駆動させてもよく、それに応じてモータ4を設置する位置も適宜選択してよい。
【0014】
走行制御コントローラ5は、搬送台2の後端部に取付けられた基部6上に設置される制御盤台7上に積載されている。走行制御コントローラ5には、自走台車1の走行速度を制御するため、自走台車1側方に取付けられたケーブルリール8から繰り出されるケーブル(図示せず)を介して、図示しない別の制御装置から速度指令が送られ、一方、モータ4の回転軸に接続された図示しないアブソコーダ(センサ)からは、モータ4の回転数をカウントするためのパルス信号が送られてくるようになっている。そして、走行制御コントローラ5では、アブソコーダから送られてくるモータ4の回転数(あるいは車輪3の周速に換算したもの)が速度指令と一致するように、モータ4の駆動周波数や界磁電流を制御している。そして、走行制御コントローラ5は、図2の平面図で見てわかる通り、左右方向に延びる略直方体状に構成され、この走行制御コントローラ5内には、例えば、第1コントローラ5aと第2コントローラ5bというように、複数のコントローラが備えられていても良い。図2、3中、符号9はケーブルリールカバーである。
【0015】
基部6は、図4及び図5に示すように、前後方向(図4、5における紙面と直交する方向)に延びる、複数の断面I形状の部材で構成され、搬送台2の後端部に取付けられている。制御盤台7は、図6の平面図で見てもわかる通り、外形が略直方体状の枠体で構成され、後方側に配置された左右方向に延びる後枠部7aと、前方側に配置された左右方向に延びる前枠部7bと、後枠部7a及び前枠部7bの左側を連結する左枠部7cと、後枠部7a及び前枠部7cの右側を連結する右枠部7dとを備えている。各後枠部7a、前枠部7b、左枠部7c、及び右枠部7dは、図9に最もよく示すように、断面が略コ字状に構成されている(図9には後枠部7aのみ図示)。
【0016】
そして、制御盤台7の前枠部7b及び後枠部7a上には、図4及び図6に示すように、第1コントローラ5aの下面に対応する部位に左右方向にある一定のピッチで3対の台座部11が取付けられ、第2コントローラ5bの下面に対応する部位に左右方向にある一定のピッチで3対の台座部11が取付けられている。各台座部11上には、図4に示すように、走行制御コントローラ5を構成する第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bを下方から支持する防振部材(防振用ゴムなどの弾性体)12が設けられている。ここでの例では、防振部材12は結果的に6対設けられている。走行制御コントローラ5は、ここでの例では、第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bの2つから構成されているが、1つだけでも、あるいは3つ以上で構成されていてもよく、それらの場合でも、全体として見たときに少なくとも両端に防振部材12が設けられ、複数の防振部材12により下方から支持されることにより、走行制御コントローラ5の上下方向の振動を吸収することができる。
【0017】
図7に各防振部材12の詳細な構造の一例を示す。各防振部材12は、図7(B)で見たときに上下方向に圧縮された場合に内側に湾曲するゴム製の中空の本体部12aと、本体部12aの上下両端に設けられたこれもゴム製のフランジ部12b、12cとを備えている。本体部12aの内部には、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a又は第2コントローラ5bの重量を支持する圧縮ばね(図示せず)が設けられている。そして、フランジ部12b、12cのそれぞれには、減衰力を発生させる空気オリフィス12dが形成されている。また、上側のフランジ部12bには、第1コントローラ5a又は第2コントローラ5bに防振部材12を取付ける取付ねじ用の複数の貫通穴12eが形成され、下側のフランジ部12cには、図4乃至図6に示すように、台座部11に防振部材12を取付ける取付ねじ用の複数の貫通穴12fが形成されている。以上はあくまで一例であり、要は走行制御コントローラ5の重量を支え、ある程度の振動に耐えられる弾性体であれば、以上のような構造のものに限るものではなく、また、ここにいう弾性体は、ここでの例のように複数の部材から構成されているものであっても、あるいは一体の部材で構成されるものであってもよい。
【0018】
また、制御盤台7の前枠部7b及び後枠部7a上には、図4及び図6に示すように、第1コントローラ5aの下面に対応する部位に左右方向においてある一定のピッチで先述の11とは別の2対の台座部14が取付けられ、第2コントローラ5bの下面に対応する部位に左右方向にある一定のピッチでこれも先述の11とは別の2対の台座部14が取付けられている。台座部14は、ここでの例では、隣接する台座部11どうしの中間にすべて取付けられている。各台座部14上には、図4に示すように、防振部材12とは別の防振部材(防振用ゴムなどの別の弾性体)13が取付けられている。防振部材13は、ここでの例では、結果的に4対設けられている。が、ここでの例はあくまで一例であり、複数の防振部材12の中間にすべて1つの別の防振部材13を設けたここでの例のような場合だけでなく、複数の防振部材12どうしの間隔がある一定の間隔以上か否かに応じ、ある2つの隣接する防振部材12の中間には防振部材13がある違う2つの隣接する防振部材12の中間には防振部材13がなかったり、あるいは、ある2つの隣接する防振部材12の中間に複数の防振部材13があるなどしてもよい。
【0019】
図8に各防振部材13の詳細な構造の一例を示す。各防振部材13は、2つの取付ねじ用貫通穴13aを有する略直方体状のゴム板で構成され、その表面にある一定の方向に延びる複数の溝13bが形成されると共に、裏面には溝13bと直交する方向に延びる溝13cが形成される。各防振部材13は、図9に示すように、台座部14上に設置され、防振部材13の上には平板状の座金15が配置され、座金15及び防振部材13を取付ねじ16により台座部14に固定するようにしている。各防振部材13は、その上の座金15が走行制御コントローラ5の下面と当接するように設定するのが一つの形態ではあるが、図10に示すように、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a又は第2コントローラ5b(図10では第1コントローラ5aのみ図示)との間にある一定の隙間Aをもって敷くようにするのが好ましい。その方が各防振部材13が長持ちするからである。実機上では隙間Aは7mm内外である。ここでの例では7mm丁度である。また、図10に示すように、座金15の上面は、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a又は第2コントローラ5bを支持する防振部材12が破損するときの防振部材12の上面よりもある一定の距離Bだけ上方に位置するように設定されている。以上はあくまで一例であり、要は、自走台車1が通常よりも大きく振動したときに、走行制御コントローラ5を下から支えるように緩衝の役割を果たすものであれば、以上のような構造のものに限るものではない。
【0020】
一方、基部6には、図4に示すように、走行制御コントローラ5を覆う筐体10が取付けられ、この筐体10の天井部に対して走行制御コントローラ5が上下動可能に設置されている。具体的には、図4、図5及び図11に示すように、筐体10の天井部から第1コントローラ5aの上面の左右両端及び第2コントローラ5bの上面の左右両端に向けてフック部17が折り曲げ形成され、第1コントローラ5aの上面の左右両端及び第2コントローラ5bの上面の左右両端にはナット19とボルト18が螺合して第1、第2コントローラ5a、5bの天板を挟むようなかたちで取付けられ、このボルト18がフック部17に設けられた穴を非拘束で貫通するようにすることで、走行制御コントローラ5が上下動可能なように支持されている。
【0021】
次に、防振部材13の作用について、走行制御コントローラ5との間に隙間をもって敷かれた場合を例に説明する。
走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bの重量は、通常、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bを支持する複数の防振部材12のみに加わっており、防振部材13には何ら力が加わっていない状態になっている。そして、自走台車1がレールR上を走行すると、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bは、上下方向に振動する。その上下方向の振動は、防振部材12が上下方向に変位することによって吸収される。そして、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bの上下方向の振動が大きい場合、例えば、自走台車1の車輪3がレールRの継ぎ目上を走行するときなどには、防振部材12の上下方向の変位量が大きくなり、防振部材12が破損する危険が出てくる。しかし、防振部材12が破損に至る以前に、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bの下面が別の防振部材13の上にある座金15の上面に当接するため、走行制御コントローラ5の重量が別の防振部材13にも分散して加わる。これにより、防振部材12に集中的に力が加わるのが防止され、走行制御コントローラ5の振動により防振部材12が破損するのを防止できる。
【0022】
別の防振部材13は、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bとの間にある一定の隙間Aをもって敷かれるので、通常は、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bを支持する防振部材12のみに力が加わり、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bが大きく振動して防振部材12の変位量がある一定の値以上となったときに初めて別の防振部材13にも力が加わり、この別の防振部材13には常時力が加わるわけではない。このため、別の防振部材13を長持ちさせることができる。
【0023】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されず、種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、防振部材13は、図8に示すような略直方体状のゴム板の表面にある一定の方向に延びる複数の溝13bを形成し、裏面に溝13bと直交する方向に延びる複数の溝13cを形成したものに限らず、図12に示すように、略直方体状のゴム板の表面にある一定の方向に延びる複数の溝13bを形成し、裏面に溝13bと直交する方向に延びる複数の溝13cを形成し、表面の溝13bを形成していない部分に複数の凹部13dを形成し、裏面の溝13cを形成していない部分に複数の凹部13eを形成するようなものであっても、あるいは溝などまったく形成していない平板状のものであってもよい。また、防振部材13は、略直方体状に限らずその他の形状のものであってもよい。
【0024】
また、防振部材13は、弾性体であれば、ゴム板に限らず、ばねやスポンジ状のものなどであってもよい。
更に、防振部材13は、図9に示すように、台座部14と座金15との間に配置する構成のみならず、防振部材13を直接制御盤台7上に取付けたり、あるいは座金15を省いて防振部材13を最上面に配置するなどしてもよい。また、防振部材13は、1枚で構成する必要はなく、複数枚を積層するなどしてもよい。
【0025】
また、各台座部14は、2つの隣接する台座部11間にすべて取り付けられていることから、防振部材13も隣接する台座部11間にすべて取り付けられているが、必ずしも防振部材13を隣接する台座部11間にすべて取り付ける必要はない。
また、防振部材13は、必ずしも走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bとの間にある一定の隙間Aをもって敷かれる必要はなく、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bに常時当接するようにしてもよい。
【0026】
加えて、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bを支持する防振部材12は、図7に示すようなゴム製の中空の本体部12aとゴム製のフランジ部12b、12cとを備え、本体部12aの内部に圧縮ばねを備えた構成に限らず、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bを支持可能な弾性体で構成されていればよい。
【0027】
そして、走行制御コントローラ5は、以上述べてきたように、第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bというように2つで構成されている必要はなく、1つだけでも、あるいは3つ以上で構成されていてもよく、それらの場合でも、全体として見たときに少なくとも両端に防振部材12が設けられ、隣接する2つの防振部材12の中間に必要に応じて適宜1つ以上の防振部材13が設けられていればよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態に係る自走台車の側面図である。
【図2】図1の自走台車の平面図である。
【図3】図1の自走台車の正面図である。
【図4】走行制御コントローラの正面図である。
【図5】図4に示す走行制御コントローラの側面図である。
【図6】制御盤台の平面図である。
【図7】防振部材の詳細な構造を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図8】別の防振部材の詳細な構造を示す斜視図である。
【図9】図4におけるA−A線に沿う断面図である。
【図10】別の防振部材と走行制御コントローラとの間の隙間、及び座金の上面の位置と走行制御コントローラを支持する防振部材が破損するときの防振部材の上面の位置、の関係を示す図である。
【図11】第1コントローラの、筐体に対する設置構造を示す図である。
【図12】別の防振部材の変形例を示す部分斜視図である。
【図13】スラブを搬送する自走台車の側面図である。
【図14】従来の鉄道車両の車体傾斜装置の正面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 自走台車
2 搬送台
2a スキッドレール
3 車輪
3a 車軸
4 モータ
5 走行制御コントローラ
5a 第1コントローラ
5b 第2コントローラ
6 基部
7 制御盤台
7a 後枠部
7b 前枠部
7c 左枠部
7d 右枠部
8 ケーブルリール
9 ケーブルリールカバー
10 筐体
11 台座部
12 防振用ゴム(弾性体)
12a 本体部
12b,12c フランジ部
12d 空気オリフィス
12e,12f 貫通穴
13 別の防振部材(別の弾性体)
13a 取付ねじ用貫通穴
13b,13c 溝
13d,13e 凹部
14 台座部
15 座金
16 取付ねじ
17 フック部
18 ボルト
19 ナット
R レール
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行制御コントローラを備えた自走台車に関する。
【背景技術】
【0002】
走行制御コントローラ(インバータ盤やセンサー信号等の入出力を行うIO盤等の制御盤や動力盤)を台車上に備えた自走台車が世に広く普及している。
この自走台車として、例えば、鉄鋼等の金属業界で金属片(スラブ)を搬送するのに用いられる、図13に示すような自走台車100が知られている。この自走台車100は、1つ又は複数のスラブSを搬送する搬送台101と、搬送台101に設置され、レールR上を走行する複数の車輪102と、車輪102を駆動するモータ103と、モータ103の駆動周波数や界磁電流を制御する走行制御コントローラ104とを備えている。
【0003】
走行制御コントローラ104は、搬送台101に取付けられた基部105上に設置された制御盤台106上に備えられている。そして、走行制御コントローラ104には、自走台車100の走行速度を制御するため、自走台車100側方に取付けられたケーブルリール107から繰り出されるケーブル(図示せず)を介して図示しない別の制御装置から速度指令が送られ、一方、モータ103の回転軸に接続された図示しないアブソコーダ(センサ)からモータ103の回転数をカウントするためのパルス信号が送られてくるようになっている。そして、走行制御コントローラ104では、アブソコーダから送られてくるモータ103の回転数が速度指令と一致するように、モータ103の駆動周波数や界磁電流を制御している。
【0004】
この走行制御コントローラ104は、振動すると故障しやすいため、走行制御コントローラ104の下(走行制御コントローラ104と制御盤台106との間)に防振用ゴムなどの弾性体(図示せず)を敷いて走行制御コントローラ104を支持し、上下方向の振動を吸収する対策が多くとられている。弾性体を敷く位置は、走行制御コントローラ104の両幅端(図13において紙面に対して直交する方向の両幅端)の場合が一般的であるが、走行制御コントローラ104の幅の大きさに応じてそれらの間にも敷く場合もあり、結果的に走行制御コントローラ104の下に複数敷いている。
【0005】
また、特許文献1には、図14に示すように、車軸201の左右両端に配置された軸箱202に軸ばね203を介して台車枠204を設け、この台車枠204と車体207との間の左右両側に空気ばね205を設け、この空気ばね205と車体207との間に防振用の積層ゴムなどの弾性体206を設けた鉄道車両の車体傾斜装置が開示されている。空気ばね205は、車体207の上下方向及び左右方向の振動を緩和するよう作用する。そして、防振用の積層ゴムなどの弾性体206は、車体207の主に左右方向の振動を緩衝する役割を果たしている。
【0006】
このような車体傾斜装置によれば、軌道不整等により生じる車体207の左右方向の振動は、弾性体206の左右方向の振動を緩衝する作用により抑制され、乗り心地を改善することができる。
【特許文献1】特開平7−81560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図13に示した自走台車100では、例えば、レールRの継ぎ目上を走行するときなどに、自走台車100が通常よりも大きく振動し、走行制御コントローラ104の重量の数倍の力が防振用ゴムなどの弾性体に加わり、防振用ゴムなどの弾性体が破損してしまう場合があるという問題があった。
また、図14に示した鉄道車両の車体傾斜装置においても、振動により車体207の重量の数倍の力が積層ゴムなどの弾性体206に加わり、積層ゴムなどの弾性体206が破損してしまう場合があるという問題があった。
従って、本発明は上述の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、振動により防振用ゴムなどの弾性体が破損するのを防止できる自走台車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題を解決するため、本発明のうち請求項1に係る自走台車は、走行制御コントローラを備え、前記走行制御コントローラの下に前記走行制御コントローラを支持する複数の弾性体を敷いた自走台車において、前記複数の弾性体の間に、別の弾性体を敷いたことを特徴としている。
また、本発明のうち請求項2に係る自走台車は、請求項1記載の発明において、前記別の弾性体は、前記走行制御コントローラとの間に隙間をもって敷かれることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明のうち請求項1に係る自走台車によれば、走行制御コントローラの下に敷かれた、走行制御コントローラを支持する複数の弾性体の間に、別の弾性体を敷いたので、走行制御コントローラが振動するときに、前記走行制御コントローラの重量の数倍の力がそれを支持する前記複数の弾性体のみならず、間に敷いた前記別の弾性体にも分散して加わり、前記複数の弾性体の側に走行制御コントローラの重量の数倍の力が集中的に加わるのを防止でき、振動により前記複数の弾性体のうちの1つ以上が破損してしまうのを防止することができる。
【0010】
また、本発明のうち請求項2に係る自走台車によれば、請求項1に係る自走台車において、前記別の弾性体は、前記走行制御コントローラとの間に隙間をもって敷かれるので、通常は、走行制御コントローラを支持する複数の弾性体の側だけに力が加わり、自走台車が大きく振動して前記走行制御コントローラの変位量がある一定の値以上となったときに、初めて間に敷く前記別の弾性体にも力が加わり、この別の弾性体には常時力が加わるわけではない。このため、請求項1に係る自走台車の場合よりも、間に敷く別の弾性体を長持ちさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態に係る自走台車の側面図である。図2は図1の自走台車の平面図である。図3は図1の自走台車の正面図(図1、2のA視方向から見た図)である。図4は走行制御コントローラの正面図(図1、2のA視方向から見た図)である。図5は図4に示す走行制御コントローラの側面図である。図6は制御盤台の平面図である。
【0012】
図1乃至図3に示す自走台車1は、1つ又は複数のスラブSを搬送する自走台車であり、1つ又は複数のスラブSを積載する搬送台2と、搬送台2に設置され、レールR上を走行する複数の車輪3と、車輪3を駆動するモータ4と、モータ4の駆動周波数や界磁電流を制御する走行制御コントローラ5とを備えている。
搬送台2は、レールRが延びる前後方向(図1における左右方向)に延びる略直方体状に形成され、搬送台2の上面には、前後方向と直交する方向(図1における紙面と直交する方向)に延びる複数のスキッドレール2aが設けられている。
【0013】
車輪3は、搬送台2の前方側下方及び後方側下方のそれぞれに回動可能に設置された、左右方向に延びる車軸3aの両端に設置されている。
モータ4は、ここでの例では、搬送台2の下方であって前方側の車軸3aの前方側に設置されている。そして、ここでの例では、モータ4は、前方側の車軸3aを駆動することによってこの車軸3aの両端に設置された車輪3を駆動するようにしている。が、ここでの例はあくまで一例であり、前方側にかえて後方側の車軸3aを駆動させても、前方側と後方側両方の車軸3aを駆動させてもよく、それに応じてモータ4を設置する位置も適宜選択してよい。
【0014】
走行制御コントローラ5は、搬送台2の後端部に取付けられた基部6上に設置される制御盤台7上に積載されている。走行制御コントローラ5には、自走台車1の走行速度を制御するため、自走台車1側方に取付けられたケーブルリール8から繰り出されるケーブル(図示せず)を介して、図示しない別の制御装置から速度指令が送られ、一方、モータ4の回転軸に接続された図示しないアブソコーダ(センサ)からは、モータ4の回転数をカウントするためのパルス信号が送られてくるようになっている。そして、走行制御コントローラ5では、アブソコーダから送られてくるモータ4の回転数(あるいは車輪3の周速に換算したもの)が速度指令と一致するように、モータ4の駆動周波数や界磁電流を制御している。そして、走行制御コントローラ5は、図2の平面図で見てわかる通り、左右方向に延びる略直方体状に構成され、この走行制御コントローラ5内には、例えば、第1コントローラ5aと第2コントローラ5bというように、複数のコントローラが備えられていても良い。図2、3中、符号9はケーブルリールカバーである。
【0015】
基部6は、図4及び図5に示すように、前後方向(図4、5における紙面と直交する方向)に延びる、複数の断面I形状の部材で構成され、搬送台2の後端部に取付けられている。制御盤台7は、図6の平面図で見てもわかる通り、外形が略直方体状の枠体で構成され、後方側に配置された左右方向に延びる後枠部7aと、前方側に配置された左右方向に延びる前枠部7bと、後枠部7a及び前枠部7bの左側を連結する左枠部7cと、後枠部7a及び前枠部7cの右側を連結する右枠部7dとを備えている。各後枠部7a、前枠部7b、左枠部7c、及び右枠部7dは、図9に最もよく示すように、断面が略コ字状に構成されている(図9には後枠部7aのみ図示)。
【0016】
そして、制御盤台7の前枠部7b及び後枠部7a上には、図4及び図6に示すように、第1コントローラ5aの下面に対応する部位に左右方向にある一定のピッチで3対の台座部11が取付けられ、第2コントローラ5bの下面に対応する部位に左右方向にある一定のピッチで3対の台座部11が取付けられている。各台座部11上には、図4に示すように、走行制御コントローラ5を構成する第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bを下方から支持する防振部材(防振用ゴムなどの弾性体)12が設けられている。ここでの例では、防振部材12は結果的に6対設けられている。走行制御コントローラ5は、ここでの例では、第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bの2つから構成されているが、1つだけでも、あるいは3つ以上で構成されていてもよく、それらの場合でも、全体として見たときに少なくとも両端に防振部材12が設けられ、複数の防振部材12により下方から支持されることにより、走行制御コントローラ5の上下方向の振動を吸収することができる。
【0017】
図7に各防振部材12の詳細な構造の一例を示す。各防振部材12は、図7(B)で見たときに上下方向に圧縮された場合に内側に湾曲するゴム製の中空の本体部12aと、本体部12aの上下両端に設けられたこれもゴム製のフランジ部12b、12cとを備えている。本体部12aの内部には、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a又は第2コントローラ5bの重量を支持する圧縮ばね(図示せず)が設けられている。そして、フランジ部12b、12cのそれぞれには、減衰力を発生させる空気オリフィス12dが形成されている。また、上側のフランジ部12bには、第1コントローラ5a又は第2コントローラ5bに防振部材12を取付ける取付ねじ用の複数の貫通穴12eが形成され、下側のフランジ部12cには、図4乃至図6に示すように、台座部11に防振部材12を取付ける取付ねじ用の複数の貫通穴12fが形成されている。以上はあくまで一例であり、要は走行制御コントローラ5の重量を支え、ある程度の振動に耐えられる弾性体であれば、以上のような構造のものに限るものではなく、また、ここにいう弾性体は、ここでの例のように複数の部材から構成されているものであっても、あるいは一体の部材で構成されるものであってもよい。
【0018】
また、制御盤台7の前枠部7b及び後枠部7a上には、図4及び図6に示すように、第1コントローラ5aの下面に対応する部位に左右方向においてある一定のピッチで先述の11とは別の2対の台座部14が取付けられ、第2コントローラ5bの下面に対応する部位に左右方向にある一定のピッチでこれも先述の11とは別の2対の台座部14が取付けられている。台座部14は、ここでの例では、隣接する台座部11どうしの中間にすべて取付けられている。各台座部14上には、図4に示すように、防振部材12とは別の防振部材(防振用ゴムなどの別の弾性体)13が取付けられている。防振部材13は、ここでの例では、結果的に4対設けられている。が、ここでの例はあくまで一例であり、複数の防振部材12の中間にすべて1つの別の防振部材13を設けたここでの例のような場合だけでなく、複数の防振部材12どうしの間隔がある一定の間隔以上か否かに応じ、ある2つの隣接する防振部材12の中間には防振部材13がある違う2つの隣接する防振部材12の中間には防振部材13がなかったり、あるいは、ある2つの隣接する防振部材12の中間に複数の防振部材13があるなどしてもよい。
【0019】
図8に各防振部材13の詳細な構造の一例を示す。各防振部材13は、2つの取付ねじ用貫通穴13aを有する略直方体状のゴム板で構成され、その表面にある一定の方向に延びる複数の溝13bが形成されると共に、裏面には溝13bと直交する方向に延びる溝13cが形成される。各防振部材13は、図9に示すように、台座部14上に設置され、防振部材13の上には平板状の座金15が配置され、座金15及び防振部材13を取付ねじ16により台座部14に固定するようにしている。各防振部材13は、その上の座金15が走行制御コントローラ5の下面と当接するように設定するのが一つの形態ではあるが、図10に示すように、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a又は第2コントローラ5b(図10では第1コントローラ5aのみ図示)との間にある一定の隙間Aをもって敷くようにするのが好ましい。その方が各防振部材13が長持ちするからである。実機上では隙間Aは7mm内外である。ここでの例では7mm丁度である。また、図10に示すように、座金15の上面は、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a又は第2コントローラ5bを支持する防振部材12が破損するときの防振部材12の上面よりもある一定の距離Bだけ上方に位置するように設定されている。以上はあくまで一例であり、要は、自走台車1が通常よりも大きく振動したときに、走行制御コントローラ5を下から支えるように緩衝の役割を果たすものであれば、以上のような構造のものに限るものではない。
【0020】
一方、基部6には、図4に示すように、走行制御コントローラ5を覆う筐体10が取付けられ、この筐体10の天井部に対して走行制御コントローラ5が上下動可能に設置されている。具体的には、図4、図5及び図11に示すように、筐体10の天井部から第1コントローラ5aの上面の左右両端及び第2コントローラ5bの上面の左右両端に向けてフック部17が折り曲げ形成され、第1コントローラ5aの上面の左右両端及び第2コントローラ5bの上面の左右両端にはナット19とボルト18が螺合して第1、第2コントローラ5a、5bの天板を挟むようなかたちで取付けられ、このボルト18がフック部17に設けられた穴を非拘束で貫通するようにすることで、走行制御コントローラ5が上下動可能なように支持されている。
【0021】
次に、防振部材13の作用について、走行制御コントローラ5との間に隙間をもって敷かれた場合を例に説明する。
走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bの重量は、通常、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bを支持する複数の防振部材12のみに加わっており、防振部材13には何ら力が加わっていない状態になっている。そして、自走台車1がレールR上を走行すると、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bは、上下方向に振動する。その上下方向の振動は、防振部材12が上下方向に変位することによって吸収される。そして、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bの上下方向の振動が大きい場合、例えば、自走台車1の車輪3がレールRの継ぎ目上を走行するときなどには、防振部材12の上下方向の変位量が大きくなり、防振部材12が破損する危険が出てくる。しかし、防振部材12が破損に至る以前に、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bの下面が別の防振部材13の上にある座金15の上面に当接するため、走行制御コントローラ5の重量が別の防振部材13にも分散して加わる。これにより、防振部材12に集中的に力が加わるのが防止され、走行制御コントローラ5の振動により防振部材12が破損するのを防止できる。
【0022】
別の防振部材13は、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bとの間にある一定の隙間Aをもって敷かれるので、通常は、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bを支持する防振部材12のみに力が加わり、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bが大きく振動して防振部材12の変位量がある一定の値以上となったときに初めて別の防振部材13にも力が加わり、この別の防振部材13には常時力が加わるわけではない。このため、別の防振部材13を長持ちさせることができる。
【0023】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されず、種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、防振部材13は、図8に示すような略直方体状のゴム板の表面にある一定の方向に延びる複数の溝13bを形成し、裏面に溝13bと直交する方向に延びる複数の溝13cを形成したものに限らず、図12に示すように、略直方体状のゴム板の表面にある一定の方向に延びる複数の溝13bを形成し、裏面に溝13bと直交する方向に延びる複数の溝13cを形成し、表面の溝13bを形成していない部分に複数の凹部13dを形成し、裏面の溝13cを形成していない部分に複数の凹部13eを形成するようなものであっても、あるいは溝などまったく形成していない平板状のものであってもよい。また、防振部材13は、略直方体状に限らずその他の形状のものであってもよい。
【0024】
また、防振部材13は、弾性体であれば、ゴム板に限らず、ばねやスポンジ状のものなどであってもよい。
更に、防振部材13は、図9に示すように、台座部14と座金15との間に配置する構成のみならず、防振部材13を直接制御盤台7上に取付けたり、あるいは座金15を省いて防振部材13を最上面に配置するなどしてもよい。また、防振部材13は、1枚で構成する必要はなく、複数枚を積層するなどしてもよい。
【0025】
また、各台座部14は、2つの隣接する台座部11間にすべて取り付けられていることから、防振部材13も隣接する台座部11間にすべて取り付けられているが、必ずしも防振部材13を隣接する台座部11間にすべて取り付ける必要はない。
また、防振部材13は、必ずしも走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bとの間にある一定の隙間Aをもって敷かれる必要はなく、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bに常時当接するようにしてもよい。
【0026】
加えて、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bを支持する防振部材12は、図7に示すようなゴム製の中空の本体部12aとゴム製のフランジ部12b、12cとを備え、本体部12aの内部に圧縮ばねを備えた構成に限らず、走行制御コントローラ5の第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bを支持可能な弾性体で構成されていればよい。
【0027】
そして、走行制御コントローラ5は、以上述べてきたように、第1コントローラ5a及び第2コントローラ5bというように2つで構成されている必要はなく、1つだけでも、あるいは3つ以上で構成されていてもよく、それらの場合でも、全体として見たときに少なくとも両端に防振部材12が設けられ、隣接する2つの防振部材12の中間に必要に応じて適宜1つ以上の防振部材13が設けられていればよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態に係る自走台車の側面図である。
【図2】図1の自走台車の平面図である。
【図3】図1の自走台車の正面図である。
【図4】走行制御コントローラの正面図である。
【図5】図4に示す走行制御コントローラの側面図である。
【図6】制御盤台の平面図である。
【図7】防振部材の詳細な構造を示し、(A)は平面図、(B)は正面図である。
【図8】別の防振部材の詳細な構造を示す斜視図である。
【図9】図4におけるA−A線に沿う断面図である。
【図10】別の防振部材と走行制御コントローラとの間の隙間、及び座金の上面の位置と走行制御コントローラを支持する防振部材が破損するときの防振部材の上面の位置、の関係を示す図である。
【図11】第1コントローラの、筐体に対する設置構造を示す図である。
【図12】別の防振部材の変形例を示す部分斜視図である。
【図13】スラブを搬送する自走台車の側面図である。
【図14】従来の鉄道車両の車体傾斜装置の正面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 自走台車
2 搬送台
2a スキッドレール
3 車輪
3a 車軸
4 モータ
5 走行制御コントローラ
5a 第1コントローラ
5b 第2コントローラ
6 基部
7 制御盤台
7a 後枠部
7b 前枠部
7c 左枠部
7d 右枠部
8 ケーブルリール
9 ケーブルリールカバー
10 筐体
11 台座部
12 防振用ゴム(弾性体)
12a 本体部
12b,12c フランジ部
12d 空気オリフィス
12e,12f 貫通穴
13 別の防振部材(別の弾性体)
13a 取付ねじ用貫通穴
13b,13c 溝
13d,13e 凹部
14 台座部
15 座金
16 取付ねじ
17 フック部
18 ボルト
19 ナット
R レール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行制御コントローラを備え、前記走行制御コントローラの下に前記走行制御コントローラを支持する複数の弾性体を敷いた自走台車において、
前記複数の弾性体の間に、別の弾性体を敷いたことを特徴とする自走台車。
【請求項2】
前記別の弾性体は、前記走行制御コントローラとの間に隙間をもって敷かれることを特徴とする請求項1記載の自走台車。
【請求項1】
走行制御コントローラを備え、前記走行制御コントローラの下に前記走行制御コントローラを支持する複数の弾性体を敷いた自走台車において、
前記複数の弾性体の間に、別の弾性体を敷いたことを特徴とする自走台車。
【請求項2】
前記別の弾性体は、前記走行制御コントローラとの間に隙間をもって敷かれることを特徴とする請求項1記載の自走台車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−21673(P2006−21673A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−202242(P2004−202242)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】
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