説明

自走式路面滑止舗装施工機

【課題】 主液材と硬化液材を混合させそれを塗布する作業と,その塗布面に骨材を散布する作業が同時進行する従来の2液性路面滑り止め工法は多くの作業員と多くの機材と時間を必要とする。
本発明は、これらの問題を解決することを課題とする。
【解決手段】 AB両液材加温容器よりそれぞれA主液材及びB硬化液材を加圧ポンプにより混合室に噴入混合させ同液を路面に噴射塗布しその直後に骨材を散布しローラー後車輪で圧着する一連の作業を1台の施工機で出来ることで大きな経費節減が可能となる他、機械施工は均一性に優れ工事品質を高める事が出来る。又リブ用ローラー後車輪を取り付けることで滑り抑制効果の高いリブ付滑止舗装も可能にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、A主液材とB硬化液材の両液材を混合塗布し、液材塗布面に骨材を散布し、液材が硬化し、骨材を路面に固定することで路面の滑り止めをするための自走式路面滑止舗装施工機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の路面の滑り止め工事は貨物車の荷台に搭載された設備でA主液材・B硬化液材が作られ、両液の混合液材をホースでノズルに導きこれを作業員が直接路面に塗布し、作業の進行に合わせ車両も移動し、その後に骨材を積んだ貨物車が続き作業員が平スコップで骨材を散布していた。気温の低いときは硬化を早める為骨材面をバーナーで繰り返し温め続け、他の作業員はそれを待ち次の作業に入ると云うのが現状で時間の無駄もあり、作業人員及び機材とも大掛りになっていた。
【0003】
主液材と硬化液材を混合した時点から硬化が始まる事から骨材散布も同時進行することとなり、従来の作業方法だと作業員も6人〜8人を要するし又完全硬化までの待ち時間も外気温によるが1時間から2時間を要し人手及び時間の大きな無駄があり機材も大掛かりである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記工事を施工機1台とオペレーター1人と作業員数人で施工する事が出来るようにするとともに均一性に優れ高品質な施工を可能にする施工機を提供するのが本発明の課題である。
【問題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明が提供する自走式路面滑止舗装施工機はエポシキ系A液とA液を硬化させるB液の両液を混合させる混合室と、混合室に両液を高圧噴入して混合するエアレスポンプと、混合液を路面に噴射塗布するノズルと、混合液塗布面に滑り止め用骨材を散布する骨材散布器と、散布した骨材面上を走行し骨材を圧着することの他骨材面にリブの成型を可能にするリブ付ローラー車輪と、前記エアレスポンプと骨材散布器を駆動するためのエンジンと、方向を変える機構と、差動歯車内蔵ギアとを備えたものである。
【発明の効果】
【0006】
自走式路面滑止施工機を使用することで1人のオペレーターと2人〜3人の作業員で施工が可能になり、人手の節約となる。また、加温及び圧着により凝固時間が短縮される事になり、工事時間も短縮される。また、無駄な人員問題と無駄な待ち時間問題を解決する事で大きくコスト削減に寄与する。さらに機械による施工は均一性に優れ工事品質を高めることが出来るほか、リブ付ローラー後車輪23によるリブの成型を可能にしたことで滑り抑制効果を一段と向上させる事も出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例1】
【0007】
本実施例の滑止施工機はA主液材とB硬化液材を適温に加温する為のA主液材加温容器3及びB硬化液材加温容器4と、液材を圧送するエアレスのA主液材ポンプ5及びB硬化液材ポンプ6と、混合室を持つ混合液材ノズル7と、それを固定するノズルホルダー8と、塗布液面に骨材を散布する骨材散布器9及び骨材容器1と、ローター駆動ギア22で駆動される骨材散布ローター10と、散布直後の骨材面を走行し散布された骨材を圧着するローラー後車輪15と、その他にリブを成型するリブ付ローラー後車輪23も取付けが出来.る。さらに施工機本体を駆動走行する事とポンプ及び散布器のほか温度制御電力用のダイナモを駆動する為のエンジン2が搭載されている。施工機の方向回転をスムーズにするためタイロット21と、ナックルアーム20を用い内外輪切れ角度差を調整するいわゆるアッカーマン・ジャントウ式機構を採用した。また内外輪回転差を調整する差動歯車内蔵ギア17を備え、伸縮駆動軸19と方向角度の生じる車輪軸とを自在継手18で連結したものである。
【0008】
施工機本体は、後方のローラー後車輪15が施工直後の骨材面を走行し圧着することを考慮し、前輪に本機体重の60%前後負荷するよう図1のように前車輪16を中央部近くに取り付ける事にし、本機の回転軸は後車輪軸なので骨材及び液材塗布は可能なかぎり後車輪近くにし、また回転半径を小さくする為に前輪と後輪の距離を短くする。
【0009】
A主液材加温容器3及びB硬化液材加温容器4で適温に加温することで、液性が活性化され硬化を促進し、硬化時間が短縮される結果作業時間を短縮すると共に液の流動性が良くなることで、液材ポンプ5・6及び混合液材ノズル7等の負荷を軽くする事になる。
【0010】
エンジン2は横置きにし、エンジンの回転振動を施工機の縦方向で受けることで施工機の横振動を無くしエンジンラバーマウンティングにより施工機本体の振動を吸収減少させ施工帯縁の直線性を良好にする。
【0011】
混合室は円盤形フィルター4〜6枚を一定の隙間をおいて重ね、中央部に濾過孔が在るものと円周部に在るものを交互に置く。A主液材とB硬化液材が同時に噴入されると両液材は過流を成し先ず中央部の濾過孔を通過した後外周に広がり、外周部濾過孔を通過した後中央部に集まる、これを繰り返し中央のフィルターを通過することで充分な混合が行われ混合液材ノズル7に達する。尚A主液材・B硬化液材の流入口には逆流防止用のバルブを備えることが必要であり重要である。
混合液材ノズル7はノズルホルダー8に固定され、ノズルホルダーは施工機に固定され、簡単に取り付け取り外しが出来るようにし、運搬時は取り外す事とし、混合液材ノズル7は施工巾に合わせてその本数を決め噴射が個別に止められるようにし、また45cm以下の塗布帯については一本のノズルで塗布面よりの高さを調整し施工巾を合わせる。
【0012】
骨材散布器9は中央部より2分割し、取り付け取り外しを容易にし、運搬時は取り外すことにより施工機を小型車でも運搬が可能になる。
また施工巾に合わせ数種用意するほか散布器内を各寸法に仕切れるようにし施工巾を選べるようにするほか、骨材散布ローター10もその直径や植毛の長さと間隔を散布骨材JIS規格の粒径に合わせた散布器を用意する。
【0013】
図5は通常の平面仕上げ用のローラー後車輪15で、前輪の路面状況で本機体が左右にゆれても後車輪位置での接地性に影響されないよう中央部の支持ピン軸受12に支持された後車輪支持ピン11一本で支えるようにし、後車輪中央軸受13と両後車輪軸受14も脱着を容易にし、運搬時は取り外す。
【0014】
図6はリブを成型するためのリブ付ローラー後車輪23でローラー面にリブ成型用の溝が彫られている。この場合ローラーの回転を確実にするために中央部に駆動ギア軸受25に支持された後車輪駆動ギア24を備え駆動する。
図7はリブ付ローラー後車輪23の断面図とそれで施工された滑止舗装のリブ付滑止施工状態の拡大図である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】 本発明施工機の側面図
【図2】 図1の上部に配置した主要機器の平面図
【図3】 図1の下部に配置した混合液材ノズルの噴射状態前面図
【図4】 図1の下部に配置した主要機器の平面図
【図5】 図4の後面図
【図6】 リブ付ローラー後車輪断面図
【図7】 図6による施工状態拡大図
【符号の説明】
【0016】
1. 骨材容器
2. エンジン
3. A主液材加温容器
4. B硬化液材加温容器
5. A主液材ポンプ
6. B硬化液材ポンプ
7. 混合液材ノズル
8. ノズルホルダー
9. 骨材散布器
10. 骨材散布ローター
11. 後車輪支持ピン
12. 支持ピン軸受
13. 後車輪中央軸受
14. 後車輪軸受
15. ローラー後車輪
16. 前車輪
17. 差動歯車内蔵ギア
18. 自在継手
19. 伸縮駆動軸
20. ナックルアーム
21. タイロット
22. ローター駆動ギア
23. リブ付ローラー後車輪
24. 後車輪駆動ギア
25. 駆動ギア軸受

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ樹脂系A液とA液を硬化させるB液の両液を混合させる混合室と、混合室に両液を高圧噴入して混合するエアレスポンプと、混合液を路面に噴射塗布するノズルと、混合液塗布面に滑り止め用骨材を散布する骨材散布器と、散布された骨材面上を走行し、骨材を圧着することの他骨材面にリブの成型を可能にするリブ付ローラー車輪と、前記エアレスポンプと骨材散布器を駆動するためのエンジンと、方向を変える機構と、差動歯車内蔵ギアとを備えた自走式路面滑止舗装施工機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−196291(P2008−196291A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−60866(P2007−60866)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【出願人】(507077248)有限会社相模ロード (3)
【Fターム(参考)】