説明

自転車の駆動機構

【課題】遊星歯車機構を構成する駆動側スプロケットの内歯歯車とそれに噛み合う遊星歯車、及び太陽歯車の歯のピッチをそれぞれ自由に設定できるようにする。
【解決手段】入力側の回転軸1に太陽歯車2を一体回転可能に設け、その外径側に内歯歯車14を有するスプロケット6を前記回転軸1に対し相対回転可能に設けて出力側とする。前記太陽歯車2と前記スプロケット6の内歯歯車14との間に遊星歯車15を配置して、その遊星歯車15と前記内歯歯車14とを噛み合わせる。前記遊星歯車15は、遊星支軸16周りの回転のみ許容されて前記太陽歯車2周りに公転しないようにし、前記太陽歯車2と前記遊星歯車15とを連結するリンクロッド20によって、前記太陽歯車2から遊星歯車15へ駆動力を伝達させる。駆動力をリンクロッド20を介して遊星歯車15に伝達すれば、その太陽歯車2と遊星歯車15とは相互に噛み合わないので、歯のピッチをそれぞれ自由に設定できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自転車のペダルに加えられるトルクを走行装置に伝える自転車の駆動機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の自転車に使用される駆動機構は、自転車の運転者が足でペダルを踏み込むことにより駆動側スプロケットをクランク軸周り一体に回転させ、その駆動側スプロケットに噛み合うチェーンを介して、後輪の車軸に設けた従動側スプロケットを回転させて、その後輪を駆動させる機構となっている。
【0003】
ペダルに作用する踏力は、そのペダルのクランクの長さを長くすれば、中心のクランク軸に対し、より大きな回転力として伝達される。一方、そのクランク軸と一体に回転する駆動側スプロケットの半径を小さくすれば、前記回転力は、駆動側スプロケットの外周の接線方向に、より大きなトルク(駆動力)を生じさせて、チェーンを強い力で駆動し得るようになる。
【0004】
この駆動機構において、クランクの長さを長くするには、搭乗者の足の長さや接地の問題から限界がある。このため、クランクを延長することなく大きなトルクを確保、すなわち、ペダルを軽く回して増速できるようにするためには、上記のように両スプロケットの歯数の比率、すなわち、駆動側(入力側)の歯車の歯数を少なくし、従動側(出力側)の歯車は歯数を多くすることになる。
しかし、歯数を少なくするには、チェーンとの噛合い等の問題で限界があり、また、歯数を多くするにもスペースの都合上制限がある。
また、駆動側と従動側との間の減速段数を増やしてその減速比を大きくしようとすると、その駆動機構が大型化するという問題がある。
【0005】
このため、例えば、駆動側スプロケットの内径部に、太陽歯車と遊星歯車を配置して減速段数を増やしたものがある。
その構成は、例えば、特許文献1及び特許文献2に示すように、スプロケットの内径側にクランク軸と同軸心の太陽歯車を回転不能に設け、その太陽歯車に噛み合う遊星歯車を、ペダルに作用する踏力によって前記太陽歯車の周囲に公転可能とし、前記スプロケットの内周にその遊星歯車に噛み合う内歯を設けて、遊星歯車の公転とともにスプロケットを回転させるようにしたものである。
駆動側スプロケットの内径側に設けた太陽歯車と遊星歯車を介して減速段数を増やすことができるので、駆動機構がコンパクトである(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2002−79984号公報
【特許文献2】特開2005−280591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記駆動機構によれば、駆動側スプロケットの内歯歯車、太陽歯車、遊星歯車が相互に噛み合っているので、歯のピッチをすべて同一にしなければならないという問題がある。 大径の駆動側スプロケットに対し、相対的に小径となる太陽歯車や遊星歯車の歯数が小さいと、例えば、歯の干渉の問題が生じやすいので、歯のピッチはそれぞれ自由に設定できることが好ましい。
【0008】
そこで、駆動側スプロケットの内歯歯車、太陽歯車、遊星歯車相互間の歯のピッチを違えるために、例えば、歯のピッチの異なる二つの遊星歯車を同軸に並列させて一体回転可能とし、一方の遊星歯車を太陽歯車に噛み合わせるとともに、他方の遊星歯車を駆動側スプロケットの内歯歯車に噛み合わせるという手法が考えられる。
しかし、この手法によると歯ピッチの異なる遊星歯車が同軸に並列するので、駆動装置が複雑になるとともに、その装置の幅(クランク軸の軸方向の長さ)が大きくなってしまうという問題がある。
【0009】
そこで、この発明は駆動側スプロケットの内径側に設けた太陽歯車と遊星歯車を介して駆動機構の減速段数を増やすに際し、その駆動側スプロケットの内歯歯車とそれに噛み合う遊星歯車、及び太陽歯車の歯のピッチをそれぞれ自由に設定できる自転車の駆動機構とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、この発明は、入力側である太陽歯車周囲に配置される遊星歯車を自転可能、公転不能に固定して、その遊星歯車を出力側である駆動側スプロケットの内歯歯車に噛み合わせ、ペダルに加えられた踏力による太陽歯車の駆動力を、リンクロッドを介して前記遊星歯車に伝達するようにしたものである。
【0011】
太陽歯車の駆動力を、リンクロッドを介して遊星歯車に伝達すれば、その太陽歯車と遊星歯車とは相互に噛み合わないので、歯のピッチをそれぞれ自由に設定し得る。
すなわち、出力側である駆動側スプロケットの内歯歯車とそれに噛み合う遊星歯車、及び入力側である太陽歯車の歯のピッチをそれぞれ自由に設定できるようになる。
【0012】
なお、遊星歯車の数は、径方向に二つ、三つ、あるいはそれ以上並列させてもよい。遊星歯車を径方向へ複数並列させる場合は、駆動側スプロケットの内歯歯車に噛み合う最外径側の遊星歯車を、そのすぐ内側に位置する他の遊星歯車とリンクロッドで接続する。
このとき、前記最外径側の遊星歯車の歯ピッチは、その駆動側スプロケットの内歯歯車の歯ピッチと同一とし、その最外径側の遊星歯車とリンク接続される他の遊星歯車の歯ピッチは、相互に連動して回転する太陽歯車の歯ピッチと同一としてよい。
【0013】
また、その径方向へ並列する遊星歯車群は、入力側である回転軸(太陽歯車)周りに放射状に複数組配置してもよい。放射状に複数組配置されていれば、その太陽歯車から駆動側スプロケットへの回転の伝達が安定するので好ましい。
【発明の効果】
【0014】
この発明は、駆動側スプロケットの内径側に設けた太陽歯車と遊星歯車を介して駆動機構の減速段数を増やすに際し、その駆動側スプロケットの内歯歯車とそれに噛み合う遊星歯車、及び太陽歯車の歯のピッチをそれぞれ自由に設定できる自転車の駆動機構とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。この実施形態は、図6に示すように、自転車のペダルに加えられるトルクを走行装置に伝える自転車の駆動機構である。
【0016】
その構成は、図1乃至図3に示すように、ペダル5を有するクランク7が接続された入力側の回転軸(クランク軸)1に、出力側として機能するスプロケット6が前記回転軸1と同軸に設けられている。
スプロケット6は、その全周にチェーン8と噛み合い可能な外向きの歯6aを有し、また、その内径部には、内向きの歯14aを有する内歯歯車14が一体に設けられている。このスプロケット6は、前記回転軸1と軸周り相対回転可能であり、自転車の後輪の車軸3にワンウェイクラッチ(図示せず)を介して設けた従動側スプロケット(フリーホイール)4に、環状のチェーン8で結ばれている。
【0017】
その回転軸1と同軸に太陽歯車2が設けられている。太陽歯車2は、その全周に外向きの歯2aを有し、前記回転軸1と一体に回転可能となっている。
【0018】
前記太陽歯車2と前記スプロケット6の内歯歯車14との間に二つの遊星歯車10,15が径方向に並列して配置されている。各遊星歯車10,15は、それぞれその全周に外向きの歯10a,15aを有している。
その各遊星歯車10,15は、それぞれその遊星歯車10,15をベースプレートBに支持する各遊星支軸11,16周りの回転(自転)のみ許容されて、その各遊星歯車10,15の位置は移動しない、すなわち前記太陽歯車2周りに公転しないで静止するタイプの遊星歯車となっている。
【0019】
なお、ベースプレートBは、図2に示すように、その中心に設けたボス孔18が、自転車のフレームに設けた筒状のボス部19外周に嵌められて、車体側に不動に固定されているものである。
【0020】
前記各遊星歯車10,15のうち、外径側に位置する遊星歯車15の歯15aと,前記内歯歯車14の歯14aとは噛み合っており、また、内径側に位置する遊星歯車10と前記太陽歯車2とは、その歯10a,2aに噛み合う環状の駆動用ベルト12を介して、連動して回転するようになっている。
なお、この太陽歯車2と内径側の遊星歯車10とは、両者の歯2a,10a同士が直接噛み合うようにしてもよいし、チェーン、リンク機構等を介して連動して回転するようにしてもよい。
【0021】
前記外径側の遊星歯車15をベースプレートBに支持する遊星支軸16周りに、補助太陽歯車22が同軸に軸周り不動に固定されている。補助太陽歯車22は、図2に示すように、前記外径側の遊星歯車15の内径部に設けた空間にすっぽりと収納されるので、その補助太陽歯車22が、遊星歯車15の端面よりも幅方向(回転軸1の長さ方向)に突出しない態様となっている。
【0022】
また、前記外径側の遊星歯車15の内径部には、内向きの歯24aを有する補助内歯歯車24が一体に設けられている。その補助内歯歯車24と前記補助太陽歯車22との間に、補助遊星歯車25が配置される。前記補助遊星歯車25は、その外周全周に外向きの歯25aを有し、その外向きの歯25aが前記補助内歯歯車24の歯24aと補助太陽歯車22の歯22aに噛み合っている。このため、補助遊星歯車25は、その補助遊星歯車25を支持する遊星支軸26周りの回転が許容されるとともに前記補助太陽歯車22周りに公転するようになっている。
【0023】
また、その前記補助遊星歯車25の軸中心に形成された挿通孔に、軸状のリンクロッド20の一端26が挿通されており、また、その他端21が、前記内径側に位置する遊星歯車10に形成された挿通孔に挿通されている。リンクロッド10の前記一端26は、前記補助遊星歯車25の遊星支軸として機能し、そのリンクロッド20を介して前記両遊星歯車10,15が連結される。
なお、前記補助遊星歯車25の軸中心に形成された挿通孔と、前記内径側に位置する遊星歯車10に形成された挿通孔とは、それぞれ対応する遊星支軸11,16の軸中心からの距離が同一となるように設定されており、その両遊星支軸11,16、リンクロッド20の両端21,26とを4節点とする平行リンク機構として機能し、この平行リンク機構は、リンクロッド20の両端21,26からなる節点が、それぞれ前記遊星支軸11,16の軸中心周り360度回転可能である。
【0024】
また、前記両遊星支軸11,16間には、前記内外両遊星歯車10,15同士の位相のずれを防止する機構が備えられている。
具体的には、図2に示すように、前記内外両遊星歯車10,15の軸中心に形成されたキー溝を有する軸孔10b、15bに、キーを備えた嵌合部材11b,16bが相対回転不能に嵌められ、その両嵌合部材11b,16bの先端に、前記内外両遊星歯車10,15と一体に回転する歯車11a,16aが設けられている。その歯車11a,16aは、環状の駆動用ベルト23を介して連動して回転するようになっているので、前記内外両遊星歯車10,15同士の回転各速度は、常に同一となるように機能している。
ただし、この位相のずれを防止する機構は、必要に応じて省略することもできる。前記リンクロッド20自身に、前記内外両遊星歯車10,15同士の回転各速度を同一とする機能を備えているからである。
【0025】
この実施形態において、太陽歯車2の半径(外径)Rは2cmに設定されており、その歯2aは6mmピッチである。遊星歯車10,15の半径(外径)R10,R15は、それぞれ2cm及び4cmに設定されており、その歯10a,15aはそれぞれ6mmピッチ、12mmピッチである。
前記外径側に位置する遊星歯車15の補助内歯歯車24の半径(内径)R24は3cmに設定されており、補助太陽歯車22の半径R22は2cmに、補助遊星歯車25の半径(外径)R25は1cmに設定されている。その各歯24a,22a,25aは、いずれも6mmピッチである。スプロケット6の内歯歯車14の半径(内径)R14は12cmに設定されており、その内向きの歯14aは、12mmピッチである。スプロケット6、従動側のスプロケット4の外向きの歯6a,4aは、それぞれ12mmピッチである。スプロケット6の半径(外径)Rは14cm、従動側のスプロケット4の半径(外径)Rは7cmである。
なお、ここでは、説明を簡略化するため、前記各歯車の半径を、噛み合い部のピッチ円の径としている。
【0026】
上記自転車の駆動機構の作用を説明すると、クランク7,7の回転軸1が矢印a方向へ回転し、太陽歯車2(外径R=2cm)が矢印b方向へ回転(1回転)すると、駆動用ベルト12を介して、内径側に位置する遊星歯車10(外径R10=2cm)が矢印cの方向へ回転する。
【0027】
リンクロッド20を介して、補助遊星歯車25が矢印dの方向へ移動し(公転し)、その移動に伴い、補助遊星歯車は矢印d’のように回転する(自転する)。この公転及び自転により、前記外径側に位置する遊星歯車15(外径R15=4cm)が矢印e方向に回転する。このとき、遊星歯車15は、矢印e方向へ1回転する。
これは、図4に示すように、内径側に位置する遊星歯車10が角度αだけ回転すると、外径側に位置する遊星歯車も角度αだけ回転するからである。なお、図中にハッチで指定した歯AとA’、BとB’、CとC’は、回転前後の同一の歯の位置を示す。
【0028】
外径側に位置する遊星歯車15の外径R15が4cmであるから、そのピッチ円における周長は8πである。スプロケット6の内歯歯車14の内径R14は12cmであるから、そのピッチ円における周長は24πである。
したがって、外径側に位置する遊星歯車15が1回転するのに伴い、スプロケット6は、(8π/24π=1/3)回転する。
【0029】
すなわち、例えば、太陽歯車2が3回転すれば、スプロケット6は1回転することとなり、これは、通常の自転車の回転軸1と一体に設けたスプロケット6が1回転するのと同様の走行速度であることを示している。
このとき、太陽歯車2は、その外径Rが2cmであるから、この太陽歯車2に生ずる力は、クランクの長さを17cm、ペダルに作用する脚力(踏力)が30kgであるとすれば、510/2(kg)であるから、この510/2(kg)がスプロケット6に伝達される。つまり、太陽歯車2の歯2aに生じた強大な力は、そのままスプロケット6の歯6aに伝達され、大きな減速比を得られる。
一方、通常の自転車のスプロケット6を回転させる際には、そのスプロケット6が上記実施形態と同じ外径Rを有しているとすれば、同一の脚力(踏力)によって、510/6(kg)の力がスプロケット6に伝達されることになるので、相対的に小さい減速比の構成となる。
【0030】
なお、後輪の従動側スプロケット4は、その半径(外径)Rが7cmとなっているので、そのピッチ円の周長は14π、スプロケット6の外径Rは14cmとなっているので、そのピッチ円の周長が28πである。このため、スプロケット6の前記1/3回転に伴い、従動側スプロケット4は、(1/3×28π/14π=2/3)回転することとなる。
すなわち、太陽歯車2の1回転に対し、後輪は2/3回転となる。
【0031】
なお、他の実施形態として、前記内径側に位置する遊星歯車10と前記外径側の遊星歯車15とを直接にリンクロッド20で連結した態様を採用してもよい。
【0032】
その構成は、図5に示すように、入力側の回転軸1、太陽歯車2、内歯歯車14を有するスプロケット6の構成は、前述の実施形態と同様である。また、前記太陽歯車2と前記スプロケット6の内歯歯車14との間に配置される内径側の遊星歯車10、その内径側に位置する遊星歯車10と前記太陽歯車2との回転を連動させる構成も同様である。
【0033】
外径側に位置する遊星歯車15は、前記内歯歯車14の内向きの歯14aと噛み合う外向きの歯15aを有し、前記補助内歯歯車24、補助太陽歯車22、補助遊星歯車25は省略されている。
また、その内外遊星歯車10,15には、リンクロッド20の両端21,26がそれぞれ差し込まれて、内外遊星歯車10,15間に回転力が伝達可能な状態で連結されている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】一実施形態の構造を示す説明図
【図2】図1の分解斜視図
【図3】図1の断面図
【図4】図1の作用を示す要部拡大図
【図5】図1の分解斜視図
【図6】図1の駆動機構を自転車に搭載した状態を示す説明図
【符号の説明】
【0035】
1 回転軸(クランク軸)
2 太陽歯車
3 後輪の車軸
4 スプロケット(従動側スプロケット)
5 ペダル
6 スプロケット(駆動側スプロケット)
7 クランク
8 チェーン
10,15 遊星歯車
11,16 遊星支軸
12,23 駆動用ベルト
14 内歯歯車
20 リンクロッド
21,26 リンクロッドの端部
22 補助太陽歯車
24 補助内歯歯車
25 補助遊星歯車
B ベースプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力側の回転軸1に太陽歯車2を設けてその太陽歯車2を前記回転軸1と一体に回転可能とし、前記太陽歯車2の外径側に、内歯歯車14を有するスプロケット6を前記回転軸1と同軸に設けて出力側とするとともに、そのスプロケット6を前記回転軸1に対し相対回転可能とし、前記太陽歯車2と前記スプロケット6の内歯歯車14との間に遊星歯車15を配置してその遊星歯車15と前記内歯歯車14とを噛み合わせ、前記遊星歯車15は、その遊星歯車15を支持する遊星支軸16周りの回転のみ許容されて前記太陽歯車2周りに公転しないようになっており、
前記入力側の回転軸1を通じて太陽歯車2に作用する駆動力を、前記太陽歯車2と前記遊星歯車15とを連結するリンクロッド20によって前記遊星歯車15へ伝達可能としたことを特徴とする自転車の駆動機構。
【請求項2】
入力側の回転軸1に太陽歯車2を設けてその太陽歯車2を前記回転軸1と一体に回転可能とし、前記太陽歯車2の外径側に、内歯歯車14を有するスプロケット6を前記回転軸1と同軸に設けて出力側とするとともに、そのスプロケット6を前記回転軸1に対し相対回転可能とし、前記太陽歯車2と前記スプロケット6の内歯歯車14との間に複数の遊星歯車10,15を径方向に並列して配置し、前記各遊星歯車10,15は、それぞれその遊星歯車10,15を支持する各遊星支軸11,16周りの回転のみ許容されて前記太陽歯車2周りに公転しないようになっており、前記各遊星歯車10,15のうち最外径側に位置する遊星歯車15と前記内歯歯車14とを噛み合わせるとともに他の遊星歯車10と前記太陽歯車2とは連動して回転するようにし、
前記入力側の回転軸1を通じて太陽歯車2に作用する駆動力を、前記他の遊星歯車10及び前記他の遊星歯車10と前記最外径側の遊星歯車15とを連結するリンクロッド20によって前記最外径側に位置する遊星歯車15へ伝達可能としたことを特徴とする自転車の駆動機構。
【請求項3】
前記内歯歯車14に噛み合う遊星歯車15を支持する遊星支軸16周りに補助太陽歯車22を軸周り不動に固定し、前記補助太陽歯車22と前記遊星歯車15に設けた補助内歯歯車24との間に補助遊星歯車25を配置し、前記補助遊星歯車25は、その補助遊星歯車25を支持する遊星支軸26周りの回転が許容されるとともに前記補助太陽歯車22周りに公転するようになっており、前記リンクロッド20は、前記補助遊星歯車25を支持する遊星支軸26を介して前記内歯歯車14に噛み合う遊星歯車15に連結されることを特徴とする請求項1又は2に記載の自転車の駆動機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−143420(P2008−143420A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−334811(P2006−334811)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(595113646)
【Fターム(参考)】