説明

自転車用発電ハブ、自転車用変速システム、自転車用ディレーラ及び自転車。

【課題】 自転車の製造コストを低く抑えることができ、かつ自転車の外観を損ねにくい自転車、自転車用変速システム及び自転車用ディレーラを提供する。
【解決手段】 自転車用変速システム88は自転車用フレームの後部に装着されるシステムであって、電動リアディレーラ97と、リアハブ1と、充電部8と、変速制御部87とを備えている。電動リアディレーラは、フレームの後部に装着される電気駆動されるディレーラである。リアハブは、車輪の回転により発電する発電機構8を有しフレームの後部に装着されるハブである。充電部は、リアハブに設けられ、発電部で発生した電力を蓄えるものである。変速制御部は、電動リアディレーラに設けられ、充電部に蓄えられた電力により電動リアディレーラを変速制御するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車の車輪中央部に設けられる自転車用発電ハブ、自転車用フレームの後部に装着される自転車用変速システム、自転車用フレームに装着される電気駆動される自転車用ディレーラ、及び自転車に関する。
【背景技術】
【0002】
自転車には、ディレーラや内装変速ハブなどの変速装置が装着されているものがある。このような変速装置において電動駆動されるものが従来知られている。従来の電動駆動される変速装置を含む変速システムでは、例えば車速に応じて電動駆動される変速装置が自動変速制御が行われたり、変速操作部の操作により変速制御が行われたりする(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
具体的には、自転車のハンドルに変速操作部を装着し、フレームに変速制御部を装着しさらに発電ハブを電源として使用している。前記従来の技術には、変速装置を電動駆動するモータユニットを設け、モータユニットと変速装置とを変速ケーブルで接続している変速システムと、電動変速装置と制御装置とを電気配線で接続している変速システムとが開示されている。
【0004】
従来の変速システムでは、変速操作部と変速制御部とを配線で接続するとともに、変速制御部と電動変速装置又はモータユニットとを配線で接続している。また、車速に応じて自動変速する場合には、前記従来の変速システムでは、ハブ内に設けられたダイナモからの信号により車速信号を得ている。しかし、通常の電池などを電源とする場合、さらに速度センサと変速制御装置とを配線で接続する必要がある。
【特許文献1】特開2003−011879号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来の変速システムでは、変速操作部と変速制御装置と変速装置とをそれぞれ自転車のフレームに取り付けた後、さらにそれらへの電気配線作業や変速ケーブルの配線作業を行わなければならない。このため、通常の自転車の組立作業に加えて変速システムの装置の装着作業や配線作業を行わなければならず、自転車の製造工程が大幅に増加し、製造コストの大幅な増加を招来する。また、変速システムの装着により外観が大きく変化して自転車の見栄えが悪くなる。
【0006】
一方、前記従来の変速システムでは、ハブ内に設けられたダイナモを電源として利用している。しかし、ダイナモの電力は車輪が回転しないと発生しないため、そのままでは電力供給が安定せず、変速制御装置などの自転車用電装品の電源として利用できない。
本発明の課題は、自転車の製造コストを低く抑えることができ、かつ自転車の外観を損ねにくい自転車、自転車用変速システム及び自転車用ディレーラを提供することにある。
【0007】
本発明の別の課題は、発生した電力を走行状態に係わらず安定して利用できる自転車用発電ハブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明1に係る自転車用発電ハブは、自転車の車輪中央部に設けられるハブであって、ハブ軸と、ハブ軸の外周に配置されるハブ体と、軸受と、発電部と、充電部と、電力出力部とを備えている。軸受は、ハブ体をハブ軸に対して回転自在に支持するためのものである。発電部は、車輪の回転により発電するものである。充電部は、発電部により発電された電力を蓄えるものである。電力出力部は、充電部に蓄えられた電力を外部に出力可能なものである。
【0009】
この自転車用発電ハブでは、車輪が回転すると発電部が電力を発生し、その発生した電力が充電部に蓄えられ、蓄えられた電力が外部に出力される。ここでは、ハブに充電部を設け、充電部に蓄えられた電力を出力するようにしたので、自転車が停止しても電力を電装品に出力することができる。このため、発生した電力を走行状態に係わらず安定して利用できる。
【0010】
発明2に係る自転車用発電ハブは、発明1に記載のハブにおいて、発電部は車輪の回転により交流電力を発電し、充電部は、発電部で発電された交流を直流に変換する整流回路と、整流された直流電力を蓄える蓄電素子とを有する。この場合には、交流電力が直流に変換されて蓄電素子に蓄えられるので、直流電力が電力出力部から外部に出力される。このため、変速制御装置などの、通常は直流で動作する電気装置の電源として発電ハブをそのまま利用できるようになる。
【0011】
発明3に係る自転車用発電ハブは、発明は2に記載のハブにおいて、充電部は、ハブ体に装着されハブ軸が貫通可能な座金形状の回路基板を有し、整流回路及び蓄電素子は、回路基板に搭載されている。このばあいには、ハブの内の円形の空間を利用して回路基板を配置できるので、充電部をコンパクトにハブ内に配置できる。
発明4に係る自転車用発電ハブは、発明2又は3に記載のハブにおいて、蓄電素子は、電気二重層コンデンサである。この場合には、比較的容量が大きく耐久性が高い電気二重層コンデンサを蓄電素子として使用することにより、使用電力量が大きいモータなどの駆動体を駆動できるようになるとともに、充放電を繰り返しても蓄電素子が劣化しにくい。
【0012】
発明5に係る自転車用発電ハブは、発明1から4のいずれかに記載のハブにおいて、発電部で発電された電力から速度検出用の信号を生成する速度信号生成部をさらに備える。この場合には、速度に応じて周波数が変化する電力から速度検出用の信号を生成することにより、速度検出用のセンサを用いることなく、自転車の走行速度を検出できる。このため、速度センサを設けることなく、この信号を変速装置の自動変速制御やサスペンションの制御に利用したり、速度表示や距離表示に利用したりできる。
【0013】
発明6に係る自転車用発電ハブは、発明5に記載のハブにおいて、蓄電素子に蓄えられた電力と速度信号生成部で生成された速度検出用の信号とを重畳する信号重畳部をさらに備え、電力出力部は、速度検出用の信号が重畳された電力を出力する。この場合には、1つの出力線で速度検出用の信号と電力とを出力できるので、配線本数を削減できるとともに配線時間も削減できる。
【0014】
発明7に係る自転車用発電ハブは、発明1から6のいずれかに記載のハブにおいて、発電部は、ハブ体の内周面に設けられた永久磁石と、永久磁石の内周側に配置され、ハブ軸に固定された内側固定ユニットとを有する。この場合には、発電部のハブ内に収納できるので、発電部のハブ体の外に配置する構成に比べて発電ハブがコンパクトになる。
発明8に係る自転車用発電ハブは、発明7に記載のハブにおいて、内側固定ユニットは、永久磁石の内周側に配置されたリング状のコイルと、コイルの軸方向一方側に設けられたそれぞれが複数の板状積層片からなる複数組の第1積層ヨークと、コイルの軸方向他方側に設けられたそれぞれが複数の板状積層片からなる複数組の第2積層ヨークとを有し、コイルの周囲を囲むように配置されたヨークとを備え、複数の板状積層片のそれぞれは、軸方向一方側又は他方側から逆側に延び永久磁石とコイルとの間に配置されたヨーク外周部と、ヨーク外周部と磁気的に結合されコイル内周の軸方向一方側又は他方側に配置されたヨーク内周部とを有し、複数組の第1及び第2積層ヨークは、それぞれのヨーク内周部が軸方向に対向し、かつヨーク外周部は円周方向に交互に位置するように設けられている。
【0015】
この場合には、永久磁石とヨーク外周部とが対向しており、これらが相対回転をすることによって、ヨーク内周部に交番磁束が発生する。これによりコイルに電流が流れて発電される。具体的には、第1積層ヨークのヨーク外周部がN極となり第2積層ヨークのヨーク外周部がS極となる状態と、第1積層ヨークのヨーク外周部がS極となり第2積層ヨークのヨーク外周部がN極となる状態とを交互に入れ換えて交番磁束を発生させている。この発電時に交番磁束に加えて渦電流を発生する。
【0016】
この渦電流は発電効率を低下させるものであるが、発電部においては、ヨークを複数の板状積層片から構成しているので渦電流の発生を抑えることができる。すなわちこのような発電部においては、渦電流の発生をヨークの厚み(板厚)の二乗に反比例して減少することが知られているが、ヨークを板状積層片で構成することによって厚みが薄くなり、渦電流の発生を抑えることができる。また、ここでは、ヨークの円周部を軸方向に対向して配置されているので第1積層ヨークと第2積層ヨークとが、それぞれのヨーク内周部によって磁気的に直接接続されることとなり、両積層ヨークを接続する為の他の磁性体が不要になる。しかも、両積層ヨーク間を磁束が通過する磁路断面積を十分に加工して磁気飽和を避けることができる。したがって、磁気抵抗等のロスを大幅に低減でき、出力と効率が向上し、無負荷回転トルクを低減できる。
【0017】
発明9に係る自転車用発電ハブは、発明1から8のいずれかに記載のハブにおいて、ハブ体に対して自転車の進行方向の回転のみ伝達可能なフリーホイールをさらに備える。この場合には、スプロケットを装着可能なフリーホイールが装着されているので、発電機能付きのリアハブを実現できる。このため、ランプ以外の後輪からの距離の方が前輪からよりも短い場所に配置されることが多い変速装置やその制御装置などの電装品に対して電力の供給を短い距離で行え、電力を効率良く供給できる。また、リアハブからはケーブルの配索本数が少ないので、配線をリアハブから電装品に行うことにより電装品の配線を行いやすくなる。
【0018】
発明10に係る自転車用変速システムは、自転車用フレームの後部に装着されるシステムであって、電動変速装置と、リアハブと、充電部と、変速制御部とを備えている。電動変速装置は、フレームの後部に装着される電気駆動される変速装置である。リアハブは、車輪の回転により発電する発電部を有しフレームの後部に装着されるハブである。充電部は、リアハブ及び電動変速装置のいずれかに設けられ、発電部で発生した電力を蓄えるものである。変速制御部は、リアハブ及び電動変速装置のいずれかに設けられ、充電部に蓄えられた電力により電動変速装置を変速制御するものである。
【0019】
この変速システムでは、自転車が走行するとフレーム後部に装着されるリアハブ内の発電部で発電された電力が充電部に蓄えられ、その電力によりフレーム後部に装着される電動変速装置が変速制御部により変速制御される。ここでは、リアハブに発電部を設けるとともに、リアハブ及び電動変速装置のいずれかに充電部及び変速制御部を設けたので、リアハブと電動変速装置とを自転車に装着し、それらを配線で接続するだけで変速システムを動作させることができる。ここでは、リアハブと電動変速装置以外の余分なものを自転車に装着することなく電源の交換を行う必要がない変速システムが動作するので、自転車の組立工数や配線工数を削減できるとともに、外観の変化も少なくなる。このため、この変速システムを自転車に装着しても、自転車の製造コストを低く抑えることができるとともに、自転車の外観を損ねにくい。
【0020】
発明11に係る自転車用変速システムは、発明10に記載のシステムにおいて、リアハブ及び電動変速装置のいずれかに設けられ、発電部で発電された電力から速度検出用の信号を生成する速度信号生成部をさらに備える。この場合には、速度に応じて周波数が変化する電力から速度検出用の信号を生成することにより、別に速度検出用のセンサを用いることなく、自転車の走行速度を検出できる。このため、速度センサを設けることなく、電動変速装置の自動変速制御を行える。
【0021】
発明12に係る自転車用変速システムは、発明11に記載のシステムにおいて、速度信号生成部は、リアハブに設けられている。この場合には、速度信号がリアハブ内で生成されるので、速度信号により自動変速する自転車用変速システムを実現しやすくなる。
発明13に係る自転車用変速システムは、発明10から12のいずれかに記載の装置において、電動変速装置は、フレームに装着されるベース部材と、ベース部材に対して移動する可動部材と、ベース部材と可動部材とを移動可能に連結するリンク機構と、可動部材に揺動自在に装着され、基端に装着されたガイドプーリと、先端に装着されたテンションプーリとを有するチェーンガイドと、リンク機構を駆動する電動駆動部とを有する電動リアディレーラである。この場合には、リアディレーラは、内装変速ハブに比べてリアハブ内の空間に余裕があるので、リアハブ内に充電部等のシステム構成の一部を設けやすくなる。
【0022】
発明14に係る自転車用変速システムは、発明13に記載のシステムにおいて、ガイドプーリ及びテンションプーリのいずれかの回転を検出する回転センサをさらに備える。この場合には、2つのプーリは自転車のクランクの回転に連動して回転するので、回転センサによりクランクの回転を検出できる。このため、クランクを回してチェーンを移動させないと変速できないディレーラの変速制御を確実に行える。
【0023】
発明15に係る自転車用変速システムは、発明10から14のいずれかに記載のシステムにおいて、変速制御部は、電動変速装置に設けられている。この場合には、制御対象の装置に変速制御部を設けたので、配線を削減することができ、さらに製造コストを削減できる。
発明16に係る自転車用変速システムは、発明10から15のいずれかに記載のシステムにおいて、充電部は、リアハブに設けられている。この場合には、電力を生成する発電部と充電部とを近接させることができるので電力ロスが少なくなり、電力を効率よく充電できる。
【0024】
発明17に係る自転車用変速システムは、発明11から16のいずれかに記載の装置において、変速制御部は、速度信号生成部で生成された速度検出用の信号により電動変速装置を自動変速制御する。この場合には、電源を交換することなく速度に応じてシフトアップやシフトダウンを行う自動変速制御を低コストで実現できる。
発明18に係る自転車用ディレーラは、自転車用フレームに装着される電気駆動されるディレーラであって、ベース部材と、可動部材と、リンク機構と、チェーンガイドと、電動駆動部と、変速制御部とを備えている。ベース部材は、フレームに装着される部材である。可動部材は、ベース部材に対して移動する部材である。リンク機構は、ベース部材と可動部材とを移動可能に連結する機構である。チェーンガイドは、可動部材に揺動自在に装着されるものである。電動駆動部は、リンク機構を駆動するものである。変速制御部は、電動駆動部を変速制御するものである。
【0025】
このディレーラでは、電動駆動部に加えて変速制御部が設けられているので、別に変速制御部や電動駆動部を設け必要がなくなり、電源や速度信号の信号線を接続するだけでディレーラを制御することができる。このため、自転車の外観が通常のディレーラを装着したものと変わりがないものになる。また、変速制御部や変速駆動部を装着する作業及びその配線作業が不要になり、自転車の製造工程を簡素化できる。このため、自転車の製造コストを低く抑えることができる。したがって、このディレーラを自転車に装着しても、自転車の製造コストを低く抑えることができるとともに、自転車の外観を損ねにくい。
【0026】
発明19に係る自転車用ディレーラは、発明18に記載のディレーラにおいて、チェーンガイドは、可動部材に揺動自在に装着されたプレート部材と、プレート部材の基端に回転自在に装着されたガイドプーリと、プレート部材の先端に回転自在に装着されたテンションプーリとを有し、ディレーラは、ガイドプーリ及びテンションプーリのいずれかの回転を検出する回転センサをさらに備える。この場合には、2つのプーリは自転車のクランクの回転に連動して回転するので、回転センサによりクランクの回転を検出できる。このため、クランクの回転を検出したときに変速制御を行うことにより、クランクを回してチェーンを移動させないと変速できないディレーラの変速制御を確実に行える。
【0027】
発明20に係る自転車用は、フレームと、前輪と、後輪と、電動変速装置と、充電部と、変速制御部とを有する。フレームは、ハンドル部及びフロントフォークを有している。前輪は、フロントフォークに回転自在に装着されている。後輪は、リアハブ及びリアハブに設けられた発電部を有し、フレーム後部に回転自在に設けられている。電動ディレーラは、フレーム後部に設けられている。充電部は、フリアハブ及び電動変速装置のいずれかに設けられ、発電部で発生した電力を蓄えるものである。変速制御部は、リアハブ及び電動リアディレーラのいずれかに設けられ、充電部に蓄えられた電力により電動変速装置を変速制御する。
【0028】
この自転車では、自転車が走行するとフレーム後部に装着されるリアハブ内の発電部で発電された電力が充電部に蓄えられ、その電力によりフレーム後部に装着される電動変速装置が変速制御部により変速制御される。ここでは、リアハブに発電部を設けるとともに、リアハブ及び電動変速装置のいずれかに充電部及び変速制御部を設けたので、リアハブと電動変速装置とを自転車に装着し、それらを配線で接続するだけで変速システムを動作させることができる。この結果、変速のためにリアハブと電動変速装置以外の余分なものを自転車に装着することなく電源の交換を行う必要がない変速制御システムが動作するので、自転車の組立工数や配線工数を削減できるとともに、外観の変化も少なくなる。このため、変速制御システムを自転車に装着しても、自転車の製造コストを低く抑えることができるとともに、自転車の外観を損ねにくい。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る自転車用発電ハブによれば、ハブに充電部を設けて充電部に蓄えられた電力を出力するようにしたので、自転車が停止しても電力を電装品に出力することができる。このため、発生した電力を走行状態に係わらず安定して利用できる。
本発明の別の発明に係る自転車用変速システムによれば、リアハブと電動変速装置以外の余分なものを自転車に装着することなく電源の交換を行う必要がない変速システムが動作するので、自転車の組立工数や配線工数を削減できるとともに、外観の変化も少なくなる。このため、この変速システムを自転車に装着しても、自転車の製造コストを低く抑えることができるとともに、自転車の外観を損ねにくい。
【0030】
本発明のさらに別の発明に係る自転車用ディレーラによれば、電動駆動部に加えて変速制御部が設けられているので、別に変速制御部や電動駆動部を設ける必要がなくなり、電源や速度信号の信号線を接続するだけでディレーラを制御することができる。このため、自転車の外観が通常のディレーラを装着したものと変わりがないものになる。また、変速制御部や変速駆動部を装着する作業及びその配線作業が不要になり、自転車の製造工程を簡素化できる。このため、自転車の製造コストを低く抑えることができる。したがって、このディレーラを自転車に装着しても、自転車の製造コストを低く抑えることができるとともに、自転車の外観を損ねにくい。
【0031】
本発明のさらにまた別の発明に係る自転車によれば、リアハブに発電部を設けるとともに、リアハブ及び電動変速装置のいずれかに充電部及び変速制御部を設けたので、リアハブと電動変速装置とを自転車に装着し、それらを配線で接続するだけで変速システムを動作させることができる。この結果、変速のためにリアハブと電動変速装置以外の余分なものを自転車に装着することなく電源の交換を行う必要がない変速制御システムが動作するので、自転車の組立工数や配線工数を削減できるとともに、外観の変化も少なくなる。このため、変速制御システムを自転車に装着しても、自転車の製造コストを低く抑えることができるとともに、自転車の外観を損ねにくい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図1において、本発明の一実施形態を採用した自転車101は、サスペンションフォーク98を有するダイヤモンド形のフレーム102と、サスペンションフォーク98に固定されたハンドル104と、チェーン95やペダルPDが装着されたギアクランク96や電動リアディレーラ(電動変速装置の一例)97等からなる駆動部105と、サスペンションフォーク98及びフレーム後部に装着され、スポーク99を有する前輪及び後輪106,107とを備えている。後輪107にはハブダイナモ(発電ハブの一例)1が設けられている。
【0033】
〔ハブダイナモの構成〕
図2において、本発明の一実施形態によるリアハブ1は、自転車の後輪107に設けられるリアハブであり、自転車の後輪107とともにフレーム102のチェーンステイ102aの後端に装着されるものである。このリアハブ1は、チェーンステイ102aの後端部に両端が固定されたハブ軸5と、ハブ軸5の外周側に配置されたハブ体6と、ハブ体6をハブ軸5に対して回転自在に支持するための1対の軸受7a,7bと、ハブ体6とハブ軸5との間に配置され両者の相対回転により発電する発電機構8と、発電機構8により発電された電力を蓄える充電部9と、ハブ体6の図2右側面設けられたフリーホイール10と、充電部9に蓄えられた電力を外部に出力可能な電力出力端子(電力出力部の一例)11とを備えている。
【0034】
ハブ軸5は、たとえばクロムモリブデン鋼製の筒状部材であり、その両端がクイックレリーズ機構50によってフレーム102後端部に容易にできるように着脱できるように固定されている。クイックレリーズ機構50は、カムレバー51と、ナット52と、両端にレバー及びナット51,52が螺合する連結軸53とを有する公知のものである。ハブ軸5には、内部をクイックレリーズ機構50の連結軸53が貫通しており、外周面の3箇所に左端から順に雄ねじ部5a〜5cが形成されている。雄ねじ部5aは軸受7aの玉押し(後述)を装着すると共に発電機構8の内側固定ユニット(後述)を固定するためのものである。雄ねじ部5bは、内側固定ユニットを固定するためのものである。雄ねじ部5cは、軸受7bの玉押し(後述)を装着するためのものである。ハブ軸5の右端部には、電力出力端子11が回転不能に装着されている。また、ハブ軸5の外周面には電力出力用の接続コード35a,35bを通すためのコード通過溝5dが発電機構8装着部分から図2右端にかけて形成されている。コード通過溝5dを挟んでハブ軸5の雄ねじ部5aが形成された外周面には、互いに平行な面取り部5e(図9)が形成されている。ここで、接続コード35aは、発電機構8と充電部9とを接続するための配線であり、接続コード35bは、充電部9と電力出力端子11とを接続するための配線である。
【0035】
ハブ体6は、たとえば軽量なアルミニウム合金製の部材であり、開口12dを図2右側面側に有する筒状ケース本体12と、ケース本体12の開口12dを覆うようにケース本体12に着脱自在に装着された蓋部材13とを有している。ケース本体12の外周面には軸方向に間隔を隔てて配置された1対のハブフランジ12a,12bが形成されている。このハブフランジ12a,12bにスポーク99が連結されている。ケース本体12の開口12dは、発電機構8を組み付け可能な大きさを有しており、そこには、蓋部材13を装着するための雌ねじ部12eが形成されている。ケース本体12の左端部には、ディスクブレーキ55のディスクロータ55aを装着可能なブレーキ装着部12cが設けられている。
【0036】
蓋部材13は、ケース本体12の雌ねじ部12eに螺合する雄ねじ部13dを外周に有する外筒部13aと、外筒部13aの内周側に間隔を隔てて配置された内筒部13bと、両筒部13a,13bを連結する連結部13cとが一体形成された部材である。内筒部13bの内周面には、フリーホイール10を連結するための連結ボルト44が螺合している。
【0037】
軸受7aは、ケース本体12とハブ軸5との間に装着されている。軸受7aは、ケース本体12の左端内周面に設けられた玉受け14aと、ハブ軸5の雄ねじ部5aに螺合する玉押し14bと、玉押し14bと玉受け14aとの間に両者にそれぞれ接触して転動するボール14cとを有している。軸受7bは、フリーホイール10とハブ軸5との間に配置されている。軸受7bは、フリーホイール10に設けられた玉受け15aと、ハブ軸5の雄ねじ部5cに螺合する玉押し15bと、玉押し15bと玉受け15aとの間に両者にそれぞれ接触して転動するボール15cとを有している。ボール14c,15cの周囲にはグリースが充填されている。
【0038】
発電機構8は、ケース本体12に固定された永久磁石16と、ハブ軸5に固定された内側固定ユニット17とを有している。
永久磁石16は、図2に示すように、ケース本体12の内面に固定されており、円周方向に等間隔に分割された4個の磁石体から構成されている。この永久磁石16には、等間隔で交互にN極とS極とが着磁されており、それぞれが後述するヨーク外周部と対抗している。
【0039】
内側固定ユニット17は、リング状のコイル20と、コイル20の周囲を囲むように設けられたヨーク21とを有している。そして、これらのコイル20及びヨーク21は、ハブ軸5の外周に形成された雄ねじ部5a,5bに螺合する1対のナット22a,22bにより挟まれるようにしてハブ軸5に固定され、かつ軸方向において永久磁石16に対向するような位置関係に位置決めされている。
【0040】
コイル20は、図3に示すようなボビン25に巻かれている。ボビン25は、図3及び図3の拡大部分図である図4に示すように(図3、図4ともに、ヨークは取り外して示している)、外周にコイル20が巻かれた筒状の胴部26と、胴部26の軸方向両端部に形成された第1フランジ27及び第2フランジ28とを有している。第1及び第2フランジ27,28において、軸方向外側の側面には、ほぼ放射状に延びる複数の溝27a,28aが形成されている。これらの溝27a,28aは、外周側では、軸方向視で互いにずれるように、すなわち、第1フランジ27の隣接する2つの溝27aの間に第2フランジ28の溝28aが位置するように、また半径方向のほぼ中間部においては両溝27a,28aが軸方向視で部分的に重なるように、さらに、内周側では、両溝27a,28aの軸方向視でほぼ全部が重なるように形成されている。そして、各溝27a,28aの外周側一部は、切り欠かれて切欠部27b,28bとなっている。また、各フランジ27,28の外周面において、溝27a,28aが形成されていない部分には、図4及び図4の斜視部分図である図5に示すように、軸方向の内側から外側に所定長さの複数の凹部27c,28cが形成されている。なお、図5では、説明の便宜のために、一部のヨークを取り外して示している。
【0041】
図6にボビン25に装着されたヨーク21を示し、図7及び図8にヨーク21のみを取り出して示す。このヨーク21は、図5及び図6に示すように、ボビン25の第1フランジ27の溝27aに嵌め込むようにして装着された複数組の第1積層ヨーク30と、同様にボビン25の第2フランジ28の溝28aに嵌め込むようにして装着された複数組の第2積層ヨーク31とを有している。
【0042】
各積層ヨーク30,31は、図7及び図8に示すような複数の板状積層片32を積層することにより構成されている。各積層片32は、表面に酸化被膜が形成されている珪素鋼板(より詳しくは無方向性珪素鋼板)で形成されている。各積層片32の基本的な形状は同じであり、コア外周部32aと、コア内周部32bと、連結部32cとを有している。コア外周部32aは、連結部32cの一方の端部からハブ軸5の軸方向(図7におけるO−O方向)に沿って延びるように設けられ、先端側にいくにしたがって細くなるような形状である。また、コア内周部32bは、連結部32cの他方の端部から同様に軸方向に沿って延びて設けられている。そして、これらの積層片32は、図8に示すように、軸方向視で、ヨーク外周部32aとヨーク内周部32bとが異なる放射線上に位置するように形成されている。
【0043】
また、各積層片32の厚みは0.25〜1mmのものが使用され、0.5mmのものがコスト的にも性能的にも利用価値が高い。各積層片32は長さが異なっている。すなわち、各積層ヨーク30,31は、8枚の積層片32を積層することによって構成されているが、各積層ヨーク30,31において、図8に示すように、最も外側の1対の積層片321,328は内周側の長さが最も短く、その内側の1対の積層片322,327はその次に短く、さらにその内側の1対の積層片323,326はその次に短く、最も内側の1対の積層片324,325は最も長く形成されている。このような長さに設定することによって、円周方向において隣接する積層ヨークの内周部が互いに接触しないように、かつ磁路の断面積が最も広くとれるような効率の良い構成とすることができる。
【0044】
さらに、図5から明らかなように、各積層ヨーク30,31を構成する積層片32のうち、円周方向の両外側に位置する積層片321,328は、コア外周部32aの長さが他の積層片と比較してほぼ1/2程度に短く形成されている。これは、円周方向において隣接する積層片321,328同士が近接するのを防止し、両者の間で磁束が漏れるのを抑えるためである。また、各積層ヨーク30,31は、両フランジ27,28よりハブ軸方向外方に突出している。
【0045】
さらにまた、図7から明らかなように、各積層片32は、コア外周部32aと連結部32cとを接続する部分の外側(図7におけるP部分)が、円弧形状ではなく、鋭角状に形成されている。したがって、この部分においても永久磁石16との距離が近くなり、従来の板金プレスによって形成されたヨークに比較して磁束量が増えることになる。
なお、以上のような各積層片32は、第1積層ヨーク30及び第2積層ヨーク31に共通で用いることができる。
【0046】
このような積層片32は積層されて、ボビン25の各フランジ27,28に形成された溝27a,28aに嵌め込まれている。また、各積層片32のヨーク外周部32aの先端部は、ボビン25の対向する側のフランジ27,28に形成された凹部27c,28cに嵌め込まれて保持されている。
このようなヨーク21によって、図2に示すように、コイル20の内周側に第1及び第2積層ヨーク30,31のヨーク内周部32bが位置し、コイル20と永久磁石16との間にヨーク外周部32aが位置することになる。また、図5及び図2から明らかなように、第1積層ヨーク30と第2積層ヨーク31のヨーク内周部32bは、互いに直接的に接続されることになる。したがって、第1積層ヨーク30と第2積層ヨーク31とを接続するための他の磁性材料からなる部材が不要となり、抵抗を非常に小さく抑えることができる。
【0047】
なお、図2に示すように、コイル20及びヨーク21を固定するためのナット22a,22bのヨーク21側には、ワッシャ23a,23bが装着されている。このうち、ワッシャ23bは、図9に示すように、ハブ軸5の面取り部5eに係合する互いに平行な面を有する略長円形の係止孔23cを有しており、ハブ軸5に回転不能に係止される。また、ワッシャ23bには、第1積層ヨーク30の突出部分に係止される突起部23dが第1フランジ27に向けてプレス加工により突出して形成されている。さらに、ワッシャ23bには、コイル20から導出される接続コード35aを通すためのスリット23eが、係止孔23cのコード通過溝5dに対向する位置から径方向外方に切り欠いて形成されている。
【0048】
これによりワッシャ23bは、内側固定ユニット17をハブ軸5に対して回り止めできるので、コイル20から取り出された接続コード35aをコード通過溝5dに確実に案内できる。この接続コード35aは、充電部9に接続されている。
充電部9は、図2に示すように、発電機構8とともにハブ軸5に固定されている。具体的には、充電部9は、図2及び図10に示すように、ワッシャ状の回路基板60を有しており、回路基板60がワッシャ23bとナット22bとの間に絶縁ワッシャ56を介してハブ軸5に回転不能に装着されている。
【0049】
回路基板60には、図10及び図11に示すように、たとえば3つの電気二重層コンデンサ61aからなる蓄電素子61と、たとえば半波整流回路を含む充電制御回路62とが搭載されている。また、回路基板60には、たとえば、ツェナーダイオードを用いた波形成形回路(速度信号生成部の一例)63と、蓄電素子61及び波形成形回路63に接続された速度重畳回路64とが搭載されている。
【0050】
充電制御回路62は、発電機構8で発電された交流電力を整流して直流に変換し、蓄電素子61に充電するための回路である。波形成形回路63は、発電機構8で発電された電力から発電周波数に応じたパルス信号を生成するものである。このパルス信号のパルス幅は、マイクロコンピュータをリセットしない程度の短いものである。このパルス信号の周期と車輪径とにより速度や走行距離を検出できる。速度重畳回路64は、波形成形回路63から出力されたパルス信号で蓄電素子61からの出力をオンオフし、直流の電力に速度信号を重畳するものである。これにより、電力を外部に出力する接続コード35bを介して速度信号を外部に出力できる。回路基板60には、発電機構8に接続された接続コード35a及び電力出力端子11に接続される接続コード35bを接続するための雄コネクタ66が装着されている。各接続コード35a,35bには、雄コネクタ66に電気的に着脱自在に接続される雌コネクタ67が設けられている。
【0051】
フリーホイール10は、図2に示すように、ハブ体6の蓋部材13の内周側側面に回転不能に連結されたベース部41と、ベース部41に回転自在に装着されたギア取付部42と、ベース部41とギア取付部42との間に配置されたワンウェイクラッチ43とを有している。
前述したようにベース部41は、内筒部13bの内周面にねじ込まれた筒状の連結ボルト44により内筒部13bと連結されている。連結ボルト44は頭部でベース部41を係止している。また、内筒部13bとベース部41とは連結ボルト44の外周側で両者の間に配置された連結部材45により回転不能に連結されている。連結部材45の外周面にはセレーションが形成されており、連結部材45は内筒部13bに形成されたセレーションに圧入されている。この圧入された連結部材45のセレーションがベース部41の一端内周面に形成されたセレーションに噛み合っている。これにより、内筒部13bとベース部41とが回転不能に強固に連結されている。
【0052】
ベース部41は筒状の部材であり、そこには、軸受7bの玉受け15aがねじ込まれている。玉受け15aはギア取付部42を支持するための軸受の玉押しと兼用されている。
また、ベース部41には、ワンウェイクラッチ43を構成する爪部材43aが起伏自在に装着されている。ワンウェイクラッチ43はギア取付部42に装着された多段ギア54(すなわちペダル)の進行方向の回転のみベース部41に伝達するとともに、後輪107の進行方向の回転を多段ギア54に伝達しないようにするためのクラッチである。爪部材43aはバネ部材43bにより起きる方向に付勢されている。爪部材43aは、ギア取付部42が進行方向に回転すると、ギア取付部42の内周面に形成されたラチェット歯43cに噛み合ってギア取付部42からベース部41に回転を伝達する。ギア取付部42は筒状の部材であり、外周に多段ギア54が着脱自在かつ回転不能に装着される。
【0053】
電力出力端子11は、ハブ軸5に回転不能に装着されている。この実施形態では、コード配線溝5dを通って配線された接続コード35bをリアディレーラ97に電気的に使用するために使用される。電力出力端子11からは、速度信号が重畳された直流電力が出力される。
次に、リアハブ1の動作について説明する。
【0054】
自転車のペダルPDをこぐとギアクランク96の回転がチェーン95を介して多段ギア54に伝達され、ギア取付部42が回転する。この回転がワンウェイクラッチ43を介してベース部41に伝達されハブ体6が回転し、後輪107が進行方向に回転する。走行中にペダルをこぐのを止めるとワンウェイクラッチ43がオフして後輪107が回転してもその回転がギア取付部42に伝達されず、ギアクランク96は回転しない。しかし、ハブ軸5とハブ体6とが相対回転する。
【0055】
ハブ軸5に対して後輪107すなわちハブ体6が回転すると、ハブ軸5に固定されている内側固定ユニット17に対して永久磁石16が回転する。これにより、コイル20及びヨーク21のヨーク外周部32aの外周側を永久磁石16が回転することになる。
ここで、第1積層ヨーク30のヨーク外周部32aと、第2積層ヨーク31の外周部32aとは、一方が永久磁石16からN極の磁束供給を受けるときには他方がS極の磁束供給を受け、一方が永久磁石16からS極の磁束供給を受けるときには他方がN極の磁束供給を受ける。すなわち、第1及び第2積層ヨーク30,31のヨーク外周部32aの外周側を永久磁石16が回転することにより、第1積層ヨーク30がN極で第2積層ヨーク31がS極である第1状態、及び第1積層ヨーク30がS極で第2積層ヨーク31がN極である第2状態が繰り返されて、両者30,31を磁気的に連結している両積層ヨーク30,31のヨーク内周部32bに交番磁束が発生する。このコイル20の内側に発生する交番磁束によって、コイル20に電流が発生し、発電がされる。
【0056】
この実施形態によるリアハブ1では、ヨーク21を板状の積層片32を積層して構成しているので、従来の板金プレス成形によって構成した場合に比較して、渦電流の発生を抑えることができる。
また、本実施形態のように、クローポール構造では、ヨーク部分を単純に積層構造に置き換えただけでは、対向するヨーク同士を接続するために他の磁性材料を必要とし、そのために磁気抵抗が増加して効率が低下する。しかし、本実施形態では、ヨークの形状を工夫し、対向する第1及び第2積層ヨークの内周側部分を互いに直接的に接続可能としたので、第1及び第2積層ヨークを接続するための他の部材が不要となり、しかも磁束が通過するのに必要充分な断面積を確保することができる。したがって、磁気抵抗を非常に小さくでき、効率を向上することができる。
【0057】
発電された電力は、充電部9に出力され、充電部9の充電制御回路62で整流されて直流電力に変換され蓄電素子61に蓄えられる。また、波形成形回路63で自転車の速度に応じた周期のパルス信号が生成され、そのパルス信号により蓄電素子61からの直流電力がオンオフされ、速度信号が重畳した直流電力が接続コード35aを経由して電力出力端子11から出力される。ここでは、リアハブ1は後輪107に設けられているので、ランプ以外の後輪からの距離が短い電装品に対して電力の供給を短い距離で行え、電力を効率良く供給できる。また、後輪107のリアハブ1からはケーブルの配索本数が少ないので、配線を後輪107のリアハブ1から電装品に行うことにより電装品の配線を行いやすくなる。また、リアハブ1に充電部9を設けてそこに蓄えられた電力を出力するようにしたので、自転車101が停止しても電力を電動リアディレーラ97などの電装品に出力することができる。このため、発生した電力を走行状態に係わらず安定して利用できる。
【0058】
〔電動ディレーラの構成〕
電動リアディレーラ97は、リアハブ1に装着された複数のスプロケットを有する多段ギア54のいずれかのスプロケットにチェーンを案内して変速するものである。電動リアディレーラ97は、図12及び図13に示すように、チェーンステイ102aの後端に設けられたディレーラ取付部102b(図1)に装着されるベース部材70と、ベース部材70に対して移動する可動部材71と、ベース部材70と可動部材71とを移動可能に連結するリンク機構72と、可動部材71に揺動自在に装着されるチェーンガイド73と、リンク機構72を制御する駆動ユニット74とを備えている。
【0059】
ベース部材70は、六角穴付きボルト80によりディレーラ取付部102bに固定される。ベース部材70は、ディレーラ取付部102bに装着されるボス部81a及びアーム部81bを有する主フレーム81と、主フレーム81にボルトにより装着される副フレーム82とを有している。この主フレーム81と副フレーム82とに挟まれて駆動ユニット74が配置されている。主フレーム81には、リアハブ1の電力出力端子11とを配線により接続するための配線接続部85が設けられている。この配線接続部85と電力出力端子11とを配線により接続することにより電動リアディレーラ97に電力及び速度信号が与えられ、電動リアディレーラ97が動作する。
【0060】
可動部材71は、リンク機構72に連結されており、駆動ユニット74によりリンク機構72が駆動されると、チェーンステイ102aと接離する方向に移動する。可動部材71には、チェーンガイド73が揺動自在かつチェーン95に張力を付与する方向(図12時計回りに)に付勢された状態で装着されている。
リンク機構72は、一端が駆動ユニット74に連結され、他端が可動部材71に連結された1対のリンク83,84を有している。リンク83,84は互いに平行に配置されており、駆動ユニット74に連結された一端が回動すると、他端に設けられた可動部材71がチェーンステイ102aと接離する方向に平行移動する。
【0061】
チェーンガイド73は、可動部材71に揺動自在に装着された第1プレート部材90と、第1プレート部材90の外側に間隔を隔てて配置された第2プレート部材91と、第1及び第2プレート部材90,91の基端に回転自在に装着されたガイドプーリ92と、第1及び第2プレート部材90,91の他端に回転自在に装着されたテンションプーリ93とを有している。両プレート部材90,91は、各プーリ92,93を取り付けるボルトにより固定されている。第1プレート部材90のガイドプーリ92と対向する位置には、たとえば、リードスイッチからなるプーリセンサ94が装着されている。また、ガイドプーリ92のプーリセンサ94に対向する位置には、検出子としての磁石94aが埋め込まれている。これにより、ガイドプーリ92が回転しているか否かを検出している。このガイドプーリ92の回転は、チェーン95の移動に連動するため、ギアクランク96の回転を検出できる。ディレーラ97は、ギアクランク96が回転していないときに変速すると不具合が生じるため、このプーリセンサ94の出力により変速制御を行える状態か否かの判断をする。
【0062】
駆動ユニット74は、主フレーム81及び副フレーム82により挟持され以下の各部を収納するケース部材75と、リンク機構72をモータ76により駆動するモータユニット77と、モータ76を駆動するモータ駆動回路78と、モータユニット77により駆動されるチェーンガイド73の変速位置を検出するための変速位置センサ79と、位置補正メモリ86とを有している。また、駆動ユニット74は、プーリセンサ94、リアハブ1から得られる速度信号、及び変速位置センサ79の出力によりモータ駆動回路78を介してモータ76を制御する変速制御部87を有している。
【0063】
モータユニット77は、リンク機構72のリンク83に連結されており、モータ76の回転を減速してリンク83を揺動させる。変速位置センサ79は減速されたモータユニットの回転位置を検出する。このため、変速位置センサ79の検出された回転位置とチェーンガイド73の変速位置とは比例した関係にならない。このため、位置補正メモリ86が必要になる。位置補正メモリ86には、チェーンガイド73の変速位置と、変速位置センサ79が検出した回転位置との関係がたとえばテーブル形式で記憶されている。
【0064】
変速制御部87は、たとえば、CPU,I/Oインターフェイス、RAM,ROMとを含むマイクロコンピュータで構成され、前述したように、主に速度信号により電動リアディレーラ97を自動変速制御する。この、電動リアディレーラ97と、リアハブ1と、充電部9と、変速制御部87とで変速システム88が構成される。
このような変速システム88では、リアハブ1に発電機構8及び充電部9を設けるとともに、電動リアディレーラ97に変速制御部87を設けたので、リアハブ1と電動リアディレーラ97とを自転車101に装着し、それらを配線で接続するだけで変速システム88を動作させることができる。ここでは、リアハブ1と電動リアディレーラ97以外の余分なものを自転車10に装着することなく電源の交換を行う必要がない変速システム88が動作するので、自転車の組立工数や配線工数を削減できるとともに、外観の変化も少なくなる。このため、この変速システム88を自転車101に装着しても、自転車101の製造コストを低く抑えることができるとともに、自転車101の外観を損ねにくい。
【0065】
次に、変速制御部87の変速制御動作について、図14及び図15に示す制御フローチャートに基づいて説明する。
ライダーが自転車101を走行させ、発電機構8から発電された電力により蓄電素子61が電力を十分に蓄えると、自転車1の変速制御が可能となる。これにより、まず、図14のステップS1にて変速制御部87の初期設定を行う。この初期設定では、変数OPを「1」に初期化する。OPは、変速段の値であり、図示しないメモリには、変速段OPごとのシフトアップしきい値U(OP)及びシフトダウンしきい値D(OP)が車速の値で記憶されている。
【0066】
ステップS2では、リアハブ1からの速度信号をもとに算出した車速Vを取り込む。ステップS3では、設定された変速段OPを取り込む。これは、変速位置センサ79の出力を元に位置補正メモリ86からのデータを読み出して取り込む。ステップS4では、取り込んだ車速Vが変速段毎のシフトアップしきい値U(OP)を上回っているか否かを判断する。ステップS5では、取り込んだ車速Vが変速段毎のシフトダウンしきい値D(OP)を下回っているか否かを判断する。取り込んだ車速Vが変速段毎のシフトアップしきい値U(OP)を上回っていると判断すると、ステップS4からステップS6に移行し、プーリセンサ94からの出力によりギアクランク96が回転している、つまりライダーがペダルPDを踏んでいるか否かを判断する。ギアクランク96が回転していると判断すると、ステップS7に移行する。ステップS7では、図15に示すシフトアップ処理を実行する。ギアクランク96が回転していないと判断すると、シフトアップ処理を行わずにステップS5に移行する。
【0067】
取り込んだ車速Vが変速段毎のシフトダウンしきい値D(OP)を下回っていると判断すると、ステップS5からステップS8に移行し、ステップS6と同様に、プーリセンサ94の出力により、ギアクランク96が回転しているか否かを判断する。ギアクランク96が回転していると判断すると、ステップS9に移行する。ステップS9では、図16に示すシフトダウン処理を実行する。ギアクランク96が回転していないと判断すると、シフトアップ処理を行わずにステップS2に戻る。
【0068】
ステップS7のシフトアップ処理では、図15のステップS11で現在の変速段OPを1段分インクリメントして目標変速段を設定する。ステップS12では、モータ76が正転動作中であるか否かを判断する。これにより、電動リアディレーラ97がシフトアップ方向に変速動作中であるか否かを判断する。モータ76が正転動作していない場合、つまりシフトアップ変速動作中でない場合にはステップS13に移行し、モータ76を正転動作させるとともに変速位置センサ79の位置データSHの取込を開始する。モータ97がすでに正転動作している場合にはこの処理をスキップする。
【0069】
ステップS14では、位置データSHが設定された目標変速段に達したか否か、つまり変速動作を終了してもよいか否かを判断する。変速動作を終了してもよいと判断するとステップS15に移行し、変速モータをオフするとともに変速位置センサの位置データの取込を終了する。
ここでは、変速動作中であっても最初にステップS11で目標変速段を新たに設定して以前に設定された目標変速段を更新している。
【0070】
ステップS9のシフトダウン処理では、図16のステップS21で現在の変速段OPを1段分デクリメントして目標変速段を設定する。ステップS22では、モータ76が逆転動作中であるか否かを判断する。これにより、電動リアディレーラ97がシフトダウン方向に変速動作中であるか否かを判断する。モータ76が逆転動作していない場合、つまりシフトダウン変速動作中でない場合にはステップS23に移行し、モータ76を逆転動作させるとともに変速位置センサ79の位置データSHの取込を開始する。モータ76がすでに逆転動作している場合にはこの処理をスキップする。
【0071】
ステップS24では、位置データSHが設定された目標変速段に達したか否か、つまり変速動作を終了してもよいか否かを判断する。変速動作を終了してもよいと判断するとステップS25に移行し、モータ76をオフするとともに変速位置センサ79の位置データSHの取込を終了する。
ここでもシフトアップ処理と同様に、変速動作中であっても最初にステップS21で目標変速段を新たに設定して以前に設定された目標変速段を更新している。
【0072】
このような自動変速制御を行う場合、従来は、リアハブから出力された電力を自転車に装着された充電回路により整流して直流に変換し、車速センサから取り込んだ車速に応じて同じく自転車に装着された変速制御部によりディレーラ等の変速装置を制御している。
しかし、本実施形態では、リアハブ1内に充電部9を設けリアハブ1内で交流を直流に変換して出力しているので、充電回路が不要になる。また、変速制御部87がリアディレーラ97に装着されているので、変速制御部を別に設ける必要がない。このため、配線としては、リアハブ1の電力出力端子11と電動リアディレーラ97の配線接続部85とを用意すればよい。しかも、リアハブ1内で速度信号を電力に重畳して出力するので、配線として2芯の線を用意するだけでよい。このため、自転車組み立て時の配線作業が飛躍的に簡素化される。また、自転車101にリアハブ1と電動リアディレーラ97とを装着するだけでよいので、部品の装着作業も簡素化され、自転車の組み立てコストが飛躍的に低減する。
【0073】
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、電動変速装置として電動リアディレーラを例示したが、充電機能を有する電動内装変速ハブを用いてもよい。すなわち、内装変速ハブの内部に前記実施形態と同様な発電機構を装着するとともに、ハブ軸にモータユニットとモータ駆動回路と変速制御部とをたとえばケース等に収納して装着すればよい。このような内装変速ハブの場合、ハブを自転車に装着するだけで自動変速制御を行うことができる。
【0074】
(b)前記実施形態では、充電部9をリアハブ1内に設け、変速制御部87を電動リアディレーラ97に設けたが、両方ともリアハブ1に設けてもよく、また電動リアディレーラに設けてもよい。ただし、その他の電装品の電源として発電機構8の出力を利用したり、速度信号を利用したりする場合、前記実施形態のように配置するのが好ましい。
(c)前記実施形態では、発電機構8をリアハブ1内に配置したが、リアハブの外部に配置してもよい。この場合、充電部等もハブの外部に配置してもよい。
【0075】
(d)前記実施形態では、自動変速処理だけを行うようにしたが、ハンドル部に変速操作部を設け、変速操作部と電動リアディレーラ97とを電気的に接続して手動変速を行えるようにしてもよい。この場合でも、変速操作部の装着と、変速操作部と電動リアディレーラとの間の配線だけを行えばよいので、従来に比べて装置の装着作業や配線作業が簡素化する。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施形態を採用した自転車の側面図。
【図2】本発明の一実施形態によるリアハブの半截断面図。
【図3】ボビンの断面側面図及び正面図。
【図4】図4の拡大部分図。
【図5】ボビン及びヨークの斜視部分図。
【図6】ボビン及びヨークの正面図。
【図7】積層片の側面図。
【図8】積層片の正面図。
【図9】内側固定ユニットの回り止め構造を示す断面図。
【図10】充電部の正面図。
【図11】変速システムのシステム構成図。
【図12】電動リアディレーラの側面図。
【図13】その正面図。
【図14】変速制御動作のメインルーチンの処理内容を示すフローチャート。
【図15】そのシフトアップ処理の内容を示すフローチャート。
【図16】そのシフトダウン処理の内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0077】
1 リアハブ
5 ハブ軸
6 ハブ体
7 軸受
8 発電機構
9 充電部
10 フリーホイール
11 電力出力端子
16 永久磁石
17 内側固定ユニット
20 コイル
21 ヨーク
25 ボビン
27,28 フランジ
30,31 第1及び第2積層ヨーク
32 積層片
32a ヨーク外周部
32b ヨーク内周部
60 回路基板
61 蓄電素子
61a 電気二重層コンデンサ
62 充電制御回路(整流回路の一例)
63 波形成形回路(速度信号生成部の一例)
64 速度重畳部(信号重畳部の一例)
70 ベース部材
71 可動部材
72 リンク機構
73 チェーンガイド
74 駆動ユニット
78 モータ駆動回路
87 変速制御部
90,91 第1及び第2プレート部材
92 ガイドプーリ
93 テンションプーリ
94 プーリセンサ
97 電動リアディレーラ(電動変速装置の一例)
98 サスペンションフォーク
101 自転車
102 フレーム
106 前輪
107 後輪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車の車輪中央部に設けられる自転車用発電ハブであって、
ハブ軸と、
前記ハブ軸の外周に配置されるハブ体と、
前記ハブ体を前記ハブ軸に対して回転自在に支持するための軸受と、
前記車輪の回転により発電する発電部と、
前記発電部により発電された電力を蓄える充電部と、
前記充電部に蓄えられた電力を外部に出力可能な電力出力部と、
を備えた自転車用発電ハブ。
【請求項2】
前記発電部は前記車輪の回転により交流電力を発電し、
前記充電部は、
前記発電部で発電された交流を直流に変換する整流回路と、
前記整流された直流電力を蓄える蓄電素子とを有する、請求項1に記載の自転車用発電ハブ。
【請求項3】
前記充電部は、前記ハブ体に装着され前記ハブ軸が貫通可能な座金形状の回路基板を有し、
前記整流回路及び蓄電素子は、前記回路基板に搭載されている、請求項1に記載の自転車用発電ハブ。
【請求項4】
前記蓄電素子は、電気二重層コンデンサである、請求項2又は3に記載の自転車用発電ハブ。
【請求項5】
前記発電部で発電された電力から速度検出用の信号を生成する速度信号生成部をさらに備える、請求項1から4のいずれか1項に記載の自転車用発電ハブ。
【請求項6】
前記蓄電素子に蓄えられた電力と前記速度信号生成部で生成された前記速度検出用の信号とを重畳する信号重畳部をさらに備え、
前記電力出力部は、前記速度検出用の信号が重畳された電力を出力する、請求項5に記載の自転車用発電ハブ。
【請求項7】
前記発電部は、
前記ハブ体の内周面に設けられた永久磁石と、
前記永久磁石の内周側に配置され、前記ハブ軸に固定された内側固定ユニットとを有する、請求項1から6のいずれかに記載の自転車用発電ハブ。
【請求項8】
前記内側固定ユニットは、
前記永久磁石の内周側に配置されたリング状のコイルと、
前記コイルの軸方向一方側に設けられたそれぞれが複数の板状積層片からなる複数組の第1積層ヨークと、前記コイルの軸方向他方側に設けられたそれぞれが複数の板状積層片からなる複数組の第2積層ヨークとを有し、前記コイルの周囲を囲むように配置されたヨークとを備え、
前記複数の板状積層片のそれぞれは、軸方向一方側又は他方側から逆側に延び前記永久磁石とコイルとの間に配置されたヨーク外周部と、前記ヨーク外周部と磁気的に結合され前記コイル内周の軸方向一方側又は他方側に配置されたヨーク内周部とを有し、
複数組の前記第1及び第2積層ヨークは、それぞれの前記ヨーク内周部が軸方向に対向し、かつ前記ヨーク外周部は円周方向に交互に位置するように設けられている、請求項7に記載の自転車用発電ハブ。
【請求項9】
前記ハブ体に対して前記自転車の進行方向の回転のみ伝達可能なフリーホイールをさらに備える、請求項1から8のいずれか1項に記載の自転車用発電ハブ。
【請求項10】
自転車用フレームの後部に装着される自転車用変速システムであって、
前記フレームの後部に装着される電気駆動される電動変速装置と、
車輪の回転により発電する発電部を有し前記フレームの後部に装着されるリアハブと、
前記リアハブ及び前記電動変速装置のいずれかに設けられ、前記発電部で発生した電力を蓄える充電部と、
前記リアハブ及び前記電動変速装置のいずれかに設けられ、前記充電部に蓄えられた電力により前記電動ディレーラを変速制御する変速制御部と、
を備えた自転車用変速システム。
【請求項11】
前記リアハブ及び前記電動変速装置のいずれかに設けられ、前記発電部で発電された電力から速度検出用の信号を生成する速度信号生成部をさらに備える、請求項10に記載の自転車用変速システム。
【請求項12】
前記速度信号生成部は、前記リアハブに設けられている、請求項11に記載の自転車用変速システム。
【請求項13】
前記電動変速装置は、
前記フレームに装着されるベース部材と、
前記ベース部材に対して移動する可動部材と、
前記ベース部材と前記可動部材とを移動可能に連結するリンク機構と、
前記可動部材に揺動自在に装着され、基端に装着されたガイドプーリと、先端に装着されたテンションプーリとを有するチェーンガイドと、
前記リンク機構を駆動する電動駆動部とを有する電動リアディレーラである、請求項10から12のいずれか1項に記載の自転車用変速システム。
【請求項14】
前記ガイドプーリ及びテンションプーリのいずれかの回転を検出する回転センサをさらに備える、請求項13に記載の自転車用変速システム。
【請求項15】
前記変速制御部は、前記電動変速装置に設けられている、請求項10から14のいずれか1項に記載の自転車用変速システム。
【請求項16】
前記充電部は、前記リアハブに設けられている、請求項10から15のいずれか1項に記載の自転車用変速システム。
テム。
【請求項17】
前記変速制御部は、前記速度信号生成部で生成された速度検出用の信号により前記電動変速装置を自動変速制御する、請求項11から16のいずれか1項に記載の自転車用変速システム。
【請求項18】
自転車用フレームに装着される電気駆動される自転車用ディレーラであって、
前記フレームに装着されるベース部材と、
前記ベース部材に対して移動する可動部材と、
前記ベース部材と前記可動部材とを移動可能に連結するリンク機構と、
前記可動部材に揺動自在に装着されるチェーンガイドと、
前記リンク機構を駆動する電動駆動部と、
前記電動駆動部を変速制御する変速制御部と、
を備えた自転車用ディレーラ。
【請求項19】
前記チェーンガイドは、
前記可動部材に揺動自在に装着されたプレート部材と、
前記プレート部材の基端に回転自在に装着されたガイドプーリと、
前記プレート部材の先端に回転自在に装着されたテンションプーリとを有し、
前記ガイドプーリ及びテンションプーリのいずれかの回転を検出する回転センサをさらに備える、請求項18に記載の自転車用ディレーラ。
【請求項20】
ハンドル部及びフロントフォークを有するフレームと、
前記フロントフォークに回転自在に装着された前輪と、
リアハブ及び前記リアハブに設けられた発電部を有し、前記フレーム後部に回転自在に設けられ後輪と、
前記フレーム後部に設けられた電動変速装置と、
前記リアハブ及び前記電動変速装置のいずれかに設けられ、前記発電部で発生した電力を蓄える充電部と、
前記リアハブ及び前記電動変速装置のいずれかに設けられ、前記充電部に蓄えられた電力により前記電動変速装置を変速制御する変速制御部と、
を備えた自転車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−8062(P2006−8062A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−191685(P2004−191685)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】