説明

臭気コントロール組成物

酸化ケイ素化合物と、臭気コントロール組成物の約0.2から10重量%の量の遷移金属とを含む臭気コントロール組成物を提供する。酸化ケイ素化合物は、シリコンソースとテンプレート(例えば、シクロデキストリン・テンプレート)から形成される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
臭気コントロール添加物は、通常種々の理由で繊維性材料に組み込まれている。例えば、Guarracino他に付与された米国特許第6,225,524号は、吸収性ゲル化材料とシリカを含む臭気コントロール組成物を有する基材について記載する。同様に、Guarracino他に付与された米国特許第6,376,741号は、シリカと沸石(すなわち結晶性アルミノケイ酸塩)を含む臭気コントロール組成物を有する基材について記載する。残念ながら、通常の臭気コントロール組成物が吸収性商品と一緒に用いられる時、望まれる完全なレベルの臭気コントロールを得るには、効果がないことが分かっている。
【0002】
従って、臭気コントロール組成物を基材に適用する時、臭気コントロール特性の改良を示すことができる臭気コントロール組成物の必要性が存在する。
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,225,524号公報
【特許文献2】米国特許第6,376,741号公報
【特許文献3】米国特許第3,849,241号公報
【特許文献4】米国特許第4,340,563号公報
【特許文献5】米国特許第3,692,618号公報
【特許文献6】米国特許第3,802,817号公報
【特許文献7】米国特許第3,338,992号公報
【特許文献8】米国特許第3,341,394号公報
【特許文献9】米国特許第3,502,763号公報
【特許文献10】米国特許第3,502,538号公報
【特許文献11】米国特許第3,542,615号公報
【特許文献12】米国特許第5,382,400号公報
【特許文献13】米国特許第3,494,821号公報
【特許文献14】米国特許第4,144,370号公報
【特許文献15】米国特許第5,284,703号公報
【特許文献16】米国特許第6,315,864号公報
【特許文献17】米国特許第4,100,324号公報
【特許文献18】米国特許第5,284,703号公報
【特許文献19】米国特許第5,350,624号公報
【特許文献20】米国特許第4,798,603号公報
【特許文献21】米国特許RE.32,649公報
【特許文献22】米国特許第4,467,012号公報
【特許文献23】米国特許第4,604,313公報
【特許文献24】米国特許第4,655,757号公報
【特許文献25】米国特許第6,387,495号公報
【特許文献26】欧州特許出願書類第0,339,461号公報
【非特許文献1】Jounal of American Chemical Society,Vol60,1938,p.309に掲載されたBruanauer、エメット、及びテラーの物理的ガス吸着(B.E.T.)法
【発明の開示】
【0004】
本発明の一態様によれば、シリコンソースから形成された酸化ケイ素化合物(例えば、シリカ、金属ケイ酸塩及びその他)とシクロデキストリン・テンプレートとを含む臭気コントロール組成物が開示される。シリコンソースは、アルコキシシラン(例えばテトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等)、ハロゲン化ケイ素(例えば四フッ化ケイ素、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素等)、及びそれらの化合物からなるグループから選択できる。シクロデキストリンは、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、δ−シクロデキストリン、それらの誘導体(例えば、ヒドロキシアルキルα−シクロデキストリン、アルキルα−シクロデキストリン、ヒドロキシアルキルβ−シクロデキストリン、アルキルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシアルキルγ−シクロデキストリン、アルキルγ−シクロデキストリン等)、及びそれらの化合物からなるグループから選択できる。ある態様においては、酸化ケイ素化合物はB.E.T.表面積が約100から約1500m2/g、もう一つの態様においては約500から約1000m2/gである。さらに、酸化ケイ素化合物は微細孔直径の中央値が約20ナノメーターより小さく、ある態様においては約10ナノメーターより小さく、そして他の態様においては約5ナノメーターより小さくすることができる。
【0005】
臭気コントロール組成物はさらに、臭気コントロール組成物の約0.2から約10重量%、ある態様においては約0.5から約5重量%、そして他の態様においては約1から約3重量%の組成の遷移金属を含む。遷移金属は、スカンジウム、チタニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀及びそれらの化合物からなるグループから選択でき、酸化ケイ素化合物の格子構造の一部を構成してもよいし、構成しなくてもよい。
【0006】
本発明の別の態様によれば、臭気コントロール組成物は、シリコンソースとテンプレートから作られた酸化ケイ素化合物含むことが開示される。臭気コントロール組成物はさらに、該臭気コントロール組成物の約0.2から約10重量%の組成の遷移金属を含み、その中の酸化ケイ素化合物は微細孔直径の中央値が約20ナノメーターより小さい。
【0007】
本発明のなお別の態様によれば、基材に臭気コントロールが適用されることが開示される。臭気コントロール組成物は、基材の約0.5から約25重量%、ある態様においては約1から約10重量%を構成する。臭気コントロール組成物は、酸化ケイ素化合物と臭気コントロール組成物の約0.2から10重量%の量の遷移金属を含む。
【0008】
本発明のさらに別の態様によれば、パーソナルケア吸収性製品は、少なくとも1つの液体透過層と液体吸収性コアを含むことが開示される。基材は、液体透過層、液体吸収性コア、又はそれらの組合せの少なくとも一部を形成し、その中の基材に臭気コントロール組成物が適用される。臭気コントロール組成物は、酸化ケイ素化合物と、臭気コントロール組成物の約0.2から約10重量%の量の遷移金属とを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の他の特徴及び態様が、以下においてさらに詳細に記載される。
それらの最良の様式を含み、当業者を対象にした本発明の完全で実施可能な程度の開示は、添付図面を参照して詳細に、明細書の残りの部分に記載される。
本明細書及び図面における参照文字の反復使用は、本発明の同一又は類似の特性又は要素を表すことを意図するものである。
【0010】
(定義)
本明細書で用いられる「吸収性製品」という用語は、水又は他の液体を吸収し得るどのような製品をも意味する。幾つかの吸収性製品の実施例は、これらに限られるものではない、おむつ、トレーニングパンツ、吸収性アンダーパンツ、成人向失禁用品、女性用衛生用品(例えば、生理用ナプキン)、水着、幼児用拭き取り材、及びその他のもののようなパーソンルケア吸収性製品、衣類、開窓材料、アンダーパッド、包帯、吸収性布のような医療用吸収性製品、並びに医療用拭き取り材、給食用拭き取り材、衣料品、その他を含む。そのような吸収性製品を作るのに適した材料や工程は、当業者に周知である。
【0011】
本明細書で用いられる「不織布又はウェブ」という用語は、互いに交絡されているが、編布におけるような識別可能な形態ではない個々の繊維又は糸の構造を有するウェブを意味する。不織布又はウェブは、例えばメルトブロー工程、スパンボンド工程、ボンデッドカーデッドウェブ工程等のような、多くの工程から形成されている。
【0012】
本明細書で用いられる「メルトブロー」という用語は、溶融熱可塑性材料を、複数の微細な、通常は円形のダイ毛細管を通して、収束する高速ガス(例えば、空気)流の中に溶融繊維として押し出し、溶融した熱可塑性材料の繊維がガス流によって細められ、直径が可能性としてはマイクロファイバーの直径にまで縮小されることにより繊維が形成される工程を意味する。その後、メルトブロー繊維は高速ガス流により運搬されて、集積面に堆積され、ランダムに分散したメルトブロー繊維のウェブを形成する。このような工程は、例えばブタン他に付与された米国特許第3,849,241号により公開されており、この特許は、本明細書に引用によりその全体が組み込まれる。一般的に言って、メルトブロー繊維はマイクロ繊維であり、連続的又は非連続的のものがあり、そして一般的に平均直径10ミクロンより小さくて、通常集積面に堆積する時に粘着性がある。
【0013】
本明細書で用いられる「スパンボンド」という用語は、溶融した熱可塑性材料を、通常は円形の紡糸口金の複数の微細な毛細管から繊維として押し出し、次いで押し出された繊維の直径を、例えば引取り及び/又は他の公知のスパンボンド装置によって、急速に縮小させることにより小さな直径の実質的に連続的繊維を形成する工程を意味する。スパンボンド不織ウェブの生成は、例えば、アッペル他に付与された米国特許第4,340,563号、ドーシュナー他に付与された第3,692,618号、マツキ他に付与された第3,802,817号、キニーに付与された第3,338,992号、第3,341,394号、ハルトマンに付与された第3,502,763号、レビーに付与された第3,502,538号、ドボー他に付与され第3,542,615号、及びパイク他に付与された第5,382,400号に記載され、図示されており、これらは、本明細書に引用により全体が組み込まれる。スパンボンド繊維は、集積面に堆積する時には一般的に粘着性がない。スパンボンド繊維は、時には直径約40ミクロンより小さく、約5から約20ミクロンである。
【0014】
以下に、本発明の種々の実施形態について詳細に言及し、その一又はそれ以上の実施例を説明する。各実施例は説明のために提示するものであり、本発明を限定するものではない。事実、各種の修正及び変更が、発明の意図又は精神から逸脱することなく本発明においてなされ得ることは、当業者に明らかであろう。例えば、一つの態様の一部として図示され又は記載された特徴を、他の態様に対して用いて、さらに次の態様を生成することができる。すなわち、本発明は、このような修正及び変更を含むことを意図するものである。
【0015】
一般的に、本発明は、シリカ、金属ケイ酸塩等のような酸化ケイ素化合物を含む臭気コントロール組成物を対象にする。酸化ケイ素は、完全な結晶性から非晶質(非結晶性)までの多様な結晶化度を有して存在し、自然ソース(例えば、ダイアト・マセウス土)と合成ソースの両方から導くことができる。例えば特定の態様として、シリカは、シリコンソースとテンプレートから形成することができる。シリコンソースは、例えばアルコキシシラン、ハロゲン化ケイ素(例えば四フッ化ケイ素、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素等)及びその他のものを含むことができる。本発明で用いることができるある適切なアルコキシシラン化合物は、これらに限られるものではないが、テトラメトキシ、テトラエトキシ、テトラプロポキシそしてテトラブトキシシランのような、テトラアルコキシシランを含む。このようなシランの特定の実施例が、テトラメチルオルトシラン(TMOS)又はテトラエチルオルトシラン(TEOS)である。
【0016】
各種のテンプレートも又、微小孔性シリカを合成するのに用いることができる。このようなテンプレートの共通の例は、これらに限られるものではないが、非イオン、陽イオン、陰イオン及び/又は両親媒性の界面活性化剤を含む。例えば、エチレンオキサイド系非イオン性界面活性化剤を、シリカ合成のためのテンプレートとして用いることができる。他の態様においては、シクロデキストリンをシリカ合成のためのテンプレートとして用いることができる。本発明において使用に適するシクロデキストリンのいくつかの例は、これらに限られるものではないが、それぞれ6,7,8,9D−グルコース分子から構成されたα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、δ−シクロデキストリンを含む。ヒドロキシアルキルα−シクロデキストリン、アルキルα−シクロデキストリン、ヒドロキシアルキルβ−シクロデキストリン、アルキルβ−シクロデキストリン、ヒドロキシアルキルγ−シクロデキストリン、アルキルγ−シクロデキストリン及びその他のもののような上述したシクロデキストリン分子の誘導体も又、本発明において用いることができる。シクロデキストリン・テンプレートで作られたシリカは、種々の利点を有する可能性がある。例えば、シクロデキストリンは、幾つかのD−グルコースの分子を含む環状多糖類であり、各種の分子の貯蔵所としての役目を果たす円柱状の中心中空チャンネルによって特徴づけられる。このチャンネルの内側部は一般的に疎水性であり、一方、チャンネルの外側部は一般的に親水性である。すなわち、シクロデキストリン分子は水溶液中に置かれると、長いチャンネル状配列の束になる。従ってシクロデキストリン基底液がシリコンソースと結合すると、シクロデキストリン分子は、その結果得られるシリカ構造内に、それらの長いチャンネル形状に対応する微細孔を形成する。このようにして、シクロデキストリンは、シリカにとって「ナノキャスティング」材料として作用し、単にシクロデキストリン分子を変えるだけで、容易にその微細孔サイズをコントロールすることができる。
【0017】
モル濃度ベースでは、と反応組成物中のシリコンソースの量は、テンプレートの量に少なくとも等しく、望ましくは、テンプレートの数倍多くすることができる。特にシリコンソースに対するテンプレートのモル濃度比は、一般的に約10-6から約1の範囲であり、ある態様においては約10-4から約1である。シラン化合物の加水分解に影響させるためシリコンソースとテンプレートの組成物に加える水の量は、典型的には、アルコキシシラン化合物のモル当たり約1から約100モルの範囲で、ある態様においてはアルコキシシラン化合物のモル当たり約2から約30モルである。
【0018】
シリコンソースの加水分解と組成物のゲル化は、典型的には約20から150°Cの温度の範囲、ある態様においては約40から80°Cの温度の範囲で遂行される。ある態様においては、シリコンソースの加水分解とシラノール濃縮を、組成物に触媒として酸又は塩基を添加することによって促進することができる。適切な酸触媒の例は、例えば塩酸又は酢酸を含む。事実、アルコキシシラン化合物のごく一部をシリコン四ハロゲン化物、例えばシリコン四塩化物に代えると、上記のようにシリコン四塩化物の加水分解が、アルコキシシラン化合物の加水分解とゲル化を促進する触媒の役目を果たすことができる塩化水素を生成することができる。
【0019】
十分な加水分解とゲル化が行われたとき、シリカゲルは、次いで液体成分、例えば水又はメタノールを除去するために乾燥させられる。シリカゲルを乾燥又は脱水する温度は、通常テンプレートの分解温度を上回らない。例えば、シリカゲルは、減圧の下で約50から約100℃の温度の回転式蒸発器中で乾燥してゲルの乾燥形にすることができる。乾燥したシリカゲルは、次いでか焼されてシリカ粉末が得られる。か焼は、例えば酸素含有大気の下で、微細孔の構造の実質的な崩壊をきたさない約300から約750℃、幾つかの態様においては400から約600℃の温度のもと、遂行することができる。か焼の結果、テンプレートがシリカからが除去されて、各種の悪臭化合物の吸着に用いることができる微細孔が残る。
【0020】
幾つかの態様において、酸化ケイ素化合物は、制御された微小孔性微細孔サイズ分布、例えば微細孔直径の中央値が約20ナノメーターより小さく、ある態様においては約10ナノメーターより小さく、そして他の態様においては約5ナノメーターより小さい微小孔性微細孔サイズの分布を有するものとすることができる。酸化ケイ素化合物も又、典型的には比較的高い表面積を有する。例えば、酸化ケイ素化合物は、B.E.T.表面積が約100から約1500m2/g、ある態様においては約400から約1200m2/g、さらにある態様においては約500から約1000m2/gである。理論によって制限されることを意図するものではないが、このような小微細孔サイズ分布と大きな表面積が、多くの悪臭化合物に対する酸化ケイ素化合物の吸着能を改善できると信じられる。特に多数の微小細孔が、酸化ケイ素化合物が曝されている他の化合物よりも、悪臭化合物を選択的に吸着することを可能にすると信じられる。
【0021】
本発明によれば、臭気コントロール組成物は又、遷移金属を含む。本発明で使用することができる幾つかの適切な遷移金属の例は、これらに限られるものではないが、スカンジウム、チタニウム、バナジウム、クロム、マグネシウム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀、及び同様のものを含む。理論に制限されるものではないが、臭気コントロール組成物中の遷移金属の存在が、酸化ケイ素化合物のルイス酸度を改善し、したがって多くの悪臭化合物の電子対を遊離するために受容性を高めると信じられる。
【0022】
遷移金属は、種々の形で臭気コントロール組成物に組み込むことができる。例えば、遷移金属塩及び/又は酸化物は、該遷移金属塩及び/又は酸化物が形成される前、形成される間及び/又は形成された後に、該酸化ケイ素化合物と結合させることができる。例えば、本発明で用いることができる遷移金属塩は、これらに限られるものではないが、塩化鉄、塩化銅等のようなハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、炭酸塩及び同様のものを含む。ある態様においては、遷移金属塩及び/又は酸化物は、シリコンソース及び/又はテンプレートのようは酸化ケイ素前駆物質と結合することができる。このようにして組み合わせると、遷移金属塩及び/又は酸化物は、金属をシリコン原子と交換することによって酸化ケイ素化合物の格子の一部を構成し、その結果、遷移金属ケイ酸塩を形成すると信じられる。もちろん、遷移金属塩は又、酸化ケイ素化合物が合成された後、酸化ケイ素化合物と結合することができる。このような事例においては、遷移金属は、化合物の格子に典型的には組み込まれず、結果的に生じた酸化ケイ素化合物は、ほぼ100重量%のシリカを含有するようになると信じられる。
【0023】
臭気コントロール組成物中の遷移金属の相対的な量は、遷移金属、基材、目的物における悪臭化合物の性質及びその他の要素によって変化し得る。例えば、遷移金属の存在は、比較的低い濃度で酸化ケイ素化合物の臭気吸着を改善すると信じられており、あまりに高い濃度を用いると現実には臭気吸着は減少するとも信じられる。従って、ある態様においては、遷移金属は、臭気コントロール組成物の約0.2から約10重量%、ある態様においては、約0.5から約5重量%、ある態様においては約1から約3重量%を構成するようにする。同様に、酸化ケイ素は、臭気コントロール組成物の約90から約99.8重量%、ある態様においては、約95から約99.5重量%、ある態様においては、約97から約99重量%の構成とすることができる。
【0024】
本発明によれば、上記の臭気コントロール組成物は、基材が曝される環境において、基材が臭気の生成を減少させるのを助けるように基材に適用される。組成物の量は、基材の性質や意図する用途によって変更することができる。しかしながら、殆どの態様においては、臭気コントロール組成物は、基材の約0.5から約25重量%、ある態様においては約1から約10重量%、ある態様においては約2から約8重量%の構成である。臭気コントロール組成物は、どんな種類の周知の適用技術を用いてでも、基材に適用することができる。例えば、組成物は、基材の格子内に組み込むことができ、及び/又は、これらの表面に適用することができる。組成物を基材に適用する適切な技術は、プリント、噴霧、溶融押出、溶剤塗布及びその他を含む。一つの特定態様においては、基材を形成する間に臭気コントロール組成物を繊維内に分散する。
【0025】
種々の異なる基材のいずれでも、本発明による臭気コントロール組成物を組み込むことができる。例えば、フィルム、不織布、織布、編布、湿潤強度紙等に、臭気コントロール組成物を適用することができる。利用される場合、不織布は、これらに限られるものではないが、スパンボンドウェブ(開口又は非開口)、メルトブローウェブ、ボンデッドカーデッドウェブ、空気堆積ウェブ、コフォームウェブ、水圧交絡ウェブ及びその他を含む。
【0026】
多くの場合、基材は全て又は一部の吸収性製品を形成する。吸収性製品は通常、液体透過性身体側ライナー、該身体側ライナーの下側の液体透過性サージ層、該サージ層の下側の液体吸収性コア、及び吸収性コアの下側の水蒸気浸透性で液体不浸透性の外カバーを含む。ある態様においては、本発明による処理済み基材は、液体透過性(非保持性)層及び吸収性層のいずれか一つとして使用される。吸収性製品の吸収性コアは、例えば、親水性繊維の格子を含む吸収性不織ウェブから形成することができる。ある態様においては、吸収性ウェブは、セルロース綿毛繊維のマトリックスを含むことができる。本発明で用いることができる一種の綿毛は、米国、アラバマ州、Childersburgの米国連合から入手できる取引指定CR1654と同一であり、そして漂白された主要な針葉樹の繊維を含む高吸収性硫酸塩木材パルプである。他の態様においては、吸収性不織ウェブは、水圧交絡ウェブを含む。水圧交絡工程、及び、種々の異なる繊維の組成物を含む水圧交絡組成物は、当技術分野においては周知である。典型的な水圧交絡工程は、繊維及び/又はフィラメントを酸化ケイ素化合物交絡させて、高度に交絡された強固な繊維構造、例えば不織布を形成するために、水の高圧ジェット流を使う。ステープル繊維と連続フィラメントの水圧交絡不織布は、例えば、エバンスに付与された米国特許第3,494,821号、Bouoltonに付与された第4,144,370号により開示されており、これらh、本明細書に引用により全体が組み込まれる。連続フィラメント不織ウェブとパルプ層の水圧交絡組成物からなる不織布は、例えば、エヴァーハート他に付与された米国特許第5,284,703号、アンダーソン他に付与された第6,315,864号に開示されており、これらは、本明細書に引用により全体が組み込まれる。
【0027】
別の形式の適切な吸収性不織ウェブはコフォーム材料であり、それは典型的にはセルロース繊維とメルトブロー繊維の混合である。「コフォーム」という用語は、一般的には熱可塑性繊維の組成物又は安定化マトリックスと第2の非熱可塑性材料を含む混合材料を意味する。例として、コフォーム材料は、少なくとも一つのメルトブローダイヘッドがシュートの近くに配置され、ウェブが形成する間にこのシュートを通して他の材料がウェブに加えられる工程によって作ることができる。このような他の材料は、これらに限られるものではないが、例えば綿、レーヨン、再生紙、パルプ綿毛及び超吸収性粒子をも含む木質又は非木質パルプのような繊維性有機材料、無機質吸収性材料、処理された重合体ステープル繊維、及びその他を含む。このコフォーム材料の幾つかの例は、アンダーソン他に付与された米国特許第4,100,324号、エヴァーハート他に付与された第5,284,703号、ジョージャー他に付与された第5,350,624号に開示されており、これらは、本明細書に引用により全体が組み込まれる。
【0028】
望むなら、吸収性不織ウェブも又超吸収性の材料を含むことができる。超吸収剤は、該超吸収剤自体の重量に対して大量の液体の吸収する能力がある。生理用ナプキンに使われている典型的な超吸収剤は、それらの重量の約5から約60倍の間の血液を吸収できる。超吸収性材料は、これらに限られるものではないが、粒子、繊維及び薄片を含む多種多様の形状に作られる。膨張した状態での高い機械的安定性、急速な水吸収能、そして強力な液体結合能力を有する超吸収剤は、典型的には吸収性製品の中でよく機能する。ヒドロキシ官能性ポリマーは、この用途に良い超吸収剤であることが認められている。例えば、ポリアクリル酸やポリビニルアルコールの部分的中和架橋結合共重合体のような、ヒドロゲル形成ポリマーを用いることができる。ポリマーが形成された後、約1%の無水クエン酸粉末と混合される。クエン酸は、超吸収剤の月経や血液の吸収能を増強することが認められている。これは、生理用ナプキンや他の女性用パッドの用途に特に有益である。細かく挽いた水なしの無水クエン酸粉末を微量のヒュームド・シリカと一緒に、適当な粒子サイズを選別したポリマーと混合する。この組成物は又組成物又はラミネート構造も形成することができる。このような超吸収剤は、とりわけダウケミカル&ストックハウゼン社から入手できる。この超吸収剤は、負荷値約25以上の下で吸収性を有するポリアクリル酸とポリビニルアルコールの架橋結合共重合体の部分的中和塩である。幾つかの適切な超吸収剤が、マイヤーズ他に付与された米国特許第4,798,603号、ブラント他に付与されたRE.32,649、ピーダースン他に付与された第4,467,012号、マクファーランド他に付与された第4,604,313と第4,655,757号、リーヴス他に付与された第6,387,495号に開示されており、クレンバーガーに付与された欧州特許出願書類第0,339,461号にも開示されている。
【0029】
上記のように、臭気コントロール組成物は又、身体側ライナー又はサージ層のような吸収性製品の液体透過性層に適用することができる。このような液体透過性層は、典型的には液体を速やかに伝搬する意図があり、すなわち一般的に著しい量の水溶液を保持しない、又は吸収しない。この方法で液体を伝搬する材料は、これらに限られるものではないが、熱可塑性スパンボンドウェブ、メルトブローウェブ、ボンデッドカーデッドウェブ、空気堆積ウェブ及びその他を含む。これら非保持性の不織ウェブを構築するためには、多種多様の熱可塑性材料、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、エチレンとプロピレンの共重合体、エチレン又はプロピレンとC4−C2アルファオレフィンとの共重合体、エチレンとプロピレン及びC4−C20アルファオレフィンとの三元重合体、エチレンビニルアセテート共重合体、プロピレンビニルアセテート共重合体、スチレンポリ(エチレンアルファオレフィン)高分子弾性体、ポリウレタン、Aがポリスチレンのようなポリ(ビニルアレーン)部分から形成されBが共役ジエン又は低級アルケンのような高分子弾性ミドブロックであるとした場合のA−B共重合体、ポリエーテル、ポリエーテルエステル、ポリアクリレート、エチレンアルキルアクリレート、ポリイソブチレン、ポリ−1−ブテン、エチレン−1−ブテン共重合体を含むポリ−1−ブテンの共重合体、ポリブタジエン、イソブチレン−イソプレン共重合体、及びそして上述のもののいずれかの組合せを含む材料を用いることができるが、これらに限られるものではない。
【0030】
基材と吸収性製品の種々の態様を上記したが、他の態様も又本発明において意図されていることを理解すべきである。事実、臭気コントロール組成物の組合わせを、本発明の利点を遂行するために多種多様な基材と組み合せて用いることができる。
【0031】
このように、本発明の結果として、改善された臭気コントロールの特性を有する基材を形成することができる。特に酸化ケイ素化合物と遷移金属の特定の選択が、組成物の臭気減少能に対する相乗効果を有すると信じられる。例えば、この臭気コントロール組成物は、ジメチル二硫酸塩(DMDS)のような硫黄化合物、アンモニア、トリメチルアミン(TMA)、トリエチルアミン(TEA)等のようなアミン、アルデヒド、ケトン、炭酸、トリクロルエタンのような塩素化エタン等のような臭気を減少できる。この臭気コントロール組成物は又、他の役目も果たすことができる。例えば、一つの態様において臭気コントロール組成物は、果物によって生成されるエチレンを吸着して腐敗を抑えるのにも用いることができる。
【0032】
本発明は、次の実施例を参照することにより、さらに理解することができる。
【0033】
(試験方法)
臭気吸着は、「ヘッドスペース・ガス・クロマトグラフィー」として知られる試験を用いた実施例で測定した。ヘッドスペース・ガス・クロマトグラフィー試験は、アジレント・テクノロジーズ5890、アジレント・テクノロジーズ7694ヘッドスペース・サンプラー(ドイツ、ワルドブロンのアジレント・テクノロジー)を備えるシリーズIIガス・クロマトグラフにおいて実施した。ヘリウムを搬送ガス(注入ポートの圧力12.7psig、ヘッドスペース・バイアルの圧力15.8psig、供給線の圧力60psig)として用いた。長さ30m、内径0.25mmのA DB−624カラムをトリメチラミン(TMA)とジメチル二硫酸塩(DMDS)に用いた。このカラムは、カリフォルニア州、フォルサムのJ&W社から入手したものである。長さ8フィート、内径0.085インチのHAYESEP P 60/80カラムをアンモニアに用いた。このカラムは、イリノイ州、ディアフィールドのALLTECH ASSOCIATES社から入手したものである。
【0034】
ヘッドスペース・ガス・クロマトグラフィーに用いた運転パラメータを、下の表1に示す:
表1:ヘッドスペース・ガス・クロマトグラフィー機器の運転パラメータ

【0035】
試験手順は、20cm3ヘッドスペース・バイアルにサンプル0.005−0.006g入れることを含んでいた。悪臭剤(TMA、アンモニア、又はDMDS)も又、注射器を用いて分割してバイアルに入れた。バイルは次いでキャップと隔膜で密閉して、37℃のヘッドスペース・ガス・クロマトグラフィーオーブンの中に入れた。10分後管状針を、隔膜を通してバイアルの中に挿入した。1cm3ヘッドスペース(バイアル内部は空気)のサンプルを、次いでガス・クロマトグラフの中に注入した。
【0036】
初めに臭気剤(TMA、アンモニア、又はDMDS)のアリコートだけの対照バイアルで、臭気剤吸着が0%を規定する試験をした。サンプルによって除去されたヘッドスペース臭気剤の量を計算するために、サンプルバイアルの臭気剤のピーク面積と、対照バイアルの臭気剤のピーク面積を比較した。試験は、3.8mgのDMDS(3.6μL)、1.5mgのNH3(28%NH3/H2O溶液の6μL)、そして2.0mgのTMA(40%TMA/H2O溶液の5.0μL)、そして0.005−0.006gのサンプルで実施した。各サンプルは、繰り返し試験した。
【実施例1】
【0037】
悪臭化合物を吸着する臭気コントロール組成物の有効性が示された。最初は、コントロール微細孔サイズのシリカ前駆体であるサンプル(サンプルA)を、次の通り形成した。20.0gのヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン(セレスターから入手)を、0.643gの溶解した硫酸鉄七水化物(アルドリッチから入手)を含む250mLビーカー中の30.0g蒸留水に加えた。塩酸(37%HCL)を、溶液pHを約2に下げるために加えた。次いで、40.0gのテトラメチル・オルトケイ酸塩(TMOS、98%、アルドリッチ)を加え、そしてその溶液を500mLの丸底フラスコに移す前に約5分間攪拌した。フラスコを、揮発物を除去するために40℃の真空の下で10分間rot−a−vapに取り付けた。ガラス様の反応生成物を翌日フラスコから削り取って、次いで110℃で17時間磁器製のるつぼの中で乾燥させた。シクロデキストリン・テンプレートを除去するためにサンプルを、少し蓋を開けたるつぼの中に固体を置き460℃で17時間空気中のマッフルファーネス中で焼成処置を実施することを含む、「過剰酸素」と呼ばれる処置を用いて灰になるまで焼いた。結果得られるサンプルAの鉄変成シリカは、シリカに対する鉄の量が1.8%に相当する0.009のFe/Siモル比であった。
【0038】
サンプルAは次いで上記のように臭気吸着の試験をした。比較する目的で、対照サンプルも又上記の方法で金属の添加なし(対照#1)で試験した。さらに、各種の商業上利用されているシリカ化合物も又試験した。対照#2はニュージャージー州、クランベリーのロディア社から入手したZSTM1115MP、対照#3はニュージャージー州、クランベリーのロディア社から入手した沈殿シリカTixosilTM38A、そして対照#4はペンシルバニア州、バレー・フォージュのPQ社から入手した食品用シリカゲルBritesorbTMC930であった。
【0039】
結果を、サンプルのグラム当たりの除去された悪臭化合物のミリグラムにより下の表2に示す。
表2:臭気吸着関数

【0040】
表のように、サンプルAは対照サンプルよりDMDS、TMAそしてNH3の高い吸着性を有した。
【実施例2】
【0041】
制御された微細孔サイズのシリカ前駆体であるサンプル(サンプルB)を、「制限酸素」と呼ばれるか焼処置が用いられることを除いて、実施例1で記載したようにして形成した。このか焼処置は、蓋をぴったり閉めたるつぼの中に固体を入れ、460℃で17時間空気中のマッフルファーネス中でか焼することを含むものであった。結果として得られるサンプルBの鉄変成シリカは、シリカに対する鉄の重量が1.8%に相当する0.009のFe/Siモル比であった。
【0042】
表面積は、吸着ガスとして窒素を用いていたJounal of American Chemical Society,Vol60,1938,p.309に掲載されたBruanauer、エメット、及びテラーの物理的ガス吸着(B.E.T.)法で測定した。分析はASAP2010物理吸着分析器を用いて、ジョージア州、ノルクロスのマイクロメリティックス・インストゥルメント社によって遂行された。B.E.T.表面積は733m2/gであることが証明された。微細孔直径の中央値も又等温線データから、1.9ナノメーターであると判断された。
【0043】
さらにサンプルA(実施例1)とサンプルB(実施例2)は、いずれも室温と相対湿度が50%で、約90日間熟成した。DMDSの臭気吸着は、前記のような熟成サンプルで試験した。結果は図1に示す。図のように「制限空気」か焼(サンプルB)によって形成されたサンプルが、「過剰空気」か焼(サンプルA)によって形成されたサンプルより、熟成に対するDMDSの臭気吸着は良好であることを示した。
【実施例3】
【0044】
悪臭化合物を吸着する臭気コントロール組成物の有効性が示された。初めに、制御された微細孔サイズのシリカ前駆体であるサンプル(サンプルC)は、次の通り形成された。20.0gのヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリン(セレスターから入手)を、0.300gの溶解した塩化銅(アルドリッチから入手)を含む250mLビーカー中の30.0g蒸留水に加えた。塩酸(37%HCL)を溶液pHを約2に下げるために加えた。次いで40.0gのテトラメチル・オルトケイ酸塩(TMOS、98%、アルドリッチ)を加えて、500mLの丸底フラスコに移す前に溶液を約5分間攪拌した。フラスコを、揮発物を除去するために40℃の真空の下で10分間rot−a−vapに取り付けた。ガラス様の反応生成物を翌日フラスコから削り取って、次いで110℃で17時間磁器製のるつぼの中で乾燥させた。サンプルCを実施例1に記載した「過剰酸素」処置を用いて灰になるまでか焼した。結果として得られるサンプルCの銅変成シリカは、シリカに対する銅の重量が1.9%に相当する0.008のCu/Siモル比であった。
【0045】
サンプルCは次いで上記のように臭気吸着のための試験が行われ、実施例1の対照サンプルと比較された。結果を、サンプルのグラム当たりの除去された悪臭化合物のミリグラムで下の表3に示す。
表3:臭気吸着関数

【0046】
表に示すように、サンプルCは対照サンプルよりTMAとNH3の吸着作用がはるかに高かった。さらにサンプルCのDMDS吸着作用は、対照#2、対照#3、対照#4よりもはるかに高かった。
【0047】
他の試験では、サンプルCと対照#1(実施例1)は、室温と相対湿度が50%で約5ヶ月半熟成した。その後熟成したサンプルは、135℃のもとで10時間空気中で乾燥させた。DMDSの臭気吸着は、上記の通り熟成したサンプルで試験した。結果は下に表4で示す。




表4:DMDSの熟成臭気吸着関数

【0048】
上記のようにサンプルCは、熟成後と乾燥後に良好な相対的吸着効果を保持した。しかしながら、サンプルCは、熟成した後は、対照#1より相対的吸着効果は低く、なんらかの臭気コントロール組成物又は基材に与えられた微細孔構造や表面の化学的性質が、全てのタイプの臭気を減少するのに適しているとは限らず、そして一つ以上の悪臭組成物の低い吸着性は、熟成前後に他方の悪臭化合物の良好な吸湿性によって補正されると理解すべきである。さらに上記のように、熟成することによる吸着効果の減少は、乾燥後低下する。理論に制限されることを意図するものではないが、熟成した化合物内の水分子の存在が、幾分臭気吸着を減少させる、特に水に溶けないDMDSのような臭気物に対する吸着を減少させると信じられる。すなわち、臭気吸着は、そのような過剰水分子を除去するために、乾燥することによってさらに改善することができる。
【実施例4】
【0049】
制御された微細孔サイズのシリカ前駆体であるサンプル(サンプルD)が、実施例2で記載された「制限酸素」か焼処置が用いられることを除いて、実施例3で記載されたようにして形成された。結果として得られるサンプルDの銅変成シリカは、シリカに対する銅の重量が1.9%に相当する0.008のCu/Siモル比であった。
【0050】
サンプルC(実施例3)とサンプルD(実施例4)、そして対照#1(実施例1)は、いずれも室温と相対湿度が50%で約5ヶ月間熟成した。その後熟成したサンプルは115℃13時間空気中で乾燥させた。DMDSの臭気吸着は、上記の通り熟成したサンプルで試験した。結果は下に表5で示す。
表5:DMDSの熟成臭気吸着関数

*サンプル調整後1日以内に収集
【0051】
図のように、「制限空気」か焼によって形成されたサンプルが「過剰空気」か焼によって形成されたサンプルより、熟成に対するDMDSの臭気吸着は良好であることを示した。乾燥が、「過剰空気」の下でのか焼したサンプルより「制限空気」の下でか焼したサンプルのDMDSの臭気吸着を大幅に改善することも分かる。
【0052】
本発明は、それらの特定の実施形態に関して詳細に説明したが、当業者は、上述の事項を理解に達した場合、これらの実施形態に対して修正及び変更、並びに均等手段を容易に着想することができるであろう。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びそれらと均等のものとして評価されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明による臭気吸着効果を示す図表である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンソースとシクロデキストリン・テンプレートから形成された酸化ケイ素化合物を含む臭気コントロール組成物であって、前記臭気コントロール組成物の0.2から約10重量%を構成する遷移金属を含むことを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項2】
請求項1に規定した臭気コントロール組成物であって、前記酸化ケイ素化合物は金属ケイ酸塩であり、前記遷移金属が前記金属ケイ酸塩の少なくとも一部を形成することを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項3】
請求項1に規定した臭気コントロール組成物であって、前記酸化ケイ素化合物はほぼ100重量%のシリカを含むことを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項4】
請求項1に規定した臭気コントロール組成物であって、前記シリコンソースは、アルコキシシラン、ハロゲン化ケイ素、及びそれらの化合物からなるグループから選択されることを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項5】
請求項1に規定した臭気コントロール組成物であって、前記シリコンソースは、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、及びそれらの化合物からなるグループから選択されることを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項6】
請求項1に規定した臭気コントロール組成物であって、前記シクロデキストリンは、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、δ−シクロデキストリン、それらの誘導体、及びそれらの化合物からなるグループから選択されることを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項7】
請求項1に規定した臭気コントロール組成物であって、前記酸化ケイ素化合物は、B.E.T.表面積が約100から約1500m2/gであることを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項8】
請求項1に規定した臭気コントロール組成物であって、前記酸化ケイ素化合物は、B.E.T.表面積が約500から約1000m2/gであることを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項9】
請求項1に規定した臭気コントロール組成物であって、前記酸化ケイ素化合物は、微細孔直径の中央値が約20ナノメーターより小さいことを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項10】
請求項1に規定した臭気コントロール組成物であって、前記酸化ケイ素化合物は、微細孔直径の中央値が約10ナノメーターより小さいことを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項11】
請求項1に規定した臭気コントロール組成物であって、前記遷移金属は、スカンジウム、チタニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀、及びこれらの組成物からなるグループから選択されることを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項12】
請求項1に規定した臭気コントロール組成物であって、前記遷移金属は、臭気コントロール組成物の約0.5から約5重量%を構成することを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項13】
シリコンソースとテンプレートから形成された酸化ケイ素化合物を含む臭気コントロール組成物であって、前記臭気コントロール組成物の約0.2から約10重量%を構成する遷移金属を含み、前記酸化ケイ素化合物は微細孔直径の中央値が約20ナノメーターより小さいことを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項14】
請求項13に規定した臭気コントロール組成物であって、前記酸化ケイ素化合物は金属ケイ酸塩であり、前記遷移金属は前記金属ケイ酸塩の少なくとも一部を形成することを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項15】
請求項13に規定した臭気コントロール組成物であって、前記酸化ケイ素化合物がほぼ100重量%のシリカを含むことを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項16】
請求項13に規定した臭気コントロール組成物であって、前記シリコンソースは、アルコキシシラン、ハロゲン化ケイ素、及びそれらの化合物からなるグループから選択されることを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項17】
請求項13に規定した臭気コントロール組成物であって、前記シリコンソースは、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、及びそれらの化合物からなるグループから選択されることを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項18】
請求項13に規定した臭気コントロール組成物であって、前記テンプレートは、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、δ−シクロデキストリン、それらの誘導体及びそれらの化合物からなるグループから選択されたシクロデキストリンであることを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項19】
請求項13に規定した臭気コントロール組成物であって、前記酸化ケイ素化合物は、B.E.T.表面積が約100から約1500m2/gであることを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項20】
請求項13に規定した臭気コントロール組成物であって、前記酸化ケイ素化合物は、B.E.T.表面積が約500から約1000m2/gであることを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項21】
請求項13に規定した臭気コントロール組成物であって、前記酸化ケイ素化合物は、微細孔直径の中央値が約10ナノメーターより小さいことを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項22】
請求項13に規定した臭気コントロール組成物であって、前記酸化ケイ素化合物は、微細孔直径の中央値が約5ナノメーターより小さいことを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項23】
請求項13に規定した臭気コントロール組成物であって、前記遷移金属は、スカンジウム、チタニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀、及びこれらの組成物からなるグループから選択されることを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項24】
請求項13に規定した臭気コントロール組成物であって、前記遷移金属が臭気コントロール組成物の約0.5から約5重量%を構成することを特徴とする臭気コントロール組成物。
【請求項25】
基材の約0.5から約25重量%までの量の臭気コントロール組成物が適用されており、前記臭気コントロール組成物は、酸化ケイ素化合物と、前記臭気コントロール組成物の約0.2から10重量%を構成する遷移金属とを含み、前記酸化ケイ素化合物が酸化ケイ素とシクロデキストリン・テンプレートから形成されることを特徴とする基材。
【請求項26】
請求項25に規定した基材であって、前記シリコンソースは、アルコキシシラン、ハロゲン化ケイ素、及びそれらの化合物からなるグループから選択されることを特徴とする基材。
【請求項27】
請求項25に規定した基材であって、前記シリコンソースは、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、及びそれらの化合物からなるグループから選択されることを特徴とする基材。
【請求項28】
請求項25に規定した基材であって、前記シクロデキストリンは、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、δ−シクロデキストリン、それらの誘導体、及びそれらの化合物からなるグループから選択されることを特徴とする基材。
【請求項29】
請求項25に規定した基材であって、前記遷移金属は、スカンジウム、チタニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀、及びそれらの組成物からなるグループから選択されることを特徴とする基材。
【請求項30】
請求項25に規定した基材であって、前記酸化ケイ素化合物は、B.E.T.表面積が約100から1500m2/gであることを特徴とする基材。
【請求項31】
請求項25に規定した基材であって、前記酸化ケイ素化合物は、B.E.T.表面積が約500から1000m2/gであることを特徴とする基材。
【請求項32】
請求項25に規定した基材であって、前記酸化ケイ素化合物は、微細孔直径の中央値が約20ナノメーターより小さいことを特徴とする基材。
【請求項33】
請求項25に規定した基材であって、前記酸化ケイ素化合物は、微細孔直径の中央値が約10ナノメーターより小さいことを特徴とする基材。
【請求項34】
請求項25に規定した基材であって、前記遷移金属は、前記臭気コントロール組成物の約0.5から約5重量%を構成することを特徴とする基材。
【請求項35】
請求項25に規定した基材であって、前記臭気コントロール組成物は、基材の約0.5から約25重量%を構成することを特徴とする基材。
【請求項36】
請求項25に規定した基材であって、前記臭気コントロール組成物は、基材の約1から約10重量%を構成することを特徴とする基材。
【請求項37】
少なくとも1つの液体透過性層と液体吸収性コアとを含むパーソナルケア吸収性製品であって、基材が前記液体透過性層、前記液体吸収性コア又はそれらの組合せの少なくとも一部を形成し、前記基材に臭気コントロール組成物が適用され、前記臭気コントロール組成物は酸化ケイ素化合物と該臭気コントロール組成物の約0.2から約10重量%の量を構成する遷移金属を含み、前記酸化ケイ素化合物はシリコンソースとシクロデキストリン・テンプレートから形成されることを特徴とするパーソナルケア吸収性製品。
【請求項38】
請求項37に規定したパーソナルケア吸収性製品であって、前記シリコンソースは、アルコキシシラン、ハロゲン化ケイ素、及びそれらの化合物からなるグループから選択されることを特徴とするパーソナルケア吸収性製品。
【請求項39】
請求項37に規定したパーソナルケア吸収性製品であって、前記シリコンソースは、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、及びそれらの化合物からなるグループから選択されることを特徴とするパーソナルケア吸収性製品。
【請求項40】
請求項37に規定したパーソナルケア吸収性製品であって、前記シクロデキストリンは、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、δ−シクロデキストリン、それらの誘導体、及びそれらの化合物からなるグループから選択されることを特徴とするパーソナルケア吸収性製品。
【請求項41】
請求項37に規定したパーソナルケア吸収性製品であって、前記酸化ケイ素化合物は、B.E.T.表面積が約400から1200m2/gであることを特徴とするパーソナルケア吸収性製品。
【請求項42】
請求項37に規定したパーソナルケア吸収性製品であって、前記酸化ケイ素化合物は、微細孔直径の中央値が約10ナノメーターより小さいことを特徴とするパーソナルケア吸収性製品。
【請求項43】
請求項37に規定したパーソナルケア吸収性製品であって、前記遷移金属は、スカンジウム、チタニウム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、銀、及びそれらの組成物からなるグループから選択されることを特徴とするパーソナルケア吸収性製品。
【請求項44】
請求項37に規定したパーソナルケア吸収性製品であって、前記臭気コントロール組成物は、前記基材の約0.5から約25重量%を構成することを特徴とするパーソナルケア吸収性製品。
【請求項45】
請求項37に規定したパーソナルケア吸収性製品であって、前記臭気コントロール組成物は、前記基材の約1から10重量%を構成することを特徴とするパーソナルケア吸収性製品。
【請求項46】
請求項37に規定したパーソナルケア吸収性製品であって、前記遷移金属は、前記臭気コントロール組成物の約0.5から5重量%を構成することを特徴とするパーソナルケア吸収性製品。
【請求項47】
請求項37に規定したパーソナルケア吸収性製品であって、前記パーソナルケア吸収性製品は、液体透過性ライナー、液体透過性サージ層、液体吸収性コア、及び気体浸透性で液体不浸透性の外カバーを含み、前記基材は、前記ライナー、前記サージ層、前記吸収性コア、前記外カバー、又はこれらの組合せの少なくとも一部を形成することを特徴とするパーソナルケア吸収性製品。

【図1】
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【公表番号】特表2006−511338(P2006−511338A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−564793(P2004−564793)
【出願日】平成15年10月17日(2003.10.17)
【国際出願番号】PCT/US2003/032846
【国際公開番号】WO2004/060411
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】