説明

臭気特性を改善した分岐スルフェート及びそのパーソナルケア構成物における使用

式(I)に記載の分岐アルキル(エーテル)スルフェート(式中、nは3,4又は5であり;p’は2又は3であり;q’は2p’であり;そしてrは0〜50である)及びその塩は、改良された臭気特性を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、臭気特性を改善した分岐スルフェート及びそのパーソナルケア構成物(personal care composition)における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
市販の分岐アルキル(エーテル)スルフェート、すなわち分岐アルキル及び分岐アルキルエーテルスルフェートは、非常にきつい刺激臭を有する。この刺激臭は、パーソナルケア構成物の配合者又は製造者にとって不快であり、当該スルフェート臭気性残留物は、配合の際に香料を阻害し、そして上記パーソナルケア製品にマスキング香料を使用しても髪や皮膚に残ることがある。この臭気の問題のために、上記分岐アルキル(エーテル)スルフェートのパーソナルケア製品への使用が制限され、すなわち、不快な臭気を効果的にマスクできるベビーシャンプーなどのパーソナルケア構成物への使用にほとんど制限されている。
【0003】
分岐アルキルエーテルスルフェートは、構造性(structured)界面活性剤系内の粘度低下から保護することが知られている(例えば米国特許第5,952,286号、同第5,962,395号、同第6,077,816号、同第6,174,846号及び同第6,150,312号明細書を参照のこと。これらの特許には、上記系における分岐及び直鎖の有機化合物並びに分岐アルキルエーテルスルフェートの使用が開示されている)。しかし、分岐アルキル(エーテル)スルフェートに関連する臭気は、パーソナルケア用途に使用するのに依然として問題になり、そしてこのような用途への分岐スルフェートの商業的利用は、この臭気問題が減少するか、あるいは排除されるまで、制限されるようである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
第一の実施形態では、本発明は、下記式(I):
【化1】

(式中、
n’は3、4又は5であり、
p’は2又は3であり、
q’は2p’であり、そして
rは0〜50である)
に従う一種若しくは二種以上の化合物又はその塩を含む分岐アルキル(エーテル)スルフェートに関する。
【0005】
第二の実施形態では、本発明は、分岐アルコールを硫酸化すること、又は当該分岐アルコールをエトキシル化し、次いで当該エトキシル化された分岐アルコールを硫酸化することで生成させた、一種若しくは二種以上の化合物又はその塩を含む、分岐アルキル(エーテル)スルフェートに関するものであり、当該分岐アルコールは、一段階で生成させるため、ヒドロホルミル化/水素化触媒の存在下、一種以上の内部オレフィン(internal olefin)を合成ガスと接触させて生成させる。
【0006】
第三の実施形態では、本発明は、一種若しくは二種以上の分岐アルキル(エーテル)スルフェート化合物又はその塩を含む、分岐アルキル(エーテル)スルフェートに関するものであり、当該分岐アルキル(エーテル)スルフェートはアルデヒド残留物を含有しない。
【0007】
本発明の分岐アルキル(エーテル)スルフェートは臭気特性が改善されている。
第四の実施形態では、本発明は、本発明の分岐アルキル(エーテル)スルフェート又はその塩を含むパーソナルケア構成物に関する。
本発明のパーソナルケア構成物は、臭気特性が改善されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
好適な分岐アルキル(エーテル)硫酸塩には、ナトリウム塩、カリウム塩及びアンモニウム塩等が含まれる。
分岐アルキル(エーテル)スルフェートを生成するために用いる出発分岐アルコール又は分岐アルコールエトキシレートを適切に選択することで、上記分岐アルキル(エーテル)スルフェートの不快な臭気を、完全ではなくても、ほとんど取り除くことができることを、本出願の発明者らは見出したものである。
【0009】
12〜C14炭素鎖の直鎖アルコールは、概して、軽い又は穏やかな果物様又は脂肪様の臭気を有している。分岐アルキルアルコール及びアルコールエトキシレートが、類似の臭気特性を有していないことは、本出願の発明者らにとって驚きである。例えば、広く使用されている分岐トリデシルアルコール(Exxal13,Exxon/Mobil)は、きつい刺激臭を有している。このアルコールから生成させたエトキシレート(Rhodasurf BC−420,Rhodia Inc.)はまた、刺激性の悪臭を有し、そのエポキシレートから製造した分岐トリデセス(3)スルフェートも同様の臭気を有する。トリデシルスルフェート及びトリデセス(3)スルフェート等の他の商業生産されている分岐スルフェートも刺激臭を示している。
【0010】
本出願の発明者らは、Exxon/Mobilアルコール及びRhodasurf BC−420 TDA−3エトキシレートと比較して、より穏やかで果物様の臭気プロフィールを有する分岐アルコールエトキシレート、例えば、Alfonic TDA−3エトキシレート(Sasol)を見出した。臭気特性に知覚差があるのは、明らかに、上記分岐アルコール及び分岐アルコールエトキシレートの生成法が異なるためである。
【0011】
合成分岐アルコールは、石油化学原料に基づいており、そして典型的には、メチル分岐を有している。分岐アルコールを生成させるために最も一般的に利用される方法は、オキソ及び修正オキソヒドロホルミル化/水素化法であると考えられる。
【0012】
オキソ法では、適切な触媒の存在下、高温かつ高圧下で、内部オレフィン及び/又はα−オレフィンを合成ガス(CO、H2)と接触させて、直鎖アルデヒド及び分岐アルデヒドの混合物を生成させる。次いで、第二段階で、当該アルデヒドを、水素化触媒の存在下、水素ガスと接触させて水素化して、直鎖アルコールと分岐アルコールの混合物を製造する。
【0013】
本出願の発明者らは、以下のように考えている。
Exxal13分岐トリデシルアルコールは、オキソ法でプロパンから生成し、そして下記式(II):
【化2】

に従う分岐アルコール40〜60%と、直鎖アルコール40〜60%とを含み、
上記Exxal13分岐アルコールから生成させたRhodia BC−420エトキシル化分岐アルコールは、下記式(III):
【化3】

に従う分岐アルコール40〜60%と、エトキシル化直鎖アルコール40〜60%とを含み、そして
上記Rhodia BC−420エトキシル化分岐アルコールから生成させた分岐アルキルエーテルスルフェートは、下記式(IV):
【化4】

に従う分岐アルコール40〜60%と、直鎖アルキルエーテルスルフェート40〜60%とを含み、そして
それぞれの場合において
m+nは3であり、
pは2又は3であり、
qは2pであり、
rは0よりは大きいが約50以下であり、そして
分岐単位と非分岐単位が、炭素鎖に沿ってランダムに分布している。
【0014】
修正オキソ法では、ヒドロホルミル化/水素化触媒、典型的には、コバルトホスフィンのリガンド触媒の存在下、内部オレフィンを合成ガスと接触させて、一段階で、当該オレフィンをヒドロホルミル化し、一種又は二種以上のアルデヒド中間体を生成させ、そして上記アルデヒド中間体を水素化することによって、分岐アルコール又は直鎖アルコールと分岐アルコールとの混合物を生成させる。
【0015】
本出願の発明者らは、次のように考えている。
すなわち、Alfonic TDA−3エトキシレートを生成させるアルコールは、修正オキソ法によって、2−ブテンから生成し、そして下記式(V):
【化5】

(式中、n’は3である)
に従う分岐アルコールを主として含み、そして上記Alfonic TDA−3エトキシレートは、下記式(VI):
【化6】

(式中、n’は3であり、p’は2であり、q’は4であり、そしてr’は3である)
に従う分岐アルコールを主として含む。
【0016】
本発明の分岐アルキル(エーテル)スルフェートは、類似の分岐アルキル(エーテル)スルフェートに比べて臭気特性が改善されている。すなわち、式(I)に従う分岐アルキル(エーテル)スルフェートは、式(IV)に従う分岐アルキル(エーテル)スルフェートの示す刺激臭と比べて臭気が減少しているか、あるいは、修正オキソ法で生成したアルコール由来の分岐アルキル(エーテル)スルフェートは、オキソ法で生成したアルコール由来の分岐アルキル(エーテル)スルフェートの示す刺激臭に比べて臭気が減少している。
【0017】
アルデヒドは、刺激臭を有し、そして少量であっても、異なる臭気特性を有する異なるアルコールエトキシレート異性体よりもむしろ、臭気特性が異なる原因となる。アルデヒドの存在は、ガスクロマトグラフィーで検出可能である。オキソ法で製造されたアルコール(Exxal13等)並びに上記アルコールのアルコキシレートは、未反応の残留アルデヒドを少量含み、そして修正オキソ法の合成経路で生成させたアルコール(Alfonic TDA−3エトキシレートのアルコール前駆体等)及び上記アルコールのアルコキシレートは、アルデヒドを含有していないようである。
【0018】
実施態様の一つでは、パーソナルケア構成物は、ベビーシャンプー組成物である。実施態様の一つでは、ベビーシャンプー組成物は、水とPEGソルビタンラウレートとをさらに含む。
実施態様の一つでは、本発明のパーソナルケア構成物は、水及び一種以上のアニオン性活性剤を含有する水性の構造性界面活性剤(aqueous structured surfactant)であり、せん断減粘粘性(shear−thinning viscosity)を示し、水に不溶又はある程度水に可溶の成分を懸濁させることができる。
【0019】
せん断減粘粘性は、例えば、ブルックフィールド型粘度計等の回転粘度計を用いる既知の粘度測定法で測定される。実施態様の一つでは、本発明の組成物は、約0.1rpm〜約60rpm(回転/分,revolutions per minute)の回転速度で、適切なスピンドルを備えるブルックフィールド型回転粘度計を使って粘度を測定すると、せん断減粘挙動を示す。
【0020】
本発明の組成物は、水に不溶の粒子又はある程度水に可溶の成分、例えば植物油、鉱油、シリコーン油、固体粒子、研磨剤及同様の物品を懸濁できる。当該組成物は、場合によっては、洗浄、加湿、皮膚感触の改良、表皮剥離(exfoliation/abration)、新規の外観又はこれら利益の組み合わせを含む複数の利益を有する化粧用製剤を得る表面調整剤混合物内に、他の方法では導入することは難しい成分を導入する方法を提供する。
【0021】
水に不溶又はある程度水に可溶の成分を懸濁させる組成物の能力は、概して、当該組成物中に気泡を捕捉させるのに十分な勢いで当該組成物を混合し、次いで、当該気泡が、所定の時間(例えば、12〜24時間等)、所定の環境条件下(例えば、室温等)で、当該組成物中に捕捉されたままであるか否か、目視評価することで評価される。実施態様の一つでは、本発明の組成物は、気泡を、少なくとも一週間、そしてより典型的には、少なくとも3ヶ月間懸濁させておくことができる。気泡を、室温で少なくとも12時間懸濁させておくことができる組成物は、一般的に予想される処理、貯蔵及び使用条件下で、その組成物中に、水に不溶又はある程度水に可溶の成分を懸濁可能であると判断されるのが普通である。空気以外の成分では、興味のある成分を用いて類似の懸濁試験を実施して、空気懸濁試験の結果を確認しなければならない。非常に激しい処理、貯蔵及び/又は使用の条件の場合は、より厳しい試験が適切である。
【0022】
実施態様の一つでは、水に不溶又はある程度水に可溶の成分の懸濁能は、より厳しい条件下で評価される。すなわち、混合された試料を、凍結/解凍サイクルに1回又は2回以上かけた後に目視評価する。ここで、各凍結/解凍サイクルは、−10℃で12時間の凍結と25℃で12時間の解凍からなる。実施態様の一つでは、本発明の組成物は、1回の凍結/解凍サイクルの後、より典型的には3回の凍結/解凍サイクルの後に、気泡の懸濁能力を保持している。
【0023】
実施態様の一つでは、本発明の構造性界面活性剤組成物は、一種又は二種以上のアニオン性界面活性剤を、約3〜約40pbw、より典型的には、約5〜約30pbw、そしてさらに典型的には、約8〜約20pbw含む。適切なアニオン性界面活性剤は、当技術分野で公知である。
【0024】
実施態様の一つでは、本発明の構造化界面活性剤の組成物は、有効量以上の、一種又は二種以上の構造化剤(structuring agent)をさらに含む。好適な構造化剤は、公知の化合物であり、そしてカチオン性界面活性剤、脂肪アルコール、アルコシル化アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、アルカノールアミド及び電解質を含む。上記構造化剤の有効量は、水に不溶又はある程度水に可溶の成分を懸濁させることができるせん断減粘相の生成を促進可能な量である。
【0025】
本発明の組成物は、上記アニオン性界面活性剤及び構造化剤に加えて、一種又は二種以上のカチオン性界面活性剤、一種又は二種以上の非イオン性界面活性剤、一種又は二種以上の電解質、一種又は二種以上の両性界面活性剤、一種又は二種以上の両性イオン性界面活性剤又はそれらの混合物を、随意選択的にさらに含むことができる。上記任意選択的な成分が、界面活性剤として機能しうる場合には、上記各成分は、独立して、界面活性剤として作用するのに有効な最小量を超えた量で存在することができる。適切なカチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、電解質、両性界面活性剤及び両性イオン性界面活性剤は、当技術分野で公知である。
【0026】
実施態様の一つでは、本発明のパーソナルケア構成物は、皮膚軟化薬、湿潤剤、コンディショナー、スキンコンディショナー、ヘアコンディショナー、ビタミン又はその誘導体、抗酸化剤、フリーラジカル捕捉剤、研磨剤、染料、毛染め剤、漂白剤、毛漂白剤、抗UV剤、UV吸収剤、抗微生物剤、抗細菌剤、抗真菌剤、メラニン調節剤、日焼け促進剤、脱色素剤、皮膚着色剤、脂質調節剤(liporegulator)、体重低下剤、抗座瘡剤、抗脂漏剤、抗加齢剤、抗皺剤、角質溶解剤、抗炎症剤、リフレッシング剤、瘢痕形成剤、血管保護剤、制汗剤、脱臭剤、免疫調節剤、栄養剤、抗脱毛剤、パーマネントウエーブ用の還元剤、精油及び香料等の一種又は二種以上の有用な薬剤をさらに含む。
実施態様の一つでは、本発明のパーソナルケア構成物は、皮膚軟化薬、湿潤剤、コンディショナー、スキンコンディショナー、ヘアコンディショナー、ビタミン又はその誘導体、抗酸化剤、フリーラジカル捕捉剤、研磨剤、染料、毛染め剤、漂白剤、毛漂白剤、抗UV剤、UV吸収剤、抗微生物剤、抗細菌剤、抗真菌剤、メラニン調節剤、日焼け促進剤、脱色素剤、皮膚着色剤、脂質調節剤(liporegulator)、体重低下剤、抗座瘡剤、抗脂漏剤、抗加齢剤、抗皺剤、角質溶解剤、抗炎症剤、リフレッシング剤、瘢痕形成剤、血管保護剤、制汗剤、脱臭剤、免疫調節剤、栄養剤、抗脱毛剤、パーマネントウエーブ用の還元剤、精油及び香料等の一種又は二種以上の有用な薬剤をさらに含む。
【0027】
本発明のパーソナルケア構成物は、臭気特性が改善されており、すなわち、式(IV)に従う分岐アルキル(エーテル)スルフェート、又はオキソ法で生成させたアルコール由来の分岐アルキル(エーテル)スルフェートを含む類似のパーソナルケア構成物が示す刺激臭と比較して臭気が減少している。
【実施例】
【0028】
例1
例1のトリデセス(3)硫酸ナトリウム組成物(30%活性、脱イオン水中)は、Alfonic TDA−3分岐アルキル3モルエトキシレート(Sasol)を、薄膜流下式蒸発装置内でSO3と接触させて硫酸化し、そして当該スルフェートを、水酸化ナトリウムを用いて中和し、ナトリウム塩を形成させて生成させた。
【0029】
Rhodapex EST−30(Rhodia Inc.)を、比較例C1のトリセデス(3)硫酸ナトリウム組成物(30%活性、脱イオン水中)として用いた。比較例C1の組成物は、Rhodasurf BC−420 TDA−3エトキシレート(Rhodia Inc.)を硫酸化し、そしてそのナトリウム塩を形成させて生成させた。Rhodasurf BC−420 TDA−3エトキシレートは、Exxal13トリデシルアルコール(Exxon/Mobil)をエトキシル化させて生成させた。
【0030】
例1のトリセデス(3)硫酸ナトリウム組成物は、軽い果物様の性質を有する穏やかな臭気を示したが、一方、比較例C1のトリデセス(3)硫酸ナトリウムは、比較的強く鋭い刺激臭を示した。
【0031】
例2
例2のボディーウォッシュを、例1の分岐アルキルエーテルスルフェートを用いて調製し、そしてExxal13の分岐C13アルコールの3モルエトキシレート由来の分岐アルキルエーテルスルフェートを用いて生成させた比較例C2の類似のボディーウォッシュと比較した。
【0032】
例2及び比較例C2の組成物を、それぞれ、以下のように生成させた。主容器に、界面活性剤混合物(Miranol L−32(Rhodia))、分岐アルキルエーテルスルフェート及び脱イオン水を入れた。当該混合物を混合し、そして65℃〜70℃の範囲内の温度まで加熱した。ココ−モノエタノールアミド(CMEA)を別の容器に入れ、70℃まで加熱した。上記混合物及びCMEAが、それぞれ、65℃〜70℃に到達した後に、溶融させたCMEAを上記主容器に入れ、そしてその温度で30分間混合した。次いで、混合を続けながら加熱を停止して、クエン酸及び塩化ナトリウムを添加した。
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

【0035】
例2と比較例C2の組成物の試料を、それぞれ、臭気、外観及び安定性について評価した。組成物の臭気は、組成物の試料を嗅ぐことで定性的に評価した。組成物の外観は、組成物の試料を目視評価することで評価した。組成物のオーブン安定度は、組成物の試料を、オーブン内で、45℃で3ヶ月間保持した後、当該試料を目視評価することで評価した。凍結/解凍の安定度は、組成物の試料を凍結/解凍のサイクルに3回かけた後、その組成物を目視検査することによって評価した。なお各凍結/解凍サイクルは、試料を−10℃に12時間保持し、そして試料を25℃で12時間保持することからなるサイクルである。試験結果を、下記表1に記載する。
【0036】
【表3】

【0037】
例3
例3のボディシャンプーは、例1の分岐アルキルエーテルスルフェートを用いて調製し、そして比較例C3の類似のボディシャンプーは、Exxal13の分岐C13アルコールの3モルのエトキシレート由来の分岐アルキルエーテルスルフェートを用いて生成させた。
【0038】
例3及び比較例C3の組成物は、それぞれ、以下のようにして生成させた。水を混合容器に入れ、そして穏やかに攪拌しながら65℃まで加熱し、その他の成分を、列挙順に混合した。成分が均一になるまで混合した。次いで、その液剤を40℃まで冷却した。
【0039】
【表4】

【0040】
【表5】

【0041】
例3及び比較例C3の組成物を、それぞれ、臭気、外観、不揮発分(%)、粘度及び安定度について評価した。当該組成物の臭気、外観及び安定度は、例2及び比較例C2の組成に関する上記方法で評価した。試料の粘度は、ブルックフィールド型回転粘度計を用いて測定した。試験結果を、下記表IIに記載する。
【0042】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I):
【化1】

(式中、
n’は3、4又は5であり、
p’は2又は3であり、
q’は2p’であり、そして
rは0〜50である。)
に従う化合物を一種又は二種以上含んでなる分岐アルキル(エーテル)スルフェート。
【請求項2】
n’が3、4又は5である、請求項1に記載の分岐アルキルスルフェート又は分岐アルキルエーテルスルフェート。
【請求項3】
n’が3である、請求項1に記載の分岐アルキル(エーテル)スルフェート。
【請求項4】
n’が3であり、p’が2であり、q’が4であり、そしてr’が3である、請求項1に記載の分岐アルキルエーテルスルフェート。
【請求項5】
前記分岐アルキル(エーテル)スルフェートが塩の形態である、請求項1に記載の分岐アルキル(エーテル)スルフェート。
【請求項6】
前記分岐アルキル(エーテル)スルフェートがナトリウム塩の形態である、請求項1に記載の分岐アルキル(エーテル)スルフェート。
【請求項7】
前記分岐アルキルエーテルスルフェートがアルデヒドを含まない、請求項1に記載の分岐アルキル(エーテル)スルフェート。
【請求項8】
請求項1に記載の分岐アルキル(エーテル)スルフェートを含んでなるパーソナルケア構成物。
【請求項9】
前記パーソナルケア構成物が、シャンプー、ボディーウォッシュ、ハンドソープ、ローション、クリーム、コンディショナー、髭剃り用生成物、洗顔料、中和シャンプー及びスキントリートメントから選択される、請求項8に記載のパーソナルケア構成物。
【請求項10】
パーソナルケアに有益な薬剤をさらに含んでなる、請求項8に記載のパーソナルケア構成物。
【請求項11】
前記パーソナルケア構成物がベビーシャンプーである、請求項8に記載のパーソナルケア構成物。
【請求項12】
水及びPEGソルビタンラウレートをさらに含んでなる、請求項11に記載のパーソナルケア構成物。
【請求項13】
水及び一種又は二種以上のアニオン性界面活性剤をさらに含んでなる、請求項8に記載のパーソナルケア構成物。
【請求項14】
前記組成物が、水と、せん断減粘性を示しそして水に不溶又は部分的に水に可溶な成分を懸濁可能である、一種又は二種以上のアニオン性界面活性剤とを含む水性の構造性界面活性剤系である、請求項8に記載のパーソナルケア構成物。
【請求項15】
分岐アルコールを硫酸化すること、又は当該分岐アルコールをエトキシル化し、次いで、当該エトキシル化分岐アルコールを硫酸化することによって生成させた、一種若しくは二種以上の化合物又はその塩を含んでなる分岐アルキル(エーテル)スルフェートであって、当該分岐アルコールが、一段階でアルコールを生成させるために、ヒドロホルミル化/水素化触媒の存在下で、一種又は二種以上の内部オレフィンを合成ガスに接触させて生成される、分岐アルキル(エーテル)スルフェート。
【請求項16】
前記分岐アルキル(エーテル)スルフェートが、分岐アルキル(エーテル)スルフェート1モル当たり、平均して3モルのエトキシル化がなされている分岐(C13)アルキルエーテルスルフェートである、請求項15に記載の分岐アルキル(エーテル)スルフェート。
【請求項17】
前記分岐アルキル(エーテル)スルフェートがアルデヒドを含まない、請求項15に記載の分岐アルキル(エーテル)スルフェート。
【請求項18】
請求項15に記載の分岐アルキル(エーテル)スルフェート又はその塩を含んでなる、パーソナルケア構成物。
【請求項19】
一種若しくは二種以上の分岐アルキル(エーテル)スルフェート化合物又はその塩を含んでなる分岐アルキル(エーテル)スルフェートであって、前記分岐アルキル(エーテル)スルフェートがアルデヒド残留物を含んでいない、分岐アルキル(エーテル)スルフェート。

【公表番号】特表2007−515409(P2007−515409A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542807(P2006−542807)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【国際出願番号】PCT/US2004/040593
【国際公開番号】WO2005/055937
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(598109291)ローディア インコーポレイティド (41)
【Fターム(参考)】