説明

舗装用マット

【課題】 車椅子の走行性を改善する。
【解決手段】本発明に係る舗装用マット1は、弾性シート材としてのゴムマット2で構成してあり、該ゴムマットの一方の面には滑り止め3を設けてある。ゴムマット2は、蜂の巣状の連続隔壁4で構成してあり、該連続隔壁で囲まれた六角形空間を充填孔5としてある。ここで、充填孔5は、ゴムマット2の一方の面から他方の面に向けて貫通形成してあり、粒状舗装材としての砂利6が充填されるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として砂利やウッドチップを用いて舗装を行う場合に用いられる舗装用マットに関する。
【背景技術】
【0002】
遊歩道やアプローチでは、砂利敷、洗出し仕上げ、コンクリート、樹脂、石貼り、インターロッキング、レンガなど、さまざまな種類の舗装が施されており、例えばエントランスにつながるアプローチの場合、高級感を演出するために舗装を石貼りとすることが一つの選択肢となる。
【0003】
その一方で、最近では自然との共生が重視されるようになっており、テクスチャーとしては硬いイメージのコンクリートや樹脂に代えて、間伐材を砕いてなるウッドチップや枕木あるいは板材といった自然豊かな材料が、従前からの砂利や芝生とともに随所に採用されている。
【0004】
【特許文献1】特開2001−90008
【特許文献1】特開昭62−202101
【特許文献1】特開昭61−270403
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ウッドチップや砂利が採用された舗装路を車椅子で走行しようとすると、その重みで車椅子の車輪がウッドチップや砂利に食い込み、走行が困難になるという問題を生じていた。
【0006】
特に、老人ホーム、保養施設等の園庭の場合には、車椅子の利用頻度が高いため、上述した問題はさらに深刻となる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、車椅子の走行性を改善することが可能な舗装用マットを提供することを目的とする。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る舗装用マットは請求項1に記載したように、砂利、ウッドチップその他の粒状舗装材が充填される充填孔が一方の面から他方の面に向けて貫通形成された弾性シート材からなるとともに、該弾性シート材の一方の面に滑り止めを設けたものである。
【0009】
また、本発明に係る舗装用マットは、前記弾性シート材を蜂の巣状の連続隔壁で構成するとともに、該連続隔壁で囲まれた六角形空間を前記充填孔としたものである。
【0010】
本願発明に係る舗装用マットは、砂利、ウッドチップその他の粒状舗装材が充填される充填孔が一方の面から他方の面に向けて貫通形成された弾性シート材からなり、舗装の際は、弾性シート材の他方の面が路盤に当接するように該弾性シート材を路盤上に敷き並べるとともに、弾性シート材に形成された充填孔に砂利、ウッドチップその他の粒状舗装材を充填する。
【0011】
このようにすると、車椅子を走行させたとき、その車輪が砂利やウッドチップといった粒状舗装材に食い込む懸念がなくなるとともに、弾性シート材の一方の面に滑り止めを設けてあるので、車輪の空転が未然に回避され、かくして砂利やウッドチップといった自然素材を生かしつつ、車椅子の走行性を高めることが可能となる。
【0012】
弾性シート材としては、例えばゴム又はプラスチックで形成されたシート材を選択することができる。
【0013】
弾性シート材は、一方の面から他方の面、換言すれば表面から裏面に抜けるように充填孔が形成されかつその充填孔に粒状舗装材が充填される限り、その構成については任意であり、例えば該弾性シート材を蜂の巣状の連続隔壁で構成するとともに、該連続隔壁で囲まれた六角形空間を充填孔とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る舗装用マットの実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0015】
図1及び図2は、本実施形態に係る舗装用マットを示した図である。これらの図でわかるように、本実施形態に係る舗装用マット1は、弾性シート材としてのゴムマット2で構成してあり、該ゴムマットの一方の面には滑り止め3を設けてある。
【0016】
ゴムマット2は、蜂の巣状の連続隔壁4で構成してあり、該連続隔壁で囲まれた六角形空間を充填孔5としてある。
【0017】
ここで、充填孔5は、ゴムマット2の一方の面から他方の面に向けて貫通形成してあり、粒状舗装材としての砂利6が充填されるようになっている。
【0018】
舗装用マット1は、全体の大きさを例えば90cm×90cmとするとともに、厚さを15〜20mmとするのがよい。また、連続隔壁4は、壁厚が例えば25〜30mm、六角形空間である充填孔5の最大内寸が100mmとなるように構成するのがよい。
【0019】
なお、かかる場合、砂利の最大寸法は例えば10〜15mmと定めることができる。
【0020】
連続隔壁4にはピン孔7を適宜形成してあり、該ピン孔にピン8を挿通して路盤(図示せず)に打ち込むことにより、舗装用マット1のずれを防止できるようになっている。ピン8は、路盤への固定度を考慮して、例えばその長さを100〜150mm程度にするのがよい。
【0021】
舗装用マット1を用いて舗装を行うには、まず、必要に応じて路床の不陸整正を行った後、図3(a)に示すように路床31の上に路盤材32を敷き均し、次いで、該路盤材を振動ローラで締め固めて路盤33を形成する。路盤材32は、例えば砕石を使用すればよい。
【0022】
次に、舗装用マット1を、ゴムマット2の他方の面が路盤33に当接されるように該路盤の上に敷き並べる。
【0023】
次に、図3(b)に示すように、ゴムマット2に形成された充填孔5に砂利6を充填する。
【0024】
最後に、ピン孔7にピン8を挿通して路盤33に打ち込む。
【0025】
このようにすると、舗装用マット1の上を車椅子や自転車が走行する際、車輪が砂利6の上に位置するときには、車椅子や自転車の荷重が砂利6を介して路盤33に伝達するが、砂利6は、その周囲を連続隔壁4の内側壁面で拘束されているため、車椅子や自転車の荷重で周囲に拡がる懸念がなくなる。
【0026】
そのため、車椅子や自転車の車輪が砂利6に食い込む懸念がなくなる。
【0027】
一方、車輪が連続隔壁4の上に位置するときには、滑り止め3の作用によって車輪の空転が防止される。
【0028】
以上説明したように、本実施形態に係る舗装用マット1によれば、蜂の巣状の連続隔壁4でゴムマット2を構成するとともに、該連続隔壁で囲まれた六角形空間である充填孔5に砂利6を充填するようにしたので、車椅子や自転車を走行させたとき、その車輪が砂利に食い込む懸念がなくなるとともに、ゴムマット2の一方の面に滑り止め3を設けてあるので、車輪の空転が未然に回避され、かくして自然素材としての砂利を生かしつつ、車椅子や自転車の走行性を高めることが可能となる。
【0029】
本実施形態では、ゴムマット2で舗装用マットを構成したが、本発明に係る舗装用マットは、弾性シート材であれば足りるのであって、材質としてゴムに限定されるものではなく、例えばプラスチックで舗装用マットを構成してもかまわない。
【0030】
また、本実施形態では、蜂の巣状の連続隔壁4でゴムマット2を構成するとともに該連続隔壁で囲まれた六角形空間を充填孔としたが、本発明に係る充填孔は、砂利、ウッドチップその他の粒状舗装材が充填される限り、いかなる構成でもよく、六角形空間に代えて、多角形空間、例えば正方形状の充填孔としてもかまわない。なお、かかる構成においては、連続隔壁は、格子状の連続隔壁となる。さらに、本発明に係る充填孔は、必ずしも連続隔壁で囲まれた形態をとる必要はなく、弾性シート材に複数の円形孔を貫通形成してなる形態など、その構成は任意である。
【0031】
また、本実施形態では、粒状舗装材として砂利を採用したが、これに代えて、間伐材を砕いてなるウッドチップを採用してもよい。かかる構成においても、自然との共生に重視しつつ車椅子の走行性を改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】舗装用マット1の全体平面図。
【図2】同じく舗装用マット1の図であり、(a)は詳細平面図、(b)はA−A線方向に沿った断面図。
【図3】舗装用マット1の敷設手順を示した図。
【符号の説明】
【0033】
1 舗装用マット
2 ゴムマット(弾性シート材)
3 滑り止め
4 連続隔壁
5 充填孔
6 砂利(粒状舗装材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
砂利、ウッドチップその他の粒状舗装材が充填される充填孔が一方の面から他方の面に向けて貫通形成された弾性シート材からなるとともに、該弾性シート材の一方の面に滑り止めを設けたことを特徴とする舗装用マット。
【請求項2】
前記弾性シート材を蜂の巣状の連続隔壁で構成するとともに、該連続隔壁で囲まれた六角形空間を前記充填孔とした請求項1記載の舗装用マット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−53576(P2010−53576A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−218779(P2008−218779)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000183428)住友林業株式会社 (540)
【出願人】(391024696)住友林業緑化株式会社 (39)
【Fターム(参考)】