説明

船舶用ビルジ発生防止装置

本発明は、その内側に流体を収容できるカバーと、その内側にシャフト軸を貫通させ、シャフト軸に結合されてシャフト軸と共に回転し、第1の結合具を含む回転部と、前記カバーの内側で、前記第1の結合具と前記カバーとの間に介在される第1の密封部と、前記回転部とシャフト軸との接触面に介在される密封具とを含む船舶用ビルジ発生防止装置に関するもので、本発明によれば、エンジン室内部への海水の流入を完壁に遮断することによってビルジの発生を完全に防止することができ、摩擦面を海水又は流体を用いて冷却することによって長い時間の間損傷なしに使用することができる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶に関するもので、より詳細には、船舶のエンジン室の内部に流入する海水が種々の汚染物質と混合・蓄積されることによって発生するビルジを防止することができる船舶用ビルジ発生防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、船舶は、航海に必要な推進力を得るために、船舶の特定位置に設置されるエンジンと、船舶の後端外側に設置されるプロペラと、エンジンとプロペラとを連結するシャフト軸とを含んで構成される。
【0003】
前記シャフト軸は、プロペラと接続されるために船舶の後端を貫通して設置され、エンジンによってシャフト軸が回転する際に、プロペラを回転させる役目をする。この場合、前記シャフト軸の効果的な回転を保証するために、前記シャフト軸は、前記シャフト軸と船舶の後端との間に一定距離の間隙をなして船舶に設置されなければならない。さもなければ、シャフト軸の回転時にシャフト軸と船舶の後端との間に発生する摩擦によって、エンジンが発生する駆動力が損失され、シャフト軸及び船舶の後端が損傷される危険がある。
【0004】
しかしながら、そのようなシャフト軸と船舶の後端との間隔は、海水が必然的に船舶の内部に流入される原因となる。船舶の内部に流入する海水は、エンジン室内で燃料、エンジンオイル、各種潤滑油などのような種々の汚染物質と混合されながらビルジ(Bilge)を発生させる。このようなビルジは、エンジン室内部の各構成要素を腐食させる原因になるだけでなく、海洋汚染の主要原因となる。
【0005】
最近、ビルジによる海洋汚染が国際的な問題となっている。よって、船舶にて発生したビルジの処理に関する規制が一層厳しく強化されている。環境保護法の規制に基づいて、各国では、船舶からビルジを直接排出することを厳格に禁止しており、浄化されたビルジのみの排出を認めている。たとえ浄化がされている場合でさえ、浄化された結果として生じるビルジが油分の許容含量基準値を満たさない場合、船外にビルジを排出することは依然として禁止される。
【0006】
ビルジに関連する規制が除々に強化される最近の傾向として、特定国家及び特定地域は、油分の許容含量基準値を従来の15ppmから5ppmに強化した。世界的に影響力を行使する国際海事機構の規定でも、油分の許容含量基準値を現在の15ppmから5ppmに強化されることが予想される。
【0007】
しかしながら、ビルジを浄化して排出する従来の方式では、浄化率に限界があり、浄化装置を定期的に点検しなければならないという煩雑さがある。さらに、小型船舶を運営する零細漁民にとっては、浄化装置を用意することは経済的負担と、浄化装置を稼働させる複雑さと、を伴うものである。この理由から、小型船舶を運営する零細漁民は、ビルジを浄化せずに暗に排出しているのが実情である。
【0008】
したがって、ビルジから船舶を保護すると同時に海洋汚染を防止するために、ビルジを浄化することよりむしろ、船舶内部への海水の流入を遮断することによってビルジの発生を防止する方式が提案された。
【0009】
図1は、従来の船尾管軸系密封装置の断面図である。
【0010】
まず、図1を参照して一般的な船舶のエンジン部の構成を簡略に説明する。エンジン部は、船舶の推進力を発生させるプロペラ13と、前記プロペラ13に回転力を供給するエンジン14と、前記エンジン14とプロペラ13とを連結するシャフト軸15とを含む。
【0011】
このような船舶でのビルジの発生を防止するために提案された従来の船尾管軸系密封装置10は、船体固定密封部11及び密封部材12を含む。
【0012】
前記船体固定密封部11は、船体の後端16に設置され、ついで、シャフト軸15が、海水の流入を防止するように、前記選対固定密封部11を通して回転可能に貫通される。前記船体固定密封部11は、船尾管111、グランドパッキング112、ベアリング113及びグランドパッキングカバー114を含む。
【0013】
前記船尾管111は、船体の後端16に固定されている。グランドパッキング112及びベアリング113は、船尾管111の内側に収容される。前記船尾管111が船体の後端に締結具を用いて固定されることを許容するために、前記船尾管111は船尾管フランジ111aを有する。前記船尾管111は、シャフト軸15の回転のためにシャフト軸15と一定距離の間隙111bをなして船体の後端16に固定される。
【0014】
前記グランドパッキング112は、間隙111bを通して一定量の海水が流入できるように間隙111bの一定部分のみを密封する。これは、前記間隙111bを通して流入する海水を、シャフト軸15に発生する摩擦熱を冷却するのに用いるためである。したがって、前記グランドパッキング112は、シャフト軸15が摩擦熱によって損傷されることを防止することができる。
【0015】
前記ベアリング113は、シャフト軸15の移動を制限することによって、前記シャフト軸15と船尾管111との予期せぬ衝突を防止する。前記ベアリング113は、内側にシャフト軸15を貫通させながら船尾管111の内側に設置される。前記ベアリング113としてはリグナムバイタを用いることができる。
【0016】
前記グランドパッキングカバー114は、グランドパッキング112に圧力を加えることによって密封程度を調節するのに役立つ。前記グランドパッキングカバーは、それがしっかりと船尾管111と結合されるように、前記船尾管111の内側に部分的に挿入される。前記グランドパッキングカバー114は、フランジ114aを通してしっかりと船尾管111と結合される。
【0017】
前記密封部材12は、船体固定密封部11を通して流入する一定量の海水を遮断することによって、ビルジの発生を防止する。シャフト15は、前記密封部材12にさし込まれ、グランドパッキングカバー114の外部と結合される。
【0018】
前記密封部材12は、固定リング121、密封リング122、回転リング123及びホールドカバー124を含む。
【0019】
前記固定リング121は、一側がグランドパッキングカバー114に密着されるように固定結合され、他側が前記密封リング122に密着されるように結合される。
【0020】
前記密封リング122は、固定リング121と回転リング123との間に介在され、海水の流入を完全に遮断する。前記密封リング122は、密封部材12をなす構成要素のうち実質的な密封の役割を行うものである。
【0021】
前記回転リング123は、シャフト軸15と共に回転し、前記密封リング122に密着されるように結合される。前記密封リング122によって海水の流入が遮断されるので、前記回転リング123と密封リング122との接触面には海水が流入しない。
【0022】
前記ホールドカバー124は、内側にスプリング124aを収容し、シャフト軸15及び回転リング123に固定結合される。前記ホールドカバー124は、シャフト軸15の回転時にシャフト軸15と共に回転する。
【0023】
ところが、従来の船尾管軸系密封装置10には次のような問題がある。
【0024】
第一に、シャフト軸15の回転時、前記回転リング123はシャフト軸15と共に回転するが、前記密封リング122は、シャフト軸15が回転するとしても回転しない。これによって、前記回転リング123と密封リング122との間の接触面で摩擦熱が必然的に発生する。このような摩擦熱によって回転リング123及び密封リング122のうちいずれか一つの構成要素が損傷及び破損されるという問題がある。
【0025】
第二に、前記回転リング123及び密封リング122のうちいずれか一つの構成要素が摩擦熱によって損傷及び破損されることを防止するためには、摩擦熱を冷却しなければならない。しかしながら、従来の船尾管軸系密封装置10は、密封リング122によって前記回転リング123と密封リング122との間の接触面にまで海水が流入しないので、両方の構成要素に対する損傷を防止できないという問題がある。
【0026】
第三に、船舶の推進力を発生させるためのシャフト軸15の回転は、大型船舶であるほど高速である。シャフト軸15の回転速度に比例して、前記回転リング123と密封リング122との間の接触面で発生する摩擦熱も増大し、始動後短い時間内に前記密封部材12が損傷及び破損される。このような損傷及び破損は、ビルジを発生させ、海洋汚染をもたらすだけでなく、浸水によって船舶を沈没させるおそれがあるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
本発明は、上述したような問題を解決するためになされたもので、その目的は、エンジン室内部への海水の流入を遮断することによってビルジの発生を完全に防止するとともに、長い時間の間損傷なしに使用することができる船舶用ビルジ発生防止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0028】
上述した本発明の目的を達成するための船舶用ビルジ発生防止装置は、次のような構成要素を含む。
【0029】
本発明に係る船舶用ビルジ発生防止装置は、その内側に流体を収容できるカバーと、その内側にシャフト軸を貫通させ、シャフト軸に結合されてシャフト軸と共に回転し、第1の結合具を含む回転部と、前記カバーの内側に位置し、前記第1の結合具の一側と前記カバーの一側との間に介在される第1の密封部と、前記回転部とシャフト軸との接触面に介在される密封具とを含む。
【0030】
本発明に係る船舶用ビルジ発生防止装置は、前記カバーの一側と結合されるカバーフランジと、前記カバーの内側で、前記第1の結合具の他側と前記カバーフランジとの間に介在される第2の密封部とをさらに含むこととしてもよい。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、次のような効果を達成することができる。
【0032】
本発明によれば、船内でビルジの発生を防ぐ装置は、エンジン室内部への海水の流入を完全に防ぐように構成されることによって、ビルジの発生を防止することができる。本発明によれば、摩擦面を海水又は流体を用いて冷却することによって長い時間の間損傷なしに使用することができる。
【0033】
さらに、本発明にかかる装置は概して簡潔な構成を有しており、その結果、船舶へのビルジの発生を防止するために簡単な方法で船舶に設置をすることができる。これによって、船内でビルジの発生を防ぐ装置は、エンジン室内部の各構成要素を保護し、船舶の寿命を延長する。そして、国際的に問題となっているビルジによる海水汚染の可能性を完全に遮断することによって環境保護に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】従来の船尾管軸系密封装置の断面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る船舶用ビルジ発生防止装置の一部構成を示した分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施例に係る船舶用ビルジ発生防止装置が船舶に設置された状態を示した断面図である。
【図4】図3のA部分を拡大して示した断面図である。
【図5】本発明の一実施例に係る船舶用ビルジ発生防止装置の結合斜視図である。
【図6】本発明の他の実施例に係る船舶用ビルジ発生防止装置の一部構成に対する分解斜視図である。
【図7】本発明の他の実施例に係る船舶用ビルジ発生防止装置が船舶に設置された状態を示した断面図である。
【図8】図7のB部分を拡大して示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下では、本発明に係る船舶用ビルジ発生防止装置の好適な実施例を添付の図面を参照して詳細に説明する。本発明に係る船舶用ビルジ発生防止装置は大きく一実施例及び他の実施例を含んでおり、これを順次説明する。
【0036】
図2は、本発明の一実施例に係る船舶用ビルジ発生防止装置の一部構成を示した分解斜視図で、図3は、本発明の一実施例に係る船舶用ビルジ発生防止装置が船舶に設置された状態を示した断面図で、図4は、図3のA部分を拡大して示した断面図で、図5は、本発明の一実施例に係る船舶用ビルジ発生防止装置の結合斜視図である。
【0037】
図2及び図3を参照すれば、本発明の一実施例に係る船舶用ビルジ発生防止装置1は、カバーフランジ2、回転部3、第1の密封部4、第2の密封部5、密封具6及びカバー7を含む。
【0038】
前記カバーフランジ2は、カバー7の一側と結合され、前記第2の密封部5と結合される。前記カバーフランジ2は中空円盤状の形状を有し、そしてシャフト軸91は前記カバーフランジ2のセンターを貫通する。前記カバーフランジ2は、ステンレススチール、チタニウム、ハステロイ―C(Hastelloy―C)合金のうち少なくともいずれか一つを含んで形成されることとしてもよい。あるいは、船舶用ビルジ発生防止装置1を軽量にするために、前記カバーフランジ2はプラスチックで形成されることとしてもよい。
【0039】
前記カバーフランジ2は、スターンチューブ92に結合されることとしてもよい。特に、前記カバーフランジ2は、前記シャフト軸91と接触しないように前記シャフト軸91から一定の距離だけ離隔してスターンチューブ92に結合されることとしてもよい。
【0040】
前記カバーフランジ2は、図示していないが、スターンチューブ92の代わりに、エンジン室の船体壁面W又はブッシュ(図示せず)のうちいずれか一つに結合されることとしてもよい。したがって、ユーザは、船舶の設置仕様又は設置の容易さ程度によって前記カバーフランジ2をエンジン室の船体壁面W、スターンチューブ93及びブッシュ(図示せず)のうちいずれか一つに結合することとしてもよい。
【0041】
前記カバーフランジ2は、挿入部21、フランジ突出部22、フランジパッキング部材23及びカバーパッキング部材24を含むこととしてもよい。
【0042】
前記挿入部21は、カバーフランジ2の一側から突出形成され、そして、中空円盤状の形状を有することとしてもよい。前記カバーフランジ2がスターンチューブ92に結合される場合、前記挿入部21はスターンチューブ92の内側に挿入される。その結果、ユーザは、前記挿入部21を用いることによって、前記船舶用ビルジ発生防止装置1を船舶に容易に設置することができる。
【0043】
図2及び図4を参照すれば、前記フランジ突出部22は、カバーフランジ2の他側から突出形成され、そして、中空円盤状の形状を有することとしてもよい。前記フランジ突出部22には、図4に示すように、前記第2の密封部5が係止されることによって結合されることとしてもよい。
【0044】
前記フランジパッキング部材23は、カバーフランジ2の一側に形成されているパッキング溝23a(図4を参照)にはめられ、前記カバーフランジ2とスターンチューブ92との結合面を密封する。前記フランジパッキング部材23としては、Oリング、特に、フッ素ゴム(Fluorine Rubber、FPM)で形成されたOリングが使用されることとしてもよい。
【0045】
前記フランジパッキング部材23は、図示していないが、複数備えられることとしてもよい。この場合、前記カバーフランジ2には、前記フランジパッキング部材23の数に相応する複数のパッキング溝23aが形成されることとしてもよい。
【0046】
前記フランジパッキング部材23は、図示していないが、カバーフランジ2がスターンチューブ92の代わりに、エンジン室の船体壁面W又はブッシュ(図示せず)のうちいずれか一つに結合される場合、その結合面を密封できるようにカバーフランジ2の一側に結合されることとしてもよい。
【0047】
前記カバーパッキング部材24は、カバーフランジ2の他側に形成されている溝24aにはめられ、前記カバー7との結合面を密封する。前記カバーパッキング部材24としては、Oリング、特に、フッ素ゴム(Fluorine Rubber、FPM)で形成されたOリングが使用されることとしてもよい。
【0048】
図2〜図4を参照すれば、前記回転部3がシャフト軸91と共に回転するように、シャフト軸91は、前記回転部3と結合されるとともに前記回転部3のセンターを貫通する。前記回転部3は、ステンレススチール、チタニウム及びハステロイ―C(Hastelloy―C)合金のうち少なくともいずれか一つを含んで形成されることとしてもよい。
【0049】
前記回転部3は、第1の結合具31、第2の結合具32及び連結具33を含む。
【0050】
前記第1の結合具31には、その両側に前記第1の密封部4及び第2の密封部5がそれぞれ結合される。前記第1の結合具31は、中空円盤状の形状を有すこととしてもよい。前記回転部3は、第1の結合具31がカバー7の内側に位置するようにシャフト軸91に結合されることとしてもよい。前記第1の結合具31には、第1の密封部4及び第2の密封部5とピン200(図4を参照)を用いて結合されるように貫通孔31aが形成されている。
【0051】
前記第1の結合具31には、さらに密封溝311(図4を参照)が形成されている。密封具6は前記密封溝311の中にはめられる。前記密封溝311は、第1の結合具31でシャフト軸91が貫通される貫通孔をなす面に形成される。前記密封溝311は、密封具6と相補的な形態で形成されることとしてもよい。
【0052】
前記第1の結合具31は、第1の支持具312及び第2の支持具313を含む。
【0053】
前記第1の支持具312は、第1の密封部4との結合面を密封するように備えられる第1のパッキング部材412を支持する。前記第1の支持具312は、第1の結合具31の一側で段をなし、そして、中空円盤状の形状であることとしてもよい。
【0054】
前記第2の支持具313は、第2の密封部5との結合面を密封するように備えられる第2のパッキング部材512を支持する。前記第2の支持具313は、第1の結合具31の他側で段をなし、そして、中空円盤状の形状であることとしてもよい。
【0055】
前記第2の結合具32は、前記カバー7の外側でシャフト軸91に結合されるように、第1の結合具31から一定の距離だけ離隔される。前記第2の結合具32には、複数の締結孔が形成されており、その締結孔を通して前記第2の結合具32とシャフト軸91とを結合するために締結具が挿入される。前記第2の結合具32は、中空円盤状の形状を有することとしてもよく、また、前記連結具33の終端に締結具を用いて結合されることとしてもよい。
【0056】
前記連結具33は、カバー7の内側に位置する前記第1の結合具31と、カバー7の外側に位置する前記第2の結合具32とを連結する。前記連結具33は、カバー7の内側からカバー7の外側まで長く延長される中空円筒状に形成されることとしてもよい。前記連結具33は、第1の結合具31と一体に形成されることとしてもよい。
【0057】
図2〜図4に参照されるよう、前記第1の密封部4は、カバー7の内側で、前記第1の結合具31の一側とカバー7の他側との間に介在されることとしてもよい。
【0058】
前記第1の密封部4は、シャフト軸91から一定の距離だけ離隔するように前記第1の結合具31の一側とカバー7の他側との間に介在されることとしてもよい。この様な配置によって、例えば船舶の航海条件によって、前記シャフト軸91が一定の角度だけ傾いて元の位置から逸脱するとしても、前記第1の密封部4は正常に密封機能を行うことができる。
【0059】
前記第1の密封部4は、第1の回転摩擦部41及び第1の固定部42を含む。
【0060】
前記第1の回転摩擦部41は、第1の結合具31の一側に結合され、シャフト軸91の回転によって前記回転部3及びシャフト軸91と共に同時に回転する。前記第1の回転摩擦部41は中空円盤状の形状を有している。
【0061】
前記第1の回転摩擦部41は、シャフト軸91に接触しないように前記回転部3に挿入結合される。この結合方法は、シャフト軸91と他の構成要素との間での総接触域を減少させ、シャフト軸91及び他の構成要素の損傷を最小化する。
【0062】
図4に示されるように、前記第1の回転摩擦部41には、ピン200(図4を参照)を用いて前記第一の結合具31の一側に結合されるように、表面に溝41aが形成されている。
【0063】
前記第1の回転摩擦部41は、第1の回転摩擦面411及び第1のパッキング部材412を含む。
【0064】
前記第1の回転摩擦面411は、第1の固定部42に接触し、シャフト軸91の回転時に前記第1の固定部42と摩擦される。前記第1の回転摩擦面411は、耐摩耗性に優れたシリコンカーバイド、タングステンカーバイド又はカーボングラファイトのうちいずれか一つで形成されることとしてもよい。また、前記第1の回転摩擦部41全体が第1の回転摩擦面411と同一の材質で形成されることとしてもよい。
【0065】
したがって、本発明に係る船舶用ビルジ発生防止装置1は、シャフト軸91の回転によって摩擦が発生する部分を耐摩耗性に優れた材質で形成し、摩擦による損傷を減少させることによって、長い時間の間取替えなしに使用することができる。
【0066】
前記第1のパッキング部材412は、第1の回転摩擦部41と第1の結合具31との結合面を密封できるように、前記第1の回転摩擦部41に形成されている収容溝41b(図4を参照)に結合される。前記第1のパッキング部材412は、前記第1の支持具312によって支持される。前記第1のパッキング部材412としては、Oリング、特に、フッ素ゴム(Fluorine Rubber、FPM)で形成されたOリングが使用されることとしてもよい。
【0067】
前記第1の固定部42は、カバー7の他側と第1の回転摩擦部41との間に介在される。前記第1の固定部42は、第1の固定摩擦部421及び第1の加圧部422を含む。
【0068】
前記第1の固定摩擦部421は、第1の加圧部422が加える圧力によって前記第1の回転摩擦部41に接触する。前記第1の固定摩擦部421は中空円盤状の形状を有する。また、前記第1の固定摩擦部421は第1の固定摩擦面4211を含む。
【0069】
前記第1の固定摩擦面4211は、第1の回転摩擦面411に接触し、シャフト軸91の回転時に前記第1の回転摩擦面411と摩擦される。前記第1の固定摩擦面4211は、耐摩耗性に優れたシリコンカーバイド、タングステンカーバイド又はカーボングラファイトのうちいずれか一つで形成されることとしてもよい。
【0070】
前記第1の固定摩擦面4211は、第1の回転摩擦面411と互いに異なる材質で形成されることとしてもよく、その結果、摩擦時に相互間の特性を補強しながら摩擦による影響を最小化することができる。また、前記第1の固定摩擦部421全体が第1の固定摩擦面4211と同一の材質で形成されることとしてもよい。
【0071】
ここで、前記第1の固定摩擦面4211と第1の回転摩擦面411との間にはパッキング部材が介在されないことに注意したい。これは、前記第1の固定摩擦面4211及び第1の回転摩擦面411が第1の加圧部422によって強く密着されるだけでなく、前記カバー7の内側に収容される流体が摩擦熱によって除去され、流体が漏れる憂いがないためである。
【0072】
換言すると、前記カバー7の内側に収容される流体が、前記第1の固定摩擦面4211と第1の回転摩擦面411との間に発生する摩擦熱を冷却するので、摩擦による損傷も減少させることができる。
【0073】
また、前記第2の密封部5から海水が漏れるとしても、この海水がエンジン室の内部に流入することを前記第1の密封部4によって遮断することができる。すなわち、本発明に係る船舶用ビルジ発生防止装置1は、ビルジの発生を完全に防止するために、二重海水遮断構造を採用している。
【0074】
前記第1の加圧部422は、カバー7の他側によって支持され、前記第1の固定摩擦部421が第1の回転摩擦部41に接触するように前記第1の固定摩擦部421に圧力を加える。これによって、前記第1の加圧部422は、第1の固定摩擦面4211と第1の回転摩擦面411を互いに強く密着させることができる。
【0075】
第1の固定摩擦面4211及び第1の回転摩擦面411が摩擦によって一部摩耗されるとしても、前記第1の加圧部422は前記第1の固定摩擦部421に摩耗量だけの圧力を加えることによって、前記第1の固定摩擦部421と第1の回転摩擦部41とを密着させることができる。すなわち、前記第1の加圧部422は、第1の固定摩擦面4211及び第1の回転摩擦面411が摩擦によって一部摩耗されるとしても、前記第1の加圧部422は摩減を自動的に補償することができる。
【0076】
したがって、本発明に係る船舶用ビルジ発生防止装置1は、使用が便利であり、安全性を維持しながら前記第1の固定摩擦部421及び第1の回転摩擦部41の取替え時期を延長することができる。
【0077】
前記第1の加圧部422は、第1の弾性部材4221及び第1のハウジング4222を含む。
【0078】
前記第1の弾性部材4221は、一側が前記カバー7に結合され、他側が第1の固定摩擦部421と結合される。前記第1の弾性部材4221は、図4に示すように、前記カバー7の他側に係止されることによって結合されることとしてもよい。
【0079】
前記第1の弾性部材4221は、第1の加圧部422が第1の固定摩擦部421に圧力を加えられるように弾性力を提供し、前記カバー7と前記第1の固定摩擦部421との間の結合面を密封する。前記第1の弾性部材4221としては、ベローズ、とりわけラバーベローズが使用されることとしてもよい。
【0080】
前記第1のハウジング4222は、第1の弾性部材4221の外周面に結合され、その結果、前記第1の弾性部材4221が所定の外形を維持されるように補助する。前記第1のハウジング4222は、第1の加圧部422が第1の固定摩擦部421に圧力を加えられるように弾性力を提供する第1の弾性部材4221の機能を補強することによって、前記第1の加圧部422の自動補償機能を補強することができる。
【0081】
前記第1のハウジング4222は、第1の固定本体4222a、第1の移動本体4222b及び第1の弾性具4222cを含む。
【0082】
前記第1の固定本体4222aは、カバー7に結合する第1の弾性部材4221の一部、すなわち、第1の弾性部材4221の一側外周面に結合される。前記第1の固定本体4222aは、第1の弾性部材4221を内側に収容できるように中空円盤状の形状を有する。前記第1の固定本体4222aは、第1の移動本体4222bと対向する前記第1の固定本体4222aの表面に、所定間隔だけ離隔して形成される複数の突起を含むこととしてもよい。
【0083】
前記第1の移動本体4222bは第1の弾性部材4221に結合する第1の固定摩擦部421の一部、すなわち、第1の弾性部材4221の他側外周面に結合される。第1の回転摩擦部41と第1の固定摩擦部421とが摩擦によって一部摩耗されれば、前記第1の移動本体4222bは、前記第1の固定摩擦部421に圧力を加え、摩耗による影響を補償するように、前記第1の固定摩擦部421が位置する方向に移動する。
【0084】
前記第1の移動本体4222bは、第1の固定本体4222aと略一致する形態を有する。前記第1の移動本体4222bは、第1の弾性具4222cによって前記第1の固定本体4222aと互いに対向するように結合されることとしてもよい。同様に、前記第1の移動本体4222bは複数の突起を有することとしてもよく、そして、前記第1の移動本体4222bの複数の突起及び第1の固定本体4222aの複数の突起のそれぞれが互い違いに配置されるように結合されることとしてもよい。
【0085】
前記第1の弾性具4222cは、第1の固定本体4222a及び第1の移動本体4222bを互いに弾性的に結合する。前記第1の弾性具4222cは、一側が前記第1の固定本体4222aに結合され、他側が前記第1の移動本体4222bに結合される。前記第1の弾性具4222cとしては、所定の弾性力を有するスプリングが使用されることとしてもよい。
【0086】
図2〜図4を参照すれば、前記第2の密封部5は、カバー7の内側で、前記第1の結合具31の他側とカバーフランジ2との間に介在される。前記第2の密封部5は、第1の密封部4と略一致する構成からなり、第1の結合具31を基準にして前記第1の密封部4と対向する方向に第1の結合具31の他側に結合される。
【0087】
前記第2の密封部5は、シャフト軸91から一定の距離だけ離隔するように前記第1の結合具31の他側とカバーフランジ2との間に介在されることとしてもよい。この様な配置によって、例えば船舶の航海条件によって、前記シャフト軸91が一定の角度だけ傾いて元の位置から逸脱するとしても、前記第2の密封部5は正常に密封機能を行うことができる。
【0088】
前記第2の密封部5は、第2の回転摩擦部51及び第2の固定部52を含む。
【0089】
前記第2の回転摩擦部51は、第1の結合具31の他側に結合され、シャフト軸91の回転によって前記回転部3及びシャフト軸91と共に同時に回転する。前記第1の回転摩擦部41は中空円盤状の形状を有している。
【0090】
前記第2の回転摩擦部51は、シャフト軸91に接触しないように前記回転部3に挿入結合される。この結合方法は、シャフト軸91と他の構成要素との間での総接触域を減少させ、シャフト軸91及び他の構成要素の損傷を最小化する。
【0091】
図4に示されるように、前記第1の回転摩擦部51には、ピン200(図4を参照)を用いて前記第一の結合具31の他側に結合されるように、表面に溝51aが形成されている。
【0092】
前記第2の回転摩擦部51は、第2の回転摩擦面511及び第2のパッキング部材512を含む。
【0093】
前記第1の回転摩擦面511は、第2の固定部52に接触し、シャフト軸91の回転時に前記第1の固定部52と摩擦される。前記第2の回転摩擦面511は、耐摩耗性に優れたシリコンカーバイド、タングステンカーバイド又はカーボングラファイトのうちいずれか一つで形成されることとしてもよい。また、前記第2の回転摩擦部51全体が第2の回転摩擦面511と同一の材質で形成されることとしてもよい。
【0094】
したがって、本発明に係る船舶用ビルジ発生防止装置1は、シャフト軸91の回転によって摩擦が発生する部分を耐摩耗性に優れた材質で形成し、摩擦による損傷を減少させることによって、長い時間の間取替えなしに使用することができる。
【0095】
前記第2のパッキング部材512は、第2の回転摩擦部51と第1の結合具31との結合面を密封できるように、前記第2の回転摩擦部51に形成されている収容溝51bに結合される。前記第2のパッキング部材512は、前記第2の支持具313によって支持される。前記第2のパッキング部材512としては、Oリング、特に、フッ素ゴム(Fluorine Rubber、FPM)で形成されたOリングが使用されることとしてもよい。
【0096】
前記第2の固定部52は、カバーフランジ2と第2の回転摩擦部51との間に介在される。前記第2の固定部52は、第2の固定摩擦部521及び第2の加圧部522を含む。
【0097】
前記第2の固定摩擦部521は、第2の加圧部522が加える圧力によって前記第2の回転摩擦部51に接触する。前記第2の固定摩擦部521は、中空円盤状の形状を有する。前記第2の固定摩擦部521は第2の固定摩擦面5211を含む。
【0098】
前記第2の固定摩擦面5211は、第2の回転摩擦面511に接触し、シャフト軸91の回転時に前記第2の回転摩擦面511と摩擦される。前記第2の固定摩擦面5211は、耐摩耗性に優れたシリコンカーバイド、タングステンカーバイド又はカーボングラファイトのうちいずれか一つで形成されることとしてもよい。
【0099】
前記第2の固定摩擦面5211は、第2の回転摩擦面511と互いに異なる材質で形成されることとしてもよく、その結果、摩擦時に相互間の特性を補強しながら摩擦による影響を最小化することができる。また、前記第2の固定摩擦部521全体が第2の固定摩擦面5211と同一の材質で形成されることとしてもよい。
【0100】
ここで、前記第2の固定摩擦面5211と第2の回転摩擦面511との間にはパッキング部材が介在されないことに注意したい。これは、前記第2の固定摩擦面5211及び第2の回転摩擦面511が第2の加圧部522によって強く密着されるだけでなく、海水又は流体が摩擦熱によって除去され、海水又は流体が漏れる憂いがないためである。換言すると、海水又は流体は、前記第2の固定摩擦面5211と第2の回転摩擦面511との間に発生する摩擦熱を冷却するので、摩擦による損傷も減少させることができる。
【0101】
前記第2の加圧部522は、カバーフランジ2の他側によって支持され、前記第2の固定摩擦部521が第2の回転摩擦部51に接触するように前記第2の固定摩擦部521に圧力を加える。これによって、前記第2の加圧部522は、第2の固定摩擦面5211と第2の回転摩擦面511を互いに強く密着させることができる。
【0102】
第2の固定摩擦面5211及び第2の回転摩擦面511が摩擦によって一部摩耗されるとしても、前記第2の加圧部522は前記第2の固定摩擦部521に摩耗量だけの圧力を加えることによって、前記第2の固定摩擦部521と第2の回転摩擦部51を密着させることができる。すなわち、前記第2の加圧部522は、第2の固定摩擦面5211及び第2の回転摩擦面511が摩擦によって一部摩耗されるとしても、前記第2の加圧部522は摩減を自動的に補償することができる。
【0103】
したがって、本発明に係る船舶用ビルジ発生防止装置1は、使用が便利であり、安全性を維持しながら前記第2の固定摩擦部521及び第2の回転摩擦部51の取替え時期を延長することができる。
【0104】
前記第2の加圧部522は、第2の弾性部材5221及び第2のハウジング5222を含む。
【0105】
前記第2の弾性部材5221は、一側がカバーフランジ2に結合され、他側が前記第2の固定摩擦部521と結合される。前記第2の弾性部材5221は、図4に示すように、前記カバーフランジ2に係止されることによって結合されることとしてもよい。
【0106】
前記第2の弾性部材5221は、第2の加圧部522が第2の固定摩擦部521に圧力を加えられるように弾性力を提供し、前記カバーフランジ2と前記第2の固定摩擦部521との間の結合面を密封する。前記第2の弾性部材5221としては、ベローズ又はラバーベローズが使用されることとしてもよい。
【0107】
前記第2のハウジング5222は、第2の弾性部材5221の外周面に結合され、その結果、前記第2の弾性部材5221が所定の外形を維持するように補助する。前記第2のハウジング5222は、第2の加圧部522が第2の固定摩擦部521に圧力を加えられるように弾性力を提供する第2の弾性部材5221の機能を補強することによって、前記第2の加圧部522の自動補償機能を補強することができる。
【0108】
前記第2のハウジング5222は、第2の固定本体5222a、第2の移動本体5222b及び第2の弾性具5222cを含む。
【0109】
前記第2の固定本体5222aは、カバーフランジ2に結合する第2の弾性部材5221の一部、すなわち、前記第2の弾性部材5221の一側外周面に結合される。前記第1の固定本体4222aは、第1の弾性部材4221を内側に収容できるように中空円盤状の形状を有する。前記第2の固定本体5222aは、第2の移動本体5222bと対向する前記第2の固定本体5222aの表面に、所定間隔だけ離隔して形成される複数の突起を含むこととしてもよい。
【0110】
前記第2の移動本体5222bは第2の弾性部材5221に結合する第2の固定摩擦部521の一部、すなわち、第2の弾性部材5221の他側外周面に結合される。第2の回転摩擦部51と第2の固定摩擦部521とが摩擦によって一部摩耗されれば、前記第2の移動本体5222bは、前記第2の固定摩擦部521に圧力を加え、摩耗による影響を補償するように、前記第2の固定摩擦部521が位置する方向に移動する。
【0111】
前記第2の移動本体5222bは、第2の固定本体5222aと略一致する形態を有する。前記第2の移動本体5222bは、第2の弾性具5222cによって前記第2の固定本体5222aと互いに対向するように結合されることとしてもよい。同様に、前記第2の移動本体5222bは複数の突起を有することとしてもよく、そして、前記第2の移動本体5222bの複数の突起及び第2の固定本体5222aの複数の突起のそれぞれが互い違いに配置されるように結合されることとしてもよい。
【0112】
前記第2の弾性具5222cは、第2の固定本体5222aと第2の移動本体5222bとを互いに弾性的に結合する。前記第2の弾性具5222cは、一側が前記第2の固定本体5222aに結合され、他側が前記第2の移動本体5222bに結合される。前記第2の弾性具5222cとしては、所定の弾性力を有するスプリングが使用されることとしてもよい。
【0113】
図2〜図4を参照すれば、前記密封具6は、回転部3とシャフト軸91との接触面に介在され、その結果、その前端まで海水が流入できるようにする。
【0114】
前記密封具6は、エンジン室内部への海水の流入を完全に遮断できるように、海水による水圧などのような相当の外力にも容易に変形されないフッ素ゴム(Fluorine Rubber、FPM)で形成されることとしてもよい。フッ素ゴムは、バイトンという用語で称することもある。前記密封具6は円環状の形状を有すこととしてもよい。
【0115】
前記密封具6は、第2の密封部5が設置される位置まで海水が流入できるように、前記第1の結合具31に形成されている密封溝311にはめられる。したがって、流入した海水は、前記第2の密封部5に備えられる第2の回転摩擦面511及び第2の固定摩擦面5211が摩擦されることによって発生する摩擦熱を冷却することができる。
【0116】
図2〜図4を参照すれば、前記カバー7は、カバーフランジ2の他側に結合される。前記第1の密封部4及び第2の密封部5は前記カバー7の内側でそれぞれ結合される。
【0117】
前記カバー7は、シャフト軸91に接触しないように、シャフト軸91から一定の距離だけ離隔して前記カバーフランジ2に結合されることとしてもよい。この結合方法は、シャフト軸91と他の構成要素との間での総接触域を減少させ、シャフト軸91及び他の構成要素の損傷を最小化する。
【0118】
流体が前記カバー7内に収容されることとしてもよい。このような流体は、前記カバー7の内周面、前記第1の密封部4の外周面、前記第2の密封部5の外周面、前記第1の結合具31の外周面及びカバーフランジ2の他側面によって規定される空間に収容されることとしてもよい。前記カバー7の内側に収容される流体としては、オイル又は冷却水が使用されることとしてもよい。
【0119】
前記カバー7がその内側に流体を収容できるように構成されるとき、流体は前記第1の密封部4に備えられる前記第1の回転摩擦面411及び第1の固定摩擦面4211が摩擦されることによって発生する摩擦熱を冷却するように備えられ、それによって、前記第1の回転摩擦面411及び第1の固定摩擦面4211が摩擦によって摩耗又は損傷されることを防止することができる。
【0120】
前記カバー7の内側に収容される流体は、前記第2の密封部5に備えられる前記第2の回転摩擦面511及び第2の固定摩擦面5211が摩擦されることによって発生する摩擦熱も冷却するように備えられ、それによって、前記第2の回転摩擦面511及び第2の固定摩擦面5211が摩擦によって摩耗又は損傷されることを防止することができる。
【0121】
流体が前記カバー7内に収容される上記構成によって、前記船舶用ビルジ発生防止装置1は、船舶の始動時に第1の密封部4及び第2の密封部5で発生する摩擦熱を取り除くことができ、各構成要素の損傷をより効率的に防止することができる。前記第1の密封部4及び第2の密封部5で発生する摩擦力が船舶の始動時に最も大きく、これに比例して大きな摩擦熱が発生する。
【0122】
さらに、流体が前記カバー7内に収容される上記構成によって、前記船舶用ビルジ発生防止装置1は、船舶の高速運行時にも前記第2の密封部5で発生する摩擦熱を取り除くことができ、各構成要素の損傷を防止することができる。これは、船舶の高速運行時、船頭は水面上に立ち上がり、その結果、船体が傾きながら第2の密封部5とシャフト軸91との間に海水が流入しないためである。
【0123】
前記カバー7は、ステンレススチール、チタニウム、ハステロイ―C合金のうち少なくともいずれか一つを含んで形成されることとしてもよい。前記カバー7は船舶用ビルジ発生防止装置1を軽量にするために、プラスチックで形成されることとしてもよい。
【0124】
前記カバー7は、その内側に収容される流体が流入する流入口71と、流体が排出される排出口72とを有する。
【0125】
前記流入口71及び排出口72は、エンジンを冷却するために船舶に設置される冷却水ポンプ(図示せず)と連結され、流体が前記カバー7の内側と冷却水ポンプとの間で循環されるようにする。この循環によって、たとえ前記カバー7の内側に収容される流体が摩擦熱を冷却しながら温度が高くなったとしても、摩擦熱を冷却する効果の低減を防止することが可能となる。
【0126】
前記船舶用ビルジ発生防止装置1は、センサ(図示せず)をさらに含むこととしてもよい。
【0127】
前記センサは、カバー7の内側に収容される流体の圧力を感知する。前記船舶用ビルジ発生防止装置1をなす各構成要素が摩耗又は損傷されれば、前記カバー7の内側に収容される流体が漏れるので、前記センサが感知する流体の圧力に変化が生じる。
【0128】
前記センサは、カバー7の内側に収容される流体の圧力に変化が生じたことを感知すれば、船舶の操舵室に警報音又は所定のメッセージを伝達できる音響装置に連結され、ユーザが海水又は冷却流体の漏れを早期に確認できるようにする。
【0129】
したがって、ユーザは、船舶用ビルジ発生防止装置1で海水又は流体が漏れるかどうかを感知することによって、ビルジの発生を早期に予防することができ、浸水による船舶の沈没を防止することができ、各構成要素の取替え時期及び補修時期を正確にチェックすることができる。
【0130】
前記カバー7は、さらにカバーフランジ2のフランジ突出部22に対応するカバー突出部73を含む。
【0131】
前記カバー突出部73は、カバー7の他側からカバー7の内側に突出し、そして、中空円盤状の形状を有することとしてもよい。前記カバー突出部73には、図4に示すように、前記第1の密封部4が係止されることによって結合されることとしてもよい。
【0132】
図2〜図5を参照すれば、前記船舶用ビルジ発生防止装置1は、位置決定部8をさらに含むことができる。
【0133】
前記位置決定部8は、カバー7の他側外面7a(図4を参照)によって支持され、前記第2の結合具32と脱着可能に結合される。特に、前記位置決定部8は、少なくとも一つ以上が締結具を用いて前記第2の結合具32に脱着可能に結合されることとしてもよい。前記位置決定部8は、船舶用ビルジ発生防止装置1の設置時のみに使用され、設置の完了後には除去されることとしてもよい。
【0134】
前記位置決定部8は、‘L’字状に形成されることとしてもよい。前記カバー7の他側外面7a(図4を参照)には、前記位置決定部8の一端が挿入され得る溝7b(図4を参照)が形成される。
【0135】
前記位置決定部8は、回転部3がシャフト軸91に結合される位置を決定する。前記位置決定部8は、シャフト軸91と関連する回転部3の結合される位置を決定するために備えられる。前記位置決定部8は、カバー7の他側外面7a(図4を参照)によって支持されることによって、前記第1の結合具31及び第2の結合具32がカバー7の他側外面7a(図4を参照)から一定の距離だけ離隔した位置で前記回転部3がシャフト軸91に結合されるようにする。これによって、前記回転部3、第1の密封部4、第2の密封部5及び密封具6は正確な位置に結合され得る。
【0136】
前記位置決定部8は、前記船舶用ビルジ発生防止装置1を、図5に示すように、一体型で組み立てられた状態で正確な位置に設置されるようにする。前記位置決定部8の使用は、設置の便利さ及び容易さに寄与する。
【0137】
以下では、本発明の他の実施例に係る船舶用ビルジ発生防止装置の好適な実施例を添付の図面を参照して詳細に説明する。本発明の他の実施例に係る船舶用ビルジ発生防止装置は、上述した一実施例と類似した構成を含み、このような構成に対する説明は、本発明の要旨を不明確にすることを防止するために省略する。
【0138】
図6は、本発明の他の実施例に係る船舶用ビルジ発生防止装置の一部構成に対する分解斜視図で、図7は、本発明の他の実施例に係る船舶用ビルジ発生防止装置が船舶に設置された状態を示した断面図で、図8は、図7のB部分を拡大して示した断面図である。
【0139】
図6及び図7に参照されるように、本発明の他の実施例に係る船舶用ビルジ発生防止装置1は、上述した一実施例と差異点を有する構成であって、第1の結合具31及びカバー7を含む。
【0140】
また、本発明の他の実施例に係る船舶用ビルジ発生防止装置1は、上述した一実施例と対比する差異点として、前記第2の密封部5(図3を参照)を備えておらず、前記カバーフランジ2(図3を参照)が前記カバー7と一体に形成される。このように、本発明の他の実施例に係る船舶用ビルジ発生防止装置1は、上述した一実施例と対比してより簡潔な構成であり、その結果、より簡単な作業で船舶に設置されるという長所を有する。
【0141】
図6及び図7に参照されるように、前記第1の結合具31には、その一側に前記第1の密封部4が結合される。前記第1の結合具31は中空円盤状の形状を有することとしてもよい。前記回転部3は、第1の結合具31がカバー7の内側に位置するようにシャフト軸91に結合されることとしてもよい。前記第1の結合具31には、第1の密封部4とピン200(図8を参照)を用いて結合されるように溝31aが形成されている。
【0142】
前記第1の結合具31には密封溝311(図8を参照)が形成されている。前記密封溝311は、密封具6がはめられる溝である。前記密封溝311は、第1の結合具31でシャフト軸91が貫通される貫通孔をなす面に形成される。前記密封溝311は密封具6と相補的な形態で形成されることとしてもよい。
【0143】
前記第1の結合具31は第1の支持具312を含む。
【0144】
前記第1の支持具312は、回転部3と第1の密封部4との結合面を密封できるように備えられる第1のパッキング部材412を支持する。前記第1の支持具312は、第1の結合具31の一側で段をなしており、また中空円盤状の形状を有することとしてもよい。
【0145】
図6〜図8に参照されるように、流体が前記カバー7内に収容されることとしてもよい。特にこのような流体は、前記カバー7の内周面、前記第1の密封部4の外周面及び前記第1の結合具31の外周面を含む各構成要素によって規定される空間に収容されることとしてもよい。前記カバー7の内側に収容される流体は、海水又は冷却水のうち少なくとも一つであることとしてもよい。
【0146】
前記カバー7がその内側に流体を収容できるように構成されるとき、流体は前記第1の密封部4に備えられる前記第1の回転摩擦面411及び第1の固定摩擦面4211が摩擦されることによって発生する摩擦熱を冷却することが可能となる。これによって、前記第1の回転摩擦面411及び第1の固定摩擦面4211が摩擦によって摩耗又は損傷されることを防止することができる。
【0147】
そのうえ、流体が前記カバー7内に収容される上記構成によって、前記船舶用ビルジ発生防止装置1は、船舶の始動時に第1の密封部4で発生する摩擦熱を取り除くことができ、各構成要素の損傷をより効率的に防止することができる。前記第1の密封部4で発生する摩擦力が船舶の始動時に最も大きく、これに比例して大きな摩擦熱が発生する。
【0148】
前記カバー7は、ステンレススチール、チタニウム、ハステロイ―C合金のうち少なくともいずれか一つを含んで形成されることとしてもよい。あるいは、船舶用ビルジ発生防止装置1を軽量にするために、前記カバー7はプラスチックで形成されることとしてもよい。
【0149】
前記カバー7は、流入口71及び排出口72を有することとしてもよい。
【0150】
前記流入口71及び排出口72は、エンジンを冷却するために船舶に設置される冷却水ポンプ(図示せず)と連結され、流体が前記カバー7の内側と冷却水ポンプとの間で循環されるようにする。この循環によって、たとえ前記カバー7の内側に収容される流体が摩擦熱を冷却しながら温度が高くなったとしても、摩擦熱を冷却する効果の低減を防止することが可能となる。
【0151】
必要に応じて、前記流入口71及び排出口72を通して循環される冷却水の圧力を調節することができる。このような調節は、海水から船舶の内部に流入する異物質などを再び海水に排出することを可能にし、それによって、船舶用ビルジ発生防止装置1の損傷を防止する。
【0152】
前記船舶用ビルジ発生防止装置1は、センサ(図示せず)をさらに含むこととしてもよい。
【0153】
前記センサは、カバー7の内側に収容される流体の圧力を感知する。前記船舶用ビルジ発生防止装置1をなす各構成要素が摩耗又は損傷されれば、前記カバー7の内側に収容される流体が漏れるので、前記センサが感知する流体の圧力に大きな変化が生じる。
【0154】
前記センサは、カバー7の内側に収容される流体の圧力が一定範囲以上変化したことを感知すれば、船舶の操舵室に警報音又は所定のメッセージを伝達できる音響装置に連結され、ユーザが海水又は冷却流体の漏れを早期に確認できるようにする。
【0155】
したがって、ユーザは、船舶用ビルジ発生防止装置1で海水又は冷却水が漏れるかどうかを感知することによって、ビルジの発生を早期に予防することができ、浸水による船舶の沈没を防止することができ、各構成要素の取替え時期及び補修時期を正確にチェックすることができる。
【0156】
前記カバー7は、カバー突出部73及びカバーフランジ74をさらに有する。
【0157】
前記カバー突出部73は、カバー7の他側からカバー7の内側に突出し、そして、中空円盤状の形状を有することとしてもよい。前記カバー突出部73には、図8に示すように、前記第1の密封部4が係止されることによって結合されることとしてもよい。
【0158】
前記カバーフランジ74は、中空円盤状の形状を有することとしてもよい、そして、シャフト軸91は前記カバーフランジ74のセンターを貫通する。前記カバーフランジ74はスターンチューブ92に結合されることとしてもよい。前記カバーフランジ74は、前記シャフト軸91と接触しないように前記シャフト軸91から一定の距離だけ離隔してスターンチューブ92に結合されることとしてもよい。
【0159】
前記カバーフランジ74は、図示していないが、スターンチューブ92の代わりに、エンジン室の船体壁面W又はブッシュ(図示せず)のうちいずれか一つに結合されることとしてもよい。したがって、ユーザは、船舶の設置仕様又は設置の容易さ程度によって前記カバーフランジ74をエンジン室の船体壁面W、スターンチューブ93及びブッシュ(図示せず)のうちいずれか一つに結合することができる。
【0160】
前記カバーフランジ74は、挿入部741及びフランジパッキング部材742を含むこととしてもよい。
【0161】
前記挿入部741は、カバーフランジ74の一側から突出し、そして、中空円盤状の形状を有することとしてもよい。前記カバーフランジ74がスターンチューブ92に結合される場合、前記挿入部741はスターンチューブ92の内側に挿入される。その結果、ユーザは、前記挿入部741を用いることによって、前記船舶用ビルジ発生防止装置1を船舶に容易に設置することができる。
【0162】
前記フランジパッキング部材742は、カバーフランジ74の一側に形成されているパッキング溝74a(図8を参照)にはめられ、前記カバーフランジ74とスターンチューブ92との結合面を密封する。前記フランジパッキング部材23としては、Oリングであってよく、特に、フッ素ゴム(Fluorine Rubber、FPM)で形成されたOリングであることとしてもよい。
【0163】
前記フランジパッキング部材742は、図示していないが、複数備えられることとしてもよい。この場合、前記カバーフランジ74には、前記フランジパッキング部材742の数に相応する複数のパッキング溝74aが形成されることとしてもよい。
【0164】
前記フランジパッキング部材742は、図示していないが、カバーフランジ74がスターンチューブ92の代わりに、エンジン室の船体壁面W又はブッシュ(図示せず)のうちいずれか一つに結合される場合、その結合面を密封できるようにカバーフランジ74の一側に結合されることとしてもよい。
【0165】
図6〜図8を参照すれば、前記カバー7は、互いに脱着可能に結合される第1のカバー7c及び第2のカバー7dを含むこととしてもよい。
【0166】
前記第1のカバー7c及び第2のカバー7dが脱着可能に結合されることによって、前記回転部3及び前記密封部4を前記カバー7に容易に結合することができる。前記第1のカバー7c及び第2のカバー7dは、図示していないが、ボルトなどの締結具を通して脱着可能に結合することとしてもよい。
【0167】
前記第1のカバー7cは、エンジン室の船体壁面W、スターンチューブ92及びブッシュのうちいずれか一つに結合されるカバーフランジ74を含むこととしてもよい。
【0168】
前記第2のカバー7dは、第1の密封部4と接触し、シャフト軸91から離隔するように前記第1のカバー7cに結合されることとしてもよい。したがって、シャフト軸91が他の構成要素と接触する面を減少させることによって、シャフト軸91及び他の構成要素の損傷を最小化することができる。
【0169】
前記第2のカバー7dは、第1の密封部4が係止されることによって結合されるカバー突出部73を含むこととしてもよい。前記第2のカバー7dの他側外面7a(図8を参照)には、前記位置決定部8の一端が挿入される溝7b(図8を参照)が形成されることとしてもよい。前記第2のカバー7dと第1のカバー7cとの結合面には少なくとも一つのカバーパッキング部材75が介在されることとしてもよい。
【0170】
前記カバーパッキング部材75は、前記第1のカバー7cと第2のカバー7dとの結合面を密封する。前記カバーパッキング部材75は複数備えられることとしてもよい。前記カバーパッキング部材75としては、Oリング、特に、フッ素ゴム(Fluorine Rubber、FPM)で形成されたOリングが使用されることとしてもよい。
【0171】
本発明に係る船舶用ビルジ発生防止装置1は、上述したように、各構成要素の外面が円状に形成されるが、その他に、図示していないが、各構成要素の外面が多角形状に形成されることもある。
【0172】
以上説明した本発明は、上述した実施例及び添付の図面に限定されるものでなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で多様な置換、変形及び変更が可能であることは、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者にとって明白であろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その内側に流体を収容できるカバーと、
その内側にシャフト軸を貫通させ、シャフト軸に結合されてシャフト軸と共に回転し、第1の結合具を含む回転部と、
前記カバーの内側に位置し、前記第1の結合具の一側と前記カバーの一側との間に介在される第1の密封部と、
前記回転部とシャフト軸との接触面に介在される密封具と、を含む船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項2】
前記第1の密封部は、
前記第1の結合具の一側に結合され、シャフト軸と共に回転する第1の回転摩擦部と、
前記第1の回転摩擦部に接触する第1の固定摩擦部を有する第1の固定部と、を含む、請求項1に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項3】
前記第1の固定部は、前記カバーによって支持され、前記第1の固定摩擦部が前記第1の回転摩擦部に接触するように前記第1の固定摩擦部に圧力を加える第1の加圧部を、さらに含む、請求項2に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項4】
前記第1の加圧部は、一側が前記カバーに結合され、他側が前記第1の固定摩擦部と結合される第1の弾性部材を含む、請求項3に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項5】
前記第1の加圧部は、前記第1の弾性部材の外周面に結合される第1のハウジングをさらに含む、請求項4に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項6】
前記第1のハウジングは、
前記第1の弾性部材の一側外周面に結合される第1の固定本体と、
前記第1の弾性部材の他側外周面に結合される第1の移動本体と、
前記第1の固定本体と前記第1の移動本体とを互いに弾性的に結合する第1の弾性具と、を含む、請求項5に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項7】
前記第1の回転摩擦部は、前記第1の結合具と前記第1の回転摩擦部との結合面を密封する、第1のパッキング部材を含み、
前記第1の結合具は、前記第1のパッキング部材を支持する第1の支持具を含む、請求項2に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項8】
前記カバーは、その内側に収容される流体が流入する流入口と、流体が排出される排出口と、を含む、請求項1に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項9】
前記カバーの内側に収容される流体の圧力を感知するセンサをさらに含む、請求項1に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項10】
前記第1の密封部は、シャフト軸から離隔するように前記第1の結合具の一側と前記カバーとの間に介在される、請求項1に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項11】
前記カバーは、エンジン室の船体壁面、スターンチューブ及びブッシュのうちいずれか一つに結合されるカバーフランジを含み、
前記カバーフランジは、エンジン室の船体壁面、スターンチューブ及びブッシュのうちいずれか一つとの結合面を密封する少なくとも一つのフランジパッキング部材が挿入される少なくとも一つのパッキング溝を有する、請求項1に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項12】
前記カバーは、互いに脱着可能に結合される第1のカバー及び第2のカバーを含み、
前記第1のカバーは、エンジン室の船体壁面、スターンチューブ及びブッシュのうちいずれか一つに結合されるカバーフランジを含み、
前記第2のカバーは、前記第1の密封部と接触し、シャフト軸から離隔するように前記第1のカバーに結合される、請求項1に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項13】
前記第1のカバーと前記第2のカバーとの結合面に介在される少なくとも一つのカバーパッキング部材をさらに含む、請求項12に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項14】
前記回転部は、前記カバーの外側で前記シャフト軸に結合される第2の結合具をさらに含み、
前記船舶用ビルジ発生防止装置は、前記カバーの外面によって支持され、前記第2の結合具に脱着可能に結合される少なくとも一つの位置決定部をさらに含む、請求項1に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項15】
前記密封具は前記第1の結合具に結合され、
前記回転部は、前記カバーの内側に位置する前記第1の結合具と、前記カバーの外側に位置する前記第2の結合具とを連結する連結具をさらに含む、請求項14に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項16】
前記第1の回転摩擦部は、前記第1の固定摩擦部と摩擦される第1の回転摩擦面を含み、
前記第1の回転摩擦面は、シリコンカーバイド、タングステンカーバイド又はカーボングラファイトのうちいずれか一つで形成される、請求項2に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項17】
前記第1の固定摩擦部は、前記第1の回転摩擦部と摩擦される第1の固定摩擦面を含み、
前記第1の固定摩擦面は、シリコンカーバイド、タングステンカーバイド又はカーボングラファイトのうちいずれか一つで形成される、請求項2に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項18】
前記カバーの一側と結合されるカバーフランジと、
前記カバーの内側で、前記第1の結合具の他側と前記カバーフランジとの間に介在される第2の密封部と、をさらに含む、請求項1に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項19】
前記第2の密封部は、
前記第1の結合具の他側に結合され、シャフト軸と共に回転する第2の回転摩擦部と、
前記第2の回転摩擦部に接触する第2の固定摩擦部を有する第2の固定部と、を含む、請求項18に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項20】
前記第2の固定部は前記カバーフランジによって支持され、前記第2の固定摩擦部が前記第2の回転摩擦部に接触するように前記第2の固定摩擦部に圧力を加える第2の加圧部をさらに含む、請求項19に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項21】
前記第2の加圧部は、一側が前記カバーフランジに結合され、他側が前記第2の固定摩擦部と結合される第2の弾性部材を含む、請求項20に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項22】
前記第2の加圧部は、前記第2の弾性部材の外周面に結合される第2のハウジングをさらに含む、請求項21に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項23】
前記第2のハウジングは、
前記第2の弾性部材の一側外周面に結合される第2の固定本体と、
前記第2の弾性部材の他側外周面に結合される第2の移動本体と、
前記第2の固定本体と前記第2の移動本体とを互いに弾性的に結合する第2の弾性具と、を含む、請求項22に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項24】
前記第2の回転摩擦部は、前記第1の結合具と前記第2の回転摩擦部との結合面を密封する第2のパッキング部材を含み、
前記第1の結合具は、前記第2のパッキング部材を支持する第2の支持具を含む、請求項19に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項25】
前記第2の密封部は、シャフト軸から離隔するように前記第1の結合具の他側と前記カバーフランジとの間に介在され、
前記カバーは、シャフト軸から離隔するように前記カバーフランジに結合される、請求項18に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項26】
前記カバーフランジは、
エンジン室の船体壁面、スターンチューブ及びブッシュのうちいずれか一つと結合し、
前記カバーフランジは、
前記カバーフランジと、エンジン室の船体壁面、スターンチューブ及びブッシュのうちいずれか一つとが結合された結合面を密封する、少なくとも一つのフランジパッキング部材と、
前記カバーフランジと、前記カバーとの結合面を密封する少なくとも一つのカバーパッキング部材と、
を含む、請求項18に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項27】
前記第2の回転摩擦部は、前記第2の固定摩擦部と摩擦される第2の回転摩擦面を含み、
前記第2の回転摩擦面は、シリコンカーバイド、タングステンカーバイド又はカーボングラファイトのうちいずれか一つで形成される、請求項19に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項28】
前記第2の固定摩擦部は、前記第2の回転摩擦部と摩擦される第2の固定摩擦面を含み、
前記第2の固定摩擦面は、シリコンカーバイド、タングステンカーバイド又はカーボングラファイトのうちいずれか一つで形成される、請求項19に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。
【請求項29】
前記密封具は、フッ素ゴムで形成される、請求項1に記載の船舶用ビルジ発生防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−503470(P2011−503470A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532999(P2010−532999)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【国際出願番号】PCT/KR2008/006381
【国際公開番号】WO2009/061097
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(510126472)
【Fターム(参考)】