説明

良性前立腺過形成の治療の装置および方法

【課題】尿流を改善し一方出血および浮腫も最小にして、十分な量の前立腺組織を排除する装置および治療法の提供。
【解決手段】それぞれ組織に異なる作用を有する少なくとも2つの波長を発することができるレーザー源;治療の領域へ少なくとも2つの波長のレーザー放射を伝達するレーザー放射伝達手段である光ファイバーシステム;そのなかで該少なくとも2つの波長のレーザー放射を伝達することのできる少なくとも1つの光ファイバー;および該少なくとも2つの波長のレーザー放射を発する該光ファイバーの遠位の末端のチップからなる良性前立腺過形成の治療を行う医療用レーザー装置および該装置を使用する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、過増殖性組織の治療のための装置に関し、そしてさらに特に、少なくとも2つ以上の別々の波長の光を利用することにより、実質的に同時に過剰の組織を剥離し、しかも剥離後の直下の組織を凝固してほとんど出血しない治療をもたらす良性の前立腺過形成を治療するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
良性前立腺過形成(BPH)または「拡大した前立腺」は、前立腺の非ガン性(良性)の成長をいう。BPHは、50歳を越える男性において最も普通の前立腺の問題であるが、前立腺の良性の成長は、約25歳で顕微鏡的な小結節により開始されるが、男性が40歳前には、ほとんど発症しない。米国では630万人の男性がBPHを有し、そしてその疾患は、毎年、640万回の医師への通院に関係がありそして40万人より多い入院患者に関係がある。
【0003】
BPHの正確な原因は、知られていないが、エイジングの進行に伴うホルモンの変化を含むものと一般に考えられている。テストステロンは、男性が生きている間連続して生成されそしてジヒドロテストステロン(DHT)(思春期および成人の初期の間前立腺の急速な成長を誘発する)への前駆物質であることから、恐らくBPHに関係を有するものと思われる。完全に発達すると、前立腺は、そのサイズがほぼクルミの実であり、そして男性が40歳代の半ばに達するまでこのサイズのままである。この時点で、前立腺は、多くの男性にとり人生の後期でBPHにしばしば導かれる成長の第2の周期が始まる。
【0004】
成人の初期中の前立腺の全部の拡大とは対照的に、良性の前立腺の成長は、尿道のまわりを囲む移行ゾーンと呼ばれる前立腺の中心域にのみ生ずる。前立腺のこの域の成長とともに、前立腺は尿道を押しそして多数の下部尿路症候群(LUTS)、例えば排尿困難(閉塞症状)および排尿時の痛み(貯蔵症状)を引き起こす。最後に、膀胱自体が弱くなりそしてそれ自体を空にする能力を失う。
【0005】
閉塞症状例えば間欠性排尿または遅延性排尿は、体内から排出される尿の量を著しく減らす。もし治療されないままであると、急性の尿閉は、他の重大な合併症、例えば膀胱結石、尿路感染症、尿失禁そして稀なケースとして膀胱損傷、腎臓損傷を生じさせる。これらの合併症は、抗不整脈薬または抗高血圧薬(非利尿薬)も服用している高齢の男性に、より頻繁に見られる。BPHに伴う生理学的な問題に加えて、多くの男性も不安やクオリティー・オブ・ライフの低下を経験している。
【0006】
BPHの緩和な症状は、アルファ−ブロッカーおよび抗アンドロジェンのような薬剤により、ほとんどの場合治療されている。中程度から高度のBPH症状を示す男性は、典型的な例として手術を受けねばならない。多数の他の手術のアプローチも同様に利用できるが、前立腺の経尿道的切除(TURP)は、標準的な手術手順である。他のより侵襲的ではない手術方法は、前立腺の経尿道切開(TUIP)、経尿道マイクロ波温熱療法(TUMT)、経尿道電気蒸発(TUVP)、経尿道針剥離(TUNA)およびレーザー手術を含む。
【0007】
光が使用されて、剥離(蒸発)または熱凝固メカニズムの何れかにより、過剰の前立腺組織を排除する多数の異なるレーザー技術が存在する。観察された臨床効果は、光の吸収(目標組織それ自体および/または周囲の流体による)そしてその次の熱の移動(その程度は、レーザー光線のパワーおよび波長に主に依存する)による。一般に、波長は組織の浸透の深さを決め、一方パワーは組織内に生ずる温度に直接的な影響を有する。しかし、組織は、50℃より高く加熱されなければ凝固を誘導することがなく、一方蒸発は100℃より高い温度でなければ生じないことから、治療域で最終のインパクトを決めるのは温度である。温度は、また合併症、すなわち炎症、排尿障害、出血および治療後のカテーテル留置の必要性および期間に影響する。
【0008】
現在BPHの治療に使用されているレーザーのアプローチは、単一の波長の光を利用して、剥離によりまたは凝固壊死を誘導することによって過剰の前立腺組織を排除する。しかし、最初、BPHに対するレーザー手術は、内視鏡レーザー組み合わせ摘除(CELAP)とよばれる治療方法でNd:YAGレーザーと組み合わされたホルミウム:YAGレーザーを使用しており、該方法は、ホルミウムレーザーが使用されて前立腺を通るチャンネルを生成しそしてNdレーザーが凝固に使用される2段階のプロセスである。もしホルミウムレーザーが凝固の目的の焦点をぼかすならば、Ndレーザーが不必要であることがさらに決められた。非特許文献1参照。CELAP方法では、ホルミウムレーザーを使用して、組織を蒸発させることにより前立腺にチャンネルを生成し、その後Nd:YAGレーザーを使用して凝固により組織をさらに排除した。CELAPは、長期の有効性のために評価されている、より新しい単一の波長のレーザー方法によって置換されている。
【0009】
前立腺のホルミウムレーザー摘出(HoLEP)は、2140nmのHo:YAGレーザーが使用されて前立腺から脳葉全体を取り除くレーザー剥離技術である。特に、HoLEPは、目標組織と直接接触する露出した光ファイバーを使用する。摘出は、ファイバーの前面で形成する蒸気の泡が目標組織を攻撃しそしてそれを引き裂くとき、生ずる。特殊な細切除去器または他の抽出技術が、その域から組織の屑を除くために必要とされる。HoLEP方法の有効性は、ファイバーと除かれるべき組織との間に非常に密な接触を維持することに依存する。その結果、方法を行っている間、前立腺に穴を開けねばならず、多くの外科医は、その技術に熟達するために学習しなければならず、それを維持するのが難しいので、HoLEPを用いることを避けることになる。
【0010】
前立腺の過成長を排除する他のレーザー技術の構成は、特許文献1に記載されているような、周囲の組織における凝固の薄い層の誘導並びに目標組織の蒸発を行うパルスされた532nmの強力なカリウム・チタニル・ホスフェートレーザー(KTP)としての周波数2倍Nd:YAGレーザーである。KTPに使用される532nmの放射は、ヘモグロブリンにより選択的に吸収され、そして1−2mmの深さにのみ組織に浸透する。その上、この方法は、より深い組織の層における望まれない凝固壊死の減少を助けることを目的にして、方法の実施中組織を冷やすために治療部位の連続的な洗浄を要する。
【0011】
介在性レーザー凝固(ILC)は、剥離による組織の排除に対して、前立腺の内部の凝固壊死を誘導することにより前立腺の量を減少させるNd:YAGレーザーを使用する侵襲性が最も低い方法である。その結果、ILCは、治療中組織の屑の除去を必要とせず、そして治療後の壊死した組織の以後の脱落(およびそれに伴う出血)を避けることができる。しかし、この波長は、比較的長い浸透の深さを有し、従って必要とされるのより深くかつ広いゾーンの熱的損傷を生ずる能力を有する。その結果、ILC治療法は、方法の実施中レーザーファイバーのチップの正確かつ十分にコントロールされた位置づけおよびモニターリングを要し、選択された群の患者(すなわち、特定の手術前の前立腺の大きさを有する患者)にとってのみ適切である。
【0012】
TURPとほぼ同様に、ほとんどのタイプのレーザー手術は、尿線に即時の改善をもたらすことができる。BPHに対するレーザー手術は、他の利点の可能性、例えば出血の減少並びに治療時間の短縮、患者の回復の早さおよび治療後の失禁のリスクの低さを有する。しかし、多くの患者は、いくつかの形のレーザー手術を行った後、治療後1−2週間のカテーテル留置を必要とする。BPHに対するレーザー治療の明らかな利点にもかかわらず、多くのレーザー技術の臨床結果に関する長期の追跡検査は、まだ広く行われていない。
【0013】
現在のところ、侵襲性の低い方法のどんなものも、TURPより有効であることを証明していないし、または以下のすべての患者の群にわたって一般に適切ではない。すなわち、より若い男性、衰弱した高齢の患者、コントロールされない糖尿病、硬変、活性アルコール中毒、肥満および心臓疾患を含む重症の症状を有する患者、血液非薄化薬剤を摂取している男性。そのため、治療後の有害な合併症がもっとも少ない、すべての患者にとって使用できるBPH症状の有効な緩和のための装置および治療方法がなお求められている。本発明は、この必要性に対処するものである。
【0014】
【特許文献1】米国特許6554824
【非特許文献1】A.H.H.Tan and P.J.Gilling,Holmium Laser Prostatectomy,BJU International,92,527−530(2003)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
尿流を改善し一方出血および浮腫も最小にして、十分な量の前立腺組織を排除する装置および治療法を提供するのが本発明の目的である。
目標組織における剥離および凝固を達成するように少なくとも2つの波長の光を利用する光ファイバー装置および放射法を提供するのが本発明の他の目的である。
光ファイバー装置および少なくとも2つの波長の光を使用してBPHの症状を有効に治療するのが本発明の他の目的である。
【0016】
パルスおよびエネルギー密度のパターンにより、目標組織における剥離および凝固を達成するために、少なくとも2つの波長の光を利用する光ファイバー装置および放射法を提供するのが本発明のなお他の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
簡単に説明すれば、本発明は、少なくとも2つの波長の光を利用することにより、BPHの治療中、実質的に同時に組織の剥離および組織の凝固を達成する装置および方法を提供する。本発明の装置および方法は、少なくとも2つの異なる波長の光を実質的に同時に放射することにより、尿流を改善し、そして治療中ほとんど出血のない手術室を維持しつつ治療後の出血および浮腫を最小にする。本発明の装置および方法は、拡大した前立腺の実際的かつ侵襲性が最も低い治療を提供するために、好ましい態様では、特殊な側面で発光する光ファイバーを含む光ファイバーを使用する。本発明によれば、過形成を囲む正常な組織への熱的損傷を最小にしつつ、組織の剥離は、前立腺組織に非常に吸収される1つの波長により影響され、一方前者より吸収されない他の波長が周囲の過形成組織を凝固させる。好ましい態様では、非常に吸収される波長は約1460nmであり、水により吸収されないがヘモグロビンによりやや顕著に吸収される波長は約980nmである。この組み合わせは、出血および浮腫を減らすことができ、患者を助ける。それは、治療中実質的に血液がない域を維持することにより、特にイメージングが使用されているケースにおいて、現場の担当者を助けることになる。
本発明の上記および他の目的、特徴および利点は、図面に関連して以下の記述を読むことから明らかになるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1Aは、本発明による医療用レーザー装置100の1つの態様を画いた構成図である。装置100は、少なくとも2つの異なる波長の光を発生するための2つのレーザー源102および104を含む。レーザー源102は、第1の光ファイバー114中へ放射を発し、そしてレーザー源104は、第2の光ファイバー112中へ放射を発する。結合器108は、光ファイバー112および114からの入力を受け取り、そして光ファイバープローブ110中へ2つの異なる波長の放射を伝達する1本の光ファイバー106を形成する。本発明によれば、装置100は、好ましくは1つの波長は980±20nmでありそして他のものは1300nmと1600nmとの間である少なくとも2つの異なる波長の光を発する。装置100は、操作上のパラメーターが入力されているコントロール装置116をさらに含む。これらの操作上のパラメーターは、そのなかのレーザーのそれぞれについて、パワー、持続時間、反復速度および連続またはパルスのモード、エネルギー密度などを含む。図1Bは、他のレーザー源120を有する装置100を画いている。それゆえ、装置100が、対象としている病気または症状を適切に治療するのに必要な複数の医学的機能を行うための複数のレーザー源を有することができる。これらのレーザー源は、同時に、または異なるときに、または異なる配列で、または異なるパワーで、または異なる波で、または異なるモードで操作できる。
【0019】
付着した光ファイバー106を有するプローブ110は、カテーテルを含む従来の手段により、治療する対象の周囲の前立腺組織の域まで尿道中に挿入される。さらに、他の装置例えば目視手段、洗浄手段をカテーテルに含むことができる。プローブ110は、レーザー放射を発するために少なくとも1つの光ファイバー出力の末端で含み、そして以下に述べるように、露出したファイバー、キャップ付きファイバーそして好ましくはサイドファイアリング出力を有するファイバー出力末端からなる群から選ばれる端末を有する。
【0020】
操作の典型的なモードでは、プローブ110は、予め選ばれたパターンのパルスおよびエネルギー密度で、目標域を照射する。治療は、また、治療されるべきそれぞれの位置への半連続的照射も含むか、またはより大きな部分を周方向で治療するためのサイドファイアリングファイバープローブの回転による。好ましい態様では、これらのパターンのパルスおよびエネルギーは、前立腺組織の剥離およびその下の組織の凝固をもたらし、除かれる組織以外の出血を実質的に排除しそして周囲の組織への熱的損傷を最も低くする。
【0021】
図2Aおよび2Bは、本発明の方法で使用できる、図1からのプローブ110のサイド発光チップ210を画いている。好ましい態様では、本発明は、サイド発光チップ210を使用するが、これに限定されない。サイド発光ファイバーの例は、米国特許3509017に記述されており、それは参考として本明細書に引用される。この文献は、保護カバー内にファイバーの末端を収納するための手段をさらに記述している。本発明は、また、露出したファイバー、キャップ付きファイバー、成形されたまたは拡散するチップを有するファイバーも使用できる。
【0022】
操作の典型的なモードでは、光ファイバー106は、各レーザー源からレーザーエネルギーを伝達し、そして目標組織に密接に、または直接接触してまたはその内部/内側で、ファイバーの遠位の末端に配置されて、ハンドピース(バリカン)、内視鏡または同様な器具とともに通常使用される。好ましくは、ハンドピース、内視鏡または同様な器具は、治療部位からの洗浄剤および/または屑の流れおよび取り出し、内視鏡器具、吸引器、光ガイド、イメージガイドまたは他のセンサーおよび/または検出手段を収納するに足るチャンネルを有する。
【0023】
図2Aは、レーザー放射を伝達するための中心の芯200を有する光ファイバー218を画いている。芯200のまわりのクラッディング層206は、芯200として異なるまたは同じ波長のレーザー放射をさらに伝達できる。従来のデザインおよび材料からなる保護コーティング202は、1つ以上のクラッディング層および芯を覆う。好ましい態様では、剥離放射は、異なる波長(クラッディング層206および/または中心の芯200中に導かれる)の凝固放射とともに、中心の芯200中に導かれる。追加のクラッディング層は、そのなかの光学放射を保護かつ導くために、当業者が従来使用しているように用いられる。図2Bは、そのなかにサイドファイアリング装置を有するチップ210をもつ光ファイバー200を画いている。その図で分かるように、中心の芯200は、そのまわりに保護コーティング202を有する2つのクラッディング層206および204を含む。サイドファイアリングチップ316は、図3でより詳細に示され、そして傾斜した面304を有する。傾斜した面304は、その上に光学コーティングをもち、伝達された放射のすべてまたはいくらかを反射する。例えば、現在点線で示されている芯300における剥離放射は、傾斜された面304から反射されて、より小さい断面域314を治療域で有する放射の内部の円錐体310中に入る。凝固する波長の放射は、周囲すなわち外側の層302に導かれ、そしてまた傾斜された面304で反射されて外側の円錐体308中に入り、より大きな断面域312を形成する。芯または1つ以上のクラッディング層から生ずる放射の特徴は、コントロール装置116のコントロール内にあるが、図3で分かるように、凝固波長放射は、外側の円錐体308にある。凝固放射は、また内側の円錐体310にあるかまたはない。
【0024】
そのため、光ファイバーは芯のまわりに1つ以上のクラッディング層を有し、そして1つの波長が剥離作用を有し他の波長が凝固作用を有するレーザー放射は、芯中に入力されそしてまた第1のクラッディング層中に入力されることが分かる。好ましい態様では、約1460nmの剥離レーザー放射は、ファイバーの芯中に入力され、そして約980nmの凝固レーザー放射は、芯中にばかりでなくクラッディング層の第1のもの中にも入力される。同様に好ましいのは、あたかも少なくとも2つのクラッディング層が存在するように、凝固レーザー放射をクラッディング層そのものの中に入力することである。何れのレーザーを発するこれらの放射も、パルスまたは連続のモードで操作できることを理解すべきである。好ましいモードでは、剥離波長は、一般にパルスされそして凝固波長は、剥離パワーパルス中またはその前に、半連続またはパルスされる。
本発明は、以下の実施例によりさらに説明されるが、それにより限定されるものではない。
【実施例1】
【0025】
本発明に従って、100Wの最大平均パワーを有しさらに2つの波長の光(その第1は980nmでありその第2は1460nmである)を有する医療用レーザーを、BPHの治療に使用する。レーザー放射は、ファイバーが目標組織に接して配置される場合、例えば50Wの1460nmの放射および50Wの980nmの放射を使用して、例えばパルスモードのエネルギーにより、例えばシリカ光ファイバーによって、200μmの芯直径を使用して行う。ファイバーは例えば洗浄剤として塩水溶液を用い、剛性の内視鏡によって挿入されそして配置される。
【実施例2】
【0026】
他の実施例では、光の2つの波長のそれぞれで約120−150Wで操作する能力を有する医療用レーザーは、約960nmの第1の波長および約1370nmの第2の波長を有する。600μmの芯直径および660nmのクラッディング直径を有するすべてシリカの光ファイバーを使用して、凝固は、960nmでの半連続照射により達成でき、一方剥離は1370nmでの半パルス域を使用して達成される。それぞれの波長でのパワーは、約120Wに設定される。オン/オフ時間は、値がほぼ同じであり、一般に1秒の約0.1である。
【0027】
図に関連して本発明の好ましい態様を記述したが、本発明が詳細な態様に限定されず、そして種々の変化および改変が、請求の範囲に規定されたような本発明の範囲または趣旨から離れることなく、当業者により実施できることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】AおよびBは、本発明の医療用レーザー装置の構成図である。
【図2】AおよびBは、本発明の光ファイバーの斜視図である。
【図3】図1の医療用レーザー装置における図2の光ファイバーの応用の斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
100 医療用レーザー装置
102 レーザー源
104 レーザー源
106 光ファイバー
110 プローブ
112 光ファイバー
114 光ファイバー
116 コントロール装置
108 結合器
120 レーザー源
200 芯
202 保護層
204 クラッディング層
206 クラッディング層
210 チップ
218 光ファイバー
300 芯
304 傾斜した面
308 外側の円錐体
310 内部の円錐体
312 断面域
314 断面域
316 サイドファイアリングチップ
【図1A】

【図1B】

【図2A】

【図2B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ組織に異なる作用を有する少なくとも2つの波長を発することができるレーザー源;
治療の領域へ少なくとも2つの波長のレーザー放射を伝達するレーザー放射伝達手段である光ファイバーシステム;
そのなかで該少なくとも2つの波長のレーザー放射を伝達することのできる少なくとも1つの光ファイバー;および
該少なくとも2つの波長のレーザー放射を発するための該光ファイバーの遠位の末端のチップ
からなることを特徴とする良性前立腺過形成の治療を行う医療用レーザー装置。
【請求項2】
該2つの波長のレーザー放射が、980(±20)nmの第1の波長および1460(±60)nmの第2の波長を含み、その場合、該第1の波長は該凝固作用をもたらしそして該第2の波長は該剥離作用をもたらす請求項1の治療を行うための医療用レーザー装置。
【請求項3】
両方の波長のレーザー放射を運ぶための単一の光ファイバーを含む請求項2の治療を行うための医療用レーザー装置。
【請求項4】
両方の波長のレーザー放射を運ぶ該単一の光ファイバーが、その上にサイドファイリングの構成を有する遠位のチップを含む請求項3の治療を行うための医療用レーザー装置。
【請求項5】
両方の波長のレーザー放射を運ぶ該単一の光ファイバーが、その上にサイドファイリングの構成を有する該チップを含み、さらに放射の少なくとも2つの出力円錐体を含み、内側の円錐体は少なくとも剥離放射を有しそして外側の円錐体は少なくとも凝固放射を有する請求項4の治療を行うための医療用レーザー装置。
【請求項6】
そのなかに2つのレーザー源を有する医療用レーザー装置を用意し、該レーザー源は2つの波長の放射を発する段階;
選択された前立腺組織の望ましい治療を行うために該波長の組み合わせを選択し、第1の波長はその凝固作用のために選ばれそして第2の波長はその剥離作用のために選ばれる段階;
光ファイバーシステムにより該選択された前立腺組織へ該放射を伝達する段階;
該選択された前立腺組織中またはその付近に該光ファイバーシステムの遠位の末端を配置する段階;および
該放射により該前立腺の該選択された前立腺組織を照射する段階
からなることを特徴とする請求項1の該装置を用いる前立腺の良性前立腺過形成を治療する方法。
【請求項7】
該第1および第2の波長の該放射が、実質的に同時に伝達される請求項6の良性前立腺過形成を治療する方法。
【請求項8】
該選択された前立腺組織を照射する該段階が、該放射から剥離作用および凝固作用を達成するようなパルスおよびエネルギーのパターンを含む請求項6の良性前立腺過形成を治療する方法。
【請求項9】
該第1の波長が、980(±20)nmでありそして該第2の波長が、1460(±60)nmである請求項6の良性前立腺過形成を治療する方法。
【請求項10】
該光ファイバーシステムが、該治療領域へ該2つの波長のレーザー放射を伝達するためのただ1本のみの光ファイバーを含む請求項6の良性前立腺過形成を治療する方法。
【請求項11】
該光ファイバーシステムが、該治療領域へ該少なくとも2つの波長のレーザー放射を伝達するための少なくとも1つの光ファイバーを含む請求項6の良性前立腺過形成を治療する方法。
【請求項12】
該レーザー放射を発するためのプローブをさらに含み、該プローブは、露出したファイバー、キャップ付きファイバーおよび成形された末端を有するファイバーからなる群から選ばれる端末を有する請求項6の良性前立腺過形成を治療する方法。
【請求項13】
該光ファイバーが、少なくとも該剥離レーザー放射を伝達するための芯、および該凝固レーザー放射を伝達するための少なくとも1つ以上のクラッディング層を有する請求項10の良性前立腺過形成を治療する方法。
【請求項14】
該レーザー放射を発するためのプローブをさらに含み、該プローブはサイドファイアリング光ファイバーチップを含む請求項13の良性前立腺過形成を治療する方法。
【請求項15】
該レーザー放射を発するためのプローブをさらに含み、該プローブは、該サイドファイアリング光ファイバーチップを含み、該サイドファイアリング光ファイバーチップは放射の2つの出力円錐体を有し、内部の円錐体は少なくとも該剥離レーザー放射を伝達し、そして外側の円錐体の放射は該凝固レーザー放射を伝達する請求項14の良性前立腺過形成を治療する方法。

【図3】
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【公表番号】特表2009−542260(P2009−542260A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501468(P2009−501468)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【国際出願番号】PCT/US2007/006659
【国際公開番号】WO2008/002340
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(502359666)セラムオプテック インダストリーズ インコーポレーテッド (20)
【Fターム(参考)】