説明

良質な睡眠の誘導および維持のための組成物および方法

人の入眠と睡眠の維持を速やかに誘導することによって安らかな夜間の睡眠を促進するとともに、軽微な疼痛および痛みを緩和し、人の睡眠の質をさらに向上させることを目的としたサプリメント組成物、および使用者に対するその投与方法を提供する。このサプリメント組成物は、少なくともバレリアン根抽出物、ヤナギ樹皮抽出物およびメラトニンまたはその誘導体を含み、少なくとも1日1回例えば、就寝前に摂取するために提供され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者、例えばヒトにおける睡眠の誘導および維持を補助するための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、睡眠は人の一生のうちの約3分の1を占め、人の精神的および肉体的な健康に影響を及ぼす。睡眠は、さらに、気分、行動および生理機能にも影響を及ぼす。睡眠および睡眠の制御は、多くの化学物質および脳構造が関与する複雑なプロセスである。睡眠は、異なる生理学的変化を伴う動的プロセスであり、正負両方のシグナル伝達が関与している。ヒトにおける睡眠の調節は、各々がホルモン因子および環境因子の影響を受ける3つのプロセスによって支配されている。すなわち、3つのプロセスとは、24時間サイクルの概日リズム(目の後方の視床下部にある視交叉上核と呼ばれる約10,000個ニューロン群によって制御される明暗サイクルと連携している)によって影響される毎日の睡眠−覚醒のサイクル(Hastings MH.Central clocking.Trends Neurosci.1997 Oct;20(10):459−64);前記サイクルとは別に、以前の睡眠の影響を受ける周期的な睡眠恒常性維持機構(Dijk DJ、Lockley SW.Integration of human sleep−wake regulation and circadian rhythmicity.J Appl Physiol.2002 Feb;92(2):852−62);および24時間の概日リズムの中で起こる超概日リズムである。
【0003】
睡眠の必要性は、のどの渇きまたは空腹に類似した生物学的欲求である。興味深いことに、睡眠の機能は大部分が未知であるが、一部の証拠により、睡眠は学習のために必要であることが示されている(Stickgold R,James L,Hobson JA.Visual discrimination learning requires sleep after training.Nat Neurosci.2000 Dec;3(12):1237−8.;Gais S,Plihal W,Wagner U,Born J.Early sleep triggers memory for early visual discrimination skills.Nat Neurosci.2000 Dec;3(12):1335−9)。さらに、ラットの睡眠不足試験により、ラットに睡眠をとらせないと、最終的には、免疫系の機能不全に関連するとみられる死を招くことが示されている(Everson CA.Sustained sleep deprivation impairs host defense.Am J Physiol.1993 Nov;265(5 Pt 2):R1148−54)。ヒトでも同様に、軽度の睡眠不足によって、免疫系の機能障害の兆候が現れる(Irwin M,McClintick J,Costlow C,Fortner M,White J,Gillin JC.Partial night sleep deprivation reduces natural killer and cellular immune responses in humans.FASEB J.1996 Apr;10(5):643−53)。具体的な睡眠の要件は、個々によって異なるが、1日6時間未満の睡眠は、耐糖能異常および糖尿病のリスクを増大させることが示されている(Gottlieb DJ,Punjabi NM,Newman AB,Resnick HE,Redline S,Baldwin CM,Nieto FJ.Association of sleep time with diabetes mellitus and impaired glucose tolerance.Arch Intern Med.2005 Apr 25;165(8):863−7)。年間、北米アメリカ人の40%が不眠症を患っていると推定されており(Stoller MK.Economic effects of insomnia.Clin Ther.1994 Sep−Oct;16(5):873−97)、米国国立睡眠財団(U.S.National Sleep Foundation)およびギャラップ社(Gallup Organization)が行った無作為に抽出した1,000名のアメリカ人を対象とした試験では、不眠症は、覚醒機能にマイナスの影響を及ぼし、生活の質(Quality of Life: QOL)にマイナスの効果をもたらすことが示された(Roth T,Ancoli−Israel S.Daytime consequences and correlates of insomnia in the United States:results of the 1991 National Sleep Foundation Survey.II.Sleep.1999 May 1;22 Suppl 2:S354−8)。不眠症を患う261名および睡眠に不満のない101名を対象とした別の試験では、不眠症によって有意に生活の質(QOL)が低下することが示された(Zammit GK,Weiner J,Damato N,Sillup GP,McMillan CA.Quality of life in people with insomnia.Sleep.1999 May 1;22 Suppl 2:S379−85)。
【0004】
神経伝達物質であるγ−アミノ酪酸(GABA)は、主な抑制性神経伝達物質である。その効果の1つは、睡眠の誘導である。GABA受容体は、塩化物イオンチャネルと関連しており、GABA受容体を介するシグナル伝達により、ニューロンの電気化学的勾配が変化し、活動が抑制される(Olsen RW,Tobin AJ.Molecular biology of GABAA receptors.FASEB J.1990 Mar;4(5):1469−80)。ベンゾジアゼピン類は、GABA受容体との相互作用によってGABAの抑制性効果を増強すると考えられている。したがって、ベンゾジアゼピン類は、主に、精神安定薬、筋弛緩薬、睡眠薬または鎮静薬として広く使用されている(Valenstein M,Taylor KK,Austin K,Kales HC,McCarthy JF,Blow FC.Benzodiazepine use among depressed patients treated in mental health settings.Am J Psychiatry.2004 Apr;161(4):654−61)。さらに、神経調節因子であるアデノシンは、長時間覚醒している際には、特定の脳領域、例えば、脳基底部などの細胞外に蓄積することによって、睡眠を誘導している可能性がある(Strecker RE,Morairty S,Thakkar MM,Porkka−Heiskanen T,Basheer R,Dauphin LJ,Rainnie DG,Portas CM,Greene RW,McCarley RW.Adenosinergic modulation of basal forebrain and preoptic/anterior hypothalamic neuronal activity in the control of behavioral state.Behav Brain Res.2000 Nov;115(2):183−204.;Zeitzer JM,Morales−Villagran A,Maidment NT,Behnke EJ,Ackerson LC,Lopez−Rodriguez F,Fried I,Engel J Jr,Wilson CL.Extracellular adenosine in the human brain during sleep and sleep deprivation:an in vivo microdialysis study.Sleep.2006 Apr 1;29(4):455−61)。このように、GABA−ベンゾジアゼピン受容体複合体(Mendelson WB.Sleep−inducing effects of adenosine microinjections into the medial preoptic area are blocked by flumazenil.Brain Res.2000 Jan 10;852(2):479−81)および/またはアデノシンA1受容体(Thakkar MM,Winston S,McCarley RW.A1 receptor and adenosinergic homeostatic regulation of sleep−wakefulness:effects of antisense to the A1 receptor in the cholinergic basal forebrain.J Neurosci.2003 May 15;23(10):4278−87)に対する作用により、睡眠の誘導および維持がもたらされる。カフェインの刺激性効果は、アデノシンA1受容体の拮抗作用によるものと考えられており(Sawynok J.Pharmacological rationale for the clinical use of caffeine.Drugs.1995 Jan;49(1):37−50)、この場合、覚醒状態が観察される。
【0005】
睡眠に関連する別の化学物質としては、メラトニンが挙げられる。メラトニンは、松果体においてアミノ酸であるトリプトファンから産生されるホルモンである。産生は約24時間の内在性サイクルに沿って周期的に行われ、そのレベルは、日中は低く、夜間になるにつれて増加する(Wyatt JK,Ritz−De Cecco A,Czeisler CA,Dijk DJ.Circadian temperature and melatonin rhythms,sleep,and neurobehavioral function in humans living on a 20−h day.Am J Physiol.1999 Oct;277(4 Pt 2):R1152−63)。メラトニンは、体内時計に対して2つの異なる効果:ニューロン抑制と睡眠サイクルの位相シフトとを有することが示唆されている(Liu C,Weaver DR,Jin X,Shearman LP,Pieschl RL,Gribkoff VK,Reppert SM.Molecular dissection of two distinct actions of melatonin on the suprachiasmatic circadian clock.Neuron.1997 Jul;19(1):91−102)。日中、メラトニンサプリメントを経口投与すると、眠気が誘導され、夜間の睡眠が改善される(Dollins AB,Zhdanova IV,Wurtman RJ,Lynch HJ,Deng MH.Effect of inducing nocturnal serum melatonin concentrations in daytime on sleep,mood,body temperature,and performance.Proc Natl Acad Sci USA.1994 Mar 1;91(5):1824−8)。Gタンパク質共役型であるメラトニン受容体は、哺乳動物において2つの型に分類されており、それぞれ、MT1およびMT2と呼ばれている(Dubocovich ML,Markowska M.Functional MT1 and MT2 melatonin receptors in mammals.Endocrine.2005 Jul;27(2):101−10)。
【0006】
セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン、5HT)もまた、メラトニンと同様、日内変動を示すが、日中レベルが夜間レベルよりも高いというメラトニンとは逆のリズムで機能を果たしている(Portas CM,Bjorvatn B,Fagerland S,Gronli J,Mundal V,Sorensen E,Ursin R.On−line detection of extracellular levels of serotonin in dorsal raphe nucleus and frontal cortex over the sleep/wake cycle in the freely moving rat.Neuroscience.1998 Apr;83(3):807−1)。3つの基本的なセロトニン受容体型:5HT−1、5HT−2および5HT−3が同定されており、また、5HT−1のいくつかのサブタイプも同定されている。細胞は、発現している受容体型に応じて、セロトニンに対して的確な応答を示す(Andrade R.of membrane excitability in the central nervous system by serotonin receptor subtypes.Ann N Y Acad Sci.1998 Dec 15;861:190−203)。一方で、セロトニンは、GABA受容体を阻害することが示されており(Feng J,Cai X,Zhao J,Yan Z.Serotonin receptors modulate GABA(A)receptor channels through activation of anchored protein kinase C in prefrontal cortical neurons.J Neurosci.2001 Sep 1;21(17):6502−11)、おそらく、セロトニンとGABAとの相反作用に寄与しながら、睡眠に関与している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、その一実施形態において、睡眠の誘導を目的とする組成物を提供する。より詳細には、本発明は、睡眠促進組成物および鎮痛組成物に関する。また、本発明の睡眠促進組成物および鎮痛組成物は、睡眠の維持を提供し、それにより良質で安らかな睡眠を促進するとともに軽微な疼痛および痛みを緩和し、人の睡眠の質をさらに向上させるため、有利である。本発明の組成物は、バレリアン根(Valerian Root)抽出物、ヤナギ樹皮(Willow Bark)抽出物およびメラトニンまたはその誘導体を含む。例えば、本発明は、入眠と睡眠の維持を速やかに誘導することによって安らかな夜間の睡眠を促進するとともに、軽微な疼痛および痛みを緩和し、個体(例えば、ヒトまたは動物)の睡眠の質をさらに向上させるのに有効であり得る。さらにまた、本発明は、バレリアン根抽出物、ヤナギ樹皮抽出物およびメラトニンまたはその誘導体を含む組成物をヒトまたは動物に投与する睡眠の維持方法を提供し、それにより良質で安らかな睡眠を促進するとともに、軽微な疼痛および痛みを緩和し、個体(例えば、ヒトまたは動物)の睡眠の質をさらに向上させるため、有利である。
【0008】
本発明は、一実施形態において、バレリアン根抽出物、ヤナギ樹皮抽出物およびメラトニンまたはその誘導体を含む組成物を提供する。さらに、該組成物は、ホップ毬花抽出物、ラベンダー花の粉末、トケイソウ抽出物、タツナミソウ粉末、コエンザイムQ10抽出物、レモンバーム葉抽出物の1種類以上を含有してもよい。該組成物は、例えば、活性化合物を4時間にわたって放出する徐放機構を含有してもよい。また、睡眠をより速やかに促進するため、例えば、瞬時または即時の睡眠を促進するために、メラトニンを錠剤コーティングに配合してもよい。また、本発明の一実施形態では、メラトニンの全部または一部が微粉砕されていてもよい。バレリアン根抽出物、ヤナギ樹皮抽出物およびメラトニンまたはその誘導体は、睡眠の促進および痛みの緩和の少なくとも一方に有効な量で提供されるため、有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、有利なことに一実施形態において、例えば、睡眠の誘導、および睡眠の維持の促進により、安らかな夜間の睡眠をもたらすとともに、軽微な疼痛および痛みを緩和し、人の睡眠の質をさらに向上させる睡眠促進組成物および鎮痛組成物に関する。本発明の種々の実施形態で使用される化合物は、睡眠の誘導および維持に関連する中枢神経系の受容体部位において活性を示すことが明らかにされている。また、本発明の組成物は軽微な疼痛および痛みを緩和する化合物を含有する。
【0010】
一実施形態において、本発明には、組合せて使用することが含まれる。ここで、組合せとしては、メラトニン、コエンザイムQ10、レモンバーム葉抽出物、ホップ毬花抽出物、ラベンダー花抽出物、トケイソウ抽出物、タツナミソウ、無臭化バレリアン根およびヤナギ樹皮抽出物の1種類以上を組合せることができるが、これらに限定されない。サプリメントは、任意の形態、例えば、カプセル剤、錠剤、カプレット剤、液状飲料、粉末飲料ミックス、または食用ゲルとして摂取してもよい。本実施形態の好ましい剤形は、徐放性カプレット剤である。
【0011】
以下に示す実施形態例によれば、上記記載の食品サプリメントは、ハーブおよび/または食品サプリメントに通常用いられる処理法に従って調製される。このとき、活性成分は、所望の形態に適宜処理される。本発明の一実施形態によれば、食品サプリメントの1種類以上の成分が、微粉砕粒子化される。例えば、一実施形態において、微粒子(好ましくは、微粉砕粒子)を生成する大規模な乾式粉砕法によって食品サプリメント組成物の1種類以上の成分が処理される。乾式粉砕法を賦形剤およびポリマーと組合せて使用し、微粉砕粒子化することにより、流動性および分散性、安全性、耐湿性、バイオアベイラビリティおよび溶解/放出特性が改善されることが示されている。食品サプリメントの1種類以上の成分を微粉砕粒子径にすることにより、該成分の流動性および分散性、安全性、耐湿性、バイオアベイラビリティおよび溶解/放出特性の1種類以上が最適化され得るため、微粉砕粒子を含む製剤は、有益であり得る。胃の環境をシミュレーションするように設計されたインビトロ試験を行ない、微粉砕されていない粒子(非微粉砕粒子)を含有する錠剤に対する微粉砕粒子錠剤の溶解速度を測定した。この試験により、微粉砕粒子で調製した錠剤では、100%溶解するまでの時間が約15分であることが示された。非微粉砕粒子組成物の場合、120分後でも90%しか溶解しなかった。好ましい一実施形態において、サプリメント組成物は、約2nm〜約50nmの平均径を有する微粉砕粒子を含む。
【0012】
米国特許仮出願第60/776,325号には、筋肉の大きさ、増大および/または回復時間および/または体重減少を増強または改善する目的で、特許取得製剤中の化合物の溶解性を増大させることにより、化合物の吸収、食味、風味、触感およびバイオアベイラビリティを改善するための方法が開示されている。微粉砕化によって粒径を小さくし、それにより各粒子の表面積対体積比を増大させ、溶解速度を増大させることによって、化合物または成分のバイオアベイラビリティを向上させることができる。開示された組成物および方法では、溶解性が不十分な粒子の総表面積を増大させ、それにより吸収速度を増大させることによってバイオアベイラビリティの向上が促進される。
【0013】
本明細書において、「微粉砕」および/または「微粉砕化」とは、微粉化(micronization)のプロセスを意味する。微粉化は、粒子に対して力を負荷し、それにより粒径を小さくする機械的プロセスである。微粉化する場合、任意の方法、例えば、高速での粒子の衝突、磨砕、または空気ジェット微粉化装置などによって、力を負荷することができる。好ましい一実施形態において、微粉砕粒子は、窒素および圧縮空気を用いるジェット粉砕によって得られる。
【0014】
本明細書において、「粒径」とは、粒子の直径を意味する。「平均粒径」とは、試料中の粒子の少なくとも50%が特定の粒径を有することを意味する。好ましくは、試料中の粒子の少なくとも80%が特定の粒径を有し、より好ましくは、所与の試料中の粒子の少なくとも90%が特定の粒径を有する。
【0015】
粒径は、当該技術分野で公知の方法のいずれかによって測定することができる。本発明で使用される粒径の測定方法としては、例えば、ふるい分け法、沈降法、電気的検知帯法(コールターカウンター法)、顕微鏡法および/または低角レーザー光散乱法(Low Angle Laser Light Scattering)が挙げられる。本発明の好ましい粒径測定方法としては、レーザー回折法などの製薬分野で最も一般的に使用されている方法が挙げられ、例えば、光散乱コールターデルサ(Coulter Delsa)440SXを用いた測定などである。
【0016】
錠剤(例えば、即時放出フィルムコーティング錠剤、放出調節錠剤および速溶解性錠剤)、カプセル剤(例えば、即時放出カプセル剤および放出調節カプセル剤)、液状分散剤、散剤、飲料ミックスなどの剤形において、本発明の1種類以上の成分の処理に、微粉砕法を用いてもよい。
【0017】
さらにまた、本発明の関連技術分野の当業者が理解できる前述の実施形態または別の実施形態における栄養サプリメントは、ハーブサプリメントおよび/または食品サプリメントおよび/または栄養サプリメントに通常用いられる処理法に従って、上記の任意の剤形に調製される。
【0018】
メラトニン
メラトニンは、松果体においてアミノ酸であるトリプトファンから産生されるホルモンであり、睡眠調節に関与している(Reiter RJ.melatonin:cell biology of its synthesis and of its physiological interactions.Endocr Rev.1991 May;12(2):151−80)。メラトニンは、特定の下垂体ホルモンの放出を促進し(Ninomiya T,Iwatani N,Tomoda A,Miike T.Effects of exogenous melatonin on pituitary hormones in humans.Clin Physiol.2001 May;21(3):292−9)、概日リズムを調節して現地の日夜時間と同調させるため、睡眠障害、例えば、不眠症および「時差ボケ」などの治療に使用されている。
【0019】
メラトニンの補給は、健常被検者にとって安全であると同時に、総睡眠時間の増大に有効であることが示されている(Matsumoto M.The hypnotic effects of melatonin treatment on diurnal sleep in humans.Psychiatry Clin Neurosci.1999 Apr;53(2):243−5)。さらに、メラトニンは睡眠を誘導するため、不眠症患者にとっても有益である(Hughes RJ,Sack RL,Lewy AJ.The role of melatonin and circadian phase in age−related sleep−maintenance insomnia:assessment in a clinical trial of melatonin replacement.Sleep.1998;21(1):52−68.;Zhdanova IV,Wurtman RJ,Regan MM,Taylor JA,Shi JP,Leclair OU.Melatonin treatment for age−related insomnia.J Clin Endocrinol Metab.2001 Oct;86(10):4727−30.;Brzezinski A,Vangel MG,Wurtman RJ,Norrie G,Zhdanova I,Ben−Shushan A,Ford I.Effects of exogenous melatonin on sleep:a meta−analysis.Sleep Med Rev.2005 Feb;9(1):41−50)。睡眠に対するメラトニンの最も一般的な効果は、入眠にかかる時間である睡眠潜時の短縮であり(Zhdanova IV,Wurtman RJ,Lynch HJ,Ives JR,Dollins AB,Morabito C,Matheson JK,Schomer DL.Sleep−inducing effects of low doses of melatonin ingested in the evening.Clin Pharmacol Ther.1995 May;57(5):552−8.;Nagtegaal JE,Kerkhof GA,Smits MG,Swart AC,Van Der Meer YG.Delayed sleep phase syndrome:A placebo−controlled cross−over study on the effects of melatonin administered five hours before the individual dim light melatonin onset.J Sleep Res.1998 Jun;7(2):135−43.;Kayumov L,Brown G,Jindal R,Buttoo K,Shapiro CM.A randomized,double−blind,placebo−controlled crossover study of the effect of exogenous melatonin on delayed sleep phase syndrome.Psychosom Med.2001 Jan−Feb;63(1):40−8.;Buscemi N,Vandermeer B,Hooton N,Pandya R,Tjosvold L,Hartling L,Baker G,Klassen TP,Vohra S.The efficacy and safety of exogenous melatonin for primary sleep disorders.A meta−analysis.J Gen Intern Med.2005 Dec;20(12):1151−8)、この場合、個体が眠りにつくまでにかかる時間が短縮される。また、メラトニンは、概日リズムを正常にする可能性が示唆されており、交代勤務労働者および概日リズム障害を有する個体にとって有益である(Avery D,Lenz M,Landis C.Guidelines for prescribing melatonin.Ann Med.1998 Feb;30(1):122−30.;Kunz D,Mahlberg R,Muller C,Tilmann A,Bes F.Melatonin in patients with reduced REM sleep duration:two randomized controlled trials.J Clin Endocrinol Metab.2004 Jan;89(1):128−34.;Mundey K,Benloucif S,Harsanyi K,Dubocovich ML,Zee PC.Phase−dependent treatment of delayed sleep phase syndrome with melatonin.Sleep.2005 Oct 1;28(10):1271−8)。
【0020】
また、メラトニンは、季節性鬱病(Lewy AJ,Bauer VK,Cutler NL,Sack RL.Melatonin treatment of winter depression:a pilot study.Psychiatry Res.1998 Jan 16;77(1):57−61)および偏頭痛(Peres MF,Zukerman E,da Cunha Tanuri F,Moreira FR,Cipolla−Neto J.Melatonin,3mg,is effective for migraine prevention.Neurology.2004 Aug 24;63(4):757)の治療に有効である可能性が示されている。さらにまた、血圧およびストレスホルモン量は、健常男性において、毎日のメラトニンの経口投与によって低下することが示唆されている(Arangino S,Cagnacci A,Angiolucci M,Vacca AM,Longu G,Volpe A,Melis GB.Effects of melatonin on vascular reactivity,catecholamine levels,and blood pressure in healthy men.Am J Cardiol.1999 May 1;83(9):1417−9)。
【0021】
本発明の一態様には、睡眠の調節のためのメラトニンの使用が含まれる。米国特許第6,703,412号、同第5,716,978号および同第5,641,801号には、メラトニンに関連する不眠、睡眠潜時期間、概日リズム障害の治療方法が開示されている。
【0022】
例えば、米国特許第6,703,412号(発明の名称「メラトニンによる急性的な不眠治療方法(Method of Treating Sleeplessness with Melatonin on an Acute Basis)」)では、10mg以下の有効量のメラトニンまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、ヒトの不眠治療方法が記載されている。さらに、該方法は、人が眠ろうとして眠れない場合、または眠りから覚めた後、再び眠りに戻ることができない場合のメラトニンの投与を含む。該方法を、人が起きていたい時間の1時間前までに用いてもよい。
【0023】
米国特許第5,716,978号(発明の名称「概日リズム障害の治療方法(Methods of Treating Circadian Rhythm Disorders)」には、位相シフト効果を得て、適正な概日リズムを回復するために、幼児および盲目のヒトにメラトニンを投与する方法が記載されている。該方法は、正常な睡眠相が始まると思われる時間の約6時間〜約19時間前におけるメラトニンの投与に関する。メラトニンの投与は、1mg未満で、人の内在性メラトニンが生成される前に行われるのがよい。
【0024】
米国特許第5,641,801号(発明の名称「睡眠開始前時間の短縮方法(Method of Reducing the Period before the Onset of Sleep)」では、単回用量1mg未満のメラトニンの投与によって、血漿メラトニンのピークレベルを非投与の正常個体の夜間の生理的レベル内に上昇させるための個体の睡眠誘導方法が記載されている。
【0025】
以下の実施例1により詳細に示す本発明の一実施形態において、サプリメント組成物は、メラトニンを含んでいてもよい。1回分のサプリメント組成物は、約0.001g〜約0.01gのメラトニンを含有してもよい。好ましい摂取量としては、1回分のサプリメント組成物に、約0.0040gのメラトニンが含まれる。
【0026】
さらにまた、以下の実施例1により詳細に示す本発明の一実施形態では、サプリメント組成物は、微粉砕メラトニンを含んでいてもよい。1回分のサプリメント組成物は、約0.0001g〜約0.01gの微粉砕メラトニンを含有してもよい。好ましい摂取量としては、1回分のサプリメント組成物に、約0.0010gの微粉砕メラトニンが含まれる。
【0027】
CoQ10
コエンザイムQ10(CoQ10、ユビキノン)は、あらゆる細胞のミトコンドリアに存在し、エネルギー生成に関与している。心臓、肝臓、腎臓および膵臓では、最も高濃度で存在する。CoQ10は、ヒト血液中における強力な抗酸化剤であり(Weber C,Sejersgard Jakobsen T,Mortensen SA,Paulsen G,Holmer G.Antioxidative effect of dietary coenzyme Q10 in human blood plasma.Int J Vitam Nutr Res.1994;64(4):311−5)、また、別の主要な抗酸化剤であるビタミンEを保護する機能も果たす(Thomas SR,Neuzil J,Stocker R.Inhibition of LDL oxidation by ubiquinol−10.A protective mechanism for coenzyme Q in atherogenesis? Mol Aspects Med.1997;18 Suppl:S85−103)。
【0028】
心臓では高濃度で存在するため、CoQ10は、心臓にとって有益であり、心臓を強化すると考えられている。多くの心臓関連疾患は、心筋のエネルギー生成の欠陥に起因していると考えられており、数多くの研究により、CoQ10の補給が有益であることが示されている(Mortensen SA.Perspectives on therapy of cardiovascular diseases with coenzyme Q10(ubiquinone).Clin Investig.1993;71(8 Suppl):S116−23)。8つの臨床試験のメタ解析により、鬱血性心不全の治療に対するCoQ10の有効性が裏づけられている(Soja AM,Mortensen SA.Treatment of congestive heart failure with coenzyme Q10 illuminated by meta−analyses of clinical trials.Mol Aspects Med.1997;18 Suppl:S159−68)。別の研究では、狭心症の患者にCoQ10を投与すると、非投与群と比べ、より長時間運動できることが示されている(Kamikawa T,Kobayashi A,Yamashita T,Hayashi H,Yamazaki N.Effects of coenzyme Q10 on exercise tolerance in chronic stable angina pectoris.Am J Cardiol.1985 Aug 1;56(4):247−51)。さらに、エネルギー生成欠陥の関与が知られている病状の患者においては、CoQ10によって心筋機能が改善された(Folkers K,Wolaniuk J,Simonsen R,Morishita M,Vadhanavikit S.Biochemical rationale and the cardiac response of patients with muscle disease to therapy with coenzyme Q10.Proc Natl Acad Sci U S A.1985 Jul;82(13):4513−6)。また、このとき、これらの患者は、「主観的に」健康が改善されたと回答した。また、CoQ10に鉄分およびビタミンB6を加えると、ミトコンドリア機能障害との関連が深い神経疾患であるアルツハイマー病の進行が阻止されることが示唆されている(Imagawa M,Naruse S,Tsuji S,Fujioka A,Yamaguchi H.Coenzyme Q10,iron,and vitamin B6 in genetically−confirmed Alzheimer’s disease.Lancet.1992 Sep 12;340(8820):671)。さらに、別の神経障害では、CoQ10は、フェーズII臨床試験において、パーキンソン病の進行を遅延させることが報告されている(Shults CW,Oakes D,Kieburtz K,Beal MF,Haas R,Plumb S,Juncos JL,Nutt J,Shoulson I,Carter J,Kompoliti K,Perlmutter JS,Reich S,Stern M,Watts RL,Kurlan R,Molho E,Harrison M,Lew M;Parkinson Study Group.Effects of coenzyme Q10 in early Parkinson disease:evidence of slowing of the functional decline.Arch Neurol.2002 Oct;59(10):1541−50)。該疾患は、ミトコンドリア機能障害およびCoQ10レベルの低下が関与することが示されており、多くの場合、睡眠障害がもたらされる(Shults CW,Haas RH,Passov D,Beal MF.Coenzyme Q10 levels correlate with the activities of complexes I and II/III in mitochondria from parkinsonian and nonparkinsonian subjects.Ann Neurol.1997 Aug;42(2):261−4)。
【0029】
さらにまた、CoQ10は、高血圧の治療に使用され成果をあげており、多くの症例で、薬物治療の必要性が減少している(Langsjoen P,Langsjoen P,Willis R,Folkers K.Treatment of essential hypertension with coenzyme Q10.Mol Aspects Med.1994;15 Suppl:S265−72)。また、CoQ10は偏頭痛の治療においても安全に使用され成果をあげている。これは、CoQ10の血圧に対する効果によるものと思われる(Sandor PS,Di Clemente L,Coppola G,Saenger U,Fumal A,Magis D,Seidel L,Agosti RM,Schoenen J.Efficacy of coenzyme Q10 in migraine prophylaxis:a randomized controlled trial.Neurology.2005 Feb 22;64(4):713−5)。
【0030】
日本人を対象とした研究において、CoQ10により、被検者の約半数でいびきが軽減することが示され、いびきの音のレベルの低下も見られた(Takasaki Y,Yoshida H,Kaneko Y,Kaneda R,Kurosaki S,Yamadera Y.,An Analysis of Effectiveness of Activated Co−enzyme Q10 on Subjects by Using Acoustic Technology.Biopharma Ltd.Tokyo Japan)。具体的には、被検者の約44%が、REM睡眠中にいびきの音のレベルが低下し、被検者の約40%が、I/IIステージのnon−REM睡眠中にいびきの音のレベルが低下し、被検者の約33%が、III/IVステージのnon−REM睡眠中にいびきの音のレベルが低下した。さらにまた、被検者は、アンケートで、目覚めのときにより休息感が得られたと回答した。
【0031】
以下の実施例1により詳細に示す本発明の一実施形態において、サプリメント組成物は、コエンザイムQ10を含んでいてもよい。1回分のサプリメント組成物は、約0.0005g〜約0.1000gのコエンザイムQ10を含有してもよい。好ましい摂取量としては、1回分のサプリメント組成物に、約0.0010gのコエンザイムQ10が含まれる。
【0032】
レモンバーム葉抽出物
レモンバームとして一般に知られている植物Melissa officinalisは、ミント類の一種で、しばしば「沈静ハーブ」と呼ばれている。レモンバーム抽出物は、抗酸化活性を有することが証明されており、この抗酸化活性によって有益な効果がもたらされると思われる(Hohmann J,Zupko I,Redei D,Csanyi M,Falkay G,Mathe I,Janicsak G.Protective effects of the aerial parts of Salvia officinalis,Melissa Officinalis and Lavandula angustifolia and their constituents against enzyme−dependent and enzyme−independent lipid peroxidation.Planta Med.1999 Aug;65(6):576−8)。一方、レモンバーム抽出物は、アセチルコリン受容体活性を有しているため、(Wake G,Court J,Pickering A,Lewis R,Wilkins R,Perry E.acetylcholine receptor activity in European medicinal plants traditionally used to improve failing memory.J Ethnopharmacol.2000 Feb;69(2):105−14)中枢神経系においては、細胞シグナル伝達に関連する別の作用機序を有する可能性が示唆されている。
【0033】
認知および気分に対するレモンバーム抽出物の急性効果を調べる目的で、無作為化プラセボ対照二重盲検臨床試験を行ったところ、沈静効果(Kennedy DO,Scholey AB,Tildesley NT,Perry EK,Wesnes KA.Modulation of mood and cognitive performance following acute administration of Melissa officinalis(lemon balm).Pharmacol Biochem Behav.2002 Jul;72(4):953−64)が、気分改善効果(Kennedy DO,Wake G,Savelev S,Tildesley NT,Perry EK,Wesnes KA,Scholey AB.Modulation of mood and cognitive performance following acute administration of single doses of Melissa officinalis(Lemon balm)with human CNS nicotinic and muscarinic receptor−binding properties.Neuropsychopharmacology.2003 Oct;28(10):1871−81)に加えて示された。また、レモンバーム抽出物は、臨床試験において、ストレスによるネガティブな気分を和らげる可能性が示されている(Kennedy DO,Little W,Scholey AB.Attenuation of laboratory−induced stress in humans after acute administration of Melissa officinalis(Lemon Balm).Psychosom Med.2004 Jul−Aug;66(4):607−13)。
【0034】
さらに、アルツハイマー病患者の認知機能は、レモンバーム抽出物の使用によって改善されることが示されている(Akhondzadeh S,Noroozian M,Mohammadi M,Ohadinia S,Jamshidi AH,Khani M.Melissa officinalis extract in the treatment of patients with mild to moderate Alzheimer’s disease:a double blind,randomised,placebo controlled trial.J Neurol Neurosurg Psychiatry.2003 Jul;74(7):863−6)。また、この試験では、処置群はプラセボ群よりも、動揺(agitation)が少ないことが示され、気分が改善されていることを示している。さらにまた、臨床試験により、レモンバームは、バレリアンと組合せて使用すると、ストレスおよび不安の低減に有効である可能性が示されている(Kennedy DO,Little W,Haskell CF,Scholey AB.Anxiolytic effects of a combination of Melissa officinalis and Valeriana officinalis during laboratory induced stress.Phytother Res.2006 Feb;20(2):96−102)。別の試験では、レモンバームをラベンダー油およびホップとともに含有するトローチ剤で提供すると、レモンバームにより、作動記憶に関連する脳波が変化し、リラックス状態の誘導ならびに心理的および生理的ストレスに対処する能力の改善がもたらされることが示された(Dimpfel W,Pischel I,Lehnfeld R.Effects of lozenge containing lavender oil,extracts from hops,lemon balm and oat on electrical brain activity of volunteers.Eur J Med Res.2004 Sep 29;9(9):423−31)。
【0035】
以下の実施例1により詳細に示す本発明の一実施形態において、サプリメント組成物は、レモンバーム葉抽出物を含んでいてもよい。1回分のサプリメント組成物は、約0.0010g〜約0.1000gのレモンバーム葉抽出物を含有してもよい。好ましい摂取量としては、1回分のサプリメント組成物に、約0.0800gのレモンバーム葉抽出物が含まれる。
【0036】
ホップ(Humulus lupulus)毬花抽出物
ホップ(Humulus lupulus)は、つる性の顕花植物であり、不安低減および睡眠障害を補助するための鎮静薬として従来より使用されている。ホップ抽出物は、マウスにおいて睡眠促進作用および抗鬱活性を示す(Zanoli P,Rivasi M,Zavatti M,Brusiani F,Baraldi M.New insight in the neuropharmacological activity of Humulus lupulus L.J Ethnopharmacol.2005 Oct 31;102(1):102−6)。
【0037】
インビトロ試験により、ホップは、抗酸化活性および化学的保護活性を有する化合物、ならびに解毒酵素を誘導し得る化合物を含有することが示されている(Dietz BM,Kang YH,Liu G,Eggler AL,Yao P,Chadwick LR,Pauli GF,Farnsworth NR,Mesecar AD,van Breemen RB,Bolton JL.Xanthohumol isolated from Humulus lupulus Inhibits menadione−induced DNA damage through induction of quinone reductase.Chem Res Toxicol.2005 Aug;18(8):1296−305)。
【0038】
バレリアンとホップとを組合せて使用すると、アデノシン受容体と相互作用して(Muller CE,Schumacher B,Brattstrom A,Abourashed EA,Koetter U.Interactions of valerian extracts and a fixed valerian−hop extract combination with adenosine receptors.Life Sci.2002 Sep 6;71(16):1939−49)、睡眠の維持を補助することが示されている。さらに、メラトニン受容体およびセロトニン受容体に対してバレリアンとホップの組合せが結合することも示されている(Abourashed EA,Koetter U,Brattstrom A.In vitro binding experiments with a Valerian,hops and their fixed combination extract(Ze91019)to selected central nervous system receptors.Phytomedicine.2004 Nov;11(7−8):633−8)。この2つの受容体は、睡眠プロセスに関与していることが知られている。さらにまた、ホップ抽出物は、γ−アミノ酪酸受容体(GABA(A)受容体)を調節することが示されており、睡眠に関連するGABA様活性を示す(Aoshima H,Takeda K,Okita Y,Hossain SJ,Koda H,Kiso Y.Effects of beer and hop on ionotropic gamma−aminobutyric acid receptors.J Agric Food Chem.2006 Apr 5;54(7):2514−9)。GABAは、リラクゼーション効果と睡眠とを誘導し得る抑制性の神経伝達物質である。これらの受容体のいずれか、またはすべての受容体の調節を介して、ホップの睡眠誘導活性が生じることが示唆されている。
【0039】
睡眠を補助するホップの有効性を調べる試験では、多くの場合、ホップを睡眠調節への関与が知られている種々の受容体に作用する他の化合物と組合せて使用している。バレリアンとホップの組合せは、入眠にかかる時間を短縮させ、軽度から中等度の不眠症の患者において、朝の爽快感が増すことが示されている(Fussel A,Wolf A,Brattstrom A.Effect of a fixed valerian−Hop extract combination(Ze 91019)on sleep polygraphy in patients with non−organic insomnia:a pilot study.Eur J Med Res.2000 Sep 18;5(9):385−90)。
【0040】
以下の実施例1により詳細に示す本発明の一実施形態において、サプリメント組成物は、ホップ毬花抽出物を含んでいてもよい。1回分のサプリメント組成物は、約0.0010g〜約0.1000gのホップ毬花抽出物を含有してもよい。好ましい摂取量としては、1回分のサプリメント組成物に、約0.0200gのホップ毬花抽出物が含まれる。
【0041】
ラベンダー花(Lavandula officinalis)
Lavandula officinalisはラベンダーとして一般に知られており、その油は、リラクゼーション効果をもたらす方法の一つとしてアロマテラピーで頻繁に使用されている。ラベンダーの軽度の鎮静効果は、動物およびヒトにおいて明らかにされている(Lis−Balchin M,Hart S.Studies on the mode of action of the essential oil of lavender(Lavandula angustifolia P.Miller).Phytother Res.1999 Sep;13(6):540−2)。その鎮静効果に加え、ラベンダー油は、痴呆症患者の動揺を低減することが示されている(Holmes C,Hopkins V,Hensford C,MacLaughlin V,Wilkinson D,Rosenvinge H.Lavender oil as a treatment for agitated behaviour in severe dementia:a placebo controlled study.Int J Geriatr Psychiatry.2002 Apr;17(4):305−8)。また、ラベンダーは、鬱病の治療にも有益であることが示されている(Akhondzadeh S,Kashani L,Fotouhi A,Jarvandi S,Mobaseri M,Moin M,Khani M,Jamshidi AH,Baghalian K,Taghizadeh M.Comparison of Lavandula angustifolia Mill.tincture and imipramine in the treatment of mild to moderate depression:a double−blind,randomized trial.Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry.2003 Feb;27(1):123−7)。さらに、他の化合物の睡眠誘導効果が、ラベンダーによって増大することがあり得る(Gyllenhaal C,Merritt SL,Peterson SD,Block KI,Gochenour T.Efficacy and safety of herbal stimulants and sedatives in sleep disorders.Sleep Med Rev.2000 Jun;4(3):229−251)。
【0042】
米国特許第5,958,462号(発明の名称「治療用バスソルトおよびその使用方法(Therapeutic Bath Salts and Method of Use)」には、マグネシウム、炭酸塩および銅化合物、および所望によりラベンダーなど由来のエッセンシャルオイルを含む組成物が記載されている。該組成物は、バスソルトを含み、該バスソルトはアロマテラピーで用いると、筋肉の弛緩、筋肉痙攣の消失または低減、および人の全般的な気分の向上に役立つと主張されている。
【0043】
以下の実施例1により詳細に示す本発明の一実施形態において、サプリメント組成物は、ラベンダー花の粉末を含んでいてもよい。1回分のサプリメント組成物は、約0.0010g〜約0.0100gのラベンダー花の粉末を含有してもよい。好ましい摂取量としては、1回分のサプリメント組成物に、約0.0050gのラベンダー花の粉末が含まれる。
【0044】
トケイソウ抽出物
トケイソウは、リラクゼーション効果を得るため、ならびに睡眠補助薬および不安の治療薬として従来より使用されている。トケイソウの主な活性成分は、この植物から単離された数種のフラボノイド類の1つであるクリシンと考えられている(Menghini A,Mancini LA.TLC determination of flavonoid accumulation in clonal populations of Passiflora incarnata L.Pharmacol Res Commun.1988 Dec;20 Suppl 5:113−6.;Pereira CA,Yariwake JH,Lancas FM,Wauters JN,Tits M,Angenot L.A HPTLC densitometric determination of flavonoids from Passiflora alata,P.edulis,P.incarnata and P.caerulea and comparison with HPLC method.Phytochem Anal.2004 Jul−Aug;15(4):241−8)。マウスにおいて、クリシンは、ベンゾジアゼピン受容体のアゴニストとして作用することが示されており、また、抗不安活性を有する(Wolfman C,Viola H,Paladini A,Dajas F,Medina JH.Possible anxiolytic effects of chrysin,a central benzodiazepine receptor ligand isolated from Passiflora coerulea.Pharmacol Biochem Behav.1994 Jan;47(1):1−4)。種々の研究により、マウスにおいて、トケイソウ抽出物は不安を低減し、睡眠を誘導することが示されている(Soulimani R,Younos C,Jarmouni S,Bousta D,Misslin R,Mortier F.Behavioural effects of Passiflora incarnata L.and its indole alkaloid and flavonoid derivatives and maltol in the mouse.J Ethnopharmacol.1997 Jun;57(1):11−20)。さらに、ヒトの臨床試験において、トケイソウが不安の治療に有効であることが示された(Akhondzadeh S,Naghavi HR,Vazirian M,Shayeganpour A,Rashidi H,Khani M.Passionflower in the treatment of generalized anxiety:a pilot double−blind randomized controlled trial with oxazepam.J Clin Pharm Ther.2001 Oct;26(5):363−7)。
【0045】
本発明の一態様には、ストレスおよび不安を低減するためのトケイソウ抽出物の使用が含まれる。米国特許第6,080,410号および同第5,681,578号には、それぞれ、ストレスおよび不安を低減するためにトケイソウ抽出物を用いる方法と組成物とが記載されている。
【0046】
米国特許第6,080,410号(発明の名称「成人における毎日のストレスおよび不安を低減させるための方法(Method for Reducing Daily Stress and Anxiety in Adults)」には、一般的な弛緩薬の作用を有する新規の食品サプリメントであって、カバ根抽出物と、トケイソウ、カモミール花、ホップおよびチョウセンゴミシ(Schizandra Fruit)の少なくとも1種類とからなる新規の食品サプリメントを使用する方法が記載されている。該方法は、成人において、毎日のストレスおよび不安を低減することが主張されている。該食品サプリメントを、カプセル剤として投与する。
【0047】
米国特許第5,681,578号(発明の名称「「ストレス不安、悲嘆および鬱を軽減するための組成物(Composition for Relieving Stress Anxiety、Grief、And Depression)」には、γーアミノ酪酸、グルタミン、グリシン、マグネシウム、トケイソウ、セイヨウサクラソウおよびビタミンB6を含む組成物が記載されている。該組成物は、ストレス、不安、悲嘆および鬱を軽減すると主張されている。
【0048】
以下の実施例1により詳細に示す本発明の一実施形態において、サプリメント組成物は、トケイソウ抽出物を含んでいてもよい。1回分のサプリメント組成物は、約0.0010g〜約0.0100gのトケイソウ抽出物を含有してもよい。好ましい摂取量としては、1回分のサプリメント組成物に、約0.0020gのトケイソウ抽出物が含まれる。
【0049】
タツナミソウ(Scutellaria lateriflora)
タツナミソウとしても一般に知られるScutellariaは、ミント類の一種で、鬱およびストレスの治療に従来より使用されている。マウスの試験により、タツナミソウは、不安を低減することが示されている(Awad R,Arnason JT,Trudeau V,Bergeron C,Budzinski JW,Foster BC,Merali Z.Phytochemical and biological analysis of skullcap(Scutellaria lateriflora L.):a medicinal plant with anxiolytic properties.Phytomedicine.2003 Nov;10(8):640−9)。タツナミソウの効果は、少なくとも一部、セロトニン受容体の拮抗作用を介して生じることが示唆されている(Gafner S,Bergeron C,Batcha LL,Reich J,Arnason JT,Burdette JE,Pezzuto JM,Angerhofer CK.Inhibition of [3H]−LSD binding to 5−HT7 receptors by flavonoids from Scutellaria lateriflora.J Nat Prod.2003 Apr;66(4):535−7)。また、健常ボランティアを対象とした臨床試験においても、タツナミソウは不安を低減することが示された(Wolfson P,Hoffmann DL.An investigation into the efficacy of Scutellaria lateriflora in healthy volunteers.Altern Ther Health Med.2003 Mar−Apr;9(2):74−8)。
【0050】
米国特許第7,045,158号(発明の名称「タツナミソウの標準化抽出物(Standardized Extracts of Scutellaria Laterifloa)」には、タツナミソウの改良抽出物が記載されており、該特許は前記抽出物から調製された医薬組成物であって、不安、不眠症、ひきつけ、筋緊張および痙攣の治療に適した医薬組成物に関する。
【0051】
以下の実施例1により詳細に示す本発明の一実施形態において、サプリメント組成物は、タツナミソウ粉末を含んでいてもよい。1回分のサプリメント組成物は、約0.0001g〜約0.0100gのタツナミソウ粉末を含有してもよい。好ましい摂取量としては、1回分のサプリメント組成物に、約0.0010gのタツナミソウ粉末が含まれる。
【0052】
バレリアン(Valeriana officinalis)
バレリアン(Valeriana officinalis)は多年生のハーブで、その根は通常バレリアン根と呼ばれており、鎮静薬および睡眠補助薬として従来より使用されている。バレリアン由来の化合物は、特定のメラトニンおよびセロトニン受容体サブタイプ(Abourashed EA,Koetter U,Brattstrom A.In vitro binding experiments with a Valerian,hops and their fixed combination extract(Ze91019)to selected central nervous system receptors.Phytomedicine.2004 Nov;11(7−8):633−8)、特に、5−HT5Aサブタイプ(Dietz BM,Mahady GB,Pauli GF,Farnsworth NR.Valerian extract and valerenic acid are partial agonists of the 5−HT5a receptor in vitro.Brain Res Mol Brain Res.2005 Aug 18;138(2):191−7)への結合を介してGABA、メラトニンおよび/またはアデノシン系と相互作用する。この受容体との相互作用によって、バレリアン根抽出物は睡眠の誘導および維持効果を示すと考えられている。
【0053】
バレリアン根抽出物は、いくつかの臨床試験により有用であることが証明されている。無作為化対照比較臨床試験の一環として行った睡眠の質に関する主観的な自己評価では、対照群と比べて、バレリアン補給群において質の向上が見られた(Leathwood PD,Chauffard F,Heck E,Munoz−Box R.Aqueous extract of valerian root (Valeriana officinalis L.)improves sleep quality in man.Pharmacol Biochem Behav.1982 Jul;17(1):65−71)。別の臨床試験では、バレリアン群は被験者の89%が睡眠が改善されたと報告し、プラセボ群に比べて睡眠の改善が見られた(Lindahl O,Lindwall L.Double blind study of a valerian preparation.Pharmacol Biochem Behav.1989 Apr;32(4):1065−6)。また、種々の知的障害を有する小児、特に注意欠陥を有する小児においても、睡眠が改善された(Francis AJ,Dempster RJ.Effect of valerian,Valeriana edulis,on sleep difficulties in children with intellectual deficits:randomised trial.Phytomedicine.2002 May;9(4):273−9)。
【0054】
本発明の一態様には、睡眠の質を向上させるため、および軽微な疼痛および痛みを低減するためのバレリアンの使用が含まれる。米国特許第6,869,622号および同第6,383,527号には、それぞれ、睡眠の質を向上させる組成物と、筋肉痛および筋緊張(特に、腰に関するもの)を緩和するための組成物とが記載されている。
【0055】
例えば、米国特許第6,869,622号(発明の名称「睡眠の質および効率を向上させるための組成物ならびに該組成物の調製および使用方法(Composition for Improving Sleep Quality and Efficiency、And Method of Preparing and Using the Composition)」には、医薬活性を有するオミナエシ(Valerianaceae)科植物の根抽出物、ならびに睡眠の質および効率の向上におけるその有用性が記載されている。該特許は、エタノール抽出および水抽出によって得られた医薬活性を有するオミナエシ科植物の根抽出物を患者に投与することを特徴とする、患者の入眠後の覚醒回数を減らす方法に関する。さらにまた、単回摂取量は、50mg〜5000mgの範囲で、就寝の約2時間半前に投与する。
【0056】
米国特許第6,383,527号(発明の名称「「バレリアン抽出物、イソ吉草酸またはその誘導体をNSAIDとともに含む組成物(Compositions Comprising Valerian Extracts,Isovaleric Acid or Derivatives Thereof with a NSAID)」には、急性の筋肉痛、筋緊張および捻挫、特に、腰痛を治療するための、バレリアン抽出物、イソ吉草酸またはその誘導体と非ステロイド系抗炎症化合物との組合せが記載されている。
【0057】
以下の実施例1により詳細に示す本発明の一実施形態において、サプリメント組成物は、バレリアン根を含んでいてもよい。1回分のサプリメント組成物は、約0.1000g〜約1.000gのバレリアン根を含有してもよい。好ましい摂取量としては、1回分のサプリメント組成物に、約0.1200gのバレリアン根が含まれる。
【0058】
ヤナギ(Salix alba)樹皮抽出物(サリシンの原料)25% サリシン
ヤナギ(Salix alba)樹皮は、アセチルサリチル酸(アスピリン)の前駆体であるサリシンの原料であり、痛み、発熱および炎症の治療に従来より使用されている。盲験臨床試験で、ヤナギ樹皮は腰痛の緩和に有効であることが示されている(Chrubasik S,Eisenberg E,Balan E,Weinberger T,Luzzati R,Conradt C.Treatment of low back pain exacerbations with willow bark extract:a randomized double−blind study.Am J Med.2000 Jul;109(1):9−14)。4週間後、高用量サリシン処置群(n=65)の39%が痛みを感じず、低用量サリシン処置群(n=67)の21%が痛みを感じなかったが、プラセボ群(n=59)では、痛みを感じなかったのは6%のみであった。また、ヤナギ樹皮抽出物は、関節炎の痛みを緩和するのに有効であることが示されている(Schmid B,Ludtke R,Selbmann HK,Kotter I,Tschirdewahn B,Schaffner W,Heide L.Efficacy and tolerability of a standardized willow bark extract in patients with osteoarthritis:randomized placebo−controlled,double blind clinical trial.Phytother Res.2001 Jun;15(4):344−50)。
【0059】
身体の痛みの減衰は、睡眠の質の重要な部分である。ヤナギ樹皮抽出物を含有することにより、軽微な身体の痛みの緩和が補助され、それによって睡眠の質が向上し、かつ不快感による睡眠中断回数が減少する。
【0060】
本発明の一態様には、軽微な疼痛および痛みの減衰により、睡眠の質を向上させるためのヤナギ樹皮の使用が含まれる。米国特許第6,770,263号および同第6,312,736号には、疼痛および痛みの治療(例えば、緩和)のための組成物が記載されている。
【0061】
例えば、米国特許第6,770,263号(発明の名称「疼痛および痛みの治療のための組成物および方法(Compositions and Methods for the Treatment of Aches and Pains)」には、疼痛および/または痛みの治療に有用な方法および組成物が記載されている。該組成物は、水性媒体を含み、その水性媒体中に白ヤナギ樹皮、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、およびその任意の組合せからなる群より選択される鎮痛薬が分散または溶解されている。該組成物の有効量を粘膜を介して投与する。
【0062】
米国特許第6,312,736号(発明の名称「痛みを緩和するためのハーブ組成物(Herbal Composition to Relieve Pain)」には、偏頭痛およびその他の頭痛に伴う痛みおよび他症状を緩和するために使用される組成物が記載されている。該組成物は、白ヤナギ樹皮抽出物、カバカバ根抽出物、ナツシロギク抽出物、ショウガ根抽出物、ガラナ抽出物およびビタミンB6の組合せからなり、該組成物を、リポソームと組み合わせて、即効性の鎮痛剤として舌下投与で送達してもよい。
【0063】
以下の実施例1により詳細に示す本発明の一実施形態において、サプリメント組成物は、ヤナギ樹皮抽出物を含んでいてもよい。1回分のサプリメント組成物は、約0.1000g〜約1.000gのヤナギ樹皮抽出物を含有してもよい。好ましい摂取量としては、1回分のサプリメント組成物に、約0.1500gのヤナギ樹皮抽出物が含まれる。
【0064】
本発明は、その一実施形態において、例えば、軽微な疼痛および痛みを緩和し、速やかに睡眠を誘導するとともに睡眠の維持を提供し得る方法であって、それにより良質で安らかな睡眠を促進し得る方法を提供する。該方法は組成物を摂取することを含む。本発明の一実施形態において、該方法は、十分な夜間の睡眠を目的として、睡眠促進組成物および鎮痛組成物を毎日就寝前に摂取することを含み、該組成物は、少なくともバレリアン根抽出物、ヤナギ樹皮抽出物およびメラトニンまたはその誘導体を含むものであり得る。さらにまた、該睡眠促進組成物および鎮痛組成物は、さらに、コエンザイムQ10、レモンバーム葉抽出物、ホップ毬花抽出物、ラベンダー花抽出物、トケイソウ抽出物およびタツナミソウ粉末を含んでいてもよい。
【0065】
軽微な疼痛および痛みを緩和し、速やかに睡眠を誘導するとともに睡眠を維持する方法であって、それにより良質で安らかな睡眠を促進する方法において、本発明のサプリメント組成物、または当業者によって想定される類似物を、夜間の安静を目的として毎日就寝前に摂取するように設計された製剤として、使用してもよい。
【0066】
本発明の一実施形態において、該組成物は、例えば、活性化合物を4時間にわたって放出する徐放機構を含むものであってもよい。また、種々の実施形態において、睡眠をより速やかに促進するため、例えば、瞬時または即時の睡眠を促進するために、メラトニンを錠剤コーティングに配合してもよい。
【0067】
以下の実施例により、本発明の実施の一形態を説明するが、実施例は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。本発明の他の実施形態は、本明細書および実施例を考慮すると、当業者に自明であろう。
【実施例】
【0068】
実施例1
サプリメント組成物は、毎日就寝前に夜間の安静を目的として提供され、該組成物は、メラトニン(0.0040g)、微粉砕メラトニン(0.0010g)、コエンザイムQ10(0.0010g)、ホップ毬花抽出物(0.0200g)、ラベンダー花の粉末(0.0050g)、トケイソウ抽出物(0.0020g)、タツナミソウ粉末(0.0010g)、レモンバーム葉抽出物(0.0800g)、無臭化バレリアン根(0.1200g)およびヤナギ樹皮抽出物(0.1500g)を含む二段階放出(dual−release)カプレット剤である。
【0069】
使用方法:サプリメント組成物として、1カプレット剤を、グラスで8オンスの水とともに1日1回就寝前に経口で摂取する。該サプリメント組成物は、十分な夜間の睡眠を目的として摂取されるのが好ましい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バレリアン根抽出物、ヤナギ樹皮抽出物およびメラトニンまたはその誘導体を含む組成物。
【請求項2】
さらにホップ毬花抽出物を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
さらにラベンダー花の粉末を含む請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
さらにトケイソウ抽出物を含む請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
さらにタツナミソウ粉末を含む請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
さらにコエンザイムQ10抽出物を含む請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
さらにレモンバーム葉抽出物を含む請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
さらに徐放機構を含む請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
メラトニンの少なくとも一部が微粉砕されている請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
睡眠の促進および痛みの緩和の少なくとも一方に有効な量のバレリアン根抽出物、ヤナギ樹皮抽出物およびメラトニンまたはその誘導体を含む請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
該組成物が錠剤である請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
睡眠をより速やかに促進するように、メラトニンまたはその誘導体が、前記錠剤のコーティングに配合されている請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
1回分の投与量あたり、
約0.1200gのバレリアン根抽出物;
約0.1500gのヤナギ樹皮抽出物;
約0.0040gのメラトニン;
約0.0010gの微粉砕メラトニン;
約0.0200gのホップ毬花抽出物;
約0.0050gのラベンダー花の粉末;
約0.0020gのトケイソウ抽出物;
約0.0010gのタツナミソウ粉末;
約0.0010gのコエンザイムQ10;および
約0.0800gレモンバーム抽出物
を含む組成物。
【請求項14】
バレリアン根抽出物、ヤナギ樹皮抽出物およびメラトニンまたはその誘導体を含む組成物をヒトまたは動物に投与する、睡眠の促進および痛みの緩和の少なくとも一方を目的とする方法。
【請求項15】
睡眠の促進が、睡眠の誘導および維持の少なくとも一方を含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
該組成物を、就寝前に1日1回使用者に投与する請求項14に記載の方法。
【請求項17】
該組成物が徐放機構を伴って提供される請求項16に記載の方法。
【請求項18】
該徐放機構によって活性化合物が約4時間にわたって放出される請求項17に記載の方法。
【請求項19】
該組成物が錠剤であり、睡眠をより速やかに促進するようにメラトニンまたはその誘導体が前記錠剤のコーティングに配合されている請求項18に記載の方法。
【請求項20】
該組成物が、さらにホップ毬花抽出物を含む請求項14に記載の方法。
【請求項21】
該組成物が、さらにラベンダー花の粉末を含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
該組成物が、さらにトケイソウ抽出物を含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
該組成物が、さらにタツナミソウ粉末を含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
該組成物が、さらにコエンザイムQ10抽出物を含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
該組成物が、さらにレモンバーム葉抽出物を含む請求項24に記載の方法。
【請求項26】
該組成物が、さらに徐放機構を含む請求項25に記載の方法。
【請求項27】
メラトニンの少なくとも一部が微粉砕されている請求項26に記載の方法。

【公表番号】特表2009−527504(P2009−527504A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555578(P2008−555578)
【出願日】平成18年7月14日(2006.7.14)
【国際出願番号】PCT/CA2006/001156
【国際公開番号】WO2007/095716
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(508256569)イオメディックス スリープ インターナショナル エスアールエル (1)
【Fターム(参考)】