色変換プログラムおよび色変換装置
【課題】表示された画像に対して、ユーザが所望する色変換を簡単な操作に応じて行うことができる色変換プログラムおよび色変換装置を提供する。
【解決手段】表示制御手段は、複数の画像要素ごとに色情報が設定された第1変換対象画像データに基づく画像を表示手段に表示する。座標決定手段は、ポインティングデバイスによる指示に応じて、第1座標を決定する。変換対象条件設定手段は、第1変換対象画像データにおいて第1座標に対応する画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第1変換対象条件を設定する。色変換手段は、第1変換対象画像データにおいて第1変換対象条件を満たす画像要素についての色情報を変更する色変換処理を行って、変換後画像を表示手段に表示する。
【解決手段】表示制御手段は、複数の画像要素ごとに色情報が設定された第1変換対象画像データに基づく画像を表示手段に表示する。座標決定手段は、ポインティングデバイスによる指示に応じて、第1座標を決定する。変換対象条件設定手段は、第1変換対象画像データにおいて第1座標に対応する画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第1変換対象条件を設定する。色変換手段は、第1変換対象画像データにおいて第1変換対象条件を満たす画像要素についての色情報を変更する色変換処理を行って、変換後画像を表示手段に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色変換プログラムおよび色変換装置に関し、より特定的には、表示された画像の色を変換する色変換プログラムおよび色変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示された画像の色を、ユーザが所望する色に変換する装置が各種開発されている(例えば、特許文献1参照)。上記特許文献1で開示された画像処理装置は、ユーザによって指定された位置に対応する画素の色相、彩度、明度をそれぞれ抽出し、それら成分の最大値および最小値を決定する。そして、当該画像処理装置は、ユーザが変更を所望する色を指定すると、先に決定した範囲にある画素を指定された色に変換する。
【特許文献1】特開平8−293995号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1で開示された画像処理装置は、スキャンした静止画像に対して、ユーザが複数の位置を指定することによって、各複数の位置に対応する各画素の色相、彩度、および明度それぞれの最小値〜最大値を、色変換する範囲として設定している。したがって、ユーザは、色変換をする際に画像に対する複数の位置を指定する必要があり、操作に手間が生じる。また、仮にユーザが単一の位置のみを指定して色変換する場合、色変換する範囲がピンポイントとなり、画像に対する色変換がほとんど行われないことが考えられる。また、上記特許文献1で開示された画像処理装置は、スキャンした静止画像を色変換の対象としており、例えば、カメラで撮像されている画像をリアルタイムに表示(すなわち、ライブ画像の表示)している場合に、当該ライブ画像を色変換の対象にすることができない。
【0004】
それ故に、本発明の目的は、上述した課題の何れか1つを解決するものであり、表示された画像に対して、ユーザが所望する色変換を簡単な操作に応じて行うことができる色変換プログラムおよび色変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、本欄における括弧内の参照符号、ステップ番号、および補足説明等は、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0006】
第1の発明は、所定の表示手段(12)に対する座標入力可能なポインティングデバイス(13)の出力が利用可能な情報処理装置(1)のコンピュータ(31)で実行される色変換プログラムである。色変換プログラムは、コンピュータを、表示制御手段(ステップ52を実行するCPU31、以下、単にステップ番号のみ記載する)、座標決定手段(S54)、変換対象条件設定手段(S55、S56)、および色変換手段(S57)として機能させる。表示制御手段は、複数の画像要素ごとに色情報が設定された第1変換対象画像データに基づく画像を表示手段に表示する。座標決定手段は、ポインティングデバイスによる指示に応じて、第1座標(TP)を決定する(Da)。変換対象条件設定手段は、第1変換対象画像データにおいて第1座標に対応する画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第1変換対象条件を設定する(De)。色変換手段は、第1変換対象画像データにおいて第1変換対象条件を満たす画像要素についての色情報を変更する色変換処理を行って、変換後画像を表示手段に表示する。なお、ポインティングデバイスは、画面上での入力位置や座標を指定する入力装置であり、例えば、タッチパネル、マウス、トラックパッド、トラックボール、ペンタブレット、ジョイスティック、ゲームコントローラのハウジングで指し示された画面位置を検出するシステム等で実現される。また、上記画像要素は、例えば画素であるが、複数の画素を1ブロックとした画像を画像要素としてもかまわない。さらに、上記第1変換対象画像データに基づく画像は、第1変換対象画像データそのままに基づく画像でもいいし、第1変換画像データに所定の画像処理(例えば、彩度や明度を変更する処理)を加えた画像でもかまわない。
【0007】
第2の発明は、上記第1の発明において、画像要素は、画素である。色変換手段は、第1変換対象画像データに基づく画像の各画素のうち第1変換対象条件を満たす画素についての色情報を変更する色変換処理を行った変換後画像を表示手段に表示する。
【0008】
第3の発明は、上記第1の発明において、座標決定手段は、色変換手段によって変換後画像が表示手段に表示されているときに、ポインティングデバイスから得られた指示に応じて、第2座標を新たに決定する。変換対象条件設定手段は、第1変換対象画像データにおいて第2座標に対応する画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第2変換対象条件を設定する。色変換手段は、第1変換対象画像データにおいて第1変換対象条件または第2変換対象条件を満たす各画像要素についての色情報を変更する色変換処理を行う。
【0009】
第4の発明は、上記第1の発明において、画像取得手段(23、25)として、さらにコンピュータを機能させる。画像取得手段は、第1変換対象画像データとは異なる第2変換対象画像データを取得する。色変換手段は、第2変換対象画像データにおいて第1変換対象条件を満たす各画素要素について、色情報を変更する色変換処理を行って、変換後画像を表示手段に表示する。
【0010】
第5の発明は、上記第1の発明において、変換対象条件設定手段は、色相、彩度、および明度の少なくとも1つに応じた条件を、第1変換対象条件として設定する。
【0011】
第6の発明は、上記第5の発明において、変換対象条件設定手段は、取得した色情報の色相に基づいて、色相に応じた条件を、第1変換対象条件として設定する。
【0012】
第7の発明は、上記第1の発明において、色変換手段は、第1変換対象画像データに対して第1変換対象条件を満たす画像要素の色の彩度、明度、および色相の少なくとも1つを変更する。なお、色変換手段が彩度、明度、および色相の少なくとも1つを変更する方法は、画像を表示するための彩度、明度、および色相等が定義されたデータテーブル(例えば、変換テーブル)を変更することによって実現してもいいし、画像データ自体の彩度、明度、および色相の少なくとも1つを示すデータを直接変更してもよく、他の方法で彩度、明度、および色相の少なくとも1つを変更してもかまわない。
【0013】
第8の発明は、上記第7の発明において、色変換手段は、第1変換対象画像データに対して第1変換対象条件を満たす画像要素の色相を変換目標色相に変更する。
【0014】
第9の発明は、上記第7の発明において、変換対象条件設定手段は、第1座標に対応する画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を第1変換対象条件として設定する。色変換手段は、第1変換対象条件の色相範囲の色相を有する各画像要素について、当該色相範囲の中心から遠い色相を有する画像画素に比べて、当該色相範囲の中心に近い色相を有する画像要素を所定の変換目標色相により近い色相に変更する。
【0015】
第10の発明は、上記第9の発明において、色変換手段は、第1変換対象条件の色相範囲の色相を有する各画像要素について、当該色相範囲の中心から遠い色相を有する画像画素に比べて、当該色相範囲の中心に近い色相を有する画像要素が、第1変換対象画像データにおける色情報からの変更量が大きくなるようにする。
【0016】
第11の発明は、上記第3の発明において、変換対象条件設定手段は、第1座標に対応する画像要素の色情報を含む第1範囲を第1変換対象条件として設定し、かつ、第2座標に対応する画像要素の色情報を含む第2範囲を第2変換対象条件として設定する。色変換手段は、第1変換対象画像データにおいて第1範囲の色情報を有する各画像要素について、第1範囲の境界部の色情報である第1色情報を有する画像要素は第1変換対象画像データにおける色情報からの変更量を0に設定し、第1範囲の所定の非境界部の色情報である第2色情報を有する画像要素は第1変換対象画像データにおける色情報からの変更量を所定量に設定し、かつ、第1範囲の色情報のうち第1色情報および第2色情報以外の色情報を有する各画像要素は第1色情報から第2色情報に近づくほどに、第1変換対象画像データにおける色情報からの変更量を次第に大きくして設定する。さらに、色変換手段は、第1変換対象画像データにおいて第2範囲の色情報を有する各画像要素について、第2範囲の境界部の色情報である第3色情報を有する画像要素は第1変更後の色情報からの変更量を0に設定し、第2範囲の所定の非境界部の色情報である第4色情報を有する画像要素は第1変更後の色情報からの変更量を所定量に設定し、第2範囲の色情報のうち第3色情報および第4色情報以外の色情報を有する各画像画素は第3色情報から第4色情報に近づくほどに、第1変換対象画像データにおける色情報からの変更量を次第に大きくして設定する。なお、上記色変換手段による色情報の変更は、図17Bに示すような関係を含むものである。
【0017】
第12の発明は、上記第9の発明において、色変換手段は、第1変換対象条件の色相範囲の中心から離れた当該色相範囲内の色相に対して、当該色相を変換目標色相に近づける割合を当該中心から離れるにしたがってエルミート曲線に応じて漸減させて第1変換対象条件の色相範囲の色相を有する各画像要素の色相を変更する。
【0018】
第13の発明は、上記第8の発明において、色変換手段は、取得した色情報の色相に基づいて変換目標色相を設定する。
【0019】
第14の発明は、上記第8の発明において、色変換手段は、変換目標色相を時間経過と共に順次変更して表示手段に表示する。
【0020】
第15の発明は、上記第1の発明において、表示制御手段は、第1変更対象画像データの各画像要素について、彩度を下げる画像処理を加えて、無彩色の画像を表示手段に表示する。色変換手段は、無彩色となった第1変換対象画像データの各画像要素のうち第1変換対象条件を満たす各画像要素に対して、当該各画像要素が持つ彩度を第1変換対象画像データにおける彩度に戻す色変換処理を行って、変換後画像を表示手段に表示する。
【0021】
第16の発明は、上記第15の発明において、変換対象条件設定手段は、取得した色情報の色相を中心とした所定範囲に含まれる色相を有することを、第1変換対象条件として設定する。色変換手段は、取得した色情報の色相の中心から離れた所定範囲に含まれる色相を有する画像要素に対して、当該中心から離れるにしたがって当該色相の画像要素の彩度を第1変換対象画像データにおける彩度に戻す割合を漸減させて当該彩度を変更する色変換処理を行って、変換後画像を表示手段に表示する。
【0022】
第17の発明は、上記第16の発明において、色変換手段は、所定範囲の中心から離れた当該所定範囲内の色相を有する画像要素に対して、当該画像要素の彩度を第1変換対象画像データにおける彩度に戻す割合を、当該中心から離れるにしたがって100%から0%まで直線的に漸減させて当該彩度を変更する。
【0023】
第18の発明は、上記第16の発明において、色変換手段は、所定範囲の中心から離れた当該所定範囲内の色相を有する画像要素に対して、当該画像要素の彩度を第1変換対象画像データにおける彩度に戻す割合を、当該中心から離れるにしたがって100%から0%までエルミート曲線に応じて漸減させて当該彩度を変更する。
【0024】
第19の発明は、上記第1の発明において、変換対象条件設定手段は、第1変換対象画像データにおける第1座標に対応する画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を第1変換対象条件の色相範囲として設定する。色変換手段は、第1変換対象条件の色相範囲の色相を持つ第1変換対象画像データにおける画像要素に対して彩度、明度、および色相の少なくとも1つを変更する色変換処理を行って、変換後画像を表示手段に表示する。座標決定手段は、色変換手段によって変換後画像が表示手段に表示されているときに、ポインティングデバイスから得られた指示に応じて、第2座標を新たに決定する。変換対象条件設定手段は、第1変換対象画像データにおける第2座標に対応する画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を第2変換対象条件の色相範囲として設定する。色変換手段は、第2変換対象条件の色相範囲の色相を持つ第1変換対象画像データにおける画像要素に対して彩度、明度、および色相の少なくとも1つを変更する色変換処理を行って、変換後画像を表示手段に表示する。
【0025】
第20の発明は、上記第19の発明において、色変換手段は、第1変換対象条件の色相範囲の中心から離れた当該色相範囲内の色相を持つ画像要素に対して、当該画像要素が持つ彩度および明度の少なくとも一方を変更する割合を当該中心から離れるにしたがって漸減させて当該彩度および明度の少なくとも一方を変更し、第2変換対象条件の色相範囲の中心から離れた当該色相範囲内の色相を持つ画像要素に対して、当該画像要素が持つ彩度および明度の少なくとも一方を変更する割合を当該中心から離れるにしたがって漸減させて当該彩度および明度の少なくとも一方を変更し、第1変換対象条件の色相範囲と第2変換対象条件の色相範囲とが一部重複する場合、当該重複する範囲の色相を持つ画像要素に対して、第1変換対象条件の色相範囲で変更される彩度および明度の少なくとも一方の割合および第2変換対象条件の色相範囲で変更される彩度および明度の少なくとも一方の割合の大きい方を選択して変更する。
【0026】
第21の発明は、上記第19の発明において、色変換手段は、第1変換対象条件の色相範囲の中心から離れた当該第1変換対象条件の色相範囲内の色相を持つ画像要素に対して、当該画像要素が持つ彩度および明度の少なくとも一方を変更する割合を当該中心から離れるにしたがって漸減させて当該彩度および明度の少なくとも一方を変更し、第2変換対象条件の色相範囲の中心から離れた当該第2変換対象条件の色相範囲内の色相を持つ画像要素に対して、当該画像要素が持つ彩度および明度の少なくとも一方を変更する割合を当該中心から離れるにしたがって漸減させて当該彩度および明度の少なくとも一方を変更し、第1変換対象条件の色相範囲と第2変換対象条件の色相範囲とが一部重複する場合、当該重複範囲の色相を持つ画像要素に対して、当該重複範囲の中心が極小となった曲線状に割合が変化するように彩度および明度の少なくとも一方の割合を変更する。
【0027】
第22の発明は、上記第1の発明において、情報処理装置は、撮像手段(23、25)を、さらに備える。撮像手段は、当該情報処理装置周辺を撮像する。表示制御手段は、撮像手段で撮像された画像データを第1変換対象画像データとして、当該画像データに基づく画像をリアルタイムで表示手段に表示する。
【0028】
第23の発明は、上記第1の発明において、表示制御手段は、第1変換対象画像データに基づく有彩色の画像を表示手段に表示する。変換対象条件設定手段は、第1座標に対応する第1変換対象画像データにおける画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を第1変換対象条件の色相範囲として設定する。色変換手段は、第1変換対象条件の色相範囲の色相を持つ第1変換対象画像データにおける画像要素に対して、当該画像要素が持つ彩度を下げることによって無彩色の画素に変更する色変換処理を行って、変換後画像を表示手段に表示する。
【0029】
第24の発明は、上記第1の発明において、表示制御手段は、有彩色の第1変換対象画像データにおける全ての画像要素の明度を下げて黒色の画素に変換して表示手段に表示する。変換対象条件設定手段は、第1座標に対応する第1変換対象画像データにおける画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を第1変換対象条件の色相範囲として設定する。色変換手段は、第1変換対象条件の色相範囲の色相を持つ第1変換対象画像データにおける画像要素に対して、当該画像要素が持つ明度を第1変換対象画像データにおける明度に戻して表示手段に表示する。
【0030】
第25の発明は、上記第1の発明において、表示制御手段は、第1変換対象画像データに基づく有彩色の画像を表示手段に表示する。変換対象条件設定手段は、第1座標に対応する第1変換対象画像データにおける画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を第1変換対象条件の色相範囲として設定する。色変換手段は、第1変換対象条件の色相範囲の色相を持つ第1変更対象画像データの画像要素に対して、当該画像要素が持つ明度を下げて表示手段に表示する。
【0031】
第26の発明は、上記第1の発明において、変換対象条件設定手段は、第1座標に対応する第1変換対象画像データの画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を第1変換対象条件の色相範囲として設定する。色変換手段は、第1変換対象条件の色相範囲の色相を持つ第1変換対象画像データの画像要素の色相を第1変換目標色相に変更する色変換処理を行って、変換後画像を表示手段に表示する。座標決定手段は、色変換手段によって変換後画像が表示手段に表示されているときに、ポインティングデバイスから得られた指示に応じて、第2座標を新たに決定する。変換対象条件設定手段は、第2座標に対応する第1変換対象画像データの画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を第2変換対象条件の色相範囲として設定する。色変換手段は、第2変換対象条件の色相範囲の色相を持つ第1変換対象画像データの画像要素の色相を第2変換目標色相に変更する色変換処理を行って、変換後画像を表示手段に表示する。なお、上記第1変換目標色相と上記第2変換目標色相とは、同じ色相であってもよいし、異なる色相であってもよい。
【0032】
第27の発明は、上記第26の発明において、色変換手段は、第1変換対象条件の色相範囲と第2変換対象条件の色相範囲とが一部または全部重複する場合、当該重複範囲内の色相を持つ画像要素に対しては、第1変換対象条件の色相範囲に対して変更された当該画像要素の色相を、当該変更された色相に基づいて第2変換目標色相に近づけて変更する。
【0033】
第28の発明は、上記第26の発明において、色変換手段は、第2座標が新たに決定された時点で表示手段に表示されている当該第2座標に対応する変換後画像の色相に基づいて、第2変換目標色相を設定する。
【0034】
第29の発明は、上記第1の発明において、色変換手段は、第1変換対象条件を満たす画像要素の色情報を変更する色変換処理とは異なる方式で、第1変換対象画像データに対して第1変換対象条件を満たさない画像要素に対する色情報を変更する色変換処理をさらに行って、変換後画像を表示手段に表示する。
【0035】
第30の発明は、所定の表示手段に対する座標入力可能なポインティングデバイスの出力と所定の撮像手段から繰り返し出力される撮像画像データとを利用可能な情報処理装置のコンピュータで実行される色変換プログラムである。色変換プログラムは、コンピュータを、表示制御手段、座標決定手段、変換対象条件設定手段、および色変換手段として機能させる。表示制御手段は、繰り返し出力される撮像画像データに基づく画像を、表示手段に順次表示する。座標決定手段は、ポインティングデバイスによる指示に応じて、第1座標を決定する。変換対象条件設定手段は、第1座標が決定されたときの表示手段への表示に用いた撮像画像データにおける当該第1座標に対応する画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第1変換対象条件を設定する。色変換手段は、繰り返し生成される撮像画像データに対して、第1変換対象条件を満たす画像要素の色情報を変更する色変換処理を順次行って、変換後画像を表示手段に順次表示する。
【0036】
第31の発明は、上記第30の発明において、座標決定手段は、色変換手段によって変換後画像が表示手段に順次表示されているときに、ポインティングデバイスから得られた指示に応じて、第2座標を新たに決定する。変換対象条件設定手段は、第2座標が決定されたときの表示手段への表示に用いた撮像画像データにおける当該第2座標に対応する画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第2変換対象条件を設定する。色変換手段は、繰り返し出力される撮像画像データに対してさらに第2変換対象条件を満たす画像要素の色情報を変更する色変換処理を順次行って、新たな変換後画像を表示手段に順次表示する。
【0037】
第32の発明は、所定の表示手段に対する座標入力可能なポインティングデバイスの出力が利用可能な色変換装置である。色変換装置は、表示制御手段、座標決定手段、変換対象条件設定手段、および色変換手段を備える。表示制御手段は、複数の画像要素ごとに色情報が設定された第1変換対象画像データに基づく画像を表示手段に表示する。座標決定手段は、ポインティングデバイスによる指示に応じて、第1座標を決定する。変換対象条件設定手段は、第1座標に対応する第1変換対象画像データにおける画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第1変換対象条件を設定する。色変換手段は、第1変換対象画像データにおいて第1変換対象条件を満たす画像要素についての色情報を変更する色変換処理を行って、変換後画像を表示手段に表示する。
【0038】
第33の発明は、所定の表示手段に対する座標入力可能なポインティングデバイスの出力と所定の撮像手段から繰り返し出力される撮像画像データとを利用可能な色変換装置である。色変換装置は、表示制御手段、座標決定手段、変換対象条件設定手段、および色変換手段を備える。表示制御手段は、繰り返し出力される撮像画像データに基づく画像を、表示手段に順次表示する。座標決定手段は、ポインティングデバイスによる指示に応じて、第1座標を決定する。変換対象条件設定手段は、第1座標が決定されたときの表示手段への表示に用いた撮像画像データにおける当該第1座標に対応する画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第1変換対象条件を設定する。色変換手段は、繰り返し生成される撮像画像データに対して、第1変換対象条件を満たす画像要素の色情報を変更する色変換処理を順次行って、変換後画像を表示手段に順次表示する。
【発明の効果】
【0039】
上記第1の発明によれば、第1変換対象画像データに基づく画像が表示手段に表示されたとき、ユーザがポインティングデバイスを用いて座標を指定する操作を一度行うだけで、ユーザが所望する当該表示画像の色変換が可能となる。
【0040】
上記第2の発明によれば、ユーザがポインティングデバイスを用いて指定した画素の色情報を基準として、ユーザが所望する当該表示画像の色変換が可能となる。
【0041】
上記第3の発明によれば、ユーザが複数の座標を入力した際、それぞれの座標に応じた色変換をそれぞれ行うことができる。
【0042】
上記第4の発明によれば、変換対象画像データが変更されても変換対象条件が固定されているため、変換対象画像データが繰り返し出力されるような場合(例えば、撮像画像がリアルタイムで繰り返し出力される場合)であっても当該画像を順次色変換して表示することができる。
【0043】
上記第5の発明によれば、ユーザが入力した座標と重なっている画像要素の色情報のみに限定して色変換した場合、変換対象画像データにおいてかなり限定された領域(極端な例では、入力した画像要素と重なっている画素のみ)が色変換されることが考えられ、ユーザが所望する色変換ができない状態となる。一方、ユーザは、入力した座標で指定した色情報のみに厳密に限定して色変換したいことは希であり、当該色情報に対してある程度幅を持った色情報を色変換の対象にすることを所望していることが一般的である。上記第5の発明によれば、ユーザが入力した座標に応じた色情報だけでなく、色相、彩度、および明度の少なくとも1つにおける所定範囲に含まれる色情報を色変換の対象とするため、当該座標と重なっている画素の色情報と微妙に異なる色情報も色変換対象にすることができ、ユーザが所望する色変換が可能となる。
【0044】
上記第6の発明によれば、ユーザが入力した座標と重なっている画像要素の色相のみに色変換対象を限定して色変換した場合、変換対象画像データにおいてかなり限定された領域(極端な例では、入力した座標と重なっている画素のみ)が色変換されることが考えられ、ユーザが所望する色変換ができない状態となる。一方、ユーザは、入力した座標で指定した色相のみに厳密に限定して色変換したいことは希であり、当該色相に対してある程度幅を持った色相を色変換の対象にすることを所望していることが一般的である。上記第6の発明によれば、ユーザが入力した座標に応じた色相だけでなく、所定範囲に含まれる色相を色変換の対象とするため、当該座標と重なっている画像要素の色相と微妙に異なる色相も色変換対象にすることができ、ユーザが所望する色変換が可能となる。
【0045】
上記第7の発明によれば、第1変換対象画像データに基づく画像が表示手段に表示されたとき、ユーザがポインティングデバイスを用いて座標を指定する操作を一度行うだけで、変換対象条件を満たす画像要素の彩度、明度、および色相の少なくとも1つを変更する色変換が可能となる。
【0046】
上記第8の発明によれば、第1変換対象画像データに基づく画像が表示手段に表示されたとき、ユーザがポインティングデバイスを用いて座標を指定する操作を一度行うだけで、変換対象条件を満たす画像要素の色相を変換目標色相に変更する色変換が可能となる。
【0047】
上記第9および第10の発明によれば、入力した座標に応じて設定された色相を中心として、当該中心に近づくほど元の色相から変換目標色相に段々近づくように設定することによって、色変換を行う際のノイズを低減することができ、自然に色が変化したような画像に変換することが可能となる。
【0048】
上記第11の発明によれば、ユーザが複数の座標を指定することによってそれぞれの座標に応じた色情報に対する色変換をそれぞれ行う際、それぞれの色変換が重複する色情報に対して行う属性パラメータの変更割合を滑らかに繋げることができ、複数の色変換が自然に行われたような画像に変換することが可能となる。
【0049】
上記第12の発明によれば、入力した座標に応じて設定された色相を中心として、当該中心に近づくほど元の色相から変換目標色相にエルミート曲線に応じて近づくように設定することによって、さらに滑らかな色変換が可能となり、色変換を行う際のノイズをさらに低減することができる。
【0050】
上記第13の発明によれば、ユーザが表示されている画像に対して異なる色相を指定する操作を行った場合、それぞれの色相を有する画像要素がそれぞれ異なる色相に近づくように変換されるような色変換が可能となる。
【0051】
上記第14の発明によれば、入力された座標に応じて設定された色相が、時間経過と共に順次色が変わっていくような画像に変換することが可能となる。
【0052】
上記第15の発明によれば、表示手段に表示された無彩色の画像に対して、ユーザが所望する色が変換対象画像(元画像)において本来表現されていた位置を指定する操作を一度行うだけで、当該無彩色画像において当該色が復元するような色変換が可能となる。
【0053】
上記第16または第17の発明によれば、入力された座標に応じて設定された色相を中心として、漸減的に彩度を下げるように設定することによって、色変換を行う際のノイズを低減することができ、上記座標に本来表現されていた色が自然に色付けされたような画像に変換することが可能となる。
【0054】
上記第18の発明によれば、入力された座標に応じて設定された色相を中心として、漸減的にエルミート曲線に応じて彩度を下げるように設定することによって、色変換を行う際のノイズをさらに低減することができる。
【0055】
上記第19の発明によれば、ユーザが複数の座標を指定した際、それぞれの座標に応じた色相に対する色変換をそれぞれ行うことができる。
【0056】
上記第20および第21の発明によれば、ユーザが複数の座標を指定することによってそれぞれの座標に応じた色相に対する色変換をそれぞれ行う際、それぞれの色変換が重複する色相に対して行う属性パラメータの変更割合を滑らかに繋げることができ、複数の色変換が自然に行われたような画像に変換することが可能となる。
【0057】
上記第22の発明によれば、撮像されたリアルタイムの画像に対する色変換処理が可能となる。
【0058】
上記第23の発明によれば、表示手段に表示された有彩色の画像に対して、ユーザが所望する色が表示されている位置を指定する操作を一度行うだけで、当該有彩色画像において指定された色が無彩色になるような色変換が可能となる。
【0059】
上記第24の発明によれば、表示手段に表示された黒で塗りつぶされた画像に対して、ユーザが所望する位置を指定する操作を一度行うだけで、ユーザが指定した位置の色彩のみが黒画像上に浮き出るような色変換が可能となる。
【0060】
上記第25の発明によれば、表示手段に表示された有彩色の画像に対して、ユーザが所望する色が表示されている位置を指定する操作を一度行うだけで、当該有彩色画像において指定された色が暗い色に変換されるような色変換が可能となる。
【0061】
上記第26の発明によれば、ユーザが表示画像に対して異なる色相を指定する操作を行った場合、それぞれの色相を有する画素が第1変換目標色相または第2変換目標色相に近づくように変換されるような色変換が可能となる。
【0062】
上記第27の発明によれば、ユーザが複数の座標を指定することによってそれぞれの入力位置に応じた色相に対する色変換をそれぞれ行う際、それぞれの色変換が重複する色相に対して行う色相変換を滑らかに繋げることができ、複数の色変換が自然に行われたような画像に変換することが可能となる。
【0063】
上記第28の発明によれば、ユーザが座標を指定する操作を繰り返すことによって、指定された色が順次異なる色に変わっていくような色変換が可能となる。
【0064】
上記第29の発明によれば、第1変換対象条件を満たさない画像要素についても、異なる色変換(例えば、変化させる色の属性が異なる色変換、または変化させる色の属性が同じでも変化させる方向が異なる色変換等)を行うことによって、表示画像に対する様々な色変換が可能となる。
【0065】
上記第30の発明によれば、変換対象画像データが繰り返し出力される撮像画像であっても、変換対象条件が固定されているため、当該撮像画像を順次色変換して表示することができる。
【0066】
上記第31の発明によれば、変換対象画像データが繰り返し出力される撮像画像であっても、ユーザが複数の座標を入力することによって、それぞれの座標に応じた色変換を順次行うことができる。
【0067】
また、本発明の色変換装置によれば、上述した色変換プログラムと同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0068】
(第1の実施形態)
図面を参照して、本発明の第1の実施形態に係る色変換プログラムを実行する色変換装置について説明する。本発明の色変換プログラムは、表示装置に表示可能な任意のコンピュータシステムで実行されることによって適用することができるが、色変換装置の一例としてゲーム装置1を用い、ゲーム装置1で実行される色変換プログラムを用いて説明する。なお、図1は、本発明の色変換プログラムを実行するゲーム装置1の外観図である。ここでは、ゲーム装置1の一例として、携帯ゲーム装置を示す。なお、ゲーム装置1は、カメラを内蔵しており、当該カメラによって画像を撮像し、撮像した画像を画面に表示したり、撮像した画像のデータを保存したりする撮像装置としても機能する。
【0069】
図1において、ゲーム装置1は、折り畳み型の携帯ゲーム装置であり、開いた状態(開状態)のゲーム装置1を示している。ゲーム装置1は、開いた状態においてもユーザが両手または片手で把持することができるようなサイズで構成される。
【0070】
ゲーム装置1は、下側ハウジング11および上側ハウジング21を有する。下側ハウジング11と上側ハウジング21とは、開閉可能(折り畳み可能)に連結されている。図1の例では、下側ハウジング11および上側ハウジング21は、それぞれ横長の長方形の板状で形成され、互いの長辺部分で回転可能に連結されている。通常、ユーザは、開状態でゲーム装置1を使用する。また、ユーザは、ゲーム装置1を使用しない場合には閉状態としてゲーム装置1を保管する。また、図1に示した例では、ゲーム装置1は、上記閉状態および開状態のみでなく、下側ハウジング11と上側ハウジング21とのなす角度が閉状態と開状態との間の任意の角度において、連結部分に発生する摩擦力などによってその開閉角度を維持することができる。つまり、上側ハウジング21を下側ハウジング11に対して任意の角度で静止させることができる。
【0071】
下側ハウジング11には、下側LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)12が設けられる。下側LCD12は横長形状であり、長辺方向が下側ハウジング11の長辺方向に一致するように配置される。なお、本実施形態では、ゲーム装置1に内蔵されている表示装置としてLCDを用いているが、例えばEL(Electro Luminescence:電界発光)を利用した表示装置等、他の任意の表示装置を利用してもよい。また、ゲーム装置1は、任意の解像度の表示装置を利用することができる。なお、詳細は後述するが、下側LCD12は、主に、内側カメラ23または外側カメラ25で撮像されている画像をリアルタイムに表示するために用いられる。
【0072】
下側ハウジング11には、入力装置として、各操作ボタン14A〜14Kおよびタッチパネル13が設けられる。図1に示されるように、各操作ボタン14A〜14Kのうち、方向入力ボタン14A、操作ボタン14B、操作ボタン14C、操作ボタン14D、操作ボタン14E、電源ボタン14F、スタートボタン14G、およびセレクトボタン14Hは、上側ハウジング21と下側ハウジング11とを折りたたんだときに内側となる、下側ハウジング11の内側主面上に設けられる。方向入力ボタン14Aは、例えば選択操作等に用いられる。各操作ボタン14B〜14Eは、例えば決定操作やキャンセル操作等に用いられる。電源ボタン14Fは、ゲーム装置1の電源をオン/オフするために用いられる。図1に示す例では、方向入力ボタン14Aおよび電源ボタン14Fは、下側ハウジング11の内側主面中央付近に設けられる下側LCD12に対して、左右一方側(図1では左側)の当該主面上に設けられる。また、操作ボタン14B〜14E、スタートボタン14G、およびセレクトボタン14Hは、下側LCD12に対して左右他方側(図1では右側)となる下側ハウジング11の内側主面上に設けられる。方向入力ボタン14A、操作ボタン14B〜14E、スタートボタン14G、およびセレクトボタン14Hは、ゲーム装置1に対する各種操作を行うために用いられる。
【0073】
なお、図1においては、操作ボタン14I〜14Kの図示を省略している。例えば、Lボタン14Iは、下側ハウジング11の上側面の左端部に設けられ、Rボタン14Jは、下側ハウジング11の上側面の右端部に設けられる。Lボタン14IおよびRボタン14Jは、ゲーム装置1に対して、例えば撮影指示操作(シャッター操作)を行うために用いられる。さらに、音量ボタン14Kは、下側ハウジング11の左側面に設けられる。音量ボタン14Kは、ゲーム装置1が備えるスピーカの音量を調整するために用いられる。
【0074】
また、ゲーム装置1は、各操作ボタン14A〜14Kとは別の入力装置として、さらにタッチパネル13を備えている。タッチパネル13は、下側LCD12の画面上を覆うように装着されている。なお、本実施形態では、タッチパネル13は、例えば抵抗膜方式のタッチパネルが用いられる。ただし、タッチパネル13は、抵抗膜方式に限らず、任意の押圧式のタッチパネルを用いることができる。また、本実施形態では、タッチパネル13として、例えば下側LCD12の解像度と同解像度(検出精度)のものを利用する。ただし、必ずしもタッチパネル13の解像度と下側LCD12の解像度とが一致している必要はない。また、下側ハウジング11の右側面には、挿入口(図1に示す破線)が設けられている。挿入口は、タッチパネル13に対する操作を行うために用いられるタッチペン27を収納することができる。なお、タッチパネル13に対する入力は、通常タッチペン27を用いて行われるが、タッチペン27に限らずユーザの指でタッチパネル13を操作することも可能である。
【0075】
また、下側ハウジング11の右側面には、メモリカード28を収納するための挿入口(図1では、二点鎖線で示している)が設けられている。この挿入口の内側には、ゲーム装置1とメモリカード28とを電気的に接続するためのコネクタ(図示せず)が設けられる。メモリカード28は、例えばSD(Secure Digital)メモリカードであり、コネクタに着脱自在に装着される。メモリカード28は、例えば、ゲーム装置1によって撮像された画像を記憶(保存)したり、他の装置で生成された画像をゲーム装置1に読み込んだりするために用いられる。
【0076】
さらに、下側ハウジング11の上側面には、メモリカード29を収納するための挿入口(図1では、一点鎖線で示している)が設けられている。この挿入口の内側にも、ゲーム装置1とメモリカード29とを電気的に接続するためのコネクタ(図示せず)が設けられる。メモリカード29は、色変換プログラムやゲームプログラム等を記録した記録媒体であり、下側ハウジング11に設けられた挿入口に着脱自在に装着される。
【0077】
下側ハウジング11と上側ハウジング21との連結部の左側部分には、3つのLED15A〜15Cが取り付けられる。ここで、ゲーム装置1は、他の機器との間で無線通信を行うことが可能であり、第1LED15Aは、無線通信が確立している場合に点灯する。第2LED15Bは、ゲーム装置1の充電中に点灯する。第3LED15Cは、ゲーム装置1の電源がオンである場合に点灯する。したがって、3つのLED15A〜15Cによって、ゲーム装置1の通信確立状況、充電状況、および、電源のオン/オフ状況をユーザに通知することができる。
【0078】
一方、上側ハウジング21には、上側LCD22が設けられる。上側LCD22は横長形状であり、長辺方向が上側ハウジング21の長辺方向に一致するように配置される。なお、下側LCD12と同様、上側LCD22に代えて、他の任意の方式および任意の解像度の表示装置を利用してもよい。なお、上側LCD22上を覆うように、タッチパネルを設けてもかまわない。例えば、上側LCD22には、ユーザに各操作ボタン14A〜14Kやタッチパネル13の役割を教えるための、操作説明画面が表示される。
【0079】
また、上側ハウジング21には、2つのカメラ(内側カメラ23および外側カメラ25)が設けられる。図1に示されるように、内側カメラ23は、上側ハウジング21の連結部付近の内側主面に取り付けられる。一方、外側カメラ25は、内側カメラ23が取り付けられる内側主面の反対側の面、すなわち、上側ハウジング21の外側主面(ゲーム装置1が閉状態となった場合に外側となる面であり、図1に示す上側ハウジング21の背面)に取り付けられる。なお、図1においては、外側カメラ25を破線で示している。これによって、内側カメラ23は、上側ハウジング21の内側主面が向く方向を撮像することが可能であり、外側カメラ25は、内側カメラ23の撮像方向の逆方向、すなわち、上側ハウジング21の外側主面が向く方向を撮像することが可能である。このように、本実施形態では、2つの内側カメラ23および外側カメラ25の撮像方向が互いに逆方向となるように設けられる。例えば、ユーザは、ゲーム装置1からユーザの方を見た景色を内側カメラ23で撮像することができるとともに、ゲーム装置1からユーザの反対側の方向を見た景色を外側カメラ25で撮像することができる。
【0080】
なお、上記連結部付近の内側主面には、音声入力装置としてマイク(図2に示すマイク43)が収納されている。そして、上記連結部付近の内側主面には、マイク43がゲーム装置1外部の音を検知できるように、マイクロフォン用孔16が形成される。マイク43を収納する位置およびマイクロフォン用孔16の位置は必ずしも上記連結部である必要はなく、例えば下側ハウジング11にマイク43を収納し、マイク43を収納位置に対応させて下側ハウジング11にマイクロフォン用孔16を設けるようにしても良い。
【0081】
また、上側ハウジング21の外側主面には、第4LED26(図1では、破線で示す)が取り付けられる。第4LED26は、内側カメラ23または外側カメラ25によって撮影が行われた(シャッターボタンが押下された)時点で点灯する。また、内側カメラ23または外側カメラ25によって動画が撮影される間点灯する。第4LED26によって、ゲーム装置1による撮影が行われた(行われている)ことを撮影対象者や周囲に通知することができる。
【0082】
また、上側ハウジング21の内側主面中央付近に設けられる上側LCD22に対して、左右両側の当該主面に音抜き孔24がそれぞれ形成される。音抜き孔24の奥の上側ハウジング21内にはスピーカが収納されている。音抜き孔24は、スピーカからの音をゲーム装置1の外部に放出するための孔である。
【0083】
以上に説明したように、上側ハウジング21には、画像を撮像するための構成である内側カメラ23および外側カメラ25と、主に操作説明画面を表示するための表示手段である上側LCD22とが設けられる。一方、下側ハウジング11には、ゲーム装置1に対する操作入力を行うための入力装置(タッチパネル13および各ボタン14A〜14K)と、撮像された画像を表示するための表示手段である下側LCD12とが設けられる。したがって、ゲーム装置1を使用する際には、ユーザは、下側LCD12に表示される撮像画像(カメラによって撮像された画像)を見ながら、下側ハウジング11を把持して入力装置に対する入力を行うことができる。
【0084】
次に、図2を参照して、ゲーム装置1の内部構成を説明する。なお、図2は、ゲーム装置1の内部構成の一例を示すブロック図である。
【0085】
図2において、ゲーム装置1は、CPU31、メインメモリ32、メモリ制御回路33、保存用データメモリ34、プリセットデータ用メモリ35、メモリカードインターフェース(メモリカードI/F)36、メモリカードI/F37、無線通信モジュール38、ローカル通信モジュール39、リアルタイムクロック(RTC)40、電源回路41、およびインターフェース回路(I/F回路)42、第1GPU(Graphics Processing Unit)45、第2GPU46、第1VRAM(Video RAM)47、第2VRAM48、およびLCDコントローラ49等の電子部品を備えている。これらの電子部品は、電子回路基板上に実装されて、下側ハウジング11(または上側ハウジング21でもよい)内に収納される。
【0086】
CPU31は、所定のプログラムを実行するための情報処理手段である。本実施形態では、所定のプログラムがゲーム装置1内のメモリ(例えば保存用データメモリ34)やメモリカード28および/または29に記憶されており、CPU31は、当該所定のプログラムを実行することによって、後述する色変換処理を実行する。なお、CPU31によって実行されるプログラムは、ゲーム装置1内のメモリに予め記憶されていてもよいし、メモリカード28および/または29から取得されてもよいし、他の機器との通信によって他の機器から取得されてもよい。
【0087】
CPU31には、メインメモリ32、メモリ制御回路33、およびプリセットデータ用メモリ35が接続される。また、メモリ制御回路33には、保存用データメモリ34が接続される。メインメモリ32は、CPU31のワーク領域やバッファ領域として用いられる記憶手段である。すなわち、メインメモリ32は、上記色変換処理に用いられる各種データを記憶したり、外部(メモリカード28および29や他の機器等)から取得されるプログラムを記憶したりする。本実施形態では、メインメモリ32として、例えばPSRAM(Pseudo−SRAM)を用いる。保存用データメモリ34は、CPU31によって実行されるプログラムや内側カメラ23および外側カメラ25によって撮像された画像のデータ等を記憶するための記憶手段である。保存用データメモリ34は、不揮発性の記憶媒体によって構成されており、例えば本実施例ではNAND型フラッシュメモリで構成される。メモリ制御回路33は、CPU31の指示に従って、保存用データメモリ34に対するデータの読み出しおよび書き込みを制御する回路である。プリセットデータ用メモリ35は、ゲーム装置1において予め設定される各種パラメータ等のデータ(プリセットデータ)を記憶するための記憶手段である。プリセットデータ用メモリ35としては、SPI(Serial Peripheral Interface)バスによってCPU31と接続されるフラッシュメモリを用いることができる。
【0088】
メモリカードI/F36および37は、それぞれCPU31に接続される。メモリカードI/F36は、コネクタに装着されたメモリカード28に対するデータの読み出しおよび書き込みを、CPU31の指示に応じて行う。また、メモリカードI/F37は、コネクタに装着されたメモリカード29に対するデータの読み出しおよび書き込みを、CPU31の指示に応じて行う。本実施形態では、内側カメラ23および外側カメラ25によって撮像された画像データや他の装置から受信された画像データがメモリカード28に書き込まれたり、メモリカード28に記憶された画像データがメモリカード28から読み出されて保存用データメモリ34に記憶されたり、他の装置へ送信されたりする。また、メモリカード29に記憶された各種プログラムが、CPU31によって読み出されて実行されたりする。
【0089】
なお、本発明の色変換プログラムは、メモリカード29等の外部記憶媒体を通じてコンピュータシステムに供給されるだけでなく、有線または無線の通信回線を通じてコンピュータシステムに供給されてもよい。また、色変換プログラムは、コンピュータシステム内部の不揮発性記憶装置に予め記録されていてもよい。なお、色変換プログラムを記憶する情報記憶媒体としては、上記不揮発性記憶装置に限らず、CD−ROM、DVD、あるいはそれらに類する光学式ディスク状記憶媒体でもよい。
【0090】
無線通信モジュール38は、例えばIEEE802.11.b/gの規格に準拠した方式により、無線LANに接続する機能を有する。また、ローカル通信モジュール39は、所定の通信方式により同種のゲーム装置との間で無線通信を行う機能を有する。無線通信モジュール38およびローカル通信モジュール39は、CPU31に接続される。CPU31は、無線通信モジュール38を用いてインターネットを介して他の機器との間でデータを送受信したり、ローカル通信モジュール39を用いて同種の他のゲーム装置との間でデータを送受信したりすることができる。
【0091】
また、CPU31には、RTC40および電源回路41が接続される。RTC40は、時間をカウントしてCPU31に出力する。例えば、CPU31は、RTC40によって計時された時間に基づいて、現在時刻(日付)等を計算することもできる。電源回路41は、ゲーム装置1が有する電源(典型的には電池であり、下側ハウジング11に収納される)から供給される電力を制御し、ゲーム装置1の各部品に電力を供給する。
【0092】
また、ゲーム装置1は、マイク43およびアンプ44を備えている。マイク43およびアンプ44は、それぞれI/F回路42に接続される。マイク43は、ゲーム装置1に向かって発声されたユーザの音声を検知して、当該音声を示す音声信号をI/F回路42に出力する。アンプ44は、I/F回路42から音声信号を増幅してスピーカ(図示せず)から出力させる。I/F回路42は、CPU31に接続される。
【0093】
また、タッチパネル13は、I/F回路42に接続される。I/F回路42は、マイク43およびアンプ44(スピーカ)の制御を行う音声制御回路と、タッチパネル13の制御を行うタッチパネル制御回路とを含む。音声制御回路は、音声信号に対するA/D変換およびD/A変換を行ったり、音声信号を所定の形式の音声データに変換したりする。タッチパネル制御回路は、タッチパネル13からの信号に基づいて所定の形式のタッチ位置データを生成してCPU31に出力する。例えば、タッチ位置データは、タッチパネル13の入力面に対して入力が行われた位置の座標を示すデータである。なお、タッチパネル制御回路は、タッチパネル13からの信号の読み込み、および、タッチ位置データの生成を所定時間に1回の割合で行う。CPU31は、I/F回路42を介して、タッチ位置データを取得することにより、タッチパネル13に対して入力が行われた位置を知ることができる。
【0094】
操作ボタン14は、上記各操作ボタン14A〜14Kから構成され、CPU31に接続される。操作ボタン14からCPU31へは、各操作ボタン14A〜14Kに対する入力状況(押下されたか否か)を示す操作データが出力される。CPU31は、操作ボタン14から操作データを取得することによって、操作ボタン14に対する入力に応じた処理を実行する。
【0095】
内側カメラ23および外側カメラ25は、それぞれCPU31に接続される。内側カメラ23および外側カメラ25は、CPU31の指示に応じて画像を撮像し、撮像した画像データをCPU31に出力する。本実施形態では、CPU31は、内側カメラ23および外側カメラ25のいずれか一方に対して撮像指示を行い、撮像指示を受けたカメラが画像を撮像して画像データをCPU31に送る。
【0096】
第1GPU45には、第1VRAM47が接続され、第2GPU46には、第2VRAM48が接続される。第1GPU45は、CPU31からの指示に応じて、メインメモリ32に記憶されている表示画像を生成するためのデータに基づいて第1の表示画像を生成し、第1VRAM47に描画する。第2GPU46は、同様にCPU31からの指示に応じて第2の表示画像を生成し、第2VRAM48に描画する。第1VRAM47および第2VRAM48は、LCDコントローラ49に接続されている。
【0097】
LCDコントローラ49は、レジスタ491を含む。レジスタ491は、CPU31からの指示に応じて0または1の値を記憶する。LCDコントローラ49は、レジスタ491の値が0の場合は、第1VRAM47に描画された第1の表示画像を下側LCD12に出力し、第2VRAM48に描画された第2の表示画像を上側LCD22に出力する。また、レジスタ491の値が1の場合は、第1VRAM47に描画された第1の表示画像を上側LCD22に出力し、第2VRAM48に描画された第2の表示画像を下側LCD12に出力する。本実施形態では、CPU31は、内側カメラ23および外側カメラ25のいずれかから取得した画像を、下側LCD12に表示させ、所定の処理によって生成した操作説明画面を上側LCD22に表示させる。
【0098】
例えば、上側LCD22には上記操作説明画面として、撮影指示ボタン説明画像、カメラ切替ボタン説明画像、ズーム指示ボタン説明画像、および表示画像選択ボタン説明画像等が表示される。撮影指示ボタン説明画像は、撮影指示を行うための操作ボタン14の位置を示す画像である。カメラ切替ボタン説明画像は、カメラ切替指示を行うための操作ボタン14の位置を示す画像である。ここで、カメラ切替指示とは、内側カメラ23および外側カメラ25のうちで、撮像を行うカメラを切り替える指示である。ズーム指示ボタン説明画像は、ズーム変更指示を行うための操作ボタン14の位置を示す画像である。ここで、ズーム変更指示は、下側LCD12に表示される撮像画像を拡大/縮小する指示である。表示画像選択ボタン説明画像は、表示変更指示を行うための操作ボタン14の位置を示す画像である。ここで、表示画像選択指示とは、下側LCD12にゲーム装置1に保存されている保存画像を表示する場合に、下側LCD12に表示する保存画像を選択する指示である。
【0099】
次に、図3〜図7を参照して、ゲーム装置1で実行される色変換プログラムによる具体的な処理動作を説明する前に、当該処理動作によって下側LCD12および/または上側LCD22に表示される表示形態例等について説明する。なお、図3は、下側LCD12に表示されて色変換される画面表示例を示す図である。図4は、上記色変換プログラムで用いる色相環の一例を示す図である。図5は、タッチ位置TPに対して変換対象として決定される色相範囲の一例と、当該変換対象に対して彩度を変化させる一例とを示す図である。図6は、下側LCD12に表示されて色変換される他の画面表示例を示す図である。図7は、複数のタッチ位置TP1およびTP2に対してそれぞれ変換対象として決定される色相範囲の一例と、当該変換対象に対して彩度を変化させる一例とを示す図である。
【0100】
図3において、ゲーム装置1の下側LCD12には、内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの画像(撮像画像)が表示される。本実施形態においては、上記撮像画像は後述する色変換処理をする前の元画像となり有彩色の画像であるが、当該撮像画像をモノクロ(すなわち、当該撮像画像の全ての画素の彩度を0にした無彩色)にした表示画像を、下側LCD12に一旦表示する(図3の上段図)。そして、タッチパネル13にタッチ操作されたタッチ位置に対応する撮像画像の画素(すなわち、表示されている画像ではなく元画像の画素)が有する色相に応じて、上記表示画像の彩度を変化させて色変換後の画像を下側LCD12に表示する(図3下段図)。
【0101】
図3の上段図は、有彩色の画像である上記撮像画像(元画像)における各画素の彩度を0にしたモノクロ画像が、下側LCD12に表示された例である。本実施例では、下側LCD12に表示されたモノクロ画像における任意の位置がタッチ操作されることによって、当該位置に対応する撮像画像の色相と同様の色相付近の色を有する画素のみに色付けして下側LCD12に表示する。例えば、図3の上段図では、下側LCD12に表示されたモノクロ画像において、ユーザが元画像において本来緑色に撮像されている位置をタッチ操作している。このタッチ操作に応じて、図3の下段図では、上記モノクロ画像において本来緑色に撮像されている部分(図3の下段図では、樹木の葉の部分)のみが本来撮像されていた緑色に色付けされた表示画像が、下側LCD12に表示された様子を示している。
【0102】
具体的には、ユーザが下側LCD12に表示されたモノクロ画像をタッチ操作すると、当該モノクロ画像を生成した撮像画像(元画像)において当該タッチ操作された位置に対応する画素の色(例えば、RGB値)が検出される。つまり、下側LCD12に表示されている表示画像のRGB値ではなく、色変換される前の元画像(撮像画像)の色を取得していることになる。次に、検出された画素の色に対応する色相を算出し、当該色相を中心とする所定の範囲を色変換対象に設定する。そして、色変換対象となった色相に対する彩度を0より大きな値に変化させる。これによって、色変換対象となった色相を有する画素が無彩色から本来撮像されていた有彩色に変化することになり、ユーザがタッチ操作した位置の色が本来撮像されていた色に自然に色付けされたような色変換後の画像が下側LCD12に表示される。
【0103】
検出された画素の色に対応する色相や当該色相を中心とする所定の範囲を設定する際に、例えば、図4に示すような色相環が用いられる。図4は、マンセル色相環を用いた例を示している。マンセル色相環は、5色の基本色(赤、黄、緑、青、紫)とそれらの中間色(黄赤、黄緑、青緑、青紫、赤紫)との計10色で分割し、それらの色の間もさらに分割して円形に並べている。例えば、本実施形態では、検出された画素の色に対応する色相(例えば、緑)に対して、マンセル色相環において当該色相を中心とする所定の角度範囲(例えば、前後50°)を色変換対象に設定する。
【0104】
なお、マンセル色相環は、その色相分割間隔が等歩度であるために、選択された色相がどの色であっても当該色相を中心とする範囲設定が容易となるが、このような効果を期待しない場合は他の色相環を用いてもかまわない。例えば、PCCS(日本色研配色体系:Practical Color Co−ordinate System)、オストワルト、NCS(ナチュラル・カラー・システム)、XYZ等の他の表色系システムを用いてもかまわない。本発明においては、色彩を表現するための属性として少なくとも色相を用いる様々な表色系システムを用いることができる。
【0105】
次に、図5を参照して、設定された色変換対象に対して彩度を変化させる一例を説明する。図5では、上述したマンセル色相環を用いて設定される色変換対象の一例と、当該色変換対象に対して彩度を変化させる一例を示している。
【0106】
例えば、ユーザのタッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相が、緑であるとする。この場合、色変換範囲は、色相「緑」を中心としてマンセル色相環における前後50°(すなわち、合計100°の範囲)に設定される。そして、設定された色変換範囲は、彩度を元に戻す割合(以下、彩度再現率と記載することがある)を100%にする範囲と、100〜0%の彩度に漸減的に彩度再現率を変化させる範囲とに区分されている。ここで、彩度再現率は、モノクロの表示画像の元画像(すなわち、有彩色の撮像画像)が有する彩度に対する割合であり、当該元画像の彩度より高い彩度が設定されることはない。すなわち、色変換における100%の彩度再現率とは、モノクロの表示画像において0に設定されていた当該色変換対象の画素の彩度の値を、当該画素の元画像における彩度の値にして表示するということである。また、色変換における彩度再現率50%の彩度に変化させるとは、当該色変換対象の画素の彩度の値を、当該画素の元画像における彩度の値の半分(50%)の値にして表示するということである。例えば、タッチ位置TPに対応する色相が「緑」であるとき、当該色相を中心としてマンセル色相環における前後5°(すなわち、合計10°の範囲)が、100%の彩度再現率となる範囲に設定される。また、タッチ位置TPに対応する色相が「緑」であるとき、当該色相を中心としてマンセル色相環における前後5°〜50°が、それぞれ100〜0%まで漸減的に変化する彩度再現率となる範囲に設定される。つまり、タッチ位置TPに対応して検出された色相の前後5°に対する彩度を100%の彩度再現率とし、そこから色相が離れるにしたがって彩度再現率が徐々に下がるように設定される。具体的には、図5に示すように、選択された色相を基準として、マンセル色相環における5°離れた色相から50°離れた色相まで、直線的に彩度が100%から0%まで彩度再現率が変化するようにそれぞれ設定される。
【0107】
このように、彩度を漸減的に下げることによって、本来の撮像で得られていた色がモノクロ画像に自然に付いたように表現することができる。また、ユーザは、下側LCD12に表示された表示画像に対して1点のみタッチ操作するだけで、所望の色に色付けされた画像を容易に生成することができる。また、タッチ操作に応じて選択された色相を中心として、段階的に彩度を下げるように設定することによって、色変換を行う際のノイズを低減することができ、タッチ操作した位置の色が自然に色付けされたような画像に変換することが可能となる。
【0108】
図6および図7を参照して、ユーザが下側LCD12に表示されたモノクロ画像に対して、複数の位置をタッチ操作した場合の一例について説明する。
【0109】
図6の上段図は、有彩色の画像である上記撮像画像における各画素の彩度を0にしたモノクロ画像が、下側LCD12に表示された他の例である。なお、図6の上段図の例は、様々な色のカラーボールが撮像され、当該撮像された画像のモノクロ画像が下側LCD12に表示された例を示している。例えば、図6の上段図では、下側LCD12に表示されたモノクロ画像において、ユーザが本来緑色で撮像されていたカラーボールをタッチ操作している。このタッチ操作に応じて、図6の中段図では、上記モノクロ画像において本来緑色で撮像されている部分(図6の中段図では、緑のカラーボールであり、斜線領域で示す)のみが本来撮像されていた緑色に色付けされた色変換後の画像が、下側LCD12に表示された様子を示している。
【0110】
さらに、図6の下段図では、下側LCD12に表示されたモノクロ画像に本来の撮像で得られた緑色付近の色相を有する画素のみが色付けされた表示画像において、ユーザが本来青色で撮像されているカラーボールをさらにタッチ操作している。このタッチ操作に応じて、図6の下段図では、上記モノクロ画像において本来緑色で撮像されている部分に加えて、さらに青色で撮像されている部分(図6の下段図では、青のカラーボールであり、塗りつぶし領域で示す)が本来撮像されていた青色に色付けされた表示画像が、下側LCD12に表示された様子を示している。したがって、ユーザが下側LCD12に表示されたモノクロ画像に対して、複数の位置をタッチ操作した場合、それぞれのタッチ位置に対応する撮像画像の色相と同様の色相付近の色(図6の例では、緑と青)を有する画素が色付けされて、色変換後の画像が下側LCD12に表示される。このように、ユーザは、下側LCD12に表示された表示画像に対して複数点タッチ操作するだけで、タッチ操作に応じた複数の色に色付けされた画像を容易に生成することができる。
【0111】
具体的には、図7に示すように、ユーザの第1回目のタッチ位置TP1に対応する画素における撮像画像の色相が、緑であるとする。この場合、第1回目の色変換範囲は、上述した図5と同様に色相「緑」を中心としてマンセル色相環における前後50°に設定される。また、第1回目の色変換範囲に対する彩度再現率も、図5で説明した一例と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0112】
次に、ユーザの第2回目のタッチ位置TP2に対応する画素における撮像画像の色相が、青であるとする。この場合、第2回目の色変換範囲は、第1回目の色変換範囲と同様に色相「青」を中心としてマンセル色相環における前後50°に設定される。そして、設定された第2回目の色変換範囲も、彩度再現率100%で彩度を変化させる範囲と、彩度再現率100〜0%で彩度を漸減的に変化させる範囲とに区分される。つまり、タッチ位置TP2に対応する色相が「青」であるとき、当該色相を中心としてマンセル色相環における前後5°が、彩度再現率100%で彩度を変化させる範囲に設定され、前後5°〜50°が、それぞれ彩度再現率100〜0%で漸減的に彩度を変化させる範囲に設定される。
【0113】
ここで、図7に示すように、マンセル色相環における「赤」を円形角度位置0°とした場合、「緑」が円形角度位置144°となり、「青」が円形角度位置216°となる。つまり、図7に示すように、色相「緑」に対して設定される第1回目の色変換範囲と色相「青」に対して設定される第2回目の色変換範囲とが、一部重複することになる。この場合、色変換範囲が重複する範囲については、それぞれの色変換範囲に対して設定される彩度再現率が高い方を選択する(図7参照)。このように、複数の色変換範囲にそれぞれ設定される彩度再現率を合成することによって、複数の色変換範囲の間の範囲における彩度再現率が滑らかに繋がるため、違和感のない色変換処理が可能となる。
【0114】
次に、図8および図9を参照して、ゲーム装置1で実行される色変換プログラムによる具体的な処理動作について説明する。なお、図8は、色変換プログラムを実行することに応じて、メインメモリ32に記憶される各種データの一例を示す図である。図9は、当該色変換プログラムを実行することによってゲーム装置1が色変換処理を行うフローチャートである。なお、これらの処理を実行するためのプログラムは、メモリカード28やメモリカード29に格納されたプログラムに含まれており、ゲーム装置1の電源がオンになったときに、メモリカードI/F36を介してメモリカード28やメモリカードI/F37を介してメモリカード29からメインメモリ32に読み出されて、CPU31によって実行される。
【0115】
図8において、メインメモリ32には、メモリカード28やメモリカード29から読み出されたプログラムや色変換処理において生成される一時的なデータが記憶される。図8において、メインメモリ32のデータ記憶領域には、タッチ座標データDa、撮像画像データDb、撮像画像RGBデータDc、タッチ位置RGBデータDd、変換対象色相データDe、変換テーブルデータDf、および表示画像データDg等が格納される。
【0116】
タッチ座標データDaは、タッチパネル13をプレイヤがタッチしている画面座標系のタッチ位置TPを示すタッチ座標のデータが格納される。例えば、タッチ座標は、ゲーム装置1がゲーム処理する時間単位(例えば、1/60秒)毎に取得され、当該取得に応じてタッチ座標データDaに格納されて更新される。
【0117】
撮像画像データDbは、内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの画像のデータが格納される。例えば、撮像画像は、内側カメラ23または外側カメラ25が所定の時間単位(例えば、1/60秒)毎に撮像され、当該撮像に応じて撮像画像データDbに格納されて更新される。撮像画像RGBデータDcは、内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像された撮像画像における画素毎のRGB値を示すデータが格納される。
【0118】
タッチ位置RGBデータDdは、タッチ位置TPに対応する撮像画像における画素のRGB値を示すデータが格納される。例えば、タッチパネル13に対してタッチオンしたタッチ位置TPに応じて、下側LCD12に表示された表示画像に指定される指示位置(例えば、タッチ位置TPを表示画像に透視投影した位置)が算出される。そして、算出された指示位置に対応する撮像画像の画素を抽出し、当該画素のRGB値を示すデータがタッチ位置RGBデータDdに格納される。
【0119】
変換対象色相データDeは、上述した色変換範囲を示すデータが格納される。例えば、タッチ位置RGBデータDdに格納されたタッチ位置TPのRGB値に相当する色相が算出され、当該色相を中心とした所定範囲(色変換範囲)を示すデータが変換対象色相データDeに格納される。
【0120】
変換テーブルデータDfは、内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像された撮像画像を下側LCD12に表示する表示画像に変換する際に用いられる変換テーブルを示すデータが格納される。例えば、変換テーブルは、RGB値に対応して下側LCD12に表示する色彩を示すデータが格納される。具体的には、変換テーブルには各RGB値に対応する色相、明度、および彩度がそれぞれ記述されており、撮像画像の各画素のRGB値が当該変換テーブルに記述された色彩にそれぞれ変換されて画像が生成される。表示画像データDgは、変換テーブルを用いて変換された変換後の画像を示すデータが格納される。
【0121】
次に、図9を参照して、ゲーム装置1の動作について説明する。まず、ゲーム装置1の電源(電源ボタン14F)がONされると、CPU31によってブートプログラム(図示せず)が実行され、これによりメモリカード28や29に格納されている色変換プログラムがメインメモリ32にロードされる。そして、当該ロードされた色変換プログラムがCPU31で実行されることによって、図9に示すステップ(図9では「S」と略称する)が実行される。また、図9に示されるステップ51〜ステップ58の処理ループは、所定時間(例えば1/60秒)に1回の割合で実行される。
【0122】
図9において、CPU31は、色変換処理の初期設定を行って(ステップ50)、処理を次のステップに進める。例えば、CPU31がステップ50で行う初期設定として、メインメモリ32に格納されている各パラメータを所定の数値に初期化する。例えば、変換テーブルデータDfに格納されている変換テーブルは、RGB値に対して全て彩度が0となった色彩に変換(すなわち、全て無彩色に変換)されるようなテーブルに初期化される。
【0123】
次に、CPU31は、内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの撮像画像データを取得し(ステップ51)、次のステップに処理を進める。例えば、上記ステップ51では、内側カメラ23および外側カメラ25のいずれか一方のカメラにおいてのみ有彩色の画像がリアルタイムに撮像され、撮像された撮像画像の画素毎のRGB値を示すデータ等を用いて撮像画像データDbおよび撮像画像RGBデータDcが更新される。以降の処理においては、上記ステップ51で取得した撮像画像が、色変換処理の元画像として用いられる。
【0124】
次に、CPU31は、変換テーブルを用いて撮像画像(元画像)の各画素の色彩を変換して、変換後の画像を下側LCD12に表示し(ステップ52)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU31は、撮像画像RGBデータDcに格納されている撮像画像の各画素のRGB値を、変換テーブルデータDfに格納されている変換テーブルを用いて色彩に変換して変換後の画像を生成し、当該変換後の画像を用いて表示画像データDgを更新する。そして、CPU31は、表示画像データDgに格納された変換後の画像を、下側LCD12に表示する。より具体的には、GPU(例えば、第1GPU45)は、CPU31からの指示に応じて、表示画像データDgに格納された変換後の画像データに基づいて表示画像を生成し、VRAM(例えば、第1VRAM47)に描画する。そして、LCDコントローラ49がVRAM(例えば、第1VRAM47)に描画された表示画像を下側LCD12に出力することによって、当該表示画像が下側LCD12に表示される。例えば、変換テーブルデータDfに格納されている変換テーブルが初期設定状態(すなわち、各RGB値に対して全て彩度が0となった色彩に変換する設定状態)である場合、有彩色の撮像画像が無彩色(モノクロ)の画像に変換されて、変換後の画像が下側LCD12に表示される。
【0125】
なお、上述した表示制御処理においては、下側LCD12に表示するために生成された変換後の画像を示すデータをメインメモリ32(表示画像データDg)に一旦格納しているが、当該生成された変換後の画像をVRAM(例えば、第1VRAM47)に直接描画してもかまわない。この場合、CPU31は、GPU(例えば、第1GPU45)を制御して、撮像画像RGBデータDcに格納されている撮像画像の各画素のRGB値を、変換テーブルデータDfに格納されている変換テーブルを用いて色彩に変換して変換後の画像を生成させ、当該変換後の画像をVRAM(例えば、第1VRAM47)に描画することになる。
【0126】
次に、CPU31は、タッチパネル13からタッチ入力があるか否かを判断する(ステップ53)。そして、CPU31は、タッチ入力がある場合、次のステップ54に処理を進める。一方、CPU31は、タッチ入力がない場合、ステップ58に処理を進める。
【0127】
ステップ54において、CPU31は、タッチパネル13をタッチしている画面座標系のタッチ位置TPを示すタッチ座標を取得して、処理を次のステップに進める。例えば、CPU31は、取得したタッチ座標を用いて、タッチ座標データDaに記憶されたタッチ座標を更新する。
【0128】
次に、CPU31は、上記ステップ54で取得したタッチ位置TPに対応する撮像画像(元画像)のRGB値を取得し(ステップ55)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU31は、タッチ位置TPに応じて、下側LCD12に表示された表示画像に指定される指示位置(例えば、タッチ位置TPを表示画像に透視投影した位置)を算出する。そして、CPU31は、撮像画像RGBデータDcを参照して、算出された指示位置に対応する撮像画像の画素を抽出し、当該画素のRGB値を示すデータを用いてタッチ位置RGBデータDdを更新する。ここで、上記ステップ55において、CPU31は、撮像画像のRGB値を取得している。すなわち、CPU31は、下側LCD12に表示されている表示画像のRGB値ではなく、色変換される前の元画像(撮像画像)のRGB値を取得していることになる。
【0129】
次に、CPU31は、上記ステップ55で取得したRGB値に基づいて、変換対象範囲を算出し(ステップ56)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU31は、上記ステップ55で取得したRGB値を色相に変換して、マンセル色相環(図4参照)において当該色相を中心とした所定の円形角度範囲を、変換対象範囲に算出する(図5、図7参照)。そして、CPU31は、算出された変換対象範囲を用いて、変換対象色相データDeを更新する。
【0130】
次に、CPU31は、上記ステップ56で算出された変換対象範囲に対して、変換テーブルの彩度を変更して(ステップ57)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU31は、上記変換対象範囲の中央となる色相を中心として前後5°を100%の彩度に変更する範囲に設定し、当該色相の前後5°〜50°をそれぞれ彩度再現率100〜0%で漸減的に彩度が変化する範囲に設定する(図5参照)。そして、CPU31は、上記変換対象範囲の色相が記述されている変換テーブルの範囲を彩度変更の対象として、記述されている色相に応じた上記彩度再現率で、変換テーブルに記述された色彩の彩度を変更して、変換テーブルデータDfを更新する。
【0131】
なお、異なる色相を対象として上記ステップ57が複数回実行された場合、前回の彩度変更を有効にした状態で新たに変換対象となる色相毎の彩度変更が変換テーブルにさらに書き加えられていくことになり、彩度が0以外に設定された変換テーブルの領域が処理毎に増えていくことになる。また、CPU31は、変更対象の色相が、既に色彩の彩度が0以外(すなわち、有彩色)に設定されている色相と重複した場合、彩度再現率が高い方を選択して当該選択された彩度再現率を用いて当該重複した色相の彩度を変更する(図7参照)。このように、上記ステップ57の処理によって、タッチ操作された色相を中心とした所定の範囲が、0より大きい彩度となった有彩色に変更された変換テーブルに更新されていく。そして、変換テーブル更新後に上記ステップ52を実行することによって、タッチ操作された色相を中心とした所定の範囲の色相が色付けされた変換後の画像が、下側LCD12に表示されることになる。
【0132】
次に、CPU31は、色変換処理を終了するか否かを判断する(ステップ58)。色変換処理を終了する条件としては、例えば、色変換処理が終了する条件が満たされたことや、ユーザが色変換処理を終了する操作を行ったこと等がある。CPU31は、色変換処理を終了しない場合に上記ステップ51に戻って処理を繰り返し、色変換処理を終了する場合に当該フローチャートによる処理を終了する。
【0133】
このように、本実施形態に係るゲーム装置1は、下側LCD12に表示された画像に対して、ユーザが所望する色が本来撮像されていた位置を1回タッチ操作するだけで、ユーザが所望する色変換ができる。また、タッチ操作した位置と重なっている画素の色相のみに色変換対象を限定して色変換した場合、表示画像においてかなり限定された領域(極端な例では、タッチ位置と重なっている画素のみ)が色変換されることが考えられ、ユーザが所望する色変換ができない状態となる。一方、ユーザは、タッチ操作した色相のみに厳密に限定して色変換したいことは希であり、当該色相に対してある程度幅を持った色相を色変換の対象にすることを所望していることが一般的である。本実施形態に係るゲーム装置1は、タッチ操作に応じた色相だけでなく、当該色相を中心とした所定範囲の色相を色変換の対象となる範囲に設定している。したがって、所定範囲の色相を色変換対象にすることによって、当該タッチ位置と重なっている画素の色相から少し離れた色相も色変換対象にすることができ、ユーザが所望する色変換が可能となる。
【0134】
なお、上述した説明では、図5に示すように、タッチ位置TPに応じて選択された色相を基準として、マンセル色相環における5°離れた色相から50°離れた色相まで、直線的な比率で彩度が100%から0%まで減衰するようにそれぞれ設定したが、当該範囲を他の減衰方式で100%から0%まで減衰してもかまわない。例えば、タッチ位置TPに応じて選択された色相を基準として、マンセル色相環における5°離れた色相から50°離れた色相まで、2次関数曲線、3次関数曲線、サイン(sin)曲線、コサイン(cos)曲線、スプライン補間等を用いて、曲線的な比率で彩度が100%から0%まで減衰するように設定してもかまわない。このように、タッチ操作に応じて選択された色相を中心として、直線的または曲線的に彩度が漸減するように設定することによって、色変換を行う際のノイズを低減することができ、タッチ操作した位置の色が自然に色付けされたような画像に変換することが可能となる。
【0135】
また、図7を用いて説明したように、色変換範囲が重複する範囲については、それぞれの色変換範囲に対して設定される彩度再現率が高い方を選択して、それぞれの彩度再現率を合成したが、他の方式で彩度再現率を合成してもかまわない。例えば、複数の色変換範囲の円形角度距離(例えば、図7の例では、色相「緑」から「青」までの角度72°)に応じて、重複範囲における彩度再現率を曲線的に滑らかに繋いでもかまわない。例えば、上記重複範囲の中心が極小となった曲線状に彩度再現率が変化するように繋いで、彩度再現率を合成する。このように、複数の色変換範囲にそれぞれ設定される彩度再現率を曲線的に補完して合成しても、複数の色変換範囲の間の範囲における彩度再現率を滑らかに繋げることによって、違和感のない色変換処理が可能となる。
【0136】
また、上述した色変換動作では、撮像画像(元画像)に対する色変換対象条件を設定する際に用いられる画像要素および色情報の一例として、指示位置に対応する撮像画像の画素(画像要素)を用いてタッチ位置TPに対応するRGB値(色情報)が取得されるが、当該画像要素は複数画素を1組とした画像でもかまわない。例えば、撮像画像における指示位置周辺の複数画素を画像要素としてタッチ位置TPに対応するRGB値を取得してもかまわない。具体的には、ユーザがタッチパネル13をタッチ操作したタッチ位置TPに応じて、下側LCD12に表示された表示画像に指定される指示位置(例えば、タッチ位置TPを表示画像に透視投影した位置)を算出する。そして、撮像画像RGBデータDcを参照して、算出された指示位置から所定距離以内の撮像画像の画素を抽出し、それら画素のRGB値を示すデータを用いてそれら画素の代表的なRGB値を算出する。ここで、代表的なRGB値とは、上記指示位置から所定距離以内の撮像画像の画素において、メインとなっている色彩を示すRGB値である。一例として、上記指示位置から所定距離以内の撮像画像の画素にそれぞれ設定されているRGB値の中で、最も多い頻度で設定されているRGB値を、上記代表的なRGB値とする。他の例として、上記指示位置から所定距離以内の撮像画像の画素にそれぞれ設定されているRGB値を平均したRGB値を、上記代表的なRGB値とする。このように、代表的なRGB値をタッチ位置TPに対応するRGB値として取得することによって、指示位置の撮像画像の画素に生じているノイズの影響等を除去することができ、ユーザ所望の色を色変換対象に設定することができる。
【0137】
また、上述した説明では、下側LCD12に表示された画像に対するユーザのタッチ操作に応じた色相を中心とした所定範囲の色相を色変換の対象となる範囲に設定し、当該範囲の色相を持つ画素について彩度を上げる色変換処理の例を用いたが、当該画素に対して他の色変換処理を行ってもかまわない。
【0138】
第1の例として、上記色変換の対象となる範囲の色相を持つ画素について、彩度を下げる色変換処理を行う。この場合、下側LCD12に内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの有彩色画像(典型的には、撮像画像そのままの表示画像であり、いわゆるライブ画像)を表示し、当該有彩色画像(元画像)に対するユーザのタッチ操作に応じた色相を中心とした所定範囲の色相を色変換の対象となる範囲に設定する。そして、上記範囲の色相を持つ画素について彩度を下げる色変換処理を行うことによって、ユーザが選択した色彩のみがモノクロに変換された変換後の画像が下側LCD12に表示されることになる。
【0139】
第2の例として、上記色変換の対象となる範囲の色相を持つ画素について、明度を上げる色変換処理を行う。この場合、下側LCD12に内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの撮像画像(元画像)の各画素を全て最も暗い明度=0にした表示画像(つまり、一面が黒で塗りつぶされた黒画像)を表示する。そして、下側LCD12に表示された黒画像に対するユーザのタッチ操作に応じた撮像画像(元画像)の色相を抽出して、当該色相を中心とした所定範囲の色相を色変換の対象となる範囲に設定する。次に、上記範囲の色相を持つ画素について明度を上げて明るくする色変換処理を行うことによって、ユーザが選択した色彩のみが黒画像上に浮き出たような変換後の画像が下側LCD12に表示されることになる。
【0140】
第3の例として、上記色変換の対象となる範囲の色相を持つ画素について、明度を下げる色変換処理を行う。この場合、下側LCD12に内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの有彩色画像(典型的には、撮像画像そのままの表示画像であり、いわゆるライブ画像)を表示し、当該有彩色画像(元画像)に対するユーザのタッチ操作に応じた色相を中心とした所定範囲の色相を色変換の対象となる範囲に設定する。そして、上記範囲の色相を持つ画素について明度を下げる色変換処理を行うことによって、ユーザが選択した色彩のみが暗い色に変換された変換後の画像が下側LCD12に表示されることになる。
【0141】
第4の例として、上記色変換の対象となる範囲の色相を持つ画素について、色相を順次変更する色変換処理を行う。この場合、下側LCD12に内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの有彩色画像(典型的には、撮像画像そのままの表示画像であり、いわゆるライブ画像)を表示し、当該有彩色画像(元画像)に対するユーザのタッチ操作に応じた色相を中心とした所定範囲の色相を色変換の対象となる範囲に設定する。そして、上記範囲の色相を持つ画素について色相を、時間経過に応じて順次変更する。このように、色相を順次変更する色変換処理を行うことによって、ユーザが選択した色彩のみが徐々に変化していく変換後の画像が下側LCD12に表示されることになる。
【0142】
例えば、図10に示すようなフローチャートの色変換処理をゲーム装置1が行うことによって、上記第4の例における色変換処理が可能となる。図10において、CPU31は、ステップ60〜ステップ66において、上述したステップ50〜ステップ56と同様の処理を行って、変換対象の色相範囲を算出する。
【0143】
そして、CPU31は、上記ステップ66で算出された変換対象範囲に対して、変換テーブルの色相を循環的に変更して(ステップ67)、次のステップ68に処理を進める。例えば、CPU31は、マンセル色相環において並べられている色相の順方向(すなわち、赤(R)→黄赤(YR)→黄(Y)→黄緑(GY)→緑(G)→青緑(BG)→青(B)→青紫(PB)→紫(P)→赤紫(RP)→赤(R))または逆方向の順に、変換対象範囲の色相を順次変更していく。
【0144】
CPU31は、ステップ68およびステップ69において、上述したステップ51およびステップ52と同様の処理を行う。次に、CPU31は、予め定められた一定時間が経過したか否かを判断する(ステップ70)。そして、CPU31は、一定時間が経過した場合、上記ステップ67に戻って処理を繰り返す。一方、CPU31は、一定時間が経過していない場合、上記ステップ58と同様に色変換処理を終了するか否かを判断して、色変換処理を終了しない場合に上記ステップ68に戻って処理を繰り返し、色変換処理を終了する場合に当該フローチャートによる処理を終了する。
【0145】
第5の例として、上記色変換の対象となる範囲の色相を持つ画素について、色変換関係式に応じて色相を変更する色変換処理を行う。この場合、下側LCD12に内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの有彩色画像(典型的には、撮像画像そのままの表示画像であり、いわゆるライブ画像)を表示し、当該有彩色画像(元画像)に対するユーザのタッチ操作に応じた色相を中心とした所定範囲の色相を色変換の対象となる範囲に設定する。そして、上記範囲の色相を持つ画素について色相を、所定の色相に変更(例えば、マンセル色相環において対角関係となる色相や、所定の円形角度だけ離れた色相に変更)する。
【0146】
ここで、元の色相からマンセル色相環における所定の角度だけ色相を変化させる場合、変化させる色相と変化させない色相との間を滑らかに繋いだ色変換を行うことによって、違和感のない色変換が可能となる。例えば、上述した彩度再現率の変化と同様に、設定された色変換対象範囲は、変換前の色相を所定の色相(変換目標色相と記載する)に変化させる範囲と、変換前の色相を当該変換目標色相に漸増的に近づけて変化させる範囲とが設定される。以下、図11を参照して、設定された色変換対象に対して色相を変化させる一例を説明する。図11では、上述したマンセル色相環を用いて設定される色変換対象の一例と、当該色変換対象に対して色相を変化させる一例を示している。
【0147】
図11において、色変換前(内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの有彩色画像(元画像))の色相をマンセル色相環における色相角度Xとして横軸で示し、色変換後の色相をマンセル色相環における色相角度Yとして縦軸で示した色変換関係式の一例を表している。そして、図11では、色相角度Yと色相角度Xとの関係式の一例を示すグラフが太線で示されている。
【0148】
例えば、ユーザのタッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相が緑であり、当該緑が紫に色変換されるとする。以下、タッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相(例えば色相「緑」)の色相角度XをX0とし、上記変換目標色相(例えば色相「紫」)の色相角度YをY0とする。この場合、色相「緑」(色相角度X0)を中心として前後にマンセル色相環における色相角度分ΔXs+ΔXgの範囲(すなわち、色相角度分2ΔXs+2ΔXgの範囲)が、色変換の対象となる範囲に設定される。
【0149】
ここで、色相角度X0から色相角度分ΔXsだけ小さい色相角度をXlsとする。そして、色相角度X0から色相角度分ΔXsだけ大きい色相角度をXrsとする。この場合、色相「緑」(色相角度X0)を中心としてマンセル色相環における前後となる色相角度分ΔXsの範囲に属する色相、すなわち色相角度Xls〜X0〜Xrsに属する色相角度Xの色相が、全て変換目標色相(色相角度Y0)に変換される。
【0150】
また、色相角度Xlsから色相角度分ΔXgだけさらに小さい色相角度をXleとする。この場合、色相角度Xle〜Xlsに属する色相角度Xの色相は、以下の式で示される色相角度Yの色相に変換される。
Y=X+dif*effl
ここで、efflは、
effl=(Xle−X)/(Xle−Xls)
である。また、difは、|Y0−X|≦180°のとき、
dif=Y0−X
であり、|Y0−X|>180°のとき、
dif=360°−(Y0−X)
である。
【0151】
また、色相角度Xrsから色相角度分ΔXgだけさらに大きい色相角度をXreとする。この場合、色相角度Xrs〜Xreに属する色相角度Xの色相は、以下の式で示される色相角度Yの色相に変換される。
Y=X+dif*effr
ここで、effrは、
effr=(X−Xre)/(Xrs−Xre)
である。
【0152】
なお、上記色変換の対象となる範囲外の色相を有する画素、すなわち、色相角度X0を中心とした色相角度Xleから色相角度Xreまでの範囲に属さない色相角度の色相を有する画素については、色相を変換せずにそのままの色相が維持される。つまり、当該範囲外の色相を有する画素については、その色相角度Xが、以下の式で示される色相角度Yに変換される。
Y=X
これによって、当該範囲外の色相角度Xを有する画素については、そのままの色相が維持される色相角度Yに変換されることになる。
【0153】
なお、上述した色相角度Xと色相角度Yとの関係式や色変換の対象となる範囲を設定する一例においては、色相角度Xや色相角度Yが極座標で設定される。したがって、算出結果等において360°を越えた場合に当該算出結果から360°を減算して取り扱うことを考慮しなければならないことは言うまでもない。また、当該第5の例における色変換処理動作は、上述した図9のフローチャートに基づいた動作と同様であり、上記ステップ57における「変換テーブルの彩度を変更」を上記色変換関係式に応じて「変換テーブルの色相を変更」するようにすればよい。
【0154】
このように、第5の例によれば、タッチ位置TPに対応する画素の色相を中心とした所定色相角度分の色相を変換目標色相に色変換しながら、色変換前の色相を当該変換目標色相に漸増的に近づけて色変換させる範囲を設定することによって、本来の撮像で得られていた色が所定の色に自然に変化したように表現することができる。また、ユーザは、下側LCD12に表示された表示画像に対して1点のみタッチ操作するだけで、所望の色を他の色に変換した画像を容易に生成することができる。また、タッチ操作に応じて選択された色相を中心として、段階的に色相が色変換前の色相に近づくように設定することによって、色変換を行う際のノイズを低減することができ、タッチ操作した位置の色が自然に色が変わったような画像に変換することが可能となる。
【0155】
なお、上述した説明では、色変換の対象となる範囲の中心の色相角度に属する色相を変換目標色相に変換し、当該中心周辺の色相角度に属する色相を現在の色相から当該変換目標色相に徐々に近づくように色変換しているが、他の色変換を行ってもかまわない。例えば、色変換の対象となる範囲内となる色相角度に属する全ての色相を、上記変換目標色相に色変換してもかまわない。
【0156】
また、上述した説明は、元画像(内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの有彩色画像)を表示した状態から、表示している画像に対するユーザのタッチ操作に応じて、一回だけ色変換をする場合の例であるが、当該色変換をした後、繰り返して色変換を行えるようにしてもよい。また、上述した説明では、変換目標色相を色相角度Y0として決まった値としているが、変換目標色相はユーザのタッチ操作に応じて変化する値であってもよい。以下、変換目標色相がユーザのタッチ操作に応じて変化し、かつ繰り返して色変換を行う場合について説明する。
【0157】
例えば、ある時点で、撮像画像において色相角度Xである画素が前回の色変換処理によって色相角度f(X)に変更されて画面上に表示される状態であったとする。その状態において、再びユーザがタッチ操作を行ってさらに色変換がされた結果、撮像画像において色相角度Xである画素が色相角度f’(X)に変更されて画面上に表示される状態になったとする。また、ユーザのタッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相が色相角度X0(タッチ位置TPに対応する画素の画面上に表示される色相は、タッチ操作前は色相角度Y0=f(X0)であり、タッチ操作後は色相角度Y1=f’(X0)となる)であったとする。この場合、色相角度X0を中心として前後にマンセル色相環における色相角度分ΔXs+ΔXgの範囲(すなわち、色相角度分2ΔXs+2ΔXgの範囲)が、今回の色変換の対象となる範囲に設定される。
【0158】
今回のタッチ操作によって、タッチ位置TPに対応する画素の画面上に表示される色相が色相角度Y1となるものとする。すなわち、今回の変換目標色相は色相角度Y1となる。この値は、タッチ操作前にタッチ位置TPに対応する画素の画面上に表示されていた色相角度Y0(=f(X0))に、所定の色相角度変化量Aを加えた値として設定される。すなわち、新たな変換目標色相の色相角度Y1は、
Y1=f(X0)+A
となる。
【0159】
つまり、タッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相の色相角度Xが、前回の色変換処理によって色相角度f(X)に変更されたとすると、色相角度Xls〜X0〜Xrsに属する色相角度Xの色相は、今回の色変換処理によって全て新たな変換目標色相(色相角度Y1=f(X)+A)に変換される。
【0160】
また、タッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相の色相角度Xが、前回の色変換処理によって色相角度f(X)に変更されたとすると、色相角度Xle〜Xlsに属する色相角度Xの色相は、今回の色変換処理によって以下の式で示される色相角度f’(X)の色相に変換される。
f’(X)=f(X)+dif*effl
ここで、difは、|Y1−f(X)|≦180°のとき、
dif=Y1−f(X)
であり、|Y1−f(X)|>180°のとき、
dif=360°−(Y1−f(X))
である。また、Y1は、今回の色変換処理で新たに設定された変換目標色相の色相角度である。
【0161】
また、タッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相の色相角度Xが、前回の色変換処理によって色相角度f(X)に変更されたとすると、色相角度Xrs〜Xreに属する色相角度Xの色相は、以下の式で示される色相角度f’(X)の色相に変換される。
f’(X)=f(X)+dif*effr
【0162】
なお、上記色変換の対象となる範囲外の色相を有する画素、すなわち、色相角度X0を中心とした色相角度Xleから色相角度Xreまでの範囲に属さない色相角度の色相を有する画素については、2回目以降の色変換においても色相を変換せずにそのままの色相が維持される。つまり、タッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相の色相角度Xが、前回の色変換処理によって色相角度f(X)に変更されたとすると、当該範囲外の色相を有する画素については、その色相角度Xが、以下の式で示される色相角度f’(X)に変換される。
f’(X)=f(X)
これによって、当該範囲外の色相角度Xを有する画素については、2回目以降の色変換においてもそのままの色相が維持されることになる。
【0163】
また、上記有彩色画像に対するユーザのタッチ操作に応じて、タッチ操作された画素の色相を中心とした第1の色変換範囲の色相を第1の色相に変更した後、さらに別の画素がタッチ操作された場合、当該別の画素を中心とした第2の色変換範囲の色相も第2の色相に変換してもかまわない。この場合、タッチ位置TPが取得される毎に、当該タッチ位置TPに応じた異なる色変換範囲が設定され、当該色変換範囲に応じた別の変換目標色相が設定されるため、タッチ操作毎に別の色相を変換対象としてそれぞれ色相が変化していく色変換が行われる。なお、上記第1の色変換範囲に対して設定される変換目標色相と、上記第2の色変換範囲に対して設定される変換目標色相とは、同じ色相であってもかまわない。この場合、ユーザが上記有彩色画像に対して異なる色相をタッチ操作したとしても、タッチ操作された色相がそれぞれ同じ色相に色変換されることになる。
【0164】
なお、上述した第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが一部重複する場合、色変換範囲が重複する範囲についても、上述した関係式を色変換毎に適用する。これによって、第1の色変換範囲と第2の色変換範囲との重複範囲における変換後の色相角度を滑らかに繋げることによって、違和感のない色変換処理が可能となる。
【0165】
ここで、上述した第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが一部重複する場合、他の方式で色相角度を設定してもかまわない。第1の例として、それぞれの色変換範囲に対して設定される色相角度のうち、色相変化が大きい方(すなわち、元画像から色相変化角度が大きい方)を選択する。第2の例として、第1の色変換範囲と第2の色変換範囲との間の重複範囲の大きさに応じて、変換後の色相角度を曲線的に滑らかに繋ぐ。このように、第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが重複する重複範囲の色相角度を合成しても、重複範囲における変換後の色相角度を滑らかに繋げることによって、違和感のない色変換処理が可能となる。
【0166】
また、上述した説明においては、タッチ位置TPに対応する画素における撮像画像(すなわち、元画像)の色相が常に変換対象の基準となっており、表示画像の色相は変換対象の基準となっていない。つまり、ある時点で表示されている画像において同じ色相の画像が複数あっても、さらに色相が変化する次の色変換処理においては、それぞれ異なる色相に変化することがある。
【0167】
例えば、図12Aに示すように、赤色の色相を有する画像Ia、黄色の色相を有する画像Ib、および緑色の色相を有する画像Icを含む元画像が下側LCD12に表示されているとする。この元画像に対して、ユーザが赤色の色相を有する画像Iaをタッチ操作したとする。この場合、元画像における赤色の色相を中心とした色変換範囲に対して、1回目の色相変換が行われる。
【0168】
例えば、図12Bに示すように、上記1回目の色相変換によって、赤色の色相がマンセル色相環において72°離れた色相に色変換されて黄色の色相に変換される。したがって、元画像において赤色の色相を有する画像Iaは、黄色の色相に変換されて下側LCD12に表示される。そして、図12Cに示すように、赤色の色相が黄色の色相に変換された表示画像に対して、ユーザが黄色の色相を有する画像Ibをタッチ操作したとする。この場合、元画像における黄色の色相を中心とした色変換範囲に対して、2回目の色相変換が行われる。
【0169】
例えば、図12Dに示すように、上記2回目の色相変換によって、黄色の色相がマンセル色相環において72°離れた色相に色変換されて緑色の色相に変換される。したがって、元画像において黄色の色相を有する画像Ibは、緑色の色相に変換されて下側LCD12に表示される。ここで、上記2回目の色相変換前に下側LCD12に表示されている表示画像においては、画像Iaも黄色の色相で表示されている。しかしながら、上述したように、元画像における画像Iaの色相が赤色であり、上記2回目の色相変換の色変換範囲から外れているため、画像Iaは上記2回目の色相変換対象とはならない。したがって、上記2回目の色相変換前に下側LCD12に黄色の色相で表示されている画像Iaは、上記2回目の色相変換が行われてもそのままの色相(すなわち、黄色の色相)が維持されて下側LCD12に表示される。
【0170】
このように、下側LCD12に表示されている表示画像ではなく、タッチ位置TPに対応する画素における撮像画像(すなわち、元画像)の色相を常に変換対象の基準にすることによって、ある時点で下側LCD12に表示されている表示画像において同じ色相の画像が複数あっても、さらに色相が変化する次の色変換処理においては、それぞれ異なる色相に変化することがある。ここで、タッチ位置TPに対応する画素における元画像ではなく、その時点で表示されている表示画像の色相を変換対象の基準にすると、何度か色相変換を繰り返すことによって最終的に表示画像の色相が全て同じ色相に変換されてしまう。つまり、タッチ位置TPに対応する画素における撮像画像(すなわち、元画像)の色相を常に変換対象の基準にすることによって、このような現象を避けることができる。
【0171】
(第2の実施形態)
図面を参照して、本発明の第2の実施形態に係る色変換プログラムを実行する色変換装置について説明する。上述した第1の実施形態に係る色変換プログラムに基づいた処理では、例えば、彩度を変更する色変換を行う場合にタッチ位置TPに応じて選択された色相を基準として、マンセル色相環における5°離れた色相から50°離れた色相まで、直線的な比率で彩度が100%から0%まで減衰するようにそれぞれ設定した。第2の実施形態においては、エルミート補間方式を用いて曲線的な比率で彩度が100%から0%まで減衰する態様を説明する。なお、第2に実施形態に係る色変換プログラムを実行する色変換装置については、上述したエルミート補間方式を用いること以外は第1の実施形態の色変換装置と同様であるため、同様の構成要素については同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。また、第2の実施形態に係る色変換プログラムによる具体的な処理動作やメインメモリ32に記憶される各種データについても、第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0172】
図13〜図15を参照して、第2の実施形態に係る処理動作によって下側LCD12および/または上側LCD22に表示される表示形態例等について説明する。なお、図13は、第2の実施形態に係る処理動作において、タッチ位置TPに対して変換対象として決定される色相範囲の一例と、当該変換対象に対して彩度を変化させる一例とを示す図である。図14は、エルミート補間方式を説明するための図である。図15は、第2の実施形態に係る処理動作において、複数のタッチ位置TP1およびTP2に対してそれぞれ変換対象として決定される色相範囲の一例と、当該変換対象に対して彩度を変化させる一例とを示す図である。
【0173】
第2の実施形態においても、ゲーム装置1の下側LCD12には、内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの画像(撮像画像)が表示される。そして、当該実施形態においても、上記撮像画像は有彩色の画像であるが、当該撮像画像をモノクロ(すなわち、当該撮像画像の全ての画素の彩度を0にした無彩色)にした表示画像を、下側LCD12に一旦表示する。そして、タッチパネル13にタッチ操作されたタッチ位置に対応する撮像画像の画素(すなわち、元画像の画素)が有する色相に応じて、上記表示画像の彩度を変化させて下側LCD12に表示する。また、第2に実施形態においても、検出された画素の色に対応する色相や当該色相を中心とする所定の範囲を設定する際に、第1の実施形態で説明した色相環(例えば、マンセル色相環)が用いられる。これらは、図3および図4を用いて説明した第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0174】
次に、図13を参照して、設定された色変換対象に対して彩度を変化させる一例を説明する。図13では、マンセル色相環を用いて設定される色変換対象の一例と、当該色変換対象に対して彩度を変化させる一例を示している。
【0175】
例えば、ユーザのタッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相が、緑であるとする。この場合、色変換範囲は、色相「緑」(円形角度位置144°の色相)を中心としてマンセル色相環における例えば前後50°(すなわち、合計100°の範囲)に設定される。そして、設定された色変換範囲は、タッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相(すなわち、色相「緑」)を彩度再現率100%として、その周辺の色相については100〜0%の彩度に漸減的に彩度再現率を変化させる。
【0176】
例えば、タッチ位置TPに対応する色相が「緑」であるとき、当該色相を彩度再現率100%とし、当該色相を中心としてマンセル色相環における前後50°となるそれぞれの色相(すなわち、円形角度位置94°および194°の色相)を彩度再現率0%として、それぞれの色相および彩度再現率を示す位置に制御点を設定する。図13においては、タッチ位置TPに対応する彩度再現率100%とする色相を制御点TPとし、当該色相を中心としてマンセル色相環における前後50°となる彩度再現率0%とするそれぞれの色相を制御点P1および制御点P2としている。そして、エルミート曲線を用いて、設定した各制御点の間を補間する。
【0177】
ここで、エルミート曲線は、セグメントの両端となる制御点と制御点間の導関数が与えられたとき、それらを補間するために定義される曲線である。例えば、図14に示すように、エルミート曲線は、3つの制御点P1、TP、およびP2に対して、制御点P1、TP、およびP2それぞれの位置とそれぞれの接線ベクトル(導関数)V1、V2、およびV3とが与えられた場合に、3つの制御点P1、TP、およびP2の間を補間する曲線である。
【0178】
例えば、図14に示すように、制御点P1が円形角度94°、彩度再現率0%の位置に設定され、彩度再現率0%で円形角度増加方向に向かう所定の大きさの接線ベクトルV1が制御点P1に与えられる。また、制御点TPが円形角度144°、彩度再現率100%の位置に設定され、彩度再現率100%で円形角度増加方向に向かう所定の大きさの接線ベクトルV2が制御点TPに与えられる。また、制御点P2が円形角度194°、彩度再現率0%の位置に設定され、彩度再現率0%で円形角度増加方向に向かう所定の大きさの接線ベクトルV3が制御点P2に与えられる。なお、エルミート補間方式によって補間した制御点間の曲線の一部が彩度再現率0%未満となる場合、当該彩度再現率0%未満となる曲線部分を彩度再現率0%として補間する。また、エルミート補間方式によって補間した制御点間の曲線の一部が彩度再現率100%を超える場合、彩度再現率100%を超える曲線部分を彩度再現率100%として補間する。
【0179】
このように、エルミート補間方式を用いて彩度を漸減的に下げることによって、本来の撮像で得られていた色がモノクロ画像に自然に付いたように表現することができる。また、ユーザは、下側LCD12に表示された表示画像に対して1点のみタッチ操作するだけで、所望の色に色付けされた画像を容易に生成することができる。また、タッチ操作に応じて選択された色相を中心として、滑らかに彩度を下げるように設定することによって、色変換を行う際のノイズを低減することができ、タッチ操作した位置の色が自然に色付けされたような画像に変換することが可能となる。
【0180】
次に、図15を参照して、ユーザが複数の位置をタッチ操作した場合に、それぞれのタッチ操作に応じて設定された色変換対象に対して彩度を変化させる一例を説明する。図15では、マンセル色相環を用いて設定される色変換対象の一例と、当該色変換対象に対して彩度を変化させる一例を示している。
【0181】
例えば、図15に示すように、ユーザの第1回目のタッチ位置TP1に対応する画素における撮像画像の色相が、緑であるとする。この場合、第1回目の色変換範囲は、上述した図14と同様に色相「緑」を中心としてマンセル色相環における前後50°に設定される。また、第1回目の色変換範囲に対する彩度再現率も、図14で説明した一例と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0182】
次に、ユーザの第2回目のタッチ位置TP2に対応する画素における撮像画像の色相が、青であるとする。この場合、第2回目の色変換範囲は、第1回目の色変換範囲と同様に色相「青」を中心としてマンセル色相環における前後50°に設定される。そして、設定された第2回目の色変換範囲は、色相「青」を中心としてマンセル色相環における前後50°に設定される。そして、設定された第2回目の色変換範囲は、第2回目のタッチ位置TP2に対応する画素における撮像画像の色相(すなわち、色相「青」)を彩度再現率100%として、その周辺の色相については100〜0%の彩度に漸減的に彩度再現率を変化させる。
【0183】
ここで、図15に示すように、第2回目のタッチ位置TP2に対応する色相が「青」(円形角度位置216°)であるとき、当該色相の円形角度位置に制御点TP2を設定し、当該色相を中心としてマンセル色相環における前後50°となるそれぞれの色相(すなわち、円形角度位置166°および266°の色相)を示す位置に制御点P3およびP4をそれぞれ設定する。しかしながら、図15に示すように、色相「緑」に対して設定される第1回目の色変換範囲と色相「青」に対して設定される第2回目の色変換範囲とが、一部重複することになる。
【0184】
この場合、図15に示すように、制御点TP2が円形角度216°、彩度再現率100%の位置に設定され、彩度再現率100%で円形角度増加方向に向かう所定の大きさの接線ベクトルが制御点TP2に与えられる。また、制御点P4が円形角度266°、彩度再現率0%の位置に設定され、彩度再現率0%で円形角度増加方向に向かう所定の大きさの接線ベクトルが制御点P4に与えられる。そして、第1回目の色変換範囲と重複する制御点P3を既に設定されているエルミート曲線上に設定し、当該エルミート曲線と接する接線ベクトルが制御点P3に与えられる。すなわち、円形角度166°で、かつ、第1回目のタッチ位置TP1に対して設定されているエルミート曲線上となる位置に、制御点P3が設定される。そして、制御点P3の位置において第1回目のタッチ位置TP1に対して設定されているエルミート曲線と接し、かつ、円形角度増加方向に向かう所定の大きさの接線ベクトルが制御点P3に与えられる。そして、3つの制御点P3、TP2、およびP4の位置とそれぞれの接線ベクトルとを用いて、3つの制御点P3、TP2、およびP4の間をエルミート曲線で補間する。このように、エルミート補間方式を用いて複数の色変換範囲にそれぞれ設定される彩度再現率を合成することによって、複数の色変換範囲の間の範囲における彩度再現率が滑らかに繋がるため、違和感のない色変換処理が可能となる。
【0185】
なお、上述した説明では、下側LCD12に表示された画像に対するユーザのタッチ操作に応じた色相を中心とした所定範囲の色相を色変換の対象となる範囲に設定し、エルミート補間方式を用いて当該範囲の色相を持つ画素について彩度を上げる色変換処理の例を用いたが、第1の実施形態と同様に当該画素に対して他の色変換処理を行ってもかまわない。
【0186】
第1の例として、上記色変換の対象となる範囲の色相を持つ画素について、彩度を下げる色変換処理を行う。第2の例として、上記色変換の対象となる範囲の色相を持つ画素について、明度を上げる色変換処理を行う。第3の例として、上記色変換の対象となる範囲の色相を持つ画素について、明度を下げる色変換処理を行う。第4の例として、上記色変換の対象となる範囲の色相を持つ画素について、色相を順次変更する色変換処理を行う。これら第1の例〜第4の例については、第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0187】
第5の例として、上記色変換の対象となる範囲の色相を持つ画素について、色変換関係式に応じて色相を変更する色変換処理を行う。この場合、下側LCD12に内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの有彩色画像(典型的には、撮像画像そのままの表示画像)を元画像として表示し、当該有彩色画像に対するユーザのタッチ操作に応じた色相を中心とした所定範囲の色相を色変換の対象となる範囲に設定する。そして、上記範囲の色相を持つ画素について色相を、所定の色相に変更(例えば、マンセル色相環において対角関係となる色相や、所定の円形角度だけ離れた色相に変更)する。
【0188】
ここで、元の色相からマンセル色相環における所定の角度だけ色相を変化させる場合、変化させる色相と変化させない色相との間をエルミート曲線で繋いだ色変換を行うことによって、違和感のない色変換が可能となる。例えば、上述した彩度再現率の変化と同様に、設定された色変換対象範囲は、タッチ位置に対応する変換前の色相を所定の色相(変換目標色相と記載する)に変化させ、その周辺の色相については変換前の色相を当該変換目標色相に漸増的に近づけて変化させる。以下、図16を参照して、設定された色変換対象に対して色相を変化させる一例を説明する。図16では、上述したマンセル色相環を用いて設定される色変換対象の一例と、当該色変換対象に対して色相を変化させる一例とを示している。
【0189】
図16において、色変換前(内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの有彩色画像(元画像))の色相をマンセル色相環における色相角度Xとして横軸で示し、色変換後の色相をマンセル色相環における色相角度Yとして縦軸で示した色変換関係式の一例を表している。そして、図16では、色相角度Yと色相角度Xとの関係式の一例を示すグラフが太線で示されている。
【0190】
例えば、ユーザのタッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相が緑であり、当該緑が紫に色変換されるとする。以下、タッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相(例えば色相「緑」)の色相角度XをX0とし、上記変換目標色相(例えば色相「紫」)の色相角度YをY0とする。この場合、色相「緑」(色相角度X0)を中心として前後にマンセル色相環における色相角度分ΔXの範囲(すなわち、色相角度分2ΔXの範囲)が、色変換の対象となる範囲に設定される。
【0191】
そして、色相角度X0を色相角度Y0とし、当該色相を中心としてマンセル色相環における前後ΔXとなるそれぞれの色相を色相変更なし(すなわち、Y=X)として、それぞれの色相角度を示す位置に制御点を設定する。図16においては、タッチ位置TPに対応する色相角度(X,Y)=(X0,Y0)の位置を制御点TPとし、当該色相を中心としてマンセル色相環における前後ΔXとなるそれぞれの色相角度XleおよびXreを制御点P5および制御点P6としている。そして、エルミート曲線を用いて、設定した各制御点の間を補間する。
【0192】
具体的には、制御点TPが色相角度(X,Y)=(X0,Y0)の位置に設定され、色相角度Y0一定で色相角度X増加方向に向かう(すなわち、Y=Y0となる方向)所定の大きさの接線ベクトルが制御点TPに与えられる。また、制御点P5が色相角度Xleで色相変更なしとなる位置、すなわち、色相角度XleでY=Xとなる位置(色相角度(X,Y)=(Xle,Xle))に設定される。そして、色相角度変化なし(すなわち、Y=Xとなる方向)で色相角度X増加方向に向かう所定の大きさの接線ベクトルが制御点P5に与えられる。また、制御点P6が色相角度Xreで色相変更なしとなる位置、すなわち、色相角度XreでY=Xとなる位置(色相角度(X,Y)=(Xre,Xre))に設定される。そして、色相角度変化なし(すなわち、Y=Xとなる方向)で色相角度X増加方向に向かう所定の大きさの接線ベクトルが制御点P6に与えられる。そして、3つの制御点P5、TP、およびP6の位置とそれぞれの接線ベクトルとを用いて、3つの制御点P5、TP、およびP6の間をエルミート曲線で補間する。
【0193】
なお、上記色変換の対象となる範囲外の色相を有する画素、すなわち、色相角度X0を中心とした色相角度Xleから色相角度Xreまでの範囲に属さない色相角度の色相を有する画素については、色相を変換せずにそのままの色相が維持される。つまり、当該範囲外の色相を有する画素については、その色相角度Xが、以下の式で示される色相角度Yに変換される。
Y=X
これによって、当該範囲外の色相角度Xを有する画素については、そのままの色相が維持される色相角度Yに変換されることになる。
【0194】
また、エルミート補間方式によって補間した制御点間のエルミート曲線の一部がY=Xの下部にはみだす、すなわち色相角度が減少する方向に色相角度Xが変換されるような関係になる場合、当該はみだす曲線部分をY=Xの直線にして補間する。
【0195】
また、上述した色相角度Xを色相角度Yに変換する一例や色変換の対象となる範囲を設定する一例においては、色相角度Xや色相角度Yが極座標で設定される。したがって、算出結果等において360°を越えた場合に当該算出結果から360°を減算して取り扱うことを考慮しなければならないことは言うまでもない。また、色相角度が極座標で設定されているため、2つの制御点間を補間する場合に、当該極座標における時計回りに補間する方法と反時計回りに補間する方法とが考えられる。例えば、色相の変化角度を少なくするためには、制御点間の色相角度差分が小さい方向に補間することが必要となり、上述した実施例でも当該方式を採用している。しかしながら、このような色相の変化角度を少なくするような効果を期待しない場合、制御点間の色相角度差分が大きい方向に補間してもいいし、極座標における時計回りや反時計回りに固定して補間してもかまわない。また、当該第5の例における色変換処理動作は、上述した図9のフローチャートに基づいた第1の実施形態の動作と同様であり、上記ステップ57における「変換テーブルの彩度を変更」を上記色相を変換する方式に応じて「変換テーブルの色相を変更」するようにすればよい。
【0196】
このように、第5の例によれば、タッチ位置TPに対応する画素の色相を中心とした所定色相角度分の色相を変換目標色相に色変換しながら、エルミート曲線で補間して色変換前の色相を当該変換目標色相に漸増的に近づけて色変換することによって、本来の撮像で得られていた色が所定の色に自然に変化したように表現することができる。また、ユーザは、下側LCD12に表示された表示画像に対して1点のみタッチ操作するだけで、所望の色を他の色に変換した画像を容易に生成することができる。また、タッチ操作に応じて選択された色相を中心として、滑らかに色相が色変換前の色相に近づくように設定することによって、色変換を行う際のノイズを低減することができ、タッチ操作した位置の色が自然に色が変わったような画像に変換することが可能となる。
【0197】
なお、上述した説明は、元画像(内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの有彩色画像)を表示した状態から、表示している画像に対するユーザのタッチ操作に応じて、一回だけ色変換をする場合の例であるが、当該色変換をした後、繰り返して色変換を行えるようにしてもよい。以下、ユーザのタッチ操作に応じて、繰り返して色変換を行う場合について説明する。
【0198】
上記有彩色画像に対してユーザがタッチ操作して、第1回目のタッチ位置TP1に対応する画素の色相を中心とした第1の色変換範囲の色相を第1の色相に変更した後、さらに別のタッチ位置TP2がタッチ操作された場合を考える。この場合、タッチ位置TP2に対応する画素を中心とした第2の色変換範囲の色相も第2の色相に変換される。
【0199】
例えば、図17Aおよび図18Aに示すように、上記第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが一部重複する場合、第1の実施形態で説明した関係式を用いた色変換処理では、色変換範囲が重複する範囲についても当該関係式を色変換毎に適用する。これによって、第1の色変換範囲と第2の色変換範囲との重複範囲における変換後の色相角度を滑らかに繋げることによって、違和感のない色変換処理が可能となる。
【0200】
一方、図17Bおよび図18Bに示すように、上記第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが一部重複する場合、エルミート補間方式を用いた色変換処理では、上記第1の色変換範囲に対して既に設定されているエルミート曲線を用いて、上記第2の色変換範囲に対する色変換処理が行われる。
【0201】
例えば、第1回目のタッチ位置TP1に対応する画素における元画像の色相を中心として、前後にマンセル色相環における色相角度分ΔXの範囲(第1の色変換範囲)に対して第1回目の色変換処理が行われる。そして、第1回目のタッチ位置TP1に対応する画素における元画像の色相角度をX1とし、当該色相角度X1の変換目標色相の色相角度をY1とする。このとき、図16を用いて説明したように、第1回目のタッチ位置TP1に対応する色相角度(X,Y)=(X1,Y1)の位置と、当該色相角度を中心としてマンセル色相環における前後ΔXとなる色相角度(色相角度X1−ΔX、色相角度X1+ΔX)の位置とに、それぞれ制御点が設定される。そして、エルミート曲線を用いて、設定した各制御点の間が補間される。
【0202】
そして、第2回目のタッチ位置TP2に対応する画素における元画像の色相を中心として、前後にマンセル色相環における色相角度分ΔXの範囲(第2の色変換範囲)に対して第2回目の色変換処理が行われる。そして、第2回目のタッチ位置TP2に対応する画素における元画像の色相角度をX2とし、当該色相角度X2の変換目標色相の色相角度をY2とする。このとき、第2回目のタッチ位置TP2に対応する色相角度(X,Y)=(X2,Y2)の位置と、当該色相角度を中心としてマンセル色相環における前後ΔXとなる色相角度(色相角度X2−ΔX、色相角度X2+ΔX)の位置とに、それぞれ制御点が設定される。
【0203】
具体的には、第2回目のタッチ位置TP2に対応する制御点が色相角度(X,Y)=(X2,Y2)の位置に設定され、色相角度Y2一定で色相角度X増加方向に向かう(すなわち、Y=Y2となる方向)所定の大きさの接線ベクトルが当該制御点に与えられる。また、色相角度X2を中心としてマンセル色相環における前後ΔXとなる色相角度のうち、第1の色変換範囲と重複しない側の制御点(例えば、色相角度X2+ΔXの制御点)は、色相変更なしとなる位置、すなわち、色相角度X2+ΔXでY=Xとなる位置(色相角度(X,Y)=(X2+ΔX,X2+ΔX))に設定され、色相角度変化なし(すなわち、Y=Xとなる方向)で色相角度X増加方向に向かう所定の大きさの接線ベクトルが当該制御点に与えられる。
【0204】
一方、色相角度X2を中心としてマンセル色相環における前後ΔXとなる色相角度のうち、第1の色変換範囲と重複する側の制御点(例えば、色相角度X2−ΔXの制御点)は、当該色相角度X2−ΔXで、かつ、第1回目のタッチ位置TP1に対して既に設定されているエルミート曲線上となる位置に設定され、当該エルミート曲線と接する接線ベクトルが当該制御点に与えられる。具体的には、上記制御点の位置において第1回目のタッチ位置TP1に対して設定されているエルミート曲線と接し、かつ、色相角度X増加方向に向かう所定の大きさの接線ベクトルが上記制御点に与えられる。そして、新たなエルミート曲線を用いて、第2色変換範囲に対して設定した各制御点の間が補間される。
【0205】
例えば、図17Bでは、第1回目のタッチ位置TP1に対応する元画像の色相角度X1と第2回目のタッチ位置TP2に対応する元画像の色相角度X2とが相対的に離れた状態で、上記第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが一部重複する場合を示している。この場合、第1の色変換範囲に対して設定される山型形状のエルミート曲線と第2の色変換範囲に対して設定される山型形状のエルミート曲線とが、それらの山型形状の山裾付近で重複する。このような割合で上記第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが重複する場合、図17Aに示す第1の実施形態における色変換処理では2つの山型形状の重複部分にくさび形状の谷部(図17Aに示す点Pv)が形成されるため、色変換を行う際のノイズの原因となることが考えられる。しかしながら、エルミート補間方式を用いて色変換範囲が重複する色相角度を合成する場合、2つの山型形状のエルミート曲線が曲線状態で繋がるため、重複範囲における変換後の色相角度がさらに滑らかに繋がり、さらに違和感のない色変換処理が可能となる。
【0206】
また、図18Bでは、第1回目のタッチ位置TP1に対応する元画像の色相角度X1と第2回目のタッチ位置TP2に対応する元画像の色相角度X2とが相対的に近い状態で、上記第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが一部重複する場合を示している。この場合、第1の色変換範囲に対して設定される山型形状のエルミート曲線の頂上付近から、第2の色変換範囲に対して設定される山型形状のエルミート曲線が重畳するように重複する。このような割合で上記第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが重複する場合、図18Aに示す第1の実施形態における色変換処理では2つの山型形状が単純に重なりあった状態となり、複数の凸部が生成される。しかしながら、エルミート補間方式を用いて色変換範囲が重複する色相角度を合成する場合、第1の色変換範囲に対して設定される山型形状のエルミート曲線の頂上付近で、第2の色変換範囲に対して設定される山型形状のエルミート曲線の山裾部分が滑らかに繋がり、既に設定されている制御点間の曲線状態については無視される。したがって、エルミート補間方式を用いて色変換範囲が重複する色相角度を合成する場合、凸部が蓄積して多数の凸部が生成されていくことが少なくなるため、あたかも1つの山型形状の曲線に合成される。したがって、エルミート補間方式では、重複範囲における変換後の色相角度がさらに滑らかに繋がり、さらに違和感のない色変換処理が可能となる。
【0207】
なお、上述した第1の実施形態および第2の実施形態の説明では、上記色変換の対象となる範囲の色相を持つ画素について、色の属性(彩度、明度、および色相の3属性)の何れかを変化させる色変換処理を行う例を用いたが、さらに当該範囲外の色相を持つ画素についても色変換処理を行ってもかまわない。例えば、上記範囲外の色相を持つ画素について、当該範囲内の色相を持つ画素に対して行う色変換処理と異なる処理(例えば、変化させる色の属性が異なる、または変化させる色の属性が同じでも変化させる方向が異なる)を行うことによって、撮像画像に対する様々な色変換処理が容易に可能となる。ここで、変化させる方向が異なるとは、上記範囲内の彩度または明度を上げる色変換処理を行う場合、上記範囲外の彩度または明度を下げる色変換処理を行うことである。また、上記範囲内の色相を表色系システムにおける順方向に変化させる色変換処理を行う場合、上記範囲外の色相を当該表色系システムにおける逆方向に変化させる色変換処理を行うことである。
【0208】
また、上述した第1の実施形態および第2の実施形態の説明では、変換テーブルを用いて撮像画像の各画素のRGB値を色彩に変換して表示画像を生成しており、当該変換テーブルに記述された彩度、明度、および色相の少なくとも1つを変更して色変換している。しかしながら、他の方式によって色変換を行ってもかまわない。例えば、算出された変換対象範囲に対して変換テーブルを変更することなく、表示している画像(例えば、撮像画像)の彩度、明度、および色相の少なくとも1つを直接変更することによって、画像データ自体を変化させてもかまわない。
【0209】
また、上述した第1の実施形態および第2の実施形態の説明では、内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの画像(撮像画像)を、色変換の対象とする画像として用いたが、他の画像を色変換の対象とする画像にしてもかまわない。例えば、ゲーム装置1は、ユーザが所定の操作ボタンを押下することによって撮影指示が可能であり、当該撮影指示によって撮影された画像を、本発明の色変換処理の対象とする画像にしてもかまわない。また、所定の操作に応じて、上述した色変換後の画像を保存用データメモリ34やメモリカード28に記憶(保存)するように構成してもかまわない。
【0210】
具体的には、ユーザは、ゲーム装置1の操作ボタン14Gまたは操作ボタン14Hを押下することによって、内側カメラ23または外側カメラ25を用いた撮影指示を行うことができる。そして、上記撮影処理によって、内側カメラ23または外側カメラ25で撮像されている画像を、保存用データメモリ34やメモリカード28に記憶(保存)することができる。このような撮影処理によって得られた画像を、CPU31が上記ステップ51で取得するようにすれば、一旦保存用データメモリ34やメモリカード28に記憶された画像を、本発明の色変換処理を行う画像として用いることができる。
【0211】
なお、保存用データメモリ34やメモリカード28に記憶された画像は、ゲーム装置1で撮影された画像に限らず、他の画像(他の機器で撮影された画像、他の機器との通信によって取得した画像、保存用データメモリ34やメモリカード28にプリインストールされている画像等)であっても、本発明の色変換処理の対象として用いることができることは言うまでもない。また、メモリカード29にプリインストールされている画像(例えば、メモリカード29に格納されているゲームプログラムで表示されるゲーム画像)を、本発明の色変換処理の対象として用いてもかまわない。これらの場合、ゲーム装置1に内側カメラ23または外側カメラ25等の撮像機能が備えられていなくても、本発明を実現できることは言うまでもない。
【0212】
また、ゲーム装置1は、内側カメラ23または外側カメラ25を用いて静止画を撮像・記録(撮影)する場合を例として説明したが、ゲーム装置1は、内側カメラ23または外側カメラ25を用いて静止画のみならず動画を撮像・記録(撮影)するようにしてもよい。この場合、内側カメラ23または外側カメラ25を用いて撮像・記録(撮影)された動画が、本発明の色変換処理を行う画像として用いることになる。
【0213】
なお、ゲーム装置1は、内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの画像を表示するLCDを、例えばユーザの切替指示によって上側LCD22と下側LCD12との間で切り替える、または両方のLCDに表示することができるようにしてもよい。この場合、上側LCD22にも本発明の色変換処理が施された変換後の画像が表示されることになる。また、2つのLCDの一方(例えば、下側LCD12)に元画像(撮像画像)を表示し、2つのLCDの他方(例えば、上側LCD22)に本発明の色変換処理が施された変換後の画像を表示してもかまわない。
【0214】
また、上述した実施形態では、2画面分の液晶表示部の一例として、物理的に分離された下側LCD12および上側LCD22を互いに上下に配置した場合(上下2画面の場合)を説明した。しかしながら、2画面分の表示画面の構成は、他の構成でもかまわない。例えば、下側ハウジング11の一方主面に下側LCD12および上側LCD22を左右に配置してもかまわない。また、下側LCD12と横幅が同じで縦の長さが2倍のサイズからなる縦長サイズのLCD(すなわち、物理的には1つで、表示サイズが縦に2画面分あるLCD)を下側ハウジング11の一方主面に配設して、上記2つの画像(すなわち、撮像画像をモノクロにした表示画像と操作説明画面を示す画像)を上下に表示(すなわち上下の境界部分無しに隣接して表示)するように構成してもよい。また、下側LCD12と縦幅が同じで横の長さが2倍のサイズからなる横長サイズのLCDを下側ハウジング11の一方主面に配設して、横方向に2つのゲーム画像を左右に表示(すなわち左右の境界部分無しに隣接して表示)するように構成してもよい。すなわち、物理的に1つの画面を2つに分割して使用することにより2つの画像を表示してもかまわない。いずれの画像の形態に対しても、上述した下側LCD12に表示していた表示画像が表示される画面上にタッチパネル13を配設すれば、同様に本発明を実現することができる。また、物理的に1つの画面を2つに分割して使用することにより上記2つの画像を表示する場合、当該画面全面にタッチパネル13を配設してもかまわない。
【0215】
また、上述した実施例では、ゲーム装置1にタッチパネル13が一体的に設けられているが、ゲーム装置とタッチパネルとを別体にして構成しても、本発明を実現できることは言うまでもない。また、上側LCD22の上面にタッチパネル13を設けて上側LCD22に上述した下側LCD12に表示していた表示画像を表示しても良い。さらに、上記実施例では表示画面を2つ(下側LCD12、上側LCD22)を設けたが、表示画面は1つであってもかまわない。すなわち、上記実施例において、上側LCD22を設けず単に下側LCD12のみを表示画面としてタッチパネル13を設けるように構成してもよい。また、上記実施例において、下側LCD12を設けずに上側LCD22の上面にタッチパネル13を設けて、上述した下側LCD12に表示していた表示画像を上側LCD22に表示しても良い。
【0216】
また、上記実施例では、座標入力を実現するゲーム装置1の入力手段としてタッチパネル13を用いたが、他のポインティングデバイスを用いてもかまわない。ここで、ポインティングデバイスは、画面上での入力位置や座標を指定する入力装置であり、例えば、マウス、トラックパッド、トラックボール等を入力手段として使用し、入力手段から出力される出力値から計算された画面座標系の位置情報を用いれば、本発明を同様に実現することができる。
【0217】
この場合、上記画面座標系の位置情報を上述した処理におけるタッチ位置TPとして取り扱えば、本発明を実現することが可能である。ただし、上述した処理におけるタッチオンまたはタッチオフ等の入力有無判定については、上記位置情報の入力とは異なった上記入力手段からの他の入力の有無や変化によって代用する。例えば、上記入力手段に設けられた操作ボタンの押下(例えば、マウスの右クリックまたは左クリック)しているか否かによって、上記タッチオンまたはタッチオフの判定を代用する。
【0218】
また、ゲームコントローラをプレイヤが把持してゲームを楽しむ据置型のゲーム装置の場合、他の態様のポインティングデバイスも考えられる。例えば、ゲームコントローラのハウジングに固設されたカメラを、上記ポインティングデバイスとして利用することも可能である。この場合、ゲームコントローラのハウジングで指し示した位置の変化に応じてカメラが撮像する撮像画像が変化する。したがって、この撮像画像を解析することにより、表示画面に対して上記ハウジングで指し示した座標を算出することができる。
【0219】
この場合、上記ハウジングで指し示した位置を示す座標を、上述した処理におけるタッチ位置TPとして取り扱えば本発明を実現することが可能である。ただし、上述した処理におけるタッチオンまたはタッチオフ等の入力有無判定については、上記座標入力とは異なった上記ゲームコントローラからの他の入力の有無や変化によって代用する。第1の例として、上記ゲームコントローラに設けられた操作ボタンの押下(例えば、Aボタンを押下しているときタッチオン)しているか否かによって、上記タッチオンまたはタッチオフの判定を代用する。第2の例では、上記ゲームコントローラが2つのハウジングで構成されている。そして、これら2つのハウジングは、上記カメラが搭載されている一方ハウジングと、他方のハウジングの動きに応じた信号を出力する加速度センサ等の検出部が固設された当該他方のハウジングとで構成される。この場合、他方のハウジングの動き(例えば、ハウジングを所定方向に傾けているときにタッチオン)に応じて、上記タッチオンまたはタッチオフの判定を代用する。第3の例では、上記ゲームコントローラのハウジングにマイク等の音声入力手段が設けられている。この場合、プレイヤが所定の音声を発したときにタッチオンおよびタッチオフが切り替わる判定で代用する。
【0220】
また、上記実施例では、携帯型のゲーム装置1や据置型のゲーム装置を用いて説明したが、一般的なパーソナルコンピュータ等の情報処理装置で本発明の色変換処理プログラムを実行して、本発明を実現してもかまわない。
【0221】
また、上述したゲーム装置1の形状や、それに設けられている各種操作ボタン14やタッチパネル13の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した色変換処理で用いられる各種設定値および判定値等は、単なる一例に過ぎず他の値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
【0222】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0223】
本発明の色変換プログラムおよび色変換装置は、表示された画像に対して、ユーザが所望する色変換を簡単な操作に応じて行うことができ、撮像画像等の各種画像の色変換を行う装置やカメラを用いて撮像する装置等に有用であり、これらの装置で実行されるプログラム等としても有用である。
【図面の簡単な説明】
【0224】
【図1】本発明の一実施形態に係る色変換プログラムを実行するゲーム装置1の外観図
【図2】図1のゲーム装置1の内部構成の一例を示すブロック図
【図3】図1の下側LCD12に表示されて色変換される画面表示例を示す図
【図4】本発明の第1および第2の実施形態に係る色変換プログラムで用いる色相環の一例を示す図
【図5】本発明の第1の実施形態において、タッチ位置TPに対して変換対象として決定される色相範囲の一例と、当該変換対象に対して彩度を変化させる一例とを示す図
【図6】図1の下側LCD12に表示されて色変換される他の画面表示例を示す図
【図7】本発明の第1の実施形態において、複数のタッチ位置TP1およびTP2に対してそれぞれ変換対象として決定される色相範囲の一例と、当該変換対象に対して彩度を変化させる一例とを示す図
【図8】本発明の第1および第2の実施形態に係る色変換プログラムを実行することに応じて、メインメモリ32に記憶される各種データの一例を示す図
【図9】本発明の第1および第2の実施形態に係る色変換プログラムを実行することによってゲーム装置1が色変換処理を行うフローチャート
【図10】本発明の第1および第2の実施形態に係る色変換プログラムを実行することによってゲーム装置1が色変換処理を行う他の例を示すフローチャート
【図11】本発明の第1の実施形態において、マンセル色相環を用いて設定される色変換対象の一例と、当該色変換対象に対して色相を変化させる一例を示す図
【図12A】撮像画像の色相が変換される一例の第1段階を示す図
【図12B】撮像画像の色相が変換される一例の第2段階を示す図
【図12C】撮像画像の色相が変換される一例の第3段階を示す図
【図12D】撮像画像の色相が変換される一例の第4段階を示す図
【図13】本発明の第2の実施形態に係る処理動作において、タッチ位置TPに対して変換対象として決定される色相範囲の一例と、当該変換対象に対して彩度を変化させる一例とを示す図
【図14】エルミート補間方式を説明するための図
【図15】本発明の第2の実施形態に係る処理動作において、複数のタッチ位置TP1およびTP2に対してそれぞれ変換対象として決定される色相範囲の一例と、当該変換対象に対して彩度を変化させる一例とを示す図
【図16】本発明の第1の実施形態において、マンセル色相環を用いて設定される色変換対象の一例と、当該色変換対象に対して色相を変化させる一例とを示す図
【図17A】本発明の第1の実施形態において、第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが一部重複する場合の色変換処理の一例を説明するための図
【図17B】本発明の第2の実施形態において、第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが一部重複する場合の色変換処理の一例を説明するための図
【図18A】本発明の第1の実施形態において、第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが一部重複する場合の色変換処理の一例を説明するための図
【図18B】本発明の第2の実施形態において、第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが一部重複する場合の色変換処理の一例を説明するための図
【符号の説明】
【0225】
1…ゲーム装置
11…下側ハウジング
12…下側LCD
13…タッチパネル
14…操作ボタン
15、26…LED
16…マイクロフォン用孔
21…上側ハウジング
22…上側LCD
23…内側カメラ
24…音抜き孔
25…外側カメラ
27…タッチペン
28、29…メモリカード
31…CPU
32…メインメモリ
33…メモリ制御回路
34…保存用データメモリ
35…プリセットデータ用メモリ
36…メモリカードI/F
38…無線通信モジュール
39…ローカル通信モジュール
40…RTC
41…電源回路
42…I/F回路
43…マイク
44…アンプ
45…第1GPU
46…第2GPU
47…第1VRAM
48…第2VRAM
49…LCDコントローラ
491…レジスタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、色変換プログラムおよび色変換装置に関し、より特定的には、表示された画像の色を変換する色変換プログラムおよび色変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示された画像の色を、ユーザが所望する色に変換する装置が各種開発されている(例えば、特許文献1参照)。上記特許文献1で開示された画像処理装置は、ユーザによって指定された位置に対応する画素の色相、彩度、明度をそれぞれ抽出し、それら成分の最大値および最小値を決定する。そして、当該画像処理装置は、ユーザが変更を所望する色を指定すると、先に決定した範囲にある画素を指定された色に変換する。
【特許文献1】特開平8−293995号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1で開示された画像処理装置は、スキャンした静止画像に対して、ユーザが複数の位置を指定することによって、各複数の位置に対応する各画素の色相、彩度、および明度それぞれの最小値〜最大値を、色変換する範囲として設定している。したがって、ユーザは、色変換をする際に画像に対する複数の位置を指定する必要があり、操作に手間が生じる。また、仮にユーザが単一の位置のみを指定して色変換する場合、色変換する範囲がピンポイントとなり、画像に対する色変換がほとんど行われないことが考えられる。また、上記特許文献1で開示された画像処理装置は、スキャンした静止画像を色変換の対象としており、例えば、カメラで撮像されている画像をリアルタイムに表示(すなわち、ライブ画像の表示)している場合に、当該ライブ画像を色変換の対象にすることができない。
【0004】
それ故に、本発明の目的は、上述した課題の何れか1つを解決するものであり、表示された画像に対して、ユーザが所望する色変換を簡単な操作に応じて行うことができる色変換プログラムおよび色変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、本欄における括弧内の参照符号、ステップ番号、および補足説明等は、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0006】
第1の発明は、所定の表示手段(12)に対する座標入力可能なポインティングデバイス(13)の出力が利用可能な情報処理装置(1)のコンピュータ(31)で実行される色変換プログラムである。色変換プログラムは、コンピュータを、表示制御手段(ステップ52を実行するCPU31、以下、単にステップ番号のみ記載する)、座標決定手段(S54)、変換対象条件設定手段(S55、S56)、および色変換手段(S57)として機能させる。表示制御手段は、複数の画像要素ごとに色情報が設定された第1変換対象画像データに基づく画像を表示手段に表示する。座標決定手段は、ポインティングデバイスによる指示に応じて、第1座標(TP)を決定する(Da)。変換対象条件設定手段は、第1変換対象画像データにおいて第1座標に対応する画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第1変換対象条件を設定する(De)。色変換手段は、第1変換対象画像データにおいて第1変換対象条件を満たす画像要素についての色情報を変更する色変換処理を行って、変換後画像を表示手段に表示する。なお、ポインティングデバイスは、画面上での入力位置や座標を指定する入力装置であり、例えば、タッチパネル、マウス、トラックパッド、トラックボール、ペンタブレット、ジョイスティック、ゲームコントローラのハウジングで指し示された画面位置を検出するシステム等で実現される。また、上記画像要素は、例えば画素であるが、複数の画素を1ブロックとした画像を画像要素としてもかまわない。さらに、上記第1変換対象画像データに基づく画像は、第1変換対象画像データそのままに基づく画像でもいいし、第1変換画像データに所定の画像処理(例えば、彩度や明度を変更する処理)を加えた画像でもかまわない。
【0007】
第2の発明は、上記第1の発明において、画像要素は、画素である。色変換手段は、第1変換対象画像データに基づく画像の各画素のうち第1変換対象条件を満たす画素についての色情報を変更する色変換処理を行った変換後画像を表示手段に表示する。
【0008】
第3の発明は、上記第1の発明において、座標決定手段は、色変換手段によって変換後画像が表示手段に表示されているときに、ポインティングデバイスから得られた指示に応じて、第2座標を新たに決定する。変換対象条件設定手段は、第1変換対象画像データにおいて第2座標に対応する画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第2変換対象条件を設定する。色変換手段は、第1変換対象画像データにおいて第1変換対象条件または第2変換対象条件を満たす各画像要素についての色情報を変更する色変換処理を行う。
【0009】
第4の発明は、上記第1の発明において、画像取得手段(23、25)として、さらにコンピュータを機能させる。画像取得手段は、第1変換対象画像データとは異なる第2変換対象画像データを取得する。色変換手段は、第2変換対象画像データにおいて第1変換対象条件を満たす各画素要素について、色情報を変更する色変換処理を行って、変換後画像を表示手段に表示する。
【0010】
第5の発明は、上記第1の発明において、変換対象条件設定手段は、色相、彩度、および明度の少なくとも1つに応じた条件を、第1変換対象条件として設定する。
【0011】
第6の発明は、上記第5の発明において、変換対象条件設定手段は、取得した色情報の色相に基づいて、色相に応じた条件を、第1変換対象条件として設定する。
【0012】
第7の発明は、上記第1の発明において、色変換手段は、第1変換対象画像データに対して第1変換対象条件を満たす画像要素の色の彩度、明度、および色相の少なくとも1つを変更する。なお、色変換手段が彩度、明度、および色相の少なくとも1つを変更する方法は、画像を表示するための彩度、明度、および色相等が定義されたデータテーブル(例えば、変換テーブル)を変更することによって実現してもいいし、画像データ自体の彩度、明度、および色相の少なくとも1つを示すデータを直接変更してもよく、他の方法で彩度、明度、および色相の少なくとも1つを変更してもかまわない。
【0013】
第8の発明は、上記第7の発明において、色変換手段は、第1変換対象画像データに対して第1変換対象条件を満たす画像要素の色相を変換目標色相に変更する。
【0014】
第9の発明は、上記第7の発明において、変換対象条件設定手段は、第1座標に対応する画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を第1変換対象条件として設定する。色変換手段は、第1変換対象条件の色相範囲の色相を有する各画像要素について、当該色相範囲の中心から遠い色相を有する画像画素に比べて、当該色相範囲の中心に近い色相を有する画像要素を所定の変換目標色相により近い色相に変更する。
【0015】
第10の発明は、上記第9の発明において、色変換手段は、第1変換対象条件の色相範囲の色相を有する各画像要素について、当該色相範囲の中心から遠い色相を有する画像画素に比べて、当該色相範囲の中心に近い色相を有する画像要素が、第1変換対象画像データにおける色情報からの変更量が大きくなるようにする。
【0016】
第11の発明は、上記第3の発明において、変換対象条件設定手段は、第1座標に対応する画像要素の色情報を含む第1範囲を第1変換対象条件として設定し、かつ、第2座標に対応する画像要素の色情報を含む第2範囲を第2変換対象条件として設定する。色変換手段は、第1変換対象画像データにおいて第1範囲の色情報を有する各画像要素について、第1範囲の境界部の色情報である第1色情報を有する画像要素は第1変換対象画像データにおける色情報からの変更量を0に設定し、第1範囲の所定の非境界部の色情報である第2色情報を有する画像要素は第1変換対象画像データにおける色情報からの変更量を所定量に設定し、かつ、第1範囲の色情報のうち第1色情報および第2色情報以外の色情報を有する各画像要素は第1色情報から第2色情報に近づくほどに、第1変換対象画像データにおける色情報からの変更量を次第に大きくして設定する。さらに、色変換手段は、第1変換対象画像データにおいて第2範囲の色情報を有する各画像要素について、第2範囲の境界部の色情報である第3色情報を有する画像要素は第1変更後の色情報からの変更量を0に設定し、第2範囲の所定の非境界部の色情報である第4色情報を有する画像要素は第1変更後の色情報からの変更量を所定量に設定し、第2範囲の色情報のうち第3色情報および第4色情報以外の色情報を有する各画像画素は第3色情報から第4色情報に近づくほどに、第1変換対象画像データにおける色情報からの変更量を次第に大きくして設定する。なお、上記色変換手段による色情報の変更は、図17Bに示すような関係を含むものである。
【0017】
第12の発明は、上記第9の発明において、色変換手段は、第1変換対象条件の色相範囲の中心から離れた当該色相範囲内の色相に対して、当該色相を変換目標色相に近づける割合を当該中心から離れるにしたがってエルミート曲線に応じて漸減させて第1変換対象条件の色相範囲の色相を有する各画像要素の色相を変更する。
【0018】
第13の発明は、上記第8の発明において、色変換手段は、取得した色情報の色相に基づいて変換目標色相を設定する。
【0019】
第14の発明は、上記第8の発明において、色変換手段は、変換目標色相を時間経過と共に順次変更して表示手段に表示する。
【0020】
第15の発明は、上記第1の発明において、表示制御手段は、第1変更対象画像データの各画像要素について、彩度を下げる画像処理を加えて、無彩色の画像を表示手段に表示する。色変換手段は、無彩色となった第1変換対象画像データの各画像要素のうち第1変換対象条件を満たす各画像要素に対して、当該各画像要素が持つ彩度を第1変換対象画像データにおける彩度に戻す色変換処理を行って、変換後画像を表示手段に表示する。
【0021】
第16の発明は、上記第15の発明において、変換対象条件設定手段は、取得した色情報の色相を中心とした所定範囲に含まれる色相を有することを、第1変換対象条件として設定する。色変換手段は、取得した色情報の色相の中心から離れた所定範囲に含まれる色相を有する画像要素に対して、当該中心から離れるにしたがって当該色相の画像要素の彩度を第1変換対象画像データにおける彩度に戻す割合を漸減させて当該彩度を変更する色変換処理を行って、変換後画像を表示手段に表示する。
【0022】
第17の発明は、上記第16の発明において、色変換手段は、所定範囲の中心から離れた当該所定範囲内の色相を有する画像要素に対して、当該画像要素の彩度を第1変換対象画像データにおける彩度に戻す割合を、当該中心から離れるにしたがって100%から0%まで直線的に漸減させて当該彩度を変更する。
【0023】
第18の発明は、上記第16の発明において、色変換手段は、所定範囲の中心から離れた当該所定範囲内の色相を有する画像要素に対して、当該画像要素の彩度を第1変換対象画像データにおける彩度に戻す割合を、当該中心から離れるにしたがって100%から0%までエルミート曲線に応じて漸減させて当該彩度を変更する。
【0024】
第19の発明は、上記第1の発明において、変換対象条件設定手段は、第1変換対象画像データにおける第1座標に対応する画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を第1変換対象条件の色相範囲として設定する。色変換手段は、第1変換対象条件の色相範囲の色相を持つ第1変換対象画像データにおける画像要素に対して彩度、明度、および色相の少なくとも1つを変更する色変換処理を行って、変換後画像を表示手段に表示する。座標決定手段は、色変換手段によって変換後画像が表示手段に表示されているときに、ポインティングデバイスから得られた指示に応じて、第2座標を新たに決定する。変換対象条件設定手段は、第1変換対象画像データにおける第2座標に対応する画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を第2変換対象条件の色相範囲として設定する。色変換手段は、第2変換対象条件の色相範囲の色相を持つ第1変換対象画像データにおける画像要素に対して彩度、明度、および色相の少なくとも1つを変更する色変換処理を行って、変換後画像を表示手段に表示する。
【0025】
第20の発明は、上記第19の発明において、色変換手段は、第1変換対象条件の色相範囲の中心から離れた当該色相範囲内の色相を持つ画像要素に対して、当該画像要素が持つ彩度および明度の少なくとも一方を変更する割合を当該中心から離れるにしたがって漸減させて当該彩度および明度の少なくとも一方を変更し、第2変換対象条件の色相範囲の中心から離れた当該色相範囲内の色相を持つ画像要素に対して、当該画像要素が持つ彩度および明度の少なくとも一方を変更する割合を当該中心から離れるにしたがって漸減させて当該彩度および明度の少なくとも一方を変更し、第1変換対象条件の色相範囲と第2変換対象条件の色相範囲とが一部重複する場合、当該重複する範囲の色相を持つ画像要素に対して、第1変換対象条件の色相範囲で変更される彩度および明度の少なくとも一方の割合および第2変換対象条件の色相範囲で変更される彩度および明度の少なくとも一方の割合の大きい方を選択して変更する。
【0026】
第21の発明は、上記第19の発明において、色変換手段は、第1変換対象条件の色相範囲の中心から離れた当該第1変換対象条件の色相範囲内の色相を持つ画像要素に対して、当該画像要素が持つ彩度および明度の少なくとも一方を変更する割合を当該中心から離れるにしたがって漸減させて当該彩度および明度の少なくとも一方を変更し、第2変換対象条件の色相範囲の中心から離れた当該第2変換対象条件の色相範囲内の色相を持つ画像要素に対して、当該画像要素が持つ彩度および明度の少なくとも一方を変更する割合を当該中心から離れるにしたがって漸減させて当該彩度および明度の少なくとも一方を変更し、第1変換対象条件の色相範囲と第2変換対象条件の色相範囲とが一部重複する場合、当該重複範囲の色相を持つ画像要素に対して、当該重複範囲の中心が極小となった曲線状に割合が変化するように彩度および明度の少なくとも一方の割合を変更する。
【0027】
第22の発明は、上記第1の発明において、情報処理装置は、撮像手段(23、25)を、さらに備える。撮像手段は、当該情報処理装置周辺を撮像する。表示制御手段は、撮像手段で撮像された画像データを第1変換対象画像データとして、当該画像データに基づく画像をリアルタイムで表示手段に表示する。
【0028】
第23の発明は、上記第1の発明において、表示制御手段は、第1変換対象画像データに基づく有彩色の画像を表示手段に表示する。変換対象条件設定手段は、第1座標に対応する第1変換対象画像データにおける画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を第1変換対象条件の色相範囲として設定する。色変換手段は、第1変換対象条件の色相範囲の色相を持つ第1変換対象画像データにおける画像要素に対して、当該画像要素が持つ彩度を下げることによって無彩色の画素に変更する色変換処理を行って、変換後画像を表示手段に表示する。
【0029】
第24の発明は、上記第1の発明において、表示制御手段は、有彩色の第1変換対象画像データにおける全ての画像要素の明度を下げて黒色の画素に変換して表示手段に表示する。変換対象条件設定手段は、第1座標に対応する第1変換対象画像データにおける画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を第1変換対象条件の色相範囲として設定する。色変換手段は、第1変換対象条件の色相範囲の色相を持つ第1変換対象画像データにおける画像要素に対して、当該画像要素が持つ明度を第1変換対象画像データにおける明度に戻して表示手段に表示する。
【0030】
第25の発明は、上記第1の発明において、表示制御手段は、第1変換対象画像データに基づく有彩色の画像を表示手段に表示する。変換対象条件設定手段は、第1座標に対応する第1変換対象画像データにおける画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を第1変換対象条件の色相範囲として設定する。色変換手段は、第1変換対象条件の色相範囲の色相を持つ第1変更対象画像データの画像要素に対して、当該画像要素が持つ明度を下げて表示手段に表示する。
【0031】
第26の発明は、上記第1の発明において、変換対象条件設定手段は、第1座標に対応する第1変換対象画像データの画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を第1変換対象条件の色相範囲として設定する。色変換手段は、第1変換対象条件の色相範囲の色相を持つ第1変換対象画像データの画像要素の色相を第1変換目標色相に変更する色変換処理を行って、変換後画像を表示手段に表示する。座標決定手段は、色変換手段によって変換後画像が表示手段に表示されているときに、ポインティングデバイスから得られた指示に応じて、第2座標を新たに決定する。変換対象条件設定手段は、第2座標に対応する第1変換対象画像データの画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を第2変換対象条件の色相範囲として設定する。色変換手段は、第2変換対象条件の色相範囲の色相を持つ第1変換対象画像データの画像要素の色相を第2変換目標色相に変更する色変換処理を行って、変換後画像を表示手段に表示する。なお、上記第1変換目標色相と上記第2変換目標色相とは、同じ色相であってもよいし、異なる色相であってもよい。
【0032】
第27の発明は、上記第26の発明において、色変換手段は、第1変換対象条件の色相範囲と第2変換対象条件の色相範囲とが一部または全部重複する場合、当該重複範囲内の色相を持つ画像要素に対しては、第1変換対象条件の色相範囲に対して変更された当該画像要素の色相を、当該変更された色相に基づいて第2変換目標色相に近づけて変更する。
【0033】
第28の発明は、上記第26の発明において、色変換手段は、第2座標が新たに決定された時点で表示手段に表示されている当該第2座標に対応する変換後画像の色相に基づいて、第2変換目標色相を設定する。
【0034】
第29の発明は、上記第1の発明において、色変換手段は、第1変換対象条件を満たす画像要素の色情報を変更する色変換処理とは異なる方式で、第1変換対象画像データに対して第1変換対象条件を満たさない画像要素に対する色情報を変更する色変換処理をさらに行って、変換後画像を表示手段に表示する。
【0035】
第30の発明は、所定の表示手段に対する座標入力可能なポインティングデバイスの出力と所定の撮像手段から繰り返し出力される撮像画像データとを利用可能な情報処理装置のコンピュータで実行される色変換プログラムである。色変換プログラムは、コンピュータを、表示制御手段、座標決定手段、変換対象条件設定手段、および色変換手段として機能させる。表示制御手段は、繰り返し出力される撮像画像データに基づく画像を、表示手段に順次表示する。座標決定手段は、ポインティングデバイスによる指示に応じて、第1座標を決定する。変換対象条件設定手段は、第1座標が決定されたときの表示手段への表示に用いた撮像画像データにおける当該第1座標に対応する画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第1変換対象条件を設定する。色変換手段は、繰り返し生成される撮像画像データに対して、第1変換対象条件を満たす画像要素の色情報を変更する色変換処理を順次行って、変換後画像を表示手段に順次表示する。
【0036】
第31の発明は、上記第30の発明において、座標決定手段は、色変換手段によって変換後画像が表示手段に順次表示されているときに、ポインティングデバイスから得られた指示に応じて、第2座標を新たに決定する。変換対象条件設定手段は、第2座標が決定されたときの表示手段への表示に用いた撮像画像データにおける当該第2座標に対応する画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第2変換対象条件を設定する。色変換手段は、繰り返し出力される撮像画像データに対してさらに第2変換対象条件を満たす画像要素の色情報を変更する色変換処理を順次行って、新たな変換後画像を表示手段に順次表示する。
【0037】
第32の発明は、所定の表示手段に対する座標入力可能なポインティングデバイスの出力が利用可能な色変換装置である。色変換装置は、表示制御手段、座標決定手段、変換対象条件設定手段、および色変換手段を備える。表示制御手段は、複数の画像要素ごとに色情報が設定された第1変換対象画像データに基づく画像を表示手段に表示する。座標決定手段は、ポインティングデバイスによる指示に応じて、第1座標を決定する。変換対象条件設定手段は、第1座標に対応する第1変換対象画像データにおける画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第1変換対象条件を設定する。色変換手段は、第1変換対象画像データにおいて第1変換対象条件を満たす画像要素についての色情報を変更する色変換処理を行って、変換後画像を表示手段に表示する。
【0038】
第33の発明は、所定の表示手段に対する座標入力可能なポインティングデバイスの出力と所定の撮像手段から繰り返し出力される撮像画像データとを利用可能な色変換装置である。色変換装置は、表示制御手段、座標決定手段、変換対象条件設定手段、および色変換手段を備える。表示制御手段は、繰り返し出力される撮像画像データに基づく画像を、表示手段に順次表示する。座標決定手段は、ポインティングデバイスによる指示に応じて、第1座標を決定する。変換対象条件設定手段は、第1座標が決定されたときの表示手段への表示に用いた撮像画像データにおける当該第1座標に対応する画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第1変換対象条件を設定する。色変換手段は、繰り返し生成される撮像画像データに対して、第1変換対象条件を満たす画像要素の色情報を変更する色変換処理を順次行って、変換後画像を表示手段に順次表示する。
【発明の効果】
【0039】
上記第1の発明によれば、第1変換対象画像データに基づく画像が表示手段に表示されたとき、ユーザがポインティングデバイスを用いて座標を指定する操作を一度行うだけで、ユーザが所望する当該表示画像の色変換が可能となる。
【0040】
上記第2の発明によれば、ユーザがポインティングデバイスを用いて指定した画素の色情報を基準として、ユーザが所望する当該表示画像の色変換が可能となる。
【0041】
上記第3の発明によれば、ユーザが複数の座標を入力した際、それぞれの座標に応じた色変換をそれぞれ行うことができる。
【0042】
上記第4の発明によれば、変換対象画像データが変更されても変換対象条件が固定されているため、変換対象画像データが繰り返し出力されるような場合(例えば、撮像画像がリアルタイムで繰り返し出力される場合)であっても当該画像を順次色変換して表示することができる。
【0043】
上記第5の発明によれば、ユーザが入力した座標と重なっている画像要素の色情報のみに限定して色変換した場合、変換対象画像データにおいてかなり限定された領域(極端な例では、入力した画像要素と重なっている画素のみ)が色変換されることが考えられ、ユーザが所望する色変換ができない状態となる。一方、ユーザは、入力した座標で指定した色情報のみに厳密に限定して色変換したいことは希であり、当該色情報に対してある程度幅を持った色情報を色変換の対象にすることを所望していることが一般的である。上記第5の発明によれば、ユーザが入力した座標に応じた色情報だけでなく、色相、彩度、および明度の少なくとも1つにおける所定範囲に含まれる色情報を色変換の対象とするため、当該座標と重なっている画素の色情報と微妙に異なる色情報も色変換対象にすることができ、ユーザが所望する色変換が可能となる。
【0044】
上記第6の発明によれば、ユーザが入力した座標と重なっている画像要素の色相のみに色変換対象を限定して色変換した場合、変換対象画像データにおいてかなり限定された領域(極端な例では、入力した座標と重なっている画素のみ)が色変換されることが考えられ、ユーザが所望する色変換ができない状態となる。一方、ユーザは、入力した座標で指定した色相のみに厳密に限定して色変換したいことは希であり、当該色相に対してある程度幅を持った色相を色変換の対象にすることを所望していることが一般的である。上記第6の発明によれば、ユーザが入力した座標に応じた色相だけでなく、所定範囲に含まれる色相を色変換の対象とするため、当該座標と重なっている画像要素の色相と微妙に異なる色相も色変換対象にすることができ、ユーザが所望する色変換が可能となる。
【0045】
上記第7の発明によれば、第1変換対象画像データに基づく画像が表示手段に表示されたとき、ユーザがポインティングデバイスを用いて座標を指定する操作を一度行うだけで、変換対象条件を満たす画像要素の彩度、明度、および色相の少なくとも1つを変更する色変換が可能となる。
【0046】
上記第8の発明によれば、第1変換対象画像データに基づく画像が表示手段に表示されたとき、ユーザがポインティングデバイスを用いて座標を指定する操作を一度行うだけで、変換対象条件を満たす画像要素の色相を変換目標色相に変更する色変換が可能となる。
【0047】
上記第9および第10の発明によれば、入力した座標に応じて設定された色相を中心として、当該中心に近づくほど元の色相から変換目標色相に段々近づくように設定することによって、色変換を行う際のノイズを低減することができ、自然に色が変化したような画像に変換することが可能となる。
【0048】
上記第11の発明によれば、ユーザが複数の座標を指定することによってそれぞれの座標に応じた色情報に対する色変換をそれぞれ行う際、それぞれの色変換が重複する色情報に対して行う属性パラメータの変更割合を滑らかに繋げることができ、複数の色変換が自然に行われたような画像に変換することが可能となる。
【0049】
上記第12の発明によれば、入力した座標に応じて設定された色相を中心として、当該中心に近づくほど元の色相から変換目標色相にエルミート曲線に応じて近づくように設定することによって、さらに滑らかな色変換が可能となり、色変換を行う際のノイズをさらに低減することができる。
【0050】
上記第13の発明によれば、ユーザが表示されている画像に対して異なる色相を指定する操作を行った場合、それぞれの色相を有する画像要素がそれぞれ異なる色相に近づくように変換されるような色変換が可能となる。
【0051】
上記第14の発明によれば、入力された座標に応じて設定された色相が、時間経過と共に順次色が変わっていくような画像に変換することが可能となる。
【0052】
上記第15の発明によれば、表示手段に表示された無彩色の画像に対して、ユーザが所望する色が変換対象画像(元画像)において本来表現されていた位置を指定する操作を一度行うだけで、当該無彩色画像において当該色が復元するような色変換が可能となる。
【0053】
上記第16または第17の発明によれば、入力された座標に応じて設定された色相を中心として、漸減的に彩度を下げるように設定することによって、色変換を行う際のノイズを低減することができ、上記座標に本来表現されていた色が自然に色付けされたような画像に変換することが可能となる。
【0054】
上記第18の発明によれば、入力された座標に応じて設定された色相を中心として、漸減的にエルミート曲線に応じて彩度を下げるように設定することによって、色変換を行う際のノイズをさらに低減することができる。
【0055】
上記第19の発明によれば、ユーザが複数の座標を指定した際、それぞれの座標に応じた色相に対する色変換をそれぞれ行うことができる。
【0056】
上記第20および第21の発明によれば、ユーザが複数の座標を指定することによってそれぞれの座標に応じた色相に対する色変換をそれぞれ行う際、それぞれの色変換が重複する色相に対して行う属性パラメータの変更割合を滑らかに繋げることができ、複数の色変換が自然に行われたような画像に変換することが可能となる。
【0057】
上記第22の発明によれば、撮像されたリアルタイムの画像に対する色変換処理が可能となる。
【0058】
上記第23の発明によれば、表示手段に表示された有彩色の画像に対して、ユーザが所望する色が表示されている位置を指定する操作を一度行うだけで、当該有彩色画像において指定された色が無彩色になるような色変換が可能となる。
【0059】
上記第24の発明によれば、表示手段に表示された黒で塗りつぶされた画像に対して、ユーザが所望する位置を指定する操作を一度行うだけで、ユーザが指定した位置の色彩のみが黒画像上に浮き出るような色変換が可能となる。
【0060】
上記第25の発明によれば、表示手段に表示された有彩色の画像に対して、ユーザが所望する色が表示されている位置を指定する操作を一度行うだけで、当該有彩色画像において指定された色が暗い色に変換されるような色変換が可能となる。
【0061】
上記第26の発明によれば、ユーザが表示画像に対して異なる色相を指定する操作を行った場合、それぞれの色相を有する画素が第1変換目標色相または第2変換目標色相に近づくように変換されるような色変換が可能となる。
【0062】
上記第27の発明によれば、ユーザが複数の座標を指定することによってそれぞれの入力位置に応じた色相に対する色変換をそれぞれ行う際、それぞれの色変換が重複する色相に対して行う色相変換を滑らかに繋げることができ、複数の色変換が自然に行われたような画像に変換することが可能となる。
【0063】
上記第28の発明によれば、ユーザが座標を指定する操作を繰り返すことによって、指定された色が順次異なる色に変わっていくような色変換が可能となる。
【0064】
上記第29の発明によれば、第1変換対象条件を満たさない画像要素についても、異なる色変換(例えば、変化させる色の属性が異なる色変換、または変化させる色の属性が同じでも変化させる方向が異なる色変換等)を行うことによって、表示画像に対する様々な色変換が可能となる。
【0065】
上記第30の発明によれば、変換対象画像データが繰り返し出力される撮像画像であっても、変換対象条件が固定されているため、当該撮像画像を順次色変換して表示することができる。
【0066】
上記第31の発明によれば、変換対象画像データが繰り返し出力される撮像画像であっても、ユーザが複数の座標を入力することによって、それぞれの座標に応じた色変換を順次行うことができる。
【0067】
また、本発明の色変換装置によれば、上述した色変換プログラムと同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0068】
(第1の実施形態)
図面を参照して、本発明の第1の実施形態に係る色変換プログラムを実行する色変換装置について説明する。本発明の色変換プログラムは、表示装置に表示可能な任意のコンピュータシステムで実行されることによって適用することができるが、色変換装置の一例としてゲーム装置1を用い、ゲーム装置1で実行される色変換プログラムを用いて説明する。なお、図1は、本発明の色変換プログラムを実行するゲーム装置1の外観図である。ここでは、ゲーム装置1の一例として、携帯ゲーム装置を示す。なお、ゲーム装置1は、カメラを内蔵しており、当該カメラによって画像を撮像し、撮像した画像を画面に表示したり、撮像した画像のデータを保存したりする撮像装置としても機能する。
【0069】
図1において、ゲーム装置1は、折り畳み型の携帯ゲーム装置であり、開いた状態(開状態)のゲーム装置1を示している。ゲーム装置1は、開いた状態においてもユーザが両手または片手で把持することができるようなサイズで構成される。
【0070】
ゲーム装置1は、下側ハウジング11および上側ハウジング21を有する。下側ハウジング11と上側ハウジング21とは、開閉可能(折り畳み可能)に連結されている。図1の例では、下側ハウジング11および上側ハウジング21は、それぞれ横長の長方形の板状で形成され、互いの長辺部分で回転可能に連結されている。通常、ユーザは、開状態でゲーム装置1を使用する。また、ユーザは、ゲーム装置1を使用しない場合には閉状態としてゲーム装置1を保管する。また、図1に示した例では、ゲーム装置1は、上記閉状態および開状態のみでなく、下側ハウジング11と上側ハウジング21とのなす角度が閉状態と開状態との間の任意の角度において、連結部分に発生する摩擦力などによってその開閉角度を維持することができる。つまり、上側ハウジング21を下側ハウジング11に対して任意の角度で静止させることができる。
【0071】
下側ハウジング11には、下側LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)12が設けられる。下側LCD12は横長形状であり、長辺方向が下側ハウジング11の長辺方向に一致するように配置される。なお、本実施形態では、ゲーム装置1に内蔵されている表示装置としてLCDを用いているが、例えばEL(Electro Luminescence:電界発光)を利用した表示装置等、他の任意の表示装置を利用してもよい。また、ゲーム装置1は、任意の解像度の表示装置を利用することができる。なお、詳細は後述するが、下側LCD12は、主に、内側カメラ23または外側カメラ25で撮像されている画像をリアルタイムに表示するために用いられる。
【0072】
下側ハウジング11には、入力装置として、各操作ボタン14A〜14Kおよびタッチパネル13が設けられる。図1に示されるように、各操作ボタン14A〜14Kのうち、方向入力ボタン14A、操作ボタン14B、操作ボタン14C、操作ボタン14D、操作ボタン14E、電源ボタン14F、スタートボタン14G、およびセレクトボタン14Hは、上側ハウジング21と下側ハウジング11とを折りたたんだときに内側となる、下側ハウジング11の内側主面上に設けられる。方向入力ボタン14Aは、例えば選択操作等に用いられる。各操作ボタン14B〜14Eは、例えば決定操作やキャンセル操作等に用いられる。電源ボタン14Fは、ゲーム装置1の電源をオン/オフするために用いられる。図1に示す例では、方向入力ボタン14Aおよび電源ボタン14Fは、下側ハウジング11の内側主面中央付近に設けられる下側LCD12に対して、左右一方側(図1では左側)の当該主面上に設けられる。また、操作ボタン14B〜14E、スタートボタン14G、およびセレクトボタン14Hは、下側LCD12に対して左右他方側(図1では右側)となる下側ハウジング11の内側主面上に設けられる。方向入力ボタン14A、操作ボタン14B〜14E、スタートボタン14G、およびセレクトボタン14Hは、ゲーム装置1に対する各種操作を行うために用いられる。
【0073】
なお、図1においては、操作ボタン14I〜14Kの図示を省略している。例えば、Lボタン14Iは、下側ハウジング11の上側面の左端部に設けられ、Rボタン14Jは、下側ハウジング11の上側面の右端部に設けられる。Lボタン14IおよびRボタン14Jは、ゲーム装置1に対して、例えば撮影指示操作(シャッター操作)を行うために用いられる。さらに、音量ボタン14Kは、下側ハウジング11の左側面に設けられる。音量ボタン14Kは、ゲーム装置1が備えるスピーカの音量を調整するために用いられる。
【0074】
また、ゲーム装置1は、各操作ボタン14A〜14Kとは別の入力装置として、さらにタッチパネル13を備えている。タッチパネル13は、下側LCD12の画面上を覆うように装着されている。なお、本実施形態では、タッチパネル13は、例えば抵抗膜方式のタッチパネルが用いられる。ただし、タッチパネル13は、抵抗膜方式に限らず、任意の押圧式のタッチパネルを用いることができる。また、本実施形態では、タッチパネル13として、例えば下側LCD12の解像度と同解像度(検出精度)のものを利用する。ただし、必ずしもタッチパネル13の解像度と下側LCD12の解像度とが一致している必要はない。また、下側ハウジング11の右側面には、挿入口(図1に示す破線)が設けられている。挿入口は、タッチパネル13に対する操作を行うために用いられるタッチペン27を収納することができる。なお、タッチパネル13に対する入力は、通常タッチペン27を用いて行われるが、タッチペン27に限らずユーザの指でタッチパネル13を操作することも可能である。
【0075】
また、下側ハウジング11の右側面には、メモリカード28を収納するための挿入口(図1では、二点鎖線で示している)が設けられている。この挿入口の内側には、ゲーム装置1とメモリカード28とを電気的に接続するためのコネクタ(図示せず)が設けられる。メモリカード28は、例えばSD(Secure Digital)メモリカードであり、コネクタに着脱自在に装着される。メモリカード28は、例えば、ゲーム装置1によって撮像された画像を記憶(保存)したり、他の装置で生成された画像をゲーム装置1に読み込んだりするために用いられる。
【0076】
さらに、下側ハウジング11の上側面には、メモリカード29を収納するための挿入口(図1では、一点鎖線で示している)が設けられている。この挿入口の内側にも、ゲーム装置1とメモリカード29とを電気的に接続するためのコネクタ(図示せず)が設けられる。メモリカード29は、色変換プログラムやゲームプログラム等を記録した記録媒体であり、下側ハウジング11に設けられた挿入口に着脱自在に装着される。
【0077】
下側ハウジング11と上側ハウジング21との連結部の左側部分には、3つのLED15A〜15Cが取り付けられる。ここで、ゲーム装置1は、他の機器との間で無線通信を行うことが可能であり、第1LED15Aは、無線通信が確立している場合に点灯する。第2LED15Bは、ゲーム装置1の充電中に点灯する。第3LED15Cは、ゲーム装置1の電源がオンである場合に点灯する。したがって、3つのLED15A〜15Cによって、ゲーム装置1の通信確立状況、充電状況、および、電源のオン/オフ状況をユーザに通知することができる。
【0078】
一方、上側ハウジング21には、上側LCD22が設けられる。上側LCD22は横長形状であり、長辺方向が上側ハウジング21の長辺方向に一致するように配置される。なお、下側LCD12と同様、上側LCD22に代えて、他の任意の方式および任意の解像度の表示装置を利用してもよい。なお、上側LCD22上を覆うように、タッチパネルを設けてもかまわない。例えば、上側LCD22には、ユーザに各操作ボタン14A〜14Kやタッチパネル13の役割を教えるための、操作説明画面が表示される。
【0079】
また、上側ハウジング21には、2つのカメラ(内側カメラ23および外側カメラ25)が設けられる。図1に示されるように、内側カメラ23は、上側ハウジング21の連結部付近の内側主面に取り付けられる。一方、外側カメラ25は、内側カメラ23が取り付けられる内側主面の反対側の面、すなわち、上側ハウジング21の外側主面(ゲーム装置1が閉状態となった場合に外側となる面であり、図1に示す上側ハウジング21の背面)に取り付けられる。なお、図1においては、外側カメラ25を破線で示している。これによって、内側カメラ23は、上側ハウジング21の内側主面が向く方向を撮像することが可能であり、外側カメラ25は、内側カメラ23の撮像方向の逆方向、すなわち、上側ハウジング21の外側主面が向く方向を撮像することが可能である。このように、本実施形態では、2つの内側カメラ23および外側カメラ25の撮像方向が互いに逆方向となるように設けられる。例えば、ユーザは、ゲーム装置1からユーザの方を見た景色を内側カメラ23で撮像することができるとともに、ゲーム装置1からユーザの反対側の方向を見た景色を外側カメラ25で撮像することができる。
【0080】
なお、上記連結部付近の内側主面には、音声入力装置としてマイク(図2に示すマイク43)が収納されている。そして、上記連結部付近の内側主面には、マイク43がゲーム装置1外部の音を検知できるように、マイクロフォン用孔16が形成される。マイク43を収納する位置およびマイクロフォン用孔16の位置は必ずしも上記連結部である必要はなく、例えば下側ハウジング11にマイク43を収納し、マイク43を収納位置に対応させて下側ハウジング11にマイクロフォン用孔16を設けるようにしても良い。
【0081】
また、上側ハウジング21の外側主面には、第4LED26(図1では、破線で示す)が取り付けられる。第4LED26は、内側カメラ23または外側カメラ25によって撮影が行われた(シャッターボタンが押下された)時点で点灯する。また、内側カメラ23または外側カメラ25によって動画が撮影される間点灯する。第4LED26によって、ゲーム装置1による撮影が行われた(行われている)ことを撮影対象者や周囲に通知することができる。
【0082】
また、上側ハウジング21の内側主面中央付近に設けられる上側LCD22に対して、左右両側の当該主面に音抜き孔24がそれぞれ形成される。音抜き孔24の奥の上側ハウジング21内にはスピーカが収納されている。音抜き孔24は、スピーカからの音をゲーム装置1の外部に放出するための孔である。
【0083】
以上に説明したように、上側ハウジング21には、画像を撮像するための構成である内側カメラ23および外側カメラ25と、主に操作説明画面を表示するための表示手段である上側LCD22とが設けられる。一方、下側ハウジング11には、ゲーム装置1に対する操作入力を行うための入力装置(タッチパネル13および各ボタン14A〜14K)と、撮像された画像を表示するための表示手段である下側LCD12とが設けられる。したがって、ゲーム装置1を使用する際には、ユーザは、下側LCD12に表示される撮像画像(カメラによって撮像された画像)を見ながら、下側ハウジング11を把持して入力装置に対する入力を行うことができる。
【0084】
次に、図2を参照して、ゲーム装置1の内部構成を説明する。なお、図2は、ゲーム装置1の内部構成の一例を示すブロック図である。
【0085】
図2において、ゲーム装置1は、CPU31、メインメモリ32、メモリ制御回路33、保存用データメモリ34、プリセットデータ用メモリ35、メモリカードインターフェース(メモリカードI/F)36、メモリカードI/F37、無線通信モジュール38、ローカル通信モジュール39、リアルタイムクロック(RTC)40、電源回路41、およびインターフェース回路(I/F回路)42、第1GPU(Graphics Processing Unit)45、第2GPU46、第1VRAM(Video RAM)47、第2VRAM48、およびLCDコントローラ49等の電子部品を備えている。これらの電子部品は、電子回路基板上に実装されて、下側ハウジング11(または上側ハウジング21でもよい)内に収納される。
【0086】
CPU31は、所定のプログラムを実行するための情報処理手段である。本実施形態では、所定のプログラムがゲーム装置1内のメモリ(例えば保存用データメモリ34)やメモリカード28および/または29に記憶されており、CPU31は、当該所定のプログラムを実行することによって、後述する色変換処理を実行する。なお、CPU31によって実行されるプログラムは、ゲーム装置1内のメモリに予め記憶されていてもよいし、メモリカード28および/または29から取得されてもよいし、他の機器との通信によって他の機器から取得されてもよい。
【0087】
CPU31には、メインメモリ32、メモリ制御回路33、およびプリセットデータ用メモリ35が接続される。また、メモリ制御回路33には、保存用データメモリ34が接続される。メインメモリ32は、CPU31のワーク領域やバッファ領域として用いられる記憶手段である。すなわち、メインメモリ32は、上記色変換処理に用いられる各種データを記憶したり、外部(メモリカード28および29や他の機器等)から取得されるプログラムを記憶したりする。本実施形態では、メインメモリ32として、例えばPSRAM(Pseudo−SRAM)を用いる。保存用データメモリ34は、CPU31によって実行されるプログラムや内側カメラ23および外側カメラ25によって撮像された画像のデータ等を記憶するための記憶手段である。保存用データメモリ34は、不揮発性の記憶媒体によって構成されており、例えば本実施例ではNAND型フラッシュメモリで構成される。メモリ制御回路33は、CPU31の指示に従って、保存用データメモリ34に対するデータの読み出しおよび書き込みを制御する回路である。プリセットデータ用メモリ35は、ゲーム装置1において予め設定される各種パラメータ等のデータ(プリセットデータ)を記憶するための記憶手段である。プリセットデータ用メモリ35としては、SPI(Serial Peripheral Interface)バスによってCPU31と接続されるフラッシュメモリを用いることができる。
【0088】
メモリカードI/F36および37は、それぞれCPU31に接続される。メモリカードI/F36は、コネクタに装着されたメモリカード28に対するデータの読み出しおよび書き込みを、CPU31の指示に応じて行う。また、メモリカードI/F37は、コネクタに装着されたメモリカード29に対するデータの読み出しおよび書き込みを、CPU31の指示に応じて行う。本実施形態では、内側カメラ23および外側カメラ25によって撮像された画像データや他の装置から受信された画像データがメモリカード28に書き込まれたり、メモリカード28に記憶された画像データがメモリカード28から読み出されて保存用データメモリ34に記憶されたり、他の装置へ送信されたりする。また、メモリカード29に記憶された各種プログラムが、CPU31によって読み出されて実行されたりする。
【0089】
なお、本発明の色変換プログラムは、メモリカード29等の外部記憶媒体を通じてコンピュータシステムに供給されるだけでなく、有線または無線の通信回線を通じてコンピュータシステムに供給されてもよい。また、色変換プログラムは、コンピュータシステム内部の不揮発性記憶装置に予め記録されていてもよい。なお、色変換プログラムを記憶する情報記憶媒体としては、上記不揮発性記憶装置に限らず、CD−ROM、DVD、あるいはそれらに類する光学式ディスク状記憶媒体でもよい。
【0090】
無線通信モジュール38は、例えばIEEE802.11.b/gの規格に準拠した方式により、無線LANに接続する機能を有する。また、ローカル通信モジュール39は、所定の通信方式により同種のゲーム装置との間で無線通信を行う機能を有する。無線通信モジュール38およびローカル通信モジュール39は、CPU31に接続される。CPU31は、無線通信モジュール38を用いてインターネットを介して他の機器との間でデータを送受信したり、ローカル通信モジュール39を用いて同種の他のゲーム装置との間でデータを送受信したりすることができる。
【0091】
また、CPU31には、RTC40および電源回路41が接続される。RTC40は、時間をカウントしてCPU31に出力する。例えば、CPU31は、RTC40によって計時された時間に基づいて、現在時刻(日付)等を計算することもできる。電源回路41は、ゲーム装置1が有する電源(典型的には電池であり、下側ハウジング11に収納される)から供給される電力を制御し、ゲーム装置1の各部品に電力を供給する。
【0092】
また、ゲーム装置1は、マイク43およびアンプ44を備えている。マイク43およびアンプ44は、それぞれI/F回路42に接続される。マイク43は、ゲーム装置1に向かって発声されたユーザの音声を検知して、当該音声を示す音声信号をI/F回路42に出力する。アンプ44は、I/F回路42から音声信号を増幅してスピーカ(図示せず)から出力させる。I/F回路42は、CPU31に接続される。
【0093】
また、タッチパネル13は、I/F回路42に接続される。I/F回路42は、マイク43およびアンプ44(スピーカ)の制御を行う音声制御回路と、タッチパネル13の制御を行うタッチパネル制御回路とを含む。音声制御回路は、音声信号に対するA/D変換およびD/A変換を行ったり、音声信号を所定の形式の音声データに変換したりする。タッチパネル制御回路は、タッチパネル13からの信号に基づいて所定の形式のタッチ位置データを生成してCPU31に出力する。例えば、タッチ位置データは、タッチパネル13の入力面に対して入力が行われた位置の座標を示すデータである。なお、タッチパネル制御回路は、タッチパネル13からの信号の読み込み、および、タッチ位置データの生成を所定時間に1回の割合で行う。CPU31は、I/F回路42を介して、タッチ位置データを取得することにより、タッチパネル13に対して入力が行われた位置を知ることができる。
【0094】
操作ボタン14は、上記各操作ボタン14A〜14Kから構成され、CPU31に接続される。操作ボタン14からCPU31へは、各操作ボタン14A〜14Kに対する入力状況(押下されたか否か)を示す操作データが出力される。CPU31は、操作ボタン14から操作データを取得することによって、操作ボタン14に対する入力に応じた処理を実行する。
【0095】
内側カメラ23および外側カメラ25は、それぞれCPU31に接続される。内側カメラ23および外側カメラ25は、CPU31の指示に応じて画像を撮像し、撮像した画像データをCPU31に出力する。本実施形態では、CPU31は、内側カメラ23および外側カメラ25のいずれか一方に対して撮像指示を行い、撮像指示を受けたカメラが画像を撮像して画像データをCPU31に送る。
【0096】
第1GPU45には、第1VRAM47が接続され、第2GPU46には、第2VRAM48が接続される。第1GPU45は、CPU31からの指示に応じて、メインメモリ32に記憶されている表示画像を生成するためのデータに基づいて第1の表示画像を生成し、第1VRAM47に描画する。第2GPU46は、同様にCPU31からの指示に応じて第2の表示画像を生成し、第2VRAM48に描画する。第1VRAM47および第2VRAM48は、LCDコントローラ49に接続されている。
【0097】
LCDコントローラ49は、レジスタ491を含む。レジスタ491は、CPU31からの指示に応じて0または1の値を記憶する。LCDコントローラ49は、レジスタ491の値が0の場合は、第1VRAM47に描画された第1の表示画像を下側LCD12に出力し、第2VRAM48に描画された第2の表示画像を上側LCD22に出力する。また、レジスタ491の値が1の場合は、第1VRAM47に描画された第1の表示画像を上側LCD22に出力し、第2VRAM48に描画された第2の表示画像を下側LCD12に出力する。本実施形態では、CPU31は、内側カメラ23および外側カメラ25のいずれかから取得した画像を、下側LCD12に表示させ、所定の処理によって生成した操作説明画面を上側LCD22に表示させる。
【0098】
例えば、上側LCD22には上記操作説明画面として、撮影指示ボタン説明画像、カメラ切替ボタン説明画像、ズーム指示ボタン説明画像、および表示画像選択ボタン説明画像等が表示される。撮影指示ボタン説明画像は、撮影指示を行うための操作ボタン14の位置を示す画像である。カメラ切替ボタン説明画像は、カメラ切替指示を行うための操作ボタン14の位置を示す画像である。ここで、カメラ切替指示とは、内側カメラ23および外側カメラ25のうちで、撮像を行うカメラを切り替える指示である。ズーム指示ボタン説明画像は、ズーム変更指示を行うための操作ボタン14の位置を示す画像である。ここで、ズーム変更指示は、下側LCD12に表示される撮像画像を拡大/縮小する指示である。表示画像選択ボタン説明画像は、表示変更指示を行うための操作ボタン14の位置を示す画像である。ここで、表示画像選択指示とは、下側LCD12にゲーム装置1に保存されている保存画像を表示する場合に、下側LCD12に表示する保存画像を選択する指示である。
【0099】
次に、図3〜図7を参照して、ゲーム装置1で実行される色変換プログラムによる具体的な処理動作を説明する前に、当該処理動作によって下側LCD12および/または上側LCD22に表示される表示形態例等について説明する。なお、図3は、下側LCD12に表示されて色変換される画面表示例を示す図である。図4は、上記色変換プログラムで用いる色相環の一例を示す図である。図5は、タッチ位置TPに対して変換対象として決定される色相範囲の一例と、当該変換対象に対して彩度を変化させる一例とを示す図である。図6は、下側LCD12に表示されて色変換される他の画面表示例を示す図である。図7は、複数のタッチ位置TP1およびTP2に対してそれぞれ変換対象として決定される色相範囲の一例と、当該変換対象に対して彩度を変化させる一例とを示す図である。
【0100】
図3において、ゲーム装置1の下側LCD12には、内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの画像(撮像画像)が表示される。本実施形態においては、上記撮像画像は後述する色変換処理をする前の元画像となり有彩色の画像であるが、当該撮像画像をモノクロ(すなわち、当該撮像画像の全ての画素の彩度を0にした無彩色)にした表示画像を、下側LCD12に一旦表示する(図3の上段図)。そして、タッチパネル13にタッチ操作されたタッチ位置に対応する撮像画像の画素(すなわち、表示されている画像ではなく元画像の画素)が有する色相に応じて、上記表示画像の彩度を変化させて色変換後の画像を下側LCD12に表示する(図3下段図)。
【0101】
図3の上段図は、有彩色の画像である上記撮像画像(元画像)における各画素の彩度を0にしたモノクロ画像が、下側LCD12に表示された例である。本実施例では、下側LCD12に表示されたモノクロ画像における任意の位置がタッチ操作されることによって、当該位置に対応する撮像画像の色相と同様の色相付近の色を有する画素のみに色付けして下側LCD12に表示する。例えば、図3の上段図では、下側LCD12に表示されたモノクロ画像において、ユーザが元画像において本来緑色に撮像されている位置をタッチ操作している。このタッチ操作に応じて、図3の下段図では、上記モノクロ画像において本来緑色に撮像されている部分(図3の下段図では、樹木の葉の部分)のみが本来撮像されていた緑色に色付けされた表示画像が、下側LCD12に表示された様子を示している。
【0102】
具体的には、ユーザが下側LCD12に表示されたモノクロ画像をタッチ操作すると、当該モノクロ画像を生成した撮像画像(元画像)において当該タッチ操作された位置に対応する画素の色(例えば、RGB値)が検出される。つまり、下側LCD12に表示されている表示画像のRGB値ではなく、色変換される前の元画像(撮像画像)の色を取得していることになる。次に、検出された画素の色に対応する色相を算出し、当該色相を中心とする所定の範囲を色変換対象に設定する。そして、色変換対象となった色相に対する彩度を0より大きな値に変化させる。これによって、色変換対象となった色相を有する画素が無彩色から本来撮像されていた有彩色に変化することになり、ユーザがタッチ操作した位置の色が本来撮像されていた色に自然に色付けされたような色変換後の画像が下側LCD12に表示される。
【0103】
検出された画素の色に対応する色相や当該色相を中心とする所定の範囲を設定する際に、例えば、図4に示すような色相環が用いられる。図4は、マンセル色相環を用いた例を示している。マンセル色相環は、5色の基本色(赤、黄、緑、青、紫)とそれらの中間色(黄赤、黄緑、青緑、青紫、赤紫)との計10色で分割し、それらの色の間もさらに分割して円形に並べている。例えば、本実施形態では、検出された画素の色に対応する色相(例えば、緑)に対して、マンセル色相環において当該色相を中心とする所定の角度範囲(例えば、前後50°)を色変換対象に設定する。
【0104】
なお、マンセル色相環は、その色相分割間隔が等歩度であるために、選択された色相がどの色であっても当該色相を中心とする範囲設定が容易となるが、このような効果を期待しない場合は他の色相環を用いてもかまわない。例えば、PCCS(日本色研配色体系:Practical Color Co−ordinate System)、オストワルト、NCS(ナチュラル・カラー・システム)、XYZ等の他の表色系システムを用いてもかまわない。本発明においては、色彩を表現するための属性として少なくとも色相を用いる様々な表色系システムを用いることができる。
【0105】
次に、図5を参照して、設定された色変換対象に対して彩度を変化させる一例を説明する。図5では、上述したマンセル色相環を用いて設定される色変換対象の一例と、当該色変換対象に対して彩度を変化させる一例を示している。
【0106】
例えば、ユーザのタッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相が、緑であるとする。この場合、色変換範囲は、色相「緑」を中心としてマンセル色相環における前後50°(すなわち、合計100°の範囲)に設定される。そして、設定された色変換範囲は、彩度を元に戻す割合(以下、彩度再現率と記載することがある)を100%にする範囲と、100〜0%の彩度に漸減的に彩度再現率を変化させる範囲とに区分されている。ここで、彩度再現率は、モノクロの表示画像の元画像(すなわち、有彩色の撮像画像)が有する彩度に対する割合であり、当該元画像の彩度より高い彩度が設定されることはない。すなわち、色変換における100%の彩度再現率とは、モノクロの表示画像において0に設定されていた当該色変換対象の画素の彩度の値を、当該画素の元画像における彩度の値にして表示するということである。また、色変換における彩度再現率50%の彩度に変化させるとは、当該色変換対象の画素の彩度の値を、当該画素の元画像における彩度の値の半分(50%)の値にして表示するということである。例えば、タッチ位置TPに対応する色相が「緑」であるとき、当該色相を中心としてマンセル色相環における前後5°(すなわち、合計10°の範囲)が、100%の彩度再現率となる範囲に設定される。また、タッチ位置TPに対応する色相が「緑」であるとき、当該色相を中心としてマンセル色相環における前後5°〜50°が、それぞれ100〜0%まで漸減的に変化する彩度再現率となる範囲に設定される。つまり、タッチ位置TPに対応して検出された色相の前後5°に対する彩度を100%の彩度再現率とし、そこから色相が離れるにしたがって彩度再現率が徐々に下がるように設定される。具体的には、図5に示すように、選択された色相を基準として、マンセル色相環における5°離れた色相から50°離れた色相まで、直線的に彩度が100%から0%まで彩度再現率が変化するようにそれぞれ設定される。
【0107】
このように、彩度を漸減的に下げることによって、本来の撮像で得られていた色がモノクロ画像に自然に付いたように表現することができる。また、ユーザは、下側LCD12に表示された表示画像に対して1点のみタッチ操作するだけで、所望の色に色付けされた画像を容易に生成することができる。また、タッチ操作に応じて選択された色相を中心として、段階的に彩度を下げるように設定することによって、色変換を行う際のノイズを低減することができ、タッチ操作した位置の色が自然に色付けされたような画像に変換することが可能となる。
【0108】
図6および図7を参照して、ユーザが下側LCD12に表示されたモノクロ画像に対して、複数の位置をタッチ操作した場合の一例について説明する。
【0109】
図6の上段図は、有彩色の画像である上記撮像画像における各画素の彩度を0にしたモノクロ画像が、下側LCD12に表示された他の例である。なお、図6の上段図の例は、様々な色のカラーボールが撮像され、当該撮像された画像のモノクロ画像が下側LCD12に表示された例を示している。例えば、図6の上段図では、下側LCD12に表示されたモノクロ画像において、ユーザが本来緑色で撮像されていたカラーボールをタッチ操作している。このタッチ操作に応じて、図6の中段図では、上記モノクロ画像において本来緑色で撮像されている部分(図6の中段図では、緑のカラーボールであり、斜線領域で示す)のみが本来撮像されていた緑色に色付けされた色変換後の画像が、下側LCD12に表示された様子を示している。
【0110】
さらに、図6の下段図では、下側LCD12に表示されたモノクロ画像に本来の撮像で得られた緑色付近の色相を有する画素のみが色付けされた表示画像において、ユーザが本来青色で撮像されているカラーボールをさらにタッチ操作している。このタッチ操作に応じて、図6の下段図では、上記モノクロ画像において本来緑色で撮像されている部分に加えて、さらに青色で撮像されている部分(図6の下段図では、青のカラーボールであり、塗りつぶし領域で示す)が本来撮像されていた青色に色付けされた表示画像が、下側LCD12に表示された様子を示している。したがって、ユーザが下側LCD12に表示されたモノクロ画像に対して、複数の位置をタッチ操作した場合、それぞれのタッチ位置に対応する撮像画像の色相と同様の色相付近の色(図6の例では、緑と青)を有する画素が色付けされて、色変換後の画像が下側LCD12に表示される。このように、ユーザは、下側LCD12に表示された表示画像に対して複数点タッチ操作するだけで、タッチ操作に応じた複数の色に色付けされた画像を容易に生成することができる。
【0111】
具体的には、図7に示すように、ユーザの第1回目のタッチ位置TP1に対応する画素における撮像画像の色相が、緑であるとする。この場合、第1回目の色変換範囲は、上述した図5と同様に色相「緑」を中心としてマンセル色相環における前後50°に設定される。また、第1回目の色変換範囲に対する彩度再現率も、図5で説明した一例と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0112】
次に、ユーザの第2回目のタッチ位置TP2に対応する画素における撮像画像の色相が、青であるとする。この場合、第2回目の色変換範囲は、第1回目の色変換範囲と同様に色相「青」を中心としてマンセル色相環における前後50°に設定される。そして、設定された第2回目の色変換範囲も、彩度再現率100%で彩度を変化させる範囲と、彩度再現率100〜0%で彩度を漸減的に変化させる範囲とに区分される。つまり、タッチ位置TP2に対応する色相が「青」であるとき、当該色相を中心としてマンセル色相環における前後5°が、彩度再現率100%で彩度を変化させる範囲に設定され、前後5°〜50°が、それぞれ彩度再現率100〜0%で漸減的に彩度を変化させる範囲に設定される。
【0113】
ここで、図7に示すように、マンセル色相環における「赤」を円形角度位置0°とした場合、「緑」が円形角度位置144°となり、「青」が円形角度位置216°となる。つまり、図7に示すように、色相「緑」に対して設定される第1回目の色変換範囲と色相「青」に対して設定される第2回目の色変換範囲とが、一部重複することになる。この場合、色変換範囲が重複する範囲については、それぞれの色変換範囲に対して設定される彩度再現率が高い方を選択する(図7参照)。このように、複数の色変換範囲にそれぞれ設定される彩度再現率を合成することによって、複数の色変換範囲の間の範囲における彩度再現率が滑らかに繋がるため、違和感のない色変換処理が可能となる。
【0114】
次に、図8および図9を参照して、ゲーム装置1で実行される色変換プログラムによる具体的な処理動作について説明する。なお、図8は、色変換プログラムを実行することに応じて、メインメモリ32に記憶される各種データの一例を示す図である。図9は、当該色変換プログラムを実行することによってゲーム装置1が色変換処理を行うフローチャートである。なお、これらの処理を実行するためのプログラムは、メモリカード28やメモリカード29に格納されたプログラムに含まれており、ゲーム装置1の電源がオンになったときに、メモリカードI/F36を介してメモリカード28やメモリカードI/F37を介してメモリカード29からメインメモリ32に読み出されて、CPU31によって実行される。
【0115】
図8において、メインメモリ32には、メモリカード28やメモリカード29から読み出されたプログラムや色変換処理において生成される一時的なデータが記憶される。図8において、メインメモリ32のデータ記憶領域には、タッチ座標データDa、撮像画像データDb、撮像画像RGBデータDc、タッチ位置RGBデータDd、変換対象色相データDe、変換テーブルデータDf、および表示画像データDg等が格納される。
【0116】
タッチ座標データDaは、タッチパネル13をプレイヤがタッチしている画面座標系のタッチ位置TPを示すタッチ座標のデータが格納される。例えば、タッチ座標は、ゲーム装置1がゲーム処理する時間単位(例えば、1/60秒)毎に取得され、当該取得に応じてタッチ座標データDaに格納されて更新される。
【0117】
撮像画像データDbは、内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの画像のデータが格納される。例えば、撮像画像は、内側カメラ23または外側カメラ25が所定の時間単位(例えば、1/60秒)毎に撮像され、当該撮像に応じて撮像画像データDbに格納されて更新される。撮像画像RGBデータDcは、内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像された撮像画像における画素毎のRGB値を示すデータが格納される。
【0118】
タッチ位置RGBデータDdは、タッチ位置TPに対応する撮像画像における画素のRGB値を示すデータが格納される。例えば、タッチパネル13に対してタッチオンしたタッチ位置TPに応じて、下側LCD12に表示された表示画像に指定される指示位置(例えば、タッチ位置TPを表示画像に透視投影した位置)が算出される。そして、算出された指示位置に対応する撮像画像の画素を抽出し、当該画素のRGB値を示すデータがタッチ位置RGBデータDdに格納される。
【0119】
変換対象色相データDeは、上述した色変換範囲を示すデータが格納される。例えば、タッチ位置RGBデータDdに格納されたタッチ位置TPのRGB値に相当する色相が算出され、当該色相を中心とした所定範囲(色変換範囲)を示すデータが変換対象色相データDeに格納される。
【0120】
変換テーブルデータDfは、内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像された撮像画像を下側LCD12に表示する表示画像に変換する際に用いられる変換テーブルを示すデータが格納される。例えば、変換テーブルは、RGB値に対応して下側LCD12に表示する色彩を示すデータが格納される。具体的には、変換テーブルには各RGB値に対応する色相、明度、および彩度がそれぞれ記述されており、撮像画像の各画素のRGB値が当該変換テーブルに記述された色彩にそれぞれ変換されて画像が生成される。表示画像データDgは、変換テーブルを用いて変換された変換後の画像を示すデータが格納される。
【0121】
次に、図9を参照して、ゲーム装置1の動作について説明する。まず、ゲーム装置1の電源(電源ボタン14F)がONされると、CPU31によってブートプログラム(図示せず)が実行され、これによりメモリカード28や29に格納されている色変換プログラムがメインメモリ32にロードされる。そして、当該ロードされた色変換プログラムがCPU31で実行されることによって、図9に示すステップ(図9では「S」と略称する)が実行される。また、図9に示されるステップ51〜ステップ58の処理ループは、所定時間(例えば1/60秒)に1回の割合で実行される。
【0122】
図9において、CPU31は、色変換処理の初期設定を行って(ステップ50)、処理を次のステップに進める。例えば、CPU31がステップ50で行う初期設定として、メインメモリ32に格納されている各パラメータを所定の数値に初期化する。例えば、変換テーブルデータDfに格納されている変換テーブルは、RGB値に対して全て彩度が0となった色彩に変換(すなわち、全て無彩色に変換)されるようなテーブルに初期化される。
【0123】
次に、CPU31は、内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの撮像画像データを取得し(ステップ51)、次のステップに処理を進める。例えば、上記ステップ51では、内側カメラ23および外側カメラ25のいずれか一方のカメラにおいてのみ有彩色の画像がリアルタイムに撮像され、撮像された撮像画像の画素毎のRGB値を示すデータ等を用いて撮像画像データDbおよび撮像画像RGBデータDcが更新される。以降の処理においては、上記ステップ51で取得した撮像画像が、色変換処理の元画像として用いられる。
【0124】
次に、CPU31は、変換テーブルを用いて撮像画像(元画像)の各画素の色彩を変換して、変換後の画像を下側LCD12に表示し(ステップ52)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU31は、撮像画像RGBデータDcに格納されている撮像画像の各画素のRGB値を、変換テーブルデータDfに格納されている変換テーブルを用いて色彩に変換して変換後の画像を生成し、当該変換後の画像を用いて表示画像データDgを更新する。そして、CPU31は、表示画像データDgに格納された変換後の画像を、下側LCD12に表示する。より具体的には、GPU(例えば、第1GPU45)は、CPU31からの指示に応じて、表示画像データDgに格納された変換後の画像データに基づいて表示画像を生成し、VRAM(例えば、第1VRAM47)に描画する。そして、LCDコントローラ49がVRAM(例えば、第1VRAM47)に描画された表示画像を下側LCD12に出力することによって、当該表示画像が下側LCD12に表示される。例えば、変換テーブルデータDfに格納されている変換テーブルが初期設定状態(すなわち、各RGB値に対して全て彩度が0となった色彩に変換する設定状態)である場合、有彩色の撮像画像が無彩色(モノクロ)の画像に変換されて、変換後の画像が下側LCD12に表示される。
【0125】
なお、上述した表示制御処理においては、下側LCD12に表示するために生成された変換後の画像を示すデータをメインメモリ32(表示画像データDg)に一旦格納しているが、当該生成された変換後の画像をVRAM(例えば、第1VRAM47)に直接描画してもかまわない。この場合、CPU31は、GPU(例えば、第1GPU45)を制御して、撮像画像RGBデータDcに格納されている撮像画像の各画素のRGB値を、変換テーブルデータDfに格納されている変換テーブルを用いて色彩に変換して変換後の画像を生成させ、当該変換後の画像をVRAM(例えば、第1VRAM47)に描画することになる。
【0126】
次に、CPU31は、タッチパネル13からタッチ入力があるか否かを判断する(ステップ53)。そして、CPU31は、タッチ入力がある場合、次のステップ54に処理を進める。一方、CPU31は、タッチ入力がない場合、ステップ58に処理を進める。
【0127】
ステップ54において、CPU31は、タッチパネル13をタッチしている画面座標系のタッチ位置TPを示すタッチ座標を取得して、処理を次のステップに進める。例えば、CPU31は、取得したタッチ座標を用いて、タッチ座標データDaに記憶されたタッチ座標を更新する。
【0128】
次に、CPU31は、上記ステップ54で取得したタッチ位置TPに対応する撮像画像(元画像)のRGB値を取得し(ステップ55)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU31は、タッチ位置TPに応じて、下側LCD12に表示された表示画像に指定される指示位置(例えば、タッチ位置TPを表示画像に透視投影した位置)を算出する。そして、CPU31は、撮像画像RGBデータDcを参照して、算出された指示位置に対応する撮像画像の画素を抽出し、当該画素のRGB値を示すデータを用いてタッチ位置RGBデータDdを更新する。ここで、上記ステップ55において、CPU31は、撮像画像のRGB値を取得している。すなわち、CPU31は、下側LCD12に表示されている表示画像のRGB値ではなく、色変換される前の元画像(撮像画像)のRGB値を取得していることになる。
【0129】
次に、CPU31は、上記ステップ55で取得したRGB値に基づいて、変換対象範囲を算出し(ステップ56)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU31は、上記ステップ55で取得したRGB値を色相に変換して、マンセル色相環(図4参照)において当該色相を中心とした所定の円形角度範囲を、変換対象範囲に算出する(図5、図7参照)。そして、CPU31は、算出された変換対象範囲を用いて、変換対象色相データDeを更新する。
【0130】
次に、CPU31は、上記ステップ56で算出された変換対象範囲に対して、変換テーブルの彩度を変更して(ステップ57)、次のステップに処理を進める。例えば、CPU31は、上記変換対象範囲の中央となる色相を中心として前後5°を100%の彩度に変更する範囲に設定し、当該色相の前後5°〜50°をそれぞれ彩度再現率100〜0%で漸減的に彩度が変化する範囲に設定する(図5参照)。そして、CPU31は、上記変換対象範囲の色相が記述されている変換テーブルの範囲を彩度変更の対象として、記述されている色相に応じた上記彩度再現率で、変換テーブルに記述された色彩の彩度を変更して、変換テーブルデータDfを更新する。
【0131】
なお、異なる色相を対象として上記ステップ57が複数回実行された場合、前回の彩度変更を有効にした状態で新たに変換対象となる色相毎の彩度変更が変換テーブルにさらに書き加えられていくことになり、彩度が0以外に設定された変換テーブルの領域が処理毎に増えていくことになる。また、CPU31は、変更対象の色相が、既に色彩の彩度が0以外(すなわち、有彩色)に設定されている色相と重複した場合、彩度再現率が高い方を選択して当該選択された彩度再現率を用いて当該重複した色相の彩度を変更する(図7参照)。このように、上記ステップ57の処理によって、タッチ操作された色相を中心とした所定の範囲が、0より大きい彩度となった有彩色に変更された変換テーブルに更新されていく。そして、変換テーブル更新後に上記ステップ52を実行することによって、タッチ操作された色相を中心とした所定の範囲の色相が色付けされた変換後の画像が、下側LCD12に表示されることになる。
【0132】
次に、CPU31は、色変換処理を終了するか否かを判断する(ステップ58)。色変換処理を終了する条件としては、例えば、色変換処理が終了する条件が満たされたことや、ユーザが色変換処理を終了する操作を行ったこと等がある。CPU31は、色変換処理を終了しない場合に上記ステップ51に戻って処理を繰り返し、色変換処理を終了する場合に当該フローチャートによる処理を終了する。
【0133】
このように、本実施形態に係るゲーム装置1は、下側LCD12に表示された画像に対して、ユーザが所望する色が本来撮像されていた位置を1回タッチ操作するだけで、ユーザが所望する色変換ができる。また、タッチ操作した位置と重なっている画素の色相のみに色変換対象を限定して色変換した場合、表示画像においてかなり限定された領域(極端な例では、タッチ位置と重なっている画素のみ)が色変換されることが考えられ、ユーザが所望する色変換ができない状態となる。一方、ユーザは、タッチ操作した色相のみに厳密に限定して色変換したいことは希であり、当該色相に対してある程度幅を持った色相を色変換の対象にすることを所望していることが一般的である。本実施形態に係るゲーム装置1は、タッチ操作に応じた色相だけでなく、当該色相を中心とした所定範囲の色相を色変換の対象となる範囲に設定している。したがって、所定範囲の色相を色変換対象にすることによって、当該タッチ位置と重なっている画素の色相から少し離れた色相も色変換対象にすることができ、ユーザが所望する色変換が可能となる。
【0134】
なお、上述した説明では、図5に示すように、タッチ位置TPに応じて選択された色相を基準として、マンセル色相環における5°離れた色相から50°離れた色相まで、直線的な比率で彩度が100%から0%まで減衰するようにそれぞれ設定したが、当該範囲を他の減衰方式で100%から0%まで減衰してもかまわない。例えば、タッチ位置TPに応じて選択された色相を基準として、マンセル色相環における5°離れた色相から50°離れた色相まで、2次関数曲線、3次関数曲線、サイン(sin)曲線、コサイン(cos)曲線、スプライン補間等を用いて、曲線的な比率で彩度が100%から0%まで減衰するように設定してもかまわない。このように、タッチ操作に応じて選択された色相を中心として、直線的または曲線的に彩度が漸減するように設定することによって、色変換を行う際のノイズを低減することができ、タッチ操作した位置の色が自然に色付けされたような画像に変換することが可能となる。
【0135】
また、図7を用いて説明したように、色変換範囲が重複する範囲については、それぞれの色変換範囲に対して設定される彩度再現率が高い方を選択して、それぞれの彩度再現率を合成したが、他の方式で彩度再現率を合成してもかまわない。例えば、複数の色変換範囲の円形角度距離(例えば、図7の例では、色相「緑」から「青」までの角度72°)に応じて、重複範囲における彩度再現率を曲線的に滑らかに繋いでもかまわない。例えば、上記重複範囲の中心が極小となった曲線状に彩度再現率が変化するように繋いで、彩度再現率を合成する。このように、複数の色変換範囲にそれぞれ設定される彩度再現率を曲線的に補完して合成しても、複数の色変換範囲の間の範囲における彩度再現率を滑らかに繋げることによって、違和感のない色変換処理が可能となる。
【0136】
また、上述した色変換動作では、撮像画像(元画像)に対する色変換対象条件を設定する際に用いられる画像要素および色情報の一例として、指示位置に対応する撮像画像の画素(画像要素)を用いてタッチ位置TPに対応するRGB値(色情報)が取得されるが、当該画像要素は複数画素を1組とした画像でもかまわない。例えば、撮像画像における指示位置周辺の複数画素を画像要素としてタッチ位置TPに対応するRGB値を取得してもかまわない。具体的には、ユーザがタッチパネル13をタッチ操作したタッチ位置TPに応じて、下側LCD12に表示された表示画像に指定される指示位置(例えば、タッチ位置TPを表示画像に透視投影した位置)を算出する。そして、撮像画像RGBデータDcを参照して、算出された指示位置から所定距離以内の撮像画像の画素を抽出し、それら画素のRGB値を示すデータを用いてそれら画素の代表的なRGB値を算出する。ここで、代表的なRGB値とは、上記指示位置から所定距離以内の撮像画像の画素において、メインとなっている色彩を示すRGB値である。一例として、上記指示位置から所定距離以内の撮像画像の画素にそれぞれ設定されているRGB値の中で、最も多い頻度で設定されているRGB値を、上記代表的なRGB値とする。他の例として、上記指示位置から所定距離以内の撮像画像の画素にそれぞれ設定されているRGB値を平均したRGB値を、上記代表的なRGB値とする。このように、代表的なRGB値をタッチ位置TPに対応するRGB値として取得することによって、指示位置の撮像画像の画素に生じているノイズの影響等を除去することができ、ユーザ所望の色を色変換対象に設定することができる。
【0137】
また、上述した説明では、下側LCD12に表示された画像に対するユーザのタッチ操作に応じた色相を中心とした所定範囲の色相を色変換の対象となる範囲に設定し、当該範囲の色相を持つ画素について彩度を上げる色変換処理の例を用いたが、当該画素に対して他の色変換処理を行ってもかまわない。
【0138】
第1の例として、上記色変換の対象となる範囲の色相を持つ画素について、彩度を下げる色変換処理を行う。この場合、下側LCD12に内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの有彩色画像(典型的には、撮像画像そのままの表示画像であり、いわゆるライブ画像)を表示し、当該有彩色画像(元画像)に対するユーザのタッチ操作に応じた色相を中心とした所定範囲の色相を色変換の対象となる範囲に設定する。そして、上記範囲の色相を持つ画素について彩度を下げる色変換処理を行うことによって、ユーザが選択した色彩のみがモノクロに変換された変換後の画像が下側LCD12に表示されることになる。
【0139】
第2の例として、上記色変換の対象となる範囲の色相を持つ画素について、明度を上げる色変換処理を行う。この場合、下側LCD12に内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの撮像画像(元画像)の各画素を全て最も暗い明度=0にした表示画像(つまり、一面が黒で塗りつぶされた黒画像)を表示する。そして、下側LCD12に表示された黒画像に対するユーザのタッチ操作に応じた撮像画像(元画像)の色相を抽出して、当該色相を中心とした所定範囲の色相を色変換の対象となる範囲に設定する。次に、上記範囲の色相を持つ画素について明度を上げて明るくする色変換処理を行うことによって、ユーザが選択した色彩のみが黒画像上に浮き出たような変換後の画像が下側LCD12に表示されることになる。
【0140】
第3の例として、上記色変換の対象となる範囲の色相を持つ画素について、明度を下げる色変換処理を行う。この場合、下側LCD12に内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの有彩色画像(典型的には、撮像画像そのままの表示画像であり、いわゆるライブ画像)を表示し、当該有彩色画像(元画像)に対するユーザのタッチ操作に応じた色相を中心とした所定範囲の色相を色変換の対象となる範囲に設定する。そして、上記範囲の色相を持つ画素について明度を下げる色変換処理を行うことによって、ユーザが選択した色彩のみが暗い色に変換された変換後の画像が下側LCD12に表示されることになる。
【0141】
第4の例として、上記色変換の対象となる範囲の色相を持つ画素について、色相を順次変更する色変換処理を行う。この場合、下側LCD12に内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの有彩色画像(典型的には、撮像画像そのままの表示画像であり、いわゆるライブ画像)を表示し、当該有彩色画像(元画像)に対するユーザのタッチ操作に応じた色相を中心とした所定範囲の色相を色変換の対象となる範囲に設定する。そして、上記範囲の色相を持つ画素について色相を、時間経過に応じて順次変更する。このように、色相を順次変更する色変換処理を行うことによって、ユーザが選択した色彩のみが徐々に変化していく変換後の画像が下側LCD12に表示されることになる。
【0142】
例えば、図10に示すようなフローチャートの色変換処理をゲーム装置1が行うことによって、上記第4の例における色変換処理が可能となる。図10において、CPU31は、ステップ60〜ステップ66において、上述したステップ50〜ステップ56と同様の処理を行って、変換対象の色相範囲を算出する。
【0143】
そして、CPU31は、上記ステップ66で算出された変換対象範囲に対して、変換テーブルの色相を循環的に変更して(ステップ67)、次のステップ68に処理を進める。例えば、CPU31は、マンセル色相環において並べられている色相の順方向(すなわち、赤(R)→黄赤(YR)→黄(Y)→黄緑(GY)→緑(G)→青緑(BG)→青(B)→青紫(PB)→紫(P)→赤紫(RP)→赤(R))または逆方向の順に、変換対象範囲の色相を順次変更していく。
【0144】
CPU31は、ステップ68およびステップ69において、上述したステップ51およびステップ52と同様の処理を行う。次に、CPU31は、予め定められた一定時間が経過したか否かを判断する(ステップ70)。そして、CPU31は、一定時間が経過した場合、上記ステップ67に戻って処理を繰り返す。一方、CPU31は、一定時間が経過していない場合、上記ステップ58と同様に色変換処理を終了するか否かを判断して、色変換処理を終了しない場合に上記ステップ68に戻って処理を繰り返し、色変換処理を終了する場合に当該フローチャートによる処理を終了する。
【0145】
第5の例として、上記色変換の対象となる範囲の色相を持つ画素について、色変換関係式に応じて色相を変更する色変換処理を行う。この場合、下側LCD12に内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの有彩色画像(典型的には、撮像画像そのままの表示画像であり、いわゆるライブ画像)を表示し、当該有彩色画像(元画像)に対するユーザのタッチ操作に応じた色相を中心とした所定範囲の色相を色変換の対象となる範囲に設定する。そして、上記範囲の色相を持つ画素について色相を、所定の色相に変更(例えば、マンセル色相環において対角関係となる色相や、所定の円形角度だけ離れた色相に変更)する。
【0146】
ここで、元の色相からマンセル色相環における所定の角度だけ色相を変化させる場合、変化させる色相と変化させない色相との間を滑らかに繋いだ色変換を行うことによって、違和感のない色変換が可能となる。例えば、上述した彩度再現率の変化と同様に、設定された色変換対象範囲は、変換前の色相を所定の色相(変換目標色相と記載する)に変化させる範囲と、変換前の色相を当該変換目標色相に漸増的に近づけて変化させる範囲とが設定される。以下、図11を参照して、設定された色変換対象に対して色相を変化させる一例を説明する。図11では、上述したマンセル色相環を用いて設定される色変換対象の一例と、当該色変換対象に対して色相を変化させる一例を示している。
【0147】
図11において、色変換前(内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの有彩色画像(元画像))の色相をマンセル色相環における色相角度Xとして横軸で示し、色変換後の色相をマンセル色相環における色相角度Yとして縦軸で示した色変換関係式の一例を表している。そして、図11では、色相角度Yと色相角度Xとの関係式の一例を示すグラフが太線で示されている。
【0148】
例えば、ユーザのタッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相が緑であり、当該緑が紫に色変換されるとする。以下、タッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相(例えば色相「緑」)の色相角度XをX0とし、上記変換目標色相(例えば色相「紫」)の色相角度YをY0とする。この場合、色相「緑」(色相角度X0)を中心として前後にマンセル色相環における色相角度分ΔXs+ΔXgの範囲(すなわち、色相角度分2ΔXs+2ΔXgの範囲)が、色変換の対象となる範囲に設定される。
【0149】
ここで、色相角度X0から色相角度分ΔXsだけ小さい色相角度をXlsとする。そして、色相角度X0から色相角度分ΔXsだけ大きい色相角度をXrsとする。この場合、色相「緑」(色相角度X0)を中心としてマンセル色相環における前後となる色相角度分ΔXsの範囲に属する色相、すなわち色相角度Xls〜X0〜Xrsに属する色相角度Xの色相が、全て変換目標色相(色相角度Y0)に変換される。
【0150】
また、色相角度Xlsから色相角度分ΔXgだけさらに小さい色相角度をXleとする。この場合、色相角度Xle〜Xlsに属する色相角度Xの色相は、以下の式で示される色相角度Yの色相に変換される。
Y=X+dif*effl
ここで、efflは、
effl=(Xle−X)/(Xle−Xls)
である。また、difは、|Y0−X|≦180°のとき、
dif=Y0−X
であり、|Y0−X|>180°のとき、
dif=360°−(Y0−X)
である。
【0151】
また、色相角度Xrsから色相角度分ΔXgだけさらに大きい色相角度をXreとする。この場合、色相角度Xrs〜Xreに属する色相角度Xの色相は、以下の式で示される色相角度Yの色相に変換される。
Y=X+dif*effr
ここで、effrは、
effr=(X−Xre)/(Xrs−Xre)
である。
【0152】
なお、上記色変換の対象となる範囲外の色相を有する画素、すなわち、色相角度X0を中心とした色相角度Xleから色相角度Xreまでの範囲に属さない色相角度の色相を有する画素については、色相を変換せずにそのままの色相が維持される。つまり、当該範囲外の色相を有する画素については、その色相角度Xが、以下の式で示される色相角度Yに変換される。
Y=X
これによって、当該範囲外の色相角度Xを有する画素については、そのままの色相が維持される色相角度Yに変換されることになる。
【0153】
なお、上述した色相角度Xと色相角度Yとの関係式や色変換の対象となる範囲を設定する一例においては、色相角度Xや色相角度Yが極座標で設定される。したがって、算出結果等において360°を越えた場合に当該算出結果から360°を減算して取り扱うことを考慮しなければならないことは言うまでもない。また、当該第5の例における色変換処理動作は、上述した図9のフローチャートに基づいた動作と同様であり、上記ステップ57における「変換テーブルの彩度を変更」を上記色変換関係式に応じて「変換テーブルの色相を変更」するようにすればよい。
【0154】
このように、第5の例によれば、タッチ位置TPに対応する画素の色相を中心とした所定色相角度分の色相を変換目標色相に色変換しながら、色変換前の色相を当該変換目標色相に漸増的に近づけて色変換させる範囲を設定することによって、本来の撮像で得られていた色が所定の色に自然に変化したように表現することができる。また、ユーザは、下側LCD12に表示された表示画像に対して1点のみタッチ操作するだけで、所望の色を他の色に変換した画像を容易に生成することができる。また、タッチ操作に応じて選択された色相を中心として、段階的に色相が色変換前の色相に近づくように設定することによって、色変換を行う際のノイズを低減することができ、タッチ操作した位置の色が自然に色が変わったような画像に変換することが可能となる。
【0155】
なお、上述した説明では、色変換の対象となる範囲の中心の色相角度に属する色相を変換目標色相に変換し、当該中心周辺の色相角度に属する色相を現在の色相から当該変換目標色相に徐々に近づくように色変換しているが、他の色変換を行ってもかまわない。例えば、色変換の対象となる範囲内となる色相角度に属する全ての色相を、上記変換目標色相に色変換してもかまわない。
【0156】
また、上述した説明は、元画像(内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの有彩色画像)を表示した状態から、表示している画像に対するユーザのタッチ操作に応じて、一回だけ色変換をする場合の例であるが、当該色変換をした後、繰り返して色変換を行えるようにしてもよい。また、上述した説明では、変換目標色相を色相角度Y0として決まった値としているが、変換目標色相はユーザのタッチ操作に応じて変化する値であってもよい。以下、変換目標色相がユーザのタッチ操作に応じて変化し、かつ繰り返して色変換を行う場合について説明する。
【0157】
例えば、ある時点で、撮像画像において色相角度Xである画素が前回の色変換処理によって色相角度f(X)に変更されて画面上に表示される状態であったとする。その状態において、再びユーザがタッチ操作を行ってさらに色変換がされた結果、撮像画像において色相角度Xである画素が色相角度f’(X)に変更されて画面上に表示される状態になったとする。また、ユーザのタッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相が色相角度X0(タッチ位置TPに対応する画素の画面上に表示される色相は、タッチ操作前は色相角度Y0=f(X0)であり、タッチ操作後は色相角度Y1=f’(X0)となる)であったとする。この場合、色相角度X0を中心として前後にマンセル色相環における色相角度分ΔXs+ΔXgの範囲(すなわち、色相角度分2ΔXs+2ΔXgの範囲)が、今回の色変換の対象となる範囲に設定される。
【0158】
今回のタッチ操作によって、タッチ位置TPに対応する画素の画面上に表示される色相が色相角度Y1となるものとする。すなわち、今回の変換目標色相は色相角度Y1となる。この値は、タッチ操作前にタッチ位置TPに対応する画素の画面上に表示されていた色相角度Y0(=f(X0))に、所定の色相角度変化量Aを加えた値として設定される。すなわち、新たな変換目標色相の色相角度Y1は、
Y1=f(X0)+A
となる。
【0159】
つまり、タッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相の色相角度Xが、前回の色変換処理によって色相角度f(X)に変更されたとすると、色相角度Xls〜X0〜Xrsに属する色相角度Xの色相は、今回の色変換処理によって全て新たな変換目標色相(色相角度Y1=f(X)+A)に変換される。
【0160】
また、タッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相の色相角度Xが、前回の色変換処理によって色相角度f(X)に変更されたとすると、色相角度Xle〜Xlsに属する色相角度Xの色相は、今回の色変換処理によって以下の式で示される色相角度f’(X)の色相に変換される。
f’(X)=f(X)+dif*effl
ここで、difは、|Y1−f(X)|≦180°のとき、
dif=Y1−f(X)
であり、|Y1−f(X)|>180°のとき、
dif=360°−(Y1−f(X))
である。また、Y1は、今回の色変換処理で新たに設定された変換目標色相の色相角度である。
【0161】
また、タッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相の色相角度Xが、前回の色変換処理によって色相角度f(X)に変更されたとすると、色相角度Xrs〜Xreに属する色相角度Xの色相は、以下の式で示される色相角度f’(X)の色相に変換される。
f’(X)=f(X)+dif*effr
【0162】
なお、上記色変換の対象となる範囲外の色相を有する画素、すなわち、色相角度X0を中心とした色相角度Xleから色相角度Xreまでの範囲に属さない色相角度の色相を有する画素については、2回目以降の色変換においても色相を変換せずにそのままの色相が維持される。つまり、タッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相の色相角度Xが、前回の色変換処理によって色相角度f(X)に変更されたとすると、当該範囲外の色相を有する画素については、その色相角度Xが、以下の式で示される色相角度f’(X)に変換される。
f’(X)=f(X)
これによって、当該範囲外の色相角度Xを有する画素については、2回目以降の色変換においてもそのままの色相が維持されることになる。
【0163】
また、上記有彩色画像に対するユーザのタッチ操作に応じて、タッチ操作された画素の色相を中心とした第1の色変換範囲の色相を第1の色相に変更した後、さらに別の画素がタッチ操作された場合、当該別の画素を中心とした第2の色変換範囲の色相も第2の色相に変換してもかまわない。この場合、タッチ位置TPが取得される毎に、当該タッチ位置TPに応じた異なる色変換範囲が設定され、当該色変換範囲に応じた別の変換目標色相が設定されるため、タッチ操作毎に別の色相を変換対象としてそれぞれ色相が変化していく色変換が行われる。なお、上記第1の色変換範囲に対して設定される変換目標色相と、上記第2の色変換範囲に対して設定される変換目標色相とは、同じ色相であってもかまわない。この場合、ユーザが上記有彩色画像に対して異なる色相をタッチ操作したとしても、タッチ操作された色相がそれぞれ同じ色相に色変換されることになる。
【0164】
なお、上述した第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが一部重複する場合、色変換範囲が重複する範囲についても、上述した関係式を色変換毎に適用する。これによって、第1の色変換範囲と第2の色変換範囲との重複範囲における変換後の色相角度を滑らかに繋げることによって、違和感のない色変換処理が可能となる。
【0165】
ここで、上述した第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが一部重複する場合、他の方式で色相角度を設定してもかまわない。第1の例として、それぞれの色変換範囲に対して設定される色相角度のうち、色相変化が大きい方(すなわち、元画像から色相変化角度が大きい方)を選択する。第2の例として、第1の色変換範囲と第2の色変換範囲との間の重複範囲の大きさに応じて、変換後の色相角度を曲線的に滑らかに繋ぐ。このように、第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが重複する重複範囲の色相角度を合成しても、重複範囲における変換後の色相角度を滑らかに繋げることによって、違和感のない色変換処理が可能となる。
【0166】
また、上述した説明においては、タッチ位置TPに対応する画素における撮像画像(すなわち、元画像)の色相が常に変換対象の基準となっており、表示画像の色相は変換対象の基準となっていない。つまり、ある時点で表示されている画像において同じ色相の画像が複数あっても、さらに色相が変化する次の色変換処理においては、それぞれ異なる色相に変化することがある。
【0167】
例えば、図12Aに示すように、赤色の色相を有する画像Ia、黄色の色相を有する画像Ib、および緑色の色相を有する画像Icを含む元画像が下側LCD12に表示されているとする。この元画像に対して、ユーザが赤色の色相を有する画像Iaをタッチ操作したとする。この場合、元画像における赤色の色相を中心とした色変換範囲に対して、1回目の色相変換が行われる。
【0168】
例えば、図12Bに示すように、上記1回目の色相変換によって、赤色の色相がマンセル色相環において72°離れた色相に色変換されて黄色の色相に変換される。したがって、元画像において赤色の色相を有する画像Iaは、黄色の色相に変換されて下側LCD12に表示される。そして、図12Cに示すように、赤色の色相が黄色の色相に変換された表示画像に対して、ユーザが黄色の色相を有する画像Ibをタッチ操作したとする。この場合、元画像における黄色の色相を中心とした色変換範囲に対して、2回目の色相変換が行われる。
【0169】
例えば、図12Dに示すように、上記2回目の色相変換によって、黄色の色相がマンセル色相環において72°離れた色相に色変換されて緑色の色相に変換される。したがって、元画像において黄色の色相を有する画像Ibは、緑色の色相に変換されて下側LCD12に表示される。ここで、上記2回目の色相変換前に下側LCD12に表示されている表示画像においては、画像Iaも黄色の色相で表示されている。しかしながら、上述したように、元画像における画像Iaの色相が赤色であり、上記2回目の色相変換の色変換範囲から外れているため、画像Iaは上記2回目の色相変換対象とはならない。したがって、上記2回目の色相変換前に下側LCD12に黄色の色相で表示されている画像Iaは、上記2回目の色相変換が行われてもそのままの色相(すなわち、黄色の色相)が維持されて下側LCD12に表示される。
【0170】
このように、下側LCD12に表示されている表示画像ではなく、タッチ位置TPに対応する画素における撮像画像(すなわち、元画像)の色相を常に変換対象の基準にすることによって、ある時点で下側LCD12に表示されている表示画像において同じ色相の画像が複数あっても、さらに色相が変化する次の色変換処理においては、それぞれ異なる色相に変化することがある。ここで、タッチ位置TPに対応する画素における元画像ではなく、その時点で表示されている表示画像の色相を変換対象の基準にすると、何度か色相変換を繰り返すことによって最終的に表示画像の色相が全て同じ色相に変換されてしまう。つまり、タッチ位置TPに対応する画素における撮像画像(すなわち、元画像)の色相を常に変換対象の基準にすることによって、このような現象を避けることができる。
【0171】
(第2の実施形態)
図面を参照して、本発明の第2の実施形態に係る色変換プログラムを実行する色変換装置について説明する。上述した第1の実施形態に係る色変換プログラムに基づいた処理では、例えば、彩度を変更する色変換を行う場合にタッチ位置TPに応じて選択された色相を基準として、マンセル色相環における5°離れた色相から50°離れた色相まで、直線的な比率で彩度が100%から0%まで減衰するようにそれぞれ設定した。第2の実施形態においては、エルミート補間方式を用いて曲線的な比率で彩度が100%から0%まで減衰する態様を説明する。なお、第2に実施形態に係る色変換プログラムを実行する色変換装置については、上述したエルミート補間方式を用いること以外は第1の実施形態の色変換装置と同様であるため、同様の構成要素については同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。また、第2の実施形態に係る色変換プログラムによる具体的な処理動作やメインメモリ32に記憶される各種データについても、第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0172】
図13〜図15を参照して、第2の実施形態に係る処理動作によって下側LCD12および/または上側LCD22に表示される表示形態例等について説明する。なお、図13は、第2の実施形態に係る処理動作において、タッチ位置TPに対して変換対象として決定される色相範囲の一例と、当該変換対象に対して彩度を変化させる一例とを示す図である。図14は、エルミート補間方式を説明するための図である。図15は、第2の実施形態に係る処理動作において、複数のタッチ位置TP1およびTP2に対してそれぞれ変換対象として決定される色相範囲の一例と、当該変換対象に対して彩度を変化させる一例とを示す図である。
【0173】
第2の実施形態においても、ゲーム装置1の下側LCD12には、内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの画像(撮像画像)が表示される。そして、当該実施形態においても、上記撮像画像は有彩色の画像であるが、当該撮像画像をモノクロ(すなわち、当該撮像画像の全ての画素の彩度を0にした無彩色)にした表示画像を、下側LCD12に一旦表示する。そして、タッチパネル13にタッチ操作されたタッチ位置に対応する撮像画像の画素(すなわち、元画像の画素)が有する色相に応じて、上記表示画像の彩度を変化させて下側LCD12に表示する。また、第2に実施形態においても、検出された画素の色に対応する色相や当該色相を中心とする所定の範囲を設定する際に、第1の実施形態で説明した色相環(例えば、マンセル色相環)が用いられる。これらは、図3および図4を用いて説明した第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0174】
次に、図13を参照して、設定された色変換対象に対して彩度を変化させる一例を説明する。図13では、マンセル色相環を用いて設定される色変換対象の一例と、当該色変換対象に対して彩度を変化させる一例を示している。
【0175】
例えば、ユーザのタッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相が、緑であるとする。この場合、色変換範囲は、色相「緑」(円形角度位置144°の色相)を中心としてマンセル色相環における例えば前後50°(すなわち、合計100°の範囲)に設定される。そして、設定された色変換範囲は、タッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相(すなわち、色相「緑」)を彩度再現率100%として、その周辺の色相については100〜0%の彩度に漸減的に彩度再現率を変化させる。
【0176】
例えば、タッチ位置TPに対応する色相が「緑」であるとき、当該色相を彩度再現率100%とし、当該色相を中心としてマンセル色相環における前後50°となるそれぞれの色相(すなわち、円形角度位置94°および194°の色相)を彩度再現率0%として、それぞれの色相および彩度再現率を示す位置に制御点を設定する。図13においては、タッチ位置TPに対応する彩度再現率100%とする色相を制御点TPとし、当該色相を中心としてマンセル色相環における前後50°となる彩度再現率0%とするそれぞれの色相を制御点P1および制御点P2としている。そして、エルミート曲線を用いて、設定した各制御点の間を補間する。
【0177】
ここで、エルミート曲線は、セグメントの両端となる制御点と制御点間の導関数が与えられたとき、それらを補間するために定義される曲線である。例えば、図14に示すように、エルミート曲線は、3つの制御点P1、TP、およびP2に対して、制御点P1、TP、およびP2それぞれの位置とそれぞれの接線ベクトル(導関数)V1、V2、およびV3とが与えられた場合に、3つの制御点P1、TP、およびP2の間を補間する曲線である。
【0178】
例えば、図14に示すように、制御点P1が円形角度94°、彩度再現率0%の位置に設定され、彩度再現率0%で円形角度増加方向に向かう所定の大きさの接線ベクトルV1が制御点P1に与えられる。また、制御点TPが円形角度144°、彩度再現率100%の位置に設定され、彩度再現率100%で円形角度増加方向に向かう所定の大きさの接線ベクトルV2が制御点TPに与えられる。また、制御点P2が円形角度194°、彩度再現率0%の位置に設定され、彩度再現率0%で円形角度増加方向に向かう所定の大きさの接線ベクトルV3が制御点P2に与えられる。なお、エルミート補間方式によって補間した制御点間の曲線の一部が彩度再現率0%未満となる場合、当該彩度再現率0%未満となる曲線部分を彩度再現率0%として補間する。また、エルミート補間方式によって補間した制御点間の曲線の一部が彩度再現率100%を超える場合、彩度再現率100%を超える曲線部分を彩度再現率100%として補間する。
【0179】
このように、エルミート補間方式を用いて彩度を漸減的に下げることによって、本来の撮像で得られていた色がモノクロ画像に自然に付いたように表現することができる。また、ユーザは、下側LCD12に表示された表示画像に対して1点のみタッチ操作するだけで、所望の色に色付けされた画像を容易に生成することができる。また、タッチ操作に応じて選択された色相を中心として、滑らかに彩度を下げるように設定することによって、色変換を行う際のノイズを低減することができ、タッチ操作した位置の色が自然に色付けされたような画像に変換することが可能となる。
【0180】
次に、図15を参照して、ユーザが複数の位置をタッチ操作した場合に、それぞれのタッチ操作に応じて設定された色変換対象に対して彩度を変化させる一例を説明する。図15では、マンセル色相環を用いて設定される色変換対象の一例と、当該色変換対象に対して彩度を変化させる一例を示している。
【0181】
例えば、図15に示すように、ユーザの第1回目のタッチ位置TP1に対応する画素における撮像画像の色相が、緑であるとする。この場合、第1回目の色変換範囲は、上述した図14と同様に色相「緑」を中心としてマンセル色相環における前後50°に設定される。また、第1回目の色変換範囲に対する彩度再現率も、図14で説明した一例と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0182】
次に、ユーザの第2回目のタッチ位置TP2に対応する画素における撮像画像の色相が、青であるとする。この場合、第2回目の色変換範囲は、第1回目の色変換範囲と同様に色相「青」を中心としてマンセル色相環における前後50°に設定される。そして、設定された第2回目の色変換範囲は、色相「青」を中心としてマンセル色相環における前後50°に設定される。そして、設定された第2回目の色変換範囲は、第2回目のタッチ位置TP2に対応する画素における撮像画像の色相(すなわち、色相「青」)を彩度再現率100%として、その周辺の色相については100〜0%の彩度に漸減的に彩度再現率を変化させる。
【0183】
ここで、図15に示すように、第2回目のタッチ位置TP2に対応する色相が「青」(円形角度位置216°)であるとき、当該色相の円形角度位置に制御点TP2を設定し、当該色相を中心としてマンセル色相環における前後50°となるそれぞれの色相(すなわち、円形角度位置166°および266°の色相)を示す位置に制御点P3およびP4をそれぞれ設定する。しかしながら、図15に示すように、色相「緑」に対して設定される第1回目の色変換範囲と色相「青」に対して設定される第2回目の色変換範囲とが、一部重複することになる。
【0184】
この場合、図15に示すように、制御点TP2が円形角度216°、彩度再現率100%の位置に設定され、彩度再現率100%で円形角度増加方向に向かう所定の大きさの接線ベクトルが制御点TP2に与えられる。また、制御点P4が円形角度266°、彩度再現率0%の位置に設定され、彩度再現率0%で円形角度増加方向に向かう所定の大きさの接線ベクトルが制御点P4に与えられる。そして、第1回目の色変換範囲と重複する制御点P3を既に設定されているエルミート曲線上に設定し、当該エルミート曲線と接する接線ベクトルが制御点P3に与えられる。すなわち、円形角度166°で、かつ、第1回目のタッチ位置TP1に対して設定されているエルミート曲線上となる位置に、制御点P3が設定される。そして、制御点P3の位置において第1回目のタッチ位置TP1に対して設定されているエルミート曲線と接し、かつ、円形角度増加方向に向かう所定の大きさの接線ベクトルが制御点P3に与えられる。そして、3つの制御点P3、TP2、およびP4の位置とそれぞれの接線ベクトルとを用いて、3つの制御点P3、TP2、およびP4の間をエルミート曲線で補間する。このように、エルミート補間方式を用いて複数の色変換範囲にそれぞれ設定される彩度再現率を合成することによって、複数の色変換範囲の間の範囲における彩度再現率が滑らかに繋がるため、違和感のない色変換処理が可能となる。
【0185】
なお、上述した説明では、下側LCD12に表示された画像に対するユーザのタッチ操作に応じた色相を中心とした所定範囲の色相を色変換の対象となる範囲に設定し、エルミート補間方式を用いて当該範囲の色相を持つ画素について彩度を上げる色変換処理の例を用いたが、第1の実施形態と同様に当該画素に対して他の色変換処理を行ってもかまわない。
【0186】
第1の例として、上記色変換の対象となる範囲の色相を持つ画素について、彩度を下げる色変換処理を行う。第2の例として、上記色変換の対象となる範囲の色相を持つ画素について、明度を上げる色変換処理を行う。第3の例として、上記色変換の対象となる範囲の色相を持つ画素について、明度を下げる色変換処理を行う。第4の例として、上記色変換の対象となる範囲の色相を持つ画素について、色相を順次変更する色変換処理を行う。これら第1の例〜第4の例については、第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0187】
第5の例として、上記色変換の対象となる範囲の色相を持つ画素について、色変換関係式に応じて色相を変更する色変換処理を行う。この場合、下側LCD12に内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの有彩色画像(典型的には、撮像画像そのままの表示画像)を元画像として表示し、当該有彩色画像に対するユーザのタッチ操作に応じた色相を中心とした所定範囲の色相を色変換の対象となる範囲に設定する。そして、上記範囲の色相を持つ画素について色相を、所定の色相に変更(例えば、マンセル色相環において対角関係となる色相や、所定の円形角度だけ離れた色相に変更)する。
【0188】
ここで、元の色相からマンセル色相環における所定の角度だけ色相を変化させる場合、変化させる色相と変化させない色相との間をエルミート曲線で繋いだ色変換を行うことによって、違和感のない色変換が可能となる。例えば、上述した彩度再現率の変化と同様に、設定された色変換対象範囲は、タッチ位置に対応する変換前の色相を所定の色相(変換目標色相と記載する)に変化させ、その周辺の色相については変換前の色相を当該変換目標色相に漸増的に近づけて変化させる。以下、図16を参照して、設定された色変換対象に対して色相を変化させる一例を説明する。図16では、上述したマンセル色相環を用いて設定される色変換対象の一例と、当該色変換対象に対して色相を変化させる一例とを示している。
【0189】
図16において、色変換前(内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの有彩色画像(元画像))の色相をマンセル色相環における色相角度Xとして横軸で示し、色変換後の色相をマンセル色相環における色相角度Yとして縦軸で示した色変換関係式の一例を表している。そして、図16では、色相角度Yと色相角度Xとの関係式の一例を示すグラフが太線で示されている。
【0190】
例えば、ユーザのタッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相が緑であり、当該緑が紫に色変換されるとする。以下、タッチ位置TPに対応する画素における撮像画像の色相(例えば色相「緑」)の色相角度XをX0とし、上記変換目標色相(例えば色相「紫」)の色相角度YをY0とする。この場合、色相「緑」(色相角度X0)を中心として前後にマンセル色相環における色相角度分ΔXの範囲(すなわち、色相角度分2ΔXの範囲)が、色変換の対象となる範囲に設定される。
【0191】
そして、色相角度X0を色相角度Y0とし、当該色相を中心としてマンセル色相環における前後ΔXとなるそれぞれの色相を色相変更なし(すなわち、Y=X)として、それぞれの色相角度を示す位置に制御点を設定する。図16においては、タッチ位置TPに対応する色相角度(X,Y)=(X0,Y0)の位置を制御点TPとし、当該色相を中心としてマンセル色相環における前後ΔXとなるそれぞれの色相角度XleおよびXreを制御点P5および制御点P6としている。そして、エルミート曲線を用いて、設定した各制御点の間を補間する。
【0192】
具体的には、制御点TPが色相角度(X,Y)=(X0,Y0)の位置に設定され、色相角度Y0一定で色相角度X増加方向に向かう(すなわち、Y=Y0となる方向)所定の大きさの接線ベクトルが制御点TPに与えられる。また、制御点P5が色相角度Xleで色相変更なしとなる位置、すなわち、色相角度XleでY=Xとなる位置(色相角度(X,Y)=(Xle,Xle))に設定される。そして、色相角度変化なし(すなわち、Y=Xとなる方向)で色相角度X増加方向に向かう所定の大きさの接線ベクトルが制御点P5に与えられる。また、制御点P6が色相角度Xreで色相変更なしとなる位置、すなわち、色相角度XreでY=Xとなる位置(色相角度(X,Y)=(Xre,Xre))に設定される。そして、色相角度変化なし(すなわち、Y=Xとなる方向)で色相角度X増加方向に向かう所定の大きさの接線ベクトルが制御点P6に与えられる。そして、3つの制御点P5、TP、およびP6の位置とそれぞれの接線ベクトルとを用いて、3つの制御点P5、TP、およびP6の間をエルミート曲線で補間する。
【0193】
なお、上記色変換の対象となる範囲外の色相を有する画素、すなわち、色相角度X0を中心とした色相角度Xleから色相角度Xreまでの範囲に属さない色相角度の色相を有する画素については、色相を変換せずにそのままの色相が維持される。つまり、当該範囲外の色相を有する画素については、その色相角度Xが、以下の式で示される色相角度Yに変換される。
Y=X
これによって、当該範囲外の色相角度Xを有する画素については、そのままの色相が維持される色相角度Yに変換されることになる。
【0194】
また、エルミート補間方式によって補間した制御点間のエルミート曲線の一部がY=Xの下部にはみだす、すなわち色相角度が減少する方向に色相角度Xが変換されるような関係になる場合、当該はみだす曲線部分をY=Xの直線にして補間する。
【0195】
また、上述した色相角度Xを色相角度Yに変換する一例や色変換の対象となる範囲を設定する一例においては、色相角度Xや色相角度Yが極座標で設定される。したがって、算出結果等において360°を越えた場合に当該算出結果から360°を減算して取り扱うことを考慮しなければならないことは言うまでもない。また、色相角度が極座標で設定されているため、2つの制御点間を補間する場合に、当該極座標における時計回りに補間する方法と反時計回りに補間する方法とが考えられる。例えば、色相の変化角度を少なくするためには、制御点間の色相角度差分が小さい方向に補間することが必要となり、上述した実施例でも当該方式を採用している。しかしながら、このような色相の変化角度を少なくするような効果を期待しない場合、制御点間の色相角度差分が大きい方向に補間してもいいし、極座標における時計回りや反時計回りに固定して補間してもかまわない。また、当該第5の例における色変換処理動作は、上述した図9のフローチャートに基づいた第1の実施形態の動作と同様であり、上記ステップ57における「変換テーブルの彩度を変更」を上記色相を変換する方式に応じて「変換テーブルの色相を変更」するようにすればよい。
【0196】
このように、第5の例によれば、タッチ位置TPに対応する画素の色相を中心とした所定色相角度分の色相を変換目標色相に色変換しながら、エルミート曲線で補間して色変換前の色相を当該変換目標色相に漸増的に近づけて色変換することによって、本来の撮像で得られていた色が所定の色に自然に変化したように表現することができる。また、ユーザは、下側LCD12に表示された表示画像に対して1点のみタッチ操作するだけで、所望の色を他の色に変換した画像を容易に生成することができる。また、タッチ操作に応じて選択された色相を中心として、滑らかに色相が色変換前の色相に近づくように設定することによって、色変換を行う際のノイズを低減することができ、タッチ操作した位置の色が自然に色が変わったような画像に変換することが可能となる。
【0197】
なお、上述した説明は、元画像(内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの有彩色画像)を表示した状態から、表示している画像に対するユーザのタッチ操作に応じて、一回だけ色変換をする場合の例であるが、当該色変換をした後、繰り返して色変換を行えるようにしてもよい。以下、ユーザのタッチ操作に応じて、繰り返して色変換を行う場合について説明する。
【0198】
上記有彩色画像に対してユーザがタッチ操作して、第1回目のタッチ位置TP1に対応する画素の色相を中心とした第1の色変換範囲の色相を第1の色相に変更した後、さらに別のタッチ位置TP2がタッチ操作された場合を考える。この場合、タッチ位置TP2に対応する画素を中心とした第2の色変換範囲の色相も第2の色相に変換される。
【0199】
例えば、図17Aおよび図18Aに示すように、上記第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが一部重複する場合、第1の実施形態で説明した関係式を用いた色変換処理では、色変換範囲が重複する範囲についても当該関係式を色変換毎に適用する。これによって、第1の色変換範囲と第2の色変換範囲との重複範囲における変換後の色相角度を滑らかに繋げることによって、違和感のない色変換処理が可能となる。
【0200】
一方、図17Bおよび図18Bに示すように、上記第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが一部重複する場合、エルミート補間方式を用いた色変換処理では、上記第1の色変換範囲に対して既に設定されているエルミート曲線を用いて、上記第2の色変換範囲に対する色変換処理が行われる。
【0201】
例えば、第1回目のタッチ位置TP1に対応する画素における元画像の色相を中心として、前後にマンセル色相環における色相角度分ΔXの範囲(第1の色変換範囲)に対して第1回目の色変換処理が行われる。そして、第1回目のタッチ位置TP1に対応する画素における元画像の色相角度をX1とし、当該色相角度X1の変換目標色相の色相角度をY1とする。このとき、図16を用いて説明したように、第1回目のタッチ位置TP1に対応する色相角度(X,Y)=(X1,Y1)の位置と、当該色相角度を中心としてマンセル色相環における前後ΔXとなる色相角度(色相角度X1−ΔX、色相角度X1+ΔX)の位置とに、それぞれ制御点が設定される。そして、エルミート曲線を用いて、設定した各制御点の間が補間される。
【0202】
そして、第2回目のタッチ位置TP2に対応する画素における元画像の色相を中心として、前後にマンセル色相環における色相角度分ΔXの範囲(第2の色変換範囲)に対して第2回目の色変換処理が行われる。そして、第2回目のタッチ位置TP2に対応する画素における元画像の色相角度をX2とし、当該色相角度X2の変換目標色相の色相角度をY2とする。このとき、第2回目のタッチ位置TP2に対応する色相角度(X,Y)=(X2,Y2)の位置と、当該色相角度を中心としてマンセル色相環における前後ΔXとなる色相角度(色相角度X2−ΔX、色相角度X2+ΔX)の位置とに、それぞれ制御点が設定される。
【0203】
具体的には、第2回目のタッチ位置TP2に対応する制御点が色相角度(X,Y)=(X2,Y2)の位置に設定され、色相角度Y2一定で色相角度X増加方向に向かう(すなわち、Y=Y2となる方向)所定の大きさの接線ベクトルが当該制御点に与えられる。また、色相角度X2を中心としてマンセル色相環における前後ΔXとなる色相角度のうち、第1の色変換範囲と重複しない側の制御点(例えば、色相角度X2+ΔXの制御点)は、色相変更なしとなる位置、すなわち、色相角度X2+ΔXでY=Xとなる位置(色相角度(X,Y)=(X2+ΔX,X2+ΔX))に設定され、色相角度変化なし(すなわち、Y=Xとなる方向)で色相角度X増加方向に向かう所定の大きさの接線ベクトルが当該制御点に与えられる。
【0204】
一方、色相角度X2を中心としてマンセル色相環における前後ΔXとなる色相角度のうち、第1の色変換範囲と重複する側の制御点(例えば、色相角度X2−ΔXの制御点)は、当該色相角度X2−ΔXで、かつ、第1回目のタッチ位置TP1に対して既に設定されているエルミート曲線上となる位置に設定され、当該エルミート曲線と接する接線ベクトルが当該制御点に与えられる。具体的には、上記制御点の位置において第1回目のタッチ位置TP1に対して設定されているエルミート曲線と接し、かつ、色相角度X増加方向に向かう所定の大きさの接線ベクトルが上記制御点に与えられる。そして、新たなエルミート曲線を用いて、第2色変換範囲に対して設定した各制御点の間が補間される。
【0205】
例えば、図17Bでは、第1回目のタッチ位置TP1に対応する元画像の色相角度X1と第2回目のタッチ位置TP2に対応する元画像の色相角度X2とが相対的に離れた状態で、上記第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが一部重複する場合を示している。この場合、第1の色変換範囲に対して設定される山型形状のエルミート曲線と第2の色変換範囲に対して設定される山型形状のエルミート曲線とが、それらの山型形状の山裾付近で重複する。このような割合で上記第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが重複する場合、図17Aに示す第1の実施形態における色変換処理では2つの山型形状の重複部分にくさび形状の谷部(図17Aに示す点Pv)が形成されるため、色変換を行う際のノイズの原因となることが考えられる。しかしながら、エルミート補間方式を用いて色変換範囲が重複する色相角度を合成する場合、2つの山型形状のエルミート曲線が曲線状態で繋がるため、重複範囲における変換後の色相角度がさらに滑らかに繋がり、さらに違和感のない色変換処理が可能となる。
【0206】
また、図18Bでは、第1回目のタッチ位置TP1に対応する元画像の色相角度X1と第2回目のタッチ位置TP2に対応する元画像の色相角度X2とが相対的に近い状態で、上記第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが一部重複する場合を示している。この場合、第1の色変換範囲に対して設定される山型形状のエルミート曲線の頂上付近から、第2の色変換範囲に対して設定される山型形状のエルミート曲線が重畳するように重複する。このような割合で上記第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが重複する場合、図18Aに示す第1の実施形態における色変換処理では2つの山型形状が単純に重なりあった状態となり、複数の凸部が生成される。しかしながら、エルミート補間方式を用いて色変換範囲が重複する色相角度を合成する場合、第1の色変換範囲に対して設定される山型形状のエルミート曲線の頂上付近で、第2の色変換範囲に対して設定される山型形状のエルミート曲線の山裾部分が滑らかに繋がり、既に設定されている制御点間の曲線状態については無視される。したがって、エルミート補間方式を用いて色変換範囲が重複する色相角度を合成する場合、凸部が蓄積して多数の凸部が生成されていくことが少なくなるため、あたかも1つの山型形状の曲線に合成される。したがって、エルミート補間方式では、重複範囲における変換後の色相角度がさらに滑らかに繋がり、さらに違和感のない色変換処理が可能となる。
【0207】
なお、上述した第1の実施形態および第2の実施形態の説明では、上記色変換の対象となる範囲の色相を持つ画素について、色の属性(彩度、明度、および色相の3属性)の何れかを変化させる色変換処理を行う例を用いたが、さらに当該範囲外の色相を持つ画素についても色変換処理を行ってもかまわない。例えば、上記範囲外の色相を持つ画素について、当該範囲内の色相を持つ画素に対して行う色変換処理と異なる処理(例えば、変化させる色の属性が異なる、または変化させる色の属性が同じでも変化させる方向が異なる)を行うことによって、撮像画像に対する様々な色変換処理が容易に可能となる。ここで、変化させる方向が異なるとは、上記範囲内の彩度または明度を上げる色変換処理を行う場合、上記範囲外の彩度または明度を下げる色変換処理を行うことである。また、上記範囲内の色相を表色系システムにおける順方向に変化させる色変換処理を行う場合、上記範囲外の色相を当該表色系システムにおける逆方向に変化させる色変換処理を行うことである。
【0208】
また、上述した第1の実施形態および第2の実施形態の説明では、変換テーブルを用いて撮像画像の各画素のRGB値を色彩に変換して表示画像を生成しており、当該変換テーブルに記述された彩度、明度、および色相の少なくとも1つを変更して色変換している。しかしながら、他の方式によって色変換を行ってもかまわない。例えば、算出された変換対象範囲に対して変換テーブルを変更することなく、表示している画像(例えば、撮像画像)の彩度、明度、および色相の少なくとも1つを直接変更することによって、画像データ自体を変化させてもかまわない。
【0209】
また、上述した第1の実施形態および第2の実施形態の説明では、内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの画像(撮像画像)を、色変換の対象とする画像として用いたが、他の画像を色変換の対象とする画像にしてもかまわない。例えば、ゲーム装置1は、ユーザが所定の操作ボタンを押下することによって撮影指示が可能であり、当該撮影指示によって撮影された画像を、本発明の色変換処理の対象とする画像にしてもかまわない。また、所定の操作に応じて、上述した色変換後の画像を保存用データメモリ34やメモリカード28に記憶(保存)するように構成してもかまわない。
【0210】
具体的には、ユーザは、ゲーム装置1の操作ボタン14Gまたは操作ボタン14Hを押下することによって、内側カメラ23または外側カメラ25を用いた撮影指示を行うことができる。そして、上記撮影処理によって、内側カメラ23または外側カメラ25で撮像されている画像を、保存用データメモリ34やメモリカード28に記憶(保存)することができる。このような撮影処理によって得られた画像を、CPU31が上記ステップ51で取得するようにすれば、一旦保存用データメモリ34やメモリカード28に記憶された画像を、本発明の色変換処理を行う画像として用いることができる。
【0211】
なお、保存用データメモリ34やメモリカード28に記憶された画像は、ゲーム装置1で撮影された画像に限らず、他の画像(他の機器で撮影された画像、他の機器との通信によって取得した画像、保存用データメモリ34やメモリカード28にプリインストールされている画像等)であっても、本発明の色変換処理の対象として用いることができることは言うまでもない。また、メモリカード29にプリインストールされている画像(例えば、メモリカード29に格納されているゲームプログラムで表示されるゲーム画像)を、本発明の色変換処理の対象として用いてもかまわない。これらの場合、ゲーム装置1に内側カメラ23または外側カメラ25等の撮像機能が備えられていなくても、本発明を実現できることは言うまでもない。
【0212】
また、ゲーム装置1は、内側カメラ23または外側カメラ25を用いて静止画を撮像・記録(撮影)する場合を例として説明したが、ゲーム装置1は、内側カメラ23または外側カメラ25を用いて静止画のみならず動画を撮像・記録(撮影)するようにしてもよい。この場合、内側カメラ23または外側カメラ25を用いて撮像・記録(撮影)された動画が、本発明の色変換処理を行う画像として用いることになる。
【0213】
なお、ゲーム装置1は、内側カメラ23または外側カメラ25によって撮像されたリアルタイムの画像を表示するLCDを、例えばユーザの切替指示によって上側LCD22と下側LCD12との間で切り替える、または両方のLCDに表示することができるようにしてもよい。この場合、上側LCD22にも本発明の色変換処理が施された変換後の画像が表示されることになる。また、2つのLCDの一方(例えば、下側LCD12)に元画像(撮像画像)を表示し、2つのLCDの他方(例えば、上側LCD22)に本発明の色変換処理が施された変換後の画像を表示してもかまわない。
【0214】
また、上述した実施形態では、2画面分の液晶表示部の一例として、物理的に分離された下側LCD12および上側LCD22を互いに上下に配置した場合(上下2画面の場合)を説明した。しかしながら、2画面分の表示画面の構成は、他の構成でもかまわない。例えば、下側ハウジング11の一方主面に下側LCD12および上側LCD22を左右に配置してもかまわない。また、下側LCD12と横幅が同じで縦の長さが2倍のサイズからなる縦長サイズのLCD(すなわち、物理的には1つで、表示サイズが縦に2画面分あるLCD)を下側ハウジング11の一方主面に配設して、上記2つの画像(すなわち、撮像画像をモノクロにした表示画像と操作説明画面を示す画像)を上下に表示(すなわち上下の境界部分無しに隣接して表示)するように構成してもよい。また、下側LCD12と縦幅が同じで横の長さが2倍のサイズからなる横長サイズのLCDを下側ハウジング11の一方主面に配設して、横方向に2つのゲーム画像を左右に表示(すなわち左右の境界部分無しに隣接して表示)するように構成してもよい。すなわち、物理的に1つの画面を2つに分割して使用することにより2つの画像を表示してもかまわない。いずれの画像の形態に対しても、上述した下側LCD12に表示していた表示画像が表示される画面上にタッチパネル13を配設すれば、同様に本発明を実現することができる。また、物理的に1つの画面を2つに分割して使用することにより上記2つの画像を表示する場合、当該画面全面にタッチパネル13を配設してもかまわない。
【0215】
また、上述した実施例では、ゲーム装置1にタッチパネル13が一体的に設けられているが、ゲーム装置とタッチパネルとを別体にして構成しても、本発明を実現できることは言うまでもない。また、上側LCD22の上面にタッチパネル13を設けて上側LCD22に上述した下側LCD12に表示していた表示画像を表示しても良い。さらに、上記実施例では表示画面を2つ(下側LCD12、上側LCD22)を設けたが、表示画面は1つであってもかまわない。すなわち、上記実施例において、上側LCD22を設けず単に下側LCD12のみを表示画面としてタッチパネル13を設けるように構成してもよい。また、上記実施例において、下側LCD12を設けずに上側LCD22の上面にタッチパネル13を設けて、上述した下側LCD12に表示していた表示画像を上側LCD22に表示しても良い。
【0216】
また、上記実施例では、座標入力を実現するゲーム装置1の入力手段としてタッチパネル13を用いたが、他のポインティングデバイスを用いてもかまわない。ここで、ポインティングデバイスは、画面上での入力位置や座標を指定する入力装置であり、例えば、マウス、トラックパッド、トラックボール等を入力手段として使用し、入力手段から出力される出力値から計算された画面座標系の位置情報を用いれば、本発明を同様に実現することができる。
【0217】
この場合、上記画面座標系の位置情報を上述した処理におけるタッチ位置TPとして取り扱えば、本発明を実現することが可能である。ただし、上述した処理におけるタッチオンまたはタッチオフ等の入力有無判定については、上記位置情報の入力とは異なった上記入力手段からの他の入力の有無や変化によって代用する。例えば、上記入力手段に設けられた操作ボタンの押下(例えば、マウスの右クリックまたは左クリック)しているか否かによって、上記タッチオンまたはタッチオフの判定を代用する。
【0218】
また、ゲームコントローラをプレイヤが把持してゲームを楽しむ据置型のゲーム装置の場合、他の態様のポインティングデバイスも考えられる。例えば、ゲームコントローラのハウジングに固設されたカメラを、上記ポインティングデバイスとして利用することも可能である。この場合、ゲームコントローラのハウジングで指し示した位置の変化に応じてカメラが撮像する撮像画像が変化する。したがって、この撮像画像を解析することにより、表示画面に対して上記ハウジングで指し示した座標を算出することができる。
【0219】
この場合、上記ハウジングで指し示した位置を示す座標を、上述した処理におけるタッチ位置TPとして取り扱えば本発明を実現することが可能である。ただし、上述した処理におけるタッチオンまたはタッチオフ等の入力有無判定については、上記座標入力とは異なった上記ゲームコントローラからの他の入力の有無や変化によって代用する。第1の例として、上記ゲームコントローラに設けられた操作ボタンの押下(例えば、Aボタンを押下しているときタッチオン)しているか否かによって、上記タッチオンまたはタッチオフの判定を代用する。第2の例では、上記ゲームコントローラが2つのハウジングで構成されている。そして、これら2つのハウジングは、上記カメラが搭載されている一方ハウジングと、他方のハウジングの動きに応じた信号を出力する加速度センサ等の検出部が固設された当該他方のハウジングとで構成される。この場合、他方のハウジングの動き(例えば、ハウジングを所定方向に傾けているときにタッチオン)に応じて、上記タッチオンまたはタッチオフの判定を代用する。第3の例では、上記ゲームコントローラのハウジングにマイク等の音声入力手段が設けられている。この場合、プレイヤが所定の音声を発したときにタッチオンおよびタッチオフが切り替わる判定で代用する。
【0220】
また、上記実施例では、携帯型のゲーム装置1や据置型のゲーム装置を用いて説明したが、一般的なパーソナルコンピュータ等の情報処理装置で本発明の色変換処理プログラムを実行して、本発明を実現してもかまわない。
【0221】
また、上述したゲーム装置1の形状や、それに設けられている各種操作ボタン14やタッチパネル13の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述した色変換処理で用いられる各種設定値および判定値等は、単なる一例に過ぎず他の値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
【0222】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0223】
本発明の色変換プログラムおよび色変換装置は、表示された画像に対して、ユーザが所望する色変換を簡単な操作に応じて行うことができ、撮像画像等の各種画像の色変換を行う装置やカメラを用いて撮像する装置等に有用であり、これらの装置で実行されるプログラム等としても有用である。
【図面の簡単な説明】
【0224】
【図1】本発明の一実施形態に係る色変換プログラムを実行するゲーム装置1の外観図
【図2】図1のゲーム装置1の内部構成の一例を示すブロック図
【図3】図1の下側LCD12に表示されて色変換される画面表示例を示す図
【図4】本発明の第1および第2の実施形態に係る色変換プログラムで用いる色相環の一例を示す図
【図5】本発明の第1の実施形態において、タッチ位置TPに対して変換対象として決定される色相範囲の一例と、当該変換対象に対して彩度を変化させる一例とを示す図
【図6】図1の下側LCD12に表示されて色変換される他の画面表示例を示す図
【図7】本発明の第1の実施形態において、複数のタッチ位置TP1およびTP2に対してそれぞれ変換対象として決定される色相範囲の一例と、当該変換対象に対して彩度を変化させる一例とを示す図
【図8】本発明の第1および第2の実施形態に係る色変換プログラムを実行することに応じて、メインメモリ32に記憶される各種データの一例を示す図
【図9】本発明の第1および第2の実施形態に係る色変換プログラムを実行することによってゲーム装置1が色変換処理を行うフローチャート
【図10】本発明の第1および第2の実施形態に係る色変換プログラムを実行することによってゲーム装置1が色変換処理を行う他の例を示すフローチャート
【図11】本発明の第1の実施形態において、マンセル色相環を用いて設定される色変換対象の一例と、当該色変換対象に対して色相を変化させる一例を示す図
【図12A】撮像画像の色相が変換される一例の第1段階を示す図
【図12B】撮像画像の色相が変換される一例の第2段階を示す図
【図12C】撮像画像の色相が変換される一例の第3段階を示す図
【図12D】撮像画像の色相が変換される一例の第4段階を示す図
【図13】本発明の第2の実施形態に係る処理動作において、タッチ位置TPに対して変換対象として決定される色相範囲の一例と、当該変換対象に対して彩度を変化させる一例とを示す図
【図14】エルミート補間方式を説明するための図
【図15】本発明の第2の実施形態に係る処理動作において、複数のタッチ位置TP1およびTP2に対してそれぞれ変換対象として決定される色相範囲の一例と、当該変換対象に対して彩度を変化させる一例とを示す図
【図16】本発明の第1の実施形態において、マンセル色相環を用いて設定される色変換対象の一例と、当該色変換対象に対して色相を変化させる一例とを示す図
【図17A】本発明の第1の実施形態において、第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが一部重複する場合の色変換処理の一例を説明するための図
【図17B】本発明の第2の実施形態において、第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが一部重複する場合の色変換処理の一例を説明するための図
【図18A】本発明の第1の実施形態において、第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが一部重複する場合の色変換処理の一例を説明するための図
【図18B】本発明の第2の実施形態において、第1の色変換範囲と第2の色変換範囲とが一部重複する場合の色変換処理の一例を説明するための図
【符号の説明】
【0225】
1…ゲーム装置
11…下側ハウジング
12…下側LCD
13…タッチパネル
14…操作ボタン
15、26…LED
16…マイクロフォン用孔
21…上側ハウジング
22…上側LCD
23…内側カメラ
24…音抜き孔
25…外側カメラ
27…タッチペン
28、29…メモリカード
31…CPU
32…メインメモリ
33…メモリ制御回路
34…保存用データメモリ
35…プリセットデータ用メモリ
36…メモリカードI/F
38…無線通信モジュール
39…ローカル通信モジュール
40…RTC
41…電源回路
42…I/F回路
43…マイク
44…アンプ
45…第1GPU
46…第2GPU
47…第1VRAM
48…第2VRAM
49…LCDコントローラ
491…レジスタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の表示手段に対する座標入力可能なポインティングデバイスの出力が利用可能な情報処理装置のコンピュータで実行される色変換プログラムであって、
前記コンピュータを、
複数の画像要素ごとに色情報が設定された第1変換対象画像データに基づく画像を前記表示手段に表示する表示制御手段、
前記ポインティングデバイスによる指示に応じて、第1座標を決定する座標決定手段、
前記第1変換対象画像データにおいて前記第1座標に対応する画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第1変換対象条件を設定する変換対象条件設定手段、および
前記第1変換対象画像データにおいて前記第1変換対象条件を満たす画像要素についての色情報を変更する色変換処理を行って、変換後画像を前記表示手段に表示する色変換手段、として機能させる、色変換プログラム。
【請求項2】
前記画像要素は、画素であり、
前記色変換手段は、前記第1変換対象画像データに基づく画像の各画素のうち前記第1変換対象条件を満たす画素についての色情報を変更する色変換処理を行った変換後画像を前記表示手段に表示する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項3】
前記座標決定手段は、前記色変換手段によって前記変換後画像が前記表示手段に表示されているときに、前記ポインティングデバイスから得られた指示に応じて、第2座標を新たに決定し、
前記変換対象条件設定手段は、前記第1変換対象画像データにおいて前記第2座標に対応する画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第2変換対象条件を設定し、
前記色変換手段は、前記第1変換対象画像データにおいて前記第1変換対象条件または前記第2変換対象条件を満たす各画像要素についての色情報を変更する色変換処理を行う、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項4】
前記第1変換対象画像データとは異なる第2変換対象画像データを取得する画像取得手段として、さらに前記コンピュータを機能させ、
前記色変換手段は、前記第2変換対象画像データにおいて前記第1変換対象条件を満たす各画素要素について、色情報を変更する色変換処理を行って、変換後画像を前記表示手段に表示する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項5】
前記変換対象条件設定手段は、色相、彩度、および明度の少なくとも1つに応じた条件を、前記第1変換対象条件として設定する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項6】
前記変換対象条件設定手段は、前記取得した色情報の色相に基づいて、色相に応じた条件を、前記第1変換対象条件として設定する、請求項5に記載の色変換プログラム。
【請求項7】
前記色変換手段は、前記第1変換対象画像データに対して前記第1変換対象条件を満たす画像要素の色の彩度、明度、および色相の少なくとも1つを変更する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項8】
前記色変換手段は、前記第1変換対象画像データに対して前記第1変換対象条件を満たす画像要素の色相を変換目標色相に変更する、請求項7に記載の色変換プログラム。
【請求項9】
前記変換対象条件設定手段は、前記第1座標に対応する画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を前記第1変換対象条件として設定し、
前記色変換手段は、前記第1変換対象条件の色相範囲の色相を有する各画像要素について、当該色相範囲の中心から遠い色相を有する画像画素に比べて、当該色相範囲の中心に近い色相を有する画像要素を所定の変換目標色相により近い色相に変更する、請求項7に記載の色変換プログラム。
【請求項10】
前記色変換手段は、前記第1変換対象条件の色相範囲の色相を有する各画像要素について、当該色相範囲の中心から遠い色相を有する画像画素に比べて、当該色相範囲の中心に近い色相を有する画像要素が、前記第1変換対象画像データにおける色情報からの変更量が大きくなるようにする、請求項9に記載の色変換プログラム。
【請求項11】
前記変換対象条件設定手段は、前記第1座標に対応する画像要素の色情報を含む第1範囲を前記第1変換対象条件として設定し、かつ、前記第2座標に対応する画像要素の色情報を含む第2範囲を前記第2変換対象条件として設定し、
前記色変換手段は、前記第1変換対象画像データにおいて前記第1範囲の色情報を有する各画像要素について、
前記第1範囲の境界部の色情報である第1色情報を有する画像要素は前記第1変換対象画像データにおける色情報からの変更量を0に設定し、
前記第1範囲の所定の非境界部の色情報である第2色情報を有する画像要素は前記第1変換対象画像データにおける色情報からの変更量を所定量に設定し、かつ、
前記第1範囲の色情報のうち前記第1色情報および前記第2色情報以外の色情報を有する各画像要素は前記第1色情報から前記第2色情報に近づくほどに、前記第1変換対象画像データにおける色情報からの変更量を次第に大きくして設定し、
さらに、前記色変換手段は、前記第1変換対象画像データにおいて第2範囲の色情報を有する各画像要素について、
前記第2範囲の境界部の色情報である第3色情報を有する画像要素は前記第1変更後の色情報からの変更量を0に設定し、
前記第2範囲の所定の非境界部の色情報である第4色情報を有する画像要素は前記第1変更後の色情報からの変更量を所定量に設定し、
前記第2範囲の色情報のうち前記第3色情報および前記第4色情報以外の色情報を有する各画像画素は前記第3色情報から前記第4色情報に近づくほどに、前記第1変換対象画像データにおける色情報からの変更量を次第に大きくして設定する、請求項3に記載の色変換プログラム。
【請求項12】
前記色変換手段は、前記第1変換対象条件の色相範囲の中心から離れた当該色相範囲内の色相に対して、当該色相を前記変換目標色相に近づける割合を当該中心から離れるにしたがってエルミート曲線に応じて漸減させて前記第1変換対象条件の色相範囲の色相を有する各画像要素の色相を変更する、請求項9に記載の色変換プログラム。
【請求項13】
前記色変換手段は、前記取得した色情報の色相に基づいて前記変換目標色相を設定する、請求項8に記載の色変換プログラム。
【請求項14】
前記色変換手段は、前記変換目標色相を時間経過と共に順次変更して前記表示手段に表示する、請求項8に記載の色変換プログラム。
【請求項15】
前記表示制御手段は、前記第1変更対象画像データの各画像要素について、彩度を下げる画像処理を加えて、無彩色の画像を前記表示手段に表示し、
前記色変換手段は、無彩色となった前記第1変換対象画像データの各画像要素のうち前記第1変換対象条件を満たす各画像要素に対して、当該各画像要素が持つ彩度を前記第1変換対象画像データにおける彩度に戻す色変換処理を行って、変換後画像を前記表示手段に表示する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項16】
前記変換対象条件設定手段は、前記取得した色情報の色相を中心とした所定範囲に含まれる色相を有することを、前記第1変換対象条件として設定し、
前記色変換手段は、前記取得した色情報の色相の中心から離れた前記所定範囲に含まれる色相を有する画像要素に対して、当該中心から離れるにしたがって当該色相の画像要素の彩度を前記第1変換対象画像データにおける彩度に戻す割合を漸減させて当該彩度を変更する色変換処理を行って、変換後画像を前記表示手段に表示する、請求項15に記載の色変換プログラム。
【請求項17】
前記色変換手段は、前記所定範囲の中心から離れた当該所定範囲内の色相を有する画像要素に対して、当該画像要素の彩度を前記第1変換対象画像データにおける彩度に戻す割合を、当該中心から離れるにしたがって100%から0%まで直線的に漸減させて当該彩度を変更する、請求項16に記載の色変換プログラム。
【請求項18】
前記色変換手段は、前記所定範囲の中心から離れた当該所定範囲内の色相を有する画像要素に対して、当該画像要素の彩度を前記第1変換対象画像データにおける彩度に戻す割合を、当該中心から離れるにしたがって100%から0%までエルミート曲線に応じて漸減させて当該彩度を変更する、請求項16に記載の色変換プログラム。
【請求項19】
前記変換対象条件設定手段は、前記第1変換対象画像データにおける前記第1座標に対応する画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を前記第1変換対象条件の色相範囲として設定し、
前記色変換手段は、前記第1変換対象条件の色相範囲の色相を持つ前記第1変換対象画像データにおける画像要素に対して彩度、明度、および色相の少なくとも1つを変更する色変換処理を行って、変換後画像を前記表示手段に表示し、
前記座標決定手段は、前記色変換手段によって前記変換後画像が前記表示手段に表示されているときに、前記ポインティングデバイスから得られた指示に応じて、第2座標を新たに決定し、
前記変換対象条件設定手段は、前記第1変換対象画像データにおける前記第2座標に対応する画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を第2変換対象条件の色相範囲として設定し、
前記色変換手段は、前記第2変換対象条件の色相範囲の色相を持つ前記第1変換対象画像データにおける画像要素に対して彩度、明度、および色相の少なくとも1つを変更する色変換処理を行って、変換後画像を前記表示手段に表示する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項20】
前記色変換手段は、
前記第1変換対象条件の色相範囲の中心から離れた当該色相範囲内の色相を持つ画像要素に対して、当該画像要素が持つ彩度および明度の少なくとも一方を変更する割合を当該中心から離れるにしたがって漸減させて当該彩度および明度の少なくとも一方を変更し、
前記第2変換対象条件の色相範囲の中心から離れた当該色相範囲内の色相を持つ画像要素に対して、当該画像要素が持つ彩度および明度の少なくとも一方を変更する割合を当該中心から離れるにしたがって漸減させて当該彩度および明度の少なくとも一方を変更し、
前記第1変換対象条件の色相範囲と前記第2変換対象条件の色相範囲とが一部重複する場合、当該重複する範囲の色相を持つ画像要素に対して、前記第1変換対象条件の色相範囲で変更される彩度および明度の少なくとも一方の割合および前記第2変換対象条件の色相範囲で変更される彩度および明度の少なくとも一方の割合の大きい方を選択して変更する、請求項19に記載の色変換プログラム。
【請求項21】
前記色変換手段は、
前記第1変換対象条件の色相範囲の中心から離れた当該第1変換対象条件の色相範囲内の色相を持つ画像要素に対して、当該画像要素が持つ彩度および明度の少なくとも一方を変更する割合を当該中心から離れるにしたがって漸減させて当該彩度および明度の少なくとも一方を変更し、
前記第2変換対象条件の色相範囲の中心から離れた当該第2変換対象条件の色相範囲内の色相を持つ画像要素に対して、当該画像要素が持つ彩度および明度の少なくとも一方を変更する割合を当該中心から離れるにしたがって漸減させて当該彩度および明度の少なくとも一方を変更し、
前記第1変換対象条件の色相範囲と前記第2変換対象条件の色相範囲とが一部重複する場合、当該重複範囲の色相を持つ画像要素に対して、当該重複範囲の中心が極小となった曲線状に割合が変化するように彩度および明度の少なくとも一方の割合を変更する、請求項19に記載の色変換プログラム。
【請求項22】
前記情報処理装置は、当該情報処理装置周辺を撮像する撮像手段を、さらに備え、
前記表示制御手段は、前記撮像手段で撮像された画像データを前記第1変換対象画像データとして、当該画像データに基づく画像をリアルタイムで前記表示手段に表示する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項23】
前記表示制御手段は、前記第1変換対象画像データに基づく有彩色の画像を前記表示手段に表示し、
前記変換対象条件設定手段は、前記第1座標に対応する前記第1変換対象画像データにおける画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を前記第1変換対象条件の色相範囲として設定し、
前記色変換手段は、前記第1変換対象条件の色相範囲の色相を持つ前記第1変換対象画像データにおける画像要素に対して、当該画像要素が持つ彩度を下げることによって無彩色の画素に変更する色変換処理を行って、変換後画像を前記表示手段に表示する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項24】
前記表示制御手段は、有彩色の前記第1変換対象画像データにおける全ての画像要素の明度を下げて黒色の画素に変換して前記表示手段に表示し、
前記変換対象条件設定手段は、前記第1座標に対応する前記第1変換対象画像データにおける画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を前記第1変換対象条件の色相範囲として設定し、
前記色変換手段は、前記第1変換対象条件の色相範囲の色相を持つ前記第1変換対象画像データにおける画像要素に対して、当該画像要素が持つ明度を前記第1変換対象画像データにおける明度に戻して前記表示手段に表示する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項25】
前記表示制御手段は、前記第1変換対象画像データに基づく有彩色の画像を前記表示手段に表示し、
前記変換対象条件設定手段は、前記第1座標に対応する前記第1変換対象画像データにおける画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を前記第1変換対象条件の色相範囲として設定し、
前記色変換手段は、前記第1変換対象条件の色相範囲の色相を持つ前記第1変更対象画像データの画像要素に対して、当該画像要素が持つ明度を下げて前記表示手段に表示する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項26】
前記変換対象条件設定手段は、前記第1座標に対応する前記第1変換対象画像データの画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を前記第1変換対象条件の色相範囲として設定し、
前記色変換手段は、前記第1変換対象条件の色相範囲の色相を持つ前記第1変換対象画像データの画像要素の色相を第1変換目標色相に変更する色変換処理を行って、変換後画像を前記表示手段に表示し、
前記座標決定手段は、前記色変換手段によって前記変換後画像が前記表示手段に表示されているときに、前記ポインティングデバイスから得られた指示に応じて、第2座標を新たに決定し、
前記変換対象条件設定手段は、前記第2座標に対応する前記第1変換対象画像データの画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を第2変換対象条件の色相範囲として設定し、
前記色変換手段は、前記第2変換対象条件の色相範囲の色相を持つ前記第1変換対象画像データの画像要素の色相を第2変換目標色相に変更する色変換処理を行って、変換後画像を前記表示手段に表示する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項27】
前記色変換手段は、前記第1変換対象条件の色相範囲と前記第2変換対象条件の色相範囲とが一部または全部重複する場合、当該重複範囲内の色相を持つ画像要素に対しては、前記第1変換対象条件の色相範囲に対して変更された当該画像要素の色相を、当該変更された色相に基づいて前記第2変換目標色相に近づけて変更する、請求項26に記載の色変換プログラム。
【請求項28】
前記色変換手段は、前記第2座標が新たに決定された時点で前記表示手段に表示されている当該第2座標に対応する前記変換後画像の色相に基づいて、前記第2変換目標色相を設定する、請求項26に記載の色変換プログラム。
【請求項29】
前記色変換手段は、前記第1変換対象条件を満たす画像要素の色情報を変更する色変換処理とは異なる方式で、前記第1変換対象画像データに対して前記第1変換対象条件を満たさない画像要素に対する色情報を変更する色変換処理をさらに行って、変換後画像を前記表示手段に表示する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項30】
所定の表示手段に対する座標入力可能なポインティングデバイスの出力と所定の撮像手段から繰り返し出力される撮像画像データとを利用可能な情報処理装置のコンピュータで実行される色変換プログラムであって、
前記コンピュータを、
繰り返し出力される前記撮像画像データに基づく画像を、前記表示手段に順次表示する表示制御手段、
前記ポインティングデバイスによる指示に応じて、第1座標を決定する座標決定手段、
前記第1座標が決定されたときの前記表示手段への表示に用いた前記撮像画像データにおける当該第1座標に対応する画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第1変換対象条件を設定する変換対象条件設定手段、および
繰り返し生成される前記撮像画像データに対して、前記第1変換対象条件を満たす画像要素の色情報を変更する色変換処理を順次行って、変換後画像を前記表示手段に順次表示する色変換手段、として機能させる、色変換プログラム。
【請求項31】
前記座標決定手段は、前記色変換手段によって前記変換後画像が前記表示手段に順次表示されているときに、前記ポインティングデバイスから得られた指示に応じて、第2座標を新たに決定し、
前記変換対象条件設定手段は、前記第2座標が決定されたときの前記表示手段への表示に用いた前記撮像画像データにおける当該第2座標に対応する画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第2変換対象条件を設定し、
前記色変換手段は、繰り返し出力される前記撮像画像データに対してさらに前記第2変換対象条件を満たす画像要素の色情報を変更する色変換処理を順次行って、新たな変換後画像を前記表示手段に順次表示する、請求項30に記載の色変換プログラム。
【請求項32】
所定の表示手段に対する座標入力可能なポインティングデバイスの出力が利用可能な色変換装置であって、
複数の画像要素ごとに色情報が設定された第1変換対象画像データに基づく画像を前記表示手段に表示する表示制御手段、
前記ポインティングデバイスによる指示に応じて、第1座標を決定する座標決定手段、
前記第1座標に対応する前記第1変換対象画像データにおける画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第1変換対象条件を設定する変換対象条件設定手段、および
前記第1変換対象画像データにおいて前記第1変換対象条件を満たす画像要素についての色情報を変更する色変換処理を行って、変換後画像を前記表示手段に表示する色変換手段を備える、色変換装置。
【請求項33】
所定の表示手段に対する座標入力可能なポインティングデバイスの出力と所定の撮像手段から繰り返し出力される撮像画像データとを利用可能な色変換装置であって、
繰り返し出力される前記撮像画像データに基づく画像を、前記表示手段に順次表示する表示制御手段、
前記ポインティングデバイスによる指示に応じて、第1座標を決定する座標決定手段、
前記第1座標が決定されたときの前記表示手段への表示に用いた前記撮像画像データにおける当該第1座標に対応する画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第1変換対象条件を設定する変換対象条件設定手段、および
繰り返し生成される前記撮像画像データに対して、前記第1変換対象条件を満たす画像要素の色情報を変更する色変換処理を順次行って、変換後画像を前記表示手段に順次表示する色変換手段を備える、色変換装置。
【請求項1】
所定の表示手段に対する座標入力可能なポインティングデバイスの出力が利用可能な情報処理装置のコンピュータで実行される色変換プログラムであって、
前記コンピュータを、
複数の画像要素ごとに色情報が設定された第1変換対象画像データに基づく画像を前記表示手段に表示する表示制御手段、
前記ポインティングデバイスによる指示に応じて、第1座標を決定する座標決定手段、
前記第1変換対象画像データにおいて前記第1座標に対応する画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第1変換対象条件を設定する変換対象条件設定手段、および
前記第1変換対象画像データにおいて前記第1変換対象条件を満たす画像要素についての色情報を変更する色変換処理を行って、変換後画像を前記表示手段に表示する色変換手段、として機能させる、色変換プログラム。
【請求項2】
前記画像要素は、画素であり、
前記色変換手段は、前記第1変換対象画像データに基づく画像の各画素のうち前記第1変換対象条件を満たす画素についての色情報を変更する色変換処理を行った変換後画像を前記表示手段に表示する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項3】
前記座標決定手段は、前記色変換手段によって前記変換後画像が前記表示手段に表示されているときに、前記ポインティングデバイスから得られた指示に応じて、第2座標を新たに決定し、
前記変換対象条件設定手段は、前記第1変換対象画像データにおいて前記第2座標に対応する画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第2変換対象条件を設定し、
前記色変換手段は、前記第1変換対象画像データにおいて前記第1変換対象条件または前記第2変換対象条件を満たす各画像要素についての色情報を変更する色変換処理を行う、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項4】
前記第1変換対象画像データとは異なる第2変換対象画像データを取得する画像取得手段として、さらに前記コンピュータを機能させ、
前記色変換手段は、前記第2変換対象画像データにおいて前記第1変換対象条件を満たす各画素要素について、色情報を変更する色変換処理を行って、変換後画像を前記表示手段に表示する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項5】
前記変換対象条件設定手段は、色相、彩度、および明度の少なくとも1つに応じた条件を、前記第1変換対象条件として設定する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項6】
前記変換対象条件設定手段は、前記取得した色情報の色相に基づいて、色相に応じた条件を、前記第1変換対象条件として設定する、請求項5に記載の色変換プログラム。
【請求項7】
前記色変換手段は、前記第1変換対象画像データに対して前記第1変換対象条件を満たす画像要素の色の彩度、明度、および色相の少なくとも1つを変更する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項8】
前記色変換手段は、前記第1変換対象画像データに対して前記第1変換対象条件を満たす画像要素の色相を変換目標色相に変更する、請求項7に記載の色変換プログラム。
【請求項9】
前記変換対象条件設定手段は、前記第1座標に対応する画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を前記第1変換対象条件として設定し、
前記色変換手段は、前記第1変換対象条件の色相範囲の色相を有する各画像要素について、当該色相範囲の中心から遠い色相を有する画像画素に比べて、当該色相範囲の中心に近い色相を有する画像要素を所定の変換目標色相により近い色相に変更する、請求項7に記載の色変換プログラム。
【請求項10】
前記色変換手段は、前記第1変換対象条件の色相範囲の色相を有する各画像要素について、当該色相範囲の中心から遠い色相を有する画像画素に比べて、当該色相範囲の中心に近い色相を有する画像要素が、前記第1変換対象画像データにおける色情報からの変更量が大きくなるようにする、請求項9に記載の色変換プログラム。
【請求項11】
前記変換対象条件設定手段は、前記第1座標に対応する画像要素の色情報を含む第1範囲を前記第1変換対象条件として設定し、かつ、前記第2座標に対応する画像要素の色情報を含む第2範囲を前記第2変換対象条件として設定し、
前記色変換手段は、前記第1変換対象画像データにおいて前記第1範囲の色情報を有する各画像要素について、
前記第1範囲の境界部の色情報である第1色情報を有する画像要素は前記第1変換対象画像データにおける色情報からの変更量を0に設定し、
前記第1範囲の所定の非境界部の色情報である第2色情報を有する画像要素は前記第1変換対象画像データにおける色情報からの変更量を所定量に設定し、かつ、
前記第1範囲の色情報のうち前記第1色情報および前記第2色情報以外の色情報を有する各画像要素は前記第1色情報から前記第2色情報に近づくほどに、前記第1変換対象画像データにおける色情報からの変更量を次第に大きくして設定し、
さらに、前記色変換手段は、前記第1変換対象画像データにおいて第2範囲の色情報を有する各画像要素について、
前記第2範囲の境界部の色情報である第3色情報を有する画像要素は前記第1変更後の色情報からの変更量を0に設定し、
前記第2範囲の所定の非境界部の色情報である第4色情報を有する画像要素は前記第1変更後の色情報からの変更量を所定量に設定し、
前記第2範囲の色情報のうち前記第3色情報および前記第4色情報以外の色情報を有する各画像画素は前記第3色情報から前記第4色情報に近づくほどに、前記第1変換対象画像データにおける色情報からの変更量を次第に大きくして設定する、請求項3に記載の色変換プログラム。
【請求項12】
前記色変換手段は、前記第1変換対象条件の色相範囲の中心から離れた当該色相範囲内の色相に対して、当該色相を前記変換目標色相に近づける割合を当該中心から離れるにしたがってエルミート曲線に応じて漸減させて前記第1変換対象条件の色相範囲の色相を有する各画像要素の色相を変更する、請求項9に記載の色変換プログラム。
【請求項13】
前記色変換手段は、前記取得した色情報の色相に基づいて前記変換目標色相を設定する、請求項8に記載の色変換プログラム。
【請求項14】
前記色変換手段は、前記変換目標色相を時間経過と共に順次変更して前記表示手段に表示する、請求項8に記載の色変換プログラム。
【請求項15】
前記表示制御手段は、前記第1変更対象画像データの各画像要素について、彩度を下げる画像処理を加えて、無彩色の画像を前記表示手段に表示し、
前記色変換手段は、無彩色となった前記第1変換対象画像データの各画像要素のうち前記第1変換対象条件を満たす各画像要素に対して、当該各画像要素が持つ彩度を前記第1変換対象画像データにおける彩度に戻す色変換処理を行って、変換後画像を前記表示手段に表示する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項16】
前記変換対象条件設定手段は、前記取得した色情報の色相を中心とした所定範囲に含まれる色相を有することを、前記第1変換対象条件として設定し、
前記色変換手段は、前記取得した色情報の色相の中心から離れた前記所定範囲に含まれる色相を有する画像要素に対して、当該中心から離れるにしたがって当該色相の画像要素の彩度を前記第1変換対象画像データにおける彩度に戻す割合を漸減させて当該彩度を変更する色変換処理を行って、変換後画像を前記表示手段に表示する、請求項15に記載の色変換プログラム。
【請求項17】
前記色変換手段は、前記所定範囲の中心から離れた当該所定範囲内の色相を有する画像要素に対して、当該画像要素の彩度を前記第1変換対象画像データにおける彩度に戻す割合を、当該中心から離れるにしたがって100%から0%まで直線的に漸減させて当該彩度を変更する、請求項16に記載の色変換プログラム。
【請求項18】
前記色変換手段は、前記所定範囲の中心から離れた当該所定範囲内の色相を有する画像要素に対して、当該画像要素の彩度を前記第1変換対象画像データにおける彩度に戻す割合を、当該中心から離れるにしたがって100%から0%までエルミート曲線に応じて漸減させて当該彩度を変更する、請求項16に記載の色変換プログラム。
【請求項19】
前記変換対象条件設定手段は、前記第1変換対象画像データにおける前記第1座標に対応する画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を前記第1変換対象条件の色相範囲として設定し、
前記色変換手段は、前記第1変換対象条件の色相範囲の色相を持つ前記第1変換対象画像データにおける画像要素に対して彩度、明度、および色相の少なくとも1つを変更する色変換処理を行って、変換後画像を前記表示手段に表示し、
前記座標決定手段は、前記色変換手段によって前記変換後画像が前記表示手段に表示されているときに、前記ポインティングデバイスから得られた指示に応じて、第2座標を新たに決定し、
前記変換対象条件設定手段は、前記第1変換対象画像データにおける前記第2座標に対応する画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を第2変換対象条件の色相範囲として設定し、
前記色変換手段は、前記第2変換対象条件の色相範囲の色相を持つ前記第1変換対象画像データにおける画像要素に対して彩度、明度、および色相の少なくとも1つを変更する色変換処理を行って、変換後画像を前記表示手段に表示する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項20】
前記色変換手段は、
前記第1変換対象条件の色相範囲の中心から離れた当該色相範囲内の色相を持つ画像要素に対して、当該画像要素が持つ彩度および明度の少なくとも一方を変更する割合を当該中心から離れるにしたがって漸減させて当該彩度および明度の少なくとも一方を変更し、
前記第2変換対象条件の色相範囲の中心から離れた当該色相範囲内の色相を持つ画像要素に対して、当該画像要素が持つ彩度および明度の少なくとも一方を変更する割合を当該中心から離れるにしたがって漸減させて当該彩度および明度の少なくとも一方を変更し、
前記第1変換対象条件の色相範囲と前記第2変換対象条件の色相範囲とが一部重複する場合、当該重複する範囲の色相を持つ画像要素に対して、前記第1変換対象条件の色相範囲で変更される彩度および明度の少なくとも一方の割合および前記第2変換対象条件の色相範囲で変更される彩度および明度の少なくとも一方の割合の大きい方を選択して変更する、請求項19に記載の色変換プログラム。
【請求項21】
前記色変換手段は、
前記第1変換対象条件の色相範囲の中心から離れた当該第1変換対象条件の色相範囲内の色相を持つ画像要素に対して、当該画像要素が持つ彩度および明度の少なくとも一方を変更する割合を当該中心から離れるにしたがって漸減させて当該彩度および明度の少なくとも一方を変更し、
前記第2変換対象条件の色相範囲の中心から離れた当該第2変換対象条件の色相範囲内の色相を持つ画像要素に対して、当該画像要素が持つ彩度および明度の少なくとも一方を変更する割合を当該中心から離れるにしたがって漸減させて当該彩度および明度の少なくとも一方を変更し、
前記第1変換対象条件の色相範囲と前記第2変換対象条件の色相範囲とが一部重複する場合、当該重複範囲の色相を持つ画像要素に対して、当該重複範囲の中心が極小となった曲線状に割合が変化するように彩度および明度の少なくとも一方の割合を変更する、請求項19に記載の色変換プログラム。
【請求項22】
前記情報処理装置は、当該情報処理装置周辺を撮像する撮像手段を、さらに備え、
前記表示制御手段は、前記撮像手段で撮像された画像データを前記第1変換対象画像データとして、当該画像データに基づく画像をリアルタイムで前記表示手段に表示する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項23】
前記表示制御手段は、前記第1変換対象画像データに基づく有彩色の画像を前記表示手段に表示し、
前記変換対象条件設定手段は、前記第1座標に対応する前記第1変換対象画像データにおける画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を前記第1変換対象条件の色相範囲として設定し、
前記色変換手段は、前記第1変換対象条件の色相範囲の色相を持つ前記第1変換対象画像データにおける画像要素に対して、当該画像要素が持つ彩度を下げることによって無彩色の画素に変更する色変換処理を行って、変換後画像を前記表示手段に表示する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項24】
前記表示制御手段は、有彩色の前記第1変換対象画像データにおける全ての画像要素の明度を下げて黒色の画素に変換して前記表示手段に表示し、
前記変換対象条件設定手段は、前記第1座標に対応する前記第1変換対象画像データにおける画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を前記第1変換対象条件の色相範囲として設定し、
前記色変換手段は、前記第1変換対象条件の色相範囲の色相を持つ前記第1変換対象画像データにおける画像要素に対して、当該画像要素が持つ明度を前記第1変換対象画像データにおける明度に戻して前記表示手段に表示する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項25】
前記表示制御手段は、前記第1変換対象画像データに基づく有彩色の画像を前記表示手段に表示し、
前記変換対象条件設定手段は、前記第1座標に対応する前記第1変換対象画像データにおける画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を前記第1変換対象条件の色相範囲として設定し、
前記色変換手段は、前記第1変換対象条件の色相範囲の色相を持つ前記第1変更対象画像データの画像要素に対して、当該画像要素が持つ明度を下げて前記表示手段に表示する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項26】
前記変換対象条件設定手段は、前記第1座標に対応する前記第1変換対象画像データの画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を前記第1変換対象条件の色相範囲として設定し、
前記色変換手段は、前記第1変換対象条件の色相範囲の色相を持つ前記第1変換対象画像データの画像要素の色相を第1変換目標色相に変更する色変換処理を行って、変換後画像を前記表示手段に表示し、
前記座標決定手段は、前記色変換手段によって前記変換後画像が前記表示手段に表示されているときに、前記ポインティングデバイスから得られた指示に応じて、第2座標を新たに決定し、
前記変換対象条件設定手段は、前記第2座標に対応する前記第1変換対象画像データの画像要素の色相を取得し、当該取得した色相を中心とした色相の所定範囲を第2変換対象条件の色相範囲として設定し、
前記色変換手段は、前記第2変換対象条件の色相範囲の色相を持つ前記第1変換対象画像データの画像要素の色相を第2変換目標色相に変更する色変換処理を行って、変換後画像を前記表示手段に表示する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項27】
前記色変換手段は、前記第1変換対象条件の色相範囲と前記第2変換対象条件の色相範囲とが一部または全部重複する場合、当該重複範囲内の色相を持つ画像要素に対しては、前記第1変換対象条件の色相範囲に対して変更された当該画像要素の色相を、当該変更された色相に基づいて前記第2変換目標色相に近づけて変更する、請求項26に記載の色変換プログラム。
【請求項28】
前記色変換手段は、前記第2座標が新たに決定された時点で前記表示手段に表示されている当該第2座標に対応する前記変換後画像の色相に基づいて、前記第2変換目標色相を設定する、請求項26に記載の色変換プログラム。
【請求項29】
前記色変換手段は、前記第1変換対象条件を満たす画像要素の色情報を変更する色変換処理とは異なる方式で、前記第1変換対象画像データに対して前記第1変換対象条件を満たさない画像要素に対する色情報を変更する色変換処理をさらに行って、変換後画像を前記表示手段に表示する、請求項1に記載の色変換プログラム。
【請求項30】
所定の表示手段に対する座標入力可能なポインティングデバイスの出力と所定の撮像手段から繰り返し出力される撮像画像データとを利用可能な情報処理装置のコンピュータで実行される色変換プログラムであって、
前記コンピュータを、
繰り返し出力される前記撮像画像データに基づく画像を、前記表示手段に順次表示する表示制御手段、
前記ポインティングデバイスによる指示に応じて、第1座標を決定する座標決定手段、
前記第1座標が決定されたときの前記表示手段への表示に用いた前記撮像画像データにおける当該第1座標に対応する画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第1変換対象条件を設定する変換対象条件設定手段、および
繰り返し生成される前記撮像画像データに対して、前記第1変換対象条件を満たす画像要素の色情報を変更する色変換処理を順次行って、変換後画像を前記表示手段に順次表示する色変換手段、として機能させる、色変換プログラム。
【請求項31】
前記座標決定手段は、前記色変換手段によって前記変換後画像が前記表示手段に順次表示されているときに、前記ポインティングデバイスから得られた指示に応じて、第2座標を新たに決定し、
前記変換対象条件設定手段は、前記第2座標が決定されたときの前記表示手段への表示に用いた前記撮像画像データにおける当該第2座標に対応する画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第2変換対象条件を設定し、
前記色変換手段は、繰り返し出力される前記撮像画像データに対してさらに前記第2変換対象条件を満たす画像要素の色情報を変更する色変換処理を順次行って、新たな変換後画像を前記表示手段に順次表示する、請求項30に記載の色変換プログラム。
【請求項32】
所定の表示手段に対する座標入力可能なポインティングデバイスの出力が利用可能な色変換装置であって、
複数の画像要素ごとに色情報が設定された第1変換対象画像データに基づく画像を前記表示手段に表示する表示制御手段、
前記ポインティングデバイスによる指示に応じて、第1座標を決定する座標決定手段、
前記第1座標に対応する前記第1変換対象画像データにおける画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第1変換対象条件を設定する変換対象条件設定手段、および
前記第1変換対象画像データにおいて前記第1変換対象条件を満たす画像要素についての色情報を変更する色変換処理を行って、変換後画像を前記表示手段に表示する色変換手段を備える、色変換装置。
【請求項33】
所定の表示手段に対する座標入力可能なポインティングデバイスの出力と所定の撮像手段から繰り返し出力される撮像画像データとを利用可能な色変換装置であって、
繰り返し出力される前記撮像画像データに基づく画像を、前記表示手段に順次表示する表示制御手段、
前記ポインティングデバイスによる指示に応じて、第1座標を決定する座標決定手段、
前記第1座標が決定されたときの前記表示手段への表示に用いた前記撮像画像データにおける当該第1座標に対応する画像要素の色情報を取得し、取得した色情報に応じて第1変換対象条件を設定する変換対象条件設定手段、および
繰り返し生成される前記撮像画像データに対して、前記第1変換対象条件を満たす画像要素の色情報を変更する色変換処理を順次行って、変換後画像を前記表示手段に順次表示する色変換手段を備える、色変換装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18A】
【図18B】
【公開番号】特開2010−28780(P2010−28780A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−249017(P2008−249017)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【特許番号】特許第4282744号(P4282744)
【特許公報発行日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000233778)任天堂株式会社 (1,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【特許番号】特許第4282744号(P4282744)
【特許公報発行日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000233778)任天堂株式会社 (1,115)
【Fターム(参考)】
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