説明

色変換方法、色変換装置及びプログラム

【課題】印刷条件や観察環境の変更の都度に色調整作業を行うことなく、それぞれの印刷条件及び観察環境に適した画像データに変換できる色変換方法を提供する。
【解決手段】第1印刷物と、第2印刷物との第1の分光データを取得し、第2印刷物に被覆させる第2ラミネートフイルムの第2の分光データを取得し、第1印刷物の観察光源である光源PSと、第2保護膜付印刷物の観察光源である光源DSとの第3の分光データを取得し、第1及び第3の分光データに基づいて第1印刷物に対応する第1プロファイルを生成し、第1及び第2の分光データ並びに光源DSの第3の分光データに基づいて第2保護膜付印刷物に対応する第2プロファイルを生成し、前記第1プロファイルを入力側プロファイルとして用い、前記第2プロファイルを出力側プロファイルとして用いて、第1印刷物の画像を表す画像データを第2印刷物の画像を表す画像データに色変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1印刷物上において適切な色の画像を得るための画像データを、第2印刷物上において適切な色の画像を得るための画像データに変換する色変換方法、色変換装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年のインクジェット技術の飛躍的進歩に伴い、インクジェット方式の印刷機による高速・高画質を両立したカラー大判印刷が可能になりつつある。この印刷機は、個人的・家庭的用途だけでなく、最近では、特に商業用途において幅広い分野で用いられている。この印刷機を用いることにより、例えば、店頭POP(Point of Purchase)や壁面ポスターのみならず、屋外広告・看板等の大サイズメディア、ロールメディア、厚手の硬質メディアに対しても印刷が可能である。
【0003】
このような多様な商業的需要に応えるため、印刷に用いられる印刷媒体(以下「メディア」という場合がある。)も多種多彩である。例えば、合成紙・厚紙・アルミ蒸着紙等の紙類、塩化ビニル・PET等の樹脂、繊維織物の両面に合成樹脂フイルムを貼り合わせたターポリン等が用いられる。
【0004】
広告印刷には需要者の視覚を通じてその購買意欲を喚起させる効果が期待されることから、印刷物(印刷された印刷媒体)の色の仕上がりは特に重要である。従来から、印刷物の色管理手段として、ICC(International Color Consortium)プロファイルの作成方法や、指定色の調整方法等の様々なカラーマッチング技術が多数開示されている。
【0005】
ところで、この印刷物が掲示される場所も多種多彩であり、屋外のみならず、室内や、スポットライト照明に晒される展示場に掲示される場合もある。一般的には、印刷物の掲示場所の差異に応じて、観察光源としての環境光が有する分光特性(分光エネルギー分布)が変化する。
【0006】
このため、同一の印刷物であっても観察光源が異なる場合は、人間の眼の網膜に最終的に到達する光の分光特性が変化するので、程度の多少はあるが、観察者にとっての印刷物の見え(色の印象)が変動し得る。よって、印刷物形成下の観察環境(つまり、印刷機の設置場所)と掲示場所の観察環境とが著しく相違する場合は、所望の色を有する印刷物が得られないという事態が想定される。
【0007】
これに対し、特許文献1には、画像を観察する環境の光源特性を取得し、環境光による色順応を考慮したカラーマッチング処理を行う装置及び方法が開示されている(特許文献1の[0008]〜[0012]参照)。
【0008】
また、特許文献2には、データ属性の異なる複数のプロファイルを組み合わせて入出力デバイスのプロファイルを構成するシステムが開示されている。例えば、印刷出力条件プロファイルとして紙に関するパラメータ(特許文献2の[0047]、図4参照)が、観察条件プロファイルとして観察光源に関するパラメータ(同[0049]、図6参照)がそれぞれ設定される。これにより、観察光源やメディアの種類に応じて画像データを容易に処理可能であり、高精度な色再現を行うことができる(同[0086]参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−218266号公報
【特許文献2】特開平7−154623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記特許文献1及び2に開示されている技術的思想に関連してなされたものであり、印刷条件や観察環境の変更の都度に色調整作業を行うことなく、それぞれの印刷条件及び観察環境に適した画像データに変換できる色変換方法、色変換装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る色変換方法は、第1メディアに印刷して得られた第1印刷物と、前記第1メディアと同一の又は異なるメディアである第2メディアに印刷して得られた第2印刷物との光学物性値を取得する第1取得ステップと、前記第2印刷物に被覆させる保護膜である第2保護膜の光学物性値を取得する第2取得ステップと、前記第1印刷物の観察光源である第1光源と、前記第1光源と同一の又は異なる観察光源であって前記第2印刷物に前記第2保護膜を被覆させて得られた第2保護膜付印刷物の観察光源である第2光源との分光分布を取得する第3取得ステップと、取得された前記第1印刷物の光学物性値及び前記第1光源の分光分布に基づいて前記第1印刷物に対応する第1プロファイルを生成する第1生成ステップと、取得された前記第2印刷物及び前記第2保護膜の光学物性値並びに前記第2光源の分光分布に基づいて前記第2保護膜付印刷物に対応する第2プロファイルを生成する第2生成ステップと、生成された前記第1プロファイルを入力側プロファイルとして用い、生成された前記第2プロファイルを出力側プロファイルとして用いて、前記第1印刷物の画像を表す画像データを前記第2印刷物の画像を表す画像データに色変換する色変換ステップとを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る色変換方法は、第1メディアに印刷して得られた第1印刷物と、前記第1メディアと同一の又は異なるメディアである第2メディアに印刷して得られた第2印刷物との光学物性値を取得する第1取得ステップと、前記第1印刷物に被覆させる第1保護膜と、前記第1保護膜と同一の又は異なる保護膜であって前記第2印刷物に被覆させる保護膜である第2保護膜との光学物性値を取得する第2取得ステップと、前記第1印刷物に前記第1保護膜を被覆させて得られた第1保護膜付印刷物の観察光源である第1光源と、前記第1光源と同一の又は異なる観察光源であって前記第2印刷物に前記第2保護膜を被覆させて得られた第2保護膜付印刷物の観察光源である第2光源との分光分布を取得する第3取得ステップと、取得された前記第1印刷物及び前記第1保護膜の光学物性値並びに前記第1光源の分光分布に基づいて前記第1保護膜付印刷物に対応する第1プロファイルを生成する第1生成ステップと、取得された前記第2印刷物及び前記第2保護膜の光学物性値並びに前記第2光源の分光分布に基づいて前記第2保護膜付印刷物に対応する第2プロファイルを生成する第2生成ステップと、生成された前記第1プロファイルを入力側プロファイルとして用い、生成された前記第2プロファイルを出力側プロファイルとして用いて、前記第1印刷物の画像を表す画像データを前記第2印刷物の画像を表す画像データに色変換する色変換ステップとを備えることを特徴とする。
【0013】
このように、第1印刷物(第1保護膜付印刷物)に適切な第1プロファイルを入力側プロファイルとして用い、第2保護膜付印刷物に適切な第2プロファイルを出力側プロファイルとして用いるようにしたので、第1印刷物(第1保護膜付印刷物)を形成するために適切なカラー画像データをそのまま用いて、様々な印刷条件・観察環境下に応じた第2保護膜付印刷物の色再現を適切に行うことができる。これにより、印刷条件・観察環境の組合せを変更する都度に色の微調整を行う必要がなくなり、色調整作業に要する工数を大幅に低減することができる。
【0014】
また、前記第1取得ステップは、メディアの種類を指定するステップと、データベースの参照又は印刷物の測色により、指定された前記メディアの種類に対応する光学物性値を取得するステップとをさらに備えることが好ましい。
【0015】
さらに、前記第2取得ステップは、保護膜の種類を指定するステップと、データベースの参照又は保護膜の測定により、指定された前記保護膜の種類に対応する光学物性値を取得するステップとをさらに備えることが好ましい。
【0016】
さらに、前記第3取得ステップは、光源の種類を指定するステップと、データベースの参照又は光源の測定により、指定された前記光源の種類に対応する分光分布を取得するステップとをさらに備えることが好ましい。
【0017】
さらに、前記色変換ステップは、前記第1プロファイルに係る黒点の色値と前記第2プロファイルに係る黒点の色値とを一致させるようにマッピングをするステップをさらに備えることが好ましい。これにより、第1印刷物(第1保護膜付印刷物)と第2保護膜付印刷物との間において、特にシャドー領域内の色再現性を略一致させることができる。
【0018】
さらに、GUIに画像を表示するステップと、前記GUIを用いたユーザ操作に従って前記第1保護膜又は前記第2保護膜の種類を指定するステップと、前記第1保護膜及び前記第2保護膜の種類がいずれも保護膜を被覆しないと指定された場合には前記マッピングの要否を選択不可となるように、それ以外の場合には前記マッピングの要否を選択可能となるように、表示させる前記GUIに画像を変更するステップとをさらに備えることが好ましい。これにより、保護膜の被覆によるシャドー領域の色変化を適切に補正できる。
【0019】
さらに、メディアが反射メディアである場合は、印刷物の光学物性値は分光反射率であるとともに、保護膜の光学物性値は該保護膜の光波長毎の固有反射率、散乱係数及び吸収係数のうちの独立な2つの光学物性値であることが好ましい。これにより、反射メディアにおける保護膜付印刷物の分光反射率を精度良く推定できる。
【0020】
さらに、メディアが透過メディアである場合は、印刷物及び保護膜の光学物性値は分光透過率であることが好ましい。これにより、透過メディアにおける保護膜付印刷物の分光透過率を精度良く推定できる。
【0021】
本発明に係る色変換装置は、第1メディアに印刷して得られた第1印刷物と、前記第1メディアと同一の又は異なるメディアである第2メディアに印刷して得られた第2印刷物との光学物性値を取得する第1取得部と、前記第2印刷物に被覆させる保護膜である第2保護膜の光学物性値を取得する第2取得部と、前記第1印刷物の観察光源である第1光源と、前記第1光源と同一の又は異なる観察光源であって前記第2印刷物に前記第2保護膜を被覆させて得られた第2保護膜付印刷物の観察光源である第2光源との分光分布を取得する第3取得部と、前記第1取得部により取得された前記第1印刷物の光学物性値と、前記第3取得部により取得された前記第1光源の分光分布とに基づいて前記第1印刷物に対応する第1プロファイルを生成するとともに、前記第1取得部により取得された前記第2印刷物の光学物性値と、前記第2取得部により取得された前記第2保護膜の光学物性値と、前記第3取得部により取得された前記第2光源の分光分布とに基づいて前記第2保護膜付印刷物に対応する第2プロファイルを生成するプロファイル生成部と、前記プロファイル生成部により生成された前記第1プロファイルを入力側プロファイルとして用い、前記プロファイル生成部により生成された前記第2プロファイルを出力側プロファイルとして用いて、前記第1印刷物の画像を表す画像データを前記第2印刷物の画像を表す画像データに色変換する色変換処理部とを有することを特徴とする。
【0022】
本発明に係る色変換装置は、第1メディアに印刷して得られた第1印刷物と、前記第1メディアと同一の又は異なるメディアである第2メディアに印刷して得られた第2印刷物との光学物性値を取得する第1取得部と、前記第1印刷物に被覆させる第1保護膜と、前記第1保護膜と同一の又は異なる保護膜であって前記第2印刷物に被覆させる保護膜である第2保護膜との光学物性値を取得する第2取得部と、前記第1印刷物に前記第1保護膜を被覆させて得られた第1保護膜付印刷物の観察光源である第1光源と、前記第1光源と同一の又は異なる観察光源であって前記第2印刷物に前記第2保護膜を被覆させて得られた第2保護膜付印刷物の観察光源である第2光源との分光分布を取得する第3取得部と、前記第1取得部により取得された前記第1印刷物の光学物性値と、前記第2取得部により取得された前記第1保護膜の光学物性値と、前記第3取得部により取得された前記第1光源の分光分布とに基づいて前記第1保護膜付印刷物に対応する第1プロファイルを生成するとともに、前記第1取得部により取得された前記第2印刷物の光学物性値と、前記第2取得部により取得された前記第2保護膜の光学物性値と、前記第3取得部により取得された前記第2光源の分光分布とに基づいて前記第2保護膜付印刷物に対応する第2プロファイルを生成するプロファイル生成部と、前記プロファイル生成部により生成された前記第1プロファイルを入力側プロファイルとして用い、前記プロファイル生成部により生成された前記第2プロファイルを出力側プロファイルとして用いて、前記第1印刷物の画像を表す画像データを前記第2印刷物の画像を表す画像データに色変換する色変換処理部とを有することを特徴とする。
【0023】
本発明に係るプログラムは、第1メディアに印刷して得られた第1印刷物と、前記第1メディアと同一の又は異なるメディアである第2メディアに印刷して得られた第2印刷物との光学物性値を取得する手段、前記第2印刷物に被覆させる保護膜である第2保護膜の光学物性値を取得する手段、前記第1印刷物の観察光源である第1光源と、前記第1光源と同一の又は異なる観察光源であって前記第2印刷物に前記第2保護膜を被覆させて得られた第2保護膜付印刷物の観察光源である第2光源との分光分布を取得する手段、前記第1印刷物の光学物性値と、前記第1光源の分光分布とに基づいて前記第1印刷物に対応する第1プロファイルを生成する手段、前記第2印刷物及び前記第2保護膜の光学物性値並びに前記第2光源の分光分布に基づいて前記第2保護膜付印刷物に対応する第2プロファイルを生成する手段、生成された前記第1プロファイルを入力側プロファイルとして用い、生成された前記第2プロファイルを出力側プロファイルとして用いて、前記第1印刷物の画像を表す画像データを前記第2印刷物の画像を表す画像データに色変換する手段として機能させることを特徴とする。
【0024】
本発明に係るプログラムは、コンピュータに、第1メディアに印刷して得られた第1印刷物と、前記第1メディアと同一の又は異なるメディアである第2メディアに印刷して得られた第2印刷物との光学物性値を取得する手段、前記第1印刷物に被覆させる第1保護膜と、前記第1保護膜と同一の又は異なる保護膜であって前記第2印刷物に被覆させる保護膜である第2保護膜との光学物性値を取得する手段、前記第1印刷物に前記第1保護膜を被覆させて得られた第1保護膜付印刷物の観察光源である第1光源と、前記第1光源と同一の又は異なる観察光源であって前記第2印刷物に前記第2保護膜を被覆させて得られた第2保護膜付印刷物の観察光源である第2光源との分光分布を取得する手段、取得された前記第1印刷物及び前記第1保護膜の光学物性値並びに前記第1光源の分光分布に基づいて前記第1保護膜付印刷物に対応する第1プロファイルを生成する手段、取得された前記第2印刷物及び前記第2保護膜の光学物性値並びに前記第2光源の分光分布に基づいて前記第2保護膜付印刷物に対応する第2プロファイルを生成する手段、生成された前記第1プロファイルを入力側プロファイルとして用い、生成された前記第2プロファイルを出力側プロファイルとして用いて、前記第1印刷物の画像を表す画像データを前記第2印刷物の画像を表す画像データに色変換する手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る色変換方法、色変換装置及びプログラムによれば、第1メディアに印刷して得られた第1印刷物と、前記第1メディアと同一の又は異なるメディアである第2メディアに印刷して得られた第2印刷物との光学物性値を取得し、前記第1印刷物に被覆させる第1保護膜(被覆させない場合を含む。)と、前記第1保護膜と同一の又は異なる保護膜であって前記第2印刷物に被覆させる保護膜である第2保護膜との光学物性値を取得し、前記第1印刷物に前記第1保護膜を被覆させて得られた第1保護膜付印刷物(第1保護膜を被覆させない場合は、第1印刷物)の観察光源である第1光源と、前記第1光源と同一の又は異なる観察光源であって前記第2印刷物に前記第2保護膜を被覆させて得られた第2保護膜付印刷物の観察光源である第2光源との分光分布を取得し、取得された前記第1印刷物及び前記第1保護膜の光学物性値(第1保護膜を被覆させる場合に限る。)並びに前記第1光源の分光分布に基づいて前記第1保護膜付印刷物に対応する第1プロファイルを生成し、取得された前記第2印刷物及び前記第2保護膜の光学物性値並びに前記第2光源の分光分布に基づいて前記第2保護膜付印刷物に対応する第2プロファイルを生成し、生成された前記第1プロファイルを入力側プロファイルとして用い、生成された前記第2プロファイルを出力側プロファイルとして用いて、前記第1印刷物の画像を表す画像データを前記第2印刷物の画像を表す画像データに色変換するようにしたので、第1印刷物(第1保護膜付印刷物)を形成するために適切なカラー画像データをそのまま用いて、様々な印刷色再現条件下に応じた第2保護膜付印刷物の色再現を適切に行うことができる。これにより、これにより、印刷条件・観察環境の組合せを変更する都度に色の微調整を行う必要がなくなり、色調整作業に要する工数を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施形態に係る色変換装置が組み込まれた印刷システムの斜視説明図である。
【図2】図2A及び図2Bは、所定の観察場所において観察者が印刷物又は保護膜付印刷物を観察する状態を表す概略斜視図である。
【図3】本実施形態に係るカラーチャートの概略正面図である。
【図4】本実施形態に係る色変換装置の機能ブロック図である。
【図5】図4に示すプロファイル生成部の機能ブロック図である。
【図6】図5に示す測色値算出部の機能ブロック図である。
【図7】色変換処理条件の設定画面の一例を示す図である。
【図8】本実施形態に係る印刷システムを用いて、適切に色調整された印刷物又は保護膜付印刷物を得るためのフローチャートである。
【図9】図8に示す第2印刷物の印刷条件・観察態様を設定する方法に関するフローチャートである。
【図10】ラミネートフイルムの光学物性値を推定するために作製された測定試料の概略断面図である。
【図11】図11A〜図11Cは、黒点補正によるガマット変換過程を説明する図である。
【図12】図12A及び図12Bは、ラミネートフイルムの種類の設定に応じて黒点補正の表示状態の変化を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る色変換方法についてそれを実施する色変換装置並びに印刷システムとの関係において好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
図1は、本実施形態に係る色変換装置としての画像処理装置16が組み込まれた印刷システム10の斜視説明図である。
【0029】
印刷システム10は、LAN12と、編集装置14と、色変換装置としての画像処理装置16と、印刷機18と、ラミネート処理装置20と、第1及び第2取得部としての測色計22とを基本的に備える。
【0030】
LAN12は、イーサネット(登録商標)等の通信規格に基づいて構築されているネットワークである。編集装置14と、画像処理装置16と、データベースDBとは、前記LAN12を介して有線又は無線により相互に接続されている。
【0031】
編集装置14は、文字、図形、絵柄や写真等から構成されるカラー画像の配置をページ毎に編集が自在であり、ページ記述言語(以下、PDLという。)による電子原稿、例えば、4色(CMYK)や3色(RGB)のカラーチャンネルからなる8ビット画像データを生成する。
【0032】
ここで、PDLとは、印刷や表示等の出力単位である「ページ」内で文字、図形等の書式情報、位置情報、色情報(濃度情報を含む)等の画像情報を記述する言語である。例えば、PDF(Portable Document Formatの略で、ISO32000−1:2008に規定)、AdobeSystems社のPostScript(登録商標)やXPS(XML Paper Specification)等が知られている。
【0033】
また、編集装置14には図示しないカラースキャナが接続されており、該カラースキャナは、所定の位置にセットされたカラー原稿を光学的に読み取ることで、前記電子原稿の構成要素となるカラー画像データを取得可能である。
【0034】
画像処理装置16は、後述のように、PDLによる電子原稿をビットマップ形式(ラスタ画像の一種)に展開し、所望の画像処理、例えば、色変換処理、画像拡縮処理や配置処理等を行い、印刷機18の印刷方式に適した印刷信号に変換し、前記印刷機18に前記印刷信号を送信する各機能を有している。
【0035】
また、画像処理装置16は、CPU・メモリ等を有する本体24と、カラー画像を表示する表示装置26と、入力部としての入力装置28(キーボード30及びマウス32)を備えている。さらに、画像処理装置16には、電子データの記録・消去が自在な可搬型メモリ34や測色計22が接続されている。
【0036】
印刷機18は、C、M、Y、Kの各色(プロセスカラー)からなる標準インクと、LC、LM等の淡色やW(白色)等のオプションインクとを組み合わせてカラー画像を形成するインクジェット方式の印刷装置である。この印刷機18は、外部(例えば、画像処理装置16)から受信した印刷信号に基づいて各色のインクの射出制御を行うことにより、印刷媒体としてのメディア36(図1では、ロール状の未印刷のメディア36)上にカラー画像を印刷し、印刷物38(印刷物38の一種であるカラーチャート38cが含まれる。)を形成する。
【0037】
ラミネート処理装置20は、印刷物38の画像形成面上に、必要に応じて更にその裏面に、保護膜としてのラミネートフイルム40を貼付させた状態で、図示しない加熱ローラを用いて加熱・加圧処理を施すことにより、印刷物38の画像形成面が保護された保護膜付印刷物42を形成する。
【0038】
メディア36の基材には、合成紙・厚紙・アルミ蒸着紙等の紙類、塩化ビニル・PET等の樹脂やターポリン等を用いることができる。保護膜には、ラミネートフイルム40に限られず、液体、ニス、透明インク、クリアトナー、並びにアクリル板等の保護板等を用いることができる。
【0039】
測色計22は、測定対象物の色値を測定する。ここで色値とは、三刺激値XYZ、均等色空間の座標値L***等のみならず、波長に対する光学物性値の分布(以下、「分光データ」という。)、例えば、分光放射分布(分光分布)、分光感度分布、分光反射率又は分光透過率が含まれる。また、測色計22を用いた測色により得られた色値を「測色値」という場合がある。
【0040】
図2A及び図2Bは、所定の場所において観察者Obsが印刷物38又は保護膜付印刷物42を観察する状態を表す概略説明図である。
【0041】
図2Aは、印刷場所(印刷システム10の設置場所)での光源PS下において、観察者Obsが印刷物38を観察する状態を表している。ここで、印刷物38の代わりに、ラミネートフイルム40を被覆した保護膜付印刷物42であってもよい。
【0042】
以下、印刷場所での観察であることを明示するため、図2Aに示す光源PS下で色調整が行われる印刷物38(又は保護膜付印刷物42)を第1印刷物38a(又は第1保護膜付印刷物42a)といい、第1保護膜付印刷物42aを形成するためのメディア36、ラミネートフイルム40をそれぞれ第1メディア36a、第1ラミネートフイルム40aという。また、第1印刷物38a及び第1保護膜付印刷物42aを総称して「第1印刷物38a等」という場合がある。
【0043】
図2Bは、掲示場所での光源DS下において、観察者Obsが保護膜付印刷物42を観察する状態を表している。ここで、保護膜付印刷物42の代わりに、ラミネートフイルム40を被覆しない印刷物38であってもよい。
【0044】
以下、掲示場所での観察であることを明示するため、図2Bに示す光源DS下で色調整が行われる保護膜付印刷物42(又は印刷物38)を第2保護膜付印刷物42b(又は第2印刷物38b)といい、第2保護膜付印刷物42bを形成するためのメディア36、ラミネートフイルム40をそれぞれ第2メディア36b、第2ラミネートフイルム40bという。また、第2印刷物38b及び第2保護膜付印刷物42bを総称して「第2印刷物38b等」という場合がある。
【0045】
なお、掲示場所での光源DSは、印刷場所での光源PSと同一の又は異なる光源である。また、第2メディア36bは第1メディア36aと同一の又は異なるメディア36であり、第2ラミネートフイルム40bは第1ラミネートフイルム40aと同一の又は異なるラミネートフイルム40である。さらに、第2印刷物38bは第1印刷物38aと同一の又は異なる印刷物38であり、第2保護膜付印刷物42bは第1保護膜付印刷物42aと同一の又は異なる保護膜付印刷物42である。
【0046】
図3は、本実施形態に係るカラーチャート38cの概略正面図である。
【0047】
カラーチャート38cは、メディア36上に印刷された、色の異なる100個の略同形状のカラーパッチ44と、該カラーパッチ44の行方向及び列方向の配列位置を特定する数字列46及びアルファベット文字列48と、前記カラーチャート38cの印刷条件を識別する情報からなる印刷情報50とから構成される。
【0048】
各カラーパッチ44は、縦方向には10個のカラーパッチ44が隙間なく配置され、横方向には10個のカラーパッチ44が所定間隔の隙間を設けながら配置されている。各カラーパッチ44の色は、CMYK値の各信号レベルの範囲(百分率では0%〜100%、8ビット階調である場合は0〜255)の所定の値が設定されている。
【0049】
数字列46は、上から順に(01)〜(10)の文字列として、各カラーパッチ44の左方部にその位置に対応するように設けられている。一方、アルファベット文字列48は、左から順番に(A)〜(J)の文字列として、各カラーパッチ44の上方部にその位置に対応するように設けられている。
【0050】
印刷情報50には、印刷機18の機種、シリアル番号若しくは登録名、後述する印刷モード、メディア36の種類、印刷日時等が印刷されている。
【0051】
図4は、本実施形態に係る色変換装置としての画像処理装置16の機能ブロック図である。なお、電子原稿は白抜実線矢印の方向に、カラーチャート38c用の画像データは白抜破線矢印の方向に、その他の各種データは実線矢印の方向にそれぞれ供給されることを表す。
【0052】
画像処理装置16の本体24は、編集装置14側から供給される電子原稿を入力するI/F52と、該I/F52を介して供給された電子原稿のPDL形式をビットマップ形式に展開するRIP54(ラスタイメージングプロセッサ)と、該RIP54により展開された電子原稿のCMYK値(あるいはRGB値)に対して所定の色変換処理を施して新たなCMYK値の画像データを得る色変換処理部56と、該色変換処理部56により色変換されて得られた新たなCMYK値の画像データを印刷機18に適した印刷信号(インク射出制御データ)に変換する印刷機ドライバ58と、該印刷機ドライバ58により変換された印刷信号を印刷機18側に出力するI/F60とを備える。
【0053】
また、本体24は、印刷機18毎にプロファイルを生成するプロファイル生成部62と、プロファイルが備える色変換LUTに対して後述する黒点補正を行う黒点補正処理部64と、カラーチャート38cを印刷するための画像データを生成する画像データ生成部66と、ラミネートフイルム40の光学物性値を推定する光学物性値推定部68と、GUIに画像を表示する制御を行うGUI画像表示制御部70と、表示装置26との接続を可能とするI/F72と、入力装置28(キーボード30及びマウス32)との接続を可能とするI/F74と、測色計22との接続を可能とするI/F76と、可搬型メモリ34との接続を可能とするI/F78とを備える。
【0054】
さらに、本体24は、その内部の各構成要素から供給される各種データを記憶し、あるいは記憶している各種データを各構成要素に供給する記憶部80を備えている。該記憶部80は、RIP54と、色変換処理部56と、プロファイル生成部62と、黒点補正処理部64と、画像データ生成部66と、光学物性値推定部68と、I/F72と、I/F74と、I/F76と、I/F78とにそれぞれ接続されている。
【0055】
なお、色変換処理部56は、デバイス依存データからデバイス非依存データに変換する入力側プロファイル処理部82と、デバイス非依存データからデバイス依存データに変換する出力側プロファイル処理部84とを備える。ここで、デバイス依存データとは、各種デバイスを適切に駆動するためのCMYK値、RGB値等で定義されるデータである。また、デバイス非依存データとは、HSV(Hue−Saturation−Value)、HLS(Hue−Lightness−Saturation)、CIELAB、CIELUV、XYZ等の表色系で定義されるデータである。
【0056】
なお、RIP54は、電子原稿のビットマップ形式化の際に、印刷機18の解像度等に対応した画像拡縮処理や、印刷フォーマットに対応した回転・反転処理等の種々の画像処理を行うことができる。
【0057】
また、印刷機ドライバ58は、CMYK値からインク各色(CMYK、LC、LM、又はW)に対応するインク射出制御用データを作成する。このインク射出制御用データは、印刷機18のインク射出動作(ON・OFFやインクドット径の大小等)との間でその印刷機18固有のデータ定義に従って関連付けられている。その際、8ビット多階調画像から2値画像等の低階調画像への変換を要するが、ディザマトリクス法や誤差拡散法等の公知のアルゴリズムを用いることができる。
【0058】
さらに、入力側プロファイル処理部82又は出力側プロファイル処理部84は、印刷機18の印刷モードに応じてプロファイルを補正することができる。ここで、印刷モードとは、印刷ヘッドのノズル数、印刷ヘッドの走査時におけるインク射出タイミング(片方向/双方向)、パス数、搭載インク色数及びその種類、インク射出制御用データ作成のアルゴリズム等の、印刷に関する各種設定をいう。
【0059】
さらに、CPU等で構成される図示しない制御部は、この画像処理に関するすべての制御を行う。すなわち、本体24内部の各構成要素の制御(例えば、記憶部80のデータ読出し・書込み)のみならず、I/F76を介して測色計22から測色データを取得する制御等も含まれる。
【0060】
本実施形態に係る画像処理装置16は以上のように構成され、上述した各画像処理機能は、基本プログラム(オペレーティングシステム)上で動作する応用プログラムを用いて実現することができる。
【0061】
図5は、図4に示すプロファイル生成部62の機能ブロック図である。
【0062】
プロファイル生成部62は、データ選択部86と、測色値算出部88と、LUT生成部90とから基本的に構成される。
【0063】
データ選択部86は、記憶部80から読み出された、設定データ100と、メディアの分光データ群102と、ラミネートフイルムの分光データ群104と、観察光源の分光データ群106とに基づいて、プロファイル生成条件におけるメディアの分光データ(以下、第1の分光データ112という。)、ラミネートフイルムの分光データ(以下、第2の分光データ114という。)、及び観察光源の分光データ(以下、第3の分光データ116という。)を選択する。ここで、設定データ100は、作業者により設定されるメディア36、ラミネートフイルム40及び光源DS(又は光源PS)の種類であり、プロファイル生成条件に関する設定データである。
【0064】
測色値算出部88は、データ選択部86により選択された第1、第2及び第3の分光データ112、114及び116に基づいて、プロファイル生成条件における測色値データ120を算出する。
【0065】
LUT生成部90は、測色値算出部88により算出された測色値データ120と、各カラーパッチ44(図3参照)に対応するCMYK値データ122とに基づいて、プロファイル生成条件における色変換LUT124を生成する。
【0066】
本実施形態では、100個のカラーパッチ44(パッチ番号は0〜99)に対するそれぞれの分光データが設けられており、光波長はλ1〜λ41である41点のデータを有している。例えば、λ1=400nm、……、λ41=800nmの10nm間隔とすることができる。
【0067】
図6は、本実施形態に係る測色値算出部88の機能ブロック図である。
【0068】
測色値算出部88は、反射率・透過率予測部88aと、Lab演算部88bとから基本的に構成される。
【0069】
反射率・透過率予測部88aは、データ選択部86から供給された第1及び第2の分光データ112、114に基づいて、メディア36の種類に応じた数理モデルを適用して保護膜付印刷物42の分光反射率又は分光透過率(以下、第4の分光データ118という。)を予測する。
【0070】
以下、印刷物38とプロファイルとの対応関係を明示するため、第1印刷物38a等に対応するプロファイル(以下、「第1プロファイル」という。)を生成するための各設定データを、第1、第2、第3及び第4の分光データ112、114、116、及び118といい、第2印刷物38b等に対応するプロファイル(以下、「第2プロファイル」という。)を生成するための各設定データを、第1、第2、第3及び第4の分光データ212、214、216、及び218という場合がある。
【0071】
ここで、メディア36が反射メディアである場合は、第1の分光データ112はメディア36の分光反射率であり、第2の分光データ114は、ラミネートフイルム40の各光波長に対する固有反射率、散乱係数、吸収係数(光学物性値)である。また、メディア36が透過メディアである場合は、第1の分光データ112はメディア36の分光透過率であり、第2の分光データ114は、ラミネートフイルム40の分光透過率(光学物性値)である。
【0072】
Lab演算部88bは、データ選択部86から供給された第3の分光データ116と、反射率・透過率予測部88aにより予測された第4の分光データ118と、図示しない等色関数(標準的な観測者の視覚特性を考慮した分光データ)とに基づいて、プロファイル生成条件における測色値データ120を算出する。
【0073】
図7は、色変換処理条件の設定画面の一例を示す図である。
【0074】
設定画面130には、上方から下方に順番に、3個のプルダウンメニュー132、134、136と、3個のプルダウンメニュー138、140、142と、テキストボックス144a及び[開く]と表示されたボタン144bと、テキストボックス146a及び[開く]と表示されたボタン146bと、チェックボックス148と、[変換]、[中止]と表示されたボタン150、152とが設けられている。
【0075】
設定画面130の左上部に位置するプルダウンメニュー132、134、136は上下方向に並設されており、欄には「塩ビA」、「なし」、「D50」とそれぞれ表示されている。また、プルダウンメニュー138、140、142は、プルダウンメニュー132、134、136の右方(設定画面130の右上部)にそれぞれ設けられており、欄には「塩ビB」、「グロスB」、「F8」とそれぞれ表示されている。
【0076】
プルダウンメニュー132、134、136の左方には「メディア」、「ラミネート」、「光源」とそれぞれ表示されるとともに、プルダウンメニュー132、138の上方には「印刷場所」、「掲示場所」とそれぞれ表示されている。
【0077】
設定画面130の中央左下部に位置するテキストボックス144aとボタン144bは左右方向に隣接して設けられている。テキストボックス144aの欄には「OrgImage.pdf」からなる文字が表示されるとともに、その上方には「元画像」と表示されている。
【0078】
設定画面130の中央右下部に位置するテキストボックス146aとボタン146bは左右方向に隣接して設けられている。テキストボックス146aの欄には「NewImage.pdf」からなる文字が表示されるとともに、その上方には「変換後画像」と表示されている。
【0079】
チェックボックス148には、マウス32(図1参照)のクリック動作によってチェックマークの付加・削除が自在である。また、チェックボックス148の右方には「黒点補正」からなる文字が表示されている。
【0080】
本実施形態に係る印刷システム10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作について説明する。
【0081】
図8は、本実施形態に係る印刷システム10を用いて、適切に色調整された印刷物38又は保護膜付印刷物42を得るためのフローチャートである。主に図1を参照しながら説明する。
【0082】
先ず、作業者は、形成しようとする第1印刷物38a等に関する印刷条件やその観察態様を調査する(ステップS1)。ここで、印刷条件とは、印刷に使用する印刷機18の種類、第1メディア36aの種類、第1ラミネートフイルム40aの種類や前述した印刷モード等である。また、観察態様とは、光源PSの分光データや第1印刷物38a等の掲示態様(反射、透過、又はその混合)等である。
【0083】
印刷条件や観察態様に関しては、作業者にとって色調整作業の効率が向上するように標準的な各種条件を選択する。具体的には、入手容易なメディア36や標準光源である「D50光源」を用いるとともに、ラミネートフイルム40を被覆しないように選択してもよい。
【0084】
次いで、作業者は、印刷機18に適切な印刷プロファイル、すなわち第1プロファイルを生成する(ステップS2)。印刷機18に適切なプロファイルが登録(記憶部80に記憶)されていない場合は、第1プロファイルを別途生成することができる。なお、第1プロファイルの生成方法は、後述するステップS9における第2プロファイルの生成方法と同様であるため、後に詳細に説明する。
【0085】
次いで、作業者は、印刷機18を用いて電子原稿を印刷して第1印刷物38aを得る(ステップS3)。ここで、電子原稿の印刷の際の、画像処理装置16による画像処理の流れについて、図4を参照しながら詳細に説明する。
【0086】
編集装置14から供給された電子原稿(PDL形式)が、LAN12及びI/F52を介して画像処理装置16に入力されると、前記電子原稿は、RIP54によりそれぞれ8ビットのCMYKビットマップ形式(デバイス依存の画像データ)に展開され、入力側プロファイル処理部82によりL***(デバイス非依存の画像データ)に変換され、出力側プロファイル処理部84によりCMYK値(デバイス依存の画像データ)に変換され、印刷機ドライバ58により印刷信号(すなわち、インク射出制御データ)に変換され、I/F60を介して印刷機18に供給される。その後、印刷機18により所望の第1印刷物38aが印刷される。
【0087】
このとき、複数の設定条件に対応する目標プロファイル及び第1プロファイルが予め記憶部80に記憶されているので、予め設定された各種条件に応じて選択的に目標プロファイル及び第1プロファイルが入力側プロファイル処理部82及び出力側プロファイル処理部84に供給される。
【0088】
次いで、印刷機18により得られた第1印刷物38aに対してラミネート処理を施す(ステップS4)。
【0089】
具体的には、第1印刷物38aの画像形成面上に(必要に応じて更にその裏面に)第1ラミネートフイルム40aを貼付させた状態で、ラミネート処理装置20が備える図示しない加熱ローラを用いて加熱・加圧処理を施すことにより第1保護膜付印刷物42aを得る。これにより、画像の擦過性・堅牢性を向上させることができる。なお、第1印刷物38aに第1ラミネートフイルム40aを被覆させない場合は、ステップS4を省略できることはいうまでもない。
【0090】
次いで、第1印刷物38a等のカラー画像の色を評価し(ステップS5)、画像の色が適切か否かを判断する(ステップS6)。所望の色合いが得られたか否かについての評価方法としては、画像の全体的外観又は部分的外観に着目し、作業者等の目視により良否を判断する方法、あるいは、測色計22を用いて第1印刷物38a等の所定の箇所を測色し、その値が所望の範囲内に収まるか否かで判断する方法等が使用される。
【0091】
この画像評価の結果、第1印刷物38a等の画像の色が適切でないと判断された場合は、電子原稿の色値を補正することにより色の微調整を行う(ステップS7)。
【0092】
以下、印刷と評価を繰り返すことにより(ステップS3〜S7)、所望の色の第1印刷物38a等が得られる。
【0093】
次いで、第1印刷物38a等を得るために用いた、必要に応じて色値を補正した電子原稿のデータと、印刷プロファイルとしての第1プロファイルとを保存する(ステップS8)。この電子原稿及び第1プロファイルは、画像処理装置16の記憶部80に保存してもよいし、その外部装置である編集装置14やデータベースDB側に保存してもよい。
【0094】
次いで、作業者は、形成しようとする第2印刷物38b等に関する印刷条件やその観察態様を設定する(ステップS9)。この設定方法について、図9に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0095】
先ず、作業者は、印刷に用いられるメディア36、すなわち、第1及び第2メディア36a、36bの種類が登録されているか否かを確認する(ステップS91)。
【0096】
もし、登録されていなければ、その第1及び第2メディア36a、36bの分光データを取得する(ステップS92)。一例として、作業者は、分光データが格納された可搬型メモリ34を準備し、画像処理装置16の本体24に接続する。そうすると、自動又は手動により分光データが新たに記憶部80に記憶される。また、データベースDB(図1参照)に分光データを管理させておき、必要に応じて該データベースDBから所望の分光データを取得できる構成であってもよい。
【0097】
さらに、本体24に接続された測色計22を用いて、第1及び第2メディア36a、36bの分光データを直接取得することができる。この方法について、主に図4を参照しながら説明する。
【0098】
作業者は、表示装置26に表示された図示しない設定画面上からカラーチャート38cの印刷の要求を行う。すると、本体24の画像データ生成部66によりカラーチャート38cを印刷するための画像データ(CMYK値)が生成され、印刷機ドライバ58に供給され、電子原稿の印刷と同様の動作により印刷機18側に供給される。このように、カラーチャート38c(図3参照)が印刷される。
【0099】
なお、各カラーパッチ44の画素値に対応するCMYK値データ122(図5参照)は、予め記憶部80に記憶されており、画像データの生成の際に前記記憶部80から読み出される。
【0100】
作業者は、ラミネート処理装置20(図1参照)によるラミネート処理を行わずに、画像処理装置16に接続された測色計22を用いて、カラーチャート38c(図3参照)の各カラーパッチ44の分光データを測定する。例えば、図3のように、数字列46及びアルファベット文字列48で示される(A)列の(01)〜(10)、(B)列の(01)〜(10)のように、各カラーパッチ44を測色する順番を予め決定しておくことが好ましい。作業者による測色完了の通知に基づいて、各カラーパッチ44に対応する分光データが、I/F76を介して、メディア36の種類を関連付けて記憶部80に保存される(図4参照)。
【0101】
この分光データを保存した後、図7に示すプルダウンメニュー132、138の図示しない選択欄から新たなメディア36の種類として選択できるようになる。なお、本図では、第1メディア36aには[塩ビA](ここで、「塩ビ」は塩化ビニル(PVC)を意味する。)が設定され、第2メディア36bには[塩ビB]が設定されている。
【0102】
このようにして、メディア36の種類が設定される(ステップS93)。
【0103】
次いで、作業者は、印刷物38に設ける予定のラミネートフイルム40、すなわち、第1及び第2ラミネートフイルム40a、40bの種類が登録されているか否かを確認する(ステップS94)。もし、登録されていなければ、その第1及び第2ラミネートフイルム40a、40bの分光データを取得する(ステップS95)。上述のように、分光データが格納された可搬型メモリ34を用いることができる。また、光学物性値推定部68(図4参照)により推定された第1及び第2ラミネートフイルム40a、40bの分光データを取得することもできる。
【0104】
この分光データを保存した後、図7に示すプルダウンメニュー134、140の図示しない選択欄から新たなラミネートフイルム40の種類として選択できるようになる。なお、本図では、第1ラミネートフイルム40aには[なし](ここで、「なし」は第1印刷物38aに第1ラミネートフイルム40aを被覆しないことを意味する。)が設定され、第2ラミネートフイルム40bには[グロスB](ここで、「グロス」(GLOSS)は高光沢フイルムを意味する。)が設定されている。
【0105】
このようにして、ラミネートフイルム40の種類が設定される(ステップS96)。
【0106】
次いで、作業者は、観察下の光源DS(又は光源PS)の種類が登録されているか否かを確認する(ステップS97)。もし、登録されていなければ、その光源DS又は光源PSの分光データを取得する(ステップS98)。上述のように、分光データが格納された可搬型メモリ34やデータベースDBを用いることができる。また、図示しない非接触測色計(第3取得部)を白色基準板に指向させ、あるいは光源に指向して測定を行うことにより、光源DS又は光源PSの分光データを直接的に取得してもよい。
【0107】
この分光データを保存した後、図7に示すプルダウンメニュー136、142の図示しない選択欄から新たな光源DS又はPSの種類として選択できるようになる。なお、本図では、印刷場所の光源PSには[D50](光源)が設定され、掲示場所での光源DSには[F8](光源)が設定されている。
【0108】
このようにして、観察下の光源DS又は光源PSの種類が設定される(ステップS99)。
【0109】
最後に、ステップS93で設定されたメディア36の種類と、ステップS96で設定されたラミネートフイルム40の種類と、ステップS99で設定された光源DS又は光源PSの種類とからなる各々のプロファイル生成条件を保存する(ステップS100)。
【0110】
作業者は、図7において、ステップS8(図8参照)で保存した電子原稿を「元画像」として、新たに生成される電子原稿を「変換後画像」として、各ファイル名(ディレクトリ名を含む。)をテキストボックス144a、146aに入力する。[開く]ボタン144b、146bの押下により、図示しないウィンドウ画面が表示され、作業者はGUI操作に従ってファイル名を入力できる。作業者は、設定画面130の各項目の入力作業が完了した後に[変換]ボタン150を押下する。そうすると、各種設定が設定データ100(図5参照)として記憶部80に自動的に格納される。
【0111】
ここで、設定データ100には、プルダウンメニュー132(138)により設定された第1メディア36a(第2メディア36b)の種類、プルダウンメニュー134(140)により設定された第1ラミネートフイルム40a(第2ラミネートフイルム40b)の種類、プルダウンメニュー134(140)により設定された光源PS(光源DS)の種類に関するデータが含まれる。
【0112】
次いで、図8に戻って、第2プロファイルを生成する(ステップS10)。設定データ100は記憶部80により一旦記憶された後にプロファイル生成部62に供給され、該プロファイル生成部62により第2プロファイルが自動的に生成される。
【0113】
以下、第2プロファイルの生成アルゴリズムについて、図5及び図6を参照しながら詳細に説明する。上述したように、プロファイル生成部62により、第2プロファイルのみならず、第1プロファイルも同様に生成することができる。以下、便宜のため、各構成要素につき、第1プロファイルに係る参照符号を用いて説明する。
【0114】
図5に示すように、記憶部80から供給された設定データ100、メディアの分光データ群102、ラミネートフイルムの分光データ群104及び観察光源の分光データ群106の中から、設定データ100と対応付けられた第1、第2及び第3の分光データ112、114、及び116がデータ選択部86により選択される。
【0115】
さらに、図6に示すように、測色値算出部88の一部を構成する反射率・透過率予測部88aにより、第1及び第2の分光データ112、114に基づいて、所定の数理モデルを適用して第4の分光データ118(すなわち、保護膜付印刷物42の分光反射率)が予測される。
【0116】
メディア36が反射メディアである場合、クベルカ・ムンク(以下、「Kubelka−Munk」という。)モデルを適用することができる。具体的には、以下の(1)式に基づいて、保護膜付印刷物42の分光反射率R(λ)が予測される。なお、各変数とも光波長毎の関数であるが、説明の便宜のため省略する。
R(λ)=[(Rg−R∞)/R∞−R∞(Rg−1/R∞)exp{Sx(1/R∞−R∞)}]/[(Rg−R∞)−(Rg−1/R∞)exp{Sx(1/R∞−R∞)}] …(1)
【0117】
ここで、[Rg]は印刷物38単体の分光反射率(第1の分光データ112)、[R∞]はラミネートフイルム40の分光固有反射率、[S]はラミネートフイルム40の単位厚さ当たりの散乱係数、[x]はラミネートフイルム40の厚さを表す(“New Contribution to the Optics of Intensely Light−Scattering Materials.Part I,JOURNAL OF THE OPTICAL SOCIETY OF AMERICA,VOLUME38、NUMBER5,PP,448−457,MAY,1948 参照)。
【0118】
なお、ラミネートフイルム40の光学物性値は、予め測定した数値を記憶部80やデータベースDBに記憶させてもよいし、測色計22を用いた測色結果に基づいて画像処理装置16内部で推定してもよい。以下、ラミネートフイルム40の光学物性値の推定方法について、具体的には、未知の変数であるR∞(固有反射率)及びSx(散乱係数)を実験的に推定する方法を詳細に説明する。
【0119】
図10は、ラミネートフイルム40の光学物性値を推定するために作製された測定試料160の概略断面図である。
【0120】
測定試料160は、白色の不透明体からなる分光反射率Rg1の基材162と、黒色材164と、測定対象としてのラミネートフイルム40とから構成される。
【0121】
作業者は、測色計22を用いて測定試料160の各部位の分光反射率を測定する。その結果、基材162上にラミネートフイルム40を被覆したときの分光反射率をR1、前記基材162上に黒色材164を設けたときの分光反射率をRg2、前記基材162上に前記黒色材164を介してラミネートフイルム40を被覆したときの分光反射率をR2(R1>R2)とする測定値が得られたとする。
【0122】
この測定値は、図4に示す画像処理装置16(本体24)が備えるI/F76を介して、記憶部80に一旦記憶される。その後、光学物性値推定部68に供給され、以下に示す数式にしたがって演算処理が行われる。
【0123】
ラミネートフイルム40の固有反射率R∞は、数学的解析により、
R∞={C−√(C2−4)}/2 …(2)
C={(R1+Rg2)(R2・Rg1−1)−(R2+Rg1)(R1・Rg2−1)}/(R2・Rg1−R1・Rg2) …(3)
として算出される(紙の特集:「たかが紙、されど紙、やはり紙」、“紙の特性と評価方法及び規格の動向” (2004、日本画像学会誌150) 参照)。なお、R1<R2の場合は(3)式の添字1及び2を逆にする。
【0124】
ここで、固有反射率R∞は、試料が無限の厚みを有すると仮定した場合の反射率である。したがって、同一種類のラミネートフイルム40を多数枚重ねて形成することが可能である場合、固有反射率R∞を直接測定して求めてもよい。
【0125】
次いで、実測値Rn(n=1又は2)と、実測値Rgn(n=1又は2)と、(2)式で算出したR∞とを用いて、ラミネートフイルム40の散乱係数S及び厚さxは、
S・x=ln[{(R∞−Rgn)(1/R∞−Rn)}/{(R∞−Rn)(1/R∞−Rgn)}]/(1/R∞−R∞) …(4)
として算出できる(「色彩再現の基礎と応用技術」88ページ(21)式(トリケップス)参照)。
【0126】
ここで、Sは単位厚さ当たりの散乱係数であり、xはラミネートフイルム40の厚さである。散乱係数の定義に関して、説明の便宜上、Sx(=S・x)を膜厚xでの散乱係数(つまり、1つの変数)として定義するが、S、Sxのいずれを用いてもよい。また、吸収係数Kも同様である。
【0127】
このように、基材162、黒色材164、及びラミネートフイルム40を組み合わせた測定試料160を用いて、ラミネートフイルム40の光学物性値(固有反射率R∞及び散乱係数Sx)を推定することができる。
【0128】
一方、メディア36が透過メディアである場合、メディア36とラミネートフイルム40との分光透過率の乗算により、保護膜付印刷物42の分光透過率を精度良く推定できる。
【0129】
図6に戻って、Lab演算部88bにより、第3の分光データ116及び第4の分光データ118に基づいて、プロファイル生成条件における測色値データ120が算出される。ここで、プロファイル生成条件における測色値データ120は、実測データに基づいて推定された、光源DSの下で保護膜付印刷物42を観察する場合におけるL***である。
【0130】
具体的には、各カラーパッチ44の三刺激値XYZは、光源DSの分光放射分布と、保護膜付印刷物42の分光反射率(又は分光透過率)と、等色関数とを乗算し、可視光波長の範囲内で積分した値に相当する。この三刺激値XYZと所定の演算式に基づいて、測色値データ120としての各カラーパッチ44のL***が算出される。本実施形態では、100個のカラーパッチ44をそれぞれ測定したので、100組のL***が得られる。
【0131】
そして、図5に示すLUT生成部90により、100組の測色値データ(L***)120及び100組のCMYK値データ122との対応関係に基づいて印刷プロファイルとしての3次元データ(L***)を4次元データ(CMYK)に変換する色変換LUT124を生成することができる。
【0132】
つまり、保護膜付印刷物42の分光反射率(又は分光透過率)に基づいて色変換テーブルの各格子点に対応する各分光反射率(又は分光透過率)が決定され、該各分光反射率(又は分光透過率)に基づいて保護膜付印刷物42のプロファイルが生成される。
【0133】
このように構成しているので、メディア36、ラミネートフイルム40及び光源DSの単体の分光データを一度取得すれば、保護膜付印刷物42その物を形成することなく印刷プロファイルを推定できる。これにより、プロファイル生成のための一連の作業の回数を低減することができる。この一連の作業とは、印刷機18によるカラーチャート38cの印刷(待ち時間を含む。)、ラミネート処理装置20によるラミネート処理、測色計22による測色である。
【0134】
このようにして、第2プロファイルを生成する(ステップS10)。
【0135】
次いで、電子原稿の印刷を行う(ステップS11)。画像処理装置16による画像処理の流れは既に述べた通りであるから、その説明は割愛する(ステップS3を参照)。しかしながら、電子原稿としてステップS8で保存した第1印刷物38a等の印刷に適切である電子原稿を用い、色変換処理部56(図4参照)側に供給される入力側プロファイルとして第1プロファイルを用い、出力側プロファイルとして第2プロファイルを用いて色変換を行う点が、ステップS3の場合と異なる。
【0136】
このように、第1印刷物38a等に適切な第1プロファイルを入力側プロファイルとして用い、第2印刷物38b等に適切な第2プロファイルを出力側プロファイルとして用いるようにしたので、第1印刷物38a等を形成するために適切な電子原稿をそのまま用いて、様々な印刷条件・観察環境下に応じた第2印刷物38bの色再現を適切に行うことができる。
【0137】
さらに、第1印刷物38a又は第2印刷物38bの少なくとも一方にラミネートフイルム40を被覆する場合は、黒点補正処理部64により第1又は第2プロファイルが有する色変換LUT124を黒点補正することができる。
【0138】
ここで、黒点補正とは、第1プロファイルに係るガマット(以下、「第1ガマット」という。)境界上の黒点の色値と、第2プロファイルに係るガマット(以下、「第2ガマット」という。)境界上の黒点の色値とを一致させるようにマッピングする色変換処理である。
【0139】
図7に示すように、設定画面130上のチェックボックス148のチェック状態によって黒点補正のON・OFF設定を判別可能である。チェックボックス148にチェックマークが付加された場合は黒点補正が「ON」設定であり、チェックマークが付加されていない場合は黒点補正が「OFF」設定である。
【0140】
黒点補正を行うアルゴリズムとしては、例えば、特開2004−153554号公報に開示された手法を用いることができる。この手法の概要について図11A〜図11Cを参照しながら説明する。
【0141】
図11Aは、黒点補正を行う前の第1ガマット170(実線で囲む領域)及び第2ガマット172(破線で囲む領域)の位置関係を示すグラフである。このグラフの横軸はa*、縦軸はL*で定義されており、三次元色空間L***の断面図を表す。図11B及び図11Cに示すグラフの軸定義についても同様である。
【0142】
例えば、第1ガマット170は、第1メディア36aにラミネートフイルム40を被覆せずに光源PS下で観察した場合のガマットであるとする。また、第2ガマット172は、第1メディア36aにラミネートフイルム40を被覆して光源PS下で観察した場合のガマットであるとする。すなわち、ラミネートフイルム40の被覆の有無によって第1ガマット170と第2ガマット172との差異が生じた場合について考える。
【0143】
第1ガマット170における白点wt1が(L*wt1,a*wt1,b*wt1)、黒点bk1が(L*bk1,a*bk1,b*bk1)であるとする。また、第2ガマット172における白点wt2が(L*wt2,a*wt2,b*wt2)、黒点bk2が(L*bk2,a*bk2,b*bk2)であるとする。
【0144】
先ず、第1ガマットの黒点bk1と第2ガマットの黒点bk2とを一致させるように、各ガマットを下方に平行移動する。第1ガマット170、第2ガマット172の黒点補正後の色値をそれぞれ(L1’,a1’,b1’)、(L2’,a2’,b2’)とするとき、各ガマットの変換式は次の(5)式及び(6)式で表される。
(L1’,a1’,b1’)=(L*−L*bk1,a*−a*bk1,b*−b*bk1) …(5)
(L2’,a2’,b2’)=(L*−L*bk2,a*−a*bk2,b*−b*bk2) …(6)
【0145】
このようにして平行移動後の第1ガマット170s、第2ガマット172sが得られる。図11Bに示すように、黒点bk1の変換後の黒点bk1’の色値、黒点bk2の変換後の黒点bk2’の色値はともに(0,0,0)で一致する。
【0146】
次いで、bk1’とbk2’の一致性を維持しつつ、第1ガマット170sの白点wt1’と第2ガマット172sの白点wt2’とを一致させるようにガマット変換を行う。ここで、第1ガマット170sの領域は第2ガマット172sの領域よりも大きいので、第2ガマット172sを上方に拡大する変換を行う。
【0147】
本実施の形態では、色順応モデルの一種であるVon−Kries変換を応用して、黒点を固定しつつ白点を一致させる方法を用いている。変換アルゴリズムはこれに限られることなく、例えば、ガマットの相似変換(比率の変更)、Bradford変換、CIECAM97s変換、CIECAM02s変換等を用いてもよい。
【0148】
第2ガマット172sから第2ガマット172kへのVon−Kries変換式は次の(7)式で表される。
【数1】

【0149】
ここで、(X’,Y’,Z’)はガマット変換前の色値であり、(X”,Y”,Z”)はガマット変換後の色値であり、[M-1]は[M]の逆変換行列であり、[M]は色値XYZから目の錐体の応答と関係する色値PQRに変換するための3×3行列である。その他の変数は、次の(8)式で表される。
【0150】
【数2】

なお、白点wt1’、白点wt2’の色値をそれぞれ(Xwt1’,Ywt1’,Zwt1’)、(Xwt2’,Ywt2’,Zwt2’)とする。
【0151】
ところで、上記のように2段階にわたってガマット変換を行うのではなく、第2ガマット172から第2ガマット172kに直接変換してもよい。その変換式は、次の(9)式及び(10)式のように表すことができる。
【数3】

【数4】

【0152】
なお、第2ガマット172の白点wt2、黒点bk2の色値をそれぞれ(Xwt,Ywt,Zwt)、 (Xbk,Ybk,Zbk)としており、第2ガマット172kの白点wt2”、黒点wt2”の色値をそれぞれ(Xwt”,Ywt”,Zwt”)、 (Xbk”,Ybk”,Zbk”)としている。
【0153】
ところで、L***とXYZとの関係は、次の(11)式〜(13)式で表される。
【数5】

【0154】
ここで、(XST,YST,ZST)は基準色値を表す。(11)式〜(13)式の逆変換によって、色値(L*,a*,b*)から色値(X,Y,Z)に一意に変換することができる。
【0155】
このようにして、Von−Kries変換後の第2ガマット172kが得られる。図11Cに示すように、白点wt1’の色値、白点wt2’の変換後の白点wt2”の色値は一致する。
【0156】
以上のように、第1プロファイルに係る黒点の色値と第2プロファイルに係る黒点の色値とを一致させるようにマッピング(本実施の形態では、ガマットの平行移動)をすることにより、第1印刷物38a等と第2印刷物38b等との間において、特にシャドー領域内の色再現性を略一致させることができる。
【0157】
このアルゴリズムの性質上、第1ラミネートフイルム40a、第2ラミネートフイルム40bのいずれも被覆しない場合には、黒点補正による効果がほとんど得られない。そこで、作業者が、図12Aに示すプルダウンメニュー134、140でいずれも「なし」を選択したとき、GUI画像表示制御部70(図4参照)により、チェックボックス148(及び「黒点補正」の文字列)を非表示領域180に即時的に変更させてもよい。
【0158】
あるいは、作業者が、図12Bに示すプルダウンメニュー134、140でいずれも「なし」を選択したとき、GUI画像表示制御部70(図4参照)により、アクティブ表示であるチェックボックス148を、パッシブ表示であるチェックボックス182に置換するようにしてもよい。図12A又は図12Bに示すように構成すれば、所定の条件における黒点補正のON・OFF設定の変更を防止できる。
【0159】
次いで、印刷機18を用いて電子原稿を印刷した後、得られた第2印刷物38bにラミネート処理を施す(ステップS12)。
【0160】
なお、第2印刷物38b等に対しては、ステップS7のような別途の色調整作業は不要である。第1保護膜付印刷物42aで色調整された結果が、第2保護膜付印刷物42bにそのまま適用されるからである。
【0161】
次いで、別の印刷条件や観察態様での印刷を続けるか否かを判定し(ステップS13)、すべての印刷が終了するまでステップS10〜S12を繰り返す。
【0162】
以上のように、第1印刷物38aと第2印刷物38bとの第1の分光データ112、212を取得し、第1ラミネートフイルム40aと第2ラミネートフイルム40bの第2の分光データ214を取得し、光源PSと光源DSとの第3の分光データ116、216を取得し、取得された第1及び第2の分光データ112、114並びに光源PSの第3の分光データ116に基づいて第1印刷物38a等に対応する第1プロファイルを生成し、取得された第1及び第2の分光データ212、214並びに光源DSの第3の分光データ216に基づいて第2印刷物38b等に対応する第2プロファイルを生成し、生成された前記第1プロファイルを入力側プロファイルとして用い、生成された前記第2プロファイルを出力側プロファイルとして用いて、第1印刷物38aの画像を表す画像データを第2印刷物38bの画像を表す画像データに色変換するようにしたので、第1印刷物38a等を形成するために適切なカラー画像データをそのまま用いて、様々な印刷条件・観察環境下に応じた第2印刷物38b等の色再現を適切に行うことができる。これにより、印刷条件・観察環境の組合せを変更する都度に色の微調整を行う必要がなくなり、色調整作業に要する工数を大幅に低減することができる。
【0163】
なお、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。
【0164】
例えば、本実施形態では、カラーチャート38cが有するカラーパッチ44の個数を100個、分光データの数を41点、光波長の間隔を10nmとしているが、色再現精度、画像処理時間等を総合的に勘案し、これらを自由に変更できるように構成してもよい。
【0165】
また、本実施の形態では、保護膜付印刷物42の測色値の予測式としてKubelka−Munkモデルを用いているが、その変形式、あるいは他の数理モデルも適用できることはいうまでもない。
【0166】
さらに、本実施形態では、印刷機18がインクジェット方式である構成を採っているがこれに限定されることなく、電子写真、感熱方式等であっても本発明の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0167】
10…印刷システム 14…編集装置
16…画像処理装置 18…印刷機
20…ラミネート処理装置 22…測色計
24…本体 26…表示装置
36…メディア 36a…第1メディア
36b…第2メディア 38…印刷物
38a…第1印刷物 38b…第2印刷物
38c…カラーチャート 40…ラミネートフイルム
40a…第1ラミネートフイルム 40b…第2ラミネートフイルム
42…保護膜付印刷物 42a…第1保護膜付印刷物
42b…第2保護膜付印刷物 44…カラーパッチ
52、60、72、74、76、78…I/F
54…RIP 56…色変換処理部
58…印刷機ドライバ 62…プロファイル生成部
64…黒点補正処理部 66…画像データ生成部
68…光学物性値推定部 70…GUI画像表示制御部
80…記憶部 82…入力側プロファイル処理部
84…出力側プロファイル処理部 86…データ選択部
88…測色値算出部 88a…反射率・透過率予測部
88b…Lab算出部 90…LUT生成部
100…設定データ 102…メディアの分光データ群
104…ラミネートフイルムの分光データ群 106…観察光源の分光データ群
112、212…第1の分光データ 114、214…第2の分光データ
116、216…第3の分光データ 118、218…第4の分光データ
120…測色値データ 122…CMYK値データ
124…色変換LUT 130…設定画面
132、134、136、138、140、142…プルダウンメニュー
144a、146a…テキストボックス
144b、146b、150、152…ボタン
148、182…チェックボックス 160…測定試料
162…基材 164…黒色材
170、170s…第1ガマット
172、172k、172s…第2ガマット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1メディアに印刷して得られた第1印刷物と、前記第1メディアと同一の又は異なるメディアである第2メディアに印刷して得られた第2印刷物との光学物性値を取得する第1取得ステップと、
前記第2印刷物に被覆させる保護膜である第2保護膜の光学物性値を取得する第2取得ステップと、
前記第1印刷物の観察光源である第1光源と、前記第1光源と同一の又は異なる観察光源であって前記第2印刷物に前記第2保護膜を被覆させて得られた第2保護膜付印刷物の観察光源である第2光源との分光分布を取得する第3取得ステップと、
取得された前記第1印刷物の光学物性値及び前記第1光源の分光分布に基づいて前記第1印刷物に対応する第1プロファイルを生成する第1生成ステップと、
取得された前記第2印刷物及び前記第2保護膜の光学物性値並びに前記第2光源の分光分布に基づいて前記第2保護膜付印刷物に対応する第2プロファイルを生成する第2生成ステップと、
生成された前記第1プロファイルを入力側プロファイルとして用い、生成された前記第2プロファイルを出力側プロファイルとして用いて、前記第1印刷物の画像を表す画像データを前記第2印刷物の画像を表す画像データに色変換する色変換ステップと
を備えることを特徴とする色変換方法。
【請求項2】
第1メディアに印刷して得られた第1印刷物と、前記第1メディアと同一の又は異なるメディアである第2メディアに印刷して得られた第2印刷物との光学物性値を取得する第1取得ステップと、
前記第1印刷物に被覆させる第1保護膜と、前記第1保護膜と同一の又は異なる保護膜であって前記第2印刷物に被覆させる保護膜である第2保護膜との光学物性値を取得する第2取得ステップと、
前記第1印刷物に前記第1保護膜を被覆させて得られた第1保護膜付印刷物の観察光源である第1光源と、前記第1光源と同一の又は異なる観察光源であって前記第2印刷物に前記第2保護膜を被覆させて得られた第2保護膜付印刷物の観察光源である第2光源との分光分布を取得する第3取得ステップと、
取得された前記第1印刷物及び前記第1保護膜の光学物性値並びに前記第1光源の分光分布に基づいて前記第1保護膜付印刷物に対応する第1プロファイルを生成する第1生成ステップと、
取得された前記第2印刷物及び前記第2保護膜の光学物性値並びに前記第2光源の分光分布に基づいて前記第2保護膜付印刷物に対応する第2プロファイルを生成する第2生成ステップと、
生成された前記第1プロファイルを入力側プロファイルとして用い、生成された前記第2プロファイルを出力側プロファイルとして用いて、前記第1印刷物の画像を表す画像データを前記第2印刷物の画像を表す画像データに色変換する色変換ステップと
を備えることを特徴とする色変換方法。
【請求項3】
請求項2記載の色変換方法において、
前記第2保護膜にはいずれの保護膜も被覆させない状態が含まれ、
前記第2取得ステップでは、前記第1印刷物に被覆させる第1保護膜の光学物性値を取得し、
前記第3取得ステップでは、前記第1印刷物に前記第1保護膜を被覆させて得られた第1保護膜付印刷物の観察光源である第1光源と、前記第2印刷物の観察光源である第2光源との分光分布を取得し、
前記第2生成ステップでは、取得された前記第2印刷物の光学物性値及び前記第2光源の分光分布に基づいて前記第2印刷物に対応する第2プロファイルを生成する
ことを特徴とする色変換方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の色変換方法において、
前記第1取得ステップは、
メディアの種類を指定するステップと、
データベースの参照又は印刷物の測色により、指定された前記メディアの種類に対応する光学物性値を取得するステップと
をさらに備えることを特徴とする色変換方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の色変換方法において、
前記第2取得ステップは、
保護膜の種類を指定するステップと、
データベースの参照又は保護膜の測定により、指定された前記保護膜の種類に対応する光学物性値を取得するステップと
をさらに備えることを特徴とする色変換方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の色変換方法において、
前記第3取得ステップは、
光源の種類を指定するステップと、
データベースの参照又は光源の測定により、指定された前記光源の種類に対応する分光分布を取得するステップと
をさらに備えることを特徴とする色変換方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の色変換方法において、
前記色変換ステップは、前記第1プロファイルに係る黒点の色値と前記第2プロファイルに係る黒点の色値とを一致させるようにマッピングをするステップをさらに備える
ことを特徴とする色変換方法。
【請求項8】
請求項7記載の色変換方法において、
GUIに画像を表示するステップと、
前記GUIを用いたユーザ操作に従って前記第1保護膜又は前記第2保護膜の種類を指定するステップと、
前記第1保護膜及び前記第2保護膜の種類がいずれも保護膜を被覆しないと指定された場合には前記マッピングの要否を選択不可となるように、それ以外の場合には前記マッピングの要否を選択可能となるように、表示させる前記GUIに画像を変更するステップと
をさらに備えることを特徴とする色変換方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の色変換方法において、
メディアが反射メディアである場合は、印刷物の光学物性値は分光反射率であるとともに、保護膜の光学物性値は該保護膜の光波長毎の固有反射率、散乱係数及び吸収係数のうちの独立な2つの光学物性値である
ことを特徴とする色変換方法。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の色変換方法において、
メディアが透過メディアである場合は、印刷物及び保護膜の光学物性値は分光透過率である
ことを特徴とする色変換方法。
【請求項11】
第1メディアに印刷して得られた第1印刷物と、前記第1メディアと同一の又は異なるメディアである第2メディアに印刷して得られた第2印刷物との光学物性値を取得する第1取得部と、
前記第2印刷物に被覆させる保護膜である第2保護膜の光学物性値を取得する第2取得部と、
前記第1印刷物の観察光源である第1光源と、前記第1光源と同一の又は異なる観察光源であって前記第2印刷物に前記第2保護膜を被覆させて得られた第2保護膜付印刷物の観察光源である第2光源との分光分布を取得する第3取得部と、
前記第1取得部により取得された前記第1印刷物の光学物性値と、前記第3取得部により取得された前記第1光源の分光分布とに基づいて前記第1印刷物に対応する第1プロファイルを生成するとともに、前記第1取得部により取得された前記第2印刷物の光学物性値と、前記第2取得部により取得された前記第2保護膜の光学物性値と、前記第3取得部により取得された前記第2光源の分光分布とに基づいて前記第2保護膜付印刷物に対応する第2プロファイルを生成するプロファイル生成部と、
前記プロファイル生成部により生成された前記第1プロファイルを入力側プロファイルとして用い、前記プロファイル生成部により生成された前記第2プロファイルを出力側プロファイルとして用いて、前記第1印刷物の画像を表す画像データを前記第2印刷物の画像を表す画像データに色変換する色変換処理部と
を有することを特徴とする色変換装置。
【請求項12】
第1メディアに印刷して得られた第1印刷物と、前記第1メディアと同一の又は異なるメディアである第2メディアに印刷して得られた第2印刷物との光学物性値を取得する第1取得部と、
前記第1印刷物に被覆させる第1保護膜と、前記第1保護膜と同一の又は異なる保護膜であって前記第2印刷物に被覆させる保護膜である第2保護膜との光学物性値を取得する第2取得部と、
前記第1印刷物に前記第1保護膜を被覆させて得られた第1保護膜付印刷物の観察光源である第1光源と、前記第1光源と同一の又は異なる観察光源であって前記第2印刷物に前記第2保護膜を被覆させて得られた第2保護膜付印刷物の観察光源である第2光源との分光分布を取得する第3取得部と、
前記第1取得部により取得された前記第1印刷物の光学物性値と、前記第2取得部により取得された前記第1保護膜の光学物性値と、前記第3取得部により取得された前記第1光源の分光分布とに基づいて前記第1保護膜付印刷物に対応する第1プロファイルを生成するとともに、前記第1取得部により取得された前記第2印刷物の光学物性値と、前記第2取得部により取得された前記第2保護膜の光学物性値と、前記第3取得部により取得された前記第2光源の分光分布とに基づいて前記第2保護膜付印刷物に対応する第2プロファイルを生成するプロファイル生成部と、
前記プロファイル生成部により生成された前記第1プロファイルを入力側プロファイルとして用い、前記プロファイル生成部により生成された前記第2プロファイルを出力側プロファイルとして用いて、前記第1印刷物の画像を表す画像データを前記第2印刷物の画像を表す画像データに色変換する色変換処理部と
を有することを特徴とする色変換装置。
【請求項13】
コンピュータに、
第1メディアに印刷して得られた第1印刷物と、前記第1メディアと同一の又は異なるメディアである第2メディアに印刷して得られた第2印刷物との光学物性値を取得する手段、
前記第2印刷物に被覆させる保護膜である第2保護膜の光学物性値を取得する手段、
前記第1印刷物の観察光源である第1光源と、前記第1光源と同一の又は異なる観察光源であって前記第2印刷物に前記第2保護膜を被覆させて得られた第2保護膜付印刷物の観察光源である第2光源との分光分布を取得する手段、
前記第1印刷物の光学物性値と、前記第1光源の分光分布とに基づいて前記第1印刷物に対応する第1プロファイルを生成する手段、
前記第2印刷物及び前記第2保護膜の光学物性値並びに前記第2光源の分光分布に基づいて前記第2保護膜付印刷物に対応する第2プロファイルを生成する手段、
生成された前記第1プロファイルを入力側プロファイルとして用い、生成された前記第2プロファイルを出力側プロファイルとして用いて、前記第1印刷物の画像を表す画像データを前記第2印刷物の画像を表す画像データに色変換する手段
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
コンピュータに、
第1メディアに印刷して得られた第1印刷物と、前記第1メディアと同一の又は異なるメディアである第2メディアに印刷して得られた第2印刷物との光学物性値を取得する手段、
前記第1印刷物に被覆させる第1保護膜と、前記第1保護膜と同一の又は異なる保護膜であって前記第2印刷物に被覆させる保護膜である第2保護膜との光学物性値を取得する手段、
前記第1印刷物に前記第1保護膜を被覆させて得られた第1保護膜付印刷物の観察光源である第1光源と、前記第1光源と同一の又は異なる観察光源であって前記第2印刷物に前記第2保護膜を被覆させて得られた第2保護膜付印刷物の観察光源である第2光源との分光分布を取得する手段、
取得された前記第1印刷物及び前記第1保護膜の光学物性値並びに前記第1光源の分光分布に基づいて前記第1保護膜付印刷物に対応する第1プロファイルを生成する手段、
取得された前記第2印刷物及び前記第2保護膜の光学物性値並びに前記第2光源の分光分布に基づいて前記第2保護膜付印刷物に対応する第2プロファイルを生成する手段、
生成された前記第1プロファイルを入力側プロファイルとして用い、生成された前記第2プロファイルを出力側プロファイルとして用いて、前記第1印刷物の画像を表す画像データを前記第2印刷物の画像を表す画像データに色変換する手段
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−188091(P2011−188091A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−49180(P2010−49180)
【出願日】平成22年3月5日(2010.3.5)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】