説明

芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体の製造方法及び樹脂成形体

【課題】食品の風味を損なわないために、樹脂粉粒体中の残存フェノール類を著しく低減した、芳香族ポリカーボネート樹脂粉流粒体の製造方法、及びこの方法により得られる樹脂粉粒体を溶融成形してなる樹脂成形体、とりわけ食品保存用樹脂成形体を提供する。
【解決手段】芳香族ジヒドロキシ化合物と、ホスゲン又は炭酸ジエステル類との反応により得られる芳香族ポリカーボネート樹脂(ただし、アルケニル基または活性C−H結合基またはベンゾフェノン構造を有するものを除く)に、電離放射線を照射する、芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体の製造方法、及びこの製造方法にて得られた芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体を溶融成形してなる、樹脂成形体に関する。詳しくは、残存芳香族ヒドロキシ化合物を極めて低減した、芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体の製造方法、及びこの製造方法にて得られた芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体を溶融成形してなる、樹脂成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
芳香族ポリカーボネート樹脂は、耐熱性、透明性、衛生性、並びに機械的強度等、優れた諸物性を有しており、種々の用途に使用されている。またその製造方法は、ビスフェノールなどの芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンとを反応させる方法(界面法)や、ビスフェノールなどの芳香族ジヒドロキシ化合物やその誘導体とジフェニルカーボネートなどの炭酸ジエステル化合物とを、溶融状態でエステル(交換)反応させる方法(溶融法、又はエステル交換法)等が、知られている。
【0003】
そして、界面法により得られる芳香族ポリカーボネート樹脂(界面法芳香族ポリカーボネート樹脂)にはビスフェノールA(BPA)やテトラブロモビスフェノールA(TBA)が、そして溶融法により得られる芳香族ポリカーボネート樹脂(溶融法芳香族ポリカーボネート樹脂)には、さらにフェノール類が、僅かではあるが残留することも知られている。これらの残留フェノール類は、安全性には問題ない低レベルであるが、食品用容器等に使用された場合、食品の風味を損なうことが懸念されていた。
【0004】
BPAやTBA等のフェノール類残留物は、一般的に有機溶媒等に芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体を溶解させた溶液を、多段抽出法、オリフィス塔、攪拌槽等を用い、水と接触させて水洗することにより除去される。しかし有機溶媒溶液中のポリカーボネート樹脂の濃度が高いと、その溶液粘度が高いために、単なる水洗操作だけでは十分に除去できない場合があった。よってこの様な高濃度、高粘度の芳香族ポリカーボネート樹脂溶液の水洗技術も提案されている。
【0005】
具体的には例えば、攪拌槽2段により油中水型分散相として洗浄した後、水中油型分散相に相転換し、静置分離槽で分離する方法(例えば特許文献1参照。)や、一定以上の攪拌動力で攪拌後、油中水型分散相を形成させ、次いで遠心分離等により分離する方法(例えば特許文献2参照。)、そして油中水型分散相を形成させる工程及び水中油型分散相を形成させる工程において、混合物に適切な攪拌動力を与える方法(例えば特許文献3参照。)等が提案されている。
【0006】
また溶融法芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体中の残存フェノール類を高粘度のポリカーボネート溶融体から除去する方法としては、例えば、高真空下にて、通常、250〜330℃の高温状態で長時間処理を行う方法が知られているが、この場合、ポリカーボネート樹脂は長時間にわたって高温状態に晒されることになる。
【0007】
この際、エステル交換反応触媒である水酸化ナトリウム等のアルカリ金属化合物が、脱炭酸反応やコルベーシュミット類似反応等の副反応をも引き起こし、ポリカーボネート樹脂鎖における分岐構造が生成したり、ポリカーボネート樹脂鎖同士の架橋生成物が生成することで、ポリカーボネート樹脂の着色原因となる問題があった。この様に、一般に溶融法では、色調と分子量のバランスの優れた品質のものが得にくいという問題があった。
【0008】
これらの問題を解決するために、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとをアルカリ金属化合物を含む触媒の存在下に溶融重縮合させて得られた反応生成物に、スルホン酸エステル化合物とともに、遷移金属捕捉剤を添加し、減圧処理する方法が提案されている(例えば特許文献4参照)。しかしこの方法では、フェノール類の低減が不充分であるか、または生産性が著しく損なわれるという欠点があり、実用性の低いという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特公昭59−38967号公報
【特許文献2】特開平1−96212号公報
【特許文献3】特開平9−52949号公報
【特許文献4】特開2000−351844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、芳香族ポリカーボネー樹脂粉粒体の製造方法において、とりわけこの粉粒体を溶融成形してなる樹脂成形体を食品保存用容器等に使用した際、保存食品の風味を損ねる恐れのある、成形体中の残存フェノール類を著しく低減する、芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上述の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、芳香族ジヒドロキシ化合物と、ホスゲン又は炭酸ジエステル類との反応により得られる芳香族ポリカーボネート樹脂に対して、好ましくは、粉粒体や溶融押出工程におけるストランド、あるいは粉体の様に固化した芳香族ポリカーボネート樹脂に、電離放射線を照射することによって、芳香族ポリカーボネート樹脂中のフェノール類が低減するという、極めて意外な事実を見出し、本発明を完成させた。
【0012】
即ち本発明の要旨は、芳香族ジヒドロキシ化合物と、ホスゲン又は炭酸ジエステル類との反応により得られる芳香族ポリカーボネート樹脂(ただし、アルケニル基または活性C−H結合基またはベンゾフェノン構造を有するものを除く)に、電離放射線を照射することを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体の製造方法、並びにこの芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体を溶融成形してなる、芳香族ポリカーボネート樹脂成形体に関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の製造方法によって、芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体中のフェノール類を容易、且つ簡便に低減でき、芳香族ポリカーボネート樹脂成形体、とりわけ食品保存用容器等の樹脂成形体とした場合に、食品の風味を損なう恐れの無い、ポリカーボネート樹脂やこれを溶融成形してなる樹脂成形体を提供することが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明における芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族ヒドロキシ化合物、またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物とを、ホスゲンまたは炭酸ジエステル化合物と反応させることによって得られる、分岐構造を有していてもよい、熱可塑性芳香族ポリカーボネート樹脂、または共重合体である。
【0015】
本発明に係る芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族ジヒドロキシ化合物と、カーボネート前駆体である、ホスゲン又は炭酸ジエステル類との反応により得られるものであり、具体的には例えば、界面重合法、または溶融法にて製造されたものである。
【0016】
原料として使用される芳香族ジヒドロキシ化合物としては、具体的には例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=ビスフェノールA)、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン(=テトラブロモビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1−トリクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサクロロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
【0017】
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等で例示されるビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等で例示されるカルド構造含有ビスフェノール類;
【0018】
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテル等で例示されるジヒドロキシジアリールエーテル類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホキシド等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等で例示されるジヒドロキシジアリールスルホン類;ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン等が挙げられる。
【0019】
これらの中でも、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類であることが好ましく、特に耐衝撃性の点から、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[=ビスフェノールA(BPA)]が好ましい。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種類単独でも2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0020】
本発明における芳香族ポリカーボネート樹脂は、上述の芳香族ジヒドロキシ化合物と、カーボネート前駆体である、ホスゲン又は炭酸ジエステル類を反応させて得られるものである。
【0021】
芳香族ジヒドロキシ化合物と反応させるカーボネート前駆体としては、ホスゲン等のカルボニルハライドや、ジアリールカーボネート類、ジアルキルカーボネート類等の炭酸ジエステル類が挙げられる。これらのカーボネート前駆体もまた、一種または任意の割合で二種以上を併用してもよい。炭酸ジエステル類としては、具体的には例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類が挙げられる。
【0022】
中でも本発明において、芳香族ジヒドロキシ化合物と反応させるカーボネート前駆体としては炭酸ジエステル類が好ましく、更に炭酸ジエステル類としては、ジフェニルカーボネートまたは置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートが好ましい。
【0023】
また炭酸ジエステル類は、末端の一価の炭化水素基の一部を、ジカルボン酸又はジカルボン酸エステルにより置換されたものであってもよい。この様な置換基の含有量は通常、末端の一価の炭化水素基の50モル%以下であり、中でも30モル%以下であることが好ましい。置換基であるジカルボン酸やそのエステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸やこれらのエステル類の他、テレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニル等が挙げられる。このようなジカルボン酸又はジカルボン酸エステルで置換した場合には、ポリエステルカーボネートが得られる。
【0024】
更に、本発明における芳香族ポリカーボネート樹脂は、三官能以上の多官能性芳香族化合物を共重合した、分岐した芳香族ポリカーボネート樹脂であってもよい。三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、1,3,5−トリ(4−ヒドロキシフェニル)べンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン等のポリヒドロキシ化合物類;
【0025】
3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロロイサチン、5,7−ジクロロイサチン、5−ブロムイサチン等が挙げられる。これらの中でも、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタンが好ましい。多官能性芳香族化合物は、前記芳香族ジヒドロキシ化合物の一部を置換して使用することができ、その使用量は芳香族ジヒドロキシ化合物に対して0.01〜10モル%の範囲が好ましく、0.1〜2モル%の範囲がより好ましい。
【0026】
次に本発明における芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法について説明する。芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法のうち、まず界面重合法について説明する。
【0027】
この製造方法における重合反応は、反応に不活性な有機溶媒、アルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、芳香族ジヒドロキシ化合物、ならびに、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)および芳香族ジヒドロキシ化合物の酸化防止のための酸化防止剤を用い、ホスゲンと反応させた後、第三級アミンまたは第四級アンモニウム塩等の重合触媒を添加し、界面重合を行うことによってポリカーボネート樹脂を得る。分子量調節剤の添加はホスゲン化時から重合反応開始時までの間であれば特に限定されない。なお、反応温度は、例えば、0〜40℃で、反応時間は、例えば、数分(例えば、10分)〜数時間(例えば、6時間)である。
【0028】
ここで、反応に不活性な有機溶媒としては、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。また、アルカリ水溶液に用いられるアルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物が挙げられる。
【0029】
分子量調節剤としては、一価のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられる。一価のフェノール性水酸基を有する化合物としては、m−メチルフェノール、p−メチルフェノール、m−プロピルフェノール、p−プロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノールおよびp−長鎖アルキル置換フェノールなどが挙げられる。分子量調節剤の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物100モルに対して、好ましくは50〜0.5モル、より好ましくは30〜1モルである。
【0030】
重合触媒としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリヘキシルアミン、ピリジン等の第三級アミン類:トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0031】
次に溶融法について説明する。この製造方法における重合反応は、例えば、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応である。炭酸ジエステルとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物、ジフェニルカーボネートおよびジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネート等が例示される。炭酸ジエステルは、好ましくはジフェニルカーボネートまたは置換ジフェニルカーボネートであり、より好ましくはジフェニルカーボネートである。
【0032】
また芳香族ポリカーボネート樹脂においては、その末端水酸基量が製品ポリカーボネート樹脂の熱安定性、加水分解安定性、色調等に大きな影響を及ぼすので、従来公知の任意の方法によって、適宜調整してもよい。溶融エステル交換反応においては、通常、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物との混合比率や、エステル交換反応時の減圧度を調整して、所望の分子量および末端水酸基量を調整した芳香族ポリカーボネート樹脂を得ることができる。
【0033】
通常、溶融エステル交換反応においては、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、炭酸ジエステルを等モル量以上用い、中でも1.001〜1.3モル、特に1.01〜1.2モル用いることが好ましい。また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を添加する方法が挙げられ、この際の末端停止剤としては、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類が挙げられる。
【0034】
芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対する炭酸ジエステルのモル数を、1.001より多くすることによって、溶融法芳香族ポリカーボネート樹脂の末端OH基の増加を抑制し、熱安定性や耐加水分解性が向上する傾向となり、また1.3以内とすることで、溶融法芳香族ポリカーボネート樹脂の末端OH基は減少するが、同一条件下ではエステル交換反応の速度を維持し、所望の分子量を有する芳香族ポリカーボネート樹脂の製造が容易となる傾向があるので、好ましい。
【0035】
本発明における芳香族ポリカーボネート樹脂の末端水酸基濃度は、通常1000ppm以下であり、中でも800ppm以下、更には600ppm以下であることが好ましい。またその下限は、特にエステル交換法で製造する芳香族ポリカーボネート樹脂では、10ppm以上、中でも30ppm以上、更には40ppm以上であることが好ましい。
【0036】
末端水酸基濃度を10ppm以上とすることで、分子量の低下が抑制でき、樹脂組成物の機械的特性がより向上する傾向にある。また末端基水酸基濃度を1000ppm以下とすることで、樹脂組成物の滞留熱安定性や色調がより向上する傾向にあるので好ましい。
【0037】
なお、末端水酸基濃度の単位は、芳香族ポリカーボネート樹脂重量に対する、末端水酸基の重量をppmで表示したものであり、測定方法は、四塩化チタン/酢酸法による比色定量(Macromol.Chem.88215(1965)に記載の方法)である。
【0038】
溶融法によりポリカーボネート樹脂を製造する際には、通常エステル交換触媒が使用される。エステル交換触媒は、特に制限はないが、アルカリ金属化合物および/またはアルカリ土類金属化合物が好ましい。また補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物またはアミン系化合物などの塩基性化合物を併用してもよい。これらは、一種または任意の割合で二種以上を併用してもよい。
【0039】
これら触媒の使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して0.05〜5μモル、好ましくは0.08〜4μモル、さらに好ましくは0.1〜2μモルである。触媒使用量が少なすぎると、所望の分子量の芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するのに必要な重合活性が得られず、逆に多すぎても、ポリマー色相が悪化し、またポリマーの分岐化も進み、成形時の流動性が低下する傾向がある。
【0040】
上記原料を用いたエステル交換反応としては、100〜320℃、好ましくは150〜320℃の温度で反応を行い、最終的には2mmHg以下の減圧下、芳香族ヒドロキシ化合物等の副生成物を除去しながら溶融重縮合反応を行えばよい。
【0041】
溶融重縮合は、バッチ式、連続式の何れの方法でも行うことができる。中でも本発明における芳香族ポリカーボネート樹脂や、得られる樹脂粉粒体の安定性等を考慮すると、連続式で行うことが好ましい。連続式の場合、一般的には2以上の重合槽(二段以上の多段工程)で反応を行い、中でも3〜7段の多段工程で連続的に実施されることが好ましい。
【0042】
この様な多段工程に於いては、各段での平均滞留時間は通常、5〜150分である。また各重合槽においては、反応の進行とともに副生する、フェノール等の芳香族ヒドロキシ化合物を効率的に反応系外へ排出すべく、上述の反応条件内で、段階的に、より高温、より高真空に設定することが好ましい。尚、得られる芳香族ポリカーボネート樹脂の色相等の品質低下を防止するためには、できるだけ低温、できるだけ短い滞留時間とすることが好ましい。
【0043】
溶融法に用いる触媒失活剤としては、該エステル交換反応触媒を中和する化合物、例えばイオウ含有酸性化合物またはそれより形成される誘導体を使用することが好ましい。このような触媒を中和する化合物は、該触媒が含有するアルカリ金属に対して、好ましくは0.5〜10当量、より好ましくは1〜5当量の範囲で添加する。さらに加えて、このような触媒を中和する化合物は、ポリカーボネート樹脂に対して、好ましくは1〜100ppm、より好ましくは1〜20ppmの範囲で添加する。
【0044】
本発明における芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は適宜選択して決定すればよいが、溶液粘度から換算した粘度平均分子量[Mv]が10000〜50000のものが好ましい。芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量を10000以上とすることにより、機械的強度がより向上する傾向にあり、機械的強度の要求の高い用途に用いる場合により好ましいものとなる。一方、粘度平均分子量を50000以下とすることにより、流動性が低下するのをより改善できる傾向にあり、成形加工性容易の観点からより好ましい。
【0045】
中でも粘度平均分子量が12000〜40000のものが好ましく、更には15000〜40000、特に20000〜30000であることが好ましい。また粘度平均分子量の異なる2種類以上の芳香族ポリカーボネート樹脂を混合してもよい。もちろん、粘度平均分子量が上記好適範囲外である芳香族ポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
【0046】
ここで粘度平均分子量[Mv]とは、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度25℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、すなわち、η=1.23×10−40.83、から算出される値を意味する。ここで極限粘度[η]とは各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。
【0047】
【数1】

【0048】
また、成形品外観の向上や流動性の向上を図るため、本発明における芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族ポリカーボネートオリゴマーを含有していてもよい。この芳香族ポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量[Mv]は、好ましくは1500〜9500であり、より好ましくは2000〜9000である。芳香族ポリカーボネートオリゴマーは、芳香族ポリカーボネート樹脂成分の30重量%以下の範囲で使用するのが好ましい。
【0049】
本発明においては、中でも、溶融法芳香族ポリカーボネート樹脂において、その効果が顕著となり、更には、上述の末端OH基濃度が10〜1000ppmの溶融法芳香族ポリカーボネート樹脂において、効果が顕著となる。
【0050】
さらに、本発明における芳香族ポリカーボネート樹脂は、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生された芳香族ポリカーボネート樹脂、いわゆるマテリアルリサイクルされた芳香族ポリカーボネート樹脂を使用してもよい。使用済みの製品としては、光学ディスク等の光記録媒体、導光板、自動車窓ガラス・自動車ヘッドランプレンズ・風防等の車両透明部材、水ボトル等の容器、メガネレンズ、防音壁・ガラス窓・波板等の建築部材等が好ましく挙げられる。また、製品の不適合品、スプルー、ランナー等から得られた粉砕品またはそれらを溶融して得た粉粒体等も使用可能である。再生された芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族ポリカーボネート樹脂成分の80重量%以下であることが好ましく、より好ましくは50重量%以下である。
【0051】
本発明に用いる電離放射線としては、α線、β線(電子線)、陽子線、重陽子線、中性子線等の粒子線や、紫外線、γ線(ガンマ線)、X線等の電磁放射線が挙げられ、その発生装置等も、従来公知の任意のものを用いればよい。通常、工業的には、電子線やガンマ線等を用いればよい。またその強度としては、例えば電子線とであれば、10〜500KGy電子線が用いられる。照射強度は、照射条件等により適宜選択して決定すればよいが、電子線であれば通常、10〜100kGy、中でも10〜70kGy、特に15〜70kGyであることが好ましい。
【0052】
本発明における電離放射線の照射時期は、芳香族ポリカーボネート樹脂を溶融形成して樹脂成形体を製造する前であれば任意であり、適宜選択して決定すればよい。具体的には例えば、界面、又は溶融重合での製造直後の流動状態にある芳香族ポリカーボネート樹脂や、一旦固化した後(粉体、押出時のストランド、ペレット等)の芳香族ポリカーボネート樹脂への照射が挙げられる。
【0053】
中でも、本発明における芳香族ポリカーボネート樹脂への電離放射線照射は、生産性や製造装置の保守等の観点から、重合後、固化した状態(粉体、押出時のストランド、ペレット等の粒体)の、固体芳香族ポリカーボネート樹脂に照射することが好ましい。尚、本発明における粉粒体とは、いわゆる粉体や、ペレット等の粒状物、顆粒状物等を示す。
【0054】
ここでペレットとは、その形状は任意であり、具体的には球状、円柱状、角柱状などの形状である。またその大きさ(寸法)も従来公知の任意の値から適宜選択して決定すればよいが、ペレットが小さ過ぎたり、逆に大き過ぎると分散安定性や成形機への食い込み性が低下する場合がある。よってその大きさは通常、最長径が1〜30mmであり、中でも直径、短辺、長辺の各長さが、2〜5mmの円柱状又は四角柱状であることが好ましい。
【0055】
更に、本発明における芳香族ポリカーボネート樹脂への電離放射線照射は、極性溶媒存在下にて行うことが好ましい。本発明に用いる極性溶媒としては、従来公知の任意のものから適宜選択して決定すればよい。具体的には例えば、水、有機酸類、アミド等の含窒素化合物類、アルコール類、ニトリル類、ケトン類、エステル類等が挙げられる。これらは一種または任意の割合で二種以上を併用してもよい。
【0056】
中でも、得られる芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体への影響や、芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体の後処理が簡便な、水を用いることが好ましい。水は、工業的に通常用いられるものであれば特に制限はなく、水道水や、イオン交換水、純水等が挙げられる。
【0057】
本発明における芳香族ポリカーボネート樹脂は、本発明の目的を損なわない範囲で、従来公知の任意の各種添加剤を、その含有量についても適宜選択して決定して用いればよい。具体的には例えば、熱可塑性樹脂、難燃剤、耐衝撃性改良剤、帯電防止剤、離型剤、熱安定剤、光安定剤、酸化防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、着色剤、天然油、合成油、ワックス、有機系充填剤、無機系充填剤等が挙げられる。
【0058】
本発明により得られる芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体は、射出成形、ブロー成形、押出成形、回転成形等、公知の成形方法により、任意の、所望の樹脂成形体とすることができる。中でも本発明により得られる芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体を用いた樹脂成形体は、食品保存用樹脂成形体として用いることで、芳香族ポリカーボネート樹脂が有する耐熱性、透明性、衛生性、機械的強度等を備え、更に食品の風味への影響を抑えるという効果を有するので、優れた食品保存用容器となり、本発明の効果が顕著となる。
【0059】
本発明の食品保存用樹脂成形体は、従来公知の任意の食品、任意の形状の保存容器等として使用することができる。具体的には例えば、加熱殺菌に耐え、かつ容器外部からの食品色調の可視化が重要となる、果汁飲料、炭酸飲料、お茶飲料、コーヒー飲料類、果汁飲料類等の清涼飲料水容器(ボトル);ナチュラルミネラルウォータ等の水ボトル;乳、乳酸菌飲料、及び各種乳製品商品の保存容器;等、液体又は流動体飲料や食品の、保存容器が挙げられる。
【実施例】
【0060】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。各実施例及び比較例における残留フェノール類の測定は、液体クロマトグラフィーで行い、検量線法により定量した。
【0061】
(実施例1):
水酸化ナトリウム3.7kgを水42Lに溶解し、これに二価フェノールとしてビスフェノールA(BPA)7.2kg、及びハイドロサルファイト(HD)8gを溶解した。これにメチレンクロライド(MC)28Lを加えて攪拌しつつ、p−t−ブチルフェノール(PTBP)96gを加え、次いでホスゲン(PG)3.5kgを60分かけて吹き込んだ。ホスゲン吹き込み後、激しく攪拌して反応液を乳化させ、乳化後、8gのトリエチルアミン(TEA)を加え約1時間攪拌し重合させた。
【0062】
重合液と水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和した後、洗液のPHが中性になるまで水洗を繰り返した後、固形化用溶媒としてn−ヘプタン0.1Lを加えて攪拌し、ポリカーボネートの有機溶媒溶液を調製した。該ポリカーボネート樹脂溶液を、攪拌下45℃に維持された温水80Lの上部から60分かけて滴下して、ポリカーボネート樹脂粒状体の水スラリー液を得た。
【0063】
水スラリー液を濾過してポリカーボネート樹脂の湿潤粉末を得、該湿潤粉末をパドル型乾燥機を用い、140℃、6時間乾燥し、白色粉末状のポリカーボネート樹脂の乾燥粒状物を得た。得られた芳香族ポリカーボネート樹脂の乾燥粒状物は、粘度平均分子量21300、末端OH基含有率は30ppmであった。この乾燥粒状物に25kGyのガンマ線を照射し、残存BPA量を測定したところ、1ppmであった。結果を表1に示す。
【0064】
(実施例2):
120Lの反応容器に、9%水酸化ナトリウム水溶液42L、7.35kgのビスフェノールA(BPA)、1.50kgのテトラブロモビスフェノールA(TBA)、塩化メチレン50Lを入れ、撹拌下、温度を約20℃に保ちながら、ホスゲン4.2kgを30分で吹き込んだ。次に、塩化メチレン2Lに溶解したp−tert−ブチルフェノール209g、トリエチルアミン7mLを添加し、約1時間撹拌し重合した。
【0065】
重合反応液を水相と有機相に分離し、有機相をリン酸で中和した後、洗液のpHが中性になるまで水洗を繰り返した後、イソプロパノールを35L加えて、重合物を沈殿させた。沈殿物を濾過し、その後乾燥することにより、白色粉末状のハロゲン化ポリカーボネート樹脂を得た。
【0066】
得られた白色粉末状のハロゲン化ポリカーボネート樹脂は、粘度平均分子量23700、末端OH基含有率は42ppmであった。このハロゲン化ポリカーボネート樹脂粉末に15kGyの電子線を照射し、残存TBAを測定したところ、2ppmであった。結果を表1に示す。
【0067】
(実施例3):
窒素ガス雰囲気下120℃で調製されたジフェニルカーボネート(DPC)融液205.0モル/h、及び、窒素ガス雰囲気下計量されたビスフェノールA(BPA)粉末197.1モル/h(DPC/BPAモル比1.04)を、窒素雰囲気下140℃に調整された原料混合槽に連続的に供給した。次いでこの原料混合液を容量100Lの第1竪型撹拌重合槽に連続的に供給した。一方、上記混合物の供給開始と同時に、触媒として2重量%の炭酸セシウム水溶液を、触媒導入管を介して1.60mL/h(設定触媒量:BPA1モルに対し0.5μモル)の流量で連続供給を開始した。
【0068】
第1竪型撹拌重合槽は、マックスブレンド翼を具備し、常圧、窒素雰囲気下、220℃に制御され、さらに平均滞留時間が60分になるように、槽底部のポリマー排出ラインに設けられたバルブ開度を制御しつつ、液面レベルを一定に保った。
【0069】
槽底より排出された重合液は、引き続き、第2、第3のマックスブレンド翼を具備した容量100Lの竪型撹拌重合槽、及び第4の格子翼を具備した容量150Lの横型重合槽に逐次連続供給された。第2〜第4重合槽での反応条件は、それぞれ、下記のように、反応の進行とともに高温、高真空、低撹拌速度となるように条件設定した。
【0070】
反応の間は、第2〜第4重合槽の平均滞留時間が60分となるように、液面レベルの制御を行い、また、各重合槽においては、副生したフェノールを副生物排出管より除去した。以上の条件下で、1500時間連続して運転した。第4重合槽底部のポリマー排出口から抜き出されたポリカーボネート樹脂は、溶融状態のまま、3段ベント口を具備した2軸押出機に導入され、p−トルエンスルホン酸ブチルをポリカーボネート樹脂重量に対し、4.0ppm(触媒の中和量に対し、4.4倍モル)添加し、水添、脱気した後、ペレット化した。
【0071】
得られた芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットは、粘度平均分子量21500、末端OH基含有率は500ppmであった。このポリカーボネート樹脂ペレットに40kGyの電子線を照射し、残存フェノール量を測定したところ、10ppmであった。結果を表1に示す。
【0072】
(実施例4):
実施例3にて得られたポリカーボネート樹脂ペレット500gを、水50gに浸した状態で電子線を照射する以外は、実施例3と同様の操作を行った。電子線照射後の残存フェノール量を測定したところ、3ppmであった。結果を表1に示す。
【0073】
(比較例1):
実施例1において、ガンマ線照射を行わなかった以外は実施例1と同様の操作を行った。ポリカーボネート樹脂乾燥粒状物の残存BPA量を測定したところ、20ppmであった。結果を表1に示す。
【0074】
(比較例2):
実施例2において、電子線照射を行わなかった以外は、実施例2と同様の操作を行った。白色粉末状のハロゲン化ポリカーボネート樹脂の残存TBA量を測定したところ、18ppmであった。結果を表1に示す。
【0075】
(比較例3):
実施例3において、電子線照射を行わなかった以外は、実施例3と同様の操作を行った。ポリカーボネート樹脂ペレットの残存フェノール量を測定したところ、43ppmであった。結果を表1に示す。
【0076】
【表1】

【0077】
表1より明らかな通り、電離放射線の照射によって、芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体中の残存芳香族ヒドロキシ化合物の濃度を、極めて低く抑えることが出来る。中でも、溶融法芳香族ポリカーボネート樹脂においては、通常、界面品よりも残存芳香族ヒドロキシ化合物の濃度が高いにもかかわらず、界面品と同様に低減が可能であり、効果が顕著であることが判る。
【0078】
更に実施例3と4とを比較すると、水の様な極性溶媒存在下での電離放射線照射が、この残存芳香族ヒドロキシ化合物の濃度低減に著しい効果を奏することが判る。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族ジヒドロキシ化合物と、ホスゲン又は炭酸ジエステル類との反応により得られる芳香族ポリカーボネート樹脂(ただし、アルケニル基または活性C−H結合基またはベンゾフェノン構造を有するものを除く)に、電離放射線を照射することを特徴とする、芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体の製造方法。
【請求項2】
芳香族ジヒドロキシ化合物と、ホスゲン又は炭酸ジエステル類との反応により得られる芳香族ポリカーボネート樹脂を固化し、得られた固体芳香族ポリカーボネート樹脂に電離放射線を照射することを特徴とする、請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体の製造方法。
【請求項3】
芳香族ポリカーボネート樹脂が、芳香族ジヒドロキシ化合物と、炭酸ジエステル類との反応により得られるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体の製造方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の製造方法にて得られた芳香族ポリカーボネート樹脂粉粒体を溶融成形してなる、芳香族ポリカーボネート樹脂成形体。
【請求項5】
食品保存用樹脂成形体であることを特徴とする、請求項4に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂成形体。


【公開番号】特開2013−7055(P2013−7055A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−215855(P2012−215855)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【分割の表示】特願2006−160748(P2006−160748)の分割
【原出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【出願人】(594137579)三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 (609)
【Fターム(参考)】