説明

芳香物質アルコールを放出するポリシロキサン

芳香物質アルコールY−OHを構造−N+12−CH2−C(O)OYのベタインエステル基を介して結合されて有するオルガノポリシロキサンは、酸性条件下で芳香物質アルコールを開裂し、そして該オルガノポリシロキサンは、中性及び弱塩基性の範囲において加水分解安定性である。該オルガノポリシロキサンは、テキスタイル繊維、皮膚又は毛髪に付着し、そして香料成分としてテキスタイル処理剤及びボディケア剤として適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、酸性条件下で芳香物質アルコールを放出しうるオルガノポリシロキサンである。
【0002】
テキスタイル処理剤及びボディケア剤のために、テキスタイル繊維、毛髪又は皮膚上に長期間にわたり付着し、そしてそこで香料の芳香物質を長期間にわたりかつ制御された条件下で放出する香料成分が必要とされる。特に望まれているのは、香料成分が、ボディケア剤のユーザ又はテキスタイル処理剤で処理された衣料のユーザが発汗し、その汗により不快な体臭を生じた場合にはじめて、その芳香物質を放出することである。その場合に、不快な体臭は、一般に汗の成分を分解する細菌によって生ずる。この細菌性分解は、不快な臭いを出す化合物を形成する他に、酸性の分解生成物をももたらす。従って、芳香物質を結合された形態で含有し、かつ該物質を酸性条件下ではじめて放出するため、この条件下で増強された芳香作用を達成して、発生した体臭を隠蔽できるテキスタイル処理剤及びボディケア剤用の香料成分に要望がある。
【0003】
WO96/38528号から、芳香物質アルコールのベタインエステルが知られており、該ベタインエステルは、洗剤、柔軟加工剤又は洗浄剤で使用でき、テキスタイル繊維などの表面上に付着する。前記のベタインエステルから、芳香物質アルコールは加水分解によって放出され、その際、芳香物質アルコールの放出は酸性条件下で非常にゆっくりとのみ行われる。pH値7又はそれより高くなってはじめて、その芳香物質アルコールは当該ベタインエステルから放出される。
【0004】
また、WO97/36978号から、芳香物質アルコールのベタインエステルが酸中で加水分解安定性であり、かつ7より高いpH値ではじめて、芳香物質アルコールが加水分解により放出されることが知られている。
【0005】
同様に酸中で安定なものは、EP−A 1099689号に開示される芳香物質アルコールのベタインエステルである。
【0006】
ベタインエステルの安定性と同じpH依存性は、DE3527974号からも、ヘアケア剤の成分として使用されるベタインエステルについて知られている。
【0007】
US4,524,018号から、芳香物質アルコールROHをSi−O−R基の形で結合されて含むアルコキシシランが知られている。これらの化合物から、芳香物質アルコールはゆっくりと放出される。前記文献は、アルコキシシランからの芳香物質アルコールの放出のpH依存性についての開示を含まず、開示されたアルコキシシランは、テキスタイル繊維、皮膚又は毛髪に付着して留まらない。それというのも該アルコキシシランは、正電荷を有さないか又は形成できないからである。
【0008】
EP−A 0982023号は、芳香物質アルコールをSi−O−R基を介して結合して含むポリシロキサンと、該ポリシロキサンを化粧用調合物の成分として用いる使用を記載している。酢酸の存在下で、該ポリシロキサンから芳香物質アルコールがゆっくりと放出される。しかしながら、開示されたポリシロキサンは、負の表面電荷を有する表面、例えばテキスタイル繊維、皮膚又は毛髪に対して十分な付着性を示さない。それというのも、該ポリシロキサンは、正電荷を有さないか又は形成できないからである。
【0009】
ここで驚くべきことに、芳香物質アルコールY−OHが、構造
−N+12−CH2−C(O)OY
で示されるベタインエステル基を介して結合して含むオルガノポリシロキサンが、その芳香物質アルコールを酸性条件下で開裂し、かつ中性及び弱塩基性の範囲において、予期せず加水分解安定性であることが判明した。更に、前記のオルガノポリシロキサンは、テキスタイル繊維、皮膚又は毛髪に対して良好な付着性を示し、その付着性のためテキスタイル処理剤及びボディケア剤用の香料成分として適している。
【0010】
従って、本発明の対象は、芳香物質アルコールを放出しうるオルガノポリシロキサンであって、構造
−N+12−CH2−C(O)OY A-
[式中、
1、R2は、互いに無関係に、C1〜C30−アルキル及びヒドロキシエチルから選択され、
Yは、芳香物質アルコールY−OHの残基であり、かつ
-は、生理学的に適合性の酸HAのアニオンである]で示される少なくとも1つの官能基Zを有するオルガノポリシロキサンである。
【0011】
更に、本発明の対象は、上述の構造で示される少なくとも1種のオルガノポリシロキサンを含有するテキスタイル処理剤及びボディケア剤、並びに少なくとも1種の界面活性剤と上述の構造で示される少なくとも1種のオルガノポリシロキサンとを含有する洗剤、及び上述の構造で示される少なくとも1種のオルガノポリシロキサンを水性分散液の形で含有する芳香すすぎ剤(Duftspueler)である。
【0012】
本発明の範囲内でのオルガノポリシロキサンは、少なくとも3個のケイ素原子を含み、それらがSi−O−Si単位を介して互いに結合されており、その中のケイ素原子の半分より多くが、そのケイ素原子に炭素原子を介して結合された少なくとも1個の基を有する化合物である。本発明によるオルガノポリシロキサンは、有利には3〜200個の、特に有利には5〜100個のケイ素原子を含む。有利には、本発明によるオルガノポリシロキサンにおいて、ケイ素原子の50%より多くが、特に有利にはその80%より多くが、そのケイ素原子に炭素原子を介して結合した2個の基を有する。ケイ素原子に炭素原子を介して結合された基は、C1〜C30−アルキル基、C2〜C30−アルケニル基又はC6〜C30−アリール基であってよく、それらは更なる置換基を有してよい。ケイ素原子に炭素原子を介して結合された基は、有利にはメチル基又はフェニル基、特に有利にはメチル基である。
【0013】
本発明によるオルガノポリシロキサンは、該ポリシロキサンに共有結合されている構造
−N+12−CH2−C(O)OY A-
[式中、
1、R2は、互いに無関係に、C1〜C30−アルキル及びヒドロキシエチルから選択され、
Yは、芳香物質アルコールY−OHの残基であり、かつ
-は、生理学的に適合性の酸HAのアニオンである]で示される少なくとも1つのベタインエステル基を有する。
【0014】
本発明の好ましい一実施態様においては、ベタインエステル基は、ヒドロキシエチレン架橋を介して、オルガノポリシロキサンのケイ素原子と結合されており、かつ該オルガノポリシロキサンは、構造
345Si−O−CH2−CH2−N+12−CH2−C(O)O A-
[式中、
3は、酸素原子を介して結合されたポリシロキサン残基であり、
4は、C1〜C30−アルキル基又はフェニルであり、
5は、R3又はR4であり、
1、R2、Y及びA-は、上述の意味を有する]を有する。
【0015】
本発明の特に好ましい一実施態様においては、3〜200個のケイ素原子を有するポリジメチルシロキサンの末端ケイ素原子に、ベタインエステル基は、ヒドロキシエチレン架橋を介して結合されている。前記の特に好ましい実施態様においては、そのオルガノポリシロキサンは、構造
6−O−[Si(CH32−O]n−R6
[式中、
nは、3〜200であり、
6は、−CH2−CH2−N+(CH32−CH2−C(O)OY A-であり、かつ
Y及びA-は、上述の意味を有する]を有する。
【0016】
本発明の範囲内での芳香物質アルコールY−OHは、炭素原子に結合されたヒドロキシル基を有し、その炭素原子には水素と炭素以外の他の原子が結合されていない芳香を有するあらゆる化合物である。好ましくは、本発明によるオルガノポリシロキサンは、香料調合物の成分として使用される、芳香物質アルコールY−OHを結合して含んでいる。
【0017】
特に好ましくは、本発明によるオルガノポリシロキサンは、以下の一連のものから選択される芳香物質アルコールY−OHを結合して含んでいる:
4−アリル−2−メトキシフェノール(オイゲノール)、3−(2−ボルニルオキシ)−2−メチル−1−プロパノール、2−t−ブチルシクロヘキサノール、4−t−ブチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、1−デカノール、9−デセン−1−オール、ジヒドロテルピネオール、2,4−ジメチル−4−シクロヘキセン−1−イルメタノール、2,4−ジメチルシクロヘキシルメタノール、2,6−ジメチル−2−ヘプタノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−2,4−ジメチル−4,7−メタノ[1H]インデン−5−オール、3,7−ジメチル−1,6−ノナジエン−3−オール、2,6−ジメチル−2,7−オクタジエン−6−オール(リナロオール)、シス−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−オール(ネロール)、トランス−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−オール(ゲラニオール)、3,7−ジメチル−1,7−オクタンジオール、3,7−ジメチル−1−オクタノール(テトラヒドロゲラニオール)、2,6−ジメチル−2−オクタノール(テトラヒドロミルセノール)、3,7−ジメチル−3−オクタノール(テトラヒドロリナロオール)、2,6−ジメチル−7−オクテン−2−オール(ジヒドロミルセノール)、3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オール(シトロネロール)、2,2−ジメチル−3−(3−メチルフェニル)−1−プロパノール、2,2−ジメチル−3−フェニル−1−プロパノール、2−エトキシ−4−メトキシメチルフェノール、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール、シス−3−ヘキセン−1−オール、4−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−2−ブタノン、1−ヒドロキシ−2−(1−メチル−1−ヒドロキシエチル)−5−メチルシクロヘキサン、3−(ヒドロキシメチル)−2−ノナノン、4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキサルデヒド、イソボルネオール、3−イソカンフィルシクロヘキサノール、2−イソプロペニル−5−メチルシクロヘキサノール(イソプレゴール)、1−イソプロピル−4−メチルシクロヘキセ−3−エノール(テルピネノール)、4−イソプロピルシクロヘキサノール、1−(4−イソプロピルシクロヘキシル)−エタノール、4−イソプロピルシクロヘキシルメタノール、2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサノール(メントール)、2−イソプロピル−5−メチルフェノール(チモール)、5−イソプロピル−2−メチルフェノール(カルバクロール)、2−(4−メチル−3−シクロヘキセニル)−2−プロパノール(テルピネオール)、2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−プロパノール(ジヒドロテルピネオール)、4−メトキシベンジルアルコール、2−メトキシ−4−メチルフェノール、3−メトキシ−5−メチルフェノール、1−メトキシ−4−プロペニルベンゼン(アネトール)、2−メトキシ−4−プロペニルフェノール(イソオイゲノール)、4−メチル−3−デセン−5−オール、2−メチル−6−メチレン−7−オクテン−2−オール(ミルセノール)、3−メチル−4−フェニル−2−ブタノール、2−(2−メチルフェニル)−エタノール、2−メチル−4−フェニル−1−ペンタノール、3−メチル−5−フェニル−1−ペンタノール、2−メチル−1−フェニル−2−プロパノール、(1−メチル−2−(1,2,2−トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキシ−3−イルメチル)−シクロプロピル)−メタノール、3−メチル−4−(2,2,6−トリメチルシクロヘキセン−1−イル)−2−ブタノール、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール、(3−メチル−1−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテニル)−3−シクロヘキセン−1−イル)−メタノール、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール、2−メチル−2−ビニル−5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−テトラヒドロフラン、トランス,シス−2,6−ノナジエノール、1−ノナノール、ノポール、1,2,3,4,4a,5,6,7−オクタヒドロ−2,5,5−トリメチル−2−ナフトール、1−オクタノール、3,4,5,6,6−ペンタメチル−2−ヘプタノール、2−フェニルエタノール、2−フェニルプロパノール、3−フェニルプロパノール(ヒドロ桂皮アルコール)、3−フェニル−2−プロペン−1−オール(桂皮アルコール)、4−(5,5,6−トリメチルビシクロ[2.2.1]へプチ−2−イル)−シクロヘキサン−1−オール、3,5,5−トリメチルシクロヘキサノール、2,4,6−トリメチル−4−シクロヘキセン−1−イルメタノール、5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテニル)−3−メチルペンタン−2−オール、3,7,11−トリメチル−2,6,10−ドデカトリエン−1−オール(ファルネソール)、3,7,11−トリメチル−1,6,10−ドデカトリエン−3−オール(ネロリドール)、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール(イソノナノール)、1−ウンデカノール、10−ウンデセン−1−オール及びベチベロール。
【0018】
本発明の範囲内での生理学的に適合性の酸HAのアニオンA-は、ヒトの皮膚に対して刺激作用もしくは顕著な刺激作用を有さないあらゆるアニオンである。有利には、アニオンA-は、一連の塩化物イオン、臭化物イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン又はリン酸水素イオンから選択される。
【0019】
本発明によるオルガノポリシロキサンは、第三級アミノ基を有するオルガノポリシロキサンと、芳香物質アルコールのクロロ酢酸エステルとの反応によって得ることができる。芳香物質アルコールのクロロ酢酸エステルは、公知のようにして、クロロ酢酸塩化物と芳香物質アルコールとの反応によって得られ、その際、該反応は、有利には反応時に遊離する塩化水素を結合する塩基の存在下に実施される。
【0020】
第三級アミノ基を有するオルガノポリシロキサンは、一連の公知の方法によって得られる。前記の化合物の一般的な製造経路は、第二級アミンと、好適な離脱基を有するオルガノポリシロキサンとを、求核置換反応において反応させることである。前記反応の特定の一実施態様は、エポキシ基を有する残基を含むオルガノポリシロキサンと第二級アミンとを反応させて、エポキシドを開環させ、かつβ−アミノアルコールを形成させることである。
【0021】
ベタインエステル基がヒドロキシエチレン架橋を介してオルガノポリシロキサンのケイ素原子と結合されている好ましいオルガノポリシロキサンは、有利には、少なくとも1個のSi−H基を有するオルガノポリシロキサンと、構造HO−CH2−CH2−NR12で示されるエタノールアミンとを反応させ、引き続き芳香物質アルコールのクロロ酢酸エステルと反応させることによって得られる。その際、R1及びR2は上述の意味を有する。
【0022】
【化1】

【0023】
本発明によるオルガノポリシロキサンは、水性分散液において加水分解に対して高い安定性を示し、かつ水性分散液からテキスタイル繊維、皮膚又は毛髪に吸い上げることができる。本発明の範囲内での水性分散液という概念は、この場合に、固体のオルガノポリシロキサンの分散液だけに制限されず、液体のオルガノポリシロキサンのエマルジョン並びにマイクロエマルジョン及びミセル溶液も含む。そのため、本発明によるオルガノポリシロキサンは、テキスタイル処理剤又はボディケア剤の成分として適しており、かつ係る剤に、テキスタイル処理剤で処理されたテキスタイル又はボディケア剤で処理された毛髪又は皮膚部位がオルガノポリシロキサンから遅延放出される、芳香物質アルコールに由来する長期持続性の芳香を有するという特性を成立させることができる。
【0024】
その場合に、水性分散液において芳香物質アルコールY−OHをpH値3でpH値9の場合よりも迅速に放出する本発明によるオルガノポリシロキサンが好ましい。酸中での芳香物質アルコールの迅速な放出は、その場合に予想外であり、予測できるものではなかった。それというのも、技術水準から知られる芳香物質アルコールのベタインエステルの全ては、芳香物質アルコールを、pH値3でpH値9の場合よりもゆっくりと放出するからである。
【0025】
これらの好ましいオルガノポリシロキサンを用いることで、テキスタイル処理剤で処理されたテキスタイル又はボディケア剤で処理された毛髪もしくは皮膚部位が、汗によって湿ったときに、及び汗の内容物質の細菌性の分解によってpH値の低下が引き起こされたときに、芳香物質アルコールの放出によるより強力な芳香を発生するテキスタイル処理剤又はボディケア剤を提供することができる。係るオルガノポリシロキサンを含有するテキスタイル処理剤又はボディケア剤は、そのため効果的に、汗の内容物質の細菌性の分解によって生ずる煩わしい臭いの形成を遮蔽することができる。
【0026】
本発明によるテキスタイル処理剤は、少なくとも1種の本発明によるオルガノポリシロキサンを含有し、かつ有利には、テキスタイル処理剤の水溶液もしくは分散液であって1種以上の本発明によるオルガノポリシロキサンをテキスタイル繊維に吸い上げるもので処理するために予定されている。本発明によるオルガノポリシロキサンは、芳香物質アルコールの狙い通りの放出の他に、繊維に該オルガノポリシロキサンが吸い上げられている織物に、より柔らかい手触りをももたらす。従って、本発明によるテキスタイル処理剤は、テキスタイル柔軟特性を有する。
【0027】
本発明によるテキスタイル処理剤は、固体形、例えば粉末形、顆粒形又は成形体形、例えば押出物、ペレット状物、ブリケット状物もしくはタブレット状物を有していてよい。固体形のテキスタイル処理剤は、好適な担持材料に施与されている液体の本発明によるオルガノポリシロキサンを含有してもよい。液体の本発明によるオルガノポリシロキサン用の担持材料としては、その際に、好ましくは、テキスタイル処理剤中で他の機能を満たす、テキスタイル処理剤の多孔質の固体成分が使用される。加圧団結の方法、例えば押出し、ブリケット化又はタブレット化によって製造される成形体の形態のテキスタイル処理剤は、付加的に、成形体の強度を向上させるために結合剤を含有してよい。しかしながら、好ましくは、該テキスタイル処理剤は、付加的なバインダーを含有せず、テキスタイル処理剤の機能的な成分、有利には結合剤として作用する非イオン性界面活性剤を含有する。
【0028】
代替的な実施態様においては、本発明によるテキスタイル処理剤は、液状であってもよく、又はゲルの形態で存在してもよい。この実施態様においては、該テキスタイル処理剤は、本発明によるオルガノポリシロキサンを、有利には溶解された形態でもしくは分散された形態で含有し、その際、分散された形態という概念は、固体のオルガノポリシロキサンの分散液と液体のオルガノポリシロキサンのエマルジョンに並んで、マイクロエマルジョン及びミセル溶液も含む。
【0029】
液体の形態のテキスタイル処理剤は、等方性の、チキソトロピー性の、擬似塑性の、又は構造粘性の特性を有してよい。レオロジー特性の調整のためには、液状の又はゲル状のテキスタイル処理剤は、添加剤として、膨潤粘土、特にモンモリロナイト、沈降シリカもしくは熱分解シリカ、植物性ゴム、特にキサンタン又はポリマー性のゲル化剤、例えばカルボキシル基を有するビニルポリマーを含有してよい。これらの添加剤は、一方で、テキスタイル処理剤に所望の粘度を与え、かつ他方では、テキスタイル処理剤中に分散された不溶性の成分を分散された形態で保持する。
【0030】
本発明によるテキスタイル処理剤の好ましい一実施態様は、少なくとも1種の界面活性剤と少なくとも1種の本発明によるオルガノポリシロキサンとを含有する洗剤である。本発明の範囲内での洗剤は、この場合に、水性の洗液中でテキスタイルを清浄化するために適したあらゆる調合物である。
【0031】
界面活性剤としては、本発明による洗剤のためには、とりわけアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及びカチオン性界面活性剤が適している。
【0032】
好適なアニオン性界面活性剤は、例えばスルホネート基を有する界面活性剤、有利にはアルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、α−オレフィンスルホネート、α−スルホ脂肪酸エステル又はスルホスクシネートである。アルキルベンゼンスルホネートの場合には、8〜20個の炭素原子を、特に10〜16個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基を有するものが好ましい。好ましいアルカンスルホネートは、12〜18個の炭素原子を有する直鎖状のアルキル鎖を有するものである。α−オレフィンスルホネートの場合には、好ましくは、12〜18個の炭素原子を有するα−オレフィンのスルホン化の反応生成物が使用される。α−スルホ脂肪酸エステルの場合には、12〜18個の炭素原子を有する脂肪酸と、1〜3個の炭素原子を有する短鎖アルコールとからの脂肪酸エステルのスルホン化生成物が好ましい。アニオン性界面活性剤としては、分子中にスルフェート基を有する界面活性剤、好ましくはアルキルスルフェート及びエーテルスルフェートも適している。好ましいアルキルスルフェートは、12〜18個の炭素原子を有する直鎖状のアルキル基を有するものである。更に適しているのは、β−分枝鎖状のアルキルスルフェートであり、最長のアルキル鎖の中央でアルキルにより一置換もしくは多置換されたアルキルスルフェートである。好ましいエーテルスルフェートは、12〜18個の炭素原子を有する直鎖状アルコールを2〜6個のエチレンオキシド単位でエトキシ化し、引き続き硫酸化することによって得られるアルキルエーテルスルフェートである。アニオン性界面活性剤としては、最後に、セッケン、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及び/又は天然脂肪酸混合物、例えばヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸もしくはタロー脂肪酸のアルカリ金属塩を使用することができる。
【0033】
非イオン性界面活性剤としては、例えばアルコキシ化された化合物、特にエトキシ化された化合物及びプロポキシ化された化合物が適している。特に適しているのは、アルキルフェノール又は脂肪アルコールと1〜50モルの、有利には1〜10モルのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドとの縮合生成物である。同様に適しているのは、アミド窒素に、1つ以上のアルコキシ化されていてよいヒドロキシル基を有する有機基が結合されているポリヒドロキシ脂肪酸アミドである。同様に非イオン性界面活性剤として適しているのは、8〜22個の炭素原子を有する、特に12〜18個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基と、有利にはグルコースから誘導されるモノグリコシド基もしくはジグリコシド基とを有するアルキルグリコシドである。
【0034】
好適なカチオン性界面活性剤は、例えば窒素に結合されたC6〜C18−アルキル基と、1もしくは2個のヒドロキシアルキル基とを有する、モノアルコキシ化及びジアルコキシ化された第四級アミンである。
【0035】
本発明による洗剤は、少なくとも1種の本発明によるオルガノポリシロキサンと少なくとも1種の界面活性剤の他に、更なる成分として、例えばなおも、ビルダー、アルカリ性成分、漂白剤、漂白活性剤、酵素、キレート化錯形成剤、再沈着防止剤、消泡剤、蛍光漂白剤、芳香物質及び着色剤を含有してよい。
【0036】
本発明による洗剤は、水に溶解されたカルシウムイオン及びマグネシウムイオンを使用する場合に結合するビルダーを含有してよい。好適なビルダーは、アルカリ金属リン酸塩及びアルカリ金属ポリリン酸塩、特に三リン酸五ナトリウム、水溶性の及び水不溶性のケイ酸ナトリウム、特に式Na5Si25の層状ケイ酸塩、構造A、X及び/又はPのゼオライト並びにクエン酸三ナトリウムである。ビルダーの他に、更に、有機コビルダー、例えばポリアクリル酸、ポリアスパラギン酸及び/又はアクリル酸とメタクリル酸、アクロレインもしくはスルホン酸含有のビニルモノマーとのコポリマー並びにそれらのアルカリ金属塩を使用することができる。
【0037】
本発明による洗剤は、更に、一般に、洗液あるいは水性の洗浄剤溶液中での所定の使用において、8〜12のpH値をもたらすアルカリ性の成分を含有する。アルカリ性の成分としては、とりわけ、炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム及び他の可溶性のアルカリ金属ケイ酸塩が適している。
【0038】
本発明による洗剤は、更に、漂白剤、例えばアルカリ金属過ホウ酸塩、アルカリ金属炭酸塩過水和物、アルカリ金属過ケイ酸塩、アルカリ金属過硫酸塩、アルカリ金属ペルオキソリン酸塩、アルカリ金属ペルオキソピロリン酸塩、ジアシルペルオキシド、芳香族ペルオキシ酸及び脂肪族ペルオキシ酸を含有してよい。好ましい漂白剤は、過ホウ酸ナトリウム四水和物、過ホウ酸ナトリウム一水和物、炭酸ナトリウム過水和物、ペルオキシラウリン酸、ペルオキシステアリン酸、ε−フタルイミド−ペルオキシカルボン酸、1,12−ジペルオキシドデカンジ酸、1,9−ジペルオキシアゼライン酸及び2−デシルジペルオキシブタン−1,4−ジ酸である。特に好ましくは、過ホウ酸ナトリウム四水和物、過ホウ酸ナトリウム一水和物及び炭酸ナトリウム過水和物、特に炭酸ナトリウム過水和物である。液状の洗剤で使用するために適した炭酸ナトリウム過水和物は、WO2004/056955号から知られている。
【0039】
本発明による洗剤は、漂白剤の他に、さらに漂白活性剤を含有してもよい。漂白活性剤としては、本発明による洗剤のためには、とりわけ窒素もしくは酸素に結合された1つ以上の過加水分解可能なアシル基であって、漂白剤から放出される過酸化水素と洗液中で反応してペルオキシカルボン酸となる基を有する化合物が適している。係る化合物のための例は、多アシル化されたアルキレンジアミン、例えば特にテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、アシル化されたトリアジン誘導体、特に1,5−ジアセチル−2,4−ジオキソヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン(DADHT)、アシル化されたグリコールウリル、特にテトラアセチルグリコールウリル(TAGU)、N−アシルイミド、特にN−ノナノイルスクシンイミド(NOSI)、アシル化されたフェノールスルホネート、特にn−ノナノイル−もしくはイソ−ノナノイルオキシベンゼンスルホネート(n−あるいはイソ−NOBS)、無水カルボン酸、例えば無水フタル酸、アシル化された多価アルコール、例えばエチレングリコールジアセテート、2,5−ジアセトキシ−2,5−ジヒドロフラン、アセチル化されたソルビトール及びマンニトールと、アシル化された糖、例えばペンタアセチルグルコース、エノールエステル、並びにN−アシル化されたラクタム、特にN−アシルカプロラクタム及びN−アシルバレロラクタムである。同様に漂白活性剤としては、アミノ官能化されたニトリル及びそれらの塩(Nitrilquat)が適しており、それらは、例えば界面活性剤の雑誌Surf.Det.1997,34(6)の第404〜409頁から知られている。漂白活性剤としては、更に、過酸化水素を漂白シミ取りのために活性化できる遷移金属錯体を使用することができる。好適な遷移金属錯体は、例えばEP−A 0544490号の第2頁第4行〜第3頁第57行;WO00/52124号の第5頁第9行〜第8頁第7行及び第8頁第19行〜第11頁第14行;WO04/039932号の第2頁第25行〜第10頁第21行;WO00/12808号の第6頁第29行〜第33頁第29行;WO00/60043号の第6頁第9行〜第17頁第22行;WO00/27975号の第2頁第1〜18行及び第3頁第7行〜第4頁第6行;WO01/05925号の第1頁第28行〜第3頁第14行;WO99/64156号の第2頁第25行〜第9頁第18行;並びにGB−A 2309976号の第3頁第1行〜第8頁第32行から公知である。
【0040】
本発明による洗剤は、更に、洗浄作用を増強する酵素、特にリパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、中性の及びアルカリ性のプロテアーゼ、エステラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、ラクターゼ及び/又はペルオキシダーゼを含有してよい。それらの酵素は、その際に、その分解に対する保護のために、担持物質に吸着されていてよく、又はシェル物質中に包埋されていてもよい。
【0041】
本発明による洗剤は、更に遷移金属についてのキレート化錯形成剤であって洗液中での活性酸素化合物による触媒的分解を避けることができるものを含有してよい。適しているのは、例えばホスホン酸塩、例えばヒドロキシエタン−1,1−ジスホスホネート、ニトリロトリメチレンホスホネート、ジエチレントリアミン−ペンタ(メチレンホスホネート)、エチレンジアミン−テトラ(メチレンホスホネート)、ヘキサメチレンジアミン−テトラ(メチレンホスホネート)及びそれらのアルカリ金属塩である。同様に適しているのは、ニトリロ三酢酸及びポリアミノカルボン酸、例えば特にエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン−N,N′−二コハク酸、メチルグリシン二酢酸及びポリアスパラギン酸塩並びにそれらのアルカリ金属塩及びアンモニウム塩である。最後に、多価カルボン酸及び、特にヒドロキシカルボン酸、例えば特に酒石酸及びコハク酸もキレート化錯形成剤として適している。
【0042】
本発明による洗剤は、付加的に、再沈着防止剤であって、繊維から剥離された汚れを懸濁した状態で保持し、そして汚れが繊維に再接近するのを妨げるものを含有してよい。好適な再沈着防止剤は、例えばセルロースエーテル、例えばカルボキシメチルセルロース及びそのアルカリ金属塩、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースである。同様にポリビニルピロリドンが適している。
【0043】
本発明による洗剤は、更に、洗液中の発泡を低下する消泡剤を含有してもよい。好適な消泡剤は、例えばオルガノポリシロキサン、例えばポリジメチルシロキサン、パラフィン及び/又はロウ並びにそれらと微細なシリカとの混合物である。
【0044】
本発明による洗剤は、場合により、蛍光漂白剤であって、繊維に吸い上げられ、UV領域で光を吸収し、かつ繊維の黄変を補償するために青色蛍光を発するものを含有してよい。好適な蛍光漂白剤は、例えばジアミノスチルベンジスルホン酸、例えば4,4′−ビス(2−アニリノ−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジニル−6−アミノ)−スチルベン−2,2′−ジスルホン酸又は置換されたジフェニルスチリル、例えば4,4′−ビス(2−スルホスチリル)ジフェニルのアルカリ金属塩である。
【0045】
本発明による洗剤は、最後に、なおも着色剤並びに本発明によるオルガノポリシロキサンに加えて、更なる芳香物質を含有してよい。
【0046】
本発明による液体形もしくはゲル形の洗剤は、付加的になおも、30質量%までの有機溶剤、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エタノールアミン、ジエタノールアミン及び/又はトリエタノールアミンを含有してよい。
【0047】
本発明によるボディケア剤は、少なくとも1種の本発明によるオルガノポリシロキサンを含有し、かつヒトの皮膚及び/又は毛髪の手入れ及び/又は清浄化に予定される。この場合に、本発明の範囲内でのボディケア剤という概念は、とりわけセッケン、液体石鹸、シャワージェル、清浄化ローション及びケアローション、スキンクリーム、シャンプー、ヘアーリンス及び日焼け防止剤を含む。
【0048】
本発明によるボディケア剤は、技術水準により公知のボディケア剤のあらゆる成分を含有してよく、その際、ボディケア剤は、有利には酸反応性成分を中和されていない形態では含有しない。本発明によるボディケア剤は、少なくとも1種の本発明によるオルガノポリシロキサンの他に、更なる成分として、例えばなおも、界面活性剤、乳化剤、油体(Oelkoerper)、脂肪及びロウ、真珠光沢ロウ、過脂肪剤、皮膜形成剤、屈水性誘発物質、粘度調節剤、保存剤、保湿剤、シリコーン、酸化防止剤、UV光保護フィルタ、ふけ防止作用物質、脱臭作用物質、生体作用物質、着色剤並びに香油を含有してよい。
【0049】
本発明によるボディケア剤は、特に皮膚及び/又は毛髪の清浄化のために指定されている場合には、界面活性剤を含有してよい。有利には、その際、皮膚刺激作用が低いマイルドな界面活性剤が使用される。その際、アニオン性の界面活性剤も、非イオン性の、カチオン性の及び/又は両性の界面活性剤も使用することができる。
【0050】
本発明によるボディケア剤に適したアニオン性界面活性剤は、セッケン、アルキルベンゼンスルホネート、アルカンスルホネート、オレフィンスルホネート、アルキルエーテルスルホネート、グリセリンエーテルスルホネート、α−メチルエステルスルホネート、スルホ脂肪酸、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、グリセリンエーテルスルフェート、脂肪酸エーテルスルフェート、ヒドロキシ混合エーテルスルフェート、モノグリセリド(エーテル)スルフェート、脂肪酸アミド(エーテル)スルフェート、モノ−及びジアルキルスルホスクシネート、モノ−及びジアルキルスルホコハク酸アミド、スルホトリグリセリド、アミドセッケン、エーテルカルボン酸及びその塩、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、N−アシルアミノ酸、例えばアシルラクチレート、アシルタータレート、アシルグルタメート及びアシルアスパルテート、アルキルオリゴグルコシド硫酸エステル、タンパク質脂肪酸縮合物(特にコムギを基礎とする植物性産物)及びアルキル(エーテル)ホスフェートである。
【0051】
本発明によるボディケア剤に適した非イオン性界面活性剤は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、アルコキシ化トリグリセリド、部分酸化されたアルキル(アルケニル)オリゴグリコシドもしくはグルクロン酸誘導体、脂肪酸−N−アルキルグルカミド、タンパク質加水分解物(特にコムギを基礎とする植物性産物)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベート及びアミンオキシドである。
【0052】
本発明によるボディケア剤に適したカチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム化合物、例えばジメチルジステアリル塩化アンモニウム、イミダゾリウム第四級化合物(quat)及びエステル第四級化合物、特に第四級化された脂肪酸トリアルカノールアミンエステル塩である。
【0053】
本発明によるボディケア剤に適した両性の界面活性剤は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート及びスルホベタインである。
【0054】
本発明によるボディケア剤に好ましいマイルドな界面活性剤は、脂肪アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、モノアルキルスルホスクシネート、ジアルキルスルホスクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、α−オレフィンスルホネート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグルコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン及びタンパク質脂肪酸縮合物である。
【0055】
本発明によるボディケア剤は、水及び水不溶性の成分から水中油型もしくは油中水型の安定なエマルジョンが得られる乳化剤を含有してよい。エマルジョンという概念は、この場合に、液状の調合物も、クリーム状の及び半固体状の調合物もいずれも包含する。本発明によるボディケア剤のためには、アニオン性の乳化剤も、非イオン性の、カチオン性の及び/又は両性の乳化剤も使用することができる。
【0056】
本発明によるボディケア剤に適したアニオン性乳化剤は、12〜22個の炭素原子を有する脂肪族の脂肪酸、例えばパルミチン酸、ステアリン酸もしくはベヘン酸並びに12〜22個の炭素原子を有するジカルボン酸、例えばアゼライン酸もしくはセバシン酸である。
【0057】
本発明によるボディケア剤に適した非イオン性の乳化剤は、8〜22個の炭素原子を有する直鎖状の脂肪アルコール、12〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、14〜21個の炭素原子を有するアルキルフェノール、8〜22個の炭素原子を有するアルキルアミン並びにヒマシ油及び/又は硬化ヒマシ油のアルコキシ化生成物であり、その際、前記アルコキシ化生成物は、有利には2〜30モルのエチレンオキシド及び/又は1〜5モルのプロピレンオキシドを含む。同様に適しているのは、アルキル基中に8〜18個の炭素原子を有するアルキルオリゴグリコシド;部分グリコシド、例えばヒドロキシステアリン酸モノグリセリド、ヒドロキシステアリン酸ジグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、イソステアリン酸ジグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、リシノール酸モノグリセリド、リシノール酸ジグリセリド、リノール酸モノグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノレン酸モノグリセリド、リノレン酸ジグリセリド、エルカ酸モノグリセリド、エルカ酸ジグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酒石酸ジグリセリド、クエン酸モノグリセリド、クエン酸ジグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド又はリンゴ酸ジグリセリド;ソルビタンエステル、例えばソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンセスキイソステアレート、ソルビタンジイソステアレート、ソルビタントリイソステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノエルケート、ソルビタンセスキエルケート、ソルビタンジエルケート、ソルビタントリエルケート、ソルビタンモノリシノレート、ソルビタンセスキリシノレート、ソルビタンジリシノレート、ソルビタントリリシノレート、ソルビタンモノヒドロキシステアレート、ソルビタンセスキヒドロキシステアレート、ソルビタンジヒドロキシステアレート、ソルビタントリヒドロキシステアレート、ソルビタンモノタータレート、ソルビタンセスキタータレート、ソルビタンジタータレート、ソルビタントリタータレート、ソルビタンモノシトレート、ソルビタンセスキシトレート、ソルビタンジシトレート、ソルビタントリシトレート、ソルビタンモノマレエート、ソルビタンセスキマレエート、ソルビタンジマレエート又はソルビタントリマレエート並びに2〜30モルのエチレンオキシドを有するこれらの化合物のエトキシ化生成物である。好適な非イオン性乳化剤は、更に、ポリグリセリンエステル、例えばポリグリセリル−2−ジポリヒドロキシステアレート(Dehymuls PGPH)、ポリグリセリン−3−ジイソステアレート(Lameform TGI)、ポリグリセリル−4−イソステアレート(Isolan GI 34)、ポリグリセリル−3−オレエート、ジイソステアロイルポリグリセリル−3−ジイソステアレート(Isolan PDI)、ポリグリセリル−3−メチルグルコースジステアレート(Tego Care 450)、ポリグリセリル−3−蜜ろう(Cera Bellina)、ポリグリセリル−4−カプレート(ポリグリセロールカプレートT2010/90)、ポリグリセリル−3−セチルエーテル(Chimexane NL)、ポリグリセリル−3−ジステアレート(Cremophor GS32)及びポリグリセリルポリリシノレート(Admul WOL 1403)である。
【0058】
本発明によるボディケア剤に適したカチオン性乳化剤は、アルカノールアミン、有利にはトリエタノールアミンもしくはメチルジエタノールアミンと脂肪酸とのエステル化、引き続いてのアルキル化剤、有利にはジメチルスルフェートもしくはエチレンオキシドによる第四級化によって得られる第四級化された脂肪酸アルカノールアミンエステルである。脂肪酸としては、有利には、植物油もしくは動物油又は脂肪から得られ、十分にC16〜C18−脂肪酸を含有する天然起源の脂肪酸混合物が使用され、その際、天然の不飽和度を有する脂肪酸混合物を部分的に水素化してもしくは完全に水素化して使用することができる。有利には、5〜50の範囲のヨウ素価を有する脂肪酸混合物が使用される。特に、1モルのトリエタノールアミンあたり1.5〜2.0モルの範囲の平均エステル化度を有する第四級化された脂肪酸トリエタノールアミンエステルが好ましい。
【0059】
本発明によるボディケア剤に適した両性乳化剤は、ベタイン、例えばアルキル基もしくはアシル基中にそれぞれ8〜18個の炭素原子を有するN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート及び2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリンであり、これらは好ましくはCTFA名でココアミドプロピルベタインとして知られる化合物である。同様に適しているのは、アルキル基中にそれぞれ約8〜18個の炭素原子を有する、N−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピオン酸及びアルキルアミノ酢酸である。
【0060】
本発明によるボディケア剤は、水不溶性作用物質を溶かし、単独でも乳化剤と組み合わせても、ボディケア剤の感覚的特性を決定する油体を含有してよい。本発明の範囲内での油体は、20℃で液状で、25℃で水と不混和性の物質又はそれらの物質の混合物である。
【0061】
油体としては、6〜18個の、有利には8〜10個の炭素原子を有する脂肪アルコールを基礎とするゲルベアルコール(例えばEutanol G);直鎖状のC6〜C22−脂肪酸と直鎖状もしくは分枝鎖状のC6〜C22−脂肪アルコールとのエステル及び分枝鎖状のC6〜C13−カルボン酸と直鎖状もしくは分枝鎖状のC6〜C22−脂肪アルコールとのエステル、例えばミリスチルミリステート、ミリスチルパルミテート、ミリスチルステアレート、ミリスチルイソステアレート、ミリスチルオレエート、ミリスチルベヘネート、ミリスチルエルケート、セチルミリステート、セチルパルミテート、セチルステアレート、セチルイソステアレート、セチルオレエート、セチルベヘネート、セチルエルケート、ステアリルミリステート、ステアリルパルミテート、ステアリルステアレート、ステアリルイソステアレート、ステアリルオレエート、ステアリルベヘネート、ステアリルエルケート、イソステアリルミリステート、イソステアリルパルミテート、イソステアリルステアレート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルオレエート、イソステアリルベヘネート、イソステアリルオレエート、オレイルミリステート、オレイルパルミテート、オレイルステアレート、オレイルイソステアレート、オレイルオレエート、オレイルベヘネート、オレイルエルケート、ベヘニルミリステート、ベヘニルパルミテート、ベヘニルステアレート、ベヘニルイソステアレート、ベヘニルオレエート、ベヘニルベヘネート、ベヘニルエルケート、エルシルミリステート、エルシルパルミテート、エルシルステアレート、エルシルイソステアレート、エルシルオレエート、エルシルベヘネート及びエルシルエルケート;C3〜C38−アルキルヒドロキシカルボン酸と直鎖状もしくは分枝鎖状のC6〜C22−脂肪アルコールとのエステル、例えばジエチルヘキシルマレエート;並びに直鎖状もしくは分枝鎖状の脂肪酸と多価アルコールとのエステル、例えばプロピレングリコール、ジプロピレングリコール又はトリプロピレングリコールが適している。同様に適してるのは、C6〜C10−脂肪酸を基礎とするトリグリセリド;C6〜C18−脂肪酸を基礎とする液状のモノ−、ジ−及びトリグリセリド混合物;C6〜C22−脂肪アルコール又はゲルベアルコールと芳香族カルボン酸、例えば安息香酸とのエステル;C2〜C12−ジカルボン酸と1〜22個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルコール又は2〜10個の炭素原子を有し、かつ2〜6個のヒドロキシル基を有するポリオールとのエステル;植物油;分枝鎖状の第一級アルコール;直鎖状及び分枝鎖状のC6〜C22−脂肪アルコールカーボネート、例えばジカプリリルカーボネート(Cetiol CC);6〜18個の、有利には8〜10個の炭素原子を有する脂肪アルコールを基礎とするゲルベカーボネート;安息香酸と直鎖状もしくは分枝鎖状のC6〜C22−アルコールとのエステル、例えばFinsolv TN;直鎖状もしくは分枝鎖状の、対称的もしくは非対称的の、アルキル基あたりに6〜22個の炭素原子を有するジアルキルエーテル、例えばジカプリリルエーテル(Cetiol OE);エポキシ化された脂肪酸エステルとポリオールとの開環生成物、例えばHydagen HSP、Sovermol 750、Sovermol 1102;並びに脂肪族の炭化水素、例えば鉱油、ワセリン、ペトロラタム、スクアラン、スクアレン又はジアルキルシクロヘキサンである。
【0062】
本発明によるボディケア剤は、特にクリーム状の及び半固体状のボディケア剤の感覚的特性に調節できる脂肪及びロウを含有してよい。ロウとしては、天然ロウ、例えばキャンデリラロウ、カルナウバロウ、木ロウ、アフリカハネガヤロウ、コルクロウ、グアルマロウ、ライスオイルロウ、サトウキビロウ、オウリカリロウ、モンタンロウ、ミツロウ、セラックロウ、鯨ロウ、ラノリン(羊毛ロウ)、尾腺脂、セレシン、オゾケライト(地ロウ)、ペトロラタム及びパラフィンロウ;化学的に変性された硬ロウ、例えば、モンタンエステルロウ、サソールロウ及び水添ホホバロウ;並びに合成ロウ、例えば、ポリアルキレンロウ及びポリエチレングリコールロウが適している。脂肪としては、動物性脂肪及び植物性脂肪であって、実質的に高級脂肪酸の混合グリセリンエステルからなるものが適している。脂肪の代わりに、また、リン脂質、ホスファチジルコリン、スフィンゴシン及びスフィンゴ脂質を使用してもよい。
【0063】
本発明によるボディケア剤は、更に、該ボディケア剤に真珠光沢によって魅力的な外観を与える真珠光沢ロウを含有してよい。真珠光沢ロウとしては、アルキレングリコールエステル、例えばエチレングリコールジステアレート;脂肪酸アルカノールアミド、例えばヤシ脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、例えばステアリン酸モノグリセリド;ヒドロキシル基で置換されていてよい多価カルボン酸と6〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコールとのエステル、特に酒石酸の長鎖エステル;脂肪アルコール、脂肪アルコールエーテル及び脂肪アルコールカーボネートであって合計で少なくとも24個の炭素原子を有するもの、例えばジステアリルエーテル;脂肪酸、例えばステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸又はベヘン酸;12〜22個の炭素原子を有するオレフィンオキシドと12〜22個の炭素原子を有する脂肪アルコール又は2〜15個の炭素原子と2〜10個のヒドロキシル基とを有するポリオールとの開環生成物が適している。
【0064】
本発明によるボディケア剤は、更に、過脂肪剤、例えばラノリンもしくはレシチン又は前記の化合物のエトキシレート、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド又は脂肪酸アルカノールアミドを含有してよい。
【0065】
本発明によるボディケア剤は、更に、作用物質を皮膚もしくは毛髪に固定化できる皮膜形成剤を含有してよい。皮膜形成剤としては、キトサン、微結晶性キトサン、第四級化されたキトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル−コポリマー、アクリル酸及びメタクリル酸を基礎とするポリマー、第四級化されたセルロース、コラーゲン、ヒアルロン酸及びそれらの塩が適している。
【0066】
流動性の改善のために、本発明によるボディケア剤は、更に、屈水性誘発物質、例えばエタノール、イソプロパノール又はポリオールを含有してよい。特に適しているのは、2〜15個の炭素原子と少なくとも2個のヒドロキシル基とを有し、場合により更なる官能基、特にアミノ基を有してよいポリオールである。係るポリオールのための例は、グリセリン;アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール並びに100〜1000g/モルの平均分子量を有するポリエチレングリコール;1.5〜10の縮合度を有するオリゴグリセリン混合物、例えば40〜50質量%のジグリセリン含有率を有する工業用ジグリセリン混合物;メチロール化合物、例えばトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリトリット及びジペンタエリトリット;アルキル基中に1〜8個の炭素原子を有する短鎖のアルキルグルコシド、例えばメチル−及びブチルグルコシド;5〜12個の炭素原子を有する糖アルコール、例えばソルビットもしくはマンニット;5〜12個の炭素原子を有する糖、例えばグルコースもしくはサッカロース;アミノ糖、例えばグルカミン;並びにジアルカノールアミン、例えばジエタノールアミンもしくは2−アミノ−1,3−プロパンジオールである。
【0067】
本発明によるボディケア剤は、付加的に、粘度調節剤を、該ボディケア剤の粘度を高め、場合により該剤を増粘させるために含有してよい。粘度調節剤としては、天然のハイドロゲル形成剤、例えばキサンタンガム、ガーガム、アガーアガー、アルギン酸塩及びチロース;変性ポリサッカライド、例えばセルロースエーテル及びセルロースエステル、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース及びメチルヒドロキシプロピルセルロース;無機ヒドロコロイド、例えばベントナイト、マグネシウム−アルミニウム−シリケート及び二酸化ケイ素;合成のヒドロコロイド、例えばポリアクリレート(Goodrich社からCarbopole型とPemulen型として市販されている、Sigma社からSynthaleneとして市販されている、Kelco社からKeltrol型として市販されている、Seppic社からSepigel型として市販されている、そしてAllied Colloids社からSalcare型として市販されている)、未架橋でポリオールで架橋されたポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドン;電解質、例えば食塩及び塩化アンモニウム;並びにアニオン性の双性イオン性の、両性の及び非イオン性のコポリマー、例えば酢酸ビニル/クロトン酸−コポリマー、ビニルピロリドン/ビニルアクリレート−コポリマー、酢酸ビニル/ブチルマレエート/イソボルニルアクリレート−コポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸−コポリマー及びそれらのエステル、アクリルアミドプロピルトリメチル塩化アンモニウム/アクリレート−コポリマー、オクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/t−ブチルアミノエチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレート−コポリマー、ビニルピロリドン/酢酸ビニル−コポリマー及びビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタム−ターポリマーが適している。更なる好適な増粘剤は、Cosm.Toil.108,95(1993)に挙げられている。
【0068】
本発明によるボディケア剤は、更に、ボディケア剤の内容物がその貯蔵の間に細菌によって分解されるのを回避できる保存剤を含有してよい。保存剤としては、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオールもしくはソルビン酸並びにSurfacine TMの名称で知られる銀錯体が適している。更なる好適な保存剤は、ドイツ化粧品規定(die deutsche Kosmetikverordnung)の添付物6のパートA及びBから知られている。
【0069】
本発明によるボディケア剤は、更に、保湿剤を含有してよく、該保湿剤は、処理された皮膚の湿分調整に作用し、更に該ボディケア剤の感覚的特性を改善することができる。保湿剤としては、天然アミノ酸、ピロリドンカルボン酸、乳酸及びその塩、ラクチトール、尿素及び尿素誘導体、尿酸、グルコサミン、クレアチニン、コラーゲンの分解産物、キトサン又はキトサン塩/−誘導体が適している。同様に適しているのは、ポリオール及びポリオール誘導体、例えばグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、エリトリット及び1,2,6−ヘキサントリオール;ポリエチレングリコール、例えばPEG−4、PEG−6、PEG−7、PEG−8、PEG−9、PEG−10、PEG−12、PEG−14、PEG−16、PEG−18及びPEG−20;糖及び糖誘導体、例えばフルクトース、グルコース、マルトース、マルチトール、マンニット、イノシット、ソルビット、スクロース、トレハロース、キシロース、キシリット及びグルクロン酸及びそれらの塩;並びにエトキシ化されたソルビット、例えばSorbeth−6、Sorbeth−20、Sorbeth−30及びSorbeth−40である。適しているのは、更に、ハチミツ及び硬化ハチミツ、硬化デンプン加水分解物並びに硬化コムギタンパク質及びPEG−20−アセテートコポリマーからの混合物である。有利には、保湿剤として、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン又はブチレングリコールが使用される。
【0070】
本発明によるボディケア剤は、更に、シクロメチコーン、ジメチコーン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーンの構造型のシリコーン並びにアミノ変性の、脂肪酸変性の、アルコール変性の、ポリエーテル変性の、エポキシ変性の、フッ素変性の、グリコシド変性の及びアルキル変性のシリコーン化合物を含有してよい。適しているのは、更に、200〜300ジメチルシロキサン単位の平均鎖長を有するジメチコーンと二酸化ケイ素もしくは水素化ケイ酸塩とからなる混合物であるジメチコーンである。
【0071】
本発明によるボディケア剤は、付加的に、酸化防止剤であって、UV放射線が皮膚に入射した場合に引き起こされる光化学反応連鎖を中断できるものを含有してよい。酸化防止剤としては、アミノ酸、例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン及びトリプトファン及びそれらの誘導体;ペプチド、例えばD,L−カルノシン、D−カルノシン及びL−カルノシン及びそれらの誘導体、例えばアンセリン;カロチノイド及びカロチン、例えばα−カロチン、β−カロチン及びリコピン及びその誘導体;クロロゲン酸及びその誘導体;リポン酸及びその誘導体、例えばジヒドロリポン酸;アウロチオグルコース、プロピルチオウラシル及び他のチオール、例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン及びシスタミン及びそれらのグリコシル−、N−アセチル−、メチル−、エチル−、プロピル−、アミル−、ブチル−、ラウリル−、パルミトイル−、オレイル−、γ−リノレイル−、コレステリル−及びグリセリルエステル並びにそれらの塩;ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート及びチオジプロピオン酸及びそれらのエステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド及び塩;スルホキシイミン化合物、例えばブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン及びペンタ−、ヘキサ−及びヘプタチオニンスルホキシイミン;金属キレート化化合物、例えばα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン、α−ヒドロキシ酸、特にクエン酸、乳酸及びリンゴ酸、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA及びEGTA;不飽和脂肪酸及びそれらの誘導体、例えばγ−リノレン酸、リノール酸及びオレイン酸;葉酸及びその誘導体;ユビキノン及びユビキノール及びそれらの誘導体;ビタミンC及びその誘導体、例えばアスコルビルパルミテート、Mg−アスコルビルホスフェート及びアスコルビルアセテート;トコフェロール及びその誘導体、例えばビタミンE−アセテート;並びにビタミンA及びその誘導体、ビタミンA−パルミテートが適している。酸化防止剤として適しているのは、更に、ルチン酸及びその誘導体、例えばα−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク樹脂酸(Nordihydroguajakharzsaeure)、ノルジヒドログアヤク脂酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸及びその誘導体、マンノース及びその誘導体、スーパーオキシド−ジスムターゼ、亜鉛及びその誘導体、例えば酸化亜鉛、セレン及びその誘導体、例えばセレノメチオニン、並びにスチルベン及びその誘導体、例えばスチルベンオキシドである。
【0072】
本発明によるボディケア剤は、更に、UV−A放射線及び/又はUV−B放射線を吸収するUV光保護フィルタを含有してよい。UV光保護フィルタとしては、有機物質も無機物質も使用することができ、その際、有機物質は、油溶性もしくは水溶性でも、不溶性であってもよい。好適な油溶性のUV−B光保護フィルタは、3−ベンジリデンカンファー及び3−ベンジリデンノルカンファー及びそれらの誘導体、例えば3−(4−メチルベンジリデン)カンファー(EP−A 0693471号から公知);4−アミノ安息香酸誘導体、有利には4−(ジメチルアミノ)安息香酸−2−エチルヘキシルエステル、4−(ジメチルアミノ)安息香酸−2−オクチルエステル及び4−(ジメチルアミノ)安息香酸アミルエステル;ケイ皮酸のエステル、有利には4−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシルエステル、4−メトキシケイ皮酸プロピルエステル、4−メトキシケイ皮酸イソアミルエステル、及び2−シアノ−3,3−フェニルケイ皮酸−2−エチルヘキシルエステル(オクトクリレン);サリチル酸のエステル、有利にはサリチル酸−2−エチルヘキシルエステル、サリチル酸−4−イソプロピルベンジルエステル及びサリチル酸ホモメンチルエステル;ベンゾフェノンの誘導体、有利には2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4′−メチルベンゾフェノン及び2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;ベンザルマロン酸のエステル、有利には4−メトキシベンザルマロン酸ジ−2−エチルヘキシル−エステル;トリアジン誘導体、例えば2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2′−エチル−1′−ヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジン、オクチルトリアゾン(EP−A 0818450号から公知)及びジオクチルブタミドトリアゾン(Uvasorb HEB);プロパン−1,3−ジオン、例えば1−(4−t−ブチルフェニル)−3−(4′−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン;並びにケトトリシクロ(5.2.1.0)デカン誘導体(EP−A 0694521号から公知)である。好適な水溶性のUV−B光保護フィルタは、2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸及びそのアルカリ塩、アルカリ土類塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩及びグルクアンモニウム塩;ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、有利には2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸及びその塩;並びに3−ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)ベンゼンスルホン酸及び2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデン)スルホン酸及びそれらの塩である。有機のUV−A光保護フィルタとしては、ベンゾイルメタンの誘導体、例えば1−(4′−t−ブチルフェニル)−3−(4′−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、4−t−ブチル−4′−メトキシジベンゾイルメタン(Parsol 1789)及び1−フェニル−3−(4′−イソプロピルフェニル)−プロパン−1,3−ジオン並びにDE19112033号から公知のエナミン化合物が適している。前記のUV−A光保護フィルタとUV−B光保護フィルタは、もちろん、混合物で使用することもできる。好ましい組み合わせは、ベンゾイルメタンの誘導体、例えば4−t−ブチル−4′−メトキシジベンゾイルメタン及び2−シアノ−3,3−フェニルケイ皮酸−2−エチルヘキシルエステルと、ケイ皮酸のエステル、例えば4−メトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシルエステル、4−メトキシケイ皮酸プロピルエステル又は4−メトキシケイ皮酸イソアミルエステルとの組み合わせからなる。係る組合せを、水溶性のフィルタ、例えば2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸及びそのアルカリ塩、アルカリ土類塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩及びグルクアンモニウム塩と組み合わせることが好ましい。無機の光保護顔料としては、微分散性の金属酸化物粉末であって、好ましくは疎水化された形態で存在するもの、特に二酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末、酸化亜鉛粉末及び元素のSi、Ti、Al、Zn、Fe、B、Zr及び/又はCeとの混合酸化物粉末が適している。好ましくは、いわゆるマイクロ顔料又はナノ顔料が使用され、その粒子は、100nm未満の平均直径、有利には5〜50nmの平均直径、特に15〜30nmの平均直径を有する。それらの顔料は、球形を有してよいが、また、楕円形又はそれ以外で球形状とは相違する形を有する粒子を使用することもできる。商慣習の無機の日焼け防止顔料のための例は、コーティングされた二酸化チタン、UV−Titan M212、M262及びX111(Kamira社)、AEROXIDE TiO2 P25、PF2、T805及びT817(Degussa社)、Micro Titanium Dioxide MT−150 W、MT−100 AQ、MT−100 SA、MT−100 HD及びMT−100 TV(Tayca社)、Eusolex T2000(Merck社)、Zinc Oxide neutral H&R及びZinc Oxide NDM(Haarmann&Reimer社)並びにZ−Cote及びZ−Cote HP1(BASF社)である。他の好適なUV光保護フィルタは、SOEFW−Journal 122,543(1996)並びにParf.Kosm.3,11(1999)におけるP.Finkelによる概要から公知である。
【0073】
本発明による毛髪処理用のボディケア剤は、更に、ふけ防止作用物質を含有してよい。ふけ防止作用物質としては、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2−(1H)−ピリジノンモノエタノールアミン、クリンバゾール、ケトコナゾール、エルビオール、二硫化セレン、コロイド硫黄、硫黄ポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート、硫黄リシノールポリエトキシレート、硫黄タール留分、サリチル酸とヘキサクロロフェンとの組み合わせ、ウンデシレン酸モノエタノールアミドスルホスクシネート−Na、タンパク質−ウンデシレン酸縮合物、亜鉛ピリチオン、アルミニウムピリチオン及びマグネシウムピリチオンが適している。
【0074】
本発明によるボディケア剤は、更にまた、脱臭作用物質を含有してよい。脱臭作用物質としては、発汗抑制作用を有する収斂作用金属塩、抗菌剤、酵素阻害剤及び吸臭剤が適しており、これらは単独もしくは組み合わせて使用することができる。発汗抑制作用を有する好適な収斂作用金属塩は、塩化アルミニウム水和物、塩化アルミニウム−ジルコニウム水和物、ヒドロキシ乳酸アルミニウム並びに亜鉛塩である。好適な市販品は、Clariant社製のLocron及びReheis社のRezal 36Gである。抗菌剤としては、基本的に、グラム陽性細菌に作用を有するあらゆる物質、例えば4−ヒドロキシ安息香酸及びその塩及びエステル、N−(4−クロロフェニル)−N′−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、2,4,4′−トリクロロ−2′−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール、2,2′−メチレン−ビス(6−ブロモ−4−クロロフェノール)、3−メチル−4−(1−メチルエチル)−フェノール、2−ベンジル−4−クロロフェノール、3−(4−クロロフェノキシ)−1,2−プロパンジオール、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート、クロロヘキシジン、3,4,4′−トリクロロカルバニリド(TTC)、チモール、チミアン油、オイゲノール、チョウジ油、メントール、ハッカ油、ファルネソール、フェノキシエタノール、グリセリンモノカプリネート、グリセリンモノカプリレート、グリセリンモノラウレート(GML)、ジグリセリンモノカプリネート(DMC)並びにサリチル酸−N−アルキルアミド、例えばサリチル酸−n−オクチルアミド又はサリチル酸−n−デシルアミドが適している。酵素阻害剤としては、エステラーゼ阻害剤、有利にはトリアルキルシトレート、例えばトリメチルシトレート、トリプロピルシトレート、トリイソプロピルシトレート、トリブチルシトレート及び特にトリエチルシトレート;ステロールスルフェート及びステロールホスフェート、例えばラノステリン−、コレステリン−、カンペステリン−、スチグマステリン−及びシトステリンスルフェートあるいは−ホスフェート;ジカルボン酸及びそのエステル、例えばグルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸及びマロン酸ジエチルエステル;並びにヒドロキシカルボン酸及びそのエステル、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸又は酒石酸ジエチルエステルが適している。吸臭剤としては、臭い形成化合物を吸収し、個々の成分の分圧を下げて十分に留めることができる物質が適している。吸臭剤は、例えば主成分としてリシノール酸の亜鉛錯塩を含有するか、又は当業者に"保留剤"として知られる特定の十分に臭気的に中性な(geruchsneutral)芳香物質、例えばラダナム、エゴノキからの抽出物もしくは規定のアビエチン酸誘導体を含有する。
【0075】
本発明によるボディケア剤は、更に、生体作用物質、例えばトコフェロール、トコフェロールアセテート、トコフェロールパルミテート、アスコルビン酸、(デオキシ)リボ核酸およびその断片化生成物、β−グルカン、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、パントテン酸、果実酸、α−ヒドロキシ酸、アミノ酸、セラミド、プソイドセラミド、精油並びにビタミン複合体を含有してよい。生体作用物質としては、植物抽出物、とりわけアルニカ、シラカバ、カミツレ、ゴボウ根、サルオガセ、ポプラ、イラクサ、サクラ属の種、バンバラヌス(Bambaranus)及びクルミ殻の抽出物を使用することができる。
【0076】
本発明によるボディケア剤は、更に着色剤を含有してよく、その際、可溶性の着色剤でも不溶性の顔料でも好適である。可溶性の着色剤としては、植物性の及び動物性の着色剤、例えばベタニン、ビキシン、カルミン、カロチン、クロロフィル又はセピア並びに合成の有機着色剤、例えばアゾ−、アントラキノン−又はトリフェニルメタン着色剤が適しており、これらは、有利には水溶性であるか、又は水中に分散可能である。不溶性の顔料としては、天然の無機顔料、例えば黄色土、アンバー、光明丹、シェンナ又は白亜並びに合成の無機顔料、例えば酸化鉄、ウルトラマリン、二酸化チタン、酸化亜鉛又は雲母系顔料、特に真珠光沢顔料が適している。
【0077】
本発明によるボディケア剤は、最後に、該ボディケア剤に魅力的な芳香を成立させるために、なおも香油を含有してもよい。使用される香油は、通常は、芳香物質からなる混合物であり、その際、天然の芳香物質も合成の芳香物質もいずれも使用することができる。天然の芳香物質としては、花、茎及び葉、果実、果皮、根、木、薬草及び草、針状葉及び枝並びに樹脂及びバルサムの抽出物が適している。好適な動物性の芳香物質は、例えばシベット及びカストリウムである。典型的な合成の芳香物質化合物は、エステル型、エーテル型、アルデヒド型、ケトン型、アルコール型及び炭化水素型の製品である。エステル型の芳香物質化合物は、例えばベンジルアセテート、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルミエート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネート及びベンジルサリチレートである。エーテルについては、例えばベンジルエチルエーテルが該当し、アルデヒドについては、例えば8〜18個の炭素原子を有する直鎖状のアルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール及びボージュナールが該当し、ケトンについては、例えばイオノン及びメチルセドリルケトンが該当し、アルコールについては、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロオール、フェニルエタノール及びテルピノールが該当し、そして炭化水素については、主にテルペン及びバルサムが該当する。有利には、種々の芳香物質の混合物が使用され、それらは一緒になって魅力的な芳香ノートを生ずる。揮発性が低く、主にアロマ成分として使用される精油も、香油として適しており、それは例えば、セージ油、カミツレ油、チョウジ油、メリッサ油、ミント油、シナモン葉油、シナノキ花油、ビャクシン果実油、ベチベルソウ油、オリバヌム油、ガルバヌム油、ラブダナム油及びラベンジン油が適している。好ましくは、ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアル、ライラール(lyral)、シトロネロール、フェニルエタノール、α−ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロオール、ボイサムブレン・フォルテ(Boisambrene Forte)、アムブロキサン(Ambroxan)、インドール、ヘジオン(hedione)、サンデリス(sandelice)、柑橘油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロベルタール(cyclovertal)、ラベンジン油、サルビア油、β−ダマスコーン、ゼラニウム油バーボン、シクロヘキシルサリチレート、ベルトフィックス・ケウアー(Vertofix Coeur)、イソ−E−スーパー(Iso−E−Super)、フィクソリド(Fixolide)NP、エベルニル(evernyl)、イラルデイン(iraldein)ガンマ、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、ローズオキシド、ロミラット(romillat)、イロチル(irotyl)およびフロラマット(floramat)が、単独でもしくは混合物で使用される。
【0078】
本発明によるテキスタイル処理剤の更なる好ましい一実施態様は、芳香すすぎ剤である。本発明の範囲での芳香すすぎ剤は、本発明によるオルガノポリシロキサンを水性分散液の形態で含有し、かつ該分散液から本発明によるオルガノポリシロキサンが、該芳香すすぎ剤を、水性洗液中でテキスタイルを洗浄するに際して、本来の洗浄工程の後に行われるすすぎ工程で、すすぎに使用される水に添加する場合にテキスタイル繊維に吸い上げられる、液状の調合物である。
【0079】
本発明によるオルガノポリシロキサンを液体の形態で含有する芳香すすぎ剤は、有利には当該液状のオルガノポリシロキサンと安定な水中油エマルジョンを形成する少なくとも1種の乳化剤をさらに含有する。本発明による芳香すすぎ剤用の乳化剤としては、本発明によるボディケア剤の可能な成分として上述したアニオン性の、非イオン性の及び両性の乳化剤が適している。
【0080】
本発明による芳香すすぎ剤は、有利には、該芳香すすぎ剤のpH値をpH5〜9の、有利にはpH6〜8の範囲に保持する緩衝性成分をなおも含有する。
【0081】
更に、本発明による芳香すすぎ剤は、なおも更なる成分、例えば屈水性誘発物質、粘度調節剤、保存剤、シリコーン及びパラフィン油を含有してよく、その際、本発明によるボディケア剤の可能な成分として既に上述した化合物が適している。更に、本発明による芳香すすぎ剤は、前記の本発明による洗剤に適している、再沈着防止剤、消泡剤、蛍光漂白剤及び着色剤を含有してよい。
【0082】
実施例
実施例1
クロロ酢酸シトロネリルエステルの製造
94.5g(1.0モル)のモノクロロ酢酸及び203.2g(1.4モル)の3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オール(シトロネロール)からなる混合物を、50ミリバールで130℃に6時間加熱し、その際、エステル化によって形成された水は、塔頂から留去した。得られた反応混合物は、酸価5mg KOH/gを有していた。未反応のシトロネロールを、引き続き6ミリバール及び塔底温度から130℃で留去した。残留物を6ミリバールで蒸留することで、198gのクロロ酢酸シトロネリルエステルが無色の液体として得られた。
【0083】
実施例2
構造
6−O−[Si(CH32−O]n−R6
[式中、nは、10であり、R6は、−CH2−CH2−N+(CH32−CH2−C(O)OY Cl-であり、かつYOHは、シトロネロールである]で示されるオルガノポリシロキサンの製造
346g(0.4モル)の平均分子量865g/モルを有するα,ω−ビス−(2−ジメチルアミノエトキシ)−ポリ(ジメチルシロキサン)と163g(0.7モル)のクロロ酢酸シトロネリルエステルとからなる混合物を、60℃で11時間加熱した。得られた生成物は、遊離の塩化物含有率4.43質量%と有機的に結合された塩化物含有率0.05質量%を有し、そこからベタインエステルへの転化率99%が得られた。
【0084】
実施例3
構造
6−O−[Si(CH32−O]n−R6
[式中、nは、50であり、R6は、−CH2−CH2−N+(CH32−CH2−C(O)OY Cl-であり、かつYOHは、シトロネロールである]で示されるオルガノポリシロキサンの製造
308.5g(0.08モル)の平均分子量3856g/モルを有するα,ω−ビス−(2−ジメチルアミノエトキシ)−ポリ(ジメチルシロキサン)と32.6g(0.14モル)のクロロ酢酸シトロネリルエステルとからなる混合物を、60℃で56時間加熱した。得られた生成物は、遊離の塩化物含有率2.29質量%と有機的に結合された塩化物含有率0.04質量%を有し、そこからベタインエステルへの転化率98%が得られた。
【0085】
実施例4
実施例3によるオルガノポリシロキサンの水性分散液からのシトロネロールの放出のpH依存性
該オルガノポリシロキサンからのシトロネロールの放出の測定は、室内温度で、pH値3、6及び9を有する商慣習の緩衝溶液中で実施した。0.5gの実施例3によるオルガノポリシロキサン及び0.5gの乳化剤Rewopal C6(ココスモノエタノールアミドポリグリコールエーテル)を、緩衝溶液で充填して50mlとし、超音波浴中で1分間にわたり乳化させ、そして形成された安定なエマルジョンを、室内温度で貯蔵した。所定の時間後に、サンプルを取り、トルエンで抽出し、そして放出されたシトロネロールの割合をガスクロマトグラフィーで測定した。第1表は、時間と緩衝溶液のpH値に依存する、放出されたシトロネロールの量を示しており、その際、それらの数値は、それぞれ2回の試験からの平均値である。
【0086】
それらの測定結果は、超音波による分散によって、既に約9%のシトロネロールが放出されたことを示している。次いで、pH6及びpH9において、放出されたシトロネロールの量は、24時間以内に、さらに約2%だけしか増加しなかった、すなわち該ベタインエステルは安定であった。それに対して、pH3においては、24時間以内に、更に約42%のシトロネロールが放出された。
【0087】
第1表
シトロネロールの放出量
【表1】

【0088】
実施例5
実施例3によるオルガノポリシロキサンの芳香すすぎ剤における使用、該オルガノポリシロキサンのテキスタイル繊維への吸い上げ並びに酸の作用によるシトロネロールの放出
20gの実施例3によるオルガノポリシロキサン及び5.0gのRewopal LAG(6EO単位を有するラウリルアルコールエトキシレート)を、75gの緩衝溶液(pH7)との撹拌によって乳化させた。100gの芳香すすぎ剤用エマルジョンが得られた。
【0089】
家庭用洗濯機において、3.5kgの木綿製Tシャツを、3.5kgの無香料のWFK系洗剤を用いて40℃で洗浄した。芳香すすぎ剤用エマルジョンを、洗濯機の調剤室を介して最後のすすぎ工程に添加した。洗浄されたTシャツを、遠心脱水にかけ、物干し用ロープで、臭いがもはや確認できなくなるまで少なくとも4日間にわたり風乾させた。引き続き、そのTシャツに1質量%のクエン酸溶液を噴霧すると、シトロネロールによる明らかな芳香が発生した。また、そのTシャツを4週間の乾燥貯蔵後にも、クエン酸溶液での噴霧により、なおもシトロネロールによる明らかな芳香がなおも確認された。
【0090】
実施例6
実施例3によるオルガノポリシロキサンの芳香すすぎ剤における使用、そのオルガノポリシロキサンのテキスタイル繊維への柔軟化作用
350g/m2のFrottana Textil社製の80×50cmの木綿タオル地3kgを、WKF−Testgewebe社製の洗剤IEC−A Baseをそれぞれ75gで2回、そして洗剤を用いずに2回、全自動洗濯機(Waschvollautomate)Miele Mondia 1120において95℃で洗浄し、そして1200分-1で遠心脱水した。洗浄された織物を、物干し用ロープで風乾させた。実施例5のように製造された芳香すすぎ剤用エマルジョン10gを、撹拌しつつ水道水で2lにまで希釈した。洗浄されたテスト織物片を、1回折り畳んで40×50cmのたらいに入れて、前記の希釈した芳香すすぎ剤用エマルジョンを注ぎかけた。その織物を、たらいの中で10分間保持し、1回裏返し、引き続き1200分-1で2分間遠心脱水し、そして物干し用ロープで風乾させた。引き続き、処理されたタオル地の柔軟手触りを、9人の試験者でなるパネルによって感覚的に評価した。その際、0(硬い)から5(非常に柔軟)までの評点を与えた。比較のために、実施例3によるオルガノポリシロキサンの代わりに、EP−A 1199350号からの式(III)の化合物であって、30個の[Si(CH32O]単位の代わりに50個のその単位を有するものの構造を有する第四級ポリシロキサンを製造に使用した芳香すすぎ剤用エマルジョンで処理したタオル地を評価した。同様に、比較のために、前記の芳香すすぎ剤用エマルジョンの代わりに水道水で処理されたタオル地を評価した。
【0091】
第2表
芳香すすぎ剤用エマルジョンで処理した後の柔軟手触り
【表2】

【0092】
試験結果は、本発明による芳香すすぎ剤用エマルジョンにより木綿製織物では、商慣習の柔軟すすぎ剤で達成されるのに相当する柔軟手触りが達成されることが示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香物質アルコールを放出しうるオルガノポリシロキサンであって、構造
−N+12−CH2−C(O)OY A-
[式中、
1、R2は、互いに無関係に、C1〜C30−アルキル及びヒドロキシエチルから選択され、
Yは、芳香物質アルコールY−OHの残基であり、かつ
-は、生理学的に適合性の酸HAのアニオンである]で示される少なくとも1つの官能基Zを有するオルガノポリシロキサン。
【請求項2】
請求項1に記載のオルガノポリシロキサンであって、それが、式(I)
345Si−O−CH2−CH2−Z (I)
[式中、
3は、酸素原子を介して結合されるポリシロキサン残基であり、
4は、C1〜C30−アルキル基又はフェニルであり、
5は、R3又はR4であり、かつ
Zは、請求項1に記載したのと同じ意味を有する]で示される構造を有することを特徴とするオルガノポリシロキサン。
【請求項3】
請求項1に記載のオルガノポリシロキサンであって、それが、式(I)
6−O−[Si(CH32−O]n−R6 (I)
[式中、
nは、3〜200であり、
6は、−CH2−CH2−N+(CH32−CH2−C(O)OY A-であり、かつ
Y及びA-は、請求項1に記載したのと同じ意味を有する]で示される構造を有することを特徴とするオルガノポリシロキサン。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサンであって、芳香物質アルコールY−OHが、4−アリル−2−メトキシフェノール(オイゲノール)、3−(2−ボルニルオキシ)−2−メチル−1−プロパノール、2−t−ブチルシクロヘキサノール、4−t−ブチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、1−デカノール、9−デセン−1−オール、ジヒドロテルピネオール、2,4−ジメチル−4−シクロヘキセン−1−イルメタノール、2,4−ジメチルシクロヘキシルメタノール、2,6−ジメチル−2−ヘプタノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、3a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−2,4−ジメチル−4,7−メタノ[1H]インデン−5−オール、3,7−ジメチル−1,6−ノナジエン−3−オール、2,6−ジメチル−2,7−オクタジエン−6−オール(リナロオール)、シス−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−オール(ネロール)、トランス−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−オール(ゲラニオール)、3,7−ジメチル−1,7−オクタンジオール、3,7−ジメチル−1−オクタノール(テトラヒドロゲラニオール)、2,6−ジメチル−2−オクタノール(テトラヒドロミルセノール)、3,7−ジメチル−3−オクタノール(テトラヒドロリナロオール)、2,6−ジメチル−7−オクテン−2−オール(ジヒドロミルセノール)、3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オール(シトロネロール)、2,2−ジメチル−3−(3−メチルフェニル)−1−プロパノール、2,2−ジメチル−3−フェニル−1−プロパノール、2−エトキシ−4−メトキシメチルフェノール、2−エチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール、シス−3−ヘキセン−1−オール、4−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−2−ブタノン、1−ヒドロキシ−2−(1−メチル−1−ヒドロキシエチル)−5−メチルシクロヘキサン、3−(ヒドロキシメチル)−2−ノナノン、4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルボキサルデヒド、イソボルネオール、3−イソカンフィルシクロヘキサノール、2−イソプロペニル−5−メチルシクロヘキサノール(イソプレゴール)、1−イソプロピル−4−メチルシクロヘキセ−3−エノール(テルピネノール)、4−イソプロピルシクロヘキサノール、1−(4−イソプロピルシクロヘキシル)−エタノール、4−イソプロピルシクロヘキシルメタノール、2−イソプロピル−5−メチルシクロヘキサノール(メントール)、2−イソプロピル−5−メチルフェノール(チモール)、5−イソプロピル−2−メチルフェノール(カルバクロール)、2−(4−メチル−3−シクロヘキセニル)−2−プロパノール(テルピネオール)、2−(4−メチルシクロヘキシル)−2−プロパノール(ジヒドロテルピネオール)、4−メトキシベンジルアルコール、2−メトキシ−4−メチルフェノール、3−メトキシ−5−メチルフェノール、1−メトキシ−4−プロペニルベンゼン(アネトール)、2−メトキシ−4−プロペニルフェノール(イソオイゲノール)、4−メチル−3−デセン−5−オール、2−メチル−6−メチレン−7−オクテン−2−オール(ミルセノール)、3−メチル−4−フェニル−2−ブタノール、2−(2−メチルフェニル)−エタノール、2−メチル−4−フェニル−1−ペンタノール、3−メチル−5−フェニル−1−ペンタノール、2−メチル−1−フェニル−2−プロパノール、(1−メチル−2−(1,2,2−トリメチルビシクロ[3.1.0]ヘキシ−3−イルメチル)−シクロプロピル)−メタノール、3−メチル−4−(2,2,6−トリメチルシクロヘキセン−1−イル)−2−ブタノール、2−メチル−4−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−2−ブテン−1−オール、(3−メチル−1−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテニル)−3−シクロヘキセン−1−イル)−メタノール、3−メチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール、2−メチル−2−ビニル−5−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)−テトラヒドロフラン、トランス,シス−2,6−ノナジエノール、1−ノナノール、ノポール、1,2,3,4,4a,5,6,7−オクタヒドロ−2,5,5−トリメチル−2−ナフトール、1−オクタノール、3,4,5,6,6−ペンタメチル−2−ヘプタノール、2−フェニルエタノール、2−フェニルプロパノール、3−フェニルプロパノール(ヒドロ桂皮アルコール)、3−フェニル−2−プロペン−1−オール(桂皮アルコール)、4−(5,5,6−トリメチルビシクロ[2.2.1]へプチ−2−イル)−シクロヘキサン−1−オール、3,5,5−トリメチルシクロヘキサノール、2,4,6−トリメチル−4−シクロヘキセン−1−イルメタノール、5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテニル)−3−メチルペンタン−2−オール、3,7,11−トリメチル−2,6,10−ドデカトリエン−1−オール(ファルネソール)、3,7,11−トリメチル−1,6,10−ドデカトリエン−3−オール(ネロリドール)、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノール(イソノナノール)、1−ウンデカノール、10−ウンデセン−1−オール及びベチベロールの群から選択されることを特徴とするオルガノポリシロキサン。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサンであって、そのオルガノポリシロキサンの水性分散液中でpH値3において芳香物質アルコールY−OHがpH9の場合よりも迅速に放出されることを特徴とするオルガノポリシロキサン。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の少なくとも1種のオルガノポリシロキサンを含有するテキスタイル処理剤。
【請求項7】
少なくとも1種の界面活性剤と、請求項1から5までのいずれか1項に記載の少なくとも1種のオルガノポリシロキサンとを含有する洗剤。
【請求項8】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の少なくとも1種のオルガノポリシロキサンを水性分散液の形態で含有する芳香すすぎ剤。
【請求項9】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の少なくとも1種のオルガノポリシロキサンを含有するボディケア剤。

【公表番号】特表2008−542510(P2008−542510A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515168(P2008−515168)
【出願日】平成18年5月5日(2006.5.5)
【国際出願番号】PCT/EP2006/062089
【国際公開番号】WO2006/131430
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】