説明

苦味、酸味及び/又は渋味をマスクした食用製品

【課題】苦味又は酸味等の不快な味覚又は強い味覚を減らし、糖及び/又はカロリー及び/又は人工甘味料含量を増やさない低脂肪製品が必要である。特に、低粘度(飲料等)で、これらの特性を有する製品が望ましい。本発明はこれらの要件を満たす製品を提供する。
【解決手段】本発明は、苦味、酸味及び/又は渋味をマスクした食用製品に関する。新規な該製品は、甘味料と、0.2〜25質量%の植物ステロールエステルとを含み、レギュラー製品と比較して甘味料量が少ない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、苦味、酸味及び/又は渋味をマスクした食用製品に関するものであり、そして食用製品の苦味、酸味及び/又は渋味をマスクする方法に関するものである。該食用製品はまた、甘味料(sweetening agent)含量が少なく、そして添加成分によって体により良いものである。
【背景技術】
【0002】
多くの食品及び飲料が、不快で、好ましくない味覚を有し、それらは、主に余分な苦味又は酸味に関係することが多い。消費者が最終的な決定をする時に、製品の味覚は重要な役割を果たすので、不快な味覚をマスク又は減少する努力がなされている。不快な、苦味又は酸味を有する製品の例には、例えば、果汁及び野菜ジュース、コーヒー、ティー、ココア及びチョコレート製品、大豆製品及び穀類製品(特に大豆及び穀類ベースドリンク)、発酵製品(ヨーグルト及び大豆発酵製品等)等の飲料が含まれる場合がある。該不快な味覚は、高粘度製品よりも低粘度製品で著しい場合が多い。上記該製品の消費量は、目下、増え続けている。
【0003】
該不快な味覚をマスクするために、種々の方法が用いられてきた。該製品の甘味を強めることで該不快な味覚をマスクする方法が一般的に用いられる。大部分の場合、これは、該製品にさらにカロリーを加えることになり、この方法で、真の低カロリー製品は作成できない。食品産業は、低炭水化物含量、特に低糖含量及び低い他の吸収性炭水化物含量の製品の開発に、現在は非常に重きを置いている。これらのいわゆる「ローカーブ(low carb)」又は低GI(血糖インデックス)製品が、体重コントロールの目的で販売されている。しかし、苦味、渋味又は酸味をマスクする必要性は、これらのローカーブ製品にもまだ存在し、例えば、人工甘味料を用いて、それらがなされている。これらの低カロリー又はカロリーオフの人工甘味料は、ほとんど又は全く、余分なカロリーを該製品に持ち込まないが、それらの一部、例えばサッカリン及びアセサルフェーム−Kは、それら自体、苦味の変化(off−taste)を起こす。さらに、上述の甘味料の使用において、規制上の制約がたくさんあり、例えばそれらの使用は、限られた範囲の製品及び限られた量のみが認められている。また、これらの製品のうち安全性の一部は、まだ議論中であり、例えば、フェニルケトン尿症の人は、アステルパームの消費を避けるべきである。市場に「ローカーブ」製品の数が増え、人工甘味料の消費が増えており、従って、これらの人工甘味料の一日の摂取許容量が、容易に限度を越えることになる。良好な味覚特性があり、かつ人工甘味料を増量しない真の低炭水化物又は低糖の製品は、従って、簡単に考案されることはない。
【0004】
好ましくない味覚をマスクするために最も良く用いられている糖は、ショ糖であり、従って、本発明の実施形態において、それらの減量が最も好ましい。また、果糖及び果糖シロップが最も一般的であり、そしてショ糖と比較して相対的に甘味が強いので好ましい場合が多い。以前は、果糖を分解すると、ブドウ糖よりも食後の血糖及びインスリンの変化(excursion)が小さいことから、特に糖尿病の患者に、ショ糖又はブドウ糖ではなく、果糖が選択されてきた。しかし、つい最近、果糖が、多くの疾患(インスリン抵抗症候群の発現等)に関与していることが見出された。果糖の消費によって、インスリン抵抗性、耐糖性障害、高インスリン血症、高血圧症及び高脂血症、すなわち循環器系疾患の危険因子が誘発される。果糖の消費はまた、エネルギー取込量の増加、体重増加及び肥満症をもたらしやすい。従って、果糖の添加は、推奨されるものではない。特に、インスリン抵抗性又は高脂血症の患者は、果糖で加糖した製品を選択すべきではない(Elliot S.S.ら、Am.J.Clin.Nutr.76(2002)911)。糖アルコールも甘味料として用いられているが、果糖又はショ糖ベースの成分と比較すると、それらの甘味、及び好ましくない味覚をマスクする能力は乏しい。また、糖及び他の甘味料に加えて、不快な味覚をマスク又は減少させるため、他の成分(種々の芳香、及び一定の脂質化合物又は脂質を含む組成物)が用いられている。特に、飽和脂肪酸の含量が多いトリグリセリドが、食品中の好ましくない味覚をマスクするのに効果的であることが知られている。また、トリグリセリドは、いわゆる「ローカーブ」製品中で適用されており、人工甘味料とまではいかないが、次いで、一般製品と比較して高含量のトリグリセリド脂質を用いて、糖及び他の炭水化物甘味料の減少分を補っている。しかし、トリグリセリドは、該製品の栄養学的特性にマイナスに作用することがある。また、脂質は、該製品に余分なカロリーを与えることになる。
【0005】
食品の味覚特性に関する植物ステロールの効果は、不利な効果又は効果がないものとして一般的に記述されている。植物ステロールが添加されているレギュラー製品(後に定義)の例は、下記の特許及び特許出願:US6,087,353、WO02/082929、DE101 09 708、CN1,299,619、DE100 63 288、WO00/41491、US6,441,206、US2002/0064548、及びWO01/54686に開示されている。
US6,087、353には、一ヶ所以上がエステル化され、続いて水素化されたフィトステロールを含み、そして食品、飲料、医薬及び栄養補助食品への導入に好適な組成物が開示されている。該組成物を含む食品及び飲料も開示されている。
【0006】
WO02/082929には、食物繊維及び植物ステロールを含む食品が開示されている。高濃度の植物ステロール及び食物繊維を含む食品(ヨーグルト様の発酵穀類製品、発酵乳製品、フルーツドリンク、バニラアイスクリームタイプの食品及びフルーツムースリ等)が開示されている。
DE101 09 708には、フィトステロール及び乳化剤(ポリソルベート等)を含む水溶性活性剤濃縮物と、該濃縮物の製造方法とを開示している。該濃縮物を含む飲料も、特許請求の範囲に記載されている。
CN1,299,619には、フィトステロール脂肪族エステルを含むたんぱく質飲料が開示されている。
【0007】
DE100 63 288には、フィトステロールが最大20g/L添加されたミックスフルーツ、野菜、ミルク及び/又はワイン飲料が開示されている。フィトステロール及び乳化剤を含む溶液を、フルーツ、野菜、ミルク又はワインから調製されたベース飲料に添加して、該飲料が製造されている。
WO00/41491には、植物ステロールを種々のミルク又は豆乳ベースの製品に添加することによって、似た舌触り、外観及びフレーバーを有する製品が生ずるか、又は植物ステロールを未添加の対応製品の組成と実質的に区別がつかなかったことが教示されている。従って、味覚の変化又は改善がなかったことを表している。
【0008】
US6,441,206には:
フィトステロール及び/又はフィトスタノールのヒドロキシ酸(hydroxyl acid)エステル又はジカルボン酸エステル又はアミノ酸エステルか、
アルコール、ポリオール、又はポリオール(C2〜C22)脂肪酸(ジカルボン酸若しくはヒドロキシ酸)エステル若しくはポリオール(C2〜C22)脂肪酸(ヒドロキシ酸及びこれらの組成物を含む食物脂肪)エステルで形成される混合エステル、
を含む組成物が開示されている。
該発明の化合物を、チョコレートフレーバーのトリュフ、マヨネーズ、アルコール性飲料又はスプレッドに添加したところ、該製品の味覚に不利に作用しなかった。
US2002/0064548には、植物ステロールの分散法が記述されている。該方法は、植物ステロール及び乳化剤の混和材料を溶解させる段階、水性飲料又は水性飲料を含む乳化剤と該溶解した混合物を混合する段階、そして高速で該混合物を撹拌して、飲料中に植物ステロールの分散液を供給する段階を含む。そのようにして得られた該飲料では、植物ステロールは、該飲料のフレーバー及び味覚特性に関して影響を及ぼさないナノサイズのミセル状である。
【0009】
WO01/54686には、L−アルギニンをフィトステロールでコーティングし、アルギニンの苦味を減らす方法が記述されている。苦味成分である、L−アルギニンを、溶媒系(ヘキサン及びエタノール等)中でコーティング材料(フィトステロール)と混合させる。次いで、該混合物を乾燥させ(スプレードライ等)、フィトステロールでコーティングしたL−アルギニンを得る。この技法によって、L−アルギニンの苦味、魚のような不快な味覚を減少させる。
該コーティング技法は、苦味又は不快な味覚を減少させるのに有利であるが、欠点のひとつは、余分なプロセス(乾燥等)が必要なことである。該余分なプロセスは、ある種の製品には不適当であり、そして不経済でもある。
【0010】
SU635951には、β−シトステロールを含む缶詰にした食事療法食の味覚の改善法が紹介されている。該製品中のβ−シトステロールの量を減らすと、味覚が改善された。
WO02/065845には、脱臭工程と、該脱臭工程によって生産されたフィトステロール含有食用脂肪組成物とが開示されている。該工程によって生産された該フィトステロール含有食用脂肪組成物は、味覚が改善されるものの、その中に大量のフィトステロールを含むことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
製品の粘度を上げると、苦味及び/又は酸味の強度が減少することは公知である。しかし、多くの製品は、液体又は低粘度の状態で消費されることが好ましい。苦味及び/又は酸味を良好にマスクする、低粘度、低糖及び低脂肪の製品を生産する良好な方法がない。
味覚が良く、そして栄養学的値が高い健康製品の必要性が増している。
【0012】
苦味又は酸味等の不快な味覚又は強い味覚を減らし、糖及び/又はカロリー及び/又は人工甘味料含量を増やさない低脂肪製品が必要である。特に、低粘度(飲料等)で、これらの特性を有する製品が望ましい。本発明はこれらの要件を満たす製品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、健康成分、植物ステロールエステルを含む食用製品を提供する。本発明を用い、製品の栄養学的特性を改善することも可能である。本発明は、追加の健康成分、植物ステロールエステルを含み、苦味、酸味及び/又は渋味をマスクするために通常添加される糖又は他の甘味料含量の低い食用製品に特に向けられている。本発明はまた、特に糖又は他の甘味料含量の低い、マスクされた苦味、酸味及び/又は渋味を有する食用製品に向けられている。
【0014】
植物ステロールエステルを食用製品に導入することで、多くの食用製品に普通に生ずる該苦味、酸味及び/又は渋味を、対応するレギュラー製品と比較して少量の糖又は他の甘味料でマスクすることができることを見出した。この種の製品の例には、大豆及びマメ科植物ベース製品、穀類製品、特に大豆及び穀類ベースドリンク、フルーツ及び野菜製品、飲料(フルーツ及び野菜ジュース等)、コーヒー、ティー、ココア及びチョコレート製品及び発酵製品(ヨーグルト及び発酵大豆製品等)が含まれるが、これらに制限されるものではない。本発明の利益は、低粘度製品で特に顕著である。本発明に従う特定の食用製品は、製品の独立請求項の記載によって特徴付けられる。
【0015】
本発明はまた、植物ステロールエステルを製品に導入し、食用製品の苦味、酸味及び/又は渋味をマスクする方法を提供する。
本発明の実施形態では、不快な苦味、酸味及び/又は渋味を低水準に保ちつつ、さらなる糖又は他の加糖成分を減量した食用製品を提供することが好ましい。これらの製品は、不快な味覚を余分な糖でマスクしたレギュラー製品よりも、カロリーが低い。
【0016】
植物ステロールエステルは、血清コレステロール濃度を下げる効果があることが知られている。好ましい実施形態では、許容可能な味覚を有する該健康食品のさらなる利益は、健康上の利益、すなわち血清総及び/又はLDLコレステロールを下げる効果も含む。
【発明を実施するための形態】
【0017】
定義
ここで用いる通り、「食用製品(edible product)」には、基礎となる製品に苦味、酸味及び/又は渋味が含まれる全ての食品、栄養補助食品及び医薬が含まれる。これらの味覚は、一定の製品では不快とみなされる場合もある。該食品は、本発明の実施形態として好ましい。該食品には、例えば大豆ベース製品、穀類又は穀物ベース製品、発酵製品、かんきつ類又は他のフルーツベース製品、ベリー製品、野菜製品、コーヒー、ティー又はココアベース製品、スープ、ドリンク、ミール・リプレイスメント製品及び/又は任意のそれらの組み合わせが含まれる。これらの食品の典型的な例には、大豆又は穀類ベースドリンク、デザート、アイスクリーム又はヨーグルトが含まれる。また、該食品の典型的な例は、異種のフルーツ及び野菜ジュース、ジャム又は濃厚なジュースである。特に、本発明は、苦味、酸味及び/又は渋味を含む全ての食品に向けられている。
【0018】
ここで用いる通り、用語「レギュラー製品」は、苦味、酸味及び/又は渋味を含み、そして該苦味、酸味及び/又は渋味をマスクするために、一般的な量の甘味料が添加されている全ての食品、栄養補助食品及び医薬を表している。
【0019】
ここで用いる通り、用語「甘味料」は、製品の甘味を増すために用いられる化合物を含む。甘味料には、炭水化物甘味料、すなわち糖及び他の炭水化物甘味料、及び非炭水化物甘味料が含まれる。ここで用いる通り、用語「糖」は、ショ糖及びショ糖の成分(すなわちブドウ糖及び/又は果糖)、糖シロップ、モルトシロップ、メープルシロップ、でん粉シロップ、ブドウ糖シロップ、高果糖シロップ(高果糖コーンシロップ等)、蜂蜜、糖蜜、及び甘味料又はこれらの源として用いられうる他の炭水化物を指している。用語「他の炭水化物甘味料」は、キシリトール、マルチトール(maltitol)、ラクチトール(lactitol)及びソルビトール等の糖アルコール等を指す。該非炭水化物甘味料の好適な例には、例えばアスパルテーム、アセサルフェーム、サッカリン、チクロ及びスクラロースが含まれる。
【0020】
ここで用いる通り、用語「植物ステロールエステル」は、少なくとも60%、好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも95%のエステル化状態の植物ステロールを有する植物ステロールを指している。
本発明において、該植物ステロールは、有機酸中でエステル化されており、そして本明細書で「植物ステロールエステル」と称する。好適な有機酸の例には、脂肪酸(2〜24個の炭素原子、飽和、モノ不飽和又はポリ不飽和、CLA、並びにEPA及びDHA等の共役脂肪酸等の特別な脂肪酸を含む)、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシ桂皮酸(フェルラ酸及びクマル酸)、ジ及びトリカルボン酸及びヒドロキシ酸、並びに該酸の任意の混合物が挙げられる。該植物ステロールは、C4〜C22の脂肪酸でエステル化されていることが好ましく、植物油ベースの脂肪酸でエステル化されていることがさらに好ましい。
【0021】
ここで用いる通り、用語「植物ステロール」は、ステロール及び飽和ステロール、すなわちスタノールの両方を含んでいる。本明細書では、該ステロールは、4−デスメチルステロール、4−モノメチルステロール及び4,4−ジメチルステロール(トリテルペンアルコール)を含み、そして該スタノールは、4−デスメチルスタノール、4−モノメチルスタノール及び4,4−ジメチルスタノール類を含む。典型的な4−デスメチルステロールは、シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール(brassicasterol)、22−デヒドロブラシカステロール及びΔ5−アヴィーナステロールである。典型的な4,4−ジメチルステロールは、シクロアルテノール、24−メチレンシクロアルテノール及びシクロブラノールである。典型的なスタノールは、シトスタノール、カンペスタノール及びそれらの24−エピマー、シクロアルタノール及びトリテルペンアルコール(シクロアルテノール、24−メチレンシクロアルテノール及びシクロブラノール)等を飽和化することで得られる飽和形態である。用語「植物ステロール」は、指定のステロール及び/又はスタノールの可能性がある全ての混合物、並びに個々のステロール又はスタノールを含む。
【0022】
スタノール脂肪酸エステル及びそれらの効果、並びにその好適な調製法が、米国特許第6,174,560号に開示されている。
【0023】
発明の詳細な説明
本発明の種々の特色及び利益を、下記及び例においてさらに詳細に記述する。本明細書中で言及する全てのパーセンテージは、質量%である。
【0024】
驚くべきことに、甘味料を含む食用製品に植物ステロールエステルを添加すると、苦味、酸味及び/又は渋味をマスクしながら、該甘味料の量を減らすことができることが見出された。これは、植物ステロールエステルが、最終製品の苦味、酸味及び/又は渋味をマスクするので、該製品の甘味料含量を減らすことができ、そしてアクセプタンスを改善するために、多量の甘味料は必要としないことを意味している。
【0025】
従って、本発明の主目的は、苦味、酸味及び/又は渋味をマスクした一定の食用製品を提供することである。
従って、本発明は、該食用製品の苦味、酸味及び/又は渋味をマスクするために甘味料を含む食用製品を提供し、該製品は、味覚をマスクする甘味料の一部を置換するために、0.2〜25質量%の植物ステロールエステルをさらに含む。
本発明はまた、甘味料と、0.2〜25質量%の植物ステロールエステルとを含む食用製品を提供し、ここで、レギュラー製品と比較して、甘味料の量は少ない。
【0026】
該植物ステロールエステルは、植物ステロール脂肪酸エステルであることが好ましい。該脂肪酸エステルは、異種の食品に導入するために、技術的に非常に好適である。該植物ステロールエステル中の該植物ステロールは、スタノールであることが好ましい、というのは、その吸収がごく僅かであり、従って、スタノールの使用が安全だからである。さらに、スタノールが飽和しているため、スタノールの物理的特性は、この目的においてさらに好適である。従って、本発明に従う食品における使用に関して、植物スタノール脂肪酸エステルが最も好ましい。
【0027】
該食用製品中の植物ステロールエステルの濃度は、0.2〜25質量%、好ましくは0.5〜15質量%及びさらに好ましくは1.0〜10質量%である。
該食用製品中の該甘味料の濃度は、0.00005〜30質量%、好ましくは0.0003〜20質量%、さらに好ましくは0.002〜10質量%、そしてさらに好ましくは0.01〜7質量%である。
【0028】
該甘味料は、炭水化物甘味料、若しくは炭水化物甘味料の混合物、若しくは非炭水化物甘味料、若しくは非炭水化物甘味料の混合物、又は炭水化物及び非炭水化物甘味料の混合物でありうる。
該製品中の炭水化物甘味料の量は、0.1〜30質量%、好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%、そして最も好ましくは2〜7質量%でありうる。該製品中の該非炭水化物甘味料の量は、0.00005〜0.08質量%、好ましくは0.0003〜0.05質量%、さらに好ましくは0.002〜0.02質量%、そして最も好ましくは0.01〜0.02質量%でありうる。
【0029】
本発明に従って、該食用製品中の該甘味料の量を、レギュラー製品と比較して、5%〜99%、好ましくは10%〜75%、さらに好ましくは10%〜50%、そして最も好ましくは15%〜30%、減量することができる。
本発明の好ましい実施形態では、低粘度の食用製品中で該味覚を改善する。本発明に従う該食用製品の粘度(B型(brookfield)粘度計、対象製品の一般的用途の温度において測定されたずり速度、21/秒)は、好ましくは0.001Pas〜2.0Pas、さらに好ましくは0.002Pas〜1.5Pas、さらにいっそう好ましくは0.002Pas〜1.0Pas、さらにいっそう好ましくは0.002〜0.5Pas、そして最も好ましくは0.004Pas〜0.5Pasである。
【0030】
該添加成分である、植物ステロールエステルの使用により、該食用製品の栄養学的特性を改良することができる。好ましくは、該植物ステロールは、脂肪酸と、さらに好ましくは、高含量のモノ不飽和又はポリ不飽和の脂肪酸を有する植物油から誘導された脂肪酸とエステル化される。従って、レギュラー製品と比較して、該食用製品の脂肪酸プロフィールを改良することも可能である。本発明の好ましい実施形態では、トリグリセリド脂肪の一部を植物ステロールエステルで置換すると、該食用製品の該脂肪酸組成を改良又は保持することができる。これは、該添加成分を理由として、飽和脂肪の量は、必然的には増えないことを意味する。
【0031】
さらに、該製品中で、ステロールエステルがトリグリセリド脂肪と置換すると、最終食用製品中の吸収性脂肪の量を減らすことが可能である。さらに、いずれのトリグリセリド脂肪も植物ステロールエステルで置換されていない同様の製品と比較して、低吸収性脂肪含量を達成することができる。この理由は、該植物ステロール脂肪酸エステルの該ステロール部分が実質的に非吸収性であり、該食用製品の吸収性脂肪含量又はエネルギーを増加させないからである。これは、多量の甘味料及び他の炭水化物を含む類似製品よりもさらに吸収性脂肪を含むことが多い、いわゆる「ローカーブ」製品において特に有用である。従って、本発明に従う該植物ステロールエステルを用いて、甘味料と吸収性脂肪との両方の量を減らした健康的な「ローカーブ」製品を処方することができる。
【0032】
血清総及び/又はLDLコレステロール濃度を減らすのに好適であるため、本発明の実施形態は、本発明に従う該製品が、より健康的であることであることも好ましい。
本発明の実施形態では、該製品に植物ステロールエステルを用いることで、低エネルギー含量を達成することが好ましい。というのは、苦味、酸味及び/又は渋味の強度を増加させることなく、そして該製品の甘味感を減らすことなく脂肪及び/又は甘味料の量を減らすことができるからである。
本発明の実施形態では、本発明の方法を用い、糖又は他の甘味料の添加と比較して、多くの用途でより良い舌触り及びマウスフィール特性を得られることが好ましい。
【0033】
本発明の実施形態では、一定の食品の苦味をマスクすることが好ましい。本発明に従う該食品には、大豆ベース製品、穀類又は穀物ベース製品、発酵製品、かんきつ類又は他のフルーツベース製品、ベリー製品、野菜製品、コーヒー、ティー又はココアベース製品、スープ、ドリンク及びミール・リプレイスメント製品及びそれらの任意の組み合わせ又はソースが含まれることが好ましい。これらの食品の典型的な例には、コーヒー、ココア、ティー並びに大豆及び穀類ベースドリンクが含まれる。また、異種のフルーツ及び野菜ジュース、ネクター、ジャム及び濃厚なジュースが、該食品の典型的な例である。
【0034】
本発明の好ましい実施形態は、ある一定の食品の酸味をマスクすることである。好ましくは、本発明に従う該食品には、大豆ベース製品、穀類又は穀物ベース製品、発酵製品、かんきつ類又は他のフルーツベース製品、ベリー製品、野菜製品、スープ、ドリンク及びミール・リプレイスメント製品並びにそれらの任意の組み合わせ又はソースが含まれる。これらの食品の典型例には、大豆又は穀類ベースドリンク、デザート、アイスクリーム及びヨーグルトが含まれる。また、異種のフルーツ及び野菜ジュース、ネクター、ジャム及び濃厚なジュースが、該食品の典型例である。
【0035】
本発明の好ましい実施形態は、一定の栄養補助食品及び/又は医薬の苦味、酸味及び/又は渋味をマスクすることである。該栄養補助食品及び/又は医薬には、飲料に適し、そして低粘度の製品が含まれることが好ましい。本発明に従う医薬の典型例は、液体咳止め薬であり、そして栄養補助食品に関する例は、液体植物エキスである。
本発明の実施形態では、レギュラー製品と比較して、該甘味料の量が少ないことが好ましい。
【0036】
従って、本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%と、糖及び/又は他の炭水化物甘味料を0.5〜8.0質量%、好ましくは0.6〜5.0質量%とを含む穀類乳ベースドリンクであることが好ましい。
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%と、非炭水化物甘味料を0.00005〜0.05質量%、好ましくは0.0003〜0.04質量%、さらに好ましくは0.002〜0.02質量%とを含む穀類乳ベースドリンクであることが好ましい。
【0037】
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%と、糖及び/又は他の炭水化物甘味料を0.2〜8.0質量%、好ましくは0.2〜5.0質量%とを含むミルクベースのココアドリンクであることが好ましい。
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%と、非炭水化物甘味料を0.00005〜0.05質量%、好ましくは0.0003〜0.04質量%、さらに好ましくは0.002〜0.02質量%とを含むミルクベースのココアドリンクであることが好ましい。
【0038】
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜7.0質量%、好ましくは0.2〜5.0質量%、さらに好ましくは0.5〜2.0質量%と、糖及び/又は他の炭水化物甘味料を0.1〜6.5質量%、好ましくは0.5〜5.5質量%とを含むミルクベースのコーヒードリンクであることが好ましい。
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜7.0質量%、好ましくは0.2〜5.0質量%、さらに好ましくは0.5〜2.0質量%と、非炭水化物甘味料を0.00005〜0.05質量%、好ましくは0.0003〜0.04質量%、さらに好ましくは0.002〜0.02質量%とを含むミルクベースのコーヒードリンクであることが好ましい。
【0039】
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%と、糖及び/又は他の炭水化物甘味料を0.1〜2.3質量%、好ましくは0.2〜2.0質量%、さらに好ましくは0.3〜1.2質量%とを含む豆乳ベースドリンクであることが好ましい。
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%と、非炭水化物甘味料を0.00005〜0.05質量%、好ましくは0.0003〜0.04質量%、さらに好ましくは0.002〜0.02質量%とを含む豆乳ベースドリンクであることが好ましい。
【0040】
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%と、糖及び/又は他の炭水化物甘味料を0.1〜9.0質量%、好ましくは0.2〜7.0質量%、さらに好ましくは0.5〜5.0質量%とを含む大豆ベースのフルーツ及び/又はフレーバードリンクであることが好ましい。
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%と、非炭水化物甘味料を0.00005〜0.05質量%、好ましくは0.0003〜0.04質量%、さらに好ましくは0.002〜0.02質量%とを含む大豆ベースのフルーツ及び/又はフレーバードリンクであることが好ましい。
【0041】
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%、さらに好ましくは0.5〜2.5質量%と、糖及び/又は他の炭水化物甘味料を0.1〜5.5質量%、好ましくは0.5〜4.5質量%とを含む大豆ベースのコーヒー又はココアドリンクであることが好ましい。
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%、さらに好ましくは0.5〜2.5質量%と、非炭水化物甘味料を0.00005〜0.05質量%、好ましくは0.0003〜0.04質量%、さらに好ましくは0.002〜0.02質量%とを含む大豆ベースのコーヒー又はココアドリンクであることが好ましい。
【0042】
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜7.0質量%、好ましくは0.2〜5.0質量%、さらに好ましくは0.5〜3.0質量%と、糖及び/又は他の炭水化物甘味料を0.5〜7.0質量%、好ましくは1.0〜6.0質量%とを含む乳清ベースドリンクであることが好ましい。
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜7.0質量%、好ましくは0.2〜5.0質量%、さらに好ましくは0.5〜3.0質量%と、非炭水化物甘味料を0.00005〜0.05質量%、好ましくは0.0003〜0.04質量%、さらに好ましくは0.002〜0.02質量%とを含む乳清ベースドリンクであることが好ましい。
【0043】
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜5.0質量%、好ましくは0.3〜4.0質量%と、糖及び/又は他の炭水化物甘味料を0.5〜19質量%、好ましくは1.0〜10質量%とを含むベリーベースドリンクであることが好ましい。
本発明の他の好ましい実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜5.0質量%、好ましくは0.3〜4.0質量%と、非炭水化物甘味料を0.00005〜0.05質量%、好ましくは0.0003〜0.04質量%、さらに好ましくは0.002〜0.02質量%含むベリーベースのドリンクである。
【0044】
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜5.0質量%、好ましくは0.3〜4.0質量%と、ショ糖を0.1〜7.5質量%、好ましくは0.3〜7.5質量%、さらに好ましくは0.3〜5.0質量%、そして最も好ましくは0.3〜4.0質量%とを含む果汁ベースドリンクであることが好ましい。
本発明の他の実施形態は、該製品中の総果汁の量に対して計算されたかんきつ類果汁を少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも75質量%、さらに好ましくは100%と、植物ステロールエステルを0.2〜5.0質量%、好ましくは0.3〜4.0質量%と、糖及び/又は他の炭水化物甘味料を0.2〜7.5質量%、好ましくは0.3〜5.0質量%、さらに好ましくは0.5〜4.0質量%とを含む果汁ベースドリンクであることが好ましい。
【0045】
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜5.0質量%、好ましくは0.3〜4.0質量%と、非炭水化物甘味料を0.00005〜0.05質量%、好ましくは0.00005〜0.03質量%、さらに好ましくは0.0001〜0.02質量%とを含む果汁ベースドリンクであることが好ましい。
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜8.0質量%、好ましくは0.3〜6.0質量%と、糖及び/又は他の炭水化物甘味料を0.5〜6.0質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%、さらに好ましくは0.5〜4.0質量%とを含むヨーグルト又はヨーグルトドリンク等の発酵乳製品であることが好ましい。
【0046】
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜8.0質量%、好ましくは0.3〜6.0質量%と、非炭水化物甘味料を0.00005〜0.08質量%、好ましくは0.0003〜0.05質量%、さらに好ましくは0.002〜0.02質量%とを含むヨーグルト又はヨーグルトドリンク等の発酵乳製品であることが好ましい。
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜12質量%、好ましくは0.5〜7.0質量%と、糖及び/又は他の炭水化物甘味料を0.5〜9.5質量%、好ましくは1.0〜8.0質量%とを含む穀類ベースのヨーグルト様製品であることが好ましい。
【0047】
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜12質量%、好ましくは0.5〜7.0質量%と、非炭水化物甘味料を0.00005〜0.08質量%、好ましくは0.0003〜0.05質量%、さらに好ましくは0.002〜0.02質量%とを含む穀類ベースのヨーグルト様製品であることが好ましい。
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜12質量%、好ましくは0.5〜7.0質量%と、糖及び/又は他の炭水化物甘味料を0.5〜9.0質量%、好ましくは1.0〜8.0質量%とを含む大豆ベースのヨーグルト様製品であることが好ましい。
【0048】
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜12質量%、好ましくは0.5〜7.0質量%と、非炭水化物甘味料を0.00005〜0.08質量%、好ましくは0.0003〜0.05質量%、さらに好ましくは0.002〜0.02質量%とを含む大豆ベースのヨーグルト様製品であることが好ましい。
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜18質量%、好ましくは0.5〜12質量%と、糖及び/又は他の炭水化物甘味料を0.5〜7.0質量%、好ましくは0.5〜6.0質量%、さらに好ましくは0.8〜5.0質量%とを含むアイスクリーム様製品であることが好ましい。
【0049】
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜18質量%、好ましくは0.5〜12質量%と、非炭水化物甘味料を0.00005〜0.08質量%、好ましくは0.0003〜0.05質量%、さらに好ましくは0.002〜0.02質量%とを含むアイスクリーム様製品であることが好ましい。
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%と、糖及び/又は他の炭水化物甘味料を0.5〜6.5質量%、好ましくは0.5〜6.0質量%、さらに好ましくは0.8〜5.0質量%とを含むミール・リプレイスメント液体製品であることが好ましい。
【0050】
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%と、非炭水化物甘味料を0.00005〜0.05質量%、好ましくは0.0003〜0.04質量%、さらに好ましくは0.002〜0.02質量%とを含むミール・リプレイスメント液体製品であることが好ましい。
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜5.0質量%、好ましくは0.3〜4.0質量%と、糖及び/又は他の炭水化物甘味料を0.5〜17質量%、好ましくは1.3〜12質量%、最も好ましくは2.0〜8.0質量%とを含むティーベースドリンクであることが好ましい。
【0051】
本発明の他の実施形態は、植物ステロールエステルを0.2〜5質量%、好ましくは0.3〜4.0質量%と、非炭水化物甘味料を0.00005〜0.05質量%、好ましくは0.0003〜0.04質量%、さらに好ましくは0.002〜0.02質量%とを含むティーベースドリンクであることが好ましい。
【0052】
本発明のさらに他の目的は、食用製品の苦味、酸味及び/又は渋味をマスクする方法を提供するものであり、該プロセスは、レギュラー製品中に存在する量より少ない量の甘味料と、0.2〜25質量%の量の植物ステロールエステルとを、苦味、酸味及び/又は渋味を有する該食用製品中に導入することを含む。該製品の苦味、酸味及び/又は渋味成分に、別個にコーティングを調製することなく、該植物ステロールエステルを任意の好適な手段で該食用製品中に導入する。該植物ステロールエステルは、該食用製品を生産するために用いられる一般的工程の一部として該食用製品中に導入され、好ましくは、該食用製品中にトリグリセリドを添加する公知技法を用いて添加される。植物ステロールエステルを添加するために、該方法は、溶媒、さらに乾燥段階を用いることも含まない。
【0053】
本発明のさらに他の目的は、低炭水化物含量の食用製品の調製法を提供することであり、該方法は、0.2〜25質量%の植物ステロールエステル量と、レギュラー製品中に存在する量より少ない量の炭水化物甘味料とを、該食用製品に添加することを含む。公知の手段で、該植物ステロールエステルを該食用製品に添加し、そしてレギュラー製品と比較して、該食用製品中の糖及び/又は他の炭水化物甘味料(一または複数)の含量を減少させる。
【0054】
本発明のさらなる態様では、該製品の苦味、酸味及び/又は渋味をマスクするために該食用製品中で用いられる甘味料の一部の置換に関して、食用製品中で、0.2〜25質量%の植物ステロールエステル量を使用する。
本発明の該食用製品には、安定剤、乳化剤、着色剤及び栄養素(例えばビタミン及び/又はミネラル)等の随意選択的成分も含まれうる。
【0055】
下記例を、本発明をさらに具体的に説明するためのみに提示し、そして特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を制限することを意図していない。
【実施例】
【0056】
例1
官能試験
味覚を改良するために、一部のトリグリセリドを一定の食品に添加することが周知である。しかし、吸収性脂肪、特に飽和脂肪酸の量の増加は、栄養学の観点を考慮すると、特性として望ましいものではない。
該官能試験の目的は、苦味強度のマスキングにおいて、植物ステロールエステル及び植物油の効率を比較することにある。食品の官能試験において長い経験があるトレインドテイストパネル(trained taste panel)を用い、該試験を行った。植物ステロールエステルとして植物スタノール脂肪酸エステルを用い、そして植物油として菜種油を用いた。
【0057】
次の各マトリックス:
−マトリックスI 菜種油(8%)
グアールガム(0.7%)
−マトリックスII スタノール脂肪酸エステル(8%)
グアールガム(0.7%)
を用いて、効果を試験した。
下記の種々の量のカフェイン:0.02%;0.04%;0.06%を用いて、上述のマトリックスから試料を作成した。参照試料は、0%のカフェインを含んでいた。水を最大で100%添加し、そして該成分を60℃で混合し、均質化させた。
【0058】
複数の比較試験として、官能試験を実施した。この試験では、主部は、実際の試料と全くカフェインを含まない参照試料との比較である。それらの評価時に、該試料温度は50℃であった。該参照試料と比較して、15種の対象の苦味強度を評価した。この検討で用いられた階級は、0〜3(0=差なし、1=弱い差、2=明確な差、3=強い差)である。該結果を、表1に平均値として示す。
【0059】
【表1】

【0060】
該結果は、植物スタノールの脂肪酸エステルが、同量の菜種油を含む対照試料と比較して、該製品の苦味を減少させることを示している。
驚くべきことに、この官能試験では、植物スタノールエステルが、植物油よりも苦味のマスキングに有利であることが分かった。
【0061】
例2
官能試験
苦味をマスクするために、糖を一定の食品に添加することは周知である。しかし、糖量の増加は、栄養学の観点を考慮すると、望ましくない特性である。
該官能試験の目的は、苦味強度のマスキングにおいて、糖を用いて得られうる効果と比較した、植物ステロールエステルの能力を検討することにある。食品の官能試験において長い経験があるトレインドテイストパネルを用い、該試験を行った。
【0062】
次の各試料:
−試料I 豆乳(92.1%)
ショ糖(7.8%)
カフェイン(0.06%)
−試料II 豆乳(89.3%)
ショ糖(6.6%)
スタノール脂肪酸エステル(4.0%)
カフェイン(0.06%)
−試料III 豆乳(90.4%)
ショ糖(5.5%)
スタノール脂肪酸エステル(4.0%)
カフェイン(0.06%)
を用いて、効果を試験した。
【0063】
加熱及び均質化を用いる好適な装置を用いて、該試料を作成した。両側検定(two−tailed paired test)として、官能試験を実施した。この試験では、該主部は、試料II及び試料IIIと、該参照試料(I)とを比較した。
14種の対象について、該参照試料と比較して苦味強度を評価し、そして下記問題:
a)試料I又はIIのうち、どちらがより苦いか?
b)試料I又はIIIのうち、どちらがより苦いか?
を解決した。
【0064】
該材料では、試料I及び試料II;試料I及び試料IIIの苦味の間に差が全く認められなかった。
この官能試験において、我々は、植物スタノールエステルを該製品に添加したときに、ショ糖量を最大30%減量できることを示した。該官能試験群では、苦味をショ糖でマスクしたのか、それとも植物スタノールエステルでマスクしたものなのか、該製品間に差を認めることはできなかった。
【0065】
例3
官能試験
酸味をマスクするために、糖を一定の食品に添加することは周知である。しかし、糖量の増加は、栄養学の観点を考慮すると、特性として望ましいものではない。
該官能試験の目的は、酸味強度のマスキングにおいて、糖を用いて得られうる効果と比較した、植物ステロールエステルの能力を検討することにある。食品の官能試験において長い経験があるトレインドテイストパネルを用い、該試験を行った。
【0066】
次の各マトリックス:
−試料I 水(90.2%)
ペクチン(1.5%)
ショ糖(8.0%)
クエン酸(0.3%)
−試料II 水(87.6%)
ペクチン(1.5%)
ショ糖(6.6%)
スタノール脂肪酸エステル(4.0%)
クエン酸(0.3%)
−試料III 水(88.6%)
ペクチン(1.5%)
ショ糖(5.6%)
スタノール脂肪酸エステル(4.0%)
クエン酸(0.3%)
を用いて、効果を試験した。
【0067】
加熱及び均質化を用いる好適な装置を用いて、該試料を作成した。両側検定として、官能試験を実施した。この試験では、該主部は、試料II及び試料IIIと、該参照試料Iとを比較した。
15種の対象について、該参照試料と比較して酸味強度を評価し、そして下記問題:
a)試料I又はIIのうち、どちらがより酸味が強いか?
b)試料I又はIIIのうち、どちらがより酸味が強いか?
を解決した。
【0068】
該材料は、試料I及び試料II;試料I及び試料IIIの酸味の間に差が全く認められなかった。
この官能試験において、我々は、植物スタノールエステルを該製品に添加したときに、ショ糖量を最大30%減量することができることを示した。該官能試験群では、酸味をショ糖でマスクしたのか、それとも植物スタノールエステルでマスクしたものなのか、該製品間に差を認めることはできなかった。
例4〜22では、本発明に従う添加成分によって、一又は複数の甘味料量を減量することができる食品について、具体的に説明する。
【0069】
例4
豆乳ドリンク
無脂肪豆乳 93.3%
植物スタノール脂肪酸エステル 5.0%
ショ糖 1.7%
該豆乳ドリンクは、レギュラー製品よりもショ糖が30%少なかった。
【0070】
例5
大豆ベースのフルーツドリンク
水 82.1%
植物スタノール脂肪酸エステル 3.0%
濃縮果汁(未加糖) 6.0%
高果糖コーンシロップ 7.0%
分離大豆たんぱく質 1.8%
乳化剤 0.1%
該フレーバー大豆ベースドリンクは、レギュラー製品よりも甘味料が26%少なかった。
【0071】
例6
大豆ベースのコーヒードリンク
無脂肪豆乳 90.5%
ショ糖 5.0%
インスタントコーヒー 2.0%
植物スタノール脂肪酸エステル 2.5%
該豆乳コーヒーは、レギュラー製品よりも16%ショ糖が少なく、そしてショ糖量が少ないにもかかわらず、レギュラー製品と同様に該苦味及び渋味がマスクされた。
【0072】
例7
ココアドリンク
ミルク 91.9%
ショ糖 2.5%
植物ステロール脂肪酸エステル 3.0%
ココア 2.5%
乳化剤 0.1%
【0073】
該ココアドリンクは、レギュラー製品よりも、ショ糖が50〜75%少なかった。一般のココアドリンク中のショ糖:ココアの比は、約2:1〜約4:1である。植物スタノール脂肪酸エステルを含む該ココアドリンクでは、該ショ糖:ココアの比は、1:1であり、そして最も低糖のレギュラー製品と比較して、味覚を損なうことなく、ショ糖量を50%減量することができる。
【0074】
例8
ぶどう果汁
ぶどう果汁 98.3%
植物スタノール脂肪酸エステル 1.0%
ペクチン 0.7%
アスパルテーム 0.02%
該ぶどう果汁は、アステルパームで甘味をつけた一般のぶどう果汁よりも、アステルパームが37%少なかった。
【0075】
例9
クランベリージュース
クランベリージュース 82.5%
ショ糖 15.0%
植物スタノール脂肪酸エステル 1.8%
ペクチン 0.7%
該クランベリージュースは、レギュラー製品よりも25%ショ糖が少なく、そしてショ糖量が少ないにもかかわらず、レギュラー製品と同様に該酸味がマスクされた。
【0076】
例10
オレンジジュース
オレンジジュース 96.0%
植物スタノール脂肪酸エステル 1.8%
乳化剤 0.1%
安定剤 0.1%
ショ糖 2.0%
該オレンジジュースは、ショ糖で加糖した一般のオレンジジュースよりも、ショ糖が50%少なかった。
【0077】
例11
ヨーグルトドリンク
低温殺菌牛乳 86.8%
ショ糖 6.0%
植物スタノール脂肪酸エステル 1.0%
濃縮フルーツ/ベリージュース(非加糖) 6.0%
安定剤 0.2%
クエン酸ナトリウム
【0078】
該ヨーグルトドリンクを、一般的なヨーグルトドリンク調製方法で調製し、そしてビフィズス菌培養物で発酵させた。植物スタノール脂肪酸エステルを含む該ヨーグルトドリンクにおいて、ショ糖で加糖したレギュラー製品と比較して、該甘味料(ショ糖)の量は20%減少した。
【0079】
例12
ヨーグルト様製品
豆乳 75.5%
ストロベリージャム 20.0%(ショ糖を35%含む)
植物ステロール脂肪酸エステル 4.0%
ペクチン 0.5%
【0080】
該ヨーグルトを、一般的な大豆ヨーグルト調製法で調製し、そしてビフィズス菌培養物で発酵させた。該ストロベリージャム、従ってそれを用いて生産された該ヨーグルトは、レギュラー製品よりもショ糖が26%少なかった。ショ糖量が少ないにもかかわらず、レギュラー製品と同様に該製品の該苦味がマスクされた。
【0081】
例13
ヨーグルト様製品
オートミルク 74.0%
ストロベリージャム 20.0%(ショ糖を37%含む)
植物スタノール脂肪酸エステル 3.0%
オートブラン 2.5%
ペクチン 0.5%
該ヨーグルトを、一般的なヨーグルト調製法で調製し、そしてビフィズス菌培養物で発酵させた。該ストロベリージャム、従ってそれを用いて生産された該オートミルクヨーグルトは、レギュラー製品よりもショ糖が26%少なかった。
【0082】
例14
アイスクリーム様製品
大豆の水抽出物 81.3%
ショ糖 6.0%
植物スタノール脂肪酸エステル 12.0%
バニラ香味料 0.2%
安定剤(カラゲーニン、グアールガム、キサンタンガム)
0.5%
該アイスクリーム様製品は、レギュラー製品と比較して、ショ糖が25%少なかった。
【0083】
例15
ミール・リプレイスメント液体製品
下記成分:
豆乳、
果汁(オレンジ、バナナ、ストロベリー)、
植物ステロール脂肪酸エステル(4%)、
ショ糖(5%)、
ビタミン類、及び
ミネラル類、
のシェークドリンク(drink shake)用の状態のミール・リプレイスメント流動体を調製した。本発明に従う該添加成分のため、一般のミール・リプレイスメント製品中よりも、ショ糖量が28%少なかった。ショ糖量が少ないにもかかわらず、レギュラー製品と同様に該製品の該苦味及び渋味がマスクされた。
【0084】
例16
ミール・リプレイスメント液体ココアドリンク
水 83.5%
ココア 2.0%
大豆たんぱく質 6.0%
植物スタノール脂肪酸エステル 2.5%
グアールガム 2.0%
ショ糖 4.0%
該ミール・リプレイスメント液体ココアドリンクは、レギュラー製品と比較して、ショ糖の量が50%少なかった。
【0085】
例17
乳清ベースドリンク
乳清 84.7%
糖シロップ 6.0%
植物ステロール脂肪酸エステル 1.2%
濃縮フルーツ/ベリージュース(非加糖) 8%
カラゲーニン 0.1%
クエン酸ナトリウム
レギュラー製品と比較して、植物ステロール脂肪酸エステルを含む乳清ベースドリンクにおいて、ショ糖量を20%減少させた。
【0086】
例18
ヨーグルト
低温殺菌牛乳 85.2%
ショ糖 5.5%
植物スタノール脂肪酸エステル 1.0%
ストロベリー調剤(非加糖) 8%
安定剤 0.2%
クエン酸ナトリウム
着色剤(アントシアニン)
【0087】
該ヨーグルトを、一般的なヨーグルト調製法で調製し、そしてビフィズス菌培養物で発酵させた。植物スタノール脂肪酸エステルを含む該ヨーグルトにおいて、ショ糖で加糖したレギュラー製品と比較して、該ショ糖量は15%減少した。ショ糖量が少ないにもかかわらず、レギュラー製品と同様に該製品の該酸味がマスクされた。
【0088】
例19
ミルクベースのコーヒードリンク
ミルク(脂肪1.5%) 89.1%
ショ糖 6.0%
インスタントコーヒー 3.0%
植物スタノール脂肪酸エステル 1.8%
乳化剤 0.1%
クエン酸三カルシウム 0.015%
該ミルクコーヒーは、レギュラー製品よりもショ糖が12%少なく、そしてショ糖量が少ないにもかかわらず、レギュラー製品と同様に該苦味をマスクした。
【0089】
例20
ティードリンク
ティーベースドリンク 88.8%
植物スタノール脂肪酸エステル 1.0%
乳化剤 0.1%
安定剤 0.1%
ショ糖 10.0%
ショ糖で加糖した一般のティーベースドリンクよりも、該ティードリンクはショ糖が44%少なかった。
【0090】
例21
非炭水化物甘味料を用いて加糖したヨーグルト
低温殺菌スキムミルク 82.8%
植物スタノール脂肪酸エステル 2.0%
ストロベリー調剤(非加糖) 15%
安定剤 0.2%
アスパルテーム 0.02%
クエン酸ナトリウム
着色剤(アントシアニン)
【0091】
該ヨーグルトを一般的なヨーグルト調製法で調製し、そしてアシドフィルス菌、ブルガリア菌及びサーモフィルス菌培養物を用いて発酵させた。植物スタノール脂肪酸エステルを含むヨーグルトにおいて、アステルパームで甘味を加えたレギュラー製品と比較して、アステルパーム量は60%減少した。アステルパーム量を減少させたにもかかわらず、アステルパームで甘味を加えたレギュラー製品と同様に該酸味がマスクされた。
【0092】
例22
次の「ローカーブ」療法の人々用のミール・リプレイスメント液体製品
下記成分:
無乳糖スキムミルク、
ミルクカゼイン塩(2%、最大0.2%の乳糖を含む)、
ココア粉末(3%)、
植物ステロール脂肪酸エステル(2%)、
ショ糖(1%)、
グアールガム(0.5%)、
ビタミン類、及び
ミネラル類、
のシェークドリンク用の状態のミール・リプレイスメント流動体を調製した。本発明に従う該添加成分によって、一般のミール・リプレイスメント製品と比較して、ショ糖量が90%減少した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食用製品の苦味、酸味及び/又は渋味をマスクする甘味料を含む食用製品であって、該味覚をマスクする該甘味料の一部を置換するために、0.2〜25質量%の植物ステロールエステルをさらに含む該食用製品。
【請求項2】
甘味料の量がレギュラー製品と比較して少ない、該甘味料と0.2〜25質量%の植物ステロールエステルとを含む食用製品。
【請求項3】
該製品中の該植物ステロールエステル量が、0.5〜15質量%、好ましくは1〜10質量%である、請求項1又は2に記載の製品。
【請求項4】
該甘味料が、炭水化物甘味料若しくは非炭水化物甘味料又はそれらの混合物を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製品。
【請求項5】
該製品中の該炭水化物甘味料の量が、0.1〜30質量%、好ましくは0.5〜20質量%、さらに好ましくは1〜10質量%、そして最も好ましくは2〜7質量%であり、そして該製品中の非炭水化物甘味料の量が、0.00005〜0.08質量%、好ましくは0.0003〜0.05質量%、さらに好ましくは0.002〜0.02質量%、そして最も好ましくは0.01〜0.02質量%である、請求項4に記載の製品。
【請求項6】
該甘味料の量を、5〜99質量%、好ましくは10〜75質量%、さらに好ましくは10〜50質量%、そして最も好ましくは15〜30質量%減少させた、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製品。
【請求項7】
該植物ステロールエステルが、ステロール脂肪酸エステルである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の製品。
【請求項8】
該植物ステロールエステルが、植物スタノール脂肪酸エステルである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の製品。
【請求項9】
該製品の粘度が、0.001〜2.0Pas、好ましくは0.002〜1.5Pas、さらに好ましくは0.002〜1.0Pas、さらにいっそう好ましくは0.002〜0.5Pas、そして最も好ましくは0.004〜0.5Pasである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の製品。
【請求項10】
植物ステロールエステルを0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%と、炭水化物甘味料を0.5〜8.0質量%、好ましくは0.6〜5.0質量%とを含む穀類乳ベースドリンク。
【請求項11】
植物ステロールエステルを0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%と、炭水化物甘味料を0.2〜8.0質量%、好ましくは0.2〜5.0質量%とを含むミルクベースココアドリンク。
【請求項12】
植物ステロールエステルを0.2〜7.0質量%、好ましくは0.2〜5.0質量%、さらに好ましくは0.5〜2.0質量%と、炭水化物甘味料を0.1〜6.5質量%、好ましくは0.5〜5.5質量%とを含むミルクベースコーヒードリンク。
【請求項13】
植物ステロールエステルを0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%と、炭水化物甘味料を0.1〜2.3質量%、好ましくは0.2〜2.0質量%、さらに好ましくは0.3〜1.2質量%とを含む豆乳ベースドリンク。
【請求項14】
植物ステロールエステルを0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%と、非炭水化物甘味料を0.00005〜0.05質量%、好ましくは0.0003〜0.04質量%、さらに好ましくは0.002〜0.02質量%とを含む豆乳ベースドリンク。
【請求項15】
植物ステロールエステルを0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%と、炭水化物甘味料を0.1〜9.0質量%、好ましくは0.2〜7.0質量%、さらに好ましくは0.5〜5.0質量%とを含む大豆ベースのフルーツ及び/又はフレーバードリンク。
【請求項16】
植物ステロールエステルを0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%と、非炭水化物甘味料を0.00005〜0.05質量%、好ましくは0.0003〜0.04質量%、さらに好ましくは0.002〜0.02質量%とを含む大豆ベースのフルーツ及び/又はフレーバードリンク。
【請求項17】
植物ステロールエステルを0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%、さらに好ましくは0.5〜2.5質量%と、炭水化物甘味料を0.1〜5.5質量%、好ましくは0.5〜4.5質量%とを含む大豆ベースのコーヒー又はココアドリンク。
【請求項18】
植物ステロールエステルを0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%、さらに好ましくは0.5〜2.5質量%と、非炭水化物甘味料を0.00005〜0.05質量%、好ましくは0.0003〜0.04質量%、さらに好ましくは0.002〜0.02質量%とを含む大豆ベースのコーヒー又はココアドリンク。
【請求項19】
植物ステロールエステルを0.2〜7.0質量%、好ましくは0.2〜5.0質量%、さらに好ましくは0.5〜3.0質量%と、炭水化物甘味料を0.5〜7.0質量%、好ましくは1.0〜6.0質量%とを含む乳清ベースドリンク。
【請求項20】
植物ステロールエステルを0.2〜5.0質量%、好ましくは0.3〜4.0質量%と、炭水化物甘味料を0.5〜19質量%、好ましくは1.0〜10質量%とを含むベリーベースドリンク。
【請求項21】
植物ステロールエステルを0.2〜5.0質量%、好ましくは0.3〜4.0質量%と、ショ糖を0.1〜7.5質量%、好ましくは0.3〜7.5質量%さらに好ましくは0.3〜5.0質量%、そして最も好ましくは0.3〜4.0質量%とを含む果汁ベースドリンク。
【請求項22】
製品中の総果汁量に対して計算されたかんきつ類果汁を少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも75質量%、さらに好ましくは100質量%と、植物ステロールエステルを0.2〜5.0質量%、好ましくは0.3〜4.0質量%と、炭水化物甘味料を0.2〜7.5質量%、好ましくは0.3〜5.0質量%、さらに好ましくは0.5〜4.0質量%とを含む果汁ベースドリンク。
【請求項23】
植物ステロールエステルを0.2〜5.0質量%、好ましくは0.3〜4.0質量%と、非炭水化物甘味料を0.00005〜0.05質量%、好ましくは0.00005〜0.03質量%、さらに好ましくは0.0001〜0.02質量%とを含む果汁ベースドリンク。
【請求項24】
植物ステロールエステルを0.2〜8.0質量%、好ましくは0.3〜6.0質量%と、炭水化物甘味料を0.5〜6.0質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%、最も好ましくは0.5〜4.0質量%とを含むヨーグルト又はヨーグルトドリンク等の発酵乳製品。
【請求項25】
植物ステロールエステルを0.2〜8.0質量%、好ましくは0.3〜6.0質量%と、非炭水化物甘味料を0.00005〜0.08質量%、好ましくは0.0003〜0.05質量%、さらに好ましくは0.002〜0.02質量%とを含むヨーグルト又はヨーグルトドリンク等の発酵乳製品。
【請求項26】
植物ステロールエステルを0.2〜12質量%、好ましくは0.5〜7.0質量%と、炭水化物甘味料を0.5〜9.5質量%、好ましくは1.0〜8.0質量%とを含む穀類ベースヨーグルト様製品。
【請求項27】
植物ステロールエステルを0.2〜12質量%、好ましくは0.5〜7.0質量%と、炭水化物甘味料を0.5〜9.0質量%、好ましくは1.0〜8.0質量%とを含む大豆ベースヨーグルト様製品。
【請求項28】
植物ステロールエステルを0.2〜12質量%、好ましくは0.5〜7.0質量%と、非炭水化物甘味料を0.00005〜0.08質量%、好ましくは0.0003〜0.05質量%、さらに好ましくは0.002〜0.02質量%とを含む大豆ベースヨーグルト様製品。
【請求項29】
植物ステロールエステルを0.2〜18質量%、好ましくは0.5〜12質量%と、炭水化物甘味料を0.5〜7.0質量%、好ましくは0.5〜6.0質量%、さらに好ましくは0.8〜5.0質量%とを含むアイスクリーム様製品。
【請求項30】
植物ステロールエステルを0.2〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%と、炭水化物甘味料を0.5〜6.5質量%、好ましくは0.5〜6.0質量%、さらに好ましくは0.8〜5.0質量%とを含むミール・リプレイスメント液体製品。
【請求項31】
植物ステロールエステルを0.2〜5.0質量%、好ましくは0.3〜4.0質量%と、炭水化物甘味料を0.5〜17質量%、好ましくは1.3〜12質量%、最も好ましくは2.0〜8.0質量%とを含むティーベースドリンク。
【請求項32】
レギュラー製品中に存在する量より少ない量の甘味料と、0.2〜25質量%の植物ステロールエステル量とを、苦味、酸味及び/又は渋味を有する食用製品中に導入することを含む、食用製品の苦味、酸味及び/又は渋味をマスクする方法。
【請求項33】
0.2〜25質量%の植物ステロールエステル量と、レギュラー製品中に存在する量より少ない量の炭水化物甘味料とを食用製品に添加することを含む、低炭水化物含量を有する食用製品の調製方法。
【請求項34】
製品の苦味、酸味及び/又は渋味のマスクするために食用製品中で用いられる甘味料の一部の置換に関して、0.2〜25質量%の量における該食用製品中での植物ステロールエステルの使用。

【公開番号】特開2012−191944(P2012−191944A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−134911(P2012−134911)
【出願日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【分割の表示】特願2006−505645(P2006−505645)の分割
【原出願日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(500511464)
【Fターム(参考)】