説明

茄子包装体

【課題】 余分な包装材料を用いることなく、箱の内側に青果物等の内容物を引き立てる色彩を付与することが可能な着色防湿段ボール箱によって青果物を包装した包装体を提供する。
【解決手段】 箱の内面に合成樹脂エマルジョンとアスペクト比が5以上の平板状顔料を主成分とする防湿塗工層を有する防湿段ボール箱を用いて茄子を包装してなる包装体であって、前記段ボール箱の内面の防湿塗工層がアスペクト比1〜3で平均粒径5〜15μmの粒状顔料と固形分比率が0.5〜10質量%である着色顔料を含有する青紫色又は青色を呈する着色防湿塗工層であることを特徴とする、茄子包装体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に青果物包装用に用いられる着色防湿段ボール箱を用いた茄子包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主として青果物包装用として防湿段ボール箱が用いられていた。防湿段ボール箱とは、段ボール箱の少なくとも片方の表面に防湿層を設けたものであり、防湿層の青果物の蒸散抑制作用によって、鮮度保持効果を有するものである。
上記防湿性を付与する方法として、段ボールライナ表面にポリエチレンなどの熱可塑性合成樹脂フィルムをラミネートしたものが知られている。
しかし、このような段ボールは、古紙として回収し、パルプの原料として再利用するのが困難であり、その大部分が産業廃棄物として埋立、焼却処分せざるを得ないのが現状である。
【0003】
そのため、近年資源リサイクルの気運が醸成されるにつれ、防水機能を有すると共に、使用後に古紙パルプの原料となり、リサイクル利用が可能な種々の段ボールが提案されている。
例えば、特公平2−1671号公報(特許文献1)は、段ボールの表面に合成樹脂エマルジョンとワックスエマルジョンを塗工して防水層を形成したものであり、防水性と離解性を両立させたとするものである。
しかし、このような段ボールを原料古紙として使用した場合、ワックスに起因するピッチトラブル、紙表面へのしみの発生等のトラブルが発生する。また、例えばライナ原紙を製造した場合、ライナ表面が滑りやすくなるという問題が発生する。また、中芯原紙を製造した場合は、ライナとの接着時に接着不良を起こしやすくなるといった問題が発生する。
【0004】
そこで、上記の問題を解決する防湿段ボールの技術としては、特開平10−194326号公報(特許文献2)、特願2001−187519号(特開2003−3394号公報:特許文献3)が存在する。
これらの技術は、段ボールシート表面に、合成樹脂エマルジョンと平板顔料を主成分のする防湿層を形成することにより、透湿度を10〜500g/m・24hr(一般段ボールシートは1000〜3000g/m・24hr)とするものである。
【0005】
これらは、フィルムを用いないので容易に離解可能であり、ワックスレスであるため、ワックスに起因するピッチトラブルや、再生した紙表面へのしみの発生等のトラブルが発生せずリサイクル性に優れたものである。
【0006】
ところで、通常青果物用等の段ボールの外面には印刷が施されている。その印刷には単に内容物の種類、数量、産地、品質等を示すのみならず、広告・宣伝効果や、美粧性によって内容物の商品価値を高める役割を果たしているが、近年、陳列時における商品の見栄えを良くして商品価値を高めるために、段ボール箱の内側を商品を引き立てる色合いに着色することが求められている。
しかし、青果物等の鮮度保持用の防湿段ボール箱は、少なくとも片方の表面(通常箱の内側面)に防湿層が設けられているため、片面に印刷層を設けた場合、防湿層であるもう片面は着色することが困難であった。
そこで、箱の内部に色彩を必要とする場合には、段ボール箱内部に、着色されたワックス含浸紙等のシート状の包材あらかじめ敷いておき、青果物等の内容物を包むことが広く行われている。例えば茄子の包装の際にはあらかじめ段ボール箱内に紫色等に着色されたワックス含浸紙を敷いて茄子を入れて包み、段ボール箱を封絨する方法が取られていた。
しかし、この方法では包装資材が余計に必要となり、手間がかかる上コスト的にも問題となっていた。
【特許文献1】特公平2−1671号公報
【特許文献2】特開平10−194326号公報
【特許文献3】特開2003−3394号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、余分な包装材料を用いることなく、箱の内側に青果物等の内容物を引き立てる色彩を付与することができる着色防湿段ボール箱が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の包装体の構成をとる。
即ち、本発明は、箱の内面に合成樹脂エマルジョンとアスペクト比が5以上の平板状顔料を主成分とする防湿塗料を塗工した防湿塗工層を有する防湿段ボール箱を用いて青果物を包装した包装体であって、前記防湿塗工層が、アスペクト比1〜3で平均粒径5〜15μmの粒状顔料と、固形分比率が0.5〜10質量%である着色顔料を含有する、青果物の内容物を引き立てる色彩が付与されている着色防湿塗工層であることを特徴とする、青果物包装体である。
【0009】
また、本発明の第2は、防湿塗工層中に含有される粒状顔料の固形分比率が3〜15質量%である、本発明の第1に記載の青果物包装体である。
【0010】
また、本発明の第3は、着色防湿塗工層が、青紫色又は青色の着色防湿塗工である、本発明の第1〜2に記載の青果物包装体である。
【0011】
また、本発明の第4は、本発明の第1〜3記載の着色防湿段ボール箱で茄子を包装した茄子包装体である。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、余分な包装材料を用いることなく、箱の内側に青果物等の内容物を引き立てる色彩を付与することが可能な着色防湿段ボール箱によって青果物を包装した包装体を提供することが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明は、合成樹脂エマルジョンと、アスペクト比が5以上の平板状顔料と、アスペクト比1〜3で平均粒径5〜15μmの粒状顔料と、固形分比率が0.5〜10質量%である着色顔料を配合した防湿塗料による塗工層を箱の内面に設けた着色防湿段ボール箱を用いて青果物の内容物を引き立てる色彩を付与した青果物包装体である。
【0014】
本発明における平板状顔料は、アスペクト比が5以上のものを指し、アスペクト比10以上のものが更に好適に用いられる。
アスペクト比が5未満の顔料は平板性が不足しているため、塗工時に塗工面に対して平行に配向できなくなるため、優れた防湿性を得ることができない。アスペクト比は大きいほど平板状顔料の塗工層中における層数が多くなるため、高い防湿性能を発揮する。
【0015】
具体的な平板状顔料としては、フィロケイ酸塩化合物(層状構造を有する層状ケイ酸塩化合物)が挙げられる。フィロケイ酸塩化合物に属するものは、板状又は薄片状であって明瞭な劈開を有し、雲母族、パイロフィライト、タルク(滑石)、緑泥石、セブテ緑泥石、蛇紋石、スチルプノメレーン、粘土鉱物がある。これらの中でも雲母族、タルクが好ましい。雲母族には、白雲母(マスコバイト)、絹雲母(セリサイト)、金雲母(フロコパイト)、黒雲母(バイオタイト)、フッ素金雲母(人造雲母)、紅マイカ、ソーダマイカ、
バナジンマイカ、イライト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリトル雲母などが挙げられる。
これらのフィロケイ酸塩化合物のうち、白雲母、金雲母又は絹雲母が粒子径の大きさ、アスペクト比などの点から更に好適である。
【0016】
本発明で好適に用いられる平板状顔料の平均粒子径は1〜100μm、更に好ましくは5〜50μmである。
平均粒子径が5μm未満の平板状顔料は、塗工層中での平板状顔料の配向が支持体に対して平行になりにくく、50μm以上になると平板状顔料の一部が塗工層から突き出たり、平板状顔料の厚みが数μm程度となるに伴い、配向した平板状顔料の塗工層中における層数が少なくなってしまうために防湿性能向上効果が減少する。
【0017】
本発明の合成樹脂エマルジョンに用いられる合成樹脂としては、スチレン−ブタジエン系共重合体、アクリル−スチレン系共重合体、メタクリレート−ブタジエン系共重合体、アクリルニトリル−ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ポリエステル系共重合体、ポリウレタン系共重合体などが挙げられる。これらの中でもスチレン−ブタジエン系共重合体が好適である。
【0018】
スチレン−ブタジエン系共重合体(SBR)は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレンなどの芳香族ビニル化合物と、ブタジエン、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどの共役ジエン化合物、及びこれらと共重合可能なその他の化合物からなる単量体を乳化重合することによって得られる共重合ラテックスである。
芳香族ビニル化合物としてはスチレン、また、共役ジエン化合物としては1,3−ブタジエンが好適である。
合成樹脂のガラス転移温度(Tg)、粒子径、ゲル分率(溶媒としてテトラヒドロフランを用いた時の不溶部分の重量)、分子量などは、特に限定されないが、一般的にTgは−10℃から40℃、より好ましくは−5℃〜35℃、粒子径50〜500nm、ゲル分率は10〜90%、特に離解性を向上させたい場合は90%以上が好適である。
また、本発明に使用する「平板状顔料:合成樹脂」の配合(固形分重量)比率は30:70〜70:30、好ましくは35:65〜60:40である。
平板状顔料が30%未満の場合には、合成樹脂が多く存在するため、十分な離解性が得られない。平板状顔料が70%を越えた場合には、塗料の皮膜状態が悪化し、十分な防湿性が得られない。
【0019】
本発明における防湿塗料の防湿効果を高めるためには、カップリング剤を使用することが好ましい。
このようなカップリング剤としては、親水基部分にSiを含むシランカップリング剤、親水基部分にTiを含むチタネートカップリング剤、親水基部分にAlを含むアルミニウムカップリング剤等が挙げられる。
このようなカップリング剤には、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、イソプロピルトリ(N−アミノエチルアミノエチル)チタネートなどが挙げられる。
【0020】
カップリング剤の構造は、フィロケイ酸塩化合物等の平板状顔料のような無機化合物と相互作用する親水基と、樹脂のような有機化合物と相互作用する疎水基に大別され、特にその親水基部分はTi、A1等の金属元素やSiに結合したアルコキシ基を加水分解して得られる。
一方、カップリング剤の疎水基部分については、疎水基部分が有機オリゴマーである場合、無機化合物表面に高分子有機質の被膜を形成し、表面を完全に疎水化して樹脂マトリックスとの接着性を高める効果がある。また、疎水基部分がエポキシ基、ビニル基、アミノ基等の反応性有機官能基を有する場合、その官能基と樹脂マトリックスの反応性官能基とが架橋し、より一層樹脂マトリソクスとの接着性が高まる。
【0021】
こうしたカップリング剤により、平板状顔料をインテグラルブレンド法や前処理法などで表面処理して使用する。
インテグラルブレンド法は平板状顔料と合成樹脂ラテックスを含む塗料にカップリング剤を直接添加する方法である。
また、前処理法はあらかじめ平板状顔料をカップリング剤で処理する方法である。カップリング剤の添加量は平板状顔料100質量部に対して0.1〜5質量部、好ましくは0.5〜2質量部である。添加量が0.1質量部未満の場合、カップリング剤による平板状顔料表面の被覆が不十分となるため好ましくなく、5質量部を越える場合、カップリング剤の効果が頭打ちとなるため不経済である。
【0022】
本発明で使用する着色顔料としては食品添加物、又は食品包装材料に添加されることが認可されているものが好適に用いられる。また、塗工層中に含有する着色顔料は、固形分比率で0.5〜10質量%であることがさらに好ましい。
【0023】
なお、本発明の着色防湿層は、アスペクト比3以下であって、平均粒子径5〜15μmである粒状顔料を含有することが更に望ましい。
本発明で用いるアスペクト比3以下の粒状顔料は、防湿塗料に配合することで、塗工層表面に前記顔料を露出させて粗面化し、塗工層表面とカレンダーロール表面との接触面積を小さくして防湿塗料のオンマシン塗工時のカレンダー表面への粘着を防止するものである。
また、前記粒状顔料のアスペクト比の範囲は3〜1、更に望ましくは2〜1の様に1にできるだけ近い形状であることが更に望ましい。アスペクト比が3を越えた場合には、防湿層の塗工表面に顔料が露出せず、防湿層の粘着防止効果が得られないという問題が発生するおそれがある。
【0024】
また、前記粒状顔料の平均粒子径は5〜15μmの範囲が望ましい。平均粒子径が5μm未満の場合は、塗工面に粒状顔料が十分露出せず、塗工面とマシンカレンダー部との接触面積が大きくなるため、粘着防止効果を得ることが困難である。
また15μmを越えた場合は、防湿層の塗工面の表面性が悪化し、防湿性が低下するおそれがある。
【0025】
また、前記粒状顔料は、塗料中全固形分に対して、3〜15質量%配合することが望ましい。3質量%未満の場合には、粒状顔料の量が少なすぎるため、マシンカレンダーにおける粘着防止効果が十分に得られない恐れがある。また、15質量%を越えた場合には、防湿層の塗工層の表面性が悪化し、防湿性が低下するおそれがある。
なお、粒状顔料はマシンカレンダーの熱圧より塗工面を保護するものであることから、それ自体耐熱性を有するものであることが望ましい。
具体的にこのような粒状顔料としては、炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、シリカ、クレー等が使用できる。特に重質炭酸カルシウムが好適に用いられる。
【0026】
なお、本発明における平均粒子径とは、レーザー回折法で測定したものである。またアスペクト比とは、前記平均粒子径を板状粒子の平均厚さで割った値である。レーザー回折法による粒子径測定は、島津製作所製「レーザー回折式粒度分布測定装置SALD2000J」等により測定できる。
【0027】
以上の材料を混合して着色防湿塗料とするが、この時に必要であれば、ポリカルボン酸などの分散剤、消泡剤、界面活性剤を添加したりすることができる。
【0028】
このようにして調製した着色防湿塗料は、オンマシン上の塗工設備で塗工することが’可能である。即ち、ライナ原紙を抄造する抄紙機のドライヤーパートとカレンダーパートの間に塗工設備を設けて前記塗工設備によって防湿塗料を塗工するものである。
本発明で使用可能な塗工設備としては特に限定はなく、公知のものが任意に採用できるが、ブレードコーター、バーコーター、エアナイフコーター等、塗工表面をスクレイプする塗工方式が、平板状顔料の配向を促す傾向があるので更に好ましい。
また、この防湿塗料のライナへの塗工量は、片面当たり固形分として、5〜35g/m、更に好ましくは7〜30g/mである。
このようにオンマシンにより本発明の防湿塗料を塗工し、通常110〜150℃で30秒〜120秒間乾燥された防湿ライナは、マシンカレンダー(通常線圧約10〜30kg/cm)通過時に、防湿塗料による粘着トラブルを起こさないため通常通り操業可能である。
【0029】
本発明で使用されるライナ原紙としては、通常使用されるライナ原紙が任意に使用できるが、より耐水性を付与するためには、耐水化剤を配合して抄紙するか、又は抄紙機における乾燥前に耐水化剤を含浸させる等の方法で得られた耐水ライナ原紙を使用することも可能である。
なお、本発明における防湿ライナの透湿度は、JIS Z0208カップ法(B法)で測定して10〜500g/m・24hr、更に好ましくは15〜350g/m・24hrである。
【0030】
前述のようにして得られた着色防湿ライナを使用して、着色防湿段ボールシートを作成する。
段ボールシートを製造するにはライナ原紙と中芯原紙との貼合が必要となるが、貼合はコルゲータと呼ばれる段ボールシート製造装置で行われる。
コルゲータは、主として、ライナ原紙と中芯原紙を貼合するSF部と、SF部で貼合した片段ボールシートの中芯側に更にライナ原紙を貼合するDF部とから構成される。コルゲータにおける貼合時に段ボールシートはSF部のプレスロール部で温度150〜200℃、線圧20〜40kg/cm、加圧時間0.01〜0.20秒、DF部の熱盤部分で温度150〜200℃、線圧0.3kg/cmという条件で貼合されるが、本発明の防湿ライナ原紙は、塗工層表面に粒状顔料が露出し粗面化されているので、コルゲータのプレスロール及び熱盤との塗工面の接触面積が少なく、耐熱性を有するため、塗工面のプレスロールや熱盤への融着トラブルが発生せず、通常のライナ原紙と全く同様に製造することができる。
着色防湿段ボールシート製造の際には、片面に着色防湿層を設けた着色防湿ライナを使用し、塗料の非塗工面側に、中芯原紙をコルゲータにより貼合するものである。
また、着色防湿ライナは、段ボールシートのSF側とDF側両面のライナとして用いることができる。また、どちらか片方のライナとして用い、他方は一般のライナを使用することも可能である。
【0031】
このようにして得られた着色防湿段ボールシートは、フレキソフォルダーグルアー(FFG)により印刷と打ち抜き及びグルー糊付けを行い、着色防湿段ボール箱を製造することができる。
なお、本発明においては、片側表面にのみ着色防湿層を有する着色段ボールシートを使用し、前記着色防湿層が、箱内側面となるように製函することが、更に望ましい。
【実施例】
【0032】
本発明を下記の実施例により、更に詳しく説明する。
<実施例1>
SBRラテックス(HOJ4027、固形分48%:目本ゼオン製)を100質量部、白雲母(マイカA21、平均粒子径22μm、アスペクト比20〜30:山口雲母工業所製)50質量部、アミノシランカップリング剤(KBM603、有効成分98%以上:信越化学工業製)0.5質量部、重質炭酸カルシウム(BF300、平均粒子径8μm、アスペクト比1〜2:備北粉化工業製)5質量部、着色顔料(SA青紫#800:御国色素製)5質量部の配合で塗料を調製した。
次に、220g/mのライナ原紙(NRK220:王子製紙製)を基材とし、前記塗料をメイヤーバーで乾燥後の塗工量が8g/mとなるように基材表面に塗工し、本発明の着色防湿ライナを得た。
以上のようにして得た着色防湿ライナと、中芯原紙(S160、160g/m)、及び段ボールライナ原紙(ONRK220、220g/m)とを、コルゲータを用いて常法により貼合し、片側表面に着色防湿層を有する着色防湿段ボールシートを得た。なお着色防湿層は、青紫色であった。
更に、前記着色防湿段ボールシートを、着色防湿層が内側となるように製函機にてA式函として製函し、着色防湿段ボール箱を得た。なお、本件着色防湿段ボール箱は、ナス等の包装用に適する。
【0033】
<参考例1>
着色顔料として、SAブラックDY−6(御国色素製)を用いた以外は、実施例1と全く同様にして着色防湿ライナ、及び着色防湿段ボール箱を得た。なお着色防湿層は、黒色であった。なお、本件着色防湿段ボール箱は、ナス等の包装用に適する。
【0034】
<参考例2>
着色顔料として、GPホワイト#101コンク(御国色素製)を用いた以外は、実施例1と全く同様にして着色防湿ライナ、及び着色防湿段ボール箱を得た。なお着色防湿層は、白色であった。なお、本件着色防湿段ボール箱は、渋柿、花卉類等の包装用に適する。
【0035】
<実施例2>
着色顔料として、SAブルーDY−12(御国色素製)を用いた以外は、実施例1と全く同様にして着色防湿ライナ、及び着色防湿段ボール箱を得た。なお着色防湿層は、青色であった。なお、本件着色防湿段ボール箱は、ナス等の包装用に適する。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明により、余分な包装材料を用いることなく、箱の内側に青果物等の内容物を引き立てる色彩を付与することが可能な着色防湿段ボール箱による茄子包装体を提供することが可能となった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱の内面に合成樹脂エマルジョンとアスペクト比が5以上の平板状顔料を主成分とする防湿塗工層を有する防湿段ボール箱を用いて茄子を包装してなる包装体であって、前記段ボール箱の内面の防湿塗工層がアスペクト比1〜3で平均粒径5〜15μmの粒状顔料と固形分比率が0.5〜10質量%である着色顔料を含有する青紫色又は青色を呈する着色防湿塗工層であることを特徴とする、茄子包装体。
【請求項2】
前記防湿段ボール箱の防湿塗工層中に含有される粒状顔料の固形分比率が3〜15質量%であることを特徴とする、請求項1記載の茄子包装体。


【公開番号】特開2008−265880(P2008−265880A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−141914(P2008−141914)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【分割の表示】特願2002−236999(P2002−236999)の分割
【原出願日】平成14年8月15日(2002.8.15)
【出願人】(000122298)王子製紙株式会社 (2,055)
【Fターム(参考)】