説明

荷役設備内でアイテムのレセプタクルを処理する方法及び装置

荷役設備内で異質のインベントリ・アイテムを収容したレセプタクルを処理する方法及び装置が一般的に説明される。ダーティーピッキングとは、アイテムのうち1つ又は複数は注文されなかった可能性があるにも拘らず、レセプタクル内の全アイテムが注文されたかの如くに、異なる識別コードを持つ複数の異質のインベントリ・アイテムを含むレセプタクルを、荷役設備内で「バッチ」処理する機構として説明できる。ダーティーピッキング機構の実行により、レセプタクル内の個々のアイテムを処理する代わりに、レセプタクル全体を「ダーティーピッキング」することができ、レセプタクル内の全アイテムが「下流で」処理ステーションにて処理されることができ、その間、処理に必要なアイテムが選択され、「オーバーエイジ」アイテムは例えば再保管されることによって処分されるべく取り除けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文履行のためにインベントリを選択又は「ピッキング」するシステムなどの、インベントリ選択システムに関する。
【背景技術】
【0002】
小売業者、卸売業者、レンタル・サービス、その他の製品販売業者(総括的に販売業者と呼ばれる)は典型的に、取引先又は顧客によって注文される各種アイテムのインベントリを維持している。同様に、製造業者も、製造工程で使用する部品及び/又は材料のインベントリを維持している。このインベントリは、倉庫、物流センター、クロス・ドッキング設備、注文履行設備、インベントリ・レンタル設備、梱包設備、出荷設備、工場、又はその他の設備、又は荷(インベントリ)扱いの1つ又は複数の機能を果たす設備の組合せのうち1つ又は複数を含むがそれらに限定されない荷役設備で維持され処理される。
【0003】
図1は、従来の荷役設備の動作の全体図を示す。複数の顧客10は注文20を販売業者に出し、各注文20は、注文を出した顧客に出荷されるべきインベントリ30からの1つ又は複数のアイテムを指定している。顧客注文20を履行するために、各注文に指定された1つ又は複数のアイテムが荷役設備内のインベントリ30(ストック品保管所と呼ばれることもできる)から、40で示すように取り出されるか、又はピッキングされる。ピッキング済みアイテムは必要に応じて、それぞれの注文への仕分け50、梱包60のための、荷役設備内の1つ又は複数のステーションに配送又は運搬され、最終的に顧客10への出荷70となる。ピッキング、梱包が済んで出荷された注文は、顧客によって注文された全アイテムを含む必要はないことに留意されたい。出荷済み注文は、1つのインベントリ保管場所から一度に出荷が可能な注文アイテムの副集合のみを含むものでよい。荷役設備は典型的に、種々のベンダーからのストック品の新しい出荷品90を受理し、受理したストック品をストック品保管所に収納する受理オペレーション80を含むことにも留意されたい。受理オペレーション80は、顧客から返却された購買済みアイテム又はレンタルアイテム92、或いは注文をも受け取り処理する。これらのアイテムのうち少なくともいくつかは、典型的にインベントリ30に戻される。受理オペレーション80で受理されるいくつかのアイテムは、例えば梱包60又は出荷70など、荷役設備内のインベントリ30以外の場所に配送されるか又は「クロスドック」されることがあることに留意されたい。さらに、荷役設備の種々のオペレーションは、1つの建物又は施設に配置されてもよいし、又は別法として2つ以上の建物又は設備に分散又は再分割されてもよいことに留意されたい。
【0004】
図2は、従来の荷役設備の典型的な物理的な配置、特に注文履行施設又はセンターを図示している。販売業者の一人又は複数のエージェント42はいつでも、各々が1つ又は複数の注文の一部又は全部を履行するためにインベントリ30からアイテムをピッキングしてもよい。このことは、複数の、未完了又は完了した注文の、ピッキング済みアイテムのストリーム及び/又はバッチを生み、次にそれは出荷70に先行した処理のために、荷役設備内の例えば仕分けステーション又は梱包ステーションなどの種々のステーション(ピッキング届け先50)に配送される。ストリームとは、1ステーションに到着したピッキング済みアイテムの連続的又はほぼ連続的な流れであるのに対し、1ステーションに周期的又は非周期的に到着するアイテムの集まりをバッチと呼ぶ。注文の一部はピッカー42から受けてもよいし、その他のステーション群からでその回ごとに異なる1ステーションから受けてもよいため、1ステーションでの処理は、ピッキング及び/又は別のステーションから、そのステーション向けに配送されることになっている何らかの注文に係る1つ又は複数のアイテムを待機してから、その注文処理を完了させなければならないことに留意されたい。
【0005】
エージェント又はピッカー42は、制御システムから、インベントリ30内の場所に赴き、それらの場所からリストされたアイテムをピッキングする旨の指示を、RF接続無線端末又は携帯用スキャナなどの機器に受ける。ピッカー42は典型的にはピッキング済みアイテムを走査して、正しいアイテムをピッキングしたかどうかを判断する。次にピッカー42は、ピッキング済みアイテムを受け入れるためのレセプタクルにピッキング済みアイテムを収納する。レセプタクルは或る種の移動カート上に配置されるか又は移動カートと一体化したものでよい。移動カートはエンジン付き乗り物であってもそうでなくてもよい。カート上には1個を超えるレセプタクルが存在してよい。別法として、レセプタクルは、ピッカーに物理的に装着されているかピッカーが携帯するバスケット又は筺体に、配置されるか一体化されていてもよい。
【0006】
通常、ピッカー42はインベントリ30から一度に1つのみのピッキング届け先50向けのアイテムをピッキングする。例えば、ピッカー42は、1度に1つの注文のアイテムをピッキングするように指示され、1つのピッキング届け先50に(例えば、特定の自動仕分けステーション、手動式仕分けステーション、梱包ステーション、又はその他の処理ステーションに)全てが行くことになっているバッチ注文に係るアイテムをピッキングするように指示される、又は、全てが特定の届け先に行くことになっている種々の注文からのリストになったアイテムをピッキングするように指示される、等がある。このように、ピッカー42は1つのストリームのアイテム又はアイテムの処理パスからアイテムをピッキングし、ピッキング済みアイテムをそれらの共通のピッキング届け先50に配送し、ピッキング済みアイテムの処理と、それらの個々の注文への仕分けを、下流のステーションに委ねる。その後ピッカー42は、この工程を、潜在的に別のピッキング届け先50向けである、別のリストされたアイテムに対して繰り返す。
【0007】
入ってくるピッキング済みアイテムのストリーム又はバッチは、例えば仕分けステーションでの、それらのそれぞれの注文への仕分けなどの、1ステーションでの処理を受ける。1注文に関するアイテムの処理が1ステーションにおいて完了すると、そのアイテムは、例えば注文ごとに仕分けされるために仕分けステーションへ、又は、出荷70に向けて梱包されるために梱包ステーションへ、などさらなる処理のために別のステーションに配送される。
【0008】
注文履行センターは、種々のベンダーからのストック品の出荷品90を受理するための1つ又は複数の受理オペレーション80もまた含んでよいことに留意されたい。受理されるストック品はストック品保管所に収納することができる。受理オペレーション80は、顧客からの返品された購買アイテム又はレンタルアイテム92を受理することもできる。これらの返品アイテム92のうち少なくとも一部は、典型的にインベントリ30に戻される。さらに、注文履行センターの種々のオペレーションとステーションは、1つの建物又は施設に配置されてもよいし、又は別法として2つ以上の建物又は設備にわたって分散又は再分割されてもよいことに留意されたい。
【0009】
(ランダム収容)
荷役設備において、顧客が注文を出すと、その注文に指定された1つ又はいくつかのインベントリ・アイテムは、インベントリから取り出されるかピッキングされて、その顧客への配送に備えられなければならない。通常、インベントリ追尾とインベントリ管理を促進するために、類似アイテムはインベントリ内に一緒に保管される。例えば、共通のユニバーサル・プロダクト・コード(UPC)、ストック・キーピング・ユニット(SKU)コード又は他の指定(独占権指定を含む)を持つアイテムがインベントリ内に一緒に保管されることがある。大量の多種アイテムを含むインベントリ環境では、所与の注文に対して一人の従業員が各アイテムを見つけてピッキングするのはひどく非効率的であろう。例えば、所与の注文で指定された異なるアイテムは、インベントリ施設内で相隔たった場所に保管されているかも知れず、それは唯一人のピッキングエージェントに、施設内にわたって長い距離を横断することを余儀なくさせることとなろう。
【0010】
インベントリ保管スペースをより有効に使うためには、異なるアイテムを単一の保管場所又は保管領域に一緒に保管することが望ましい。「ランダム収容」は、荷役設備内にアイテムを共同配置するための1つの技法であり、その場合、物理的スペースが十分なインベントリ30内の任意のスロットに任意のアイテムを保管することができる。一定のインベントリ・プロファイルが整えば、ランダム収容は、類似アイテムが特定のロケーションに割り当てられ、単一のスロット、ビン、コンテナ、レセプタクル等が典型的に多くとも1つのUPC、SKUコード又はその他の指定を持つアイテムを収容しているもっと伝統的なインベントリ保管技法よりも、高効率になる。
【0011】
ランダム収容は比較的広範な用語であり、この文脈において、異質の製品の組がランダムに又は擬似ランダムに単一のインベントリ場所に分配され、したがって通常1つ又は複数の特定の製品が、特定の瞬間に取り出される製品の識別がわかるような方式で、その場所から取り出される必要がある、任意の状況を含むことを意図している。
【0012】
ランダム収容手法は、15年以上前には高価すぎたコンピュータリソースを必要とする上に、この業界は新規テクノロジーへの適応が遅かったため、ロジスティック/保管業界では未だ普及していない。ランダム収容は、ロジスティックスがRFIDテクノロジーなどの安価な情報テクノロジー(IT)ソリューションを組み込むにつれて、また、従来の保管技法が処理できるよりもずっと多くのSKUを持つ「ロングテール」インベントリ・プロファイルを運用する必要が高まるにつれ、普及が高まると思われる。「ロングテール」は、インベントリ内の、例えばたまにしか注文されない、動きが遅いアイテムなどの、回転率が低いアイテムを指す。この低回転率ゆえに、ロングテールのインベントリは典型的には大量に在庫されない。この種のアイテムに関しては、1製品を1ビンに保管することは非効率的である。ランダム収容はこれらのアイテムのための保管技法として有効に働く。
【0013】
ランダム収容の主要コストの1つは、要求されたアイテムを見つけるためにピッカーがビンで費やす時間コストである。従来のランダム収容ピッキング工程では、エージェントがレセプタクル(例えば、コンテナ、ビン、トート、パレット、その他)まで歩いて行き、それからピッキングする要求された製品(群)をそこで探すことが必要となる。アイテムがビンの中で見つかると、エージェントはアイテムのピッキングに進む。典型的には、そのビンからのピッキング毎にこの工程が繰り返される。状況によっては、ピッキングの徒歩の部分が労働の約半分を占め、探索部分が残りの半分を占める。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
例えばランダム収容技法を用いた異種アイテムの共同配置は、インベントリ・スペースの有効使用を増強するものの、特定のアイテムを識別してピッキングする場合の困難を増し、したがって時間を増す可能性がある。インベントリからアイテムをピッキングするとき、ピッキングエージェントは大概、ピックアップする特定のアイテムを突き止めるために、共同配置されたアイテムを精査しなければならない。数多くの似通ったアイテムが一緒に保管されている状況では、これは多大な時間を要することになる。さらに、いくつかの似たようなタイトル又は記述のアイテムが単一のインベントリ領域に保管されていて、任意の特定のアイテムを識別する困難を増している。例えば、いくつかのCDに「グレーテストヒッツ」というタイトルが付されており一緒に保管されている場合、ピッキングエージェントは、正しいアイテムを識別するために各アイテムのフルタイトルを代わる代わる読み取らなければならない。この作業は、典型的な施設によって履行される大量な注文にわたり乗じた場合、必要とされる余分な時間は甚大となる。同様に、レンタル又は販売対象のアイテムを取り扱う施設においては、一緒に保管されている、DVDなど見掛けが似通ったアイテムが大量にある。ピッキングエージェントにとって、単一のインベントリ内にある複数のDVDから特定のDVDを識別するのは困難である。同様に、各DVDがレンタルされ返却されるにつれ何度も保管されピッキングされるので、DVDを正しく識別するために必要とされる余分な時間は甚大となる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
荷役設備における、インベントリ・アイテムを収容したレセプタクルの処理、又はインベントリの「ダーティーピッキング」のための方法及び装置の種々の実施態様が説明される。ダーティーピッキングは、2以上のインベントリ・アイテムを含むレセプタクルに、1つ又は複数のアイテムは注文されていないかも知れないにも拘らずレセプタクル内の全アイテムが注文されたかの如く、バッチ処理する機構として説明される。レセプタクル内のアイテムは、異なるSKU、UPC、又はその他の識別コードを持つ異質のインベントリ・アイテムであってもよいが必ずしもそうでなくてもよい。ダーティーピッキング機構の実行により、レセプタクル内の個々のアイテムを処理する代わりに、レセプタクル全体をピッキングすることができ、レセプタクル内の全アイテムが注文処理ステーションにおいて下流で処理され、その間、注文を履行するために必要なアイテムが選択され、「オーバーエイジ」アイテムが取り除けられて例えば再保管などの処分を受けるようにしてもよい。
【0016】
一実施態様において、注文履行センター内のストック品保管所からレセプタクルをダーティーピッキングすることは、例えば「ランダム収容」又は類似したインベントリ保管機構を実行する施設において、レセプタクルで費やされる時間を低減又は最小限にすることによりピッキング率を向上させる。レセプタクルで特定のタイトル又はアイテムを探索することは時間がかかるため、代わりに、複数の、おそらくは異質のアイテムを含むレセプタクル全体をピッキングし、そのレセプタクル内の各アイテムを厳密に一度処理することと置き換えられる。一実施態様において、ダーティーピッキングは、インベントリ内のレセプタクルにある長期残存アイテム又はエイジング・アイテムのための二次的レセプタクル整理統合工程を省くことができる。「オーバーエイジ」又は不要な選別品は、他のアイテムと共にレセプタクルからピッキングされ、後に集約されて、インベントリに戻されるか、又は清算、ベンダー戻しなどによって処分される。
【0017】
一実施態様においてダーティーピッキングは、荷役設備の受理ステーションで受理される新たなインベントリの出荷品にも適応される。ある作業工程において、1つの荷役設備に受理される異質の製品群を持つレセプタクル(例えばコンテナ)があり、そこでそのレセプタクル内にアイテムを収納した当初はその全内容物が顧客への出荷に向けたものだったとしても、内容物の一部が直ちに顧客に出荷され、その内容物の残りの部分は、直ちに顧客に出荷されるのではなく荷役設備に保管される必要があるということがある。ダーティーピッキングを用いれば、レセプタクル又はレセプタクルの内容物を注文処理ステーションへと直ちに「ダーティーピッキング」することができ、出荷品の中の注文向けアイテムは、後にインベントリに収納されるオーバーエイジ・アイテムから分けられる。こうして、荷役設備で受理された出荷品のダーティーピッキングは、受理済みアイテムの注文処理ステーションへの「クロス・ドッキング」を促進することにより、受理部で個々のアイテムを処理し、アイテムをインベントリに収容し、その後インベントリからアイテムをピッキングする必要を減らすか省くことができる。
【0018】
少なくともいくつかの荷役設備において、アイテムは顧客から返品され、受理エリア又はステーション到着時に処理される。返品アイテムの少なくともいくつかは、引き続き他の顧客から注文を受けたものかも知れず、したがって可能ならば直ちに再出荷されてもよいものである。一実施態様において、荷役設備において通常行われているように、返品アイテムを再保管してインベントリからそのアイテムを再ピッキングするよりは、受理済みの、おそらくは異質の返品アイテムを含む「優先」レセプタクルを、受理部から「下流の」注文処理ステーションに移すか運搬し、そのアイテムを後にピッキングするためにインベントリに再保管するのではなく、レセプタクル内の全返品アイテムが注文を受けているかの如く処理する。いくつかの荷役設備では、アイテムを出荷するために用いられるのと同じ物理的ロケーション又は「ステーション」が、アイテムを受理するために用いられるので、「受理ステーション」と「注文処理ステーション」は同一の物理的ロケーション又は「ステーション」となることに留意されたい。この場合、「優先」レセプタクルは1ステーションから別のステーションに移されたり運搬されなくてもよい。単純には、2つのステーションが同じ物理的ロケーションにあるなしを問わず、注文処理ステーションは受理ステーションに対して「下流」であると考えることができる。次に下流のステーションは実際に注文が入っているアイテムをオーバーエイジ・アイテムから分け、オーバーエイジ・アイテムを再保管するために取りおく。一実施態様において、この分離を実行するためにレセプタクル内の各アイテムは、それらが顧客注文に必要であるかの如くに処理され、注文に必要でないオーバーエイジ・アイテムがあれば、それを除外処理工程に従って取り除き、取りおくことができる。一実施態様において、レセプタクルの内容物は目視検査され、注文に必要なレセプタクル内の任意のアイテムが、その検査に基づき手動で取り去られるか、又は別法として、注文に必要でないオーバーエイジ・アイテムが取り除かれ取りおかれる。別の実施態様では、別の機構又は別の方法を用いてレセプタクル内のオーバーエイジ・アイテムから注文アイテムを分ける。この場合、オーバーエイジ・アイテムのみの再保管を要求することによって、その返品アイテムの一部又は大部分が直ちに再出荷されることができるので、ダーティーピッキングは返品アイテムへの「接触」回数を省くことができる。さらに、返品アイテムを収容したレセプタクルのダーティーピッキングは、インベントリからの注文を満たすよりも、可能ならば「優先」レセプタクルからの注文を優先的に満たすことによって、インベントリからピッキングされなければならないアイテムの数を減らすことができる。
【0019】
本明細書では本発明を、例としていくつかの実施態様及び説明図によって説明してきたが、当業者ならば、本発明はその説明された実施態様又は説明図に限定されないことを理解するであろう。その図面及び詳細な説明は、本発明を開示された特定の形式に限定する意図はなく、反対に、その意図は、添付の請求項に規定される本発明の趣旨及び範囲内にあるすべての変形形態、等価物及び別の形態を網羅することにある。本明細書で用いられる見出しは構成上の目的のみであり、説明又は請求項の範囲を限定することを意図して用いられていない。本出願で用いられる場合、「してよい(may)」は強要的意味(すなわち、しなければならない)というよりは許容的意味(すなわち、〜する可能性がある、という意味)で用いられる。同様に、「を含む」「を含んで」「を含めて」という単語は、〜を含むがそれに限定されないということを意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
複数の、おそらくは異質のインベントリ・アイテムを収容したレセプタクルの処理方法及び処理装置、又は荷役設備内のインベントリの「ダーティーピッキング」の種々の実施形態が説明される。ダーティーピッキングとは、2以上のインベントリ・アイテムを含むレセプタクルを、1つ又は複数のアイテムは注文されていないかも知れないにも拘らず、レセプタクル内の全アイテムに注文を受けているかの如くバッチ処理する機構として説明することができる。レセプタクル内のアイテムは、異なるSKU、UPC、又はその他の識別コードを持つ異質のインベントリ・アイテムであってもよいが、必ずしもそうでなくてもよい。ダーティーピッキング機構の実行により、レセプタクル内の個々のアイテムを処理する代わりに、レセプタクル全体をピッキングし、レセプタクル内の全アイテムが1ステーション(例えば、梱包ステーション又は仕分けステーション)にて「下流」で処理され、その間、注文を履行するために必要なアイテムが選択され、「オーバーエイジ」アイテムが、取りおかれ、例えば再保管されることによって処分される。荷役設備におけるダーティーピッキング機構は例えば、「ランダム収容」又は類似した共同設置インベントリ保管技法を実行する荷役設備内で、ピッキング工程の探索部分での時間削減に役立つ。ダーティーピッキング機構は、例えば荷役設備内で出荷コンテナに受け入れられる、例えば顧客からの返品アイテムやアイテムの集まりなどの受理済みアイテムへの「接触」の回数を減らすために実行されてもよい。
【0021】
「ダーティーピッキング」と、ダーティーピッキング機構の実施形態は、本明細書では主に顧客注文のアイテム処理の状況において主に説明されているが、本明細書で説明される「ダーティーピッキング」と、ダーティーピッキング機構は、顧客注文の履行以外の理由による荷役設備内のレセプタクルでのピッキングやアイテムの処理に適用されてもよいことが理解されよう。例えば、ダーティーピッキング機構の実施形態は、別の施設、ロケーション又はステーションに移送される必要があるアイテム、小売店に流通されるアイテム、ベンダー又は複数のベンダーに返品されるアイテム、インベントリから清算されるアイテム(清算は、ベンダーへの返品、破棄、リサイクル、値引き販売、寄贈、他の倉庫への再流通などのうち1つ又は複数を含むことができるが、それらに限定されない)、製造施設或いは組立施設で組み立てられることになっているアイテム又は部品、に適用されることができる。一般に、ダーティーピッキング機構の実施形態は、荷役設備内のレセプタクルにあるアイテムや部品その他のピッキング、そのアイテム又は部品の任意の種類の処理のために適用可能である。さらに、本明細書で用いる「注文」という用語は、顧客注文を含むがそれに限定されない、荷役設備内で「下流の」処理ステーションで処理されることになっているアイテム(群)に関する任意の要求に関して使用できることに留意されたい。
【0022】
図2を参照すると、ダーティーピッキング機構の実施形態は、特定のアイテムを求めてインベントリ30内のレセプタクルの探索を実行する必要からエージェント42(例えばピッカー)を開放することができる。レセプタクル内で繰返し探索するコストは、原則的にレセプタクル内の全アイテムがピッキングされるものと想定してレセプタクル全体を「ダーティーピッキング」してからレセプタクル内の各アイテムの下流処理を行うコストよりも、高くつくと思われる。ダーティーピッキングは、インベントリ30からの全レセプタクルの処理を可能にする手法を提供する。そこで不要なアイテム(「オーバーエイジ」)は、インベントリ30に戻され、後に整理統合又はその他の処理を受けるために下流に送られることができる。
【0023】
荷役設備でのダーティーピッキング機構の適用は、以下のうち1つ又は複数を含むことができるが、それらに限定されない。
【0024】
・例えば「ランダム収容」又は類似したインベントリ保管機構を実行する施設内で、レセプタクルでの消費時間を低減又は最小化することによるピッキング率の改善。レセプタクル内で特定のタイトル又はアイテムを探索することは時間がかかるため、代わりに、複数の、おそらくは異質のアイテムを含むレセプタクル全体をピッキングし、そのレセプタクル内の各アイテムを厳密に一度処理することに置き換えられる。
【0025】
・レセプタクル整理統合:ピッキングされずにレセプタクル残った長期残存アイテムは大概、貴重なスペースを拘束するエイジング・インベントリである。ダーティーピッキングはこれらの長期残存アイテムの二次的なレセプタクル整理統合工程を省き、その代わりに「オーバーエイジ」アイテム又は不要アイテムは他のアイテムと共にレセプタクルからピッキングされ、その後他のアイテムと整理統合されたり、清算、ベンダー返却等で処分される。これらのオーバーエイジ・アイテムをさらなる処理のために下流に送るのはいつにするか(例えば、これらの付加的なアイテムを処理するためには、いつ容量が使用可能となるか)、また、そのオーバーエイジ・アイテムをレセプタクルに戻すのはいつがベストであるかに関する指図の一助となる、季節的影響がある。
【0026】
・クロス・ドッキング:いくつかの作業工程において、内容物の大部分が直ちに顧客に出荷される荷役設備に受理される複数の、多分異質のアイテムを含むレセプタクル(例えばコンテナ)があり、所与のレセプタクルの全内容物が当初は直ちに顧客への出荷を意図したものであっても、その内容物の小数部分は、直ちに顧客に出荷されるのではなく荷役設備内に保管される必要がある。例えば、レセプタクルの到着輸送期間中に、ある顧客がそれらの注文をキャンセル又は変更したかも知れない。そのような状況では、出荷向けアイテムを処理しつつも、保管が必要である小部分のアイテムを取り除く効率良い方法が必要となる。ダーティーピッキングはそのような方法を提供する。
【0027】
・上記のクロス・ドッキングのケースと同様に、アイテムが顧客によって荷役設備まで返品され、受理エリア又はステーションへの到着と同時に処理されることがある。例として、その荷役設備は、典型的に限定数のアイテム(例えばDVD)をレンタル期間の間顧客に貸し出すレンタル履行施設である。少なくとも返品アイテムの一部、おそらくは大部分のアイテムでさえ、引き続き他の顧客によって注文されているアイテムであり、したがって可能ならば直ちに再出荷されてもよいものである。荷役設備で通常行われているように、そのアイテムを再保管してインベントリから再ピッキングするのではなく、返品アイテムを含んでいるレセプタクルを受理部から梱包ステーションや仕分けステーションなどの「下流の」ステーションへと移し、そのアイテムをインベントリに再保管するのではなく、返却されたレセプタクル内の全アイテムが注文されたかの如くに処理する。いくつかの荷役設備においては、アイテムを出荷するために用いられたのと同じ物理的ロケーション又は「ステーション」が、アイテムを受理するために用いられるので、「受理ステーション」及び「注文処理ステーション」は同一の物理的ロケーション又は「ステーション」にあってよいことに留意されたい。この場合、「優先」レセプタクルは1つのステーションから別のステーションに移されたり運ばれたりする必要はない。単純には、2つのステーションが同じ物理的ロケーションにあってもなくても、注文処理ステーションは受理ステーションに対して「下流の」ステーションと考えることができる。下流のステーションは次に実際に注文されたアイテムを、「オーバーエイジ」アイテムから分け、「オーバーエイジ」アイテムを再保管するために取りおく。一実施形態において、この分離を実行するために、レセプタクル内の各アイテムは、それらが顧客注文に必要であるかの如く処理され、注文に必要でない「オーバーエイジ」アイテムがあれば、それを除外処理工程に従って取り除き、取りおく。一実施形態において、レセプタクルの内容物は目視検査され、注文に必要な品物がレセプタクル内にあればそれはその検査に基づき手動で取り去られるか、又は別法として、注文に必要でない「オーバーエイジ」アイテム(群)があればそれを取り除き取りおく。別の実施形態では、別の機構又は別の方法を用いて、レセプタクル内の注文アイテムを「オーバーエイジ」アイテムから分ける。この場合、「オーバーエイジ」アイテムのみの再保管を要求することによって、その返品アイテムの一部又は大部分が直ちに再出荷されることができるので、ダーティーピッキングは返品アイテムへの「接触」回数を省くことができる。さらに、返品アイテムを収容したレセプタクルのダーティーピッキングは、インベントリからの注文を満たすよりも、可能ならば「優先」返品レセプタクルからの注文を優先的に満たすことによって、インベントリからピッキングされなければならないアイテムの数を減らすことができる。
【0028】
一実施形態において、ダーティーピッキング機構は、レセプタクルからM個のアイテムを個々にピッキングするコストが、レセプタクル全体を処理するコスト+(エラーのコスト*レセプタクル内の不要アイテムの個数)を上回っていれば常に費用効率が良いと言える。表現を変えると、以下を満たせば、概ね常に費用効率が良い。
((S*N/2)+P)*M>N*P+(E*(N−M))
但し、
S=アイテムを見て、それが、レセプタクルからピッキングされる必要がある特定のSKUに合致するかを見極めるための時間
N=レセプタクル内のアイテムの個数
M=レセプタクルからピッキングされる必要があるアイテムの個数
P=探索回数を勘定せずに任意のアイテムをピッキングする時間
E=不要アイテムを処理する時間
【0029】
前述したように、ランダム収容の主要コストの1つは、要求されたアイテムを見つけるためにピッカーがレセプタクルで費やす時間コストである。レセプタクル内の全アイテムにわたり複数の探索を必要とするのと反対に、ダーティーピッキングは、レセプタクル内のアイテムの個数に比例したソリューションを提供する。ピッキング作業でのコスト削減は非常に大きく、収容を避けることができる場合もあり、他の場合にはインベントリ内のレセプタクル又はロケーションで費やされる時間を削減することができる。
【0030】
ダーティーピッキングは、レセプタクル内のアイテムは多くの割合で同日中(又は同一注文期間又は注文周期)に注文処理されるという仮定のもとに働く。アイテムをレセプタクルから一度に1つピッキングするよりも、レセプタクル内の全アイテムが注文に必要であるかの如く、レセプタクル全体がピッキングされる。上流で品物を探してビン内を1つずつ探索する(例えば従来のピッキング工程において)のと対照的に、下流の注文処理ステーション(例えば梱包ステーション又は仕分けステーション)にて「ダーティーピッキング済み」レセプタクルが処理されると、残存(「オーバーエイジ」)アイテムがあればそれをストック品保管所に戻し入れる(戻す)ことができる。レセプタクル全体を「ダーティーピッキング」し、下流でアイテムを処理し、オーバーエイジ・アイテムを分けて戻し入れるコストは、典型的には、レセプタクルをくまなくピッキングして個々のアイテムを見つける場合より少ないと思われる。
【0031】
「ダーティーピッキング」は従来のピッキングとは異なる。ダーティーピッキングは、複数のアイテムを収容したレセプタクルから個々のアイテムが探索されピッキングされる従来方式での荷役設備内のインベントリから、個々のアイテムをピッキングする必要を削減するか、又はその必要をなくすことさえできる。代わりに、2以上の異質のアイテムを収容しているであろうレセプタクル全体がピッキングされる。さらに、アイテムが荷役設備に受理されたとき、受理済みアイテムをインベントリに保管して、そのインベントリから個々のアイテムを再ピッキングする必要を、ダーティーピッキングは削減するか、又はその必要をなくすことさえできる。代わりに、複数の受理済みアイテムを含むレセプタクルが、あたかも全アイテムがその日のうちの出荷を期するものであるかの如く、受理部から注文処理ステーションに運ばれる。注文処理ステーション(群)は、システム内で今は注文に出て行かないアイテムを検出してはじく「エラー防止」機構を具えている。それらのアイテムは取りおかれ、ストック品保管所に戻し入れ又は再保管される。
【0032】
ダーティーピッキングは、見込み顧客からの少なくとも一部の種類の注文を処理する荷役設備の性能を向上させることができる。例えば、或る種の荷役設備実行では、例えばレンタルと、レンタルアイテムの返却を処理する荷役設備において、顧客は、自分がいつかは受け取りたい品物のキュー又はリストを持っていることがある。返品アイテムのダーティーピッキングとアイテムの「バッチ」としての処理は、従来の収容とピッキングを用いるのでは難しい、顧客のリスト上のコンフリクトし得るアイテムの自動的な優先処理に備える。例えば、一人の顧客のリストでは上位にあり、別の顧客のリストでは低位にある品物が受理された場合、従来の収容とピッキング機構では、アイテムが前者の顧客に送られることを保証するのは難しい。ダーティーピッキングを用いれば、例えば一日分の全返品アイテムが、あたかも全アイテムが注文されたかの如くバッチとして集められ処理される。制御システムは、逐次ではなく一度に受理され、処理された全アイテムを検分し、顧客の注文の状況に基づいてアイテムをその顧客に優先的に割り振るように構成されてもよい。さらに、一人の顧客が一度に何個のアイテムを受け取ることができるかという配分もある。その顧客向けのアイテムが、従来の収容とピッキングを用いて1つずつ処理された場合、その顧客のリストにある高優先度アイテムより先に低優先度アイテムが履行されてしまい、顧客が高優先度アイテムを受け取ることを妨げてしまう。「ダーティーピッキング」されたアイテムをバッチとして処理することにより、制御システムは、顧客が優先度の高いアイテムを先ず得ることを保証することができる。
【0033】
顧客が一度に手に入れることができるアイテムの数に制限がある場合(例えばレンタルシステムなどにおいて)、何人かの「優良」顧客に、限度を超えたアイテムを送ることを正当化するためにダーティーピッキングを用いることができる。例えば、一人の顧客につき3アイテムまでという限度がある場合、荷役設備は、「ダーティーピッキング」によって選択された4個目のアイテムを、そのアイテムを入れたレセプタクルを「ダーティーピッキング」した時点で「優良」である顧客に送ることができる。その顧客に4個目のアイテムを送るリスクは、ダーティーピッキング工程において「接触」を省ける利点に比べれば少ないであろう。
【0034】
ダーティーピッキングは、インベントリ内のアイテムをより少数のビンに整理統合し、わずかに保管されたアイテム、又はロングテールアイテムをインベントリ内のレセプタクルから処分することにも役立つ。「ダーティーピッキング済み」レセプタクルからの「オーバーエイジ」又は拒絶品は、差し戻し工程、ベンダー戻し工程などにより注文アイテムをオーバーエイジ・アイテムから分けるステーションから下流に進むことができる。インベントリに戻されたアイテムは他のレセプタクルに整理統合されてもよい。いくつかのレセプタクル内のアイテムはロングテールアイテム(例えば、動きが遅い、旧式、有効期間ぎれ、又は別途インベントリから除かれる必要があるアイテム)である可能性がある。レセプタクル全体がピッキングされ、レセプタクルの全内容物がバッチとして処理される、インベントリからのレセプタクルの「ダーティーピッキング」は、そのレセプタクルが追加商品を保管するために用いられることができるように、これらのアイテムをインベントリ内のレセプタクルから一掃するために用いられることができる。ロングテールアイテムは、例えば清算又はベンダーへの返品による整理統合又は処分のために分けられ、取りおかれることができる。
【0035】
ダーティーピッキング機構の実施形態は、複数のインベントリ処理工程を、一動作又は一処理工程で一度に実行することを可能にする。インベントリからダーティーピッキングするとき、オーバーエイジ・アイテムが「接触される」又は処理されるという事実は、生産性の低下につながらない。これらのアイテムはロングテールアイテムであるか、又は、ピッキングされたレセプタクルは整理統合が必要であるかも知れないため、いずれにせよオーバーエイジ・アイテムは「接触」されていたことになる。さらに、インベントリ内のレセプタクルの探索時間が削減されることは、発生の可能性がある余分な処理に勝る価値がある。
【0036】
ダーティーピッキング機構の実施形態の別の典型的な適用は、中央注文履行センターからアイテムを受け取る先行注文履行センターであろう。中央注文履行センターから受け取ったインベントリの少なくとも一部は、その日のうち(又は予め定められた期間の内)に顧客に向けて出される「可能性が極めて高い」と指定される。受理済みインベントリのこの部分が「ダーティーピッキング」され、梱包ステーションなどの注文処理ステーションに向けてバッチで送られる。アイテムは、特定の顧客注文を履行する先行注文履行センターに送られることに留意されたい。因みに、注文状況は変わることがある。顧客が注文をキャンセル又は変更するかも知れないし、注文はどこか別の先行注文履行センターで履行されるかも知れない。このように、受理されたアイテムは、すべてが注文を満たすために使用されるわけではなく、したがって、注文処理ステーションに「ダーティーピッキング」され、その場合注文を満たすために送られるアイテムは、注文に指定されていない「オーバーエイジ」アイテムから分けられる。そしてそのオーバーエイジ・アイテムはインベントリに保管される。
【0037】
加えて、中央注文履行センター内の標準のランダム収容ビンでは、通常、エージェントがインベントリ内のレセプタクルを一通り見て、先行注文履行センターに送るためにそこからアイテムをピッキングしなければならない。中央注文履行センターから受け取ったダーティーピッキング・セプタクルのアイテムが、「オーバーエイジ」を処分するために注文処理ステーションで処理され、レセプタクル全体を「ダーティーピッキング」してレセプタクルの全内容物を先行注文履行センターに送るコストは、レセプタクルからいくつかのアイテムを選択的にピッキングするコストよりも低いと思われる。オーバーエイジ・アイテムは、先行注文履行センターに保持して、将来他の注文を満たすために有用となる。
【0038】
一実施形態において、インベントリの「ランダム収容」技法を実行する荷役設備において、「ダーティーピッキング済み」レセプタクルが、その日のうちに出荷されるアイテムを割合として多く収容しがちになるように、「動きが早い」ことが判明している異質のインベントリ・アイテムが、インベントリ内のレセプタクルで一緒に優先的に保管されてもよい。
【0039】
多くの荷役設備において、1度の注文には複数のアイテムが含まれる。一実施形態において、ダーティーピッキングされたセプタクルからのアイテムをバッチ処理する場合に、例えば梱包ステーションなどの注文処理ステーションでアイテムを処理するエージェントは、制御システムによって、あるアイテムが単品注文向けか、又は複数品注文向けかを通知される。そのアイテムが単品注文向けであれば、エージェントはそのアイテムを処理(例えば包装、ラベリング)できる。アイテムが複数品注文向けであれば、エージェントはそのアイテムを、複数品注文向けの注文と梱包に仕分けするための別のステーションに送る。
【0040】
一実施形態において、複数品注文のためのアイテムを含む「ダーティーピッキング済み」レセプタクルは、各優先レセプタクル内に限られた個数のアイテムを持つ、より小規模のレセプタクルに分けられる。その後レセプタクルから複数品注文のためのアイテムを少なくとも大部分を取り去るために、従来のピッキングをレセプタクルに対して実行する。従来のピッキングの後で、ロングテールアイテム、オーバーエイジ・アイテム、及び/又は単品注文のアイテムはレセプタクルに残してよく、複数品注文のアイテムはせいぜい限られた数とする。複数品注文の通常のピッキング済みアイテムは、次いで仕分けステーションに運ばれる。レセプタクルからの複数品注文のうち少なくとも数アイテムをピッキングするこの工程は、仕分けステーションが、レセプタクルから仕分けしなければならない注文数によって圧倒されるのを防ぐのに役立つ。
【0041】
ダーティーピッキング機構の実施形態の別の適用は、ベンダーが、それぞれ複数の、おそらくは異質のアイテムを含んだ「優先レセプタクル」を注文履行センターに送ることである。ベンダーからの優先レセプタクルは受理部で処理され(例えばレセプタクル上のバーコードを走査して、及び/又は、レセプタクル内のアイテムを走査して)、次いで注文処理ステーションに直接運ばれ、そこでオーバーエイジ・アイテムが、出荷対象アイテムから間引かれる。その後オーバーエイジ・アイテムはインベントリに保管される。制御システムは、可能ならば、エージェントにインベントリから品物をピッキングさせるよりも、優先レセプタクルからの注文を優先的に履行させることによって優先レセプタクル内のアイテムを「優先処理」させることができることに留意されたい。
【0042】
入ってくる出荷品の「ダーティーピッキング」は、荷役設備にアイテムを送ってくる任意の第三者から受け取る出荷品に適用することができる。「ダーティーピッキング」は、出荷品からアイテムを個々に受理してそのアイテムをインベントリに保管しなければならないことから受理部を解放するために利用されてもよい。代わりに、出荷物又は出荷品内のアイテムは「ダーティーピッキング」されて注文処理ステーションに運ばれ、そこでアイテムは処理され、現在の注文を履行するためにアイテムのうち多くあるいは殆どが出荷され、他に残ったアイテムがあればそれは、インベントリに収納されるオーバーエイジ・アイテムとして抜き取られる。このことは、ピッキングの前に全出荷品を処理してインベントリに収容しなければならないことを省き、それによりアイテムへの「接触」を省く。
【0043】
いくつかの荷役設備において、受理ステーションと注文処理ステーションは同一の物理的ロケーションにあってよく、したがってレセプタクルの1ステーションから別のステーションへの運搬は必要ないことに留意されたい。
【0044】
注文と対応しておらず、したがって出荷されないオーバーエイジ・アイテムは、戻し入れレセプタクルに入れられてよい。戻し入れレセプタクルは、アイテムがインベントリに「戻される」ストック品保管所に運ばれる。別法として、戻し入れレセプタクルはダーティーピッキング」を通じて周期的に繰り返されてもよく、そこでレセプタクル内のアイテムのうち少なくともいくつかは、荷役設備制御システム内で引き続き入力された注文を履行するために用いられる。
【0045】
ダーティーピッキング機構の実施形態の別の適用は、2単位以上の単品アイテムを収容したレセプタクル(ケース、ボックス、コンテナ、パッケージその他)全体を、(2以上の異種アイテムを1単位又は複数単位収容しているレセプタクルではなく)インベントリ30からダーティーピッキングする(又は受理部80に処理する)ことであろう。レセプタクル全体は次いで、そのレセプタクル内の全単位がステーション50で現在処理される必要はなかったとしても、下流の処理ステーション50へ処理のために送られる。そのため受理部80にいるピッカー又はエージェントはレセプタクルを開けたり、梱包材を廃棄したり、その単位を他のトートやレセプタクルに移したり、品質検査を行ったりする必要がない。一実施形態において、全レセプタクルが、集中集約された自動ケース開封システムと持ち去りコンベヤーを含む下流のステーション50でこのように開けられ、それらのタスク及びシステムを、荷役設備にわたり、例えばインベントリ30及び受理部80に分散させることはしない。
【0046】
ダーティーピッキング機構の実施形態は、特定の顧客注文(又は処理対象アイテムへの他の要求)へのアイテムの単位の「後の結合」を可能にする。「後の結合」とは、1つ又は複数の単位のアイテムを、ピッキング工程中又はその後に特定の注文又は要求に結合させることを指す。従来の注文履行システムは概してピッキングの前に結合させることを要求する。ダーティーピッキング機構を用いると、ダーティーピッキング・セプタクル内の1つ又は複数の「オーバーエイジ」アイテムは、レセプタクルがインベントリ30から最初にピッキングされた(又は受理部80からクロス・ドッキングされた)時点と、ダーティーピッキング・レセプタクルのアイテムが下流の処理ステーション50で処理された時点との間に注文と結合される。ダーティーピッキング・セプタクル内のアイテムの「後の結合」を可能にすることは、特に、「動きの速い」商品に有利と思われるが、それは、アイテムの後の結合の件数は甚大なものになると思われるからである。ダーティーピッキング・セプタクル内のアイテムを「後に統合」することで、ピッカーはインベントリ30内の保管場所にアイテムをピッキングするためにそれほど頻繁に戻らなくてもよいことになる。さらに、後の結合は、顧客注文受理時点からアイテム出荷時点までのサイクルタイム、又はステーション50までのアイテムの運搬を要求する他の工程のサイクルタイムを削減することができる。さらに、後の結合は、顧客(又は何かその他のシステム)が注文をキャンセルする時間猶予を増加させる。遅くなってからのアイテムの注文キャンセルは、本明細書で説明されるダーティーピッキング工程では、追加の除外処理工程を必要とせずに直接処理される(キャンセルされた注文は単純に再び「オーバーエイジ」となり、追加の例外処理機構を必要とせずに、他の任意のオーバーエイジ・アイテムと同様に処理される)。
【0047】
図3は、一実施形態による、荷役設備内のインベントリから複数のアイテムを収容したレセプタクルがピッキングされるダーティーピッキングシステムを示す。例えば、荷役設備は、異質のアイテムがインベントリ130内に一緒に保管されていてよい「ランダム収容」又は類似したインベントリ保管機構を実行するものでよい。例えばベンダー又は他の荷役設備からの新着商品を含む出荷品190及び/又は、例えば顧客からの返品アイテムなどの異質のアイテムの返品192は、受理部180で受理されて、異質のアイテムがレセプタクル内に一緒に保管されていてよい「ランダム収容」又は類似した機構に従ってインベントリ130に保管される。顧客110はアイテムの注文120を出す。注文120は、荷役設備の制御システムに入力される。通常、ピッキング工程140中に、制御システムは特定の注文を処理しているエージェントに、注文を履行するために特定の場所からの特定のアイテムをピッキングするように指図する。ダーティーピッキング機構を用いると、ピッキング工程140中に、制御システムはエージェントをインベントリ130内のレセプタクル又は場所に案内し、そこで、レセプタクルから個々のアイテムを探索してピッキングする代わりに、エージェントは複数の、おそらくは異質のアイテムを収容したレセプタクル全体を「ピッキング」する。
【0048】
レセプタクルを「ピッキングする」ことは、複数の、おそらくは異質のアイテムを収容したレセプタクルをインベントリ場所から(例えば棚又はラックから)取り去り、そのレセプタクルをカート又は他の搬送機器に載せることを含む。別法として、アイテムはインベントリ場所から取り去られて、ピッキング済みアイテムを受け入れるレセプタクルに入れられてもよい。いくつかの実施形態では、レセプタクルは或る種の移動カート上に配置されるか、またそれと一体化されていてもよい。カート上には複数のレセプタクルが存在してもよい。
【0049】
本明細書で用いられるレセプタクルは、荷役設備内でアイテムを保持するように構成された任意の固定機構、移動機構、物体、固定物、棚、コンテナ、ビン、トート、バスケット、ボックス、スロット、コンパートメントその他を含むことができる。レセプタクルは、荷役設備内でピッキング済みアイテムを受け入れるように構成された、固定式又は移動式のビン、トート、バスケット、ボックス;仕切り付きのビン、トート、バスケット、ボックス又は類似した容器内の区画;コンベヤーベルト上のビン、トート、スロット、ボックス、コンテナ、区画、又はその他の形式のレセプタクル;固定式、移動式を問わず棚ユニットの棚又は仕切り付棚の区分;車輪付コンテナ;ホッパ;自動仕分け機構内の誘導レーン;又は一般に任意の機器、物体、固定物、コンテナ、スロット、区画その他のうち1つ又は複数を含むがそれらに限定されない。ある実施形態において、トート又はビンなどの、1つ又は複数のレセプタクルは移動式であってよく、そのため、荷役設備内でレセプタクルを運搬するための押しカート、コンベヤーベルト、ローラー、又はその他の装置に置かれたりそこから取り去られたりするように構成されていてよい。ある実施形態において、レセプタクルは、例えば、ビン、トート、又は棚に区画、細分区画、又は仕切りを含んでいてよい。ある実施形態において、それぞれがレセプタクルになっている2以上の区画に細分割されていてよい、ビン、トート、バスケット、又は類似した容器は、荷役設備内でコンテナを運搬するための、一体化した車輪、ローラー又は何かその他の機構を含んでいてよい。別の実施形態では、レセプタクルは、例えば床や棚ユニットに固定されるなどして固定されてもよい。
【0050】
次にエージェントは、例えば梱包ステーション160などの下流のステーションに「ダーティーピッキング済み」レセプタクル(群)を配達する。梱包ステーションでは、レセプタクル内のアイテム(群)のそれぞれが、走査されるか、別法で制御システムに入力される。一実施形態において、少なくとも一部のアイテムは、梱包ステーションで制御システムにアイテムを入力するために用いられるRFID「読取機」によって感知されるRFID検出可能「タグ」を含むことができることに留意されたい。一実施形態において、少なくとも一部のアイテムは、制御システムに手動で入力されてもよい。一般に、制御システムにアイテムを入力する種々の方法又は機構のうち任意のもの、又はそれら2種以上の組合せを用いることができる。制御システムは、どの走査済アイテムが注文120を履行するためのものであり、どのアイテムが「オーバーエイジ」アイテムであるかに関してステーションにいるエージェントに示すことができる。注文用アイテムは次に処理され(出荷向けに集約、梱包、ラベリングされる)、梱包された注文品は次に顧客110に出荷されるために出荷部170に配送される。「オーバーエイジ」アイテムは、例えばそのアイテムを「戻し入れ」又は再保管レセプタクルにおくことによって取りおかれ、その内容物は後でインベントリ130に戻される。
【0051】
ダーティーピッキングはロングテールインベントリ・アイテムの二次的なレセプタクル整理統合工程を省くことができる。「戻し入れ」レセプタクルに収納される代わりに、オーバーエイジ・アイテムのうち少なくとも一部が他のアイテムとともにレセプタクルからピッキングされて、後に整理統合されるか、又は清算、ベンダーへの返品、その他によって処分されるようにしてもよい。
【0052】
図4は、一実施形態による、荷役設備内のインベントリから複数のアイテムを収容したレセプタクルがピッキングされるダーティーピッキング機構をさらに詳しく示す。例えば、荷役設備は、異質のアイテムがインベントリ130内に一緒に保管される「ランダム収容」又は類似したインベントリ保管機構を実行する。異質のアイテムの出荷品及び/又は返品は、受理部180に受け入れられ、異質のアイテムがレセプタクル内に一緒に保管されているであろう「ランダム収容」又は類似した機構に従ってインベントリ130内に保管される。受理済アイテムに関する情報が、荷役設備の制御システム250に入力される。顧客がアイテムの注文120を出す。注文120は、荷役設備の制御システム250に入力される。ピッキング工程140中に、制御システム250はエージェントをインベントリ130内のレセプタクル又は場所に案内する。そこで、レセプタクルから個々のアイテムを探索してピッキングする代わりに、エージェントは複数のアイテムを収容したレセプタクル全体を「ピッキング」する。レセプタクルは、異質のアイテムを含んでいてもよいが、含んでいなくてもよい。一実施形態において、レセプタクル上のバーコード又は他のそのようなマーキングが、ピッキングエージェントによって走査されるか、別の方法で制御システム250に入力される。制御システム250は、荷役設備で「ダーティーピッキング」工程を可能にするソフトウェア・プログラム(群)を組み込んでもよいことに留意されたい。
【0053】
ある実装において、インベントリ130内のレセプタクルからの個々のアイテムの従来のピッキングは、レセプタクル全体の「ダーティーピッキング」と併用して実行されてもよい。一実施形態において、制御システム250は、レセプタクル全体がインベントリ130内の場所から「ダーティーピッキング」されるのか、又は、レセプタクルから個々のアイテムがピッキングされるのかを指定する、エージェント向けのピッキング命令を生成するように構成されてもよい。
【0054】
次にエージェントは、「ダーティーピッキング済み」レセプタクル(群)を下流のステーション、例えば梱包ステーション160に配送する。梱包ステーションにおいて、レセプタクル内のアイテム(群)それぞれは、走査されるか又は別の方法で制御システム250に入力されてもよい。制御システムは、ステーションにいるエージェントに、どの走査済アイテムが注文120を履行するためのものか、そして、どのアイテムが「オーバーエイジ」アイテム(処理されている注文120いずれにも含まれないレセプタクル内のアイテム)であるかを指示することができる。そして注文120のためのアイテムは処理され(出荷向けに集約、梱包、ラベリングされる)、梱包された注文品は次に顧客110に出荷されるために出荷部170に配送される。「オーバーエイジ」アイテムは、例えばそのアイテムを「戻し入れ」又は再保管レセプタクルにおくことによって取りおかれ、その内容物は後でインベントリ130に戻される。制御システム250が荷役設備内のアイテムの配置、場所、分量、その他の情報を追尾できるように、インベントリに戻されたアイテムとそのアイテムの場所は、走査されるか又は別の方法で制御システム250に入力されてもよいことに留意されたい。
【0055】
一実施形態において、制御システム250は、アイテムがステーション160で処理される前に、「ダーティーピッキング済み」レセプタクル内のアイテムを注文120に優先的に合致させてもよい。次に制御システム250はエージェントに、「ダーティーピッキング済み」レセプタクル内のアイテムからは履行できないアイテムを、インベントリ130からピッキングするよう指示する。一実施形態において、制御システム250が、レセプタクル全体を「ダーティーピッキング」して処理するほうが、レセプタクルから個々のアイテムをピッキングするよりも効率がよいと判断した場合は、制御システム250は、エージェントに、レセプタクルから1つ又は複数の個々のアイテムをピッキングするのではなく、レセプタクル全体を「ダーティーピッキング」するべく指示するように構成されてもよい。
【0056】
一実施形態において、ステーション160でアイテムを処理する前に「ダーティーピッキング済み」レセプタクル内のアイテムを注文120に合致させるよりも、制御システム250は、ステーション160でアイテムが処理されるときにアイテムを注文に合致させてもよい。このことは、制御システム250に命令されなくても、エージェントがインベントリ130からレセプタクル全体を「ダーティーピッキング」し、レセプタクルをステーション160に配送することを可能にする。このことはまた、「ダーティーピッキング済み」レセプタクル内のアイテムからの少なくともいくつかの新規注文(例えば、レセプタクルの「ダーティーピッキング」時点と、「ダーティーピッキング済み」レセプタクルのステーション160への到着時の間に受けた注文)を、制御システム250が処理し履行することを可能にするものである。
【0057】
上述したように、いくつかの「オーバーエイジ」アイテムは再保管されるために「戻し入れ」レセプタクルに入れられる。ダーティーピッキングはオーバーエイジ・アイテムの二次的なレセプタクル整理統合工程を省く。「戻し入れ」レセプタクルに入れられる代わりに、不要な又は「オーバーエイジ」ピッキング済みアイテムのうち少なくとも一部は、他のアイテムとともにレセプタクルからピッキングされ、その後整理統合されたり、清算、ベンダー返却等で処分される。制御システム250は、どのアイテムがインベントリに戻されるもので、どのアイテムが別途処分されるものであるかについて、オーバーエイジ・アイテムを取り扱うエージェントに指示するように構成されてもよい。
【0058】
本明細書で説明されるダーティーピッキング機構の別の可能な適用は、ロングテールアイテムを、ダーティーピッキング・セプタクルからストック品保管所のもっと適切な領域に移転させる、例えばそのアイテムを動きの速いインベントリ領域から動きの遅いインベントリ領域に移転させる機会を提供することである。ロングテールアイテムを動きの速いインベントリ領域から動きの遅いインベントリ領域に移転させることは、ピッキング効率を高める一助となろう。
【0059】
図5は、一実施形態による、複数の、おそらくは異質のアイテムを収容した、受取機構にあるレセプタクルが、荷役設備内の下流の梱包ステーションで「ダーティーピッキング」され、処理されるダーティーピッキング機構を示す。「ダーティーピッキング」される受理済みレセプタクルは、例えば、新しい出荷品190において受理される、複数の、おそらくは異質のアイテムを収容したコンテナであってよい。例えば、ダーティーピッキングされる受理済みレセプタクルは、ベンダー又は他の荷役設備から新規に到着する商品を収容した出荷品、梱包160に「クロスドック」されるレセプタクル、複数の、おそらくは異質の返品アイテムを収容したレセプタクル、その他を含むがそれらに限定されない。受理済みレセプタクルを「ダーティーピッキング」することは、受理ステーションでの(より労働集約的なアイテムレベルに対して)レセプタクルレベルの処理を可能にすることができ、注文処理中に「ダーティーピッキング済み」レセプタクルが処理されるまで、レセプタクル内のアイテムへのアイテムレベルの接触を一切必要としない。
【0060】
一実施形態において、例えば受理オペレーション180で受理された顧客からの返品アイテムなどの返品アイテム192は、「ダーティーピッキング済み」レセプタクルに入れらる。一実施形態において、各日、顧客からの返品である受理済みアイテムのうち一部又は全部は、同日中で後にピッキングするために「優先」レセプタクル(ビン、コンテナ、トート、ボックス、等)に入れられる。返品アイテム192は受理オペレーション180で処理されてもよいことに留意されたい。この処理は、返品アイテムを出荷パッケージから取り除き、走査又は別の方法で返品アイテム192を荷役設備制御システムに入力することを含むがそれに限定されない。処理は、そのアイテムが顧客に再出荷される状態にあることを検証するために返品アイテム192を検査することを含む。損傷のあるアイテム、梱包が損傷し外れているアイテム、中身がないアイテム等は取り除けられて他の処理を施される。
【0061】
その日の返品全部が処理されると、又は返品のうち一定の部分が処理されたあと、優先レセプタクルは荷役設備の下流のステーション(例えば梱包ステーション160)に移され、そこで優先レセプタクル内の各アイテムは、あたかも返品された全アイテムに関して注文120があるかの如く走査されるか、別途の方法で制御システムに入力される。いくつかの荷役設備においては、アイテムを梱包及び/又は出荷するのと同一の物理的ロケーション又は「ステーション」が、アイテムを受け取るために用いられてもよいことに留意されたい。この場合、優先レセプタクルは、1つのステーションから別のステーションに移されたり運ばれたりする必要はない。優先レセプタクル内の特定のアイテムを含む注文120がシステム内にない場合、アイテムは「オーバーエイジ」として扱われ、取りおかれてインベントリ130に戻されるか、別の方法で処分される。注文を受けているアイテムは注文120とマッチングされて、さらに処理され(例えば、梱包及びラベリング)、顧客110への出荷に向けて出荷170に配送される。
【0062】
一実施形態において、荷役設備制御システムは、返品アイテム192を制御システム内の注文120と合致させるように構成されてもよい。このことは、可能ならば、インベントリ130から注文履行する代わりに返品アイテム192から優先的に注文履行することによって返品アイテムを「優先」させる。一実施形態において、例えば、その日の返品アイテム192すべてが受理部180にて処理された後で、制御システムはその日に受けた返品アイテム192のうち出来る限り多くを、その日に処理された注文120に合致させる工程を実行してもよい。するとエージェントは、制御システムによって、返品アイテム192から履行できない注文120にあるアイテムがあればそれをインベントリ130からピッキングするように命令される。次いでピッキング済みアイテムは下流のステーション、例えば梱包ステーション160に配送され、「優先」返品アイテム192と一緒に処理に供される。
【0063】
一実施形態において、インベントリ130からアイテムのうち少なくともいくつかをピッキングすることはこの場合、図3及び図4に説明される「ダーティーピッキング」機構に従って実行されてもよいことに留意されたい。
【0064】
上記は、一日に一度発生する返品アイテム192の「ダーティーピッキング」工程を説明したものである。例えば、全返品が午前中に受け取られ、返品アイテム192を注文120に合致させるその日の「優先」返品処理が日中に行われ、次に注文120に残ったアイテムがあればそれがインベントリ130からピッキングされる。返品アイテム120とピッキング済みアイテムは下流のステーション、例えば梱包ステーション160に配送され、上述した処理を受ける。
【0065】
しかし、この「ダーティーピッキング」工程は周期的又は非周期的に行われてもよいし、上述したように一日に一度行われてもよいし、一日に一度より多くても少なくてもよく、例えば一日おき、又は週に一度でもよいことに留意されたい。例えば、返品アイテム192が週の間に受理部180に集められ、注文のための返品アイテムを含む「優先」レセプタクルとして金曜日に処理されてもよい。別例として、返品アイテム192は1つ又は複数の優先レセプタクルが満杯になるまで受理部180に集められ、その後、その満杯になった優先レセプタクル(群)が処理される。さらに別の例としては、一日に周期的又は非周期的に実行される、1サイクルを超える「ダーティーピッキング」工程があってもよい。
【0066】
返品アイテム192に関する上述のダーティーピッキング機構を実行するいくつかの荷役設備において、返品アイテム192のうち少なくとも一部、おそらく大部分はインベントリ130に収容される必要はなく、代わりに顧客に直ちに再出荷される。こうして、ダーティーピッキングは、返品アイテム192処理時に、返品アイテム192それぞれをインベントリ130に収容する必要を省き、次いで新規の顧客注文120を履行するためにアイテムを再ピッキングする必要を省くことによってコストを削減することができる。
【0067】
いくつかの作業工程では、荷役設備の受理部180へと処理される複数の、おそらくは異質のアイテムを含むレセプタクル(例えばコンテナ)があり、その内容物のうち少なくとも一部、おそらく大部分が顧客110に直ちに出荷されるものであり、内容物の小数部分は顧客110に直ちに出荷されるのではなく荷役設備に保管される必要があることがある。このことは、荷役設備への配送のためにレセプタクルに品物を入れた当初の時点で、その全内容物が直ちに顧客に出荷される予定であった場合でも発生する。例えば、レセプタクルの到着移送期間中に、一部の顧客110がそれらの注文120をキャンセル又は変更したかも知れない。そのような状況では、注文が立っているアイテムを処理して出荷し、注文が立っていないアイテムを処理、除去、保管するための効率良い方法が必要とされる。
【0068】
このように、一実施形態において、ダーティーピッキング機構はアイテムのうち新しい出荷品190の少なくともいくつかに適用可能である。この実施形態において、複数の、そしておそらくは異質のアイテムを含む可能性はあるが必ずしもそうではない受理済みレセプタクル(例えばコンテナ)は、受理部180で受理され、まず処理される。処理時、レセプタクルの内容物が荷役設備制御システムに入力される。レセプタクルは、次に荷役設備の下流のステーション(例えば梱包ステーション160)に「クロスドック」され、そこでレセプタクル内の各アイテムは、あたかもレセプタクル内の全アイテムに関して注文120があるかの如く走査されるか別途の方法で制御システムに入力される。レセプタクル内の特定のアイテムを含む注文120がシステム内にない場合、アイテムは「オーバーエイジ」として扱われ、取りおかれてインベントリ130に戻されるか、別の方法で処分される。注文を受けているアイテムは注文120とマッチングされて、さらに処理され(例えば、梱包及びラベリング)、顧客110への出荷に向けて出荷170に配送される。エージェントは、制御システムによって、「クロスドック」レセプタクルから履行できない注文120上のアイテムがあればそれをインベントリ130からピッキングするように命令されることに留意されたい。次いでピッキング済みアイテムは下流のステーション、例えば梱包ステーション160に配送され、レセプタクルからのアイテムと一緒に処理に供される。一実施形態において、インベントリ130からアイテムのうち少なくともいくつかをピッキングすることはこの場合、図3及び図4に説明される「ダーティーピッキング」機構に従って実行されてもよいことに留意されたい。さらに、一実施形態において、新しい出荷品190の「クロス・ドッキング」ダーティーピッキング工程は、上述した返品アイテム192の「ダーティーピッキング」と併用されてもよい。
【0069】
図6は、一実施形態による、受理済みアイテムを収容したレセプタクルが、荷役設備内の下流の梱包ステーションでピッキングされ処理されるダーティーピッキング機構をさらに詳細に示す。「ダーティーピッキング済み」レセプタクルは、例えば、ベンダー又は他の荷役設備から新規に到着した商品を収容した出荷品など、新しい出荷品190に受け入れられた複数の、おそらくは異質のアイテムを含み、梱包160に「クロスドック」されるコンテナ、返品アイテムの集まりを収容したレセプタクル、又は両方である。
【0070】
一実施形態において、例えば受理部180で受理された顧客からの返品アイテムなどの返品アイテム192は、「ダーティーピッキング済み」であるレセプタクルに入れられる。一実施形態において、顧客からの返品である受理済みアイテムのうち一部又は全部は、後にピッキングするために「優先」レセプタクル200に入れられる。返品アイテム192は受理部180で処理されてもよいことに留意されたい。この処理は、返品アイテムを出荷パッケージから取り除き、走査又は別の方法で返品アイテム192を荷役設備制御システム250に入力することを含むがそれに限定されない。処理は、そのアイテムが顧客に再出荷される状態にあることを検証するために返品アイテム192を検査することを含む。損傷のあるアイテム、梱包が損傷して外れているアイテム、中身がないアイテム等は取りおかれて他の処理を施される。
【0071】
一サイクル分の全返品アイテム192が受理部180で処理されると、優先レセプタクル200は荷役設備の下流のステーション(例えば梱包ステーション160)に移され、そこで優先レセプタクル200内の各アイテムは、走査されるか(別法の入力で)制御システム250に入力されて処理される162。いくつかの荷役設備においては、アイテムを梱包及び/又は出荷するために用いるのと同一の物理的ロケーション又は「ステーション」が、アイテムを受け取るために用いられてよいことに留意されたい。この場合、優先レセプタクル200は、1つのステーションから別のステーションに移されたり運ばれたりする必要はない。アイテムは、あたかも返品全アイテムに関して注文120があるかの如く走査される。一実施形態において、返品アイテムを処理するために、荷役設備制御システム250は、返品アイテム192を制御システム250内の注文120と合致させるように構成される。このことは、可能ならば、インベントリ130から注文履行する代わりに返品アイテム192から優先的に注文履行することによって返品アイテムを「優先」させる。エージェントは、制御システム250によって、優先される返品アイテム192から履行できない注文120上のアイテムがあればそれをインベントリ130からピッキング140するように命令される。次いでピッキング済みアイテムは1つ又は複数のピッキングされたレセプタクル220にて下流のステーション、例えば梱包ステーション160に配送され、「優先」返品アイテム192と一緒に処理される。一実施形態において、インベントリ130からアイテムのうち少なくともいくつかをピッキングすることはこの場合、図3及び図4に説明される「ダーティーピッキング」機構に従って実行されてもよいことに留意されたい。
【0072】
優先レセプタクル200内の特定のアイテムを含む注文120がシステム250内に存在しない場合、そのアイテムは制御システム250によって「オーバーエイジ」と表示され、例えばそのアイテムを「戻し入れ」レセプタクル210に入れることによって取りおかれてインベントリ130に戻されるか、別途処分される。注文を受けているアイテムは制御システム250によって注文120とマッチングされて、さらに処理され(例えば、梱包及びラベリング164)、顧客110への出荷に向けて出荷170に配送される。
【0073】
上記は、返品アイテム192の「ダーティーピッキング」工程をサイクルで発生するものとして説明している。サイクルは周期的でも非周期的でもよく、一日に一度起こるものでもよいし、一日に1度より多くても少なくてもよく、例えば一日おき、又は週に一度でもよい。例えば、全返品が午前中に受け取られ、返品アイテム192を注文120に合致させるその日の「優先」返品処理が日中に行われ、次に注文120に残っているアイテムがあれば、それはインベントリ130からピッキングされる。返品アイテム120とピッキング済みアイテムは下流のステーションに配送され、上述したように、あたかも全アイテムが注文されている如く処理される。別例としては、返品アイテム192が週の間に受理部180に集められ、注文のための返品アイテムを含む「優先」レセプタクル200として金曜日に処理されてもよい。さらに別の例として、返品アイテム192は1つ又は複数の優先レセプタクル200が満杯になるまで受理部180に集められ、その後、その満杯になった優先レセプタクル200が処理されてもよい。さらに別の例としては、一日に周期的又は非周期的に実行される、1サイクルを超える「ダーティーピッキング」工程があってもよい。
【0074】
一実施形態において、ダーティーピッキング機構を、少なくともいくつかの新しい出荷品190に適用することができる。この実施形態において、複数の、そしておそらくは異質のアイテムを含む受理済みレセプタクルは、受理部180で受け取られ、まず処理される。処理時、レセプタクルの内容物が荷役設備制御システム250に入力される。レセプタクルは、次に荷役設備の下流のステーション(例えば梱包ステーション160)に「クロスドック」され、そこでレセプタクル内の各アイテムは、あたかもレセプタクル内の全アイテムに関して注文120があるかの如く走査されるか、別途の方法で制御システム250で確認され、可能ならば、そのアイテムを注文と合致させるべく制御システムによって処理される。レセプタクル内の特定のアイテムを含む注文120がシステム250内に存在しない場合、そのアイテムは「オーバーエイジ」として扱われ、例えば「戻し入れ」レセプタクル210にそれを入れることによって取りおかれてインベントリ130に戻されるか、別の方法で処分される。注文を受けているアイテムは特定の注文120とマッチングされて、さらに処理され(例えば、梱包及びラベリング164)、顧客110への出荷に向けて出荷170に配送される。エージェントは、制御システムによって、「クロスドック」レセプタクルから履行できない注文120上のアイテムがあればそれをインベントリ130からピッキングするように命令されることに留意されたい。次いでピッキング済みアイテムは、ピッキングされたレセプタクル220にて、下流のステーション、例えば梱包ステーション160に配送され、レセプタクルからのアイテムと一緒に処理される。一実施形態において、インベントリ130から、アイテムのうち少なくともいくつかをピッキングすることはこの場合、図3及び図4に説明される「ダーティーピッキング」機構に従って実行されてもよいことに留意されたい。さらに、一実施形態において、新しい出荷品190の「クロス・ドッキング」ダーティーピッキング工程は、上述した返品アイテム192の「ダーティーピッキング」と併用されてもよい。
【0075】
図7は、一実施形態による、複数のアイテムを収容したレセプタクルが、荷役設備内の下流の仕分けステーションでピッキングされ処理されるダーティーピッキング機構を示す。いくつかの荷役設備においては、少なくともいくつかのピッキング済みアイテムが仕分けステーション150の仕分けキューに回され、そこでアイテムはそれぞれの対応する注文に仕分けされる。優先注文のアイテムなどの他のピッキング済みアイテムは、仕分けキューをバイパスして仕分けステーション150に直接配送されてもい。仕分け済み注文は、仕分けステーション150から直接梱包ステーション160に運ばれ、又は別法として、さらなる仕分けのために他の仕分けステーション150に運ばれてもよいことに留意されたい。ある実施において、仕分け済み注文は梱包ステーション160に運ばれる前に、何か他の処理ステーション又は、追加処理のための処理ステーションキューに運ばれてもよい。
【0076】
通常、仕分けは自動仕分け機構又は手動式仕分けシステムを用いて実行される。荷役設備内の仕分けステーション150は、1つ又は複数の自動仕分け機構、1つ又は複数の手動式仕分けステーション、及び1つ又は複数の自動仕分け機構と1つ又は複数の手動式仕分けステーションの組合せを含んでよい。個々の注文による或る種の種類のインベントリ・アイテムを仕分けするための自動仕分け機構は、クリスプラント(Crisplant(登録商標))ソータ、ユーロソート(Eurosort(登録商標))ソータ、その他のベンダーから提供される自動仕分け機構を含むがそれらに限定されない。自動仕分け機構を用いると、複数の異なる顧客注文のための入ってくるピッキング済みアイテムのバッチ又はストリームは、自動仕分け機構に受け入れられて、個々の注文に従って自動機構によって仕分けされる。
【0077】
インベントリ130からレセプタクルを「ダーティーピッキング」するダーティーピッキング機構の実施形態において、受理部180からの、例えば顧客からの返品アイテムなどの返品アイテム192のダーティーピッキング優先レセプタクル、及び/又は、例えばベンダー又は他の荷役設備からの受理部にある新規到着商品を収容した出荷品などの出荷品190からの複数の、おそらくは異質のアイテムを含むダーティーピッキング・セプタクル(例えばコンテナ)は、ダーティーピッキング・セプタクルを梱包ステーション160に直接配送する代わりに、ダーティーピッキング・セプタクルは梱包ステーション160(群)から上流にある手動式又は自動仕分けステーション150に配送されてもよい。仕分けステーション150において、コンテナ又はレセプタクル内の「オーバーエイジ」アイテムは、注文120用のアイテムから分けられて、インベントリ130に再保管するために「オーバーエイジ」として取りおかれるか、又は別途処分されてもよい。
【0078】
仕分けステーション150が手動式仕分けステーションである場合、注文120があるアイテムを出荷向けに処理する代わりに、アイテムをもう1つの下流のステーション(例えば梱包ステーション160)に運び追加処理をすること以外は、ダーティーピッキング・セプタクルのアイテムは、梱包ステーション160での処理に関して既に説明した方法と類似して走査され、処理されることができる。仕分けステーション150がクリスプラント(Crisplant(登録商標))ソータのような自動仕分け機構である場合、ダーティーピッキング・セプタクルのアイテムは自動仕分け機構内に誘導され、そこで注文120があるアイテムをスロット又はビンに分け(スロット又はビン毎に1件を超える注文がある可能性がある)、そこからアイテムは下流のステーション、例えば梱包ステーション160に配送される。「オーバーエイジ」アイテムがあればそれは1つ又は複数の「オーバーエイジ」スロット又はビンに出され、そこからそのアイテムは処分のために取り除かれ、例えばインベントリ130に再保管される。自動仕分け機構は典型的には荷役設備制御システムの制御下で作動する。
【0079】
図8は、一実施形態による荷役設備の一般的なダーティーピッキング方法の流れ図である。この図はダーティーピッキング機構を、注文アイテムを処理する状況で説明しているが、「ダーティーピッキング」及びダーティーピッキング方法の実施形態は、注文履行以外の理由での荷役設備内のレセプタクルのアイテムの処理に適用されてもよいことに留意されたい。例えば、ダーティーピッキング機構の実施形態は、他の施設場所又はステーションに搬送又は移される必要があるアイテム、小売店に回されるアイテム、ベンダー又は複数のベンダーに返品されるアイテム、清算されるアイテム、製造施設或いは組立施設で組み立てられることになっているアイテム又は部品、その他に適用される。一般に、ダーティーピッキング機構の実施形態は、荷役設備内のレセプタクルに配置されているアイテムの処理に適用可能である。
【0080】
400に示すように、複数の、おそらくは異質のアイテムを含むレセプタクルは、荷役設備で選択又は「ダーティーピッキング」される。「ダーティーピッキング」するとき、レセプタクル内のアイテムは、アイテムのいずれも荷役設備内の現在の注文向けではないことを判断するために処理されるのではないことに留意されたい。そうではなく、レセプタクル内のアイテムの注文状況に関わらずレセプタクル全体がピッキングされる。レセプタクル内のアイテムのうち少なくとも一部、そしておそらく殆どが現在注文されているアイテムであると仮定されている。選択されたレセプタクルは、顧客からの返品アイテムを受理部に収容した「優先」レセプタクル、複数の、おそらくは異質のアイテムを収容した新しい出荷品を受理部に持つコンテナ、又は「ランダム収容」又は類似した保管品収容技法を実行する荷役設備内のインベントリからのレセプタクルであってよいことに留意されたい。
【0081】
402に示すように、選択されたレセプタクルは、例えば梱包ステーション、仕分けステーション、又は何か他のステーションなどの「下流の」注文処理ステーションに運ばれる。レセプタクルは、或る種のカート上の手動式輸送手段、又は或る種のコンベヤーベルトシステムを介した輸送手段を含むがそれらに限定されないいくつかの方法のうち任意の方法によってステーションに運搬される。
【0082】
ステーションにおいて、選択されたレセプタクル内の個々のアイテムが処理される。404で示すように、レセプタクルからのアイテムのうち1つが選択されて、走査されるか別の方法で荷役設備制御システムに入力される。次に荷役設備制御システムは、406で示すように、そのアイテムが処理中の現在の注文であること、又はそのアイテムが現在の注文向けではないこと、したがって「オーバーエイジ」アイテムであることを示す。そのアイテムが現在の注文向けではない場合、そのアイテムは、408で示すように、後で処理するために分けられる。例えば、そのアイテムは、後にインベントリに戻される「オーバーエイジ」アイテムを収容した「戻し入れ」レセプタクルに入れられる。そのアイテムが現在の注文向けである場合、そのアイテムは、410で示すように、顧客への出荷に向けてさらに処理される。
【0083】
412で示すように、処理するべきアイテムがまだレセプタクル内にある場合、次のアイテムが404で選択されて処理されて、そこから上述したような次のアイテムの処理が続く。処理するべきアイテムがレセプタクル内にもうなければ、そのときダーティーピッキング・セプタクル内のアイテムの処理は完了する。一実施形態において、空になったレセプタクルは、インベントリで再利用するため、又は何か他の使用法のために「リサイクル」される。
【0084】
図9は、一実施形態による、返品アイテムを含んだレセプタクルの「ダーティーピッキング」方法の流れ図である。実施形態において返品アイテムを含んだレセプタクルの「ダーティーピッキング」は注文処理サイクルで実行され、サイクルは周期的でも非周期的でもよく、一日に一度実行されても、一日に2度以上実行されても、又は一日に一度より少なく実行されてもよい。
【0085】
注文処理サイクルでは、受理部は「受理サイクル」中に顧客から返品アイテムを受理する。受理サイクル中、500で示すように顧客からの返品アイテムが受理される。502で示すように、各返品アイテムは受理部で処理される。この処理は、返品アイテムを出荷パッケージから外して、走査又は別の方法でその返品アイテムを荷役設備制御システムに入力することを含むがそれに限定されない。処理は、そのアイテムが顧客に再出荷できる状態にあるかどうかを検証するために返品アイテムを検査することを含む。損傷のあるアイテム、梱包が損傷して外れているアイテム、中身がないアイテム等は取りおかれて他の処理を施される。処理済みの返品アイテムは、504で示すように「優先」レセプタクルに入れらる。
【0086】
506にて、受理サイクルが終わっていなければ、追加の返品アイテムが受け取られて上述したように処理される。受理サイクルが終わっていれば、制御システムは顧客からの注文の処理を開始し、そこで優先レセプタクル内の返品アイテムは、508で示すように、注文を履行するために優先的に選択される、又は「優先される」。
【0087】
510で示すように、優先レセプタクルは、例えば梱包ステーション又は仕分けステーションなどの処理ステーションで受理される。制御システムは荷役設備のエージェントに、返品アイテムから履行されない注文のためのアイテムをインベントリからピッキングし、512で示すように、ピッキング済みアイテムを注文処理ステーションに配達するように命令する。514で示すように、優先レセプタクル内のアイテムとインベントリからピッキングされるアイテムは、次にステーションで処理され、図8で説明した方法に類似した方法を用いて、優先レセプタクル内の返品アイテムは、ピッキングされ返品されたアイテムから分けられる。次の注文処理サイクルが次いで開始される。(追加の返品アイテムは、優先レセプタクルが注文処理ステーションに運ばれた後で、注文処理サイクル中いつでも受理部で受理され処理されることができることに留意されたい。)
【0088】
(荷役設備制御システム)
図10は、一実施形態による、インベントリ内のアイテム及び受理部に受理されたアイテムの「ダーティーピッキング」機構を実装し、「ダーティーピッキング」工程を制御するように構成された制御システムを含む荷役設備を示す。図2の注文履行センター90のような荷役設備が、荷役設備制御システム、又は短縮して制御システムを実装する。図10の制御システム250のような制御システムは、注文履行センター90において顧客注文を履行しているエージェントを支援する及び/又はそのエージェントに命令するように構成され、ならびに本明細書で説明される「ダーティーピッキング」工程を制御するように構成されたハードウェア及び/又はソフトウェアを含んでいる。荷役設備内のアイテムは、ピッキング、ダーティーピッキング、仕分け、梱包を含むがそれらに限定されない荷役設備作業を促進するための、バーコード、ユニバーサル・プロダクト・コード(UPC)、ストック・キーピング・ユニット(SKU)コード、シリアル番号及び/又は他の指定(独占権指定を含む)を、記され又はタグ付けされてもよい。これらの指定又はコードは、アイテムをタイプ別に識別する、及び/又はある一種のアイテム内の個々のアイテムを識別する。制御システム250は、個々のアイテム上のマーク又はタグを走査、受信又は別途検出して、制御システム250の制御ステーション又はステーション群と通信し、アイテム及び/又はアイテムの品種を判定して記録し、例えば、ダーティーピッキング・セプタクルからのアイテムを、注文のあるダーティーピッキング・セプタクルからのアイテムと結びつけ、オーバーエイジ」アイテムを注文アイテムと分けることができる、ハンドヘルド、携帯式及び/又は固定式スキャナ又は走査装置である。
【0089】
制御システム250は、注文を履行するためにピッキングされるアイテム又はアイテム群を指定する各注文のための注文情報を受け取るように構成される。各注文には、注文履行工程で使用される固有の注文番号が割り当てられる。関連するアイテム及び/又は品種指定又はコード及びおそらくは他の記述情報を含むアイテム及び/又は品種情報は、エージェント142により、インベントリ130からピッキングされるアイテムそれぞれに関して、及び/又は受理部180で受理された返品アイテム又は新規アイテムに関して、制御システム250に入力される。この情報は、アイテム上のマーク又はタグから制御システム250へと走査されることができ、又は別法として手入力されることもできる。走査と手入力の組合せを用いてもよい。一実施形態において、荷役設備及び/又は出荷部に受け入れられたパッケージ及びコンテナ内のレセプタクルは、同様に制御システム250に入力される指定又はコードを含んでよい。レセプタクル又はコンテナに関して走査し入力された情報は、そのレセプタクル又はコンテナの内容物を制御システム250に通知することができる。
【0090】
制御システム250は、インベントリ130からレセプタクル250を「ダーティピック」するようエージェント142に命令するように構成されている。制御システム250はさらに、例えば顧客から返品されたアイテムなどの返品アイテム192のレセプタクル、及び/又は、現在の注文を履行するために受理部で受理された、例えばベンダー又は他の荷役設備からの新規到着商品を含む出荷品などの、新しい出荷品190内の複数の、おそらくは異質のアイテムを含むコンテナを「優先処理」するように構成され、また、エージェント142に、優先アイテムから履行されなかった任意のアイテムをピッキングする旨命令するように構成される。
【0091】
「ダーティーピッキング済み」レセプタクル及びコンテナは、梱包ステーション又は仕分けステーションなどの1つ又は複数の下流の終点260に配送される。終点260にて、制御システム250はダーティーピッキング・セプタクル内の品物を、注文用アイテムとオーバーエイジ・アイテムへ分離する制御を行う。制御システムは、オーバーエイジ・アイテムの処分について、例えばそのオーバーエイジ・アイテムはインベントリ130に再保管されるべきものだと指示することによってエージェントに命令する。
【0092】
一実施形態において、図10に示した制御システム250のような荷役設備制御システムは、図11に示されたコンピュータ・システム500などの1つ又は複数のコンピュータでアクセス可能な媒体を含む、又はそれにアクセスするように構成された汎用コンピュータ・システムを含む。例示された実施形態において、コンピュータ・システム500は入出力(I/O)インターフェース530を介してシステムメモリ520に結合された1つ又は複数のプロセッサ510を含む。コンピュータ・システム500はさらに、I/Oインターフェース530に結合されたネットワーク・インターフェース540を含む。ある実施形態において、コンピュータ・システム500は制御システム250の実例となるが、別の実施形態では、制御システム250はコンピュータ・システム500に追加した素子を含むことができる。
【0093】
種々の実施形態において、コンピュータ・システム500は1つのプロセッサ510を含む単一プロセッサ・システムであってもよく、いくつかのプロセッサ510(例えば2つ、4つ、8つ又は他の適切な個数)を含む多重プロセッサ・システムであってもよい。プロセッサ510は、命令を実行することができる任意の適切なプロセッサであってよい。例えば、種々の実施形態において、プロセッサ510は、x86、パワーPC、SPARC、又はMIPS ISA、又は任意の他の適切なISAなどの、種々のインストラクション・セット・アーキテクチャ(ISA)のうち任意のものを実行する汎用又は組み込みプロセッサであってよい。多重プロセッサ・システムにおいて、プロセッサ510それぞれは同じISAを共通に実装してもよいが、必ずしも共通に実装しなくてもよい。
【0094】
システムメモリ520は、工程510によってアクセス可能な命令とデータを記憶するように構成されている。種々の実施形態において、システムメモリ520は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、同期型DRAM(SDRAM)、不揮発性/フラッシュタイプメモリ、又は任意の他の種類のメモリなどの、任意の適切なメモリ技術を用いて実装可能である。例示した実施形態では、荷役設備制御システムのための上述した方法及び技法などの望まれる機能を実行するプログラム命令とデータは、コード525としてシステムメモリ520内に記憶されたものとして示されている。
【0095】
一実施形態において、I/Oインターフェース530は、プロセッサ510と、システムメモリ520と、装置内の任意の周辺装置との間のI/Oトラフィックを調整するように構成され、その周辺装置にはネットワーク・インターフェース540又は他の周辺装置インターフェースを含む。ある実施形態において、I/Oインターフェース530は、データ信号を1つの構成要素(例えばシステムメモリ520)から別の構成要素(例えばプロセッサ510)による使用のための適切なフォーマットへと変換するための任意の必要なプロトコル、タイミング又は他のデータ変換を実行することができる。ある実施形態において、I/Oインターフェース530は、例えば周辺機器構成要素相互接続(PCI)バス標準又はユニバーサルシリアルバス(USB)標準などの変形としての種々の種類の周辺装置バスを介して取り付けられたデバイスのサポートを含む。ある実施形態において、I/Oインターフェース530の機能は、例えばノースブリッジとサウスブリッジなどの2アイテム以上の分離した構成要素に分割されてもよい。さらに、ある実施形態において、システムメモリ520へのインターフェースなどのI/Oインターフェース530の機能のうち一部又は全部は、プロセッサ510に直接組み込まれていてもよい。
【0096】
ネットワーク・インターフェース540は、コンピュータ・システム500と、例えば他のコンピュータ・システムなどのようなネットワーク上の他のデバイスとの間でデータが交換されることを可能にするように構成されてもよい。特に、ネットワーク・インターフェース540は、コンピュータ・システム500と、上述した種々の通信機器144との間の通信を可能にするように構成されてもよい。ネットワーク・インターフェース540は1つ又は複数の無線ネットワーク・プロトコル(例えば、Wi−Fi/IEEE802.11、又は他の無線ネットワーク標準)を共通にサポートしている。しかし、種々の実施形態において、ネットワーク・インターフェース540は、例えば他の種類のイーサネット(Ethernet(登録商標))ネットワークなどの、任意の適切な有線又は無線汎用データネットワークを介した通信をサポートしてもよい。さらに、ネットワーク・インターフェース540は、アナログ音声ネットワーク又はデジタルファイバー通信ネットワークなどのテレコミニュケーション/電話ネットワークを介した通信、Fibre Channel SANなどの保管領域ネットワークを介した通信、又は任意の他の適切な種類のネットワーク及び/又はプロトコルを介した通信をサポートしてもよい。
【0097】
ある実施形態において、システムメモリ520は、上述したプログラム命令やデータを保存するように構成されたコンピュータでアクセス可能な媒体の一実施形態である。しかし別の実施形態では、プログラム命令及び/又はデータは、送受信でき、又は、異なる種類のコンピュータでアクセス可能な媒体に保存される。一般論として、コンピュータでアクセス可能な媒体は、例えばI/Oインターフェース530を介してコンピュータ・システム500に結合されたディスク又はDVD/CDなどの磁気又は光学媒体などの記憶媒体又はメモリ媒体を含む。コンピュータでアクセス可能な媒体は、コンピュータ・システム500のある実施形態にシステムメモリ520又は他のタイプのメモリとして含まれるRAM(例えばSDRAM、DDR SDRAM、RDRAM、SRAM等)、ROMなどの任意の揮発性又は不揮発性媒体を含む。さらに、コンピュータでアクセス可能な媒体は、ネットワーク・インターフェース540を介して実行されるような、ネットワーク及び/又は無線リンクなどの通信媒体を介して伝播される電気信号、電磁信号又はデジタル信号などの送信媒体又は信号をも含む。
【0098】
一実施形態において、制御システム250と通信機器144の間の関係は、サーバ・クアイアント方式の関係である。例えば、制御システム250は、通信機器144に命令を伝播し、通信機器144から確認を受け取るサーバ・コンピュータ・システム500として構成されてもよい。そのような実施形態において、通信機器144は比較的簡易型、又はシンクライアント機器である。例えば、通信機器144は、ディスプレイ、データ入力、通信能力はあるが他の演算機能は少ないダム端末として構成されてもよい。しかし、ある実施形態においては、1つ又は複数のプロセッサ510と種々の他のデバイスを含む、コンピュータ・システム500と同様に構成されたコンピュータ・システムとして想定されてもよい(ある実施形態において、通信機器144を実装しているコンピュータ・システム500は、制御システム250を実装しているコンピュータ・システム500に比べて幾分異なる機器又は異なるクラスの機器を有している)。ある実施形態において、制御システム250の機能は、通信機器144の一部又は全体にわたって分散されていてもよいことがさらに想定されている。つまり、ある実施形態において、注文履行センターのエージェントの行動を制御する中央集約ポイントはないということになり、むしろ、通信機器144及び他のデバイスは、注文履行センターの業務を調整するために協調した分散方式で機能することができる。
(結論)
【0099】
種々の実施形態はさらに、前述の説明にしたがって実行される命令及び/又はデータを送受信又はコンピュータでアクセス可能な媒体に保存することを含むことができる。一般論として、コンピュータでアクセス可能な媒体は、例えばディスク又はDVD/CD−ROM、RAM(例えばSDRAM、DDR、RDRAM、SRAM等)、ROMなどの揮発性又は不揮発性媒体などの磁気又は光学媒体などの記憶媒体又はメモリ媒体を含むことができる。送信媒体又は、電気信号、電磁信号又はデジタル信号などの信号は、ネットワーク及び/又は無線リンクなどの通信媒体を介して通信される。
【0100】
図面に示され本明細書に説明された種々の方法は、本方法の典型的な実施形態を表す。この方法は、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの組合せで実行されてもよい。注文方法は変更されてもよいし、種々の要素を追加、並べ替え、組合せ、削除、変更その他することができる。
【0101】
この開示の便益にあずかる当業者ならば、種々の変形及び変更を施すことができると思われ、それらが明白であろう。本発明は、そのような変形及び変更を包含することを意図したものであり、したがって、上記の説明は限定的というよりは例示的意味で解釈されることを意図したものである。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】従来の荷役設備の動作の全体図である。
【図2】従来の注文履行施設の典型的な物理的配置図である。
【図3】一実施形態による、複数のアイテムを収容したレセプタクルが、荷役設備内のインベントリからピッキングされるダーティーピッキング機構の図である。
【図4】一実施形態による、複数のアイテムを収容したレセプタクルが、荷役設備内のインベントリからピッキングされるダーティーピッキング機構のさらなる詳細図である。
【図5】一実施形態による、受理部で受理済みアイテムを収容しているレセプタクルが、荷役設備内の下流の梱包ステーションでピッキングされ処理されるダーティーピッキング機構の図である。
【図6】一実施形態による、受理済みアイテムを収容しているレセプタクルが、荷役設備内の下流の梱包ステーションでピッキングされ処理されるダーティーピッキング機構のさらに詳細な図である。
【図7】一実施形態による、アイテムを収容しているレセプタクルが、荷役設備内の下流の仕分けステーションでピッキングされ処理されるダーティーピッキング機構の図である。
【図8】一実施形態による、荷役設備の一般的なダーティーピッキング方法の流れ図である。
【図9】一実施形態による、返品アイテムの「ダーティーピッキング」方法の流れ図である。
【図10】一実施形態による、インベントリ内のアイテムと受理部で受理されたアイテムに対する「ダーティーピッキング」機構を実行するものであり、「ダーティーピッキング」工程を制御するように構成された制御システムを含む荷役設備の図である。
【図11】コンピュータ・システムの典型的な実施形態のブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷役設備の1ステーションで処理する対象の複数のアイテムを収容したレセプタクルを選択するステップであって、前記レセプタクルはそのレセプタクルの中にある個々のアイテムを処理せずに選択される、前記選択するステップと、
前記複数のアイテムを収容した前記レセプタクルを前記ステーションで受け取るステップであって、前記ステーションは、注文で指定されたアイテムを処理するように構成され、前記レセプタクル内の複数のアイテムの一部は、1つ又は複数の現在の注文向けである、前記受け取るステップと、
荷役設備の制御システムの指示により、前記1つ又は複数の現在の注文によって指定されたレセプタクルからのアイテムを、前記1つ又は複数の現在の注文によって指定されないオーバーエイジ・アイテムであるレセプタクルからの1つ又は複数のアイテムを分離させるステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記1つ又は複数の現在の注文は、1つ又は複数の顧客に出荷されるべきアイテムの1つ又は複数の顧客注文であり、前記方法はさらに、前記レセプタクルからの前記1つ又は複数の現在の注文向けの前記アイテムを、前記1つ又は複数の顧客に出荷するために処理するステップを含む請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記1つ又は複数の現在の注文は、1つ又は複数の小売店に出荷されるべきアイテムの1つ又は複数の顧客注文であり、前記方法はさらに、前記レセプタクルからの前記1つ又は複数の現在の注文向けの前記アイテムを、1つ又は複数の小売店に出荷するために処理するステップを含む請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記1つ又は複数の現在の注文は、組立対象のアイテムの1つ又は複数の注文であり、前記方法はさらに、前記レセプタクルからの前記アイテムを組み立てのために処理するステップを含む請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記1つ又は複数の現在の注文は、1つ又は複数のベンダーに返品されるアイテムの1つ又は複数の注文であり、前記方法はさらに、前記レセプタクルからの前記アイテムを、前記1つ又は複数のベンダーに返品するために処理するステップを含む請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記1つ又は複数の現在の注文は、前記荷役設備から清算されるアイテムの1つ又は複数の注文であり、前記方法はさらに、前記レセプタクルからの前記アイテムを清算のために処理するステップを含む請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記1つ又は複数の現在の注文は複数の注文を含み、前記方法は、レセプタクルからの現在の注文向けではない1つ又は複数のアイテムを、荷役設備のインベントリに戻すことになる戻し入れレセプタクルに入れるステップを含む請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記荷役設備は、複数の異質のアイテムを保管するためのインベントリを備え、前記複数の異質のアイテムは、2以上の異質のアイテムが前記インベントリの1レセプタクルに一緒に保管されるランダム収容技法によって前記インベントリに保管され、前記方法がさらに、
前記インベントリから1レセプタクルをピッキングするステップを含み、
前記ステーションで受理される複数のアイテムを収容した前記レセプタクルは、前記インベントリからピッキングされた前記レセプタクルである
請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記レセプタクルからの前記1つ又は複数のアイテムであって前記1つ又は複数の現在の注文向けではないものを、前記荷役設備の前記インベントリ内の別のレセプタクルに整理統合するステップをさらに含む請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記レセプタクルからのアイテムであって前記1つ又は複数の現在の注文向けではないもののうち少なくとも1つは、前記荷役設備の前記インベントリに戻されない請求項8記載の方法。
【請求項11】
前記荷役設備は、アイテムを受理し、前記受理済みアイテムを前記荷役設備へと処理する受理ステーションを備え、前記受理済みアイテムは、前記荷役設備の顧客からの返品アイテムを含み、前記方法がさらに、
複数の返品アイテムを優先レセプタクルに入れるステップを含み、
前記ステーションで受理された前記レセプタクルは前記優先レセプタクルである
請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記荷役設備は、アイテムの出荷品を受理しその出荷品を前記荷役設備へと処理する受理ステーションを備え、前記出荷品のうち少なくとも1つは複数の異質のアイテムを収容したコンテナを含み、前記ステーションで受理された前記レセプタクルは前記コンテナである請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記荷役設備は、前記制御システムの指示によって注文履行するために前記荷役設備のエージェントによってピッキングされる複数の異質のアイテムを保管するためのインベントリを備え、前記方法がさらに、
受理済みレセプタクル内の複数のアイテムからの注文のうち少なくともいくつかを履行するステップを含み、
前記注文で指定された1つ又は複数のアイテムが、受理済みレセプタクル内の複数のアイテムから履行されなかった場合、1つ又は複数のエージェントに、前記ステーションで処理するために前記インベントリから未履行アイテムをピッキングするように指示するステップを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項14】
複数のアイテムを収容したレセプタクルを受理するように構成された前記ステーションは梱包ステーションである請求項1記載の方法。
【請求項15】
複数のアイテムを収容したレセプタクルを受理するように構成された前記ステーションは仕分けステーションである請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記仕分けステーションは自動仕分け機構を備え、前記方法はさらに、前記レセプタクルからの前記複数のアイテムを前記自動仕分け機構へと仕向けるステップを含む請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記レセプタクル内の前記複数のアイテムは、2以上の異質のアイテムを含む請求項1記載の方法。
【請求項18】
荷役設備であって、
注文アイテムを処理する1つ又は複数のステーションと、
前記荷役設備内で注文履行を管理するように構成された制御システムと、を備え、
前記制御システムは、前記ステーションのうち1つにおいてレセプタクルが処理される前に、レセプタクル内のアイテムのうち1つ又は複数が個々に処理されることを指示することなく、レセプタクル内のアイテムを注文と合致させるように構成され、
ステーションのうち少なくとも1つは、
一部は現在の注文向けであるが全部が現在の注文向けではないような複数のアイテムを収容したレセプタクルを受け取り、
前記制御システムの指示によって、レセプタクルからの前記現在の注文向けのアイテムを、レセプタクルからの現在の注文向けでない1つ又は複数のアイテムと分離させる
ように構成される荷役設備。
【請求項19】
複数の異質のアイテムを保管するためのインベントリをさらに備え、前記複数の異質のアイテムは、2以上の異質のアイテムが前記インベントリの1レセプタクルに一緒に保管されるランダム収容技法によって前記インベントリに保管され、
前記インベントリ内のレセプタクルは、前記制御システムの指示によって、注文のアイテムを処理するための1つ又は複数のステーションのうち1つで処理されるために選択されるように構成され、
1ステーションで受理される複数のアイテムを収容した前記レセプタクルは、前記インベントリからピッキングされたレセプタクルである請求項18記載の荷役設備。
【請求項20】
アイテムを受理し、その受理済みアイテムを前記荷役設備へと処理する受理ステーションをさらに備え、前記受理済みアイテムは、顧客から返品された異質のアイテムを含み、
前記受理ステーションは、
複数の返品アイテムを1レセプタクルに収納し、
前記ステーションで受理された前記レセプタクルは、複数の返品アイテムを収容した前記レセプタクルである
ように構成される請求項18記載の荷役設備。
【請求項21】
アイテムの出荷品を受理し、その出荷品を荷役設備へと処理する受理ステーションをさらに備え、その出荷品のうち少なくとも1つは複数の異質のアイテムを収容したコンテナを含み、前記ステーションで受理された複数のアイテムを収容したレセプタクルは前記コンテナである請求項18記載の荷役設備。
【請求項22】
複数の異質のアイテムを保管するためのインベントリをさらに備え、
前記制御システムは、
受理済みレセプタクル内の複数のアイテムからの注文を履行するように構成され、
前記注文で指定された1つ又は複数のアイテムが、受理済みレセプタクル内の複数のアイテムから履行されなかった場合、1つ又は複数のエージェントに、前記ステーションで処理するために前記インベントリから未履行アイテムをピッキングするように指示するステップを含む請求項18記載の荷役設備。
【請求項23】
複数のアイテムを収容したレセプタクルを受け取るように構成された前記ステーションは梱包ステーションである請求項18記載の荷役設備。
【請求項24】
複数のアイテムを収容したレセプタクルを受け取るように構成された前記ステーションは仕分けステーションである請求項18記載の荷役設備。
【請求項25】
前記仕分けステーションは自動仕分け機構を備え、前記自動仕分け機構は、前記レセプタクルからの前記複数のアイテムを誘導機構へと受理するように構成されている請求項24記載の荷役設備。
【請求項26】
前記レセプタクル内の前記複数のアイテムは、2以上の異質のアイテムを含む請求項18記載の荷役設備。
【請求項27】
荷役設備であって、
注文アイテムを処理する1つ又は複数のステーションと、
前記荷役設備内で注文履行を管理するように構成された制御システムと、を備え、
前記制御システムは、レセプタクル内のアイテムがすべて現在の注文向けのものであることを制御システム内で判断せずとも、前記ステーションのうち1つで処理する複数のアイテムを収容したレセプタクルの選択を指示するように構成され、
前記ステーションのうち少なくとも1つは、
前記複数のアイテムを収容したレセプタクル内の各アイテムに関する情報を、前記制御システムに入力し、
前記制御システムの指示によって、レセプタクルからの前記現在の注文向けのアイテムを、レセプタクルからの現在の注文向けでない1つ又は複数のアイテムと分離させる、
ように構成される
荷役設備。
【請求項28】
複数の異質のアイテムを保管するためのインベントリをさらに備え、前記複数の異質のアイテムは、2以上の異質のアイテムが前記インベントリの1レセプタクルに一緒に保管されるランダム収容技法によって前記インベントリに保管され、
インベントリ内の前記レセプタクルは、前記制御システムの指示によって、注文のアイテムを処理するための前記1つ又は複数のステーションのうち1つで処理されるために選択されるように構成され、
1ステーションで受理される複数の異質のアイテムを収容した前記レセプタクルは、前記ステーションでの処理のために前記インベントリからピッキングされたレセプタクルである請求項27記載の荷役設備。
【請求項29】
アイテムを受理し、その受理済みアイテムを前記荷役設備へと処理する受理ステーションをさらに備え、
前記受理済みアイテムは、顧客からの異質の返品アイテムを含み、
前記受理ステーションは、
前記返品アイテムそれぞれに関する情報を前記制御システムに入力し、
前記制御システムの指示によって、前記複数の返品アイテムを、前記1つ又は複数のステーションのうち1つでの処理のためのレセプタクルに入れ、その返品アイテムを注文向けに処理する、
ように構成され、
前記ステーションで受理された前記複数のアイテムを収容したレセプタクルは、前記複数の返品アイテムを収容した前記レセプタクルである
請求項27記載の荷役設備。
【請求項30】
アイテムの出荷品を受理しその出荷品を前記荷役設備へと処理する受理ステーションをさらに備え、前記出荷品のうち少なくとも1つは、複数の異質のアイテムを収容した1つ又は複数のコンテナを含み、前記ステーションで受理された前記複数のアイテムを収容したレセプタクルは、複数の異質のアイテムを収容した1つ又は複数のコンテナのうちの1つである請求項27記載の荷役設備。
【請求項31】
前記制御システムの指示によって注文履行するためにピッキングする複数の異質のアイテムを保管するためのインベントリをさらに備え、
前記制御システムは、
前記受理済みレセプタクル内の複数のアイテムからの注文を履行し、
前記注文で指定された1つ又は複数のアイテムが、前記受理済みレセプタクル内の複数のアイテムから履行されなかった場合、1つ又は複数のエージェントに、前記ステーションで処理するために前記インベントリから未履行アイテムをピッキングするように指示する
ように構成されている、
請求項27記載の荷役設備。
【請求項32】
複数のアイテムを収容したレセプタクルを受理するように構成された前記ステーションは梱包ステーションである請求項27記載の荷役設備。
【請求項33】
複数のアイテムを収容したレセプタクルを受け取るように構成された前記ステーションは仕分けステーションである請求項27記載の荷役設備。
【請求項34】
前記仕分けステーションは自動仕分け機構を備え、前記自動仕分け機構は、前記レセプタクルからの前記複数のアイテムを仕向け機構へと受理するように構成されている請求項33記載の荷役設備。
【請求項35】
前記レセプタクル内の複数のアイテムは2以上の異質のアイテムを含む請求項27記載の荷役設備。
【請求項36】
プログラム命令を備えたコンピュータでアクセス可能な媒体であって、前記プログラム命令は荷役設備制御システムを実装するように構成されており、前記荷役設備制御システムは、
荷役設備の1ステーションで処理するために、荷役設備内の複数のアイテムを収容したレセプタクルの選択を指示するように構成され、前記ステーションは、注文向けのアイテムを処理するように構成されており、前記複数のアイテムの一部は、前記制御システム内の現在の注文向けであり、前記レセプタクルは、現在の注文向けのアイテムを現在の注文向けでないアイテムから区別するために、レセプタクル内の個々のアイテムを処理せずに選択され、さらに、
前記ステーションでの前記選択されたレセプタクルの処理を指示するように構成され、前記選択されたレセプタクルの処理を指示するために、前記荷役設備制御システムは、レセプタクルからの現在の注文向けでない1つ又は複数のアイテムから、レセプタクルからの現在の注文向けのアイテムの分離を命令するように構成されている
プログラム命令を備えたコンピュータでアクセス可能な媒体。
【請求項37】
前記現在の注文は、1つ又は複数の顧客に出荷されるべきアイテムの顧客注文であり、前記制御システムはさらに、前記レセプタクルからの前記現在の注文向けの前記アイテムの、前記1つ又は複数の顧客に出荷するための処理を命令するように構成されている請求項36記載のコンピュータでアクセス可能な媒体。
【請求項38】
前記現在の注文は、1つ又は複数の小売店に出荷されるべきアイテムの注文であり、前記制御システムはさらに、前記レセプタクルからの前記現在の注文向けのアイテムの、前記1つ又は複数の小売店に出荷するための処理を命令するように構成されている請求項36記載のコンピュータでアクセス可能な媒体。
【請求項39】
前記現在の注文は、組立対象のアイテムの注文であり、前記制御システムはさらに、前記レセプタクルからの前記アイテムの組立の処理を命令するように構成されている請求項36記載のコンピュータでアクセス可能な媒体。
【請求項40】
前記現在の注文は、1つ又は複数のベンダーに返品されるアイテムの注文であり、前記制御システムはさらに、前記レセプタクルからの前記アイテムの、前記1つ又は複数のベンダーに返品するための処理を命令するステップを含む請求項36記載のコンピュータでアクセス可能な媒体。
【請求項41】
前記現在の注文は、前記荷役設備から清算されるアイテムの注文であり、前記制御システムはさらに、前記レセプタクルからの前記アイテムの、清算のための処理を命令するように構成されている請求項36記載のコンピュータでアクセス可能な媒体。
【請求項42】
前記制御システムはさらに、前記レセプタクルからの前記現在の注文向けではない1つ又は複数のアイテムの、前記荷役設備内のインベントリへの保管を命令するように構成されている請求項36記載のコンピュータでアクセス可能な媒体。
【請求項43】
前記荷役設備は、前記制御システムの指示によって注文履行するために前記荷役設備のエージェントによってピッキングされる複数の異質のアイテムを保管するためのインベントリを備え、
前記複数の異質のアイテムは、2以上の異質のアイテムが前記インベントリの1レセプタクルに一緒に保管されるランダム収容技法によって前記インベントリに保管され、
レセプタクルの選択を指示するために、前記制御システムはさらに、前記エージェントの1つに、前記インベントリから前記レセプタクルの1つをピッキングするよう命令するように構成され、
複数のアイテムを収容した前記選択されたレセプタクルは、前記エージェントによって前記インベントリからピッキングされた前記レセプタクルである請求項36記載のコンピュータでアクセス可能な媒体。
【請求項44】
前記制御システムはさらに、前記レセプタクルからの前記現在の注文向けではない前記1つ又は複数のアイテムの、前記荷役設備の前記インベントリ内の別のレセプタクルへの整理統合を命令するように構成される請求項43記載のコンピュータでアクセス可能な媒体。
【請求項45】
前記制御システムはさらに、前記レセプタクルからの前記現在の注文向けではないアイテムのうち少なくとも1つは、荷役設備のインベントリに戻すものではないことを指示するように構成されている請求項43記載のコンピュータでアクセス可能な媒体。
【請求項46】
前記荷役設備は、アイテムを受理し、その受理済みアイテムを前記荷役設備へと処理する受理ステーションを備え、前記受理済みアイテムは、前記荷役設備の顧客からの異質の返品アイテムを含み、
レセプタクルの選択を支持するために前記制御システムはさらに、複数の前記返品アイテムの優先レセプタクルへの収容を命令するように構成され、
前記ステーションで処理される、複数のアイテムを収容した前記選択されたレセプタクルは前記優先レセプタクルである、
請求項36記載のコンピュータでアクセス可能な媒体。
【請求項47】
前記荷役設備は、アイテムの出荷品を受理しその出荷品を前記荷役設備へと処理する受理ステーションを備え、前記出荷品のうち少なくとも1つは、複数の異質のアイテムを収容した1つ又は複数のコンテナを含み、前記ステーションで処理される複数のアイテムを収容した前記選択されたレセプタクルは前記コンテナである請求項36記載のコンピュータでアクセス可能な媒体。
【請求項48】
前記荷役設備は、前記制御システムの指示によって注文履行するために前記荷役設備のエージェントによってピッキングされる複数の異質のアイテムを保管するためのインベントリを備え、
前記制御システムは、
前記選択されたレセプタクルからの複数のアイテムを注文履行するようにさらに構成され、
前記注文で指定された1つ又は複数のアイテムが、前記選択されたレセプタクル内の複数のアイテムから履行されなかった場合、前記ステーションで処理するために前記インベントリから未履行アイテムの選択を命令するように構成された請求項36記載のコンピュータでアクセス可能な媒体。
【請求項49】
複数のアイテムを収容したレセプタクルを受理するように構成された前記ステーションは梱包ステーションである請求項36記載のコンピュータでアクセス可能な媒体。
【請求項50】
複数のアイテムを収容したレセプタクルを受け取るように構成された前記ステーションは仕分けテーションである請求項36記載のコンピュータでアクセス可能な媒体。
【請求項51】
前記仕分けステーションは、前記制御システムの命令によって前記複数のアイテムを前記選択されたレセプタクルへと受理し仕分けするように構成された自動仕分け機構を備える請求項50記載のコンピュータでアクセス可能な媒体。
【請求項52】
前記レセプタクル内の複数のアイテムは2以上の異質のアイテムを含む請求項36記載のコンピュータでアクセス可能な媒体扱い設備。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公表番号】特表2009−518258(P2009−518258A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544615(P2008−544615)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際出願番号】PCT/US2006/061433
【国際公開番号】WO2007/067868
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(507303550)アマゾン・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (17)
【Fターム(参考)】