蒸着システム用の基板ホルダ
【課題】本発明は、化学蒸着(CVD)システムまたは物理蒸着(PVD)システムなどの蒸着システムの真空チャンバ内で、コーティング源の上につり下げられた遊星式回転プラットホームに基板を固定する磁気ラッチで使用する部分的に使い捨ての基板ホルダに関する。
【解決手段】この基板ホルダは、磁気ラッチに引きつけられる強磁性材料で少なくとも部分的にできている再利用可能なベースと、比較的安価で、強磁性で、容易に成形可能な材料でできており、コーティング材料の付着を促進し、コーティング温度での蒸気圧が低い使い捨てカバーとを含む。
【解決手段】この基板ホルダは、磁気ラッチに引きつけられる強磁性材料で少なくとも部分的にできている再利用可能なベースと、比較的安価で、強磁性で、容易に成形可能な材料でできており、コーティング材料の付着を促進し、コーティング温度での蒸気圧が低い使い捨てカバーとを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸着システムで使用する基板ホルダに関し、詳細には、磁気ラッチとともに使用する部分的に使い捨ての基板ホルダに関する。この磁気ラッチは、物理蒸着(PVD)システムまたは化学蒸着(CVD)システムの真空チャンバ内でこの基板ホルダをつり下げる。
関連出願のクロスリファレンス
本発明は、2004年8月20日出願の米国特許出願第60/603211号の優先権を主張する。本発明は、2004年10月19日出願の米国特許出願第10/968642号の一部継続出願である。事実上、これらを参照により本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
小型の光学系で使用するものなどの多層精密コーティングは一般に、PVDまたはCVDのシステムで生成される。これらのコーティングの多くは、薄い平坦な円盤でできている基板に塗布され、次いで、これらの基板を適切なサイズに切断する。
【0003】
PVDまたはCVDのシステム内の供給源からのコーティング剤は、比較的安定しているが空間的な分布を有し、そのため、基板が静止したままの場合、被着された被膜の厚さが不均一になることがある。均一性を向上させるために、供給源と基板の間の幾何学的な関係を適切に選択しなければならない。コーティングすべき表面に直交する軸の回りで基板を回転させると、特に、遊星構成の複数のスピンドルに複数の基板を装着すると、良好な結果が得られることが確認されている。
【0004】
厚さを再現性よく制御し、欠陥の数を少なくするために、基板ホルダは、他の移動要素に対して相対的に基板を極めて精確に配置しなければならず、スライドして移動しないように基板をしっかりと保持しなければならない。スライド移動があると、加速または温度変化により、粒子による汚染が生じる恐れがある。さらに、基板を支持する工具の表面(ジグのリップ部)は、研磨しなければならず、非垂直入射で到達するコーティング剤のシャドーイングをなくすために極めて薄くしなければならない。基板の裏面は、その上に漂遊コーティング材料が被着しないように遮蔽しなければならない。
【0005】
これら要求の厳しい要件を満足するために、大量生産用の基板ホルダは一般に、ステンレス鋼、さらには比較的高価で維持するのが難しい焼入ステンレス鋼で製作する。基板に隣接する表面は、例えば酸化高硬度金属の複数の層など、基板と同じコーティング剤に曝される。遺憾ながら、基板ホルダ上のコーティングは、各コーティング処理のたびに形成され、除去されない場合には、はがれ落ちて研磨性の粒子になり、これらの粒子が後続の製品を損傷する恐れがある。基板ホルダを清浄にするには通常、グリット・ブラストまたは極めて攻撃的な化学エッチングを必要とし、これを、コーティング処理をいくつか行うごとに、あるいは、欠陥を極めて少なくすることが必要とされる場合には、各コーティング処理後に繰り返さなければならない。焼入鋼製の基板ホルダでさえ急速に摩耗し、その結果、基板ホルダおよびその保守は、コーティング工程においてかなりのコストがかかり、欠陥を発生させる粒子の主な原因になる。
【0006】
1992年4月21日発行のStefan Locher他の米国特許第5106346号に開示されているものなど、従来型遊星歯車コーティング・システムは、大型の回転プラットホームを含む。密封真空チャンバ内に配設されたこのプラットホームは、その上で回転可能な個々のスピンドル(遊星)をいくつか備える。遺憾ながら、各基板ホルダは、ボルトなどの機械式留め具を使用して各スピンドル上の装着フランジに連結しなければならず、そのため、手作業で交換する必要がある。これらの機械的なシステムは余分な手作業を必要とするだけでなく、温度および圧力の変化によって生じる位置合わせ不良がより発生しやすい。
【0007】
真空チャンバからベアリングおよび歯車の構造をできるだけ離すために、Hurwitt他は、1998年8月18日発行の米国特許第5795448号で、各スピンドルのシャフト内に磁気リンク装置を含む遊星歯車コーティング・システムを開示している。基板ホルダは、陰極の上でつり下げられず、スピンドルの装着フランジに取り付けるために、依然として機械式留め具を必要とする。
【0008】
2002年10月15日発行のShinozakiの米国特許第6464825号に開示されているコーティング・システムは、主真空チャンバ内に入るごみの量を最小限に抑えるために、ローディング/アンローディング用の加圧チャンバと主真空チャンバの間を移動するロボット・アームを含む。Shinozakiのシステムは、相互作用する機械要素によって生じる粒子の発生を最小限に抑えるために、磁気回転駆動部および磁気浮揚部材も含む。しかし、Shinozakiが開示しているのは、複雑な浮揚プラットホームおよび基板ホルダを完全に取り囲む電磁石を備えた単一の回転プラットホームである。遺憾ながらこの手法を遊星歯車コーティング・システムで実施するのは不可能であろう。というのは、遊星システムでは、真空中かつ高温で動作している間に、個々の回転基板ホルダに別々に電力を送達するのは極めて難しいからである。
【0009】
【特許文献1】米国特許第5106346号
【特許文献2】米国特許第5795448号
【特許文献3】米国特許第6464825号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、使い捨てカバーを備えた基板ホルダを提供することによって先行技術の欠点を克服することである。このカバーは、ベースから容易に脱着可能であり、ベースから基板を取り出すために容易に取り外すことができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、本発明は、コーティング・システムのプロセス・チャンバ内に装着する基板支持体に関係するものであり、この基板支持体は、
それぞれのスピンドル軸の回りで回転可能な少なくとも1つのスピンドルと、
各スピンドルの端部上の、装着表面を含むラッチと、
前記ラッチの装着表面に装着する解放可能な基板ホルダとを備え、前記基板ホルダは、ベースと、基板を支持するベースの端面に装着されたカバーとを含み、
このカバーは、基板を露出させるための開口と、ベースに押し付けて基板の縁部を保持するための、この開口を取り囲むリップと、漂遊コーティング材料からベースを保護するための、ベースの端面を覆う保護領域とを含み、
このカバーは、シート・メタルでできており、
このカバーは、前記ベースから取り外すために、前記ベースに解放可能に取り付けられる。
【0012】
次に、本発明の好ましい実施形態を示す添付の図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1〜図3を参照すると、本発明による、物理蒸着(PVD)または化学蒸着(CVD)などの真空蒸着システムは、全体的に1で示すロード・ロック・チャンバおよびプロセス・チャンバ2を含み、これらの間にゲート・バルブ3がある。ゲート・バルブ3により、プロセス・チャンバ2内の圧力に無関係にロード・ロック・チャンバ1内の圧力を、基板のロード・アンロードを行うために大気圧にもってゆくことができ、または、基板を搬送するためにプロセス・チャンバ2の圧力に確立し直すことができる。ロード・ロック・チャンバ1は、カセット・エレベータ5を内部に備えたローディング・コンテナ4と、ロボット・アーム7を内部に備えた搬送チャネル6とを含む。ロボット・アーム7用の制御機構は、搬送チャネル6から延びる円筒形容器8に装着される。
【0014】
陰極12および遊星式基板支持体14は、プロセス・チャンバ2内に装着される。遊星式基板支持体14は、第1軸の回りで回転可能な円筒形の主プラットホーム16を備える。主プラットホーム16は、それから延びる複数の、例えば6つのスピンドル17を備え、各スピンドル17は、それ自体の軸の回りで回転可能である。これらの軸は、第1軸に平行であることが好ましいが、なんらかの他の角度とすることもできる。使用中、主プラットホーム16が回転すると、個々のスピンドル17もそれぞれ回転し、それによって確実に各基板のすべての部分が均一にコーティングされる。各スピンドル17は、その外側の自由端のところに、陰極12の上で基板をつり下げる磁気ラッチ18を含む。以下、これをさらに説明する。
【0015】
好ましくは低アーク陰極とする少なくとも1つの陰極12は、プロセス・チャンバ2の内部に装着される。1つの陰極12が故障した場合、あるいは、1つの陰極12のコーティングが供給されつくした場合の予備に、臨時の陰極12を設けることができる。あるいは、いくつかの異なる陰極12を設けて、プロセス・チャンバ2を大気に開放せずに、異なるコーティングを連続して被着させることができる。好ましくは、(図示しない)装着プラットホームを移動させることによって、手動または遠隔制御で、陰極12の位置に微調整を加えることができる。
【0016】
(図示しない)質量流量コントローラによってプロセス・チャンバ2にプロセスガスを供給しながら、ポンプ・ポート22を介してプロセス・チャンバ2を排気する。
【0017】
本明細書では、スパッタ被着真空システムを説明してきたが、本発明による遊星式基板支持体は、蒸着システムまたはCVDシステムなど、任意の他の適切なコーティング・システムとともに使用することができる。シャッタ、マスク、イオン衝突装置、最新のアノード・コンセプト、またはプラズマ励起システムなど、追加の機器によってコーティング・プロセスを強化することができる。
【0018】
本明細書では、上向きにスパッタする構成でコーティング・システムを示すが、本発明による磁気ラッチは、下向きにコーティングする、また横向きにコーティングするなど、他の向きで使用し得る。
【0019】
ゲート・バルブ3を閉じ、それによってプロセス・チャンバ2内の圧力が維持される状態で、カセット・エレベータ5に、基板ホルダ23内に装着された未コーティングの基板をロードする。ロード・ロック・チャンバ1を排気すると、プロセス・チャンバ2へのゲート・バルブが開き、ロボット・アーム7が、搬送チャネル6および開いたバルブ・ゲート3を通ってプロセス・チャンバ2に各基板ホルダ23を搬送して、磁気ラッチ18を使用してスピンドル17に装着する。
【0020】
図4a〜図4cに、非ラッチ位置(図4aおよび図4b)またはラッチ位置(図4c)に永久磁石31が配設される、磁気ラッチ18の基礎となる基本原理を示す。図4aでは、矢印32で示す磁気回路がバイパス部分33を貫通して閉じ、極34aおよび34bは磁化されないままになる。図4bでは、基板ホルダ23は、極34aおよび34bに接触して、代わりの磁気回路が形成される。図4cの矢印36で示す代わりの磁気回路を閉じるために、永久磁石31を回転させて極34aおよび34bと整列させ、それによって確実に、基板ホルダ23が極34aおよび34bによって磁気的に引きつけられる。あるいは、永久磁石31は固定したままとし、バイパス部分33ならびに極34aおよび34bを移動させて、永久磁石31と整列した状態および整列しない状態にすることができる。
【0021】
図5、図6a、図6b、および図7に示す磁気ラッチ18の好ましい実施形態は、円筒形ステータ41を含む。円筒形ステータ41は、その上で回転可能な円筒形ロータ42を有する。ステータ41は、3組のステータ極43aおよび43bを含む。これらのステータ極は、例えば六角ボルト46などの複数の機械式留め具によってベース44に固定され、それによって良好な接触が確実に行われる。ロータ42は、ロータ極48aと48bに挟まれた半径方向に延びる3つの永久磁石47を含む。これらの永久磁石のN極およびS極はそれぞれ、ロータ極48aおよび48bに隣接したこれらの永久磁石の長辺に沿って延びる。各磁気ラッチ18は、プロセス・チャンバ2の外側から、ラッチ位置(図5)と非ラッチ位置(図7)の間でロータ42を回転させるための、主プラットホーム16および各スピンドル17を通って下に延びる細長いアクチュエータ49を含む。アクチュエータ49は、アクチュエータ49の上端に、遊星式基板支持体の上でシャフト50(図3)などの別の機械装置と係合するためのトング、またはその他の係合可能な形状を含む。非ラッチ位置では、ロータ極48aおよび48bを回転させてともにステータ極の1つ43bに隣接させ、それによって、永久磁石47を短絡させてステータ41を通る磁気回路を遮断し、それによって、ステータ41の磁化を解除し、基板ホルダ23を解放する。
【0022】
基板ホルダ23とステータ41の位置合わせを容易にするために、ベース44の中心から延びるテーパ・ピン51を設ける。ベース44の中心の単一のテーパ・ピン51により、位置合わせ形状が設けられ、それによって、基板ホルダ23の角度を厳密な向きにすることなく、確実に基板ホルダ23が適切に位置合わせされる。テーパ・ピンは、ステータの円周に沿った他の位置または他の半径方向位置に配置することもできる。
【0023】
図8a〜図8dに、基板ホルダ23の実施例を示す。図8aでは、基板ホルダ23aは、環状カバー54に固定されたベース53を含む。環状カバー54は、単一の基板57を支持する環状ショルダ56を含む。ベース53に、テーパ・ピン51を受ける円筒形の凹部55を設け、それによって、テーパ・ピン51用の対合位置合わせ形状が得られる。ベース53は、磁気ラッチ18によって引きつけられる材料、例えば、鉄、コバルト、およびニッケルの1つまたは複数を含む強磁性材料で全部が、または少なくとも部分的にできている。ベース53は、基板57のコーティングしない面の保護カバーにもなり、その結果、意図せず望まれない裏面コーティングがなくなる。基板ホルダ23b(図8b)は、ベース53に固定された複数ディスク用環状カバー58を含む。複数ディスク用カバー58は、複数の比較的小型の基板61を支持する複数の環状ショルダ59を含む。プリズム62などの異形基板の場合には、複数プリズム用カバー63を設けて、ベース53に装着する(図8c参照)。
【0024】
ベース53の代替手段として、基板72は、ステータ41に引きつけられる強磁性リング71に取り囲まれる(図8d)。リング71の利点は、リング71から基板72を取り外さずに、基板72の両面に同じまたは異なるコーティングを基板72に施し得ることである。さらに、コーティングとコーティングの間に基板72およびリング71をプロセス・チャンバ1から取り出す必要はなく、例えば、ロボット・アーム7によって単にひっくり返す。
【0025】
典型的な基板は、直径200mm、厚さ0.2mm〜1.4mmのガラスウエハであろう。ただし、例えば厚さが最大32mm、質量が最大2kgの他の基板形態も可能である。
【0026】
図9aおよび図9bを参照すると、使い捨てカバー75がベース76に装着される。ベース76は、上記の場合と同様に、磁気ラッチ18によって引きつけられる材料、例えば、鉄、コバルト、およびニッケルの1つまたは複数を含む強磁性材料で全部が、または少なくとも部分的にできている。ベース76は、テーパ・ピン51用の円筒形凹部77を含む。ベース76は、基板のコーティングしない面の保護カバーを備え、その結果、意図せず望まれない裏面コーティングを防止する。カバー75は、基板用の1つまたは複数の開口78を含み、各開口78の周りを延びるリップ79を画定する。各リップ79は、ベース76の上面に形成されたスロット81内の基板の縁部を保持する。典型的には開口78は円形だが、基板の形状に応じて、例えば正方形または楕円など、任意の形状とし得るはずである。カバー75は、ベース76の上面が確実に覆われ、それによって漂遊コーティング材料から保護されるように環状中間領域82も含む。環状フランジ83は、中間領域82から直角に、ベース76の側壁に隣接して延び、それによって、漂遊コーティング材料からベース83の側壁を保護する。環状フランジ83の外側自由端84は、環状フランジ83の残りの部分に平行に内向きに折り返され、それによって、ベース76のラッチ表面88と係合するクリップが形成される。あるいは、カバー75から、それに直交して1つまたは複数の別々のクリップを延ばし、ベース76のラッチ表面88と係合させることができるはずである。好ましくはこれらのクリップは、例えばカバー75と同じシート・メタルなどの弾性材料でできており、そのため、これらのクリップおよびカバー75を比較的簡単に手動で、すなわち工具を使用せずに解放することができる。これらのクリップの取外しを容易にするために、これらのクリップから延びるレバー、押しボタン、および回転ノブを含めて、様々な機械的手段を設けることができる。
【0027】
ただし、例示の実施形態では、ベース76からカバー75を取り外すのを容易にするために、移動可能なウェッジ89にラッチ表面88を配設する。ウェッジ89は、それに十分な力が加えられたときに、ベース76の中心に向かって、例えば半径方向に、すなわち円筒形凹部77に向かって前後に動く。ねじ込み留め具91は、前後の動きの間、ウェッジ89を案内するために、ウェッジ82内のスロット92を貫通して延び、ベース76にねじ込まれる。ばね93はウェッジ89を外向きに偏倚させて、環状フランジ83の外側自由端84(クリップ)に接触させ、それによってある設定された力が得られる。この設定された力に手動で打ち勝って、ベース76からカバー75を解放しなければならない。
【0028】
図10に示す実施形態は、カップを逆さまにした形状の鉄製プレートによって画定される改変されたステータ部分100を含む。この鉄製プレートは、リム101の周りに一連の交互に並んだN極およびS極を備える。改変されたステータ部分100は、既存のステータ41に装着されるか、あるいは、既存のステータ41と交換する。先に述べたように、ロータ142を、アクチュエータ149とともに設ける。使い捨て基板ホルダ103により、ほぼ円形の開口104が画定され、その中に基板が配設される。基板ホルダ103は、それぞれ環状中間連結領域106aおよび106bのところで合わせて連結された第1(ベース)リング105aおよび第2(カバー)リング105bから形成される。
【0029】
第1リング105aおよび第2リング105bは、金属またはプラスチックのテープ、折り重ねたタブその他の手段で合わせて取り付けることができる。好ましい方法は、第1リング105aおよび第2リング105bを、連結領域106aおよび106b内の第1リング105aおよび第2リング105bの周辺近くの適切な数のポイントのところで「スポット結合」することである。極めて小さい電流によるスポット溶接の機器および技術を利用するスポット結合により、十分な強度が得られる。結合の形態は、単にすずを溶解して「ハンダ」スポットを形成することから、母鋼の完全なスポット溶接まで、連続的である。スポット溶接機器に流す電流は調整することができ、それによって、第1リング105aおよび第2リング105bが合わせてしっかりと保持されるが、基板を取り外すために容易かつ穏やかに分離することができ、重厚な工具または過剰な力を必要としない。
【0030】
第1リング104aおよび第2リング104bはそれぞれ、連結領域106aおよび106bからそれぞれ内向きに延びる環状リップ107aおよび107bを含む。環状リップ107aおよび107bは、基板の縁部を受け取り、クランプするための環状スロット108を画定する。第1リング105aおよび第2リング105bの外側端部は連結領域に直角に曲げられ、それによってフランジ109aおよび109bがそれぞれ形成される。連結領域106aおよび106bはリム101の外面を覆い、フランジ109aは、リム101の側面に沿って延びて、漂遊コーティング材料からリム101の側面を遮蔽し、漂遊コーティング材料が、基板ホルダ103とリム101の間を基板の裏面に移動しないようにする。さらに、フランジ109aは、リム101の周りで嵌合し、それによって、磁気ラッチ18に基板ホルダ103の中心が合う。フランジ109bは、連結領域106bから外向きに延びて、リム101から基板ホルダ103を取り外すために機械または手作業で掴むことを容易にし、漂遊コーティング材料からベースを保護する。好ましい実施形態では、ロボット・アーム7は、基板ホルダ103が磁気ラッチ18から解放されたときに基板ホルダ103を受け取るために、フランジ109bの内側に嵌合する環状の受入れ表面を含む。
【0031】
コストを最小限に抑え、保管を容易にするために、第1リング105aおよび第2リング105bは互いに同じにするが、第1リング105aおよび第2リング105bは、例えば非対称とし、リップ107aおよび/または107b内に特別の摩擦タブを形成して様々な基板を支持することができるなどの特定の要求に合わせるために異なるものとすることもできる。さらに、これらのリングの一方は、平坦なリング、すなわち、環状フランジまたはリップがないリングとすることができるはずである。ただし、第1リング105aおよび第2リング105bが同じ場合、基板ホルダ103をひっくり返して、基板の反対側の面をコーティングすることが容易に可能である。ひっくり返すことを意図した第1リング105aおよび第2リング105bはともに、磁気ラッチ18によって引きつけられる材料、例えば、鉄、コバルト、およびニッケルの1つまたは複数を含む強磁性材料で全部が、または少なくとも部分的にできていなければならない。
【0032】
図9および図10に示す基板ホルダは、使い捨てカバー75および105bを使用する。これらのカバーは、安価なシート・メタルを打ち抜いて作製され、1回または2回使用した後で破棄することができる。カバー75および105bは、加速、振動、および温度サイクル中に、それぞれベース76および105aに対して相対的に基板をしっかりと精確に保持する。さらに、カバー75および105bは、漂遊コーティング剤からベース76および105aを遮蔽する。そうしないと、漂遊コーティング剤は、ベース76および105aに被着して、それらがはがれ落ちた場合には基板に損傷を与える。
【0033】
カバー75は、機械的にベース76に取り付けられているので、強磁性とする必要はないが、理想的には、ベース76および105aを介してステータ41または改変されたステータ部分100によって磁気的に引きつけられるように、使い捨てのカバー75および105bを強磁性とする。さらに、カバー75および105bは、漂遊コーティング材料の付着を促進する表面材料または表面特性を含むべきである。カバー75および105bは、安価であり、容易に成形可能で、適切なときにばね力が得られるのに十分な弾性を備え、コーティング温度での蒸気圧が低く、有毒廃棄物の問題が最小限に抑えられたものであるべきである。実際には、カバー75および105bの厚さは、最大0.030インチ、好ましくは最大0.025インチ、さらに好ましくは最大0.020インチとする。極めて小型の、すなわち0.005インチ〜0.015インチの基板が好ましい場合には、より薄いカバーとすることが可能である。好ましくは、カバー75および105bは、電気スズ・メッキした鋼(Tin Plate)から製作する。これは、比較的安価であり、磁性体であり、容易に成形される。コーティング温度におけるスズ・メッキの蒸気圧は低く(232.06℃で5.78×E−21Pa)、そのため、それから放出される材料による基板の汚染が最小限に抑えられ、大部分の金属および酸化金属に対して比較的良好な付着が得られ、漂遊コーティング材料は、基板に向けられるのではなく、カバー75および105bに付着することになる。スズの融点(232℃)よりも高いコーティング応用例では、アルミニウムおよびステンレス鋼などの他のシート・メタルを使用し得る。アルミニウムおよびステンレス鋼の付着特性を向上させるために、表面処理が必要なことがある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明によるコーティング・システムの等角図である。
【図2】図1のコーティング・システムを、外壁をいくつか取り除いた状態で示す等角図である。
【図3】本発明による磁気ラッチを備えた遊星式基板ホルダの概略図である。
【図4】図4a〜cは本発明による磁気ラッチの基本原理を示す概略図である。
【図5】本発明による磁気ラッチの等角図である。
【図6】図6aは図5の磁気ラッチのステータの上面図である。図6bは図6aのステータの断面図である。
【図7】非ラッチ位置における図5の磁気ラッチの上面図である。
【図8】図8a〜dは本発明による基板ホルダの断面図である。
【図9a】代替基板ホルダの側断面図である。
【図9b】図9aの基板ホルダの上面図である。
【図10】代替基板ホルダの側断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸着システムで使用する基板ホルダに関し、詳細には、磁気ラッチとともに使用する部分的に使い捨ての基板ホルダに関する。この磁気ラッチは、物理蒸着(PVD)システムまたは化学蒸着(CVD)システムの真空チャンバ内でこの基板ホルダをつり下げる。
関連出願のクロスリファレンス
本発明は、2004年8月20日出願の米国特許出願第60/603211号の優先権を主張する。本発明は、2004年10月19日出願の米国特許出願第10/968642号の一部継続出願である。事実上、これらを参照により本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
小型の光学系で使用するものなどの多層精密コーティングは一般に、PVDまたはCVDのシステムで生成される。これらのコーティングの多くは、薄い平坦な円盤でできている基板に塗布され、次いで、これらの基板を適切なサイズに切断する。
【0003】
PVDまたはCVDのシステム内の供給源からのコーティング剤は、比較的安定しているが空間的な分布を有し、そのため、基板が静止したままの場合、被着された被膜の厚さが不均一になることがある。均一性を向上させるために、供給源と基板の間の幾何学的な関係を適切に選択しなければならない。コーティングすべき表面に直交する軸の回りで基板を回転させると、特に、遊星構成の複数のスピンドルに複数の基板を装着すると、良好な結果が得られることが確認されている。
【0004】
厚さを再現性よく制御し、欠陥の数を少なくするために、基板ホルダは、他の移動要素に対して相対的に基板を極めて精確に配置しなければならず、スライドして移動しないように基板をしっかりと保持しなければならない。スライド移動があると、加速または温度変化により、粒子による汚染が生じる恐れがある。さらに、基板を支持する工具の表面(ジグのリップ部)は、研磨しなければならず、非垂直入射で到達するコーティング剤のシャドーイングをなくすために極めて薄くしなければならない。基板の裏面は、その上に漂遊コーティング材料が被着しないように遮蔽しなければならない。
【0005】
これら要求の厳しい要件を満足するために、大量生産用の基板ホルダは一般に、ステンレス鋼、さらには比較的高価で維持するのが難しい焼入ステンレス鋼で製作する。基板に隣接する表面は、例えば酸化高硬度金属の複数の層など、基板と同じコーティング剤に曝される。遺憾ながら、基板ホルダ上のコーティングは、各コーティング処理のたびに形成され、除去されない場合には、はがれ落ちて研磨性の粒子になり、これらの粒子が後続の製品を損傷する恐れがある。基板ホルダを清浄にするには通常、グリット・ブラストまたは極めて攻撃的な化学エッチングを必要とし、これを、コーティング処理をいくつか行うごとに、あるいは、欠陥を極めて少なくすることが必要とされる場合には、各コーティング処理後に繰り返さなければならない。焼入鋼製の基板ホルダでさえ急速に摩耗し、その結果、基板ホルダおよびその保守は、コーティング工程においてかなりのコストがかかり、欠陥を発生させる粒子の主な原因になる。
【0006】
1992年4月21日発行のStefan Locher他の米国特許第5106346号に開示されているものなど、従来型遊星歯車コーティング・システムは、大型の回転プラットホームを含む。密封真空チャンバ内に配設されたこのプラットホームは、その上で回転可能な個々のスピンドル(遊星)をいくつか備える。遺憾ながら、各基板ホルダは、ボルトなどの機械式留め具を使用して各スピンドル上の装着フランジに連結しなければならず、そのため、手作業で交換する必要がある。これらの機械的なシステムは余分な手作業を必要とするだけでなく、温度および圧力の変化によって生じる位置合わせ不良がより発生しやすい。
【0007】
真空チャンバからベアリングおよび歯車の構造をできるだけ離すために、Hurwitt他は、1998年8月18日発行の米国特許第5795448号で、各スピンドルのシャフト内に磁気リンク装置を含む遊星歯車コーティング・システムを開示している。基板ホルダは、陰極の上でつり下げられず、スピンドルの装着フランジに取り付けるために、依然として機械式留め具を必要とする。
【0008】
2002年10月15日発行のShinozakiの米国特許第6464825号に開示されているコーティング・システムは、主真空チャンバ内に入るごみの量を最小限に抑えるために、ローディング/アンローディング用の加圧チャンバと主真空チャンバの間を移動するロボット・アームを含む。Shinozakiのシステムは、相互作用する機械要素によって生じる粒子の発生を最小限に抑えるために、磁気回転駆動部および磁気浮揚部材も含む。しかし、Shinozakiが開示しているのは、複雑な浮揚プラットホームおよび基板ホルダを完全に取り囲む電磁石を備えた単一の回転プラットホームである。遺憾ながらこの手法を遊星歯車コーティング・システムで実施するのは不可能であろう。というのは、遊星システムでは、真空中かつ高温で動作している間に、個々の回転基板ホルダに別々に電力を送達するのは極めて難しいからである。
【0009】
【特許文献1】米国特許第5106346号
【特許文献2】米国特許第5795448号
【特許文献3】米国特許第6464825号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、使い捨てカバーを備えた基板ホルダを提供することによって先行技術の欠点を克服することである。このカバーは、ベースから容易に脱着可能であり、ベースから基板を取り出すために容易に取り外すことができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
したがって、本発明は、コーティング・システムのプロセス・チャンバ内に装着する基板支持体に関係するものであり、この基板支持体は、
それぞれのスピンドル軸の回りで回転可能な少なくとも1つのスピンドルと、
各スピンドルの端部上の、装着表面を含むラッチと、
前記ラッチの装着表面に装着する解放可能な基板ホルダとを備え、前記基板ホルダは、ベースと、基板を支持するベースの端面に装着されたカバーとを含み、
このカバーは、基板を露出させるための開口と、ベースに押し付けて基板の縁部を保持するための、この開口を取り囲むリップと、漂遊コーティング材料からベースを保護するための、ベースの端面を覆う保護領域とを含み、
このカバーは、シート・メタルでできており、
このカバーは、前記ベースから取り外すために、前記ベースに解放可能に取り付けられる。
【0012】
次に、本発明の好ましい実施形態を示す添付の図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1〜図3を参照すると、本発明による、物理蒸着(PVD)または化学蒸着(CVD)などの真空蒸着システムは、全体的に1で示すロード・ロック・チャンバおよびプロセス・チャンバ2を含み、これらの間にゲート・バルブ3がある。ゲート・バルブ3により、プロセス・チャンバ2内の圧力に無関係にロード・ロック・チャンバ1内の圧力を、基板のロード・アンロードを行うために大気圧にもってゆくことができ、または、基板を搬送するためにプロセス・チャンバ2の圧力に確立し直すことができる。ロード・ロック・チャンバ1は、カセット・エレベータ5を内部に備えたローディング・コンテナ4と、ロボット・アーム7を内部に備えた搬送チャネル6とを含む。ロボット・アーム7用の制御機構は、搬送チャネル6から延びる円筒形容器8に装着される。
【0014】
陰極12および遊星式基板支持体14は、プロセス・チャンバ2内に装着される。遊星式基板支持体14は、第1軸の回りで回転可能な円筒形の主プラットホーム16を備える。主プラットホーム16は、それから延びる複数の、例えば6つのスピンドル17を備え、各スピンドル17は、それ自体の軸の回りで回転可能である。これらの軸は、第1軸に平行であることが好ましいが、なんらかの他の角度とすることもできる。使用中、主プラットホーム16が回転すると、個々のスピンドル17もそれぞれ回転し、それによって確実に各基板のすべての部分が均一にコーティングされる。各スピンドル17は、その外側の自由端のところに、陰極12の上で基板をつり下げる磁気ラッチ18を含む。以下、これをさらに説明する。
【0015】
好ましくは低アーク陰極とする少なくとも1つの陰極12は、プロセス・チャンバ2の内部に装着される。1つの陰極12が故障した場合、あるいは、1つの陰極12のコーティングが供給されつくした場合の予備に、臨時の陰極12を設けることができる。あるいは、いくつかの異なる陰極12を設けて、プロセス・チャンバ2を大気に開放せずに、異なるコーティングを連続して被着させることができる。好ましくは、(図示しない)装着プラットホームを移動させることによって、手動または遠隔制御で、陰極12の位置に微調整を加えることができる。
【0016】
(図示しない)質量流量コントローラによってプロセス・チャンバ2にプロセスガスを供給しながら、ポンプ・ポート22を介してプロセス・チャンバ2を排気する。
【0017】
本明細書では、スパッタ被着真空システムを説明してきたが、本発明による遊星式基板支持体は、蒸着システムまたはCVDシステムなど、任意の他の適切なコーティング・システムとともに使用することができる。シャッタ、マスク、イオン衝突装置、最新のアノード・コンセプト、またはプラズマ励起システムなど、追加の機器によってコーティング・プロセスを強化することができる。
【0018】
本明細書では、上向きにスパッタする構成でコーティング・システムを示すが、本発明による磁気ラッチは、下向きにコーティングする、また横向きにコーティングするなど、他の向きで使用し得る。
【0019】
ゲート・バルブ3を閉じ、それによってプロセス・チャンバ2内の圧力が維持される状態で、カセット・エレベータ5に、基板ホルダ23内に装着された未コーティングの基板をロードする。ロード・ロック・チャンバ1を排気すると、プロセス・チャンバ2へのゲート・バルブが開き、ロボット・アーム7が、搬送チャネル6および開いたバルブ・ゲート3を通ってプロセス・チャンバ2に各基板ホルダ23を搬送して、磁気ラッチ18を使用してスピンドル17に装着する。
【0020】
図4a〜図4cに、非ラッチ位置(図4aおよび図4b)またはラッチ位置(図4c)に永久磁石31が配設される、磁気ラッチ18の基礎となる基本原理を示す。図4aでは、矢印32で示す磁気回路がバイパス部分33を貫通して閉じ、極34aおよび34bは磁化されないままになる。図4bでは、基板ホルダ23は、極34aおよび34bに接触して、代わりの磁気回路が形成される。図4cの矢印36で示す代わりの磁気回路を閉じるために、永久磁石31を回転させて極34aおよび34bと整列させ、それによって確実に、基板ホルダ23が極34aおよび34bによって磁気的に引きつけられる。あるいは、永久磁石31は固定したままとし、バイパス部分33ならびに極34aおよび34bを移動させて、永久磁石31と整列した状態および整列しない状態にすることができる。
【0021】
図5、図6a、図6b、および図7に示す磁気ラッチ18の好ましい実施形態は、円筒形ステータ41を含む。円筒形ステータ41は、その上で回転可能な円筒形ロータ42を有する。ステータ41は、3組のステータ極43aおよび43bを含む。これらのステータ極は、例えば六角ボルト46などの複数の機械式留め具によってベース44に固定され、それによって良好な接触が確実に行われる。ロータ42は、ロータ極48aと48bに挟まれた半径方向に延びる3つの永久磁石47を含む。これらの永久磁石のN極およびS極はそれぞれ、ロータ極48aおよび48bに隣接したこれらの永久磁石の長辺に沿って延びる。各磁気ラッチ18は、プロセス・チャンバ2の外側から、ラッチ位置(図5)と非ラッチ位置(図7)の間でロータ42を回転させるための、主プラットホーム16および各スピンドル17を通って下に延びる細長いアクチュエータ49を含む。アクチュエータ49は、アクチュエータ49の上端に、遊星式基板支持体の上でシャフト50(図3)などの別の機械装置と係合するためのトング、またはその他の係合可能な形状を含む。非ラッチ位置では、ロータ極48aおよび48bを回転させてともにステータ極の1つ43bに隣接させ、それによって、永久磁石47を短絡させてステータ41を通る磁気回路を遮断し、それによって、ステータ41の磁化を解除し、基板ホルダ23を解放する。
【0022】
基板ホルダ23とステータ41の位置合わせを容易にするために、ベース44の中心から延びるテーパ・ピン51を設ける。ベース44の中心の単一のテーパ・ピン51により、位置合わせ形状が設けられ、それによって、基板ホルダ23の角度を厳密な向きにすることなく、確実に基板ホルダ23が適切に位置合わせされる。テーパ・ピンは、ステータの円周に沿った他の位置または他の半径方向位置に配置することもできる。
【0023】
図8a〜図8dに、基板ホルダ23の実施例を示す。図8aでは、基板ホルダ23aは、環状カバー54に固定されたベース53を含む。環状カバー54は、単一の基板57を支持する環状ショルダ56を含む。ベース53に、テーパ・ピン51を受ける円筒形の凹部55を設け、それによって、テーパ・ピン51用の対合位置合わせ形状が得られる。ベース53は、磁気ラッチ18によって引きつけられる材料、例えば、鉄、コバルト、およびニッケルの1つまたは複数を含む強磁性材料で全部が、または少なくとも部分的にできている。ベース53は、基板57のコーティングしない面の保護カバーにもなり、その結果、意図せず望まれない裏面コーティングがなくなる。基板ホルダ23b(図8b)は、ベース53に固定された複数ディスク用環状カバー58を含む。複数ディスク用カバー58は、複数の比較的小型の基板61を支持する複数の環状ショルダ59を含む。プリズム62などの異形基板の場合には、複数プリズム用カバー63を設けて、ベース53に装着する(図8c参照)。
【0024】
ベース53の代替手段として、基板72は、ステータ41に引きつけられる強磁性リング71に取り囲まれる(図8d)。リング71の利点は、リング71から基板72を取り外さずに、基板72の両面に同じまたは異なるコーティングを基板72に施し得ることである。さらに、コーティングとコーティングの間に基板72およびリング71をプロセス・チャンバ1から取り出す必要はなく、例えば、ロボット・アーム7によって単にひっくり返す。
【0025】
典型的な基板は、直径200mm、厚さ0.2mm〜1.4mmのガラスウエハであろう。ただし、例えば厚さが最大32mm、質量が最大2kgの他の基板形態も可能である。
【0026】
図9aおよび図9bを参照すると、使い捨てカバー75がベース76に装着される。ベース76は、上記の場合と同様に、磁気ラッチ18によって引きつけられる材料、例えば、鉄、コバルト、およびニッケルの1つまたは複数を含む強磁性材料で全部が、または少なくとも部分的にできている。ベース76は、テーパ・ピン51用の円筒形凹部77を含む。ベース76は、基板のコーティングしない面の保護カバーを備え、その結果、意図せず望まれない裏面コーティングを防止する。カバー75は、基板用の1つまたは複数の開口78を含み、各開口78の周りを延びるリップ79を画定する。各リップ79は、ベース76の上面に形成されたスロット81内の基板の縁部を保持する。典型的には開口78は円形だが、基板の形状に応じて、例えば正方形または楕円など、任意の形状とし得るはずである。カバー75は、ベース76の上面が確実に覆われ、それによって漂遊コーティング材料から保護されるように環状中間領域82も含む。環状フランジ83は、中間領域82から直角に、ベース76の側壁に隣接して延び、それによって、漂遊コーティング材料からベース83の側壁を保護する。環状フランジ83の外側自由端84は、環状フランジ83の残りの部分に平行に内向きに折り返され、それによって、ベース76のラッチ表面88と係合するクリップが形成される。あるいは、カバー75から、それに直交して1つまたは複数の別々のクリップを延ばし、ベース76のラッチ表面88と係合させることができるはずである。好ましくはこれらのクリップは、例えばカバー75と同じシート・メタルなどの弾性材料でできており、そのため、これらのクリップおよびカバー75を比較的簡単に手動で、すなわち工具を使用せずに解放することができる。これらのクリップの取外しを容易にするために、これらのクリップから延びるレバー、押しボタン、および回転ノブを含めて、様々な機械的手段を設けることができる。
【0027】
ただし、例示の実施形態では、ベース76からカバー75を取り外すのを容易にするために、移動可能なウェッジ89にラッチ表面88を配設する。ウェッジ89は、それに十分な力が加えられたときに、ベース76の中心に向かって、例えば半径方向に、すなわち円筒形凹部77に向かって前後に動く。ねじ込み留め具91は、前後の動きの間、ウェッジ89を案内するために、ウェッジ82内のスロット92を貫通して延び、ベース76にねじ込まれる。ばね93はウェッジ89を外向きに偏倚させて、環状フランジ83の外側自由端84(クリップ)に接触させ、それによってある設定された力が得られる。この設定された力に手動で打ち勝って、ベース76からカバー75を解放しなければならない。
【0028】
図10に示す実施形態は、カップを逆さまにした形状の鉄製プレートによって画定される改変されたステータ部分100を含む。この鉄製プレートは、リム101の周りに一連の交互に並んだN極およびS極を備える。改変されたステータ部分100は、既存のステータ41に装着されるか、あるいは、既存のステータ41と交換する。先に述べたように、ロータ142を、アクチュエータ149とともに設ける。使い捨て基板ホルダ103により、ほぼ円形の開口104が画定され、その中に基板が配設される。基板ホルダ103は、それぞれ環状中間連結領域106aおよび106bのところで合わせて連結された第1(ベース)リング105aおよび第2(カバー)リング105bから形成される。
【0029】
第1リング105aおよび第2リング105bは、金属またはプラスチックのテープ、折り重ねたタブその他の手段で合わせて取り付けることができる。好ましい方法は、第1リング105aおよび第2リング105bを、連結領域106aおよび106b内の第1リング105aおよび第2リング105bの周辺近くの適切な数のポイントのところで「スポット結合」することである。極めて小さい電流によるスポット溶接の機器および技術を利用するスポット結合により、十分な強度が得られる。結合の形態は、単にすずを溶解して「ハンダ」スポットを形成することから、母鋼の完全なスポット溶接まで、連続的である。スポット溶接機器に流す電流は調整することができ、それによって、第1リング105aおよび第2リング105bが合わせてしっかりと保持されるが、基板を取り外すために容易かつ穏やかに分離することができ、重厚な工具または過剰な力を必要としない。
【0030】
第1リング104aおよび第2リング104bはそれぞれ、連結領域106aおよび106bからそれぞれ内向きに延びる環状リップ107aおよび107bを含む。環状リップ107aおよび107bは、基板の縁部を受け取り、クランプするための環状スロット108を画定する。第1リング105aおよび第2リング105bの外側端部は連結領域に直角に曲げられ、それによってフランジ109aおよび109bがそれぞれ形成される。連結領域106aおよび106bはリム101の外面を覆い、フランジ109aは、リム101の側面に沿って延びて、漂遊コーティング材料からリム101の側面を遮蔽し、漂遊コーティング材料が、基板ホルダ103とリム101の間を基板の裏面に移動しないようにする。さらに、フランジ109aは、リム101の周りで嵌合し、それによって、磁気ラッチ18に基板ホルダ103の中心が合う。フランジ109bは、連結領域106bから外向きに延びて、リム101から基板ホルダ103を取り外すために機械または手作業で掴むことを容易にし、漂遊コーティング材料からベースを保護する。好ましい実施形態では、ロボット・アーム7は、基板ホルダ103が磁気ラッチ18から解放されたときに基板ホルダ103を受け取るために、フランジ109bの内側に嵌合する環状の受入れ表面を含む。
【0031】
コストを最小限に抑え、保管を容易にするために、第1リング105aおよび第2リング105bは互いに同じにするが、第1リング105aおよび第2リング105bは、例えば非対称とし、リップ107aおよび/または107b内に特別の摩擦タブを形成して様々な基板を支持することができるなどの特定の要求に合わせるために異なるものとすることもできる。さらに、これらのリングの一方は、平坦なリング、すなわち、環状フランジまたはリップがないリングとすることができるはずである。ただし、第1リング105aおよび第2リング105bが同じ場合、基板ホルダ103をひっくり返して、基板の反対側の面をコーティングすることが容易に可能である。ひっくり返すことを意図した第1リング105aおよび第2リング105bはともに、磁気ラッチ18によって引きつけられる材料、例えば、鉄、コバルト、およびニッケルの1つまたは複数を含む強磁性材料で全部が、または少なくとも部分的にできていなければならない。
【0032】
図9および図10に示す基板ホルダは、使い捨てカバー75および105bを使用する。これらのカバーは、安価なシート・メタルを打ち抜いて作製され、1回または2回使用した後で破棄することができる。カバー75および105bは、加速、振動、および温度サイクル中に、それぞれベース76および105aに対して相対的に基板をしっかりと精確に保持する。さらに、カバー75および105bは、漂遊コーティング剤からベース76および105aを遮蔽する。そうしないと、漂遊コーティング剤は、ベース76および105aに被着して、それらがはがれ落ちた場合には基板に損傷を与える。
【0033】
カバー75は、機械的にベース76に取り付けられているので、強磁性とする必要はないが、理想的には、ベース76および105aを介してステータ41または改変されたステータ部分100によって磁気的に引きつけられるように、使い捨てのカバー75および105bを強磁性とする。さらに、カバー75および105bは、漂遊コーティング材料の付着を促進する表面材料または表面特性を含むべきである。カバー75および105bは、安価であり、容易に成形可能で、適切なときにばね力が得られるのに十分な弾性を備え、コーティング温度での蒸気圧が低く、有毒廃棄物の問題が最小限に抑えられたものであるべきである。実際には、カバー75および105bの厚さは、最大0.030インチ、好ましくは最大0.025インチ、さらに好ましくは最大0.020インチとする。極めて小型の、すなわち0.005インチ〜0.015インチの基板が好ましい場合には、より薄いカバーとすることが可能である。好ましくは、カバー75および105bは、電気スズ・メッキした鋼(Tin Plate)から製作する。これは、比較的安価であり、磁性体であり、容易に成形される。コーティング温度におけるスズ・メッキの蒸気圧は低く(232.06℃で5.78×E−21Pa)、そのため、それから放出される材料による基板の汚染が最小限に抑えられ、大部分の金属および酸化金属に対して比較的良好な付着が得られ、漂遊コーティング材料は、基板に向けられるのではなく、カバー75および105bに付着することになる。スズの融点(232℃)よりも高いコーティング応用例では、アルミニウムおよびステンレス鋼などの他のシート・メタルを使用し得る。アルミニウムおよびステンレス鋼の付着特性を向上させるために、表面処理が必要なことがある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明によるコーティング・システムの等角図である。
【図2】図1のコーティング・システムを、外壁をいくつか取り除いた状態で示す等角図である。
【図3】本発明による磁気ラッチを備えた遊星式基板ホルダの概略図である。
【図4】図4a〜cは本発明による磁気ラッチの基本原理を示す概略図である。
【図5】本発明による磁気ラッチの等角図である。
【図6】図6aは図5の磁気ラッチのステータの上面図である。図6bは図6aのステータの断面図である。
【図7】非ラッチ位置における図5の磁気ラッチの上面図である。
【図8】図8a〜dは本発明による基板ホルダの断面図である。
【図9a】代替基板ホルダの側断面図である。
【図9b】図9aの基板ホルダの上面図である。
【図10】代替基板ホルダの側断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーティング・システムのプロセス・チャンバ内に装着する基板支持体であって、
それぞれのスピンドル軸の回りで回転可能な少なくとも1つのスピンドルと、
各スピンドルの端部上にあり、装着表面を含むラッチと、
前記ラッチの前記装着表面に装着する解放可能な基板ホルダとを備え、前記基板ホルダは、ベースと、基板を支持する前記ベースの端面に装着されたカバーとを含み、
前記カバーは、前記基板を露出させるための開口と、前記ベースに押し付けて前記基板の縁部を保持するための、前記開口を取り囲むリップと、漂遊コーティング材料から前記ベースを保護するための、前記ベースの前記端面を覆う保護領域とを含み、
前記カバーは、シート・メタルでできており、
前記カバーは、前記ベースから取り外すために、前記ベースに解放可能に取り付けられている、基板支持体。
【請求項2】
前記カバーは、漂遊コーティング材料から前記ベースを保護する前記中間領域からほぼ直角に延びる環状フランジをさらに備える、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項3】
前記環状フランジは、前記ベースの側壁に隣接して延びて、漂遊コーティング材料から前記側壁を保護する、請求項2に記載の基板支持体。
【請求項4】
前記カバーを前記ベースに解放可能に取り付けるための、前記環状フランジから延びるクリップをさらに備える、請求項3に記載の基板支持体。
【請求項5】
前記クランプと係合する第1位置と、前記クランプが解放される第2位置との間で移動可能な、前記ベース上を前後に移動するラッチ表面をさらに備える、請求項4に記載の基板支持体。
【請求項6】
前記ラッチ表面は、ばねで偏倚されて前記第1位置に入る、請求項5に記載の基板支持体。
【請求項7】
前記環状フランジは、前記基板ホルダを掴むのを容易にするために、前記カバーから離れるように外向きに延びる、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項8】
前記ベースは、リップ、中間領域、並びに、前記カバーの、前記リップの反対側の環状フランジ、前記中間領域および前記環状フランジを備え、前記ベースの前記リップおよび前記カバーの前記リップは、前記基板を受けるための環状スロットを形成し、前記ベースの前記環状フランジは、前記ラッチの側壁に隣接して延びて、漂遊コーティング材料から前記側壁を保護する、請求項7に記載の基板支持体。
【請求項9】
前記ベースおよび前記カバーは実質的に同じ構造であり、そのため、前記基板ホルダをひっくり返して前記基板の両面をコーティングすることができる、請求項8に記載の基板支持体。
【請求項10】
前記ベースの前記中間領域は、前記カバーの前記中間領域にスポット結合され、そのため、前記カバーを手動で取り外すことができる、請求項9に記載の基板支持体。
【請求項11】
各ラッチは、前記スピンドルに前記ベースを引きつける磁気ラッチである、請求項10に記載の基板支持体。
【請求項12】
前記磁気ラッチは、前記ベースの前記中間領域を引きつける環状リムを備え、前記ベースの前記環状フランジは、前記環状リムの側壁に隣接して延びて、漂遊コーティング材料から前記環状リムの前記側壁を保護する、請求項11に記載の基板支持体。
【請求項13】
各ラッチは、前記スピンドルに前記ベースを引きつける磁気ラッチである、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項14】
各磁気ラッチは、第1部分および第2部分を含み、前記第2部分は、基板ホルダを引きつけるために永久磁石が前記装着表面を磁化する第1位置と、前記装着表面の磁化が解除される第2位置との間で前記第1部分に対して相対的に移動可能である、請求項13に記載の基板支持体。
【請求項15】
前記第1部分はそれぞれ、前記装着表面と、前記永久磁石と整列する極とを備えるステータを含み、
前記第2部分はそれぞれ、前記永久磁石を備えるロータを含み、前記永久磁石が前記ステータの前記極と整列する前記第1位置と、前記永久磁石が前記ステータの前記極と整列せず、そのため前記ステータの磁化が解除される前記第2位置との間で回転する、請求項14に記載の基板支持体。
【請求項16】
各磁気ラッチはさらに、各ロータを回転させるための、前記スピンドルを通って延びるアクチュエータを備える、請求項15に記載の基板支持体。
【請求項17】
各ロータは、複数の永久磁石を含み、各ステータは、前記複数の永久磁石と整列する複数の極を含む、請求項15に記載の基板支持体。
【請求項18】
各ロータは、各永久磁石の両側にロータ極を含み、前記ロータ極は、前記第1位置にあるときに、それぞれのステータ極と整列して前記装着表面を通る磁気回路を形成し、前記第2位置にあるときに、1つのステータ極と係合して前記永久磁石を短絡する、請求項17に記載の基板支持体。
【請求項19】
前記カバーは、前記カバーへの漂遊コーティング材料の付着が促進されるように、スズ・メッキされた鋼を打ち抜いたシート・メタルからなる、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項20】
前記カバーの厚さは、最大0.015インチである、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項1】
コーティング・システムのプロセス・チャンバ内に装着する基板支持体であって、
それぞれのスピンドル軸の回りで回転可能な少なくとも1つのスピンドルと、
各スピンドルの端部上にあり、装着表面を含むラッチと、
前記ラッチの前記装着表面に装着する解放可能な基板ホルダとを備え、前記基板ホルダは、ベースと、基板を支持する前記ベースの端面に装着されたカバーとを含み、
前記カバーは、前記基板を露出させるための開口と、前記ベースに押し付けて前記基板の縁部を保持するための、前記開口を取り囲むリップと、漂遊コーティング材料から前記ベースを保護するための、前記ベースの前記端面を覆う保護領域とを含み、
前記カバーは、シート・メタルでできており、
前記カバーは、前記ベースから取り外すために、前記ベースに解放可能に取り付けられている、基板支持体。
【請求項2】
前記カバーは、漂遊コーティング材料から前記ベースを保護する前記中間領域からほぼ直角に延びる環状フランジをさらに備える、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項3】
前記環状フランジは、前記ベースの側壁に隣接して延びて、漂遊コーティング材料から前記側壁を保護する、請求項2に記載の基板支持体。
【請求項4】
前記カバーを前記ベースに解放可能に取り付けるための、前記環状フランジから延びるクリップをさらに備える、請求項3に記載の基板支持体。
【請求項5】
前記クランプと係合する第1位置と、前記クランプが解放される第2位置との間で移動可能な、前記ベース上を前後に移動するラッチ表面をさらに備える、請求項4に記載の基板支持体。
【請求項6】
前記ラッチ表面は、ばねで偏倚されて前記第1位置に入る、請求項5に記載の基板支持体。
【請求項7】
前記環状フランジは、前記基板ホルダを掴むのを容易にするために、前記カバーから離れるように外向きに延びる、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項8】
前記ベースは、リップ、中間領域、並びに、前記カバーの、前記リップの反対側の環状フランジ、前記中間領域および前記環状フランジを備え、前記ベースの前記リップおよび前記カバーの前記リップは、前記基板を受けるための環状スロットを形成し、前記ベースの前記環状フランジは、前記ラッチの側壁に隣接して延びて、漂遊コーティング材料から前記側壁を保護する、請求項7に記載の基板支持体。
【請求項9】
前記ベースおよび前記カバーは実質的に同じ構造であり、そのため、前記基板ホルダをひっくり返して前記基板の両面をコーティングすることができる、請求項8に記載の基板支持体。
【請求項10】
前記ベースの前記中間領域は、前記カバーの前記中間領域にスポット結合され、そのため、前記カバーを手動で取り外すことができる、請求項9に記載の基板支持体。
【請求項11】
各ラッチは、前記スピンドルに前記ベースを引きつける磁気ラッチである、請求項10に記載の基板支持体。
【請求項12】
前記磁気ラッチは、前記ベースの前記中間領域を引きつける環状リムを備え、前記ベースの前記環状フランジは、前記環状リムの側壁に隣接して延びて、漂遊コーティング材料から前記環状リムの前記側壁を保護する、請求項11に記載の基板支持体。
【請求項13】
各ラッチは、前記スピンドルに前記ベースを引きつける磁気ラッチである、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項14】
各磁気ラッチは、第1部分および第2部分を含み、前記第2部分は、基板ホルダを引きつけるために永久磁石が前記装着表面を磁化する第1位置と、前記装着表面の磁化が解除される第2位置との間で前記第1部分に対して相対的に移動可能である、請求項13に記載の基板支持体。
【請求項15】
前記第1部分はそれぞれ、前記装着表面と、前記永久磁石と整列する極とを備えるステータを含み、
前記第2部分はそれぞれ、前記永久磁石を備えるロータを含み、前記永久磁石が前記ステータの前記極と整列する前記第1位置と、前記永久磁石が前記ステータの前記極と整列せず、そのため前記ステータの磁化が解除される前記第2位置との間で回転する、請求項14に記載の基板支持体。
【請求項16】
各磁気ラッチはさらに、各ロータを回転させるための、前記スピンドルを通って延びるアクチュエータを備える、請求項15に記載の基板支持体。
【請求項17】
各ロータは、複数の永久磁石を含み、各ステータは、前記複数の永久磁石と整列する複数の極を含む、請求項15に記載の基板支持体。
【請求項18】
各ロータは、各永久磁石の両側にロータ極を含み、前記ロータ極は、前記第1位置にあるときに、それぞれのステータ極と整列して前記装着表面を通る磁気回路を形成し、前記第2位置にあるときに、1つのステータ極と係合して前記永久磁石を短絡する、請求項17に記載の基板支持体。
【請求項19】
前記カバーは、前記カバーへの漂遊コーティング材料の付着が促進されるように、スズ・メッキされた鋼を打ち抜いたシート・メタルからなる、請求項1に記載の基板支持体。
【請求項20】
前記カバーの厚さは、最大0.015インチである、請求項1に記載の基板支持体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図10】
【公開番号】特開2006−57185(P2006−57185A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−238271(P2005−238271)
【出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【出願人】(502151820)ジェイディーエス ユニフェイズ コーポレーション (90)
【氏名又は名称原語表記】JDS Uniphase Corporation
【住所又は居所原語表記】1768 Automation Parkway,San Jose,California,USA,95131
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−238271(P2005−238271)
【出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【出願人】(502151820)ジェイディーエス ユニフェイズ コーポレーション (90)
【氏名又は名称原語表記】JDS Uniphase Corporation
【住所又は居所原語表記】1768 Automation Parkway,San Jose,California,USA,95131
【Fターム(参考)】
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