説明

蓄電システム及び船舶

【課題】デッキクレーンの動力発生源である電動機の回生電力を蓄電器へ蓄電する場合に、蓄電器の耐久性低下を抑制すること。
【解決手段】蓄電システム100は、船舶に搭載され、かつ巻上装置と俯仰装置と旋回装置とのうち少なくとも一つは電動機で駆動されるデッキクレーン1を複数有する。蓄電システム100は、デッキクレーン1の回生電力を蓄電する複数の蓄電器52と、蓄電器52の蓄電量を検出する蓄電量検出器54と、デッキクレーン1の回生電力を検出する電力検出器53と、電力検出器53が検出した回生電力と蓄電量検出器54が検出した蓄電量とに基づき、デッキクレーン1の回生電力を蓄電させる蓄電器52を選択して、蓄電させる蓄電制御装置50と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動力発生源として電動機を含むクレーン及び船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
クレーン(起重機)は、荷役対象を吊り上げて運ぶ装置である。近年は、荷役対象が降下する際に、巻上装置を駆動する電動機に回生電力を発生させ、これを蓄電器に蓄えるクレーンが提案されている。例えば、特許文献1には、電力の供給を受けて荷役対象を上昇させるとともに、荷役対象を降下させる場合に電力を発生する回生制動機を有する起重機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−81054号公報、[0006]
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回生電力を蓄電する蓄電器は、通常二次電池が用いられる。二次電池は、蓄電量によっては耐久性低下を招くことがある。特許文献1には、かかる事項について開示も示唆もなく、改善の余地がある。
【0005】
本発明は、デッキクレーンの動力発生源である電動機の回生電力を蓄電器へ蓄電する場合に、蓄電器の耐久性低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る蓄電システムは、船舶に搭載され、かつ巻上装置と俯仰装置と旋回装置とのうち少なくとも一つは電動機で駆動されるデッキクレーンに適用されるシステムであり、前記デッキクレーンの回生電力を蓄電する複数の蓄電器と、前記蓄電器の蓄電量を検出する蓄電量検出器と、前記デッキクレーンの回生電力を検出する電力検出器と、前記複数の蓄電器の中から、前記蓄電量検出器が検出した蓄電量が所定の値以下、かつ前記電力検出器が検出した回生電力を蓄電可能な蓄電器を選択して、前記デッキクレーンの回生電力を蓄電させる蓄電制御装置と、を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明は、荷役対象を吊り下げるためのワイヤロープを巻上げる巻上装置と、先端に滑車を有し、当該滑車に前記ワイヤロープを通して荷役対象を吊るジブを俯仰させる俯仰装置と、前記ジブを旋回させる旋回装置と、のうち少なくとも一つは電動機で駆動されるデッキクレーンにおいて、電動機の回生電力を蓄電器に蓄電させる場合に適用される。蓄電器として用いられる二次電池は、蓄電可能な蓄電量の最大値まで蓄電すると、耐久性が低下する傾向がある。このため、二次電池は、耐久性低下を抑制する観点から、前記最大値よりも小さい蓄電量で使用することが好ましい。この蓄電システムは、複数の蓄電器の中から、蓄電量検出器が検出した蓄電量が所定の値以下、かつ電力検出器が検出した回生電力を蓄電可能な蓄電器を選択して、蓄電させる。その結果、蓄電器として二次電池を用いた場合に、蓄電器の耐久性低下を抑制できる。
【0008】
本発明の望ましい態様として、前記蓄電制御装置は、前記所定の値から前記蓄電量検出器が検出した蓄電量を減算した値である蓄電可能量と、前記電力検出器が検出した回生電力との差が最も小さい蓄電器を選択し、前記デッキクレーンの回生電力を蓄電させることが好ましい。このようにすることで、複数の蓄電器を、最も高寿命で使用できる状態に維持しやすくなる。その結果、複数の蓄電池の耐久性低下をより効果的に抑制できる。
【0009】
本発明の望ましい態様として、前記複数の蓄電器は複数の蓄電器群に分けられており、前記蓄電制御装置は、前記複数の蓄電器群の中から、前記デッキクレーンの回生電力を蓄電させる蓄電器群を選択することが好ましい。このようにすると、複数の蓄電器すべてに対して蓄電可能か否かを決定する必要はなく、前記決定の回数を低減することができる。その結果、蓄電制御装置が前記決定をするための処理に要する負荷が軽減されるとともに、処理時間を短縮できる。
【0010】
本発明の望ましい態様として、前記蓄電量検出器は、それぞれの前記デッキクレーンの回生電力の総量を検出することが好ましい。このようにすることで、複数のデッキクレーンの電力収支を個別に監視し、全体の電力収支を求める必要はないので、蓄電制御が容易になる。
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る船舶は、前記蓄電システムを搭載したことを特徴とする。この船舶は、上述した蓄電システムを備えるので、蓄電器として二次電池を用いた場合に、蓄電器の耐久性低下を抑制できる。その結果、蓄電器のメンテナンスコストを抑制できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、デッキクレーンの動力発生源である電動機の回生電力を蓄電器へ蓄電する場合に、蓄電器の耐久性低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、実施形態1に係る蓄電システムを搭載した船舶の全体図である。
【図2】図2は、実施形態1に係るデッキクレーンの構成を示す全体構成図である。
【図3】図3は、クレーンの動力発生源として電動機を用いて荷役作業をした場合における消費エネルギの変化を示す説明図である。
【図4】図4は、実施形態1に係る蓄電システムの構成図である。
【図5】図5は、実施形態1に係る蓄電システムが実行する蓄電制御の手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、実施形態1に係る蓄電システムが実行する他の蓄電制御の手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、実施形態2に係る蓄電システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。以下においては、デッキクレーンをクレーンの一例として説明するが、本発明の適用対象はデッキクレーンに限定されるものではない。なお、デッキクレーンとは、貨物船の甲板上に設置され、海上輸送貨物の積み込み及び陸場作業に使用される荷役機械である。
【0015】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る蓄電システムを搭載した船舶の全体図である。デッキクレーン1は、船舶30の甲板31に搭載されて、船舶30から荷役対象Cを下ろしたり、船舶30に荷役対象Cを積み込んだりする際に用いられる。本実施形態において、船舶30は、貨物船であり、4機のデッキクレーン1を有する。船舶30が有するデッキクレーン1の数は、4機に限定されるものではない。
【0016】
船舶30は、蓄電システム100を搭載する。蓄電システム100は、複数のデッキクレーン1に対して適用される。蓄電システム10は、複数の蓄電器を有する蓄電装置51と、蓄電制御装置50と、蓄電装置51の蓄電量を検出する手段と、デッキクレーン1の回生電力を検出する手段と、を含む。蓄電システム100の詳細については後述する。船舶30は、発電機32と、発電機32を駆動する原動機33とを有している。原動機33は、例えば、ディーゼルエンジンである。発電機32が発電した電力は、蓄電制御装置50を介してそれぞれのデッキクレーン1に供給される。それぞれのデッキクレーン1は、発電機32が生み出す電力によって、荷役対象Cを吊り上げたり吊り下げたりする。すなわち、発電機32が生み出す電力は、それぞれのデッキクレーン1に供給される。次に、デッキクレーン1について説明する。
【0017】
図2は、実施形態1に係るデッキクレーンの構成を示す全体構成図である。デッキクレーン1は、旋回体2と、巻上装置3と、俯仰装置4と、旋回装置5と、ジブ6とを含む。本実施形態において、巻上装置3と、俯仰装置4とは一体で構成されている。旋回体2は、巻上装置3と、俯仰装置4と、旋回装置5と、ジブ6とを備える。旋回体2は、船舶30に設けられた架台34上に据え付けられる。旋回体2は、架台34の支持面34Pと直交する軸Zを中心として回転できるようになっている。
【0018】
ジブ6は、棒状の部材であり、先端6Ttに滑車8を有している。ジブ6の先端6Ttとは反対側の端部は、取付端6Tlである。ジブ6は、取付端6Tlが旋回体2に取り付けられている。そして、ジブ6は、取付端6Tlの取付部を中心に揺動できるようになっている。ジブ6の揺動方向は、図2の矢印Uで示す方向である。滑車8には、荷役対象を吊るためのワイヤロープ9が通されている。ワイヤロープ9の一端部には、荷役対象を掛ける荷掛フック11が取り付けられる。ワイヤロープ9の他端は、巻上装置3の巻上用ドラム3Dに連結され、これに巻き付けられている。
【0019】
巻上装置3は、動力発生源である巻上装置用電動機(電動機)3Mによって巻上用ドラム3Dを回転させ、ワイヤロープ9を巻き取る。また、巻上装置3は、巻き取ったワイヤロープ9を繰り出す。巻上装置3の巻上用ドラム3Dにワイヤロープ9を巻き取る運動を巻上げといい、繰り出す運動を巻下げという。本実施形態においては、両方の運動を総称して巻上げという。巻上装置3がワイヤロープ9を巻上げすることにより、荷掛フック11は、鉛直方向と平行な方向(図2の矢印Yで示す方向)に移動する。
【0020】
俯仰装置4は、ジブ6を俯仰させる装置である。俯仰装置4は、俯仰用ワイヤロープ10が巻き付けられた俯仰用ドラム4Dと、動力発生源である俯仰装置用電動機(電動機)4Mとを有している。俯仰装置用電動機4Mは、俯仰用ドラム4Dを回転させ、俯仰用ワイヤロープ10を巻き取ったり繰り出したりする。俯仰用ワイヤロープ10は、ジブ6の先端6Ttと取付端6Tlとの間に連結されている。ジブ6は、俯仰装置4が俯仰用ワイヤロープ10を巻き取ることにより上(鉛直方向とは反対側)を向き、俯仰用ワイヤロープ10を繰り出すことにより下(鉛直方向側)を向く。
【0021】
旋回装置5は、架台34の支持面34Pと直交する軸Zを中心として、旋回体2を旋回させる装置である。旋回装置5は、動力発生源として旋回装置用電動機(電動機)5Mを有する。旋回体2が旋回する方向は、図2の矢印Rで示す方向である。本実施形態において、旋回装置5は、旋回体2に取り付けられている。そして、例えば、架台34には内歯歯車を設けておき、旋回装置5が有する旋回装置用電動機5Mが前記内歯歯車とかみ合う歯車5Gを回転させるようにする。このような構造により、旋回装置用電動機5Mが歯車5Gを回転させると、旋回体2が軸Zを中心として旋回する。なお、旋回装置5は、架台34に設けられていてもよい。
【0022】
巻上装置3、俯仰装置4及び旋回装置5の動力発生源は、上述したように電動機である。電動機は、電力によって回転力を発生する装置である。本実施形態においては、巻上装置3と俯仰装置4と旋回装置5との少なくとも一つの動力発生源が電動機であればよく、残りの装置は油圧装置を動力発生源としてもよい。油圧装置は、作動油を加圧して吐出する作動油吐出手段(例えば、ポンプ)と、当該ポンプの動力発生源とを有する装置である。油圧装置から吐出された作動油は、油圧モータに供給されてこれを駆動する。油圧モータは、油圧装置から供給された作動油によって回転力を発生する装置である。次に、巻上装置3、俯仰装置4及び旋回装置5の動力発生源、すなわち、デッキクレーン1の動力発生源として電動機を用いた場合における消費エネルギを説明する。
【0023】
図3は、クレーンの動力発生源として電動機を用いて荷役作業をした場合における消費エネルギの変化を示す説明図である。図3に示す例は、デッキクレーン1が有する巻上装置3、俯仰装置4及び旋回装置5のすべての動力発生源に電動機を用いた場合の一例を示している。この例は、図1に示す船舶30の船倉から荷役対象Cを吊り上げた後、荷役対象Cを岸壁等へ下ろす荷役作業の手順の一例を示している。具体的には、この荷役作業は、1:スリング(荷掛)、2及び3:巻上、4及び5:旋回及び俯(ジブ下げ)、6:巻下、7:スリング(荷外し)、8:巻上、9:旋回及び仰(ジブ上げ)、10:巻下げ、11:ロスタイム(待機)の手順を有する。
【0024】
図3の縦軸は、デッキクレーン1の消費エネルギLであり、横軸は時間tである。消費エネルギLが正(+)である場合、デッキクレーン1はエネルギを消費している。消費エネルギLが負(−)である場合、デッキクレーン1はエネルギを発生している。デッキクレーン1の動力発生源に電動機を用いた場合、巻上装置3、俯仰装置4及び旋回装置5が仕事をする際に電動機はエネルギを消費し、これらが外部から仕事を受ける場合に電動機は電気エネルギを発生する。すなわち、巻上装置3、俯仰装置4及び旋回装置5が外部から仕事を受けたときに、これらの動力発生源である電動機を発電機として用いることにより、電動機は前記仕事に対応した電気エネルギを発生する。このように、通常は動力発生源として用いている電動機を発電機として作動させ、運動エネルギを電気エネルギに変換して回収することを回生という。
【0025】
図3に示す例では、デッキクレーン1の電動機は、ジブ下げ、巻下、旋回において電気エネルギを発生している。ジブ下げにおいては、デッキクレーン1のジブ6はジブ6及び荷役対象に作用する重力によって下降するので、この動作が俯仰装置4の電動機に対して仕事を与える。このとき、俯仰装置4の電動機は電気エネルギを発生する。巻下げにおいては、デッキクレーン1のワイヤロープ9は荷役対象に作用する重力によって繰り出されるので、この動作が巻上装置3の電動機に対して仕事を与える。このとき、巻上装置3の電動機は電気エネルギを発生する。また、船舶30は、前後の質量バランス及び荷役対象のバランスが不均一であることに起因して、甲板31は水平面に対して傾斜する。このため、デッキクレーン1は、旋回時において、前記傾斜によって回転させられる。前記傾斜によってデッキクレーン1が回転する動作が、旋回装置5の電動機に仕事を与えるので、前記電動機は電気エネルギを発生する。このように、デッキクレーン1の動力発生源に電動機を用いた場合、前記電動機が外部から受けた仕事を電気エネルギとして回収することができる。このようにして得られた電気エネルギを回生電力という。次に、蓄電システム100を説明する。
【0026】
図4は、実施形態1に係る蓄電システムの構成図である。蓄電システム100は、蓄電装置51と、蓄電制御装置50と、蓄電装置51の蓄電量を検出する蓄電量検出器54と、デッキクレーン1の回生電力を検出する電力検出器53と、を含む。原動機33によって駆動された発電機32が発生した電力は、蓄電制御装置50を介して複数(本実施形態では4台)のデッキクレーン1に供給される。このとき、電力は、スリップリング38を介してデッキクレーン1に供給される。
【0027】
蓄電制御装置50は、発電機32と、複数のデッキクレーン1と、蓄電装置51と、デッキクレーン1以外の電力消費対象60と電気的に接続されている。例えば、デッキクレーン1以外の電力消費対象60は、例えば、投光器、室内灯、空調装置等の居住区間電気設備等がある。蓄電制御装置50は、例えば、MPU(Micro Computer Unit)である。蓄電制御装置50は、処理部50Cと電力分配部50Dとを有する。処理部50Cは、蓄電制御装置50の制御を実行する。電力分配部50Dは、発電機32から供給される電力をデッキクレーン1に供給したり、電力消費対象60に供給したりする。また、電力分配部50Dは、デッキクレーン1の回生電力を蓄電装置51に供給したり、電力消費対象60に供給したりする。
【0028】
それぞれのデッキクレーン1は、デッキクレーン1の巻上装置3及び俯仰装置4等を制御したり、デッキクレーン1の回生電力を蓄電制御装置50に供給したりするクレーン制御装置1Cを有する。デッキクレーン1の回生電力は、具体的には、巻上装置3及び俯仰装置4等が有する巻上装置用電動機3M及び俯仰装置用電動機4M等が発生する回生電力である。
【0029】
蓄電装置51は、複数の蓄電器52を有する。本実施形態において、蓄電器52は二次電池であるがこれに限定されるものではなく、例えば、キャパシタ等を蓄電器52に用いてもよい。蓄電器52を二次電池とする場合、リチウムイオン電池を用いることが好ましいが、二次電池の種類はこれに限定されるものではない。例えば、ニッケル水素電池や鉛蓄電池を蓄電器52として用いてもよい。リチウムイオン電池は、エネルギ密度が高いため、高負荷の環境で使用されるデッキクレーン1の電源として好ましい。
【0030】
デッキクレーン1には三相交流が供給されるため、電力検出器53は、例えば、三相電力計が用いられる。蓄電量検出器54は、例えば、蓄電器52の内部抵抗、端子電圧及び端子間電流から、蓄電器52に蓄電されている電気の容量を検出する。電力検出器53及び蓄電量検出器54はこれらに限定されるものではなく、様々な方式のものを用いることができる。電力検出器53が検出した回生電力の値(回生電力値)と、蓄電量検出器54が検出した蓄電器52の蓄電量とは、蓄電制御装置50の処理部50Cが取得する。処理部50Cは、取得した回生電力値と蓄電量とを、蓄電装置51、すなわち複数の蓄電器52に対する蓄電の制御(蓄電制御)に用いる。本実施形態において、電力検出器53は、発電機32が発生した電力が複数のデッキクレーン1へ分配される前に配置される。このようにすることで、電力検出器53は、複数のデッキクレーン1の回生電力の総量を検出することができる。
【0031】
蓄電システム100は、電力検出器53が検出した回生電力と、蓄電量検出器54が検出した蓄電器52の蓄電量とに基づき、デッキクレーン1の回生電力を蓄電させる蓄電器52を選択する。このとき、蓄電システム100の蓄電制御装置50は、複数の蓄電器52の中から、蓄電量が所定の値よりも小さく、かつ、デッキクレーン1の回生電力を蓄電できる容量を有する蓄電器52を選択し、これにデッキクレーン1の回生電力を蓄電させる。次に、蓄電システム100の蓄電制御を説明する。
【0032】
図5は、実施形態1に係る蓄電システムが実行する蓄電制御の手順を示すフローチャートである。まず、ステップS11において、蓄電制御装置50は、電力検出器53がデッキクレーン1からの回生電力があったことを検出しないことの情報を取得した場合、蓄電制御を終了する(ステップS11、No)。蓄電システム100の蓄電制御装置50は、電力検出器53がデッキクレーン1からの回生電力を検出したことの情報を取得した場合、ステップS12へ進む(ステップS11、Yes)。
【0033】
ステップS12において、蓄電制御装置50は、蓄電量検出器54から、蓄電器52の蓄電量についての情報を取得する。次に、ステップS13に進み、蓄電制御装置50は、取得した蓄電量に基づき、蓄電可能な蓄電器(二次電池)52に、デッキクレーン1の回生電力を蓄電する。蓄電器52が蓄電可能であるか否かは、次のようにして決定する。二次電池が蓄電可能な蓄電量の最大値を100%とすると、蓄電量が80%である状態が、二次電池を最も高寿命で使用できる。本実施形態においては、蓄電器52に二次電池を用いるので、二次電池を最も高寿命で使用できる蓄電量を、蓄電システム100において蓄電器52の最大の蓄電量(蓄電量閾値)とする。このため、本実施形態において、蓄電制御装置50は、蓄電量が80%を超える蓄電器52には回生電力を蓄電させず、蓄電量が80%以下の蓄電器52に回生電力を蓄電させる。上述したように、蓄電量閾値は、二次電池を最も高寿命で使用できる蓄電量であり、二次電池の種類によって異なることがあるので、80%に限定されるものではない。
【0034】
すなわち、蓄電制御装置50は、複数の蓄電器52の中から、蓄電量が所定の値、すなわち、二次電池を最も高寿命で使用できる蓄電量である蓄電量閾値以下のものを選択して、回生電力を蓄電させる。この場合、蓄電器52の蓄電可能量(蓄電量閾値から現在の蓄電量、すなわち、蓄電量検出器54が検出した蓄電量を減算した値)Qが回生電力Pg以上である場合(Pg≦Q)には、その蓄電器52に対して回生電力をすべて蓄電させることができる。しかし、回生電力Pgよりも蓄電器52の蓄電可能量Qの方が小さい場合(Pg>Q)には、その蓄電器52に対して回生電力をすべて蓄電させることはできない。このため、蓄電制御装置50は、蓄電量が蓄電領域値以下、かつ、デッキクレーン1の回生電力を蓄電できる容量を有する蓄電器52、すなわち、蓄電可能量Qが回生電力Pg以下の蓄電器52を選択し、その蓄電器52に回生電力を蓄電させる。
【0035】
例えば、蓄電制御装置50は、回生電力Pgと、蓄電領域値よりも現在の蓄電量が小さい蓄電器52の蓄電可能量Qとを比較し、Pg<Qである蓄電器52を選択して、回生電力を蓄電させる。Pg<Qである蓄電器52が存在しない場合、蓄電制御装置50は、蓄電量が蓄電量閾値よりも小さい蓄電器52の蓄電可能量Qの総和ΣQが回生電力Pgよりも大きくなるように蓄電器52を選択する。そして、蓄電制御装置50は、選択された複数の蓄電器52に回生電力Pgを蓄電させる。このように、蓄電制御装置50は、電力検出器53が検出したデッキクレーン1の回生電力と蓄電量検出器54が検出した蓄電器52の蓄電量とに基づき、デッキクレーン1の回生電力を蓄電させる蓄電器52を選択し、蓄電させる。回生電力を蓄電させる蓄電器52をこのように選択することで、二次電池である蓄電器52の耐久性低下を抑制してメンテナンスコストを抑えることができるとともに、発生した回生電力を蓄電器52に蓄電させることができる。
【0036】
回生電力は、電力検出器53が検出するが、電力検出器53は、それぞれのデッキクレーン1の回生電力の総量を検出している。複数のデッキクレーン1は、荷役作業をしているものや、荷役作業をしていないものがある。また、荷役作業をしているデッキクレーン1の中でも、荷下げ又はジブ下げ等によって回生電力を発生しているものと、荷上げ又はジブ上げ等によって電力を消費しているものとがある。電力検出器53を、発電機32が発生した電力が複数のデッキクレーン1へ分配される前に配置することにより、蓄電システム100が有する複数のデッキクレーン1全体の電力収支、すなわち、複数のデッキクレーン1全体でみた場合に、電力を消費しているか又は回生電力を発生しているかを知ることができる。このようにすることで、複数のデッキクレーン1の電力収支を個別に監視し、全体の電力収支を求める必要はないので、蓄電制御が容易になる。また、本実施形態では、電力検出器53によりデッキクレーン1の回生電力を実測するので、蓄電制御装置50による蓄電制御の精度が向上する。
【0037】
上記例では、蓄電制御装置50は、蓄電装置51が有するそれぞれの蓄電器52に対して蓄電可能か否かを決定したが、蓄電装置51が有する複数の蓄電器52を、複数の蓄電器群に分けた上で、それぞれの蓄電器群に対して蓄電可能か否かを決定してもよい。例えば、図4に示す例では、蓄電装置51は15個の蓄電器52を有しているが、蓄電器52をそれぞれ5個ずつ有する3群の蓄電器群A、B、Cに分ける。そして、蓄電制御装置50は、それぞれの蓄電器群A、B、Cに対して、上述した蓄電制御を実行する。このようにすると、蓄電装置51が有するすべての蓄電器52に対して蓄電可能か否かを決定する必要はなく、前記決定の回数を低減することができる。その結果、蓄電制御装置50が前記決定をするための処理に要する負荷が軽減されるとともに、処理時間を短縮できる。
【0038】
本実施形態において、蓄電制御装置50は、蓄電可能量と回生電力の大きさとの差が最も小さい蓄電器52又は蓄電器群を選択し、回生電力を蓄電させてもよい。このようにすることで、蓄電装置51が有する複数の蓄電器52を、最も高寿命で使用できる状態に維持しやすくなる。その結果、蓄電装置51の耐久性低下をより効果的に抑制できるので、メンテナンスコストをより抑制できる。次に、他の蓄電制御を説明する。
【0039】
図6は、実施形態1に係る蓄電システムが実行する他の蓄電制御の手順を示すフローチャートである。ステップS21において、蓄電制御装置50は、電力検出器53がデッキクレーン1からの回生電力があったことを検出しないことの情報を取得した場合、蓄電制御を終了する(ステップS21、No)。蓄電システム100の蓄電制御装置50は、電力検出器53がデッキクレーン1からの回生電力を検出したことの情報を取得した場合、ステップS22へ進む(ステップS21、Yes)。
【0040】
ステップS22において、蓄電制御装置50は、蓄電量検出器54から蓄電器52又は蓄電器群の蓄電量についての情報を取得するとともに、電力検出器53からデッキクレーン1の回生電力Pgを取得する。次に、ステップS23において、蓄電制御装置50は、取得した回生電力Pgと、第1回生電力閾値Pg1とを比較し、Pg<Pg1でない場合は(ステップS23、No)、処理をステップS24に進める。ステップS24において、蓄電制御装置50は、取得した回生電力Pgと、第1回生電力閾値Pg1及び第2回生電力閾値Pg2とを比較し、Pg1≦Pg≦Pg2でない場合は(ステップS24、No)、処理をステップS25に進める。ここで、Pg1<Pg2である。
【0041】
ステップS25において、回生電力Pgは、第2回生電力閾値Pg2よりも大きい。この場合、蓄電制御装置50は、蓄電可能量Q1の蓄電器52又は蓄電器群に回生電力Pgを蓄電させる。ステップS24においてPg1≦Pg≦Pg2である場合(ステップS24、Yes)、ステップS26に進む。この場合、蓄電制御装置50は、蓄電可能量Q2の蓄電器52又は蓄電器群に回生電力Pgを蓄電させる。ステップS23においてPg<Pg1である場合(ステップS23、Yes)、ステップS27に進む。この場合、蓄電制御装置50は、蓄電可能量Q3の蓄電器52又は蓄電器群に回生電力Pgを蓄電させる。ここで、Q1>Q2>Q3である。
【0042】
この蓄電制御は、回生電力がPg1<Pg2の関係にあり、蓄電可能量はQ1>Q2>Q3の関係にある。そして、Pg<Pg1のときには蓄電可能量Q3の蓄電器52又は蓄電器群が回生電力Pgを蓄電し、Pg1≦Pg≦Pg2のときには蓄電可能量Q2の蓄電器52又は蓄電器群が回生電力Pgを蓄電する。また、Pg>Pg2のときには蓄電可能量Q1の蓄電器52又は蓄電器群が回生電力Pgを蓄電する。すなわち、本実施形態の蓄電制御は、回生電力Pgと蓄電可能量Qとを対応付けておき、回生電力Pgの大きさに見合った蓄電可能量Qの蓄電器52又は蓄電器群を選択して、回生電力Pgを蓄電させる。この手法は、蓄電可能量と回生電力の大きさとの差が最も小さい蓄電器52又は蓄電器群を選択し、回生電力を蓄電させる手法を簡略化した手法であるともいえる。
【0043】
回生電力Pgの大きさに見合った蓄電可能量Qの蓄電器52又は蓄電器群を選択する手法として、本実施形態では、蓄電制御装置50は、回生電力Pgが大きくなるにしたがって、複数の蓄電器52又は複数の蓄電器群の中から、蓄電可能量Qがより大きい蓄電器52又は蓄電器群を選択して、回生電力Pgを蓄電させる。このようにすることで、回生電力Pgを蓄電した後における蓄電器52又は蓄電器群の蓄電量を、蓄電量閾値に近づけることができる。その結果、蓄電装置51が有する複数の蓄電器52を、最も高寿命で使用できる状態に維持しやすくなる。このため、蓄電装置51が有する複数の蓄電器52の耐久性低下をより効果的に抑制でき、蓄電装置51のメンテナンスコストをより抑制できる。なお、複数のデッキクレーンを搭載した貨物船において、少なくとも一基のデッキクレーンを上述した実施形態に係るデッキクレーンとし、他のデッキクレーンを電動油圧駆動方式のデッキクレーンとしてもよい(以下同様)。
【0044】
(実施形態2)
図7は、実施形態2に係る蓄電システムの構成図である。蓄電システム100aは、上述した実施形態1の蓄電システム100と略同様であるが、デッキクレーンの巻上装置と俯仰装置と旋回装置とのうち一つ又は二つの動力発生源を油圧装置とし、残りの動力発生源を電動機とするとともに、電動機の回生電力は、油圧装置を駆動する油圧装置用電動機に供給できるようにした点が異なる。他の構成は、実施形態1と同様である。次においては、デッキクレーンは1台として説明するが、蓄電システム100aが有するデッキクレーンの数は限定されるものではない。
【0045】
蓄電システム100aのデッキクレーン1aは、動力発生源として油圧装置20と電動機24、25とを有する。油圧装置20は、動力発生源としての油圧装置用電動機21と、ポンプ22とを含む。ポンプ22は、油圧装置用電動機21により駆動される。油圧装置20は、少なくとも巻上装置3に油圧を供給、すなわち、加圧した作動油を供給する。具体的には、油圧装置20のポンプ22は、巻上装置3に備えられる油圧モータ3MFに、加圧した作動油を供給してこれを駆動することにより、巻上用ドラム3Dを回転させる。
【0046】
俯仰装置4の動力発生源は電動機25(俯仰装置用電動機25)である。したがって、俯仰装置4の俯仰用ドラム4Dは、俯仰装置用電動機25により駆動される。旋回装置5の動力発生源は電動機24(旋回装置用電動機24)である。したがって、旋回装置5の歯車5Gは、旋回装置用電動機24により駆動される。
【0047】
油圧装置用電動機21と、俯仰装置用電動機25と、旋回装置用電動機24とは、それぞれ共通の母線39に電気的に接続されている。このような構造により、俯仰装置用電動機25と旋回装置用電動機24との少なくとも一方が発生した回生電力は、油圧装置用電動機21に供給されて、これを駆動する。また、船舶に搭載される原動機33が発電機32を駆動することによって得られた電力は、スリップリング38を介して油圧装置用電動機21と、俯仰装置用電動機25と、旋回装置用電動機24とに供給される。
【0048】
このように、デッキクレーン1aは、巻上装置3と、俯仰装置4と、旋回装置5とのうち一つ又は二つを、油圧装置20が加圧した作動油を供給することによって駆動し、残りの装置を電動機の軸出力によって駆動する。そして、蓄電システム100aは、電動機の回生電力を、油圧装置20を駆動する油圧装置用電動機21に供給できるようにしてある。
【0049】
デッキクレーン1aの動力発生源に油圧装置20を用いた場合、油圧装置20のポンプ22は常に作動油を吐出しているので、ポンプ22を駆動する油圧装置用電動機21は常にエネルギを消費している。このため、油圧装置20を用いた場合は、デッキクレーン1aの巻上装置3、俯仰装置4及び旋回装置5がエネルギを消費しない場合、すなわち、これらが仕事をしない場合でも、油圧装置20はエネルギを消費している。
【0050】
このように、油圧装置20は、デッキクレーン1aの動作状況に関わらず一定のエネルギを消費している。このときのエネルギは、油圧装置20がアイドリング状態において消費するエネルギに相当する。すなわち、油圧装置20は、デッキクレーン1aの動作状況に関わらずアイドリング状態におけるエネルギを常に消費している。アイドリング状態において油圧装置が消費するエネルギをアイドリング消費エネルギという。
【0051】
デッキクレーン1aの動力発生源に電動機を用いた場合は、電動機が駆動されて回生電力が発生したときに、発生した回生電力を利用する対象があれば、前記回生電力は消費される。しかし、発生した回生電力を利用する対象がない場合、電動機が発生した回生電力は、電気抵抗で消費され、大気中に放熱される。本実施形態では、巻上装置3と、俯仰装置4と、旋回装置5との動力発生源として、電動機24、25と油圧装置20とを組み合わせて、電動機24、25が発生した回生電力を有効に利用する。
【0052】
上述したように、油圧装置20(より具体的には油圧装置用電動機21)は、デッキクレーン1aの状態に関わらず、常にアイドリング消費エネルギ分のエネルギを消費している。巻上装置3と俯仰装置4と旋回装置5との動力発生源を上記のようにすることで、油圧装置用電動機21以外の電動機24、25が発生した回生電力のうち、少なくともアイドリング消費エネルギ分は、必ず油圧装置用電動機21が消費できる。その結果、デッキクレーン1aは、回生電力のうち、少なくともアイドリング消費エネルギは確実に消費できるので、その分、回生電力の有効利用を図ることができる。そして、デッキクレーン1aの動作状況によって、油圧装置20でも消費できない程度の回生電力が発生した場合には、蓄電制御装置50が蓄電装置51の蓄電器52に、回生電力を蓄電させる。このときの蓄電制御は、上述した通りである。
【0053】
図7に示す蓄電システム100aのデッキクレーン1aは、巻上装置3の動力発生源を油圧装置20とし、俯仰装置4及び旋回装置5の動力発生源は、それぞれ俯仰装置用電動機25及び旋回装置用電動機24としている。巻上装置3、俯仰装置4及び旋回装置5の中で、巻上装置3は最も使用頻度が多い。すなわち、巻上装置3は、巻上装置3、俯仰装置4及び旋回装置5の中でエネルギを消費する機会が最も多いと考えられる。このため、本実施形態では、巻上装置3の動力発生源を油圧装置20とすることで、俯仰装置4と旋回装置5とをそれぞれ駆動する俯仰装置用電動機25と旋回装置用電動機24とが発生する回生電力は、油圧装置用電動機21によって消費される機会が多くなる。その結果、本実施形態のデッキクレーン1aは、回生電力の無駄な消費を抑制できる。また、デッキクレーン1aでは消費できない回生電力が発生した場合、蓄電制御装置50が蓄電装置51の蓄電器52に、回生電力を蓄電させる。その結果、デッキクレーン1aは、余剰の回生電力がデッキクレーン1aから発電機32に戻るおそれを低減できるので、発電機32の耐久性低下を抑制できる。
【0054】
本実施形態において、デッキクレーン1aは、巻上装置3と俯仰装置4と旋回装置5とのうち一つ又は二つについては油圧装置を動力発生源とし、油圧装置を動力発生源としない装置は電動機を動力発生源とすればよい。すなわち、デッキクレーン1aは、巻上装置3と俯仰装置4と旋回装置5とのうち一つ又は二つを油圧装置で駆動し、油圧装置が駆動しない装置を電動機で駆動すればよい。このように、本実施形態は、上述した構成に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上のように、本発明に係る蓄電システム及び船舶は、巻上装置と俯仰装置と旋回装置とのうち一つ又は二つの動力発生源に電動機を用いたクレーンにおいて、回生電力の無駄な消費を抑制することに有用である。
【符号の説明】
【0056】
1、1a デッキクレーン
1C クレーン制御装置
2 旋回体
3 巻上装置
3D 巻上用ドラム
3M 巻上装置用電動機
3MF 油圧モータ
4 俯仰装置
4D 俯仰用ドラム
4M 俯仰装置用電動機
5 旋回装置
5G 歯車
5M 旋回装置用電動機
6 ジブ
9 ワイヤロープ
10 俯仰用ワイヤロープ
11 荷掛フック
20 油圧装置
21 油圧装置用電動機
22 ポンプ
24 旋回装置用電動機(電動機)
25 俯仰装置用電動機(電動機)
30 船舶
31 甲板
32 発電機
33 原動機
34 架台
38 スリップリング
39 母線
50 蓄電制御装置
50C 処理部
50D 電力分配部
51 蓄電装置
52 蓄電器
53 電力検出器
54 蓄電量検出器
60 電力消費対象
100、100a 蓄電システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶に搭載され、かつ巻上装置と俯仰装置と旋回装置とのうち少なくとも一つは電動機で駆動されるデッキクレーンに適用されるシステムであり、
前記デッキクレーンの回生電力を蓄電する複数の蓄電器と、
前記蓄電器の蓄電量を検出する蓄電量検出器と、
前記デッキクレーンの回生電力を検出する電力検出器と、
前記複数の蓄電器の中から、前記蓄電量検出器が検出した蓄電量が所定の値以下、かつ前記電力検出器が検出した回生電力を蓄電可能な蓄電器を選択して、前記デッキクレーンの回生電力を蓄電させる蓄電制御装置と、
を含むことを特徴とする蓄電システム。
【請求項2】
前記蓄電制御装置は、前記所定の値から前記蓄電量検出器が検出した蓄電量を減算した値である蓄電可能量と、前記電力検出器が検出した回生電力との差が最も小さい蓄電器を選択し、前記デッキクレーンの回生電力を蓄電させる請求項1に記載の蓄電システム。
【請求項3】
前記複数の蓄電器は複数の蓄電器群に分けられており、
前記蓄電制御装置は、前記複数の蓄電器群の中から、前記デッキクレーンの回生電力を蓄電させる蓄電器群を選択する請求項1又は2に記載の蓄電システム。
【請求項4】
前記蓄電量検出器は、それぞれの前記デッキクレーンの回生電力の総量を検出する請求項1から3のいずれか1項に記載の蓄電システム。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか1項に記載の蓄電システムを搭載したことを特徴とする船舶。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−62024(P2012−62024A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−209960(P2010−209960)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】