説明

蓄電源

【課題】リチウムイオン供給源からリチウムイオンをドーピングさせるときに、イオン供給速度のムラの発生が防止または抑制され、高い生産性が得られる蓄電源を提供する。
【解決手段】リチウムイオン又はアニオンを可逆的に担持可能な正極活物質を有する正極と、リチウムイオンを可逆的に担持可能な負極活物質を有する負極とが、セパレータを介して積重された電極積重体よりなる電極ユニット、セパレータの一面に接するよう設けられたリチウムイオン供給源、およびリチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液よりなる電解液を備え、負極又は正極とリチウムイオン供給源との電気化学的接触により、リチウムイオンが負極又は正極にドーピングされる蓄電源で、セパレータの他面に、一面に粘着剤層を形成されたテープが、セパレータを介してリチウムイオン供給源と重なるよう設けられ、テープ及び/又は粘着剤層の厚み方向に貫通する複数の孔が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタなどの蓄電源に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高エネルギー密度および高出力特性を必要とする用途に対応する蓄電源として、近年、リチウムイオン二次電池および電気二重層キャパシタの蓄電原理が組み合わされた、ハイブリッドキャパシタと称される蓄電源が注目されている。かかるハイブリッドキャパシタとしては、リチウムイオンを吸蔵、脱離し得る炭素材料に、予め化学的方法または電気化学的方法によって、リチウムイオンを吸蔵、担持(以下、「ドーピング」ということもある。)させて負極の電位を下げることにより、高いエネルギー密度が得られる炭素材料よりなる負極を有する有機電解質キャパシタが提案されている(例えば特許文献1参照。)。
かかる有機電解質キャパシタとしては、正極および負極が電解液を含浸可能なセパレータを介して積重された電極積重体がその一端から捲回されてなる電極ユニットを有する捲回型のもの、複数の正極および複数の負極が電解液を含浸可能なセパレータを介して交互に積重された電極積重体よりなる電極ユニットを有する積層型のものが知られており、これらのキャパシタにおいては、電極ユニットのセパレータに設けられた粘着剤層を有するテープによって、電極ユニット全体が固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−107048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなキャパシタにおいては、セパレータに設けられたテープの粘着剤層が電解液を吸収し、セパレータにおける粘着剤層に接する部分において、セパレータ中に含浸した電解液が著しく減少する。そのため、リチウムイオン供給源から負極に予めリチウムイオンをドーピングさせるときに、リチウムイオン供給源においては、セパレータにおける電解液が減少した部分に接する部分のイオン化が他の部分よりも遅くなり、これにより、リチウムイオンの供給速度にムラが生じるので、リチウムイオンを負極全体に均一にドーピングするために長い時間が必要となり、その結果、高い生産性が得られない、という問題がある。
【0005】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、リチウムイオン供給源から負極にリチウムイオンをドーピングさせるときに、リチウムイオンの供給速度にムラが生じることが防止または抑制され、高い生産性が得られる蓄電源を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の蓄電源は、表裏面を貫通する孔を有する集電体の少なくとも一面に、リチウムイオンおよび/またはアニオンを可逆的に担持可能な正極活物質を含有する電極層が形成されてなる正極と、表裏面を貫通する孔を有する集電体の少なくとも一面に、リチウムイオンを可逆的に担持可能な負極活物質を含有する電極層が形成されてなる負極とを有し、当該正極および当該負極がセパレータを介して積重された電極積重体よりなる電極ユニット、
前記セパレータの一面に接するよう設けられたリチウムイオン供給源、および、
リチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液よりなる電解液を備えてなり、
前記負極および/または前記正極と前記リチウムイオン供給源との電気化学的接触によって、リチウムイオンが当該負極および/または当該正極にドーピングされる蓄電源であって、
前記セパレータの他面には、前記電極ユニットを固定する、一面に粘着剤層が形成されたテープが、前記セパレータを介して前記リチウムイオン供給源と重なるよう設けられており、当該テープおよび/または粘着剤層の厚み方向に貫通する複数の孔が形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の蓄電源においては、前記粘着剤層に形成された複数の孔は、そのピッチが1〜5mmであり、その径が1〜5mmであることが好ましい。
また、前記リチウムイオン供給源は、セパレータによって正極および負極と接触しないよう設けられていることが好ましい。
また、前記リチウムイオン供給源は、金属製集電体に圧着または積重されていることが好ましく、このリチウムイオン供給源が圧着または積重された金属製集電体は多孔箔よりなることが更に好ましい。
【0008】
本発明の蓄電源においては、前記電極ユニットは、前記電極積重体がその一端から捲回されて構成され、前記リチウムイオン供給源は、前記セパレータの一端側部分および/または他端側部分に設けられていてもよい。
このような蓄電源においては、前記電極積重体は、第1のセパレータ、負極、第2のセパレータおよび正極の順で積重されてなり、当該第1のセパレータの一端側部分には、負極が配置される面とは反対の面に前記リチウムイオン供給源が配置され、前記電極積重体がその一端から前記リチウムイオン供給源が内側となるよう捲回されていてもよい。
【0009】
本発明の蓄電源においては、前記電極ユニットは、複数の前記正極および複数の前記負極がセパレータを介して交互に積重された電極積重体よりなり、前記リチウムイオン供給源は、前記電極積重体における最初に配置されたセパレータに設けられていてもよい。
このような蓄電源においては、前記電極積重体における最初に配置されたセパレータ上には、負極が配置されていてもよい。
【0010】
また、本発明の蓄電源は、リチウムイオンキャパシタとして好適である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の蓄電源によれば、セパレータに設けられたテープには、当該テープおよび/または粘着剤層の厚み方向に貫通する複数の孔が形成されているため、セパレータにおける粘着剤層に接する部分において、セパレータ中に含浸した電解液が減少することを防止または抑制することができ、これにより、リチウムイオン供給源から負極に予めリチウムイオンをドーピングさせるときに、リチウムイオンの供給速度にムラが生じることが防止または抑制されるので、リチウムイオンを負極全体に短時間で均一にドーピングすることができ、従って、高い生産性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る捲回型LICの一例における構成を示す説明用断面図である。
【図2】電極積重体の構成を示す説明用断面図である。
【図3】図1に示す捲回型LICにおける電極捲回ユニットの側面図である。
【図4】電極捲回ユニットにおける電極を展開した状態で示す説明用平面図である。
【図5】図4に示す電極のA−A断面を拡大して示す説明図である。
【図6】リチウムイオン供給源およびリチウム極集電体を示す説明用断面図である。
【図7】図1に示す捲回型LICにおけるテープの平面図である。
【図8】図7に示すテープのY−Y断面を拡大して示す説明図である。
【図9】本発明に係る捲回型LICの他の例における電極捲回ユニットの側面図である。
【図10】本発明に係る捲回型LICの更に他の例における電極捲回ユニットの側面図である。
【図11】テープの変形例を示す説明用断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の蓄電源を、捲回型リチウムイオンキャパシタ(以下、「捲回型LIC」ともいう。)として実施した場合について説明する。
図1は、本発明に係る捲回型LICの一例における構成を示す説明用断面図である。
この捲回型LICにおいては、外装容器20内に、電極捲回ユニット10が設けられている。
【0014】
電極捲回ユニット10は、図2に示すように、第1のセパレータ13の一面に、負極12、第2のセパレータ14および正極11がこの順で積重されてなる電極積重体10Aが、その一端から芯棒19に円筒状に捲回されて構成されている。ここで、正極11および負極12は、後述するそれぞれの電極層が第2のセパレータ14を介して互いに対向するよう配置されている。図示の例では、電極積重体10Aは第1のセパレータ13が内側となるよう捲回されており、これにより、電極捲回ユニット10の内周面が第1のセパレータ13によって形成されている。また、負極12および第2のセパレータ14は、正極11および第1のセパレータ13よりも長尺であって、正極11の最外周部分が負極12および第2のセパレータ14の最外周部分に捲回されて覆われており、これにより、電極捲回ユニット10の外周面が第2のセパレータ14によって形成されている。
本発明において、「正極」とは、放電の際に電流が流出し、充電の際に電流が流入する側の極を意味し、「負極」とは、放電の際に電流が流入し、充電の際に電流が流出する側の極を意味する。
【0015】
電極捲回ユニット10の内周面、すなわち第1のセパレータ13の一端側部分における負極12が配置される一面とは反対の他面には、膜状のリチウム金属よりなるリチウムイオン供給源15が、当該第1のセパレータ13に圧着された状態で略1周捲回されて配置され、当該リチウムイオン供給源15は第1のセパレータ13によって正極11および負極12の各々とは直接接触しない状態とされている。また、第2のセパレータ14の表面には、膜状のリチウム金属よりなるリチウムイオン供給源16が、正極11の外端部11Eから周方向に離間して、当該第2のセパレータ14に圧着された状態で略1周捲回されて配置され、当該リチウムイオン供給源16は第2のセパレータ14によって正極11および負極12の各々とは直接接触しない状態とされている。図示の例では、第2のセパレータ14における負極12の最外周部分を覆うよう捲回された部分にリチウムイオン供給源16が配置され、第2のセパレータ14は、リチウムイオン供給源16の外端部16Eから更に1周以上捲回される余剰部分14aを有し、この余剰部分14aの内面に、リチウムイオン供給源16が接した状態とされている。
【0016】
図3にも示すように、電極捲回ユニット10の外周面、すなわち第2のセパレータ14の余剰部分14aの外面には、当該第2のセパレータ14を介してリチウムイオン供給源16と重なる位置に、電極捲回ユニット10を固定するための帯状のテープ25が、第2のセパレータ14を介してリチウムイオン供給源16に重なる状態で、第2のセパレータ14の他端部14Eに沿って幅方向(図1において紙面と垂直な方向)に伸びるよう設けられており、これにより、電極捲回ユニット10を外装容器20内に収容する作業が容易となり、捲回型LICの組立て作業性が向上する。
また、電極捲回ユニット10の両端には、それぞれ正極11および負極12に電気的に接続された正極端子17および負極端子18が引き出されている。
【0017】
正極11および負極12(以下、両者を併せて「電極」ともいう。)は、それぞれ帯状の集電体の少なくとも一面に電極層が形成されてなるものであり、両者は実質的に同一の構造であるので、以下、同一の図面を用いて説明する。
図4は、電極捲回ユニットにおける電極を展開した状態で示す説明用平面図であり、図5は、図4に示す電極のA−A断面を拡大して示す説明図である。
この例の負極12(正極11)は、帯状の負極集電体12a(正極集電体11a)の一面(図5において上面)に、下地層12c(11c)を介して負極活物質または正極活物質を含有してなる電極層12b(11b)が形成されてなり、負極集電体12a(正極集電体11a)の他面には、負極端子18(正極端子17)が例えばステッチングまたはコールドウェルディングによって固定されて接続されている。
【0018】
電極として、負極集電体12aまたは正極集電体11aの両面に電極層12bまたは電極層11bが形成されてなるものを用いる場合には、電極層12bまたは電極層11bを部分的に負極集電体12aまたは正極集電体11aから剥離して、当該電極層12bまたは当該電極層11bに負極端子18または正極端子17を接続することができる。
ここで、負極端子18および正極端子17は、電極捲回ユニット10の両端から別々に引き出されていても、一方の端部から引き出されていてもよい。また、負極端子18および正極端子17は、それぞれ1つ設けられていればよいが、それぞれ複数設けられることが、内部抵抗が低下するため好ましい。
【0019】
正極集電体11aおよび負極集電体12a(以下、両者を併せて「電極集電体」ともいう。)は、表裏面を貫通する孔Hを有する多孔材よりなるものであり、かかる多孔材の形態としては、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金属網、発泡体、あるいはエッチングにより貫通孔が形成された多孔質箔等が挙げられる。
電極集電体の孔Hの形状は、円形、矩形、その他適宜の形状に設定することができる。また、電極集電体の厚みは、強度および軽量化の観点から、20〜50μmであることが好ましい。
【0020】
電極集電体の気孔率は、通常、10〜79%、好ましくは20〜60%である。ここで、気孔率は、[1−(電極集電体の質量/電極集電体の真比重)/(電極集電体の見かけ体積)]×100によって算出されるものである。
電極集電体の材質としては、一般に有機電解質電池などの用途で使用されている種々のものを用いることができる。負極集電体12aの材質の具体例としては、ステンレス、銅、ニッケル等が挙げられ、正極集電体11aの材質のとしては、アルミニウム、ステンレス等が挙げられる。
このような多孔材を電極集電体として用いることにより、リチウムイオン供給源15,16が電極捲回ユニット10における内周面および外周面の両方に配置されていても、リチウムイオンがリチウムイオン供給源15,16から電極集電体の孔Hを通って自由に各電極間を移動するので、負極12および/または正極11にリチウムイオンをドーピングすることができる。
【0021】
また、本発明においては、電極集電体における少なくとも一部の孔Hを、脱落しにくい導電性材料を用いて閉塞し、この状態で、電極集電体の一面に、電極層11b,12bが形成されることが好ましく、これにより、電極の生産性を向上させることができると共に、電極集電体から電極層11b,12bが脱落することによって生じる蓄電源の信頼性の低下を防止または抑制することができる。
また、電極の厚み(電極集電体および電極層の合計の厚み)を小さくすることにより、一層高い出力密度を得ることができる。
また、電極集電体における孔Hの形態および数等は、後述する電解液中のリチウムイオンが集電体に遮断されることなく電極の表裏間を移動できるように、また、導電性材料によって閉塞し易いように適宜設定することができる。
【0022】
負極12における電極層12bは、リチウムイオンを可逆的に担持可能な負極活物質を含有してなるものである。
電極層12bを構成する負極活物質としては、例えば黒鉛、難黒鉛化炭素、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であって水素原子/炭素原子の原子数比(以下「H/C」と記す。)が0.50〜0.05であるポリアセン系骨格構造を有するポリアセン系有機半導体(以下、「PAS」という。)等を好適に用いることができる。
【0023】
本発明において、負極活物質は、細孔直径が3nm以上で細孔容積が0.10mL/g以上のものが好ましく、その細孔直径の上限は限定されないが、通常は3〜50nmの範囲である。また、細孔容積の範囲についても特に限定されないが、通常0.10〜0.5mL/gであり、好ましくは0.15〜0.5mL/gである。
【0024】
本発明に係る捲回型LICにおいて、負極12における電極層12bは、上記の炭素材料やPAS等の負極活物質を含有してなる材料を用いて負極集電体12a上に形成されるが、その方法は特定されず公知の方法を利用することができる。具体的には、負極活物質粉末、バインダーおよび必要に応じて導電性粉末が水系媒体または有機溶媒中に分散されてなるスラリーを調製し、このスラリーを負極集電体12aの表面に塗布して乾燥することによって、或いは上記スラリーを予めシート状に成形し、得られる成形体を負極集電体12aの表面に貼り付けることによって、電極層12bを形成することができる。
ここで、スラリーの調製に用いられるバインダーとしては、例えばSBR等のゴム系バインダーや、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の合フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの中では、バインダーとしてフッ素系樹脂が好ましく、特にフッ素原子/炭素原子の原子比(以下、「F/C」という。)が0.75以上で1.5未満であるフッ素系樹脂を用いることが好ましく、F/Cが0.75以上で1.3未満のフッ素系樹脂が更に好ましい。
バインダーの使用量は、負極活物質の種類や電極形状等により異なるが、負極活物質に対して1〜20質量%、好ましくは2〜10質量%である。
また、必要に応じて使用される導電性材料としては、例えばアセチレンブラック、グラファイト、金属粉末等が挙げられる。この導電性材料の使用量は、負極活物質の電気伝導度、電極形状等により異なるが、負極活物質に対して2〜40質量%の割合で用いることが好ましい。
【0025】
負極集電体12aに上記スラリーを塗工することによって、電極層12bを形成する場合には、図5に示すように、負極集電体12aの塗工面に導電性材料の下地層12cを形成することが好ましい。負極集電体12aの表面にスラリーを直接塗工する場合には、負極集電体12aが多孔材であるため、スラリーが負極集電体12aの孔Hから洩れ出したり、あるいは負極集電体12aの表面が平滑でないため、均一な厚みを有する電極層12bを形成することが困難となることがある。そして、負極集電体12aの表面に下地層12cを形成することにより、孔Hが下地層12cによって塞がれると共に、平滑な塗工面が形成されるので、スラリーを塗工しやすくなると共に、均一な厚みを有する電極層12bを形成することができる。
図示の例では、電極層12bが負極集電体12aの一面のみに形成されているが、電極層12bが負極集電体12aの両面に形成される場合には、例えば負極集電体12aの両面のいずれかにスラリーを間欠塗工して負極集電体12aに未塗工領域を形成することにより、当該未塗工領域に負極端子18を接続することができる。
【0026】
負極12における電極層12bの厚みは、得られる捲回型LICに十分なエネルギー密度を確保されるよう正極11における電極層11bの厚みとのバランスで設計されるが、得られる捲回型LICの出力密度、エネルギー密度および工業的生産性等の観点から、負極集電体12aの一面に形成される場合では、通常、15〜100μm、好ましくは20〜80μmである。
【0027】
正極11における電極層11bは、リチウムイオンおよび/または例えばテトラフルオロボレートのようなアニオンを可逆的に担持できる正極活物質を含有してなるものである。
電極層11bを構成する正極活物質としては、例えば活性炭、導電性高分子、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であってH/Cが0.05〜0.50であるポリアセン系骨格構造を有するPAS等を用いることができる。
正極11における電極層11bは、負極12における電極層12bと同様の方法によって形成することができる。
【0028】
本発明に係る捲回型LICにおいては、正極11と負極12とを短絡させた後における正極11および負極12の電位が2.0V以下となることが好ましい。
また、本発明に係る捲回型LICにおいては、上記したように正極11と負極12とを短絡した後における正極11の電位は2.0V(Li/Li+ 、以下同じ。)以下となることが好ましい。すなわち、本発明に係る捲回型LICにおいては、正極活物質としてリチウムイオンおよび/またはアニオンを可逆的に担持可能なものを用い、一方、負極活物質としてリチウムイオンを可逆的に担持可能な活物質を用い、正極11と負極12とを短絡させた後における正極11および負極12の電位が2.0V以下になるように、負極12および/または正極11に予めリチウムイオンを担持させることが好ましい。
【0029】
また、本発明において、正極11と負極12とを短絡させた後における正極電位が2.0V以下とは、リチウムイオンがドーピングされた直後に限られるものではなく、充電状態、放電状態あるいは充放電を繰り返した後に短絡した場合など、いずれかの状態で短絡後の正極電位が2.0V以下となることである。
【0030】
本発明において、正極と負極とを短絡させた後における正極の電位が2.0V以下になるということに関し、更に詳細に説明する。
上述のように活性炭や炭素材は通常3V(Li/Li+ )前後の電位を有しており、活物質として正極および負極の両方に活性炭を用いてキャパシタを構成した場合には、いずれの電位も約3Vとなるため、正極と負極とを短絡しても正極の電位は変化せず約3Vのままである。また、正極活物質として活性炭を用い、負極活物質としてリチウムイオン二次電池に使用されている黒鉛や難黒鉛化炭素等の炭素材料を用いた、いわゆるハイブリットキャパシタの場合も同様であり、いずれの電位も約3Vとなるため、正極と負極とを短絡しても正極の電位は変化せず約3Vのままである。従って、正極および負極の質量バランスにもよるが、充電すると負極の電位が0V近傍まで推移するので、充電電圧を高くすることが可能となるため、高電圧、高エネルギー密度を有するキャパシタが得られる。一般的に、充電電圧の上限は正極の電位の上昇による電解液の分解が起こらない電圧に定められるので、正極の電位を上限にした場合には、負極の電位が低下する値だけ、充電電圧を高めることが可能となる。
【0031】
しかしながら、短絡時に正極電位が約3Vとなる上述のハイブリットキャパシタにおいては、正極の上限電位が例えば4.0Vとした場合に、放電時の正極の電位は3.0Vまでであり、正極の電位の変化は1.0V程度と正極の容量を充分に利用することができない。更に、負極にリチウムイオンを挿入(充電)、脱離(放電)した場合に、初期の充放電効率が低い場合が多く、放電時に脱離できないリチウムイオンが存在していることが知られている。これは、負極の表面において電解液の分解に消費されたり、炭素材の構造欠陥部にトラップされたりすること等の説明がなされているが、この場合には、正極の充放電効率に比べて負極の充放電効率が低くなり、充放電を繰り返した後に正極と負極とを短絡させると、正極電位は3Vよりも高くなり、さらに利用容量は低下する。すなわち、正極は4.0Vから2.0Vまで放電可能であるところ、4.0Vから3.0Vまでしか放電することができない場合や、利用可能容量の半分の量しか利用していないこととなり、高電圧を得ることは可能であるが、高容量を得ることは困難である。
従って、キャパシタとして、高電圧および高エネルギー密度を得るだけでなく、高容量および高エネルギー密度を得るためには、正極の利用容量を向上させることが必要となる。
【0032】
正極と負極との短絡後における正極の電位が3.0Vよりも低ければ、それだけ利用容量が増加し、高容量になるということである。正極と負極との短絡後における正極の電位を2.0V以下とするためには、キャパシタの充放電により充電される量だけでなく、別途リチウム金属などのリチウムイオン供給源から負極にリチウムイオンを充電することが好ましい。正極および負極以外からリチウムイオンが供給されることにより、正極と負極とを短絡させたときには、正極、負極およびリチウム金属が平衡電位になるため、正極の電位および負極の電位の両方ともに3.0V以下となる。また、リチウムイオン供給源を構成するリチウム金属の量が多くなる程、平衡電位は低くなる。負極活物質および正極活物質が変われば平衡電位も変わるので、正極と負極との短絡後における正極電位が2.0V以下となるように、負極活物質および正極活物質の特性を考慮して負極に担持させるリチウムイオン量の調整が必要である。
【0033】
本発明に係る捲回型LICにおいて、正極11と負極12とを短絡させた後における正極11の電位が2.0V以下となるということは、上記したように、捲回型LICの正極11および負極12以外から正極11および/または負極12にリチウムイオンが供給されるということである。リチウムイオンの供給は、負極12および正極11の一方あるいは両方のいずれでもよいが、例えば正極活物質として活性炭を用いた場合には、リチウムイオンの担持量が多くなり、正極11の電位が低くなると、リチウムイオンを不可逆的に消費してしまい、キャパシタの容量が低下するなどの不具合が生じる場合があるため、負極12および正極11に供給するリチウムイオンの量は不具合が生じないよう適宜制御が必要である。いずれの場合でも、予め正極11および/または負極12に供給されたリチウムイオンはセルの充電により負極12に供給されるので、負極12の電位は低下する。
【0034】
また、正極11と負極12とを短絡させた後における正極11の電位が2.0Vよりも高い場合には、正極11および/または負極12に供給されたリチウムイオンの量が少ないため、得られる捲回型LICのエネルギー密度は小さい。リチウムイオンの供給量が多くなるほど、正極11と負極12とを短絡させた後における正極11の電位は低くなり、エネルギー密度は向上する。高いエネルギー密度を得るには2.0V以下が好ましく、更に高いエネルギー密度を得るには1.0V(Li/Li+ )以下が好ましい。正極11と負極12とを短絡させた後における正極11の電位が低くなるということは、換言すると、捲回型LICに充電することにより、負極12に供給されるリチウムイオンの量が多くなるということであり、負極12の静電容量が増大すると共に、負極12の電位変化量が小さくなり、結果的に正極11の電位変化量が大きくなって捲回型LICの静電容量および容量が大きくなり、高いエネルギー密度が得られるのである。
【0035】
また、正極11の電位が0.1Vを下回ると、正極活物質にもよるが、ガスの発生や、リチウムイオンを不可逆に消費してしまう等の不具合が生じるため、正極11の電位の測定が困難となる。また、正極11の電位が低くなりすぎる場合には、負極活物質の質量が過剰ということであり、逆にエネルギー密度は低下する。従って、一般的には、正極11の電位は0.1V以上であり、好ましくは0.3V以上である。
【0036】
第1のセパレータ13および第2のセパレータ14としては、電解液、正極活物質或いは負極活物質に対して耐久性があり、電解液を含浸可能な連通気孔を有する電気伝導性の小さい多孔体等を用いることができる。
第1のセパレータ13および第2のセパレータ14の材質としては、セルロース(紙)、ポリエチレン、ポリプロピレン、その他公知のものを用いることができる。これらの中では、セルロース(紙)が耐久性および経済性の点で好ましい。
第1のセパレータ13および第2のセパレータ14の厚みは特に限定されないが、通常、20〜50μm程度が好ましい。
【0037】
図6に示すように、リチウムイオン供給源15,16は、金属製集電体(以下、「リチウム極集電体」という。)15a,16aに圧着または積重されていることが好ましい。このような構成においては、リチウム極集電体15a,16aにはリチウム極端子を設けることにより、当該リチウム極端子を介して例えば負極端子18に電気的に接続することかできる。
このリチウム極集電体15a,16aとしては、リチウムイオン供給源15,16を構成するリチウム金属が圧着しやすく、必要に応じてリチウムイオンが通過するよう、電極集電体と同様な多孔構造のものを用いることが好ましい。また、リチウム極集電体15a,16aの材質は、ステンレス等のリチウムイオン供給源15,16と反応しないものを用いることが好ましい。
また、リチウム極集電体15a,16aとして、ステンレスメッシュ等の導電性多孔体を用いる場合には、リチウムイオン供給源15,16を構成するリチウム金属の少なくとも一部、特に80質量%以上が、リチウム極集電体15a,16aの孔に埋め込まれていることが好ましく、これにより、リチウムイオンが負極12に担持された後も、リチウム金属の消失によって電極間に生じる隙間が少なくなり、得られる捲回型LICの信頼性をより確実に維持することができる。
また、リチウム極集電体15a,16aの厚みは、10〜200μm程度であることが好ましい。
また、リチウム極集電体15a,16aに圧着されるリチウム金属の厚みは、負極12に予め担持するリチウムイオンの量を考慮して適宜定められるが、通常、50〜300μm程度が好ましい。
【0038】
リチウムイオン供給源15,16を構成するリチウム金属の量は、正極11と負極12とを短絡させた後における正極11の電位が2.0V以下となるように、リチウムイオンがドーピングされる量に設定することが好ましく、更に、例えば負極12に対して、リチウムイオンが電極捲回ユニット10の外周面および内周面の両側から可能な限り均衡して迅速にドーピングされるように、リチウムイオン供給源15を構成するリチウム金属の量およびリチウムイオン供給源16を構成するリチウム金属の量を配分することが好ましい。
【0039】
負極端子18および正極端子17の材質としては、導電性を有するものであれば特に限定されず、種々のものを用いることができるが、それぞれ負極集電体12aおよび正極集電体11aの材質と同一のものが、接続性や膨張性などの点から好ましい。
【0040】
芯棒19の材質としては、ステンレス、銅、ニッケルなどの金属材料を用いることができる。
また、芯棒19の径は、電極捲回ユニット10の内周の径に応じて適宜設定することができる。
【0041】
図7は、図1に示す捲回型LICにおけるテープ25の平面図であり、図8は、図7に示すテープのY−Y断面を拡大して示す説明図である。
このテープ25は一面に粘着剤層27が形成されてなり、当該テープ25には、粘着剤層27を含むテープ25全体を厚み方向に貫通する複数の孔26が形成されている。
【0042】
テープ25の基材の材質としては、電解液に対して耐久性を有し、得られる捲回型LICに悪影響を与えないものであれば特に限定されないが、第1のセパレータ13および第2のセパレータ14の材質と同一のものが好ましい。
また、テープ25の厚みは、厚さ50〜100μm程度、幅が5〜10mm程度のものが、電極捲回ユニット10を安定して固定することができ、かつ、作業性も向上するので好ましい。
また、テープ25の配置領域の面積は、電極捲回ユニット10の最外周面の面積の1〜30%であることが好ましく、より好ましくは5〜30%、更に好ましくは5〜25%である。
また、テープ25の長さは、第2のセパレータ14の幅と同等であっても、第2のセパレータ14の幅より小さくてもよい。
【0043】
テープ25に形成された孔26のピッチ(隣接する孔26の中心間距離)Pは、1〜5mmであることが好ましく、より好ましくは2〜5mm、更に好ましくは2.5〜4mmである。孔26のピッチPが1mm未満である場合には、第2のセパレータ14に対する密着性が低くなりやすく、テープ25が第2のセパレータ14からが剥がれる恐れが生じる。一方、孔26のピッチPが5mmを超える場合には、テープ25への電解液の吸収が増加するため、第2のセパレータ14に含浸された電解液が枯渇しやすくなるため、リチウムイオンの供給速度にムラが生じ、生産性が低下する。
【0044】
また、テープ25に形成された孔26の径Dは、1〜5mmであることが好ましく、より好ましくは2〜5mm、更に好ましくは2.5〜4mmである。孔26の径Dが1mm未満である場合には、テープ25への電解液の吸収が増加するため、第2のセパレータ14に含浸された電解液が枯渇しやすくなるため、リチウムイオンの供給速度にムラが生じ、生産性が低下する。一方、孔26の径Dが5mmを超える場合には、第2のセパレータ14に対する密着性が低くなりやすく、テープ25が第2のセパレータ14からが剥がれる恐れが生じる。
【0045】
外装容器20の材質は特に限定されず、一般に電池またはキャパシタに用いられている種々のものを用いることができ、例えば鉄、アルミニウム等の金属材料、プラスチック材料、あるいはそれらを積層した複合材料等を用いることができるが、外装容器20としては、捲回型LICの小型化、軽量化の観点からは、アルミニウムと、ナイロン、ポリプロピレンなどの高分子材料とのラミネートフィルムを用いたフィルム型のものが好ましい。外装容器20の形状も特に限定されず、円筒型や角型など、用途に応じて適宜選択することができるが、円柱状の電極捲回ユニット10を収容する場合には円筒型のものを、扁平円柱状の電極捲回ユニット10を収容する場合には角型のものが好ましい。
【0046】
外装容器20内には、リチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液よりなる電解液が充填されている。
電解質を構成するリチウム塩としては、リチウムイオンを移送可能で、高電圧下においても電気分解を起こさず、リチウムイオンが安定に存在し得るものであればよく、その具体例としては、LiClO4 、LiAsF6 、LiBF4 、LiPF6 、Li(C2 5 SO2 2 Nなどが挙げられる。
非プロトン性有機溶媒の具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γーブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホランなどが挙げられる。これらの非プロトン性有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
電解液は、上記の電解質および溶媒を充分に脱水された状態で混合することによって調製されるが、電解液中の電解質の濃度は、電解液による内部抵抗を小さくするために、少なくとも0.1モル/L以上であることが好ましく、0.5〜1.5モル/Lであることが更に好ましい。
【0047】
上記の捲回型LICは、電極捲回ユニット10を、外装容器20内に収容すると共に、外装容器20内に電解液を充填し、更に、電極捲回ユニット10における正極端子17および負極端子18を、外装容器20の外部に引き出した状態で、外装容器20を封止することによって得られる。
そして、このようにして作製された捲回型LICにおいては、外装容器20内にリチウムイオンを供給し得る電解液が充填されているため、適宜の期間放置されると、負極12および/または正極11とリチウムイオン供給源15,16との電気化学的接触によって、リチウムイオン供給源15,16から放出されたリチウムイオンが負極12および/または正極11にドーピングされる。
また、予め第1のセパレータ13および第2のセパレータ14にリチウムイオン供給源15,16を配置した状態で電極積重体10Aが捲回されることによって、電極捲回ユニット10の作製とリチウムイオン供給源15,16の配置とを同一の工程で行うことができるため、一層高い生産性が得られる。
【0048】
このような捲回型LICによれば、第2のセパレータ14に設けられたテープ25には、粘着剤層27を厚み方向に貫通する複数の孔26が形成されているため、第2のセパレータ14における粘着剤層27に接する部分において、第2のセパレータ14中に含浸した電解液が減少することを防止または抑制することができ、これにより、リチウムイオン供給源16から負極12に予めリチウムイオンをドーピングさせるときに、リチウムイオンの供給速度にムラが生じることが防止または抑制されるので、リチウムイオンを負極12全体に短時間で均一にドーピングすることができ、従って、高い生産性が得られる。
【0049】
以上、本発明の蓄電源の実施の形態について説明したが、本発明は上記の形態に限定されず、種々の変更が可能である。
(1)テープ25の形状およびその配置位置は、図3に示すものに限定されない。
例えば図9に示すように、複数の矩形のテープ25が、第2のセパレータ14の他端部14Eに沿って幅方向に互いに離間して並ぶよう設けられていてもよい。このような構成によれば、テープ25の配置領域の面積を小さくすることができるため、テープ25の粘着剤層27による電解液の吸収が少なくなり、その結果、リチウムイオンの供給速度に更にムラがなく、生産性が一層向上すると共に、テープ材料の消費が少なくなるため、コストの低減化を図ることができる。
また、図10に示すように、複数の帯状のテープ25が、第2のセパレータ14の幅方向に互いに離間した状態で、第2のセパレータ14の周方向に伸びるよう設けられていてもよい。このテープ25は、電極捲回ユニット10の1周以上を捲くよう設けられていても、電極捲回ユニット10の1周未満を捲くよう設けられていてもよい。
また、図11に示すように、テープ25の孔26は、粘着剤層27のみを貫通するよう形成されていてもよい。
(2)本発明の蓄電源は、複数の正極および複数の負極がセパレータを介して交互に積重された電極積重体よりなる電極ユニットを有する積層型のものであってもよく、この場合には、リチウムイオン供給源を、電極積重体における最初に配置されたセパレータに設けることができる。このような構成においては、最初に配置されたセパレータ上には、負極が配置されていることが好ましい。
(3)本発明の蓄電源は、LICに限定されず、捲回型または積層型のリチウムイオン二次電池にも好適に適用することができ、また、その他の積層型または捲回型の蓄電源に適用することもできる。
【符号の説明】
【0050】
10 電極捲回ユニット
10A 電極積重体
11 正極
11a 正極集電体
11b 電極層
11c 下地層
11E 正極の外端部
12 負極
12a 負極集電体
12b 電極層
12c 下地層
13 第1のセパレータ
13a 最内周部分
14 第2のセパレータ
14a 余剰部分
14E 第2のセパレータの他端部
15,16 リチウムイオン供給源
15a,16a リチウム極集電体
16E リチウムイオン供給源の外端部
17 正極端子
18 負極端子
19 芯棒
20 外装容器
25 テープ
26 孔
27 粘着剤層
H 孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏面を貫通する孔を有する集電体の少なくとも一面に、リチウムイオンおよび/またはアニオンを可逆的に担持可能な正極活物質を含有する電極層が形成されてなる正極と、表裏面を貫通する孔を有する集電体の少なくとも一面に、リチウムイオンを可逆的に担持可能な負極活物質を含有する電極層が形成されてなる負極とを有し、当該正極および当該負極がセパレータを介して積重された電極積重体よりなる電極ユニット、
前記セパレータの一面に接するよう設けられたリチウムイオン供給源、および、
リチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液よりなる電解液を備えてなり、
前記負極および/または前記正極と前記リチウムイオン供給源との電気化学的接触によって、リチウムイオンが当該負極および/または当該正極にドーピングされる蓄電源であって、
前記セパレータの他面には、前記電極ユニットを固定する、一面に粘着剤層が形成されたテープが、前記セパレータを介して前記リチウムイオン供給源と重なるよう設けられており、当該テープおよび/または粘着剤層の厚み方向に貫通する複数の孔が形成されていることを特徴とする蓄電源。
【請求項2】
前記粘着剤層に形成された複数の孔は、そのピッチが1〜5mmであり、その径が1〜5mmであることを特徴とする請求項1に記載の蓄電源。
【請求項3】
前記リチウムイオン供給源は、前記セパレータによって前記正極および前記負極と接触しないよう設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蓄電源。
【請求項4】
前記リチウムイオン供給源は、金属製集電体に圧着または積重されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の蓄電源。
【請求項5】
前記リチウムイオン供給源が圧着または積重された金属製集電体は多孔箔よりなることを特徴とする請求項4に記載の蓄電源。
【請求項6】
前記電極ユニットは、前記電極積重体がその一端から捲回されて構成され、前記リチウムイオン供給源は、前記セパレータの一端側部分および/または他端側部分に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の蓄電源。
【請求項7】
前記電極積重体は、第1のセパレータ、負極、第2のセパレータおよび正極の順で積重されてなり、当該第1のセパレータの一端側部分には、負極が配置される面とは反対の面に前記リチウムイオン供給源が配置され、前記電極積重体がその一端から前記リチウムイオン供給源が内側となるよう捲回されていることを特徴とする請求項6に記載の蓄電源。
【請求項8】
前記電極ユニットは、複数の前記正極および複数の前記負極がセパレータを介して交互に積重された電極積重体よりなり、前記リチウムイオン供給源は、前記電極積重体における最初に配置されたセパレータに設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の蓄電源。
【請求項9】
前記電極積重体における最初に配置されたセパレータ上には、負極が配置されていることを特徴とする請求項8に記載の蓄電源。
【請求項10】
リチウムイオンキャパシタであることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の蓄電源。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−77279(P2011−77279A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226923(P2009−226923)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(307037543)JMエナジー株式会社 (57)
【Fターム(参考)】