説明

薄膜塗布装置

【課題】空気を吸入し同伴流を減殺することで、この同伴流の影響による塗布不良を良好に阻止でき、しかも空気と一緒に塗工液を吸入することも可及的に阻止でき、安定して確実に塗布不良阻止効果を発揮できる画期的な薄膜塗布装置を提供する。
【解決手段】シート体3を連続搬送しつつノズル本体部Aの先端吐出口1から塗工液aを吐出してこのシート体3に塗工液aを薄膜状に塗布する薄膜塗布装置において、前記ノズル本体部Aの先端吐出口1の下方に、前記シート体3の表面付近の空気を吸入する空気吸入部5を設け、この空気吸入部5は少なくとも前記シート体3を搬送する際にこのシート体3の表面付近に生ずる同伴流を減殺し得る吸入圧に設定し、この空気吸入部5の上方にして前記先端吐出口1から漏出した塗工液aを受ける位置に漏れ液受け部4を設け、先端吐出口1から漏出した塗工液aが空気吸入部5へ吸入されることを阻止する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート体に塗工液を薄膜状に塗布する薄膜塗布装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シート体に塗工液を薄膜状に塗布する装置として、例えば特許文献1に開示されるように、ダイコータやスロットコータと呼ばれる薄膜塗布装置がある。これは、例えば図6に図示したように(後述する本発明と同一構成部材には同一符号を付している)、液供給部から供給された塗工液aをスリット状の先端吐出口1から吐出するノズル本体部Aを有し、下方から上方へと搬送するシート体3に対して前記ノズル本体部Aの先端吐出口1を対向近接させた状態で、このシート体3を連続搬送しつつ前記先端吐出口1から前記塗工液aを吐出することでこのシート体3に塗工液aを薄膜状に塗布する構成であり、例えば、シート体3の表面コーティングや、薄膜フィルムの製造など、種々の用途で使用されるものである。
【0003】
ところで、この種の薄膜塗布装置は、シート体3を連続搬送しつつ塗布作業を行うため、どうしてもシート体3の表面に同伴する空気の流れが生ずる。
【0004】
その結果、図6に図示したように、シート体3の表面付近に矢印で示した方向(シート体3に同伴する方向)の空気の流れ,いわゆる「同伴流」が生じ易く、この同伴流の影響によって塗工箇所での塗工液aの状態(ビード)が不安定になり、これが塗布不良(一部に塗工液aが塗布されない、或いは塗布厚が不均一となるなど)の要因となっている。
【0005】
しかも、シート体の搬送速度を早くするほど,また塗工液aの塗布厚を薄く設定するほどこの同伴流の影響は顕著となり塗布不良も一層生じ易い。
【0006】
そこで、この同伴流の影響による塗布不良の阻止を図った薄膜塗布装置も従来から提案されている。これは例えば特許文献2に開示されるように、塗工箇所の上流側、即ちノズル本体部Aの先端吐出口1の下方位置を減圧する構成であり、この減圧によって同伴流を減殺し、塗工箇所に同伴流が到達することを阻止することで同伴流の影響による前記塗布不良を阻止するものである。
【0007】
【特許文献1】特開平09−225372号公報
【特許文献2】特開2003−53233号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし上述した減圧構造を備えたタイプは、ノズル本体部Aの先端吐出口1の下方にて減圧を行う構造上、この減圧箇所から空気だけでなく前記先端吐出口1から漏出した塗工液aまでも吸入してしまう場合がある。特に塗布作業の開始・終了の際、先端吐出口1から塗工液aを吐出しつつこの先端吐出口1とシート体3とを離間させる場合に、この先端吐出口1から減圧箇所へと塗工液aが吸入され易い。
【0009】
このように減圧箇所に塗工液が吸入されると、この塗工液aが吸入ポンプまで到達し、この塗工液aに含まれるアルコールなどの液剤により吸入ポンプの動作不良が生じ、その結果ポンプ圧(吸入圧)が低減し、減圧箇所の減圧度合いが低減する場合がある。
【0010】
このように減圧度合いが不意に低減してしまうと、同伴流を十分に減殺できず、所期通りの塗布不良を阻止する効果が期待できない。従って、この塗工液aが空気と混入して吸入されてしまうことがこの種の減圧構造の大きな問題点と言える。
【0011】
本発明は、上述のような問題点に着眼し、空気を吸入し同伴流を減殺することで、この同伴流の影響による塗布不良を良好に阻止でき、しかも空気と一緒に塗工液を吸入することも可及的に阻止でき、安定して確実に塗布不良を阻止する効果を発揮できるなど、これまでにない良好な塗布作業を実施可能とする画期的で実用性に秀れた薄膜塗布装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0013】
液供給部から供給された塗工液aをスリット状の先端吐出口1から吐出するノズル本体部Aを有し、下方から上方へと搬送するシート体3に対して前記ノズル本体部Aの先端吐出口1を対向近接させた状態で、このシート体3を連続搬送しつつ前記先端吐出口1から前記塗工液aを吐出することでこのシート体3に塗工液aを薄膜状に塗布する薄膜塗布装置において、前記ノズル本体部Aの先端吐出口1の下方に、前記シート体3の表面付近の空気を吸入する空気吸入部5を設けると共に、この空気吸入部5は少なくとも前記シート体3を搬送する際にこのシート体3の表面付近に生ずる同伴流を減殺し得る吸入圧に設定し、この空気吸入部5の上方にして前記先端吐出口1から漏出した塗工液aを受ける位置に漏れ液受け部4を設けて、前記先端吐出口1から漏出した塗工液aが前記空気吸入部5へ吸入されることを阻止するように構成したとを特徴とする薄膜塗布装置に係るものである。
【0014】
また、前記漏れ液受け部4には、この漏れ液受け部4で受けた前記塗工液aを吸入して漏れ液受け部4内から排出する吸入排出機構6を設けた構成としたことを特徴とする請求項1記載の薄膜塗布装置に係るものである。
【0015】
また、前記漏れ液受け部4は、前記ノズル本体部Aの先端吐出口1から漏出した前記塗工液aを受ける位置にして且つ前記シート体3と近接する位置に、このシート体3と対向する面を開口するチャンバ4Aを設け、このチャンバ4Aに前記吸入排出機構6を設け、この吸入排出機構6により前記チャンバ4A内を減圧することでこのチャンバ4Aと対向する前記シート体3に対して吸入圧を生ずるように構成すると共に、この吸入圧は前記空気吸入部5に比して低い吸入圧となるように前記吸入排出機構6の吸入圧を設定したことを特徴とする請求項2記載の薄膜塗布装置に係るものである。
【0016】
また、前記漏れ液受け部4を構成するチャンバ4Aの前記シート体3と対向する開口は、少なくとも前記ノズル本体部Aの先端吐出口1の液吐出幅領域と等しい開口幅に設定したことを特徴とする請求項3記載の薄膜塗布装置に係るものである。
【0017】
また、前記空気吸入部5は、前記ノズル本体部Aの先端吐出口1の下方にして且つ前記シート体3と近接する位置に、このシート体3と対向する面を開口するチャンバ5Aを設け、このチャンバ5A内の空気を吸入排出する吸入排出機構7をこのチャンバ5Aに設け、この吸入機構7により前記チャンバ5A内を減圧することでこのチャンバ5Aと対向する前記シート体3に対して吸入圧を生ずるように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜塗布装置に係るものである。
【0018】
また、前記空気吸入部5を構成するチャンバ5Aの前記シート体3と対向する開口は、少なくとも前記ノズル本体部Aの先端吐出口1の液吐出幅領域と等しい開口幅に設定したことを特徴とする請求項5記載の薄膜塗布装置に係るものである。
【0019】
また、前記空気吸入部5を構成するチャンバ5A内を減圧する吸入排出機構7と、請求項3,4のいずれか1項に記載の前記漏れ液受け部4を構成するチャンバ4Aを減圧する吸入排出機構6とは、互いに異なる別の吸入ポンプからの吸入圧により、互いに異なる別の吸入排出路7a,6aを通じて前記チャンバ5A,4A内から空気若しくは塗工液aを吸入排出する構成としたことを特徴とする請求項5,6のいずれか1項に記載の薄膜塗布装置に係るものである。
【0020】
また、前記ノズル本体部Aの先端吐出口1の下方に、前記シート体3に対して先端部を対向近接させる突出板部8を一若しくは複数並設状態に設けてこの突出板部8とノズル本体部Aとの対向間隙,若しくはこの突出板部8同志の対向間隙を形成すると共に、この対向間隙の前記シート体3と対向する部位を除いた周囲を閉塞し、この対向間隙内の空気若しくは塗工液aを吸入する前記漏れ液吸入部4の吸入排出機構6若しくは空気吸入部5の空気排出機構7をこの対向間隙に連設することで前記漏れ液吸入部4若しくは空気吸入部5を構成したことを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の薄膜塗布装置に係るものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、上述のように空気吸入部によってシート体の表面付近の空気を吸入するように構成したから、塗布作業時に、たとえシート体の表面付近に同伴流が生じても前記空気吸入部によってこの同伴流を減殺でき、同伴流の影響による塗布不良を阻止できる。
【0022】
また、漏れ液受け部によって、先端吐出口から漏出した塗工液が空気吸入部に吸入されることを阻止できるように構成したから、たとえ先端吐出口から塗工液が漏出し易い状況(例えば塗布作業の開始・終了の際など)においても、先端吐出口から漏出した塗工液が空気吸入部に吸入されるトラブル(塗工液により空気吸入部の吸入ポンプの動作不良が生じたり空気の吸入路途中を詰まらせるなど)が生ずることも可及的に阻止できる。
【0023】
従って、前記空気吸入部によって安定して良好な同伴流減殺効果,即ち塗布不良阻止効果を発揮でき、例えばこれまで困難とされていたシート体の搬送速度の高速化や、より薄い塗布厚設定も実現し得るなど、これまでになく良好な塗布作業を実現可能とし、しかも空気吸入部には塗工液が付着しないので清掃作業も漏れ液受け部のみに限定できメンテナンス性にも秀れるなど、極めて画期的で実用性に秀れた薄膜塗布装置となる。
【0024】
また、請求項2〜4記載の発明においては、漏れ液受け部によって受けた塗工液を、吸入排出機構によりこの漏れ液受け部内から吸入排気できるように構成したから、例えばこの漏れ液受け部に大量に溜まった塗工液が溢れ流れたり、漏れ液受け部の下方の空気吸入部からの吸入圧によってこの漏れ液受け部から空気吸入部へと塗工液が誘導吸入されたりするトラブルも可及的に阻止でき、塗工液が空気吸入部へ吸入されることを阻止する前記漏れ液受け部の機能を一層確実且つ良好に発揮できる。
【0025】
特に請求項3,4記載の発明においては、漏れ液受け部が塗工液を受けるだけでなく、シート体に対して吸入圧を生ずるように構成したから、例えば空気吸入部で減殺しきれなかった同伴流をこの漏れ液受け部で減殺するといった補助的な同伴流減殺効果を発揮でき、同伴流による塗布不良を一層良好に阻止できる。
【0026】
尚、塗工箇所の近傍(先端吐出口の近傍)に位置する漏れ液吸入部で、あまり強い吸入圧を生ずると、塗工箇所の塗工液の状態(ビード)が不安定になり、その結果塗布不良を招く問題が懸念されるが、この点本発明では、漏れ液受け部を低い吸入圧に設定している為、そのような問題は生じ得ない。
【0027】
また、請求項5,6記載の発明においては、空気吸入部をチャンバ構造とし、このチャンバ内を吸入排出機構により減圧することでシート体に吸入圧を発揮するように構成したから、シート体に対して吸入圧を発揮する空気吸入部の構造を一層確実に実現できる。
【0028】
また、吸入排出機構によりシート体の表面付近を直接吸入するのではなく、この吸入排出機構で空気吸入部のチャンバ内を減圧し、この減圧されたチャンバによって吸入圧を発揮する構成としたから、それだけ均一な吸入圧を前記シート体に対して発揮できる。
【0029】
また、請求項7記載の発明においては、簡易な構成で上記秀れた作用効果を確実に発揮する本発明の構造を容易に実現できる実用性に秀れた薄膜塗布装置となる。
【0030】
また、請求項8記載の発明においては、前記空気吸入部若しくは前記漏れ液受け部をノズル本体部の先端吐出口の下方位置に設け、上記秀れた作用効果を確実に発揮する本発明の構造を、簡易な構成で一層容易に実現でき、一層実用性に秀れた薄膜塗布装置となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0032】
下方から上方へと搬送するシート体3に対してノズル本体部Aの先端吐出口1を対向近接させた状態で、このシート体3を連続搬送しつつ、液供給部から供給された塗工液aを前記先端吐出口1から吐出し、これによりシート体3に塗工液aを薄膜状に塗布する。
【0033】
この際、シート体3は連続搬送されているためにこのシート体3の表面付近には同伴流が生ずる場合がある。
【0034】
しかし、本発明では、前記ノズル本体部Aの先端吐出口1の下方に、前記シート体3の表面付近の空気を吸入する空気吸入部5を設けており、しかもこの空気吸入部5は少なくとも前記シート体3を搬送する際にこのシート体3の表面付近に生ずる同伴流を減殺し得る吸入圧に設定している。
【0035】
従って、たとえ塗布作業時に前記シート体3の表面付近に同伴流が生じても、前記空気吸入部5によりこの同伴流を減殺し、この同伴流の影響により塗工液aの塗布不良が生ずることを可及的に阻止できる。
【0036】
また、前記先端吐出口1から塗工液aが漏出して下方に垂れ落ちた場合も、空気吸入部5の上方にしてこの先端吐出口aから漏出した塗工液aを受ける位置に設けた漏れ液受け部4によってこの漏出した塗工液aを受けることができる。
【0037】
従って、例えば塗布作業の開始・終了の際など、シート体3から先端吐出口1を離間してこの先端吐出口1から塗工液aが下方に漏出しやすい状況でも、この先端吐出口1から漏出した塗工液aは前記空気吸入部5に吸入されることを前記漏れ液受け部4によって可及的に阻止できる。
【0038】
例えば空気吸入部5から塗工液aを吸入してしまうと、例えばこの空気吸入部5の吸入ポンプの動作不良を生じさせ、この空気吸入部5の吸入圧を低減するなど吸入圧が不安定になり、その結果、所期通りの同伴流の減殺効果,つまり塗布不良を阻止する効果が得られなくなってしまう。
【0039】
しかし本発明では、先端吐出口1から漏出した塗工液aが空気吸入部5へ吸入されることを前記漏れ液受け部4によって可及的に阻止でき、よって塗布作業時には、空気吸入部5によって安定して確実且つ良好に塗布不良を阻止する効果を発揮でき、これまでにない良好な塗布作業を実施可能とする。よって、これまでは同伴流の影響によって塗布不良が生ずるが為に実施困難とされていた、例えばシート体3の搬送速度の高速化や、より薄い塗布厚設定も本装置によれば良好に実施できることとなる。
【0040】
また、仮に前記空気吸入部5で空気と塗工液aとを一緒に吸入する構成とした場合には、空気吸入部5に付着した塗工液aが空気の吸入経路を狭めたり詰まらせたりして吸入圧が安定せず、よって頻繁に清掃作業(塗工液aの除去作業)を行う必要がある。
【0041】
しかしこの点、本発明では空気吸入部5とは別に塗工液aを受ける前記漏れ液受け部4を設けており、従って清掃時にはこの塗工液aを受ける漏れ液受け部4のみを清掃すれば良く、尚且つこの漏れ液受け部4にたとえ少量の塗工液aが付着したとしても、前記空気吸入部5では安定した吸入圧(つまり安定した同伴流の減殺効果)が発揮される為、それだけこの漏れ液受け部4の清掃作業もさほど頻繁に行う必要が無いなど、メンテナンス性や実用性に一層秀れることとなる。
【0042】
また前記漏れ液受け部4を、例えば後述する実施例のように、この漏れ液受け部4で受けた前記塗工液aを吸入して漏れ液受け部4内から排出する吸入排出機構6を設けた構成とした場合には、吸入排出機構6の吸入圧によって漏れ液受け部4内から塗工液aを確実に(強制的に)吸入し排出させることができる。
【0043】
従って、例えば漏れ液受け部4から塗工液aを排出する排出路の途中に塗工液aが詰まり、この漏れ液受け部4に塗工液aが大量に溜まって溢れ流れてしまったり、また例えば漏れ液受け部4の下方の前記空気吸入部5からの吸入圧によって漏れ液受け部4内から塗工液aが空気吸入部5へと誘導吸入されてしまうといったトラブルも確実に阻止でき、この漏れ液受け部4により前記塗工液aが前記空気吸入部5に吸入されることを一層確実に阻止できることとなる。
【実施例1】
【0044】
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
【0045】
本実施例は、液供給部から供給された塗工液aをスリット状の先端吐出口1から吐出するノズル本体部Aを有し、下方から上方へと搬送するシート体3に対して前記ノズル本体部Aの先端吐出口1を対向近接させた状態で、このシート体3を連続搬送しつつ前記先端吐出口1から前記塗工液aを吐出することでこのシート体3に塗工液aを薄膜状に塗布する薄膜塗布装置において、前記ノズル本体部Aの先端吐出口1の下方に、前記シート体3の表面付近の空気を吸入する空気吸入部5を設けると共に、この空気吸入部5は少なくとも前記シート体3を搬送する際にこのシート体3の表面付近に生ずる同伴流を減殺し得る吸入圧に設定し、この空気吸入部5の上方にして前記先端吐出口1から漏出した塗工液aを受ける位置に漏れ液受け部4を設けて、前記先端吐出口1から漏出した塗工液aが前記空気吸入部5へ吸入されることを阻止するように構成したものである。
【0046】
尚、本実施例では、図1に図示したように、シート体3をバックアップロール2により支持して搬送し、このシート体3の前記バックアップロール2と接して下方から上方へと搬送走行する部位に、前記ノズル本体部Aの先端吐出口1を水平方向から対向近接させる構成とする。
【0047】
以下、本実施例を具体的に説明する。
【0048】
ノズル本体部Aは、図1及び図3に図示したように、上下一対のノズル半体A1,A2を連結して成る構成とすると共に、互いの対向面部のうちの前端部にして先端部(図1中,左側の端部)を微小な間隙をおいて対向状態に配して、前記ノズル本体部Aの先端部にスリット状の前記先端吐出口1を形成した構成とする。
【0049】
尚、このノズル本体部Aを構成する上下一対のノズル半体A1,A2の幅方向(先端吐出口1のスリット方向)の両端部には夫々、図4に図示したように閉塞体10を着脱自在に取り付け固定しており、この閉塞体10によりこのノズル半体A1,A2間の間隙の幅方向両端部を夫々閉塞している。具体的には、図4に図示したように、閉塞体10のボルト通孔22aに挿通した締付ボルト22を前記のノズル本体部Aのボルト螺着孔22aに螺着することで、このノズル本体部Aの幅方向両端部に夫々閉塞体10を締め付け固定している。
【0050】
また、このノズル本体部Aの先端吐出口1は、少なくとも前記シート体3の幅寸法と等しい液吐出幅領域を有する形状に設定している。
【0051】
また、上側のノズル半体2には、調整螺子11Aを螺合する雌螺子を内周面に刻設した螺合孔11を形成している。前記調整螺子11Aの進退螺動操作によってノズル半体A1の先端縁を上下に撓み変形調整し、これにより下側のノズル半体A2との対向間隙を微調整して塗工液aの塗布厚の微調整を図るものである。
【0052】
また、下側のノズル半体A2の先端部にして下部には、後述する取り付け部材9を取り付け固定する取り付け段部12を形成した構成とする。
【0053】
このノズル本体部Aの先端吐出口1の下方に設ける前記漏れ液受け部4は、図3に図示したように、この漏れ液受け部4で受けた前記塗工液aを吸入して漏れ液受け部4内から排出する吸入排出機構6を設けた構成とする。
【0054】
具体的には、前記ノズル本体部Aの先端吐出口1から漏出した前記塗工液aを受ける位置にして且つ前記シート体3と近接する位置に、このシート体3と対向する面を開口するチャンバ4Aを設け、このチャンバ4Aに前記吸入排出機構6を設けて、前記漏れ液受け部4を構成している。
【0055】
従って、この吸入排出機構6により漏れ液受け部4のチャンバ4A内が減圧される為、この漏れ液受け部4のチャンバ4Aと対向する前記シート体3に対して吸入圧を生ずることとなり、この吸入圧により前記同伴流の減殺効果が一層助長される。
【0056】
また、この漏れ液受け部4を構成するチャンバ4Aの前記シート体3と対向する開口は、少なくとも前記ノズル本体部Aの先端吐出口1の液吐出幅領域と等しい開口幅に設定しているから、それだけ前記シート体3の幅方向に均一な吸入圧を生ずる。
【0057】
この漏れ液受け部4の下方に設ける前記空気吸入部5は、図4に図示したように、前記ノズル本体部Aの先端吐出口1の下方にして且つ前記シート体3と近接する位置に、このシート体3と対向する面を開口するチャンバ5Aを設け、このチャンバ5A内の空気を吸入排出する吸入排出機構7をこのチャンバ5Aに設け、この吸入機構7により前記チャンバ5A内を減圧することでこのチャンバ5Aと対向する前記シート体3に対して吸入圧を生ずる構成とする。
【0058】
また、この空気吸入部5を構成するチャンバ5Aの前記シート体3と対向する開口は、少なくとも前記ノズル本体部Aの先端吐出口1の液吐出幅領域と等しい開口幅に設定しているから、それだけ前記シート体3の幅方向に均一な吸入圧を生ずる。
【0059】
また、この空気吸入部5を構成するチャンバ5A内を減圧する吸入排出機構7と、前記漏れ液受け部4を構成するチャンバ4Aを減圧する吸入排出機構6とは、図4に図示したように、互いに異なる別の吸入ポンプからの吸入圧により、互いに異なる別の吸入排出路7a,6aを通じて前記チャンバ5A,4A内から空気若しくは塗工液aを吸入排出する構成とする。
【0060】
本実施例の漏れ液受け部4を構成するチャンバ4Aと、空気吸入部5を構成するチャンバ5Aの構造を、更に具体的に説明する。
【0061】
前記ノズル本体部Aの先端吐出口1の下方に、前記シート体3に対して先端部を対向近接させる突出板部8を一若しくは複数並設状態に設けてこの突出板部8とノズル本体部Aとの対向間隙,若しくはこの突出板部8同志の対向間隙を形成すると共に、この対向間隙の前記シート体3と対向する部位を除いた周囲を閉塞し、この対向間隙内の空気若しくは塗工液aを吸入する前記漏れ液吸入部4の吸入排出機構6若しくは空気吸入部5の空気排出機構7をこの対向間隙に連設することで前記漏れ液吸入部4若しくは空気吸入部5を構成している。
【0062】
具体的には、前記突出板部8を有する取り付け部材9を前記ノズル本体部Aの先端吐出口1の下方位置に着脱自在に取り付け固定する。
【0063】
本実施例では、図1〜図3に図示したように、前記ノズル本体部Aの先端吐出口1の下方位置にして下側のノズル半体A2に形成した前記取り付け段部12の上面部に、前記取り付け部材9として上方から順に上側スペーサ部材13,上側突出板部8,下側スペーサ部材14,下側突出板部8を重合状態に配すると共に、図3に図示したように、この各スペーサ部材13,14及び突出板部8に夫々形成したボルト通孔15aに挿通した締付ボルト15を前記取り付け段部12の上面部のボルト螺着孔15bに螺着固定して、この取り付け段部12に前記スペーサ部材13,14及び突出板部8を重合状態に締め付け固定した構成とする。尚、このスペーサ部材13,14及び突出板部8は、いずれもノズル本体部Aと等しい幅寸法に設定している。
【0064】
このようにノズル本体部Aに取り付け部材9としての各スペーサ部材13,14及び突出板部8を取り付け固定することで、前記取り付け段部12の上面部と前記上側の突出板部8との間に(前記漏れ液受け部4のチャンバ4A内空間としての)対向間隙を形成し、また、上側の突出板部8と下側の突出板部8との間に(前記空気吸入部5のチャンバ5A内空間としての)対向間隙を形成する。
【0065】
この各対向間隙の後部は前記スペーサ部材13,14により閉塞しており、この各対向間隙の幅方向両端部は、上述したノズル本体部Aの幅方向の両端部を閉塞する閉塞体10(図4参照)により夫々閉塞する。即ち、閉塞体10は、ノズル半体A1,A2間の間隙の幅方向両端部を閉塞するだけでなく、下側のノズル半体A2の取り付け段部12の幅方向両端部も覆う板面形状に設定しており、この閉塞体10によって前記各対向間隙の幅方向両端部を夫々閉塞する。尚、この閉塞体10の前記シート体3と対向する板縁は、図1,2及び図4に図示したように、バックアップロール2及びシート体3の湾曲形状に沿って湾曲した形状に形成しており、これにより閉塞体10を前記シート体3に一層良好に近接配設し得るように構成している。
【0066】
また、図1に図示したように、上下の突出板体8は前記シート体3に対向近接させる先端部を先細り形状に形成している。また塗布作業時には、ノズル本体部Aの先端吐出口1を前記シート体3に(例えばシート体3からの距離が50〜70μmの近位置まで)対向近接させるが、その際この上下の突出板部8の先端部も、前記シート体3に対してかなり近い位置まで(例えばシート体3からの距離が多くとも1mm以下,望むべくは50〜200μmの近位置まで)対向近接するように構成している。
【0067】
従って、前記漏れ液受け部4を構成するチャンバ4Aは、ノズル本体部Aの取り付け段部12の上面部と上側の突出板部8との対向間隙を前記上側のスペーサ部材13と閉塞体10とで閉塞し、前記シート体3と対向する面を開口した構造とする。
【0068】
また図3に図示したように、前記上側のスペーサ部材13の前縁部から後方に向けて切り欠き部13aを二箇所に形成し、この切り欠き部13aと重合連通するように、前記上側の突出板部8,下側のスペーサ部材14,及び下側の突出板部8の所定位置に夫々連通孔16を形成しており、この各切り欠き部13aと各連通孔16とにより、前記漏れ液受け部4のチャンバ4A内空間と連通する前記吸入排出路6aの一部を構成している。
【0069】
更に、前記下側の突出板部8の連通孔16の内周面には雌螺子を刻設し、吸入ポンプと接続される吸入ホース17の端部を、図2に図示したように下側の突出板部8の前記雌螺子が刻設された連通孔16に螺着接続し、これによりチャンバ4A内を吸入ポンプで減圧する前記漏れ液受け部4の吸入排出機構6を構成している。
【0070】
また、前記空気吸入部5を構成するチャンバ5Aは、上側の突出板部8と下側の突出板部8との対向間隙を前記下側のスペーサ部材14と閉塞体10とで閉塞し、前記シート体3と対向する面を開口した構造とする。
【0071】
また図3に図示したように、前記下側のスペーサ部材14の前縁部から後方に向けて切り欠き部14aを二箇所に形成し、この切り欠き部14aと重合連通するように、前記下側の突出板部8に夫々連通孔18を形成しており、この切り欠き部14aと各連通孔18とにより、前記空気吸入部5のチャンバ5A内空間と連通する前記吸入排出路7aの一部を構成している。
【0072】
更に、前記下側の突出板部8の連通孔18の内周面には雌螺子を刻設し、吸入ポンプ(前記漏れ液受け部4のチャンバ4Aに接続される吸入ポンプとは異なる別の吸入ポンプ)と接続される吸入ホース19の端部を、図1に図示したように下側の突出板部8の前記雌螺子が刻設された連通孔18に螺着接続し、これによりチャンバ5B内を吸入ポンプで減圧する前記空気吸入部5の吸入排出機構7を構成している。
【0073】
上述のように、漏れ液受け部4のチャンバ4Aと空気吸入部5のチャンバ5Aとは夫々、前記シート体3と対向する面を開口しているものの、図1に図示したように、塗布作業時には、そのチャンバ4A,5Aの開口面はシート体3と(例えば50〜200μmの近位置まで)近接する為、塗布作業時にはこのチャンバ4A,5Aが高い密閉性を保持される。その結果、漏れ液受け部4,空気吸入部5の吸入排出機構6,7によって各チャンバ4A,5A内を確実且つ良好に減圧でき、ひいてはこの各チャンバ4A,5Aが夫々対向する前記シート体3に対して良好に吸入圧を生ずることとなる。
【0074】
尚、本実施例では、漏れ液受け部4のチャンバ4Aが前記シート体3に対して生ずる吸入圧は、前記空気吸入部5に比してに比して低い吸入圧に設定している。
【0075】
即ち、漏れ液受け部4が吸入圧を生ずることで、前記同伴流の減殺効果が一層助長されることとなるが、しかしこの塗工箇所に近い(空気吸入部5よりもノズル本体部Aの先端吐出口1の近傍に位置する)漏れ液受け部4の吸入圧をあまり高く設定すると、塗工箇所の塗工液aに対して強い吸入圧が作用し、その結果、この塗工液aの状態(ビード)が不安定になり、塗布不良を招く問題が懸念される。
【0076】
しかしこの点、本実施例では塗工箇所の近くに位置する前記漏れ液受け部4の吸入圧を低く設定し、一方、この漏れ液受け部4よりも塗工箇所から遠くに位置する前記空気吸入部5の吸入圧を十分に高く設定した構成としている。その為、前記空気吸入部5の高い吸入圧と前記漏れ液受け部4の補助的な吸入圧との双方の作用により前記同伴流を良好に減殺できる上に、この空気吸入部5の高い吸入圧が塗工箇所の塗工液aの状態(ビード)を不安定にする問題も良好に阻止でき、塗布不良の無い極めて良好な塗布作業が実施可能である。
【0077】
また、空気吸入部5には塗工液aが一切吸入されず、この空気吸入部5が安定して所期通りの吸入圧を発揮でき、また塗工液aが付着することが無い為、塗工液aを除去するために空気吸入部5を頻繁に清掃するといった手間も不要である。
【0078】
また、上述のように、漏れ液受け部4の吸入圧は低く設定している為、この漏れ液受け部4に吸入した塗工液aが勢い良く吸入ポンプまで吸入されてこの吸入ポンプの故障や動作不良を招くといった問題も、吸入圧の強い前記空気吸入部5に比して生じ難く、しかも本実施例では、この漏れ液受け部4の吸入排出機路6aの途中に、塗工液aが落ち込む(流れこむ)液貯め部(図示省略)を設けた構成とし、この漏れ液受け部4で受けた塗工液aが吸入ポンプまで到達することを簡単にして確実に阻止できるように構成している。
【0079】
また、図中,符号21は、漏れ液受け部4,空気吸入部5の各チャンバ4A,5A内空間に接続されて各チャンバ4A,5Aと外部周囲との差圧を計測する差圧計21である。
【実施例2】
【0080】
本発明の具体的な実施例2について図面に基づいて説明する。
【0081】
本実施例は、上述した実施例1の別例であって、ノズル本体部Aに取り付け固定する前記取り付け部材9を、図3に図示したように上下のスペーサ部材13,14及び上下の突出板部8といった複数の分割部材から成る構成とせず、一体構造とした別例である。
【0082】
具体的には、上述した実施例1のスペーサ部材13,14及び上下の突出板部8を重合状態に配することで想定される形状と略等しい形状となるように取り付け部材9を一体形成し、尚且つその上部には、図5に図示したようなクサビ状の突出形状を形成した構成としている。
【0083】
一方、前記ノズル本体部Aの前記取り付け段部12の上面部には、前記取り付け部材9の上部のクサビ状の突出形状と合致嵌合するクサビ状の嵌合凹部20を形成している。
【0084】
従って、単に取り付け部材9の上部を前記ノズル本体部Aの取り付け段部12の嵌合凹部20に合致嵌合させるだけで、簡単にして確実に取り付け部材9を適切な取り付け位置,取り付け角度に位置決めできる。
【0085】
よって、その位置決め状態で、締付ボルト15による締め付け固定などの適宜な固定手段によりノズル本体部Aに取り付け部材9を取り付け固定すれば、簡単にして良好に取り付け部材9の取り付け固定作業を達成でき、また部品点数が少ないのでそれだけ取り付け作業の手間も軽減でき、作業性及び実用性に秀れる。
【0086】
また、その余は上述した実施例1と同様である。
【0087】
尚、本発明は、実施例1,2に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】実施例1に係る薄膜塗布装置の説明側断面図である。
【図2】実施例1に係る薄膜塗布装置の説明側断面図である。
【図3】実施例1に係る薄膜塗布装置の説明分解斜視図である。
【図4】実施例1に係る薄膜塗布装置の説明分解斜視図である。
【図5】実施例2に係る薄膜塗布装置の要部説明側段面図である。
【図6】薄膜塗布装置の従来例を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
1 先端吐出口
3 シート体
4 漏れ液受け部
4A チャンバ
5 空気吸入部
5A チャンバ
6 吸入排出機構
6a 吸入排出路
7 吸入排出機構
7a 吸入排出路
8 突出板部
9 取り付け部材
A ノズル本体部
a 塗工液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液供給部から供給された塗工液をスリット状の先端吐出口から吐出するノズル本体部を有し、下方から上方へと搬送するシート体に対して前記ノズル本体部の先端吐出口を対向近接させた状態で、このシート体を連続搬送しつつ前記先端吐出口から前記塗工液を吐出することでこのシート体に塗工液を薄膜状に塗布する薄膜塗布装置において、前記ノズル本体部の先端吐出口の下方に、前記シート体の表面付近の空気を吸入する空気吸入部を設けると共に、この空気吸入部は少なくとも前記シート体を搬送する際にこのシート体の表面付近に生ずる同伴流を減殺し得る吸入圧に設定し、この空気吸入部の上方にして前記先端吐出口から漏出した塗工液を受ける位置に漏れ液受け部を設けて、前記先端吐出口から漏出した塗工液が前記空気吸入部へ吸入されることを阻止するように構成したとを特徴とする薄膜塗布装置。
【請求項2】
前記漏れ液受け部には、この漏れ液受け部で受けた前記塗工液を吸入して漏れ液受け部内から排出する吸入排出機構を設けた構成としたことを特徴とする請求項1記載の薄膜塗布装置。
【請求項3】
前記漏れ液受け部は、前記ノズル本体部の先端吐出口から漏出した前記塗工液を受ける位置にして且つ前記シート体と近接する位置に、このシート体と対向する面を開口するチャンバを設け、このチャンバに前記吸入排出機構を設け、この吸入排出機構により前記チャンバ内を減圧することでこのチャンバと対向する前記シート体に対して吸入圧を生ずるように構成すると共に、この吸入圧は前記空気吸入部に比して低い吸入圧となるように前記吸入排出機構の吸入圧を設定したことを特徴とする請求項2記載の薄膜塗布装置。
【請求項4】
前記漏れ液受け部を構成するチャンバの前記シート体と対向する開口は、少なくとも前記ノズル本体部の先端吐出口の液吐出幅領域と等しい開口幅に設定したことを特徴とする請求項3記載の薄膜塗布装置。
【請求項5】
前記空気吸入部は、前記ノズル本体部の先端吐出口の下方にして且つ前記シート体と近接する位置に、このシート体と対向する面を開口するチャンバを設け、このチャンバ内の空気を吸入排出する吸入排出機構をこのチャンバに設け、この吸入機構により前記チャンバ内を減圧することでこのチャンバと対向する前記シート体に対して吸入圧を生ずるように構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜塗布装置。
【請求項6】
前記空気吸入部を構成するチャンバの前記シート体と対向する開口は、少なくとも前記ノズル本体部の先端吐出口の液吐出幅領域と等しい開口幅に設定したことを特徴とする請求項5記載の薄膜塗布装置。
【請求項7】
前記空気吸入部を構成するチャンバ内を減圧する吸入排出機構と、請求項3,4のいずれか1項に記載の前記漏れ液受け部を構成するチャンバを減圧する吸入排出機構とは、互いに異なる別の吸入ポンプからの吸入圧により、互いに異なる別の吸入排出路を通じて前記チャンバ内から空気若しくは塗工液を吸入排出する構成としたことを特徴とする請求項5,6のいずれか1項に記載の薄膜塗布装置。
【請求項8】
前記ノズル本体部の先端吐出口の下方に、前記シート体に対して先端部を対向近接させる突出板部を一若しくは複数並設状態に設けてこの突出板部とノズル本体部との対向間隙,若しくはこの突出板部同志の対向間隙を形成すると共に、この対向間隙の前記シート体と対向する部位を除いた周囲を閉塞し、この対向間隙内の空気若しくは塗工液を吸入する前記漏れ液吸入部の吸入排出機構若しくは空気吸入部の空気排出機構をこの対向間隙に連設することで前記漏れ液吸入部若しくは空気吸入部を構成したことを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の薄膜塗布装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−106867(P2009−106867A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−282231(P2007−282231)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(592037077)クリーン・テクノロジー株式会社 (22)
【Fターム(参考)】