説明

薬剤、肥料、空気もしくは水の散布方法

【課題】樹木の葉、枝あるいは果実に薬剤、肥料、空気もしくは水を確実に供給すること。
【解決手段】樹木10の葉20、枝16あるいは果実18に薬剤、肥料、空気もしくは水を散布する散布方法であって、樹木10の外側から薬剤、肥料、空気もしくは水を散布すると共に、少なくともチューブ側面方向に複数のチューブ用噴霧ノズル48をチューブの長さ方向に備えた屈曲可能なフレキシブルチューブ24を、樹木10の幹14および枝16に這わせ、そのフレキシブルチューブ24内に薬剤、肥料、空気もしくは水を圧送し、樹木10の内側から、チューブ用噴霧ノズル48を通じて薬剤、肥料、空気もしくは水を散布するものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹木の葉、枝あるいは果実に薬剤、肥料、空気もしくは水を散布する散布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、効率よく、かつ安全に農薬等の薬剤を散布する方法として、風力を利用して薬剤を散布する方法が知られている。その一例として、特許文献1には、施設内に送風する送風装置の送風口付近に薬剤を設置し、当該送風口から送出される空気と共に薬剤を散布する方法が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−302407号公報(要約書、図1、2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている散布方法の場合、作物等の外表面に薬剤を供給できる。しかし、この散布方法を、葉、枝あるいは果実が存在する樹木に適用する場合、樹木の外側からのみの薬剤の散布では、葉、枝あるいは果実の裏側や、樹木の内方領域まで薬剤を十分に供給することが難しい。また、この散布方法を薬剤のみならず肥料、空気もしくは水に対しても適用した場合、樹木の内方領域まで肥料、空気もしくは水を十分に供給することが難しい。
【0005】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、樹木の葉、枝あるいは果実に薬剤、肥料、空気もしくは水を確実に供給することが可能な散布方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、樹木の葉、枝あるいは果実に薬剤、肥料、空気もしくは水を散布する散布方法であって、樹木の外側から薬剤、肥料、空気もしくは水を散布すると共に、少なくともチューブ側面方向に複数のチューブ用噴霧ノズルをチューブの長さ方向に備えた屈曲可能なフレキシブルチューブを、樹木の幹および枝に這わせ、そのフレキシブルチューブ内に薬剤、肥料、空気もしくは水を圧送し、樹木の内側から、チューブ用噴霧ノズルを通じて薬剤、肥料、空気もしくは水を散布するものである。
【0007】
このような方法を採用した場合には、樹木の外側に配置された外側噴管から薬剤、肥料、空気もしくは水を散布すると共に、複数のチューブ用噴霧ノズルを有するフレキシブルチューブを樹木に這わせて樹木の内側から薬剤、肥料、空気もしくは水を散布するため、樹木の外側および内側の双方から樹木に薬剤、肥料、空気もしくは水を散布することが可能となる。特に、樹木の内側から外側に噴霧した薬剤、肥料、空気もしくは水は、重力により外側から内側に向かって落ちる。したがって、樹木における葉の裏側等の薬剤、肥料、空気もしくは水が行き届きにくい部分に対しても薬剤、肥料、空気もしくは水を散布させることが可能となる。その結果、樹木の葉、枝あるいは果実に薬剤、肥料、空気もしくは水を確実に供給することが可能となる。
【0008】
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、チューブ用噴霧ノズルは、フレキシブルチューブの周方向に回動可能に設けられており、薬剤、肥料、空気もしくは水の噴霧方向を調節可能とするものである。このような方法を採用した場合には、樹木における葉の裏側等の薬剤、肥料、空気もしくは水がいきわたりにくい部分にも薬剤、肥料、空気もしくは水をより確実に散布させることが可能となる。
【0009】
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、チューブ用噴霧ノズルのヘッドをチューブ用噴霧ノズルに対して首振り可能な構成とし、薬剤、肥料、空気もしくは水の噴霧方向を調節可能とするものである。このような方法を採用した場合には、樹木における所望の部分に薬剤、肥料、空気もしくは水を散布させることが可能となる。したがって、樹木における葉の裏側等の薬剤、肥料、空気もしくは水が行き届かない部分に対しても薬剤、肥料、空気もしくは水をより確実に散布させることが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、樹木の葉、枝あるいは果実に薬剤、肥料、空気もしくは水を確実に供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施の形態に係る散布方法について、図面を参照しながら説明する。また、本発明の実施の形態では、薬剤、肥料、空気もしくは水の散布方法を、鉢12に植えられたマンゴの木10に適用した場合を例として説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施の形態に係る散布方法が適用されるマンゴの木10の側面図である。
【0013】
図1に示すように、マンゴの木10は、1本毎に、鉢12に植えられている。鉢12は、陶器製のものであっても、プラスチック製のものでも良い。鉢12を使用するのは、持ち運び自在にするためである。鉢12の中には、鹿沼土などの樹木用の土壌が入れられている。
【0014】
マンゴの木10は、幹14と、該幹14から分かれる複数の枝16を有する。果実のなる季節に、枝16には、多くの果実18がなる。また、枝16には、多数の葉20が存在する。マンゴの木10を病気や害虫から守るためには、その病気の予防や害虫の駆除に適した薬剤を、マンゴの木10に散布する必要がある。また、マンゴの木10の葉20の葉脈から肥料を吸収させるのが適切な場合、マンゴの木10に肥料を散布する必要がある。また、受粉のためにマンゴの花の花粉を飛散させる場合、マンゴの木10に空気を吹きかける必要がある。さらに、外気の相対湿度が30%以上50%以下の範囲においては、ダニ、虫およびカビが発生しにくいことから、湿度の調節を目的としてマンゴの木10に水を散布する必要がある。
【0015】
上記の理由から、マンゴの木10の上方に外側噴管21が配置されると共に、マンゴの木10に、屈曲可能なフレキシブルチューブ24が巻かれる。外側噴管21は、複数の列に並べられたマンゴの木10の頭上に各列に対応するように配置される。外側噴管21の少なくとも側面には、その外側噴管21の長さ方向に、複数の管用噴霧ノズル22が備えられている。管用噴霧ノズル22は、外側噴管21の周方向に首振り可能となっている。管用噴霧ノズル22の角度を調節することによって、マンゴの木10に薬剤、肥料、空気もしくは水(以後、適宜、「薬剤等」という。)が供給可能となる。
【0016】
フレキシブルチューブ24は、マンゴの木10の幹14から各枝16の先端に至るように巻かれる(図1を参照)。なお、フレキシブルチューブ24をマンゴの木10に這わせることは、フレキシブルチューブ24をマンゴの木10に巻くことの他、フレキシブルチューブ24を枝16に沿って配置することを含む。フレキシブルチューブ24の少なくとも側面には、そのフレキシブルチューブ24の長さ方向に、複数のチューブ用噴霧ノズル48が備えられている。ただし、フレキシブルチューブ24の側面のみならず、一端にもチューブ用噴霧ノズル48を備えていても良い。
【0017】
図2は、複数のマンゴの木10に薬剤等を散布するシステムの概略図である。
【0018】
このシステムは、薬剤等を入れたタンク44と、そのタンク44と接続される加圧ポンプ40と、その加圧ポンプ40と接続される複数の電磁弁36と、その電磁弁36にそれぞれ接続される本体チューブ34と、本体チューブ34から、鉢12毎に枝分かれするフレキシブルチューブ24と、並列されたマンゴの木10の列毎に、マンゴの木10の頭上に配置される外側噴管21を備えている。電磁弁36と本体チューブ34は、複数の鉢12が並ぶ列の数だけ設けられている。タンク44と加圧ポンプ40との間は、管42により接続されている。加圧ポンプ40と電磁弁36との間は、管38により接続されている。管38から各電磁弁36に分岐する部分、本体チューブ34からフレキシブルチューブ24に分岐する部分は、ジョイント配管37により分岐されている。外側噴管21と管38との間は、不図示の管により接続されている。タンク44には、薬剤等が投入されている。電磁弁36の開閉により、圧力をかけて本体チューブ34に薬剤等を送ることができる。加圧ポンプ40は、薬剤等に所定の圧力をかけて、本体チューブ34、フレキシブルチューブ24、外側噴管21への薬剤等を送るためのポンプである。なお、電磁弁36は、不図示の制御装置(制御盤)に接続されており、制御装置における操作によって、電磁弁36の開閉が行われる。ただし、電磁弁36に代えて、エアーバルブあるいは手動のバルブを用いても良い。また、管42、管38および本体チューブ34の少なくとも一つを屈曲可能なフレキシブルチューブとしても良い。
【0019】
次に、フレキシブルチューブ24およびチューブ用噴霧ノズル48の構成について説明する。
【0020】
図3は、図1中のフレキシブルチューブ24の構成を説明するための図である。
【0021】
図3に示すように、フレキシブルチューブ24は、本体チューブ34から複数に分岐している。本体チューブ34およびフレキシブルチューブ24は、例えば、断面円形状の可撓性を有するチューブである。本体チューブ34とフレキシブルチューブ24との間は、ジョイント配管39により接続されている。ジョイント配管39は、3方向に枝分かれしている管状の継手である。フレキシブルチューブ24の先端25は、開口せずに閉塞されている。また、フレキシブルチューブ24の側面方向には、その長さ方向に、薬剤等を噴霧するためのチューブ用噴霧ノズル48が複数備えられている。複数のチューブ用噴霧ノズル48は、例えば、60cm間隔で設けることが可能であるが、間隔は当該寸法に限定されるものではない。また、フレキシブルチューブ24の先端25にもチューブ用噴霧ノズル48を備えるようにしても良い。フレキシブルチューブ24の材料としては、ポリプロピレン樹脂もしくはナイロン樹脂等の汎用の樹脂を好適に用いることができる。チューブ用噴霧ノズル48は、直状の継手49に備えられている。その直状の継手49は、チューブ47を介して接続されている。すなわち、直状の継手49とチューブ47とによりフレキシブルチューブ24が構成されている。チューブ用噴霧ノズル48は、フレキシブルチューブ24の長手方向に対して略直角方向に突出する位置にヘッド52を有している。ヘッド52には、薬剤等を噴霧するための吐出口50が設けられている。チューブ用噴霧ノズル48は、直状の継手49をフレキシブルチューブ24の周方向に回動することにより、フレキシブルチューブ24の周方向に回動可能となっている。直状の継手49の両端には、袋ナット49aが設けられており、当該袋ナット49aを締め付けることにより、直状の継手49とチューブ47とを接続可能としている。袋ナット49aを緩め、直状の継手49を回動させた後、再び袋ナット49aを締めることにより、ヘッド52の向きを自在に調節することができる。
【0022】
次に、このシステムを用いてマンゴの木10に薬剤等を散布する方法について説明する。
【0023】
まず、各鉢12に植えられたマンゴの木10にフレキシブルチューブ24を巻く。フレキシブルチューブ24は各枝16の付け根部分から先端に至るように巻くのが好ましい。次に、管用噴霧ノズル22を外側噴管21の周方向に回動させると共に、チューブ用噴霧ノズル48をフレキシブルチューブ24の周方向に回動させて、薬剤等が吐出する方向を調節する。これにより、マンゴの木10の外側から薬剤等を散布させることが可能となると共に、マンゴの木10の内側から所望の部分に薬剤等を散布させることが可能となる。
【0024】
次に、不図示の制御装置を操作して、加圧ポンプ40を駆動した後、所定の列の電磁弁36を開く。電磁弁36を開くと、タンク44内の薬剤等が、本体チューブ34に圧送される。また、タンク44内の薬剤等は、外側噴管21にも圧送される。本体チューブ34に圧送された薬剤等は、本体チューブ34からフレキシブルチューブ24を通ってチューブ用噴霧ノズル48のヘッド52から出る。一方、管38から不図示の管に送圧された薬剤等は、外側噴管21を通って管用噴霧ノズル22から出る。所定時間毎に、加圧ポンプ40の圧力を変化させ、あるいは電磁弁36の開閉を切り替えることにより、所定時間おきに、薬剤等を噴霧するのが好ましい。一方、電磁弁36が開いている間、加圧ポンプ40による一定の圧力の下で、マンゴの木10に薬剤等を噴霧し続けるようにしても良い。その場合、各列の複数のマンゴの木10には、各電磁弁36が開いている期間の長さに応じた所定の量の薬剤等が散布される。ここにおける薬剤は、樹木の病気を予防、治療するものの他、害虫の駆除、防虫を目的とするものを含む。
【0025】
以上のような薬剤等の散布方法では、マンゴの木10の外側に配置された管用噴霧ノズル22を備えた外側噴管から薬剤等を散布すると共に、複数のチューブ用噴霧ノズル48を有するフレキシブルチューブ24をマンゴの木10に巻いて薬剤等を散布するため、マンゴの木10の外側および内側の双方から薬剤等を散布することが可能となる。特に、マンゴの木10の内側からも薬剤等を散布することができるため、マンゴの木10における果実18、枝16あるいは葉20の裏側等の薬剤等がいきわたりにくい部分にも薬剤等を確実に供給可能となる。また、フレキシブルチューブ24をマンゴの木10の枝16の付け根部分から先端に至るように巻いているため、マンゴの木10全体に薬剤等を供給することが可能となる。
【0026】
また、本実施の形態では、フレキシブルチューブ24には、チューブ用噴霧ノズル48が、その長さ方向に沿って略等間隔に設けられている。このため、マンゴの木10に対して均一、かつ確実に薬剤等を供給することが可能となる。さらに、チューブ用噴霧ノズル48は、フレキシブルチューブ24の周方向に回動可能となっているため、マンゴの木10における所望の部分に薬剤等を散布させることが可能となる。したがって、マンゴの木10の表面から隠れ、薬剤等が行き届きにくい部分にも、薬剤等を十分に供給することが可能となる。
【0027】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は上述の形態に限定されることなく、種々変形した形態にて実施可能である。
【0028】
上述の実施の形態は、マンゴの木10に適用しているが、マンゴの木10以外にも、例えば、桃もしくは梨等の他の果実18が成る樹木またはトマト等の苗木にも適用できる。また、大きな鉢に複数のマンゴの木10を植える場合、あるいはマンゴの木10を鉢植えせずに直接地面に植える場合にも、本発明の方法を採用しても良い。
【0029】
また、上述の実施の形態では、ヘッド52は、チューブ用噴霧ノズル48において一方向にのみ設けられているが(図3を参照)、ヘッド52を一方向に設けることなく、2方向もしくは3方向等の多方向に渡って設けるようにしても良い。
【0030】
また、上述の実施の形態では、ヘッド52はチューブ用噴霧ノズル48に固定されているが、図4に示すように、チューブ用噴霧ノズル48のヘッド52を首振り可能としても良い。図4に示すチューブ用噴霧ノズル48は、ヘッド52と、支持部53とから構成されている。ヘッド52は、略円柱状の形態を有しており、該ヘッド52の裏側には、内部に向かって窪む略球状の中空部54が設けられている。中空部54には、図4において上下方向に向かって形成される吐出口50が連通している。吐出口50は、ヘッド52を平面視した円形の略中央に設けられている。中空部54には、周方向360°に亘って内側に突出する摺動部56が設けられている。図4に示すように、摺動部56は、中空部54内に断面円弧状に設けられている。摺動部56は、例えば、ゴム等の弾性体から形成することができる。支持部53の先端は球形状を呈している。また、支持部53には、フレキシブルチューブ24と連通する管状の管部55が設けられている。管部55は、支持部53の上端で開口している。このため、薬剤等は、管部55、支持部53の上端、吐出口50へと送られて、外部に吐出される。
【0031】
中空部54には支持部53の先端が収まっている。具体的には、当該支持部53の先端側から約2/3の部分が中空部54内に収まっている。すなわち、支持部53の先端側2/3の部分がヘッド52によって覆われた状態となっている。この状態では、吐出口50および中空部54における上方の領域に空間57が形成されている。また、摺動部56の内周面56aと支持部53の外周面53aとは隙間なく接触している。このため、ヘッド52を傾けると内周面56aは支持部53の外周面53aに対して摺動する。そして、ヘッド52が傾いた状態を維持することができる。ヘッド52は、支持部53の球面に沿って周方向360°において上下方向(図4における矢示A−A方向)に摺動可能となっている。ヘッド52は、摺動部56が管部55の上端を塞がない範囲で上下方向に傾く。このため、ヘッド52を傾けても、管部55は常に空間57と連通する。したがって、ヘッド52が傾いた状態でも、薬剤等は管部55を通って空間57に吐出し、当該空間57を介して吐出口50から薬剤等が吐出する。このため、ユーザはマンゴの木10に巻かれたフレキシブルチューブ24のヘッド52を傾けることにより、薬剤等の吐出方向を調節することが可能となる。したがって、任意の方向に薬剤等を散布することが可能となる。
【0032】
また、上述の変形例では、チューブ用噴霧ノズル48をヘッド52と支持部53とから構成することで首振り可能としているが、このような構成に限定されるものでなく、例えば、ヘッド52と支持部53とを一体に設けると共に、支持部53の根元部分を屈曲可能な部材で形成し、ヘッド52が根元部分を支点として首振り可能な構成としても良い。また、ヘッド52の形態を円柱状とせず、支持部53の表面を曲面状に覆う椀状もしくはキャップ状の形態としても良い。
【0033】
また、上述の実施の形態では、鉢12とフレキシブルチューブ24は1対1対応で設けられているが、1対1対応に限定されるものではなく、例えば、鉢12に対して2つ以上のフレキシブルチューブ24を設けるようにしても良い。
【0034】
また、上述の実施の形態では、各チューブ用噴霧ノズル48には吐出口50は1つしか設けられていないが、吐出口50の数は1つに限定されるものではなく、2つ以上設けるようにしても良い。例えば、吐出口50をシャワーヘッドの吐出口のように、蜂の巣状に設けることも可能である。
【0035】
また、上述の実施の形態では、外側噴管21は、マンゴの木10の上方に配置されているが、外側噴管21の配置位置は、マンゴの木10の外側であればマンゴの木10の上方に限定されるものではなく、例えば、マンゴの木10の側方に外側噴管21を配置するようにしても良い。また、マンゴの木10の外側からの薬剤等の供給は、外側噴管21を用いない方法で行っても良い。例えば、シャワー状に薬剤等をマンゴの木10の外側から供給しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の散布方法は、マンゴ等の果実の成る樹木もしくはトマト等の苗木の栽培において利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施の形態に係る散布方法が適用されるマンゴの木の側面図である。
【図2】図1中のマンゴの木に薬剤、肥料、空気もしくは水を散布するシステムの概略図である。
【図3】図1中のフレキシブルチューブの構成を説明するための図である。
【図4】図3中のチューブ用噴霧ノズルの変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0038】
10…マンゴの木(樹木)
12…鉢
14…幹
16…枝
18…果実
20…葉
21…外側噴管
22…管用噴霧ノズル
24…フレキシブルチューブ
48…チューブ用噴霧ノズル
52…ヘッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹木の葉、枝あるいは果実に薬剤、肥料、空気もしくは水を散布する散布方法であって、
上記樹木の外側から薬剤、肥料、空気もしくは水を散布すると共に、
少なくともチューブ側面方向に複数のチューブ用噴霧ノズルをチューブの長さ方向に備えた屈曲可能なフレキシブルチューブを、上記樹木の幹および枝に這わせ、そのフレキシブルチューブ内に薬剤、肥料、空気もしくは水を圧送し、上記樹木の内側から、上記チューブ用噴霧ノズルを通じて薬剤、肥料、空気もしくは水を散布することを特徴とする散布方法。
【請求項2】
前記チューブ用噴霧ノズルは、前記フレキシブルチューブの周方向に回動可能に設けられており、薬剤、肥料、空気もしくは水の噴霧方向を調節可能とすることを特徴とする請求項1記載の散布方法。
【請求項3】
前記チューブ用噴霧ノズルのヘッドを前記チューブ用噴霧ノズルに対して首振り可能な構成とし、薬剤、肥料、空気もしくは水の噴霧方向を調節可能とすることを特徴とする請求項1または2記載の散布方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−60839(P2009−60839A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−231292(P2007−231292)
【出願日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【出願人】(507297422)ダイヤ株式会社 (4)
【Fターム(参考)】