説明

薬剤エアロゾル吸入による突出痛の治療

エアウェイ(12)を画成するハウジング(11)と、エアウェイへ連結するように構成され第1の区域及び第2の区域から選択された少なくとも1つの区域を備える少なくとも1つのサポートであって、第1の化合物(16)が第1の区域に配置され且つ第2の化合物(17)が第2の区域に配置され、第2の化合物は第1の化合物の薬理効果を中和することができるサポートと、エアウェイ内に第1の化合物を解放するように構成された機構(18)と、を備え、少なくとも1つの第1の区域と少なくとも1つの第2の区域とを備える装置が開示される。第1の化合物及び第2の化合物のエアロゾルを生成する対応する方法も開示される。エアロゾルを生成する装置及び方法を使用する方法もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
[0001]本願は、2003年12月16日に出願されたRabinowitz、Shen及びWensleyの米国仮特許出願第60/530,058号、発明の名称「Treatment of Breakthrough Pain by Drug Aerosol Inhalation」の権利を主張するものであり、その開示全体は、参照として本明細書に組み込まれる。
【分野】
【0002】
[0002]実施形態は、主に、第1の化合物と第2の化合物とを含む装置であって、第2の化合物は第1の化合物の薬理効果を中和することができる装置に関し、特に、第1の化合物のエアロゾルを生成する装置、そのような装置を使用して第1の化合物のエアロゾルを生成する方法、及び、そのような装置及び方法を使用する方法に関する。
【序】
【0003】
[0003]多くの潜在的に濫用可能薬剤は、現在の医療行為では重要な役割を果たす。そのような濫用可能薬剤として、例えば、オピオイド鎮痛薬、精神刺激薬、カンナビノイドアゴニスト、ドパミン作動薬、ステロイド、及び、催眠鎮静薬が挙げられる。多くの濫用可能薬剤用に、速やかな非侵襲的送出が、重要な医療的利点を有することができ、治療効果の好都合な速い発現、最小効果薬剤用量へ患者が滴定する容易さ、用量再現性、及び、高いバイオアベイラビリティを含む。潜在的に濫用可能薬剤を含むエアロゾルの肺内投与は、上記利点の実現を可能にすることができる速やかな薬剤送出を行う1つの手段である。
【0004】
[0004]濫用可能薬剤を患者へ投与する際に、患者によるか又は薬剤濫用者によるかのいずれかの、薬剤の誤用の可能性を緩和する形態の薬剤を提供することが有利でありうる。そのような誤用は、例えば、単一用量の代わりに複数用量を投与することによって、又は、処方された持続時間よりも長い間、霧状にされた薬剤溶液を吸入することによって、投与の意図されたルートによって、薬剤の過剰用量投与の形態を取る可能性がある。さらに、誤用は、例えば、徐放性カプセルを潰し次いで薬剤を鼻で摂取することによって、又は、噴霧化が意図された薬剤溶液の静脈注入によって、薬剤を投与するルートを変えることに関与する可能性がある。
【0005】
[0005]投与の意図されたルートによってオピオイド等のエアロゾル形態の濫用可能物質を過剰使用するのを防止するための電子ロックアウト手段が、提案されている。エアロゾル生成機器が、処方された時間インターバルよりも頻繁にエアロゾルを生成するのを防止するために、電子ロックアウト特徴を使用する例は、米国特許第5,694,919号に開示されている。電子ロックアウト特徴が過剰用量投与を防止することができる一方、そのような電子ロックアウト特徴は、投与のルートを変えることによる薬剤の誤用を防止するのには効果がない。
【0006】
[0006]不正開封防止エンクロージャに濫用可能物質を提供することは、投与のルートを変えることによる薬剤の誤用を防止する1つの方法を表す。しかし、米国特許第5,694,919号に提案されているように、濫用者が入手するのを防止するために物理的エンクロージャに濫用可能物質を隔離することは、濫用可能薬剤を誤用から保護する際に商業的に実現可能であり且つ効果的なやり方で実施するのは困難でありうる。
【0007】
[0007]薬剤処方、特にエアロゾル送出用に意図された濫用可能物質を含む薬剤処方が、その後の濫用のために送出機器から抽出されるのを防止する改良された装置及び方法が必要である。
【概要】
【0008】
[0008]エアウェイを画成するハウジングと、エアウェイへ連結するように構成され第1の区域及び第2の区域から選択された少なくとも1つの区域を備える少なくとも1つのサポートであって、第1の化合物が第1の区域に配置され且つ第2の化合物が第2の区域に配置され、第2の化合物は第1の化合物の薬理効果を中和することができるサポートと、エアウェイ内に第1の化合物を解放するように構成された機構と、を備える装置が提供され、装置は、少なくとも1つの第1の区域と少なくとも1つの第2の区域とを備える。第1の化合物を濫用する可能性は、第1の化合物と、第1の化合物の薬理効果を中和することができる第2の化合物とを、第1及び第2の化合物が見分けがつかないように、同一装置内に有することによって、防止されるか又は最小限にされることができる。
【0009】
[0009]第1の化合物のエアロゾルを生成するための方法であって、第1の化合物が配置される少なくとも1つの第1の区域と第2の化合物が配置される少なくとも1つの第2の区域とを提供するステップであって、第2の化合物は第1の化合物の薬理効果を中和することができるステップと、少なくとも1つの第1の区域の少なくとも一部上に気流を提供するステップと、少なくとも1つの第1の区域の少なくとも一部から第1の化合物を気流内に解放するステップと、を備え、第1の化合物は気流にエアロゾルを形成する方法が提供される。
【0010】
[0010]前述の一般的な説明及び下記の詳細な説明の両方は、模範且つ説明的のみであり、請求されるように、ある実施形態に制限されないことが理解されるべきである。
【0011】
[0011]本明細書に組み込まれその一部を構成する添付の図面は、数実施形態を例示し、説明とともにある実施形態を説明するように作用する。
【様々な実施形態の説明】
【0012】
[0025]別途指定のない限り、明細書及び特許請求の範囲に使用される成分の量、反応状態等を表すすべての数は、すべての場合に「約」という用語によって修正されるものとして理解されるべきである。
【0013】
[0026]本願において、特に別途記載のない限り、単数形の使用は、複数形を含む。本願において、別途記載のない限り、「又は」の使用は、「及び/又は」を意味する。さらに、「含んでいる」という用語及び「含む」及び「含んだ」等の他の形態の使用は、限定するものではない。また、「要素」又は「構成要素」等の用語は、別途記載のない限り、1つのユニットを備える要素及び構成要素、及び、2つ以上のサブユニットを備える要素及び構成要素の両方を包含する。
【0014】
[0027]ここに使用されたセクション見出しは、編成上の目的のみであり、述べられた主題を限定するものとして解釈されるべきではない。特許、特許出願、記事、書籍及び学術論文を含むがそれらに限定されない本願に引用されたすべての文書は、いずれの目的のためにその全体が参照として本明細書に明白に組み込まれる。
【0015】
[0028]次にある実施形態を参照するが、その例が、添付の図面に例示される。可能な限り、同一又は類似の部品を参照するために図面全体にわたって同一の参照符号が使用される。
【0016】
[0029]ある実施形態において、装置は、エアウェイを画成するハウジングと、エアウェイへ連結するように構成され第1の区域及び第2の区域から選択された少なくとも1つの区域を備える少なくとも1つのサポートであって、第1の化合物が第1の区域に配置され且つ第2の化合物が第2の区域に配置され、第2の化合物は第1の化合物の薬理効果を中和することができる少なくとも1つのサポートと、第1の化合物をエアウェイ内に解放するように構成された機構と、を備え、装置は、少なくとも1つの第1の区域と少なくとも1つの第2の区域とを備える。
【0017】
[0030]装置のある実施形態は、図1に概略的に例示される。図1は、エアロゾルを患者へ肺内送出するための携帯用吸入装置の実施形態を示す。図1に示された装置は、第1の化合物の複数用量を提供することができ、各用量は、単一吸気で患者へ送出されることができる。
【0018】
[0031]ある実施形態において、図1に例示された装置は、エアウェイ12を画成するハウジング11を備えることができる。エアウェイ12は、入口20及び出口21を含むことができ、例えば、出口21で患者によって口及び/又は鼻孔を通る吸入時に、エアウェイ12を通って気流を提供する。ある実施形態において、エアウェイ12内の気流率及び気流速度は、ハウジング11の壁内に組み込まれた気流制御弁22によって制御されることができる。ある実施形態において、気流制御弁22は、エアウェイ12とハウジング11への外部との間の圧力差にしたがってさらなる空気がエアウェイに入るのを可能にするゲートであってもよい。
【0019】
[0032]ある実施形態において、エアウェイ12を通る気流速度を電気信号又は機械信号に変換することができる作動機構23、例えば、サーミスタ又は圧力トランスデューサがエアウェイ12内に位置することができる。ある実施形態において、作動機構23は、コントローラ33に電気的に接続されることができる。コントローラ33は、電源31と、例えば抵抗加熱要素を備える解放機構18と、にさらに接続されることができる。コントローラ33は、解放機構を制御するために、電源31を解放機構18へ接続するための回路(図示せず)を含む。
【0020】
[0033]ある実施形態において、図1に例示された装置は、エアウェイ12内に配置されたサポート13を含むことができる。ある実施形態において、サポート13は、サポート13の第1の表面25に配置された第1の化合物16を備える2つの第1の区域14及び第2の化合物17を備える第2の区域15を備えることができる。ある実施形態において、第1の化合物16及び第2の化合物17は、それぞれ第1の区域14及び第2の区域15上に薄膜として配置されることができる。ある実施形態において、解放機構18は、第1の区域14及び第2の区域15に対向して、サポート13の第2の表面26上に又はその中に位置することができる抵抗加熱要素を備えることができる。
【0021】
[0034]ある実施形態において、電源31によって提供された電流が抵抗加熱要素18に加えられており、熱が生成される。加熱要素18によって生成された熱は、サポート13を通って伝導されることができ、それは、ある実施形態では、例えばステンレス鋼等の熱伝導材料を備えることができ、少なくとも1つの第1の区域14及びその上に配置された第1の化合物16を加熱する。十分な温度へ加熱されたときには、第1の化合物16は、エアウェイ12内に熱蒸発することができ、第1の化合物16を含むエアロゾルをエアウェイ12内の気流に形成する。
【0022】
[0035]ある実施形態において、図1にしたがった第1の化合物16の複数用量の肺内送出用の装置の操作を、下記のように説明することができる。患者は、装置の出口21で吸入することができ、エアウェイ12を通る気流を生成する。作動機構23は、一定の気流速度の検出時に、コントローラ33に信号を送ることができる。作動機構23からの信号の受信時に、コントローラ33は、第1の化合物16を備える第1の区域14の下にある抵抗加熱要素18の1つに、電源31を電気的に接続することができる。抵抗加熱要素18によって生成された熱は、サポート13を通って伝導されることができ、第1の区域14を加熱し、第1の化合物16を熱蒸発させ、アゴニスト化合物16を含むエアロゾルをエアウェイ12に形成する。次いで、第1の化合物16を含むエアロゾルは、吸入中に患者に投与することができ、患者の気道に1用量の第1の化合物16を送出する。ある実施形態において、装置の起動及び1用量の第1の化合物16の投与が、単一吸入中に発生することができる。
【0023】
[0036]ある実施形態において、第1の化合物16のその次の用量の送出のために、同一のプロセスを行うことができるが、コントローラ33が第2の抵抗加熱要素27を電源31に接続することができることが異なる。一定の気流速度の検知時に作動機構23によって起動されるときには、第2の抵抗加熱要素27が、第2の第1の区域14に配置された第1の化合物16を熱蒸発させ、エアウェイ12を通る気流にエアロゾルを形成する。ある実施形態において、コントローラ33は、抵抗加熱要素が、第2の区域15に配置された第2の化合物17を加熱し解放するのを防止する。
【0024】
[0037]ある実施形態において、第1の化合物16に誤用は、第2の化合物17を備える第2の区域15を、第1の化合物16を備える第1の区域14の間に置くことによって、且つ/又は、第1の化合物16及び第2の化合物17を視覚的に見分けがつかないようにすることによって、最小限にされるか又は防止されることができる。
【0025】
[0038]ある実施形態において、装置は、例えば、定量噴霧式吸入器(MDI)、ドライパウダー吸入器(DPI)、小容量ネブライザー、大容量ネブライザー、超音波ネブライザー、鼻スプレー等の従来のエアロゾル送出機器に適応されることができる。ある実施形態において、ネブライザー吸入器は、高速度空気のストリームを生成することができ、これは、治療薬を霧として噴射させることができ、これは、次いで、患者の気道内に運び込まれることができる。治療薬は、典型的に10μm未満の直径を呈する微粉末化粒子の溶液又は懸濁液等の液体形態に処方することができる。ある実施形態において、DPIは、吸気中に患者の気流(エアストリーム)に分散されることができる自由に流れる粉末の形態で治療薬を投与することができる。ドライパウダー製剤は、ドライパウダーディスペンザー内に、又は、ドライパウダーエアロゾル送出装置とともに使用するための吸入カートリッジ又はカプセル内に、装填されることができる。ある実施形態において、MDIは、圧縮された高圧ガス気体を使用して、測定された量の治療薬を排出することができる。MDI投与用の製剤は、液化高圧ガスに活性成分の溶液又は懸濁液を含むことができる。製剤は、エアロゾルキャニスタに装填されることができ、これは、MDI装置の一部を形成することができる。
【0026】
[0039]MDIフォーマットに適合された装置のある実施形態が、図2に概略的に例示される。図2は、エアウェイ12を画成するハウジング11を備える吸入装置を例示する。エアウェイ12は、入口20及び出口21を含み、患者が装置の出口21で口又は鼻のいずれかを通して吸入するときに気流がエアウェイ12に生成されることができるようにする。他の実施形態では、入口20は省略され、気体の流れは、加圧された材料の解放によってのみ生成される。ある実施形態では、エアウェイ12が省略され、エアロゾルは、直接、弁42から環境内に解放される。ある実施形態において、装置は、第1の化合物16を備える第1の区域14と、第2の化合物17を備える第2の区域15と、を備えることができる。ある実施形態において、第1の区域14は、カートリッジ又はキャニスタの形態のサポート28によって画成されることができ、第2の区域15は、これもまたカートリッジ又はキャニスタの形態であってもよいサポート29によって画成されることができる。第1の化合物16及び第2の化合物17は、ヒドロフルオロアルカン等の液化高圧ガスを含む溶液又は懸濁液の形態でそれぞれのカートリッジ又はキャニスタ内に保持されることができる。
【0027】
[0040]ある実施形態において、図2に例示された装置は、患者が手でカートリッジ28及び29をエアウェイ12へ向けて押すことによって起動されることができる。一定の距離だけエアウェイ12へ向けて平行移動されるときに、作動機構40が、例えば弁42を備える解放機構を開くことができ、第1の区域14内の高圧ガスが、第1の化合物16を含む液体懸濁液の1用量をエアウェイ12内に注入するのを可能にし、第1の化合物16を含むエアロゾルを気流に形成する。ある実施形態において、カートリッジ28及び29を繰り返して圧縮して弁42を再度開くことによって、第1の化合物16のその次の用量をエアウェイ12内に解放することができる。
【0028】
[0041]装置のある実施形態が、図3に概略的に例示される。図3は、サポート13がディスクの形態であってもよく且つ解放機構が光学的加熱を備えるある実施形態を例示する。ある実施形態において、サポート13は、第1の化合物16の薄膜を備える第1の区域14と、第2の化合物17を備える第2の区域15と、を備えることができる。ある実施形態において、第1の区域14及び第2の区域15は、サポート13の周辺近傍で第1の表面25に位置するストライプを備えることができる。ある実施形態において、第1の区域14及び第2の区域15は、サポート13の第1の表面25に位置する複数の第1の区域14及び第2の区域15を備えることができる。ある実施形態において、複数の第1の区域14及び複数の第2の区域15は、散在されることができる。ある実施形態において、サポート13は、ステンレス鋼等の熱伝導材料であってもよい。
【0029】
[0042]図3に例示された装置のある実施形態において、サポート13の一定の回転位置用に、第1の区域14及び第2の区域15の一部は、ハウジング11によって画成されたエアウェイ12に連結されることができる。ある実施形態において、第1の区域14及び第2の区域15の異なる部分は、回転機構47を使用してサポートディスク13を回転することによって、エアウェイ12に連結されることができる。ある実施形態において、異なる第1の区域14及び第2の区域15が、回転機構47によってエアウェイ12内に回転されることができる。ある実施形態において、回転機構47は、手動の及び/又は電子の前進機構を備えることができる。
【0030】
[0043]ある実施形態において、加熱解放機構は、光学源42を備えることができ、キセノン閃光電球等の光学放射線41を生成し、光学アセンブリはレンズ44及び反射体45を含むことができ、エアウェイ12に連結された第1の化合物16を備える第1の区域14の少なくとも一部の下にあるサポート13の第2の表面26に位置する区域46に光学放射線41を方向づけ焦点を合わせる。
【0031】
[0044]図3にしたがった装置の操作の例として、患者は、ハウジング11の出口21で吸入することができ、エアウェイ12に気流を形成する。一定の気流速度で、作動機構23は信号をコントローラ33へ送ることができる。次いで、コントローラ33は、電源31を光学源42へ接続することができ、光学放射線41を生成する。次いで、光学放射線41は、区域46に方向づけられ焦点を合わせられることができ、第1の区域14の下にあるサポート13の局所加熱を発生させる。次いで、サポート13の区域46で生成された熱は、第1の区域14の一部へ伝導されることができ、第1の化合物16を気流内に熱蒸発させ、エアウェイ12に第1の化合物16のエアロゾルを形成し、それは、次いで、患者によって吸入されることができる。ある実施形態において、装置の起動及び第1の化合物16の投与は、患者による単一の吸入中に発生することができる。
【0032】
[0045]ある実施形態において、第1の化合物16のその次の用量は、サポート13を前進させて、第1の区域14の新しい部分及び/又は少なくとも1つの新しい第1の区域14をエアウェイ12に及び光学放射線41に連結することによって、投与されることができる。
【0033】
[0046]ある実施形態において、装置は、図4に概略的に例示されることができる。図4は、第1の化合物16を備える第1の区域14及び第2の化合物17を備える第2の区域15を有するテープの形態のサポート13を例示する。ある実施形態において、サポート13は、例えば、第1の化合物16及び第2の化合物17を含むための窪みを有する金属箔を備えることができる。ある実施形態において、窪みは、第1の化合物16及び第2の化合物17がドライパウダー、液体及び/又は薄膜の形態であってもよいように、第1の化合物16及び第2の化合物17の保持を容易にすることができる。ある実施形態において、サポート13は、第1の化合物16及び第2の化合物17が配置されるサポート13の第1の表面25に位置する保護層75をさらに備えることができる。ある実施形態において、保護層75は、機械的に且つ/又は環境的に化合物を保護するように機能することができるポリマー又は金属箔を含むことができ、ある実施形態では、サポート13の第1の表面25に封止されることができる。
【0034】
[0047]ある実施形態において、サポート13は、リールトゥリール機構72に機械的に連結されることができる。ある実施形態において、リールトゥリール機構72を前進させることが、サポート13を動かすことができ、第1の化合物16が配置される第1の区域14を備えるサポート13の一部を、ハウジング11によって画成されたエアウェイ12に及び解放機構18に連結する。
【0035】
[0048]図4に例示された装置のある実施形態の操作の例として、リールトゥリール機構72はサポート13を前進させることができ、第1の化合物16を備える第1の区域14をエアウェイ12へ、解放機構18へ連結する。ある実施形態において、解放機構18は、例えば、超音波源、熱源、又は、電磁放射線の源を備えることができる。前進中に、保護層75を、サポート13の第1の表面25から取り除くことができ、第1の化合物16の少なくとも1用量を露出する。
【0036】
[0049]患者は、エアウェイ12の出口(図示せず)で吸引することができ、エアウェイ12に気流を生成する。図4に例示された装置のある実施形態において、一定の気流速度が作動機構23によって測定されるときには、信号をコントローラ33へ送ることができる。コントローラ33は、電源31を解放機構18へ電気的に接続することができ、第1の化合物16をエアウェイ12内に解放し、第1の化合物16を含むエアロゾルを形成する。例えば、ある実施形態において、解放機構18は、超音波源であってもよく、それは、音響パルスを生成することができ、第1の化合物16を第1の区域14からエアウェイ12内に排出し、第1の化合物16を含むエアロゾルを形成する。ある実施形態において、第1の化合物16を含むエアロゾルは、次いで、患者によって吸入されることができる。ある実施形態において、第1の化合物16を第1の区域14から解放するのに続いて、リールトゥリール機構72は、サポート13を前進させて、第2の第1の区域14をエアウェイ12及び解放機構18に連結する。解放機構18の作動時に、第1の化合物16の第2の用量をエアウェイ12内に解放することができる。
【0037】
[0050]ある実施形態において、第1の化合物16の濫用の可能性を防止するか最小限にするために、第1の化合物16を備える第1の区域14及び第2の化合物17を備える第2の区域15は、サポート13の長さ方向に沿って、無作為に散在することができる。ある実施形態において、コントローラ33をプログラムして、第1の化合物16を備える第1の区域14のみがエアウェイ12に及び解放機構18に連結されることができるように、リールトゥリール機構72を前進させることができる。
【0038】
[0051]本発明のある実施形態は、ここにさらに説明される。
【0039】
[0052]ある実施形態において、ハウジングは、エアウェイの形状及び寸法を画成することができ、少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口を備えることができる。ある実施形態において、ハウジングは、2つ以上のエアウェイを画成することができる。ある実施形態において、ハウジングは、エアロゾルを肺内投与するためにいずれの適切な形状又は寸法であってもよい。ある実施形態において、ハウジングは、患者による携帯使用のために適切な形状及び寸法を有することができる。「患者」は、哺乳類及びヒトを含む。ある実施形態において、ハウジングは、少なくとも1つのサポート、電子コントローラ、解放機構、作動センサ、ロックアウト機構、さらに他の構成要素及び/又は特徴を収容し且つ/又は組み込むように設計されることができる。
【0040】
[0053]ある実施形態において、エアウェイの寸法は、単一の吸入で患者によって口又は鼻を通って吸入されることができる空気の体積、エアウェイを通る気流の意図された率、及び/又は、エアウェイに連結され且つ少なくとも1つの第1の区域が配置されるサポートの表面における意図された気流速度によって、少なくとも部分的に決定されることができる。ある実施形態において、エアウェイの出口で口で吸入する患者によって、及び/又は、エアウェイの出口で鼻で吸入することによって、気流を生成することができる。ある実施形態において、例えば、空気及び/又は気体で満たされた可撓性のある容器を機械的に圧縮することによって、又は、加圧された空気及び/又は気体をエアウェイの入口内に解放することによって、空気を入口内に注入することによって、気流を生成することができる。ある実施形態において、気流又はエアウェイがなく、装置は、例えば、弁又は小さな穴を通して圧力下の液体を進めることによって、エアロゾルを直接環境内に解放する。
【0041】
[0054]ある実施形態において、ハウジングは、第1の化合物を第1の区域からエアウェイ内に解放した後に第1の化合物のエアロゾルを生成するのに十分にエアウェイを通る気流速度を提供するように寸法づけられることができる。ある実施形態において、気流速度は、第1の化合物が解放される第1の区域の近隣で少なくとも1m/秒でありうる。
【0042】
[0055]ある実施形態において、ハウジングは、エアウェイを通る一定の気流率を提供するように寸法づけられることができる。ある実施形態において、エアウェイを通る気流率は、10L/分〜120L/分の範囲であってもよい。ある実施形態において、気流率は、10〜60L/分の範囲であってもよく、他の実施形態では、10〜40L/分の範囲であってもよい。ある実施形態において、10L/分〜120L/分の範囲の気流率は、出口が0.1cm2〜20cm2の範囲の断面積を呈するときに、患者による吸入中に生成されることができる。ある実施形態において、出口の断面積は、0.5cm2〜5cm2の範囲であってもよく、ある実施形態では、1cm2〜2cm2の範囲であってもよい。
【0043】
[0056]ある実施形態において、エアウェイは、エアウェイの気流率及び気流速度を制御するために、1つ以上の気流制御弁を備えることができる。ある実施形態において、気流制御弁は、少なくとも1つの弁、例えば、アンブレラバルブ、リード弁、ボールバルブ、圧力差に応答して曲がるフラップ弁等を備えることができるが、それらに限定されない。ある実施形態において、気流制御弁は、気流の出口に、気流の入口に、エアウェイ内に位置することができ、且つ/又は、エアウェイを画成するハウジングの壁内に組み込まれることができる。ある実施形態において、気流制御弁は、エアウェイ内に位置するトランデューサによって提供された信号が弁の位置を制御することができるように、又は、受動的に、例えば、エアウェイと装置の外部との間の圧力差等によって、電子的に起動されることができる。
【0044】
[0057]ある実施形態において、装置は、第1の区域及び第2の区域から選択された少なくとも1つの区域を備える少なくとも1つのサポートを備える。ある実施形態において、サポートは、第1の化合物、第2の化合物、又は、第1の化合物及び第2の化合物の両方を保持することができる。
【0045】
[0058]ある実施形態において、サポートは、解放機構、又は、解放機構の一定の要素を備えることができる。
【0046】
[0059]ある実施形態において、サポートは、いずれの適切な形状及び寸法を備えることができる。サポート用の一定の形状として、矩形インサート、円筒形インサート、容器、カートリッジ、ディスク、テープ等が挙げられるが、それらに限定されない。ある実施形態において、サポートは、別個の要素であってもよく、又は、別の要素の表面であってもよい。例えば、ある実施形態において、サポートは、ハウジングの内壁であってもよく、又は、解放機構の外壁、例えば、ヒートパッケージの外壁であってもよい。ある実施形態において、サポートは、サポートが内部体積を画成する容器等のエンクロージャであってもよい。
【0047】
[0060]サポートのある実施形態は、図1、2、3及び4に概略的に例示される。
【0048】
[0061]サポートのある実施形態は、図1に概略的に例示される。図1に示されるように、サポート13は、エアウェイ12内に配置される矩形パネルの形態で単一の構造物を備えることができる。ある実施形態において、サポート13は、サポート13の第1の表面25に配置された2つの第1の区域14及び第2の区域15を備えることができ、それらはすべてエアウェイ12内に配置される。第1の区域14及び第2の区域は、位置的に弁別可能であることができ、区域は別々であり重ならないことを意味する。ある実施形態(図示せず)において、第1の区域14及び第2の区域15は、サポート13の2つ以上の表面に配置されることができる。図1に例示されたサポートは、サポート13の第2の表面26に配置された抵抗加熱要素を備える解放機構18を備えることができる。
【0049】
[0062]サポートのある実施形態は、図3に概略的に例示される。サポート13は、ディスクの周辺近傍に配置された第1の区域14及び第2の区域を備えるディスクの形態で単一のサポートを備えることができる。ある実施形態において、サポート13の一部のみが、サポート13の特定の回転位置のために、エアウェイ12に及び解放機構41に連結されることができる。ある実施形態において、サポート13は、サポート13が一定の量を回転されるか割送りされることができ第1の区域14の追加部分をエアウェイ12に及び解放機構41に連結するように、動くように構成された機構47に連結されることができる。
【0050】
[0063]サポートのある実施形態は、図4に例示され、これは、2つ以上の第1の区域14を備えるテープの形態で単一のサポート13を含む。ある実施形態において、サポート13は、サポート13が前進されるか割送りされることができ少なくとも1つの区域14をエアウェイ12に及び解放機構18に連結するように、リールトゥリール機構72に機械的に連結されることができる。
【0051】
[0064]ある実施形態において、図2に例示された装置は、第1の区域14を備える第1のサポート28及び第2の区域15を備える第2のサポート29を備えることができる。ある実施形態において、サポート28及び29は、平坦なインサートを備えることができ、それぞれ第1の化合物16及び第2の化合物17を備える区域を画成する。ある実施形態において、サポート28及び29は、カートリッジ、キャニスタ又はカプセルを備えることができ、それぞれ第1の化合物16及び第2の化合物17を備える別個の体積を画成する。
【0052】
[0065]ある実施形態において、サポートは、マルチレーヤー構造物を備えることができる。例えば、サポートは、異なる材料製の2つ以上の層を備えることができ、第2の化合物を解放せずに第1の化合物の選択的な解放を可能にするか又は容易にする。サポートを備える2つ以上の層は、サポートの1つ以上の表面上に延在することができるか、又は、サポートの一定の画成された領域に位置することができる。ある実施形態において、第1の化合物が配置される第1の区域、及び、第2の化合物が配置される第2の区域は、異なる組成物の1つ以上の層を備えることができる。層の組成物は、第2の化合物を第2の区域から解放せずに第1の化合物を第1の区域から選択的に解放するのを容易にするように選択されることができる。
【0053】
[0066]ある実施形態において、第1及び第2の区域の下にある層は、異なる熱伝導特性を有することができる。例えば、第1の区域の下にある層は熱伝導性であってもよく、他方、第2の区域の下にある層は、断熱材を備えることができる。そのような構造物では、熱解放機構によって生成された熱は、第1の化合物へより容易に伝導されることができ、それによって、第1の化合物の選択的な解放を容易にする。
【0054】
[0067]マルチレーヤーサポートのある実施形態は、図5A、5B及び6に例示される。図5A及び5Bは、マルチレーヤーサポート13を例示し、これは、第1の化合物16の薄膜及び第2の化合物17の薄膜に加えて、抵抗加熱要素32、第2の化合物17の下にある断熱層36、及び、第1の化合物16の下にある熱伝導層37を含む。ある実施形態において、抵抗加熱要素32は、サポート13の第2の側部26に位置することができ、サポート13の第1の表面25に配置された第1及び第2の区域15の下にあることができる。ある実施形態において、抵抗加熱要素32は、電流が加えられるときに熱を生成するカーボンインク等の電気抵抗性材料の層を含むことができる。ある実施形態において、抵抗加熱要素32は、電気接触区域34を含むことができ、加熱要素を制御回路(図示せず)へ電気的に接続する。ある実施形態において、第1の化合物16を備える第1の区域14の下にある抵抗加熱要素に電力が加えられるときに、生成された熱は、第2の化合物17への熱伝導を最小限にしながら、第1の化合物16へ伝導されることができる。断熱層36は、例えば、ポリマー又はセラミックであってもよい。熱伝導層37は、例えば、銅、ニッケル、アルミニウム、又は、ステンレス鋼等の金属であってもよい。
【0055】
[0068]ある実施形態において、第1及び第2の区域の下にある層は、異なる電気抵抗特性を有することができる。例えば、第1の区域の下にある層は、第2の区域の下にある層のものに比較して、高い電気抵抗を有することができる。
【0056】
[0069]ある実施形態において、第1の化合物の選択的な解放を容易にするために、第1の化合物は第1の電気伝導性サポートの表面に配置されることができ、第2の化合物は第2の電気伝導性サポートの表面に配置されることができ、第1のサポートの電気抵抗は第2のサポートのものよりも高い。2つのサポートを通って同量の電流が進むことが、第1のサポートを選択的に加熱することができ、第1の化合物を選択的に解放する。ある実施形態において、第1のサポートは例えばステンレス鋼を備えることができ、第2のサポートは、銅又はアルミニウム等のより低い抵抗率を有する金属を備えることができる。ある実施形態において、異なる抵抗率は、異なる厚さを有する、伝導性サポート又はサポートに配置された伝導層を使用することによって、形成されることができる。例えば、ある実施形態において、第1の化合物は、セラミック等の非伝導性サポートに配置された金又は他の電気伝導性材料の薄い層に配置されることができる。第2の化合物は、金の層に又は他の電気伝導性材料に配置されることができ、それは第1の化合物に下にある金の層よりも厚く、これもまた、セラミック等の非伝導性サポートに配置されることができる。両方の金の層を通って進む電流は、より薄い金層を区別して加熱することができ、それは、第2の化合物の下にあるより厚い金層のものよりも、より高い抵抗率を呈し、第1の化合物の下にあり、それによって、第1の化合物をサポートから選択的に解放することができる。
【0057】
[0070]ある実施形態において、層は、第1の化合物及び第2の化合物上に配置された保護カバーとして機能することができる。ある実施形態において、2つ以上の層が保護層であってもよく、第1の化合物の解放を容易にするために着脱自在であってもよい。ある実施形態において、保護層は、例えば、金属箔層、プラスチックラミネート層等を備えることができる。ある実施形態において、2つ以上の層から形成された保護層が、接着剤、クリンピング、ヒートシール等を使用してサポートに封止されることができる。ある実施形態において、保護層は、第1の化合物を環境的劣化から保護することができるか、又は、パッケージされるときに隣接する表面との相互作用から第1の化合物を機械的に保護することができる。ある実施形態において、保護層は、サポートから機械的に引かれることができ、第1の化合物をエアウェイ及び解放機構に連結する直前に第1の化合物を露出する。保護層を有するサポートのある実施形態は、図4に例示される。
【0058】
[0071]ある実施形態において、サポートは、二次元表面を備えることができる。ある実施形態において、サポートは、第1の化合物が配置される第1の区域に接触している窪みを備えることができる。窪みは、例えば、第1の化合物の薄膜用に機械的保護を提供することができ、且つ/又は、粉末又は液体形態の第1の化合物の保持を容易にすることができる。窪みを有するサポートの例は、図4に例示される。
【0059】
[0072]ある実施形態において、サポートは、スロット、穿孔又は開口区域を備えることができ、それらは、例えば、整列配置のため、前進機構への連結のため、又は、第1の化合物を備える第1の区域を第2の化合物を備える第2の区域から熱的に断絶するために、使用されることができる。
【0060】
[0073]ある実施形態において、サポートは、第1の区域及び第2の区域から選択された少なくとも1つの区域を備えることができる。区域は、本願で使用されるように、位置的に弁別可能な領域を意味する。ある実施形態において、区域は、サポートの表面の二次元の位置的に弁別可能な部分を備えることができる。ある実施形態において、区域は、サポートによって画成された三次元の位置的に弁別可能な体積を備えることができる。区域を使用して、例えば、図1に例示されるように、第1の区域14及び第2の区域15等のサポートの位置的に弁別可能な部分を意味するか、又は、図2に例示されるように、それぞれ容器28及び29によって画成された第1の区域14及び第2の区域15等のサポートによって画成された位置的に弁別可能な体積を意味することができる。
【0061】
[0074]ある実施形態において、サポートは、単一の第1の区域を、ある実施形態では、2つ以上の第1の区域を、備えることができる。ある実施形態において、サポートは、単一の第2の区域を、ある実施形態では、2つ以上の第2の区域を、備えることができる。ある実施形態において、サポートは、単一の第1の区域及び単一の第2の区域を、単一の第1の区域及び2つ以上の第2の区域を、2つ以上の第1の区域及び単一の第2の区域を、又は、2つ以上の第1の区域及び2つ以上の第2の区域を、備えることができる。
【0062】
[0075]ある実施形態において、第1の区域及び第2の区域は、いずれの適切な形状及び寸法を備えることができる。1つ以上のサポートに配置された第1の区域及び第2の区域の形状及び寸法は、同一であっても異なってもよい。ある実施形態において、第1の区域及び第2の区域の適切な形状及び寸法は、少なくとも部分的には、区域が配置されるサポートの形状及び寸法、装置に使用される解放機構、第1の区域に配置された第1の化合物の物理的形態、及び/又は、第1の区域に配置された第2の化合物の物理的形態によって決定されることができる。例えば、二次元表面に配置されるときには、第1の区域及び第2の区域は、ドット、方形、矩形、円、ストライプ、線の形状であってもよく、又は、不規則な形状を呈してもよい。ある実施形態において、第1の区域及び第2の区域は三次元の体積を備えており、第1の区域及び第2の区域は、シリンダ又はパケット等の区域を画成するエンクロージャの形状を取ることができる。ある実施形態において、装置及び/又はサポートを備える第1の区域の合計数及び第2の区域の合計数は、同一であっても異なってもよく、装置及び/又はサポートを備える第1の区域及び第2の区域の合計表面積及び/又は体積は、同一であっても異なってもよい。
【0063】
[0076]ある実施形態において、第1の区域及び第2の区域は、解放機構による以外の、第1の区域に配置された第1の化合物の選択的な除去を困難にするか又は防止するように位置決めされることができる。選択的な除去は、第2の区域に配置された第2の化合物を除去せずに第1の区域に配置された第1の化合物を除去することができることを意味する。例えば、ある実施形態において、第1の区域及び第2の区域は、散在することができる。複数の第1の区域及び複数の第2の区域が散在する例が、図7A、7B及び7Cに概略的に例示される。図示のように、図7Aは、サポート13の表面に配置された散在された第1の区域14及び第2の区域15の列を例示する。図示のように、図7Bは、複数の第1の区域14及び複数の第2の区域15が不規則に散在される例を例示する。図7Cは、サポート13の表面に配置された散在された第1の区域14及び第2の区域15の列を例示する。
【0064】
[0077]ある実施形態において、第1の区域から第1の化合物を選択的に除去するのを困難にすることは、第1の区域及び第2の区域を空間的に密に近接して位置づけることによって実現されることができる。ある実施形態において、隣り合う第1の区域及び第2の区域を5cm未満だけ分離することができ、ある実施形態では2.5cm未満、ある実施形態では1cm未満、ある実施形態では0.5cm未満、ある実施形態では0.25cm未満、及び、ある実施形態では0.1cm未満だけ分離することができる。
【0065】
[0078]ある実施形態において、隣り合う第1の区域及び第2の区域の間の最小分離は、少なくとも部分的には、第2の区域から第2の化合物を解放せずに第1の区域から第1の化合物を選択的に解放するのを可能にすることができる最小分離によって、決定されることができる。ある実施形態において、これは、部分的には、装置に使用される特定の解放機構によって、及び、第1及び第2の区域が配置されるサポートの材料組成によって、決定されることができる。例えば、熱解放機構が使用されるある実施形態において、第1の化合物及び第2の化合物は、熱的に断絶されることができる。ある実施形態において、断熱は、例えば、区域を空間的に分離することによってだけではなく、先に説明したように、異なる熱特性を備えた材料の複数の層を使用することによっても、達成されることができる。ある実施形態において、サポートはまた、第1の化合物及び第2の化合物を熱的に断絶するための物理的特性も含むことができる。例えば、サポートは、サポートがウェブの形態であってもよいように、隣り合う第1の区域及び第2の区域の間に位置する開口を含むことができる。ある実施形態において、サポートは、第1の区域及び第2の区域の間に位置する断熱材を含むことができる。ある実施形態において、図2に概略的に例示されるように、第1の化合物16及び第2の化合物17は、物理的に独立した容器に保持されることができる。
【0066】
[0079]ある実施形態において、第1の化合物は、第1の区域に配置されることができる。第1の化合物は、薬剤等の化学物質を意味する。ある実施形態において、第1の化合物は、細胞受容体と組み合わせることができ且つ典型的に内因性物質の結合によって生成される反応又は活動を開始することができる薬剤である。
【0067】
[0080]ある実施形態において、第1の化合物は、第1の化合物の最小の劣化、反応又は改質で解放機構によって第1の区域から解放されることができるいずれの物理的形態で第1の区域に配置されることができる。第1の区域に配置される第1の化合物の適切な物理的形態は、少なくとも部分的には、特定の実施形態に使用される解放機構によって決定されることができる。例えば、第1の区域に配置された第1の化合物は、固体薄膜、粉末、微粒子又は液体を備えることができる。ある実施形態において、第1の化合物は粉末を備え、第1の化合物を含む粒子は、0.1μm〜100μmの範囲の直径を呈することができる。ある実施形態において、第1の化合物は固体薄膜を備え、薄膜の厚さは、30μm未満であってもよく、ある実施形態では20μm未満、ある実施形態では10μm未満であってもよい。薄膜の適切な厚さは、少なくとも部分的には、第1の化合物が最小の劣化又は反応でエアウェイ内に解放されることができるフィルム厚さによって決定されることができる。例えば、熱蒸発解放機構を使用する適切なフィルム厚さは、10μm未満且つ0.01μmを超えるものでありうる。
【0068】
[0081]ある実施形態において、第1の化合物は、いずれの適切な化学形態を含むことができ、それは、少なくとも部分的には、特定の実施形態に使用される特定の解放機構によって決定されることができ、例えば保管中又は第1の区域から解放中に、第1の化合物の劣化、反応又は改質を最小限にする。例えば第1の化合物が液体に溶解されるか又は懸濁されるある実施形態において、第1の化合物は、第1の化合物の塩の形態であってもよい。第1の化合物が固体薄膜として第1の区域に配置されるある実施形態において、第1の化合物は、純粋形態(例えば、遊離塩基又は遊離酸の形態)であってもよく、ある実施形態では、第1の化合物は、結晶性であってもよく、又は、非晶質であってもよい。
【0069】
[0082]ある実施形態において、第1の化合物は、製薬的に容認可能な化合物を含むことができる。「製薬的に容認可能な」は、連邦政府又は州政府の監督官庁によって承認されたか承認可能であるか、又は、動物に及びより詳細にはヒトに使用されるために米国薬局方又は他の一般に認識された薬局方にリストされていることを意味する。肺内投与は、製薬化合物を患者の体循環内に速やかに導入することができるため、第1の化合物は、治療の即座の発現が示される製薬化合物であってもよい。
【0070】
[0083]治療の即座の発現が示される製薬化合物の1つのそのようなクラスの例は、疼痛の治療用のオピオイド鎮痛薬である。オピオイド鎮痛薬は、術後疼痛、癌性疼痛、背痛、頭痛、及び、中度から重度の疼痛の大半の他の形態の治療に使用することができる。したがって、ある実施形態において、第1の化合物は、オピオイド鎮痛薬を含むことができ、例えば、フェンタニル、サフェンタニル、レミフェンタニル、モルヒネ、ヒドロモルホン、オキシモルホン、コデイン、ヒドロコドン、オキシコドン、メペリジン、メタドン、ナルブフィン、ブプレノルフィン、及び、ブオルファノール(buorphanol)等である。
【0071】
[0084]ある実施形態に有用な製薬化合物の別のクラスは、急性パニック発作、急性不安及び睡眠誘導の治療用のベンゾジアゼピン等の催眠鎮静薬を含む。ある実施形態において、第1の化合物は、非ベンゾジアゼピン催眠鎮静薬を含むことができ、例えば、プロポフォール、抱水クロラール、ザレプロン、ゾルピデム、ゾピクロン、インディプロン、ペントバルビタール及び他のバルビツール酸系催眠薬を含む。ある実施形態において、第1の化合物は、ベンゾジアゼピン催眠鎮静薬を含むことができ、例えば、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼパート、ジアゼパム、フルラゼパム、エスタゾラム、ロラゼパム、テマゼパム、アルプラゾラム、オキサゼパム及びトリアゾラムを含む。
【0072】
[0085]ある実施形態に有用な製薬化合物の別のクラスは、例えば、拒食症、吐き気、嘔吐、多発性硬化症及び疼痛を治療するためのカンナビノイドアゴニストを含む。ある実施形態において、第1の化合物は、カンナビノイドアゴニスト、例えば、ドロナビノール及びカンナビジオール等を含むことができる。
【0073】
[0086]ある実施形態に有用な製薬化合物の別のクラスは、例えば、パーキンソン病及び鬱を治療するためのドパミン作動薬を含む。ある実施形態において、第1の化合物は、ドパミン作動薬、例えば、ブロモクリプチン、レボドパ、ペルゴルデ(pergolde)、プラミペキソール、ロピニロール及びセレギリン等を含むことができる。
【0074】
[0087]ある実施形態に有用な製薬化合物の別のクラスは、例えば、注意欠陥多動性障害、覚醒の促進及び鬱を治療するための興奮剤を含む。ある実施形態において、第1の化合物は、興奮剤、例えば、アンフェタミン、メチルフェニデート、モダフィニル、フェンテルミン及びシブトラミン等を含むことができる。
【0075】
[0088]ある実施形態に有用な製薬化合物の別のクラスは、例えば、ホルモン失調及び乳癌を治療するためのステロイドを含む。ある実施形態において、第1の化合物は、ステロイド、例えば、テストステロン、テストステロンの前駆物質、リリースエンハンサー(release enhancer)及び薬理類似物(pharmacological mimics)等を含むことができる。
【0076】
[0089]ある実施形態において、第1の化合物は、単一の製薬化合物を備えることができるか、又は、2つ以上の製薬化合物の組み合わせを備えることができる。ある実施形態において、第1の化合物は、第1の化合物を含む製薬組成物、及び、製薬的に容認可能なキャリアを備えることができる。ある実施形態において、キャリアは、例えば、溶剤、賦形剤及び/又は微粒子を備えることができる。ある実施形態において、そのようなキャリアは、例えば、「Remington:The Science and Practice of Pharmacy」、第20版、Lippincott Williams & Wilkins、ペンシルベニア州、フィラデルフィア、2000に見出されるような製薬組成物に適していると一般に認識されるものを含むことができる。
【0077】
[0090]ある実施形態において、第1の化合物を含む組成物は、解放、エアロゾル形成、肺内送出、治療効力、治療有効性、安定性等を高めるための物質を含むことができる。例えば、治療効力を高めるために、第1の化合物は、肺胞を通る第1の化合物の吸収又は拡散を増大するか又は体循環内で第1の化合物が劣化するのを抑制するための、活性剤と同時投与されることができる。ある実施形態において、第1の化合物は、液体溶剤内の化学安定性を高めるために塩の形態であってもよい。ある実施形態において、第1の化合物は、熱蒸発による解放を容易にするために非複合形態であってもよい。ある実施形態において、第1の化合物は、第1の化合物の治療効力を高める薬理効果を有する活性剤と同時投与されることができる。ある実施形態において、第1の化合物は、1つ以上の疾病、状態又は障害を治療するのに使用されることができる化合物を含むことができる。
【0078】
[0091]ある実施形態において、第1の化合物は、濫用可能物質を含むことができる。「濫用可能物質」は、例えば、処方された用量又は意図された用量を超えて投与することによって、又は、投与のルートを意図されたルートから変えることによって、不適切に使用される可能性がある物質を意味する。例えば、オピオイド鎮痛薬は、疼痛の治療のために治療的にではなく、陶酔感を引き出すためにオピオイド鎮痛薬を使用することによって、濫用される可能性がある。濫用可能物質は、薬物濫用の防止に焦点を合わせた監督官庁、例えば米国麻薬取締局(DEA)によって、規制された物質を含む。ある実施形態において、濫用可能物質は、DEAスケジュールII、III、IV又はVにリストされた物質であってもよい。
【0079】
[0092]ある実施形態において、第2の化合物は、第2の区域に配置されることができる。第2の化合物は、他方の化学物質の生理活動及び/又は薬理効果を減じるか中和するように作用することができ、且つ/又は、例えば、他方の化学物質を濫用したいという欲求を減じる吐き気、頭痛等を含むがそれらに限定されない効果をもたらす化学物質である。ある実施形態において、第2の化合物は、内因性又は外因性の化学物質の生理活動又は薬理効果を中和することができる。内因性化学物質は、身体又は系の代謝合成に関係するか又はそれによって生成されることを意味する。外因性化学物質は、身体又は系の外部から導入されるか又は生成されることを意味する。外因性化学物質の例は、患者に投与される第1又は第2の化合物である。ある実施形態において、第2の化合物は、第1の化合物の生理活動及び/又は薬理効果を減じるか中和し、且つ/又は、第1の化合物を濫用したいという欲求を減じる化合物であってもよい。
【0080】
[0093]ある実施形態において、第2の化合物は、製薬的に容認可能な化合物を含むことができる。ある実施形態において、第2の化合物は、第1の区域に配置された第1の化合物の薬理効果を中和する少なくとも1つの化学物質から選択されることができる。例えば、第1の化合物がオピオイド鎮痛薬を含むある実施形態において、第2の化合物は、オピオイド鎮痛薬のアンタゴニスト、例えば、ナロキソン又はナルトレキソンを含むことができる。ある実施形態において、第1の化合物はオピオイド鎮痛薬フェンタニルを備え、第2の化合物は、少なくとも1つのフェンタニルアンタゴニスト化合物、例えば、ナロキソン又はナルトレキソンを含むことができる。
【0081】
[0094]ある実施形態において、第1の化合物は催眠鎮静薬を備え、第2の化合物は、催眠鎮静薬のアンタゴニスト、例えば、フルマゼニルを含むことができる。
【0082】
[0095]ある実施形態において、第1の化合物はカンナビノイドアゴニストを備え、第2の化合物は、カンナビノイドアゴニストのアンタゴニスト、例えば、SR141716(リモナバン(rimonabant))を含むことができる。
【0083】
[0096]ある実施形態において、第1の化合物はドパミン作動薬を備え、第2の化合物は、ドパミン作動薬のアンタゴニスト、例えば、クロザピン、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、ジプラシドン、フルフェナジン、ハロペリドール、ペルフェナジン、ピモジド、チオチキセン、トリフルオペラジン、ロキサピン、モリドン(molidone)、プロクロルペラジン、クロルプロマジン、メソリダジン及びトリオリダジン(trioridazine)を含むことができる。
【0084】
[0097]ある実施形態において、第1の化合物は興奮剤を備え、第2の化合物は、興奮剤のアンタゴニストを含むことができる。
【0085】
[0098]ある実施形態において、第1の化合物はステロイドを備え、第2の化合物は、ステロイドのアンタゴニストを含むことができる。
【0086】
[0099]第2の化合物は、単一の製薬化合物か、又は、2つ以上の製薬化合物の組み合わせを含むことができる。ある実施形態において、第2の化合物は、第2の化合物を含む製薬組成物、及び、製薬的に容認可能なキャリアを含むことができる。ある実施形態において、キャリアは、例えば、溶剤、賦形剤及び/又は微粒子を含むことができる。ある実施形態において、第2の化合物は、先に述べたように、解放機構による解放、治療効力、治療有効性、安定性等を抑制するための物質を含むことができる。ある実施形態において、第2の化合物は、1つ以上の第1の化合物の薬理効果を中和することができる化合物をさらに含むことができる。
【0087】
[00100]解放機構による以外の、第1の化合物を選択的に除去することによって第1の化合物を濫用する可能性を防止するか最小限にするために、第1の区域に配置された第1の化合物、及び、第2の区域に配置された第2の化合物は、一定の類似した物理特性を呈することができる。ある実施形態において、第1の区域に配置された第1の化合物は、第2の区域に配置された第2の化合物から、視覚的に見分けがつかないことが可能である。例えば、ある実施形態において、第1の化合物は粉末の形態であり、第2の化合物もまた粉末であることができる。同様に、ある実施形態において、第1の化合物は薄膜であり、第2の化合物もまた、第1の化合物を含む薄膜の厚さのものに類似した厚さを有する薄膜を備えることができる。整合することができる視覚特性の他の例として、例えば、色及びきめが挙げられる。ある実施形態において、第1の区域に配置された第1の化合物及び第2の区域に配置された第2の化合物は、類似した物理的特徴を呈することができる。例えば、第1の化合物及び第2の化合物は、同一の溶剤に同一又は類似の程度まで溶解可能であり、且つ/又は、同一又は類似の融点を呈することができる。ある実施形態において、化合物は、同一又は類似の平均粒子サイズ又は同一又は類似の粘性を呈することができる。第1の化合物及び第2の化合物の類似した物理的及び視覚的な特徴は、濫用者が2つの化合物を識別し且つ/又は弁別することができるのを困難にすることによって、第1の化合物を濫用することができることを最小限にすることができる。
【0088】
[0100]ある実施形態において、第1の化合物及び第2の化合物は、それぞれ、いずれの適切な方法によって、第1の区域及び第2の区域に加えられることができる。ある実施形態において、化合物は、液化高圧ガスの溶液又は懸濁液としてそれぞれの区域に加えられることができる。ある実施形態において、化合物は、微粉末化粒子を備える自由に流れる粉末として加えられることができる。ある実施形態において、化合物は、薄膜付着技術、例えば、インクジェット印刷、スプレーコーティング、静電塗装、浸漬被覆等によって、第1及び第2の区域に加えられることができる。ある実施形態において、化合物をそれぞれの区域に加えるのに使用される方法及び材料は、化合物の製薬的容認可能及び治療効力を維持することができる。
【0089】
[0101]ある実施形態において、装置は、単一用量投与又は複数用量投与機能を提供することができる。用量は、装置の単一起動中に解放される第1の化合物の量を意味する。ある実施形態において、解放される第1の化合物の量は、患者に投与される第1の化合物の量に類似することができる。
【0090】
[0102]ある実施形態において、解放される第1の化合物の用量は、第1の化合物の治療効果量を表すことができる。「治療効果量」は、疾病、状態又は障害を治療するために患者に投与されるときに、疾病、状態又は障害のそのような治療に影響を与えるのに十分な化合物の量を意味する。「治療効果量」は、化合物、疾病、状態又は障害及びその重度、及び、治療される患者の年齢及び体重に依存して変動しうる。いずれの疾病、状態又は障害を「治療する」又は「治療」は、疾病、状態、症状又は障害の進行を停止させるか改善すること、疾病、状態又は障害を得るリスクを減少すること、疾病、状態、障害、又は、疾病、状態又は障害の少なくとも1つの臨床症状の展開を減少すること、又は、疾病、状態、障害が展開するリスク、又は、疾病又は障害の少なくとも1つの臨床症状が展開するリスクを減少すること、を意味する。「治療する」又は「治療」はまた、物理的に例えば認識できる症状を安定させることによって、又は、生理的に例えば物理的パラメータを安定させることによって、又は両方によって、疾病、状態、症状又は障害を抑制し、患者に認識することができなくてもよい少なくとも1つの物理的パラメータを抑制することも意味する。さらに、「治療する」又は「治療」は、患者が未だ疾病、状態又は障害の症状を経験していないか表していないにもかかわらず、疾病、状態又は障害にさらされている可能性があるか又はかかりやすい患者において、疾病、状態、疾病又は障害、又は、その少なくとも症状の発現を遅らせることを意味する。
【0091】
[0103]投与される第1の化合物の量は、治療される疾病、状態又は障害、投与される実際の化合物、個別の患者の年齢、体重及び応答、患者の症状の重度等を含む関連状況に鑑みて医者によって決定されることができる。ある実施形態において、投与される第1の化合物の用量は、装置を使用する患者によって決定されることができる。
【0092】
[0104]ある実施形態において、第1の化合物は、必要に応じて、毎週、毎日、又は、時間のインターバルで、又は、間欠的に、用量が投与される。ある実施形態において、治療計画は、何週間から何ヶ月の範囲の時間の拡張された期間にわたる投与を備えることができ、又は、治療計画は、長期にわたる投与を備えることができる。
【0093】
[0105]第1の化合物の治療効果量は、多数の要因に依存して変動しうるため、ある実施形態において、用量は、第1の化合物の固定された量か又は予め規定された量を備えることができる。例えば、ある実施形態において、装置を起動することが、単一の第1の区域のみから第1の化合物を解放することができ、単一の第1の区域に配置された第1の化合物は、1用量を備える。ある実施形態において、装置を起動することが、2つの第1の区域から第1の化合物を解放することができ、ある実施形態では、3つ以上の第1の区域からであり、各解放は、第1の化合物の個々の用量に対応する。
【0094】
[0106]ある実施形態において、用量は、予め設定することができ、ある実施形態では、患者によって制御されることができ、患者が、例えば、治療計画のコース全体にわたって1用量を備える第1の化合物の治療効果量を制定し且つ/又は維持するのを可能にする。ある実施形態において、単一の起動中に解放される第1の化合物の量、例えば、1用量は、固定された量か又は予め規定された量であってもよい。しかし、第1の化合物の治療効果量が多数の要因に依存して変動しうると認めると、単一の起動中に解放される第1の化合物の量は、調整可能でありうる。用量が調整可能でありうるある実施形態において、過剰用量投与による濫用を防止するために、単一の作動中に解放される第1の化合物の量の上限を制定することができる。
【0095】
[0107]ある実施形態において、用量の滴定は、解放される第1の化合物の量を調整することによって達成することができる。解放される第1の化合物の量は、例えば、第1の化合物が解放される位置的に弁別可能な第1の区域の数を制御することによって、又は、第1の区域から解放される第1の化合物の量を制御することによって、滴定されることができる。例えば、熱蒸発解放機構を備えるいくつかの実施形態において、エアロゾルを備える第1の化合物の異なる量は、異なる数の第1の区域から第1の化合物を解放することによって、提供されることができる。ある実施形態において、第1の化合物の用量は、第1の区域に加えられる温度を制御することによって、又は、加熱される第1の化合物の表面積を調整し、それによって解放される第1の化合物の量を制御することによって、調整することができる。ある実施形態において、第1の化合物の用量を調整する能力は、疼痛等の疾病、状態又は障害の治療に適切であってもよく、これは、可変強度の症状の急性発症を明らかにする。
【0096】
[0108]ある実施形態において、装置は、複数用量投与機能を提供することができる。複数用量投与機能は、一定の装置が、疾病、状態、症状又は障害の治療の必要に応じて第1の化合物の複数用量を送出することを可能にすることができる。急性発症疼痛等の一定の状態の治療のために、例えば、治療計画が、1日当たりオピオイド鎮痛薬の5から15用量、2から50用量、又は、1から100用量を備えることができることが予想される。オピオイド鎮痛薬の模範的な治療効果量は、5mgを備えることができ、これは、15cm2の表面積をカバーするように付着されることができる。したがって、第1の化合物の複数用量は、小さな表面積に提供されることができる。ある実施形態において、第1の化合物を備える各位置的に弁別可能な第1の区域は、個々の用量を表すことができ、ある実施形態では、2つ以上の位置的に弁別可能な第1の区域が、第1の化合物の1用量を表すことができある。ある実施形態において、単一の第1の区域が複数用量を備えることができ、第1の化合物の一部のみが、装置の各連続起動中にエアウェイ内に解放される。
【0097】
[0109]ある実施形態において、複数用量投与装置は、第1の化合物をエアウェイ内に解放するために起動されることができる第1の区域を前進させるか割送りする機構を含むことができる。前進又は割送りは、電子機構、機械機構、又は、電子機構と機械機構との組み合わせを備えることができる。例えば、図1を参照すると、第1の化合物16を備える各第1の区域14は、単一の用量を表すことができる。例えば抵抗加熱によって、第1の区域から第1の化合物16を解放したのに続いて、コントローラ33は、別の加熱要素を電気的に接続して第2の第1の区域14から第1の化合物を解放すること等々によって、次の用量を解放するのを可能にすることができる。次いで、第1の化合物16のその次の用量を、エアウェイ12内に解放することができる。別の例として、図4を参照すると、第1の区域14から第1の化合物16を解放したのに続いて、サポート13をリールトゥリール機構72によって前進させることができ、新しい第1の区域14をエアウェイ12へ連結する。次いで、新しい第1の区域14上の第1の化合物16は、装置のその次の起動中に解放機構18によって、エアウェイ12内に解放されることができる。
【0098】
[0110]ある実施形態において、複数用量を提供することは、単一の第1の区域からさらなる第1の化合物を解放することを含むことができる。ある実施形態において、例えば第1の化合物が液体又は粉末の形態であるときに、各用量に続いて、第1の化合物の追加用量は、図2に示されるような弁によってエアウェイに連結されることができる。
【0099】
[0111]ある実施形態において、解放機構は、例えば、機械機構、熱機構又は音響機構を備えることができる。機械的解放機構の例として、第1の化合物又は第1の化合物を含む微粉末化粒子の溶液及び/又は懸濁液を気流内に解放することができるネブライザー吸入器、ドライパウダー吸入器及び定量噴霧式吸入器に使用される弁が挙げられる。ある実施形態において、解放機構は、エアロゾルを生成するためにノズル又は穴のアレイを通って製剤を注入することができる1つ以上のピストンを備えることができる。ある実施形態において、機械的解放機構は、第1の化合物の溶液及び/又は懸濁液、又は、第1の化合物を含む微粉末化粒子の分散及び/又は粉末を気流へ露出するために、ポリマーフィルム又は金属箔等の保護層を除去するための機構を含むことができる。
【0100】
[0112]ある実施形態において、解放機構は、音響機構を備えることができる。例えば、超音波パルスを使用して、第1の区域に配置された第1の化合物を含む微粉末化粒子又は粉末の溶液及び/又は懸濁液を気流内に注入することができる。
【0101】
[0113]ある実施形態において、解放機構は、固体薄膜の形態である第1の区域に配置された第1の化合物が熱蒸発して第1の化合物を気流内に解放することができるように、熱機構を備えることができる。第1の化合物を熱的に気化するために、サポートに配置された第1の区域に熱エネルギを与えるための多数の機構を使用することができる。ある実施形態において、熱解放機構は、例えば、抵抗加熱、光学的加熱及び化学的加熱を含む。
【0102】
[0114]熱解放機構が抵抗加熱を備えるある実施形態は、図5に概略的に例示される。図5は、サポート13の第1の表面25に配置された複数の第1の区域14及び複数の第2の区域15を有するサポート13を例示する。複数の抵抗加熱要素32は、サポート13の第2の表面26に配置されることができる。複数の抵抗加熱要素32は、図示のように、第1の区域14及び第2の区域15に対向するように位置決めされることができる。抵抗加熱要素32は、電流が抵抗加熱要素32に加えられるときに熱が生成されるように、オーム材料35、例えばグラファイトインクを含むことができる。抵抗加熱要素32によって生成された熱は、サポート13を通って、第1の区域14に配置された第1の化合物16へ伝導されることができる。ある実施形態において、サポート13は、金属等の熱伝導性材料、例えば、ステンレス鋼、銅、ニッケル又はアルミニウムを備えることができる。ある実施形態において、サポート13は、抵抗加熱要素32を制御回路33及び電源31に電気的に接続するための装置及び/又は特徴部を備えることができる。ある実施形態において、サポート13は、抵抗加熱要素32に電気的に接続された電気接触34又は電気コネクタ(図示せず)を備えることができる。
【0103】
[0115]ある実施形態において、熱解放機構は、電磁エネルギの吸収によって熱を生成することを備えることができる。電磁エネルギは、例えば、赤外線、マイクロ波、高周波、及び、電磁スペクトルの可視部分を含む。電磁熱解放機構は、電源、電磁エネルギ源、及び、第1の化合物を加熱するために電磁エネルギを伝達し連結するためのレンズアセンブリを備えることができる。ある実施形態において、電磁エネルギ源は、光学源、例えば、キセノン閃光電球、レーザダイオード、発光ダイオード等を備えることができる。
【0104】
[0116]第1の化合物を加熱するための光学源を備える装置のある実施形態は、図3に概略的に例示される。図3に例示された装置のある実施形態は、コントローラ33及び電磁源42に電気的に接続された電源31を含む。電磁エネルギ、例えば、電磁源42によって生成された光学放射線は、例えばレンズ44及び反射体45を備える光学アセンブリを通して伝達されることができ、光学放射線41をサポート13に集中させる。ある実施形態において、入射光41は、サポート13の第1の表面25に配置された第1の区域14に対向する、サポート13の第2の表面26に配置された区域46に衝突することができる。光学放射線41の吸収によって区域46に生成された熱は、熱伝導サポート13を通って伝導されることができ、第1の化合物16を熱蒸発させ、第1の化合物16をエアウェイ12内に解放する。
【0105】
[0117]ある実施形態において、区域46は、第1の化合物16の選択的解放を容易にする光学特性を呈する材料の層を備えることができる。例えば、図6Aに示されるように、サポート13の第2の表面26の層52は、第2の化合物17が配置される第2の区域15に対向する光学反射材料を含むことができる。層52は、入射光を反射することができ、第1の区域14及び第2の区域15の選択加熱を生じさせ、それによって第1の化合物16の選択的解放を容易にする。
【0106】
[0118]ある実施形態において、図6Bに示されるように、第1の区域14に対向するサポート13の第2の表面26の領域は、熱エネルギの生成を容易にする材料を備える区域54を含むことができる。例えば、区域54は、光学放射線の吸収のために入射電磁放射線を吸収することができる材料例えばカーボンブラックを備えることができる。あるいは、ある実施形態において、区域54は、第1の区域14の下にあるサポート13に入射電磁放射線を伝達することができる反射防止コーティングを備えることができ、一方、第2の表面26の他の区域は、反射性でありうる。
【0107】
[0119]ある実施形態において、電磁放射線は、第1の化合物に直接入射することができる。第1の化合物による入射光の吸収によって生成された熱は、第1の化合物を熱蒸発させることができる。そのような実施形態において、入射電磁放射線の時間及び電力は、第1の化合物の劣化を最小限にするように、選択することができる。
【0108】
[0120]ある実施形態において、熱解放機構は、化学的熱源を備えることができる。化学的熱源の例は、発熱電気化学反応及び金属酸化反応を含む。金属酸化反応の例として、ジルコニウム、チタン、鉄又はマグネシウム等の金属を備える燃料混合、及び、三酸化モリブデン、過塩素酸カリウム、塩素酸カリウム、テフロン、ホウ素、又は、酸化鉄(III)等の酸化剤を、ニトロセルロース、ポリビニルアルコール又は二酸化ケイ素のコロイド分散等の結合剤と組み合わせて、点火することによって、熱を生成することができる。
【0109】
[0121]ある実施形態において、化学的熱源は、ヒートパッケージの外側膨張が、ステンレス鋼等の熱伝導性材料を備えることができるように、ヒートパッケージ内に含まれることができる。ヒートパッケージの外側膨張は、第1の区域及び第2の区域から選択された少なくとも1つの区域が配置されることができるサポートを備えることができる。そのような実施形態において、第1の化合物のみを解放するように第1の区域を選択加熱することが、例えば、第1及び第2の区域、又は、第1及び第2の区域の下にあるサポートの領域に、第2の区域から第2の化合物を解放するのを抑制しながら第1の区域から第1の化合物を解放するのを容易にする熱特性を呈させることよって、達成されることができる。例えば、図8に概略的に例示されるように、ヒートパッケージ60は、化学的熱源62と、第2の化合物17が配置される第2の区域15と、の間に位置する断熱層64を備えることができる。断熱層64は、例えば、セラミック又はエアギャップを備えることができる。第1の化合物16は、第1の区域14に配置されることができる。第1の化合物16の選択的な解放を容易にするために、第1の区域14の下にある領域は、断熱材料性の層を含まない。
【0110】
[0122]ある実施形態において、熱蒸発解放機構は、第1の化合物を含むエアロゾルを生成するために、第1の化合物の最小の劣化、反応又は改質で、第1の区域から第1の化合物を解放することができる。
【0111】
[0123]ある実施形態において、装置は、電子制御回路を備えることができる。電子制御回路は、装置の起動を制御することができ、ある実施形態では、複数用量投与機能、用量の間の時間を有する。制御回路のある実施形態は、図9に概略的に例示される。図9は、コントローラ33に連結された、電源31、作動機構23、ロックアウト機構19及び解放機構18を例示する。ある実施形態において、コントローラ33は、解放機構18の起動を制御することができる。ある実施形態において、解放機構18の起動は、作動機構23及びロックアウト機構19によって決定されることができる。一定の気流速度が装置のエアウェイ12で検出されるときに、作動機構23は信号をコントローラ33へ送ることができる。ロックアウト機構19は、一定のタイマー期間が経過した後に、信号をコントローラ33へ送ることができるタイミング回路(図示せず)を含むことができる。作動機構23及びロックアウト機構19の両方から信号を受け取ったときに、コントローラ33は解放機構18を使用可能にすることができる。
【0112】
[0124]複数用量投与機能を有する装置のある実施形態において、コントローラ33によって生成された制御信号は、動くように構成された機構92を起動することができ、これも使用して、サポートを前進させるか割送りするかして、少なくとも1つの新しい第1の区域又は第1の区域の新しい部分を、エアウェイ12へ及び解放機構18へ連結する。ある実施形態において、コントローラ33は、新しい解放機構18を新しい第1の区域14へ連結することができる。例えば、コントローラ33は、異なる抵抗加熱要素を電源31へ接続することができる。ある実施形態において、解放機構18を使用可能にすることは、電源31を解放機構18へ電気的に接続することを含むことができるか、又は、ある実施形態では、機械的解放機構を有することが、機械的停止を係合解除することができる。
【0113】
[0125]装置が携帯使用であってもよいある実施形態において、制御回路を装置のハウジング内に組み込むことができる。ある実施形態において、制御回路の一定のサブシステムは、装置内に位置することができ、他のサブシステムは装置の外部に位置することができる。例えば、電源、コントローラ及びロックアウト機構は、ハウジングの外部にあることができ、一方、解放機構及び作動機構は、装置のハウジング内に位置することができる。携帯操作のために、電源は、使い捨て電池等の一次電池か又は再充電可能な電池等の二次電池を備えることができる。ある実施形態において、一定のサブシステムはハウジングの外部に位置することができ、電子制御回路は、外部及び内部のサブシステムを電気的に接続するために、ケーブル等の手段を備えることができる。
【0114】
[0126]ある実施形態において、エアウェイは、作動機構を含むことができる。作動機構は、エアウェイ内に位置決めされることができ、コントローラに連結されることができる。作動機構は、一定の気流速度がエアウェイで検出されるときに、制御回路を起動することができる。ある実施形態において、作動機構が起動されないときには、コントローラは、例えば、電源と解放機構との間の電気接続を防止することによって、解放機構の起動を防止することができ、それによって第1の化合物の解放を防止する。作動機構が起動される気流速度は、予め制定された閾値気流速度に設定されることができる。ある実施形態において、予め制定された閾値は、少なくとも1m/秒でありうる。予め制定された閾値気流速度は、第1の化合物を第1の区域から解放するのに続いて第1の化合物を含むエアロゾルが形成されるのを確実にするように、設定することができる。ある実施形態において、作動機構は、エアウェイの気流速度を電気又は機械信号に変換するか又は転換することができるいずれの適切なセンサ、例えば、サーミスタ又は圧力トランスデューサ等であってもよい。
【0115】
[0127]ある実施形態において、作動機構は、機械スイッチを備えることができる。例えば、図2に概略的に例示されるように、機械スイッチ40は、カートリッジ28及び29がエアウェイ12へ向けて手で平行移動されるときに、弁を開いて第1の化合物16をエアウェイ12内に解放することができるように、装置のハウジング11内に位置することができる。
【0116】
[0128]ある実施形態において、及び、特に、複数用量投与機能を備える実施形態において、コントローラは、ロックアウト機構を備えることができる。ロックアウト機構の目的は、繰り返し用量投与することによって第1の化合物を濫用するのを防止するか又は濫用する可能性を最小限にすることであってもよい。ある実施形態において、ロックアウト機構は、先行する起動に続く一定の時間期間の間、解放機構の再起動を防止することができる。ある実施形態において、ロックアウト機構は、タイミング回路を備えることができる。制御及びタイミング回路は、マイクロコントローラ又はアナログ及びデジタルロジックの組み合わせを使用して、実践することができる。ある実施形態において、用量の送出に続いて、制御回路は、スイッチを使用不可にすることができ、電源を解放機構へ電気接続するのを防止し、それによって第1の化合物の解放を防止する。一定の時間期間後、例えばタイミング回路によって決定されたように、コントローラは、スイッチを起動することができ、電源を解放機構へ接続し、それによって第1の化合物の解放を可能にする。ある実施形態において、遅延期間は、分、時間又は日であってもよい。ある実施形態において、装置の繰り返される起動の間の適切な時間は、少なくとも部分的には、治療される疾病、状態又は障害の重度及び徴候、投与されている製薬化合物の効力、投与されている製薬化合物の治療効果の持続時間、患者の生理的状態等によって決定されることができる。ある実施形態において、ロックアウト機構のタイミングサイクルは、製造時に、又は、治療を監督する医者によって、設定されることができる。
【0117】
[0129]ある実施形態において、ロックアウト機構は、第1の化合物の繰り返される送出の間に、簡単な固定された持続時間を課すことができる。そのような実施形態において、第1の化合物の繰り返される送出の間の持続時間は、1、3、5、10、15、20、30、45又は60分であってもよく、ある実施形態では、1.5、2、3、4、6、8、12又は24時間であってもよく、ある実施形態では、2日から7日の範囲であってもよい。ある実施形態において、第1の化合物はオピオイド作動薬を備え、ロックアウトインターバルは、例えば、3分〜60分の範囲であってもよい。ある実施形態において、ロックアウト機構は、個々の連続用量の間の時間インターバルを制御せずに、例えば、30分当たり3用量又は1日当たり8用量等の一定の時間期間内に、第1の化合物の固定された数の用量を送出するのを可能にすることができる。
【0118】
[0130]ある実施形態において、ロックアウト機構は、連続用量の間の時間インターバル、及び、一定の時間期間内の用量の数の両方を制御することができる。例えば、第1の化合物がオピオイド鎮痛薬、フェンタニルを含むある実施形態において、ロックアウト戦略は、連続用量の間に2分〜6分の範囲の時間インターバルを課すことができ、30分〜4時間の範囲の時間期間内に2から8用量を超える送出を防止する。ある実施形態において、例えば第1の化合物はフェンタニルを備え、ロックアウト戦略は、連続用量の間に4分の時間インターバルを課すことができ、1時間当たり4用量を超える送出を防止する。ある実施形態において、ロックアウト機構は、連続用量の間に固定時間インターバル、1固定時間インターバル当たりの用量の最大固定数、及び、より長い固定時間インターバル当たりの用量のより大きな最大固定数を課すことができる。例えば、ある実施形態において、ロックアウト機構は、連続用量の間に3分の固定時間インターバルを課すことができ、30分の期間内に最大3用量、24時間の期間内に最大24用量を備える。
【0119】
[0131]ある実施形態において、第1の化合物の解放中に、第1の化合物が配置される第1の区域を備えるサポートの少なくとも一部が、エアウェイに連結されることができる。サポートをエアウェイに連結することは、サポートのすべて又は一部をエアウェイ内に挿入することを備えることができる。ある実施形態において、サポートは、解放機構が第1の化合物をエアウェイ内に注入することができるように、エアウェイに隣接して位置することができる。そのような実施形態において、サポートは、ハウジングの開口を通って、又は、サポートの開口を通って、エアウェイに連結されることができる。ある実施形態において、ハウジングの開口は弁を含むことができる。例えば、図1に示されるように、サポート13は、エアウェイ12内に完全に配置されることができるか、又は、図2に示されるように、容器28及び29を備えるサポートをエアウェイ12に隣接して配置し、弁42を通ってエアウェイ12に連結することができる。
【0120】
[0132]ある実施形態において、サポートを動かして、追加の第1の区域又は第1の区域の他の部分をエアウェイに及び/又は解放機構に連結することができる。そのような実施形態は、例えば、図3及び図4に例示されるように、サポートを動かす機構を含むことができ、動くように構成された機構は、それぞれ、回転機器及びリールトゥリールアセンブリを備える。
【0121】
[0133]ある実施形態において、装置は、エアウェイを通る気流率及び/又はエアウェイ内の気流速度を生成するか又は増大する機構を備えることができる。エアウェイを通る気流率及び/又はエアウェイ内の気流速度を生成するか又は増大するための機構は、例えば、加圧された気体源及び圧縮可能な容器を含むことができる。
【0122】
[0134]ある実施形態は、第1の化合物が配置される少なくとも1つの第1の区域と第2の化合物が配置される少なくとも1つの第2の区域とを提供するステップであって、第2の化合物は第1の化合物の薬理効果を中和することができるステップと、少なくとも1つの第1の区域の少なくとも一部上に気流を提供するステップと、少なくとも1つの第1の区域の少なくとも一部から気流内に第1の化合物を解放するステップと、を備え、第1の化合物は気流にエアロゾルを形成する、第1の化合物のエアロゾルを生成する方法を含む。
【0123】
[0135]ある実施形態は、エアロゾルを生成する装置及び方法によって生成されたエアロゾルを吸入することを備える、患者へ第1の化合物の治療効果量を投与する方法を含む。
【0124】
[0136]ある実施形態は、少なくとも1つの第1の化合物の治療効果量を備えるエアロゾルを患者へ投与することを備えるような治療が必要である患者の疾病を治療する装置及び方法を含み、エアロゾルは、エアロゾルを生成する装置及び方法によって生成される。少なくとも1つの製薬化合物を患者の気道へ投与するのを可能にすることによって、エアロゾルを生成する装置及び方法は、例えば、喘息、アナフィラキシー、疼痛、急性パニック発作、急性不安、睡眠誘導、及び、吐き気、嘔吐、パーキンソン病、鬱、及び、注意欠陥多動性障害等の、速やかな治療有効性が有利である疾病、状態又は障害の治療に適切でありえる。
【0125】
[0137]ある実施形態において、装置及び方法は、肺内送出のために及び第1の化合物を体循環内に速やかに吸収するために、第1の化合物のエアロゾルを生成する。第1の化合物を装置のエアウェイ内に解放するのに続いて、第1の化合物は、気流と結合することができ、第1の化合物を含むエアロゾルを形成する。ある実施形態において、部分的に第1の化合物の形態に及び使用される特定の解放機構に依存して、第1の化合物は、微粒子として、液滴として、又は、蒸気として、気流内に注入されることができる。
【0126】
[0138]第1の化合物を投与するために、エアロゾルを備える第1の化合物の微粒子の寸法は、肺内送出に適切な範囲内でありうる。1μm〜3μmの範囲の、及び、0.01μm〜0.10μmの範囲の空気動力学的粒径(「MMAD」)を有する粒子が、製薬化合物の肺内送出に適切であると認識される。1μm〜3μmの範囲のMMADによって特徴づけられるエアロゾル粒子は、重力沈降を通して肺胞壁に付着することができ、体循環内に吸収されることができ、一方、0.01μm〜0.1μmの範囲のMMADによって特徴づけられるエアロゾル粒子もまた、拡散によって肺胞壁を通って吸収されることができる。0.10μm〜1μmの範囲のMMADによって特徴づけられる粒子は、発散されることが多い。したがって、ある実施形態において、エアロゾルを生成する装置及び方法を使用して生成されたエアロゾルは、0.01μm〜5μmの範囲のMMAD、ある実施形態では0.05μm〜3μmの範囲のMMAD、及び、ある実施形態では1μm〜3μmの範囲のMMAD、を有する粒子を備えることができる。ある実施形態において、製薬化合物の肺内送出に適切なエアロゾルは、対数正規粒子サイズ分布の幾何標準偏差によって、さらに特徴づけることができる。ある実施形態において、エアロゾルを生成する装置及び方法を使用して生成されたエアロゾルは、3未満の、ある実施形態では2、5未満の、及び、ある実施形態では2未満の、対数正規粒子サイズ分布の幾何標準偏差を備える。
【0127】
[0139]ある実施形態において、気流速度、解放機構、及び、第1の区域に配置された第1の化合物の物理的形態等の要因を選択して、1μm〜5μmの範囲のMMAD、及び、ある実施形態では0.01μm〜0.1μmの範囲のMMAD、によって特徴づけられた粒子を備えるエアロゾルを生成することができる。例えば、10μm未満の厚さを有する第1の化合物の薄膜を500ミリ秒以内に200°Cから600°Cの範囲の温度へ加熱して、少なくとも1m/秒の速度を有する気流内に第1の化合物を熱蒸発させることによって、第1の化合物の肺内投与に適切な範囲のMMADによって特徴づけられた粒子を備えるエアロゾルを生成することができる。
【0128】
[0140]製薬化合物の肺内送出用のエアロゾルのさらなる特徴は、エアロゾルを備える製薬化合物の純度である。ある実施形態において、エアロゾルは、主に、第1の化合物及び周囲空気を備えることができる。一定の状態下で、第1の化合物は、添加中に、保管及び輸送中に、又は、解放中に、劣化するか、反応するか、又は、他のように改質されることができる。ある実施形態において、エアロゾルを生成する装置及び方法を使用して形成されたエアロゾルは、質量で90%を超える第1の化合物を含み、他の実施形態では、質量で95%を超える第1の化合物を含む。ある実施形態において、エアロゾルを形成するために解放された第1の化合物の質量で10%未満が、第1の区域からの解放中に、劣化するか反応するか又は改質され、他の実施形態では、エアロゾルを形成するために解放された第1の化合物の質量で5%未満が、第1の区域からの解放中に、劣化するか反応するか又は改質される。
【0129】
[0141]ある実施形態において、先に記載した熱蒸発状態は、質量で10%未満の第1の化合物が解放中に劣化するエアロゾルを生成することもでき、ある実施形態では、質量で5%未満の第1の化合物が解放中に劣化する。
【0130】
[0142]ある実施形態は、エアロゾルを生成する装置及び方法によって生成された第1の化合物を含むエアロゾルを含む。ある実施形態において、エアロゾルは、2つ以上の第1の化合物を含むことができ、さらなる製薬的に容認可能な化合物を含むことができる。
【0131】
[0143]他の実施形態は、ここに開示されたように本発明の実施形態による装置及び方法の明細書及び実践を考慮して、当業者には明らかである。明細書及び例は、模範のみとしてみなされると意図され、本発明の実施形態による装置及び方法の真の範囲及び精神は、下記の特許請求の範囲によって示されている。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】ある実施形態による装置の概略図である。
【図2】ある実施形態による装置の概略図である。
【図3】ある実施形態による装置の概略図である。
【図4】ある実施形態による装置の概略図である。
【図5A】ある実施形態によるサポートの概略図である。
【図5B】ある実施形態によるサポートの概略図である。
【図6A】ある実施形態によるサポートの概略図である。
【図6B】ある実施形態によるサポートの概略図である。
【図7A】ある実施形態による第1及び第2の区域を備えるサポートの概略図である。
【図7B】ある実施形態による第1及び第2の区域を備えるサポートの概略図である。
【図7C】ある実施形態による第1及び第2の区域を備えるサポートの概略図である。
【図8】ある実施形態によるサポートの概略図である。
【図9】ある実施形態による制御回路の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアウェイを画成するハウジングと、
前記エアウェイへ連結するように構成され第1の区域及び第2の区域から選択された少なくとも1つの区域を備える少なくとも1つのサポートであって、第1の化合物が前記第1の区域に配置され且つ第2の化合物が前記第2の区域に配置され、前記第2の化合物が前記第1の化合物の薬理効果を中和することができるサポートと、
前記サポートに連結された前記エアウェイ内に前記第1の化合物を解放するように構成された機構と、
を備える装置であって、
少なくとも1つの第1の区域と少なくとも1つの第2の区域とを備える装置。
【請求項2】
前記解放機構が、前記第2の化合物を前記エアウェイ内に解放しない、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の化合物を含むエアロゾルが、前記第1の化合物が前記エアウェイ内に解放されるときに、形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記装置が、2つ以上のエアウェイを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記サポートが、2つ以上のサポートを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記サポートが、2つ以上の第1の区域を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記サポートが、2つ以上の第2の区域を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記サポートが、2つ以上の第1の区域及び2つ以上の第2の区域を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記2つ以上の第1の区域が、前記2つ以上の第2の区域の中に空間的に散在する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの第1の区域及び前記少なくとも1つの第2の区域が、異なるサポートに配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの第1の区域及び前記少なくとも1つの第2の区域が、同一のサポートに配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の区域に配置された前記第1の化合物及び前記第2の区域に配置された前記第2の化合物が、目による観察では見分けがつかない、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第1の区域及び前記少なくとも1つの第2の区域が、位置的に弁別可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記解放するように構成された機構が、前記第1の化合物を単一の第1の区域から前記エアウェイ内に解放する、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記解放するように構成された機構が、前記第1の化合物を2つ以上の第1の区域から前記エアウェイ内に解放する、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記解放するように構成された機構が、熱機構、機械的機構及び音響機構から選択される、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記熱機構が、前記第1の区域を周囲温度から500ミリ秒以内に200°Cから600°Cの範囲の温度へ加熱する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記熱機構が、抵抗加熱、光学的加熱、及び、化学的加熱から選択される、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
電源及びコントローラをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記コントローラが、前記解放するように構成された機構のその後の作動の間の時間インターバルを制御する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記コントローラが、前記解放するように構成された機構によって解放された第1の化合物の量を制御する、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記コントローラが、患者によって調整可能である、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
作動機構をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
ロックアウト機構をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項25】
エアウェイを画成するハウジングと、
前記エアウェイへ連結するように構成され少なくとも1つの第1の区域及び少なくとも1つの第2の区域を備えるサポートであって、第1の化合物が前記少なくとも1つの第1の区域に配置され且つ第2の化合物が前記少なくとも1つの第2の区域に配置され、前記第2の化合物が前記第1の化合物の薬理効果を中和することができるサポートと、
前記少なくとも1つの第1の区域に配置された前記第1の化合物を前記エアウェイ内に解放するように構成された機構と、
を備える装置。
【請求項26】
前記サポートが、2つ以上の第1の区域を備える、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記サポートが、2つ以上の第2の区域を備える、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
エアウェイを画成するハウジングと、
前記エアウェイへ連結するように構成され少なくとも1つの第1の区域及び少なくとも1つの第2の区域を備える2つ以上のサポートであって、第1の化合物が前記少なくとも1つの第1の区域に配置され且つ第2の化合物が前記少なくとも1つの第2の区域に配置され、前記第2の化合物が前記第1の化合物の薬理効果を中和することができる2つ以上のサポートと、
前記少なくとも1つの第1の区域に配置された前記第1の化合物を前記エアウェイ内に解放するように構成された機構と、
を備える装置。
【請求項29】
前記2つ以上のサポートが、2つ以上の第1の区域及び2つ以上の第2の区域を備える、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
エアウェイを画成するハウジングと、
前記エアウェイへ連結するように構成され少なくとも1つの第1の区域を備える第1のサポートであって、第1の化合物が前記少なくとも1つの第1の区域に配置される第1のサポートと、
少なくとも1つの第2の区域を備える第2のサポートであって、第2の化合物が前記少なくとも1つの第2の区域に配置され、前記第2の化合物が前記第1の化合物の薬理効果を中和することができる第2のサポートと、
前記第1の化合物を前記エアウェイ内に解放するように構成された機構と、
を備える装置。
【請求項31】
前記第1のサポートが、2つ以上の第1の区域を備える、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記第2のサポートが、2つ以上の第2の区域を備える、請求項30に記載の装置。
【請求項33】
エアウェイを画成するハウジングと、
前記エアウェイへ連結するように構成され少なくとも1つの第1の区域を備える2つ以上の第1のサポートであって、第1の化合物が前記少なくとも1つの第1の区域に配置される2つ以上の第1のサポートと、
少なくとも1つの第2の区域を備える2つ以上の第2のサポートであって、第2の化合物が前記少なくとも1つの第2の区域に配置され、前記第2の化合物が前記第1の化合物の薬理効果を中和することができる2つ以上の第2のサポートと、
前記第1の化合物を前記エアウェイ内に解放するように構成された機構と、
を備える装置。
【請求項34】
前記第1のサポートが、2つ以上の第1の区域を備える、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記第2のサポートが、2つ以上の第2の区域を備える、請求項33に記載の装置。
【請求項36】
エアウェイを画成するハウジングと、
前記エアウェイへ連結するように構成され2つ以上の第1の区域及び1つの第2の区域を備えるサポートであって、第1の化合物が前記2つ以上の第1の区域に配置され且つ第2の化合物が前記第2の区域に配置され、前記第2の化合物が前記第1の化合物の薬理効果を中和することができるサポートと、
前記少なくとも1つの第1の区域に配置された前記第1の化合物を前記エアウェイ内に熱蒸発するように構成された機構と、
を備える装置。
【請求項37】
前記第1の化合物を含むエアロゾルが、前記第1の化合物が前記エアウェイ内に熱蒸発されるときに、形成される、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記エアロゾルが、前記第2の化合物を備えていない、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記エアロゾルが、前記第1の化合物の治療効果量を備える、請求項37に記載の装置。
【請求項40】
前記エアロゾルが、1μm〜3μmの範囲の平均空気動力学的粒径を呈する、請求項37に記載の装置。
【請求項41】
前記エアロゾルが、3未満の対数正規粒子サイズ分布の幾何標準偏差を呈する、請求項40に記載の装置。
【請求項42】
前記少なくとも1つの第1の区域の少なくとも一部が、前記エアウェイ内に配置される、請求項36に記載の装置。
【請求項43】
前記サポートが、熱伝導性である、請求項36に記載の装置。
【請求項44】
前記サポートが、ステンレス鋼を備える、請求項36に記載の装置。
【請求項45】
前記サポートが、複数層を備える、請求項36に記載の装置。
【請求項46】
前記サポートが、金属箔、金属板、金属シェル及び金属ディスクの少なくとも1つを備える、請求項36に記載の装置。
【請求項47】
前記第1の区域が、熱伝導性材料を備える、請求項36に記載の装置。
【請求項48】
前記第1の化合物が、製薬化合物を含む、請求項36に記載の装置。
【請求項49】
前記第1の化合物が、オピオイド鎮痛薬を含む、請求項36に記載の装置。
【請求項50】
前記オピオイド鎮痛薬化合物が、下記のフェンタニル、サフェンタニル、レミフェンタニル、モルヒネ、ヒドロモルホン、オキシモルホン、コデイン、ヒドロコドン、オキシコドン、メペリジン、メタドン、ナルブフィン、ブプレノルフィン、及び、ブオルファノールの少なくとも1つから選択される、請求項49に記載の装置。
【請求項51】
前記第2の化合物が、オピオイド鎮痛薬のアンタゴニストを含む、請求項36に記載の装置。
【請求項52】
前記第1の化合物が少なくともフェンタニルを含み、前記第2の化合物が少なくとも1つのフェンタニルアンタゴニスト化合物を含む、請求項36に記載の装置。
【請求項53】
前記少なくとも1つのフェンタニルアンタゴニスト化合物が、ナロキソン及びナルトレキソンから選択される、請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記第1の化合物が、薄膜を備える、請求項36に記載の装置。
【請求項55】
前記薄膜の厚さが、20μm未満である、請求項54に記載の装置。
【請求項56】
前記第1の化合物が、濫用可能物質を含む、請求項36に記載の装置。
【請求項57】
前記第1の区域が、前記第1の化合物の解放を容易にする特性を呈する、請求項36に記載の装置。
【請求項58】
前記特性が、下記の熱特性、光学的特性、電気的特性、物理的特性及び機械的特性の少なくとも1つから選択される、請求項57に記載の装置。
【請求項59】
前記第2の化合物が、前記第1の化合物が解放される状態下で前記第2の化合物の解放を抑制する特性を呈する、請求項36に記載の装置。
【請求項60】
前記特性が、下記の熱特性、光学的特性、電気的特性、物理的特性及び機械的特性の少なくとも1つから選択される、請求項59に記載の装置。
【請求項61】
前記第1の化合物の5%未満が熱蒸発中に劣化する、請求項36に記載の装置。
【請求項62】
電源及びコントローラをさらに備える、請求項36に記載の装置。
【請求項63】
前記コントローラが、前記解放するように構成された機構のその後の作動の間の時間インターバルを制御する、請求項62に記載の装置。
【請求項64】
前記コントローラが、前記解放するように構成された機構によって解放された第1の化合物の量を制御する、請求項62に記載の装置。
【請求項65】
前記装置の単一の作動において解放される第1の化合物の量が、患者によって調整可能である、請求項62に記載の装置。
【請求項66】
作動機構をさらに備える、請求項36に記載の装置。
【請求項67】
前記作動機構が、気流センサを備える、請求項66に記載の装置。
【請求項68】
前記作動機構が、前記エアウェイを通る気流の速度が予め制定された閾値を超えるときに、起動される、請求項67に記載の装置。
【請求項69】
前記予め制定された閾値が、少なくとも1m/秒である、請求項68に記載の装置。
【請求項70】
ロックアウト機構をさらに備える、請求項36に記載の装置。
【請求項71】
前記ロックアウト機構が、熱蒸発するように構成された機構の連続する作動の間の時間インターバルを制御する、請求項70に記載の装置。
【請求項72】
前記熱蒸発するように構成された機構が、抵抗加熱、光学的加熱、及び、化学的加熱から選択される、請求項36に記載の装置。
【請求項73】
気流が、患者による吸入時に前記エアウェイを通って生成される、請求項36に記載の装置。
【請求項74】
前記エアウェイに作用的に接続された少なくとも1つの気流制御弁をさらに備える、請求項36に記載の装置。
【請求項75】
前記少なくとも1つの気流制御弁が、前記エアウェイを通る気流率を10L/分〜120L/分の範囲であるように維持するように構成される、請求項74に記載の装置。
【請求項76】
前記サポートを動かすように構成された機構をさらに備える、請求項36に記載の装置。
【請求項77】
第1の化合物のエアロゾルを生成する方法であって、
第1の化合物が配置される少なくとも1つの第1の区域と第2の化合物が配置される少なくとも1つの第2の区域とを提供するステップであって、前記第2の化合物が前記第1の化合物の薬理効果を中和することができるステップと、
前記少なくとも1つの第1の区域の少なくとも一部上に気流を提供するステップと、
前記少なくとも1つの第1の区域の少なくとも一部から前記第1の化合物を前記気流内に解放するステップと、
を備え、
前記第1の化合物が前記気流にエアロゾルを形成する、方法。
【請求項78】
所定の装置によって生成されたエアロゾルを吸入するステップを備える、第1の化合物の治療効果量を患者へ投与する方法であって、
前記装置が、
エアウェイを画成するハウジングと、
前記エアウェイへ連結するように構成され第1の区域及び第2の区域から選択された少なくとも1つの区域を備える少なくとも1つのサポートであって、第1の化合物が前記第1の区域に配置され且つ第2の化合物が前記第2の区域に配置され、前記第2の化合物が前記第1の化合物の薬理効果を中和することができる少なくとも1つのサポートと、
前記エアウェイ内に前記第1の化合物の少なくとも一部を解放するように構成された機構と、
を備え、少なくとも1つの第1の区域と少なくとも1つの第2の区域とを備えるものとなっている、方法。
【請求項79】
エアロゾルを吸入するステップを備える、少なくとも1つの第1の化合物の治療効果量を患者へ投与する方法であって、
前記エアロゾルが、
第1の化合物が配置される少なくとも1つの第1の区域と第2の化合物が配置される少なくとも1つの第2の区域とを提供するステップであって、前記第2の化合物が前記第1の化合物の薬理効果を中和することができるステップと、
前記少なくとも1つの第1の区域の少なくとも一部上に気流を提供するステップと、
前記少なくとも1つの第1の区域の少なくとも一部から前記第1の化合物を前記気流内に解放するステップと、
を備える方法であり、前記第1の化合物が前記気流にエアロゾルを形成するという方法を使用して、生成される、方法。
【請求項80】
治療を必要とする患者の疾病を治療する方法であって、
少なくとも1つの第1の化合物の治療効果量を備えるエアロゾルを患者へ投与するステップを備え、
前記エアロゾルが所定の装置により生成され、
前記装置が、
エアウェイを画成するハウジングと、
前記エアウェイへ連結するように構成され第1の区域及び第2の区域から選択された少なくとも1つの区域を備える少なくとも1つのサポートであって、第1の化合物が前記第1の区域に配置され且つ第2の化合物が前記第2の区域に配置され、前記第2の化合物が前記第1の化合物の薬理効果を中和することができる少なくとも1つのサポートと、
前記エアウェイ内に前記第1の化合物を解放するように構成された機構と、
を備え、少なくとも1つの第1の区域と少なくとも1つの第2の区域とを備えるものである、方法。
【請求項81】
少なくとも1つの第1の化合物の治療効果量を備えるエアロゾルを患者へ投与するステップを備える、治療を必要とする患者の疾病を治療する方法であって、
前記エアロゾルが、
第1の化合物が配置される少なくとも1つの第1の区域と第2の化合物が配置される少なくとも1つの第2の区域とを提供するステップであって、前記第2の化合物が前記第1の化合物の薬理効果を中和することができるステップと、
前記少なくとも1つの第1の区域の少なくとも一部上に気流を提供するステップと、
前記少なくとも1つの第1の区域の少なくとも一部から前記第1の化合物を前記気流内に解放するステップと、
を備える方法であり、前記第1の化合物が前記気流にエアロゾルを形成するという方法によって、生成される、方法。
【請求項82】
エアウェイを画成するハウジングと、
前記エアウェイへ連結するように構成され第1の区域及び第2の区域から選択された少なくとも1つの区域を備える少なくとも1つのサポートであって、第1の化合物が前記第1の区域に配置され且つ第2の化合物が前記第2の区域に配置され、前記第2の化合物が前記第1の化合物の薬理効果を中和することができる少なくとも1つのサポートと、
前記エアウェイ内に前記第1の化合物を解放するように構成された機構と、
を備える装置であって、少なくとも1つの第1の区域と少なくとも1つの第2の区域とを備える装置を使用して、生成されたエアロゾル。
【請求項83】
第1の化合物が配置される少なくとも1つの第1の区域と第2の化合物が配置される少なくとも1つの第2の区域とを提供するステップであって、前記第2の化合物が前記第1の化合物の薬理効果を中和することができるステップと、
前記少なくとも1つの第1の区域の少なくとも一部上に気流を提供するステップと、
前記少なくとも1つの第1の区域の少なくとも一部から前記第1の化合物を前記気流内に解放するステップと、
を備える方法であり、前記第1の化合物が前記気流にエアロゾルを形成する方法によって、生成されたエアロゾル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2007−526796(P2007−526796A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545672(P2006−545672)
【出願日】平成16年11月23日(2004.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/039233
【国際公開番号】WO2005/061033
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(503412296)アレックザ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (15)
【Fターム(参考)】