説明

薬剤容器

本発明は、液体薬剤用の薬剤容器に関し、薬剤容器(1)は排出口(4)を備えた可撓性バッグ(2)を含み、バッグ(2)は組みひも(3)で取り囲まれ、縦方向(L)に引っ張られたとき、伸びて、狭窄するように配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体薬剤用の薬剤容器に関し、薬剤は排出口を備えたバッグを含む。
【背景技術】
【0002】
多くの薬剤は、体内へ注射される必要がある。これは、特に、経口投与により、非活性化され、又は効率が著しく低下する薬剤、例えば、蛋白質(インスリン、成長ホルモン、インターフェロンなど)、炭水化物(例えば、ヘパリン)、抗体及び多数のワクチンに適用される。そのような薬剤は、主として、注射器、薬剤ペン又は薬剤ポンプにより注射される。
【0003】
いくつかの薬剤は、それらをいわゆる吸入器から吸入することにより投与する必要がある。
【0004】
特許文献1は吸入器を開示し、ここで吸入される薬剤はバッグ形状をした薬剤容器に貯蔵されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO第2009/069518号A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、改良された薬剤容器を提供することである。
【0007】
目的は、請求項1に記載の薬剤容器により達成される。
【0008】
本発明の好ましい実施態様は、従属項で与えられる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に記載の液体薬剤用の薬剤容器は、排出口を備えた可撓性バッグを含む。バッグは組みひもで取り囲まれ、縦方向に牽引されたとき、伸びて、狭窄するように配置される。同様の円筒状組みひもは、いわゆるチャイニーズ・フィンガー・トラップ(Chinese finger traps)として、又は網目構造からなる伸長スリーブとして公知であり、それらは、間節近接の橈骨骨折(juxta articular radius fracture)を整復するとき、又は手関節の関節鏡検査を準備するとき、指又はつま先を固定するために使用される。そのような組みひもは、編み合されたワイヤ、繊維、又は竹ひもですらも含み得る。円筒状の組みひもの狭窄により、バッグは圧縮され、そして内側に貯蔵された液体薬剤は移動し、それにより排出口を経由して送達される。本発明のデザインは、ピストンロッドのような移動機構を除外し、その結果、摩擦を避けることが可能となる。部品数が少ないことより、薬剤容器は容易に製造できる。本発明の薬剤容器は、アンプルと比較して軽量なデザインである。円筒状組みひもは、バッグの表面全体に均一な圧縮をかける。排出口は、通常、ある種のボトルネックを示し、特に、バルブ、及び/又は、注射ニードルを備えているときにそうであるので、バッグの圧縮は、バッグ内側に内部圧力をもたらすことになる。バッグの全部分は、狭窄した円筒形状の組みひもにより支持されるので、バッグは内部圧力による局部的な膨張を避け、その結果、組みひもの牽引を止めた後の膨張部分の緩和に基づく遅れた液だれを避けることができる。更にその上、局部的な膨張なしで、投与は改良された精度で実施し得る。それにより、薬剤の投与は、引っ張られた組みひもの末端の走行(travel)により決定される。主体(actor)として機能する円筒状の組みひもは、通常の注射器におけるストッパとは対照的に、液体薬剤又は活性成分とは接触しない。本発明のデザインは、その簡単な構成によりエラーが発生し難い。
【0010】
円筒状の組みひもの狭窄が限定されるので、完全に組みひもを伸ばした後、バッグ内にデッドボリュームが残るかもしれない。デッドボリュームを避けるために、バッグは、内側に配置された、例えば、バッグの縦軸方向に配置された剛体コアを含んでもよい。好ましくは、剛体コアの外径は、本質的に、組みひもが最大に伸ばされたとき、円筒状組みひもの最小内径と等しい。これは、特に、高価な薬剤で重要となる内側に残された薬剤の残留量をほとんど無くすることにより、バッグを空にすることを可能にする。
【0011】
バッグは円筒状組みひも内に位置してもよく、又は円筒状組みひもは、製造中、バッグ内に組み込まれてもよい。
【0012】
排出口は、中空注射ニードル又はニードルの配列を受け入れるためのインタフェースを含む。あるいは、ニードルは薬剤容器と一体化できる。
【0013】
組みひもが引っ張られる端部と反対側の円筒状の組みひもの一端が、牽引運動に対して作用する反作用力に対して支持するために、排出口、注射ニードル及びハウジングの一つに取り付けられ得る。
【0014】
薬剤容器は、液体薬剤をヒト又は動物に対して送達するための注射配置(injection arrangement)又は吸入配置の一部であり得る。
【0015】
注射配置は、バルブ及び患者皮膚に穿刺するための中空ニードルを含んでもよく、バルブ及びニードルは薬剤容器の排出口に配置される。ジェット注射器の場合、ニードルの代わりに、ジェットノズルを配置してもよい。
【0016】
注射容器は、好ましくは、鎮痛剤、抗凝固剤、インスリン、インスリン誘導体、ヘパリン、ロベノックス、ワクチン、成長ホルモン、ペプチドホルモン、蛋白質、抗体、及び複合糖質の内一つを送達するために使用できる。
【0017】
本発明の適用性の更なる範囲は、以下に与えられた詳細な説明から明白になるであろう。しかし、詳細な説明及び具体的な実例は、一方で本発明の好ましい実施態様を提示するが、説明のためにのみ与えられる。なぜならば本発明の精神及び範囲内での様々な変更及び改変はこの詳細な説明より、当業者には明白であることは当然である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、以下の本明細書で与えられた詳細な説明、及び説明のためにのみ与えられ、従って本発明を限定するものではない添付の図面から完全に理解されるであろう:
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】組みひもで取り囲まれた可撓性バッグを有する薬剤容器であり、バッグは中空注射ニードルに連結する排出口を有する。
【図2】図1の薬剤容器であり、バッグは牽引により圧縮され、その結果、組みひもを伸長し、狭窄する。
【0020】
対応する部分は、全ての図において同一参照記号で記される。
【0021】
図1は、組みひも3で取り囲まれた可撓性バッグ2を有する薬剤容器1を示す。バッグ2は取付けられた中空注射ニードル5を有する先端部で排出口4を含む。 先端部は、薬剤容器1の、又は薬剤容器1がその一部であり得る注射デバイスのハウジング6で支持される
【0022】
組みひも3は、縦方向Lに引っ張られるとき、伸長し、そして狭窄するように配置される。組みひも3の先端部に対して反対側の後端部7は、例えば、フックにより、引っ張り機構に連結し得る。円筒状組みひも3を狭窄することにより、バッグ2は圧縮され、そして内部に貯蔵される液体薬剤は移動し、そしてそれにより、排出口4を通じて送達される。この状況が図2で示される。
【0023】
バッグ2は、内側に(図示されていないが)、例えば、バッグ2の縦方向Lに配置されている剛体コアを有してもよい。好ましくは、剛体コアの外径は、本質的に、組みひも3が最大に伸ばされたとき、円筒状組みひも3の最小内径と等しい。
【0024】
バッグ2は、バッグ2の製造の後、円筒状組みひも3に位置するか、又は円筒状組みひも3は、製造中バッグ2に組み込まれてもよい。
【0025】
排出口4は、中空注射ニードル5又はニードルの配列を受け入れるためにインタフェースを含んでもよい。あるいは、ニードル5は薬剤容器1と一体化してもよい。
【0026】
円筒形状の組みひも3の後端部7と反対側の先端部は、排出口4、注射ニードル5及びハウジング6の内一つに取付けられる。
【0027】
薬剤容器1は、液体薬剤をヒト又は動物に送達するための注射配置又は吸入配置の一部であってもよい。
【0028】
注射配置は、バルブ及び患者皮膚に穿刺するための中空ニードル5を含んでもよく、バルブ及びニードル5は薬剤容器1の排出口4で配置される。ジェット注射器の場合、ニードル5の代わりに、ジェットノズルを配置してもよい。
【0029】
注射容器1は、好ましくは、鎮痛剤、抗凝固剤、インスリン、インスリン誘導体、ヘパリン、ロベノックス、ワクチン、成長ホルモン、ペプチドホルモン、蛋白質、抗体、及び複合糖質の内一つを送達するために使用できる。
【0030】
本明細書で使用する用語「薬剤」は、少なくとも一つの薬学的に活性な化合物を含む薬学的製剤を意味し、
ここで一実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大で1500Daまでの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、抗体、酵素、抗体、ホルモン、又はオリゴヌクレオチド、若しくは上記の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は、関節リウマチの処置、及び/又は、予防に有用であり、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置、及び/又は、予防のため、少なくとも一つのペプチドを含み、
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも一つのヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3又はエキセンジン−4、若しくはエキセンジン−3又はエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0031】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B29位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0032】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0033】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドを意味する。
【0034】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下の化合物リスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28] エキセンジン−4(1−39);
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と結合してもよく;
【0035】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
desMet(O)14,Asp28,Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25, Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−(Lys)6−des Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2
又は前述のいずれか1つのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0036】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロパイン(ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどのRote Liste、2008年版、50章に表示されている脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらの拮抗剤である。
【0037】
多糖類としては、例えば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン、若しくはその誘導体、又はスルホン化された、例えば、上記多糖類のポリスルホン化形体、及び/又は、薬学的に許容可能なその塩がある。ポリスルホン化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0038】
薬学的に許容可能な塩は、例えば、酸付加塩、及び塩基塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na+、又は、K+、又は、Ca2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されるC1〜C6アルキル基;場合により置換されるC2〜C6アルケニル基;場合により置換されるC6〜C10アリール基、又は場合により置換されるC6〜C10ヘテロアリール基を意味する。薬学的に許容される塩の別の例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences” 17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Mark Publishing社,Easton, Pa., U.S.A.,1985 及びEncyclopedia of Pharmaceutical
Technologyに記載されている。
【0039】
薬学的に許容可能な溶媒和物としては、例えば、水和物がある。
【0040】
参照番号リスト
1:薬剤容器;
2:可撓性バッグ;
3:組みひも;
4:排出口;
5:中空注射ニードル;
6:ハウジング;
7:後端部;
L:縦軸;

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体薬剤用薬剤容器(1)であって、薬剤容器(1)は排出口(4)を備えた可撓性バッグ(2)を含み、バッグ(2)は組みひも(3)で取り囲まれ、縦方向(L)に牽引されたとき、伸長し、そして狭窄するように配置される薬剤容器(1)。
【請求項2】
剛体コアが、バッグ(2)内に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の薬剤容器(1)。
【請求項3】
剛体コアが、バッグ(2)の縦方向(L)に配置されることを特徴とする、請求項2に記載の薬剤容器(1)。
【請求項4】
剛体コアの外径が、本質的に、組ひもが最大に伸ばされたとき、組みひも(3)の最小内径に等しくなることを特徴とする、請求項3に記載の薬剤容器(1)。
【請求項5】
組みひも(3)が、バッグ(2)内に組込まれることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の薬剤容器(1)。
【請求項6】
排出口(4)が、中空注射ニードル(5)を受けるためのインタフェースを含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の薬剤容器(1)。
【請求項7】
組みひも(3)の一端が、排出口(4)、注射ニードル(5)及びハウジング(6)の内の一つに取付けられることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の薬剤容器(1)。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の薬剤容器(1)を含む液体薬剤を送達するための注射配置。
【請求項9】
バルブ、及び患者皮膚に穿刺するための中空ニードル(5)が排出口(4)に配置されることを特徴とする、請求項8に記載の注射配置。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の薬剤容器(1)を含む液体薬剤を送達するための吸入配置。
【請求項11】
鎮痛剤、抗凝固剤、インスリン、インスリン誘導体、ヘパリン、ロベノックス、ワクチン、成長ホルモン、ペプチドホルモン、蛋白質、抗体、及び複合糖質の内一つを送達するための請求項1〜7のいずれか1項に記載の薬剤容器(1)の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−502952(P2013−502952A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526019(P2012−526019)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【国際出願番号】PCT/EP2010/062154
【国際公開番号】WO2011/023632
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(397056695)サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (456)
【Fターム(参考)】