説明

蛍光測定装置

【課題】 基板からの自家蛍光や励起光の受光フィルターからの漏れ光による検出感度の低下の問題をなくし、測定試料を高感度に検出可能となる、蛍光測定装置を提供する。
【解決手段】 励起光55によって発生した試料からの蛍光56は基板57、受光フィルター53を透過し、基板57に対し励起光照射側と反対側に配置した受光部54(フォトンカウンター)で発光量をカウントされ、検出される。また、蛍光励起に使われなかった励起光成分は、誘電多層膜58で反射される。検出された蛍光信号データは外部メモリ60に格納され、さらに出力機器61で出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料が発する蛍光を測定する技術に関し、より詳細には、励起光を照射された試料を支持する基板の自家蛍光を低減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、核酸、タンパク質、酵素等の生体分子を検出する手法として、蛍光反応を利用する蛍光測定法が採用されてきた。既存の光源や受光素子等の光学部品を組み合わせて、ラジオアイソトープを使わず安全、安価に生体分子の測定が可能であることから、蛍光測定法は酵素免疫測定、電気泳動、共焦点走査型蛍光顕微鏡法など様々な生体分子の検出に応用されている。
【0003】
蛍光測定法は、励起光を照射することで試料から発せられる蛍光信号を検出する方法である。例えばFITC(Fluorescein isothiocyanate)は、波長495nmの励起光に対して波長520nmの蛍光を発する物質である。蛍光を発する物質を検出するためには、励起波長を有する光と、蛍光波長を検出する受光部の組み合わせで測定される。これらを実用化するために、落射式と呼ばれている蛍光測定方法が知られている。これは、励起光を試料上方から照射し、励起光によって起こる蛍光反応の変化を、励起光照射側に配置した受光素子で検出するものである(例えば特許文献1、図8参照)。このように、蛍光を発する物質と、それに対応した励起光と受光素子を利用することで、様々な蛍光物質や蛍光標識した生体分子を検出できるようになる。
【0004】
蛍光測定を行う場合、試料を支持するための基板やセル、流路などの基板が用いられるが、基板の材料として、石英ガラスは紫外光に対する透過率が良いことから従来から利用されている。しかし、近年は、成型加工が容易でかつ使い捨てが可能な高分子材料が頻繁に用いられている。高分子材料は成型が容易であるが、一方で励起光による高分子材料からの自家蛍光を発しやすい特徴を有している。
【0005】
基板からの自家蛍光は蛍光波長と同一領域の波長帯を有することから、ダイクロイックミラーや受光フィルターを透過し、受光部に到達する。これにより、自家蛍光成分が蛍光測定時のバックグラウンドノイズ光となり、測定のS/N比を悪化させる。上記理由により、従来から基板からの自家蛍光の影響を低減する様々な方法が提案されている。
【0006】
例えば、特許文献2には、試料からの蛍光波長と基板からの自家蛍光波長がわずかに異なることを利用して分光測定を行い、試料からの蛍光成分と基板からの自家蛍光成分とを分離する方法が提案されている。また、特許文献3には、基板において蛍光測定部以外を遮光膜で覆うことで基板からの自家蛍光を低減する方法が提案されている。また、特許文献4には、蛍光物質を配置する基板表面に金属膜や誘電多層膜の反射膜を配置し、励起光を反射させることで基板からの自家蛍光を発生させない方法が提案されている。また、特許文献5及び特許文献6には、基板の材料自体を自家蛍光の発生しにくいものにする方法が提案されている。
【0007】
蛍光測定を電気泳動に用いる場合、落射式の蛍光測定方法が知られているが(例えば特許文献7)、前記と同様に基板からの自家蛍光発生の問題がある。そこで、特許文献8には、測定部以外を遮光部で覆い、基板である電気泳動ゲルカセットの側面から励起光を照射することで、電気泳動ゲルカセットから自家蛍光を発生させない方法が提案されている。
【0008】
これらの従来技術のように、基板からの自家蛍光の影響を低減するため、種々の方法が検討されてきた(下記特許文献参照)。
【特許文献1】特公平6−60901号公報
【特許文献2】特開2000−338035号公報
【特許文献3】特開2002−286627号公報
【特許文献4】特公平6−95073号公報
【特許文献5】特開2003−130873号公報
【特許文献6】特開2003−183425号公報
【特許文献7】特許第2624655号公報
【特許文献8】特開2004−279306号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年、微量の試料を測定し、感度良く判別する技術が求められている。このような技術の一つとして、励起光を試料に照射し、試料から発せられる光を分析する技術が知られている。そのような技術において、基板からの自家蛍光や励起光の漏れ光、散乱光等のバックグラウンドノイズ光等が問題となっており、これらの除去は、ますます重要になりつつある。
【0010】
そのような技術のうち、従来、提案されている分光測定により自家蛍光と蛍光信号を分離する方法は、自家蛍光の波長帯域と試料からの蛍光波長帯域はほぼ同一か、あるいは広く重複しているため、分光測定で両者を完全に分離することは困難である。このため、自家蛍光成分が蛍光成分に上乗せされてしまう。特に蛍光信号が小さい微量な試料の場合、蛍光成分が自家蛍光成分に埋もれてしまい、高感度な蛍光測定が困難になる課題を有している。
【0011】
また、基板において蛍光測定部以外を遮光膜で覆うことで基板からの自家蛍光を低減する方法は、蛍光試料が保持されている検出容器の底面部から自家蛍光が発生してしまう。このため、蛍光信号が小さい微量な試料を測定する場合、蛍光成分が自家蛍光成分に埋もれてしまい、高感度な検出が困難になるだけでなく、遮光膜の作製には複数の薄膜プロセスが用いられるので、作業が煩雑である課題を有している。
【0012】
また、蛍光物質を配置する基板表面に金属膜や誘電多層膜の反射膜を配置し、励起光を反射させることで基板からの自家蛍光を発生させない方法は、ダイクロイックミラーや受光フィルターが10 〜10-6 %の透過性能限界((漏れ光強度/入射光強度)×100(%))であることから、反射した励起光を完全に遮断することが難しく、励起光のフィルターからの漏れ光が検出時のノイズ成分となる。特に蛍光信号が小さい微量な試料の場合、これらのノイズ光がS/N比の悪化に与える影響は大きくなる。
【0013】
また、基板の材料自体を自家蛍光の発生しにくいものにする方法は、材料からの自家蛍光を完全に発生させなくすることは困難であり、微量の自家蛍光成分が基板から発生してしまう。特に蛍光信号が小さい微量な試料の場合、自家蛍光成分がS/N比の悪化に与える影響は大きくなる。
【0014】
また、電気泳動法における蛍光測定において、測定部以外を遮光部で覆い、電気泳動ゲルカセットの側面から励起光を照射する方法は、電気泳動ゲルカセットの側面から励起光を照射するために、ゲル全体に励起光を均一に照射することが困難であるだけでなく、励起光を電気泳動ゲルカセットの側面から照射するための複雑な光学調整が必要であり、実用的ではない。
【0015】
このように、従来から自家蛍光の影響を低減させる方法は種々提案されているが、いずれの方法も、微量な試料を検出するための性能を満足させるに至っていない。
【0016】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであって、基板からの自家蛍光や励起光の受光フィルターからの漏れ光による検出感度の低下の問題を無くし、測定試料を高感度に検出可能となる、蛍光測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記課題に鑑みて、本発明の蛍光測定装置は、励起光を照射されると蛍光を発する試料に励起光を照射し試料が発する蛍光を測定する蛍光測定装置において、励起光を反射し蛍光を透過する選択手段を備え、選択手段を透過した蛍光を測定することを特徴とする。
【0018】
さらに、選択手段が基板に形成した複数層を有するコーティング層からなることを特徴とする。
【0019】
さらに、選択手段が基板に形成した誘電多層膜からなることを特徴とする。
【0020】
さらに、選択手段が基板に形成した二酸化チタンの層と二酸化ケイ素の層とからなる。
【0021】
さらに、蛍光によって基板から発生する自家蛍光を遮断する遮断手段を備えたことを特徴とする。
【0022】
さらに、基板が高分子材料からなることを特徴とする。
【0023】
さらに、選択手段が基板に形成した平板からなる。
【0024】
さらに、選択手段が基板に形成した窪みからなる。
【0025】
さらに、選択手段が基板に形成した溝からなる。
【0026】
さらに、一方の面に励起光を反射し蛍光を透過する誘電多層膜を形成した天板と選択手段とによって試料を覆い、選択手段と誘電多層膜とで励起光を多重反射させることを特徴とする。
【0027】
さらに、基板を透過した蛍光を測定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明の蛍光測定装置は、励起光を照射することで蛍光を発生する試料を支持する基板の表面で、励起光を反射し、蛍光を透過する。これにより、従来問題となっていた励起光による基板からの自家蛍光の影響を大幅に低減することができ、高感度な測定が可能となる。
【0029】
たとえ、試料が発する蛍光によって基板から2次的な自家蛍光が発生した場合においても、自家蛍光の波長は蛍光波長よりさらに長波長領域へシフトしたものであるので、受光部の前段に蛍光波長以外の光を遮断する受光フィルターを配置することで自家蛍光を遮断可能である。
【0030】
さらに、励起光からの散乱光は、受光部の前段に励起波長を遮断する受光フィルターを配置することで遮断が可能となるので、高感度な蛍光測定が可能となる。
【0031】
また、誘電多層膜によって反射された励起光が試料を照射することで、蛍光信号が増加する利点を有する。
【0032】
さらに、基板底面以外の側面や天板面に誘電多層膜を配置することで、励起光が試料に対し複数回照射され、このことで蛍光の増幅が可能となる。
【0033】
また、基板表面から微小な励起光が漏れた場合においても、微小な漏れ光に対する自家蛍光の強度は微小であり、直接、基板に励起光を照射することにより発生する自家蛍光の強度と比較して非常に小さい。
【0034】
このように、本発明に係る蛍光測定装置は、微量な蛍光物質を高感度に測定する場合において、その効果は非常に大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
(実施の形態1)
以下に、本発明に係る蛍光測定装置の一例を図面とともに詳細に説明する。
【0036】
図1は、本発明の選択手段が平板を形成してなる蛍光測定装置の一例を示したものである。図1に示すように、基板11の表面に誘電多層膜12が配置される。誘電多層膜12上には、測定する試料が配置される。なお、図1に示す実施形態は、マイクロプレートなど従来の方法に用いてもよい。
【0037】
図2は、本発明の選択手段が溝及び窪みを形成してなる蛍光測定装置の一例を示したものである。図2に示すように、基板21表面の凹状底面に誘電多層膜22が配置される。誘電多層膜22上には、測定する試料が配置される。図2に示す実施の形態は、断面がV字状、U字状、円状の溝や窪みを形成してなるものであってもよく、また、ウェルプレートなど従来の方法に用いてもよい。また、図3に示すように基板31の側面に誘電多層膜32を配置するものであってもよい。
【0038】
誘電多層膜は、高屈折率膜と、高屈折率膜の屈折率より屈折率の小さい低屈折率膜を交互にコーティングされたものが好ましい。
【0039】
高屈折率膜は五酸化タンタル、五酸化ニオブ、五酸化チタン、二酸化チタン、二酸化ジルコニウムからなる群から選択される。
【0040】
低屈折率膜は二酸化ケイ素、フッ化材料からなる群から選択される。
【0041】
混合層は、2種類以上の材料を用いて作製される。例えば、五酸化ニオブ(屈折率2.3)と二酸化ケイ素(屈折率1.5)とを混合することで、屈折率1.9の混合層が得られる。上記混合層の場合、五酸化ニオブと二酸化ケイ素とを同時に蒸着し、それぞれの成膜速度を制御して混合比をコントロールすることによって、所望の屈折率を得ることができる。
【0042】
誘電多層膜の形成は真空蒸着法、熱蒸散法、電子ビーム法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法等の従来の薄膜形成方法が適応可能である。さらに、成膜速度を調整することで屈折率の再現性が高い所望の膜厚を形成できる。
【0043】
これらの誘電多層膜の波長透過特性は、測定すべき蛍光試料により決定され、励起光を遮断し、前記励起光によって試料から発生した蛍光を透過するように選択される。
【0044】
誘電多層膜は、励起光を遮断し蛍光を透過するように選択されるため、材料の選択と膜厚の制御を行う。所望の透過特性を得るために、分光シミュレーション、分光感度特性測定等の従来の方法が適応可能である。
【0045】
誘電多層膜の膜厚を変えることで透過特性を変えることができる。例えば、光が透過しない波長領域(阻止域幅)を決められるが、阻止域幅が400nmから500nmまでの場合、FITC(蛍光励起波長;495nm、蛍光波長520nm)と、例えばAlexa Fluor 430(Molecular Probes社製、蛍光励起波長430nm、蛍光波長540nm)とを同じ誘電多層膜を用いて測定することが可能となる。
【0046】
本発明における蛍光測定装置に用いる誘電多層膜は2種類の誘電材料を交互に積層させる多層膜構造に限らず、3種以上の誘電材料を組み合わせた多層膜構造でも良い。
【0047】
本発明の選択手段としては、励起光を遮断し、蛍光を透過する特徴を有する必要があるが、この特徴を有する波長フィルターとして、バンドパスフィルター、短波長カットフィルター、ダイクロイックフィルター、コールドフィルターが、実際に市販されている。
【0048】
基板の材質は、ガラスや高分子材料が用いられ、高分子材料はポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、テフロン(登録商標)、ポリフッ化エチレン、メラミン、ナイロンのいずれか、または、これらの混合物を用いてもよい。
【0049】
(実施の形態2)
以下に、本発明の蛍光測定装置の一例を図面とともに詳細に説明する。
【0050】
本発明に係る蛍光測定装置の一例の概略図を図4に示す。
【0051】
蛍光励起波長を有する励起光41は、試料46に照射される。試料46は基板44にある誘電多層膜45上に配置されている。試料46は励起光41の照射により蛍光43を発する。蛍光励起に使われなかった励起光成分は、実施の形態1で用いた誘電多層膜45により反射される(反射光42)。励起光が誘電多層膜によって反射されることで、励起光による基板からの自家蛍光は発生しない。一方、蛍光43は誘電多層膜と基板を透過し、基板に対し励起光照射側と反対側に配置した受光部で検出される。さらに好適には、励起光は試料部で最も絞られることで、微量な試料の測定が可能となる。
【0052】
さらに、試料から発生した蛍光によって基板から発生する2次的な自家蛍光や、励起光の漏れ光や散乱光などのノイズ光は、蛍光を受光部へ導く導光経路上に蛍光波長以外を遮断する受光フィルターを配置することで、上記のノイズ光の影響をなくすことができる。
(実施の形態3)
以下、本発明による蛍光測定装置の一例について図5を用いて説明する。なお、本発明は本実施の形態3に限定して解釈されるものではない。
【0053】
表面に凹状の溝を形成した透明性の高いポリメチルメタクリレートからなる基板57を用意し、溝の底面に誘電多層膜58のコーティングを行う。誘電多層膜58は高屈折率層A(二酸化チタン、屈折率2.4)と、低屈折率層B(二酸化ケイ素、屈折率1.5)を交互に積層した構造となっている。A、Bともに反応性スパッタリング法により成膜を行う。
【0054】
A、Bの膜厚はλ/4に設定し、成膜を行う。λは阻止域幅の中心波長を表わしており、本実施例では470nmに設定されている。本実施の形態3ではAとBが交互に30回繰り返し重ねられた誘電多層膜が形成されている。図6は本実施の形態3で作製した基板57を用いた蛍光測定装置の光透過特性を表した図である。
【0055】
次に、本実施の形態3で作製した基板57を用いた蛍光測定装置について説明する。
【0056】
励起光源51は励起光55(中心波長470nm)を発生する。ミラー52により反射された励起光55は基板57の流路内にあるFITCを標識した試料59に照射される。
【0057】
励起光55によって発生した試料からの蛍光56は基板57、受光フィルター53を透過し、基板57に対し励起光照射側と反対側に配置した受光部54(フォトンカウンター)で発光量をカウントされ、検出される。また、蛍光励起に使われなかった励起光成分は、誘電多層膜58で反射される。検出された蛍光信号データは外部メモリ60に格納され、さらに出力機器61で出力される。
【0058】
本実施の形態3を実施した結果、試料最小時3fmolの蛍光信号が得られた。このように、本実施の形態3において、蛍光信号を得ることが示された。
(実施の形態4)
以下、本発明による蛍光測定装置の一例について図7を用いて説明する。なお、本発明は下記の実施の形態4に限定して解釈されるものではない。
【0059】
基板77は、実施の形態1で作製したものを用いる。励起光源71は励起光75(中心波長470nm)を発生する。ミラー72により反射された励起光75は基板77の流路内にあるFITCを標識した試料81に照射される。
【0060】
試料81は、天板79によっても保持されており、天板79の試料を保持する側の表面は、励起光に対しては反射し、前記蛍光に対しては透過する誘電多層膜80がコーティングされている。励起光75は、天板79を照射することなく試料に照射されている。
【0061】
励起光75によって発生した試料からの蛍光76は基板77、受光フィルター73を透過し、基板77に対し励起光照射側と反対側に配置した受光部74(フォトンカウンター)で発光量をカウントされ、検出される。また、蛍光励起に使われなかった励起光成分は、誘電多層膜78及び80で反射される。この反射が流路内で多重反射となり、蛍光76は増幅される。
【0062】
検出された蛍光信号データは外部メモリ82に格納され、さらに出力機器83で出力される。本実施の形態4において、試料最小時2fmolの蛍光信号が得られた。このように、本実施の形態4において、蛍光信号を得ることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明にかかる蛍光測定装置は、基板からの自家蛍光や励起光の漏れ光などのバックグラウンドノイズ成分が極力低減可能であるため、非常に高感度に蛍光物質を検出可能である。このため、高感度測定が必要な1塩基変異多型や細菌検査、ウイルス検査に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態1に係る選択手段が平板を形成してなる蛍光測定装置を示した概略図
【図2】本発明の実施の形態1に係る選択手段が溝及び窪みを形成してなる蛍光測定装置を示した概略図
【図3】本発明の実施の形態1に係る基板の側面に誘電多層膜を配置した蛍光測定装置の概略図
【図4】本発明の実施の形態2に係る蛍光測定装置の概略図
【図5】本発明の実施の形態3に係る蛍光測定装置の概略図
【図6】本発明の実施の形態3で作製した蛍光測定装置の光透過特性を表した図
【図7】本発明の実施の形態4に係る蛍光測定装置の概略図
【図8】従来の一般的な落射式蛍光測定装置の概略図
【符号の説明】
【0065】
1,51,71 励起光源
2 ダイクロイックミラー
3,53,73 受光フィルター
4,54,74 受光部
5,41,55,75 励起光
6,43,56,76 蛍光
7,11,21,31,44,57,77 基板
8,46,59,81 試料
12,22,32,45,58,78,80 誘電多層膜
42 励起光の誘電多層膜からの反射光
52,72 ミラー
60 外部メモリ
61,82 出力機器
79,83 天板


【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光を照射されると蛍光を発する試料に励起光を照射し前記試料が発する蛍光を測定する蛍光測定装置において、励起光を反射し蛍光を透過する選択手段を備え、前記選択手段を透過した蛍光を測定する、ことを特徴とする蛍光測定装置。
【請求項2】
前記選択手段が基板に形成した複数層を有するコーティング層からなる、ことを特徴とする請求項1記載の蛍光測定装置。
【請求項3】
前記選択手段が基板に形成した誘電多層膜からなる、ことを特徴とする請求項1記載の蛍光測定装置。
【請求項4】
前記選択手段が基板に形成した二酸化チタンの層と二酸化ケイ素の層とからなる、ことを特徴とする請求項1記載の蛍光測定装置。
【請求項5】
前記蛍光によって前記基板から発生する自家蛍光を遮断する遮断手段を備えた、ことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の蛍光測定装置。
【請求項6】
前記基板が高分子材料からなる、ことを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の蛍光測定装置。
【請求項7】
前記選択手段が前記基板に形成した平板からなる、ことを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の蛍光測定装置。
【請求項8】
前記選択手段が前記基板に形成した窪みからなる、ことを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の蛍光測定装置。
【請求項9】
前記選択手段が前記基板に形成した溝からなる、ことを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の蛍光測定装置。
【請求項10】
一方の面に励起光を反射し蛍光を透過する誘電多層膜を形成した天板と前記選択手段とによって試料を覆い、前記選択手段と前記誘電多層膜とで励起光を多重反射させる、ことを特徴とする請求項9記載の蛍光測定装置。
【請求項11】
前記基板を透過した蛍光を測定する、ことを特徴とする請求項2乃至請求項10のいずれかに記載の蛍光測定装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−226803(P2006−226803A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−40163(P2005−40163)
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】