説明

蛍光X線分析装置および蛍光X線分析方法

【課題】 ウェーハ表面のうち、特にウェーハの表面外周付近においても、高感度な測定を行うことができる蛍光X線分析装置および蛍光X線分析方法を提供する。
【解決手段】 蛍光X線分析装置1は、被測定物であるウェーハ6にX線ビームをほぼ水平方向から照射するX線ビーム照射手段2と、照射によって発生した蛍光X線を検出する検出手段3と、検出結果を処理する信号処理部(不図示)と、ウェーハ6を保持して位置決めする位置決め手段4とを含む。位置決め手段4は、被測定物であるウェーハ6が載置され、検出手段3による検出領域8が、ウェーハ6の外周面にX線ビーム7を入射させて散乱光が発生する散乱光発生領域10を避ける位置に、ウェーハ6を移動させて位置決めする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光X線分析装置および蛍光X線分析方法に関し、特に半導体ウェーハ用全反射蛍光X線分析装置および全反射蛍光X線分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体デバイスの微細化、高集積化に伴い、ウェーハに付着している微量の金属汚染がデバイスの電気特性や信頼性などに悪影響を及ぼすことが明らかになってきている。このようなウェーハに付着している微量汚染金属元素の分析装置としては、全反射蛍光X線分析装置が一般的に広く用いられている。ウェーハ加工工程の中には、ウェーハの表面外周付近を支持してウェーハ加工を行うものもあり、特にウェーハの表面外周付近には金属不純物が付着しやすく、その部分の定量分析は非常に重要である。
【0003】
蛍光X線分析装置は、ウェーハの表面にX線を入射させて、金属不純物原子を励起し、この励起により発生した蛍光X線を測定し、その測定結果に基づいて測定試料の表面金属不純物に関する分析を行う装置である。
【0004】
つまり金属にX線が入射すると、原子が励起されて、反射光とは別に蛍光X線を発生することが知られており、蛍光X線分析装置はこの現象を利用したものである。この蛍光X線の光量は励起対象物の量に比例するため、その光量の測定によって金属不純物の付着量を測ることができ、また励起対象物特有のエネルギーを持ったものとなるため、そのエネルギーを調べることによって金属不純物の種類も判明する。
【0005】
加えて蛍光X線分析装置によれば、励起X線をウェーハに対して部分的に入射させることで、ウェーハ面内の位置的分析、つまり金属不純物の面内分布状態の分析や、面内の場所を指定しての分析が可能になり、しかも試料としたウェーハの破壊がなく、これをチップの材料として使用でき、装置のインライン化も可能となるため、現在ではウェーハ表面の金属不純物分析を、蛍光X線分析装置を用いて行うのが主流となりつつある。
【0006】
図13は従来の蛍光X線分析装置101の構成を示す平面図であり、図14は従来の蛍光X線分析装置101の構成を示す側面図である。蛍光X線分析装置101は、X線ビーム照射手段102と、検出手段103と、被測定物を保持して位置決めする位置決め手段104とを含む。被測定物であるウェーハ106の表面にX線ビーム107を入射して、ウェーハ106上に存在する金属不純物原子を励起し、この励起により発生した蛍光X線を、検出手段103が検出領域108で検出することによって測定する。その測定結果に基づいてウェーハ106の表面金属不純物に関する分析を行う。
【0007】
第1の従来技術によれば、試料の主面全域の蛍光X線を分析する前に、試料を所定点まわりに180°以上回転させながら、1次X線を照射して、試料から発生する蛍光X線および回折X線を含んだ2次X線を検出し、この検出により得られた2次X線強度が最小値を示す回転方向位置に試料を位置決めする。これによって試料に含まれた元素の回折X線によるノイズの影響をなくすことができ、精度の高い分析を行うことができる(特許文献1参照)。
【0008】
第2の従来技術によれば、測定試料格子面の入射X線に対する方位を、ブラッグ反射の起こる方位を避けて設定する。これによって検出器での測定光量値中にノイズとなるブラッグ反射による入射光量値が多く含まれるようなことはなくなり、高感度な測定が可能となる(特許文献2参照)。
【0009】
【特許文献1】特開平5−126768号公報
【特許文献2】特許2535675号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら従来の蛍光X線分析装置101では、特にウェーハ106表面の外周付近の金属汚染を測定する場合、入射X線が照射されるウェーハ106側面、つまりウェーハ106の外周面にX線ビーム107が入射されて散乱光が発生する領域(以下「散乱光発生領域110」という)において発生する散乱光が検出手段103の検出領域108に入射してしまい、ノイズが発生し、高感度な測定を行うことができない。その理由を図15を用いて以下説明する。
【0011】
図15は、ウェーハ106の外周面にX線ビーム107が入射されて散乱光が発生する散乱光発生領域110からの距離と、散乱光強度との関係を示すグラフである。横軸に散乱光発生領域110からの距離、縦軸に散乱光強度を示す。散乱光発生領域110から遠ざかるほど、散乱光強度は小さくなる。蛍光X線分析装置101によって、ウェーハ106の表面外周付近の測定を行う場合、検出領域108が、散乱光発生領域110を含む散乱光強度が強い箇所に重なっていることがわかる。このため、高感度な測定を行うことができない。
【0012】
また第1および第2の従来技術は、試料の主面全域から発生する回折X線を低減するが、いずれの従来技術もウェーハ側面において発生する散乱光については、何ら考慮していない。よってウェーハの表面のうち、外周付近の金属不純物について、高感度な測定を行うことができない。
【0013】
本発明の目的は、ウェーハ表面のうち、特にウェーハ外周付近においても、高感度な測定を行うことができる蛍光X線分析装置および蛍光X線分析方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、X線ビームをほぼ水平方向から被測定物に照射するX線照射手段と、
X線ビームを照射された被測定物から発生する蛍光X線を検出する検出手段と、
被測定物が載置され、前記検出手段による検出領域が、被測定物の外周面にX線ビームが入射されて散乱光が発生する散乱光発生領域を避ける位置に、被測定物を移動させて位置決めする位置決め手段とを含むことを特徴とする蛍光X線分析装置である。
【0015】
また本発明は、前記検出領域は、前記散乱光発生領域から発生する散乱光が、50%以下に減衰している領域に選ばれていることを特徴とする。
【0016】
また本発明は、異なる位置から被測定物に対してX線ビームを照射する複数のX線照射手段を含み、
前記位置決め手段は、各X線照射手段によって照射される被測定物上の少なくとも1つ以上の検出領域が、互いに各散乱光発生領域を避ける位置に、被測定物を移動させて位置決めすることを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記位置決め手段は、
仮想X−Y平面上に載置されている被測定物を、
X軸方向およびY軸方向に移動させて、位置決めすることを特徴とする。
【0018】
また本発明は、前記位置決め手段は、
仮想X−Y平面上に載置されている被測定物を、
X軸およびY軸に垂直なZ軸まわりに回動させて、位置決めすることを特徴とする。
【0019】
また本発明は、前記位置決め手段は、
仮想X−Y平面上に載置されている被測定物を、
X軸およびY軸に垂直なZ軸方向に移動させて、位置決めすることを特徴とする。
【0020】
また本発明は、前記位置決め手段は、
仮想X−Y平面上に載置されている被測定物を、
X軸方向およびY軸方向に傾動させて、位置決めすることを特徴とする。
【0021】
また本発明は、前記X線照射手段は、X線ビームの、被測定物の測定平面に対する視射角がほぼ臨界角または臨界角未満に選ばれていることを特徴とする。
【0022】
また本発明は、X線照射手段がX線ビームをほぼ水平方向から被測定物に照射し
検出手段がX線ビームを照射された被測定物から発生する蛍光X線を検出する蛍光X線分析方法であって、
予め位置決め手段が、前記検出手段による検出領域が、被測定物の外周面にX線ビームが入射されて散乱光が発生する散乱光発生領域を避ける位置に、被測定物を移動させて位置決めすることを特徴とする蛍光X線分析方法である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、X線照射手段は、X線ビームをほぼ水平方向から被測定物に照射する。これによって被測定物に含まれる金属不純物原子が励起し、蛍光X線が発生する。この蛍光X線を、検出手段が検出する。蛍光X線は、金属元素固有のエネルギーを持っているので、そのエネルギーから定性分析が、そのエネルギーのX線強度(光子の数)から定量分析が可能になる。
【0024】
また位置決め手段によって、蛍光X線検出領域が、X線ビームによる散乱光発生領域を避ける位置になるように、被測定物を移動させて位置決めするので、蛍光X線検出手段への散乱光の入射量を低減できる。特に被測定物の外周面にX線ビームが入射されて散乱光が発生する散乱光発生領域と検出領域とが近接する、被測定物の表面外周付近の蛍光X線を測定する場合にこの効果は顕著に現れる。これによって特に被測定物の表面外周付近においても、高感度な測定を行うことができる。
【0025】
また本発明によれば、検出領域は、散乱光発生領域から発生する散乱光が、50%以下に減衰している領域に選ばれていることが好ましい。これによって散乱光の影響を抑え、高感度な測定を行うことができる。
【0026】
また本発明によれば、異なる位置から被測定物に対してX線ビームを照射する複数のX線照射手段を含むので、たとえばX線エネルギーが異なる複数の励起X線を選択的に照射し、少なくとも1つ以上の検出手段を選択的に使用することによって、測定内容の自由度が高くなり、微量元素の検出能を向上することができる。
【0027】
また位置決め手段によって、各X線照射手段によって照射される被測定物上の各検出領域が、互いに各散乱光発生領域を避ける位置に、被測定物を移動させて位置決めするので、蛍光X線検出手段への散乱光の入射量が低減できる。特に散乱光発生領域と検出領域とが近接する、被測定物の表面外周付近の蛍光X線を測定する場合にこの効果は顕著に現れる。これによって特に被測定物の表面外周付近においても、高感度な測定を行うことができる。
【0028】
また本発明によれば、位置決め手段は、仮想X−Y平面上に載置されている被測定物を、X軸方向およびY軸方向に移動させて、位置決めするので、XY平面の単純な動作のみによって、上述のような位置決めを容易に行うことができる。
【0029】
また本発明によれば、XY平面に垂直なZ軸まわりに回動させて、位置決めするので、Z軸まわりの単純な動作のみによって、上述のような位置決めを容易に行うことができる。
【0030】
また本発明によれば、X軸およびY軸に垂直なZ軸方向に移動させて、被測定物にX線ビームが入射する視射角の決定を容易に行うことができる。
【0031】
また本発明によれば、X軸方向およびY軸方向に傾動させて、被測定物にX線ビームが入射する視射角の決定を容易に行うことができる。
【0032】
また本発明によれば、X線ビームの、被測定物の測定平面に対する視射角がほぼ臨界角または臨界角未満に選ばれているので、X線ビームが屈折して被測定物内部に侵入することがなくなり、X線ビームの進行方向に全反射され、2次X線が減少するので、被測定物の真上に近接して検出手段を配置ことができる。これによって著しく高感度な測定が可能になる。
【0033】
また本発明によれば、X線照射手段は、X線ビームをほぼ水平方向から被測定物に照射する。これによって被測定物に含まれる金属不純物原子が励起し、蛍光X線が発生する。この蛍光X線を、検出手段が検出する。蛍光X線は、金属元素固有のエネルギーを持っているので、そのエネルギーから定性分析が、そのエネルギーのX線強度(光子の数)から定量分析が可能になる。
【0034】
また位置決め手段によって、蛍光X線検出領域が、X線ビームによる散乱光発生領域を避ける位置になるように、被測定物を移動させて位置決めするので、蛍光X線検出手段への散乱光の入射量を低減できる。特に被測定物の外周面にX線ビームが入射されて散乱光が発生する散乱光発生領域と検出領域とが近接する、被測定物の表面外周付近の蛍光X線を測定する場合にこの効果は顕著に現れる。これによって特に被測定物の表面外周付近においても、高感度な測定を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1は本発明の蛍光X線分析装置1の構成を示す平面図、図2は本発明の蛍光X線分析装置1の構成を示す側面図である。蛍光X線分析装置1は、被測定物であるウェーハ6にX線ビームを照射するX線ビーム照射手段2と、照射によって発生した蛍光X線を検出する検出手段3と、検出結果を処理する信号処理部(不図示)と、ウェーハ6を移動させて位置決めする位置決め手段4とを含む。
【0036】
X線ビーム照射手段2は、X線ビーム7をウェーハ6に照射する。これによってウェーハ6に含まれる金属不純物原子が励起し、蛍光X線が発生する。この蛍光X線を、検出手段3が検出する。蛍光X線は、金属元素固有のエネルギーを持っているので、そのエネルギーから定性分析が、そのエネルギーのX線強度(光子の数)から定量分析が可能になる。
【0037】
X線ビーム照射手段2は、X線ビーム源15と波長選択部16とを含む。
X線ビーム源15は、真空中で加速した熱電子をターゲットの金属に衝突させることによってX線を発生させる。X線ビーム源15は、電子を発生させるフィラメント(陰極)と、X線を発生させるターゲットを取り付けた陽極(対陰極、アノード)からなる2極真空管であり、これらをガラスやセラミック製の容器内で高真空に密封し、X線をよく透過するベリリウムの薄膜を張ったX線の取出し口(窓)を設けた構造であることが好ましい。
【0038】
波長選択部16は、X線ビーム源15から発生するX線ビーム7を、分光または平行化することによって単一の特性のX線ビームを分離するための、分光結晶やスリットなどからなる。
【0039】
X線ビーム源15の対陰極材料、波長選択部16の分光結晶の種類や向きなどを選択することによって、所望のX線エネルギーを持つ単色のX線ビーム7を発生することができ、測定内容に応じて、使用する特性X線を測定前に設定することが可能になる。
【0040】
X線ビーム照射手段2は、ウェーハ6の測定平面に対するX線ビーム7の視射角がほぼ臨界角または臨界角未満に選ばれるように、X線ビーム7をウェーハ6に照射することが好ましい。
【0041】
ここで、臨界角について説明する。図3は、臨界角θを説明する斜視図、図4は臨界角θを説明する側面図である。臨界角θとは、屈折率が大きいところから小さいところに光が入り全反射が起きる最も小さな視射角のことである。臨界角θは、入射元の物質の屈折率nおよび入射先の物質の屈折率nを用いて下記式(1)のように表される。
θ=arcsin(n/n) …(1)
【0042】
この式からもわかるように、n<nのとき、全反射は起こらないので臨界角θをもたない。
【0043】
ここでいう「ほぼ臨界角」とは、上記のθ程度の角で、θ以上θ+0.1°以下の角度をいう。「臨界角未満」とは、θよりも小さく、0°以上の角度をいう。視射角がほぼ臨界角よりも大きいと、入射X線の大半は、ウェーハ6表面で反射せずにウェーハ6内部に侵入し、ウェーハ6を構成する原子と相互作用して弾性散乱、非弾性散乱、蛍光X線などの形でさまざまな方向に2次X線を放射する。視射角がほぼ臨界角または臨界角未満であれば、入射X線が屈折してウェーハ6内部に侵入することがなくなり、入射X線の進行方向に全反射され、2次X線が減少するので、ウェーハ6の真上に近接して検出手段3を配置することができる。これによって著しく高感度な測定が可能になる。
【0044】
検出手段3は、被測定物であるウェーハ6の真上で、かつX線ビーム7の照射領域上に設けられる。検出手段3には、X線ビーム7が照射されてウェーハ6から発生した蛍光X線が入射する。検出手段3には、シリコン(Si)検出器やゲルマニウム(Ge)検出器が用いられる。
【0045】
特にウェーハ6表面の外周付近の金属汚染を測定する場合、入射X線が照射されるウェーハ6側面(以下「散乱光発生領域10」という)において発生する散乱光が検出手段3の検出領域8に入射してしまうと、ノイズが発生し、高感度な測定を行うことができないので、位置決め手段4によって、散乱光が検出領域8に入射しないように、ウェーハ6を移動させて位置決めをする。ここで測定点(検出領域8の中心)から散乱光発生領域10までの平均距離をt、ウェーハ6の半径をrとする。後述するが、rが一定である場合、tを制御することによって、位置決めを行うことができる。
【0046】
図5は、散乱光発生領域10を説明する概略図である。ウェーハ6の表面に、ほぼ臨界角または臨界角未満の視射角で入射された入射X線は、入射X線が屈折してウェーハ6内部に侵入することがなくなり、入射X線の進行方向に反射光として全反射され、2次X線は非常に少なくなる。しかし、入射X線のうち、ウェーハ6の側面に入射したX線は、屈折してウェーハ6内部に侵入して反射されたり、側面表面で反射されたりして、散乱光となる。散乱光の一部が検出手段3の検出領域8に入射することがある。
【0047】
そこで位置決め手段4によって、蛍光X線検出領域8が、X線ビーム7による散乱光発生領域10を避ける位置になるように、ウェーハ6を移動させて位置決めをするので、検出手段3への散乱光の入射量を低減できる。特に散乱光発生領域10と検出領域8とが近接する、ウェーハ6の表面外周付近の蛍光X線を測定する場合にこの効果は顕著に現れる。これによって特にウェーハ6の表面外周付近においても、高感度な測定を行うことができる。
【0048】
さらに検出領域8は、散乱光発生領域10から発生する散乱光が、50%以下に減衰している領域に選ばれていることが好ましい。これによって散乱光の影響を抑え、高感度な測定を行うことができる。
【0049】
図6(a)は、散乱光発生領域10からの距離と、散乱光強度との関係を示すグラフである。横軸に散乱光発生領域10からの距離、縦軸に散乱光強度を示す。散乱光発生領域10から遠ざかるほど、散乱光強度は小さくなる。蛍光X線分析装置1によって、ウェーハ6の表面外周付近の測定を行う場合、検出領域8が、散乱光発生領域10を含む散乱光強度が強い箇所に重ならなければ、検出領域8には散乱光が入射しないので、散乱光発生領域10の影響を受けない。つまり測定点から散乱光発生領域10までの距離が大きいことが好ましい。測定点(検出領域8の中心)から散乱光発生領域10までの平均距離tを測定に応じて設定して、位置決め手段4によってウェーハ6を移動させて位置を決定することによって、精度の高い測定を行うことができる。
【0050】
散乱光発生領域10からの距離と、散乱光強度とについて実際に測定した実測値の一例を説明する。図6(b)は、散乱光発生領域10からの距離と、散乱光強度との関係を示すグラフである。横軸に散乱光発生領域10からの距離、縦軸に散乱光強度を示す。ここでは、rが300mm、厚みが0.8mmのシリコンウェーハについて、散乱光発生領域10において発生する散乱光強度を、実測強度からサンプル中心で発生する散乱光強度を差し引くようにして求め、tを変化させながら測定している。
【0051】
tが10mm以上になると、散乱光発生領域10からの散乱光強度はほぼ0cpsとなり、蛍光X線分析中の散乱光発生領域10からの散乱光による影響はほぼなくなる。tが0mmのときの散乱光強度が13000cpsと最大であり、散乱光強度が最大値のほぼ半分の6500cpsになれば、蛍光X線分析中の散乱光による影響は、蛍光X線分析に支障がない程度に低減され、高感度な測定を行うことができる。散乱光強度が6500cpsになるときのtは、約5mmである。
【0052】
蛍光X線分析装置1は、異なる位置から被測定物に対してX線ビーム7を照射する複数のX線ビーム照射手段2を含んでもよい。たとえばX線エネルギーが異なる複数の励起X線を選択的に照射し、少なくとも1つ以上の検出手段3を選択的に使用することによって、測定内容の自由度が高くなり、微量元素の検出能を向上できる。
【0053】
異なる位置から被測定物に対してX線ビーム7を照射する複数のX線ビーム照射手段2を含む場合、位置決め手段4によって、各X線ビーム照射手段2によって照射されるウェーハ6上の各検出領域8が、互いに各散乱光発生領域10を避ける位置に、ウェーハ6を移動させて位置決めするので、検出手段3への散乱光の入射量を低減できる。特に散乱光発生領域10と検出領域8とが近接する、ウェーハ6の表面外周付近の蛍光X線を測定する場合にこの効果は顕著に現れる。これによって特にウェーハ6の表面外周付近においても、高感度な測定を行うことができる。
【0054】
図7は、位置決め手段4の構成を示す斜視図である。位置決め手段4は、被測定物であるウェーハ6が載置され、検出手段3による検出領域8が、ウェーハ6の外周面にX線ビーム7が入射されて散乱光が発生する散乱光発生領域10を避ける位置に、ウェーハ6を移動させて位置決めする。
【0055】
位置決め手段4は、基台21と載置テーブル22と制御部23とモータとを含む。基台21の、水平な上面に載置テーブル22が設けられており、蛍光X線測定時には、載置テーブル22に、ウェーハ6が載置され、X軸モータ25と、Y軸モータ26と、Z軸モータ27とによってウェーハ6を移動させ位置決めを行う。
【0056】
制御部23は、X軸モータ25、Y軸モータ26およびZ軸モータ27の動作を制御する。制御部23は、ユーザーの入力などに応じて該当モータに制御信号を送信し、動作制御を行う。制御部23は中央処理装置(CPU、Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、またはマイクロプロセッサなどによって実現される処理回路を含む。
【0057】
具体的には、X軸モータ25、Y軸モータ26およびZ軸モータ27の各出力軸の回転が、たとえば、ラックおよびピニオンなどを含む駆動機構によってX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の直線運動にそれぞれ変換されて、制御部23からの制御信号に応答して、載置テーブル22が基台21に対して移動する。このようにして、検出手段3による検出領域8が、X線ビーム7による散乱光発生領域10を避ける位置に、載置テーブル上のウェーハ6を移動させることができるように構成されている。
【0058】
X軸モータ25、Y軸モータ26およびZ軸モータ27は、たとえばサーボモータまたはステッピングモータなどによって実現される。
X軸モータ25は、載置テーブル22をX軸方向(矢符A方向)に移動させる。
【0059】
Y軸モータ26は、載置テーブル22をY軸方向(矢符A方向)に移動させる。
Z軸モータ27は、載置テーブル22をZ軸方向(矢符A方向)に移動させる。
【0060】
載置テーブル22をX軸まわり(矢符B方向)またはY軸まわり(矢符B方向)に傾動させ、Z軸まわり(矢符D方向)に回転させる動作に関しても同様に、モータおよび駆動機構により実現される。ここでB、Bに関してはX線ビーム7の入射方向が傾動軸と直交方向にない場合、代わりにX線ビーム7の入射方向に直交する傾動軸を持つようなモータおよび駆動機構が制御されることが望ましい。このような単純な動作のみによって、上述のような位置決めを容易に行うことができる。
【0061】
図8は、本発明の蛍光X線分析方法を説明するフローチャートである。
ステップS1では、検出領域8に、ウェーハ6の外周面にX線ビーム7が入射されて散乱光が発生する散乱光発生領域10が重なるか否かを判断している。検出領域8に散乱光発生領域10が重なっていない場合(NO)、ステップS4で測定を行う。検出領域8に散乱光発生領域10が重なっている場合(YES)、ステップS2に進む。検出領域8に散乱光発生領域10が重なっていない場合(NO)とは、検出領域8と散乱光発生領域10とが、図1に示すような位置関係にある場合をいう。
【0062】
ステップS2では、位置決め手段4(X、Y軸方向の移動、Z軸まわりの回転)によって位置決めを行う。X軸モータ25は、載置テーブル22をX軸方向(矢符A方向)に移動させ、Y軸モータ26は、載置テーブル22をY軸方向(矢符A方向)に移動させる。またZ軸モータ27は、載置テーブル22をZ軸まわり(矢符D方向)に回転させる。
【0063】
図9〜図12は、ステップS2で行う位置決め方法を説明する概略図である。
位置決め手段4上に載置された円形状のウェーハ6の中心座標を、(0,0)、測定点の座標を(x,y)とする。X線7がX軸正方向から負方向へ、(x,y)を通って入射するものとする。検出器3による検出領域8は、測定点(x,y)を中心とする円形状である。
【0064】
このように、ウェーハ6の表面外周付近の測定を行う場合、検出領域8の中心座標も(x,y)であり、検出領域8に、散乱光発生領域10が重なってしまう場合がある。そこで位置決め手段4によって位置決めを行う。X線ビーム照射手段2および検出器3の位置を変えずに、位置決め手段4によって、ウェーハ6を移動させて位置決めを行う。
【0065】
まず、ウェーハ6を中心座標(0,0)まわりに、ある一定の角度回転させる。この回転角度を以下θという。回転によって、測定点の座標は、(xcosθ−ysinθ,xsinθ+ycosθ)に移動する(図9および図10参照)。
【0066】
次に、検出器3の検出領域8の中心座標(x,y)と、測定点とが重なるように、X−Y平面上でウェーハ6を移動させる。測定点座標を(xcosθ−ysinθ,xsinθ+ycosθ)から(x,xsinθ+ycosθ)まで移動させる。つまりX軸方向へ(x−xcosθ+ysinθ)だけ移動したことになる。
【0067】
次に、測定点座標を(x,xsinθ+ycosθ)から(x,y)まで移動させる。つまりY軸方向へ(y−xsinθ−ycosθ)だけ移動したことになる。
【0068】
このようにウェーハ6を移動させると、測定点座標と検出領域8の中心座標とが再び重なり、所望の位置の測定をすることができる。しかも散乱光発生領域10と検出領域8とは重なっていないので、精度よく測定することができる。
【0069】
ここで、回転角度θについて説明する。
蛍光X線を測定する際、検出領域8は、ウェーハ6の外周面にX線ビーム7が入射されて散乱光が発生する散乱光発生領域10から離れるほど、散乱光の影響を受けないので精度が向上することについては、上述したとおりである。回転角度θは、回転後の測定点(検出領域8の中心)から回転前の測定点までの距離tによって、下記式(2−1)で表すことができる。
【0070】
【数1】

【0071】
よってtを決定することによって、θが決定する。
測定点がウェーハ6の表面外周付近にある場合は、回転前の測定点と散乱光発生領域10の中心とが一致するので、ウェーハ6の半径rを用いて下記式(2−2)で表すことができる。
θ=sin−1(t/2r) …(2-2)
【0072】
ステップS3では、位置決め手段4(Z軸方向の移動、X,Y軸まわりの傾動)によってウェーハ6にX線ビーム7が入射する視射角の調整を行う。X軸モータ25は、載置テーブル22をX軸方向(矢符B方向)に傾動させ、Y軸モータ26は、載置テーブル22をY軸方向(矢符B方向)に傾動させる。またZ軸モータ27は、載置テーブル22をZ軸方向(矢符A方向)に移動させる。
【0073】
Y軸方向(矢符B方向)の傾動によって、X線ビーム7のウェーハ6に対する視射角を調整することができる。X線ビーム7がX軸と平行でない場合においてはX軸方向(矢符B方向)の傾動も用いることによって視射角を調整することができる。
【0074】
またZ軸方向(矢符A方向)の移動によって、ウェーハ6の厚みを考慮してウェーハ6に対して適切にX線ビーム7を照射することができる。
【0075】
蛍光X線分析装置1を用いたウェーハ6の表面金属不純物に関する分析には、膜の組成分析、膜厚測定、表面金属不純物測定などがある。
【0076】
〔組成分析〕
単層膜の組成を測定する方法について説明する。励起X線を高い入射角で照射する場合、単層膜の各元素の蛍光X線強度は下記式(3)で表される。ここで、Iは元素Zの蛍光X線強度、kは元素Zの装置感度係数、Cは元素Zの含有率(質量比)、ρは膜の密度、wは膜の厚さであり、単層膜が充分に薄い膜であるとして、膜による励起X線の吸収および蛍光X線の吸収は無視した計算式となっている。
z=k・C・ρ・w …(3)
【0077】
このとき単層膜が充分に薄い膜である場合、膜による励起X線の吸収および蛍光X線の吸収は無視できる。組成分析だけを目的とする場合には、他の任意の元素ZOとの相対比較によって、下記式(4)のようにパラメータを減らすことができる。
/Izo=(k・C)/(kzo・Czo) …(4)
【0078】
ここで、組成Cが全ての元素について既知である参照試料を用意し、全ての元素の蛍光X線強度Iを測定すれば、相対的な装置感度係数を下記式(5)のように求められる。ここで、Iz,Rは参照試料中の元素Zの蛍光X線強度、Cz,Rは参照試料中の元素Zの含有率(質量比)である。
/kzo=(Iz,R・Czo,R)/(Izo,R・Cz,R) …(5)
【0079】
こうして装置感度係数を求めておけば、未知試料についても蛍光X線強度を測定することによって、組成Cは下記の連立方程式(6)(7)を解くことによって求められる。
zo/C=(k・Izo)/(kzo・I) …(6)
ΣC=1(元素Zに関する総和=1) …(7)
【0080】
次に斜入射法を用いた場合には一般的に下記式(8)(9)が成立する。ここで、d、dzoは元素Z、ZOに対応する励起X線の実効消衰長さである。
=k・C・ρ・d …(8)
zo=kzo・Czo・ρ・dzo …(9)
【0081】
、dzoは膜による励起X線の吸収によって決定される。なお、膜による蛍光X線の吸収は無視している。上述した高角度入射法の式(4)と同様に元素Z、ZOの蛍光X線強度比は下記式(10)のように求められる。
/Izo=(k・C・d)/(kzo・Czo・dzo) …(10)
【0082】
そこで、d/dzoの要素だけが高角度入射法と相違するが、励起X線を単色化することによって、d/dzo=1となって式(4)と一致する。したがって、単色化された励起X線を使用すれば、斜入射法でも高角度入射法と同様な計算式を使用することができ、算出工程の簡素化が図られる。
【0083】
〔膜厚測定〕
次に膜厚測定方法について説明する。
まず基板上に配線材料等の薄膜が形成された未知試料uおよび標準試料cを用意する。未知試料uは、薄膜の膜厚および密度が未知で、基板および薄膜の構成物質が既知であり、薄膜の膜厚がX線反射率法によって膜厚測定困難な範囲、たとえば10nm〜300nmの範囲外のものである。標準試料cは、未知試料uと同種の物質で構成され、薄膜の膜厚がX線反射率法によって膜厚測定可能な範囲、たとえば10nm〜300nmの範囲内のものである。
【0084】
次にX線反射率法を用いて、標準試料cの膜厚Tc、薄膜の密度ρをそれぞれ測定する。その手順として、標準試料cを試料テーブルにセットした後、単色のX線ビームを標準試料cに入射しながら、試料テーブルを水平位置から徐々に傾斜させて、検出器の出力からX線入射角度の変化に対する標準試料cのX線反射率曲線を計測する。得られたX線反射率曲線の干渉周期から膜厚Tを、該曲線の全反射臨界角度から薄膜の密度ρをそれぞれ測定する。
【0085】
次に蛍光X線法を用いて、標準試料cの蛍光X線強度Fを測定する。その手順として、単色のX線ビームを試料テーブルにセットされた標準試料cに所定の入射角度、たとえば全反射角度で入射して、標準試料cから発生する蛍光X線の強度Fを検出手段で測定する。なお、X線入射角度は全反射角度より大きな角度を選び、試料間で測定条件の統一を図る。
【0086】
蛍光X線法は、蛍光X線強度Fが、下記式(11)のように、密度ρと膜厚Tの積に比例することを利用するものである。
F=α・ρ・T …(11)
【0087】
比例係数である感度係数α同種の物質であれば一致し、上記の数値T、ρ、Fを式(11)に代入することによって決定でき、算出式は次式(12)となる。
α=e/(ρ・T) …(12)
【0088】
次にX線反射率法を用いて、未知試料uの薄膜の密度ρを測定する。その手順として、未知試料uを試料テーブルにセットした後、単色のX線ビームを未知試料uに入射しながら、試料テーブルを水平位置から徐々に傾斜させて、検出手段の出力からX線入射角度の変化に対する未知試料uのX線反射率曲線を計測する。得られたX線反射率曲線のうち急峻に変化する位置を全反射臨界角度θとして特定し、下記式(13)を用いて全反射臨界角度θから薄膜の密度ρを測定する。ここで、密度ρの単位はkg/m、全反射臨界角度θはミリラジアン(mrad)、波長λはnmである。
ρ=3.8×(θ/λ) …(13)
【0089】
次に蛍光X線法を用いて、未知試料uの蛍光X線強度Fを測定する。その手順として、標準試料cの測定条件と一致するように、X線ビームの入射角度や波長などを調整した後、未知試料uから発生する蛍光X線の強度Fを検出手段で測定する。
【0090】
次に上記測定によって得られた感度係数瘁A薄膜の密度ρおよび蛍光X線強度Fを次式(14)に代入して、未知試料uの膜厚Tを算出する。
=F/(α・ρ) …(14)
【0091】
このようにX線反射率法の測定範囲外にある膜厚を持つ試料に関しても、蛍光X線法との組合せによって高精度の膜厚測定が可能になる。
〔金属不純物測定〕
元素Zの装置感度係数をk、元素Zの蛍光X線強度をIとおくと、金属不純物Xは一般的に下記式(15)にて表される。
X=k×I …(15)
通常、Xの単位としてはatoms/cmが用いられる。
また、kに関して、ある元素Yにおける装置感度係数をkとおき、Yに対するZの相対感度係数をLとおくと、k=k×Lとすることができる。Lに関してはある条件下においては理論的に計算できるので感度係数の設定が簡便になる。
金属不純物がサンプル表面のみでなく分布を持っている場合、不純物濃度が高い場合等において、式は複雑になり、相対感度係数の適用も難しくなる。
【0092】
以上の実施形態では、被測定物としてウェーハを用いて説明したが、被測定物はこれに限るものではなくその他の物体、たとえば蛍光X線分析を必要とするフィルム、シートまたは基板などの物体に対しても好適に実施することができる。
【0093】
また、散乱光発生領域として、ウェーハの側面付近を例に説明したが、散乱光発生領域はこれに限るものではなくその他の領域、たとえば被測定物の表面の凹凸部付近の領域なども挙げられる。たとえば測定表面が段差を有し、かつX線ビームが段差および段差から離れた測定領域に広範囲に照射される場合や、段差の側面に入射したX線が散乱光となるような場合などに、段差の位置と測定位置、X線ビームとの関係を最適化することにより段差側面からの散乱光を減少させて測定することができ、好適に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の蛍光X線分析装置1の構成を示す平面図である。
【図2】本発明の蛍光X線分析装置1の構成を示す側面図である。
【図3】臨界角θを説明する斜視図である。
【図4】臨界角θを説明する側面図である。
【図5】散乱光発生領域10を説明する概略図である。
【図6】散乱光発生領域10からの距離と、散乱光強度との関係を示すグラフである。
【図7】位置決め手段4の構成を示す斜視図である。
【図8】本発明の蛍光X線分析方法を説明するフローチャートである。
【図9】ステップS2で行う位置決め方法を説明する概略図である。
【図10】ステップS2で行う位置決め方法を説明する概略図である。
【図11】ステップS2で行う位置決め方法を説明する概略図である。
【図12】ステップS2で行う位置決め方法を説明する概略図である。
【図13】従来の蛍光X線分析装置101の構成を示す平面図である。
【図14】従来の蛍光X線分析装置101の構成を示す側面図である。
【図15】ウェーハ106の外周面にX線ビーム107が入射されて散乱光が発生する散乱光発生領域110からの距離と、散乱光強度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0095】
1 蛍光X線分析装置
2 X線ビーム照射手段
3 検出手段
4 位置決め手段
6 ウェーハ
7 X線ビーム
8 検出領域
10 散乱光発生領域
15 X線ビーム源
16 波長選択部
21 基台
22 載置テーブル
23 制御部
25 X軸モータ
26 Y軸モータ
27 Z軸モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線ビームをほぼ水平方向から被測定物に照射するX線照射手段と、
X線ビームを照射された被測定物から発生する蛍光X線を検出する検出手段と、
被測定物が載置され、前記検出手段による検出領域が、被測定物の外周面にX線ビームが入射されて散乱光が発生する散乱光発生領域を避ける位置に、被測定物を移動させて位置決めする位置決め手段とを含むことを特徴とする蛍光X線分析装置。
【請求項2】
前記検出領域は、前記散乱光発生領域から発生する散乱光が、50%以下に減衰している領域に選ばれていることを特徴とする請求項1に記載の蛍光X線分析装置。
【請求項3】
異なる位置から被測定物に対してX線ビームを照射する複数のX線照射手段を含み、
前記位置決め手段は、各X線照射手段によって照射される被測定物上の少なくとも1つ以上の検出領域が、互いに各散乱光発生領域を避ける位置に、被測定物を移動させて位置決めすることを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光X線分析装置。
【請求項4】
前記位置決め手段は、
仮想X−Y平面上に載置されている被測定物を、
X軸方向およびY軸方向に移動させて、位置決めすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の蛍光X線分析装置。
【請求項5】
前記位置決め手段は、
仮想X−Y平面上に載置されている被測定物を、
X軸およびY軸に垂直なZ軸まわりに回動させて、位置決めすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の蛍光X線分析装置。
【請求項6】
前記位置決め手段は、
仮想X−Y平面上に載置されている被測定物を、
X軸およびY軸に垂直なZ軸方向に移動させて、位置決めすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の蛍光X線分析装置。
【請求項7】
前記位置決め手段は、
仮想X−Y平面上に載置されている被測定物を、
X軸方向およびY軸方向に傾動させて、位置決めすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の蛍光X線分析装置。
【請求項8】
前記X線照射手段は、X線ビームの、被測定物の測定平面に対する視射角がほぼ臨界角または臨界角未満に選ばれていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の蛍光X線分析装置。
【請求項9】
X線照射手段がX線ビームをほぼ水平方向から被測定物に照射し
検出手段がX線ビームを照射された被測定物から発生する蛍光X線を検出する蛍光X線分析方法であって、
予め位置決め手段が、前記検出手段による検出領域が、被測定物の外周面にX線ビームが入射されて散乱光が発生する散乱光発生領域を避ける位置に、被測定物を移動させて位置決めすることを特徴とする蛍光X線分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−75018(P2009−75018A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−246103(P2007−246103)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【出願人】(590000215)株式会社テクノス (3)
【Fターム(参考)】