説明

血流悪化防止作用を有する組成物、及びそれを含有する飲食品

【課題】 本発明は、血流悪化を予防し、肩こり、腰痛を予防するに有効な組成物、及びそれを含有する飲食品を提供することを課題とする。
【解決手段】 桃の果実、梅の果実、牡丹の根皮から選ばれる1種または複数種のエキス、および、イグサ、オキアミ、大豆から選ばれる1種または複数種のエキスを有効成分とすることを特徴とする、血流悪化防止作用を有する組成物。桃の果実、梅の果実、牡丹の根皮から選ばれる1種または複数種のエキスおよび、イグサ、オキアミ、大豆から選ばれる1種または複数種のエキスを、納豆菌で発酵させたエキスを有効成分とすることを特徴とする、血流悪化防止作用を有する組成物。それらの組成物を含有することを特徴とする、飲食品。それらの組成物を含有することを特徴とする、腰痛予防あるいは肩こり予防効果を有する飲食品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血流悪化防止作用を有する組成物、及びそれを含有する、肩こりあるいは腰痛を予防する効果のある飲食品に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスでのパソコンのデスクワークや、タクシー・トラックの運転、飲食店・販売店での立ち仕事等、現代社会では、腰部に負担の生じる作業が増加している。それにより、実際に腰部の痛みの回復には手術を要するレベルの人が増加している。一方、手術を要しないまでも、一定の姿勢を続けなければならない作業により、血液の循環が悪くなり、軽度の腰部の慢性的な痛みを感ずる人や肩こりを感ずる人も多い。後者の軽度の慢性的な腰部の痛みや、肩こりを感ずる人に対しては、血液の循環を良くする組成物を摂取することにより、その予防効果が期待できる。また、高齢化社会の進行とともに、腰部に痛みを感ずる人や肩こりを感ずる人は急速に増加しているので、それらに対する予防的効果を有する、血液の循環を良くする組成物を摂取することは有益である。
【0003】
腰痛には多くの原因があり、内科疾患が起因するものや骨、関節、筋の障害によるもの、加齢による変性によるもの、椎間板の損傷によるもの、心因性のものなどがある。 一般的に、レントゲンなどの画像診断を行うが異常が発見されない腰痛も少なくない。慢性腰痛にいたっては、現在でも医学的に原因がはっきり解明されていない。
【0004】
腰痛の内因性のものは、多くは上部腰椎(腰のくびれより上)と骨盤上に痛みが出る。原因疾患としては泌尿器系(腎臓、膀胱など)と生殖器系(精巣、卵巣、子宮など)が考えられる。 又、腹部大動脈瘤もその血管壁が破れる過程で急性の激しい腰痛を伴う。これらの痛みの特徴としては、安静時にも痛みがあるということで、特に、就寝時に痛みで目覚めるなどの徴候は悪性腫瘍やそれらの骨転移の可能性が考えられる。
【0005】
骨、間接、筋の障害によるものは、 運動に伴っておこるので原因がはっきりしている場合が多いが、思い当たる節がないという場合も多々ある。 重いものを持ち上げたときによく起こるのが筋の損傷や関節の捻挫で、ひどいときには立てなくなることもあるが横になって安静にしているときには痛みが治まっていて、ほとんどの場合1週間から10日で痛みはほぼ治まる。しかし、機能回復が完全になされていないと慢性化を起こす原因となる。 骨粗鬆症の人は圧迫骨折を起こしやすく、その場合痛みは長引くが、安静期間が長くなると、筋の萎縮や関節機能障害が起きるので早期からのリハビリテーションが必要である。 慢性関節リウマチによる関節の変性も進行性の腰痛を起こすが、専門医の指導による運動療法で、関節機能の低下はある程度防げる。
【0006】
加齢による変性のものは、 年齢を重ねるとともに椎間板の水分は徐々に失われて、厚みが少なくなり、関節に遊びができて不安定になるのでそれを補償する為に変形が起こるとされているが、変形の度合いが大きいときや場所によっては痛みが起きる。 痛みの特徴としては、朝起きるときに痛みが強く、しばらく動かしていると痛みがなくなったり、同じ姿勢を長時間しているとその後動かすときに痛みが起こったりする。
【0007】
神経症状を伴うものは、おしりから太もも、すねやふくらはぎに痛みやしびれがある場合は、椎間板損傷や脊椎管狭窄症による、坐骨神経痛が疑われる。しかし、臀部筋 ( 梨状筋 )による坐骨神経の圧迫や血流障害によるもの、また、神経症状ではないが、腰部の関節や仙腸関節の障害による関連痛や臀部の筋の筋・筋膜痛症候群の関連痛なども同様の場所に痛みが出るので鑑別診断が重要である。
【0008】
慢性的なものは、慢性腰痛患者の多くが数度の急性腰痛の後に慢性化を起こしているが、それはひとえに前述したように傷害後のリハビリテーション不足によるものと考えられる。 他の部位にくらべ腰部は、立てなくなる恐怖からか傷害後にかばって運動不足になる傾向にあって、それが慢性化を起こす原因と考えられる。急性腰痛の炎症期終了後は、なるべく早期からの運動療法による機能回復が必要である。腰部の
筋・筋膜痛症候群も慢性疼痛の原因となる。その場合、痛みは臀部まで広がる事がある。その他、慢性腰痛には肩こり同様、心因性のものも多く、うつ病や抑うつ傾向にある人によく現れる。心配事や、不安、怒りの感情を抑圧する事により、交感神経起因の循環不全が起きることが原因であるという理論もある。
【0009】
肩こりは、急性の筋肉の外傷に続発して起こる場合や心理的要素から起こる場合を除いて、ほとんどは姿勢による筋肉に対する負担の増加と運動不足から起こる。筋肉が損傷を受けると、炎症反応により局所的に循環不全がおき、筋肉のこわばりが起こる。ほとんどは自然に回復するが、循環不全が慢性化する場合もある。 怒りや心配、不安などの心理状態は、自律神経の交感神経を刺激し、局所の循環不全を誘発して、痛みを起こす物質を作り出すと言われている。
【0010】
一般に猫背の人に起こりやすいと言われているが、逆に平背(背中の彎曲が少ない人)にも起こりやすく、共通して言える事は、肩甲骨が左右に広がって肩関節が前方に移動している。 本来重心上にあって、腕の重さを背骨で支える肩関節が前方に移動する事によって、肩の筋肉に腕をぶら下げる状態になり、体を起こしている間は常に重量ストレスをかけることになる。 又、肩関節の移動に伴って頭部も前方に移動し、顎を突き出したような姿勢になる。これは、頭部の重さを頸部の後面筋で支える状態で、首の筋肉の緊張を招く。加えて、このような姿勢で長時間の作業を行うと(事務仕事やうつむいた状態での手作業など)、更に過負荷になり腰痛も起こす原因になる。 長期にわたる不良姿勢は靭帯の短縮と関節可動域の減少を招いて、正常な姿勢に戻す事を困難にする。
【0011】
肩こりが肩の筋肉の血行不良であるということは広く知られているが、筋肉自身が血液の循環を促している事は一般的に知られていないようである。 血液は筋を動かすエネルギーの元となる栄養素と酸素を供給して、老廃物と二酸化炭素を運び去る。この血液の流れは、心臓の拍動によるものだけではなく筋肉のポンプ作用に頼るところが大きいと言われる。 筋の収縮は縮むときに血液を搾り出し、伸びるときに血液を呼び込む作用があって、静脈血やリンパ液は循環をそれに頼っている。そのため、筋の凝り(緊張)はこの循環を阻害して、酸欠・老廃物の蓄積・栄養素の欠乏を起こさせ、さらにその凝りをより強固にするという悪循環に陥らせる。
【0012】
腰痛予防の秘訣は,日常生活で姿勢に気をつけることである。1.適度な歩行は筋肉を鍛え,腰痛予防につながる。運動不足の方は,まず歩く事がおすすめである。歩幅をいつもより10センチ広げて,一日数回,一回当たり5分〜10分歩くだけでも,効果はある。2.体が固くなっている人にはマッサージも有効である。3.歩く前の準備運動におすすめがストレッチである。4.腰背筋強化(そりかえり)運動。などである。
【0013】
肩こり予防には、息を吸いながら肩を上げ,息を吐きながら肩を下げる運動が有効である。
【0014】
腰痛・肩こりの予防入浴剤としては、ウイキョウ・チョウジ末・センキュウ・リョウキョウ・松皮・竜脳・カンピ末・ショウブコン・樟脳油などの成分を配合したものなどが市販されている。
【0015】
腰痛・肩こりの予防サプリメントとしては、DHA、EPA、COQ10などを含有した血流を改善するものなどが市販されている。
【0016】
腰痛・肩こりの予防に関する組成物等の特許文献についてみると、以下のようなものがある。
【0017】
特開2004−26780号公報(特許文献1)には、生薬エキスおよびビタミンEを含有する組成物。生薬エキスおよびビタミンEを含有する不定愁訴の予防および治療用組成物。生薬エキスがトウキエキスおよびコウジンエキスである組成物。ビタミンEが酢酸トコフェロール、酢酸d−α−トコフェロール、ニコチン酸トコフェロール、コハク酸d−α−トコフェロール、ビタミンEリノレート、d−α−トコフェロール、d−β−トコフェロール、d−γ−トコフェロール、d−δ−トコフェロール、天然ビタミンEである請求項1乃至3記載の組成物。組成物が医薬品又は食品である組成物。更年期障害による不定愁訴が、のぼせ、冷え、肩こり、手足のしびれ、頭重、疲労感、発汗である組成物。について開示されている。
【0018】
特開2003−95958号公報(特許文献2)には、二酸化チタンの筋肉痛・肩こり・浮腫みに伴う炎症に、消炎効果のある医薬品としての使用。について開示されている。
【0019】
特開2002−154980号公報(特許文献3)には、梅の種の粉砕物またはその処理物を含有することを特徴とする医薬。胃潰瘍、胃拡張、胃酸過多、胃痛、胃痙攣、胸やけ、便秘、十二指腸潰瘍、ヘルペス、肩こり、生理痛、生理不順、冷え性、喘息、小児喘息、心臓疾患、疲労感、二日酔い、不眠症、膀胱炎、リウマチ、更年期障害、C型肝炎、肝臓病、花粉症、皮膚病、アトピー性皮膚炎、白血病、癌、動脈硬化、高血圧、ノイローゼ、かんの虫、寝小便、皮膚もしくは肌のしみ、高脂血症、糖尿病、前立腺肥大、痛風、肥満、脂肪肝、吐き気、不整脈、心筋梗塞、心臓病、アレルギー性疾患、各種ポリープ、バセドー病、甲状腺機能低下症または頭痛の予防または治療薬であることを特徴とする医薬。について開示されている。
【0020】
しかしながら、腰痛・肩こりの予防的観点において主眼を置いた、効果のある組成物の提供はされておらず、腰痛・肩こりに対しては、発症後の物理的療法や、治療薬、さらに症状が深刻な場合は、医師の判断により、適宜手術等の治療を受けるのが実情である。なお、腰部の手術の場合、手術の難度も高く、手術を受ける者にとっても、かなりの苦痛を伴うものである。
【特許文献1】特開2004−26780号公報
【特許文献2】特開2003−95958号公報
【特許文献3】特開2002−154980号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、血流悪化を予防し、肩こり、腰痛を予防するに有効な組成物、及びそれを含有する飲食品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
梅(Prunes
mume)の 梅干しは、食当たり、水当たりを治し、日射病の予防、ご飯の腐敗を防ぐ、下痢を治す、伝染病を予防する、疲労を回復する。そのほか、食欲を増進し、唾液の分泌をよくし、腸内の異常発酵を防ぐなどの効能がある。また血液をサラサラにし、カルシウムの吸収を良くし、老化現象を予防する。梅干しにはタンパク質、脂肪、ビタミン類などの栄養はほとんどなく、大部分はミネラルと酸っぱいクエン酸である。私たちがとった炭水化物は消化吸収されてグリコーゲン(糖質)に変化し、一部は筋肉、血液に貯えられるが、大部分は肝臓に貯えられ、エネルギー化した後、最後は炭酸ガスになって肺から呼吸によって排泄される。この過程で体内に乳酸が発生するが、血液中の乳酸は疲労素の一種で、これが多くなると蛋白と結合して乳酸蛋白になり、これが蓄積すると細胞が老化し組織を硬化させて高血圧、リウマチ、肩こりの原因にもなる。
【0023】
桃(Prunus
persica Prunus)は、桃は生命力がたいへん強いことから、古代中国では邪気払いの力があると信じられていた。実際に桃の果実は甘くておいしいだけでなく、健康に関するさまざまな側面ですぐれた効能をもっている。桃は利尿作用があり、食物繊維のペクチンを多く含んでいるため、便秘の妙薬といわれている。また新陳代謝を促進させる働きがある。桃に多くふくまれるペクチンやナイアシン(ビタミンBの一種)は、コレステロールを下げる働きがあり、カリウムには血圧を下げる作用があるので、動脈硬化や高血圧に大変効果的である。桃には水溶性食物繊維が含まれている。水溶性食物繊維は急激な血糖値の上昇を抑制する作用があることがわかっている。実際に、糖尿病患者に水溶性食物繊維を与えたところ血糖値の低下が認められている。桃は褐色脂肪細胞(糖質・脂肪を分解する細胞)を増やして太らない体を作る。
紅茶と一緒に摂ると肥満・糖尿病予防効果が上がる。桃の薬効成分であるクリサンテミンの効果で、肌と内臓の老化を予防する。特に、赤みの多い桃が予防効果が高いといわれている。ヨーグルトと一緒に食べると効果が高い。「桃の葉」にはタンニンをはじめ、消炎・鎮痛作用のあるグリコシドなどの青酸配糖体、蓚酸マグネシウム、カリウムなどがふくまれており、内服すれば神経痛や頭痛にも効果がある。妊娠中の女性が「桃仁(桃の種)」「桃花」をもちいることは望ましくないとされている。
【0024】
牡丹(Paeonia suffruticosa Andrews)は、鎮痛・生理不順などに特に大きな効果がある。また、肌を綺麗にして美顔作り、血液循環を改善する効果があると言われている。漢方では、その根皮が薬剤として用いられる。
【0025】
イグサ(Juncus effusus Linn.)は、Juncus 属は約220種が世界に分布している。比較的湿度の高い地域で育ちやすいことから,日本,中国,東南アジアにおいて主に栽培されている。栽培されたJuncus 属は,敷物やモップとして世界中で利用されている。日本ではJuncus 属の植物を「イグサ」と呼んでおり,柔道のマットや室内のカーペットとして、約600年以上も前より使われてきた。活性酸素は酸素の約1500倍の酸化力を有しており、少量では免疫効果を発揮するものの、体内に多量に蓄積した場合、ガンや動脈硬化、糖尿病、老化、アトピー性皮膚炎、アレルギー疾患など様々な病気を引き起こすことで知られている。疾患の約90%は活性酸素が原因とさえ言われている。活性酸素は酒やタバコを飲んだり、ストレスが溜まったり、空気が汚れた環境で生活したり、食品添加物を多く含む食品を食べることで、体内に蓄積される。しかしこれらは現代生活において避けては通れないものばかりで、活性酸素を消去する食品を日常的に食べることが必要であると考えている。イグサは活性酸素の消去に優れた植物であり、イグサ1gあたりで4200単位もの活性酸素を消去することが明らかとなった。この値は、同じく活性酸素を消去することで有名な青汁の原料であるケールの約5倍もの高さである。また、イグサは食物繊維が100gあたり63gもの量を占めている。これは様々な農作物の中でもかなり高い値であり、レタスの約40倍、サツマイモの約9倍、ほうれん草の約2倍にあたる。食物繊維はコレステロール抑制効果、血糖値上昇抑制効果、大腸ガンの発生抑制効果など多くの効能を有していることが既に明らかになっている。さらに、イグサには腸管出血性大腸菌O157に対して抗菌作用を有していることが明らかとなった。その他にも腸管出血性大腸菌O26、O111、食中毒件数で最も多いサルモネラ菌、牛乳汚染で問題になった黄色ブドウ球菌、さらには腐敗細菌である枯草菌やミクロコッカス菌に対しても抗菌作用が明らかとなった。
【0026】
オキアミ(節足動物門 甲殻綱 軟甲亜綱 オキアミ目の動物の総称)には、EPA(イコサペンタエン酸)が存在する。EPAはもともと、オキアミなど海に棲息する生物の体内でつくられ、ヒトをはじめとする哺乳動物では合成されない。同じ脂肪酸でも、アラキドン酸は陸の食べ物に、EPAは海の食物に由来している。海ではプランクトンを魚たちが食べ、その魚をアザラシやオットセイがたべるといった食物連鎖によって、あらゆる生き物にEPAがとり込まれる。この結果、アザラシなどはかなりの量のEPAを貯えている。EPAを長期間とり続けると、その血液成分(赤血球、血小板)や体全体の細胞にとり込まれる。その結果、血液を固まりにくくさせ、血管をしなやかに保つほか、高脂血症を改善する働きをもっていることが、多くの研究者により確認されている。血液をサラサラにするなど、EPAの多彩な作用が誤った生活習慣からおこる動脈硬化性疾患を遅らせる可能性があるとして注目されている。コレステロールの低下や血栓防止に有用であることが知られているDHA(ドコサヘキサエン酸)も含まれている。
【0027】
大豆(Glycine
max)は、含まれているサポニンが、体内に腐った脂肪である過酸化物ができるのを防ぎ、脂肪の合成や吸収を抑制し、分解を促進すると言われており、リノール酸にも、血中コレステロールや中性脂肪を下げる効果がある。糖尿病の原因の1つとして、肥満が挙げられるが、大豆サポニンには、肥満体質の人の腸を正常な状態に戻す作用があるので、肥満の予防にも効果がある。また、糖尿病は、体内に摂取された食物がエネルギーに変わる過程である「代謝」が悪くなる病の1つと言われているが、大豆サポニンには、脂質の代謝を促す作用もある。また大豆イソフラボンには、女性ホルモンのエストロゲンと似た効果があり、真皮層にあるコラーゲンやヒアルロン酸の合成を促したり、角質の水分量を増やし、保湿力を増加させる作用が期待できる。大豆イソフラボンは、血液の流れをよくして動脈硬化を防ぐ。また、含まれているマグネシウムは、摂取したエネルギーが消費エネルギーに変換されるための「代謝力」を引き上げ、冷え性の改善につながり、血流をよくする。また含まれているビタミンEには、血流をよくする効果がある。
【0028】
納豆菌(bacillus natto)は、枯草菌の一種で、稲の藁に多く生息し納豆を作るときに利用される。ナットウキナーゼ(nattokinase)は、納豆のネバネバに含まれている酵素(キナーゼ)で、血栓を溶かす酵素である。血液の流れを妨げる血栓は、脳梗塞や心筋梗塞、狭心症など引き起こしますし、老人のボケ(痴呆症)も、日本人の場合は60%が血栓症が原因だと言われている。納豆のにおい成分であるピラジンは血栓が出来るのを防ぎ、ナットウキナーゼは血栓を溶すので、心筋梗塞や脳卒中を予防する。
【0029】
すなわち、本発明は、以下の構成を要旨とする。
(1)桃の果実、梅の果実、牡丹の根皮から選ばれる1種または複数種のエキス、および、イグサ、オキアミ、大豆から選ばれる1種または複数種のエキスを有効成分とすることを特徴とする、血流悪化防止作用を有する組成物。
(2)桃の果実、梅の果実、牡丹の根皮から選ばれる1種または複数種のエキス、および、イグサ、オキアミ、大豆から選ばれる1種または複数種のエキスを、納豆菌で発酵させたエキスを有効成分とすることを特徴とする、血流悪化防止作用を有する組成物。
(3)それらの組成物を含有することを特徴とする、飲食品。
(4)それらの組成物を含有することを特徴とする、腰痛予防あるいは肩こり予防効果を有する飲食品。
【発明の効果】
【0030】
本発明により、本発明の組成物を含有する飲食品を摂取することにより、血流の悪化が防止され、腰痛や肩こりの予防をすることも期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の基本形は、桃の果実、梅の果実、牡丹の根皮から選ばれる1種または複数種のエキスと、イグサ、オキアミ、大豆から選ばれる1種または複数種のエキスを有効成分とすることを特徴とする、血流悪化防止作用を有する組成物である。また、桃の果実、梅の果実、牡丹の根皮から選ばれる1種または複数種のエキスと、イグサ、オキアミ、大豆から選ばれる1種または複数種のエキスを、納豆菌で発酵させたエキスを有効成分とすることを特徴とする、血流悪化防止作用を有する組成物も有効である。それらの組成物を含有する、飲食品を摂取することにより、血流の悪化が防止され、具体的な効果としては、腰痛予防あるいは肩こり予防効果を有する飲食品を提供するものである。
【実施例】
【0032】
以下に本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0033】
[桃のエキスの調製]
乾燥粉砕した桃の果肉100gを10倍量の60℃の熱水中に入れ、一昼夜抽出した後、遠心分離後に抽出液と残さにわけ、残さを再度5倍量の100℃の熱水を加えて1昼夜抽出を行い、遠心した後、60℃で抽出した抽出液と100℃で抽出した抽出液を混合したものを桃の抽出液とし、この抽出液を50℃でろ過を行った後、再度15℃まで冷めた後でろ過を行い、その後減圧下で濃縮し、10gの濃縮液を得た(桃エキス)。
【0034】
[梅のエキスの調製]
乾燥粉砕した梅ぼしの果肉100gを10倍量の60℃の熱水中に入れ、一昼夜抽出した後、遠心分離後に抽出液と残さにわけ、残さを再度5倍量の100℃の熱水を加えて1昼夜抽出を行い、遠心した後、60℃で抽出した抽出液と100℃で抽出した抽出液を混合したものを梅の抽出液とし、この抽出液を50℃でろ過を行った後、再度15℃まで冷めた後でろ過を行い、その後減圧下で濃縮し、10gの濃縮液を得た(梅エキス)。
【0035】
梅ぼしの作り方は、一般的なものであり、例えば以下のような手順になる。
1.青梅の場合は一晩、完熟なら二時間ほど水に浸して「アク抜き」をし、その後、手でかき回しながらよく洗う。2.水から上げてよく水を切る。3.清潔な漬物容器を用意する。4. 塩は漬ける梅の重さの15%ぐらいが適当。最後に漬けた梅を塩で覆うのでその分を別にしておく。(塩全量の8割ほど)5.容器の底に塩を振る。6.全量の梅の五分の一ほどを入れ、その上に塩を振り、梅を手で転がすように(塩粒で表面にキズがつくように)する。7.先ほどと同じ量の梅をいれ、同じことを繰り返す。後になるほど塩の量を増やしていく。8.最後に、別にしておいた塩で漬けた梅にふたをする。9.重石(梅の重さの二倍くらい)をかける。10.フタをしっかりとする。出来ない場合は、虫や異物が入らないように覆いをしておく。11.翌日か翌々日には、梅酢が上がっているのを確かめる。12.そのまま10日以上おき、頃合の赤しそが出回るのを待つ。13. 赤しその量は軸つきで梅の半分から同量の重さとする。14. 赤しその根は切り捨て、葉をむしり、よく水洗いする。15. 水切りしたしそ葉に塩を振り、しっかりと塩もみをする。16.水気とともにアクが出るので、よく絞り捨てる。17.漬け梅の漬け汁を少し取り出し、しそに含ませ、さらによくもむ。18.今度は絞らずに、漬け梅の間に少々挟み、上を、しそで覆う。(しそに梅酢がよくしみこむように。)19.10日ほどおいたら梅としそ(梅酢はよく絞って)を取り出して天日干し。20.梅酢に戻して二、三日後、再度天日干し。三回目の天日干しで干し上げとし、21.梅酢に戻さず出来上がりとする。
かように、梅ぼしを作ることはかなりの手順が必要であるので、梅ぼしを用いる代わりに、青梅の果肉を乾燥破砕したものを用いてもよい。
【0036】
[牡丹の根皮のエキスの調製]
乾燥粉砕した牡丹の根皮100gを10倍量の60℃の熱水中に入れ、一昼夜抽出した後、遠心分離後に抽出液と残さにわけ、残さを再度5倍量の100℃の熱水を加えて1昼夜抽出を行い、遠心した後、60℃で抽出した抽出液と100℃で抽出した抽出液を混合したものを牡丹根皮の抽出液とし、この抽出液を50℃でろ過を行った後、再度15℃まで冷めた後でろ過を行い、その後減圧下で濃縮し、10gの濃縮液を得た(牡丹エキス)。
【0037】
[イグサのエキスの調製]
乾燥粉砕したイグサ100gを10倍量の60℃の熱水中に入れ、一昼夜抽出した後、遠心分離後に抽出液と残さにわけ、残さを再度5倍量の100℃の熱水を加えて1昼夜抽出を行い、遠心した後、60℃で抽出した抽出液と100℃で抽出した抽出液を混合したものをイグサ抽出液とし、この抽出液を50℃でろ過を行った後、再度15℃まで冷めた後でろ過を行い、その後減圧下で濃縮し、10gの濃縮液を得た(イグサエキス)。
【0038】
[オキアミのエキスの調製]
乾燥粉砕したオキアミ100gを10倍量の60℃の熱水中に入れ、一昼夜抽出した後、遠心分離後に抽出液と残さにわけ、残さを再度5倍量の100℃の熱水を加えて1昼夜抽出を行い、遠心した後、60℃で抽出した抽出液と100℃で抽出した抽出液を混合したものをオキアミ抽出液とし、この抽出液を50℃でろ過を行った後、再度15℃まで冷めた後でろ過を行い、その後減圧下で濃縮し、10gの濃縮液を得た(オキアミエキス)。
【0039】
[大豆のエキスの調製]
乾燥粉砕した大豆100gを10倍量の60℃の熱水中に入れ、一昼夜抽出した後、遠心分離後に抽出液と残さにわけ、残さを再度5倍量の100℃の熱水を加えて1昼夜抽出を行い、遠心した後、60℃で抽出した抽出液と100℃で抽出した抽出液を混合したものを大豆抽出液とし、この抽出液を50℃でろ過を行った後、再度15℃まで冷めた後でろ過を行い、その後減圧下で濃縮し、10gの濃縮液を得た(大豆エキス)。
【0040】
[納豆菌による発酵エキスの調整]
納豆菌による発酵は、上記のエキスから適宜選択した混合エキスを10倍量の温水に溶解し、市販納豆から得た納豆菌を接種した(納豆菌の接種量は、菌数としては特定し難い。発酵液1Lに対して、0.5g程度を目安とした)。好気的条件下で、発酵温度は40〜42℃で、24時間発酵させ、さらに10℃の冷蔵庫で24時間熟成させたものを、約10℃の温度の下でろ過し、減圧下で10倍濃縮して、納豆菌発酵濃縮液を得た(納豆菌発酵エキス)。
【0041】
[エキス含有飲料の調製(納豆菌で発酵させないもの)]
エキス含有飲料を以下のような配合例により調製した。
飲料は、全体100重量部のうち、以下(A.砂糖,B.ビタミンC)を共通部分として、調製した。各成分は、80℃の熱水に攪拌しながら溶解し、その後10℃に冷却保管した。
A.砂糖 5.0
B.ビタミンC 0.02
【0042】
配合例A(数字は全体100重量部における各成分の重量部を示す)
1.桃エキス 2.0
2.梅エキス 2.0
3.牡丹エキス 2.0
4.イグサエキス 2.0
5.オキアミエキス 2.0
6.大豆エキス 2.0
【0043】
配合例B
1.桃エキス 3.0
2.梅エキス 3.0
3.牡丹エキス 0.0
4.イグサエキス 3.0
5.オキアミエキス 3.0
6.大豆エキス 0.0
【0044】
配合例C
1.桃エキス 3.0
2.梅エキス 0.0
3.牡丹エキス 3.0
4.イグサエキス 3.0
5.オキアミエキス 0.0
6.大豆エキス 3.0
【0045】
配合例D
1.桃エキス 0.0
2.梅エキス 3.0
3.牡丹エキス 3.0
4.イグサエキス 0.0
5.オキアミエキス 3.0
6.大豆エキス 3.0
【0046】
配合例E
1.桃エキス 6.0
2.梅エキス 0.0
3.牡丹エキス 0.0
4.イグサエキス 6.0
5.オキアミエキス 0.0
6.大豆エキス 0.0
【0047】
配合例F
1.桃エキス 0.0
2.梅エキス 6.0
3.牡丹エキス 0.0
4.イグサエキス 0.0
5.オキアミエキス 6.0
6.大豆エキス 0.0
【0048】
配合例G
1.桃エキス 0.0
2.梅エキス 0.0
3.牡丹エキス 6.0
4.イグサエキス 0.0
5.オキアミエキス 0.0
6.大豆エキス 6.0
【0049】
配合例H
1.桃エキス 12.0
2.梅エキス 0.0
3.牡丹エキス 0.0
4.イグサエキス 0.0
5.オキアミエキス 0.0
6.大豆エキス 0.0
【0050】
配合例I
1.桃エキス 0.0
2.梅エキス 0.0
3.牡丹エキス 0.0
4.イグサエキス 0.0
5.オキアミエキス 0.0
6.大豆エキス 12.0
【0051】
配合例J
1.桃エキス 0.0
2.梅エキス 0.0
3.牡丹エキス 0.0
4.イグサエキス 0.0
5.オキアミエキス 0.0
6.大豆エキス 0.0
【0052】
配合例A〜Jの飲料を、それぞれ1ケ月ずつ、座り仕事、立ち仕事が多く、腰痛あるいは肩こりに不安がある人(40代から50代の男女計6名)に、毎日100ml接種してもらい、腰痛あるいは肩こりに対する効果について、評価してもらった。表1。
評価方法は、以下のようにして、自己評価によって行った。
◎:腰痛あるいは肩こりの改善の傾向があり、血流も良くなり体調も良くなったと感じた
○:腰痛あるいは肩こりの改善の傾向がみられた
△:やや腰痛あるいは肩こりの改善の傾向がみられたようだ
×:特に変化は認められなかった
【0053】
[表1]
パネル a b c d e f
配合例A ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○
配合例B ◎ ○ ○ ◎ ◎ ○
配合例C ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
配合例D ◎ ◎ ○ ○ ◎ ◎
配合例E ○ ○ ◎ ○ ○ ◎
配合例F ○ ◎ ◎ ○ ○ ○
配合例G ◎ ○ ◎ ○ ◎ ○
配合例H △ × △ ○ △ △
配合例I △ × ○ △ ○ ○
配合例J × × × × × ×
【0054】
<効果>桃の果実、梅の果実、牡丹の根皮から選ばれる1種または複数種のエキスと、イグサ、オキアミ、大豆から選ばれる1種または複数種のエキスを有効成分とする組成物を含有した飲料を摂取すると、腰痛あるいは肩こりが改善し、血流も良くなり、体調も良くなるという効果が認められた。
【0055】
[エキス含有飲料の調製(納豆菌で発酵させたもの)]
納豆菌発酵エキス含有飲料を以下のような配合例により調製した。
飲料は、全体100重量部のうち、以下(A.砂糖,B.ビタミンC)を共通部分として、調製した。各成分は、80℃の熱水に攪拌しながら溶解し、その後10℃に冷却保管した。
A.砂糖 5.0
B.ビタミンC 0.02
【0056】
なお、以下の配合例における各エキスは、原エキスに相当する重量部を示しており、実際は、各配合例に基づき、原エキスをあらかじめ混合したものを納豆菌で発酵させたものを、エキスとして配合した。
【0057】
配合例A2(数字は全体100重量部における各成分の重量部を示す)
1.桃エキス 2.0
2.梅エキス 2.0
3.牡丹エキス 2.0
4.イグサエキス 2.0
5.オキアミエキス 2.0
6.大豆エキス 2.0
【0058】
配合例B2
1.桃エキス 3.0
2.梅エキス 3.0
3.牡丹エキス 0.0
4.イグサエキス 3.0
5.オキアミエキス 3.0
6.大豆エキス 0.0
【0059】
配合例C2
1.桃エキス 3.0
2.梅エキス 0.0
3.牡丹エキス 3.0
4.イグサエキス 3.0
5.オキアミエキス 0.0
6.大豆エキス 3.0
【0060】
配合例D2
1.桃エキス 0.0
2.梅エキス 3.0
3.牡丹エキス 3.0
4.イグサエキス 0.0
5.オキアミエキス 3.0
6.大豆エキス 3.0
【0061】
配合例E2
1.桃エキス 6.0
2.梅エキス 0.0
3.牡丹エキス 0.0
4.イグサエキス 5.5
5.オキアミエキス 0.0
6.大豆エキス 0.5
【0062】
配合例F2
1.桃エキス 0.0
2.梅エキス 6.0
3.牡丹エキス 0.0
4.イグサエキス 0.0
5.オキアミエキス 6.0
6.大豆エキス 0.0
【0063】
配合例G2
1.桃エキス 0.0
2.梅エキス 0.0
3.牡丹エキス 6.0
4.イグサエキス 0.0
5.オキアミエキス 0.0
6.大豆エキス 6.0
【0064】
配合例H2
1.桃エキス 11.5
2.梅エキス 0.0
3.牡丹エキス 0.0
4.イグサエキス 0.0
5.オキアミエキス 0.0
6.大豆エキス 0.5
【0065】
配合例I2
1.桃エキス 0.0
2.梅エキス 0.0
3.牡丹エキス 0.0
4.イグサエキス 0.0
5.オキアミエキス 0.0
6.大豆エキス 12.0
【0066】
配合例J2
1.桃エキス 0.0
2.梅エキス 0.0
3.牡丹エキス 0.0
4.イグサエキス 0.0
5.オキアミエキス 0.0
6.大豆エキス 0.0
【0067】
配合例A2〜J2の飲料を、それぞれ1ケ月ずつ、座り仕事、立ち仕事が多く、腰痛あるいは肩こりに不安がある人(40代から50代の男女計6名)に、毎日100ml接種してもらい、腰痛あるいは肩こりに対する効果について、評価してもらった。表2。
評価方法は、以下のようにして、自己評価によって行った。
◎:腰痛あるいは肩こりの改善の傾向があり、血流も良くなり体調も良くなったと感じた
○:腰痛あるいは肩こりの改善の傾向がみられた
△:やや腰痛あるいは肩こりの改善の傾向がみられたようだ
×:特に変化は認められなかった
【0068】
[表2]
パネル a b c d e f
配合例A2 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎
配合例B2 ○ ◎ ○ ◎ ○ ◎
配合例C2 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎
配合例D2 ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ◎
配合例E2 ○ ◎ ○ ○ ○ ◎
配合例F2 ○ ◎ ○ ○ ○ ◎
配合例G2 ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ○
配合例H2 △ △ △ × △ △
配合例I2 △ ○ ○ △ ○ ○
配合例J2 × × × × × ×
【0069】
<効果>桃の果実、梅の果実、牡丹の根皮から選ばれる1種または複数種のエキスと、イグサ、オキアミ、大豆から選ばれる1種または複数種のエキスを、納豆菌で発酵させたエキスを有効成分とする組成物を含有した飲料を摂取すると、腰痛あるいは肩こりが改善し、血流も良くなり、体調も良くなるという効果が認められた。









































【特許請求の範囲】
【請求項1】
桃の果実、梅の果実、牡丹の根皮から選ばれる1種または複数種のエキス、および、イグサ、オキアミ、大豆から選ばれる1種または複数種のエキスを有効成分とすることを特徴とする、血流悪化防止作用を有する組成物。
【請求項2】
桃の果実、梅の果実、牡丹の根皮から選ばれる1種または複数種のエキス、および、イグサ、オキアミ、大豆から選ばれる1種または複数種のエキスを、納豆菌で発酵させたエキスを有効成分とすることを特徴とする、血流悪化防止作用を有する組成物。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の組成物を含有することを特徴とする、飲食品。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の組成物を含有することを特徴とする、腰痛予防あるいは肩こり予防効果を有する飲食品。





































【公開番号】特開2006−290784(P2006−290784A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−112471(P2005−112471)
【出願日】平成17年4月8日(2005.4.8)
【出願人】(304033502)
【Fターム(参考)】