血液透析装置のプライミング方法および装置
【課題】逆濾過透析液を使用して血液回路のプライミングを行うに際し、透析液圧の異常上昇を抑えるとともに透析膜内部の気泡を効率よく除去し、より時間効率のよいプライミングを実現可能な方法および装置を提供する。
【解決手段】血液回路３と透析液回路４との間で透析膜２を介して血液透析を行う血液透析要素１を備えた血液透析装置における、血液透析前の血液回路内のプライミングを行う方法であって、透析液回路内の透析液を透析膜２を通して血液回路３内に流入させることにより血液回路内のプライミングを行うとともに、血液回路内に流入された透析液を透析膜２を通して透析液回路４内に流出させることを特徴とするプライミング方法、および装置。
【解決手段】血液回路３と透析液回路４との間で透析膜２を介して血液透析を行う血液透析要素１を備えた血液透析装置における、血液透析前の血液回路内のプライミングを行う方法であって、透析液回路内の透析液を透析膜２を通して血液回路３内に流入させることにより血液回路内のプライミングを行うとともに、血液回路内に流入された透析液を透析膜２を通して透析液回路４内に流出させることを特徴とするプライミング方法、および装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、血液透析装置のプライミングの方法および装置に関し、特に血液透析を行う前に、血液回路内または／および透析器のプライミングの際に、自動で効率よくプライミングできるようにした方法および装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
患者の動脈側から採血し、血液透析を行った後、浄化された血液を静脈側に戻す血液透析装置は広く実用化されている。このような血液透析装置においては、通常、血液透析を開始する前に、血液回路と血液透析要素（透析器：一般にダイアライザと呼ばれている。））のプライミングが行われる。このプライミング方法としては一般的に生理食塩液を用いた方法で行われており、日本透析医会よりマニュアルが発行されている。つまり、生理食塩液の注入回路が設けられた血液回路を使用し、血液回路と血液透析要素のすべの接続が終了したら、150 ml/min程度の流速で生理食塩液を流通させ、血液透析要素内を含む血液回路の洗浄を行う。このとき血液回路内の気泡除去を行う。洗浄終了後、充填用生理食塩液500 mlパックに替え、血液回路・血液透析要素内を充填用生理食塩液で置換する。
【０００３】
しかしコスト削減等を目的として、血液透析要素を介して逆濾過した（すなわち、透析液回路側から血液透析要素の透析膜を通して透析液を血液回路側に押し出した）透析液で自動的にプライミングを行う方式が各種提案されている（例えば、特許文献１、２）。逆濾過透析液によるプライミングでは、生理食塩液によるプライミング・洗浄に対し、逆濾過透析液をプライミングに使用することで、大量のプライミング液を確保することが可能となり、より洗浄度の高いプライミングが可能となる。
【特許文献１】特開平１−１１３０６４号公報
【特許文献２】特許第２９７９２３４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところが、単なる逆濾過透析液によるプライミングでは、とくにドライタイプの血液透析要素（ドライタイプダイアライザ）を使用する場合に、以下のような問題を生じることがある。すなわち、ダイアライザ（血液透析要素）は血液透析を行う上で、重要なデバイスであるが、このダイアライザには、滅菌水が充填されているタイプと滅菌水が充填されていないタイプがある。滅菌水が充填されていないタイプのダイアライザをドライタイプダイアライザという。
【０００５】
逆濾過透析液を使用した血液回路のプライミングにおいて、とくにドライタイプの血液透析要素を使用する場合、透析液圧の上昇が見られる。透析液圧の異常な上昇は、透析膜に損傷を与える可能性があるため、透析液圧が所定の圧力に達した場合、逆濾過透析液流量を制御し、透析液圧の上昇を抑えている。しかし、単に逆濾過透析液を使用するだけのプライミング方法では、透析液圧の上昇を抑える際に逆濾過透析液流量が低下することとなり、その分プライミングに時間を要することとなる。
【０００６】
また、ドライタイプの血液透析要素をプライミングする際、血液透析要素の透析膜内に存在する空気を十分に除去する必要がある。このとき逆濾過透析液の送液のみでは、透析膜内に存在する空気の除去が十分に行われたか否か、不明瞭な点がある。さらに、透析膜内の空気の除去は、逆濾過透析液を長時間送液することで除去可能と考えられるものの、それでは該プライミングの時間が長くなるという問題点がある。
【０００７】
そこで本発明の課題は、上記のような問題点に着目し、逆濾過透析液を使用して血液回路のプライミングを行うに際し、逆濾過方向のみならず、血液回路内に押し込まれた透析液を透析膜を介して透析液回路内に戻す正濾過方向の濾過作動も有効に活用できるようにすることにより、つまり、正濾過、逆濾過の両方向に透析膜に対して通液させることにより、透析液圧の異常上昇を抑えるとともに透析膜内部の気泡を効率よく除去し、より時間効率のよいプライミングを実現可能な方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記課題を解決するために、本発明に係る血液透析装置のプライミング方法は、血液ポンプを用いて患者の体内との間で血液を循環させる血液回路と透析液を流通させる透析液回路との間で透析膜を介して血液透析を行う血液透析要素を備えた血液透析装置における、血液透析前の血液回路内のプライミングを行う方法であって、透析液回路内の透析液を透析膜を通して血液回路内に流入させることにより血液回路内のプライミングを行うとともに、血液回路内に流入された透析液を透析膜を通して透析液回路内に流出させることを特徴とするプライミング方法からなる。
【０００９】
すなわち、プライミングを行う際、血液透析要素の透析膜内に存在する空気を効率よく短時間で除去する方法として、透析膜を通して透析液回路内から血液回路内に流入される逆濾過透析液を十分に送液したのち、血液回路内に流入された透析液を、血液透析要素の血液回路内から透析液回路内への正濾過方向に透析膜を通して送液する。必要に応じて、この血液透析要素の透析液回路内から血液回路内への送液と、血液回路内から透析液回路内への送液とを繰り返すことにより、透析液圧の異常上昇を抑えつつ、効率よくかつ短時間に透析膜内に存在する空気を除去することができ、望ましいプライミングを行うことができる。
【００１０】
この本発明に係る血液透析装置のプライミング方法においては、透析液回路または／および血液回路内の圧力を変化させることにより、透析液の血液回路内への流入および透析液回路内への流出を行わせることが可能である。
【００１１】
また、血液回路内の圧力または／および透析液回路内の圧力を検出し、検出圧力が所定の設定値を超えないように血液回路内への透析液の流入速度を制御する、または所定の設定値に達した場合に血液回路内への透析液の流入を中断するとともに、透析液の流入後所定の時間が経過するまでの間または／および検出圧力が所定の圧力に低下するまでの間、血液回路内に流入された透析液を透析液回路内へ流出させるようにすることができる。検出圧力に応じて透析液の流入速度を制御したり透析液の流入を中断したりすることにより、確実に透析液圧の異常上昇を抑えることができる。また、透析液の流入後所定の時間が経過するまでの間または／および検出圧力が所定の圧力に低下するまでの間、透析液を透析液回路内へ流出させることにより、透析液の流入／流出動作の繰り返しを時間効率よく行うことが可能になり、短時間のうちに目標とするプライミングを完了させることが可能になる。
【００１２】
また、本発明に係る血液透析装置のプライミング方法においては、患者の動脈針接続部から血液透析要素まで延び、血液ポンプを備えた動脈側血液回路におけるプライミングと、血液透析要素から静脈針接続部まで延びる静脈側血液回路におけるプライミングとを分けて行うことも可能である。このように分けて行えば、それぞれ最適な圧力状態でのプライミングが可能になり、血液回路全域にわたって望ましいプライミングを行うことが可能になる。
【００１３】
このような本発明に係る血液透析装置のプライミング方法は、とくに血液透析要素がドライタイプの血液透析要素からなる場合に好適なものである。ただし、本発明に係る方法は、ドライタイプの血液透析要素のみならず、他のタイプの血液透析要素にも使用することが可能である。
【００１４】
本発明に係る血液透析装置のプライミング装置は、血液ポンプを用いて患者の体内との間で血液を循環させる血液回路と透析液を流通させる透析液回路との間で透析膜を介して血液透析を行う血液透析要素を備えた血液透析装置における、血液透析前の血液回路内のプライミングを行う装置であって、透析液回路内の透析液を透析膜を通して血液回路内に流入させることにより血液回路内のプライミングを行うべく、透析液を透析膜に対して逆濾過方向に送液する逆濾過透析液送液手段と、血液回路内に流入された透析液を透析膜を通して透析液回路内に流出させるべく、透析液を透析膜に対して正濾過方向に送液する正濾過透析液送液手段とを有することを特徴とするプライミング装置からなる。
【００１５】
この本発明に係る血液透析装置のプライミング装置においては、透析液回路または／および血液回路内の圧力を変化させ、透析液の血液回路内への流入および透析液回路内への流出を行わせる手段を有する構成とすることができる。
【００１６】
また、透析液の血液回路内への流入と透析液回路内への流出を切り替える制御手段を有する構成とすることができる。
【００１７】
また、血液回路内の圧力または／および透析液回路内の圧力を検出する手段と、該圧力検出手段による検出圧力が所定の設定値を超えないように血液回路内への透析液の流入速度を制御する手段、または所定の設定値に達した場合に血液回路内への透析液の流入を中断する手段と、透析液の流入後所定の時間が経過するまでの間または／および検出圧力が所定の圧力に低下するまでの間、血液回路内に流入された透析液を透析液回路内へ流出させる手段とを有する構成とすることができる。
【００１８】
さらに、患者の動脈針接続部から血液透析要素まで延び、血液ポンプを備えた動脈側血液回路におけるプライミングと、血液透析要素から静脈針接続部まで延びる静脈側血液回路におけるプライミングとを分ける手段を有する構成とすることもできる。
【００１９】
このような本発明に係る血液透析装置のプライミング装置は、とくに血液透析要素がドライタイプの血液透析要素からなる場合に好適なものである。ただし、本発明に係る装置は、ドライタイプの血液透析要素のみならず、他のタイプの血液透析要素にも適用することが可能である。
【発明の効果】
【００２０】
このように、本発明に係る血液透析装置のプライミング方法および装置によれば、透析液を透析膜を通して逆濾過方向と正濾過方向とに送液することで、透析液圧の異常上昇を抑えつつ、透析膜内部の気泡を効率よく除去でき、短時間のうちに望ましいプライミングを完了させることができる。とくにドライタイプの血液透析要素を使用した血液透析に対し、透析前の血液回路のプライミングを効率よく実施できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２１】
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図１は、本発明の一実施態様に係るプライミング装置を組み込んだ血液透析装置を示している。図１において、１は、中空糸膜などからなる透析膜２を備えた血液透析要素（ダイアライザ）を示しており、とくにドライタイプの血液透析要素を示している。３は患者の体内との間で血液を循環させる血液回路を示しており、血液回路３は、動脈側血液回路３ａ、血液透析要素１内の血液回路３ｂ、静脈側血液回路３ｃからなる。４は透析液を流通させる透析液回路を示しており、透析液回路４は、透析液供給ライン４ａ、血液透析要素１内の透析液回路４ｂ、透析液戻りライン４ｃからなる。透析液は、透析液供給ポンプ５を備えた送液手段としての透析液供給装置６から送液され、該装置６へと戻される。
【００２２】
本実施態様では、動脈側血液回路３ａと静脈側血液回路３ｃに、それぞれ、血液回路内の圧力を検出する圧力検出手段７、８が設けられている。また、動脈側血液回路３ａには、血液回路しごき部１０で血液送液用ロータ１１により血液回路を構成しているチューブをしごいて血液を血液透析要素１へと送液するための血液ポンプ９が設けられている。また、動脈側血液回路３ａと静脈側血液回路３ｃには、それぞれ、気泡検出手段１２、１３が設けられている。この気泡検出手段１２の上流側および気泡検出手段１３の下流側には、動脈側血液回路３ａを閉塞する閉塞手段１４および静脈側血液回路３ｃを閉塞する閉塞手段１５が設けられている。動脈側血液回路３ａの端部には動脈針接続部１６が設けられており、静脈側血液回路３ｃの端部には静脈針接続部１７が設けられている。また、本実施態様では、透析液回路内圧力検出手段１８も設けられている。各圧力検出手段７、８、１８の検出圧力信号は制御装置１９に送られ、制御装置１９からは、検出圧力に応じて、透析液供給ポンプ５、閉塞手段１４、１５の電磁弁に作動信号を送ることができるようになっており、予め設定した条件にしたがって、自動制御可能となっている。
【００２３】
血液回路３は、動脈針接続部１６から血液透析要素１までの動脈側血液回路３ａと、血液透析要素１内の血液回路３ｂと、血液透析要素１から静脈針接続部１７までの静脈側血液回路３ｃからなるが、本発明方法を実施する際には、動脈針接続部１６と静脈針接続部１７とを連結し、血液透析要素１の透析膜２を通して逆濾過された透析液が血液回路３内を循環できるように形成される。また、血液回路３内に存在する空気、プライミングに使用した透析液の排出は、動脈側血液回路のドリップチャンバ２０、静脈側血液回路のドリップチャンバ２１に備え付けられたオーバーフローラインから排出するようになっている。
【００２４】
このような血液透析装置のプライミング装置を用いて、本発明に係るプライミング方法は、例えば次のように実施される。
血液透析要素１の透析液回路４ｂ側から透析膜２を通して血液回路３ｂ側へ逆濾過透析液を送液する。このときの透析液の流れは、例えば図２に示すようになる。ある一定の時間経過後または／および所定の設定圧力を検出した時に（圧力検出手段７、８、１８のいずれか少なくとも一つで所定の設定圧力を検出した時に）、透析液回路４側から血液回路３側への逆濾過透析液の送液を中断し（検出圧力が所定の設定値を越えないように透析液供給ポンプ５の回転速度を制御して透析液の血液回路３ｂ側への流入速度を制御するようにしてもよい）、血液回路３側から透析液回路４側へと透析膜２を通して正濾過方向に透析液の送液を行う。このときの透析液の流れは、例えば図３に示すようになる。この正濾過透析液の送液は、一定時間経過するまでの間または／および所定の圧力を検出するまでの間（所定の圧力まで低下するまでの間）行えばよい。その後さらに、上記同様、一定時間または／および所定の圧力を検出するまで、再度透析液回路４側から血液回路３側への逆濾過透析液の送液を行う。
【００２５】
上記動作を自動で行い、予め設定された透析液送液量、透析液回路４側または血液回路３側からの送液を所定の回数繰り返し行う。このような透析液の逆濾過、正濾過の繰り返しにより、透析液圧の異常上昇を適切にかつ自動的に抑えるよう制御しつつ、透析膜内部の気泡を効率よく除去でき、短時間のうちに望ましいプライミングを完了させることができる。とくに、ドライタイプの血液透析要素を使用する血液透析において、透析前の血液回路のプライミングを効率よく完了させることができる。
【産業上の利用可能性】
【００２６】
本発明は、とくにドライタイプの血液透析要素を使用する血液透析装置のプライミングに好適である。
【図面の簡単な説明】
【００２７】
【図１】本発明の一実施態様に係るプライミング装置を組み込んだ血液透析装置の概略構成図である。
【図２】図１の装置における逆濾過透析液送液時の透析液の流れを示す概略部分構成図である。
【図３】図１の装置における正濾過透析液送液時の透析液の流れを示す概略部分構成図である。
【符号の説明】
【００２８】
１ 血液透析要素
２ 透析膜
３ 血液回路
３ａ 動脈側血液回路３ａ
３ｂ 血液透析要素内の血液回路
３ｃ 静脈側血液回路
４ 透析液回路
４ａ 透析液供給ライン４ａ
４ｂ 血液透析要素内の透析液回路
４ｃ 透析液戻りライン
５ 透析液供給ポンプ
６ 送液手段としての透析液供給装置
７、８、１８ 圧力検出手段
９ 血液ポンプ
１０ しごき部
１１ 血液送液用ロータ
１２、１３ 気泡検出手段
１４、１５ 閉塞手段
１６ 動脈針接続部
１７ 静脈針接続部
１９ 制御装置
２０、２１ ドリップチャンバ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、血液透析装置のプライミングの方法および装置に関し、特に血液透析を行う前に、血液回路内または／および透析器のプライミングの際に、自動で効率よくプライミングできるようにした方法および装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
患者の動脈側から採血し、血液透析を行った後、浄化された血液を静脈側に戻す血液透析装置は広く実用化されている。このような血液透析装置においては、通常、血液透析を開始する前に、血液回路と血液透析要素（透析器：一般にダイアライザと呼ばれている。））のプライミングが行われる。このプライミング方法としては一般的に生理食塩液を用いた方法で行われており、日本透析医会よりマニュアルが発行されている。つまり、生理食塩液の注入回路が設けられた血液回路を使用し、血液回路と血液透析要素のすべの接続が終了したら、150 ml/min程度の流速で生理食塩液を流通させ、血液透析要素内を含む血液回路の洗浄を行う。このとき血液回路内の気泡除去を行う。洗浄終了後、充填用生理食塩液500 mlパックに替え、血液回路・血液透析要素内を充填用生理食塩液で置換する。
【０００３】
しかしコスト削減等を目的として、血液透析要素を介して逆濾過した（すなわち、透析液回路側から血液透析要素の透析膜を通して透析液を血液回路側に押し出した）透析液で自動的にプライミングを行う方式が各種提案されている（例えば、特許文献１、２）。逆濾過透析液によるプライミングでは、生理食塩液によるプライミング・洗浄に対し、逆濾過透析液をプライミングに使用することで、大量のプライミング液を確保することが可能となり、より洗浄度の高いプライミングが可能となる。
【特許文献１】特開平１−１１３０６４号公報
【特許文献２】特許第２９７９２３４号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところが、単なる逆濾過透析液によるプライミングでは、とくにドライタイプの血液透析要素（ドライタイプダイアライザ）を使用する場合に、以下のような問題を生じることがある。すなわち、ダイアライザ（血液透析要素）は血液透析を行う上で、重要なデバイスであるが、このダイアライザには、滅菌水が充填されているタイプと滅菌水が充填されていないタイプがある。滅菌水が充填されていないタイプのダイアライザをドライタイプダイアライザという。
【０００５】
逆濾過透析液を使用した血液回路のプライミングにおいて、とくにドライタイプの血液透析要素を使用する場合、透析液圧の上昇が見られる。透析液圧の異常な上昇は、透析膜に損傷を与える可能性があるため、透析液圧が所定の圧力に達した場合、逆濾過透析液流量を制御し、透析液圧の上昇を抑えている。しかし、単に逆濾過透析液を使用するだけのプライミング方法では、透析液圧の上昇を抑える際に逆濾過透析液流量が低下することとなり、その分プライミングに時間を要することとなる。
【０００６】
また、ドライタイプの血液透析要素をプライミングする際、血液透析要素の透析膜内に存在する空気を十分に除去する必要がある。このとき逆濾過透析液の送液のみでは、透析膜内に存在する空気の除去が十分に行われたか否か、不明瞭な点がある。さらに、透析膜内の空気の除去は、逆濾過透析液を長時間送液することで除去可能と考えられるものの、それでは該プライミングの時間が長くなるという問題点がある。
【０００７】
そこで本発明の課題は、上記のような問題点に着目し、逆濾過透析液を使用して血液回路のプライミングを行うに際し、逆濾過方向のみならず、血液回路内に押し込まれた透析液を透析膜を介して透析液回路内に戻す正濾過方向の濾過作動も有効に活用できるようにすることにより、つまり、正濾過、逆濾過の両方向に透析膜に対して通液させることにより、透析液圧の異常上昇を抑えるとともに透析膜内部の気泡を効率よく除去し、より時間効率のよいプライミングを実現可能な方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記課題を解決するために、本発明に係る血液透析装置のプライミング方法は、血液ポンプを用いて患者の体内との間で血液を循環させる血液回路と透析液を流通させる透析液回路との間で透析膜を介して血液透析を行う血液透析要素を備えた血液透析装置における、血液透析前の血液回路内のプライミングを行う方法であって、透析液回路内の透析液を透析膜を通して血液回路内に流入させることにより血液回路内のプライミングを行うとともに、血液回路内に流入された透析液を透析膜を通して透析液回路内に流出させることを特徴とするプライミング方法からなる。
【０００９】
すなわち、プライミングを行う際、血液透析要素の透析膜内に存在する空気を効率よく短時間で除去する方法として、透析膜を通して透析液回路内から血液回路内に流入される逆濾過透析液を十分に送液したのち、血液回路内に流入された透析液を、血液透析要素の血液回路内から透析液回路内への正濾過方向に透析膜を通して送液する。必要に応じて、この血液透析要素の透析液回路内から血液回路内への送液と、血液回路内から透析液回路内への送液とを繰り返すことにより、透析液圧の異常上昇を抑えつつ、効率よくかつ短時間に透析膜内に存在する空気を除去することができ、望ましいプライミングを行うことができる。
【００１０】
この本発明に係る血液透析装置のプライミング方法においては、透析液回路または／および血液回路内の圧力を変化させることにより、透析液の血液回路内への流入および透析液回路内への流出を行わせることが可能である。
【００１１】
また、血液回路内の圧力または／および透析液回路内の圧力を検出し、検出圧力が所定の設定値を超えないように血液回路内への透析液の流入速度を制御する、または所定の設定値に達した場合に血液回路内への透析液の流入を中断するとともに、透析液の流入後所定の時間が経過するまでの間または／および検出圧力が所定の圧力に低下するまでの間、血液回路内に流入された透析液を透析液回路内へ流出させるようにすることができる。検出圧力に応じて透析液の流入速度を制御したり透析液の流入を中断したりすることにより、確実に透析液圧の異常上昇を抑えることができる。また、透析液の流入後所定の時間が経過するまでの間または／および検出圧力が所定の圧力に低下するまでの間、透析液を透析液回路内へ流出させることにより、透析液の流入／流出動作の繰り返しを時間効率よく行うことが可能になり、短時間のうちに目標とするプライミングを完了させることが可能になる。
【００１２】
また、本発明に係る血液透析装置のプライミング方法においては、患者の動脈針接続部から血液透析要素まで延び、血液ポンプを備えた動脈側血液回路におけるプライミングと、血液透析要素から静脈針接続部まで延びる静脈側血液回路におけるプライミングとを分けて行うことも可能である。このように分けて行えば、それぞれ最適な圧力状態でのプライミングが可能になり、血液回路全域にわたって望ましいプライミングを行うことが可能になる。
【００１３】
このような本発明に係る血液透析装置のプライミング方法は、とくに血液透析要素がドライタイプの血液透析要素からなる場合に好適なものである。ただし、本発明に係る方法は、ドライタイプの血液透析要素のみならず、他のタイプの血液透析要素にも使用することが可能である。
【００１４】
本発明に係る血液透析装置のプライミング装置は、血液ポンプを用いて患者の体内との間で血液を循環させる血液回路と透析液を流通させる透析液回路との間で透析膜を介して血液透析を行う血液透析要素を備えた血液透析装置における、血液透析前の血液回路内のプライミングを行う装置であって、透析液回路内の透析液を透析膜を通して血液回路内に流入させることにより血液回路内のプライミングを行うべく、透析液を透析膜に対して逆濾過方向に送液する逆濾過透析液送液手段と、血液回路内に流入された透析液を透析膜を通して透析液回路内に流出させるべく、透析液を透析膜に対して正濾過方向に送液する正濾過透析液送液手段とを有することを特徴とするプライミング装置からなる。
【００１５】
この本発明に係る血液透析装置のプライミング装置においては、透析液回路または／および血液回路内の圧力を変化させ、透析液の血液回路内への流入および透析液回路内への流出を行わせる手段を有する構成とすることができる。
【００１６】
また、透析液の血液回路内への流入と透析液回路内への流出を切り替える制御手段を有する構成とすることができる。
【００１７】
また、血液回路内の圧力または／および透析液回路内の圧力を検出する手段と、該圧力検出手段による検出圧力が所定の設定値を超えないように血液回路内への透析液の流入速度を制御する手段、または所定の設定値に達した場合に血液回路内への透析液の流入を中断する手段と、透析液の流入後所定の時間が経過するまでの間または／および検出圧力が所定の圧力に低下するまでの間、血液回路内に流入された透析液を透析液回路内へ流出させる手段とを有する構成とすることができる。
【００１８】
さらに、患者の動脈針接続部から血液透析要素まで延び、血液ポンプを備えた動脈側血液回路におけるプライミングと、血液透析要素から静脈針接続部まで延びる静脈側血液回路におけるプライミングとを分ける手段を有する構成とすることもできる。
【００１９】
このような本発明に係る血液透析装置のプライミング装置は、とくに血液透析要素がドライタイプの血液透析要素からなる場合に好適なものである。ただし、本発明に係る装置は、ドライタイプの血液透析要素のみならず、他のタイプの血液透析要素にも適用することが可能である。
【発明の効果】
【００２０】
このように、本発明に係る血液透析装置のプライミング方法および装置によれば、透析液を透析膜を通して逆濾過方向と正濾過方向とに送液することで、透析液圧の異常上昇を抑えつつ、透析膜内部の気泡を効率よく除去でき、短時間のうちに望ましいプライミングを完了させることができる。とくにドライタイプの血液透析要素を使用した血液透析に対し、透析前の血液回路のプライミングを効率よく実施できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２１】
以下に、本発明の望ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図１は、本発明の一実施態様に係るプライミング装置を組み込んだ血液透析装置を示している。図１において、１は、中空糸膜などからなる透析膜２を備えた血液透析要素（ダイアライザ）を示しており、とくにドライタイプの血液透析要素を示している。３は患者の体内との間で血液を循環させる血液回路を示しており、血液回路３は、動脈側血液回路３ａ、血液透析要素１内の血液回路３ｂ、静脈側血液回路３ｃからなる。４は透析液を流通させる透析液回路を示しており、透析液回路４は、透析液供給ライン４ａ、血液透析要素１内の透析液回路４ｂ、透析液戻りライン４ｃからなる。透析液は、透析液供給ポンプ５を備えた送液手段としての透析液供給装置６から送液され、該装置６へと戻される。
【００２２】
本実施態様では、動脈側血液回路３ａと静脈側血液回路３ｃに、それぞれ、血液回路内の圧力を検出する圧力検出手段７、８が設けられている。また、動脈側血液回路３ａには、血液回路しごき部１０で血液送液用ロータ１１により血液回路を構成しているチューブをしごいて血液を血液透析要素１へと送液するための血液ポンプ９が設けられている。また、動脈側血液回路３ａと静脈側血液回路３ｃには、それぞれ、気泡検出手段１２、１３が設けられている。この気泡検出手段１２の上流側および気泡検出手段１３の下流側には、動脈側血液回路３ａを閉塞する閉塞手段１４および静脈側血液回路３ｃを閉塞する閉塞手段１５が設けられている。動脈側血液回路３ａの端部には動脈針接続部１６が設けられており、静脈側血液回路３ｃの端部には静脈針接続部１７が設けられている。また、本実施態様では、透析液回路内圧力検出手段１８も設けられている。各圧力検出手段７、８、１８の検出圧力信号は制御装置１９に送られ、制御装置１９からは、検出圧力に応じて、透析液供給ポンプ５、閉塞手段１４、１５の電磁弁に作動信号を送ることができるようになっており、予め設定した条件にしたがって、自動制御可能となっている。
【００２３】
血液回路３は、動脈針接続部１６から血液透析要素１までの動脈側血液回路３ａと、血液透析要素１内の血液回路３ｂと、血液透析要素１から静脈針接続部１７までの静脈側血液回路３ｃからなるが、本発明方法を実施する際には、動脈針接続部１６と静脈針接続部１７とを連結し、血液透析要素１の透析膜２を通して逆濾過された透析液が血液回路３内を循環できるように形成される。また、血液回路３内に存在する空気、プライミングに使用した透析液の排出は、動脈側血液回路のドリップチャンバ２０、静脈側血液回路のドリップチャンバ２１に備え付けられたオーバーフローラインから排出するようになっている。
【００２４】
このような血液透析装置のプライミング装置を用いて、本発明に係るプライミング方法は、例えば次のように実施される。
血液透析要素１の透析液回路４ｂ側から透析膜２を通して血液回路３ｂ側へ逆濾過透析液を送液する。このときの透析液の流れは、例えば図２に示すようになる。ある一定の時間経過後または／および所定の設定圧力を検出した時に（圧力検出手段７、８、１８のいずれか少なくとも一つで所定の設定圧力を検出した時に）、透析液回路４側から血液回路３側への逆濾過透析液の送液を中断し（検出圧力が所定の設定値を越えないように透析液供給ポンプ５の回転速度を制御して透析液の血液回路３ｂ側への流入速度を制御するようにしてもよい）、血液回路３側から透析液回路４側へと透析膜２を通して正濾過方向に透析液の送液を行う。このときの透析液の流れは、例えば図３に示すようになる。この正濾過透析液の送液は、一定時間経過するまでの間または／および所定の圧力を検出するまでの間（所定の圧力まで低下するまでの間）行えばよい。その後さらに、上記同様、一定時間または／および所定の圧力を検出するまで、再度透析液回路４側から血液回路３側への逆濾過透析液の送液を行う。
【００２５】
上記動作を自動で行い、予め設定された透析液送液量、透析液回路４側または血液回路３側からの送液を所定の回数繰り返し行う。このような透析液の逆濾過、正濾過の繰り返しにより、透析液圧の異常上昇を適切にかつ自動的に抑えるよう制御しつつ、透析膜内部の気泡を効率よく除去でき、短時間のうちに望ましいプライミングを完了させることができる。とくに、ドライタイプの血液透析要素を使用する血液透析において、透析前の血液回路のプライミングを効率よく完了させることができる。
【産業上の利用可能性】
【００２６】
本発明は、とくにドライタイプの血液透析要素を使用する血液透析装置のプライミングに好適である。
【図面の簡単な説明】
【００２７】
【図１】本発明の一実施態様に係るプライミング装置を組み込んだ血液透析装置の概略構成図である。
【図２】図１の装置における逆濾過透析液送液時の透析液の流れを示す概略部分構成図である。
【図３】図１の装置における正濾過透析液送液時の透析液の流れを示す概略部分構成図である。
【符号の説明】
【００２８】
１ 血液透析要素
２ 透析膜
３ 血液回路
３ａ 動脈側血液回路３ａ
３ｂ 血液透析要素内の血液回路
３ｃ 静脈側血液回路
４ 透析液回路
４ａ 透析液供給ライン４ａ
４ｂ 血液透析要素内の透析液回路
４ｃ 透析液戻りライン
５ 透析液供給ポンプ
６ 送液手段としての透析液供給装置
７、８、１８ 圧力検出手段
９ 血液ポンプ
１０ しごき部
１１ 血液送液用ロータ
１２、１３ 気泡検出手段
１４、１５ 閉塞手段
１６ 動脈針接続部
１７ 静脈針接続部
１９ 制御装置
２０、２１ ドリップチャンバ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
血液ポンプを用いて患者の体内との間で血液を循環させる血液回路と透析液を流通させる透析液回路との間で透析膜を介して血液透析を行う血液透析要素を備えた血液透析装置における、血液透析前の血液回路内のプライミングを行う方法であって、透析液回路内の透析液を透析膜を通して血液回路内に流入させることにより血液回路内のプライミングを行うとともに、血液回路内に流入された透析液を透析膜を通して透析液回路内に流出させることを特徴とする血液透析装置のプライミング方法。
【請求項２】
透析液回路または／および血液回路内の圧力を変化させることにより、透析液の血液回路内への流入および透析液回路内への流出を行わせる、請求項１に記載の血液透析装置のプライミング方法。
【請求項３】
血液回路内の圧力または／および透析液回路内の圧力を検出し、検出圧力が所定の設定値を超えないように血液回路内への透析液の流入速度を制御する、または所定の設定値に達した場合に血液回路内への透析液の流入を中断するとともに、透析液の流入後所定の時間が経過するまでの間または／および検出圧力が所定の圧力に低下するまでの間、血液回路内に流入された透析液を透析液回路内へ流出させる、請求項１または２に記載の血液透析装置のプライミング方法。
【請求項４】
患者の動脈針接続部から血液透析要素まで延び、血液ポンプを備えた動脈側血液回路におけるプライミングと、血液透析要素から静脈針接続部まで延びる静脈側血液回路におけるプライミングとを分けて行う、請求項１〜３のいずれかに記載の血液透析装置のプライミング方法。
【請求項５】
血液透析要素がドライタイプの血液透析要素からなる、請求項１〜４のいずれかに記載の血液透析装置のプライミング方法。
【請求項６】
血液ポンプを用いて患者の体内との間で血液を循環させる血液回路と透析液を流通させる透析液回路との間で透析膜を介して血液透析を行う血液透析要素を備えた血液透析装置における、血液透析前の血液回路内のプライミングを行う装置であって、透析液回路内の透析液を透析膜を通して血液回路内に流入させることにより血液回路内のプライミングを行うべく、透析液を透析膜に対して逆濾過方向に送液する逆濾過透析液送液手段と、血液回路内に流入された透析液を透析膜を通して透析液回路内に流出させるべく、透析液を透析膜に対して正濾過方向に送液する正濾過透析液送液手段とを有することを特徴とする血液透析装置のプライミング装置。
【請求項７】
透析液回路または／および血液回路内の圧力を変化させ、透析液の血液回路内への流入および透析液回路内への流出を行わせる手段を有する、請求項６に記載の血液透析装置のプライミング装置。
【請求項８】
透析液の血液回路内への流入と透析液回路内への流出を切り替える制御手段を有する、請求項６または７に記載の血液透析装置のプライミング装置。
【請求項９】
血液回路内の圧力または／および透析液回路内の圧力を検出する手段と、該圧力検出手段による検出圧力が所定の設定値を超えないように血液回路内への透析液の流入速度を制御する手段、または所定の設定値に達した場合に血液回路内への透析液の流入を中断する手段と、透析液の流入後所定の時間が経過するまでの間または／および検出圧力が所定の圧力に低下するまでの間、血液回路内に流入された透析液を透析液回路内へ流出させる手段とを有する、請求項６〜８のいずれかに記載の血液透析装置のプライミング装置。
【請求項１０】
患者の動脈針接続部から血液透析要素まで延び、血液ポンプを備えた動脈側血液回路におけるプライミングと、血液透析要素から静脈針接続部まで延びる静脈側血液回路におけるプライミングとを分ける手段を有する、請求項６〜９のいずれかに記載の血液透析装置のプライミング装置。
【請求項１１】
血液透析要素がドライタイプの血液透析要素からなる、請求項６〜１０のいずれかに記載の血液透析装置のプライミング装置。
【請求項１】
血液ポンプを用いて患者の体内との間で血液を循環させる血液回路と透析液を流通させる透析液回路との間で透析膜を介して血液透析を行う血液透析要素を備えた血液透析装置における、血液透析前の血液回路内のプライミングを行う方法であって、透析液回路内の透析液を透析膜を通して血液回路内に流入させることにより血液回路内のプライミングを行うとともに、血液回路内に流入された透析液を透析膜を通して透析液回路内に流出させることを特徴とする血液透析装置のプライミング方法。
【請求項２】
透析液回路または／および血液回路内の圧力を変化させることにより、透析液の血液回路内への流入および透析液回路内への流出を行わせる、請求項１に記載の血液透析装置のプライミング方法。
【請求項３】
血液回路内の圧力または／および透析液回路内の圧力を検出し、検出圧力が所定の設定値を超えないように血液回路内への透析液の流入速度を制御する、または所定の設定値に達した場合に血液回路内への透析液の流入を中断するとともに、透析液の流入後所定の時間が経過するまでの間または／および検出圧力が所定の圧力に低下するまでの間、血液回路内に流入された透析液を透析液回路内へ流出させる、請求項１または２に記載の血液透析装置のプライミング方法。
【請求項４】
患者の動脈針接続部から血液透析要素まで延び、血液ポンプを備えた動脈側血液回路におけるプライミングと、血液透析要素から静脈針接続部まで延びる静脈側血液回路におけるプライミングとを分けて行う、請求項１〜３のいずれかに記載の血液透析装置のプライミング方法。
【請求項５】
血液透析要素がドライタイプの血液透析要素からなる、請求項１〜４のいずれかに記載の血液透析装置のプライミング方法。
【請求項６】
血液ポンプを用いて患者の体内との間で血液を循環させる血液回路と透析液を流通させる透析液回路との間で透析膜を介して血液透析を行う血液透析要素を備えた血液透析装置における、血液透析前の血液回路内のプライミングを行う装置であって、透析液回路内の透析液を透析膜を通して血液回路内に流入させることにより血液回路内のプライミングを行うべく、透析液を透析膜に対して逆濾過方向に送液する逆濾過透析液送液手段と、血液回路内に流入された透析液を透析膜を通して透析液回路内に流出させるべく、透析液を透析膜に対して正濾過方向に送液する正濾過透析液送液手段とを有することを特徴とする血液透析装置のプライミング装置。
【請求項７】
透析液回路または／および血液回路内の圧力を変化させ、透析液の血液回路内への流入および透析液回路内への流出を行わせる手段を有する、請求項６に記載の血液透析装置のプライミング装置。
【請求項８】
透析液の血液回路内への流入と透析液回路内への流出を切り替える制御手段を有する、請求項６または７に記載の血液透析装置のプライミング装置。
【請求項９】
血液回路内の圧力または／および透析液回路内の圧力を検出する手段と、該圧力検出手段による検出圧力が所定の設定値を超えないように血液回路内への透析液の流入速度を制御する手段、または所定の設定値に達した場合に血液回路内への透析液の流入を中断する手段と、透析液の流入後所定の時間が経過するまでの間または／および検出圧力が所定の圧力に低下するまでの間、血液回路内に流入された透析液を透析液回路内へ流出させる手段とを有する、請求項６〜８のいずれかに記載の血液透析装置のプライミング装置。
【請求項１０】
患者の動脈針接続部から血液透析要素まで延び、血液ポンプを備えた動脈側血液回路におけるプライミングと、血液透析要素から静脈針接続部まで延びる静脈側血液回路におけるプライミングとを分ける手段を有する、請求項６〜９のいずれかに記載の血液透析装置のプライミング装置。
【請求項１１】
血液透析要素がドライタイプの血液透析要素からなる、請求項６〜１０のいずれかに記載の血液透析装置のプライミング装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２００８−１２２１０（Ｐ２００８−１２２１０Ａ）
【公開日】平成２０年１月２４日（２００８．１．２４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−１８８９７３（Ｐ２００６−１８８９７３）
【出願日】平成１８年７月１０日（２００６．７．１０）
【出願人】（５９１０８３２９９）東レ・メディカル株式会社 (28)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年１月２４日（２００８．１．２４）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年７月１０日（２００６．７．１０）
【出願人】（５９１０８３２９９）東レ・メディカル株式会社 (28)
【Ｆターム（参考）】
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