説明

術後疼痛の予防および/または治療に使用するためのシグマリガンド

本発明は、手術の結果として発症する急性疼痛および慢性疼痛、特に、術後の組織傷害に続発する表在痛および/または深部痛、ならびに外科手術に続発する、末梢神経因性疼痛、神経痛、異痛症、カウザルギー、痛覚過敏、知覚過敏、ヒペルパチー、神経炎、またはニューロパシーを予防ならびに/または治療するためのシグマリガンド、特に式(I)、(II)、または(III)のシグマリガンドの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術の結果として発症する疼痛の予防および/または治療におけるシグマ受容体リガンドの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
疼痛状態の治療は、医学において非常に重要である。現在、さらなる疼痛治療が世界的に必要とされている。疼痛状態の特定の治療に対する切迫した要求は、応用鎮痛学(applied analgesics)の分野に最近登場している多数の科学的研究に記録されている。
【0003】
疼痛は、国際疼痛学会(International Association for the Study of Pain)(IASP)によって、「実際の、もしくは潜在的な組織損傷に伴う、またはそのような損傷の観点から説明される不快な知覚および感情面での経験」として定義されている(IASP、Classification of chronic pain、2版、IASP Press (2002)、210頁)。疼痛は、生理的要因および心理学的要因の両方に影響される複雑なプロセスであり、常に主観的であるが、その原因または症候群は、分類することができる。疼痛は、時間的判定基準、病原学的判定基準、または生理的判定基準に基づいて分類することができる。疼痛が時間によって分類される場合、これは、急性または慢性である場合がある。疼痛の病原学的な分類は、悪性または非悪性である。第3の分類は生理的であり、これには、侵害受容性疼痛(A-δ線維およびC線維に付着した組織中の特殊なトランスデューサーによる検知から生じる)、および神経因性疼痛(神経系の刺激または損傷から生じる)が含まれ、侵害受容性疼痛は、疼痛の体性型および内蔵型に分けることができ、神経因性疼痛は、末梢神経因性疼痛および中枢神経因性疼痛に分けることができる。疼痛は、実際の、または潜在的な組織損傷を個体に警告する有害な刺激に対する体性感覚系の通常の生理的反応である。疼痛は、傷害または疾患を我々に知らせる保護機能の役割を果たし、通常、治癒が完了し、または状態が治ったとき緩和する。しかし、疼痛は、以下のうちの1つまたは複数を特徴とする病理状態から生じる場合がある:有害な刺激の非存在下での疼痛(自発性疼痛)、短時間の刺激に対する応答の継続時間の増大(進行中の疼痛またはヒペルパチー)、疼痛閾値の低下(異痛症)、閾値上刺激に対する応答性の増大(痛覚過敏)、無傷の組織への疼痛および痛覚過敏の蔓延(関連痛および二次痛覚過敏)、ならびに知覚異常(例えば、知覚不全、感覚異常)。
【0004】
2000万人を超える患者が、毎年外科手術を受けている。手術後疼痛(互換的に切開後疼痛と呼ばれる)、または手術もしくは外傷後に発生する疼痛は、深刻な、多くの場合難治性の医学的問題である。疼痛は通常、手術部位の近傍の範囲内に局所的である。手術後疼痛は、2つの臨床的に重要な様相、すなわち安静時疼痛、または患者が動いていないときにおこる疼痛、および運動(咳嗽/くしゃみ、ベッドから出ること、理学療法など)によって悪化する機械的疼痛を有する場合がある。主要な手術の手術後疼痛の管理に伴う主要な問題は、現在使用されている薬物が様々な顕著な副作用を有することであり、この副作用は、回復を遅らせ、入院を長引かせ、ある特定の脆弱な患者群を深刻な合併症のリスクにさらす。
【0005】
手術後疼痛を治療するのに使用される医薬品の3つの主要なクラスは、オピオイド鎮痛薬、局所麻酔薬、および非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)である。これらの薬物のクラスの2つ、すなわち、オピオイド鎮痛薬およびNSAIDは一般に、全身的に投与される一方で、局所麻酔薬(例えば、チャネル遮断薬)は、手術の間に非全身的に投与される。
【0006】
手術後に疼痛を緩和するための薬物の全身投与は、しばしば不適切である。例えば、手術後のオピオイドの全身投与は、吐き気、腸機能の阻害、尿閉、肺機能の阻害、心血管系作用、および鎮静を引き起こす場合がある。
【0007】
「手術後疼痛」(「術後疼痛」、「切開後疼痛」、または「外傷後疼痛」と互換的に呼ばれる)は、外部外傷または外部傷害、例えば、個体の組織への切り傷、穿刺、切開、裂け傷、または創傷などから発生し、または生じる疼痛(侵襲性であっても非侵襲性であっても、すべての外科手術から発生するものを含む)を指す。本明細書において、「手術後疼痛」は、外部の身体的な外傷を伴わずに起こる疼痛を含まない。いくつかの実施形態では、手術後疼痛は、内部の疼痛または外部の疼痛であり、創傷、切り傷、外傷、裂け傷、または切開は、偶発的に(外傷性創傷と同様に)、または故意に(外科的切開と同様に)起こり得る。創傷部に影響を及ぼす感染および/または物理的傷害もしくは化学的傷害は、手術後疼痛を悪化させ、長引かせる場合がある。本明細書において、「疼痛」は、疼痛の痛覚および感覚を含み、疼痛は、疼痛スコアおよび他の方法を使用して、例えば、当技術分野で周知のプロトコールを用いて客観的に、および主観的に評価することができる。手術後疼痛は、本明細書において、安静時(自発痛、持続痛、または進行中の疼痛としても公知)疼痛、および誘発痛(刺激によって誘発される疼痛)を含む。誘発痛は、異痛症(すなわち、通常、疼痛を誘発しない刺激による疼痛)、および痛覚過敏(すなわち、通常有痛性である刺激に対する応答の増大)として分類することができる。刺激は、性質上、熱的、または機械的(触覚の)である場合がある。機械的かつ/または熱的な、異痛症および/または痛覚過敏は、主要な創傷部で起こり得(すなわち、一次の異痛症または痛覚過敏)、または敏感になる隣接する範囲および周囲の範囲に広がる場合がある(すなわち、二次の異痛症もしくは痛覚過敏)。したがって、疼痛は、熱的な過敏症、機械的な過敏症および/または安静時疼痛(例えば、外部刺激の非存在下での疼痛)を特徴とする。ヒペルパチーは、刺激、特に繰り返しの刺激に対する異常に有痛性の反応、ならびに閾値の増大を特徴とする。ヒペルパチーは、異痛症、知覚過敏、痛覚過敏、または知覚不全、ならびに刺激の誤った識別および局在化を伴って起こる場合があり、遅延、放射感覚(radiating sensation)、および残感覚が存在する場合があり、疼痛は、特徴が爆発的であることが多い。疼痛は、一次(例えば、疼痛を引き起こす事象から直
接生じる)、または二次の疼痛(例えば、疼痛を引き起こす事象に付随するが、この事象から直接生じない疼痛)である場合がある。さらに、疼痛は、急性または慢性である場合がある。急性疼痛は、外部外傷(切り傷、穿刺、切開、裂け傷、または創傷)から生じ、すべての外科手術から発生するものを含み、軽度であり、数秒、数分、もしくは数時間続く場合があり、または重度であり、数週間または数カ月続く場合がある。ほとんどの場合、急性疼痛は、3カ月より長く続くことはなく、疼痛の根本的な原因(例えば、創傷)が治ったとき、または治癒したとき消滅する。しかし、軽減しない急性疼痛は、慢性疼痛を招くことがある。慢性疼痛(持続痛としても知られる)は通常、組織損傷の治癒期間を超えて3カ月より長く続く。慢性疼痛は通常、初期の外傷/傷害に端を発するが、傷害が治癒しており、新しい組織傷害が起こっていないという事実にもかかわらず持続する。疼痛シグナルは、神経系において数週間、数カ月、または数年活性なままである。身体的な作用には、緊張した筋肉、運動制限、睡眠障害、および食欲の変化が含まれる。情緒的な作用には、抑うつ症、怒り、再傷害の不安および恐怖が含まれる。そのような情緒的な作用は、人が正常な仕事またはレジャー活動に戻る能力を妨げる場合がある。手術後疼痛は、「表在性」と「深部」に分けることもでき、深部痛は、「深部体性」と「内臓性」に分けることができる。表在痛は、損傷した皮膚または表面組織に由来し、鋭く、はっきりしており、明らかに局所的である。深部体性痛は、傷害された靭帯、腱、骨、血管、筋膜、および筋肉に由来し、鈍く、うずき、あまり局所的でない。内臓痛は、傷害された内臓(臓器)に端を発し、通常、体性痛よりうずき、痙性である。内臓痛は、十分に局所的である場合があるが、多くの場合位置づけることが極めて困難であり、いくつかの内臓領域では、傷害されたとき「関連」痛を生じ、この場合、傷害部位と完全に無関係の範囲で感覚が位置づけられる。手術後疼痛は、神経系が傷害された状態になる場合、性質上神経障害性(すなわち、神経因性疼痛)である場合もある。病変が末梢神経系(例えば、末梢神経、神経根、および/または神経節)に影響する場合、末梢神経因性疼痛が起こり、したがって、末梢ニューロパシーが起こる。手術による神経損傷は、神経の炎症(神経炎)、および神経痛(神経の分布における疼痛)ももたらし得る。病変が中枢神経系(例えば、大脳、小脳、脊髄)に影響する場合、中枢神経因性疼痛が起こり得る。疼痛は、神経腫(「偽神経腫」としても知られる)形成(例えば、手術の結果としての神経傷害後の外傷性神経腫)から生じ、神経腫形成は、表面的に(皮膚、皮下脂肪)、または深部(例えば、胆嚢切除後)に、一般に瘢痕付近で、無効な、未制御の神経再生の形態として、傷害された神経線維の端部で一般に起こる。傷害された、または軸索切断された神経線維が変性し、したがって求心性神経のインパルスを完全に、または部分的に遮断する場合、求心路遮断に由来する疼痛も起こり得る。多くの場合血管運動機能障害および発汗異常、ならびに後栄養変化と併発される、外傷性神経病変後の持続性灼熱痛、異痛症、およびヒペルパチーの症候群であるカウザルギーも起こり得る。実際には、疼痛は、個体の組織への外部外傷または外部傷害、例えば、切り傷、穿刺、切開、裂け傷、または創傷など(侵襲性であっても非侵襲性であっても、すべての外科手術から発生するものを含む)が起こる、体の任意の組織または部分から発生し得る。最後に、疼痛は、量(例えば、軽度、中等度、重度)および質(例えば、うずく、ヒリヒリする、チクチクする、電気的な、突き刺すような)が異なる場合があり、知覚異常(例えば、知覚不全、感覚異常)を含む場合があり、連続的であり、断続的であり、または強度が周期的に振動する場合がある。
【0008】
術後の切開痛に対する様々な動物モデルおよび研究が現況技術において報告されている(T.J. Brennanら、Pain 1996、64、493〜501頁; P.K. Zahnら、Regional Anesthesia and Pain Medicine 2002、27巻、5号(9月〜10月)、514〜516頁)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】WO2006/021462
【特許文献2】WO2008/055932
【特許文献3】WO2006/021463
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】IASP、Classification of chronic pain、2版、IASP Press (2002)、210頁
【非特許文献2】T.J. Brennanら、Pain 1996、64、493〜501頁
【非特許文献3】P.K. Zahnら、Regional Anesthesia and Pain Medicine 2002、27巻、5号(9月〜10月)、514〜516頁
【非特許文献4】「Medicinal Chemistry and Drug Discovery」、6版(Donald J. Abraham編、2001、Wiley)
【非特許文献5】「Design and Applications of Prodrugs」(H. Bundgaard編、1985、Harwood Academic Publishers)
【非特許文献6】G. Ronsisvalleら、Pure Appl. Chem. 73、1499〜1509頁(2001)
【非特許文献7】R. Quironら、Trends Pharmacol. Sci. 13、85〜86頁(1992)
【非特許文献8】M.L.Leitner、Eur. J. Pharmacol. 259、65〜69頁(1994)
【非特許文献9】S.B. HellewellおよびW.D. Bowen; Brain Res. 527、244〜253頁(1990))
【非特許文献10】Prasad、P.D. ら、J. Neurochem. 70(2)、443〜451頁(1998)
【非特許文献11】Krogsgaard-Larsenら、Textbook of Drugdesign and Discovery、Taylor & Francis (2002年4月)
【非特許文献12】IASP、Classification of chronic pain、2版、IASP Press (2002)、213頁
【非特許文献13】IASP、Classification of chronic pain、2版、IASP Press (2002)、211頁
【非特許文献14】IASP、Classification of chronic pain、2版、IASP Press (2002)、212頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
最後に、手術中ならびに/または手術後に発症する、神経(末梢ニューロパシー)傷害、ならびに組織(表在性、および深部体性、および内臓性)傷害に続発する、手術後の急性疼痛および慢性疼痛、異痛症、痛覚過敏、ならびに知覚異常の新しい形の予防ならびに/または治療の必要があることを強調することは重要である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の発明者らは、意外にも、シグマ受容体リガンドの投与が、手術に伴う疼痛を予防または治療するのに非常に効果的であることを見出し、実証した。シグマリガンドが、特に、(中性)アンタゴニスト、逆アゴニスト、または部分アンタゴニストの形態であることが好ましいシグマ受容体アンタゴニストであるとき、本発明のこの恩恵は、より明白である。
【0013】
したがって、本発明の一態様は、手術の結果として発症する疼痛の予防および/または治療において使用するためのシグマリガンドに関する。
【0014】
好適な実施形態では、前記シグマリガンドは、一般式(I):
【0015】
【化1】

【0016】
(式中、
R1は、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアリールアルキル、置換または非置換の非芳香族ヘテロシクリル、置換または非置換の芳香族ヘテロシクリル、置換または非置換のヘテロシクリルアルキル、-COR8、-C(O)OR8、-C(O)NR8R9、-CH=NR8、-CN、-OR8、-OC(O)R8、-S(O)t-R8、-NR8R9、-NR8C(O)R9、-NO2、-N=CR8R9、およびハロゲンによって形成される群から選択され、
R2は、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアリールアルキル、置換または非置換の芳香族または非芳香族ヘテロシクリル、置換または非置換のヘテロシクリルアルキル、-COR8、-C(O)OR8、-C(O)NR8R9、-CH=NR8、-CN、-OR8、-OC(O)R8、-S(O)t-R8、-NR8R9、-NR8C(O)R9、-NO2、-N=CR8R9、およびハロゲンによって形成される群から選択され、
R3およびR4は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールアルキル、置換もしくは非置換の芳香族もしくは非芳香族ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリルアルキル、-COR8、-C(O)OR8、-C(O)NR8R9、-CH=NR8、-CN、-OR8、-OC(O)R8、-S(O)t-R8、-NR8R9、-NR8C(O)R9、-NO2、-N=CR8R9、およびハロゲンによって形成される群から独立に選択され、またはR3およびR4は一緒に、場合により置換された縮合環系を形成し、
R5およびR6は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールアルキル、置換もしくは非置換の芳香族もしくは非芳香族ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリルアルキル、-COR8、-C(O)OR8、-C(O)NR8R9、-CH=NR8、-CN、-OR8、-OC(O)R8、-S(O)t-R8、-NR8R9、-NR8C(O)R9、-NO2、-N=CR8R9、およびハロゲンによって形成される群から独立に選択され、またはR5およびR6が結合している窒素原子と一緒に、置換もしくは非置換の芳香族もしくは非芳香族ヘテロシクリル基を形成し、
nは、1、2、3、4、5、6、7、および8から選択され、
tは、1、2、または3であり、
R8およびR9は、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換の芳香族または非芳香族ヘテロシクリル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のアリールオキシ、およびハロゲンからそれぞれ独立に選択される)
またはその医薬として許容可能な塩、異性体、プロドラッグ、または溶媒和物を有する。
【0017】
別の好適な実施形態では、シグマリガンドは、一般式(II):
【0018】
【化2】

【0019】
(式中、
R1、R2、およびR3は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシル、置換もしくは非置換のアルキル、シアノ、NRaRb、NHCONRc、NHSO2Rd、COOH、COOReから独立に選択され、ここでRaは水素またはアルキルであり、Rb、Rc、Rd、およびReは、独立にアルキルであり、
R4は、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、および置換または非置換の芳香族または非芳香族ヘテロシクリルから選択され、
R5およびR6は独立して、置換もしくは非置換のアルキルであり、またはR5およびR6が結合している窒素原子と一緒に、置換もしくは非置換の芳香族もしくは非芳香族ヘテロシクリル基を形成し、
Xは、-S-、-SO-、-SO2-、およびOから選択され、
nは、1、2、3、4、5、6、7、および8から選択される整数である)
またはその医薬として許容可能な塩、異性体、プロドラッグ、もしくは溶媒和物を有する。
【0020】
さらに別の好適な実施形態では、シグマリガンドは、一般式(III):
【0021】
【化3】

【0022】
(式中、
R1は、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換の芳香族または非芳香族ヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアリールアルキル、および置換または非置換のヘテロシクリルアルキルによって形成される群から選択され、
R2は、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のアリール、置換または非置換の芳香族または非芳香族ヘテロシクリル、置換または非置換のアリールアルキル、および置換または非置換のヘテロシクリルアルキルによって形成される群から選択され、
R3およびR4は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の芳香族もしくは非芳香族ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールアルキル、および置換もしくは非置換のヘテロシクリルアルキルによって形成される群から独立に選択され、またはR3およびR4は一緒に、置換または非置換の3〜6員環を形成し、
R5およびR6は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の芳香族もしくは非芳香族ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールアルキル、および置換もしくは非置換のヘテロシクリルアルキルによって形成される群から独立に選択され、またはR5およびR6は一緒に、環内に3個〜7個の原子を有する置換もしくは非置換の芳香族もしくは非芳香族ヘテロシクリルを形成し、
nは、0、1、および2から選択され、
mは、0、1、2、3、および4から選択され、
点線-----は、単結合または二重結合であり、
ただしR1がフェニルであり、R2がHであり、点線が二重結合であり、mが1であり、R5およびR6が2,5-ジオキソピロリジンまたは5-エトキシ,2-オキソ-ピロリジンを形成するとき、R3およびR4は、同時にともにHまたはメチルになることはない)
またはその医薬として許容可能な塩、異性体、プロドラッグ、もしくは溶媒和物を有する。
【0023】
本発明の別の態様は、手術の結果として発症する疼痛の予防用および/または治療用の医薬を製造するための、上記に定義したシグマリガンドの使用に関する。
【0024】
本発明の別の態様は、手術の結果として発症した疼痛に罹患している、または外科治療の結果として疼痛に罹患する可能性のある患者を治療する方法であって、そのような治療または予防を必要とする患者に、治療有効量の上記に定義したシグマリガンドを投与する工程を含む方法である。
【0025】
これらの態様およびその好適な実施形態は、特許請求の範囲にもさらに定義されている。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】機械的異痛症における治療手法を示す図である。機械的異痛症の30分前に、公知のシグマリガンド(BD-1063)を腹腔内投与して得た結果を、ラットの同側の(手術した)後肢において評価した[Oh:手術;3.5時間:化合物のi.p.投与;4時間:機械的異痛症評価;*:有意な差異(p<0.05);ns:有意でない差異(p>0.05);n=10]。
【図2】機械的異痛症の治療手法を示す図である。機械的異痛症の30分前に、化合物63を腹腔内投与して得た結果を、ラットの同側の(手術した)後肢において評価した[Oh:手術;3.5時間:化合物のi.p.投与;4時間:機械的異痛症評価;*:有意な差異(p<0.05);ns:有意でない差異(p>0.05);n=10]。
【図3】機械的異痛症における治療手法対予防手法を示す図である。手術後疼痛の治療に一般に使用されるナトリウムジクロフェナクを、ラットの同側の(手術した)後肢に、手術前(予防)および手術後(治療)に投与して得た機械的異痛症の比較による結果[-10分:化合物のi.p.投与(予防);Oh:手術;3時間:化合物のi.p.投与(治療);4時間:機械的異痛症評価;*:有意な差異(p<0.05);ns:有意でない差異(p>0.05);n=10]。
【図4】機械的異痛症の治療手法対予防手法を示す図である。ラットの同側の(手術した)後肢に、手術前(予防)および手術後(治療)に投与した、BD-1063および化合物63についての機械的異痛症の比較による結果[-10分:化合物のi.p.投与(予防);Oh:手術;3.5時間:化合物のi.p.投与(治療);4時間:機械的異痛症評価;*:有意な差異(p<0.05);ns:有意でない差異(p>0.05);n=10]。
【図5】熱痛覚過敏における治療手法対予防手法を示す図である。手術後疼痛の治療に一般に使用されるナトリウムジクロフェナクを、ラットの同側の(手術した)後肢に、手術前(予防)および手術後(治療)に投与して得た熱痛覚過敏の比較による結果[-10分:化合物のi.p.投与(予防);Oh:手術;3時間:化合物のi.p.投与(治療);4時間:熱痛覚過敏評価;*:有意な差異(p<0.05);ns:有意でない差異(p>0.05);n=10]。
【図6】熱痛覚過敏における治療手法対予防手法を示す図である。ラットの同側の(手術した)後肢に、手術前(予防)および手術後(治療)に投与した、化合物63についての熱痛覚過敏の比較による結果[-10分:化合物のi.p.投与(予防);Oh:手術;3.5時間:化合物のi.p.投与(治療);4時間:熱痛覚過敏評価;*:有意な差異(p<0.05);ns:有意でない差異(p>0.05);n=10]。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明のとの関連で、以下の用語は、以下に詳述した意味を有する。
【0028】
「アルキル」は、1個〜12個の炭素原子からなり、不飽和をまったく含まず、単結合によって分子の残りに結合した直鎖または分岐の炭化水素鎖基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチルなどを指す。アルキル基は、1つまたは複数の置換基、例えば、アリール、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシ、シアノ、カルボニル、アシル、アルコキシカルボニル、アミノ、ニトロ、メルカプト、アルキルチオなどによって場合により置換されていてもよい。好適なアルキル基は、1個〜6個の炭素原子を有する。アリールによって置換されている場合、これは、ベンジルまたはフェネチルなどの「アリールアルキル」基に対応する。ヘテロシクリルによって置換されている場合、これは、「ヘテロシクリルアルキル」基に対応する。
【0029】
「アルケニル」は、2個〜12個の炭素原子からなり、少なくとも1つの不飽和を含み、単結合によって分子の残りに結合した直鎖または分岐の炭化水素鎖基を指す。アルケニル基は、1つまたは複数の置換基、例えば、アリール、ハロ、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシ、シアノ、カルボニル、アシル、アルコキシカルボニル、アミノ、ニトロ、メルカプト、アルキルチオなどによって場合により置換されていてもよい。好適なアルケニル基は、2個〜6個の炭素原子を有する。
【0030】
「シクロアルキル」は、飽和した、または部分的に飽和した、炭素原子および水素原子からもっぱらなる、シクロヘキシルまたはアダマンチルなどの安定な3〜10員の単環式基または二環式基を指す。本明細書において具体的な別段の指定のない限り、用語「シクロアルキル」は、1つまたは複数の置換基、例えば、アルキル、ハロ、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、ニトロ、アルコキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニルなどによって場合により置換されたシクロアルキル基を含むことが意図されている。
【0031】
「アリール」は、単一の芳香環基、ならびに別個のアリール基および/または縮合したアリール基を含有する複数の環基を含めた複数の芳香環基を指す。典型的なアリール基は、1個〜3個の別個の環または縮合環、および6個〜約18個の炭素環原子を含有し、例えば、フェニル基、ナフチル基、インデニル基、フェナントリル基、またはアントラシル基などである。アリール基は、1つまたは複数の置換基、例えば、ヒドロキシ、メルカプト、ハロ、アルキル、フェニル、アルコキシ、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、ジアルキルアミノ、アミノアルキル、アシル、アルコキシカルボニルなどで場合により置換されていてもよい。
【0032】
「ヘテロシクリル」は、炭素原子と、窒素、酸素、および硫黄からなる群から選択される1個〜5個のヘテロ原子とからなる安定な3〜15員環基、好ましくは1つまたは複数のヘテロ原子を有する4〜8員環、より好ましくは1つまたは複数のヘテロ原子を有する5〜6員環を指す。これは、芳香族であっても、芳香族でなくてもよい。本発明においては、複素環は、単環式系、二環式系、または三環式系とすることができ、これは、縮合環系を含んでいてもよく、ヘテロシクリル基中の窒素原子、炭素原子、または硫黄原子は、場合により酸化されていてもよく、窒素原子は、任意選択により四級化されていてもよく、ヘテロシクリル基は、部分的または完全に飽和していても、芳香族であってもよい。そのような複素環の例として、それだけには限定されないが、アゼピン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、フラン、イソチアゾール、イミダゾール、インドール、ピペリジン、ピペラジン、プリン、キノリン、チアジアゾール、テトラヒドロフラン、クマリン、モルホリン、ピロール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、トリアゾール、イミダゾールなどが挙げられる。
【0033】
「アルコキシ」は、式-ORaの基を指し、式中、Raは、上記に定義したアルキル基、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシなどである。
【0034】
「アミノ」は、場合により四級化された式-NH2、-NHRa、または-NRaRbの基、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、プロピルアミノなどを指す。
【0035】
「ハロゲン」、「ハロ」、または「ハル」は、ブロモ、クロロ、ヨード、またはフルオロを指す。
【0036】
本発明の化合物中の置換基への本明細書での言及は、1つまたは複数の適当な基、例えば、ハロゲン、例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードなど; シアノ;ヒドロキシル;ニトロ;アジド;アシルなどのC1〜6アルカノイル基などのアルカノイル;カルボキサミド;1〜約12個の炭素原子または1から約6個の炭素原子、より好ましくは1個〜3個の炭素原子を有する基を含むアルキル基;1つまたは複数の不飽和連結、および2個〜約12個の炭素または2から約6個の炭素原子を有する基を含むアルケニル基およびアルキニル基;1つまたは複数の酸素連結、および1から約12個の炭素原子または1個〜約6個の炭素原子を有するアルコキシ基;フェノキシなどのアリールオキシ;1つまたは複数のチオエーテル連結、および1から約12個の炭素原子または1から約6個の炭素原子を有する部分を含むアルキルチオ基;1つまたは複数のスルフィニル連結、および1から約12個の炭素原子または1から約6個の炭素原子を有する部分を含むアルキルスルフィニル基;1つまたは複数のスルホニル連結、および1から約12個の炭素原子または1から約6個の炭素原子を有する部分を含むアルキルスルホニル基;1個または複数のN原子、および1〜約12個の炭素原子、または1〜約6個の炭素原子を有する基などのアミノアルキル基;6個以上の炭素を有する炭素環式アリール、特にフェニル、またはナフチル、およびベンジルなどのアラルキルによって1つまたは複数の利用可能な位置で置換され得る特定の部分を指す。別段の指定のない限り、場合により置換された基は、この基の各置換可能な位置で置換基を有することができ、各置換は、他の置換基と独立している。
【0037】
用語「塩」は、本発明によって使用される任意の形態の活性化合物として理解されなければならず、ここで前記化合物は、イオン形態であり、または帯電しており、対イオン(陽イオンまたは陰イオン)にカップリングしており、または溶液中にある。この定義は、四級アンモニウム塩、および活性分子と他の分子および他のイオンとの複合体、特に、イオン相互作用を介して形成される複合体も含む。この定義は特に、生理学的に許容可能な塩を含み、この用語は、「薬理学的に許容可能な塩」と等価であると理解されなければならない。
【0038】
本発明との関連で、用語「医薬として許容可能な塩」は、治療に適切な様式で使用され、特に、ヒトおよび/または哺乳動物において適用または使用される場合、生理学的に耐容性が示される(通常、これは、特に対イオンの結果として毒性でないことを意味する)任意の塩を意味する。これらの生理学的に許容可能な塩は、陽イオンまたは塩基で形成することができ、本発明との関連で、特にヒトおよび/または哺乳動物に使用される場合、陰イオンなどの通常、酸(脱プロトン化された)である、本発明によって使用される少なくとも1つの化合物と、好ましくは無機物である少なくとも1つの生理学的に耐容性が示された陽イオンとによって形成される塩であると理解される。アルカリ金属およびアルカリ土類金属を用いた塩は、アンモニウム陽イオン(NH4+)で形成されるものと同様に特に好適である。好適な塩は、(モノ)もしくは(ジ)ナトリウム、(モノ)もしくは(ジ)カリウム、マグネシウム、またはカルシウムで形成されるものである。これらの生理学的に許容可能な塩は、陰イオンまたは酸で形成することもでき、本発明との関連で、特にヒトおよび/または哺乳動物に使用される場合、陽イオンなどの通常、例えば窒素でプロトン化された、本発明によって使用される少なくとも1つの化合物と、少なくも1つの生理学的に耐容性が示される陰イオンとによって形成される塩であると理解される。この定義は特に、本発明との関連で、特に、ヒトおよび/または哺乳動物で使用される場合、生理学的に耐容性が示される酸によって形成される塩、すなわち、特定の活性化合物と生理学的に耐容性が示される有機酸または無機酸との塩を含む。このタイプの塩の例は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、マンデル酸、フマル酸、乳酸、またはクエン酸を用いて形成されるものである。
【0039】
用語「溶媒和物」は、本発明による活性化合物が、別の分子(通常、極性溶媒)に非共有結合によって結合した任意の形態の前記化合物を意味すると理解されるべきであり、特に水和物、および例えば、メタノラートのようなアルコラートが含まれる。好適な溶媒和物は水和物である。
【0040】
シグマリガンドのプロドラッグ、特に、式(I)、(II)、または(III)の化合物のプロドラッグである任意の化合物も本発明の範囲内にある。用語「プロドラッグ」は、その最も広い意味で使用され、in vivoで本発明の化合物に変換される誘導体を包含する。プロドラッグの例には、それだけには限定されないが、生加水分解性(biohydrolyzable)部分、例えば、生加水分解性アミド、生加水分解性エステル、生加水分解性カルバメート、生加水分解性カーボネート、生加水分解性ウレイド、および生加水分解性ホスフェート類似体などを含む、式Iの化合物の誘導体および代謝産物が含まれる。カルボキシル官能基を有する化合物のプロドラッグは、カルボン酸の低級アルキルエステルであることが好ましい。このカルボン酸エステルは、好都合なことには、分子上に存在する任意のカルボン酸部分をエステル化することによって形成される。プロドラッグは一般に、「Medicinal Chemistry and Drug Discovery」、6版(Donald J. Abraham編、2001、Wiley)、および「Design and Applications of Prodrugs」(H. Bundgaard編、1985、Harwood Academic Publishers)によって記載されたものなどの周知の方法を使用して調製することができる。
【0041】
本明細書に参照される任意の化合物は、そのような特定の化合物、ならびにある特定の変形または形態を表すことが意図されている。特に、本明細書に参照される化合物は、不斉中心を有することができ、したがって、様々な鏡像異性形態またはジアステレオマー形態で存在することができる。したがって、本明細書に参照される任意の所与の化合物は、ラセミ体、1つまたは複数の鏡像異性形態、1つまたは複数のジアステレオマー形態、およびこれらの混合物のうちのいずれか1つを表すことが意図されている。同様に、二重結合のまわりの立体異性または幾何異性も可能であり、したがっていくつかの場合では、分子は、(E)-異性体または(Z)-異性体(トランス異性体およびシス異性体)として存在することができる。分子がいくつかの二重結合を含有する場合、各二重結合は、それ自体の立体異性を有することになり、この立体異性は、その分子の他の二重結合の立体異性と同じであっても、異なっていてもよい。さらに、本明細書に参照される化合物は、アトロプ異性体として存在する場合がある。本明細書に参照される化合物の鏡像異性体、ジアステレオ異性体、幾何異性体、およびアトロプ異性体、ならびにこれらの混合物を含めたすべての立体異性体は、本発明の範囲内であるとみなされる。
【0042】
さらに、本明細書に参照される任意の化合物は、互変異性体として存在する場合がある。具体的には、互変異性体という用語は、平衡状態で存在し、1つの異性型から別の異性型に容易に変換される、1つの化合物の2つ以上の構造上の異性体のうちの1つを指す。一般的な互変異性の対は、アミン-イミン、アミド-イミド酸、ケト-エノール、ラクタム-ラクチムなどである。
【0043】
別段の記載のない限り、本発明の化合物は、同位体標識形態、すなわち、1つまたは複数の同位体が濃縮された原子の存在においてのみ異なる化合物も含むものとする。例えば、少なくとも1つの水素原子が重水素もしくはトリチウムによって置換されている、または少なくとも1つの炭素が13Cもしくは14Cに富む炭素によって置換されている、または少なくとも1つの窒素が15Nに富む窒素によって置換されていることを除いて、本構造を有する化合物は、本発明の範囲内にある。
【0044】
シグマリガンド、特に、式(I)、(II)、もしくは(III)の化合物、またはこれらの塩もしくは溶媒和物は、医薬として許容可能な形態または実質的に純粋な形態であることが好ましい。医薬として許容可能な形態とは、とりわけ、希釈剤および担体などの通常の医薬品添加剤を除いて医薬として許容可能なレベルの純度を有し、通常の投与量レベルで毒性とみなされる物質をまったく含まないことを意味する。薬剤物質の純度レベルは、好ましくは50%超、より好ましくは70%超、最も好ましくは90%超である。好適な実施形態では、これは、式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグの95%超である。
【0045】
本明細書において、用語「治療する」、「治療すること」、および「治療」は、外科手術によって誘発された疼痛の、疼痛開始後の根絶、除去、逆戻り、軽減、改変、または制御を含む。
【0046】
本明細書において、用語「予防(prevention)、「予防すること」、「予防の」、「予防する」、および「予防(prophylaxis)」は、疾患または状態、この場合、外科手術によって誘発される疼痛の開始前に、その開始または発症を回避し、最小限にし、または困難にする、治療剤の能力を指す。
【0047】
したがって、「治療すること」、「治療」、および「予防すること」または「予防」とは、全体として、対象を苦しめている状態に関連する症状、例えば、疼痛などの治療されている状態に関連する症状の少なくとも抑制または改善を意味し、この場合、抑制および改善は、パラメータの規模の少なくとも低減を指すのに広い意味で使用される。したがって、本発明の方法は、状態が、完全に阻害される、例えば、発生が防止される、または対象がその状態をもはや経験しないように停止される、例えば、終わらされる状況も含む。したがって、本方法は、術後の組織傷害に続発する表在痛および/または深部痛、ならびに術後の神経傷害に続発する末梢神経因性疼痛、神経痛、異痛症、カウザルギー、痛覚過敏、知覚過敏、ヒペルパチー、知覚不全、感覚異常、神経炎、またはニューロパシーを含めた、外科手術によって誘発された急性疼痛および慢性疼痛を予防し、管理することの両方を含む。
【0048】
本明細書において、用語「シグマリガンド」または「シグマ受容体リガンド」は、シグマ受容体に結合する任意の化合物を指す。先に述べたように、シグマリガンドは、(中性)アンタゴニスト、逆アゴニスト、または部分アンタゴニストの形態でのシグマ受容体アンタゴニストであることが好ましい。
【0049】
「アゴニスト」は、受容体に結合し、固有の作用を有し、したがってこれが受容体と接触しているとき受容体の基礎活性を増大させる化合物として定義される。「アンタゴニスト」は、アゴニストまたは逆アゴニストと受容体への結合を競合し、それによって、受容体上のアゴニストまたは逆アゴニストの作用を遮断する化合物として定義される。しかし、アンタゴニスト(「中性」アンタゴニストとしても知られる)は、構成的な受容体活性に対してまったく作用を有さない。アンタゴニストは、受容体上の活性部位またはアロステリック部位に結合することによってその作用を媒介し、またはアンタゴニストは、受容体の活性の生物学的調節に通常関与しないユニークな結合部位で相互作用する場合がある。アンタゴニストの活性は、アンタゴニスト-受容体複合体の寿命に応じて、可逆性または非可逆性となり得、この寿命は、アンタゴニスト受容体結合の性質に依存する。「部分アンタゴニスト」は、受容体に結合し、アンタゴニスト応答を生じる化合物として定義されるが、部分アンタゴニストは、完全なアンタゴニスト応答を生じない。部分アンタゴニストは弱いアンタゴニストであり、それによって、受容体上のアゴニストまたは逆アゴニストの作用を部分的に遮断する。
【0050】
「逆アゴニスト」は、同じ受容体を占有することによってアゴニストの作用と反対の作用を生じ、したがって、受容体の基礎活性(すなわち、受容体によって媒介されるシグナル伝達)を減少させる化合物として定義される。そのような化合物は、ネガティブアンタゴニストとしても知られる。逆アゴニストは、受容体に、いずれのリガンドも存在しない状態で起こる基礎状態と比べて、不活性状態を採用させる、受容体のリガンドである。したがって、アンタゴニストは、アゴニストの活性を阻害することができる一方で、逆アゴニストは、アゴニストの存在下で受容体の立体配座を変更することができるリガンドである。
【0051】
本願において使用される「シグマ受容体」は、周知であり、以下の引用を使用して定義される:「この結合部位は、オピオイド、NMDA、ドーパミン作動薬、および他の公知の神経伝達物質またはホルモン受容体ファミリーと異なる一般的なタンパク質を表す」(G. Ronsisvalleら、Pure Appl. Chem. 73、1499〜1509頁(2001))。リガンド結合試験、解剖学的な分布、および生化学的特徴に基づく薬理学的データにより、σ受容体の少なくとも2つのサブタイプが区別される(R. Quironら、Trends Pharmacol. Sci. 13、85〜86頁(1992); M.L.Leitner、Eur. J. Pharmacol. 259、65〜69頁(1994); S.B. HellewellおよびW.D. Bowen; Brain Res. 527、244〜253頁(1990))(G. Ronsisvalleら、Pure Appl. Chem. 73、1499〜1509頁(2001))。シグマ受容体(シグマ1(σ1)およびシグマ2(σ2))のタンパク質配列は、当技術分野で公知である(例えば、Prasad、P.D. ら、J. Neurochem. 70(2)、443〜451頁(1998))。これらは、様々な鎮痛薬(例えば、ペンタゾシン)に対して非常に高い親和性を示す。
【0052】
「シグマ受容体に結合する化合物」または「シグマリガンド」は、本願において、シグマ受容体に対して≦5000nM、より好ましくは≦1000nM、より好ましくは≦500nMのIC50値を有する化合物として定義される。より好ましくは、IC50値は、≦50nMである。より好ましくは、IC50値は、≦100nMである。最も好ましくは、IC50値は、≦50nMである。さらに、「シグマ受容体に結合する化合物」という言い回しは、本願において、シグマ受容体に特異的な10nMの放射性リガンド(例えば、好ましくは[3H]-(+)ペンタゾシン)を使用して少なくとも≧50%の置換を有するものとして定義され、それによって、シグマ受容体は、任意のシグマ受容体サブタイプとすることができる。前記化合物は、シグマ-1受容体サブタイプに結合することが好ましい。
【0053】
シグマ受容体に結合する化合物は、一般にシグマリガンドとも呼ばれ、当技術分野で周知である。これらの多くは、上記定義の「シグマ受容体に結合する化合物」によって包含される。シグマリガンドについての多くの公知の用途、例えば、抗精神病薬、抗不安薬、抗うつ剤、脳卒中治療、抗てんかん薬、ならびに抗片頭痛および抗全身痛を含めた多くの他の効能などが存在するが、これらの化合物の技術分野において、手術の結果として発症する疼痛の予防および/または治療に有用であるという言及はまったく存在しない。
【0054】
Table 1(表1)に当技術分野で公知のいくつかのシグマリガンド(すなわち、IC50≦5000nMを有する)を列挙する。これらの化合物のいくつかは、シグマ-1受容体および/またはシグマ-2受容体に結合することができる。これらのシグマリガンドには、そのそれぞれの塩、塩基、および酸も含まれる。
【0055】
【表1A】

【0056】
【表1B】

【0057】
【表1C】

【0058】
【表1D】

【0059】
【表1E】

【0060】
【表1F】

【0061】
【表1G】

【0062】
【表1H】

【0063】
【表1I】

【0064】
上記表は、還元ハロペリドールも含むことが好ましい。還元ハロペリドールは、ヒトにおいて産生されるハロペリドールの活性代謝産物であり、シグマ-1受容体に対して高い親和性示し(低ナノモル範囲内)、実験動物およびヒト細胞の両方において、シグマ-1受容体の非可逆性遮断を生じる。
【0065】
所与の作用化合物(acting compound)のプロドラッグを生成する周知方法の例は、当業者に公知である(例えば、Krogsgaard-Larsenら、Textbook of Drugdesign and Discovery、Taylor & Francis (2002年4月)において)。
【0066】
好適な実施形態では、シグマリガンドは、本発明との関連で、上記に表した一般式(I)を有する。
【0067】
好適な実施形態では、式(I)の化合物中のR1は、H、-COR8、および置換または非置換のアルキルから選択される。R1は、H、メチル、およびアセチルから選択されることがより好ましい。より好適な実施形態は、R1がHであるときである。
【0068】
別の好適な実施形態では、式(I)の化合物中のR2は、Hまたはアルキル、より好ましくはメチルを表す。
【0069】
本発明のさらに別の好適な実施形態では、式(I)の化合物中のR3およびR4は、フェニル基のメタ位およびパラ位に位置しており、好ましくは、これらは、ハロゲンおよび置換または非置換のアルキルから独立に選択される。
【0070】
本発明の特に好適な実施形態では、式(I)の化合物において、R3およびR4はともにフェニル基と一緒に、場合により置換された縮合環系(例えば、置換または非置換のアリール基、または置換もしくは非置換の芳香族もしくは非芳香族ヘテロシクリル基を縮合することができる)、より好ましくはナフチル環系を形成する。
【0071】
やはり式(I)の化合物において、nが2、3、4から選択される実施形態は、本発明との関連で好適であり、より好ましくは、nは2である。
【0072】
最後に、別の実施形態では、R5およびR6は、それぞれ独立にC1〜6アルキルであり、またはR5およびR6が結合している窒素原子と一緒に、置換または非置換のヘテロシクリル基、特に、モルホリニル基、ピペリジニル基、およびピロリジニル基の中から選択される基を形成することが、式(I)の化合物において好適である。R5およびR6は一緒に、モルホリン-4-イル基を形成することがより好ましい。
【0073】
本発明の好適な変形では、式(I)のシグマリガンドは、
[1] 4-{2-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1Hピラゾール-3-イルオキシ)エチル}モルホリン
[2] 2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]-N,N-ジエチルエタンアミン
[3] 1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-3-[2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ]-1H-ピラゾール
[4] 1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-3-[3-(ピロリジン-1-イル)プロポキシ]-1H-ピラゾール
[5] 1-{2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}ピペリジン
[6] 1-{2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}-1H-イミダゾール
[7] 3-{1-[2-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ)エチル]ピペリジン-4-イル}-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン
[8] 1-{2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}-4-メチルピペラジン
[9] エチル4-{2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}ピペラジンカルボキシレート
[10] 1-(4-(2-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ)エチル)ピペラジン-1-イル)エタノン
[11] 4-{2-[1-(4-メトキシフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}モルホリン
[12] 1-(4-メトキシフェニル)-5-メチル-3-[2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ]-1H-ピラゾール
[13] 1-(4-メトキシフェニル)-5-メチル-3-[3-(ピロリジン-1-イル)プロポキシ]-1H-ピラゾール
[14] 1-[2-(1-(4-メトキシフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ)エチル]ピペリジン
[15] 1-{2-[1-(4-メトキシフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}-1H-イミダゾール
[16] 4-{2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-フェニル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}モルホリン
[17] 1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-フェニル-3-[2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ]-1H-ピラゾール
[18] 1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-フェニル-3-[3-(ピロリジン-1-イル)プロポキシ]-1H-ピラゾール
[19] 1-{2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-フェニル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}ピペリジン
[20] 1-{2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-フェニル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}-1H-イミダゾール
[21] 2-{2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-フェニル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン
[22] 4-{4-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]ブチル}モルホリン
[23] 1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-3-[4-(ピロリジン-1-イル)ブトキシ]-1H-ピラゾール
[24] 1-{4-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]ブチル}ピペリジン
[25] 1-{4-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]ブチル}-4-メチルピペラジン
[26] 1-{4-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]ブチル}-1H-イミダゾール
[27] 4-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]-N,N-ジエチルブタン-1-アミン
[28] 1-{4-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]ブチル}-4-フェニルピペリジン
[29] 1-{4-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]ブチル}-6,7-ジヒドロ-1H-インドール-4(5H)-オン
[30] 2-{4-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]ブチル}-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン
[31] 4-{2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-イソプロピル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}モルホリン
[32] 2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-イソプロピル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]-N,N-ジエチルエタンアミン
[33] 1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-イソプロピル-3-[2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ]-1H-ピラゾール
[34] 1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-イソプロピル-3-[3-(ピロリジン-1-イル)プロポキシ]-1H-ピラゾール
[35] 1-{2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-イソプロピル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}ピペリジン
[36] 2-{2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-イソプロピル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン
[37] 4-{2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}モルホリン
[38] 2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]N,N-ジエチルエタンアミン
[39] 1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-[2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ]-1H-ピラゾール
[40] 1-{2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}ピペリジン
[41] 1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-[3-(ピロリジン-1-イル)プロポキシ]-1H-ピラゾール
[42] 1-{2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}ピペラジン
[43] 1-{2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}ピロリジン-3-アミン
[44] 4-{2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5-ジメチル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}モルホリン
[46]2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5-ジメチル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]-N,N-ジエチルエタンアミン
[47] 1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5-ジメチル-3-[2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ]-1H-ピラゾール
[48] 1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5-ジメチル-3-[3-(ピロリジン-1-イル)プロポキシ]-1H-ピラゾール
[49] 1-{2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5-ジメチル-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}ピペリジン
[50] 4-{4-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]ブチル}モルホリン
[51] (2S,6R)-4-{4-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]ブチル}-2,6-ジメチルモルホリン
[52] 1-{4-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]ブチル}ピペリジン
[53] 1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-[4-(ピロリジン-1-イル)ブトキシ]-1H-ピラゾール
[55] 4-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]-N,N-ジエチルブタン-1-アミン
[56] N-ベンジル-4-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]-N-メチルブタン-1-アミン
[57] 4-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]-N-(2-メトキシエチル)-N-メチルブタン-1-アミン
[58] 4-{4-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]ブチル}チオモルホリン
[59] 1-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-3-(2-モルホリノエトキシ)-1H-ピラゾール-4-イル]エタノン
[60] 1-{1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-3-[2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ]-1H-ピラゾール-4-イル}エタノン
[61] 1-{1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-3-[2-(ピペリジン-1-イル)エトキシ]-1H-ピラゾール-4-イル}エタノン
[62] 1-{1-(3,4-ジクロロフェニル)-3-[2-(ジエチルアミノ)エトキシ]-5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル}エタノン
[63] 4-{2-[5-メチル-1-(ナフタレン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}モルホリン
[64] N,N-ジエチル-2-[5-メチル-1-(ナフタレン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エタンアミン
[65] 1-{2-[5-メチル-1-(ナフタレン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}ピペリジン
[66] 5-メチル-1-(ナフタレン-2-イル)-3-[2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ]-1H-ピラゾール
またはこれらの医薬として許容可能な塩、異性体、プロドラッグ、もしくは溶媒和物から選択される。
【0074】
本発明のより好適な変形では、式(I)のシグマリガンドは、4-{2-[5-メチル-1-(ナフタレン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}モルホリンである。この特定の化合物は、本発明の実施例で化合物63と指定されている。
【0075】
式(I)の化合物、およびこれらの塩または溶媒和物は、以前の出願WO2006/021462に開示されているように調製することができる。
【0076】
別の好適な実施形態では、シグマリガンドは、本発明との関連で、上記に表したような一般式(II)を有する。
【0077】
本発明の別の実施形態では、式(II)の化合物において、R1〜R3のうちの少なくとも1つは水素であることが好適である。本発明の別の実施形態では、式(II)の化合物において、R1〜R3のうちの少なくとも1つはハロゲンであることが好適である。別の実施形態では、R1〜R3のうちの2つは水素またはハロゲンであることが好適であり、ハロゲンは塩化物であることが好ましい。
【0078】
別の実施形態では、式(II)の化合物中のR4は、好ましくは低級アルキル、より好ましくはメチルである。
【0079】
一実施形態では、式(II)の化合物において、R5およびR6は独立に、アルキル、より好ましくはC1〜C6アルキル、さらにより好ましくはエチルまたはイソプロピルである。
【0080】
別の実施形態では、式(II)の化合物において、R5およびR6は、これらが結合している窒素と一緒に、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、およびモルホリンから好ましくは選択される置換または非置換のヘテロシクリル基を形成する。
【0081】
さらに、好適な実施形態では、式(II)の化合物において、nは、1、2、3、4、または5である。
【0082】
好適な式(II)の化合物は、
[67] 4-[2-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオエチル]モルホリン;
[68] 1-[2-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-チオエチル]ピペリジン;
[69] 1-[2-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-チオエチル]ピロリジン;
[70] 2-[2-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-チオ]-N,N-ジイソプロピルエタンアミン;
[71] 2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-チオ]-N,N-ジエチルエタンアミン;
[72] 1-[2-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-チオ)エチル]アゼパン;
[73] 4-[3-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)プロピル]モルホリン;
[74] 1-[3-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-チオ)プロピル]-4-ピロリジン;
[75] 1-[3-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)プロピル]-4-フェニルピペリジン;
[76] 1-[4-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-チオ)ブチル]-4-フェニルピペリジン;
[77] 4-[4-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-チオ)ブチル]モルホリン;
[78] 1-[5-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)ペンチル]ピペリジン;
[79] 4-[5-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)ペンチル]モルホリン;
[80] 1-[5-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)ペンチル]ピロリジン;
[81] 1-[2-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-スルフィニル)エチル]ピロリジン;
[82] 4-[2-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-スルフィニル)-エチル]-モルホリン;
[83] 2-[2-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルスルフィニル]-N,N-ジイソプロピルエタンアミン;
[84] 1-[4-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルスルフィニル)ブチル]-4-フェニルピペリジン;
[85] 1-[2-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルスルホニル]エチルピロリジン;
[86] 2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-スルホニル]-N,N-ジエチルエタンアミン;
[87] 4-[4-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-スルホニル)-ブチル]モルホリン;
[88] 1-[2-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルオキシ)エチル]ピペリジン;
[89] 2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルオキシ]-N,N-ジエチルエタンアミン;
[90] 1-[2-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルオキシ)エチル]ピロリジン;
[91] 4-[2-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルオキシ)エチル]モルホリン;
[92] 2-(5-メチル-1-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルオキシ)-N,N-ジエチルエタンアミン;
[93] 1-[2-(5-メチル-1-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルオキシ)エチル]ピロリジン;
[94] 4-[2-(5-メチル-1-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルオキシ)エチル]モルホリン;
[95] 1-[2-(5-メチル-1-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルオキシ)エチル]ピペリジン;
[96] 4-[4-(5-メチル-1-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルオキシ)ブチル]モルホリン;
[97] 1-[2-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)エチル]-4-メチルピペリジン;
[98] 4-[2-(5-メチル-1-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)エチル]モルホリン;
[99] 4-[2-(1-(4-クロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)エチル]モルホリン;
[100] N-[2-(1-(3-クロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)エチル]-N,N-ジイソプロピルプロパン-2-アミン;
[101] 1-[2-(1-(3-クロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)エチル]ピペリジン;
[102] 4-[2-(1-(3-クロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)エチル]モルホリン;
[103] 4-[2-(1-(3-クロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)エチル]ピロリジン;
[104] 2-[1-(3-クロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ]-N,N-ジエチルエタンアミン;
[105] 4-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ]-N,N-ジエチルブタン-1-アミン;
[106] 1-[4-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)ブチル]ピペリジン;
[107] 1-[4-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)ブチル]ピロリジン;
[108] 2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルスルフィニル]-N,N-ジエチルエタンアミン;
[109] 1-[2-(1-(3-クロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-スルフィニル)エチル]ピロリジン
[110] 1-[2-(1-(3-クロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-スルフィニル)エチル]モルホリン
[111] 1-[2-(1-(3-クロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-スルフィニル)エチル]-N,N-ジエチルアミン;
[112] 1-[2-(1-(3-クロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-スルホニル)エチル]ピロリジン
[113] 1-[2-(1-(3-クロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-スルホニル)エチル]-N,N-ジイソプロピルアミン;
[114] 1-[2-(1-(3-クロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-スルホニル)エチル]-N,N-ジエチルアミン;
またはその医薬として許容可能な塩、異性体、プロドラッグ、または溶媒和物である。
【0083】
さらに、本発明の別の好適な実施形態では、式(II)の化合物は、そのシュウ酸塩である。
【0084】
式IIの化合物の好適な塩は、
[115] 4-[2-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオエチル]モルホリンオキサレート;
[116] 1-[2-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-チオ)エチル]ピペリジンオキサレート;
[117] 1-[2-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-チオエチル]ピロリジンオキサレート;
[118] 2-[2-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-チオ]-N,N-ジイソプロピルエタンアミンオキサレート;
[119] 2-[1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-チオ]-N,N-ジエチルエタンアミンオキサレート;
[120] 1-[2-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-チオ)エチル]アゼパンオキサレート;
[121] 4-[3-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)プロピル]モルホリンオキサレート;
[122] 1-[3-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-チオ)プロピル]ピロリジンオキサレート;
[123] 1-[3-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)プロピル]-4-フェニルピペリジンオキサレート;
[124] 1-[4-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-チオ)ブチル]-4-フェニルピペリジンオキサレート;
[125] 4-[4-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル-チオ)ブチル]モルホリンオキサレート;
[126] 1-[5-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)ペンチル]ピペリジンオキサレート;
[127] 4-[5-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)ペンチル]モルホリンオキサレート;
[128] 1-[5-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)ペンチル]ピロリジンオキサレート;
[129] 4-[2-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルオキシ)エチル]モルホリンオキサレート;
[130] 4-[2-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)エチル]モルホリン塩酸塩。
[131] 1-[2-(1-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)エチル]-4-メチルピペリジニウムオキサレート;
[132] 4-[2-(5-メチル-1-フェニル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)エチル]モルホリニウムオキサレート;
[133] 4-[2-(1-(4-クロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)エチル]モルホリニウムオキサレート;
[134] N-[2-(1-(3-クロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)エチル]-N,N-ジイソプロピルプロパン-2-アミニウムオキサレート
[135] 1-[2-(1-(3-クロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)エチル]ピペリジニウムオキサレート
[136] 4-[2-(1-(3-クロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)エチル]モルホリニウムオキサレート;
[137] 4-[2-(1-(3-クロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ)エチル]ピロリジニウムオキサレート
[138] 2-[1-(3-クロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオ]-N,N-ジエチルエタンアミニウムオキサレート
である。
【0085】
本発明のより好適な変形では、式(II)のシグマリガンドは、4-[2-(3,4-ジクロロフェニル)-5-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-イルチオエチル]モルホリンオキサレートである。
【0086】
式(II)の化合物は、以前の出願WO2008/055932に開示されているように調製することができる。
【0087】
別の好適な実施形態では、シグマリガンドは、本発明との関連で、上記に表したような一般式(III)を有する。
【0088】
本発明の別の実施形態では、式(III)の化合物において、R2は、好ましくは水素またはアルキル、より好ましくは水素であることが好適である。
【0089】
式(III)の化合物において、mは1または2であることも好適であり、nは0または1であることも好適である。
【0090】
さらに、式(III)の化合物において、R3およびR4は、水素またはアルキルであることも好適であり、水素またはメチルであることがより好適であり、ともに水素であることが最も好適である。
【0091】
さらに、式(III)の化合物において、R1は、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のヘテロシクリル、および置換または非置換のアリールによって形成される群から選択されることが好適であり、置換または非置換のアルキル、非置換のシクロアルキル、非置換のアリール、および芳香族複素環によって形成される群から選択されることがより好適であり、メチル、t-ブチル、シクロヘキシル、およびフェニルによって形成される群から選択されることが最も好適である。
【0092】
さらに、特に、R2が水素であり、mが1であり、nが1であるとき;さらに特に、R3およびR4がともに水素であるとき;なおさらに特に、R1が置換または非置換のフェニルであるとき、R5およびR6は一緒に、環内に3個〜7個の原子を有する置換または非置換のヘテロシクリル、特に、モルホリン-4-イル、2,6-ジメチルモルホリン-4-イル、ピペリジン-1-イル、4-フェニルピペリジン-1-イル、3-フェニルピペリジン-1-イル、4-ベンジルピペラジン-1-イル、4-フェニル-ピペラジン-1-イル、2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル、アゼパン-1-イル、1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン-2-イル、ピロリジン-1-イル、3-フェニル-ピロリジン-1-イル、イソインドリン-2-イル、またはイミダゾール-1-イルを形成することも好適である。R5がベンジルであり、R6がメチルであるとき良好な結果が得られる。
【0093】
R1〜R6、n、m、および点線- - - - -についての上記実施形態および選択は、さらに好適な化合物を得るために組み合わせることができる。
【0094】
式(III)に入る本発明の特定の個々の化合物には、以下に列挙した化合物が含まれる:
[139] 4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール、
[140] 4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールオキサレート、
[141] 1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
[142] 1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールオキサレート、
[143] (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾール、
[144] 1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾール、
[145] 1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾールオキサレート、
[146] 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
[147] 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールオキサレート、
[148] 4-(2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)エチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール、
[149] 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]エチル)-1H-インダゾール、
[150] 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]エチル)-1H-インダゾールオキサレート、
[151] 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
[152] 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールオキサレート、
[153] (E)-4-(2-(アゼパン-1-イル)エチリデン)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール、
[154] (E)-4-(2-(アゼパン-1-イル)エチリデン)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾールオキサレート、
[155] (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール、
[156] (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]エチリデン)-1H-インダゾール、
[157] (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]エチリデン)-1H-インダゾールオキサレート、
[158] (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール、
[159] 1,2,3,4-テトラヒドロ-2-((E)-2-(6,7-ジヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4(5H)-イリデン)エチル)イソキノリン、
[160] 1,2,3,4-テトラヒドロ-2-((E)-2-(6,7-ジヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4(5H)-イリデン)エチル)イソキノリンオキサレート、
[161] (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(3-フェニルピペリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール、
[162] (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(3-フェニルピロリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール
[163] (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(3-フェニルピロリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾールオキサレート、
[164] (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾール、
[165] (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール、
[166] 1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
[167] 1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールオキサレート、
[168] 1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール、
[169] 1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾールオキサレート、
[170] 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
[171] 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールオキサレート、
[172] 2-(2-(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール-4-イル)エチル)イソインドリン、
[173] 2-(2-(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール-4-イル)エチル)イソインドリンオキサレート、
[174] 1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾール、
[175] 1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾール、
[176] 1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(4-フェニルピペラジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾール、
[177] 1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾール、
[178] 1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾールオキサレート、
[179] 4-(2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)エチル)-1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール、
[180] 4-(2-(4-ベンジルピペラジン-1-イル)エチル)-1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c] ピラゾールジオキサレート、
[181] 1,2,3,4-テトラヒドロ-2-(2-(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール-4-イル)エチル)イソキノリン、
[182] 1,2,3,4-テトラヒドロ-2-(2-(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール-4-イル)エチル)イソキノリンオキサレート、
[183] 4-(2-(1H-イミダゾール-1-イル)エチル)-1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール、
[184] cis-1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール、
[185] cis-1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾールオキサレート、
[186] cis-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール、
[187] cis-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールオキサレート、
[188] 1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]-エチル)シクロペンタ[c]ピラゾール、
[189] 1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]-エチル)シクロペンタ[c]ピラゾールオキサレート、
[190] N-ベンジル-2-(1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール-4-イル)-N-メチル-エタンアミン、
[191] 1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(3-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾールのジアステレオマー混合物、
[192] N-ベンジル-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン、
[193] 4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール、
[194] 4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールオキサレート、
[195] 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
[196] 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールオキサレート、
[197] 4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1-メチル-1H-インダゾール、
[198] 4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1-メチル-1H-インダゾールオキサレート、
[199] N-ベンジル-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン、
[200] N-ベンジル-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミンオキサレート、
[201] 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾール、
[202] 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾールオキサレート、
[203] 1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾール、
[204] 1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾールオキサレート、
[205] cis-1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾール、
[206] cis-1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチル)-1H-インダゾールオキサレート、
[207] N-ベンジル-2-(1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチル-エタンアミン、
[208] 1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1H-インダゾール、
[209] 1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)-1H-インダゾールオキサレート、
[210] 1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
[211] (+)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール、
[212] (+)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールオキサレート、
[213] (-)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール、
[214] (-)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールオキサレート、
[215] (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリン-4-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾールオキサレート、
[216] (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾールオキサレート、
[217] (E)-N-ベンジル-2-(6,7-ジヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4(5H)-イリデン)-N-メチル-エタンアミン、
[218] (E)-N-ベンジル-2-(6,7-ジヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール-4(5H)-イリデン)-N-メチル-エタンアミンオキサレート、
[219] (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(cis-2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾール、
[220] (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(cis-2,6-ジメチルモルホリン-4-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾールオキサレート、
[221] (E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(cis-2,6-ジメチルモルホリノ-4-イル)-エチリデン)-1H-インダゾール、
[222] (E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(cis-2,6-ジメチル-モルホリノ-4-イル)エチリデン)-1H-インダゾールオキサレート、
[223] (E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリノ-4-イル)エチリデン)-1H-インダゾール、
[224] (E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(モルホリノ-4-イル)-エチリデン)-1H-インダゾールオキサレート、
[225] (E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチリデン)-1H-インダゾール、
[226] (E)-1-(3,4-ジクロロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(ピペリジン-1-イル)-エチリデン)-1H-インダゾールオキサレート、
[227] (E)-4-(2-(N,N-ジエチルアミノ)エチリデン)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール、
[228] (E)-4-(2-(N,N-ジエチルアミノ)エチリデン)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾールオキサレート、
[229] (E)-4-(2-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)エチリデン)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール、
[230] (E)-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチリデン)-1-フェニル-1H-インダゾール、
[231] 4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾール、
[232] 4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチル)-1-フェニル-1H-インダゾールオキサレート、
[233] 1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)シクロペンタ[c]ピラゾールオキサレート、
[234] 1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-[2-(チオモルホリン-4-イル)エチル]シクロペンタ[c]ピラゾール、
[235] 1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニル-4-[2-(チオモルホリン-4-イル)エチル]シクロペンタ[c]ピラゾールオキサレート、
[236] 1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール、
[237] 1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペリジン-1-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾールオキサレート、
[238] 1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エチル)-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール、
[239] 4-(2-(4-シクロヘキシルピペラジン-1-イル)エチル)-1,4,5,6-テトラヒドロ-1-フェニルシクロペンタ[c]ピラゾール、
[240] 4-(2-(アゼパン-1-イル)エチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-1H-インダゾール、
[241] N-ベンジル-2-(1-tert-ブチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン、
[242] 1-tert-ブチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
[243] 1-tert-ブチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾールオキサレート、
[244] (-)-N-ベンシル-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン、
[245] (+)-N-ベンシル-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン、
[246] N-(2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)エチル)-N-メチルシクロヘキサンアミン、
[247] 4,5,6,7-テトラヒドロ-4-(2-(4-ヒドロキシ-4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1-メチル-1H-インダゾール、
[248] 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-4-(2-(4-フェニルピペリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール、
[249] N-ベンジル-2-(4,5,6,7-テトラヒドロ-1-メチル-1H-インダゾール-4-イル)-N-メチルエタンアミン、
[250] 4,5,6,7-テトラヒドロ-1-フェニル-4-(2-[スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),4'-ピペリジン]-1'-イル]-エチル)-1H-インダゾール。
【0095】
シュウ酸塩が列挙されているが、他の医薬として許容可能な塩も、好適な化合物のこの群の一部を形成する。
【0096】
本発明のより好適な変形では、式(III)のシグマリガンドは、
[251] 4-(2-(1-(4-フルオロフェニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-4-イル)エチル)モルホリンオキサレート;
[252] 4-(1-(2-(1-メチル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-1H-インダゾール-4-イル)エチル)ピペリジン-4-イル)ベンゾニトリルオキサレート;および
[253] 1-(4-(7-((5-ブロモチオフェン-2-イル)メチル)-5,6,7,8-テトラヒドロピリド[3,4-d]ピリミジン-2-イルアミノ)フェニル)エチルアセテート
から選択される。
【0097】
式(III)の化合物は、以前の出願WO2006/021463に開示されているように調製することができる。
【0098】
本発明の特定の実施形態では、手術の結果として発症する疼痛は、表在痛および/または深部痛であり、例えば、神経痛、異痛症、カウザルギー、痛覚過敏、知覚過敏、および/またはヒペルパチーを伴う末梢神経因性疼痛である。
【0099】
本発明の別の態様では、先に本明細書で定義したような、手術の結果として発症する疼痛は、ニューロパシーおよび/または神経炎を伴う。より好ましくは、疼痛は、熱痛覚過敏または機械的異痛症である。
【0100】
「神経因性疼痛」は、「神経系における原発病変または機能不全によって開始され、または引き起こされる疼痛」としてIASPによって定義されている(IASP、Classification of chronic pain、2版、IASP Press (2002)、210頁)。本発明において、この用語は、「神経原性疼痛」と同義として取り扱われるべきであり、これは、末梢神経系または中枢神経系における原発病変、機能不全、または一過性の混乱によって開始され、または引き起こされる疼痛」としてIASPによって定義されている。本発明による神経因性疼痛は、手術から生じる神経因性疼痛に制限される。
【0101】
IASPによれば、「異痛症」は、「疼痛を通常誘発しない刺激による疼痛」として定義されている(IASP、Classification of chronic pain、2版、IASP Press (2002)、210頁)。IASPによれば、「末梢神経因性疼痛」は、「末梢神経系における原発病変または機能不全によって開始され、または引き起こされる疼痛」として定義されており、「末梢神経原性疼痛」は、「末梢神経系における原発病変、機能不全、または一過性の混乱によって開始され、または引き起こされる疼痛」として定義されている(IASP、Classification of chronic pain、2版、IASP Press (2002)、213頁)。
【0102】
IASPによれば、「カウザルギー」は、「多くの場合血管運動機能障害および発汗異常、ならびに後の栄養変化と併発される、外傷性神経病変後の持続性灼熱痛、異痛症、およびヒペルパチーの症候群」として定義されている(IASP、Classification of chronic pain、2版、IASP Press (2002)、210頁)。
【0103】
IASPによれば、「痛覚過敏」は、「通常有痛性である刺激に対する応答の増大」として定義されている(IASP、Classification of chronic pain、2版、IASP Press (2002)、211頁)。
【0104】
IASPによれば、「知覚過敏」は、「感覚を除く、刺激に対する感度の増大」として定義されている(IASP、Classification of chronic pain、2版、IASP Press (2002)、211頁)。
【0105】
IASPによれば、「ヒペルパチー」は、「刺激、特に繰り返しの刺激に対する異常に有痛性の反応、ならびに閾値の増大を特徴とする有痛性の症候群」として定義されている(IASP、Classification of chronic pain、2版、IASP Press (2002)、212頁)。
【0106】
IASPは、「異痛症」、「痛覚過敏」、および「ヒペルパチー」の間に以下の差異を区分している(IASP、Classification of chronic pain、2版、IASP Press (2002)、212頁):
【0107】
【表2】

【0108】
IASPによれば、「神経痛」は、「1つまたは複数の神経の分布における疼痛」として定義されている(IASP、Classification of chronic pain、2版、IASP Press (2002)、212頁)。
【0109】
IASPによれば、「神経炎」は、「1つまたは複数の神経の炎症」として定義されている(IASP、Classification of chronic pain、2版、IASP Press (2002)、212頁)。
【0110】
IASPによれば、「ニューロパシー/神経炎」は、「神経における機能障害または病理学的変化:1つの神経においてモノニューロパシー、いくつかの神経において多発性モノニューロパシー、びまん性で両側性である場合、多発ニューロパシー」として定義されている(IASP、Classification of chronic pain、2版、IASP Press (2002)、212頁)。
【0111】
先に述べたように、本発明の一態様は、手術の結果として発症する疼痛の予防用および/または治療用の医薬を製造するための、上記に定義したシグマリガンドの使用に関する。
【0112】
本発明による薬剤組成物の補助物質または添加剤は、担体、賦形剤、支持物質、滑剤、充填剤、溶媒、希釈剤、着色剤、糖などの香味調整剤(flavour conditioner)、抗酸化剤、結合剤、接着剤、崩壊剤、抗粘着剤(anti-adherent)、流動促進剤、および/または接着剤の中から選択することができる。坐剤の場合では、これは、非経口の投与用のワックス、または脂肪酸エステル、または保存剤、乳化剤、および/または担体を含意し得る。これらの補助物質および/または添加剤の選択、ならびに使用される量は、薬剤組成物の投与形態に依存することになる。
【0113】
本発明によるシグマリガンドを含む薬剤組成物は、経口的であっても、非経口的、例えば、経肺的、経鼻的、経直腸的、および/または静脈内であっても、投与の任意の形態に適合させることができる。したがって、本発明による製剤は、局所投与、または全身性投与、特に、皮膚、経皮(transdermal)、皮下、筋肉内、関節内、腹腔内、静脈内、動脈内、膀胱内、骨内、陰茎海綿体内、経肺、頬側、舌下、眼球、硝子体内、鼻腔内、経皮(percutaneous)、直腸、膣、口腔、硬膜外、クモ膜下、心室内、脳内、脳室内、槽内、脊髄内、脊髄周囲、頭蓋内、ポンプデバイスを用いた、もしくは用いない針もしくはカテーテルを介した送達、または他の投与経路に適合させることができる。
【0114】
口腔投与に適した製剤は、錠剤、ピル、カプレット、ゲルキャップ、チューインガム、カプセル、顆粒、液滴、またはシロップである。
【0115】
非経口投与に適した製剤は、溶液、懸濁液、再構成可能な乾燥製剤、エアロゾル、またはスプレーである。
【0116】
本発明の組成物は、経皮投与用に、溶解した形態、またはパッチでのデポジット(deposit)として製剤化することができる。
【0117】
皮膚への投与には、軟膏、ゲル、クリーム、ローション剤、懸濁液、またはエマルジョンが含まれる。
【0118】
直腸投与に適した形態は、坐剤によるものである。
【0119】
さらに、この組成物は、毎日1回、毎週1回、または毎月1回の投与に適した形態で提供することができる。
【0120】
したがって、別の態様では、本発明は、手術後疼痛に罹患している、または外科手術の結果として疼痛に罹患する可能性のある患者を治療する方法であって、そのような治療または予防を必要とする患者に、治療有効量のシグマリガンドを、上記に定義した適切な治療頻度で投与する工程を含む方法を提供する。
【0121】
いくつかの実施形態では、手術後疼痛は、異痛症、痛覚過敏、熱的に誘発される疼痛、機械的に誘発される疼痛、または安静時疼痛の1つまたは複数を含む。例えば、手術後疼痛は、機械的に誘発される疼痛および/または安静時疼痛を含む場合がある。いくつかの場合では、手術後疼痛は、安静時疼痛を含む。
【0122】
ある特定の実施形態では、異痛症が抑制、改善、および/または予防され、いくつかの実施形態では、痛覚過敏が抑制、改善、および/または予防される。場合によっては、疼痛は慢性疼痛である。他の場合では、疼痛は、外部外傷、創傷、または切開の1つまたは複数の部位の近位および/または付近におけるものである。主題の方法のさらなる態様は、主題のシグマリガンドを投与することによって、手術後疼痛の発症または進行を改善および/または予防する方法を含む。ある特定の実施形態では、シグマリガンドは、外部外傷、創傷、または切開をもたらす可能性のある手術などの活動の前に投与することができる。例えば、エマルジョン製剤を、手術の前など、外部外傷、創傷、または切開をもたらす可能性のある活動の30分前、1時間前、2時間前、5時間前、10時間前、15時間前、24時間前、またはそれ以上前、例えば、1日前、数日前、さらには1週間前、2週間前、3週間前、またはそれ以上前などに投与することができる。他の実施形態では、シグマリガンドを、外部外傷、創傷、または切開をもたらした手術または活動の間および/または後に投与することができる。場合によっては、シグマリガンドは、手術、または外部外傷、創傷、または切開をもたらした活動の1時間後、2時間後、3時間後、4時間後、6時間後、8時間後、12時間後、24時間後、30時間後、36時間後、またはそれ以上後に投与される。
【0123】
本発明の一実施形態では、シグマリガンドは、治療有効量で使用されることが好適である。医師が、最も適当となり、投与形態および選択された特定の化合物によって変化し、さらに、治療中の患者、患者の年齢、治療されている疼痛のタイプによって変化する、本治療剤の投与量を決定する。医師は、化合物の最適用量より実質的に少ない少投与量で治療を開始し、諸状況下で最適の効果に到達するまで、少量の増加によって投与量を増加させることを一般に望む。組成物が経口投与される場合、より多い量の活性剤が、非経口投与されるより少ない量と同じ効果を生じさせるのに必要とされる。この化合物は、同等の治療剤と同じように有用であり、投与量レベルは、これらの他の治療剤で一般に使用されるのと同じ程度の規模である。
【0124】
例えば、患者に投与しなければならない投与量レジメンは、患者の体重、投与のタイプ、疾患の状態および重症度に依存することになる。好適な投与量レジメンは、0.01〜300mg/kg、より好ましくは0.01〜100mg/kg、最も好ましくは0.01〜50mg/kgの範囲内での本発明による化合物の投与を含む。
【0125】
以下の実施例は、本発明のある特定の実施形態の単に例示的なものであり、決して本発明を限定するものとしてみなすことはできない。
【0126】
(実施例)
(実施例1)
4-{2-[5-メチル-1-(ナフタレン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}モルホリン(化合物63)、およびその塩酸塩の合成
【0127】
【化4】

【0128】
化合物63は、以前の出願WO2006/021462に開示されているように調製することができる。その塩酸塩は、以下の手順によって得ることができる:
化合物63(6.39g)を、HClで飽和したエタノール中に溶解させ、次いでこの混合物を数分間撹拌し、蒸発させて乾燥させた。残留物をイソプロパノールから結晶化させた。1回目の結晶化からの母液を濃縮することによって、2回目の結晶化をすることができた。両結晶化を一緒にして、5.24g(63%)の対応する塩酸塩を得た(m.p.=197〜199℃)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ ppm: 10.85 (bs, 1H)、7.95 (m, 4H)、7.7 (dd, J=2.2, 8.8Hz, 1H)、7.55 (m, 2H)、5.9 (s, 1H)、4.55 (m, 2H)、3.95 (m, 2H)、3.75 (m, 2H)、3.55〜3.4 (m, 4H)、3.2 (m, 2H)、2.35 (s, 3H)。
HPLC純度:99.8%
【0129】
(実施例2)
ラットにおける術後疼痛に対する鎮痛活性の評価
Ohmeda気化器および麻酔チャンバーを使用して、家畜使用用の3%のイソフルランを用いて、ラットに麻酔の誘導を実施した。イソフルランの蒸気を動物の鼻に向けるチューブによって、外科手術の間麻酔を維持した。ラットを麻酔した後、これらを腹臥位で横にし、これらの右後肢をアルコールで洗浄した。
【0130】
次に、メスによって、踵から約5mmから開始して、つま先に向けて延ばして、約10mmの皮膚切開を後肢に行った。筋膜の位置を突き止め、曲線バサミによって筋肉を持ち上げ、約5mmの縦切開を行った。こうして筋肉の起始部および挿入部は無傷のままであった。したがって、表面の(皮膚)組織および深部(筋肉)組織の両方、ならびに神経を傷害させた。ブレッデッドシルク(breaded silk)(3.0)を含む縫合用糸で足の皮膚を縫い、創傷部をポビドンで洗浄した。
【0131】
手術(足底切開)をして4時間後、前記生成物を投与して30分後または60分後に評価を常に実施した。2つのタイプの分析を実施した。
- von Freyフィラメントを使用して機械的異痛症を試験した。フィラメントを当てるために穴をあけた金属メッシュの床を伴った、高い表面(elevated surface)上のメタクリレートシリンダー内に動物を置いた。シリンダー内で約30分の期間順化させた後、最低の力のフィラメント(0.4g)から開始し、15gのフィラメントに到達させて、両後肢を刺激した(傷害された足と傷害されていない足、後者は対照として機能を果たす)。疼痛に対する動物の応答は、フィラメントによって引き起こされる有痛性の刺激の結果としての足の引っ込めによってはっきりした。足の引っ込めを誘発する圧力(グラムでの力)閾値を記録した。
- Ugo Basile足底試験を使用して熱痛覚過敏を試験した。水晶床(crystal floor)を有する、前記装置のメタクリレートケージ内に動物を置いた。ケージ内での順化期間は約10分であった。水晶床の下を移動するランプから熱刺激をもたらし、学習挙動を回避するために両刺激の間の最小間隔を1分にして、この刺激を両足に施した。ラットは、ランプに由来する熱によって生じた疼痛を感じたとき、自由に足を引っ込めることができた。次いで、ランプのスイッチを切り、引っ込め応答までの待ち時間を秒で記録した。動物の足を傷つけることを避けるために、32秒後に自動的にランプのスイッチを切った。
【0132】
足底切開 - 機械的異痛症
治療:
図1:機械的異痛症の30分前に腹腔内投与した公知のシグマリガンド(BD-1063)を用いて得た結果を、ラットの同側の(手術した)後肢において評価した。
【0133】
図2:機械的異痛症の30分前に腹腔内投与した化合物63を用いて得た結果を、ラットの同側の(手術した)後肢において評価した。
【0134】
予防/治療の比較:
図3: 手術後疼痛の治療に一般に使用されるナトリウムジクロフェナクを、ラットの同側の(手術した)後肢に手術前(予防)および手術後(治療)に投与して得た機械的異痛症の比較による結果。
【0135】
図4:ラットの同側の(手術した)後肢に、手術前(予防)および手術後(治療)に投与した、BD-1063および化合物63についての機械的異痛症の比較による結果。
【0136】
足底切開 - 熱痛覚過敏
予防/治療の比較:
図5:手術後疼痛の治療に一般に使用されるナトリウムジクロフェナクを、ラットの同側の(手術した)後肢に、手術前(予防)および手術後(治療)に投与して得た熱痛覚過敏の比較による結果。
【0137】
図6:ラットの同側の(手術した)後肢に、手術前(予防)および手術後(治療)に投与した、化合物63についての熱痛覚過敏の比較による結果
【0138】
熱痛覚過敏で観察される主な論点は、記載した先の試験(機械的異痛症)のものと同じである。
【0139】
シグマリガンドは、機械的異痛症および熱痛覚過敏をともに軽減するので、術後疼痛に効果的である。手術前(予防)および手術後(治療)の投与されたときの両方で活性が見られ、ジクロフェナクと対照的に(図3および図5)、この化合物が手術前に投与されたとき効力が増大する(図4および図6)ことに留意することは重要である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術の結果として発症する疼痛の予防および/または治療に使用するためのシグマリガンド。
【請求項2】
疼痛が、手術の結果として発症する急性疼痛ならびに/または慢性疼痛、特に、術後の組織傷害に続発する表在痛および/もしくは深部痛、ならびに/または外科手術に続発する神経因性疼痛、神経痛、異痛症、カウザルギー、痛覚過敏、知覚過敏、ヒペルパチー、神経炎、もしくはニューロパシーから選択される、請求項1に記載のシグマリガンド。
【請求項3】
中性アンタゴニスト、逆アゴニスト、または部分アンタゴニストから好ましくは選択されるシグマ受容体アンタゴニストから選択される、請求項1または2に記載のシグマリガンド。
【請求項4】
一般式(I):
【化1】

(式中、
R1は、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアリールアルキル、置換または非置換の非芳香族ヘテロシクリル、置換または非置換の芳香族ヘテロシクリル、置換または非置換のヘテロシクリルアルキル、-COR8、-C(O)OR8、-C(O)NR8R9、-CH=NR8、-CN、-OR8、-OC(O)R8、-S(O)t-R8、-NR8R9、-NR8C(O)R9、-NO2、-N=CR8R9、およびハロゲンによって形成される群から選択され、
R2は、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアリールアルキル、置換または非置換の芳香族または非芳香族ヘテロシクリル、置換または非置換のヘテロシクリルアルキル、-COR8、-C(O)OR8、-C(O)NR8R9、-CH=NR8、-CN、-OR8、-OC(O)R8、-S(O)t-R8、-NR8R9、-NR8C(O)R9、-NO2、-N=CR8R9、およびハロゲンによって形成される群から選択され、
R3およびR4は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールアルキル、置換もしくは非置換の芳香族もしくは非芳香族ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリルアルキル、-COR8、-C(O)OR8、-C(O)NR8R9、-CH=NR8、-CN、-OR8、-OC(O)R8、-S(O)t-R8、-NR8R9、-NR8C(O)R9、-NO2、-N=CR8R9、およびハロゲンによって形成される群から独立に選択され、またはR3およびR4は一緒に、場合により置換された縮合環系を形成し、
R5およびR6は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアルケニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールアルキル、置換もしくは非置換の芳香族もしくは非芳香族ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のヘテロシクリルアルキル、-COR8、-C(O)OR8、-C(O)NR8R9、-CH=NR8、-CN、-OR8、-OC(O)R8、-S(O)t-R8、-NR8R9、-NR8C(O)R9、-NO2、-N=CR8R9、およびハロゲンによって形成される群から独立に選択され、またはR5およびR6が結合している窒素原子と一緒に、置換もしくは非置換の芳香族もしくは非芳香族ヘテロシクリル基を形成し、
nは、1、2、3、4、5、6、7、および8から選択され、
tは、1、2、または3であり、
R8およびR9は、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアリール、置換または非置換の芳香族または非芳香族ヘテロシクリル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のアリールオキシ、およびハロゲンからそれぞれ独立に選択される)
またはその医薬として許容可能な塩、異性体、プロドラッグ、もしくは溶媒和物を有する、請求項1から3のいずれかに記載のシグマリガンド。
【請求項5】
R1が、H、-COR8、および置換または非置換のアルキルから選択される、請求項4に記載のシグマリガンド。
【請求項6】
R2がHまたはアルキルである、請求項4または5に記載のシグマリガンド。
【請求項7】
R3およびR4が一緒に縮合ナフチル環系を形成する、請求項4から6のいずれかに記載のシグマリガンド。
【請求項8】
R5およびR6が一緒にモルホリン-4-イル基を形成する、請求項4から7のいずれかに記載のシグマリガンド。
【請求項9】
4-{2-[5-メチル-1-(ナフタレン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}モルホリン、またはその医薬として許容可能な塩、異性体、プロドラッグ、もしくは溶媒和物である、請求項4から8のいずれかに記載のシグマリガンド。
【請求項10】
4-{2-[5-メチル-1-(ナフタレン-2-イル)-1H-ピラゾール-3-イルオキシ]エチル}モルホリンヒドロクロリドである、請求項4から8のいずれかに記載のシグマリガンド。
【請求項11】
一般式(II):
【化2】

(式中、
R1、R2、およびR3は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシル、置換もしくは非置換のアルキル、シアノ、NRaRb、NHCONRc、NHSO2Rd、COOH、COOReから独立に選択され、ここでRaは水素またはアルキルであり、Rb、Rc、Rd、およびReは、独立にアルキルであり、
R4は、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、および置換または非置換の芳香族または非芳香族ヘテロシクリルから選択され、
R5およびR6は独立して、置換もしくは非置換のアルキルであり、またはR5およびR6が結合している窒素原子と一緒に、置換もしくは非置換の芳香族もしくは非芳香族ヘテロシクリル基を形成し、
Xは、-S-、-SO-、-SO2-、およびOから選択され、
nは、1、2、3、4、5、6、7、および8から選択される整数である)
またはその医薬として許容可能な塩、異性体、プロドラッグ、もしくは溶媒和物を有する、請求項1から3のいずれかに記載のシグマリガンド。
【請求項12】
R1〜R3のうちの少なくとも1つが水素またはハロゲンである、請求項11に記載のシグマリガンド。
【請求項13】
R4がアルキルである、請求項11または12に記載のシグマリガンド。
【請求項14】
一般式(III):
【化3】

(式中、
R1は、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換の芳香族または非芳香族ヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、置換または非置換のアリールアルキル、および置換または非置換のヘテロシクリルアルキルによって形成される群から選択され、
R2は、水素、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のシクロアルキル、置換または非置換のアルコキシ、置換または非置換のアリール、置換または非置換の芳香族または非芳香族ヘテロシクリル、置換または非置換のアリールアルキル、および置換または非置換のヘテロシクリルアルキルによって形成される群から選択され、
R3およびR4は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の芳香族もしくは非芳香族ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールアルキル、および置換もしくは非置換のヘテロシクリルアルキルによって形成される群から独立に選択され、またはR3およびR4は一緒に、置換または非置換の3〜6員環を形成し、
R5およびR6は、水素、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の芳香族もしくは非芳香族ヘテロシクリル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアリールアルキル、および置換もしくは非置換のヘテロシクリルアルキルによって形成される群から独立に選択され、またはR5およびR6は一緒に、環内に3個〜7個の原子を有する置換もしくは非置換のヘテロシクリルを形成し、
nは、0、1、および2から選択され、
mは、0、1、2、3、および4から選択され、
点線-----は、単結合または二重結合であり、
ただしR1がフェニルであり、R2がHであり、点線が二重結合であり、mが1であり、R5およびR6が2,5-ジオキソピロリジンまたは5-エトキシ,2-オキソ-ピロリジンを形成するとき、R3およびR4は、同時にともにHまたはメチルになることはない)
またはその医薬として許容可能な塩、異性体、プロドラッグ、もしくは溶媒和物を有する、請求項1から3のいずれかに記載のシグマリガンド。
【請求項15】
R4が水素またはアルキルである、請求項14に記載のシグマリガンド。
【請求項16】
手術の結果として発症する疼痛の予防用および/または治療用の医薬を製造するための、請求項1から15のいずれかに定義されたシグマリガンドの使用。
【請求項17】
手術の結果として発症する疼痛に罹患している、または外科治療の結果として疼痛に罹患する可能性のある患者を治療する方法であって、そのような治療または予防を必要とする患者に、請求項1から15のいずれかに定義された治療有効量のシグマリガンドを投与する工程を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−518858(P2013−518858A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551632(P2012−551632)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【国際出願番号】PCT/EP2011/051643
【国際公開番号】WO2011/095584
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(512036166)ラボラトリオス・デル・ドクター・エステベ・ソシエテ・アノニム (6)
【Fターム(参考)】