説明

衛星航法受信機を制御するためのシステムおよび方法

【課題】処理装置およびパワーマネージメントインターフェースを含む複数の動作状態を有する衛星航法受信機を提供すること。
【解決手段】処理装置は、複数の衛星信号に基づいて、衛星航法受信機を位置付けるように動作可能であり、衛星航法受信機の速度に基づいて、それぞれ動作状態の複数の時間期間を設定するように動作可能である。処理装置と結合されているパワーマネージメントインターフェースは、その時間期間により、動作状態の間で衛星航法受信機を切り替えるように動作可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年8月24日に出願された「System and Methods for Controlling a Satellite Navigation Receiver」という表題の同時係属の米国特許出願第12/545,994号の一部継続出願であり、その全体を参照によって本明細書に組み込む。本願はまた、2008年10月21日に出願された「Satellite Navigation System Receivers with Different Working Modes」という表題の米国特許仮出願第61/196,825号の優先権を主張するものであり、その全体を参照によって本明細書に組み込む。
【背景技術】
【0002】
衛星航法システム、例えば全地球測位システム(GPS)は、衛星航法受信機、例えばGPS受信機が、衛星信号により、それらの場所や速度を割り出すことを可能にする。GPSは、地球軌道を周回する24個を超える一連のGPS衛星を含むことが可能である。地表上で、所与の時間および所与の場所において目に見える少なくとも4つのGPS衛星が存在し得る。それぞれのGPS衛星は、所定の周波数でGPS信号を継続的に送る。GPS信号は、衛星の時間および軌道情報を含む。GPS受信機が、少なくとも4つのGPS衛星から同期的に送信されるGPS信号を受け取ることが可能である。少なくとも4つのGPS衛星の時間および軌道情報に基づいて、緯度、経度、および高度を含むGPS受信機の地理座標が算出可能である。
【0003】
最近は、車両ならびにパーソナルデジタルアシスタント(PDA)および携帯電話などの電子機器は、GPS受信機を搭載可能である。GPS受信機は、複数の捕捉チャネルおよび追跡チャネルを含むことが可能であり、ブースト状態または標準状態で稼働することが可能である。ブースト状態では、すべての捕捉チャネルおよび追跡チャネルが、GPS衛星を捕捉および追跡するようにイネーブルされる。4つを超える衛星が追跡された場合、GPS受信機は、標準状態に切替え可能である。標準状態では、1つまたは2つのチャネルだけがイネーブル可能である。追跡されるGPS衛星のいくつかのGPS信号が失われた場合、GPS受信機は、ブースト状態に戻って切替え可能である。しかし、従来のGPS受信機は、比較的高い電力消費を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願第12/545,994号
【特許文献2】米国特許仮出願第61/196,825号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態においては、複数の動作状態を有する衛星航法受信機が、処理装置およびパワーマネージメントインターフェースを含む。処理装置は、複数の衛星信号に基づいて、衛星航法受信機を位置付けるように動作可能であり、衛星航法受信機の速度に基づいて、それぞれ動作状態の複数の時間期間を設定するように動作可能である。処理装置と結合されているパワーマネージメントインターフェースは、その時間期間により、動作状態の間で衛星航法受信機を切り替えるように動作可能である。
【0006】
権利を主張される主題の実施形態の特徴および利点は、以下の詳細な説明が進むにつれ、および図面を参照すると、明らかになり、同様の数字は同様の部分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】本発明の一実施形態によるGPS装置を示すブロック図である。
【図1B】本発明の一実施形態による図1Aの処理装置の例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態によるGPS装置の動作モードの例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による継続位置決めモードでのGPS受信機の動作状態の例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による継続位置決めモードでのGPS受信機によって実行される動作プロセスを示す流れ図である。
【図5】本発明の一実施形態による間隔位置決めモードでのGPS受信機の動作状態の例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による所要位置決めモードでのGPS受信機の動作状態の例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態によるGPS受信機の動作状態の別の例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態による衛星航法装置によって実行される動作を示す流れ図である。
【図9】本発明の一実施形態によるGPS装置を示す別のブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態による図9の処理装置の例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態による図10の航法モジュールの例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態による衛星航法装置によって実行される動作を示す別の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明の実施形態を詳細に参照する。本発明は、これらの実施形態と併せて説明されるが、それらは、本発明をこれらの実施形態に限定することを意図するものでないことが理解されるであろう。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義されているように、本発明の趣旨および範囲内に含まれ得る代替形態、修正形態および均等形態をカバーすることを意図するものである。
【0009】
本明細書に説明されている実施形態は、1つまたは複数のコンピュータもしくは他の装置によって実行されるプログラムモジュールなどのコンピュータ使用可能な媒体のいくつかの形態上に存在するコンピュータ実行可能な命令の概括的な文脈において議論され得る。概括的には、プログラムモジュールは、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み、それらは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データ型を実装する。プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態において望ましいように、組合せまたは分配可能である。次に続く詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに関する動作の手順、論理ブロック、処理および他の記号的表象に関して示される。これらの説明および表象は、データ処理分野における当業者が使用して、自分達の研究の要旨を他の当業者に最も効果的に伝える手段である。本願においては、手順、論理ブロック、プロセスなどは、所望の結果につながるステップまたは命令の自己無撞着シーケンスであると考えられる。ステップは、物理量の物理的操作を必要とするものである。通常、必ずしもではないが、これらの量は、コンピュータシステム内で、記憶されること、転送されること、結合されること、比較されること、およびそうでなければ、操作されることのできる電気信号または磁気信号の形態をとる。
【0010】
しかし、すべてのこれらおよび類似の用語は、適切な物理量に関連付けられるべきであること、およびこれらの量に当てられる便宜上のラベルに過ぎないことに留意されたい。以下の議論から明らかになるように、特に別段述べない限り、本願全体を通じて、「位置付ける」「切り替える」「設定する」などの用語を用いる議論は、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理(電子)量として示されるデータを、コンピュータシステムのメモリもしくはレジスタ、または他のこのような情報記憶、送信もしくは表示装置内の物理量として同様に示される他のデータに操作し、変換するコンピュータシステムまたは類似の電子計算装置の動作およびプロセスを示すことが理解される。
【0011】
限定ではなく、例としては、コンピュータ使用可能な媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含むことが可能である。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術に実装される揮発性および非揮発性の、取外し可能および取外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能なプログラム可能ROM(EEPROM)、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光学式記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶装置、または所望の情報を記憶するために使用可能である任意の他の媒体を含むが、それらに限定されない。
【0012】
通信媒体は、コンピュータ読取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを、搬送波もしくは他の輸送機構などの変調データ信号において実施することが可能であり、任意の情報配信媒体を含む。用語「変調データ信号」は、情報を信号にエンコードするようなやり方で、設定または変換された1つまたは複数のその特性を有する信号を意味する。限定ではなく、例としては、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体と、音響、高周波数(RF)、赤外線などの無線媒体および他の無線媒体とを含む。上述の任意の組合せもまた、コンピュータ読取り可能な媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0013】
さらには、本発明の以下の詳細な説明では、多数の具体的な詳細が、本発明を完全に理解することを可能にするために示される。しかし、本発明は、これらの具体的な詳細がなく、実行可能であることを当業者によって理解されるであろう。他の例では、よく知られている方法、手順、コンポーネントおよび回路は、本発明の態様を不必要に曖昧にしないように、詳細に説明されていない。
【0014】
本開示による実施形態は、衛星信号に基づいて、その地理的な場所および速度を算出することが可能である衛星航法受信機を提供する。衛星航法受信機、例えば全地球測位システム(GPS)受信機は、処理装置およびパワーマネージメントインターフェースを含む。有利には、衛星航法受信機は、複数の動作状態で動作することが可能である。例えば、衛星航法受信機は、稼働状態とスリープ状態との間で切替え可能である。衛星航法受信機の電力消費は、衛星航法受信機がスリープ状態に切り替えられた場合、削減可能である。さらには、処理装置は、衛星航法受信機の速度により、稼働状態とスリープ状態との時間期間を調整するように動作可能な航法モジュールを含む。したがって、処理装置は、衛星航法受信機がより速く移動した場合、より頻繁に地理的な場所を更新する。このようなものとして、衛星航法受信機の位置決めの正確性は、改善可能である。本発明は、例示目的としてGPS受信機の文脈の下で説明される。しかし、本発明は、非常に限定されるものではなく、他のタイプの衛星航法受信機においても実装可能である。
【0015】
図1Aは、本発明の一実施形態によるGPS装置100のブロック図を示している。図1Aの例では、GPS装置100は、アンテナ107、GPS受信機116、および機能モジュール132を含む。アンテナ107は、複数のGPS衛星から送信されるGPS信号103を受信することができ、GPS信号103をGPS受信機116に供給することができる。
【0016】
一実施形態においては、GPS受信機116は、処理装置118およびクロック発生器120を含む。処理装置118は、GPS信号103を処理し、それに応じて、GPS装置100を位置付けるように動作可能である。処理装置118は、GPS信号103から得られた捕捉/追跡データを解析して、GPS装置100の地理座標および速度などの場所情報を割り出す。処理装置118と結合されているクロック発生器120は、リアルタイムクロック装置であることが可能であるが、それに限定されない。クロック発生器120は、基準クロック156を処理装置118に供給するように動作可能である。基準クロック156は、対応する衛星からGPS受信機116へのGPS信号103の進む時間を測定するために、処理装置118によって使用可能である。
【0017】
図1Bは、本発明の一実施形態による処理装置118の例を示している。図1Aと同じラベル付けをされた要素は、類似の機能を有する。図1Bは、図1Aと組み合わせて説明される。
【0018】
図1Bの例では、処理装置118は、低ノイズ増幅器(LNA)160、高周波(RF)フロントエンド162、複数のチャネル164およびプロセッサ166を含む。低ノイズ増幅器160は、GPS信号103をフィルタリングするため、および増幅するように動作可能である。RFフロントエンド162は、アナログGPS信号103をデジタルGPS衛星データ170に変換するように動作可能である。
【0019】
チャネル164は、GPS衛星データ170を受信することが可能であり、GPS衛星データ170を解析することによってGPS衛星を捕捉および追跡することが可能である。一実施形態においては、複数のチャネル164は、捕捉(ACQ)チャネルおよび追跡(TRK)チャネルを含む。チャネル164は、複数のチャネル群に分類可能である。それぞれのチャネル群は、捕捉チャネルおよび追跡チャネルを含むことが可能であり、対応するGPS衛星に対するデータを処理するように割当て可能である。より具体的には、捕捉チャネルは、GPS衛星データ170により、対応する衛星を捕捉することが可能である。例えば、捕捉チャネルを使用して、GPS衛星データ170を解析し、対応する衛星がGPS受信機116の視界内にあるかどうか(その受信機には見えるかどうか)を判断することが可能である。衛星が捕捉チャネルによって捕捉された場合、対応する追跡チャネルを使用して、衛星を追跡することが可能である。衛星が追跡された場合、追跡チャネルは、捕捉/追跡データをプロセッサ166に供給する。このようなものとして、異なったGPS衛星が、それぞれ捕捉チャネルおよび追跡チャネルの異なった群によって、捕捉および追跡可能である。
【0020】
プロセッサ166は、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、またはプログラム命令を読み取り、実行することが可能である任意の他のこのような装置であることが可能である。一実施形態においては、プロセッサ166は、機械読取り可能な媒体に記憶された機械実行可能な命令を実行すること、ならびに捕捉/追跡データの解析に基づいて、捕捉チャネルおよび追跡チャネルを構成することが可能である。
【0021】
一実施形態においては、プロセッサ166は、基準クロック156を用いて、捕捉/追跡データから、測距コード(例えばCoarse/Acquisitionコード)と、航法データとを抽出することが可能である。測距コードは、対応する衛星を識別する疑似ランダムノイズコード(PNまたはPRNコード)を含む。それぞれの衛星は、独自の疑似ランダムノイズコードを有する。追跡されるGPS衛星とGPS装置100との間の疑似距離は、測距コードから得ることが可能である。航法データは、GPSの日付および時刻、対応する衛星の位置を示すエフェメリスデータ、ならびにすべての衛星に関する情報および状況を示すアルマナックデータを含むことが可能である。追跡されるGPS衛星の地理座標は、航法データから得ることが可能である。このようなものとして、得られた疑似距離と、少なくとも4つのGPS衛星に関連付けられる地理座標とに基づいて、プロセッサ166は、GPS装置100の地理座標を算出することが可能である。
【0022】
一実施形態においては、プロセッサ166はさらに、算出結果により、GPS装置100の地理座標を示す座標信号105を生成することができる。処理装置118は、他のコンポーネントを有することが可能であり、図1Bの例に限定されない。
【0023】
図1Aを参照すると、機能モジュール132は、座標信号105を用いて、複数のGPS関連機能を実行することが可能である。一実施形態においては、GPS装置100は、液晶表示(LCD)スクリーンなどの表示部134をさらに含む。機能モジュール132と結合されている表示部134は、座標信号105に基づいて、GPS装置100の場所を表示するように動作可能である。例えば、機能モジュール132は、座標信号105により、表示部134上にGPS装置100の地理座標を示す表示機能を実行することが可能である。機能モジュール132はまた、座標信号105により、表示部134上に示されるマップ上のGPS装置100の位置にハイライトを当てるマップ機能を実行することが可能である。
【0024】
処理装置118は、システム電力108によって電力供給される。一実施形態においては、GPS装置100は、電力を外部電源102から受け取り、それに応じて、システム電力108をGPS受信機116に供給するように動作可能な電力供給装置106を含む。より具体的には、一実施形態においては、外部電源102は、直流(DC)電力を供給するための交流(AC)から直流(DC)へのアダプタであることが可能である。電力供給装置106は、低ドロップアウト線形電圧調整器(LDO)であることが可能であり、それは、DC電力を、処理装置118に電力供給するのに適切な電圧レベルを有するシステム電力108に変換することが可能である。
【0025】
クロック発生器120は、バッテリ電力110によって電力供給される。一実施形態においては、GPS装置100は、バッテリ電力110を供給するように動作可能なバッテリ109をさらに含む。別々に電力供給されるクロック発生器120および処理装置118は、別々に動作することが可能である。一実施形態においては、クロック発生器120は、GPS受信機116の動作状態、例えば、処理装置118へのシステム電力108が遮断されるGPS受信機116のスリープ状態の時間を測定するように、バッテリ電力110によって電力供給可能である。
【0026】
一実施形態においては、GPS受信機116は、処理装置118とクロック発生器120とに結合されているパワーマネージメントインターフェース122をさらに含む。パワーマネージメントインターフェース122は、GPS受信機116の電力およびチャネルを制御する複数のスイッチ信号を生成するように動作可能である。より具体的には、パワーマネージメントインターフェース122は、システム電力108を制御する電力スイッチ信号152を生成することが可能である。電力供給装置106は、電力スイッチ信号152を受信することが可能であり、それに応じて、システム電力108を制御することが可能である。さらには、パワーマネージメントインターフェース122は、バッテリ電力110を制御するバッテリスイッチ信号154を生成することが可能である。一実施形態においては、バッテリ109は、スイッチSWを介して、クロック発生器120と結合されている。したがって、バッテリ電力110はバッテリスイッチ信号154に基づいて、スイッチSWによって、オン/オフに切替え可能である。加えて、パワーマネージメントインターフェース122は、チャネル164を制御するチャネルスイッチ信号150を生成することが可能である。一実施形態においては、処理装置118は、1つまたは複数のシステムクロックをチャネル164に供給する。処理装置118は、チャネルスイッチ信号150により、対応するシステムクロックをオン/オフに切り替えることによって、チャネルをイネーブル/ディスエーブルすることが可能である。
【0027】
一実施形態においては、GPS装置100は、GPS受信機116と結合され、システムニーズまたはユーザ要求により、複数の制御信号、例えばソフトウェア制御コマンド124およびハードウェア制御信号(例えばFORCE_ON信号126およびPME信号128)を供給するように動作可能なコントローラ130をさらに含む。一実施形態においては、コントローラ130は、GPS受信機116内に組込み可能であり、図1Aの例に限定されない。
【0028】
一実施形態においては、制御信号、例えばソフトウェア制御コマンド124は、コントローラ130の機械読取り可能な媒体にインストールされた航法ソフトウェアアプリケーションによって作成される。航法ソフトウェアアプリケーションは、ユーザと相互作用するためのユーザインターフェース(UI)を含むことが可能であり、ユーザ要求またはシステムニーズにより、ソフトウェア制御コマンド124を作成するための機械実行可能な命令コードを含むことが可能である。一実施形態においては、パワーマネージメントインターフェース122は、ユニバーサルバス、例えばシリアルユニバーサル非同期受信機/送信機(UART)バスを介してコントローラ130と結合されている。ユニバーサルバスは、航法ソフトウェアアプリケーションによって作成されるソフトウェア制御コマンド124をGPS受信機116に転送することが可能である。
【0029】
一実施形態においては、制御信号、例えばソフトウェア制御コマンドまたはハードウェア制御信号はまた、ハードウェア動作に応答して、生成可能である。一実施形態においては、コントローラ130は、例えばGPS装置100上の1つまたは複数のボタンの状況を監視することが可能であり、その状況により、制御信号を生成することが可能である。例えば、GPS装置上などのFORCE_ONボタンが、例えばユーザによって押された場合、コントローラ130は、システム電力108をオン/オフに切り替えるアクティブ/非アクティブなFORCE_ON信号126を生成することが可能である。さらには、例えばGPS装置100上のシャットダウンボタンが押された場合、コントローラ130の航法ソフトウェアアプリケーションは、シャットダウン制御コマンドを作成することが可能である。
【0030】
さらには、一実施形態においては、コントローラ130は、表示部134の状況を監視することが可能であり、それに応じて、ハードウェア制御信号を生成することが可能である。例えば、表示部134が、例えばユーザによってオフにされた場合、コントローラ130は、非アクティブなパワーマネージメントイベント(PME)信号128を生成することが可能である。パワーマネージメントインターフェース122は、非アクティブなPME信号128により、処理装置118のチャネル164をディスエーブルすることが可能である。表示部134がオンにされた場合、コントローラ130は、アクティブなPME信号128を生成することが可能である。パワーマネージメントインターフェース122は、アクティブなPME信号128により、処理装置118のチャネル164をイネーブルすることが可能である。
【0031】
一実施形態においては、パワーマネージメントインターフェース122は、スイッチ信号、例えば電力スイッチ信号152、バッテリスイッチ信号154およびチャネルスイッチ信号150を生成することによって、複数の動作状態でGPS受信機116を切り替えることが可能である。動作状態は、1つまたは複数の稼働状態と、スリープ状態と、シャットダウン状態とを含むことが可能であるが、それらに限定されない。
【0032】
より具体的には、一実施形態においては、GPS受信機116は、処理装置118およびクロック発生器120の両方が電源オンされた場合、稼働状態に入る。したがって、GPS受信機116は、稼働状態で継続的に稼働する。GPS受信機116は、処理装置118が電源オフされ、クロック発生器120が電源オンされた場合、スリープ状態に入る。したがって、処理装置118は、それに応じて、稼働を停止する。クロック発生器120は、基準クロック156を継続して生成し、それはスリープ状態の時間周期を測定するために使用可能である。GPS受信機116は、処理装置118およびクロック発生器120の両方が電源オフされた場合、シャットダウン状態に入る。したがって、処理装置118およびクロック発生器120は、稼働を停止し、シャットダウン状態で電力を消費しない。
【0033】
一実施形態においては、GPS受信機116の稼働状態は、ブースト状態、標準状態、およびアイドル状態を含むが、それらに限定されない。ブースト状態、標準状態およびアイドル状態などの稼働状態では、処理装置118およびクロック発生器120は両方とも、電力スイッチ信号152およびバッテリスイッチ信号154に基づいて、電源オンされる。さらには、チャネル164は、チャネルスイッチ信号150により、制御可能である。例えば、処理装置118は、チャネルスイッチ信号150により、チャネル164に対する1つまたは複数のシステムクロックをイネーブルまたはディスエーブルする。
【0034】
ブースト状態では、捕捉チャネルおよび追跡チャネルを含むすべてのチャネル164は、イネーブルされる。標準状態では、所定の数のチャネル164がディスエーブルされ、他のチャネルは、イネーブルされたままの状態である。アイドル状態では、すべてのチャネル164は、ディスエーブルされる。処理装置118の他のコンポーネントも、動作し続けることが可能である。例えば、アイドル状態では、処理装置118は、チャネル164に対するすべてのシステムクロックをディスエーブルする。処理装置118が電源オンされても、すべてのチャネル164は、アイドル状態で稼働を停止する。処理装置118は、GPS衛星の追跡を停止するが、アイドル状態で、座標信号105を生成することが可能である。すべてのチャネル164がアイドル状態でディスエーブルされるので、GPS装置100の電力消費は削減可能である。
【0035】
異なった動作状態の間でGPS受信機116を切り替えるためには、パワーマネージメントインターフェース122は、制御信号、例えばソフトウェア制御コマンドおよびハードウェア制御信号をコントローラ130から受信することが可能であり、それに応じて、スイッチ信号、例えば電力スイッチ信号152、バッテリスイッチ信号154、およびチャネルスイッチ信号150を生成することが可能である。あるいは、パワーマネージメントインターフェース122は、システムニーズにより、異なった動作状態の間でGPS受信機116を自動的に切り替えることが可能である。例えば、パワーマネージメントインターフェース122は、チャネル164の状況を監視することが可能であり、その状況により、ブースト状態と、標準状態と、アイドル状態との間でGPS受信機116を自動的に切り替えることが可能であり、それは、図4に関して詳述される。パワーマネージメントインターフェース122はまた、基準クロック156を用いて、動作状態、例えばスリープ状態の時間を測定することが可能である。動作状態に対する所定の時間周期が経過した場合、パワーマネージメントインターフェース122は、GPS受信機116を別の状態、例えばブースト状態に自動的に切り替えることが可能である。この状況下では、パワーマネージメントインターフェース122は、コントローラ130によって制御されることなく、動作することが可能である。
【0036】
一実施形態においては、GPS装置100は、継続位置決めモード、間隔位置決めモード、および所要位置決めモードなどの複数の動作モードで動作することが可能である。コントローラ130は、GPS受信機116をイネーブルして、異なった動作状態、例えばブースト状態、標準状態、アイドル状態、およびスリープ状態で動作するために、異なった動作モードを選択することが可能であり、それは、図2〜図6に詳述される。
【0037】
有利には、GPS受信機116は、ユーザ要求またはシステムニーズにより、異なった動作状態で動作することが可能である。したがって、GPS装置100の効率性は改善可能である。さらには、GPS装置100の電力消費は、GPS受信機116がアイドル状態、スリープ状態、またはシャットダウン状態で動作すると、削減可能である。
【0038】
図2は、本発明の一実施形態によるGPS装置100の動作モードの例を示している。図2は、図1Aと組み合わせて説明される。GPS装置100の動作モードは、継続位置決めモード204、間隔位置決めモード210、および所要位置決めモード216を含むことが可能である。一実施形態においては、図2の流れ図は、機械読取り可能な媒体に記憶された機械実行可能な命令として実装可能である。
【0039】
継続位置決めモード204では、GPS受信機116は、スリープ状態に入ることなく、稼働状態(例えばブースト状態、標準状態、またはアイドル状態)で動作するように、イネーブルされる。したがって、処理装置118は、継続位置決めモード204で、継続して動作し、例えばGPS装置100の地理座標を継続して算出する。
【0040】
間隔位置決めモード210では、GPS受信機116は、交互に、第1の所定の時間周期T1の間は稼働状態で動作し、第2の所定の時間周期T2の間はスリープ状態で動作するように、イネーブルされる。例えば、コントローラ130の航法ソフトウェアアプリケーションは、ユーザに動作時間およびスリープ時間を設定するように指示することが可能である。GPS受信機116は、動作時間により、時間周期T1の間は稼働状態で動作することが可能であり、スリープ時間により、時間周期T2の間はスリープ状態でサスペンド可能である。
【0041】
所要位置決めモード216では、GPS受信機116は、所定の時間周期T3の間は稼働状態で動作し、パワーマネージメントインターフェース122がGPS受信機116をアクティブにする信号をコントローラ130から受信するまでは、スリープ状態で動作する。例えば、コントローラ130の航法ソフトウェアアプリケーションは、ユーザに動作時間を設定するように指示することが可能である。GPS受信機116は、動作時間により、時間周期T3の間は稼働状態で動作することが可能である。T3が経過した後は、GPS受信機116は、スリープ状態に入ることが可能である。パワーマネージメントインターフェース122は、スリープ状態でシステム電力108を遮断する非アクティブな電力スイッチ信号152を生成することが可能である。GPS受信機116が動作するように要求された場合、例えば、FORCE_ONボタンが押された場合、コントローラ130は、GPS受信機116をアクティブにする制御信号、例えばFORCE_ON信号を生成することが可能である。FORCE_ON信号を受信すると、パワーマネージメントインターフェース122は、それに応じて、システム電力108を回復するアクティブな電力スイッチ信号152を生成することが可能である。
【0042】
一実施形態においては、コントローラ130は、初期設定で継続位置決めモード204を選択する。例えば、GPS装置100が電源オンされるか、または急に再起動された場合、GPS装置100は、初期設定で継続位置決めモード204に入ることが可能である。別の例では、GPS装置100は、クロック発生器120のためのバッテリ109が新規バッテリと取り換えられた場合、継続位置決めモード204に自動的に切替え可能である。
【0043】
一実施形態においては、コントローラ130は、動作モードを、例えばユーザコマンドにより、選択することが可能である。例としては、GPS装置100が比較的速い移動状態にあり、かつ/もしくは未知の環境下にある場合、および/またはGPS信号が比較的弱いか、もしくは不安定である場合、コントローラ130は、GPS装置100を継続位置決めモード204に切り替えることが可能である。GPS装置100が、例えば比較的単純な周辺地形の中で、継続的にGPS信号を追跡する必要がない場合、GPS装置100は、間隔位置決めモード210または所要位置決めモード216で稼働するように、イネーブル可能である。
【0044】
このようなものとして、GPS装置100の動作モードは、コントローラ130からの制御信号により、切替え可能である。例えば、遷移206では、GPS装置100は、コントローラ130の航法ソフトウェアアプリケーションからのソフトウェア制御コマンド124により、継続位置決めモード204から間隔位置決め210に切替え可能である。同様に、遷移208では、GPS装置100は、コントローラ130からのソフトウェア制御コマンド124またはアクティブなFORCE_ON信号126により、継続位置決めモード204に戻って切替え可能である。遷移218、220、212および214などの他の遷移も、同様にしてイネーブル可能である。
【0045】
図3は、本発明の一実施形態による図2の継続位置決めモード204でのGPS受信機116の動作状態の例を示している。図3は、図1A、図1B、および図2と組み合わせて説明される。一実施形態においては、図3の流れ図は、機械読取り可能な媒体に記憶された機械実行可能な命令として実装可能である。
【0046】
継続位置決めモード204では、GPS受信機116は、スリープ状態に入ることなく、1つまたは複数の稼働状態で動作するように、イネーブルされる。GPS受信機116の稼働状態は、アイドル状態308、標準状態314、およびブースト状態302を含むことが可能である。図3の例では、パワーマネージメントインターフェース122は、コントローラ130からの制御信号により、アイドル状態308と、標準状態314と、ブースト状態302との間でGPS受信機116の動作状態を切り替えることが可能である。
【0047】
コントローラ130が継続位置決めモード204をイネーブルした場合、GPS受信機116は、初期設定でブースト状態302に入ることが可能である。加えて、表示部134がオンにされるか、またはコントローラ130がGPS受信機116をブースト状態302に切り替えるコマンドを(例えばユーザから)受け取った場合、コントローラ130は、遷移306または316をトリガする制御信号を生成することが可能である。例えば、コントローラ130は、アクティブなPME信号128を生成することが可能である。それに応じて、パワーマネージメントインターフェース122は、すべてのチャネル164をイネーブルするチャネルスイッチ信号150を生成することが可能である。例えば、GPS装置100は、12個の捕捉チャネルおよび14個の追跡チャネルを実行することが可能である。ブースト状態302では、12個の捕捉チャネルおよび14個の追跡チャネルのすべてが、イネーブルされる。したがって、GPS受信機116は、ブースト状態302に入る。
【0048】
コントローラ130が動作状態を標準状態314に切り替えるコマンドを(例えばユーザから)受け取った場合、コントローラ130は、状態遷移310または318をトリガする制御信号を生成することが可能である。例としては、少なくとも所定の数のGPS衛星、例えば4つ以上のGPS衛星がブースト状態302で追跡された場合、コントローラ130は、例えばユーザコマンドにより、遷移318をトリガする制御信号を生成することが可能である。パワーマネージメントインターフェース122は、チャネル164のうちのいくつかをイネーブルするチャネルスイッチ信号150を生成することが可能である。例えば、4つの追跡チャネルは、GPS衛星を追跡するようにイネーブルされ、他の追跡チャネルおよびすべての捕捉チャネルは、ディスエーブルされる。したがって、GPS受信機116は、標準状態314に入る。
【0049】
GPS装置100の表示部134がオフにされるか、またはコントローラ130がGPS受信機116をアイドル状態308に切り替えるコマンドを(例えばユーザから)受け取った場合、コントローラ130は、遷移304または312をトリガする制御信号、例えば非アクティブなPME信号128を生成することが可能である。非アクティブなPME信号128を受信すると、パワーマネージメントインターフェース122は、すべてのチャネルをディスエーブルするチャネルスイッチ信号150を生成することが可能である。したがって、GPS受信機116は、アイドル状態308に入る。
【0050】
図4は、本発明の一実施形態による継続位置決めモード204でのGPS受信機116によって実行される動作プロセスの流れ図400を示している。図4は、図1A、図1B、および図2と組み合わせて説明される。一実施形態においては、図4の流れ図400は、機械読取り可能な媒体に記憶された機械実行可能な命令として実装可能である。
【0051】
パワーマネージメントインターフェース122は、システムニーズにより、異なった動作状態の間でGPS受信機116を自動的に切り替えることが可能である。図4の例では、パワーマネージメントインターフェース122は、チャネル164を監視し、チャネル164の状況により、アイドル状態308と、標準状態314と、ブースト状態302との間でGPS受信機116を切り替える。
【0052】
ステップ402では、コントローラ130は、継続位置決めモード204を選択する。ステップ404では、GPS受信機116は、初期設定でブースト状態302に入る。
【0053】
ステップ406では、パワーマネージメントインターフェース122は、チャネル164を監視する。少なくとも所定の数のGPS衛星が追跡された場合、例えば、4つ以上のGPS衛星が追跡された場合、パワーマネージメントインターフェース122は、ステップ414で、GPS受信機116を標準状態314に自動的に切り替えることが可能である。標準状態314では、衛星を追跡する追跡チャネルは、動作中である。他のチャネル、例えば捕捉チャネルおよび他の非アクティブな追跡チャネルは、ステップ414で、ディスエーブル可能である。このようなものとして、GPS受信機116は、一実施形態においては、GPS信号を捕捉するのでなく、目に見えるGPS衛星を追跡し続ける。
【0054】
ステップ416では、GPS受信機116がGPS衛星を追跡することができなくなった場合、パワーマネージメントインターフェース122は、ステップ404で、GPS受信機116をブースト状態302に自動的に戻って切り替えることが可能である。そうでなければ、GPS受信機116は、標準状態314にとどまる。
【0055】
ステップ406では、所定の数より少ないGPS衛星が追跡された場合、GPS受信機116は、ステップ408で、所定の時間周期T4の間、GPS衛星からGPS信号を継続して捕捉することが可能である。少なくとも所定の数のGPS衛星が、ステップ408で、所定の時間周期T4の間、追跡された場合、流れ図400は、ステップ406に戻る。ステップ406に続くステップが説明されているが、本明細書においては、繰り返し説明しないことにする。少なくとも所定の数のGPS衛星が、T4の経過後もなお追跡不可能である場合、パワーマネージメントインターフェース122は、ステップ410で、GPS受信機116を標準状態314に自動的に切り替える。標準状態314では、所定の数のチャネルがイネーブルされ、他のチャネルはディスエーブルされる。例えば、1つの捕捉チャネルが、衛星を捕捉するようにイネーブルされ、他の捕捉チャネルはディスエーブルされる。加えて、衛星を追跡する追跡チャネルは、動作中である。他の非アクティブな追跡チャネルは、ステップ410で、ディスエーブル可能である。
【0056】
ステップ412では、パワーマネージメントインターフェース122は、チャネル164を監視する。新規衛星が追跡された場合、GPS受信機116は、ステップ404で、ブースト状態302に切替え可能である。そうでなければ、GPS受信機116は、新規衛星が追跡されるまでは、標準状態314にとどまる。継続位置決めモード204で動作するGPS受信機116は、他の状態および/または状態遷移を有することが可能であり、図3および図4の例に限定されない。
【0057】
図5は、本発明の一実施形態による図2の間隔位置決めモード210でのGPS受信機116の動作状態の例を示している。図3でと同じラベル付けをされた要素は、類似の機能を有する。図5は、図1Aおよび図3と組み合わせて説明される。一実施形態においては、図5の流れ図は、機械読取り可能な媒体に記憶された機械実行可能な命令として実装可能である。
【0058】
図5の例では、間隔位置決めモード210でのGPS受信機116は、1つまたは複数の稼働状態520と、スリープ状態526とで動作することが可能である。コントローラ130は、例えばユーザコマンドにより、間隔位置決めモード210を選択する。コントローラ130の航法ソフトウェアアプリケーションは、ユーザに、動作時間と、スリープ時間とを設定するように指示することが可能である。パワーマネージメントインターフェース122は、GPS受信機116をイネーブルして、交互に、動作時間により、第1の所定の時間周期T1の間は稼働状態520で動作させ、スリープ時間により、第2の所定の時間周期T2の間はスリープ状態526で動作させることが可能である。
【0059】
例としては、コントローラ130が間隔位置決めモード210を選択すると、まず、GPS受信機116は、初期設定で、稼働状態520に入ることが可能である。GPS受信機116は、図3または図4に関して説明した同様のやり方で動作する。クロック発生器120は、稼働状態520の稼働周期を計測するために使用可能である。例えば、GPS受信機116が、第1の所定の時間周期T1の間、稼働状態520で動作した後、動作時間が経過した場合、パワーマネージメントインターフェース122は、遷移522を通じて、GPS受信機116をスリープ状態526に自動的に切り替えることが可能である。あるいは、コントローラ130は、GPS受信機116を稼働状態520からスリープ状態526に切り替える制御信号を生成することが可能である。例えば、コントローラ130は、GPS装置100上のボタンが押された場合、非アクティブなFORCE_ON信号を生成することが可能である。したがって、パワーマネージメントインターフェース122は、システム電力108を遮断する非アクティブな電力スイッチ信号152を生成することが可能である。それに応じて、GPS受信機116は、遷移522を通じてスリープ状態526に切替え可能である。
【0060】
スリープ状態526では、バッテリスイッチ信号154は、アクティブである。そのため、クロック発生器120はまた、スリープ状態526のスリープ時間を計測するために使用可能である。例えば、GPS受信機116が、第2の所定の時間周期T2の間、スリープ状態526で動作した後、スリープ時間が経過した場合、パワーマネージメントインターフェース122は、遷移524を通じて、GPS受信機116を稼働状態520に自動的に切り替えることが可能である。
【0061】
図6は、本発明の一実施形態による図2の所要位置決めモード216でのGPS受信機116の動作状態の例を示している。図3および図5でと同じラベル付けをされた要素は、類似の機能を有する。図6は、図1Aおよび図5と組み合わせて説明される。一実施形態においては、図6の流れ図は、機械読取り可能な媒体に記憶された機械実行可能な命令として実装可能である。
【0062】
図6の例では、所要位置決めモード210でのGPS受信機116は、稼働状態520およびスリープ状態526で動作することが可能である。コントローラ130の航法ソフトウェアアプリケーションは、ユーザに動作時間を設定するように指示することが可能である。パワーマネージメントインターフェース122は、GPS受信機116をイネーブルして、動作時間により、所定の時間周期T3の間は稼働状態520で動作させ、GPS受信機116をアクティブにする制御信号をコントローラ130から受信するまでは、スリープ状態526で動作させることが可能である。
【0063】
図5に関して論じたことと同様に、GPS受信機116は、初期設定で、稼働状態520に入ることが可能であり、遷移522がトリガされた場合、スリープ状態526に切替え可能である。しかし、所要位置決めモード216では、GPS受信機116は、稼働状態520に自動的に切り替えられない。そうではなく、遷移624は、ユーザが対応するボタンを押した場合、パワーマネージメントインターフェース122が、GPS受信機116をアクティブにする制御信号、例えばアクティブなFORCE_ON信号を受信すると、トリガされる。
【0064】
図7は、本発明の一実施形態によるGPS受信機116の動作状態の別の例を示している。図7は、図1Aおよび図2〜図6と組み合わせて説明される。一実施形態においては、図7の流れ図は、機械読取り可能な媒体に記憶された機械実行可能な命令として実装可能である。
【0065】
一実施形態においては、GPS受信機116は、GPS受信機116が、どのモード/状態で動作するかどうかに関係なく、シャットダウン状態706に切替え可能である。例えば、ブロック708では、GPS受信機116は、稼働状態520またはスリープ状態526で動作する。遷移702では、コントローラ130の航法ソフトウェアアプリケーションは、例えば、GPS装置100上のシャットダウンボタンが押された場合、シャットダウン制御コマンドを作成することが可能である。したがって、パワーマネージメントインターフェース122は、システム電力108を遮断する非アクティブな電力スイッチ信号152を生成し、シャットダウン状態でバッテリ電力110を遮断する非アクティブなバッテリスイッチ信号154を生成する。遷移704では、コントローラ130は、システム電力108およびバッテリ電力110の回復に応じて、GPS受信機116を稼働状態520またはスリープ状態526に戻って切り替える。ブロック708では、パワーマネージメントインターフェース122は、図2〜図6に関して論じたように、ブースト状態302、標準状態314、アイドル状態308、およびスリープ状態526などの異なった動作状態の間で、GPS受信機116を切り替えることが可能である。
【0066】
図8は、本発明の一実施形態による衛星航法装置、例えば、GPS装置100によって実行される動作の流れ図800を示している。図8は、図1A〜図7と組み合わせて説明される。具体的なステップが図8に開示されているが、このようなステップは例である。すなわち、本発明は、様々な他のステップまたは図8に示されているステップの変形形態を実行するのによく適している。
【0067】
ブロック802では、衛星航法受信機、例えばGPS受信機116が、複数の衛星信号、例えばGPS信号103により、処理装置、例えば処理装置118によって位置付けられる。
【0068】
ブロック804では、基準クロック、例えば基準クロック156が、クロック発生器、例えばクロック発生器120によって、処理装置に供給される。
【0069】
ブロック806では、処理装置およびクロック発生器を含む衛星航法受信機は、複数の動作状態で切り替えられる。動作状態は、処理装置が電源オフされ、クロック発生器が電源オンされているスリープ状態を含む。一実施形態においては、処理装置は、衛星信号を生成する、複数の衛星を捕捉および追跡するように動作可能な複数のチャネル、例えばチャネル164を含む。衛星航法受信機は、処理装置が電源オンされると、すべてのチャネルがディスエーブルされるアイドル状態に切替え可能である。一実施形態においては、動作状態は、さらに、処理装置およびクロック発生器の両方が電源オンされている稼働状態を含む。衛星航法受信機は、交互に、所定の時間周期T1の間は稼働状態で動作し、所定の時間周期T2の間はスリープ状態で動作するようにイネーブルされる。あるいは、衛星航法受信機は、所定の時間周期T3の間は稼働状態で動作し、処理装置をアクティブにする信号を受信するまでは、スリープ状態で動作するようにイネーブルされる。
【0070】
図9は、本発明の一実施形態によるGPS装置900の別のブロック図を示している。図1Aでと同じラベル付けをされた要素は、類似の機能を有する。図9は、図1A〜図6と組み合わせて説明される。
【0071】
GPS装置900は、アンテナ107、GPS受信機916、機能モジュール132、表示部134、電力供給装置106、バッテリ109、およびコントローラ130を含む。図9の例では、GPS受信機916は、処理装置118、クロック発生器120、パワーマネージメントインターフェース122、通信インターフェース936、およびバス940を含む。GPS受信機916は、バス940を用いて、データおよび情報を転送する。バス940は、データバス、アドレスバス、および/または制御バスを含むことが可能であるが、それらに限定されない。一実施形態においては、処理装置118、クロック発生器120、パワーマネージメントインターフェース122、および通信インターフェース936は、バス940を介して、互いと結合されている。バス940は、GPS受信機916内の情報、例えばデータ、命令、アドレス情報、または制御コマンドを転送することができる。
【0072】
図1Aに関して論じたことと同様に、処理装置118は、GPS信号103を処理することが可能であり、それに応じて、GPS装置900を位置付けることが可能である。処理装置118は、GPS信号103から得られた捕捉/追跡データを解析して、GPS装置900の地理座標および速度などの場所情報を割り出す。クロック発生器120は、リアルタイムクロック装置またはウォッチドッグタイマであることが可能であるが、それらに限定されない。クロック発生器120は、基準クロック156を供給することが可能である。バス940は、基準クロック156を処理装置118に転送することが可能である。処理装置118は、基準クロック156を用いて、GPS信号103が、対応する衛星からGPS受信機916に進む時間を測定することが可能である。
【0073】
図10は、本発明の一実施形態による図9の処理装置118の別の例を示している。図1A、図1B、および図9でと同じラベル付けをされた要素は、類似の機能を有する。図10は、図1A、図1B、および図9と組み合わせて説明される。
【0074】
一実施形態においては、処理装置118は、プロセッサ1004および機械読取り可能な媒体1006を含む。機械読取り可能な媒体1006は、ランダムアクセスメモリ(RMA)、読取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能なプログラム可能ROM(EEPROM)、またはフラッシュメモリであることが可能であるが、それらに限定されない。機械読取り可能な媒体1006は、データおよび機械実行可能なプログラミング命令を記憶することが可能である。プロセッサ1004は、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、またはプログラミング命令を読取り、実行することが可能である任意の他のこのような装置であることが可能である。プロセッサ1004は、GPS受信機916を制御するための制御コマンドを作成する命令を実行することが可能であり、算術および論理演算を行う命令を実行することが可能である。
【0075】
一実施形態においては、処理装置118は、追跡モジュール1002および航法モジュール1080を含むことが可能である。図10の例では、航法モジュール1080は、機械読取り可能な媒体1006に記憶された機械実行可能なプログラミングモジュールであることが可能である。航法モジュール1080は、プロセッサ1004によって実行可能である。あるいは、航法モジュール1080は、特許請求の範囲および趣旨の中の別のタイプのモジュール、例えば、集積回路または組込みシステムなどのハードウェアモジュールであることが可能である。
【0076】
処理装置118内のコンポーネント、例えば追跡モジュール1002、プロセッサ1004、および機械読取り可能な媒体1006は、バス940を介して、互いと結合されている。したがって、処理装置118内のコンポーネントは、バス940を介して、互いに、およびGPS受信機916内の他のコンポーネントと通信することが可能である。
【0077】
追跡モジュール1002は、GPS信号103により、GPS衛星を捕捉および追跡することができる。一実施形態においては、追跡モジュール1002は、低ノイズ増幅器(LNA)160、高周波(RF)フロントエンド162、および複数のチャネル164を含む。低ノイズ増幅器160およびRFフロントエンド162は、図1Bに関して説明したものと類似の機能を実行することが可能である。
【0078】
チャネル164は、GPS衛星データ170を受信することが可能であり、GPS衛星データ170を解析することによって、GPS衛星を捕捉および追跡することが可能である。一実施形態においては、複数のチャネル164は、捕捉(ACQ)チャネルおよび追跡(TRK)チャネルを含む。チャネル164は、複数のチャネル群に分類可能である。それぞれのチャネル群は、捕捉チャネルおよび追跡チャネルを含むことが可能であり、対応するGPS衛星に対するデータを処理するように割当て可能である。より具体的には、捕捉チャネルは、GPS衛星データ170により、対応する衛星を捕捉することが可能である。例えば、捕捉チャネルを使用して、GPS衛星データ170を解析し、対応する衛星がGPS受信機916の視界内にあるかどうか(その受信機には見えるかどうか)を判断することが可能である。衛星が捕捉チャネルによって捕捉された場合、対応する追跡チャネルを使用して、衛星を追跡することが可能である。
【0079】
衛星は、航法情報を搬送波、例えば、公称周波数および公称位相を有する正弦波に変調してから、GPS信号103を送信する。搬送波の周波数および位相は、GPS信号103が衛星からGPS装置900に進むと、変化する場合がある。例えば、ドップラー周波数偏移により、搬送周波数は、対応する衛星に対するGPS装置900の速度が変化した場合、変動する。衛星を追跡するためには、追跡チャネルは、クロック信号、例えば周期的方形波信号を供給して、対応する搬送波から航法情報を抽出する。例えば、衛星は、クロック信号が搬送波と同じ周波数および位相を有する場合、追跡可能である。衛星が追跡された場合、追跡チャネルは、GPS衛星データ170から得られた航法情報により、捕捉/追跡データを供給する。このようなものとして、異なったGPS衛星は、それぞれ捕捉チャネルおよび追跡チャネルの異なった群によって、捕捉および追跡可能である。
【0080】
一実施形態においては、航法モジュール1080は、捕捉/追跡データに基づいて、GPS装置900の地理座標および速度を算出することが可能であり、それは、図11に関して詳述される。一実施形態においては、航法モジュール1080は、さらに、算出結果により、GPS装置900の地理座標を示す座標信号105を生成することが可能である。座標信号105は、機能モジュール132と結合されている通信インターフェース936に転送可能である。
【0081】
図9を参照すると、バス940と機能モジュール132との間で結合されている通信インターフェース936は、シリアルインターフェース、パラレルインターフェース、および/または他のタイプのインターフェースであることが可能であり、デジタルデータストリームを搬送する電気信号、電磁信号、または光信号を送受信することができる。例えば、処理装置118によって生成される座標信号105は、バス940および通信インターフェース936を介して、機能モジュール132に転送可能である。機能モジュール132は、座標信号105を用いて、図1Aに関して説明したように、複数のGPS関連機能を実行することが可能である。
【0082】
図1A〜図6に関して説明したように、GPS装置900は、継続位置決めモード204、間隔位置決めモード210、および所要位置決めモード216などの複数の動作モードで動作することが可能である。GPS受信機916は、パワーマネージメントインターフェース122によって生成された複数のスイッチ制御信号により、稼働状態およびスリープ状態などの複数の動作状態で動作することが可能である。スイッチ制御信号は、電力スイッチ信号152、バッテリスイッチ信号154、およびチャネルスイッチ信号150を含む。バス940は、それぞれシステム電力108、バッテリ電力110、およびチャネル164を制御するスイッチ制御信号を転送することが可能である。
【0083】
一実施形態においては、パワーマネージメントインターフェース122は、動作状態の所定の時間期間、例えば、稼働状態に対する動作時間と、スリープ状態に対するスリープ時間とにより、異なった動作状態の間で、GPS受信機916を自動的に切り替えることが可能である。例えば、間隔位置決めモード210では、パワーマネージメントインターフェース122は、GPS受信機916をイネーブルして、交互に、動作時間により、第1の所定の時間周期T1の間は稼働状態で動作させ、スリープ時間により、第2の所定の時間周期T2の間はスリープ状態で動作させることが可能である。
【0084】
一実施形態においては、コントローラ130の航法ソフトウェアアプリケーションは、例えばユーザコマンドにより、動作状態の時間期間の設定を示す時間データの組を供給することが可能である。例えば、間隔位置決めモード210では、航法ソフトウェアアプリケーションは、ユーザに動作時間およびスリープ時間を設定するように指示することが可能であり、クロック発生器120における動作時間およびスリープ時間の設定を構成することが可能である。このようなものとして、クロック発生器120は、動作時間およびスリープ時間により、稼働状態およびスリープ状態を計測することが可能である。特定の動作状態に対する時間期間、例えば稼働状態に対する動作時間またはスリープ状態に対するスリープ時間が経過すると、クロック発生器120は、制御コマンドを作成することが可能である。パワーマネージメントインターフェース122は、制御コマンドを受け取り、それに応じて、GPS受信機916を別の動作状態に切り替える。
【0085】
あるいは、処理装置118の航法モジュール1080は、GPS装置900の速度により、動作状態の時間期間を自動的に設定することが可能である。GPS装置900の位置は、GPS装置900の速度が加速された場合、より速く変化可能である。GPS装置900の速度が加速されると、処理装置118がより頻繁に座標信号105を更新する場合、GPS受信機916の位置決めの正確性は向上可能である。有利には、航法モジュール1080は、GPS装置900の速度により、稼働状態に対する動作時間およびスリープ状態に対するスリープ時間を自動的に調整することが可能であり、それは、図11に関して詳述される。このようにして、GPS受信機916の位置決めの正確性は、さらに改善可能である。
【0086】
図11は、本発明の一実施形態による図10の航法モジュール1080の例を示している。図10でと同じラベル付けをされた要素は、類似の機能を有する。図11は、図1Aおよび図10と組み合わせて説明される。
【0087】
航法モジュール1080は、GPS装置900の地理座標を算出することが可能である。一実施形態においては、航法モジュール1080は、捕捉/追跡データに基づいて、GPS装置900を位置付けるように動作可能な場所コンポーネント1101を含む。一実施形態においては、場所コンポーネント1101は、GPS装置900の地理座標を算出するようにプロセッサ1004によって実行される命令コードを含む。
【0088】
より具体的には、一実施形態においては、場所コンポーネント1101は、基準クロック156を用いて、捕捉/追跡データから測距コード(例えばCoarse/Acquisitionコード)および航法データを抽出することが可能である。測距コードは、対応する衛星を識別する疑似ランダムノイズコード(PNまたはPRNコード)を含む。それぞれの衛星は、独自の疑似ランダムノイズコードを有する。場所コンポーネント1101は、測距コードから、追跡されるGPS衛星とGPS装置900との間の疑似距離を得ることが可能である。航法データは、GPSの日付および時刻、対応する衛星の位置を示すエフェメリスデータ、ならびにすべての衛星に関する情報および状況を示すアルマナックデータを含むことが可能である。場所コンポーネント1101は、航法データから追跡されるGPS衛星の地理座標を得ることが可能である。このようなものとして、得られた疑似距離と、少なくとも4つのGPS衛星に関連付けられる地理座標とに基づいて、場所コンポーネント1101は、GPS装置900の地理座標を算出することが可能である。
【0089】
航法モジュール1080は、GPS装置900の速度V_DEVICEを算出することが可能である。一実施形態においては、航法モジュール1080は、場所コンポーネント1101と結合され、GPS装置900の速度V_DEVICEを算出するように動作可能な速度コンポーネント1104をさらに含む。一実施形態においては、速度コンポーネント1104は、プロセッサ1004によって実行される命令コードを含むことが可能である。
【0090】
一実施形態においては、速度コンポーネント1104は、例えば、場所コンポーネント1101によって算出されるGPS装置900の場所に基づいた速度V_DEVICEを算出することが可能である。より具体的には、場所コンポーネント1101は、一実施形態においては、一秒に1回などの、所定の時間間隔T_Pで、GPS装置900を位置決めすることが可能である。速度コンポーネント1104は、2つの位置、例えば出発位置および移動先位置の地理座標により、時間間隔T_Pの間のGPS装置900の移動距離Lを得ることが可能である。それに応じて、速度コンポーネント1104は、距離Lを時間間隔T_Pで割ることによって、GPS装置900の速度V_DEVICEを算出することが可能である。
【0091】
例としては、速度コンポーネント1104は、衛星信号のドップラー周波数偏移に基づいて、速度V_DEVICEを算出することが可能である。図10に関して論じたように、衛星は、航法情報を搬送波、例えば、公称周波数F_NOMINALおよび公称位相を有する正弦波に変調してから、GPS信号103を送信する。ドップラー周波数偏移により、GPS信号103の搬送周波数は、対応する衛星に対するGPS装置900の速度V_Rが変化した場合、変動する。例えば、周波数偏移は、相対速度V_Rにほぼ比例することが可能である。一実施形態においては、搬送波の新規周波数F_NEWは、対応する衛星が追跡された場合、追跡チャネルによって供給可能である。搬送波の公称周波数F_NOMINALおよび対応する衛星の速度V_SATELLITEは、捕捉/追跡データから得ることが可能である。このようなものとして、搬送波のF_NEWおよびF_NOMINALに基づいて、速度コンポーネント1104は、相対速度V_Rを算出することが可能である。さらには、V_RおよびV_SATELLITEに基づいて、速度コンポーネント1104は、GPS装置900の速度V_DEVICEを算出することが可能である。速度コンポーネント1104は、他のアルゴリズムにより、速度V_DEVICEを算出することが可能である。
【0092】
さらには、速度V_DEVICEの正確性を改善するためには、速度コンポーネント1104は、例えば、数学的および/または統計的アルゴリズムによって、算出される速度V_DEVICEに関してデジタル信号処理を実行することが可能である。例えば、速度コンポーネント1104は、平均化およびカルマンフィルタアルゴリズムを実行して、例えば、GPS装置900のノイズによって生じるエラーを抑えることが可能である。
【0093】
航法モジュール1080は、GPS装置900の速度V_DEVICEにより、動作状態の時間期間を設定することが可能である。一実施形態においては、航法モジュール1080はさらに、速度コンポーネント1104と結合され、速度V_DEVICEに基づいて、異なった動作状態の時間期間を設定するように動作可能な時間設定コンポーネント1106を含む。一実施形態においては、時間設定コンポーネント1106は、プロセッサ1004によって実行される命令コードを含むことが可能である。
【0094】
時間設定コンポーネント1106は、それぞれ異なった速度条件と関連付けられる複数の時間データの組を含むことが可能である。一実施形態においては、それぞれの時間データの組は、速度V_DEVICEの状態に関連付けられる動作時間の値と、スリープ時間の値とを有する。例えば、第1の速度条件(例えば、V_DEVICEが所定の速度閾値V_THより小さい)の場合、第1の時間データの組は、それぞれ動作時間およびスリープ時間に対応する値TW_1およびTS_1を有する。第2の速度条件(例えば、V_DEVICEがV_THより大きい)の場合、第2の時間データの組は、それぞれ動作時間およびスリープ時間に対応する値TW_2およびTS_2を有する。この状況下では、TW_1は、TW_2より小さいことがあり得、TS_1は、TW_2より大きいことがあり得る。他の異なった速度条件の下では、動作時間およびスリープ時間を含む他の時間データの組があり得る。
【0095】
一実施形態においては、時間データの組は、ユーザコマンドにより、コントローラ130の航法ソフトウェアアプリケーションによって、あらかじめ定められているか、またはプログラミング可能である。例えば、航法ソフトウェアアプリケーションは、ユーザに、異なった速度条件の下で、動作時間およびスリープ時間の異なった値を設定するように指示することが可能であり、時間データの組を航法モジュール1080に記憶することが可能である。別の実施形態においては、時間データの組は、初期設定値を有すること、例えば、GPS装置900の製造までに設定することが可能である。
【0096】
時間設定コンポーネント1106は、速度V_DEVICEに基づいて、それぞれ異なった動作状態の時間期間を設定するように動作可能である。より具体的には、時間設定コンポーネント1106は、速度V_DEVICEの条件を割り出し、対応する時間データの組を選択して、それに応じて、時間期間を設定する。一実施形態においては、時間設定コンポーネント1106は、1つまたは複数の速度閾値を規定し、速度V_DEVICEを速度閾値と比較して、速度V_DEVICEの条件を割り出す。
【0097】
例えば、速度閾値は、速度閾値V_THを含むことが可能である。例えば、V_DEVICEがV_THより小さい第1の条件では、値TW_1およびTS_1を有する第1の時間データの組は、動作時間およびスリープ時間を設定するように選択される。例えば、V_DEVICEがV_THより大きい第2の条件では、値TW_2およびTS_2を有する第2の時間データの組は、動作時間およびスリープ時間を設定するように選択される。この状況下では、TW_2は、TW_1より大きく、TS_2は、TS_1より小さい。さらに言えば、処理装置118は、GPS装置900がより速く移動する場合、より長く稼働し、より短くスリープして、座標信号105をより頻繁に更新することが可能であり、それにより、GPS受信機916の位置決めの正確性をさらに改善することが可能である。
【0098】
別の実施形態においては、時間設定コンポーネント1106は、所定の時間周期の間、GPS装置900の平均速度V_AVERAGEを算出することが可能であり、平均速度V_AVERAGEの条件により、対応する時間データの組を選択することが可能である。例えば、時間設定コンポーネント1106は、所定の時間間隔の間の所定の回数、例えば、5秒につき3回に対して、算出された速度V_DEVICEをサンプリングすることが可能である。したがって、平均速度V_AVERAGEは、所定の数のサンプリングされた速度値の平均値であることが可能である。別の例では、時間設定コンポーネント1106は、算出された速度V_DEVICEをサンプリングし、最新のサンプリングされた速度と前回のサンプリングされた速度との平均速度を算出する。瞬間速度V_DEVICEではなく、平均速度V_AVERAGEを用いることによって、例えば、速度V_DEVICEの比較的急激な変化によって生じる時間期間を設定するエラーが、回避または抑制可能である。例えば、時間設定コンポーネント1106は、速度V_DEVICEが、比較的短い時間周期で変化し、次いで、回復した場合、時間期間を再設定しないことになる。
【0099】
選択された時間データの組は、クロック発生器120内でプログラミングされて、動作状態の時間期間、例えば、稼働状態に対するT1と、スリープ状態に対するT2とを計測することが可能である。動作中、GPS受信機916は、一実施形態においては、まず、稼働状態に入ることが可能である。動作時間が経過した場合、例えば、GPS受信機916が第1の所定時間周期T1の間、稼働状態で動作した後は、パワーマネージメントインターフェース122は、GPS受信機916をスリープ状態に自動的に切り替えることが可能である。スリープ時間が経過した場合、例えば、GPS受信機916が第2の所定の時間周期T2の間、スリープ状態で動作した後は、パワーマネージメントインターフェース122は、GPS受信機916を稼働状態に自動的に切り替えることが可能である。
【0100】
有利には、GPS受信機916の電力消費は、GPS受信機916がスリープ状態で動作した場合、削減可能である。さらには、航法モジュール1080は、GPS装置900の速度により、異なった動作状態、例えば稼働状態およびスリープ状態の時間期間を調整することが可能である。例えば、処理装置118は、GPS装置900がより速く移動した場合、座標信号105をより頻繁に更新する。このようなものとして、GPS装置900の位置決めの正確性は、さらに改善可能である。
【0101】
図12は、本発明の一実施形態による衛星航法装置、例えばGPS装置900によって実行される動作の流れ図1200を示している。図12は、図1A〜図11と組み合わせて説明される。具体的なステップが図12に開示されているが、このようなステップは例である。すなわち、本発明は、様々な他のステップまたは図12に示されているステップの変形形態を実行するのによく適している。一実施形態においては、流れ図1200は、機械読取り可能な媒体に記憶された機械実行可能な命令として実装可能である。
【0102】
ブロック1202では、衛星航法受信機、例えばGPS受信機916は、複数の衛星信号、例えばGPS信号103により、処理装置、例えば処理装置118によって位置付けられる。
【0103】
ブロック1204では、処理装置は、それぞれ動作状態に対する複数の所定の時間期間により、複数の動作状態で切り替えられる。一実施形態においては、処理装置118は、処理装置118が電源オンされている稼働状態と、処理装置118が電源オフされているスリープ状態との間で交互に切り替えられる。
【0104】
ブロック1206では、衛星航法受信機の速度、例えば速度V_DEVICEが算出される。一実施形態においては、速度V_DEVICEは、衛星航法受信機の場所により算出される。あるいは、速度V_DEVICEは、衛星信号のドップラー周波数偏移により算出される。一実施形態においては、デジタル信号処理が、算出された速度に関して実行される。
【0105】
ブロック1208では、時間期間は、衛星航法受信機の速度により設定される。一実施形態においては、時間設定コンポーネント1106は、それぞれ複数の速度条件と関連付けられる複数の時間データの組を有する。時間設定コンポーネント1106は、速度の条件により、複数の時間データの組から対応する時間データの組を選択することが可能であり、選択された時間データの組により、動作状態の時間期間を設定することが可能である。一実施形態においては、時間設定コンポーネント1106は、1つまたは複数の速度閾値、例えば閾値V_THを規定し、速度を速度閾値と比較することによって、速度の条件を割り出す。
【0106】
前述の説明および図面は、本発明の実施形態を示しているが、様々な追加形態、修正形態および代替形態が、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の原理の趣旨および範囲から逸脱することなく、本発明においてなされることが理解されるであろう。当業者は、本発明が、本発明の原理から逸脱することなく、特定の環境および動作要件に特に適合される形態、構造、構成、比率、材料、要素およびコンポーネント、ならびにそうでなければ、本発明の実施に使用可能である多数の修正形態により使用可能であることを理解するであろう。そのため、現在開示されている実施形態は、すべての点で、例示的であり、制限的ではないとみなされるべきであり、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの法的な均等物によって示され、前述の説明に限定されるべきでない。
【符号の説明】
【0107】
100 GPS装置
102 外部電源
106 電力供給装置
107 アンテナ
109 バッテリ
116 GPS 受信機
118 処理装置
120 クロック発生器
122 パワーマネージメントインターフェース
130 コントローラ
132 機能モジュール
134 表示部
160 低ノイズ増幅器(LNA)
162 高周波(RF)フロントエンド
164 チャネル
166 プロセッサ
900 GPS装置
916 GPS受信機
936 通信インターフェース
940 バス
1002 追跡モジュール
1004 プロセッサ
1006 機械読取り可能な媒体
1080 航法モジュール
1101 場所コンポーネント
1104 速度コンポーネント
1106 時間設定コンポーネント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の動作状態で動作することができる衛星航法受信機であって、
複数の衛星信号に基づいて、前記衛星航法受信機を位置付けるように動作可能な、および前記衛星航法受信機の速度に基づいて、それぞれ前記動作状態の複数の時間期間を設定するように動作可能な処理装置と、
前記処理装置と結合され、前記時間期間により、前記動作状態の間で前記衛星航法受信機を切り替えるように動作可能なパワーマネージメントインターフェースと
を備える衛星航法受信機。
【請求項2】
前記動作状態は、前記処理装置が電源オンされている稼働状態と、前記処理装置が電源オフされているスリープ状態とを含む、請求項1に記載の衛星航法受信機。
【請求項3】
前記処理装置は、前記衛星航法受信機の前記場所により、前記速度を算出するように動作可能な速度コンポーネントを備える、請求項1に記載の衛星航法受信機。
【請求項4】
前記処理装置は、前記衛星信号のドップラー周波数偏移により、前記速度を算出するように動作可能な速度コンポーネントを備える、請求項1に記載の衛星航法受信機。
【請求項5】
前記処理装置は、前記速度を算出するように、および前記算出された速度に関してデジタル信号処理を実行するように動作可能な速度コンポーネントを備える、請求項1に記載の衛星航法受信機。
【請求項6】
前記速度は、所定の時間周期の間の前記衛星航法受信機の平均速度である、請求項1に記載の衛星航法受信機。
【請求項7】
前記処理装置は、それぞれ複数の速度条件と関連付けられる複数の時間データの組を記憶し、前記速度の条件により、対応する時間データの組を選択することができ、前記選択された時間データの組により、前記時間期間を設定することができる、請求項1に記載の衛星航法受信機。
【請求項8】
前記処理装置はさらに、速度閾値を規定し、前記速度を前記速度閾値と比較して、前記速度の前記条件を割り出す、請求項7に記載の衛星航法受信機。
【請求項9】
前記時間データの組は、前記衛星航法受信機に記憶された機械実行可能な航法ソフトウェアアプリケーションによって、あらかじめ定められている、請求項7に記載の衛星航法受信機。
【請求項10】
衛星航法受信機を制御するための方法であって、
処理装置による複数の衛星信号により、前記衛星航法受信機を位置付けるステップと、
それぞれ前記動作状態の複数の所定の時間期間により、複数の動作状態で前記衛星航法受信機を切り替えるステップと、
前記衛星航法受信機の速度に基づいて、前記時間期間を設定するステップと
を含む方法。
【請求項11】
前記切り替えるステップは、
前記処理装置が電源オンされている稼働状態と、前記処理装置が電源オフされているスリープ状態との間で、前記衛星航法受信機を交互に切り替えるステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記衛星航法受信機の前記位置付けるステップにより、前記速度を算出するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記衛星信号のドップラー周波数偏移により、前記速度を算出するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記速度を算出するステップと、
前記算出された速度に関してデジタル信号処理を実行するステップと
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記設定するステップは、
それぞれ複数の速度条件と関連付けられる複数の時間データの組にアクセスするステップと、
前記速度の条件により、前記複数の時間データの組から対応する時間データの組を選択するステップと、
前記選択された時間データの組により、前記時間期間を設定するステップと
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
速度閾値を規定するステップと、
前記速度を前記速度閾値と比較することによって、前記速度の前記条件を割り出すステップと
をさらに含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
複数の動作状態で動作することができる衛星航法受信機を備える衛星航法装置であって、
前記衛星航法受信機は、
複数の衛星信号により、複数の衛星の捕捉/追跡データを供給するように動作可能な追跡モジュールと、
前記追跡モジュールと結合され、前記捕捉/追跡データに基づいて、座標信号を供給するようにプロセッサによって実行可能な第1の複数の命令コードを記憶するように、および前記衛星航法装置の速度に基づいて、それぞれ前記動作状態の複数の時間期間を設定するように前記プロセッサによって実行可能な第2の複数の命令コードを記憶するように動作可能な機械読取り可能な媒体と、
前記衛星航法受信機と結合され、前記座標信号により、前記衛星航法装置の場所を表示するように動作可能な表示部と
を備える、衛星航法装置。
【請求項18】
前記機械読取り可能な媒体は、前記座標信号により、前記速度を算出するように前記プロセッサによって実行可能な第3の複数の命令コードを記憶する、請求項17に記載の衛星航法装置。
【請求項19】
前記機械読取り可能な媒体は、前記衛星信号のドップラー周波数偏移により、前記速度を算出するように前記プロセッサによって実行可能な第3の複数の命令コードを記憶する、請求項17に記載の衛星航法装置。
【請求項20】
前記機械読取り可能な媒体はさらに、それぞれ複数の速度条件と関連付けられる複数の所定の時間データの組を記憶し、前記第2の複数の命令コードは、前記速度の条件により、対応する時間データの組を選択するように、および前記選択された時間データの組により、前記時間期間を設定するように前記プロセッサによって実行可能である、請求項17に記載の衛星航法装置。
【請求項21】
前記機械読取り可能な媒体はさらに、速度閾値を記憶し、前記第2の複数の命令コードはさらに、前記速度を前記速度閾値と比較することによって、前記速度の前記条件を割り出すように前記プロセッサによって実行可能である、請求項20に記載の衛星航法装置。
【請求項22】
前記時間データの組は、前記衛星航法装置に記憶された機械実行可能な航法ソフトウェアアプリケーションによってあらかじめ定められている、請求項20に記載の衛星航法装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−101888(P2010−101888A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−241406(P2009−241406)
【出願日】平成21年10月20日(2009.10.20)
【出願人】(500521843)オーツー マイクロ, インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】