説明

表示入力装置及びこれを備えた画像形成装置

【課題】プログラムを呼び出し、設定を行い実行させたジョブの結果が、使用者が意図しない結果になることを、自動的、簡易に防ぐ。
【解決手段】表示入力装置は、設定項目の設定画面を表示する表示部と、設定項目の組み合わせであり、呼び出すことにより予め選択、登録された設定項目ごとに設定画面を順番に表示部に表示させるプログラムを記憶し、プログラムに設定画面を付加する付加表示を行うか否か、及び、どの設定画面を付加表示させるかを定めるための付加表示用データを記憶する記憶部と、登録されたプログラムの呼び出し入力を受け付ける入力部と、登録されたプログラムが呼び出されたとき、付加表示用データに基づき、付加する設定項目である付加設定項目を定め、付加設定項目の付加表示を表示部に行わせる処理部を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部と、タッチパネル等の入力部を有する表示入力装置、及び、これを備えた複写機、複合機、プリンタ、FAX装置等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、使用者は、所望する印刷物が得られるように、画像形成装置の表示入力装置(例えば、操作パネル)に対し各種の設定を行う。一方で、近年の画像形成装置は、多くの機能が搭載される。そのため、設定手順は複雑となりやすい。しかし、表示入力装置への設定入力は、使用者の使いやすさの観点から、簡易、円滑に行えることが望ましい。設定入力の簡易化のため、後処理装置の各項目の設定を容易にしようとする製本処理装置の一例が特許文献1に記載されている。
【0003】
具体的に、特許文献1には、印刷済のシートに対する後処理機能の各項目の設定値を設定可能な製本処理装置であって、各項目の設定値を入力するための操作画面を表示する表示手段、操作画面を使用して各項目の設定値を入力する入力手段、第1の項目の設定値の入力の際、第1の項目及び後続の項目の推奨設定値を表示するように指示するための指示手段、指示手段による指示に応じ操作画面で入力されている第1の項目及び後続の項目の推奨設定値の一覧を表示手段に表示する手段、推奨設定値の一覧が表示されている状態で選択された推奨設定値及びそれ以前に操作画面で入力されている項目の設定値とを有効にして印刷を開始させる手段、推奨設定値の一覧が表示されている状態で選択された推奨設定値を有効にして第1の項目の操作画面に戻して入力手段による入力を受け付ける手段、を有する製本処理装置が記載されている。この構成により、ユーザが設定値の入力を試行錯誤して行う手間や、同じ設定を繰り返し入力するなどの手間を省き、また設定値の入力ミスも防ごうとする。(特許文献1:請求項1、段落[0012]等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−130533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、よく用いる設定項目など、予め複数個の設定項目を選択し、その設定項目の組み合わせを1つのプログラムとして登録できるようにすれば、設定入力作業を簡易化することができる。例えば、プログラムを呼び出すと、予め選択された設定項目の設定画面が順番に表示される。これにより、数ある設定項目の中から所望の設定項目を選び出すという手間が省け、又、設定値の設定も一連のフロー内で自由に設定でき、柔軟な設定を行うことができる。
【0006】
プログラムを呼び出すことで円滑な設定入力を行えるが、使用者が画像形成装置を利用するうえで、所望する結果(例えば、コピーの印刷物)を得るには、プログラムに含まれる設定項目だけでは足りない場合がある。そのため、プログラムを利用したとき、使用者が意図しない(所望しない)結果となる設定内容のまま、ジョブが実行され得る。又、使用者は、操作に習熟しているとは限らず、足りない設定項目が何か、及び、その設定手順がわからない場合もある。これらの理由から、プログラムを利用した際、例えば、不要な印刷物が出力されるなど、使用者が意図しない結果となり得るという問題が生ずる。例えば、意図しない印刷物の出力は、時間、資源、エネルギーの無駄となる。
【0007】
ここで、特許文献1記載の製本処理装置は、推奨設定値を表示し、手間を省き、設定値の入力ミスを防ごうとする。しかし、画像形成装置(例えば、複合機)には、多種の機能が搭載されるので、使用者が全ての機能を把握している訳ではなく、表示された推奨設定値が、使用者の意図する結果に沿った設定値とは限らない。又、使用者が意図する結果を得るうえで、更に必要な設定項目までも推奨されない。そのため、特許文献1記載の製本処理装置のように、推奨設定値を表示し選択させるだけでは、使用者は、意図に沿わない印刷物が作成されるような設定のまま、印刷が実行され得る。従って、使用者が意図しない結果となり得るという問題を解消することはできない。
【0008】
本発明は上記の問題点に鑑み、プログラムを呼び出し、設定を行い実行させたジョブの結果が、使用者が意図しない結果になることを、自動的、簡易に防ぐことを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題解決のため請求項1に係る表示入力装置は、実行可能な複数種の機能を設定項目として表示し、前記設定項目の設定画面を表示する表示部と、予め複数の前記設定項目の中から選択され、登録された前記設定項目の組み合わせであり、呼び出すことにより予め選択、登録された前記設定項目ごとに前記設定画面を順番に前記表示部に表示させるプログラムを記憶するとともに、前記プログラムに前記設定項目の前記設定画面を付加して前記表示部に表示させる付加表示を行ううえで、どの前記設定項目の前記設定画面を前記付加表示させるかを定めるための付加表示用データを記憶する記憶部と、前記設定項目の選択及び前記設定画面に対する入力を受け付け、又、前記プログラムを作成し登録するとき、前記プログラムに含める前記設定項目を選択する入力を受け付け、登録された前記プログラムの呼び出し入力を受け付ける入力部と、登録された前記プログラムが呼び出されたとき、前記付加表示用データに基づき、付加表示する前記設定項目である付加設定項目を定め、前記付加設定項目の前記付加表示を前記表示部に行わせる処理部を有することとした。
【0010】
この構成によれば、表示部は、登録されたプログラムが呼び出されたとき、付加表示用データに基づき、付加設定項目の付加表示を行う。これにより、プログラムに含まれる設定項目に関連する設定項目の設定画面を自動的に付加することができる。言い換えると、使用者が意図するジョブの実行結果を得られるように、関連性が深く、必要かもしれない設定画面を、自動的に付加して表示させることができる。従って、使用者が設定手順を熟知していなくても、簡易に設定漏れを防ぐことができ、使用者の意図するジョブの実行結果が得られやすくなる。その結果、プログラムの設定が行いやすくなり、表示入力装置の使いやすさ、便利さを向上させることができる。又、使用者の意図する結果となるように設定がなされるので、時間、資源、エネルギーの無駄を無くすことができる。
【0011】
又、請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、前記記憶部は、前記設定項目に対応づけて前記付加設定項目を予め定めたデータを、前記付加表示用データとして記憶し、前記処理部は、前記付加表示用データに定められ、前記プログラムに含まれる前記設定項目に対応づけられた前記付加設定項目の前記付加表示を前記表示部に行わせることとした。
【0012】
この構成によれば、表示部は、付加表示用データに定められ、プログラムに含まれる設定項目に対応づけられた付加設定項目の付加表示を行う。これにより、プログラムに含まれる設定項目に対し、予め、関連性が深いとして対応づけられた設定項目の設定画面をプログラムに付加して自動的に表示させることができる。
【0013】
又、請求項3に係る発明は、請求項1又は2の発明において、前記記憶部は、各前記設定項目の併用頻度を得るためのデータを前記付加表示用データとして記憶し、前記処理部は、前記データを参照し、前記プログラムに含まれる前記設定項目について併用頻度が所定値を越える前記設定項目を前記付加設定項目と定め、定めた前記付加設定項目の前記付加表示を前記表示部に行わせることとした。
【0014】
この構成によれば、処理部は、データを参照し、プログラムに含まれる設定項目について、併用頻度が所定値を越える設定項目を付加設定項目と定め、定めた付加設定項目の付加表示を表示部に行わせる。これにより、プログラムに含まれる設定項目に関し、併用されやすい設定項目の設定画面をプログラムに付加して自動的に表示させることができる。
【0015】
又、請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の発明において、前記処理部は、呼び出された前記プログラムに前記付加設定項目と定めた前記設定項目が既に含まれているとき、前記表示部に、既に含まれる前記付加設定項目の前記付加表示を行わせないこととした。
【0016】
この構成によれば、表示部は、呼び出されたプログラムに付加設定項目と定めた設定項目が既に含まれているとき、既に含まれる付加設定項目の付加表示を行わない。これにより、呼び出したプログラムで、同じ設定画面が重複して表示されることを防ぐことができる。従って、同じ設定項目に対する設定の繰り返しを防ぐことができ、入力の煩わしさを無くすことができる。
【0017】
又、請求項5に係る発明は、請求項1乃至4の発明において、前記入力部は、前記表示部に前記付加表示を行わせるか否かの設定入力を受け付け、前記処理部は、前記付加表示を行う設定がなされていると、前記付加表示を前記表示部に行わせることとした。
【0018】
この構成によれば、表示部は、付加表示を行う設定がなされていると付加表示を行う。これにより、使用者が必要と認める場合のみ付加表示が行われる。従って、使用者の意図に沿った表示を行うことができ、使用者にとっての使い勝手の良さを向上させることができる。
【0019】
又、請求項6に係る発明は、請求項1乃至5の発明において、前記入力部は、前記プログラムで順に表示される設定画面のうち、どの順番の位置に前記付加設定項目の前記設定画面を表示するかを定める入力を受け付け、前記処理部は、入力された順番の位置に前記付加設定項目の前記付加表示を前記表示部に行わせることとした。
【0020】
この構成によれば、表示部は、入力された順番の位置に付加設定項目の設定画面を表示する。これにより、プログラムの設定画面の表示順において、使用者の好きな位置に付加表示された設定画面を表示させることができる。従って、使用者の意図に沿った表示を行うことができる。
【0021】
又、請求項7に係る画像形成装置は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示入力装置を含むこととした。
【0022】
この構成によれば、画像形成装置は、表示入力装置を含む。これにより、画像形成装置での設定は、使用者の意図するジョブの実行結果を得やすいものとなり、プログラムの設定が行いやすいものとなる。従って、設定入力がしやすく、便利さを向上させた画像形成装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0023】
上述したように、本発明によれば、プログラムを呼び出し、設定を行い実行させたジョブの結果が、使用者が意図しない結果になることを、自動的、簡易に防ぐ表示入力装置、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施形態に係る複合機の一例を示す正面模型的断面図である。
【図2】実施形態に係る操作パネルの一例を示す平面図である。
【図3】実施形態に係る複合機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】コピーに関する設定項目の選択画面の一例を示す説明図である。
【図5】送信に関する設定項目の選択画面の一例を示す説明図である。
【図6】コピーに関する設定画面の一例を示す説明図である。
【図7】作成されたワークフローの名称入力画面の一例を示す説明図である。
【図8】ワークフローを呼び出す際の表示形式を定めるため表示形式決定画面の一例を示す説明図である。
【図9】実施形態に係るワークフローを選ぶ際の呼出画面の一例を示す説明図である。
【図10】ワークフローのウィザード形式での流れの一例を示す説明図である。
【図11】ワークフローをメニュー形式で表示した際のメニュー画面の一例を示す説明図である。
【図12】実施形態に係る操作パネルでのワークフローにおける付加表示の一例を示す説明図である。
【図13】実施形態に係る操作パネルでの付加表示設定画面の一例を示す説明図である。
【図14】実施形態に係る付加表示用データの一例を示す説明図である。
【図15】実施形態に係る付加表示用データの一例を示す説明図である。
【図16】実施形態に係る操作パネルでのワークフローの表示制御の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図1〜図16を用い、本発明の実施形態を説明する。ここで、本発明は、各種表示入力装置に適用可能であるが、複合機100(画像形成装置に相当)に含まれる操作パネル1(表示入力装置に相当)を例に挙げ説明する。但し、本実施の形態に記載されている構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定せず、単なる説明例にすぎない。
【0026】
(画像形成装置の概略)
まず、図1を用い、本発明の実施形態に係る複合機100の概略を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る複合機100の一例を示す正面模型的断面図である。
【0027】
図1に示すように、複合機100の正面前方には、複合機100に関して各種設定を行うための操作パネル1が設けられる(詳細は後述)。又、図1に示すように、本実施形態の複合機100は、上部に、画像読取部2と原稿搬送装置3が設けられ、内部に、給紙部4a、搬送路4b、画像形成部5、中間転写部6a、定着部6b、排出搬送部7a、両面搬送路7b等を備える。
【0028】
原稿搬送装置3は、読み取る原稿を載置する原稿トレイ31を有する。そして、原稿搬送装置3は、原稿トレイ31から原稿を1枚ずつ、自動的に連続して読取位置(送り読取用コンタクトガラス21)に搬送する。又、原稿搬送装置3は、図1の紙面奥側を支点として画像読取部2に上下方向に開閉自在に取り付けられ、画像読取部2のコンタクトガラス(送り読取用コンタクトガラス21及び載置読取用コンタクトガラス22)を上方から押さえるカバーとして機能する。
【0029】
次に、画像読取部2は、図1に示すように、上面に送り読取用コンタクトガラス21と、書籍等の原稿を1枚ずつ読み取る際に原稿を載置する載置読取用コンタクトガラス22が配される。画像読取部2内には、ランプ、ミラー、レンズ、イメージセンサ等(不図示)が配される。イメージセンサは、送り読取用コンタクトガラス21を通過する原稿、あるいは、載置読取用コンタクトガラス22に載置された原稿の反射光を元に、原稿を読み取る。そして、イメージセンサは、反射光を画像濃度に応じたアナログの電気信号に変換し、その後、量子化を行い、原稿の画像データが得られる。尚、本実施形態の画像読取部2は、カラーでも読み取り可能であり、白黒でも読み取り可能である。
【0030】
複合機100本体内の複数の給紙部4aは、それぞれ、各サイズ(例えば、A4、B4等のA型、B型用紙等)、各種用紙(例えば、コピー用紙、再生紙、厚紙、OHPシート等)を複数枚収容する。各給紙部4aは、それぞれ回転駆動する給紙ローラ41を備え、印刷時、1枚ずつ搬送路4bに用紙を送り込む。
【0031】
搬送路4bは、給紙部4aから画像形成部5まで装置内で用紙を搬送する通路である。そして、搬送路4bには、用紙の案内のためのガイド板や、用紙搬送時に回転駆動する搬送ローラ対42(図2おいて、上方から42A、42B、42Cの計3つ)や、搬送される用紙を画像形成部5の手前で待機させ、形成されたトナー像の転写タイミングに合わせ用紙を送り出すレジストローラ対43等が設けられる。
【0032】
画像形成部5は、複数の画像形成ユニット50(ブラック用の50Bk、イエロー用の50Y、シアン用の50C、マゼンタ用の50M)と露光装置51を含む。露光装置51は、画像読取部2で読み取られた画像データや後述の記憶装置82に記憶される画像データ等に基づき、レーザ光を点消灯しつつ出力し、各感光体ドラムを走査露光する。画像形成ユニット50は、回転駆動可能に支持された感光体ドラムや、感光体ドラムの周囲に配設された帯電装置、現像装置、清掃装置等を備える。そして、各画像形成ユニット50と露光装置51によって、感光体ドラムの周面上にトナー像が形成される。
【0033】
中間転写部6aは、各画像形成ユニット50からトナー像の1次転写を受け、シートに2次転写を行う。中間転写部6aは、各1次転写ローラ61Bk〜61M、中間転写ベルト62、駆動ローラ63、複数の従動ローラ64(64A〜64C)、2次転写ローラ65、ベルト清掃装置66等で構成される。各1次転写ローラ61Bk〜61Mは対応する感光体ドラムと無端状の中間転写ベルト62を挟み込む。各1次転写ローラ61Bk〜61Mには、転写用電圧が印加され、トナー像は中間転写ベルト62に転写される。
【0034】
中間転写ベルト62は、駆動ローラ63等に張架され、モータ等の駆動機構(不図示)に接続される駆動ローラ63の回転駆動により周回する。又、駆動ローラ63は、2次転写ローラ65とで中間転写ベルト62を挟み込む。各画像形成ユニット50で形成されたトナー像(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色)は、順次、ずれなく重畳して中間転写ベルト62に1次転写された後、所定の電圧を印加された2次転写ローラ65により、シートに転写される。
【0035】
定着部6bは、用紙に転写されたトナー像を定着させる。定着部6bは、主として、発熱体を内蔵する加熱ローラ67とこれに圧接する加圧ローラ68で構成される。そして、用紙が、加熱ローラ67と加圧ローラ68のニップを通過すると、トナーが溶融・加熱され、トナー像が用紙に定着する。定着部6bから排出された用紙は、排出トレイ71方向に送られる。
【0036】
排出搬送部7aは、印刷済の用紙を排出トレイ71方向又は両面搬送路7b方向に用紙搬送方向を仕分ける。そして、排出搬送部7aは、正回転方向に回転駆動して排出トレイ71方向に送り出す、或いは、両面印刷のため逆回転しスイッチバックを行う排出ローラ対72を有する。又、排出搬送部7aは、用紙の搬送方向を切り替えるため、切替弁73を有する。切替弁73は回動する。切替弁73は、両面搬送路7bを閉じて用紙を排出トレイ71方向に導く位置を基本位置とし、両面印刷の際、回動してスイッチバックされた片面印刷済みの用紙を両面搬送路7bに導く。両面搬送路7bは、定着部6bの下流側とレジストローラ対43の上流側とを結ぶ。両面搬送路7bには、両面印刷のため、回転駆動する複数の両面搬送ローラ対74〜76が設けられ、片面印刷済の用紙が搬送される。
【0037】
(操作パネル1)
次に、図2を用いて、本発明の実施形態に係る操作パネル1の一例を説明する。図2は本発明の実施形態に係る操作パネル1の一例を示す平面図である。
【0038】
操作パネル1は、図1に示すように、複合機100の正面上方に設けられ、複合機1002の設定や動作指示を与えるためのメニューやキーや複合機100等の状態メッセージ等の各種画像、画面を表示する液晶表示部11(表示部に相当)を有する。使用者は、液晶表示部11に表示されたキーを押下して、複合機100のコピーにおける各種設定を入力できる。
【0039】
又、液晶表示部11の上面にタッチパネル部12(入力部に相当)が設けられ、タッチパネル部12は、使用者が液晶表示部11に押下した部分の位置、座標を検出するためのものである。このタッチパネル部12を用いた検出座標と、液晶表示部11に示される各種キーの位置、座標を比較し、使用者が押下して選択したキーが特定される。尚、タッチパネル部12としては、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、静電容量方式等、各方式のものを採用でき特に制限はない。
【0040】
又、操作パネル1には、以下のようなハードとしてのキー(ボタン)が設けられる。例えば、数字入力用のテンキー部13(入力部に相当)や、各種設定後、コピー等の処理開始指示用のスタートキー14(入力部に相当)等が設けられる。又、コピー機能を利用する際に押下されるコピーキー15(入力部に相当)、スキャナ機能、FAX機能を利用する際に押下される送信キー16(入力部に相当)等が設けられる。又、ワークフローの作成、登録やワークフローの呼び出しの際に押下されるワークフローキー17(入力部に相当)も設けられる(詳細は後述)。このように、操作パネル1には、タッチパネル部12や各種ハードキーが備えられ、複合機100の各機能について、各種設定、モード選択等を行う入力部として機能する。
【0041】
(複合機100等のハードウェア構成)
次に、図3を用いて、本発明の実施形態に係る複合機100等のハードウェア構成の一例を説明する。図3は、本発明の実施形態に係る複合機100等のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0042】
まず、複合機100の本体側から説明する。複合機100本体内には、本体制御部8が設けられる。本体制御部8は、例えば、操作パネル1、原稿搬送装置3、画像読取部2、給紙部4a、搬送路4b、画像形成部5、定着部6b、排出搬送部7a等と接続され、これらの制御を行う。
【0043】
本体制御部8は、例えば、CPU81等の素子を含む。CPU81は記憶装置82(記憶部に相当)に格納され、展開される制御プログラムに基づき演算等を行い、複合機100の各部を制御する。尚、本体制御部8は、全体制御や画像処理を行うメイン制御部や、画像形成や各種回転体を回転させるモータ等のON/OFF等を行い、印刷を制御するエンジン制御部等、機能ごとに分割して複数種設けられてもよい。本説明では、これらの制御部を本体制御部8としてまとめた形態を示し、説明する。
【0044】
記憶装置82は、本体制御部8と接続される。記憶装置82は、ROM、RAM、HDD等の不揮発性と揮発性の記憶装置82を組み合わせて構成される。記憶装置82は、複合機100の制御用プログラム、制御用データ、設定データ、画像データ等の各種データを記憶できる。又、特に、本発明に関し、記憶装置82は、作成したワークフロー(プログラムに相当)を記憶できる。尚、ワークフローとは、予め複数の設定項目の中から選択され、登録された設定項目の組み合わせであり、呼び出すことにより予め選択、登録された設定項目を設定するための画面を表示部に表示させるプログラムである。
【0045】
そして、本体制御部8は、各種コネクタ、ソケットやFAXモデム等を備えたインターフェイス部(以下、I/F部83)と接続される。I/F部83はネットワークや公衆回線等により複数の外部のコンピュータ200(例えば、パーソナルコンピュータ)や相手方FAX装置300(図7では、いずれも便宜上1つのみ図示)と接続される。例えば、画像読取部2で得られた画像データを記憶装置82に記憶させることや、外部のコンピュータ200や相手方FAX装置300に送信することができる(スキャナ機能、FAX機能)。又、外部のコンピュータ200や相手方FAX装置300から送信され、複合機100に入力される画像データに基づき印刷、FAX送信等を行うこともできる(プリンタ機能、FAX機能)。
【0046】
又、例えば、本体制御部8には、画像読取部2で原稿を読み取って得られた画像データやI/F部83を介して複合機100に入力された画像データに対し、画像処理を施す画像処理部84が設けられる。画像処理部84が処理した画像データは、例えば、露光装置51に送信され、感光体ドラムの走査・露光に用いられる。
【0047】
又、本体制御部8は、操作パネル1になされた入力を認識し、使用者の設定にあわせてコピー等が行われるように複合機100を制御する。本実施形態の操作パネル1は、表示制御部10(処理部に相当)、メモリ18(記憶部に相当)、ドライバ回路19、液晶表示部11、タッチパネル部12を有する。表示制御部10は、CPUやIC等で構成され、液晶表示部11の表示を制御し、タッチパネル部12の出力を受け、液晶表示部11で押下された座標を特定する。タッチパネル部12の出力と座標の対応を示すテーブル等のデータは、メモリ18に記憶される。表示制御部10は、押下位置の座標と、各設定画面9の画像データを比較する等により、設定画面9上で選択された(押下された)キーを特定、認識する。
【0048】
通常の操作において、複合機100の各機能の設定項目を選択し、設定値を設定するには、液晶表示部11における最上層の表示から、液晶表示部11に表示されるキーの選択を繰り返す。そして、キー選択ごとに、表示制御部10は、液晶表示部11の表示を切り換えさせ、最終的に、選択、設定しようとする機能の設定値が設定される。この機能の選択、設定が行われたことを表示制御部10は認識し、その内容を本体の本体制御部8に送信する。これにより、本体制御部8は、操作パネル1で選択、設定された機能を反映した動作を画像形成部5等の各部に行わせ、使用者の意思が、印刷等において反映される(例えば、濃度設定や拡大縮小など)。
【0049】
そして、液晶表示部11で表示される画面、画像の画像データは、例えば、操作パネル1内のメモリ18が記憶する。従って、表示制御部10は、設定項目の選択画面9Aや各設定画面9中のキーが押下されるごとに、表示制御部10は、次に表示すべき画面の画像データをメモリ18から読み出す。又、特に、本発明に関し、メモリ18は、作成したワークフロー(プログラムに相当)を記憶できる。
【0050】
又、液晶表示部11が表示する画面、画像の画像データは、例えば、本体側の記憶装置82に記憶させてもよい。この場合、操作パネル1は、液晶表示部11で表示を行うための画像データを、本体制御部8を介し記憶装置82から受信する。この画像データを受けて、表示制御部10は、液晶画面の表示を実際に制御するドライバ回路19に指示を与える。尚、操作パネル1には、表示制御部10、メモリ18を設けず、本体制御部8の構成(CPU81や記憶装置82)が、表示制御部10やメモリ18の機能を代用しても良い。
【0051】
(ワークフローの作成、登録)
次に、図4〜図8を用いて、本発明の実施形態に係る複合機100でのワークフローの作成、登録の概要を説明する。
【0052】
まず、本実施形態の複合機100では、多数にわたる設定可能な機能を有し、多様な設定項目がある。そして、液晶表示部11は、複数の設定項目のうちから設定を行う設定項目を選び出すための選択画面9Aを表示し、使用者は、印刷や送信で用いる設定項目(機能)を選ぶ(押下する)。例えば、液晶表示部11は、各設定項目をキーとして表示する。又、液晶表示部11は、選択された設定項目用の各設定画面9を表示する。使用者は各設定画面9に表示されるキーや、液晶表示部11の周辺に配されたハードキー等を押下して、多種多様な機能選択、設定を行える。尚、設定項目及びその設定画面9の種類はあまりに多数にわたるため、便宜上、例として後述する場合を除き図示を避け、設定できる機能(設定項目)を以下に列挙するに留める。
【0053】
例えば、複合機100をコピーとして利用する場合(コピーキー15の押下でコピーモードとなる)、複合機100には、例えば、原稿の画質(文字、写真、文字+写真等)、コピー濃度、用紙選択、倍率、エコプリント、とじしろ、センター移動、枠消し、両面/分割(片面→両面、両面→片面、見開き→両面等)、小冊子、表紙付け、原稿セット向き、原稿サイズ、ソート、仕分け、白黒反転、鏡像印刷、ページ付け、イメージ合成、集約(2in1、4in1等)、余白追加、連続読込一括印刷、試しコピー、再コピー、ステープル、パンチ、ポスター(拡大連射)、カラー設定(フルカラー、モノカラー、白黒等)等の設定項目が用意される。使用者は、液晶表示部11に表示される各設定項目の設定画面9への入力により、設定項目内の設定値を設定する。
【0054】
次に、複合機100をスキャナとして利用する場合(送信キー16の押下で複合機100をスキャナとして利用できる)、例えば、複合機100には、原稿サイズ、送信サイズ、解像度、原稿セット向き、保存ファイル形式、画質(濃度、カラーモード、圧縮率、写真や文字等の原稿の画質等)、分割、枠消し、ページ毎出力、連続読み込み、ファイル名入力、センター移動、送信先選択、送信先登録、パスワード、Eメール送信、相手方受信確認等の設定項目が用意される。使用者は、液晶表示部11に表示される各設定項目の設定画面9への入力により、設定項目内の設定値を設定する。
【0055】
次に、複合機100をFAXとして利用する場合(送信キー16の押下で複合機100をスキャナとして利用できる)、例えば、複合機100には、自局情報登録(FAX番号、ID等)、ダイレクト送信、メモリ送信、回転通信、一括送信、Fコード通信、用紙切れ時受信、短縮番号、原稿濃度、原稿サイズ、送信先選択、送信先登録、リダイヤル、両面送信、拡大・縮小送信、予約送信、割込送信、時刻指定通信、ポーリング通信、中継送信、受信画像データの転送、暗号通信、通信結果通知、用紙サイズ確認、集約(2in1等)、両面受信等の設定項目が容易される。使用者は、液晶表示部11に表示される各設定項目の設定画面9への入力により、設定項目内の設定値を設定する。
【0056】
ここで、例えば、ポスター作成のため、濃度設定やポスターの設定項目が組み合わされる場合や、用紙の消費を抑えるため、集約印刷と両面印刷が組み合わせて設定される場合や、画像読取部2で読み取って得られた画像データの送信方法と送信先など、使用者が複合機100を利用する上で、頻繁に組み合わせられる設定項目がある。ところが、複合機100の有する設定項目(機能)は多岐にわたり、複合機100を利用するたび、同様の設定を行うことは煩わしく、利便性が悪い。
【0057】
そこで、本実施形態の複合機100では、予め頻繁に用いる設定項目の組み合わせを予め選択、作成し、設定項目の組み合わせをワークフロー(プログラムに相当)として記憶させることができる(詳細は後述)。そして、使用者は、記憶装置82やメモリ18に記憶されたワークフロー(予め選択した設定項目や表示順や表示形式を示すデータを含むプログラム)を呼び出すと、予め選択した設定項目について設定するための画面が液晶表示部11に表示される。
【0058】
次に、操作パネル1でのワークフローの作成、登録の一例を具体的に説明する。例えば、ワークフローキー17が押下されると、表示制御部10は、ワークフローを呼び出すための呼出画面9D(図9参照)を液晶表示部11に表示させる。呼出画面9Dで、登録/編集キーK29が押下されると、表示制御部10は、ワークフローの新規登録が開始され、タッチパネル部12等を介して、ワークフローを作成、登録するための入力を受け付ける。操作パネル1の表示制御部10は、作成するワークフローに含める設定項目を選択する入力を受け付け、認識する。
【0059】
[設定項目の選択]
ここで、図4及び図5を用いて、ワークフローに含める設定項目の選択の一例を説明する。図4は、コピーに関する設定項目の選択画面9Aの一例を示す説明図である。図5は、送信に関する設定項目の選択画面9Aの一例を示す説明図である。
【0060】
まず、図4を用いて、コピーに関するワークフローを作成する場合の設定項目の選択を説明する。例えば、ワークフロー作成の際、コピーキー15が押下されると、表示制御部10は、図4に示すようなコピーの機能に関する設定項目の選択画面9Aを液晶表示部11に表示させる。液晶表示部11は、選択画面9A内に、原稿/用紙/仕上げタブTB1、画質タブTB2、レイアウト/編集タブTB3、応用/その他タブTB4といった複数のタブを表示する。尚、タブは、更に複数種設けられてもよい。
【0061】
例えば、画質タブTB2が押下されると、表示制御部10は、図4(a)に示すように、コピーにおける画質に関する設定項目を液晶表示部11に表示させる。設定項目は、キーとして配される。例えば、画質タブTB2を押下すると、印刷物の濃度を手動で調整するための濃度調整キーK1や、原稿の画質(文字のみ、写真のみ、写真+文字等)を設定するための画質選択キーK2や、画質は多少荒くなるもののトナーを節約して印刷するか否かを設定するためのエコプリントキーK3や、コピー(印刷)において用いる色(フルカラー、白黒、単色カラー、2色カラーなど)を設定するためのカラー設定キーK4等が配される。尚、他の設定項目のキーにも機能が割り振られるが、説明は割愛する。
【0062】
又、例えば、レイアウト/編集タブTB3が押下されると、表示制御部10は、図4(b)に示すように、コピーでのページや画像のレイアウトや編集に関する設定項目を液晶表示部11に表示させる。そして、この選択画面9Aでも、各設定項目はキーとして配される。例えば、レイアウト/編集タブTB3を押下すると、拡大や縮小等、画像の倍率を設定するための拡大/縮小キーK5や、両面印刷や、両面印刷済みの原稿や見開き印刷された原稿の各ページの分割印刷を設定するための両面/分割キーK6や、複数枚の原稿を1ページに収める複写に関し設定するための集約キーK7や、複合機100が利用できる最大サイズの用紙(例えば、A3サイズ)よりも原稿を拡大し、拡大後の画像を複数の用紙に分割してコピーするポスター印刷に関し設定するためのポスターキーK8等が配される(他の設定項目のキーにも機能が割り振られるが説明は割愛)。
【0063】
又、図示は省略するが、原稿/用紙/仕上げタブTB1が押下されると、表示制御部10は、原稿/用紙/仕上げに関する設定項目(原稿セット向きやステープル等)に対応するキーを液晶表示部11に表示させる。又、応用/その他タブTB4が押下されると、液晶表示部11は、コピーに関する応用的な設定項目(例えば、鏡像印刷や白黒反転印刷等)をキーとして表示する。
【0064】
次に、図5を用いて、送信に関するワークフローを作成する場合の設定項目の選択を説明する。図5に示すように、ワークフロー作成の際、送信キー16が押下されると、表示制御部10はFAXやスキャン等、原稿の読み取りにより得られた画像データの送信の機能に関する設定項目の選択画面9A(図5参照)を液晶表示部11に表示させる。
【0065】
例えば、図5に示すように、液晶表示部11は、送信用の選択画面9A内に、宛先タブTB5、原稿/送信形式タブTB6、カラー/画質タブTB7、応用/その他タブTB8といった複数のタブを表示する。尚、タブは、更に複数種設けられてもよい。
【0066】
例えば、送信に関しても各設定項目は、キーとして配される。図5に示すように、原稿/送信形式タブTB6が押下されると、読み取る原稿や画像データの送信形式に関する設定項目が表示される。そして、液晶表示部11は、読み取る原稿のサイズを設定するための原稿サイズキーK9や、送信する画像データのサイズを設定するための送信サイズキーK10等が配される(他の設定項目のキーにも設定内容が割り振られるが、説明は割愛)。
【0067】
これら選択画面9Aで設定項目の設定が行われると、表示制御部10は選択された設定項目内の設定値を設定するために用意された設定画面9を液晶表示部11に表示させる。そして、表示制御部10は設定画面9で使用者によって設定された設定値(押下された設定値を示すキー)をワークフローでのデフォルトの設定値として把握する。
【0068】
[設定値の設定]
ここで、図6を用いて、ワークフローに含める設定項目の設定値の設定の一例を説明する。図6は、コピーに関する設定画面9の一例を示す説明図である。
【0069】
例えば、図6は、濃度調整の設定項目の設定画面91(図6(a))と、ポスター(拡大連写)の設定項目の設定画面92(図6(b))と、カラー設定の設定項目の設定画面93(図6(c))を示している。このように、各設定項目に対し、設定画面9が用意される(他の設定項目については、図示を省略)。
【0070】
例えば、図6(a)は、例えば、濃度調整キーK1を押下した際に(濃度調整の設定項目を選択した際に)表示される設定画面91の一例である。濃度調整の設定画面91では、液晶表示部11は、読み取った原稿の画像データに基づき濃度を自動的に定めるための自動キーK11を表示する。又、液晶表示部11は、手動で印刷物の仕上がりの濃度を設定するための0の数字や、プラス、マイナスの符号と数字が付された濃度段階キーK12を表示する。尚、数字の大きな濃度段階キーK12を押すほど、印刷物の濃度は濃くなる。
【0071】
又、図6(b)は、例えば、ポスターキーK8を押下した際に(ポスター(拡大連写)の設定項目を選択した際に)表示される設定画面92の一例である。液晶表示部11は、ポスターの設定画面92では、仕上がりサイズ(複数ページを合体させたときのサイズ)を定めるためのA0キーK13(A0用紙に対応)、A1キーK14(A1用紙に対応)、A2キーK15(A2用紙に対応)を表示する。又、液晶表示部11は、拡大の倍率を定めるためのキー等も表示する。又、液晶表示部11は、拡大した画像を何枚に分けて印刷するかを定めるための2枚キーK16(2枚の用紙に分割)、4枚キーK17(4枚の用紙に分割)、8枚キーK18(8枚の用紙に分割)も表示する。
【0072】
又、図6(c)は、例えば、カラー設定キーK4を押下した際に(カラー設定の設定項目を選択した際に)表示される設定画面93の一例である。液晶表示部11は、カラー設定の設定画面9では、画像読取部で原稿を読み取って得られた画像データにおける配色に基づき、印刷に用いる色を自動で定める際に押下される自動キーK19、全色のトナーを用いて印刷する際に押下されるフルカラーキーK20、ブラックのトナーのみを用いて白黒印刷する際に押下される白黒キーK21を表示する。又、本実施形態の複合機100では、1色、又は、2色のトナーのみを用いて印刷でき、単色カラー又は2色カラーでの印刷を行う際に押下されるキーを複数表示する。
【0073】
表示制御部10は、例えば、各設定画面9で押下されたキーを白黒反転させて表示させる(以下、同様)。そして、表示制御部10は、各設定画面9(91〜93)に、例えば、OKキーK22とキャンセルキーK23を表示させる。OKキーK22が押下されたとき、設定されている(押下されている)設定値が、ワークフローでのデフォルトの設定値とされる(例えば、図6(a)では、最大濃度での印刷がデフォルトの設定値)。
【0074】
このように、使用者は、ワークフローに含めようとする設定項目の選択とデフォルトの設定値の設定を適宜行う。そして、表示制御部10はワークフローに含める設定項目の選択を終了する旨の入力が行われたかを確認する。例えば、ワークフローに含める設定項目の選択を終了する旨の入力は、複数種とできる。例えば、スタートキー14の押下やワークフローキー17の押下等、任意に定めることができる。又、OKキーK22が押下されるごとに、設定項目の選択を終了してよいかを使用者に確認する確認の画面を表示させても良い。
【0075】
もし、ワークフローに含める設定項目の選択が終了すれば、表示制御部10は、図7に示すようなワークフローの名称入力画面9Bを表示させる。図7は、作成されたワークフローの名称入力画面9Bの一例を示す説明図である。
【0076】
例えば、使用者は、名称入力画面9B内のソフトキーボードを入力し、かな、漢字、アルファベット等でワークフローの名称を付ける入力を行う。表示制御部10は、使用者によるソフトキーボードへの入力に従って、名称表示欄9B1の表示を変化させる。そして、例えば、表示制御部10は、次キーK24が押下されたときの名称表示欄9B1に示された内容を作成中のワークフローに付ける名称と把握する。
【0077】
更に、表示制御部10は、作成したワークフローが呼び出されたときの表示形式を定めるための表示形式決定画面9Cを表示し、使用者は、ワークフローの表示形式を選択する。例えば、表示制御部10は、図8に示すような表示形式決定画面9Cを表示させる。図8は、ワークフローを呼び出す際の表示形式を定めるため表示形式決定画面9Cの一例を示す説明図である。
【0078】
例えば、使用者は、表示形式決定画面9Cで、メニュー形式キーK25(メニュー形式)、ショートカット方式キーK26(一覧表示形式)、ウィザード方式キーK27(ウィザード形式)の何れかのキーを押下する。表示制御部10は、次キーK28が押下されたときに選ばれたキーに対応する表示形式を作成中のワークフローの表示形式と把握する。
【0079】
そして、次キーK28が押下されると、記憶装置82又はメモリ18は、作成されたワークフローを記憶する。例えば、表示制御部10や本体制御部8は、ワークフローの名称、表示形式、含まれる設定項目、設定項目の表示順(ワークフロー作成時の設定項目の選択順と一致)、設定項目内のデフォルトの設定値を、記憶装置82やメモリ18に記憶させる。この後、操作パネル1は、ワークフロー登録モードから通常の入力モードに復帰する。
【0080】
(ワークフローの呼出、利用)
次に、図9〜図11を用いて、本発明の実施形態に係るワークフローの概要とワークフローの呼出、利用の一例を説明する。図9は、本発明の実施形態に係るワークフローを選ぶ際の呼出画面9Dの一例を示す説明図である。図10は、ワークフローをウィザード形式で表示した際の流れの一例を示す説明図である。図11は、ワークフローをメニュー形式で表示した際のメニュー画面9Eの一例を示す説明図である。
【0081】
例えば、使用者は、予め登録されたワークフローを呼び出す場合、ワークフローキー17(図2参照)を押下する。そうすると、図9に示すように、予め登録されたワークフローのうち、用いる(呼び出す)ワークフローを選択するための呼出画面9Dが液晶表示部11に表示される。例えば、図9では、「きれいにコピー」、「ポスター印刷」、「かんたんFAX」、「かんたんメール」、「ポスター印刷」、「自分のフォルダへ保存」と名付けられたワークフローが表示される例を示している。そして、各ワークフローを示す画像を押下すると、押下されたワークフローが記憶装置82やメモリ18から呼び出され、液晶表示部11にワークフローによる設定のための画面が表示される。
【0082】
尚、呼出画面9Dの下方には、新たにワークフローを作成する場合や既に登録されたワークフローの編集を行う際に押下される登録/編集キーK29が配される。又、ワークフローの呼び出しを止めるためのキャンセルキーK30も配される。又、図9で示すように1画面中に表示できるワークフローには限りがある。そこで、次キーK31を押下すると、次ページの呼出画面9Dに切り替わり、図9とは異なるワークフローを示す画像が表示される。又、前キーK32を押下すると、前ページの呼出画面9Dに切り替えられる。
【0083】
次に、ワークフローを呼び出した際の表示、設定を説明する。尚、ワークフローを呼び出した際、設定のための画面の表示形式としては、ウィザード形式、メニュー形式、一覧表示形式が用意される。いずれの表示形式で表示するかは、上述したように、ワークフローの登録時に設定することができる。そこで、表示形式ごとにワークフローの呼び出した際の概要を説明する。
【0084】
[ウィザード形式]
まず、図10を用いて、ワークフローでのウィザード形式を説明する。例えば、図10は、図9における「ポスター印刷」のワークフローを呼び出した際のウィザード形式でのワークフローの一例を示している。尚、図10では、後述の付加表示を行わない設定がなされている場合の例を説明する。
【0085】
「ポスター印刷」のワークフローは、「濃度調整」(画質タブTB2に含まれていた設定項目、図4(a)参照)と「ポスター」(レイアウト/編集タブTB3に含まれていた設定項目、図4(b)参照)の設定項目が含まれるように作成、登録されている。又、ワークフローは、「濃度調整」の設定画面91→「ポスター」の設定画面92の順に、各設定項目の設定画面9を表示するように作成、登録されている。尚、図10での白抜矢印は、表示順を示す。尚、ワークフロー呼出時の各設定画面9は、ワークフロー登録時や、通常の設定時と同様である。
【0086】
各設定画面9では、前キーK33と次キーK34がそれぞれ配される。前キーK33が押下されると、液晶表示部11は、1つ前の設定項目の設定画面9を表示する。又、次キーK34が押下されると、液晶表示部11は1つ先の設定項目の設定画面9を表示する。使用者は、各設定画面9内に配された設定用のキーを押下することで、各設定項目での設定値を設定することができる。
【0087】
尚、ワークフローの作成、登録時に、設定項目についてデフォルトの設定値が定められていれば、デフォルト値は、ワークフローの一部として記憶装置82に記憶される。例えば、ポスターでは仕上がりサイズ「A2」をデフォルト値とするようにワークフローが作成されたとき、初めて「ポスター」の設定画面92が表示されると、図10に示すように、A2キーK15は、既に選択されている状態で液晶表示部11に表示される。
【0088】
そして、ワークフローとして予め登録された設定項目の設定が全て完了すると(例えば、ポスターの設定画面92で次キーK34を押下すると)、設定確認一覧94が表示される。この設定確認一覧94には、ワークフローに含まれる各設定項目と、各設定項目の設定値が表示される。又、設定確認一覧94では実行開始キーK35が表示される。そして、実行開始キーK35が押下されると、表示制御部10は、設定内容を本体制御部8に送信する。本体制御部8は、設定確認一覧94に示される内容を把握し、把握した内容で複合機100を制御し、ジョブが実行される。
【0089】
[メニュー形式]
次に、図11を用いて、ワークフローでのメニュー形式を説明する。例えば、図11は、図9における「ポスター印刷」のワークフローを呼び出した際のメニュー形式でのメニュー画面9Eの一例を示している。
【0090】
図11に示すように、メニュー形式では、例えば、「ポスター印刷」のワークフローを呼び出すと「濃度調整」のメニュー画像i1、「ポスター」のメニュー画像i2、が表示される。従って、選択されるワークフローによって、メニュー画面9Eに表示されるメニュー画像が異なる。そして、それぞれのメニュー画像には、デフォルトの設定値も表示される。このように、メニュー形式では、ワークフローに含まれる設定項目がメニューとして表示される。
【0091】
使用者は、設定値を変更したい設定項目のメニュー画像を押下する。これにより、液晶表示部11の表示は、例えば、図10に示したような、設定項目ごとの設定画面9に切り替わる。そして、設定画面9での設定が完了すると、液晶表示部11の表示は、図11に示すメニュー画面9Eに再び切り替わる。
【0092】
又、メニュー画面9Eには、OKキーK33とキャンセルキーK37が配される。OKキーK33が押下されると、図10に示した設定確認一覧94が液晶表示部11に表示される。設定確認一覧94の詳細は、図10を用いて説明した場合と同様でよく、説明を省略する。一方、キャンセルキーK37が押下されると、ワークフローを用いた設定がキャンセルされる。
【0093】
[一覧表示形式]
次に、図10を用いて、ワークフローでの一覧表示形式を説明する。この一覧表示形式では、図9の呼出画面9Dで使用するワークフローを選択すると、いきなり、図10に示した設定確認一覧94が液晶表示部11に表示される。設定確認一覧94の詳細は、図10を用いてウィザード形式で説明した場合と同様でよいので、説明を省略する。
【0094】
このように、表示入力装置(操作パネル1)の表示部(液晶表示部11)は、プログラムが呼び出された際、プログラムに含められた各設定項目を対話型で順次表示するウィザード形式、プログラムに含められた各設定項目を並列させて一覧表示する一覧表示形式、又は、プログラムに含められた各設定項目を示す画像を(一画面に)表示するメニュー形式表示の何れかの表示形式で表示する。
【0095】
(付加表示)
次に、図12を用いて、本発明の実施形態に係る操作パネル1でのワークフローにおける付加表示の一例を説明する。図12は、本発明の実施形態に係る操作パネル1でのワークフローにおける付加表示の一例を示す説明図である。
【0096】
まず、本実施形態の操作パネル1では、呼び出されたプログラムに含まれる設定項目と関連性の深い設定項目が、プログラムに含まれていないとき、自動的に関連性の深い設定項目の設定画面9を付加して表示する付加表示を行わせることができる。これにより、ジョブの実行結果が、使用者の意図しないものとなることを防ぐ。
【0097】
そこで、付加表示の必要性を述べる。上述したように、使用者は、プログラムとしてのワークフローを作成し、登録できる。しかし、使用者は、ワークフローに含めた設定項目と関連性の深い設定項目をワークフローに含めないでワークフローを登録してしまう場合がある。
【0098】
関連性が深ければ、使用者が所望するジョブの実行結果を得るうえで、ワークフローに含まれる設定項目と共に設定すべき設定項目となる場合が多い。例えば、ポスターの機能(設定項目)は、原稿を拡大して印刷し、大型の印刷物を得る場合に用いられる。ポスターの機能を用いての印刷は、例えば、印刷物を広告的に展示する場合や、細かな画像が記された原稿を全体的に拡大する場合に行われる。そうすると、「ポスター」の設定項目は印刷物における画像の画質と関わりが深く、例えば、「濃度調整」の設定項目や、「カラー設定」の設定項目と関連性が深いといえる。
【0099】
しかし、例えば、上記の「ポスター印刷」のワークフローには、「カラー設定」の設定項目は含まれない。そのため、上記の「ポスター印刷」のワークフローを実行し、コピージョブが行われると、カラー設定に関しては設定していないので、使用者にとって意図しない結果(印刷物)となり得る。このような印刷物は無駄となる。又、使用者は設定をやり直しすることになり、煩雑である。
【0100】
次に、図12を用いて、具体的に、ワークフローに対する設定画面9の付加表示の一例を説明する。図12は、上述の「ポスター印刷」のワークフローを呼び出し、付加表示が行われたときの設定画面9の遷移を示す。尚、ウィザード形式で、ワークフローにおける最後で付加された設定画面9が表示される例を説明する。言い換えると、ウィザード形式で設定確認一覧94の1つ前の位置に付加された設定画面93を表示する例を説明する。
【0101】
図10を用いて説明したように、「ポスター印刷」のワークフローが読み出されると、次キーK34が押されるごとに、液晶表示部11は、濃度調整の設定項目の設定画面91に続き、ポスターの設定項目の設定画面92を表示する。
【0102】
そして、「ポスター印刷」のワークフローでは、濃度調整とポスターの設定項目しか含まれないので、ポスターの設定項目の設定画面92で次キーK34が押されると、液晶表示部11は、設定確認一覧94を表示するはずである。
【0103】
しかし、付加表示をする設定が行われると、ポスターの設定項目に関連性の深いカラー設定の設定項目の設定画面93がワークフローに自動的に付加される。ここで、説明において、ワークフローで設定画面9が付加表示される設定項目を「付加設定項目」と称する。例えば、液晶表示部11は、ポスターの設定項目の設定画面92と設定確認一覧94の間に、付加表示されるカラー設定の設定画面93を表示する。これにより、使用者は、所望するジョブの実行結果が得られるような設定を的確に行える。従って、ジョブの実行結果が、使用者にとって意図しないものとなることを減らすことができる。
【0104】
(付加表示に関する設定)
次に、図13〜図15に基づき、本発明の実施形態に係る操作パネル1での付加表示に関する設定の一例を説明する。図13は、本発明の実施形態に係る操作パネル1での付加表示設定画面95の一例を示す説明図である。図14、図15は、本発明の実施形態に係る付加表示用データDの一例を示す説明図である。
【0105】
まず、図13を用いて、付加表示に関する設定を説明する。図13に示すように、使用者は、付加表示設定画面95で付加表示に関する設定を行える。尚、表示制御部10は所定の操作がタッチパネル部12等に行われると、付加表示設定画面95を液晶表示部11に表示させる。
【0106】
表示制御部10は、この付加表示設定画面95に、有りキーK38と無しキーK39を液晶表示部11に表示させる。使用者は、付加表示を行う場合、有りキーK38を押下する。一方、付加表示を行わない場合は、無しキーK39を押下する。これにより、使用者は、付加表示を行うか否かを設定することができる。
【0107】
又、表示制御部10は、この付加表示設定画面95に、付加表示する設定画面9の位置を定めるため、先頭キーK40と、最後尾キーK41と、関連機能後段キーK42を液晶表示部11に表示させる。ワークフローでは、設定項目の設定画面9の表示順は定まっている。そこで、先頭キーK40と、最後尾キーK41と、関連機能後段キーK42を用いて、付加表示させる設定画面9の位置(順番)を定める。
【0108】
使用者は、付加表示させる設定画面9をワークフローの表示順において、先頭の位置で表示させる場合、先頭キーK40を押下する。これにより、付加表示させる設定画面9は、ワークフロー呼出直後に表示される。又、使用者は、付加表示させる設定画面9をワークフローの表示順において、最後尾の位置で表示させる場合、最後尾キーK41を押下する。これにより、付加表示させる設定画面9は、設定確認一覧94の直前に表示される。又、使用者は、付加表示させる設定画面9をワークフローの表示順において、付加表示させる設定項目と関連の深い設定項目の後段の位置で表示させる場合、関連機能後段キーK42を押下する。これにより、表示制御部10は、付加表示させる設定画面9を、ワークフローに含まれる設定項目のうち、関連性が深い設定項目の後段の位置で、液晶表示部11に表示させる。
【0109】
又、表示制御部10は、付加表示を行うべき設定項目(付加設定項目)があるかないかを確認し、どのような設定項目の設定画面9を表示させるかの基準を設定するための2つのチェックボックスCを表示する。尚、有りキーK38が押下されているとき、2つのチェックボックスCのうち、いずれかは必ずチェックされる。例えば、有りキーK38が押下されると、チェックボックスC1に自動的にチェックが入るようにしてもよい。
【0110】
まず、本実施形態の操作パネル1、複合機100では、ワークフローに含まれる設定項目に対して付加設定項目があるかないか、ある場合、どのような設定項目の設定画面9を表示させるかの判断は、表示制御部10が行う。尚、本体制御部8が行ってもよい。
【0111】
表示制御部10は、メモリ18に記憶される付加表示用データDを用いて、ワークフローに含まれる設定項目に対して表示すべき付加設定項目があるかないか、及び、どのような設定項目の設定画面9を表示させるかの判断を行う。例えば、図14に示すような形態で付加表示用データDが定められる。
【0112】
尚、本実施形態の操作パネル1のメモリ18(本体の記憶装置82内でもよい)は、2種類の付加表示用データDを記憶できる。そこで、図14に示す付加用表示データに「D1」と符号を付す。又、操作パネル1で設定可能な設定項目は多数に及ぶので、図14に示す付加表示用データD1では、4つの設定項目以外の設定項目は省略している。
【0113】
図14に示す付加表示用データD1は、予め定められたものであり、ワークフローに含まれる設定項目に対し、付加設定項目を対応づけるものである。尚、付加表示用データD1は、例えば、複合機100の製造者によって用意されるが、使用者が操作パネル1に入力を行うことにより、書き換えられてもよい。
【0114】
そして、表示制御部10は、ワークフローに含まれる各設定項目を把握し、付加表示用データD1を参照して、ワークフローに含まれる各設定項目に対応づけられた付加設定項目が存在するかを確認する。各設定項目に対応づけられた付加設定項目が存在するとき、表示制御部10は、対応づけられた付加設定項目の設定画面9を液晶表示部11に表示させる。
【0115】
例えば、図14の付加表示用データD1では、ポスターの設定項目に対し、カラー設定が付加設定項目として対応づけられる。又、濃度調整の設定項目のように、設定項目に対し、必ずしも対応づけられた付加設定項目が設けられる訳ではない。そして、図14に示すような付加表示用データD1の場合、ワークフローにポスターの設定項目が含まれていれば、カラー設定の設定画面9がワークフローに付加され、表示される(図12参照)。
【0116】
このような、付加表示用データD1に基づきワークフローに含まれる設定項目に対応づけて予め定められた付加設定項目の付加表示を行いたいとき、使用者は、付加表示設定画面95のうち、上方のチェックボックスC1を押下してチェックを入れる。これにより、関連性が深いと予め定められた設定項目が付加表示される。
【0117】
又、メモリ18は、別種の付加表示用データDを記憶できる。そこで、図15に示す付加用表示データを付加用表示データD2と符号を付す。又、図15に示す付加表示用データD2では、操作パネル1で設定可能な設定項目は多数に及ぶので、4つの設定項目以外の設定項目は省略している。
【0118】
図15に示す付加表示用データD2は、使用者の操作パネル1における設定でなされた履歴を基に、設定項目間での併用頻度を記録したものである。そのため、表示制御部10は、メモリ18内の付加表示用データD2を、例えばジョブ実行ごとに更新する。
【0119】
例えば、図15に示すように、頻度を求めるため、付加表示用データD2は、それぞれの設定項目について、設定項目が利用された総回数を含む。例えば、ワークフローが用いられる場合も、ワークフローを用いない通常の設定を含めて、各設定項目の総利用回数がカウント(積算)される。そして、例えば、付加表示用データD2は、各設定項目に対し、併用された設定項目につき、頻度を求めるため、併用された回数や、表示制御部10の演算により得られた頻度の値を含む。例えば、図15に示すように、表示制御部10は、併用された回数を設定項目の総利用回数で除した値を頻度として求め、付加表示用データD2に含める。
【0120】
このような、各設定項目の併用回数や併用の頻度を用いて(付加表示用データD2を用いて)付加設定項目を定めて付加表示を行う場合、使用者は、付加表示設定画面95のうち、下方のチェックボックスC2を押下してチェックを入れる。これにより、ワークフローに含まれる設定項目と併用されやすい設定項目が付加表示される。従って、使用者の設定の実情に合わせて付加設定項目を定めることができる。尚、チェックボックスC1とチェックボックスC2の両方にチェックを入れて選択することは可能である。
【0121】
そして、付加表示設定画面95には、OKキーK43が設けられる。OKキーK43が設けられると、付加表示を行うか否か、付加表示の表示位置、付加表示を行う場合、どのような設定項目の設定画面9を表示させるかの設定がメモリ18に記憶される。
【0122】
(ワークフローの表示制御)
次に、図16に基づき、本発明の実施形態に係る操作パネル1でのワークフローの表示制御の一例を説明する。図16は、本発明の実施形態に係る操作パネル1でのワークフローの表示制御の一例を説明するためのフローチャートである。
【0123】
まず、図16におけるスタートは、ワークフローキー17が押下され、呼出画面9Dでワークフローが選択され、表示制御部10が、メモリ18や、記憶装置82からワークフローのデータを受け取り、表示制御部10が液晶表示部11に呼び出されたワークフローを液晶表示部11に表示させようとする時点である。
【0124】
次に、表示制御部10は、メモリ18の記憶を確認し、付加表示を行う設定であるかを確認する(ステップ♯1)。具体的には、表示制御部10は、付加表示設定画面95で、有りキーK38と無しキーK39のいずれが押されたかを確認する。即ち、入力部(タッチパネル部12等)は、表示部(液晶表示部11)に付加表示を行わせるか否かの設定入力を受け付け、処理部(例えば、表示制御部10)は、付加表示を行う設定がなされていると、付加表示を表示部に行わせる。
【0125】
もし、付加表示を行う設定であれば(ステップ♯1のYes)、表示制御部10は、メモリ18の記憶を確認し、ワークフローで付加設定項目の設定画面9で表示すべき位置(順番)を確認する(ステップ♯2)。具体的には、表示制御部10は、付加表示設定画面95で、先頭キーK40と、最後尾キーK41と、関連設定項目後段キーのいずれが押されたかを確認する。即ち、入力部(タッチパネル部12等)は、プログラム(ワークフロー)で順に表示される設定画面9のうち、どの順番の位置に付加設定項目の設定画面9を表示するかを定める入力を受け付け、処理部(例えば、表示制御部10)は、入力された順番の位置に付加設定項目の付加表示を表示部(液晶表示部11)に行わせる。次に、表示制御部10は、呼び出されたワークフローに含まれる設定項目を確認する(ステップ♯3)。
【0126】
そして、表示制御部10は、付加表示用データDを読み出す(ステップ♯4)。例えば、表示制御部10は、付加表示設定画面95で、チェックボックスC1とチェックボックスC2のうち、チェックが入れられたチェックボックスCに対応する付加表示用データDをメモリ18から読み出す。例えば、表示制御部10は、付加表示設定画面95で、チェックボックスC2のみにチェックが入れられ、チェックボックスC1にチェックが入れられていなければ、付加表示用データD2のみを読み出す。又、表示制御部10は、付加表示設定画面95で、チェックボックスC1とチェックボックスC2の両方にチェックが入れられていれば、付加表示用データD1と付加表示用データD2メモリ18からを読み出す。
【0127】
そして、表示制御部10は、読み出した付加表示用データDに基づき、ワークフローに含まれる設定項目に対し、付加表示すべき設定項目(付加設定項目)があるかを確認し、付加設定項目を定める(ステップ♯5)。
【0128】
例えば、予め定められた対応関係に基づき設定項目を定める場合、表示制御部10は、付加表示用データD1を用いて、ワークフローに含まれる設定項目に対し、付加表示すると対応づけられた設定項目があるかを確認し、付加設定項目を定める。又、設定項目の併用頻度に基づき設定項目を定める場合、表示制御部10は、付加表示用データD2を用いて、併用頻度が所定値を越える設定項目を付加設定項目と定める。この所定値は任意に定めうる値である。例えば、設定項目が設定される際、2回に1回以上、併用される設定項目を付加設定項目と定める場合、所定値は0.5とされる。
【0129】
尚、付加表示用データD1と付加表示用データD2のいずれも用いて付加設定項目があるかを確認し、付加設定項目を定めるとき、表示制御部10は、付加表示用データD1に基づき定められた付加設定項目と、付加表示用データD2に基づき定められた付加設定項目をまとめる。即ち、記憶部(メモリ18、記憶装置82)は、設定項目に対応づけて付加設定項目を予め定めたデータを、付加表示用データD1として記憶し、処理部(例えば、表示制御部10)は、付加表示用データDに定められ、プログラム(ワークフロー)に含まれる設定項目に対応づけられた付加設定項目の付加表示を表示部(液晶表示部11)に行わせる。又、記憶部は、各設定項目の併用頻度を得るためのデータを付加表示用データDとして記憶し、処理部は、データを参照し、プログラムに含まれる設定項目について、併用頻度が所定値を越える設定項目を付加設定項目と定め、定めた付加設定項目の付加表示を表示部に行わせる。
【0130】
ここで、ワークフローに含まれる設定項目に対し、対応づけられた付加設定項目が全く無い場合や、ワークフローに含まれる各設定項目に対し、併用頻度が所定値以上の関係にある設定項目が全く無い場合もある。そこで、表示制御部10は、ワークフローについて付加表示すべき付加設定項目があるかを確認する(ステップ♯6)。
【0131】
もし、付加表示すべき付加設定項目が無ければ(ステップ♯6のNo)、付加表示を行う必要はないので、表示制御部10は、ワークフローに含まれる設定項目の各設定画面9を順番に表示させる(ステップ♯7)。
【0132】
一方、付加表示すべき付加設定項目があれば(ステップ♯6のYes)、表示制御部10は付加表示を行うと定めた付加設定項目が既にワークフローに含まれているかを確認する(ステップ♯8)。具体的には、表示制御部10は、付加設定項目と、ワークフローに含まれる設定項目とを比較し、重複していないかを確認する。
【0133】
もし、重複していれば(ステップ♯8のYes)、表示制御部10は、重複する設定項目を表示すべき付加設定項目から除く(ステップ♯9)。即ち、処理部(例えば、表示制御部10)は、呼び出されたプログラム(ワークフロー)に付加設定項目と定めた設定項目が既に含まれているとき、表示部(液晶表示部11)に、既に含まれる付加設定項目の付加表示を行わせない。一方、重複していなければそのままステップ♯10に移行する。
【0134】
そして、表示制御部10は、ワークフローに含まれる設定項目の設定項目に加え、表示すべき付加設定項目の設定画面9を、所定の順番の位置で、液晶表示部11に表示させる(ステップ♯10)。即ち、表示入力装置(操作パネル1)は、実行可能な複数種の機能を設定項目として表示し、設定項目の設定画面9を表示する表示部(液晶表示部11)と、予め複数の設定項目の中から選択され、登録された設定項目の組み合わせであり、呼び出すことにより予め選択、登録された設定項目ごとに設定画面9を順番に表示部に表示させるプログラム(ワークフロー)を記憶するとともに、プログラムに設定項目の設定画面9を付加して表示部に表示させる付加表示を行ううえで、どの設定項目の設定画面9を付加表示させるかを定めるための付加表示用データDを記憶する記憶部(メモリ18、記憶装置82)と、設定項目の選択及び設定画面9に対する入力を受け付け、又、プログラムを作成し登録するとき、プログラムに含める設定項目を選択する入力を受け付け、登録されたプログラムの呼び出し入力を受け付ける入力部(タッチパネル部12等)と、登録されたプログラムが呼び出されたとき、付加表示用データDに基づき、付加表示する設定項目である付加設定項目を定め、付加設定項目の付加表示を表示部(液晶表示部11)に行わせる処理部(例えば、表示制御部10)を有する。
【0135】
一方、付加表示を行う設定でなければ(ステップ♯1のNo)、表示制御部10は、ワークフローに含まれる設定項目の設定項目を順番に表示させる(ステップ♯7)。そして、ステップ♯7により、ワークフローに基づく設定入力が行われる。その後、表示制御部10は、設定確認一覧94で実行開始キーK35が押されたことをトリガとして、設定内容を本体制御部8に伝達し、本体制御部8は、伝達された設定内容に基づき、複合機100内の各部を制御し、その結果、ジョブが実行される(ステップ♯11)。そして、1つのワークフローにおける設定とジョブ実行が完了し、本制御は終了する(エンド)。
【0136】
このようにして、本発明によれば、表示部(液晶表示部11)は、登録されたプログラム(ワークフロー)が呼び出されたとき、付加設定項目の付加表示を行う。これにより、プログラムに含まれる設定項目に関連する設定項目の設定画面9を自動的に付加することができる。言い換えると、使用者が意図するジョブの実行結果を得られるように、関連性が深く、必要かもしれない設定画面9を、自動的に付加して表示させることができる。従って、使用者が設定手順を熟知していなくても、簡易に設定漏れを防ぐことができ、使用者の意図するジョブの実行結果が得られやすくなる。その結果、プログラムの設定が行いやすくなり、表示入力装置の使いやすさ、便利さを向上させることができる。又、使用者の意図する結果となるように設定がなされるので、時間、資源、エネルギーの無駄を無くすことができる。
【0137】
又、表示部(液晶表示部11)は、付加表示用データDに定められ、プログラムに含まれる設定項目に対応づけられた付加設定項目の付加表示を行う。これにより、プログラムに含まれる設定項目に対し、予め、関連性が深いとして対応づけられた設定項目の設定画面9をプログラムに付加して自動的に表示させることができる。又、処理部(例えば、表示制御部10)は、データを参照し、プログラムに含まれる設定項目について、併用頻度が所定値を越える設定項目を付加設定項目と定め、定めた付加設定項目の付加表示を表示部に行わせる。これにより、プログラムに含まれる設定項目に関し、併用されやすい設定項目の設定画面9をプログラムに付加して自動的に表示させることができる。
【0138】
又、表示部(液晶表示部11)は、呼び出されたプログラム(ワークフロー)に付加設定項目と定めた設定項目が既に含まれているとき、既に含まれる付加設定項目の付加表示を行わない。これにより、呼び出したプログラムで、同じ設定画面9が重複して表示されることを防ぐことができる。従って、同じ設定項目に対する設定の繰り返しを防ぐことができ、入力の煩わしさを無くすことができる。又、表示部は、付加表示を行う設定がなされていると、付加表示を行う。これにより、使用者が必要と認める場合のみ付加表示が行われる。従って、使用者の意図に沿った表示を行うことができ、使用者にとっての使い勝手の良さを向上させることができる。
【0139】
又、表示部(液晶表示部11)は、入力された順番の位置に付加設定項目の設定画面9を表示する。これにより、プログラム(ワークフロー)の設定画面9の表示順において、使用者の好きな位置に付加表示された設定画面9を表示させることができる。従って、使用者の意図に沿った表示を行うことができる。又、画像形成装置(例えば、複合機100)は、本発明に係る表示入力装置(操作パネル1)を含む。これにより、画像形成装置での設定は、使用者の意図するジョブの実行結果を得やすいものとなり、プログラム(ワークフロー)の設定が行いやすいものとなる。従って、設定入力がしやすく、便利さを向上させた画像形成装置を提供することができる。
【0140】
次に、他の実施形態を説明する。上記の実施形態では、表示制御部10が付加表示を行うべき付加設定項目があるか、及び付加設定項目の決定を行ったが、これらの処理は、本体制御部8が行って、本体制御部8が表示制御部10に付加表示の指示を与えるようにしてもよい。このとき、本体制御部8は、操作パネル1の処理部としても機能する。
【0141】
又、付加表示用データD1、付加表示用データD2は、メモリ18に記憶させる例を説明したが、本体側の記憶装置82が、付加表示用データD1、付加表示用データD2を記憶してもよい。そして、記憶装置82は、表示制御部10や本体制御部8に付加表示用データD1、付加表示用データD2を与える。このとき、記憶装置82は、操作パネル1の記憶部としても機能する。
【0142】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本発明は、操作パネル等の表示部と入力部を有する表示入力装置や、画像形成装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0144】
1 操作パネル(表示入力装置) 10 表示制御部(処理部)
11 液晶表示部(表示部) 12 タッチパネル部(入力部)
17 ワークフローキー(入力部) 18 メモリ(記憶部)
82 記憶装置(記憶部)
9(91,92,93,94,95) 設定画面
D(D1,D2) 付加表示用データ
100 複合機(画像形成装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実行可能な複数種の機能を設定項目として表示し、前記設定項目の設定画面を表示する表示部と、
予め複数の前記設定項目の中から選択され、登録された前記設定項目の組み合わせであり、呼び出すことにより予め選択、登録された前記設定項目ごとに前記設定画面を順番に前記表示部に表示させるプログラムを記憶するとともに、前記プログラムに前記設定項目の前記設定画面を付加して前記表示部に表示させる付加表示を行ううえで、どの前記設定項目の前記設定画面を前記付加表示させるかを定めるための付加表示用データを記憶する記憶部と、
前記設定項目の選択及び前記設定画面に対する入力を受け付け、又、前記プログラムを作成し登録するとき、前記プログラムに含める前記設定項目を選択する入力を受け付け、登録された前記プログラムの呼び出し入力を受け付ける入力部と、
登録された前記プログラムが呼び出されたとき、前記付加表示用データに基づき、付加表示する前記設定項目である付加設定項目を定め、前記付加設定項目の前記付加表示を前記表示部に行わせる処理部を有することを特徴とする表示入力装置。
【請求項2】
前記記憶部は、前記設定項目に対応づけて前記付加設定項目を予め定めたデータを、前記付加表示用データとして記憶し、
前記処理部は、前記付加表示用データに定められ、前記プログラムに含まれる前記設定項目に対応づけられた前記付加設定項目の前記付加表示を前記表示部に行わせることを特徴とする請求項1記載の表示入力装置。
【請求項3】
前記記憶部は、各前記設定項目の併用頻度を得るためのデータを前記付加表示用データとして記憶し、
前記処理部は、前記データを参照し、前記プログラムに含まれる前記設定項目について併用頻度が所定値を越える前記設定項目を前記付加設定項目と定め、定めた前記付加設定項目の前記付加表示を前記表示部に行わせることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示入力装置。
【請求項4】
前記処理部は、呼び出された前記プログラムに前記付加設定項目と定めた前記設定項目が既に含まれているとき、前記表示部に、既に含まれる前記付加設定項目の前記付加表示を行わせないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示入力装置。
【請求項5】
前記入力部は、前記表示部に前記付加表示を行わせるか否かの設定入力を受け付け、
前記処理部は、前記付加表示を行う設定がなされていると、前記付加表示を前記表示部に行わせることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示入力装置
【請求項6】
前記入力部は、前記プログラムで順に表示される設定画面のうち、どの順番の位置に前記付加設定項目の前記設定画面を表示するかを定める入力を受け付け、
前記処理部は、入力された順番の位置に前記付加設定項目の前記付加表示を前記表示部に行わせることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示入力装置
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示入力装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−48587(P2012−48587A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191486(P2010−191486)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】