説明

表示制御装置、端末装置、通信システムおよびプログラム

【課題】ARシステムにおいて端末装置のカメラの撮影範囲に画像を表示中の画像表示装置が含まれている場合であっても、モアレのない表示画像を端末装置のディスプレイに表示させる。
【解決手段】端末装置20のCPU41は、カメラ34が出力した撮影画像データPV−iからQRコードを抽出する。CPU41は、撮影画像データPV−i内に写り込んでいる画像表示装置1を送信先とするものと同じ画像データCV−kをサーバ装置50から取得する。CPU41は、撮影画像データPV−i内におけるQRコードと所定の位置関係にある領域ARHと画像データCV−kとを比較することにより、撮影画像データPV−i内における画像表示装置1の画像表示面の表示領域ARJを決定し、この表示領域ARJ内の画像を画像データCV−kが表す画像に差替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラとディスプレイとを有する端末装置の動作を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン等の端末装置に提供されるサービスの中にはAR(Augmented
Reality:拡張現実)と呼ばれる技術を利用したものがある。ARは、端末装置の利用者の眼前の景色をカメラにより撮影した撮影画像データにその撮影画像データ内の物に関わる注釈情報(アノテーション)を合成し、撮影画像データと注釈情報とを合成した合成画像データをディスプレイを介して利用者に提示する技術である。ARに関わるシステムを開示した文献として、例えば、特許文献1がある。この文献1に開示されたシステムは、利用者に携帯される情報提供端末、及び各情報提供端末と通信網を介して接続されるサーバを有する。このシステムでは、情報提供端末は、利用者の眼前の景色をカメラにより撮影すると共に、自らの位置を示す位置情報をサーバに送信する。サーバは、情報提供端末から受信した位置情報によって情報提供端末の位置を把握し、その情報提供端末のカメラの撮影範囲内に写り込んでいる物に関わる注釈情報である仮想表示情報を情報提供端末へ送信する。情報提供端末は、サーバから受信した仮想表示情報をカメラの撮影結果である視界情報に合成し、仮想表示情報と視界情報とを合成した画面をディスプレイに表示させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第WO2010/029671号パンフレット
【特許文献2】特開2003−196586号公報
【非特許文献1】本道 貴行、黄瀬 浩一 “大規模画像認識のための局所特徴量の性能比較”,[online],2008年7月,画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2008),[平成23年1月11日検索],インターネット<http://www.m.cs.osakafu-u.ac.jp/publication_data/1031/paper.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、カメラの撮影範囲にそれ自体が画像表示を行う物である画像表示装置が含まれていると、カメラの撮影画像データ内における画像表示装置の表示画像の表示領域にモアレと呼ばれる縞模様が現れて表示内容の鮮明さが低下する、といった問題がある。例えば、小規模な小売店が多数集まっている商業施設では、各小売店の店頭に画像表示装置が設置され、小売店毎のお買い得情報やタイムセールスケージュールなどの画像が表示されていることが多く、このような商業施設においてARを利用すると、上記問題点は顕著となる。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、ARシステムにおいて端末装置のカメラの撮影範囲に画像を表示中の画像表示装置が含まれており、当該画像を一部に含む画像を端末装置に表示させる場合であっても、端末装置の表示画像の画質の劣化を抑えることを可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、サーバ装置から送信される一連の配信画像データに従って動画像を表示する複数の画像表示装置のうちの少なくとも1つを含む撮影範囲内をカメラにより撮影して得られる一連の撮影画像データを取得する撮影画像取得手段と、前記撮影画像取得手段により取得した一連の撮影画像データが表す画像に写っている画像表示装置であって、前記撮影画像データが表す画像から抽出されるマーカと前記カメラの位置および撮影方向との少なくとも一方によって特定される画像表示装置へ配信される一連の配信画像データを要求するメッセージを前記サーバ装置に送り、このメッセージを受けたことを契機として前記サーバ装置から送られてくる一連の配信画像データを取得する配信画像取得手段と、前記撮影画像取得手段により取得した一連の撮影画像データの各々と前記配信画像取得手段により取得した一連の撮影画像データの各々とを比較し、この比較の結果に基づいて当該一連の撮影画像データの表す画像に写っている画像表示装置の表示画像を画像表示装置毎に特定し、当該一連の撮影画像データにおける画像表示装置の表示画像を前記配信画像取得手段により取得した一連の配信画像データのうちの該当するものの表す画像に差替えて合成画像データを生成し、当該合成画像データが表す画像を表示装置に表示させる表示制御手段とを具備する表示制御装置を提供する。
【0007】
この発明では、撮影画像データの表す画像に写っている画像表示装置の表示画像が、サーバ装置からその画像表示装置に送信されているものと同じ配信画像データが表す画像に差替えられ、この差替え後の画像が撮影結果の画像として表示装置に表示される。従って、撮影画像データの表す画像内に画像を表示中の画像表示装置が含まれている場合であっても、モアレのない表示画像を表示装置に表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1及び第2実施形態である表示制御装置としての機能を持った端末装置とこの端末装置を含む通信システムの構成を示す図である。
【図2】同システムにおけるサーバ装置から配信される画像データを説明するための図である。
【図3】同システムにおける端末装置による方位角及び仰俯角の検出の様子を示す図である。
【図4】同システムにおける端末装置内の動画像データベースDBのデータ構造図である。
【図5】同システムにおける端末装置とサーバ装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】同システムにおける端末装置が行う表示制御処理を説明するための図である。
【図7】同システムにおける端末装置が行う表示制御処理を説明するための図である。
【図8】同システムにおける端末装置が行う表示制御処理を説明するための図である。
【図9】同システムにおける端末装置が行う表示制御処理を説明するための図である。
【図10】同システムにおける端末装置が行う表示制御処理を説明するための図である。
【図11】同システムにおける端末装置とサーバ装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】同システムにおける端末装置が行う時間差算出処理を説明するための図である。
【図13】同システムにおける端末装置が行う表示制御処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態である表示制御装置を含む通信システムの構成を示す図である。この通信システムは、商業施設内の各小売店の店頭に設置された画像表示装置1(m=1,2…)と、同施設の管理センター内に設置されたサーバ装置50と、利用者に携帯される端末装置20(n=1,2…)とを有する。
【0010】
画像表示装置1(m=1,2…)は、矩形状の画像表示面を持ったディスプレイである。サーバ装置50は、各画像表示装置1が設置された店舗におけるお買い得情報やタイムスケジュールなどに関わる動画像コンテンツCNTを配信する配信サーバとしての役割を果たす装置である。
【0011】
図2に示すように、サーバ装置50は、画像表示装置1を送信先とする動画像コンテンツCNTの一連のフレーム画像データFV−k(k=1,2…N:kは、フレーム順を示すインデックスである)の右上の位置(より具体的には、画像データFV−k内における右端から当該画像データFV−kの主走査方向の幅Xの1/L(例えば、L=12とする)の距離X/Lだけ左に離れ且つ上端から当該画像データFV−kの副走査方向の幅Yの1/Lの距離Y/Lだけ下に離れた位置)に画像表示装置1の識別情報IDを示すQRコード(登録商標)を上書きしたものを配信画像データCV−k(k=1,2…N)とし、この一連の配信画像データCV−k(k=1,2…N)を画像表示装置1に送信する。また、サーバ装置50は、端末装置20からの要求に応じて、画像表示装置1を送信先とするものと同じ配信画像データCV−kを端末装置20に送信する。サーバ装置50の構成の詳細については、後述する。
【0012】
各端末装置20は、通話機能、ブラウジング機能、メーラ機能などといったスマートフォンとしての各種機能と、本発明の第1実施形態である表示制御装置としての機能とを併有する装置である。ここで、端末装置20内におけるスマートフォンとしての機能を司る各部については、本発明との関係が希薄であるため、図示及びその説明を割愛する。
【0013】
端末装置20の筐体2は、手の中に収まる寸法を持った扁平な板状をなしている。筐体2の表面には3つの開口21,22,23が設けられている。これらのうち表面の大部分を占める中央の開口21からはタッチパネルディスプレイ31が露出している。筐体2内における開口22の底の位置にはスピーカ32が固定されている。筐体2内における左側の開口23の底の位置にはマイクロホン33が固定されている。筐体2の裏面の一角には開口24が設けられている。筐体2内における開口24の底の位置には、カメラ34がその撮影方向を開口24に向けて固定されている。カメラ34は、当該カメラ34の撮影範囲内を撮影した撮影結果である撮影画像データPV−i(i=1,2…:iは撮影時刻を示すインデックスである)を出力する。
【0014】
端末装置20の筐体2には、GPS(Global Positioning System)センサ35、方位角センサ36、仰俯角センサ37、無線通信部38、及び制御部39が内蔵されている。GPSセンサ35は、当該端末装置20の位置(より具体的には緯度と経度)を検出し、検出した位置を示す位置データDPを出力する。方位角センサ36は、図3(A)に示すように、当該端末装置20を含む水平面における真北と当該端末装置20のカメラ34が向いている方向との間の角度である方位角θ1を検出し、検出した方位角θ1を示す方位角データDθ1を出力する。仰俯角センサ37は、図3(B)に示すように、当該端末装置20を含む鉛直面における水平方向と当該端末装置20のカメラ34が向いている方向との間の角度である仰俯角θ2を検出し、検出した仰俯角θ2を示す仰俯角データDθ2を出力する。
【0015】
図1において、無線通信部38は、制御部39による制御の下、移動体通信網91における基地局にアクセスし、移動体通信網91やインターネット92に接続されている他の装置とデータを送受信する。制御部39は、当該端末装置20の制御中枢としての役割を果たす装置である。制御部39は、CPU41、RAM42、およびROM43を有する。CPU41は、RAM42をワークエリアとして利用しつつ、ROM43内の表示制御プログラムを実行する。表示制御プログラムは、次の3つの機能を有する。
a1.撮影画像取得機能
これは、カメラ34から出力される撮影画像データPV−iを取得する機能である。
b1.配信画像取得機能
これは、一連の撮影画像データPV−iが表す画像に写っている画像表示装置1であって、撮影画像データPV−iから抽出されるマーカであるQRコードとカメラ34の位置および撮影方向との少なくとも一方によって特定される画像表示装置1へ配信されている一連の配信画像データCV−kを要求するメッセージMSG1またはMSG2をサーバ装置50に送り、メッセージMSG1またはMSG2を受けたことを契機としてサーバ装置50から送られてくる一連の配信画像データCV−kを取得する機能である。
c1.表示制御機能
これは、一連の撮影画像データPV−iの各々と一連の配信画像データCV−kの各々とを比較し、この比較の結果に基づいて当該一連の撮影画像データPV−iの表す画像に写っている画像表示装置1の表示画像を画像表示装置1毎に特定し、当該一連の撮影画像データPV−iにおける画像表示装置1の表示画像を一連の配信画像データCV−kのうちの該当するものの表す画像に差替えて合成画像データWV−kを生成し、当該合成画像データWV−kが表す画像をタッチパネルディスプレイ31に表示させる機能である。
【0016】
次に、サーバ装置50の構成について説明する。サーバ装置50は、制御部59、ハードディスク64、及びNIC65を有する。制御部59は、当該サーバ装置50の制御中枢としての役割を果たす装置である。制御部59は、CPU61、RAM62、及びROM63を有する。CPU61は、RAM62をワークエリアとして利用しつつ、ROM63やハードディスク64に記憶されたプログラムを実行する。ハードディスク64には、動画像データベースDBと画像配信プログラムとが記憶されている。
【0017】
動画像データベースDBは、画像表示装置1(m=1,2…)の各々と対応するレコードの集合体である。図4に示すように、動画像データベースDBにおける各レコードは、「ID」、「位置」、「コンテンツ」、及び「スケジュール」の4つのフィールドを有する。「ID」のフィールドは、画像表示装置1の識別情報IDを示す。「位置」のフィールドは、画像表示装置1が設置されている位置の位置データDPを示す。「コンテンツ」のフィールドは、画像表示装置1を送信先とする動画像コンテンツCNTの配信画像データCV−k(k=1,2…N)を示す。「スケジュール」のフィールドは、動画像コンテンツCNTにおける最初の配信画像データCV−1から最後の配信画像データデータCV−Nまでの各々の再生予定時刻を配列したデータであるスケジュールデータSCDを示す。
【0018】
画像配信プログラムは、次の2つの機能を有する。
a2.画像表示装置向け画像配信機能
これは、動画像データベースDBにおける各画像表示装置1を送信先とする動画像コンテンツCNTの配信画像データCV−k(k=1,2…N)とスケジュールデータSCDをRAM62に読み出し、スケジュールデータSCDにおける各配信画像データCV−kの再生予定時刻と画像表示装置1におけるそれらの表示時刻とが一致するように配信画像データCV−kの送信時刻を制御しつつ、配信画像データCV−kを画像表示装置1に送信する機能である。
b2.端末装置向け画像配信機能
これは、端末装置20からメッセージMSG1またはMSG2を受け取った場合に、メッセージMSG1またはMSG2の要求を満たす動画像コンテンツCNTの配信画像データCV−kを端末装置20に送信する機能である。
【0019】
次に、本実施形態の動作を説明する。図5は、本実施形態の動作を示すフローチャートである。図5において、端末装置20のCPU41は、表示制御プログラムが起動されている間、ステップS100乃至ステップS160bの処理を行う。これらの処理のうちステップS110は、撮影画像取得機能の働きにより実行される処理であり、ステップS120、ステップS130、ステップS140a、ステップS150a、ステップS140b、及びステップS150bは、配信画像取得機能の働きにより実行される処理であり、ステップS160a及びステップS160bは、表示制御機能の働きにより実行される処理である。
【0020】
サーバ装置50のCPU61は、画像配信プログラムが起動されている間、ステップS200乃至ステップS210bの処理を行う。これらの処理のうちステップS200は、画像表示装置向け画像配信機能の働きによって実行される処理であり、ステップS210a及びステップS210bは、端末装置向け画像配信機能の働きによって実行される処理である。
【0021】
図5において、サーバ装置50のCPU61は、画像配信プログラムが起動されると、画像表示装置向け画像提供処理を開始する(S200)。この処理では、CPU61は、動画像データベースDBにおける各画像表示装置1を送信先とする動画像コンテンツCNTの配信画像データCV−k(k=1,2…N)とそのスケジュールデータSCDをRAM62に読み出す。CPU61は、各画像表示装置1を送信先とする動画像コンテンツCNTの配信画像データCV−k(k=1,2…N)について、スケジュールデータSCDにおける各配信画像データCV−kの再生予定時刻と画像表示装置1におけるそれらの表示時刻とが一致するように配信画像データCV−kの送信時刻を制御しつつ、配信画像データCV−kを画像表示装置1に送信する。これ以降、CPU61は、端末装置20からのメッセージMSG1またはMSG2の受信の有無を監視する。
【0022】
端末装置20のCPU61は、表示制御プログラムが起動されると、撮影指示ボタンとしての役割を果たすアイコンICNをタッチパネルディスプレイ31に表示させる(S100)。端末装置20の利用者は、自身の前方の画像表示装置1がカメラ34の撮影範囲内に収まるようにカメラ34の向きとズームを調整し、アイコンICNをタッチする。
【0023】
端末装置20のCPU41は、カメラ34から出力される撮影画像データPV−iのうちアイコンICNがタッチされた直後の撮影画像データPV−iを取得する(S110)。そして、CPU41は、当該撮影画像データPV−iからのQRコードの抽出を試みる(S120)。このステップS120では、CPU41は、撮影画像データPV−iに対してQRコード認識処理を施す。QRコード認識処理の詳細については、特許文献2を参照されたい。ここで、QRコード認識処理におけるQRコードの認識の確度は、画像表示装置1に対するカメラ34の向きや画像表示装置1からカメラ34までの距離に依存する。このため、カメラ34が画像表示装置1と正対しておりカメラ34から画像表示装置1までの距離が近い場合には認識の確度は高くなるが、そうでない場合には認識の確度は低くなる。
【0024】
端末装置20のCPU41は、撮影画像データPV−iからQRコードを抽出できた場合(S130:Yes)、そのQRコードが示す識別情報IDを含むメッセージMSG1を組み立て、このメッセージMSG1を無線通信部38を介して送信する(S140a)。メッセージMSG1は、移動体通信網91及びインターネット92を経由してサーバ装置50へ転送される。
【0025】
サーバ装置50のCPU61は、メッセージMSG1を受信した場合、端末装置向け画像提供処理を開始する(S210a)。このステップS210aにおける端末装置向け画像提供処理では、CPU61は、メッセージMSG1から識別情報IDを取り出し、この識別情報IDにより識別される画像表示装置1を特定し、この画像表示装置1を送信先とするものと同じ配信画像データCV−kを端末装置20に送信する。これ以降、CPU61は、端末装置向け画像提供処理と上述した画像表示装置向け画像提供処理の2つの処理を行う。これにより、同じ種類の動画像コンテンツCNTの配信画像データCV−kが画像表示装置1と端末装置20の両装置に送られる。
【0026】
端末装置20のCPU41は、メッセージMSG1をサーバ装置50に送信した後、同装置50から送られてくる動画像コンテンツCNTの配信画像データCV−kを無線通信部38から取得してRAM42に記憶する処理を開始する(S150a)。また、CPU41は、この処理と併せて表示制御処理を開始する(S160a)。ステップS160aにおける表示制御処理では、CPU41は、カメラ34から出力された撮影画像データPV−iを取得する度に、その撮影画像データPV−iとサーバ装置50から送られてくる動画像コンテンツCNT(例えば、動画像コンテンツCNTとする)の最新の配信画像データCV−kとを処理対象として、次に示す第1乃至第5の処理を行う。
【0027】
第1の処理では、図6に示すように、撮影画像データPV−iにQRコード認識処理を施し、撮影画像データPV−i内におけるQRコードの表示領域ARGを求める。第2の処理では、図7に示すように、撮影画像データPV−i内におけるQRコードの表示領域ARGの右上隅から当該QRコードの一辺HのR(例えば、R=2とする)倍の距離H・Rだけ右上の方向に離れた点A1、点A1から距離H・S(例えば、S=13とする)だけ左に離れた点A2、点A2から距離H・Q(例えば、Q=10とする)だけ下に離れた点A3、及び点A3から距離H・Sだけ右に離れた点A4の4点に囲まれた領域を解析対象領域ARHとする。そして、この領域ARH内の画像データPVARH−iを切り出す。
【0028】
第3の処理では、図8に示すように、画像データPVARH−iと配信画像データCV−kをSIFT(Scale-Invariant Feature Transform)アルゴリズムに従って解析することにより、画像データPVARH−iが表す画像の特徴点Pと配信画像データCV−kが表す画像の特徴点Pを個別に抽出する。SIFTアルゴリズムの詳細については、非特許文献1を参照されたい。
【0029】
第4の処理では、図9に示すように、画像データPVARH−iから抽出した特徴点Pの撮影画像データPV−i内における位置と配信画像データCV−kから抽出した特徴点Pの配信画像データCV−k内における位置とを比較することにより、撮影画像データPV−i内における画像表示装置1の表示画像の領域ARJを特定する。
【0030】
第5の処理では、図10に示すように、配信画像データCV−kを当該配信画像データCV−kが表す画像の外郭OUTCVと領域ARJの外郭OUTARJとが一致するようにアフィン変換したものを配信画像データCV’−kとする。そして、撮影画像データPV−iにおける領域ARJ内の画像(すなわち、画像表示装置1の表示画像)を配信画像データCV’−kが表す画像に差替えた合成画像データWV−kを生成し、この合成画像データWV−kが表す画像をタッチパネルディスプレイ31に表示させる。
【0031】
CPU41は、ステップS130においてQRコードを抽出できなかった場合(S130:No)、端末装置20内のセンサ35,36,及び37から出力された位置データDP、方位角データDθ1、及び仰俯角データDθ2を含むメッセージMSG2を組み立て、このメッセージMSG2を無線通信部38を介して送信する(S140b)。このメッセージMSG2は、移動体通信網91及びインターネット92を経由してサーバ装置50へ転送される。
【0032】
サーバ装置50のCPU61は、メッセージMSG2を受信した場合、端末装置向け画像提供処理を開始する(S210b)。ステップS210bにおける端末向け画像提供処理では、CPU61は、メッセージMSG2から位置データDP、方位角データDθ1、及び仰俯角データDθ2を取り出し、これらの3種類のデータDP,Dθ1,Dθ2からカメラ34の位置及び撮影方向を計算する。CPU61は、この位置及び撮影方向から決まるカメラ34の撮影範囲と動画像データベースDBにおける各レコードの「位置」のフィールドが示す位置との重複の有無を個別に判定し、カメラ34の撮影範囲内にある画像表示装置1を探索する。そして、CPU61は、カメラ34の撮影範囲内にあるとみなした画像表示装置1を送信先とする動画像コンテンツCNTの配信画像データCV−kを画像表示装置1と端末装置20に送信する処理を行う。ここで、CPU61は、カメラ43の撮影範囲内に複数個の画像表示装置1があるとみなした場合、それら複数の画像表示装置1の各々について、当該画像表示装置1を送信先とする動画像コンテンツCNTの配信画像データCV−kを画像表示装置1と端末装置20に送信する処理を行う。
【0033】
端末装置20のCPU61は、メッセージMSG2をサーバ装置50に送信した後、同装置50から送られてくる動画像コンテンツCNTの配信画像データCV−kを無線通信部38から取得してRAM62に記憶する処理を開始する(S150b)。また、CPU61は、この処理と併せて表示制御処理を開始する(S160b)。ステップS160bにおける表示制御処理では、CPU61は、カメラ43から出力される撮影画像データPV−iが表す画像の全領域を解析対象領域ARGとした上で、上述した第3乃至第5の処理と同様の処理を行う。より詳細に説明すると、CPU61は、サーバ装置50から送られてくる動画像コンテンツCNTの種類が1種類である場合と複数種類である場合の各々において、次のような処理を行う。
【0034】
a3.動画像コンテンツCNTの種類が1種類である場合
この場合、CPU61は、撮影画像データPV−i自体(すなわち、撮影画像データPV−iが表す画像の全領域)をSIFTアルゴリズムに従って解析し、撮影画像データPV−iが表す画像の特徴点Pを抽出する。また、CPU61は、サーバ装置50から送られてくる1種類の動画像コンテンツCNT(例えば、動画像コンテンツCNTとする)の配信画像データCV−kを同様のアルゴリズムに従って解析し、配信画像データCV−kが表す画像の特徴点Pを抽出する。CPU61は、撮影画像データPV−i内における特徴点Pの位置と配信画像データCV−k内における特徴点Pの位置とを比較することにより、撮影画像データPV−i内における画像表示装置1の表示画像の領域ARJを決定する。CPU61は、画像データCV−kをアフィン変換したものを画像データCV’−kとし、撮影画像データPV−i内における画像表示装置1の表示画像を画像データCV’−kが表す画像に差替えた合成画像データWV−kを生成し、合成画像データWV−kが表す画像をタッチパネルディスプレイ31に表示させる。
【0035】
b3.動画像コンテンツCNTの種類が複数種類である場合
この場合、CPU61は、撮影画像データPV−i自体をSIFTアルゴリズムに従って解析し、撮影画像データPV−iが表す画像の特徴点Pを抽出する。また、サーバ装置50から送られてくる複数種類の動画像コンテンツCNT(例えば、2種類の動画像コンテンツCNTおよびCNTとする)の配信画像データCV−k及びCV−kを同様のアルゴリズムに従って解析し、配信画像データCV−k及びCV−kが表す画像の特徴点Pを各々抽出する。CPU61は、撮影画像データPV−i内における特徴点Pの位置と配信画像データCV−k内における特徴点Pの位置、及び撮影画像データPV−i内における特徴点Pの位置と配信画像データCV−k内における特徴点Pの位置を各々比較する。CPU61は、これらの比較の結果を利用して、撮影画像データPV−i内における画像表示装置1の表示画像の領域ARJを決定するとともに、配信画像データCV−k及びCV−kの中から領域ARJ内の画像に最も近い表示内容を持ったもの(例えば、画像データCV−kとする)を選択する。そして、CPU61は、この選択した画像データCV−kをアフィン変換したものを画像データCV’−kとし、撮影画像データPV−i内における画像表示装置1の表示画像を画像データCV’−kが表す画像に差替えた合成画像データWV−kを生成し、当該合成画像データWV−kが表す画像をタッチパネルディスプレイ31に表示させる。
【0036】
以上説明したように、本実施形態では、撮影画像データPV−iが表す画像に写っている画像表示装置1の表示画像が、サーバ装置50からその画像表示装置1に送信されているものと同じ画像データCV−kが表す画像に差替えられ、差替え後の画像が撮影結果の画像としてタッチパネルディスプレイ31に表示される。よって、撮影画像データPV−iが表す画像内に画像表示装置1の画像が含まれている場合であっても、モアレのない表示画像をタッチパネルディスプレイ31に表示させることができる。
【0037】
また、本実施形態では、撮影画像データPV−iからのQRコードの抽出を試み、QRコードが抽出できた場合には、撮影画像データPV−iが示す画像内においてQRコードに対して所定の位置関係を持った領域を解析対象領域ARHとし、領域ARH内の画像データPVARH−iと画像データCV−kとを比較し、この比較の結果に基づいて撮影画像データPV−i内における画像表示装置1の表示画面の領域ARJを特定する。よって、撮影画像データPV−iが表す画像の全表示領域を解析対象領域ARHとするよりも、領域ARJの特定に要する演算量が少なくなる。従って、撮影画像データPV−iが表す画像内における画像表示装置1の表示画面の探索の速度を向上させることができる。
【0038】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。上記実施形態におけるステップS160aの表示制御処理は最新の撮影画像データPV−i及び最新の配信画像データCV−kを処理対象として行われた。このため、端末装置20における表示制御処理の1フレームあたりの処理時間と、画像表示装置1における画像表示処理の1フレームあたりの処理時間(1フレーム分の配信画像データCV−kの受信から表示までの処理時間)との関係によっては、撮影画像データPV−iにおける画像表示装置1の表示画面をその装置1が現に表示しているものより前や後のフレームの配信画像データCV−kが表す画像に差替えてしまうことも起こり得る。この場合、タッチパネルディスプレイ31の表示画面内における画像表示装置1の表示画面の表示内容とその画像表示装置1が現に表示している表示画面の表示内容との間にずれが発生してしまう。そこで、本実施形態では、撮影画像データPV−iとこれに埋め込む配信画像データCV−kとの間の時間軸上の位置関係を調整することにより、タッチパネルディスプレイ31の表示画面内における画像表示装置1の表示画面の表示内容とその画像表示装置1が現に表示している表示画面の表示内容とを一致させる。
【0039】
図11は、本実施形態の動作を示すフローチャートである。本実施形態では、端末装置20のCPU41は、ステップS150aの処理の開始後に時間差算出処理を行い(S151a)、この時間差算出処理の実行後に表示制御処理(S161a)を行う。時間差算出処理では、CPU41は、カメラ34から出力される撮影画像データPV−iとサーバ装置50から送られてくる動画像コンテンツCNT(例えば、動画像コンテンツCNTとする)の配信画像データCV−kとを処理対象として、次のような処理を行う。図12に示すように、CPU41は、当該時間差算出処理の開始時点から時間長T(例えば、T=10秒とする)以上が経過した時刻を基準時刻tBASISとし、この時刻tBASISにおいて取得された撮影画像データPV−iを時間差検出用撮影画像データPVV−iとする。CPU41は、画像データPVV−i内における解析対象領域ARHを決定し、領域ARH内の画像データPVVARH−iを切り出す。CPU41は、時刻tBASIS−Tから時刻tBASIS+Tまでの時間長2Tの間に取得された複数個(図12の例では、簡便のため、3個とする)の配信画像データCV−(k+1),CV−(k+2),及びCV−(k+3)と配信画像データPVVARH−iとを比較し、配信画像データCV−(k+1),CV−(k+2),及びCV−(k+3)の中から画像データPVV−i内における画像表示装置1の表示画面に最も近い表示内容を持ったもの(例えば、画像データCV−(k+1)とする)を選択する。そして、CPU41は、この選択した配信画像データCV−(k+1)が取得された時刻tSELと時刻tBASISとの間の時間差Δt(Δt=tBASIS−tSEL)を求める。
【0040】
端末装置20のCPU41は、時間差算出処理において時間差Δtを算出した後、表示制御処理を開始する(S161a)。ステップS161aの表示制御処理では、CPU41は、上記時間差Δtが短縮されるように撮影画像データPV−iと配信画像データCV−kとの間の時間軸上の位置関係を調整し、時間軸上の位置関係を調整した撮影画像データPV−iと配信画像データCV−kとを用いて上述した合成画像データWV−kの生成を行う。より具体的には、時間差Δtの符号が負である場合(時刻tSELが時刻tBASISよりも早かった場合)と時間差Δtの符号が正である場合(時刻tSELが時刻tBASISよりも遅かった場合)の各々において、次のような処理を行う。
a4.時間差Δtの符号が負である場合
この場合、図13(A)に示すように、カメラ34が撮影画像データPV−iを出力する度に、その最新の撮影画像データPV−iと、最新の撮影画像データPV−iよりも時間差Δtだけ後に取得された配信画像データCV−kとを組とする。そして、各組の各々について、上述した第1乃至第5の処理と同様の処理を行う。
b4.時間差Δtの符号が正である場合
この場合、図13(B)に示すように、カメラ34が撮影画像データPV−iを出力する度に、その最新の撮影画像データPV−iよりも時間差Δtだけ先に取得された撮影画像データPV−iと、最新の配信画像データCV−kとを組にする。そして、各組の各々について、上述した第1乃至第5の処理と同様の処理を行う。
【0041】
図11において、CPU41は、ステップS150bの処理の開始後に時間差算出処理を行い(S151b)、この時間差算出処理の実行後に表示制御処理(S161b)を行う。ステップS151b及びステップS161bの処理内容はステップS151a及びステップS161aの処理内容と同様である。
【0042】
本実施形態によると、CPU41は、時間差Δtが短縮されるように撮影画像データPV−iと配信画像データCV−kとの間の時間軸上の位置関係を調整する。よって、タッチパネルディスプレイ31の表示画像内における画像表示装置1の表示画像の表示内容とその装置1が現に表示している表示画像の表示内容との間のずれの発生を防止することができる。
【0043】
以上、この発明の第1及び第2実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態があり得る。例えば、以下の通りである。
(1)上記第1及び第2実施形態では、サーバ装置50から画像表示装置1に送信される配信画像データCV−k(k=1,2…N)の全てがQRコードの画像を一部に含んだものであった。しかし、配信画像データCV−k(k=1,2…N)のうちの少なくとも1つにQRコードが含まれていればよい。例えば、先頭の数フレーム分の画像データCV−kのみをQRコードを含んだものとしてもよい。この場合において、端末装置20のCPU41は、その先頭の数フレームに後続するフレームの画像データCV−kについても同じ位置にQRコードがあるとみなして、撮影画像データPV−iが示す画像内における画像表示装置1の表示画像の探索を行ってもよい。この技術的手段によると、先頭の数フレームを用いた画像表示装置1の表示画像の探索の完了後にカメラ34のアングルが多少変わっても、画像表示装置1の表示画像の位置を捕捉することができる。
【0044】
(2)上記第1及び第2実施形態において、サーバ装置50は、画像表示装置1と端末装置20に送信する配信画像データCV−kの解像度を各々のタッチパネルディスプレイ31の解像度に合わせて変換した上でその送信を行ってもよい。例えば、画像表示装置1の画像表示面の縦横の画素数が1024×768であり、端末装置20のタッチパネルディスプレイ31の縦横の画素数が800×600である場合は、元の配信画像データCV−kの解像度を800×600に変換したものを端末装置20に送信するとよい。また、端末装置20のCPU41は、サーバ装置50から送られてくる動画像コンテンツCNTの配信画像データCV−kの解像度とタッチパネルディスプレイ31の解像度が異なる場合には、配信画像データCV−kの解像度をタッチパネルディスプレイ31の解像度に合わせる解像度変換を配信画像データCV−kに施した後に合成画像データWV−kを生成してもよい。
【0045】
(3)上記第1及び第2実施形態において、画像表示装置1の筺体2における画像表示面の外の近傍の所定の位置にQRコードを記しておいてもよい。この場合において、端末装置20のCPU41は、カメラ34の撮影画像データPV−iから画像表示面の外の位置にあるQRコードの抽出を試み、撮影画像データPV−iが表す画像においてQRコードと所定の位置関係にある領域を解析対象領域ARHにするとよい。
【0046】
(4)上記第1実施形態において、サーバ装置50が、配信画像データCV−kと同期再生する情報(例えば、端末装置20のタッチパネルディスプレイ31の表示画像内における画像表示装置1の表示画像の近傍の位置に表示させるテキスト情報やスピーカ32から放音させる音声情報:以下、これらの情報を付加情報という)を端末装置20に送信してもよい。この場合において、端末装置20のCPU41は、付加情報に含まれるテキスト情報を合成画像データWV−kが表す画像の一部としてタッチパネルディスプレイ31に表示させ、付加情報に含まれる音声情報をスピーカ32から放音させるとよい。また、第2実施形態では、付加情報に含まれるテキスト情報の表示時刻や音声情報の放音時刻を時間差Δtに基づいて調整するとよい。
【0047】
(5)上記第1及び第2実施形態は、本発明をスマートフォンである端末装置20に適用したものであった。しかし、本発明の適用の対象となる装置はスマートフォンに限られない。例えば、通信機能を搭載したビデオカメラに本発明を適用してもよい。この場合において、ビデオカメラ内のCPUが生成した一連の合成画像データWV−kをビデオカメラ内のハードディスクに記憶させ、ハードディスク内の合成画像データWV−kを映像出力端子を介して外部のディスプレイに出力するようにしてもよい。
【0048】
(6)上記第1及び第2実施形態では、画像データPVARH−iが示す画像の特徴点P及び画像データCV−kが示す画像の特徴点Pを得るための解析アルゴリズムとしてSIFTを採用した。しかし、SIFT以外の解析アルゴリズム(例えば、SURF((Speeded Up Robust Features))を採用してもよい。
【0049】
(7)上記第1及び第2実施形態において、端末装置20の利用者が、自身の前方の複数個の画像表示装置1(例えば、画像表示装置1及び1とする)がカメラ34の撮影範囲内に収まるようして撮影を行っている場合には、撮影画像データPV−iにおける画像表示装置1の表示画像と画像表示装置1の表示画像を各々に送信されているものと同じ画像データCV’−kが表す画像に差替えた合成画像データWV−kを生成してもよい。この場合において、合成画像データWV−kにおける画像表示装置1または1の表示画面があまりに小さい場合は、差替えによる画質の向上が期待できないため、小さい方の表示画面の差替えを行わないようにしてもよい。
【0050】
(8)上記第1及び第2実施形態では、端末装置20は、QRコードと、当該端末装置20のカメラ34の位置及び撮影方向と、のうちの一方から撮影画像データPV−iが表す画像に写っている画像表示装置1を特定した。しかし、GPSセンサ35,方位角センサ36,仰俯角センサ37やその他の各種センサにより検出される物理量のみを用いて、撮影画像データPV−iが表す画像に写っている画像表示装置1を特定してもよい。
【0051】
(9)上記第1及び第2実施形態において、撮影画像データPV−iが表す画像に写っている画像表示装置1を特定するためのマークとして、画像表示装置1の近傍に配置された看板を利用し、撮影画像データPV−iが示す画像から抽出した看板の画像から当該撮影画像データPV−iが表す画像に写っている画像表示装置1を特定してもよい。
【0052】
(10)上記第1及び第2実施形態では、撮影画像データPV−i及び配信画像データCV−kの取得から合成画像データWV−kの生成に至るまでの処理を端末装置20のCPU39が行った。しかし、この処理を端末装置20と移動体通信網91及びインターネット92を介して接続された他の装置が行ってもよい。例えば、端末装置20がそのカメラ34の撮影結果である撮影画像データPV−iをサーバ装置50に送信し、サーバ装置50がこの撮影画像データPV−iから合成画像データWV−kを生成して端末装置20へ返信し、端末装置20が当該合成画像データWV−kが表す画像をタッチパネルディスプレイ31に表示させてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1…画像表示装置、2…筐体、20…端末装置、21,22,23,24…開口、31…タッチパネルディスプレイ、32…スピーカ、33…マイクロホン、34…カメラ、35…GPSセンサ、36…方位角センサ、37…仰俯角センサ、38…無線通信部、50…サーバ装置、39,59…制御部、41,61…CPU、42,62…RAM、43,63…ROM、64…ハードディスク、65…NIC、91…移動体通信網、92…インターネット。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置から送信される一連の配信画像データに従って動画像を表示する複数の画像表示装置のうちの少なくとも1つを含む撮影範囲内をカメラにより撮影して得られる一連の撮影画像データを取得する撮影画像取得手段と、
前記撮影画像取得手段により取得した一連の撮影画像データが表す画像に写っている画像表示装置であって、前記撮影画像データが表す画像から抽出されるマーカと前記カメラの位置および撮影方向との少なくとも一方によって特定される画像表示装置へ配信される一連の配信画像データを要求するメッセージを前記サーバ装置に送り、このメッセージを受けたことを契機として前記サーバ装置から送られてくる一連の配信画像データを取得する配信画像取得手段と、
前記撮影画像取得手段により取得した一連の撮影画像データの各々と前記配信画像取得手段により取得した一連の撮影画像データの各々とを比較し、この比較の結果に基づいて当該一連の撮影画像データの表す画像に写っている画像表示装置の表示画像を画像表示装置毎に特定し、当該一連の撮影画像データにおける画像表示装置の表示画像を前記配信画像取得手段により取得した一連の配信画像データのうちの該当するものの表す画像に差替えて合成画像データを生成し、当該合成画像データが表す画像を表示装置に表示させる表示制御手段と
を具備することを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記撮影画像取得手段が取得した一連の撮影画像データの中のある撮影画像データを時間差検出用撮影画像データとし、この時間差検出用撮影画像データの取得時刻を含む所定時間長の間に前記配信画像取得手段が取得した複数個の配信画像データの中から、前記時間差検出用画像データの表す画像に写っている画像表示装置の表示画像に最も近い表示内容を持った配信画像データを選択し、この選択した配信画像データの取得時刻と前記時間差検出用撮影画像データの取得時刻との間の時間差を算出する時間差算出手段を具備し、
前記表示制御手段は、前記時間差が短縮されるように前記撮影画像取得手段により取得される撮影画像データと前記配信画像取得手段により取得される配信画像データとの間の時間軸上の位置関係を調整し、時間軸上の位置関係を調整した撮影画像データと配信画像データとを用いて前記合成画像データの生成を行うことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記サーバ装置から前記複数の画像表示装置の各々に送信される一連の配信画像データには、その送信先の画像表示装置を一意に識別する2次元バーコードの画像を一部に含むものが少なくとも1つ含まれており、前記配信画像取得手段は前記2次元バーコードを前記マーカとして抽出し、抽出したマーカを含む前記メッセージを前記サーバ装置に送信することを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記表示装置の解像度と、前記配信画像取得手段により取得した一連の配信画像データの解像度とが異なっている場合には、当該一連の配信画像データの解像度を前記表示装置の解像度に合わせる解像度変換を当該一連の配信画像データに施した後に前記合成画像データを生成することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1の請求項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
カメラと、
表示手段と、
前記カメラにより取得した一連の撮影画像データが表す画像に写っている画像表示装置であって、前記撮影画像データが表す画像から抽出されるマーカと前記カメラの位置および撮影方向との少なくとも一方によって特定される画像表示装置へ配信される一連の配信画像データを要求するメッセージを前記サーバ装置に送り、このメッセージを受けたことを契機として前記サーバ装置から送られてくる一連の配信画像データを取得する配信画像取得手段と、
前記カメラにより取得した一連の撮影画像データの各々と前記配信画像取得手段により取得した一連の配信画像データの各々とを比較し、この比較の結果に基づいて当該一連の撮影画像データの表す画像に写っている画像表示装置の表示画像を画像表示装置毎に特定し、当該一連の撮影画像データにおける画像表示装置の表示画像を前記配信画像取得手段により取得した一連の配信画像データのうちの該当するものの表す画像に差替えて合成画像データを生成し、当該合成画像データが表す画像を表示手段に表示させる表示制御手段と
を具備することを特徴とする端末装置。
【請求項6】
(A)カメラと表示手段とを有する端末装置と、
(B)複数の画像表示装置と、
(C)前記複数の画像表示装置の各々に表示させる動画を表す一連の画像データを画像表示装置毎に記憶したサーバ装置と、
(D)前記カメラにより撮影して得られる一連の撮影画像データの表す画像を前記表示手段に表示させる際の表示制御を行う表示制御装置であって、
前記複数の画像表示装置の少なくとも1つを含む撮影範囲を前記端末装置のカメラにより撮影して得られる一連の撮影画像データが表す画像に写っている画像表示装置であって、前記撮影画像データが表す画像から抽出されるマーカと前記カメラの位置および撮影方向との少なくとも一方によって特定される画像表示装置へ配信される一連の配信画像データを要求するメッセージを前記サーバ装置に送り、このメッセージを受けたことを契機として前記サーバ装置から送られてくる一連の配信画像データの各々と当該一連の撮影画像データの各々とを比較し、この比較の結果に基づいて当該一連の撮影画像データの表す画像に写っている画像表示装置の表示画像を特定し、当該一連の撮影画像データにおける画像表示装置の表示画像を前記サーバ装置から取得した一連の配信画像データのうちの該当するものの表す画像に差替えて合成画像データを生成し、当該合成画像データの表す画像を前記端末装置の表示手段に表示させる表示制御装置と
を具備することを特徴とする通信システム。
【請求項7】
前記表示制御装置は、前記端末装置と前記サーバ装置の何れか一方に含まれていることを特徴とする請求項6に記載の通信システム。
【請求項8】
コンピュータを、
サーバ装置から送信される一連の配信画像データに従って動画像を表示する複数の画像表示装置のうちの少なくとも1つを含む撮影範囲内をカメラにより撮影して得られる一連の撮影画像データを取得する撮影画像取得手段と、
前記撮影画像取得手段により取得した一連の撮影画像データから抽出されるマーカと前記カメラの位置および撮影方向との少なくとも一方から当該一連の撮影画像データの表す画像に写っている画像表示装置を特定し、当該画像表示装置に向けて配信される一連の配信画像データを要求するメッセージを前記サーバ装置に送り、このメッセージを受けたことを契機として前記サーバ装置から送られてくる一連の配信画像データを取得する配信画像取得手段と、
前記撮影画像取得手段により取得した一連の撮影画像データの各々と前記配信画像取得手段により取得した一連の配信画像データの各々とを比較し、この比較の結果に基づいて当該一連の撮影画像データの表す画像に写っている画像表示装置の表示画像を画像表示装置毎に特定し、当該一連の撮影画像データにおける画像表示装置の表示画像を前記配信画像取得手段により取得した一連の配信画像データのうちの該当するものの表す画像に差替えて合成画像データを生成し、当該合成画像データが表す画像を表示装置に表示させる表示制御手段と
として機能させることを特徴とするプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−208558(P2012−208558A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71595(P2011−71595)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】