表示制御装置、表示制御システム、表示制御装置の制御方法、制御プログラム、及び記録媒体
【課題】特定の観者がどのような位置に居ても、その位置から見やすい表示倍率を決定する。
【解決手段】会議サーバ1は、ユーザの役職毎に倍率が設定された距離倍率設定データ27を参照して、各参加者からメインディスプレイ4までの各距離に重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を平均した倍率決定用距離を算出する距離算出部32と、メインディスプレイ4までの距離と、参加者から該距離だけ離れたメインディスプレイ4において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率データを参照して、距離算出部32が算出した倍率決定用距離に対応する表示倍率を決定する表示倍率決定部33とを備えているので、特定の役職の参加者がどのような位置に居ても、その位置から見やすい表示倍率を決定することができる。
【解決手段】会議サーバ1は、ユーザの役職毎に倍率が設定された距離倍率設定データ27を参照して、各参加者からメインディスプレイ4までの各距離に重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を平均した倍率決定用距離を算出する距離算出部32と、メインディスプレイ4までの距離と、参加者から該距離だけ離れたメインディスプレイ4において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率データを参照して、距離算出部32が算出した倍率決定用距離に対応する表示倍率を決定する表示倍率決定部33とを備えているので、特定の役職の参加者がどのような位置に居ても、その位置から見やすい表示倍率を決定することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置の画像表示倍率を制御する表示制御装置に関し、より詳細には、複数の観者が閲覧する表示装置の画像表示倍率を、各観者から表示装置までの距離に基づいて制御する表示制御装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、会議や発表等において、パーソナルコンピュータ等の端末装置を用いて、資料等の画像を表示装置に表示させて、各参加者に提示することが広く行われているが、表示装置から遠い参加者にとって、表示装置に表示された画像が見辛いことがある。
【0003】
上記のような端末装置は、表示装置に表示させる画像を拡大及び縮小する機能を有しているものが多いので、画像が見辛い参加者が居る場合には、端末装置を操作して画像を拡大表示させることによって、表示装置から遠い参加者にも画像がよく見えるようにすることができる。
【0004】
また、下記の特許文献1には、表示装置から該表示装置に表示される画像の観者までの距離を測定し、複数の観者について測定した距離の平均値から、上記表示装置に表示させる画像の表示倍率を決定する発明が開示されている。この発明によれば、観者と表示装置との間の距離を考慮した表示倍率で画像が表示されるので、各観者が表示装置に表示された画像の内容を確認しやすくなる。
【0005】
なお、会議において、各参加者の位置に応じた画像を表示する技術としては、例えば下記の特許文献2が挙げられる。特許文献2には、カメラに近い参加者と、カメラから遠い参加者とが同程度の大きさで表示されるように正規化した画像を表示する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−63636号公報(2009年3月26日公開)
【特許文献2】特開2008−545331号公報(2008年12月11日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の従来技術では、表示装置に表示される画像の観者がどのような者であるかが、表示倍率の決定において考慮されないという問題がある。つまり、上記の従来技術では、表示装置に表示される画像を、複数の観者のうち、特定の者が見やすいような表示倍率に必ずしも設定されない。
【0008】
例えば、表示装置に資料を表示してプレゼンテーションを行う場合には、その資料を特に見せたい参加者が存在することが多い。そして、このような参加者が表示装置から離れた座席に着席した場合には、より表示装置に近い座席の他の参加者が存在することによって、資料を特に見せたい参加者に最適な表示倍率を大きく下回る表示倍率に設定されるおそれがある。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、特定の観者が表示装置からどのような距離の位置に居ても、その位置から見やすいような表示倍率を決定することのできる表示制御装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の表示制御装置は、表示装置が表示する画像を観る複数の観者から当該表示装置までの各距離に基づいて、上記表示装置の表示倍率を決定する表示制御装置であって、上記観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、上記複数の観者から上記表示装置までの各距離に重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を用いて倍率決定用距離を算出する距離算出手段と、上記表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記距離算出手段が算出した上記倍率決定用距離に対応する表示倍率を決定する表示倍率決定手段とを備えていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明の表示制御装置の制御方法は、上記の課題を解決するために、表示装置が表示する画像を観る複数の観者から当該表示装置までの各距離に基づいて、上記表示装置の表示倍率を決定する表示制御装置の制御方法であって、上記観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、上記複数の観者から上記表示装置までの各距離に重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を用いて倍率決定用距離を算出する距離算出ステップと、上記表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記距離算出ステップで算出した上記倍率決定用距離に対応する表示倍率を決定する表示倍率決定ステップとを含むことを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、複数の観者から表示装置までの各距離に、各観者に重みが設定された重み情報を参照して重み付けを行う。そして、重み付け後の各距離を用いて倍率決定用距離を算出し、この倍率決定用距離を用いて表示倍率を決定するので、観者に応じた表示倍率を決定することができる。
【0013】
つまり、上記の構成によれば、観者から表示装置までの距離のみならず、各観者にどのような重みが設定されているかを考慮して表示倍率を決定する。このため、特定の観者が表示装置からどのような距離の位置に居ても、その位置から見やすいような表示倍率を決定することができる。
【0014】
なお、決定した表示倍率で表示装置に表示を行わせる処理は、上記表示制御装置が行ってもよいし、他の装置に行わせてもよい。また、観者から表示装置までの距離は、事前に測定した値を用いてもよいし、距離センサ等を用いて測定してもよい。
【0015】
また、本発明の表示制御装置は、上記の課題を解決するために、表示装置が表示する画像を観る複数の観者から当該表示装置までの各距離に基づいて、上記表示装置の表示倍率を決定する表示制御装置であって、上記観者から上記表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記各観者から上記表示装置までの各距離から、上記各観者について適用すべき表示倍率を決定する観者別倍率決定手段と、上記観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、上記観者別倍率決定手段が決定した各表示倍率に重み付けを行うと共に、重み付け後の各表示倍率を用いて上記表示装置の表示倍率を決定する表示倍率決定手段とを備えていることを特徴としている。
【0016】
また、本発明の表示装置の制御方法は、上記の課題を解決するために、表示装置が表示する画像を観る複数の観者から当該表示装置までの各距離に基づいて、上記表示装置の表示倍率を決定する表示制御装置の制御方法であって、上記観者から上記表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記各観者から上記表示装置までの各距離から、上記各観者について適用すべき表示倍率を決定する観者別倍率決定ステップと、上記観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、上記観者別倍率決定ステップで決定した各表示倍率に重み付けを行うと共に、重み付け後の各表示倍率を用いて上記表示装置の表示倍率を決定する表示倍率決定ステップとを含むことを特徴としている。
【0017】
上記の構成によれば、各観者について適用すべき表示倍率を決定し、各観者に対応する重みが設定された重み情報を参照して、決定した各表示倍率に重み付けを行う。そして、重み付け後の各表示倍率を用いて、表示装置の表示倍率を決定するので、観者に応じた表示倍率を決定することができる。
【0018】
つまり、上記の構成によれば、観者から表示装置までの距離のみならず、各観者にどのような重みが設定されているかを考慮して表示倍率を決定する。このため、特定の観者が表示装置からどのような距離の位置に居ても、その位置から見やすいような表示倍率を決定することができる。
【0019】
また、上記距離算出手段は、重み付け後の各距離の平均値を上記倍率決定用距離として算出することが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、簡易な構成で重み付け後の各距離が反映された倍率決定用距離を算出することができる。
【0021】
また、上記距離算出手段は、上記表示装置から予め定められた距離だけ離れた位置に設置され、上記複数の観者がそれぞれ使用する複数の端末装置のそれぞれから上記表示装置までの距離を示す距離情報から特定した、上記各観者の使用する端末装置から上記表示装置までの各距離を、当該観者から上記表示装置までの各距離として特定することが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、各観者の使用する端末装置から表示装置までの各距離を特定し、特定した距離を複数の観者から表示装置までの各距離として重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を用いて倍率決定用距離を算出する。つまり、観者の使用する端末装置から表示装置までの距離を、該観者から表示装置までの距離とみなして倍率決定用距離を算出する。
【0023】
したがって、上記の構成によれば、観者から表示装置までの距離を測定するための構成を表示制御装置が備えていなくとも、各観者から表示装置までの距離に応じた倍率決定用距離を算出することができる。
【0024】
なお、各端末装置は、表示装置から予め定められた距離だけ離れた位置に設置されているので、各端末装置から表示装置までの各距離を示す距離情報を予め生成することは容易である。
【0025】
また、上記表示制御装置は、上記表示装置から予め定められた距離だけ離れた位置に設置され、上記複数の観者がそれぞれ使用する複数の端末装置と通信する通信部と、上記端末装置に入力された、該端末装置を使用する観者を特定する観者特定情報を、上記通信部を介して受信して、受信した観者特定情報から上記各観者をそれぞれ特定する観者特定手段とを備え、上記距離算出手段は、上記観者特定手段が特定した各観者について、上記重み情報を参照して、当該観者から上記表示装置までの各距離に重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を平均して上記倍率決定用距離を算出することが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、各端末装置に入力された観者特定情報を受信して、受信した観者特定情報から各観者を特定する。したがって、各観者を容易に特定することができる。特に、上記端末装置が、パーソナルコンピュータ等のように、使用時にログインが必要な装置である場合には、ログイン時に観者が入力するログイン情報を上記観者特定情報として用いることもでき、これにより、各観者を簡易な構成で容易に特定することができる。
【0027】
また、上記表示制御装置は、上記各観者の属性を示す属性情報を参照して、上記各観者の属性を特定する属性特定手段を備え、上記重み情報は、上記属性毎に重みが設定されたものであり、上記距離算出手段は、上記重み情報を参照して、上記複数の観者から上記表示装置までの各距離に、上記属性特定手段が特定した属性に応じた重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を平均した倍率決定用距離を算出することが好ましい。
【0028】
上記の構成によれば、各観者の属性を特定し、特定した属性に設定された重みを用いて重み付けを行って倍率決定用距離を算出するので、各観者の属性に応じた表示倍率が決定される。このため、例えば、特定の属性を有する観者が表示装置からどのような距離の位置に居ても、その位置から見やすいような表示倍率を決定することもできる。
【0029】
なお、観者の属性とは、観者の所属や能力等を指す。例えば、観者の役職、所属する組織(会社等)、視力の良し悪し、年齢等を上記の属性としてもよい。
【0030】
また、上記表示制御装置と上記複数の端末装置とを含む表示制御システムであれば、上記表示制御装置と同様の効果を奏する。
【0031】
なお、上記表示制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記表示制御装置の各手段として動作させることにより、上記表示制御装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0032】
以上のように、本発明の表示制御装置は、観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、複数の観者から表示装置までの各距離に重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を用いて倍率決定用距離を算出する距離算出手段と、上記表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記距離算出手段が算出した上記倍率決定用距離に対応する表示倍率を決定する表示倍率決定手段とを備えている構成である。
【0033】
また、本発明の表示制御装置の制御方法は、以上のように、観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、複数の観者から表示装置までの各距離に重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を用いて倍率決定用距離を算出する距離算出ステップと、上記表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記距離算出ステップで算出した上記倍率決定用距離に対応する表示倍率を決定する表示倍率決定ステップとを含む構成である。
【0034】
そして、本発明の表示制御装置は、以上のように観者から表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記各観者から上記表示装置までの各距離から、上記各観者について適用すべき表示倍率を決定する観者別倍率決定手段と、上記観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、上記観者別倍率決定手段が決定した各表示倍率に重み付けを行うと共に、重み付け後の各表示倍率を用いて上記表示装置の表示倍率を決定する表示倍率決定手段とを備えている構成である。
【0035】
また、本発明の表示装置の制御方法は、以上のように、観者から表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記各観者から上記表示装置までの各距離から、上記各観者について適用すべき表示倍率を決定する観者別倍率決定ステップと、上記観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、上記観者別倍率決定ステップで決定した各表示倍率に重み付けを行うと共に、重み付け後の各表示倍率を用いて上記表示装置の表示倍率を決定する表示倍率決定ステップとを含む構成である。
【0036】
上記の構成によれば、観者から表示装置までの距離のみならず、各観者にどのような重みが設定されているかを考慮して表示倍率を決定する。このため、特定の観者が表示装置からどのような距離の位置に居ても、その位置から見やすいような表示倍率を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、電子会議システムに含まれる会議サーバ及び通信端末装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記電子会議システムの概要を示す図である。
【図3】上記通信端末装置が画像を表示させるメインディスプレイの表示画面の一例を示す図であり、同図(a)は、特定のユーザの座席がメインディスプレイに近い場合の画面例を示し、同図(b)は、特定のユーザの座席がメインディスプレイから遠い場合の画面例を示す図である。
【図4】上記会議サーバが格納する会議データの一例を示す図である。
【図5】上記会議サーバが格納するアジェンダデータの一例を示す図である。
【図6】上記会議サーバが格納する参加ユーザデータの一例を示す図である。
【図7】上記会議サーバが格納する接続端末判別データの一例を示す図である。
【図8】上記会議サーバが格納する距離データを説明する図である。
【図9】上記会議サーバが格納する役職データの一例を示す図である。
【図10】上記会議サーバが格納する距離倍率設定データの一例を示す図である。
【図11】上記会議サーバが格納する表示倍率データの一例を示す図である。
【図12】上記会議サーバが格納するディスプレイサイズデータの一例を示す図である。
【図13】上記会議サーバが実行する会議設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】上記会議サーバが実行する表示倍率決定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態について、図1から14に基づいて詳細に説明する。
【0039】
〔システムの概要〕
本実施形態の電子会議システムの概要について、図2に基づいて説明する。図2は、本実施形態にかかる電子会議システム(表示制御システム)3の概要を示す図である。図示のように、電子会議システム3は、会議サーバ(表示制御装置)1と、メインディスプレイ(表示装置)4に接続された通信端末装置2と、参加者端末(端末装置)5とを通信接続してなるシステムである。また、電子会議システム3には、会議の設定等を行うPC6が接続されている。
【0040】
会議サーバ1は、電子会議システム3に含まれる各端末装置(通信端末装置2、参加者端末5、PC6等)と通信して、会議を設定し、実行する。また、会議サーバ1は、メインディスプレイ4の表示倍率を決定する。
【0041】
通信端末装置2は、会議サーバ1と通信して、会議で使用する資料等の画像を受信し、受信した画像をメインディスプレイ4に表示させる。また、通信端末装置2は、会議サーバ1が決定した表示倍率でメインディスプレイ4に画像を表示する。
【0042】
メインディスプレイ4は、通信端末装置2の制御に従って画像を表示する。メインディスプレイ4は、通信端末装置2の制御に従って画像を表示するものであればよく、例えば液晶表示装置やEL表示装置等を適用することもできる。
【0043】
参加者端末5は、会議サーバ1と通信して、会議で使用する資料等の画像を受信し、受信した画像を表示する。なお、ここでは、参加者端末5が表示装置を備えていることを想定しているが、通信端末装置2と同様に、外付けの表示装置に画像を表示させるものであっても構わない。
【0044】
電子会議システム3では、会議の発表者には、通信端末装置2及びメインディスプレイ4が割り当てられ、会議の各参加者には、参加者端末5が1台ずつ割り当てられる。つまり、電子会議システム3では、通信端末装置2は、発表者用の端末としての役割を有し、参加者端末5は、参加者用の端末としての役割を有する。
【0045】
そして、発表者は、通信端末装置2を操作してメインディスプレイ4に表示させる資料を切り替えながら発表を行い、各参加者は、メインディスプレイ4に表示される資料等を見ながら会議に参加する。つまり、各参加者は、メインディスプレイ4に表示される資料等の観者である。また、各参加者は、参加者端末5を操作して、会議サーバ1から資料等を取得し、取得した資料等を参加者端末5に表示させて確認することもできる。
【0046】
会議サーバ1は、各会議室の通信端末装置2及び参加者端末5の要求に応じて、その会議室で行われている会議で用いる資料等の画像を送信する。例えば、同図の会議室nでは、メインディスプレイ4に「資料2」を表示させているが、異なる会議が行われている会議室n+1では、メインディスプレイ4に「資料3」を表示させている。
【0047】
なお、電子会議システム3は、会議や発表以外の用途にも適用可能である。例えば、講師の通信端末装置2と受講生の参加者端末5とを接続して講義を行うことなども可能である。
【0048】
〔主な特徴点〕
続いて、電子会議システム3の主な特徴点について、図3に基づいて説明する。図3は、メインディスプレイ4の表示画面の一例を示す図であり、同図(a)は、特定のユーザの座席がメインディスプレイ4に近い場合の画面例を示し、同図(b)は、特定のユーザの座席がメインディスプレイ4から遠い場合の画面例を示す図である。
【0049】
同図(a)に示すように、ここでは、通信端末装置2に接続されたメインディスプレイ4と、メインディスプレイ4に向かって開口する「コ」の字型のテーブルとが会議室内に配置され、このテーブル上に参加者端末5が配置されていることを想定している。なお、同図には示していないが、通信端末装置2及び参加者端末5は、会議サーバ1に接続されている。
【0050】
また、同図(a)の例では、AさんとBさんが会議の参加者として座席に着いており、Aさんの座席はBさんの座席よりもメインディスプレイ4に近い状態である。そして、ここでは、BさんよりもAさんの見やすさを重視した表示倍率でメインディスプレイ4に画像を表示することを想定している。
【0051】
つまり、同図(a)の例では、メインディスプレイ4に座席の近いAさんの見やすさを重視して、メインディスプレイ4に表示させる画像を通常倍率で表示している。詳細については後述するが、この表示倍率は、会議サーバ1が決定したものである。
【0052】
一方、同図(b)の例では、Aさんの座席とBさんの座席とが、同図(a)の例と逆になっている。つまり、Aさんの座席がメインディスプレイ4から遠い位置に変わり、Bさんの座席がメインディスプレイ4から近い位置に変わっている。
【0053】
このような場合には、会議サーバ1は、メインディスプレイ4から遠い座席のAさんが見やすい表示倍率を決定する。これにより、メインディスプレイ4の表示倍率が変更され、同図(b)に示すように、メインディスプレイ4に表示される画像が拡大される。
【0054】
以上のように、電子会議システム3は、特定のユーザがどの座席に座ったとしても、そのユーザから見やすい倍率でメインディスプレイ4に画像を表示することが主な特徴点である。これにより、特定のユーザにとって、メインディスプレイ4に表示される画像が見やすい状態を常に担保することができる。
【0055】
〔会議サーバ1及び通信端末装置2の要部構成〕
次に、電子会議システム3の詳細について、図1に基づいて説明する。図1は、電子会議システム3に含まれる会議サーバ1及び通信端末装置2の要部構成を示すブロック図である。
【0056】
<会議サーバ1の構成>
図示のように、会議サーバ1は、サーバ記憶部10、サーバ制御部11、サーバ操作部12、サーバ表示部13、及びサーバ通信部(通信部)14を備えている。
【0057】
サーバ制御部11は、会議サーバ1の動作を統括して制御するものであり、会議設定部30、サーバ会議制御部(観者特定手段)31、距離算出部(距離算出手段、属性特定手段)32、及び表示倍率決定部(表示倍率決定手段)33を含む。
【0058】
会議設定部30は、会議設定処理を行って、電子会議システム3による会議を行うために必要な各種データを生成する。なお、会議設定処理の詳細については後述する。
【0059】
サーバ会議制御部31は、会議に関わる制御を行う。具体的には、サーバ会議制御部31は、通信端末装置2及び参加者端末5と通信して、会議の開始及び終了、発表の開始及び終了の制御を行う。また、サーバ会議制御部31は、通信端末装置2または参加者端末5からの要求に応じて、当該通信端末装置2または参加者端末5に資料等の画像を送信する。
【0060】
距離算出部32は、表示倍率決定部33が表示倍率の決定に用いる倍率決定用距離を算出する。より詳細には、距離算出部32は、各参加者端末5のユーザからメインディスプレイ4までの各距離を取得し、取得した各距離に重み付けを行って、重み付け後の各距離を平均して倍率決定用距離を算出する。
【0061】
表示倍率決定部33は、距離算出部32が算出した距離に基づいて、メインディスプレイ4に表示させる画像の表示倍率を決定する。具体的には、表示倍率決定部33は、後述の表示倍率データ28とディスプレイサイズデータ29を参照して、上記の表示倍率を決定する。また、表示倍率決定部33は、決定した表示倍率でメインディスプレイ4に表示を行うように通信端末装置2に指示する。
【0062】
サーバ操作部12は、会議サーバ1に対するユーザの入力操作を受け付けるものである。サーバ操作部12は、ユーザの入力操作を受け付けて、受け付けた操作内容を示す操作信号をサーバ制御部11に送信する機能を有していればよく、例えばキーボードやマウス等で構成することもできる。無論、タッチパネル方式で入力操作を受け付けるものであってもよい。
【0063】
サーバ表示部13は、サーバ制御部11の指示に従って画像を表示するものである。サーバ表示部13は、サーバ制御部11の指示に従って画像を表示するものであればよく、例えば液晶表示装置や有機EL表示装置等で構成することもできる。サーバ表示部13は、会議サーバ1が備えていてもよいし、会議サーバ1と接続された別体の装置であってもよい。
【0064】
なお、会議サーバ1の操作は、該会議サーバ1と通信接続された他の装置(例えば図2のPC6等)から行ってもよく、この場合にはサーバ操作部12及びサーバ表示部13を省略することもできる。
【0065】
サーバ通信部14は、会議サーバ1が他の装置と通信するためのものである。電子会議システム3では、会議サーバ1は、サーバ通信部14を介して通信端末装置2、参加者端末5、及びPC6と通信を行う。
【0066】
サーバ記憶部10は、会議サーバ1で使用する各種データを格納するものである。サーバ記憶部10は、データの記憶及び読み出しが可能なものであればよく、例えばハードディスク等であってもよい。図示のサーバ記憶部10には、会議データ20、アジェンダデータ21、参加ユーザデータ22、発表資料データ23、接続端末判別データ24、距離データ(距離情報)25、役職データ(属性情報)26、距離倍率設定データ(重み情報)27、表示倍率データ(表示倍率情報)28、及びディスプレイサイズデータ29が格納されている。
【0067】
会議データ20は、会議を規定するデータであり、少なくとも会議IDと、会議の開催日時を含む。会議データ20は、例えば図4のようなデータであってもよい。図5は、会議データ20の一例を示す図である。
【0068】
図4の会議データ20は、会議IDと、会議名と、開催日時と、使用する会議室名とが対応付けられたデータである。これにより、いつ、どこで、どのような会議が開催されるかを特定することができる。例えば、2010年3月5日の10:00〜11:00に、第1会議室で会議1が行われることを特定することができる。
【0069】
アジェンダデータ21は、会議データ20で特定される各会議の議事進行を示すデータである。アジェンダデータ21は、会議において誰がどのような順序で発表するかを示すデータであり、例えば図5のようなデータであってもよい。図5は、アジェンダデータ21の一例を示す図である。
【0070】
図5のアジェンダデータ21は、会議IDと、アジェンダ名と、発表者氏名と、発表時間と、発表資料と、発表順番とが対応付けられたデータである。これにより、会議データ20の会議IDで特定される各会議について、いつ、誰が、どのような資料を用いて発表を行うかを特定することができる。
【0071】
なお、図5の例では、発表者を特定するために発表者氏名を用いているが、発表者を特定できる情報であれば発表者氏名以外の情報を用いてもよい。例えば、発表者の氏を用いて発表者を特定してもよいし、ID等によって発表者を特定してもよい。
【0072】
参加ユーザデータ22は、会議データ20で特定される各会議の参加者(発表者を含む)を特定するためのデータである。参加ユーザデータ22は、例えば図6のようなデータであってもよい。図6は、参加ユーザデータ22の一例を示す図である。
【0073】
図6の参加ユーザデータ22は、会議IDと、ユーザIDと、ユーザ氏名と、会議におけるロール(役割)とが対応付けられたデータである。これにより、会議データ20の会議IDで特定される各会議について、誰が、どのような役割で参加するかを特定することができる。なお、図示の例では、発表を行うユーザのロールを「発表者/参加者」とし、発表を行わないユーザのロールを「参加者」としている。なお、「発表者/参加者」は、発表を行うと共に、発表時以外は参加者として会議に参加することを意味している。
【0074】
発表資料データ23は、発表に用いる資料のデータである。アジェンダデータ21に「発表資料」として登録された資料のデータが、発表資料データ23としてサーバ記憶部10に格納される。
【0075】
接続端末判別データ24は、電子会議システム3に通信端末装置2または参加者端末5によるログインが行われたときに、サーバ会議制御部31が生成するデータであり、ログインに用いられた端末を特定する情報と、その端末でログインしているユーザを特定する情報とが対応付けられたデータである。接続端末判別データ24は、例えば図7のようなデータであってもよい。図7は、接続端末判別データ24の一例を示す図である。
【0076】
図7の接続端末判別データ24は、ユーザIDと、通信端末装置2または参加者端末5のIPアドレスと、会議IDとが対応付けられたデータである。これにより、ある会議において、どのユーザが通信端末装置2を使用しているか、またどのユーザがどの参加者端末5を使用しているかを特定することができる。
【0077】
距離データ25は、電子会議システム3による会議が行われる各会議室における、メインディスプレイ4と、各参加者端末5との距離を示すデータである。距離データ25は、例えば図8のようなデータであってもよい。図8は、距離データ25を説明する図である。
【0078】
図8の距離データ25は、各会議室における、参加者端末5を特定する端末番号と、該端末番号で特定される参加者端末5からメインディスプレイ4までの距離と、該端末番号で特定される参加者端末5のIPアドレスとが対応付けられたデータである。
【0079】
つまり、同図に示すように、ここでは、会議室の各参加者端末5に端末番号を付与している。そして、各参加者端末5からメインディスプレイ4までの距離を測定し、測定した距離と、当該参加者端末5の端末番号と、IPアドレスとを対応付けた距離データ25を会議室毎に作成して、予めサーバ記憶部10に格納しておくことを想定している。
【0080】
ここでは、各会議室におけるメインディスプレイ4と参加者端末5の位置関係が固定されていることを想定している。また、各参加者は、自分の使用する参加者端末5の正面に着席するので、参加者端末5からメインディスプレイ4までの距離は、その参加者端末5を使用する参加者からメインディスプレイ4までの距離と概ね一致する。このため、会議サーバ1は、距離データ25が示す距離を参加者からメインディスプレイ4までの距離とみなして表示倍率を決定する。
【0081】
役職データ26は、会議に参加する可能性のある各ユーザの役職を示すデータである。役職データ26は、例えば図9のようなデータであってもよい。図9は、役職データ26の一例を示す図である。
【0082】
図9の役職データ26は、ユーザIDと、該ユーザIDで特定されるユーザの氏名と、該ユーザの役職とが対応付けられたデータである。これにより、ユーザIDから役職を特定することができる。なお、役職データ26には、ユーザの氏名は含まれていなくてもよいが、氏名を含めることによって役職データ26の管理、修正等が容易になるメリットがある。
【0083】
距離倍率設定データ27は、参加者のそれぞれに対応する重みを規定するデータであり、距離倍率設定データ27に従って重み付けを行うことによって倍率決定用距離が算出される。距離倍率設定データ27は、例えば図10のようなデータであってもよい。図10は、距離倍率設定データ27の一例を示す図である。
【0084】
図10の距離倍率設定データ27は、役職と距離倍率とが対応付けられたデータである。各参加者の役職は、役職データ26から特定されるので、役職データ26と距離倍率設定データ27とを用いることにより、各参加者に設定する重み(倍率)を特定することができる。図示の距離倍率設定データ27では、上位の役職ほど重み(倍率)が大きくなっており、これにより、上位の役職の参加者が居る場合に表示倍率が高く設定されることになる。
【0085】
表示倍率データ28は、メインディスプレイ4までの距離と、参加者から該距離だけ離れたメインディスプレイ4において適用すべき表示倍率とが対応付けられたデータである。言い換えれば、表示倍率データ28は、参加者端末5からメインディスプレイ4までの距離に応じた、該参加者端末5を使用する参加者がメインディスプレイ4に表示される画像を見やすい表示倍率を示すデータである。表示倍率データ28は、例えば図11に示すようなデータであってもよい。図11は、表示倍率データ28の一例を示す図である。
【0086】
図11の表示倍率データ28は、距離の範囲と表示倍率が対応付けられたデータである。また、図11の表示倍率データ28では、メインディスプレイ4の画面サイズ毎に表示倍率が設定されている。メインディスプレイ4の画面サイズが変われば、ユーザが見やすい表示倍率も変わるからである。
【0087】
これにより、参加者端末5からメインディスプレイ4までの距離に応じた、該参加者端末5のユーザがメインディスプレイ4に表示される画像を見やすい表示倍率を、メインディスプレイ4の画面サイズ毎に特定することができる。
【0088】
例えば、ある参加者端末5からメインディスプレイ4までの距離が5.5mである場合を考える。この場合に図11の表示倍率データ28を用いることによって、メインディスプレイ4が46インチであれば140%に拡大表示し、52インチであれば120%に拡大表示し、60インチであれば100%で表示することで、当該参加者端末5のユーザが見やすい表示倍率となることが特定できる。
【0089】
また、図11の表示倍率データ28では、表示倍率の最大値が200%(2倍に拡大)に設定されている。そして、100%(拡大なし)から200%の間で、距離が大きくなるほど、表示倍率が大きくなるように設定されている。このように、表示倍率の上限値を設けることによって、表示倍率が大きくなりすぎて表示内容の認識が困難となることを防ぐことができる。
【0090】
ディスプレイサイズデータ29は、各会議室に設置されているメインディスプレイ4の画面サイズを示すデータである。ディスプレイサイズデータ29は、例えば図12に示すようなデータであってもよい。図12は、ディスプレイサイズデータ29の一例を示す図である。
【0091】
図12のディスプレイサイズデータ29は、会議室名とその会議室に設置されているメインディスプレイ4のディスプレイサイズ(画面サイズ)が対応付けられたデータである。これにより、各会議室で使用しているメインディスプレイ4の画面サイズを特定することができる。ディスプレイサイズデータ29は、表示倍率データ28から表示倍率を決定するときに用いられる。
【0092】
会議サーバ1は、以上のようなデータを用いてメインディスプレイ4の表示倍率を決定する。すなわち、会議サーバ1は、距離倍率設定データ27で特定した重みを、距離データ25が示す、メインディスプレイ4から参加者端末5までの距離に乗じて、各参加者の重み付け距離を算出し、この重み付け距離から倍率決定用距離を算出する。そして、このようにして算出した倍率決定用距離と、ディスプレイサイズデータ29と、表示倍率データ28とを用いてメインディスプレイ4の表示倍率を決定する。
【0093】
表示倍率データ28では、距離が大きいほど表示倍率が高くなっているので、重み付けされた距離を用いることによって、重み付けされていない距離を用いる場合と比べて高い表示倍率が決定される。すなわち、大きな重みが設定された役職の参加者が存在する場合ほど表示倍率が高くなり、その役職の参加者にとって見やすい表示が行われることになる。
【0094】
<会議設定処理>
続いて、サーバ記憶部10に記憶される上記の各データを生成する会議設定処理について、図13に基づいて説明する。図13は、会議設定処理の一例を示すフローチャートである。会議設定処理は、例えば図2のPC6等のように、会議サーバ1に通信接続された端末装置からの制御に従って、会議サーバ1の会議設定部30が行う処理である。なお、会議設定処理は、会議サーバ1のサーバ操作部12への入力操作で行うこともできる。
【0095】
まず、会議設定部30は、会議データ20を作成する(S1)。具体的には、会議設定部30は、会議名と、開催日時と、会議室とを、例えば図2のPC4からユーザに入力させ、入力されたこれらのデータに会議IDを付して、図4に示したような会議データ20を生成する。
【0096】
次に、会議設定部30は、アジェンダデータ21を作成する(S2)。具体的には、会議設定部30は、アジェンダ名と、発表者氏名と、発表時間と、発表に用いる資料名と、発表順とをユーザに入力させ、入力されたこれらのデータに会議IDを付して、図5に示したようなアジェンダデータ21を生成する。
【0097】
続いて、会議設定部30は、参加者の登録を行う(S3)。具体的には、会議設定部30は、ユーザIDと、ユーザ氏名とをユーザに入力させる。そして、入力させたID及び氏名に、ロール(会議における役割、すなわち参加者または発表者)と会議IDとを対応付けて、図6に示したような参加ユーザデータ22を生成する。
【0098】
なお、アジェンダデータ21に発表者として登録されているユーザは、発表を行っていないときには参加者として参加することになるので、ロールを「発表者/参加者」とし、アジェンダデータ21に発表者として登録されていないユーザについては、ロールを「参加者」とする。しかしながら、この例に限られず、例えば発表のみを行って、他の発表者の発表は聞かずに退席するような場合には、「発表者」と登録してもよい。また、ロールをユーザに選択させるようにしてもよい。
【0099】
次に、会議設定部30は、距離倍率設定データ27を作成する(S4)。具体的には、会議設定部30は、役職名とその役職名の距離倍率とをユーザに入力させて、図10に示したような距離倍率設定データ27を生成する。なお、距離倍率設定データ27の作成は、ユーザが特に指定した場合にのみ行うようにして、それ以外の場合には、予め定められた初期値に設定された距離倍率設定データ27を用いてもよい。
【0100】
以上により、会議の設定に必要なデータが全て作成され、会議設定部30は、作成した各データをサーバ記憶部10に格納し、会議作成は終了する(S5)。
【0101】
<通信端末装置2及びメインディスプレイ4の構成>
次に、図1に基づいて通信端末装置2及びメインディスプレイ4の構成について説明する。図1に示すように、通信端末装置2は、端末操作部40、端末制御部41、端末記憶部42、及び端末通信部43を備えている。
【0102】
端末操作部40は、通信端末装置2に対するユーザの入力操作を受け付けるものである。端末操作部40は、ユーザの入力操作を受け付けて、受け付けた操作内容を示す操作信号を端末制御部41に送信するものであればよく、例えばマウスやキーボード等で構成してもよい。
【0103】
端末制御部41は、通信端末装置2の動作を統括して制御するものであり、端末会議制御部50と表示倍率設定部51とを含む。
【0104】
端末会議制御部50は、会議に関わる制御を行う。具体的には、端末会議制御部50は、サーバ会議制御部31と通信して、会議の開始及び終了、発表の開始及び終了の制御を行う。また、端末会議制御部50は、サーバ会議制御部31と通信して、通信端末装置2がメインディスプレイ4に表示させる画像が、各参加者端末5でも表示されるように制御する。
【0105】
これは、端末会議制御部50が、メインディスプレイ4に表示させている画像をサーバ会議制御部31に送信し、サーバ会議制御部31が、受信した画像を、各参加者端末5に送信して表示させることによって実現される。なお、端末操作部40が受け付けた入力操作の内容をサーバ会議制御部31に通知して、この通知を受けたサーバ会議制御部31が通知内容に応じた画像を生成し、生成した画像を通信端末装置2及び各参加者端末5に送信することで実現することもできる。
【0106】
表示倍率設定部51は、メインディスプレイ4に表示させる画像の拡大倍率を設定する。具体的には、表示倍率設定部51は、会議サーバ1の表示倍率決定部33から指示された拡大倍率でメインディスプレイ4に画像を表示させる。
【0107】
端末記憶部42は、通信端末装置2が使用する各種データを格納するものである。端末記憶部42は、データの記憶及び読み出しが可能なものであればよく、例えばハードディスク等であってもよい。
【0108】
端末通信部43は、通信端末装置2が他の装置と通信するためのものである。電子会議システム3では、通信端末装置2は、端末通信部43を介して会議サーバ1と通信を行う。
【0109】
メインディスプレイ4は、端末制御部41の指示に従って画像を表示する表示装置である。また、メインディスプレイ4は、ユーザの入力操作を検出して操作信号を生成する、通信端末装置2の入力装置としても機能する。メインディスプレイ4は、画像の表示機能とユーザの入力操作検出機能とを有しているものであればよく、例えばタッチパネルや光センサ内蔵液晶表示装置等であってもよい。
【0110】
これにより、発表者は、メインディスプレイ4の表示面に触れることによって、通信端末装置2を操作し、表示する資料を切り替えたり、表示されている資料を拡大表示させたり、資料に手書きで文字を書き込んだりすることができる。
【0111】
なお、ここでは、通信端末装置2とメインディスプレイ4と別体に構成されている例を示しているが、通信端末装置2とメインディスプレイ4とが1つの装置として一体に構成されていてもよい。また、通信端末装置2は、端末操作部40を備えているので、メインディスプレイ4がタッチパネル機能を有していることは必須ではない。ただし、発表者がスムーズに発表をできるようにするために、メインディスプレイ4はタッチパネル機能を有していることが好ましい。
【0112】
〔表示倍率決定処理の流れ〕
続いて、会議サーバ1が実行する表示倍率決定処理の流れを図14に基づいて説明する。図14は、表示倍率決定処理の一例を示すフローチャートである。なお、表示倍率決定処理は、図13に示すような会議設定処理が行われて、会議サーバ1のサーバ記憶部10に会議データ20等が格納された後で行われる。
【0113】
サーバ会議制御部31は、ユーザのログインを監視している(S10)。なお、ここでは、会議の発表者が通信端末装置2に自己のユーザIDを入力してログインし、同様に各参加者は会議室内に配置された何れかの参加者端末5にユーザID(観者特定情報)を入力してログインすることを想定している。そして、ユーザがログインした端末(通信端末装置2または参加者端末5)は、入力されたユーザIDと自端末のIPアドレスとを対応付けて会議サーバ1に送信することを想定している。このため、サーバ会議制御部31は、ユーザIDとIPアドレスとを受信したときに、ログインが行われたと判断することができる。
【0114】
そして、ログインが行われたと判断したとき(S10でYES)には、サーバ会議制御部31は、ログインしたユーザのユーザIDと、該ユーザが使用する端末のIPアドレスと、これから開始する会議の会議IDとを対応付けて、図7に示したような接続端末判別データ24を生成する。
【0115】
また、サーバ会議制御部31は、参加者端末5へのログインが行われた場合には、当該参加者端末5のIPアドレス及び当該ユーザのユーザIDを距離算出部32に通知する。なお、ログインに用いられた端末が通信端末装置2であるか、参加者端末5であるかは、例えばアジェンダデータ21で確認してもよいし、通信端末装置2のIPアドレスを予め取得しておくことで確認してもよい。
【0116】
参加者端末5のIPアドレス及びユーザIDを受信した距離算出部32は、当該参加者端末5とメインディスプレイ4との距離を特定する(S11)。具体的には、距離算出部32は、サーバ記憶部10に格納されている距離データ25を参照して、サーバ会議制御部31から受信したIPアドレスに対応付けられている距離を特定する。
【0117】
続いて、距離算出部32は、ログインしたユーザの役職を特定する(S12)。具体的には、距離算出部32は、サーバ記憶部10に格納されている役職データ26を参照して、サーバ会議制御部31から受信したユーザIDに対応付けられている役職を特定する。
【0118】
次に、距離算出部32は、S12で特定した役職に応じた距離を算出する(S13)。具体的には、距離算出部32は、サーバ記憶部10に格納されている距離倍率設定データ27を参照して、S12で特定した役職に対応付けられている距離倍率を特定する。そして、特定した距離倍率をS11で特定した距離に乗じて、役職に応じた距離を算出する。また、距離算出部32は、距離の算出が終了した旨、サーバ会議制御部31に通知する。
【0119】
次に、距離算出部32から距離の算出が終了した旨の通知を受信したサーバ会議制御部31は、今回の会議に参加予定の全ユーザがログインを済ませているか確認する(S14)。具体的には、サーバ会議制御部31は、サーバ記憶部10の参加ユーザデータ22と接続端末判別データ24とを参照して、参加ユーザデータ22に含まれる全てのユーザIDが接続端末判別データ24に含まれているか確認する。そして、含まれている場合には全ユーザがログインを済ませていると判断し、含まれていないユーザIDが存在する場合には、ログインを済ませていないユーザが存在すると判断する。
【0120】
ここで、ログインを済ませていないユーザが存在することが確認された場合(S14でNO)には、サーバ会議制御部31は、S10の処理に戻ってユーザのログインを待ち受ける。そして、ログインが行われたときには、ログインしたユーザのユーザIDと参加者端末5のIPアドレスを距離算出部32に通知して、当該ユーザについての距離を算出させる(S11〜S13)。
【0121】
そして、S14において、全ユーザがログインを済ませていることを確認した場合には、サーバ会議制御部31は、その旨を距離算出部32に通知する。この通知を受信した距離算出部32は、各ユーザについて算出した距離(役職に応じた重み付け後の距離)の平均値を、メインディスプレイ4の表示倍率決定用の距離である、倍率決定用距離として算出し、算出した倍率決定用距離を表示倍率決定部33に通知する。
【0122】
倍率決定用距離の通知を受信した表示倍率決定部33は、受信した倍率決定用、すなわち各参加者の役職に応じた重み付けを行って算出された距離からメインディスプレイ4の表示倍率を決定する(S15)。具体的には、表示倍率決定部33は、サーバ記憶部10に格納されているディスプレイサイズデータ29を参照して、対象となっている会議室のメインディスプレイ4の画面サイズを特定する。なお、会議室は、会議データ20から特定することができる。そして、表示倍率決定部33は、表示倍率データ28を参照して、特定した画面サイズと、距離算出部32から受信した倍率決定用距離とから表示倍率を決定する。
【0123】
以上のようにして表示倍率を決定した表示倍率決定部33は、決定した表示倍率で画像を表示するように、サーバ通信部14を介して通信端末装置2に指示する(S16)。そして、この指示を受信した通信端末装置2の表示倍率設定部51が、受信した指示に従ってメインディスプレイ4の表示倍率を設定することによって、会議の各参加者の役職に応じた適切な倍率でメインディスプレイ4に画像が表示されることになる。
【0124】
なお、図14の例では、参加ユーザデータ22に含まれる全ユーザがログインしたことが確認された後、表示倍率を決定する例を示したが、全ユーザがログインする前に表示倍率を決定してもよい。例えば、全ユーザがログインする前に、会議または発表の開始時刻となった場合には、その時点でログインしている各ユーザについて算出した距離に基づいて表示倍率を決定してもよい。
【0125】
また、表示倍率の決定は、会議または発表の開始前に1度だけ行うようにしてもよいし、会議または発表中にも行うようにしてもよい。例えば、一定時間毎に会議に参加しているユーザを確認して表示倍率を更新してもよいし、ユーザの出入りや座席変更があったときに表示倍率を更新してもよい。
【0126】
さらに、上記の例では、通信端末装置2の表示倍率設定部51は、表示倍率決定部33が決定した表示倍率で画像を表示させる旨の指示を受信したときに、表示倍率を設定しているが、メインディスプレイ4の表示倍率を設定するタイミングはこの例に限られない。例えば、通信端末装置2のユーザ、つまり発表者が所定の入力操作(例えばメインディスプレイ4に表示させる画像を拡大する入力操作や、発表を開始するための入力操作等)を行ったタイミングで、表示倍率決定部33に指示された表示倍率で表示を行うようにしてもよい。
【0127】
〔変形例〕
上記実施形態では、距離算出部32が参加者の役職を特定し、特定した役職に応じた重み付けを行う例を示したが、参加者に応じた重み付けを行えばよく、重み付けの基準は役職に限られない。例えば、参加者毎に、その役職と無関係に重み(距離倍率)を設定してもよい。また、所属や能力等のような、参加者の属性に応じた重みを設定してもよい。例えば、観者の役職、所属する組織(会社等)、年齢、視力の良し悪し等に応じた重みを設定してもよい。
【0128】
また、上記実施形態では、メインディスプレイ4と参加者端末5との距離が会議室毎に予め固定されており、この距離を示す距離データ25を用いることで、各参加者からメインディスプレイ4までの距離を特定する例を示したが、各参加者からメインディスプレイ4までの距離の特定方法はこの例に限られない。例えば、距離センサ等で距離を測定することで特定してもよい。ただし、メインディスプレイ4と参加者端末5と位置関係が予め固定されているような場合には、本実施形態のように距離データ25を用いて距離を特定する方が、電子会議システム3に距離センサ等を含める必要がなく、好ましい。
【0129】
そして、上記実施形態では、参加者端末5に参加者がログインするときに入力するユーザIDから、各参加者を特定する例を示したが、参加者の特定方法はこれに限られない。例えば、参加者の顔を撮影して、顔認証を行うことによって参加者を特定してもよい。
【0130】
また、上記実施形態では、倍率決定用距離から決定した表示倍率をそのまま適用する例を示したが、倍率決定用距離から決定した表示倍率が妥当な値か確認した上で、最終的な表示倍率を決定するようにしてもよい。
【0131】
例えば、特定の役職について、表示倍率の最小値を予め定めておく。そして、表示倍率決定部33は、上記特定の役職の参加者が含まれている場合に、倍率決定用距離から決定した表示倍率が予め定めた上記最小値より小さいか否かを確認し、小さければ表示倍率を該最小値に設定し、最小値以上であれば表示倍率を倍率決定用距離から決定したものに設定する。これにより、特定の役職の参加者が含まれる場合に、表示倍率が一定以上に小さくなることを防ぐことができる。
【0132】
さらに、上記実施形態では、参加者からメインディスプレイ4までの距離に重み付けを行う例を示したが、各参加者について表示倍率を算出し、算出した各表示倍率について重み付けを行うことによって、メインディスプレイ4の表示倍率を決定してもよい。
【0133】
この場合には、表示倍率決定部33は、距離データ25から各参加者からメインディスプレイ4までの距離を読み出し、表示倍率データ28とディスプレイサイズデータ29とを用いて、読み出した各距離に対応する表示倍率を特定する。つまり、この場合には、表示倍率決定部33は、各参加者の表示倍率を決定する観者別倍率決定手段として機能する。なお、ここで用いる表示倍率データ28は、重み付けした距離から表示倍率を特定するために用いた、図11のようなものであってもよい。
【0134】
そして、表示倍率決定部33は、特定した各表示倍率に、その表示倍率に対応する参加者に応じた重み付けを行い、重み付け後の各表示倍率を平均した表示倍率をメインディスプレイ4の表示倍率とする。つまり、この場合には、表示倍率決定部33は、各参加者の表示倍率に重み付けを行って、メインディスプレイ4の表示倍率を決定する表示倍率決定手段としての機能も果たす。
【0135】
なお、このようにして表示倍率を算出した場合には、表示倍率の値が少数を含む値となることも考えられる。また、メインディスプレイ4の表示倍率が、予め定められた何れかの倍率(例えば、100%、110%、…、200%)にのみ設定可能となっていることも考えられる。このような場合には、表示倍率決定部33は、メインディスプレイ4に設定可能な倍率のうち、算出された倍率に最も近い倍率に設定すればよい。
【0136】
また、表示倍率があまりに大きくなると、メインディスプレイ4に表示されている画像の内容の認識が困難になるので、表示倍率決定部33は、表示倍率が一定以上大きくならないようにすることが好ましい。例えば、算出された倍率が予め定めた閾値(例えば200%)を超えた場合には、表示倍率を上記閾値の値に設定してもよい。
【0137】
最後に、会議サーバ1の各ブロック、特にサーバ制御部11は、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0138】
後者の場合、会議サーバ1は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである会議サーバ1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記会議サーバ1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0139】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0140】
また、会議サーバ1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明は、電子会議システムのように、複数の参加者が1つの表示装置に表示される画像を参照するシステムに利用することができる。
【符号の説明】
【0142】
1 会議サーバ(表示制御装置)
3 電子会議システム(表示制御システム)
4 メインディスプレイ(表示装置)
5 参加者端末(端末装置)
14 サーバ通信部(通信部)
25 距離データ(距離情報)
26 役職データ(属性情報)
27 距離倍率設定データ(重み情報)
28 表示倍率データ(表示倍率情報)
31 サーバ会議制御部(観者特定手段)
32 距離算出部(距離算出手段、属性特定手段)
33 表示倍率決定部(表示倍率決定手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置の画像表示倍率を制御する表示制御装置に関し、より詳細には、複数の観者が閲覧する表示装置の画像表示倍率を、各観者から表示装置までの距離に基づいて制御する表示制御装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、会議や発表等において、パーソナルコンピュータ等の端末装置を用いて、資料等の画像を表示装置に表示させて、各参加者に提示することが広く行われているが、表示装置から遠い参加者にとって、表示装置に表示された画像が見辛いことがある。
【0003】
上記のような端末装置は、表示装置に表示させる画像を拡大及び縮小する機能を有しているものが多いので、画像が見辛い参加者が居る場合には、端末装置を操作して画像を拡大表示させることによって、表示装置から遠い参加者にも画像がよく見えるようにすることができる。
【0004】
また、下記の特許文献1には、表示装置から該表示装置に表示される画像の観者までの距離を測定し、複数の観者について測定した距離の平均値から、上記表示装置に表示させる画像の表示倍率を決定する発明が開示されている。この発明によれば、観者と表示装置との間の距離を考慮した表示倍率で画像が表示されるので、各観者が表示装置に表示された画像の内容を確認しやすくなる。
【0005】
なお、会議において、各参加者の位置に応じた画像を表示する技術としては、例えば下記の特許文献2が挙げられる。特許文献2には、カメラに近い参加者と、カメラから遠い参加者とが同程度の大きさで表示されるように正規化した画像を表示する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−63636号公報(2009年3月26日公開)
【特許文献2】特開2008−545331号公報(2008年12月11日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の従来技術では、表示装置に表示される画像の観者がどのような者であるかが、表示倍率の決定において考慮されないという問題がある。つまり、上記の従来技術では、表示装置に表示される画像を、複数の観者のうち、特定の者が見やすいような表示倍率に必ずしも設定されない。
【0008】
例えば、表示装置に資料を表示してプレゼンテーションを行う場合には、その資料を特に見せたい参加者が存在することが多い。そして、このような参加者が表示装置から離れた座席に着席した場合には、より表示装置に近い座席の他の参加者が存在することによって、資料を特に見せたい参加者に最適な表示倍率を大きく下回る表示倍率に設定されるおそれがある。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、特定の観者が表示装置からどのような距離の位置に居ても、その位置から見やすいような表示倍率を決定することのできる表示制御装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の表示制御装置は、表示装置が表示する画像を観る複数の観者から当該表示装置までの各距離に基づいて、上記表示装置の表示倍率を決定する表示制御装置であって、上記観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、上記複数の観者から上記表示装置までの各距離に重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を用いて倍率決定用距離を算出する距離算出手段と、上記表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記距離算出手段が算出した上記倍率決定用距離に対応する表示倍率を決定する表示倍率決定手段とを備えていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明の表示制御装置の制御方法は、上記の課題を解決するために、表示装置が表示する画像を観る複数の観者から当該表示装置までの各距離に基づいて、上記表示装置の表示倍率を決定する表示制御装置の制御方法であって、上記観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、上記複数の観者から上記表示装置までの各距離に重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を用いて倍率決定用距離を算出する距離算出ステップと、上記表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記距離算出ステップで算出した上記倍率決定用距離に対応する表示倍率を決定する表示倍率決定ステップとを含むことを特徴としている。
【0012】
上記の構成によれば、複数の観者から表示装置までの各距離に、各観者に重みが設定された重み情報を参照して重み付けを行う。そして、重み付け後の各距離を用いて倍率決定用距離を算出し、この倍率決定用距離を用いて表示倍率を決定するので、観者に応じた表示倍率を決定することができる。
【0013】
つまり、上記の構成によれば、観者から表示装置までの距離のみならず、各観者にどのような重みが設定されているかを考慮して表示倍率を決定する。このため、特定の観者が表示装置からどのような距離の位置に居ても、その位置から見やすいような表示倍率を決定することができる。
【0014】
なお、決定した表示倍率で表示装置に表示を行わせる処理は、上記表示制御装置が行ってもよいし、他の装置に行わせてもよい。また、観者から表示装置までの距離は、事前に測定した値を用いてもよいし、距離センサ等を用いて測定してもよい。
【0015】
また、本発明の表示制御装置は、上記の課題を解決するために、表示装置が表示する画像を観る複数の観者から当該表示装置までの各距離に基づいて、上記表示装置の表示倍率を決定する表示制御装置であって、上記観者から上記表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記各観者から上記表示装置までの各距離から、上記各観者について適用すべき表示倍率を決定する観者別倍率決定手段と、上記観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、上記観者別倍率決定手段が決定した各表示倍率に重み付けを行うと共に、重み付け後の各表示倍率を用いて上記表示装置の表示倍率を決定する表示倍率決定手段とを備えていることを特徴としている。
【0016】
また、本発明の表示装置の制御方法は、上記の課題を解決するために、表示装置が表示する画像を観る複数の観者から当該表示装置までの各距離に基づいて、上記表示装置の表示倍率を決定する表示制御装置の制御方法であって、上記観者から上記表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記各観者から上記表示装置までの各距離から、上記各観者について適用すべき表示倍率を決定する観者別倍率決定ステップと、上記観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、上記観者別倍率決定ステップで決定した各表示倍率に重み付けを行うと共に、重み付け後の各表示倍率を用いて上記表示装置の表示倍率を決定する表示倍率決定ステップとを含むことを特徴としている。
【0017】
上記の構成によれば、各観者について適用すべき表示倍率を決定し、各観者に対応する重みが設定された重み情報を参照して、決定した各表示倍率に重み付けを行う。そして、重み付け後の各表示倍率を用いて、表示装置の表示倍率を決定するので、観者に応じた表示倍率を決定することができる。
【0018】
つまり、上記の構成によれば、観者から表示装置までの距離のみならず、各観者にどのような重みが設定されているかを考慮して表示倍率を決定する。このため、特定の観者が表示装置からどのような距離の位置に居ても、その位置から見やすいような表示倍率を決定することができる。
【0019】
また、上記距離算出手段は、重み付け後の各距離の平均値を上記倍率決定用距離として算出することが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、簡易な構成で重み付け後の各距離が反映された倍率決定用距離を算出することができる。
【0021】
また、上記距離算出手段は、上記表示装置から予め定められた距離だけ離れた位置に設置され、上記複数の観者がそれぞれ使用する複数の端末装置のそれぞれから上記表示装置までの距離を示す距離情報から特定した、上記各観者の使用する端末装置から上記表示装置までの各距離を、当該観者から上記表示装置までの各距離として特定することが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、各観者の使用する端末装置から表示装置までの各距離を特定し、特定した距離を複数の観者から表示装置までの各距離として重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を用いて倍率決定用距離を算出する。つまり、観者の使用する端末装置から表示装置までの距離を、該観者から表示装置までの距離とみなして倍率決定用距離を算出する。
【0023】
したがって、上記の構成によれば、観者から表示装置までの距離を測定するための構成を表示制御装置が備えていなくとも、各観者から表示装置までの距離に応じた倍率決定用距離を算出することができる。
【0024】
なお、各端末装置は、表示装置から予め定められた距離だけ離れた位置に設置されているので、各端末装置から表示装置までの各距離を示す距離情報を予め生成することは容易である。
【0025】
また、上記表示制御装置は、上記表示装置から予め定められた距離だけ離れた位置に設置され、上記複数の観者がそれぞれ使用する複数の端末装置と通信する通信部と、上記端末装置に入力された、該端末装置を使用する観者を特定する観者特定情報を、上記通信部を介して受信して、受信した観者特定情報から上記各観者をそれぞれ特定する観者特定手段とを備え、上記距離算出手段は、上記観者特定手段が特定した各観者について、上記重み情報を参照して、当該観者から上記表示装置までの各距離に重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を平均して上記倍率決定用距離を算出することが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、各端末装置に入力された観者特定情報を受信して、受信した観者特定情報から各観者を特定する。したがって、各観者を容易に特定することができる。特に、上記端末装置が、パーソナルコンピュータ等のように、使用時にログインが必要な装置である場合には、ログイン時に観者が入力するログイン情報を上記観者特定情報として用いることもでき、これにより、各観者を簡易な構成で容易に特定することができる。
【0027】
また、上記表示制御装置は、上記各観者の属性を示す属性情報を参照して、上記各観者の属性を特定する属性特定手段を備え、上記重み情報は、上記属性毎に重みが設定されたものであり、上記距離算出手段は、上記重み情報を参照して、上記複数の観者から上記表示装置までの各距離に、上記属性特定手段が特定した属性に応じた重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を平均した倍率決定用距離を算出することが好ましい。
【0028】
上記の構成によれば、各観者の属性を特定し、特定した属性に設定された重みを用いて重み付けを行って倍率決定用距離を算出するので、各観者の属性に応じた表示倍率が決定される。このため、例えば、特定の属性を有する観者が表示装置からどのような距離の位置に居ても、その位置から見やすいような表示倍率を決定することもできる。
【0029】
なお、観者の属性とは、観者の所属や能力等を指す。例えば、観者の役職、所属する組織(会社等)、視力の良し悪し、年齢等を上記の属性としてもよい。
【0030】
また、上記表示制御装置と上記複数の端末装置とを含む表示制御システムであれば、上記表示制御装置と同様の効果を奏する。
【0031】
なお、上記表示制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記表示制御装置の各手段として動作させることにより、上記表示制御装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0032】
以上のように、本発明の表示制御装置は、観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、複数の観者から表示装置までの各距離に重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を用いて倍率決定用距離を算出する距離算出手段と、上記表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記距離算出手段が算出した上記倍率決定用距離に対応する表示倍率を決定する表示倍率決定手段とを備えている構成である。
【0033】
また、本発明の表示制御装置の制御方法は、以上のように、観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、複数の観者から表示装置までの各距離に重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を用いて倍率決定用距離を算出する距離算出ステップと、上記表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記距離算出ステップで算出した上記倍率決定用距離に対応する表示倍率を決定する表示倍率決定ステップとを含む構成である。
【0034】
そして、本発明の表示制御装置は、以上のように観者から表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記各観者から上記表示装置までの各距離から、上記各観者について適用すべき表示倍率を決定する観者別倍率決定手段と、上記観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、上記観者別倍率決定手段が決定した各表示倍率に重み付けを行うと共に、重み付け後の各表示倍率を用いて上記表示装置の表示倍率を決定する表示倍率決定手段とを備えている構成である。
【0035】
また、本発明の表示装置の制御方法は、以上のように、観者から表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記各観者から上記表示装置までの各距離から、上記各観者について適用すべき表示倍率を決定する観者別倍率決定ステップと、上記観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、上記観者別倍率決定ステップで決定した各表示倍率に重み付けを行うと共に、重み付け後の各表示倍率を用いて上記表示装置の表示倍率を決定する表示倍率決定ステップとを含む構成である。
【0036】
上記の構成によれば、観者から表示装置までの距離のみならず、各観者にどのような重みが設定されているかを考慮して表示倍率を決定する。このため、特定の観者が表示装置からどのような距離の位置に居ても、その位置から見やすいような表示倍率を決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、電子会議システムに含まれる会議サーバ及び通信端末装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記電子会議システムの概要を示す図である。
【図3】上記通信端末装置が画像を表示させるメインディスプレイの表示画面の一例を示す図であり、同図(a)は、特定のユーザの座席がメインディスプレイに近い場合の画面例を示し、同図(b)は、特定のユーザの座席がメインディスプレイから遠い場合の画面例を示す図である。
【図4】上記会議サーバが格納する会議データの一例を示す図である。
【図5】上記会議サーバが格納するアジェンダデータの一例を示す図である。
【図6】上記会議サーバが格納する参加ユーザデータの一例を示す図である。
【図7】上記会議サーバが格納する接続端末判別データの一例を示す図である。
【図8】上記会議サーバが格納する距離データを説明する図である。
【図9】上記会議サーバが格納する役職データの一例を示す図である。
【図10】上記会議サーバが格納する距離倍率設定データの一例を示す図である。
【図11】上記会議サーバが格納する表示倍率データの一例を示す図である。
【図12】上記会議サーバが格納するディスプレイサイズデータの一例を示す図である。
【図13】上記会議サーバが実行する会議設定処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】上記会議サーバが実行する表示倍率決定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態について、図1から14に基づいて詳細に説明する。
【0039】
〔システムの概要〕
本実施形態の電子会議システムの概要について、図2に基づいて説明する。図2は、本実施形態にかかる電子会議システム(表示制御システム)3の概要を示す図である。図示のように、電子会議システム3は、会議サーバ(表示制御装置)1と、メインディスプレイ(表示装置)4に接続された通信端末装置2と、参加者端末(端末装置)5とを通信接続してなるシステムである。また、電子会議システム3には、会議の設定等を行うPC6が接続されている。
【0040】
会議サーバ1は、電子会議システム3に含まれる各端末装置(通信端末装置2、参加者端末5、PC6等)と通信して、会議を設定し、実行する。また、会議サーバ1は、メインディスプレイ4の表示倍率を決定する。
【0041】
通信端末装置2は、会議サーバ1と通信して、会議で使用する資料等の画像を受信し、受信した画像をメインディスプレイ4に表示させる。また、通信端末装置2は、会議サーバ1が決定した表示倍率でメインディスプレイ4に画像を表示する。
【0042】
メインディスプレイ4は、通信端末装置2の制御に従って画像を表示する。メインディスプレイ4は、通信端末装置2の制御に従って画像を表示するものであればよく、例えば液晶表示装置やEL表示装置等を適用することもできる。
【0043】
参加者端末5は、会議サーバ1と通信して、会議で使用する資料等の画像を受信し、受信した画像を表示する。なお、ここでは、参加者端末5が表示装置を備えていることを想定しているが、通信端末装置2と同様に、外付けの表示装置に画像を表示させるものであっても構わない。
【0044】
電子会議システム3では、会議の発表者には、通信端末装置2及びメインディスプレイ4が割り当てられ、会議の各参加者には、参加者端末5が1台ずつ割り当てられる。つまり、電子会議システム3では、通信端末装置2は、発表者用の端末としての役割を有し、参加者端末5は、参加者用の端末としての役割を有する。
【0045】
そして、発表者は、通信端末装置2を操作してメインディスプレイ4に表示させる資料を切り替えながら発表を行い、各参加者は、メインディスプレイ4に表示される資料等を見ながら会議に参加する。つまり、各参加者は、メインディスプレイ4に表示される資料等の観者である。また、各参加者は、参加者端末5を操作して、会議サーバ1から資料等を取得し、取得した資料等を参加者端末5に表示させて確認することもできる。
【0046】
会議サーバ1は、各会議室の通信端末装置2及び参加者端末5の要求に応じて、その会議室で行われている会議で用いる資料等の画像を送信する。例えば、同図の会議室nでは、メインディスプレイ4に「資料2」を表示させているが、異なる会議が行われている会議室n+1では、メインディスプレイ4に「資料3」を表示させている。
【0047】
なお、電子会議システム3は、会議や発表以外の用途にも適用可能である。例えば、講師の通信端末装置2と受講生の参加者端末5とを接続して講義を行うことなども可能である。
【0048】
〔主な特徴点〕
続いて、電子会議システム3の主な特徴点について、図3に基づいて説明する。図3は、メインディスプレイ4の表示画面の一例を示す図であり、同図(a)は、特定のユーザの座席がメインディスプレイ4に近い場合の画面例を示し、同図(b)は、特定のユーザの座席がメインディスプレイ4から遠い場合の画面例を示す図である。
【0049】
同図(a)に示すように、ここでは、通信端末装置2に接続されたメインディスプレイ4と、メインディスプレイ4に向かって開口する「コ」の字型のテーブルとが会議室内に配置され、このテーブル上に参加者端末5が配置されていることを想定している。なお、同図には示していないが、通信端末装置2及び参加者端末5は、会議サーバ1に接続されている。
【0050】
また、同図(a)の例では、AさんとBさんが会議の参加者として座席に着いており、Aさんの座席はBさんの座席よりもメインディスプレイ4に近い状態である。そして、ここでは、BさんよりもAさんの見やすさを重視した表示倍率でメインディスプレイ4に画像を表示することを想定している。
【0051】
つまり、同図(a)の例では、メインディスプレイ4に座席の近いAさんの見やすさを重視して、メインディスプレイ4に表示させる画像を通常倍率で表示している。詳細については後述するが、この表示倍率は、会議サーバ1が決定したものである。
【0052】
一方、同図(b)の例では、Aさんの座席とBさんの座席とが、同図(a)の例と逆になっている。つまり、Aさんの座席がメインディスプレイ4から遠い位置に変わり、Bさんの座席がメインディスプレイ4から近い位置に変わっている。
【0053】
このような場合には、会議サーバ1は、メインディスプレイ4から遠い座席のAさんが見やすい表示倍率を決定する。これにより、メインディスプレイ4の表示倍率が変更され、同図(b)に示すように、メインディスプレイ4に表示される画像が拡大される。
【0054】
以上のように、電子会議システム3は、特定のユーザがどの座席に座ったとしても、そのユーザから見やすい倍率でメインディスプレイ4に画像を表示することが主な特徴点である。これにより、特定のユーザにとって、メインディスプレイ4に表示される画像が見やすい状態を常に担保することができる。
【0055】
〔会議サーバ1及び通信端末装置2の要部構成〕
次に、電子会議システム3の詳細について、図1に基づいて説明する。図1は、電子会議システム3に含まれる会議サーバ1及び通信端末装置2の要部構成を示すブロック図である。
【0056】
<会議サーバ1の構成>
図示のように、会議サーバ1は、サーバ記憶部10、サーバ制御部11、サーバ操作部12、サーバ表示部13、及びサーバ通信部(通信部)14を備えている。
【0057】
サーバ制御部11は、会議サーバ1の動作を統括して制御するものであり、会議設定部30、サーバ会議制御部(観者特定手段)31、距離算出部(距離算出手段、属性特定手段)32、及び表示倍率決定部(表示倍率決定手段)33を含む。
【0058】
会議設定部30は、会議設定処理を行って、電子会議システム3による会議を行うために必要な各種データを生成する。なお、会議設定処理の詳細については後述する。
【0059】
サーバ会議制御部31は、会議に関わる制御を行う。具体的には、サーバ会議制御部31は、通信端末装置2及び参加者端末5と通信して、会議の開始及び終了、発表の開始及び終了の制御を行う。また、サーバ会議制御部31は、通信端末装置2または参加者端末5からの要求に応じて、当該通信端末装置2または参加者端末5に資料等の画像を送信する。
【0060】
距離算出部32は、表示倍率決定部33が表示倍率の決定に用いる倍率決定用距離を算出する。より詳細には、距離算出部32は、各参加者端末5のユーザからメインディスプレイ4までの各距離を取得し、取得した各距離に重み付けを行って、重み付け後の各距離を平均して倍率決定用距離を算出する。
【0061】
表示倍率決定部33は、距離算出部32が算出した距離に基づいて、メインディスプレイ4に表示させる画像の表示倍率を決定する。具体的には、表示倍率決定部33は、後述の表示倍率データ28とディスプレイサイズデータ29を参照して、上記の表示倍率を決定する。また、表示倍率決定部33は、決定した表示倍率でメインディスプレイ4に表示を行うように通信端末装置2に指示する。
【0062】
サーバ操作部12は、会議サーバ1に対するユーザの入力操作を受け付けるものである。サーバ操作部12は、ユーザの入力操作を受け付けて、受け付けた操作内容を示す操作信号をサーバ制御部11に送信する機能を有していればよく、例えばキーボードやマウス等で構成することもできる。無論、タッチパネル方式で入力操作を受け付けるものであってもよい。
【0063】
サーバ表示部13は、サーバ制御部11の指示に従って画像を表示するものである。サーバ表示部13は、サーバ制御部11の指示に従って画像を表示するものであればよく、例えば液晶表示装置や有機EL表示装置等で構成することもできる。サーバ表示部13は、会議サーバ1が備えていてもよいし、会議サーバ1と接続された別体の装置であってもよい。
【0064】
なお、会議サーバ1の操作は、該会議サーバ1と通信接続された他の装置(例えば図2のPC6等)から行ってもよく、この場合にはサーバ操作部12及びサーバ表示部13を省略することもできる。
【0065】
サーバ通信部14は、会議サーバ1が他の装置と通信するためのものである。電子会議システム3では、会議サーバ1は、サーバ通信部14を介して通信端末装置2、参加者端末5、及びPC6と通信を行う。
【0066】
サーバ記憶部10は、会議サーバ1で使用する各種データを格納するものである。サーバ記憶部10は、データの記憶及び読み出しが可能なものであればよく、例えばハードディスク等であってもよい。図示のサーバ記憶部10には、会議データ20、アジェンダデータ21、参加ユーザデータ22、発表資料データ23、接続端末判別データ24、距離データ(距離情報)25、役職データ(属性情報)26、距離倍率設定データ(重み情報)27、表示倍率データ(表示倍率情報)28、及びディスプレイサイズデータ29が格納されている。
【0067】
会議データ20は、会議を規定するデータであり、少なくとも会議IDと、会議の開催日時を含む。会議データ20は、例えば図4のようなデータであってもよい。図5は、会議データ20の一例を示す図である。
【0068】
図4の会議データ20は、会議IDと、会議名と、開催日時と、使用する会議室名とが対応付けられたデータである。これにより、いつ、どこで、どのような会議が開催されるかを特定することができる。例えば、2010年3月5日の10:00〜11:00に、第1会議室で会議1が行われることを特定することができる。
【0069】
アジェンダデータ21は、会議データ20で特定される各会議の議事進行を示すデータである。アジェンダデータ21は、会議において誰がどのような順序で発表するかを示すデータであり、例えば図5のようなデータであってもよい。図5は、アジェンダデータ21の一例を示す図である。
【0070】
図5のアジェンダデータ21は、会議IDと、アジェンダ名と、発表者氏名と、発表時間と、発表資料と、発表順番とが対応付けられたデータである。これにより、会議データ20の会議IDで特定される各会議について、いつ、誰が、どのような資料を用いて発表を行うかを特定することができる。
【0071】
なお、図5の例では、発表者を特定するために発表者氏名を用いているが、発表者を特定できる情報であれば発表者氏名以外の情報を用いてもよい。例えば、発表者の氏を用いて発表者を特定してもよいし、ID等によって発表者を特定してもよい。
【0072】
参加ユーザデータ22は、会議データ20で特定される各会議の参加者(発表者を含む)を特定するためのデータである。参加ユーザデータ22は、例えば図6のようなデータであってもよい。図6は、参加ユーザデータ22の一例を示す図である。
【0073】
図6の参加ユーザデータ22は、会議IDと、ユーザIDと、ユーザ氏名と、会議におけるロール(役割)とが対応付けられたデータである。これにより、会議データ20の会議IDで特定される各会議について、誰が、どのような役割で参加するかを特定することができる。なお、図示の例では、発表を行うユーザのロールを「発表者/参加者」とし、発表を行わないユーザのロールを「参加者」としている。なお、「発表者/参加者」は、発表を行うと共に、発表時以外は参加者として会議に参加することを意味している。
【0074】
発表資料データ23は、発表に用いる資料のデータである。アジェンダデータ21に「発表資料」として登録された資料のデータが、発表資料データ23としてサーバ記憶部10に格納される。
【0075】
接続端末判別データ24は、電子会議システム3に通信端末装置2または参加者端末5によるログインが行われたときに、サーバ会議制御部31が生成するデータであり、ログインに用いられた端末を特定する情報と、その端末でログインしているユーザを特定する情報とが対応付けられたデータである。接続端末判別データ24は、例えば図7のようなデータであってもよい。図7は、接続端末判別データ24の一例を示す図である。
【0076】
図7の接続端末判別データ24は、ユーザIDと、通信端末装置2または参加者端末5のIPアドレスと、会議IDとが対応付けられたデータである。これにより、ある会議において、どのユーザが通信端末装置2を使用しているか、またどのユーザがどの参加者端末5を使用しているかを特定することができる。
【0077】
距離データ25は、電子会議システム3による会議が行われる各会議室における、メインディスプレイ4と、各参加者端末5との距離を示すデータである。距離データ25は、例えば図8のようなデータであってもよい。図8は、距離データ25を説明する図である。
【0078】
図8の距離データ25は、各会議室における、参加者端末5を特定する端末番号と、該端末番号で特定される参加者端末5からメインディスプレイ4までの距離と、該端末番号で特定される参加者端末5のIPアドレスとが対応付けられたデータである。
【0079】
つまり、同図に示すように、ここでは、会議室の各参加者端末5に端末番号を付与している。そして、各参加者端末5からメインディスプレイ4までの距離を測定し、測定した距離と、当該参加者端末5の端末番号と、IPアドレスとを対応付けた距離データ25を会議室毎に作成して、予めサーバ記憶部10に格納しておくことを想定している。
【0080】
ここでは、各会議室におけるメインディスプレイ4と参加者端末5の位置関係が固定されていることを想定している。また、各参加者は、自分の使用する参加者端末5の正面に着席するので、参加者端末5からメインディスプレイ4までの距離は、その参加者端末5を使用する参加者からメインディスプレイ4までの距離と概ね一致する。このため、会議サーバ1は、距離データ25が示す距離を参加者からメインディスプレイ4までの距離とみなして表示倍率を決定する。
【0081】
役職データ26は、会議に参加する可能性のある各ユーザの役職を示すデータである。役職データ26は、例えば図9のようなデータであってもよい。図9は、役職データ26の一例を示す図である。
【0082】
図9の役職データ26は、ユーザIDと、該ユーザIDで特定されるユーザの氏名と、該ユーザの役職とが対応付けられたデータである。これにより、ユーザIDから役職を特定することができる。なお、役職データ26には、ユーザの氏名は含まれていなくてもよいが、氏名を含めることによって役職データ26の管理、修正等が容易になるメリットがある。
【0083】
距離倍率設定データ27は、参加者のそれぞれに対応する重みを規定するデータであり、距離倍率設定データ27に従って重み付けを行うことによって倍率決定用距離が算出される。距離倍率設定データ27は、例えば図10のようなデータであってもよい。図10は、距離倍率設定データ27の一例を示す図である。
【0084】
図10の距離倍率設定データ27は、役職と距離倍率とが対応付けられたデータである。各参加者の役職は、役職データ26から特定されるので、役職データ26と距離倍率設定データ27とを用いることにより、各参加者に設定する重み(倍率)を特定することができる。図示の距離倍率設定データ27では、上位の役職ほど重み(倍率)が大きくなっており、これにより、上位の役職の参加者が居る場合に表示倍率が高く設定されることになる。
【0085】
表示倍率データ28は、メインディスプレイ4までの距離と、参加者から該距離だけ離れたメインディスプレイ4において適用すべき表示倍率とが対応付けられたデータである。言い換えれば、表示倍率データ28は、参加者端末5からメインディスプレイ4までの距離に応じた、該参加者端末5を使用する参加者がメインディスプレイ4に表示される画像を見やすい表示倍率を示すデータである。表示倍率データ28は、例えば図11に示すようなデータであってもよい。図11は、表示倍率データ28の一例を示す図である。
【0086】
図11の表示倍率データ28は、距離の範囲と表示倍率が対応付けられたデータである。また、図11の表示倍率データ28では、メインディスプレイ4の画面サイズ毎に表示倍率が設定されている。メインディスプレイ4の画面サイズが変われば、ユーザが見やすい表示倍率も変わるからである。
【0087】
これにより、参加者端末5からメインディスプレイ4までの距離に応じた、該参加者端末5のユーザがメインディスプレイ4に表示される画像を見やすい表示倍率を、メインディスプレイ4の画面サイズ毎に特定することができる。
【0088】
例えば、ある参加者端末5からメインディスプレイ4までの距離が5.5mである場合を考える。この場合に図11の表示倍率データ28を用いることによって、メインディスプレイ4が46インチであれば140%に拡大表示し、52インチであれば120%に拡大表示し、60インチであれば100%で表示することで、当該参加者端末5のユーザが見やすい表示倍率となることが特定できる。
【0089】
また、図11の表示倍率データ28では、表示倍率の最大値が200%(2倍に拡大)に設定されている。そして、100%(拡大なし)から200%の間で、距離が大きくなるほど、表示倍率が大きくなるように設定されている。このように、表示倍率の上限値を設けることによって、表示倍率が大きくなりすぎて表示内容の認識が困難となることを防ぐことができる。
【0090】
ディスプレイサイズデータ29は、各会議室に設置されているメインディスプレイ4の画面サイズを示すデータである。ディスプレイサイズデータ29は、例えば図12に示すようなデータであってもよい。図12は、ディスプレイサイズデータ29の一例を示す図である。
【0091】
図12のディスプレイサイズデータ29は、会議室名とその会議室に設置されているメインディスプレイ4のディスプレイサイズ(画面サイズ)が対応付けられたデータである。これにより、各会議室で使用しているメインディスプレイ4の画面サイズを特定することができる。ディスプレイサイズデータ29は、表示倍率データ28から表示倍率を決定するときに用いられる。
【0092】
会議サーバ1は、以上のようなデータを用いてメインディスプレイ4の表示倍率を決定する。すなわち、会議サーバ1は、距離倍率設定データ27で特定した重みを、距離データ25が示す、メインディスプレイ4から参加者端末5までの距離に乗じて、各参加者の重み付け距離を算出し、この重み付け距離から倍率決定用距離を算出する。そして、このようにして算出した倍率決定用距離と、ディスプレイサイズデータ29と、表示倍率データ28とを用いてメインディスプレイ4の表示倍率を決定する。
【0093】
表示倍率データ28では、距離が大きいほど表示倍率が高くなっているので、重み付けされた距離を用いることによって、重み付けされていない距離を用いる場合と比べて高い表示倍率が決定される。すなわち、大きな重みが設定された役職の参加者が存在する場合ほど表示倍率が高くなり、その役職の参加者にとって見やすい表示が行われることになる。
【0094】
<会議設定処理>
続いて、サーバ記憶部10に記憶される上記の各データを生成する会議設定処理について、図13に基づいて説明する。図13は、会議設定処理の一例を示すフローチャートである。会議設定処理は、例えば図2のPC6等のように、会議サーバ1に通信接続された端末装置からの制御に従って、会議サーバ1の会議設定部30が行う処理である。なお、会議設定処理は、会議サーバ1のサーバ操作部12への入力操作で行うこともできる。
【0095】
まず、会議設定部30は、会議データ20を作成する(S1)。具体的には、会議設定部30は、会議名と、開催日時と、会議室とを、例えば図2のPC4からユーザに入力させ、入力されたこれらのデータに会議IDを付して、図4に示したような会議データ20を生成する。
【0096】
次に、会議設定部30は、アジェンダデータ21を作成する(S2)。具体的には、会議設定部30は、アジェンダ名と、発表者氏名と、発表時間と、発表に用いる資料名と、発表順とをユーザに入力させ、入力されたこれらのデータに会議IDを付して、図5に示したようなアジェンダデータ21を生成する。
【0097】
続いて、会議設定部30は、参加者の登録を行う(S3)。具体的には、会議設定部30は、ユーザIDと、ユーザ氏名とをユーザに入力させる。そして、入力させたID及び氏名に、ロール(会議における役割、すなわち参加者または発表者)と会議IDとを対応付けて、図6に示したような参加ユーザデータ22を生成する。
【0098】
なお、アジェンダデータ21に発表者として登録されているユーザは、発表を行っていないときには参加者として参加することになるので、ロールを「発表者/参加者」とし、アジェンダデータ21に発表者として登録されていないユーザについては、ロールを「参加者」とする。しかしながら、この例に限られず、例えば発表のみを行って、他の発表者の発表は聞かずに退席するような場合には、「発表者」と登録してもよい。また、ロールをユーザに選択させるようにしてもよい。
【0099】
次に、会議設定部30は、距離倍率設定データ27を作成する(S4)。具体的には、会議設定部30は、役職名とその役職名の距離倍率とをユーザに入力させて、図10に示したような距離倍率設定データ27を生成する。なお、距離倍率設定データ27の作成は、ユーザが特に指定した場合にのみ行うようにして、それ以外の場合には、予め定められた初期値に設定された距離倍率設定データ27を用いてもよい。
【0100】
以上により、会議の設定に必要なデータが全て作成され、会議設定部30は、作成した各データをサーバ記憶部10に格納し、会議作成は終了する(S5)。
【0101】
<通信端末装置2及びメインディスプレイ4の構成>
次に、図1に基づいて通信端末装置2及びメインディスプレイ4の構成について説明する。図1に示すように、通信端末装置2は、端末操作部40、端末制御部41、端末記憶部42、及び端末通信部43を備えている。
【0102】
端末操作部40は、通信端末装置2に対するユーザの入力操作を受け付けるものである。端末操作部40は、ユーザの入力操作を受け付けて、受け付けた操作内容を示す操作信号を端末制御部41に送信するものであればよく、例えばマウスやキーボード等で構成してもよい。
【0103】
端末制御部41は、通信端末装置2の動作を統括して制御するものであり、端末会議制御部50と表示倍率設定部51とを含む。
【0104】
端末会議制御部50は、会議に関わる制御を行う。具体的には、端末会議制御部50は、サーバ会議制御部31と通信して、会議の開始及び終了、発表の開始及び終了の制御を行う。また、端末会議制御部50は、サーバ会議制御部31と通信して、通信端末装置2がメインディスプレイ4に表示させる画像が、各参加者端末5でも表示されるように制御する。
【0105】
これは、端末会議制御部50が、メインディスプレイ4に表示させている画像をサーバ会議制御部31に送信し、サーバ会議制御部31が、受信した画像を、各参加者端末5に送信して表示させることによって実現される。なお、端末操作部40が受け付けた入力操作の内容をサーバ会議制御部31に通知して、この通知を受けたサーバ会議制御部31が通知内容に応じた画像を生成し、生成した画像を通信端末装置2及び各参加者端末5に送信することで実現することもできる。
【0106】
表示倍率設定部51は、メインディスプレイ4に表示させる画像の拡大倍率を設定する。具体的には、表示倍率設定部51は、会議サーバ1の表示倍率決定部33から指示された拡大倍率でメインディスプレイ4に画像を表示させる。
【0107】
端末記憶部42は、通信端末装置2が使用する各種データを格納するものである。端末記憶部42は、データの記憶及び読み出しが可能なものであればよく、例えばハードディスク等であってもよい。
【0108】
端末通信部43は、通信端末装置2が他の装置と通信するためのものである。電子会議システム3では、通信端末装置2は、端末通信部43を介して会議サーバ1と通信を行う。
【0109】
メインディスプレイ4は、端末制御部41の指示に従って画像を表示する表示装置である。また、メインディスプレイ4は、ユーザの入力操作を検出して操作信号を生成する、通信端末装置2の入力装置としても機能する。メインディスプレイ4は、画像の表示機能とユーザの入力操作検出機能とを有しているものであればよく、例えばタッチパネルや光センサ内蔵液晶表示装置等であってもよい。
【0110】
これにより、発表者は、メインディスプレイ4の表示面に触れることによって、通信端末装置2を操作し、表示する資料を切り替えたり、表示されている資料を拡大表示させたり、資料に手書きで文字を書き込んだりすることができる。
【0111】
なお、ここでは、通信端末装置2とメインディスプレイ4と別体に構成されている例を示しているが、通信端末装置2とメインディスプレイ4とが1つの装置として一体に構成されていてもよい。また、通信端末装置2は、端末操作部40を備えているので、メインディスプレイ4がタッチパネル機能を有していることは必須ではない。ただし、発表者がスムーズに発表をできるようにするために、メインディスプレイ4はタッチパネル機能を有していることが好ましい。
【0112】
〔表示倍率決定処理の流れ〕
続いて、会議サーバ1が実行する表示倍率決定処理の流れを図14に基づいて説明する。図14は、表示倍率決定処理の一例を示すフローチャートである。なお、表示倍率決定処理は、図13に示すような会議設定処理が行われて、会議サーバ1のサーバ記憶部10に会議データ20等が格納された後で行われる。
【0113】
サーバ会議制御部31は、ユーザのログインを監視している(S10)。なお、ここでは、会議の発表者が通信端末装置2に自己のユーザIDを入力してログインし、同様に各参加者は会議室内に配置された何れかの参加者端末5にユーザID(観者特定情報)を入力してログインすることを想定している。そして、ユーザがログインした端末(通信端末装置2または参加者端末5)は、入力されたユーザIDと自端末のIPアドレスとを対応付けて会議サーバ1に送信することを想定している。このため、サーバ会議制御部31は、ユーザIDとIPアドレスとを受信したときに、ログインが行われたと判断することができる。
【0114】
そして、ログインが行われたと判断したとき(S10でYES)には、サーバ会議制御部31は、ログインしたユーザのユーザIDと、該ユーザが使用する端末のIPアドレスと、これから開始する会議の会議IDとを対応付けて、図7に示したような接続端末判別データ24を生成する。
【0115】
また、サーバ会議制御部31は、参加者端末5へのログインが行われた場合には、当該参加者端末5のIPアドレス及び当該ユーザのユーザIDを距離算出部32に通知する。なお、ログインに用いられた端末が通信端末装置2であるか、参加者端末5であるかは、例えばアジェンダデータ21で確認してもよいし、通信端末装置2のIPアドレスを予め取得しておくことで確認してもよい。
【0116】
参加者端末5のIPアドレス及びユーザIDを受信した距離算出部32は、当該参加者端末5とメインディスプレイ4との距離を特定する(S11)。具体的には、距離算出部32は、サーバ記憶部10に格納されている距離データ25を参照して、サーバ会議制御部31から受信したIPアドレスに対応付けられている距離を特定する。
【0117】
続いて、距離算出部32は、ログインしたユーザの役職を特定する(S12)。具体的には、距離算出部32は、サーバ記憶部10に格納されている役職データ26を参照して、サーバ会議制御部31から受信したユーザIDに対応付けられている役職を特定する。
【0118】
次に、距離算出部32は、S12で特定した役職に応じた距離を算出する(S13)。具体的には、距離算出部32は、サーバ記憶部10に格納されている距離倍率設定データ27を参照して、S12で特定した役職に対応付けられている距離倍率を特定する。そして、特定した距離倍率をS11で特定した距離に乗じて、役職に応じた距離を算出する。また、距離算出部32は、距離の算出が終了した旨、サーバ会議制御部31に通知する。
【0119】
次に、距離算出部32から距離の算出が終了した旨の通知を受信したサーバ会議制御部31は、今回の会議に参加予定の全ユーザがログインを済ませているか確認する(S14)。具体的には、サーバ会議制御部31は、サーバ記憶部10の参加ユーザデータ22と接続端末判別データ24とを参照して、参加ユーザデータ22に含まれる全てのユーザIDが接続端末判別データ24に含まれているか確認する。そして、含まれている場合には全ユーザがログインを済ませていると判断し、含まれていないユーザIDが存在する場合には、ログインを済ませていないユーザが存在すると判断する。
【0120】
ここで、ログインを済ませていないユーザが存在することが確認された場合(S14でNO)には、サーバ会議制御部31は、S10の処理に戻ってユーザのログインを待ち受ける。そして、ログインが行われたときには、ログインしたユーザのユーザIDと参加者端末5のIPアドレスを距離算出部32に通知して、当該ユーザについての距離を算出させる(S11〜S13)。
【0121】
そして、S14において、全ユーザがログインを済ませていることを確認した場合には、サーバ会議制御部31は、その旨を距離算出部32に通知する。この通知を受信した距離算出部32は、各ユーザについて算出した距離(役職に応じた重み付け後の距離)の平均値を、メインディスプレイ4の表示倍率決定用の距離である、倍率決定用距離として算出し、算出した倍率決定用距離を表示倍率決定部33に通知する。
【0122】
倍率決定用距離の通知を受信した表示倍率決定部33は、受信した倍率決定用、すなわち各参加者の役職に応じた重み付けを行って算出された距離からメインディスプレイ4の表示倍率を決定する(S15)。具体的には、表示倍率決定部33は、サーバ記憶部10に格納されているディスプレイサイズデータ29を参照して、対象となっている会議室のメインディスプレイ4の画面サイズを特定する。なお、会議室は、会議データ20から特定することができる。そして、表示倍率決定部33は、表示倍率データ28を参照して、特定した画面サイズと、距離算出部32から受信した倍率決定用距離とから表示倍率を決定する。
【0123】
以上のようにして表示倍率を決定した表示倍率決定部33は、決定した表示倍率で画像を表示するように、サーバ通信部14を介して通信端末装置2に指示する(S16)。そして、この指示を受信した通信端末装置2の表示倍率設定部51が、受信した指示に従ってメインディスプレイ4の表示倍率を設定することによって、会議の各参加者の役職に応じた適切な倍率でメインディスプレイ4に画像が表示されることになる。
【0124】
なお、図14の例では、参加ユーザデータ22に含まれる全ユーザがログインしたことが確認された後、表示倍率を決定する例を示したが、全ユーザがログインする前に表示倍率を決定してもよい。例えば、全ユーザがログインする前に、会議または発表の開始時刻となった場合には、その時点でログインしている各ユーザについて算出した距離に基づいて表示倍率を決定してもよい。
【0125】
また、表示倍率の決定は、会議または発表の開始前に1度だけ行うようにしてもよいし、会議または発表中にも行うようにしてもよい。例えば、一定時間毎に会議に参加しているユーザを確認して表示倍率を更新してもよいし、ユーザの出入りや座席変更があったときに表示倍率を更新してもよい。
【0126】
さらに、上記の例では、通信端末装置2の表示倍率設定部51は、表示倍率決定部33が決定した表示倍率で画像を表示させる旨の指示を受信したときに、表示倍率を設定しているが、メインディスプレイ4の表示倍率を設定するタイミングはこの例に限られない。例えば、通信端末装置2のユーザ、つまり発表者が所定の入力操作(例えばメインディスプレイ4に表示させる画像を拡大する入力操作や、発表を開始するための入力操作等)を行ったタイミングで、表示倍率決定部33に指示された表示倍率で表示を行うようにしてもよい。
【0127】
〔変形例〕
上記実施形態では、距離算出部32が参加者の役職を特定し、特定した役職に応じた重み付けを行う例を示したが、参加者に応じた重み付けを行えばよく、重み付けの基準は役職に限られない。例えば、参加者毎に、その役職と無関係に重み(距離倍率)を設定してもよい。また、所属や能力等のような、参加者の属性に応じた重みを設定してもよい。例えば、観者の役職、所属する組織(会社等)、年齢、視力の良し悪し等に応じた重みを設定してもよい。
【0128】
また、上記実施形態では、メインディスプレイ4と参加者端末5との距離が会議室毎に予め固定されており、この距離を示す距離データ25を用いることで、各参加者からメインディスプレイ4までの距離を特定する例を示したが、各参加者からメインディスプレイ4までの距離の特定方法はこの例に限られない。例えば、距離センサ等で距離を測定することで特定してもよい。ただし、メインディスプレイ4と参加者端末5と位置関係が予め固定されているような場合には、本実施形態のように距離データ25を用いて距離を特定する方が、電子会議システム3に距離センサ等を含める必要がなく、好ましい。
【0129】
そして、上記実施形態では、参加者端末5に参加者がログインするときに入力するユーザIDから、各参加者を特定する例を示したが、参加者の特定方法はこれに限られない。例えば、参加者の顔を撮影して、顔認証を行うことによって参加者を特定してもよい。
【0130】
また、上記実施形態では、倍率決定用距離から決定した表示倍率をそのまま適用する例を示したが、倍率決定用距離から決定した表示倍率が妥当な値か確認した上で、最終的な表示倍率を決定するようにしてもよい。
【0131】
例えば、特定の役職について、表示倍率の最小値を予め定めておく。そして、表示倍率決定部33は、上記特定の役職の参加者が含まれている場合に、倍率決定用距離から決定した表示倍率が予め定めた上記最小値より小さいか否かを確認し、小さければ表示倍率を該最小値に設定し、最小値以上であれば表示倍率を倍率決定用距離から決定したものに設定する。これにより、特定の役職の参加者が含まれる場合に、表示倍率が一定以上に小さくなることを防ぐことができる。
【0132】
さらに、上記実施形態では、参加者からメインディスプレイ4までの距離に重み付けを行う例を示したが、各参加者について表示倍率を算出し、算出した各表示倍率について重み付けを行うことによって、メインディスプレイ4の表示倍率を決定してもよい。
【0133】
この場合には、表示倍率決定部33は、距離データ25から各参加者からメインディスプレイ4までの距離を読み出し、表示倍率データ28とディスプレイサイズデータ29とを用いて、読み出した各距離に対応する表示倍率を特定する。つまり、この場合には、表示倍率決定部33は、各参加者の表示倍率を決定する観者別倍率決定手段として機能する。なお、ここで用いる表示倍率データ28は、重み付けした距離から表示倍率を特定するために用いた、図11のようなものであってもよい。
【0134】
そして、表示倍率決定部33は、特定した各表示倍率に、その表示倍率に対応する参加者に応じた重み付けを行い、重み付け後の各表示倍率を平均した表示倍率をメインディスプレイ4の表示倍率とする。つまり、この場合には、表示倍率決定部33は、各参加者の表示倍率に重み付けを行って、メインディスプレイ4の表示倍率を決定する表示倍率決定手段としての機能も果たす。
【0135】
なお、このようにして表示倍率を算出した場合には、表示倍率の値が少数を含む値となることも考えられる。また、メインディスプレイ4の表示倍率が、予め定められた何れかの倍率(例えば、100%、110%、…、200%)にのみ設定可能となっていることも考えられる。このような場合には、表示倍率決定部33は、メインディスプレイ4に設定可能な倍率のうち、算出された倍率に最も近い倍率に設定すればよい。
【0136】
また、表示倍率があまりに大きくなると、メインディスプレイ4に表示されている画像の内容の認識が困難になるので、表示倍率決定部33は、表示倍率が一定以上大きくならないようにすることが好ましい。例えば、算出された倍率が予め定めた閾値(例えば200%)を超えた場合には、表示倍率を上記閾値の値に設定してもよい。
【0137】
最後に、会議サーバ1の各ブロック、特にサーバ制御部11は、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0138】
後者の場合、会議サーバ1は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである会議サーバ1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記会議サーバ1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0139】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0140】
また、会議サーバ1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0141】
本発明は、電子会議システムのように、複数の参加者が1つの表示装置に表示される画像を参照するシステムに利用することができる。
【符号の説明】
【0142】
1 会議サーバ(表示制御装置)
3 電子会議システム(表示制御システム)
4 メインディスプレイ(表示装置)
5 参加者端末(端末装置)
14 サーバ通信部(通信部)
25 距離データ(距離情報)
26 役職データ(属性情報)
27 距離倍率設定データ(重み情報)
28 表示倍率データ(表示倍率情報)
31 サーバ会議制御部(観者特定手段)
32 距離算出部(距離算出手段、属性特定手段)
33 表示倍率決定部(表示倍率決定手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置が表示する画像を観る複数の観者から当該表示装置までの各距離に基づいて、上記表示装置の表示倍率を決定する表示制御装置であって、
上記観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、上記複数の観者から上記表示装置までの各距離に重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を用いて倍率決定用距離を算出する距離算出手段と、
上記表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記距離算出手段が算出した上記倍率決定用距離に対応する表示倍率を決定する表示倍率決定手段とを備えていることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
表示装置が表示する画像を観る複数の観者から当該表示装置までの各距離に基づいて、上記表示装置の表示倍率を決定する表示制御装置であって、
上記観者から上記表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記各観者から上記表示装置までの各距離から、上記各観者について適用すべき表示倍率を決定する観者別倍率決定手段と、
上記観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、上記観者別倍率決定手段が決定した各表示倍率に重み付けを行うと共に、重み付け後の各表示倍率を用いて上記表示装置の表示倍率を決定する表示倍率決定手段とを備えていることを特徴とする表示制御装置。
【請求項3】
上記距離算出手段は、重み付け後の各距離の平均値を上記倍率決定用距離として算出することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項4】
上記距離算出手段は、上記表示装置から予め定められた距離だけ離れた位置に設置され、上記複数の観者がそれぞれ使用する複数の端末装置のそれぞれから上記表示装置までの距離を示す距離情報から特定した、上記各観者の使用する端末装置から上記表示装置までの各距離を、当該観者から上記表示装置までの各距離として特定することを特徴とする請求項1または3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
上記表示装置から予め定められた距離だけ離れた位置に設置され、上記複数の観者がそれぞれ使用する複数の端末装置と通信する通信部と、
上記端末装置に入力された、該端末装置を使用する観者を特定する観者特定情報を、上記通信部を介して受信して、受信した観者特定情報から上記各観者をそれぞれ特定する観者特定手段とを備え、
上記距離算出手段は、上記観者特定手段が特定した各観者について、上記重み情報を参照して、当該観者から上記表示装置までの各距離に重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を平均して上記倍率決定用距離を算出することを特徴とする請求項1、3、及び4の何れか1項に記載の表示制御装置。
【請求項6】
上記各観者の属性を示す属性情報を参照して、上記各観者の属性を特定する属性特定手段を備え、
上記重み情報は、上記属性毎に重みが設定されたものであり、
上記距離算出手段は、上記重み情報を参照して、上記複数の観者から上記表示装置までの各距離に、上記属性特定手段が特定した属性に応じた重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を平均した倍率決定用距離を算出することを特徴とする請求項1、3、4、及び5の何れか1項に記載の表示制御装置。
【請求項7】
請求項4に記載の表示制御装置と上記複数の端末装置とを含む表示制御システム。
【請求項8】
表示装置が表示する画像を観る複数の観者から当該表示装置までの各距離に基づいて、上記表示装置の表示倍率を決定する表示制御装置の制御方法であって、
上記観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、上記複数の観者から上記表示装置までの各距離に重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を用いて倍率決定用距離を算出する距離算出ステップと、
上記表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記距離算出ステップで算出した上記倍率決定用距離に対応する表示倍率を決定する表示倍率決定ステップとを含むことを特徴とする表示制御装置の制御方法。
【請求項9】
表示装置が表示する画像を観る複数の観者から当該表示装置までの各距離に基づいて、上記表示装置の表示倍率を決定する表示制御装置の制御方法であって、
上記観者から上記表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記各観者から上記表示装置までの各距離から、上記各観者について適用すべき表示倍率を決定する観者別倍率決定ステップと、
上記観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、上記観者別倍率決定ステップで決定した各表示倍率に重み付けを行うと共に、重み付け後の各表示倍率を用いて上記表示装置の表示倍率を決定する表示倍率決定ステップとを含むことを特徴とする表示制御装置の制御方法。
【請求項10】
請求項1から6の何れか1項に記載の表示制御装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
表示装置が表示する画像を観る複数の観者から当該表示装置までの各距離に基づいて、上記表示装置の表示倍率を決定する表示制御装置であって、
上記観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、上記複数の観者から上記表示装置までの各距離に重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を用いて倍率決定用距離を算出する距離算出手段と、
上記表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記距離算出手段が算出した上記倍率決定用距離に対応する表示倍率を決定する表示倍率決定手段とを備えていることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
表示装置が表示する画像を観る複数の観者から当該表示装置までの各距離に基づいて、上記表示装置の表示倍率を決定する表示制御装置であって、
上記観者から上記表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記各観者から上記表示装置までの各距離から、上記各観者について適用すべき表示倍率を決定する観者別倍率決定手段と、
上記観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、上記観者別倍率決定手段が決定した各表示倍率に重み付けを行うと共に、重み付け後の各表示倍率を用いて上記表示装置の表示倍率を決定する表示倍率決定手段とを備えていることを特徴とする表示制御装置。
【請求項3】
上記距離算出手段は、重み付け後の各距離の平均値を上記倍率決定用距離として算出することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項4】
上記距離算出手段は、上記表示装置から予め定められた距離だけ離れた位置に設置され、上記複数の観者がそれぞれ使用する複数の端末装置のそれぞれから上記表示装置までの距離を示す距離情報から特定した、上記各観者の使用する端末装置から上記表示装置までの各距離を、当該観者から上記表示装置までの各距離として特定することを特徴とする請求項1または3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
上記表示装置から予め定められた距離だけ離れた位置に設置され、上記複数の観者がそれぞれ使用する複数の端末装置と通信する通信部と、
上記端末装置に入力された、該端末装置を使用する観者を特定する観者特定情報を、上記通信部を介して受信して、受信した観者特定情報から上記各観者をそれぞれ特定する観者特定手段とを備え、
上記距離算出手段は、上記観者特定手段が特定した各観者について、上記重み情報を参照して、当該観者から上記表示装置までの各距離に重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を平均して上記倍率決定用距離を算出することを特徴とする請求項1、3、及び4の何れか1項に記載の表示制御装置。
【請求項6】
上記各観者の属性を示す属性情報を参照して、上記各観者の属性を特定する属性特定手段を備え、
上記重み情報は、上記属性毎に重みが設定されたものであり、
上記距離算出手段は、上記重み情報を参照して、上記複数の観者から上記表示装置までの各距離に、上記属性特定手段が特定した属性に応じた重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を平均した倍率決定用距離を算出することを特徴とする請求項1、3、4、及び5の何れか1項に記載の表示制御装置。
【請求項7】
請求項4に記載の表示制御装置と上記複数の端末装置とを含む表示制御システム。
【請求項8】
表示装置が表示する画像を観る複数の観者から当該表示装置までの各距離に基づいて、上記表示装置の表示倍率を決定する表示制御装置の制御方法であって、
上記観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、上記複数の観者から上記表示装置までの各距離に重み付けを行うと共に、重み付け後の各距離を用いて倍率決定用距離を算出する距離算出ステップと、
上記表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記距離算出ステップで算出した上記倍率決定用距離に対応する表示倍率を決定する表示倍率決定ステップとを含むことを特徴とする表示制御装置の制御方法。
【請求項9】
表示装置が表示する画像を観る複数の観者から当該表示装置までの各距離に基づいて、上記表示装置の表示倍率を決定する表示制御装置の制御方法であって、
上記観者から上記表示装置までの距離と、観者から該距離だけ離れた表示装置において適用すべき表示倍率とが対応付けられた表示倍率情報を参照して、上記各観者から上記表示装置までの各距離から、上記各観者について適用すべき表示倍率を決定する観者別倍率決定ステップと、
上記観者のそれぞれに対応する重みが設定された重み情報を参照して、上記観者別倍率決定ステップで決定した各表示倍率に重み付けを行うと共に、重み付け後の各表示倍率を用いて上記表示装置の表示倍率を決定する表示倍率決定ステップとを含むことを特徴とする表示制御装置の制御方法。
【請求項10】
請求項1から6の何れか1項に記載の表示制御装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを上記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図4】
【図2】
【図3】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図4】
【公開番号】特開2011−227150(P2011−227150A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−94428(P2010−94428)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]