表示制御装置、表示制御方法及びコンピュータプログラム
【課題】利便性の高い表示制御技術を提供する。
【解決手段】表示制御装置の一例であるゲーム装置10は、三次元空間に配置されたオブジェクトを透視投影によりレンダリングして表示装置68に表示する描画部43と、表示装置68の画面におけるオブジェクトを表示すべき位置にオブジェクトが表示されるように、三次元空間におけるオブジェクトの配置位置を調整する位置調整部44とを備える。
【解決手段】表示制御装置の一例であるゲーム装置10は、三次元空間に配置されたオブジェクトを透視投影によりレンダリングして表示装置68に表示する描画部43と、表示装置68の画面におけるオブジェクトを表示すべき位置にオブジェクトが表示されるように、三次元空間におけるオブジェクトの配置位置を調整する位置調整部44とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術に関し、とくに、透視投影により三次元空間を描画する表示制御装置及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータや、スマートフォンなどにおいては、データやアプリケーションなどに対応するアイコンを表示装置の画面に表示し、アイコンをダブルクリックするなどの操作入力を受け付けると、そのアイコンに対応するデータを表示したり、アプリケーションを起動したりするユーザインタフェースが広く採用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、携帯型ゲーム機や携帯電話端末などが広く普及しており、日常生活において、このようなユーザインタフェースに触れる機会が飛躍的に増加している。ユーザインタフェースに、操作性の良さが求められるのはもちろんであるが、さらに、視覚的にも楽しく、分かりやすい表示の工夫が強く要求されるようになっている。本発明者は、三次元空間内に配置されたオブジェクトを透視投影によりレンダリングすることにより、遠近感のある三次元的なユーザインタフェースを実現する際に、オブジェクトの表示位置を調整する必要があるとの課題を認識するに至り、オブジェクトの表示位置を適切に調整することが可能な利便性の高い表示制御技術に想到した。
【0004】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、利便性の高い表示制御技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様は、表示制御装置に関する。この表示制御装置は、三次元空間に配置されたオブジェクトを透視投影によりレンダリングして表示装置に表示する描画部と、前記表示装置の画面における前記オブジェクトを表示すべき位置に前記オブジェクトが表示されるように、前記三次元空間における前記オブジェクトの配置位置を調整する位置調整部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、利便性の高い表示制御技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態に係るゲーム装置の外観を示す図である。
【図2】実施の形態に係るゲーム装置の外観を示す図である。
【図3】実施の形態に係るゲーム装置の構成を示す図である。
【図4】図4(a)は、メニュー制御部が表示装置に表示したメニュー画面の例を示す図であり、図4(b)は、図4(a)に示したメニュー画面においてプレイヤーから受け付けた入力の位置と、起動される機能との対応を示すマップの例を示す図である。
【図5】図5(a)は、メニュー制御部が表示装置に表示したメニュー画面の例を示す図であり、図5(b)は、図5(a)に示したメニュー画面においてプレイヤーから受け付けた入力の位置と、起動される機能との対応を示すマップの例を示す図である。
【図6】図6(a)は、メニュー制御部が表示装置に表示したメニュー画面の例を示す図であり、図6(b)は、図6(a)に示したメニュー画面においてプレイヤーから受け付けた入力の位置と、起動される機能との対応を示すマップの例を示す図である。
【図7】描画部により描画される三次元空間の例を示す図である。
【図8】ある機能が選択候補となったときのメニュー画面を生成する方法を説明するための図である。
【図9】ある機能が選択候補となったときのメニュー画面を生成する方法を説明するための図である。
【図10】図5(a)に示したメニュー画面を生成するために必要なオブジェクトの移動を示す図である。
【図11】図6(a)に示したメニュー画面を生成するために必要なオブジェクトの移動を示す図である。
【図12】投影面におけるオブジェクトの表示位置から、三次元空間におけるオブジェクトの配置位置を算出する方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態においては、表示制御装置の一例として、携帯型のゲーム装置について説明する。
【0010】
図1及び図2は、実施の形態に係るゲーム装置10の外観を示す。図1及び図2に示すゲーム装置10は、プレイヤーが把持して使用する携帯型のゲーム装置である。図1に示すように、ゲーム装置10の表側、すなわち、プレイヤーがゲーム装置10を把持して操作するときにプレイヤーに面する側には、方向キー21、ボタン22、左アナログスティック23、右アナログスティック24、左ボタン25、右ボタン26などの入力装置20と、表示装置68と、前面カメラ71とが備えられている。表示装置68には、プレイヤーの指やスタイラスペンなどによる接触を検知するためのタッチパネル69が併設されている。ボタン22は、○ボタン31、△ボタン32、□ボタン33、及び×ボタン34を含む。
【0011】
図2に示すように、ゲーム装置10の裏側には、背面タッチパネル70と背面カメラ72が備えられている。ゲーム装置10の裏側にも、表側と同様に表示装置を設けてもよいが、本実施の形態では、ゲーム装置10の裏側には表示装置を設けずに、背面タッチパネル70のみを設ける。
【0012】
プレイヤーは、ゲーム装置10を両手で把持した状態で、例えば、右手親指でボタン22を操作し、左手親指で方向キー21を操作し、右手人差し指又は中指で右ボタン26を操作し、左手人差し指又は中指で左ボタン25を操作し、両手の親指でタッチパネル69を操作し、両手の薬指又は小指で背面タッチパネル70を操作することができる。スタイラスペンなどを用いる場合は、例えば、ゲーム装置10を左手で把持した状態で、右手でスタイラスペン又は人差し指によりタッチパネル69及びボタン22を操作し、左手親指で方向キー21を操作し、左手人差し指又は中指で左ボタン25を操作し、左手薬指又は小指で背面タッチパネル70を操作することができる。
【0013】
図3は、実施の形態に係るゲーム装置10の構成を示す。ゲーム装置10は、入力装置20、制御部40、データ保持部60、表示装置68、タッチパネル69、背面タッチパネル70、前面カメラ71、及び背面カメラ72を備える。これらの構成は、ハードウエアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0014】
タッチパネル69は、マトリクス・スイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式など、任意の方式のタッチパネルであってもよい。タッチパネル69は、入力を検知した位置の座標を所定の周期で出力する。背面タッチパネル70も、任意の方式のタッチパネルであってもよい。背面タッチパネル70は、入力を検知した位置の座標及び入力の強度(圧力)を所定の周期で出力する。タッチパネル69及び背面タッチパネル70が検知したプレイヤーによる入力の位置及び強度は、タッチパネル69及び背面タッチパネル70、又は、制御部40に設けられた、図示しないデバイスドライバなどにより算出されてもよい。
【0015】
前面カメラ71は、ゲーム装置10の表側の画像を撮像する。背面カメラ72は、ゲーム装置10の裏側の画像を撮像する。
【0016】
制御部40は、メニュー制御部41及びアプリケーション実行部48を備える。メニュー制御部41は、判定部の一例である選択部42、描画部43、及び位置調整部44を備える。
【0017】
メニュー制御部41は、ゲーム装置10が提供する各種機能のメニュー画面を表示装置に表示し、プレイヤーから実行すべき機能の選択を受け付ける。アプリケーション実行部48は、メニュー制御部41が受け付けたプレイヤーの指示により選択されたアプリケーションのプログラムをデータ保持部60から読み出して実行する。
【0018】
描画部43は、ゲーム装置10が提供する各種機能のメニュー画面を生成するために、各種機能に対応するオブジェクトを仮想三次元空間内に配置し、視点位置と透視投影面を設定して、透視投影によりオブジェクトを描画する。選択部42は、タッチパネル69に対するプレイヤーによるタッチ入力の位置を取得し、入力位置と起動すべき機能との対応を示すマップを参照して、入力位置に対応する機能を判定し、判定された機能を選択候補とする。選択部42は、プレイヤーがタッチパネル69にタッチしたまま指を移動させると、タッチ入力の位置の移動にともなって、現在の入力位置に対応する機能を選択候補に切り替える。選択部42は、プレイヤーの指がタッチパネル69から離されて、タッチパネル69に対するタッチ入力がオフになった旨の情報を取得すると、タッチ入力がオフになったときの入力位置に対応する機能、すなわち、直前に選択候補となっていた機能の選択を確定し、その機能を実行するようアプリケーション実行部48に通知する。別の例においては、選択部42は、1回目のタッチ入力の位置に基づいて選択候補となる機能を選択し、選択候補となっている機能に対応する位置に対する再度の入力により、その機能の選択を確定してもよい。位置調整部44は、後述するように、描画部43により透視投影により描画されるオブジェクトの配置位置を調整する。
【0019】
図4(a)は、メニュー制御部41が表示装置68に表示したメニュー画面の例を示す。メニュー画面90には、ゲーム装置10が提供する各種の機能を示すオブジェクト92a〜92gが表示されている。図4(b)は、図4(a)に示したメニュー画面においてプレイヤーから受け付けた入力の位置と、起動される機能との対応を示すマップの例を示す。図4(a)に示した、選択候補が未選択であるときのメニュー画面90においては、面積の等しい長方形の入力領域94a〜94gが各機能に割り当てられている。メニュー画面90におけるオブジェクト92の幅と、マップ93における各機能に割り当てられた入力領域94の幅は等しい。選択部42は、タッチパネル69に対するプレイヤーによる入力の位置を取得すると、その入力位置がマップ93におけるいずれの入力領域に属するかを判定し、判定された入力領域に対応する機能を選択候補とする。なお、入力領域94の大きさや形状は任意であってもよく、頻繁に用いられる機能に対応する入力領域、例えば、ホーム画面を表示する機能が割り当てられた入力領域94aの面積を、他の入力領域よりも広くしてもよい。
【0020】
図5(a)は、メニュー制御部41が表示装置68に表示したメニュー画面の例を示す。図5(a)は、オブジェクト92eに対応する機能が選択候補となっているときのメニュー画面90の例を示す。描画部43は、選択候補となっている機能に対応するオブジェクト92eが手前に飛び出しているように見えるようなメニュー画面90を表示する。図5(b)は、図5(a)に示したメニュー画面におけるマップの例を示す。図5(a)に示した、選択候補が選択されているときのメニュー画面90においては、選択候補となっている機能を起動するための入力をプレイヤーが行いやすいように、選択候補となっている機能に対して広い面積の入力領域94eが割り当てられる。そのため、選択候補となっていない他の機能に対しては、図4(b)の場合よりも狭い面積の入力領域が割り当てられる。これに対応して、メニュー画面90においても、選択候補となっていない機能に対応するオブジェクトの表示領域は図4(a)のメニュー画面よりも狭くなり、選択候補となっている機能に対応するオブジェクトの表示領域は広くなる。描画部43は、選択候補となっている機能に対応するオブジェクト92eが徐々に手前に引き出されつつ表示領域の面積が広くなるように、かつ、他のオブジェクトは徐々に面積が狭くなって左右に移動するように、それぞれのオブジェクトを表示する。選択部42は、描画部43が、オブジェクト92eの表示領域が徐々に広くなるようなアニメーション表示を行うのに合わせて、オブジェクト92eに対応する入力領域94eが徐々に広くなり、かつ、他の入力領域が徐々に狭くなって左右に移動するように、それぞれの入力領域を変更する。すなわち、オブジェクト92a〜92gのそれぞれの表示領域と、それらに対応する入力領域94a〜94gは、アニメーション表示されている間も合致するように制御される。
【0021】
図6(a)は、メニュー制御部41が表示装置68に表示したメニュー画面の例を示す。図4(a)又は図5(a)に示したメニュー画面90において、オブジェクト92cの表示領域に対するプレイヤーの入力を取得すると、描画部43は、図6(a)に示すように、オブジェクト92cが手前に飛び出しているように見えるようなメニュー画面90を表示する。図5(a)のメニュー画面90から図6(a)のメニュー画面に移行するとき、描画部43は、いったん、オブジェクト92eが奧に後退するようにして図4(a)のメニュー画面90に戻してから、オブジェクト92cが手前に引き出されるようにして図6(a)のメニュー画面90を表示してもよい。図6(b)は、図6(a)に示したメニュー画面におけるマップの例を示す。図5(b)に示したマップ93と同様に、選択候補となっている機能に対して広い面積の入力領域94cが割り当てられている。
【0022】
前述したように、本実施の形態では、プレイヤーが指をタッチパネル69に接触させたまま移動させると、入力位置の変更にともなって、現在の入力位置に対応する機能に選択候補が切り替えられる。例えば、図4(a)に示したメニュー画面90において、プレイヤーが指をタッチパネル69から離さずに左に移動させると、入力位置がオブジェクト92dの表示領域に達したときに、オブジェクト92dに対応する機能が選択候補となり、オブジェクト92eが小さくなってオブジェクト92dが大きくなるようなアニメーション表示が行われ、さらにプレイヤーが指を左に移動させて、入力位置がオブジェクト92cの表示領域に達すると、オブジェクト92cに対応する機能が選択候補となり、オブジェクト92dが小さくなってオブジェクト92cが大きくなるようなアニメーション表示が行われ、図6(a)に示したメニュー画面90となる。このときに、入力領域94もオブジェクト92の表示領域の変更に合わせて変更される。本実施の形態では、図4(b)、図5(b)、図6(b)に示すように、メニュー画面90の全域がいずれかの入力領域94に属するように分割されているので、いったんプレイヤーがメニュー画面90にタッチすると、プレイヤーが指を離したときに、その位置が属する入力領域に割り当てられた機能が必ず起動されることになる。別の例においては、いずれの機能も割り当てられない領域が設けられてもよい。この場合、プレイヤーがタッチパネル69にタッチした後、いずれかの機能が割り当てられた領域に入力位置を移動させると、その機能が選択候補となり、いずれの機能も割り当てられない領域に入力位置を移動させると、選択候補がキャンセルされ、選択候補がキャンセルされた状態で、いずれの機能も割り当てられない領域において指が離されると、いずれの機能も起動されない。
【0023】
図7は、描画部により描画される三次元空間の例を示す。仮想三次元空間には、メニュー画面に表示される各機能に対応するオブジェクトとして、板状のオブジェクト96a〜96gが配置される。描画部43は、視点位置97と投影面98を設定して、透視投影によりオブジェクト96a〜96gをレンダリングすることにより、図4(a)に示したメニュー画面90を生成する。投影面98の位置は任意であってよく、オブジェクト96の奧に投影面98が設けられてもよい。オブジェクト96の大きさや表示画面の大きさなどを考慮して視点位置97や投影面98が設定されればよい。
【0024】
図8及び図9は、ある機能が選択候補となったときのメニュー画面を生成する方法を説明するための図である。オブジェクト96eの表示領域に対応する入力領域に対する入力を受け付け、選択部42によりオブジェクト96eに対応する機能が選択候補とされたとき、オブジェクト96eをメニュー画面において拡大して表示するためには、図8に示すように、オブジェクト96eを視点位置97に近づくように手前に移動させればよい。しかし、図9に示すように、透視投影においては、奥行き方向にオブジェクトを移動させると、投影面98におけるオブジェクトの投影位置がずれる。例えば、投影面98の左半分に表示されるオブジェクト96bを手前に移動させると、投影面98においては左方向へ表示位置がずれる。また、投影面98の右半分に表示されるオブジェクト96fを手前に移動させると、投影面98においては右方向へ表示位置がずれる。そして、投影面98におけるオブジェクトの表示位置のずれは、オブジェクトの表示位置が投影面98の中心からずれるほど大きくなる。したがって、図4〜図6に示したような、入力領域とオブジェクトの表示領域が合致したメニュー画面90を生成するためには、奥行き方向の移動に伴う表示位置のずれを考慮して、表示位置が入力領域に合致するように、投影面98に平行な平面内でオブジェクトを移動させる必要がある。なお、図8においては、オブジェクト96eを投影面98よりも奥の領域で手前に移動させているが、別の例においては、オブジェクト96eを投影面98よりも手前に移動させてもよい。
【0025】
本実施の形態においては、選択候補となっていない機能に対応するオブジェクトの表示幅を狭くするので、さらに、選択候補となっていない機能に対応するオブジェクトも、オブジェクト間の距離が狭くなるように投影面98に平行な平面内で移動させる必要がある。図10は、図5(a)に示したメニュー画面90を生成するために必要なオブジェクト96の移動を示す。図11は、図6(a)に示したメニュー画面90を生成するために必要なオブジェクト96の移動を示す。位置調整部44は、投影面98において、図5(b)又は図6(b)に示したマップ93のそれぞれの入力領域94に対応する位置にオブジェクト92が表示されるように、三次元空間におけるオブジェクト96の位置を算出し、算出された位置にオブジェクト96を移動させる。
【0026】
図12は、投影面98におけるオブジェクトの表示位置から、三次元空間におけるオブジェクトの配置位置を算出する方法を説明するための図である。視点位置97から投影面98までの距離をa、投影面98からオブジェクトの配置位置までの奥行き方向の距離をb、投影面98においてオブジェクトを表示すべき位置の座標をx、三次元空間におけるオブジェクトの配置位置の座標をyとすると、
a:(a+b)=x:y
であるから、yは、
y=x(a+b)/a=x(1+b/a)
により算出される。位置調整部44は、この式を用いて、マップ93のそれぞれの入力領域94の位置に合わせて、オブジェクト96の配置位置を算出することができる。
【0027】
このように、本実施の形態によれば、画面においてオブジェクトを表示すべき位置に合わせて、三次元空間におけるオブジェクトの配置位置を調整することにより、透視投影によりオブジェクトを描画する場合であっても、表示すべき位置にオブジェクトを表示させることができる。また、透視投影により描画された遠近感のある三次元ユーザインタフェースにおいて、オブジェクトの表示位置と入力位置との対応を正しく調整し、オブジェクトに対する入力を適切に受け付けることができる。本実施の形態では、投影面に対して斜めに重なるように配置された複数の板状のオブジェクトを表示しているが、オブジェクトの左側の表示位置が入力領域の左側に合致するようにオブジェクトの配置位置を移動しても、オブジェクトの右側は他のオブジェクトに重なって見えないので、配置位置の移動による違和感を軽減することができる。
【0028】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0029】
実施の形態では、描画部43がオブジェクトを描画する際に、位置調整部44がオブジェクトの配置位置を調整する例について説明したが、別の例においては、オブジェクトの配置位置は予め上記の数式を用いて調整され、データ保持部60などに格納されていてもよい。更に別の例においては、配置位置が調整されたオブジェクトの移動経過をアニメーションデータや動画データなどとしてデータ保持部60に格納しておき、描画部43は、プレイヤーの入力により選択候補が選択されたときに、アニメーションデータ又は動画データをデータ保持部60から読み出して再生してもよい。
【符号の説明】
【0030】
10 ゲーム装置、20 入力装置、40 制御部、41 メニュー制御部、42 選択部、43 描画部、44 位置調整部、60 データ保持部、68 表示装置、69 タッチパネル、70 背面タッチパネル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示技術に関し、とくに、透視投影により三次元空間を描画する表示制御装置及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータや、スマートフォンなどにおいては、データやアプリケーションなどに対応するアイコンを表示装置の画面に表示し、アイコンをダブルクリックするなどの操作入力を受け付けると、そのアイコンに対応するデータを表示したり、アプリケーションを起動したりするユーザインタフェースが広く採用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、携帯型ゲーム機や携帯電話端末などが広く普及しており、日常生活において、このようなユーザインタフェースに触れる機会が飛躍的に増加している。ユーザインタフェースに、操作性の良さが求められるのはもちろんであるが、さらに、視覚的にも楽しく、分かりやすい表示の工夫が強く要求されるようになっている。本発明者は、三次元空間内に配置されたオブジェクトを透視投影によりレンダリングすることにより、遠近感のある三次元的なユーザインタフェースを実現する際に、オブジェクトの表示位置を調整する必要があるとの課題を認識するに至り、オブジェクトの表示位置を適切に調整することが可能な利便性の高い表示制御技術に想到した。
【0004】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、利便性の高い表示制御技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある態様は、表示制御装置に関する。この表示制御装置は、三次元空間に配置されたオブジェクトを透視投影によりレンダリングして表示装置に表示する描画部と、前記表示装置の画面における前記オブジェクトを表示すべき位置に前記オブジェクトが表示されるように、前記三次元空間における前記オブジェクトの配置位置を調整する位置調整部と、を備えることを特徴とする。
【0006】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、利便性の高い表示制御技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態に係るゲーム装置の外観を示す図である。
【図2】実施の形態に係るゲーム装置の外観を示す図である。
【図3】実施の形態に係るゲーム装置の構成を示す図である。
【図4】図4(a)は、メニュー制御部が表示装置に表示したメニュー画面の例を示す図であり、図4(b)は、図4(a)に示したメニュー画面においてプレイヤーから受け付けた入力の位置と、起動される機能との対応を示すマップの例を示す図である。
【図5】図5(a)は、メニュー制御部が表示装置に表示したメニュー画面の例を示す図であり、図5(b)は、図5(a)に示したメニュー画面においてプレイヤーから受け付けた入力の位置と、起動される機能との対応を示すマップの例を示す図である。
【図6】図6(a)は、メニュー制御部が表示装置に表示したメニュー画面の例を示す図であり、図6(b)は、図6(a)に示したメニュー画面においてプレイヤーから受け付けた入力の位置と、起動される機能との対応を示すマップの例を示す図である。
【図7】描画部により描画される三次元空間の例を示す図である。
【図8】ある機能が選択候補となったときのメニュー画面を生成する方法を説明するための図である。
【図9】ある機能が選択候補となったときのメニュー画面を生成する方法を説明するための図である。
【図10】図5(a)に示したメニュー画面を生成するために必要なオブジェクトの移動を示す図である。
【図11】図6(a)に示したメニュー画面を生成するために必要なオブジェクトの移動を示す図である。
【図12】投影面におけるオブジェクトの表示位置から、三次元空間におけるオブジェクトの配置位置を算出する方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態においては、表示制御装置の一例として、携帯型のゲーム装置について説明する。
【0010】
図1及び図2は、実施の形態に係るゲーム装置10の外観を示す。図1及び図2に示すゲーム装置10は、プレイヤーが把持して使用する携帯型のゲーム装置である。図1に示すように、ゲーム装置10の表側、すなわち、プレイヤーがゲーム装置10を把持して操作するときにプレイヤーに面する側には、方向キー21、ボタン22、左アナログスティック23、右アナログスティック24、左ボタン25、右ボタン26などの入力装置20と、表示装置68と、前面カメラ71とが備えられている。表示装置68には、プレイヤーの指やスタイラスペンなどによる接触を検知するためのタッチパネル69が併設されている。ボタン22は、○ボタン31、△ボタン32、□ボタン33、及び×ボタン34を含む。
【0011】
図2に示すように、ゲーム装置10の裏側には、背面タッチパネル70と背面カメラ72が備えられている。ゲーム装置10の裏側にも、表側と同様に表示装置を設けてもよいが、本実施の形態では、ゲーム装置10の裏側には表示装置を設けずに、背面タッチパネル70のみを設ける。
【0012】
プレイヤーは、ゲーム装置10を両手で把持した状態で、例えば、右手親指でボタン22を操作し、左手親指で方向キー21を操作し、右手人差し指又は中指で右ボタン26を操作し、左手人差し指又は中指で左ボタン25を操作し、両手の親指でタッチパネル69を操作し、両手の薬指又は小指で背面タッチパネル70を操作することができる。スタイラスペンなどを用いる場合は、例えば、ゲーム装置10を左手で把持した状態で、右手でスタイラスペン又は人差し指によりタッチパネル69及びボタン22を操作し、左手親指で方向キー21を操作し、左手人差し指又は中指で左ボタン25を操作し、左手薬指又は小指で背面タッチパネル70を操作することができる。
【0013】
図3は、実施の形態に係るゲーム装置10の構成を示す。ゲーム装置10は、入力装置20、制御部40、データ保持部60、表示装置68、タッチパネル69、背面タッチパネル70、前面カメラ71、及び背面カメラ72を備える。これらの構成は、ハードウエアコンポーネントでいえば、任意のコンピュータのCPU、メモリ、メモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0014】
タッチパネル69は、マトリクス・スイッチ方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式など、任意の方式のタッチパネルであってもよい。タッチパネル69は、入力を検知した位置の座標を所定の周期で出力する。背面タッチパネル70も、任意の方式のタッチパネルであってもよい。背面タッチパネル70は、入力を検知した位置の座標及び入力の強度(圧力)を所定の周期で出力する。タッチパネル69及び背面タッチパネル70が検知したプレイヤーによる入力の位置及び強度は、タッチパネル69及び背面タッチパネル70、又は、制御部40に設けられた、図示しないデバイスドライバなどにより算出されてもよい。
【0015】
前面カメラ71は、ゲーム装置10の表側の画像を撮像する。背面カメラ72は、ゲーム装置10の裏側の画像を撮像する。
【0016】
制御部40は、メニュー制御部41及びアプリケーション実行部48を備える。メニュー制御部41は、判定部の一例である選択部42、描画部43、及び位置調整部44を備える。
【0017】
メニュー制御部41は、ゲーム装置10が提供する各種機能のメニュー画面を表示装置に表示し、プレイヤーから実行すべき機能の選択を受け付ける。アプリケーション実行部48は、メニュー制御部41が受け付けたプレイヤーの指示により選択されたアプリケーションのプログラムをデータ保持部60から読み出して実行する。
【0018】
描画部43は、ゲーム装置10が提供する各種機能のメニュー画面を生成するために、各種機能に対応するオブジェクトを仮想三次元空間内に配置し、視点位置と透視投影面を設定して、透視投影によりオブジェクトを描画する。選択部42は、タッチパネル69に対するプレイヤーによるタッチ入力の位置を取得し、入力位置と起動すべき機能との対応を示すマップを参照して、入力位置に対応する機能を判定し、判定された機能を選択候補とする。選択部42は、プレイヤーがタッチパネル69にタッチしたまま指を移動させると、タッチ入力の位置の移動にともなって、現在の入力位置に対応する機能を選択候補に切り替える。選択部42は、プレイヤーの指がタッチパネル69から離されて、タッチパネル69に対するタッチ入力がオフになった旨の情報を取得すると、タッチ入力がオフになったときの入力位置に対応する機能、すなわち、直前に選択候補となっていた機能の選択を確定し、その機能を実行するようアプリケーション実行部48に通知する。別の例においては、選択部42は、1回目のタッチ入力の位置に基づいて選択候補となる機能を選択し、選択候補となっている機能に対応する位置に対する再度の入力により、その機能の選択を確定してもよい。位置調整部44は、後述するように、描画部43により透視投影により描画されるオブジェクトの配置位置を調整する。
【0019】
図4(a)は、メニュー制御部41が表示装置68に表示したメニュー画面の例を示す。メニュー画面90には、ゲーム装置10が提供する各種の機能を示すオブジェクト92a〜92gが表示されている。図4(b)は、図4(a)に示したメニュー画面においてプレイヤーから受け付けた入力の位置と、起動される機能との対応を示すマップの例を示す。図4(a)に示した、選択候補が未選択であるときのメニュー画面90においては、面積の等しい長方形の入力領域94a〜94gが各機能に割り当てられている。メニュー画面90におけるオブジェクト92の幅と、マップ93における各機能に割り当てられた入力領域94の幅は等しい。選択部42は、タッチパネル69に対するプレイヤーによる入力の位置を取得すると、その入力位置がマップ93におけるいずれの入力領域に属するかを判定し、判定された入力領域に対応する機能を選択候補とする。なお、入力領域94の大きさや形状は任意であってもよく、頻繁に用いられる機能に対応する入力領域、例えば、ホーム画面を表示する機能が割り当てられた入力領域94aの面積を、他の入力領域よりも広くしてもよい。
【0020】
図5(a)は、メニュー制御部41が表示装置68に表示したメニュー画面の例を示す。図5(a)は、オブジェクト92eに対応する機能が選択候補となっているときのメニュー画面90の例を示す。描画部43は、選択候補となっている機能に対応するオブジェクト92eが手前に飛び出しているように見えるようなメニュー画面90を表示する。図5(b)は、図5(a)に示したメニュー画面におけるマップの例を示す。図5(a)に示した、選択候補が選択されているときのメニュー画面90においては、選択候補となっている機能を起動するための入力をプレイヤーが行いやすいように、選択候補となっている機能に対して広い面積の入力領域94eが割り当てられる。そのため、選択候補となっていない他の機能に対しては、図4(b)の場合よりも狭い面積の入力領域が割り当てられる。これに対応して、メニュー画面90においても、選択候補となっていない機能に対応するオブジェクトの表示領域は図4(a)のメニュー画面よりも狭くなり、選択候補となっている機能に対応するオブジェクトの表示領域は広くなる。描画部43は、選択候補となっている機能に対応するオブジェクト92eが徐々に手前に引き出されつつ表示領域の面積が広くなるように、かつ、他のオブジェクトは徐々に面積が狭くなって左右に移動するように、それぞれのオブジェクトを表示する。選択部42は、描画部43が、オブジェクト92eの表示領域が徐々に広くなるようなアニメーション表示を行うのに合わせて、オブジェクト92eに対応する入力領域94eが徐々に広くなり、かつ、他の入力領域が徐々に狭くなって左右に移動するように、それぞれの入力領域を変更する。すなわち、オブジェクト92a〜92gのそれぞれの表示領域と、それらに対応する入力領域94a〜94gは、アニメーション表示されている間も合致するように制御される。
【0021】
図6(a)は、メニュー制御部41が表示装置68に表示したメニュー画面の例を示す。図4(a)又は図5(a)に示したメニュー画面90において、オブジェクト92cの表示領域に対するプレイヤーの入力を取得すると、描画部43は、図6(a)に示すように、オブジェクト92cが手前に飛び出しているように見えるようなメニュー画面90を表示する。図5(a)のメニュー画面90から図6(a)のメニュー画面に移行するとき、描画部43は、いったん、オブジェクト92eが奧に後退するようにして図4(a)のメニュー画面90に戻してから、オブジェクト92cが手前に引き出されるようにして図6(a)のメニュー画面90を表示してもよい。図6(b)は、図6(a)に示したメニュー画面におけるマップの例を示す。図5(b)に示したマップ93と同様に、選択候補となっている機能に対して広い面積の入力領域94cが割り当てられている。
【0022】
前述したように、本実施の形態では、プレイヤーが指をタッチパネル69に接触させたまま移動させると、入力位置の変更にともなって、現在の入力位置に対応する機能に選択候補が切り替えられる。例えば、図4(a)に示したメニュー画面90において、プレイヤーが指をタッチパネル69から離さずに左に移動させると、入力位置がオブジェクト92dの表示領域に達したときに、オブジェクト92dに対応する機能が選択候補となり、オブジェクト92eが小さくなってオブジェクト92dが大きくなるようなアニメーション表示が行われ、さらにプレイヤーが指を左に移動させて、入力位置がオブジェクト92cの表示領域に達すると、オブジェクト92cに対応する機能が選択候補となり、オブジェクト92dが小さくなってオブジェクト92cが大きくなるようなアニメーション表示が行われ、図6(a)に示したメニュー画面90となる。このときに、入力領域94もオブジェクト92の表示領域の変更に合わせて変更される。本実施の形態では、図4(b)、図5(b)、図6(b)に示すように、メニュー画面90の全域がいずれかの入力領域94に属するように分割されているので、いったんプレイヤーがメニュー画面90にタッチすると、プレイヤーが指を離したときに、その位置が属する入力領域に割り当てられた機能が必ず起動されることになる。別の例においては、いずれの機能も割り当てられない領域が設けられてもよい。この場合、プレイヤーがタッチパネル69にタッチした後、いずれかの機能が割り当てられた領域に入力位置を移動させると、その機能が選択候補となり、いずれの機能も割り当てられない領域に入力位置を移動させると、選択候補がキャンセルされ、選択候補がキャンセルされた状態で、いずれの機能も割り当てられない領域において指が離されると、いずれの機能も起動されない。
【0023】
図7は、描画部により描画される三次元空間の例を示す。仮想三次元空間には、メニュー画面に表示される各機能に対応するオブジェクトとして、板状のオブジェクト96a〜96gが配置される。描画部43は、視点位置97と投影面98を設定して、透視投影によりオブジェクト96a〜96gをレンダリングすることにより、図4(a)に示したメニュー画面90を生成する。投影面98の位置は任意であってよく、オブジェクト96の奧に投影面98が設けられてもよい。オブジェクト96の大きさや表示画面の大きさなどを考慮して視点位置97や投影面98が設定されればよい。
【0024】
図8及び図9は、ある機能が選択候補となったときのメニュー画面を生成する方法を説明するための図である。オブジェクト96eの表示領域に対応する入力領域に対する入力を受け付け、選択部42によりオブジェクト96eに対応する機能が選択候補とされたとき、オブジェクト96eをメニュー画面において拡大して表示するためには、図8に示すように、オブジェクト96eを視点位置97に近づくように手前に移動させればよい。しかし、図9に示すように、透視投影においては、奥行き方向にオブジェクトを移動させると、投影面98におけるオブジェクトの投影位置がずれる。例えば、投影面98の左半分に表示されるオブジェクト96bを手前に移動させると、投影面98においては左方向へ表示位置がずれる。また、投影面98の右半分に表示されるオブジェクト96fを手前に移動させると、投影面98においては右方向へ表示位置がずれる。そして、投影面98におけるオブジェクトの表示位置のずれは、オブジェクトの表示位置が投影面98の中心からずれるほど大きくなる。したがって、図4〜図6に示したような、入力領域とオブジェクトの表示領域が合致したメニュー画面90を生成するためには、奥行き方向の移動に伴う表示位置のずれを考慮して、表示位置が入力領域に合致するように、投影面98に平行な平面内でオブジェクトを移動させる必要がある。なお、図8においては、オブジェクト96eを投影面98よりも奥の領域で手前に移動させているが、別の例においては、オブジェクト96eを投影面98よりも手前に移動させてもよい。
【0025】
本実施の形態においては、選択候補となっていない機能に対応するオブジェクトの表示幅を狭くするので、さらに、選択候補となっていない機能に対応するオブジェクトも、オブジェクト間の距離が狭くなるように投影面98に平行な平面内で移動させる必要がある。図10は、図5(a)に示したメニュー画面90を生成するために必要なオブジェクト96の移動を示す。図11は、図6(a)に示したメニュー画面90を生成するために必要なオブジェクト96の移動を示す。位置調整部44は、投影面98において、図5(b)又は図6(b)に示したマップ93のそれぞれの入力領域94に対応する位置にオブジェクト92が表示されるように、三次元空間におけるオブジェクト96の位置を算出し、算出された位置にオブジェクト96を移動させる。
【0026】
図12は、投影面98におけるオブジェクトの表示位置から、三次元空間におけるオブジェクトの配置位置を算出する方法を説明するための図である。視点位置97から投影面98までの距離をa、投影面98からオブジェクトの配置位置までの奥行き方向の距離をb、投影面98においてオブジェクトを表示すべき位置の座標をx、三次元空間におけるオブジェクトの配置位置の座標をyとすると、
a:(a+b)=x:y
であるから、yは、
y=x(a+b)/a=x(1+b/a)
により算出される。位置調整部44は、この式を用いて、マップ93のそれぞれの入力領域94の位置に合わせて、オブジェクト96の配置位置を算出することができる。
【0027】
このように、本実施の形態によれば、画面においてオブジェクトを表示すべき位置に合わせて、三次元空間におけるオブジェクトの配置位置を調整することにより、透視投影によりオブジェクトを描画する場合であっても、表示すべき位置にオブジェクトを表示させることができる。また、透視投影により描画された遠近感のある三次元ユーザインタフェースにおいて、オブジェクトの表示位置と入力位置との対応を正しく調整し、オブジェクトに対する入力を適切に受け付けることができる。本実施の形態では、投影面に対して斜めに重なるように配置された複数の板状のオブジェクトを表示しているが、オブジェクトの左側の表示位置が入力領域の左側に合致するようにオブジェクトの配置位置を移動しても、オブジェクトの右側は他のオブジェクトに重なって見えないので、配置位置の移動による違和感を軽減することができる。
【0028】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0029】
実施の形態では、描画部43がオブジェクトを描画する際に、位置調整部44がオブジェクトの配置位置を調整する例について説明したが、別の例においては、オブジェクトの配置位置は予め上記の数式を用いて調整され、データ保持部60などに格納されていてもよい。更に別の例においては、配置位置が調整されたオブジェクトの移動経過をアニメーションデータや動画データなどとしてデータ保持部60に格納しておき、描画部43は、プレイヤーの入力により選択候補が選択されたときに、アニメーションデータ又は動画データをデータ保持部60から読み出して再生してもよい。
【符号の説明】
【0030】
10 ゲーム装置、20 入力装置、40 制御部、41 メニュー制御部、42 選択部、43 描画部、44 位置調整部、60 データ保持部、68 表示装置、69 タッチパネル、70 背面タッチパネル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元空間に配置されたオブジェクトを透視投影によりレンダリングして表示装置に表示する描画部と、
前記表示装置の画面における前記オブジェクトを表示すべき位置に前記オブジェクトが表示されるように、前記三次元空間における前記オブジェクトの配置位置を調整する位置調整部と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記画面におけるユーザによる入力を検出する入力装置から前記入力の位置を取得し、前記入力の位置が所定の入力領域内であるか否かを判定する判定部を更に備え、
前記位置調整部は、前記入力領域と前記オブジェクトの表示領域が合致するように、前記三次元空間における前記オブジェクトの配置位置を調整することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記描画部は、複数のオブジェクトをレンダリングして前記表示装置に表示し、
前記判定部は、前記入力の位置が前記複数のオブジェクトにそれぞれ対応する複数の入力領域のいずれに属するかを判定し、
前記描画部は、前記判定部により判定された入力領域に対応するオブジェクトがより大きく表示されるように、そのオブジェクトを前記三次元空間において視点位置に近くなるように移動させてレンダリングし、
前記位置調整部は、より大きく表示されるオブジェクトの表示領域が、そのオブジェクトに対応する入力領域に合致するように、前記三次元空間における前記オブジェクトの配置位置を、透視投影面に平行な平面内で移動させることを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
描画部が、三次元空間に配置されたオブジェクトを透視投影によりレンダリングして表示装置に表示するステップと、
位置調整部が、前記表示装置の画面における前記オブジェクトを表示すべき位置に前記オブジェクトが表示されるように、前記三次元空間における前記オブジェクトの配置位置を調整するステップと、
を備えることを特徴とする表示制御方法。
【請求項5】
コンピュータを、
三次元空間に配置されたオブジェクトを透視投影によりレンダリングして表示装置に表示する描画部、
前記表示装置の画面における前記オブジェクトを表示すべき位置に前記オブジェクトが表示されるように、前記三次元空間における前記オブジェクトの配置位置を調整する位置調整部、
として機能させるための表示制御プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の表示制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
三次元空間に配置されたオブジェクトを透視投影によりレンダリングして表示装置に表示する描画部と、
前記表示装置の画面における前記オブジェクトを表示すべき位置に前記オブジェクトが表示されるように、前記三次元空間における前記オブジェクトの配置位置を調整する位置調整部と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記画面におけるユーザによる入力を検出する入力装置から前記入力の位置を取得し、前記入力の位置が所定の入力領域内であるか否かを判定する判定部を更に備え、
前記位置調整部は、前記入力領域と前記オブジェクトの表示領域が合致するように、前記三次元空間における前記オブジェクトの配置位置を調整することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記描画部は、複数のオブジェクトをレンダリングして前記表示装置に表示し、
前記判定部は、前記入力の位置が前記複数のオブジェクトにそれぞれ対応する複数の入力領域のいずれに属するかを判定し、
前記描画部は、前記判定部により判定された入力領域に対応するオブジェクトがより大きく表示されるように、そのオブジェクトを前記三次元空間において視点位置に近くなるように移動させてレンダリングし、
前記位置調整部は、より大きく表示されるオブジェクトの表示領域が、そのオブジェクトに対応する入力領域に合致するように、前記三次元空間における前記オブジェクトの配置位置を、透視投影面に平行な平面内で移動させることを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
描画部が、三次元空間に配置されたオブジェクトを透視投影によりレンダリングして表示装置に表示するステップと、
位置調整部が、前記表示装置の画面における前記オブジェクトを表示すべき位置に前記オブジェクトが表示されるように、前記三次元空間における前記オブジェクトの配置位置を調整するステップと、
を備えることを特徴とする表示制御方法。
【請求項5】
コンピュータを、
三次元空間に配置されたオブジェクトを透視投影によりレンダリングして表示装置に表示する描画部、
前記表示装置の画面における前記オブジェクトを表示すべき位置に前記オブジェクトが表示されるように、前記三次元空間における前記オブジェクトの配置位置を調整する位置調整部、
として機能させるための表示制御プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の表示制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−61805(P2013−61805A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199887(P2011−199887)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】
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