表示制御装置、電子会議システム、及び電子会議プログラム
【課題】自表示制御装置と他表示制御装置とで描画画像の表示位置が重なる場合に一方を移動するときに、自表示制御装置での描画画像を移動する可能性を他表示制御装置での描画画像を移動する可能性より低くする。
【解決手段】ノード同士の位置がぶつかるときは、それぞれのノードについてオブジェクト・ツリーを観念し、その各オブジェクト・ツリーの重さを次式で計算する。(オブジェクト・ツリーの重さ)=(自表示制御装置で入力した当該オブジェクト・ツリー中でのノード数)/(Σ当該オブジェクト・ツリー中での各ノードの入力からの経過時間)である。そして、重いほうのオブジェクト・ツリーのノードは元の位置を維持し、軽いほうのオブジェクト・ツリーのノードは移動する。
【解決手段】ノード同士の位置がぶつかるときは、それぞれのノードについてオブジェクト・ツリーを観念し、その各オブジェクト・ツリーの重さを次式で計算する。(オブジェクト・ツリーの重さ)=(自表示制御装置で入力した当該オブジェクト・ツリー中でのノード数)/(Σ当該オブジェクト・ツリー中での各ノードの入力からの経過時間)である。そして、重いほうのオブジェクト・ツリーのノードは元の位置を維持し、軽いほうのオブジェクト・ツリーのノードは移動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、電子会議システム、及び電子会議プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、遠隔会議システムにおいて、全クライアントで表示させる情報を同じにするための情報制御技術について開示されている。
特許文献2には、同時に表示画面に多拠点から編集する場合の制御方法について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006‐31359号公報
【特許文献2】特開2006‐92573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、自表示制御装置と他表示制御装置とで描画画像の表示位置が重なる場合に一方を移動するときに、
自表示制御装置での描画画像を移動する可能性を他表示制御装置での描画画像を移動する可能性より低くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、画像に対する第1位置情報と第1画像情報を含む第1描画情報を受け付ける受付手段と、外部の装置から画像に対する第2位置情報と第2画像情報を含む第2描画情報を通信手段を介して受信する受信手段と、前記受付手段で受け付けた前記第1描画情報及び前記受信手段で受信した前記第2描画情報に含まれるそれぞれの画像情報をそれぞれの位置情報に基づいて表示する表示手段と、前記表示手段で前記第1画像情報と前記第2画像情報との表示位置が重なるときは、重ならないように優先的に前記第2画像情報の表示位置を移動する移動手段と、を備えている表示制御装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、通信手段にそれぞれ接続された複数の請求項1に記載の表示制御装置を備えている、電子会議システムである。
請求項3に記載の発明は、画像に対する第1位置情報と第1画像情報を含む第1描画情報を受け付ける受付処理と、外部の装置から画像に対する第2位置情報と第2画像情報を含む第2描画情報を通信手段を介して受信する受信処理と、前記受付手段で受け付けた前記第1描画情報及び前記受信手段で受信した前記第2描画情報に含まれるそれぞれの画像情報をそれぞれの位置情報に基づいて表示する表示手段で前記第1画像情報と前記第2画像情報との表示位置が重なるときは、重ならないように優先的に前記第2画像情報の表示位置を移動する移動処理と、をコンピュータに実行させるコンピュータに読み取り可能な電子会議プログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1,2,3に記載の発明によれば、自表示制御装置と他表示制御装置とで描画画像の表示位置が重なる場合に一方を移動するときに、優先的に他表示制御装置の表示位置を移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施の形態である電子会議システムの電気的な接続のブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態である電子会議システムの機能ブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態である電子会議システムの表示制御装置が実行する処理のフローチャートである。
【図4】本発明の一実施の形態である電子会議システムのサーバが実行する処理のフローチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態である電子会議システムの表示制御装置が実行する処理のフローチャートである。
【図6】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図11】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図12】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図13】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図14】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図15】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図16】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図17】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図18】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図19】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図20】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図21】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図22】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図23】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図24】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図25】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図26】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態にかる電子会議システム1の電気的な接続のブロック図である。この電子会議システム1は、サーバ2と、クライアントとなる複数台の表示制御装置3とがネットワーク4を介して接続されている。
表示制御装置3は、各種演算を行い、各部を集中的に制御するCPU11と、CPU11の作業エリアとなるRAM12と、プログラムや固定データを記憶する磁気記憶装置(HDD)13と、タッチパネル式の表示装置であるタッチパネル表示デバイス14と、ネットワーク4を介して通信を行う通信インターフェイス(I/F)15とを備えている。
【0010】
表示制御装置3には、電子会議プログラム16がセットアップされている。電子会議プログラム16は記憶媒体から読み取ってセットアップしてもよいし、インターネットなどからダウンロードしてセットアップしてもよい。
電子会議システム1は、各表示制御装置3で入力された画像の同期を表示制御装置3同士でとることができる。すなわち、各表示制御装置3では、自表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14に入力された画像も、他の表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14に入力された画像も表示することができ、異なる場所の間でそれぞれ自表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14を囲んで会議を行うことができる。
【0011】
このような電子会議システム1においては、自表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14に入力された画像も、他の表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14に入力された画像も、入力された画面上の位置と同じ位置に各タッチパネル表示デバイス14で表示されるのが原則である。
しかし、自表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14に入力された画像と、他の表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14に入力された画像とが重なる場合は、一方の画像をずらして表示する必要がある。
【0012】
この場合に、何日にもわたって会議を開くようなときは、自表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14に入力された画像については、他表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14に入力された画像に優先して、入力した元の画面上の位置と同じ位置を極力維持するようにすることが望ましい。
すなわち、自表示制御装置3で入力した情報の表示位置を元の位置から移動させてしまうと、自表示制御装置3で入力した情報や、これに対する反応(自表示制御装置3で入力した情報に対する他表示制御装置3での追加情報)を、翌日、あるいは数日後にどこにあるのか探さなければならないからである。
【0013】
以下では、自表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14に入力された画像については、他表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14に入力された画像に極力優先して、入力した元の画面上の位置と同じ位置を維持できるようにした処理について説明する。
図2は、電子会議システム1の機能ブロック図である。電子会議システム1の各機能は、電子会議プログラム16に基づく処理により実現されている。
【0014】
まず、表示制御装置3について説明する。タッチパネル表示デバイス14は、例えば感圧式のタッチパネルが画面上に設けられていて、画面上をペンなどでなぞることで画像を描画でき、その描画を画面に表示する。タッチパネル入力制御部21は、タッチパネル表示デバイス14を制御する。
通信制御部27は、通信I/F15により、サーバ2と通信を行う。
【0015】
画像データ処理制御部22は、タッチパネル表示デバイス14で入力した画像データやその関連データを制御する。ここで、画像データは描画情報となるもので、画像データには、入力した画像そのものを表示する画像情報と、その画像が表示装置の画面のどの位置に表示されるかを示す位置情報とが含まれる。自表示制御装置の描画情報が第1描画情報、画像情報が第1画像情報、位置情報が第1位置情報となり、他表示制御装置の描画情報が第2描画情報、画像情報が第2画像情報、位置情報が第2位置情報となる。
【0016】
描画オブジェクト抽出部23は、自タッチパネル表示デバイス14で入力された画像データをオブジェクトとして抽出する。ここで抽出するのは、画像データとオブジェクトデータである。画像データは、タッチパネル表示デバイス14で入力された画像に関するデータであり、オブジェクトデータは、この画像データが画面のどの画像に関連付けられるかを示すデータである。描画オブジェクトデータ管理部24は、この抽出した画像データ、オブジェクトデータを別々に管理する。画像再配置制御部25は、通信制御部27から取得した他表示制御装置3で入力された画像と、自表示制御装置3で入力された画像とが画面上の同じ位置で重なる場合には、これらが重ならないように画像の位置の再配置を行う。
【0017】
サーバ2について説明する。画像データ情報管理部31は、各表示制御装置3で入力された画像の画像データを管理する。オブジェクトデータ管理部32は、各表示制御装置3で入力された画像の画像データに関するオブジェクトデータを管理する。会議制御部33は、各表示制御装置3同士の表示画像の同期をとる。ある表示制御装置3でタッチパネル表示デバイス14に入力を行っている最中は当該タッチパネル表示デバイス14に入力中の画像が表示される。この画像は各表示制御装置3同士の表示画像の同期をとって他表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14にも表示されるようにするが、この同期は同期をとるべき画像の入力中には行わない。タッチパネル表示デバイス14で画像の入力を検出し始めると画像の入力が開始したと認識し、この画像の入力が検出できなくなって一定時間が経過した時に1回の画像の入力が終了したと認識する。
【0018】
次に、電子会議システム1が実行する処理について説明する。
図3は、表示制御装置3が実行する処理のフローチャートである。自表示制御装置3で画像の書き込みの開始が検知され(ステップS1)、次に、その終了が検知されると(ステップS2)、1回の書き込みが終了したと認識される。なお、この書き込み画像は自表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14の画面に、書き込まれた位置で表示される。このときは、描画オブジェクト抽出部23により画像データ、オブジェクトデータを抽出し、画像データ、オブジェクトデータを描画オブジェクトデータ管理部24で別々に管理する(ステップS3)。また、当該画像の書き込みが行われた書き込み時刻、自表示制御装置3を識別する識別情報を特定し(ステップS4)、画像データ、オブジェクトデータを描画オブジェクトデータ管理部24で格納する(ステップS5)。次に、サーバ2に対して、今回書き込まれた画像データ、オブジェクトデータ、書き込み時刻、識別情報などを送信する(ステップS6)。
【0019】
図4は、サーバ2が実行する処理のフローチャートである。まず、いずれかの表示制御装置3でタッチパネル表示デバイス14に画像の入力が行われると、その画像データやオブジェクトデータ等がサーバ2に送られるので(ステップS6)、この画像データ等を受信すると(ステップS11)、当該データは、画像データ情報管理部31、オブジェクトデータ管理部32で管理され、会議制御部33が他の表示制御装置3に転送する(ステップS12)。
【0020】
図5は、表示制御装置3が実行する処理のフローチャートである。サーバ2から転送された他表示制御装置3で入力された画像データ等を受信すると(ステップS21)、これらを描画オブジェクトデータ管理部24に格納する(ステップS22)。
次に、画像再配置制御部25において、受信した画像データの画像の自タッチパネル表示デバイス14での表示位置を確認する(ステップS23)。そして、受信した画像を自タッチパネル表示デバイス14に表示可能か否かを判断する(ステップS24)。すなわち、当該画像の画面上での本来の表示位置に重なる画像が既に存在していないか否かを判断する。表示可能であれば(ステップS24のY)、自表示制御装置3で現在描画中であるか否かを判断し(ステップS25)、現在描画中であれば(ステップS25のY)、待機して(ステップS26)、ステップS24に戻る。現在描画中でなければ(ステップS25のN)、その画像の画面上での本来の表示位置(その画像が描画された際の他タッチパネル表示デバイス14での表示位置)に表示する(ステップS27)。
【0021】
表示可能でない(ステップS24のN)、すなわち、タッチパネル表示デバイス14の画面上で同じ位置に重なる画像がすでに存在する場合は、ステップS28〜S31の処理を行って、どちらの画像をどの位置に移すかにについて判断する。
ある表示制御装置3で画像が1回書き込まれ、その書き込み画像が表示されているいずれかの表示制御装置3で、その書き込みの直近に画像が1回書き込まれると、最初の画像と直近の後の画像とをそれぞれノード(結節)で表現し、この画像のノード同士を線で結んだツリー構造を考えることができる。
【0022】
そこで、ステップS4で衝突する画像(ノード)を決定し(ステップS28)、これにより、比較すべき2つのツリーを決定する(ステップS29)。そして、後述するある規則に基づいて、本来の画面上の位置から移動して表示すべきノードを決定する(ステップS30)。そして、その移動すべきノードの移動方法と移動量を決定する(ステップS31)。この決定に基づき移動して表示すべきノードの画像はその決定した移動方法と移動量で本来の画面の表示位置とは異なる位置に表示され、移動する必要がないと判断されたノードは本来の画面の表示位置に表示される(ステップS27)。
【0023】
次に、ステップS28〜S31の処理を具体例により詳細に説明する。図6以下の各図は、ある表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14の表示画面51と、他の表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14の表示画面52とを示している。
まず、図6に示すように、どちらの表示制御装置3でも画像の書き込みがされていない場合は、いずれの表示画面51,52にも元画像となるルートノード53のみが表示されている。このルートノード53を元にして各表示制御装置3を囲んで会議出席者が議論を交わすことになる。これに対して、図7では、表示画面51,52でそれぞれノード61,62が書き込まれており、このノード61,62それぞれで構成されたツリー71,72を表示している。そして、図8では、表示画面51でも52でも、両方のツリー71と72を元々の表示位置(図7の表示位置)に表示しようとすると両者がかぶってしまうので、一方を移動させて表示する必要があることが分かる。
【0024】
この場合、どちらを移動させ、どちらを元の位置に表示するかは、次のような規則に基づいて判断する。まず、ノード同士の位置がぶつかるときは、それぞれのノードについてオブジェクト・ツリーを観念する。オブジェクト・ツリーは、ノード同士の位置がぶつかることが問題となっているノードを子ノードとしたときに、ツリー構造の線で当該子ノードと線で結ばれる親ノードをみて、当該親ノード以下のツリー構造である。
【0025】
まずは、ノード同士の位置がぶつかるときは、それぞれのノードについてオブジェクト・ツリーを観念し、その各オブジェクト・ツリーの重さを計算する。すなわち、
(オブジェクト・ツリーの重さ)
=(自表示制御装置3で入力した当該オブジェクト・ツリー中でのノード数)/(Σ当該オブジェクト・ツリー中での各ノードの入力からの経過時間) … (1)
である。これにより、自表示制御装置3で入力したノードが多ければオブジェクト・ツリーの重さは重くなり、最近入力したノードが多いほど(会議でホットな話題であるほど)オブジェクト・ツリーの重さは重くなる。
【0026】
このようにして、両オブジェクト・ツリーについてオブジェクト・ツリーの重さを計算し、その重さを比較する。そして、重さの重いほうのオブジェクト・ツリーについて対象となるノードは本来の画面上の位置に表示し、軽いほうのオブジェクト・ツリーについては本来の画面上の位置から移動させて表示する。両オブジェクト・ツリーについてオブジェクト・ツリーの重さが等しいときは、他表示制御装置3のノードを移動し、自表示制御装置3のノードを本来の画面上の位置に維持する。この規則では、(自表示制御装置3で入力した当該オブジェクト・ツリー中でのノード数)が多いほどオブジェクト・ツリーの重さが重くなるので、自表示制御装置3で入力されたノードについて優先的に元の画面上での位置を維持しやすくなる。
【0027】
具体的に、図7の例に適用すると、表示画面51において、図9に示すように、衝突するノード61,62を特定する。そして、これらのノード61,62に関して、図10に示すように、比較するオブジェクト・ツリー81,82を決定する。この例では、親ノードがともに共通のルートノード53なので、自ノード61,62以下のツリー構造のそれぞれの重みを計算して比較する。
【0028】
この例では、オブジェクト・ツリー81の方が自表示制御装置3で入力した当該オブジェクト・ツリー81中でのノード数が多く、オブジェクト・ツリー81の方が重いので、図11の1番のノード62の方を移動させることになる。そこで、移動方法を回転方向への移動なのか、遠心方向への移動なのか決定する。この例では、回転方向への移動で対応できるので、回転方向への移動を行う。「回転方向への移動」とは、子ノードを親ノードを中心に距離を変えずに回転移動することである。「遠心方向への移動」とは、距離を変えて子ノードを移動させることである。
【0029】
同様に、図12に示すように、図11の2番のノード62についても同じ手順によって、移動させる(図13〜図15)。表示画面52においては、オブジェクト・ツリー81と82とで重みが逆転するので、オブジェクト・ツリー81が移動対象となり、オブジェクト・ツリー82は元の画面上の位置を維持することになる。これらの移動後の表示画面51,52は図16に示すとおりである。
【0030】
次に、図17〜図26を参照して別の例について説明する。
図17に示すように、この例では、3つの表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14でそれぞれ入力される3つのノード61,62,63が表示画面51,52に表示されている。表示画面51では、領域91のあたりに新たな画像(ノード)を入力したい。
そこで、図18に示すように、表示画面51の表示制御装置3を操作し、ユーザは、ノードのツリー92を移動させる。これにより、図19に示すように、スペース93が空けられる。そして、図20に示すように、スペース93に新たな画像(ノード61)が入力される。
【0031】
この場合に、表示画面51と52とを同期させようとすると、表示画面52側においては、図21に示すように、領域93の8番のノード61(図20)と、領域94の"い"番のノード61とが衝突する。
そこで、図22のように衝突しあうノードを特定し、図23に示すように、それらの8番のノード61、"い"番のノード61について、比較するオブジェクト・ツリー96,97を決定する。この場合は、オブジェクト・ツリー97の方が重いので、図24に示すように、表示画面52では8番のノード61が移動されることなく表示される。そして、"あ"番のノード61のオブジェクト・ツリー96が全て移動の対象となる。この場合、図25に示すように、"あ"番のノード61が遠心方向にシフトされる。そして、オブジェクト・ツリー96の他のノードも移動されるが、この移動の際には、場合によってはさらに隣のツリーとの重み判定がなされることもある。
【符号の説明】
【0032】
1 電子会議システム
2 サーバ
3 表示制御装置
14 タッチパネル表示デバイス
25 画像再配置制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、電子会議システム、及び電子会議プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、遠隔会議システムにおいて、全クライアントで表示させる情報を同じにするための情報制御技術について開示されている。
特許文献2には、同時に表示画面に多拠点から編集する場合の制御方法について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006‐31359号公報
【特許文献2】特開2006‐92573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、自表示制御装置と他表示制御装置とで描画画像の表示位置が重なる場合に一方を移動するときに、
自表示制御装置での描画画像を移動する可能性を他表示制御装置での描画画像を移動する可能性より低くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、画像に対する第1位置情報と第1画像情報を含む第1描画情報を受け付ける受付手段と、外部の装置から画像に対する第2位置情報と第2画像情報を含む第2描画情報を通信手段を介して受信する受信手段と、前記受付手段で受け付けた前記第1描画情報及び前記受信手段で受信した前記第2描画情報に含まれるそれぞれの画像情報をそれぞれの位置情報に基づいて表示する表示手段と、前記表示手段で前記第1画像情報と前記第2画像情報との表示位置が重なるときは、重ならないように優先的に前記第2画像情報の表示位置を移動する移動手段と、を備えている表示制御装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、通信手段にそれぞれ接続された複数の請求項1に記載の表示制御装置を備えている、電子会議システムである。
請求項3に記載の発明は、画像に対する第1位置情報と第1画像情報を含む第1描画情報を受け付ける受付処理と、外部の装置から画像に対する第2位置情報と第2画像情報を含む第2描画情報を通信手段を介して受信する受信処理と、前記受付手段で受け付けた前記第1描画情報及び前記受信手段で受信した前記第2描画情報に含まれるそれぞれの画像情報をそれぞれの位置情報に基づいて表示する表示手段で前記第1画像情報と前記第2画像情報との表示位置が重なるときは、重ならないように優先的に前記第2画像情報の表示位置を移動する移動処理と、をコンピュータに実行させるコンピュータに読み取り可能な電子会議プログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1,2,3に記載の発明によれば、自表示制御装置と他表示制御装置とで描画画像の表示位置が重なる場合に一方を移動するときに、優先的に他表示制御装置の表示位置を移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施の形態である電子会議システムの電気的な接続のブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態である電子会議システムの機能ブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態である電子会議システムの表示制御装置が実行する処理のフローチャートである。
【図4】本発明の一実施の形態である電子会議システムのサーバが実行する処理のフローチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態である電子会議システムの表示制御装置が実行する処理のフローチャートである。
【図6】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図10】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図11】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図12】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図13】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図14】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図15】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図16】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図17】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図18】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図19】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図20】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図21】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図22】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図23】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図24】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図25】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【図26】本発明の一実施の形態である電子会議システムで実行する処理について説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態にかる電子会議システム1の電気的な接続のブロック図である。この電子会議システム1は、サーバ2と、クライアントとなる複数台の表示制御装置3とがネットワーク4を介して接続されている。
表示制御装置3は、各種演算を行い、各部を集中的に制御するCPU11と、CPU11の作業エリアとなるRAM12と、プログラムや固定データを記憶する磁気記憶装置(HDD)13と、タッチパネル式の表示装置であるタッチパネル表示デバイス14と、ネットワーク4を介して通信を行う通信インターフェイス(I/F)15とを備えている。
【0010】
表示制御装置3には、電子会議プログラム16がセットアップされている。電子会議プログラム16は記憶媒体から読み取ってセットアップしてもよいし、インターネットなどからダウンロードしてセットアップしてもよい。
電子会議システム1は、各表示制御装置3で入力された画像の同期を表示制御装置3同士でとることができる。すなわち、各表示制御装置3では、自表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14に入力された画像も、他の表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14に入力された画像も表示することができ、異なる場所の間でそれぞれ自表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14を囲んで会議を行うことができる。
【0011】
このような電子会議システム1においては、自表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14に入力された画像も、他の表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14に入力された画像も、入力された画面上の位置と同じ位置に各タッチパネル表示デバイス14で表示されるのが原則である。
しかし、自表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14に入力された画像と、他の表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14に入力された画像とが重なる場合は、一方の画像をずらして表示する必要がある。
【0012】
この場合に、何日にもわたって会議を開くようなときは、自表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14に入力された画像については、他表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14に入力された画像に優先して、入力した元の画面上の位置と同じ位置を極力維持するようにすることが望ましい。
すなわち、自表示制御装置3で入力した情報の表示位置を元の位置から移動させてしまうと、自表示制御装置3で入力した情報や、これに対する反応(自表示制御装置3で入力した情報に対する他表示制御装置3での追加情報)を、翌日、あるいは数日後にどこにあるのか探さなければならないからである。
【0013】
以下では、自表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14に入力された画像については、他表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14に入力された画像に極力優先して、入力した元の画面上の位置と同じ位置を維持できるようにした処理について説明する。
図2は、電子会議システム1の機能ブロック図である。電子会議システム1の各機能は、電子会議プログラム16に基づく処理により実現されている。
【0014】
まず、表示制御装置3について説明する。タッチパネル表示デバイス14は、例えば感圧式のタッチパネルが画面上に設けられていて、画面上をペンなどでなぞることで画像を描画でき、その描画を画面に表示する。タッチパネル入力制御部21は、タッチパネル表示デバイス14を制御する。
通信制御部27は、通信I/F15により、サーバ2と通信を行う。
【0015】
画像データ処理制御部22は、タッチパネル表示デバイス14で入力した画像データやその関連データを制御する。ここで、画像データは描画情報となるもので、画像データには、入力した画像そのものを表示する画像情報と、その画像が表示装置の画面のどの位置に表示されるかを示す位置情報とが含まれる。自表示制御装置の描画情報が第1描画情報、画像情報が第1画像情報、位置情報が第1位置情報となり、他表示制御装置の描画情報が第2描画情報、画像情報が第2画像情報、位置情報が第2位置情報となる。
【0016】
描画オブジェクト抽出部23は、自タッチパネル表示デバイス14で入力された画像データをオブジェクトとして抽出する。ここで抽出するのは、画像データとオブジェクトデータである。画像データは、タッチパネル表示デバイス14で入力された画像に関するデータであり、オブジェクトデータは、この画像データが画面のどの画像に関連付けられるかを示すデータである。描画オブジェクトデータ管理部24は、この抽出した画像データ、オブジェクトデータを別々に管理する。画像再配置制御部25は、通信制御部27から取得した他表示制御装置3で入力された画像と、自表示制御装置3で入力された画像とが画面上の同じ位置で重なる場合には、これらが重ならないように画像の位置の再配置を行う。
【0017】
サーバ2について説明する。画像データ情報管理部31は、各表示制御装置3で入力された画像の画像データを管理する。オブジェクトデータ管理部32は、各表示制御装置3で入力された画像の画像データに関するオブジェクトデータを管理する。会議制御部33は、各表示制御装置3同士の表示画像の同期をとる。ある表示制御装置3でタッチパネル表示デバイス14に入力を行っている最中は当該タッチパネル表示デバイス14に入力中の画像が表示される。この画像は各表示制御装置3同士の表示画像の同期をとって他表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14にも表示されるようにするが、この同期は同期をとるべき画像の入力中には行わない。タッチパネル表示デバイス14で画像の入力を検出し始めると画像の入力が開始したと認識し、この画像の入力が検出できなくなって一定時間が経過した時に1回の画像の入力が終了したと認識する。
【0018】
次に、電子会議システム1が実行する処理について説明する。
図3は、表示制御装置3が実行する処理のフローチャートである。自表示制御装置3で画像の書き込みの開始が検知され(ステップS1)、次に、その終了が検知されると(ステップS2)、1回の書き込みが終了したと認識される。なお、この書き込み画像は自表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14の画面に、書き込まれた位置で表示される。このときは、描画オブジェクト抽出部23により画像データ、オブジェクトデータを抽出し、画像データ、オブジェクトデータを描画オブジェクトデータ管理部24で別々に管理する(ステップS3)。また、当該画像の書き込みが行われた書き込み時刻、自表示制御装置3を識別する識別情報を特定し(ステップS4)、画像データ、オブジェクトデータを描画オブジェクトデータ管理部24で格納する(ステップS5)。次に、サーバ2に対して、今回書き込まれた画像データ、オブジェクトデータ、書き込み時刻、識別情報などを送信する(ステップS6)。
【0019】
図4は、サーバ2が実行する処理のフローチャートである。まず、いずれかの表示制御装置3でタッチパネル表示デバイス14に画像の入力が行われると、その画像データやオブジェクトデータ等がサーバ2に送られるので(ステップS6)、この画像データ等を受信すると(ステップS11)、当該データは、画像データ情報管理部31、オブジェクトデータ管理部32で管理され、会議制御部33が他の表示制御装置3に転送する(ステップS12)。
【0020】
図5は、表示制御装置3が実行する処理のフローチャートである。サーバ2から転送された他表示制御装置3で入力された画像データ等を受信すると(ステップS21)、これらを描画オブジェクトデータ管理部24に格納する(ステップS22)。
次に、画像再配置制御部25において、受信した画像データの画像の自タッチパネル表示デバイス14での表示位置を確認する(ステップS23)。そして、受信した画像を自タッチパネル表示デバイス14に表示可能か否かを判断する(ステップS24)。すなわち、当該画像の画面上での本来の表示位置に重なる画像が既に存在していないか否かを判断する。表示可能であれば(ステップS24のY)、自表示制御装置3で現在描画中であるか否かを判断し(ステップS25)、現在描画中であれば(ステップS25のY)、待機して(ステップS26)、ステップS24に戻る。現在描画中でなければ(ステップS25のN)、その画像の画面上での本来の表示位置(その画像が描画された際の他タッチパネル表示デバイス14での表示位置)に表示する(ステップS27)。
【0021】
表示可能でない(ステップS24のN)、すなわち、タッチパネル表示デバイス14の画面上で同じ位置に重なる画像がすでに存在する場合は、ステップS28〜S31の処理を行って、どちらの画像をどの位置に移すかにについて判断する。
ある表示制御装置3で画像が1回書き込まれ、その書き込み画像が表示されているいずれかの表示制御装置3で、その書き込みの直近に画像が1回書き込まれると、最初の画像と直近の後の画像とをそれぞれノード(結節)で表現し、この画像のノード同士を線で結んだツリー構造を考えることができる。
【0022】
そこで、ステップS4で衝突する画像(ノード)を決定し(ステップS28)、これにより、比較すべき2つのツリーを決定する(ステップS29)。そして、後述するある規則に基づいて、本来の画面上の位置から移動して表示すべきノードを決定する(ステップS30)。そして、その移動すべきノードの移動方法と移動量を決定する(ステップS31)。この決定に基づき移動して表示すべきノードの画像はその決定した移動方法と移動量で本来の画面の表示位置とは異なる位置に表示され、移動する必要がないと判断されたノードは本来の画面の表示位置に表示される(ステップS27)。
【0023】
次に、ステップS28〜S31の処理を具体例により詳細に説明する。図6以下の各図は、ある表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14の表示画面51と、他の表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14の表示画面52とを示している。
まず、図6に示すように、どちらの表示制御装置3でも画像の書き込みがされていない場合は、いずれの表示画面51,52にも元画像となるルートノード53のみが表示されている。このルートノード53を元にして各表示制御装置3を囲んで会議出席者が議論を交わすことになる。これに対して、図7では、表示画面51,52でそれぞれノード61,62が書き込まれており、このノード61,62それぞれで構成されたツリー71,72を表示している。そして、図8では、表示画面51でも52でも、両方のツリー71と72を元々の表示位置(図7の表示位置)に表示しようとすると両者がかぶってしまうので、一方を移動させて表示する必要があることが分かる。
【0024】
この場合、どちらを移動させ、どちらを元の位置に表示するかは、次のような規則に基づいて判断する。まず、ノード同士の位置がぶつかるときは、それぞれのノードについてオブジェクト・ツリーを観念する。オブジェクト・ツリーは、ノード同士の位置がぶつかることが問題となっているノードを子ノードとしたときに、ツリー構造の線で当該子ノードと線で結ばれる親ノードをみて、当該親ノード以下のツリー構造である。
【0025】
まずは、ノード同士の位置がぶつかるときは、それぞれのノードについてオブジェクト・ツリーを観念し、その各オブジェクト・ツリーの重さを計算する。すなわち、
(オブジェクト・ツリーの重さ)
=(自表示制御装置3で入力した当該オブジェクト・ツリー中でのノード数)/(Σ当該オブジェクト・ツリー中での各ノードの入力からの経過時間) … (1)
である。これにより、自表示制御装置3で入力したノードが多ければオブジェクト・ツリーの重さは重くなり、最近入力したノードが多いほど(会議でホットな話題であるほど)オブジェクト・ツリーの重さは重くなる。
【0026】
このようにして、両オブジェクト・ツリーについてオブジェクト・ツリーの重さを計算し、その重さを比較する。そして、重さの重いほうのオブジェクト・ツリーについて対象となるノードは本来の画面上の位置に表示し、軽いほうのオブジェクト・ツリーについては本来の画面上の位置から移動させて表示する。両オブジェクト・ツリーについてオブジェクト・ツリーの重さが等しいときは、他表示制御装置3のノードを移動し、自表示制御装置3のノードを本来の画面上の位置に維持する。この規則では、(自表示制御装置3で入力した当該オブジェクト・ツリー中でのノード数)が多いほどオブジェクト・ツリーの重さが重くなるので、自表示制御装置3で入力されたノードについて優先的に元の画面上での位置を維持しやすくなる。
【0027】
具体的に、図7の例に適用すると、表示画面51において、図9に示すように、衝突するノード61,62を特定する。そして、これらのノード61,62に関して、図10に示すように、比較するオブジェクト・ツリー81,82を決定する。この例では、親ノードがともに共通のルートノード53なので、自ノード61,62以下のツリー構造のそれぞれの重みを計算して比較する。
【0028】
この例では、オブジェクト・ツリー81の方が自表示制御装置3で入力した当該オブジェクト・ツリー81中でのノード数が多く、オブジェクト・ツリー81の方が重いので、図11の1番のノード62の方を移動させることになる。そこで、移動方法を回転方向への移動なのか、遠心方向への移動なのか決定する。この例では、回転方向への移動で対応できるので、回転方向への移動を行う。「回転方向への移動」とは、子ノードを親ノードを中心に距離を変えずに回転移動することである。「遠心方向への移動」とは、距離を変えて子ノードを移動させることである。
【0029】
同様に、図12に示すように、図11の2番のノード62についても同じ手順によって、移動させる(図13〜図15)。表示画面52においては、オブジェクト・ツリー81と82とで重みが逆転するので、オブジェクト・ツリー81が移動対象となり、オブジェクト・ツリー82は元の画面上の位置を維持することになる。これらの移動後の表示画面51,52は図16に示すとおりである。
【0030】
次に、図17〜図26を参照して別の例について説明する。
図17に示すように、この例では、3つの表示制御装置3のタッチパネル表示デバイス14でそれぞれ入力される3つのノード61,62,63が表示画面51,52に表示されている。表示画面51では、領域91のあたりに新たな画像(ノード)を入力したい。
そこで、図18に示すように、表示画面51の表示制御装置3を操作し、ユーザは、ノードのツリー92を移動させる。これにより、図19に示すように、スペース93が空けられる。そして、図20に示すように、スペース93に新たな画像(ノード61)が入力される。
【0031】
この場合に、表示画面51と52とを同期させようとすると、表示画面52側においては、図21に示すように、領域93の8番のノード61(図20)と、領域94の"い"番のノード61とが衝突する。
そこで、図22のように衝突しあうノードを特定し、図23に示すように、それらの8番のノード61、"い"番のノード61について、比較するオブジェクト・ツリー96,97を決定する。この場合は、オブジェクト・ツリー97の方が重いので、図24に示すように、表示画面52では8番のノード61が移動されることなく表示される。そして、"あ"番のノード61のオブジェクト・ツリー96が全て移動の対象となる。この場合、図25に示すように、"あ"番のノード61が遠心方向にシフトされる。そして、オブジェクト・ツリー96の他のノードも移動されるが、この移動の際には、場合によってはさらに隣のツリーとの重み判定がなされることもある。
【符号の説明】
【0032】
1 電子会議システム
2 サーバ
3 表示制御装置
14 タッチパネル表示デバイス
25 画像再配置制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像に対する第1位置情報と第1画像情報を含む第1描画情報を受け付ける受付手段と、
外部の装置から画像に対する第2位置情報と第2画像情報を含む第2描画情報を通信手段を介して受信する受信手段と、
前記受付手段で受け付けた前記第1描画情報及び前記受信手段で受信した前記第2描画情報に含まれるそれぞれの画像情報をそれぞれの位置情報に基づいて表示する表示手段と、
前記表示手段で前記第1画像情報と前記第2画像情報との表示位置が重なるときは、重ならないように優先的に前記第2画像情報の表示位置を移動する移動手段と、
を備えている表示制御装置。
【請求項2】
通信手段にそれぞれ接続された複数の請求項1に記載の表示制御装置を備えている、電子会議システム。
【請求項3】
画像に対する第1位置情報と第1画像情報を含む第1描画情報を受け付ける受付処理と、
外部の装置から画像に対する第2位置情報と第2画像情報を含む第2描画情報を通信手段を介して受信する受信処理と、
前記受付手段で受け付けた前記第1描画情報及び前記受信手段で受信した前記第2描画情報に含まれるそれぞれの画像情報をそれぞれの位置情報に基づいて表示する表示手段で前記第1画像情報と前記第2画像情報との表示位置が重なるときは、重ならないように優先的に前記第2画像情報の表示位置を移動する移動処理と、
をコンピュータに実行させるコンピュータに読み取り可能な電子会議プログラム。
【請求項1】
画像に対する第1位置情報と第1画像情報を含む第1描画情報を受け付ける受付手段と、
外部の装置から画像に対する第2位置情報と第2画像情報を含む第2描画情報を通信手段を介して受信する受信手段と、
前記受付手段で受け付けた前記第1描画情報及び前記受信手段で受信した前記第2描画情報に含まれるそれぞれの画像情報をそれぞれの位置情報に基づいて表示する表示手段と、
前記表示手段で前記第1画像情報と前記第2画像情報との表示位置が重なるときは、重ならないように優先的に前記第2画像情報の表示位置を移動する移動手段と、
を備えている表示制御装置。
【請求項2】
通信手段にそれぞれ接続された複数の請求項1に記載の表示制御装置を備えている、電子会議システム。
【請求項3】
画像に対する第1位置情報と第1画像情報を含む第1描画情報を受け付ける受付処理と、
外部の装置から画像に対する第2位置情報と第2画像情報を含む第2描画情報を通信手段を介して受信する受信処理と、
前記受付手段で受け付けた前記第1描画情報及び前記受信手段で受信した前記第2描画情報に含まれるそれぞれの画像情報をそれぞれの位置情報に基づいて表示する表示手段で前記第1画像情報と前記第2画像情報との表示位置が重なるときは、重ならないように優先的に前記第2画像情報の表示位置を移動する移動処理と、
をコンピュータに実行させるコンピュータに読み取り可能な電子会議プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2012−203825(P2012−203825A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70238(P2011−70238)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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