説明

表示制御装置およびそのプログラム

【課題】 一方のディスプレイを電源オフ状態にする際に、ユーザ操作によって表示画面を移動させるといった煩雑な操作を不要とする。
【解決手段】 表示制御装置は、第2ディスプレイが電源オフ状態にされる際に、第2ディスプレイに表示させていた表示画面を、第2ディスプレイから表示を消去し、かつ、第1ディスプレイに代わりに表示させる第1表示画面移動手段と、第2ディスプレイから第1ディスプレイに表示を移動させた表示画面に関する情報を管理する表示画面管理手段と、第2ディスプレイが電源オン状態にされる際に、表示画面管理手段の管理内容に基づいて、第2ディスプレイから第1ディスプレイに表示を移動させた表示画面を、第1ディスプレイから表示を消去し、かつ、第2ディスプレイに再び表示させる第2表示画面移動手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1ディスプレイ及び第2ディスプレイに表示画面を表示させる表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
2つのディスプレイが接続可能なパーソナルコンピュータ(以下、PCという。)が利用されており、2つのディスプレイにはそれぞれ異なる画像データを表示することができる。すなわち、あるアイコンやアプリケーション画面(以下、アプリ画面という。)は第1ディスプレイに表示され、別のアイコンやアプリ画面は第2ディスプレイに表示される。この場合に、例えば第2ディスプレイの電源をオフ状態にする際に、ユーザ操作によって、第2ディスプレイに表示されているアイコンやアプリ画面を第1ディスプレイに移動させる必要があり、その操作が煩雑である。また、第2ディスプレイが電源オフ状態である際に、新しいアプリケーションプログラムを起動させ、そのアプリ画面が第2ディスプレイに表示されると、ユーザ操作によって第2ディスプレイを電源オン状態にしなければ、そのアプリ画面を見ることができず、その操作が煩雑である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−305262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、一方のディスプレイを電源オフ状態にする際に、ユーザ操作によって表示画面を移動させるといった煩雑な操作を不要とする表示制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の好ましい実施形態による表示制御装置は、第1ディスプレイおよび第2ディスプレイが接続可能であり、前記第1ディスプレイおよび前記第2ディスプレイのいずれか一方に表示画面を表示させる表示制御装置であって、前記第1ディスプレイおよび前記第2ディスプレイの電源状態を管理する電源状態管理手段と、前記第2ディスプレイが電源オフ状態にされる際に、前記第2ディスプレイに表示させていた表示画面を、前記第2ディスプレイから表示を消去し、かつ、前記第1ディスプレイに代わりに表示させる第1表示画面移動手段と、前記第1表示画面移動手段によって前記第2ディスプレイから前記第1ディスプレイに表示を移動させた表示画面に関する情報を管理する表示画面管理手段と、前記第2ディスプレイが電源オン状態にされる際に、前記表示画面管理手段の管理内容に基づいて、前記第2ディスプレイから前記第1ディスプレイに表示を移動させた表示画面を、前記第1ディスプレイから表示を消去し、かつ、前記第2ディスプレイに再び表示させる第2表示画面移動手段とを備える。
【0006】
第2ディスプレイを電源オフ状態にする際に、第2ディスプレイに表示されている表示画面の表示位置を、自動的に第1ディスプレイに移動させることができる。従って、ユーザ操作によって、第2ディスプレイに表示されている表示画面を第1ディスプレイに移動させる操作を実行する必要がなく、簡便である。第2ディスプレイから第1ディスプレイに自動的に移動された表示画面の情報は、表示画面管理手段によって管理される。そして、第2ディスプレイを再び電源オン状態にする際には、第2ディスプレイから第1ディスプレイに表示位置を移動させた表示画面を、第2ディスプレイに再度表示位置を移動させる。従って、ユーザ操作によって、第1ディスプレイに表示されている表示画面を第2ディスプレイに移動させる操作を実行する必要がなく、簡便である。
【0007】
好ましい実施形態においては、前記表示画面管理手段が、前記第2ディスプレイが電源オフ状態にされる際に前記第2ディスプレイに表示させていた表示画面の前記第2ディスプレイにおける表示位置に関する情報をさらに管理し、前記第2表示画面移動手段が、前記表示画面管理手段の管理内容に基づいて、前記第2ディスプレイから前記第1ディスプレイに表示を移動させた表示画面を、前記第2ディスプレイの元の位置に表示させる。
【0008】
この場合、第2ディスプレイを再び電源オン状態にする際に、第2ディスプレイから第1ディスプレイに表示位置を移動させた表示画面を、第2ディスプレイに再度表示位置を移動させる場合に、第2ディスプレイにおける元の表示位置に戻すことができる。
【0009】
好ましい実施形態においては、前記第1表示画面移動手段が、前記第2ディスプレイに表示させていた表示画面がアクティブな状態であった場合に、前記第1ディスプレイにもアクティブな状態で表示させる。
【0010】
この場合、ユーザが現在操作しているアクティブな表示画面を第2ディスプレイから第1ディスプレイに移動させた後にも、自動的にアクティブ(つまり操作対象)にすることができるので、ユーザが操作していた表示画面を探す手間を省くことができる。
【0011】
好ましい実施形態においては、前記第2表示画面移動手段が、前記第1ディスプレイに表示させていた表示画面がアクティブな状態であった場合に、前記第2ディスプレイにもアクティブな状態で表示させる。
【0012】
この場合、ユーザが現在操作しているアクティブな表示画面を第1ディスプレイから第2ディスプレイに移動させた後にも、自動的にアクティブ(つまり操作対象)にすることができるので、ユーザが操作していた表示画面を探す手間を省くことができる。
【0013】
好ましい実施形態においては、前記第2ディスプレイが電源オフ状態にされる際に、前記第2ディスプレイがメインディスプレイに設定されているか否かを判断する手段と、前記第2ディスプレイがメインディスプレイに設定されていると判断された場合、前記第1ディスプレイをメインディスプレイに、前記第2ディスプレイをサブディスプレイに設定する手段とをさらに備える。
【0014】
この場合、メインディスプレイに設定されている方のディスプレイが電源オフ状態となってしまい、OSのメニュー画面をユーザが見ることができないという問題を解決できる。
【0015】
好ましい実施形態においては、新たに表示画面を前記第1ディスプレイまたは前記第2ディスプレイに表示させる際に、前記第1ディスプレイおよび前記第2ディスプレイの一方のみが電源オン状態であるか否かを判断する手段と、前記第1ディスプレイおよび前記第2ディスプレイの一方のみが電源オン状態であると判断された場合に、電源オン状態である方のディスプレイに、新たに表示する表示画面を表示させる手段とをさらに備える。
【0016】
この場合、新たに表示する表示画面が電源オフ状態である方のディスプレイに表示されてしまい、新たに表示された表示画面をユーザが見ることができないという問題を解決できる。
【発明の効果】
【0017】
一方のディスプレイを電源オフ状態にする際に、ユーザ操作によって表示画面を移動させるといった煩雑な操作を不要とする表示制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】PC100の構成を示すブロック図である。
【図2】ディスプレイ状態管理テーブルを示す図である。
【図3】表示内容管理テーブルを示す図である。
【図4】CPU2の処理を示すフローチャートである。
【図5】CPU2の処理を示すフローチャートである。
【図6】CPU2の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施形態による電子機器の一例であるパーソナルコンピュータ(以下、PCという。)100について説明する。図1は、PC100の構成を示す概略ブロック図である。PC100は、CPU2と、メモリ3(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)と、ブリッジ4と、HDD5と、マウス6と、キーボード7と、ビデオバッファ8と、映像出力部9A、9Bとを備える。映像出力部9Aには第1ディスプレイ10Aが接続可能であり、映像出力部9Bには第2ディスプレイ10Bが接続可能である。なお、第1ディスプレイ10Aおよび第2ディスプレイ10Bは、PC100に内蔵されていてもよい。
【0020】
CPU2は、HDD5にインストールされているOS(オペレーティングシステム)やアプリケーションプログラムを実行し、PC100の各部を制御する。CPU2は、OS、アプリケーションプログラム、アイコン等の表示画面データである画像データをHDD5から読み出し、ビデオバッファ8に格納する。CPU2は、ビデオバッファ8内で、第1ディスプレイ10A用の表示画面データを生成し、画像出力部9Aを介して第1ディスプレイ10Aに供給する。また、CPU2は、ビデオバッファ8内で、第2ディスプレイ10B用の表示画面データを生成し、画像出力部9Bを介して第2ディスプレイ10Bに供給する。第1ディスプレイ10Aおよび第2ディスプレイ10Bに表示される表示画面データは、それぞれ異なっている。
【0021】
画像出力部9Aと第1ディスプレイ10Aとは、画像データを送受信するための映像信号ラインと、通信ラインとを介して接続されている。通信ラインは、第1ディスプレイ10Aが、第1ディスプレイ10Aの電源状態(オン状態またはオフ状態)をPC100のCPU2に通知するためのラインである。同様に、画像出力部9Bと第2ディスプレイ10Bとは、画像データを送受信するための映像信号ラインと、通信ラインとを介して接続されている。通信ラインは、第2ディスプレイ10Bが、第2ディスプレイ10Bの電源状態(オン状態またはオフ状態)をPC100のCPU2に通知するためのラインである。
【0022】
メモリ3またはHDD5には、図2に示すディスプレイ状態管理テーブルが格納されている。ディスプレイ状態管理テーブルは、第1ディスプレイ10Aおよび第2ディスプレイ10Bの現在の電源状態と、メインディスプレイとして設定されているか、又は、サブディスプレイとして設定されているかの情報を管理するテーブルである。メインディスプレイとは、OSのメニュー画面(設定画面)が表示される方のディスプレイである。
【0023】
メモリ3またはHDD5には、図3に示す表示内容管理テーブルが格納されている。表示内容管理テーブルは、一方のディスプレイの電源をオフ状態にする際、一方のディスプレイに表示されていたアイコンやアプリ画面の内容と、その表示位置を示す座標とを管理するテーブルである。なお、表示位置を示す座標は、特に限定されないが、例えば、アイコンやアプリ画面の中心部分における位置の座標であればよく、あるいは、アイコンやアプリ画面の左上頂点における位置の座標であってもよい。
【0024】
CPU2は、一方のディスプレイの電源をオフ状態にする際に、一方のディスプレイに表示されているアイコンやアプリ画面の表示位置を、他方のディスプレイに移動させる。表示位置を移動させるとは、一方のディスプレイからアイコンやアプリ画面の表示を消去し、他方のディスプレイに代わりにアイコンやアプリ画面を表示させることをいう。CPU2は、次に、一方のディスプレイの電源を再度オン状態にする際に、一方のディスプレイから他方のディスプレイに移動させたアイコンやアプリ画面を、一方のディスプレイに再度移動させる。このときに、CPU2は、移動させるべきアイコンやアプリ画面の内容やその表示位置を、表示内容管理テーブルの管理内容を参照して、把握することができる。
【0025】
次に、本例の動作を説明する。図4は、第2ディスプレイ10Bの電源をオフ状態にする際のCPU2の処理を示すフローチャートである。なお、第1ディスプレイ10Aの電源をオフ状態にする際の処理も同様であるので、説明を援用する。
【0026】
ユーザ操作によって第2ディスプレイ10Bの電源がオフ状態にされる際、第2ディスプレイ10Bから通信ラインを介して、PC100のCPU2に、第2ディスプレイ10Bが電源オフ状態になることを示す通知が送信される(S1)。なお、これに限定されず、任意の適切な周知技術を適用して、第2ディスプレイ10Bが電源オフ状態になることをCPU2が認識できればよい。
【0027】
CPU2は、第1ディスプレイ10Aも電源オフ状態であるか否かを、ディスプレイ状態管理テーブルの管理内容を参照することによって判断する(S2)。第1ディスプレイ10Aも電源オフ状態である場合(S2でYES)、S12に進み、CPU2は、ディスプレイ状態管理テーブルの内容を、第2ディスプレイ10Bが電源オフ状態であるように更新して、処理を終了する。
【0028】
第1ディスプレイ10Aが電源オン状態である場合(S2でNO)、第2ディスプレイ10Bがメインディスプレイとして設定されているか否かを、ディスプレイ状態管理テーブルを参照して判断する(S3)。第2ディスプレイ10Bがメインディスプレイではなく、サブディスプレイとして設定されている場合(S3でNO)、S5に進む。一方、第2ディスプレイ10Bがメインディスプレイである場合(S3でYES)、第1ディスプレイ10Aをメインディスプレイに設定し、第2ディスプレイ10Bをサブディスプレイに設定する(S4)。電源がオン状態である方の第1ディスプレイ10Aをメインディスプレイとして設定することで、OSのメニュー画面等を第1ディスプレイ10Aに表示させることができるからである。
【0029】
続いて、CPU2は、第2ディスプレイ10Bに表示されているアイコンを第1ディスプレイ10Aにその表示位置を移動させる(S5)。第2ディスプレイ10Bに表示されているアイコンは、CPU2自体がRAMで情報を管理して把握している。すなわち、CPU2は、ビデオバッファ8内で、第2ディスプレイ10B用に生成していたアイコンの画像データを、第2ディスプレイ10B用としては消去し、第1ディスプレイ10A用として生成し、画像出力部9Aを介して第1ディスプレイ10Aに供給する。なお、この際に、第1ディスプレイ10Aに元々表示されていたアイコンと容易に区別可能なように、一箇所にまとめて表示するか、又は、第2ディスプレイ10Bから移動させたアイコンであることを示す情報を付加するとよい。
【0030】
CPU2は、第2ディスプレイ10Bから第1ディスプレイ10Aに表示位置を移動させたアイコンの情報を表示内容管理テーブルに登録する。すなわち、CPU2は、移動させたアイコンに関する識別情報(例えば、ファイル名、アイコン名、識別番号等)を表示内容管理テーブルの「表示内容」の項目に登録し、第2ディスプレイに表示されていたアイコンの表示位置の座標を表示内容管理テーブルの「座標」の項目に登録し、「ディスプレイ」の項目に第2ディスプレイと登録する。
【0031】
続いて、CPU2は、第2ディスプレイ10Bにアプリ画面が表示されているか否かを判断する(S6)。第2ディスプレイ10Bに表示されているアプリ画面は、CPU2自体がRAMで情報を管理して把握している。第2ディスプレイ10Bにアプリ画面が表示されていない場合(S6でNO)、S12に進み、ディスプレイ状態管理テーブルの管理内容を更新して、処理を終了する。
【0032】
第2ディスプレイ10Bにアプリ画面が表示されている場合(S6でYES)、CPU2は、第2ディスプレイ10Bに表示されているアプリ画面を第1ディスプレイ10Aに移動させる。すなわち、CPU2は、ビデオバッファ8内で、第2ディスプレイ10B用に生成していたアプリ画面の画像データを、第2ディスプレイ10B用としては消去し、第1ディスプレイ10A用として生成し、画像出力部9Aを介して第1ディスプレイ10Aに供給する。
【0033】
CPU2は、第2ディスプレイ10Bから第1ディスプレイ10Aに移動させたアプリ画面の情報を表示内容管理テーブルに登録する。すなわち、CPU2は、移動させたアプリ画面に関する識別情報(例えば、アプリ名やアプリの識別番号等)を表示内容管理テーブルの「表示内容」の項目に登録し、第2ディスプレイ10Bに表示されていたアプリ画面の表示位置の座標を表示内容管理テーブルの「座標」の項目に登録し、「ディスプレイ」の項目に第2ディスプレイを登録する。
【0034】
CPU2は、第2ディスプレイ10Bから第1ディスプレイ10Aに移動させたアプリ画面の1つがアクティブであったか否かを判断する(S8)。アクティブとは、アプリ画面がユーザ操作によって操作可能な状態であり、デスクトップの最前面にアプリ画面のウインドウが表示されている状態である。アクティブなウインドウは、第1ディスプレイ10Aおよび第2ディスプレイ10Bのいずれか一方に1つだけ存在する。アクティブか否かはCPU2自体がRAMで管理して把握している。第2ディスプレイ10Bにてアクティブであったアプリ画面が存在しなければ(S8でNO)、CPU2は、第1ディスプレイ10Aにおいてもアプリ画面をアクティブにはせずに(つまり、第1ディスプレイ10Aに元々表示されているアプリ画面の背面に表示する)(S11)、ディスプレイ状態管理テーブルの管理内容を更新し(S12)、処理を終了する。
【0035】
第2ディスプレイ10Bにおいてアクティブであったアプリ画面が存在すれば(S8でYES)、CPU2は、第1ディスプレイ10Aにおいて、映像データ等のコンテンツを再生中であるか否かを判断する(S9)。例えば、映像再生アプリによってDVDやHDDに記録されている映像データを再生しているか否かが判断される。第1ディスプレイ10Aにおいて映像データ等のコンテンツを再生中である場合(S9でYES)、CPU2は、第2ディスプレイ10Bでアクティブであったアプリ画面を第1ディスプレイ10Aではアクティブにはしない(つまり、第1ディスプレイ10Aに元々表示されているアプリ画面の背面に表示する)(S11)。これは、第2ディスプレイ10Bから移動してきたアプリ画面がアクティブにされ、デスクトップの最前面に表示されると、再生している映像がアクティブにされたアプリ画面によって隠れてしまうという問題が生じるからである。
【0036】
第1ディスプレイ10Aにおいて映像データ等のコンテンツを再生中でない場合(S9でNO)、CPU2は、第2ディスプレイ10Bでアクティブであったアプリ画面を第1ディスプレイ10Aにおいてもアクティブにする(つまり、デスクトップの最前面に表示する)(S10)。その後、CPU2は、ディスプレイ状態管理テーブルの管理内容を更新し(S12)、処理を終了する。なお、S9の判断処理は必須ではなく、S8でYESの場合にS10に進むようにしてもよい。
【0037】
第2ディスプレイ10Bから第1ディスプレイ10Aに移動されたアイコンやアプリ画面が、第1ディスプレイ10Aにおいてユーザ操作によって消去された場合、CPU2は、消去されたアイコンやアプリ画面に関する情報を図3の表示内容管理テーブルから削除する。従って、後述するように、第2ディスプレイ10Bが電源オン状態にされた際に、第1ディスプレイ10Aにおいてユーザ操作によって消去されたアイコンやアプリ画面が、第2ディスプレイ10Bで復元してしまうという問題を解決できる。
【0038】
図5は、図4の処理の後に、第2ディスプレイ10Bの電源をオン状態にする際のCPU2の処理を示すフローチャートである。ユーザ操作によって第2ディスプレイ10Bの電源がオン状態にされる際、第2ディスプレイ10Bから通信ラインを介して、PC100のCPU2に、第2ディスプレイ10Bが電源オン状態になることを示す通知が送信される(S21)。
【0039】
CPU2は、前回、第2ディスプレイ10Bを電源オフ状態にする際に、第2ディスプレイ10Bから第1ディスプレイ10Aに移動させたアイコンを、再度、第2ディスプレイ10Bに移動させる(戻す)(S22)。このとき、CPU2は、表示内容管理テーブルの管理内容を参照し、「ディスプレイ」の項目に第2ディスプレイと登録されているアイコンを、第1ディスプレイ10Aから第2ディスプレイ10Bに移動させるアイコンとして特定する。そして、CPU2は、第2ディスプレイ10Bにおいて、表示内容管理テーブルの「座標」の項目に登録されている座標で特定される位置に、特定したアイコンを移動させて、表示させる。
【0040】
続いて、CPU2は、前回、第2ディスプレイ10Bを電源オフ状態にする際に、第2ディスプレイ10Bから第1ディスプレイ10Aに移動させたアプリ画面を、再度、第2ディスプレイ10Bに移動させる(戻す)(S23)。このとき、CPU2は、表示内容管理テーブルの管理内容を参照し、「ディスプレイ」の項目に第2ディスプレイと登録されているアプリ画面を、第1ディスプレイ10Aから第2ディスプレイ10Bに移動させるアプリ画面として特定する。そして、CPU2は、第2ディスプレイ10Bにおいて、表示内容管理テーブルの「座標」の項目に登録されている座標で特定される位置に、特定したアプリ画面を移動させて、表示させる。なお、第1ディスプレイ10Aから第2ディスプレイ10Bにアプリ画面を移動させる際に、第1ディスプレイ10Aにおいてアクティブであるアプリ画面は、第2ディスプレイ10Bに移動させた際にもアクティブに設定するとよい。アクティブか否かは、上記の通りCPU自体がRAM上で管理して把握している。
【0041】
CPU2は、ディスプレイ状態管理テーブル及び表示内容管理テーブルの管理内容を更新する(S24)。例えば、表示内容管理テーブルにおいて、第1ディスプレイ10Aから第2ディスプレイ10Bに移動させたアイコンやアプリ画面に関する情報は削除される。
【0042】
図6は、ユーザ操作によって新たにアプリケーションプログラムが起動され、アプリ画面が第1ディスプレイ10Aまたは第2ディスプレイ10Bに新たに表示される際の、CPU2の処理を示すフローチャートである。ユーザ操作によって、新たにアプリケーションを起動する際に(S31)、CPU2は、第1ディスプレイ10Aおよび第2ディスプレイ10Bは共に電源オン状態であるか、又は、一方のディスプレイのみが電源オン状態であるかを、ディスプレイ状態管理テーブルを参照して判断する(S32)。
【0043】
第1ディスプレイ10Aおよび第2ディスプレイ10Bが共に電源オン状態である場合(S32でYES)、第1ディスプレイ10Aおよび第2ディスプレイ10Bのどちらにアプリ画面を表示しても、ユーザはアプリ画面を見ることができる。従って、通常処理によって決定される方のディスプレイにアプリ画面が表示される。一方のディスプレイのみが電源オン状態である場合(S32でNO)、CPU2は、電源オン状態である方のディスプレイを、ディスプレイ状態管理テーブルを参照して特定し、特定したディスプレイにアプリ画面を表示させる(S33)。これにより、新たに起動したアプリケーションプログラムのアプリ画面が電源オフ状態である方のディスプレイに表示されてしまい、アプリ画面をユーザが見ることができないという問題を解決できる。
【0044】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。また、本発明は、PCだけでなくTV、カーナビ、携帯電話、ゲーム機、オーディオ等の電子機器にも適用され得る。また、ディスプレイはLCDに限定されず、PDPや有機EL等でもよい。本発明は、上記の処理をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムおよびそれが記録された記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、デスクトップPCやノートPC等に好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0046】
100 PC
2 CPU
3 メモリ
4 ブリッジ
5 HDD
6 マウス
7 キーボード
8 ビデオバッファ
9A、9B 画像出力部
10A 第1ディスプレイ
10B 第2ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ディスプレイおよび第2ディスプレイが接続可能であり、前記第1ディスプレイおよび前記第2ディスプレイのいずれか一方に表示画面を表示させる表示制御装置であって、
前記第1ディスプレイおよび前記第2ディスプレイの電源状態を管理する電源状態管理手段と、
前記第2ディスプレイが電源オフ状態にされる際に、前記第2ディスプレイに表示させていた表示画面を、前記第2ディスプレイから表示を消去し、かつ、前記第1ディスプレイに代わりに表示させる第1表示画面移動手段と、
前記第1表示画面移動手段によって前記第2ディスプレイから前記第1ディスプレイに表示を移動させた表示画面に関する情報を管理する表示画面管理手段と、
前記第2ディスプレイが電源オン状態にされる際に、前記表示画面管理手段の管理内容に基づいて、前記第2ディスプレイから前記第1ディスプレイに表示を移動させた表示画面を、前記第1ディスプレイから表示を消去し、かつ、前記第2ディスプレイに再び表示させる第2表示画面移動手段とを備える、表示制御装置。
【請求項2】
前記表示画面管理手段が、前記第2ディスプレイが電源オフ状態にされる際に前記第2ディスプレイに表示させていた表示画面の前記第2ディスプレイにおける表示位置に関する情報をさらに管理し、
前記第2表示画面移動手段が、前記表示画面管理手段の管理内容に基づいて、前記第2ディスプレイから前記第1ディスプレイに表示を移動させた表示画面を、前記第2ディスプレイの元の位置に表示させる、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記第1表示画面移動手段が、前記第2ディスプレイに表示させていた表示画面がアクティブな状態であった場合に、前記第1ディスプレイにもアクティブな状態で表示させる、請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記第2表示画面移動手段が、前記第1ディスプレイに表示させていた表示画面がアクティブな状態であった場合に、前記第2ディスプレイにもアクティブな状態で表示させる、請求項1〜3のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記第2ディスプレイが電源オフ状態にされる際に、前記第2ディスプレイがメインディスプレイに設定されているか否かを判断する手段と、
前記第2ディスプレイがメインディスプレイに設定されていると判断された場合、前記第1ディスプレイをメインディスプレイに、前記第2ディスプレイをサブディスプレイに設定する手段とをさらに備える、請求項1〜4のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項6】
新たに表示画面を前記第1ディスプレイまたは前記第2ディスプレイに表示させる際に、前記第1ディスプレイおよび前記第2ディスプレイの一方のみが電源オン状態であるか否かを判断する手段と、
前記第1ディスプレイおよび前記第2ディスプレイの一方のみが電源オン状態であると判断された場合に、電源オン状態である方のディスプレイに、新たに表示する表示画面を表示させる手段とをさらに備える、請求項1〜5のいずれかに記載の表示制御装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の表示制御装置の各手段をコンピュータに実行させる、表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−212277(P2012−212277A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−76980(P2011−76980)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(710014351)オンキヨー株式会社 (226)
【Fターム(参考)】