説明

表示制御装置および表示制御方法

【課題】 スピーカなどの複数の音声発生装置の向きや位置を変更したとしても、それらから出力される音声を適切に出力できるようにすることを目的とする。
【解決手段】 コンテンツを表示手段に表示させる表示制御手段と、前記表示手段に接近した音声出力装置の位置を検出する位置検出手段と、前記音声出力装置に接近する、前記表示手段に表示中のコンテンツを選択する選択手段と、前記音声出力装置が音声を出力する方向を検出する方向検出手段と、前記音声出力装置の位置と方向とに基づいて、前記音声出力装置から出力させる音声データを決定する出力音声制御手段と、前記決定された音声データを前記音声出力装置へ送信するデータ送信制御手段とを備えたことを特徴とする表示制御装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像の表示とともに音声の出力を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話やノート型パソコンにおいて、コンテンツを表示するパネルが回転パネルであるものが普及している。これらは、表示するコンテンツに応じて、長方形型の表示パネルを縦長のパネルとして利用したり、横長のパネルとして利用したりすることで、ユーザビリティを向上させている。
【0003】
従来、上記回転パネルを縦長パネルとして利用する場合と、横長パネルとして利用する場合とで、それぞれに専用の内蔵スピーカーを利用する技術が知られている。
【0004】
また、近年、PC(パーソナルコンピュータ)の普及によりマルチウィンドウシステムが広く一般的に使われている。マルチウィンドウシステムとは、複数の仮想的な領域を表示装置上に定義し、異なるアプリケーションを仮想的な領域に割り当てるシステムである。操作者は、マウスなどの入力装置によりこの仮想的な領域を切り替えながら、同時に複数のアプリケーションを利用する。また、近年、表示パネルの大型化や高精細化が進んだことや、高解像度をサポートするグラフィックカードが開発されたことにより、上述のマルチウィンドウシステムを用いて、多くのアプリケーションを扱うことが可能である。そして、テーブル型の大きな表示装置を、複数人でシェアして使用する状況なども存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−244786
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、例えば、テーブル型の表示装置に複数の操作者が対面して着座し、その表示装置上にスピーカを置いて使用するような場合、操作者がスピーカの向きや位置を変化させると正しい音像位置で試聴できない。例えば、2つのスピーカを用いてステレオ音声を再生する場合に、これらスピーカの向きを、一方の操作者に向く方向から、対面の操作者に向く方向に変えた場合、出力されるべきステレオ音声は左右が逆になってしまう。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、スピーカなどの複数の音声発生装置の向きや位置を変更したとしても、それらから出力される音声を適切に出力できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の表示制御装置によれば、コンテンツを表示手段に表示させる表示制御手段と、前記表示手段に接近した音声出力装置の位置を検出する位置検出手段と、前記音声出力装置に接近する、前記表示手段に表示中のコンテンツを選択する選択手段と、前記音声出力装置が音声を出力する方向を検出する方向検出手段と、前記音声出力装置の位置と方向とに基づいて、前記音声出力装置から出力させる音声データを決定する出力音声制御手段と、前記決定された音声データを前記音声出力装置へ送信するデータ送信制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
上記構成によれば、スピーカなどの複数の音声発生装置の向きや位置を変更したとしても、それらから出力される音声を適切に出力できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態に適用するシステムの処理構成図
【図2】実施形態に適用するシステムの外観図
【図3】実施形態に適用するシステムの処理手順を示す図
【図4】本システムに関する各部の様子を説明する図
【図5】本システムに関する各部の様子を説明する図
【図6】本システムに関する各コンテンツの情報を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面を参照して、本発明に好適な実施形態を説明する。なお、本実施形態では、表示装置の一例として、水平に設置したテーブル型のディスプレイを想定して説明するが、後述するスピーカに利用可能な表示装置であれば、本発明に適用可能である。
【0012】
図1および図2は、本実施形態に関わる基本的なシステムを示した図である。図1は、本実施形態に関わるシステム内の処理部の構成を示したものであり、図2は、そのシステムの外観図に相当する。図1の表示手段110は、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイに代表されるディスプレイである。表示手段110は、図2における表示手段210に相当する。また、表示手段110は、水平に設置されており、写真、動画像、文章や音楽ファイル等のコンテンツ240〜242を表示できる。図1の音声出力装置120は、スピーカなどの音声を出力する機能を備える装置である。この音声出力装置120は、図2の音声出力装置220、音声出力装置221の2つに相当する。この音声出力装置120は、小型で可搬なスピーカであることが好ましく、本実施形態では、それぞれが表示手段110の上に置かれる。図1の接近検知手段130は、上記音声出力装置120が表示手段110へ接近したことを検知する手段である。接近検知手段130は、上記接近が検知された場合、データ送信制御手段160を介して、音声出力装置120との通信を確立する。ここでは、Bluetoothなどの公知の通信技術を用いることとし、詳細な説明は省略する。図1の位置検出手段140は、接近検知手段130で検知された音声出力装置120の接近位置を特定する手段である。コンテンツ選択手段150は、上記接近位置付近にコンテンツが存在するか判断し、規定の範囲内にコンテンツが存在していた場合には、そのコンテンツの音声データをデータ送信手段160を介して、音声出力装置120に無線送信する。表示制御手段170は、コンテンツ240〜242の表示制御を行う。また、表示制御手段170は、位置検出手段140によって特定された音声出力装置120(220、221)の位置の周辺に、コンテンツ選択手段150が「コンテンツが存在する」と判断する領域(円)を表示させる。方向検出手段180は、接近検知手段130で検知された音声出力装置120の方向を特定する手段である。出力音声制御手段190は、位置検出手段140と方向検出手段180によって得られた音声出力装置120の位置と方向によって、音声出力装置から出力する音声を決定する。なお、図2では、接近検知手段130、位置検出手段140、コンテンツ選択手段150、データ送信手段160、表示制御手段170、方向検出手段180、出力音声制御手段190は、本体200(表示制御装置)に内蔵されているものとする。また、本体200と表示手段210は一体型であっても良いし、取り外し可能であっても良い。
【0013】
図3は、本実施形態の本体200(表示制御装置)の処理手順を示したフローチャートである。図3の詳細については後述する。
【0014】
図4および図5は、上記処理手順を視覚的に説明するための図である。ここで、図4の本体400と本体500は、図2の本体200に相当する。表示装置410と510は、図2の表示装置210に相当する。音声出力装置420と421、あるいは音声出力装置460と461、あるいは音声出力装置520と521は、図2の音声出力装置220、221に相当する。またコンテンツ440〜442あるいは540〜542は、図2のコンテンツ240〜242に相当する。また、ここでは、操作者450と操作者451は、本体400を間にはさんで、対面しており、操作者550と操作者551は、本体500を間にはさんで、対面している。また、図4では2つの状態を表しており、図5では1つの状態を表している。例えば、図4の左側に示した状態Iでは、音声出力装置420、421の方向(音声が出力される方向)は、概ね操作者450の方を向いている。また図4の右側に示した状態IIでは、音声出力装置460、461の方向(音声が出力される方向)は、概ね操作者451の方向を向いている。また、図5に示した状態IIIでは、音声出力装置520の方向は、概ね操作者551の方向を向いており、音声出力装置521の方向は、概ね操作者550の方向を向いている。なお、図4の下部には、音声出力装置420、421の設置されている座標と方向を480に示し、音声出力装置460、461の設置されている座標と方向を490に示す。ここでは、表示装置410の左上を座標(X=0,Y=0)とし、矢印の方向にX軸とY軸を設定するものとする。また図5の下部には、音声出力装置520、521の設置されている座標と方向を580、590に示す。ここでも、図4と同様に、表示装置510の左上を座標(X=0,Y=0)とし、矢印の方向にX軸とY軸を設定するものとする。
【0015】
図6は、表示手段410に表示中のコンテンツ440〜442の座標、音声データの有無、チャンネル数の一例を示す。
【0016】
以下、図3のフローチャートについて、図4〜図6を参照しながら説明する。まず、ステップ300において、本体200(表示制御装置)が起動すると、表示制御装置は以下の処理を行う。
【0017】
ステップ310では、接近検知手段130によって、音声出力装置120と表示手段110の距離が測定される。例えば、音声出力装置420、421は、表示手段410上に設置されているので、接近検知手段130が測定した距離は0cmである。
【0018】
ステップ320では、接近検知手段130によって、距離N以内に接近してる音声出力装置120があるか判定される。そして、距離Ncm以内に音声出力装置120が存在すると判定した場合には、ステップ330に遷移する。本実施形態では、距離Nが3cmに設定されているとして以下説明する。例えば、図4の状態Iでは、音声出力装置420、421と表示手段410の距離は0cmであり、距離Nの3cm以内であるので音声出力手段420、421の2つが検知される。もし、ステップ320において、距離3cm以内に音声出力手段が無かった場合には、ステップ310に遷移し、再び接近している音声出力装置との距離を測定する。そして、ステップ310とステップ320を一定時間毎に繰り返し距離の再測定を行う。本実施形態では、距離再測定までの時間間隔は0.5秒とする。
【0019】
ステップ330では、位置検出手段140によって、現在接近している音声出力装置(状態Iの例では音声出力装置420と421)の座標を特定する。例えば状態Iでは、図4の480に示されるように、音声出力装置420は、座標(x,y)=(600,550)に設置されており、音声出力装置421は、座標(x,y)=(1080,550)に設置されている。
【0020】
ステップ340では、コンテンツ選択手段150によって、表示中のコンテンツ440〜442の座標を特定される。なお、コンテンツ440〜442はそれぞれ、図6に示した座標610〜612のそれぞれに表示されているものとする。この座標は、上述した座標(x,y)を基準にしており、図6において各コンテンツに示されている4つの座標は、そのコンテンツを矩形として認識した場合の4頂点に相当する。
【0021】
ステップ350では、コンテンツ選択手段150によって、音声出力装置(状態Iの例では音声出力装置420、421)の近傍にコンテンツが存在するか判断される。ここでは、音声出力装置に接近している座標を中心とする領域(図4、図5では所定半径の円)に含まれるコンテンツを「音声出力装置の近傍に存在するコンテンツである」と判断する。もし、コンテンツが音声出力装置の近傍にある場合にはステップ360に遷移する。もし近傍にコンテンツが無い場合には、ステップ330に遷移し、一定時間毎にステップ330、ステップ340、ステップ350を繰り返す。例えば、音声出力装置420の近傍範囲は円430であり、音声出力装置421の近傍範囲は円431である。これら円430と431は、操作者がそれを認識できるように、表示手段410上に画像として表示される。そして、ここでは、円430および円431と各コンテンツ440〜442とが、座標上でオーバーラップするかどうか計算する。ここでは、表示中のコンテンツ440が音声出力装置の近傍円430と431にオーバーラップするので、ステップ360に遷移する。
【0022】
ステップ360では、コンテンツ選択手段150によって、音声を出力するコンテンツが決定される。ここで、コンテンツ選択手段150は、まず、音声出力装置の近傍の各コンテンツが音声データを有しているか否かを確認する。もし、確認中のコンテンツが、動画像や音楽ファイルなどの音声データを有している場合には、その音声データを取得する。そして、このコンテンツを音声出力の対象として決定する。もし音声データを有していないコンテンツがあれば、以降の処理対象から除外する。なお、図6の620〜622に、コンテンツ440〜442が音声データを有しているか否かの一例を示しておく。例えば、状態Iにおけるコンテンツ440は、音声データを有しているので、コンテンツ440は音声出力の対象として決定される。そしてコンテンツ440が有する音声データが取得される。
【0023】
ステップ370では、方向検出手段180によって、音声出力装置の方向を特定する。例えば、図4の480では、音声出力装置420はX軸と60°の角度を形成するように配置され、音声出力装置421は、X軸と90°の角度を形成するように配置されている。方向検出手段180は、これらの方向を情報として取得する。
【0024】
ステップ380では、出力音声制御手段190によって、位置検出手段140と方向検出手段180が特定した音声出力装置の座標と方向(角度)に基づき、各音声出力装置から出力するべき音声データが決定される。
【0025】
ステップ380の内部フローをステップ381〜389として説明する。ステップ381においてステップ380のフローの開始を検知すると、以下を行う。
【0026】
ステップ382では、互いの音声出力装置が形成する角度を算出する。例えば、図4の状態Iの場合には、音声出力装置420と421が形成する角度は「90°−60°=30°」であるとして算出される。
【0027】
ステップ383では、上記算出された角度が90°以下であるか判断する。この判断処理は、互いの音声出力装置が形成する角度によって、「音声出力装置が1人の操作者に向けられている状態なのか、複数人の操作者に向けられている状態なのか」を判定するものである。例えば、図4の状態Iでは、互いの音声出力装置が形成する角度は90°以内であるので、2つの音声出力装置が1人の操作者に向けられている状態と判断する。また例えば、図5の状態IIIでは、互いの音声出力装置が形成する角度は90°以上であるので、それぞれの音声出力装置が別の操作者に向けられている、即ち2つの音声出力装置は複数人に利用されていると判断する。ここで、もし図5の状態IIIの場合には、ステップ383では、上記角度が90°以上であると判断される。従って、この場合には、ステップ388に遷移する。そしてステップ388において、1つの音声出力装置から1つのコンテンツの音声に相当する複数チャネルを合成出力(モノラル出力)するよう設定する。よって、図5の状態IIIにおいては、例えば複数人の操作者(操作者550、551)が同一のコンテンツの音声を聞く場合であっても、それぞれの音声出力装置からモノラル出力されている音声を聞くことになる。
【0028】
ステップ384では、音声出力装置(状態Iでは420と421)の座標を結んだ線分と、音声出力装置の方向を表す線分の回転方向を算出する。音声出力装置の方向を表す線分は、上述した角度60°と90°であり、線分の長さは10であるとする。音声出力装置(図4の状態Iでは420と421)の設置されている座標をそれぞれA、Bとし、これら音声出力装置の方向を示す線分をA−A’、B−B’とする。例えば、状態Iの場合には、A,A’,B,B’の座標は、それぞれ、(Ax,Ay)=(600,550),(A’x,A’y)=(606,558),(Bx,By)=(1080,550),(B’x,B’y)=(1080,560)となる。以上の座標と後述する式を用いて、線分A−A’とB−B’の線分AB(線分BA)に対して回転方向を求める。式(1)では、X軸が90°回転するとY軸になる方向を正方向とすると、式(1)で求めた値が正であれば正方向に回転すると線分ABの方向になり、負であれば負方向に回転すると線分ABの方向となる。
(A’x−Ax)×(By−Ay)−(A’y−Ay)×(Bx−Ax) ...式(1)
(606−600)×(550−550)−(558−550)×(1080−600)<0 ...式(2)
このステップ384において、音声出力装置420については、式(1)を用いて演算を行う。線分ABに対しての線分A−A’の回転方向は、式(1)を用いて、式(2)に示すように負であることから、回転方向は負方向であると判断される。よって、ステップ385の判断の下で、ステップ387に遷移する。
【0029】
ステップ387では、音声出力装置420は、上記式から回転方向が負方向であったことから、「操作者に対して左側に設置されている」と判断され、音声出力装置420には、左側のチャネルの音声データが設定される。
【0030】
また、上記と同様に、音声出力装置421に対しても演算を行う。即ち、ステップ384において、音声出力装置421については、線分BAに対しての線分B−B’の回転方向を算出する。
(B’x−Bx)×(Ay−By)−(B’y−By)×(Ax−Bx) ...式(3)
(1080−1080)×(550−550)−(560−550)×(600−1080)>0 ...式(4)
上記式(4)に示すように、演算結果が正であることから、その回転方向は正方向であると判断される。よって、ステップ385の判断の下で、ステップ386に遷移する。
【0031】
ステップ386では、音声出力装置421は、上記式から回転方向が正方向であったことから、「操作者に対して右側に設置されている」と判断され、音声出力装置421には、右側のチャネルの音声データが設定される。
【0032】
ステップ390では、データ送信制御手段160によって、上述したようにそれぞれ設定された音声チャネルの音声データを、それに対応する音声出力装置に送信する。
【0033】
ステップ391では、音声出力装置によって、データ送信制御手段160から送信された音声データを出力される。なお、このステップ391だけは、上述した本体200(あるいは本体400、500)が行うのではなく、それらとは別体の音声出力装置が行う。
【0034】
以上のよれば、互いの音声出力装置を結んだ線分ABとの回転方向を求めることにより、それら音声出力装置が、操作者に対して左右どちらの位置に置かれているか判断できる。音声出力装置420は、上記式から回転方向が負方向なので、操作者に対して左側に設置されていると判断され、音声出力装置421は、上記式から回転方向は正方向なので、操作者に対して右側に設置されていると判断される。以上により、操作者に対して正しい音像位置で音声データを出力できる。
【0035】
以下に図4の状態IIについて説明する。この状態IIは、状態Iにおける音声出力装置420、421の方向が、音声出力装置460、461のように変更されたものであり、それぞれの音声出力装置が操作者451の方向に向けられた状態である。ここでは、音声出力装置420、421の方向は、X軸となす角で120°と60°とする。また、音声出力装置の設置されている座標をそれぞれA,Bとし、音声出力装置の方向を示す線分をA−A’、B−B’とする。A、A’、B、B’の座標は、それぞれ、
(Ax,Ay)=(600,550),(A’x,A’y)=(594,542),(Bx,By)=x(1080,550),(B’x,B’y)=(1088,542)となる。状態IIの場合には、上記ステップ383で音声出力装置460、461のなす角は60°と算出される。状態IIの場合には、ステップ384では、式(1)に基づいて、音声出力装置460の線分ABに対する回転方向が以下のように算出される。
(594−600)×(550−550)−(542−550)×(1080−600)>0 ...式(5)
上記式(5)に示すように、回転方向は正方向であると判断される。そして、音声出力装置460は、「操作者に対して右側に設置されている」と判断される。これは、状態Iにおいて音声出力装置420が「操作者に対して左側に設置されている」と判断した結果をは逆になっている。これと同様に、音声出力装置461は、上記式(3)に基づく式(6)の結果から、回転方向は負方向であると判断される。そして、音声出力装置461は、「操作者に対して左側に設置されている」と判断される。これは、状態Iにおいて音声出力装置421が「操作者に対して右側に設置されている」と判断した結果は逆になっている。
(1088−1080)×(550−550)−(542−550)×(600−1080)<0 ...式(6)
以上の結果から、データ送信制御手段160は、音声出力装置460には右側のチャネルの音声データを送信し、音声出力装置461には左側のチャネルの音声データを送信することになる。
【0036】
以上説明したように、音声出力装置220は、状態I(音声出力装置420)では左側のチャネルを出力し、状態II(音声出力装置460)では右側のチャネルを出力する。また、音声出力装置221は、状態I(音声出力装置421)では右側のチャネルを出力し、状態II(音声出力装置461)では左側のチャネルを出力する。従って、本実施形態によれば、操作者がスピーカの向きを状態Iから状態IIに変更した場合であっても、適切な音像位置のステレオ音声を出力することができる。
【0037】
[変形例]
なお、上述した各実施形態は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上記実施形態の各工程や機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)を、ネットワークや記憶媒体を介してシステムに供給し、そのシステムのコンピュータ(またはCPU等)が上記プログラムを読み込んで実行する処理である。上記コンピュータプログラムや、それを記憶したコンピュータ可読記憶媒体も本発明の範疇に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記表示手段に接近した音声出力装置の位置を検出する位置検出手段と、
前記音声出力装置に接近する、前記表示手段に表示中のコンテンツを選択する選択手段と、
前記音声出力装置が音声を出力する方向を検出する方向検出手段と、
前記音声出力装置の位置と方向とに基づいて、前記音声出力装置から出力させる音声データを決定する出力音声制御手段と、
前記決定された音声データを前記音声出力装置へ送信するデータ送信制御手段とを備えたことを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記音声出力装置に接近すると判断する領域を、前記表示手段へ画像として表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示手段は、テーブル型のディスプレイであることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項4】
コンピュータに読み込み込ませ実行させることで、前記コンピュータを請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示制御装置として機能させるコンピュータプログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のコンピュータプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項6】
表示装置を制御する表示制御方法であって、
表示制御手段によって、コンテンツを表示手段に表示させる表示制御工程と、
位置検出手段によって、前記表示手段に接近した音声出力装置の位置を検出する位置検出工程と、
選択手段によって、前記音声出力装置に接近する、前記表示手段に表示中のコンテンツを選択する選択工程と、
方向検出手段によって、前記音声出力装置が音声を出力する方向を検出する方向検出工程と、
音声制御手段によって、前記音声出力装置の位置と方向とに基づいて、前記音声出力装置から出力させる音声データを決定する出力音声制御工程と、
データ送信制御手段によって、前記決定された音声データを前記音声出力装置へ送信するデータ送信制御工程とを備えたことを特徴とする表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−244023(P2011−244023A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−111541(P2010−111541)
【出願日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】