説明

表示制御装置

【課題】リスト表示する対象であるアイテムが全アイテム数に対してどの程度の位置であるかの情報をユーザに対して通知する。
【解決手段】車載装置2は、特定のスコープ以外のスコープが指定されたフォルダアイテム取得要求を携帯電話機3に送信する場合にインデックスを指定し、その指定したインデックスに対応付けられているアイテムを含むフォルダアイテム取得応答を携帯電話機3から受信したか否かの可否に基づいて携帯電話機3が保有している全アイテム数の目安となる全アイテム数情報を取得し、リスト表示する対象であるアイテムをリスト表示する場合に当該リスト表示する対象であるアイテムの全アイテム数に対する位置に関する情報をも併せて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インデックスとアイテムとを対応付けて保有している機器から取得したアイテムをリスト表示可能に構成されている表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機からオーディオデータ(例えば楽曲データ)を例えば車載装置にストリーミング転送する技術が供されている。一方、Bluetooth(登録商標)(以下、BTと称する)の通信規格で制定されているプロファイルの一つとしてAVRCP(オーディオ/ビデオ・リモート制御プロファイル)があり、機器同士の間でAVRCPを接続する構成が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−259068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、AVRCPの1.4版(AVRCP1.4)では、オーディオデータの転送先である車載装置において、特定のスコープを指定したフォルダアイテム取得要求を携帯電話機に送信する場合に限り全アイテム数を携帯電話機から取得可能となっている。しかしながら、特定のスコープ以外のスコープを指定したフォルダアイテム取得要求を携帯電話機に送信する場合には全アイテム数を携帯電話機から取得不可能であり、リスト表示させる対象であるアイテムが全アイテム数に対してどの程度の位置であるかの情報をユーザに対して通知することが不可能であるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、特定のスコープ以外のスコープを指定したフォルダアイテム取得要求を機器に送信する場合であっても、リスト表示させる対象であるアイテムが全アイテム数に対してどの程度の位置であるかの情報をユーザに対して通知することができ、操作性を高めることができる表示制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明によれば、制御手段は、特定のスコープ以外のスコープが指定されたフォルダアイテム取得要求をフォルダアイテム取得要求送信手段から機器に送信させる場合にインデックスを指定し、その指定したインデックスに対応付けられているアイテムを含むフォルダアイテム取得応答を機器からフォルダアイテム取得応答受信手段が受信したか否かの可否に基づいて機器が保有している全アイテム数の目安となる全アイテム数情報を取得し、リスト表示させる対象であるアイテムを表示手段にリスト表示させる場合に、当該リスト表示させる対象であるアイテムの全アイテム数に対する位置に関する情報をも併せて表示手段に表示させる。
【0007】
これにより、特定のスコープ以外のスコープを指定したフォルダアイテム取得要求を機器に送信する場合であっても、リスト表示させる対象であるアイテムが全アイテム数に対してどの程度の位置であるかの情報をユーザに対して通知することができ、操作性を高めることができる。
【0008】
請求項2に記載した発明によれば、制御手段は、リスト表示させる対象であるアイテムを表示手段にリスト表示させる場合に、当該リスト表示させる対象であるアイテムのうち一度に表示可能なアイテムの全アイテム数に対する位置に関する情報をも併せて表示手段に表示させる。これにより、リスト表示させる対象であるアイテムのうち一度に表示可能なアイテム、即ち、ユーザが閲覧中にあるアイテムが全アイテム数に対してどの程度の位置であるかの情報をユーザに対して通知することができる。
【0009】
請求項3に記載した発明によれば、制御手段は、リスト表示させる対象であるアイテムを表示手段にリスト表示させる場合に、当該リスト表示させる対象であるアイテムのうち特定の処理を実行中にあるアイテムの全アイテム数に対する位置に関する情報をも併せて表示手段に表示させる。これにより、リスト表示させる対象であるアイテムのうち特定の処理を実行中にあるアイテム、即ち、特定の処理がアイテムを再生する処理であればユーザが聴いているアイテムが全アイテム数に対してどの程度の位置であるかの情報をユーザに対して通知することができる。
【0010】
請求項4に記載した発明によれば、通信回線接続手段は、機器との間で近距離無線通信回線を接続可能であり、フォルダアイテム取得要求送信手段は、通信回線接続手段と機器とが両者の間で近距離無線通信回線を接続している状態でフォルダアイテム取得要求を近距離無線通信により機器に送信し、フォルダアイテム取得応答受信手段は、通信回線接続手段と機器とが両者の間で近距離無線通信回線を接続している状態でフォルダアイテム取得応答を機器から近距離無線通信により受信する。これにより、機器と表示制御装置との間でフォルダアイテム取得要求及びフォルダアイテム取得応答を近距離無線通信により送受信することにより、機器と表示制御装置との配置態様の自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態を示す機能ブロック図
【図2】フローチャート
【図3】表示部に表示される画面の遷移を示す図(その1)
【図4】表示部に表示される画面の遷移を示す図(その2)
【図5】表示部に表示される画面の遷移を示す図(その3)
【図6】表示部に表示される画面の遷移を示す図(その4)
【図7】表示部に表示される画面の遷移を示す図(その5)
【図8】表示部に表示される画面の遷移を示す図(その6)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の表示制御装置を車両に搭載可能なBluetooth(登録商標)(以下、BTと称する)通信機能を有するBT対応の車載装置に適用した一実施形態について、図面を参照して説明する。尚、ここでは、車載装置が搭載されている車両の車室内に、BT通信機能を有するBT対応の携帯電話機が持込まれ、車載装置と携帯電話機とがBT通信可能な状態にある場合を説明する。
【0013】
車載システム1は、車載装置2(本発明でいう表示制御装置)と携帯電話機3(本発明でいう機器)とから構成されている。車載装置2は、制御部4(本発明でいう制御手段)と、BT通信部5(本発明でいうフォルダアイテム取得要求送信手段、フォルダアイテム取得応答受信手段、通信回線接続手段)と、操作受付部6と、表示部7(本発明でいう表示手段)と、音出力部8と、記憶部9と、信号入力部10とを備えて構成されている。
【0014】
制御部4は、周知のマイクロコンピュータからなるCPU、RAM、ROM及びI/Oバス等を有し、車載装置2の通信動作やデータ管理動作等の動作全般を制御する。BT通信部5は、携帯電話機3との間でBT通信を行う機能を有し、携帯電話機3との間でBT通信回線(本発明でいう近距離無線通信回線)を接続している状態でBTの通信規格で制定されているオーディオ/ビデオのリモート制御を実現するためのAVRCP(オーディオ/ビデオ・リモート制御プロファイル)の1.4版(AVRCP1.4)を接続可能に構成されている。BT通信部5は、AVRCP1.4の接続状態では複数のスコープのうち何れかを指定してフォルダアイテム取得要求を携帯電話機3に送信する。
【0015】
この場合、BT通信部5がフォルダアイテム取得要求に指定可能なスコープは「メディアプレイヤーリスト」、「バーチャルメディアファイルシステム」、「サーチ」及び「ナウプレイング」の4種類がある。尚、BT通信部5は、AVRCP1.4の他に、ハンズフリー通話を実現するためのハンズフリー・プロファイル(HFP)や電話帳データの転送を実現するためのフォン・ブック・アクセス・プロファイル(PBAP)等を接続可能に構成されていても良く、又、これら複数のプロファイルを同時接続(所謂マルチ接続)可能であっても良いし不可能であっても良い。尚、これらプロファイルは、機能毎に定義された通信プロトコルを意味している。
【0016】
操作受付部6は、例えば機械的なハードスイッチや表示部7が表示する画面上に形成されるタッチ釦等から構成され、ユーザがハードスイッチやタッチ釦等を操作したことを検出すると、ユーザが操作した内容を示す操作検出信号を制御部4に出力し、制御部4は、操作受付部6から入力した操作検出信号を解析する。表示部7は、例えば液晶ディスプレイから構成され、制御部4から表示指令信号を入力すると、その入力した表示指令信号に基づいて画面を表示したり画面上にタッチ釦を形成したりする。音出力部8は、制御部4から音出力指令信号を入力すると、その入力した音出力指令信号に基づいて音を出力する。尚、本実施形態では、表示部7や音出力部8が車載装置2に組込まれている構成を説明しているが、表示部7に相当する表示装置や音出力部8に相当する音出力装置が車両に予め搭載されていれば、それら表示装置や音出力装置を利用し、表示装置において画面を表示したり画面上にタッチ釦を形成したり、音出力装置において音を出力する構成であっても良い。
【0017】
記憶部9は、各種データを記憶可能な記憶領域として例えば車載装置2がBT通信回線を接続可能な携帯電話機3の電話番号やBTデバイスアドレス等を記憶する記憶領域を有して構成されている。信号入力部10は、キースイッチからアクセサリ(ACC)信号を入力し、制御部4は、キースイッチから入力しているACC信号がオン(ハイレベル)である場合には車載装置2を電源オン状態として車載バッテリからの動作電力を全ての機能ブロックに供給させることで通常動作させ(ウェイクアップ状態で動作させ)、一方、キースイッチから入力しているACC信号がオフ(ロウレベル)である場合には車載装置2を電源オフ状態として車載バッテリからの動作電力を限定した機能ブロックに供給させることで低消費電力動作させる(スリープ状態で動作させる)。
【0018】
携帯電話機3は、制御部11と、BT通信部12と、電話通信部13と、操作受付部14と、表示部15と、送話音声入力部16と、受話音声出力部17と、記憶部18とを備えて構成されている。制御部11は、周知のマイクロコンピュータからなるCPU、RAM、ROM及びI/Oバス等を有し、携帯電話機3の通信動作やデータ管理動作等の動作全般を制御する。
【0019】
BT通信部12は、車載装置2との間でBT通信を行う機能を有し、車載装置2との間でBT通信回線を接続している状態でBTの通信規格で制定されているAVRCP1.4を接続可能に構成されている。尚、BT通信部12も、上記した車載装置2のBT通信部5と同様にして、AVRCP1.4の他に、HFPやPBAP等を接続可能に構成されていても良く、又、これら複数のプロファイルを同時接続可能であっても良いし不可能であっても良い。
【0020】
電話通信部13は、通信網との間で広域無線通信を行う機能を有して構成されている。操作受付部14は、発信キー、応答キー、数字キー及びマルチキー等の複数のキーが配列されてなるキーボードから構成され、ユーザが何れかのキーを操作したことを検出すると、ユーザが操作した内容を示す操作検出信号を制御部11に出力し、制御部11は、操作受付部14から入力した操作検出信号を解析する。表示部15は、例えば液晶ディスプレイから構成され、制御部11から表示指令信号を入力すると、その入力した表示指令信号に基づいて待受画面や着信通知画面等の各種画面を表示する。
【0021】
記憶部18は、インデックスとアイテムとを対応付けて記憶可能な記憶領域を有して構成されている。アイテムとはトラック(楽曲のタイトル)である。尚、上記した携帯電話機3においては、通話状態にある場合には、送話音声入力部16に入力された送話音声は制御部11の音声処理モジュールで送話処理されて電話通信部13から通信網に送信され、通信網から電話通信部13に受信された受話音声は制御部11の音声処理モジュールで受話処理されて受話音声出力部17から出力される。
【0022】
次に、上記した構成の作用について、図2乃至図8を参照して説明する。図2は車載装置2が行う処理をフローチャートにより示している。車載装置2において、制御部4は、例えばキースイッチから信号入力部10に入力されているACC信号がオフからオンに切換わったと判定すると、装置自体をスリープ状態からウェイクアップ状態に切換えて動作させ、BT通信部5と携帯電話機3との間でBT通信回線を接続させ、AVRCP1.4の接続手順を開始する。尚、制御部4は、このようにACC信号がオフからオンに切換わったことをトリガとしてAVRCP1.4の接続手順を開始することに限らず、ユーザが例えば手動操作したことをトリガとしてAVRCP1.4の接続手順を開始しても良い。
【0023】
制御部4は、AVRCP1.4の接続手順を完了すると、AVRCP1.4の接続中に、上記した「メディアプレイヤーリスト」、「バーチャルメディアファイルシステム」、「サーチ」及び「ナウプレイング」のうち「バーチャルメディアファイルシステム」(本発明でいう特定のスコープ)以外の「メディアプレイヤーリスト」、「サーチ」又は「ナウプレイング」をフォルダアイテム取得要求のスコープに指定した場合に図2に示す処理を行う。
【0024】
制御部4は、表示部7が一度に表示可能なアイテム数に「1」を加えた値をインデックス値として設定し(ステップS1)、粗探査処理を開始する(ステップS2)。この場合、制御部4は、インデックス値が4オクテットで表記されることにより、「インデックス値<4294967296(2の32乗)」の範囲でインデックス値を設定する。
【0025】
制御部4は、粗探査処理を開始すると、フォルダアイテム取得要求のスコープに「メディアプレイヤーリスト」、「サーチ」及び「ナウプレイング」の何れかを指定し、その何れかをスコープに指定したフォルダアイテム取得要求のパラメータであるスタートアイテム及びエンドアイテムに当該設定したインデックス値を設定する(ステップS3)。次いで、制御部4は、インデックス値を設定したフォルダアイテム取得要求をBT通信部5から携帯電話機3に送信させ(ステップS4)、携帯電話機3からフォルダアイテム取得応答をBT通信部5により受信するのを待機する(ステップS5)。携帯電話機3は、車載装置2からフォルダアイテム取得要求を受信すると、その受信したフォルダアイテム取得要求で指定されているインデックスに対応付けられたアイテムが記憶部18に記憶されているか否かを判定し、その受信したフォルダアイテム取得要求で指定されているインデックスに対応付けられたアイテムが記憶部18に記憶されている場合には、そのアイテムを含むフォルダアイテム取得応答を車載装置2に送信する。
【0026】
制御部4は、フォルダアイテム取得要求を送信させてから所定時間内に携帯電話機3からフォルダアイテム取得応答をBT通信部5により受信したと判定すると、即ち、携帯電話機3にインデックスに対応付けられたアイテムが記憶されていると判定すると(ステップS5にて「YES」)、その時点でのインデックス値に「2」を乗じた値を新たなインデックス値として設定し(ステップS6)、上記したステップS2に戻り(ステップS7)、ステップS2以降の処理を繰返して行う。
【0027】
一方、制御部4は、フォルダアイテム取得要求を送信させてから所定時間内に携帯電話機3からフォルダアイテム取得応答をBT通信部5により受信しなかったと判定すると、即ち、携帯電話機3にインデックスに対応付けられたアイテムが記憶されていないと判定すると(ステップS5にて「NO」)、その時点でのインデックス値を「2」で除した値を先頭値として設定すると共に、その時点でのインデックス値を末尾値として設定し(ステップS8)、密探査処理を開始する(ステップS9)。
【0028】
制御部4は、密探査処理を開始すると、その時点での先頭値と末尾値との和を「2」で除した値をインデックス値として設定し(ステップS10)、フォルダアイテム取得要求のパラメータであるスタートアイテム及びエンドアイテムに当該設定したインデックス値を設定する(ステップS11)。次いで、制御部2は、インデックス値を設定したフォルダアイテム取得要求をBT通信部5から携帯電話機3に送信させ(ステップS12)、携帯電話機3からフォルダアイテム取得応答をBT通信部5により受信するのを待機する(ステップS13)。この場合も、携帯電話機3は、車載装置2からフォルダアイテム取得要求を受信すると、その受信したフォルダアイテム取得要求で指定されているインデックスに対応付けられたアイテムが記憶部18に記憶されているか否かを判定し、その受信したフォルダアイテム取得要求で指定されているインデックスに対応付けられたアイテムが記憶部18に記憶されている場合には、そのアイテムを含むフォルダアイテム取得応答を車載装置2に送信する。
【0029】
制御部4は、フォルダアイテム取得要求を送信させてから所定時間内に携帯電話機3からフォルダアイテム取得応答をBT通信部5により受信したと判定すると、即ち、携帯電話機3にインデックスに対応付けられたアイテムが記憶されていると判定すると(ステップS13にて「YES」)、その時点でのインデックス値を先頭値として設定し(ステップS14)、上記したステップS9に戻り(ステップS15)、ステップS9以降の処理を繰返して行う。
【0030】
一方、制御部4は、フォルダアイテム取得要求を送信させてから所定時間内に携帯電話機3からフォルダアイテム取得応答をBT通信部5により受信しなかったと判定すると、即ち、携帯電話機3にインデックスに対応付けられたアイテムが記憶されていないと判定すると(ステップS13にて「NO」)、その時点でのインデックス値を末尾値として設定し(ステップS16)、上記したステップS9に戻り(ステップS15)、ステップS9以降の処理を繰返して行う。尚、制御部4は、上記した図2に示した処理では全アイテム数のおおよその値を確定するに留まり全アイテム数を確定するまでには至らないが、全アイテム数を確定する処理を行うようにしても良い。
【0031】
以上に説明した処理により、車載装置2においては、指定したインデックスに対応付けられたアイテムを含むフォルダアイテム取得応答を携帯電話機3から受信したか否かの可否に基づいて携帯電話機3が保有している全アイテム数の目安となる全アイテム数情報を取得することが可能となり、リスト表示させる対象であるアイテムをリスト表示させる場合に当該リスト表示させる対象であるアイテムの全アイテム数に対する位置に関する情報をも併せて表示することが可能となる。
【0032】
本実施形態では、車載装置2は以下の動作を行う。ここでは、AVRCP1.3を接続した場合と対比して説明する。図3はAVRCP1.3における画面の遷移を示しており、図4乃至図8は本実施形態でのAVRCP1.4における画面の遷移を示している。
【0033】
AVRCP1.3では、制御部4は、ポータブル機器未接続画面51(図3(a)参照)を表示部7に表示させている状態で「接続」釦51aが押下されたと判定すると、ポータブル機器接続中画面52(図3(b)参照)を表示部7に表示させ、AVSLCが完了すると、メイン画面53(図3(c)参照)を表示部7に表示させるに留まる。即ち、ユーザは、これ以降、ブラウズ操作を不可能である。
【0034】
一方、AVRCP1.4では、制御部4は、ポータブル機器未接続画面51(図4(a)参照)を表示部7に表示させている状態で「接続」釦51aが押下されたと判定すると、ポータブル機器接続中画面52(図4(b)参照)を表示部7に表示させ、メディアプレイヤーを選択して起動させることで、プレイヤー起動中画面54(図4(c)参照)を表示部7に表示させる。そして、制御部4は、AVSLCが完了すると、AVRCP1.3におけるメイン画面53とは異なるメイン画面55(図5(a)参照)を表示部7に表示させる。AVRCP1.4におけるメイン画面55では、AVRCP1.3におけるメイン画面53とは異なり、「再生リスト」釦55a及び「ライブラリ」釦55bが設けられており、これ以降、ユーザは、「再生リスト」釦55a及び「ライブラリ」釦55bを押下することで付加価値を得ることができる。
【0035】
即ち、制御部4は、メイン画面55を表示部7に表示させている状態で「再生リスト」釦55aが押下されたと判定すると、ブラウズ画面(再生リスト)56を表示部7に表示させ、上スキップ釦56a、下スキップ釦56b、上スクロール釦56c及び下スクロール釦56dを形成して表示させ、ユーザがリスト表示の対象であるアイテムであるトラック(楽曲のタイトル)を容易に切換えることを可能とすると共に、トラックをリスト表示させる。ここで、本実施形態では、上記した処理を行ったことで全トラック数の目安となる全トラック数情報を取得しているので、リスト表示させているトラックの全トラック数に対する位置に関する情報をバー56eにより表示させる。
【0036】
具体的に説明すると、制御部4は、例えば先頭のトラックが「トラック1」であり、リスト表示させている(ユーザが一度に閲覧可能な)トラックが「トラック1」から「トラック17」の「6トラック」であり、全アイテム数(全トラック数)が「24トラック」であれば、バー56eの全表示領域における先端部(上端部)から「6/24」に相当する表示領域を反転表示させる。この場合、制御部4は、リスト表示させているトラックである「トラック1」から「トラック17」のうち「トラック1」が再生中にあるときには「トラック1」の表示領域を反転表示させる(図5(b)参照)。
【0037】
又、制御部4は、例えばリスト表示させているトラックが「トラック4」から「トラック21」の「6トラック」に切換わると、バー56eの全表示領域における先端部から「2/24」だけ離れて「6/24」に相当する表示領域を反転表示させる。この場合も、制御部4は、リスト表示させているトラックである「トラック4」から「トラック21」のうち「トラック4」が再生中にあるときには「トラック4」の表示領域を反転表示させる(図5(c)参照)。
【0038】
即ち、制御部4は、リスト表示させているトラックが全トラック数のうちの先頭側であれば、バー56eの全表示領域における先頭側の表示領域を反転表示させ、一方、リスト表示させているトラックが全トラック数のうちの末尾側であれば、バー56eの全表示領域における末尾側の表示領域を反転表示させる。これにより、ユーザは、リスト表示させているトラックが全トラック数に対してどの位置であるかを容易に認識することができる。尚、制御部4は、図6に示すように、ブラウズ画面56において確定した全アイテム数(全トラック数)を表示させるようにしても良い。
【0039】
又、このようにリスト表示させているトラックが全トラック数に対してどの位置であるかをユーザに対して通知することに限らず、再生中(本発明でいう特定の処理を実行中)のトラックが全トラック数に対してどの位置であるかをユーザに対して通知するようにしても良い。即ち、制御部4は、図7及び図8に示すように、リスト表示させているトラックの全トラック数に対する位置に関する情報をバー56eにより表示させると共に、再生中のトラックの全トラック数に対する位置に関する情報をバー56fにより表示させる。
【0040】
具体的に説明すると、制御部4は、例えば再生中のトラックが「トラック1」であれば、バー56fの全表示領域における先端部(上端部)から「1/24」に相当する表示領域を反転表示させ、再生中のトラックが「トラック4」であれば、バー56fの全表示領域における先端部から「2/24」だけ離れて「1/24」に相当する表示領域を反転表示させる。これにより、ユーザは、リスト表示させているトラックが全トラック数に対してどの位置であるかを容易に認識することができると共に、再生中のトラックが全トラック数に対してどの位置であるかをも容易に認識することもできる。
【0041】
以上に説明したように本実施形態によれば、車載装置2において、特定のスコープ以外のスコープが指定されたフォルダアイテム取得要求を携帯電話機3に送信する場合にインデックスを指定し、その指定したインデックスに対応付けられているアイテムを含むフォルダアイテム取得応答を携帯電話機3から受信したか否かの可否に基づいて携帯電話機3が保有している全アイテム数の目安となる全アイテム数情報を取得し、リスト表示する対象であるアイテムをリスト表示する場合に当該リスト表示する対象であるアイテムの全アイテム数に対する位置に関する情報をも併せて表示するように構成したので、特定のスコープ以外のスコープを指定したフォルダアイテム取得要求を機器に送信する場合であっても、リスト表示させる対象であるアイテムが全アイテム数に対してどの程度の位置であるかの情報をユーザに対して通知することができ、操作性を高めることができる。
【0042】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張することができる。
表示制御装置は、ハンズフリー機能を有する車載ハンズフリー装置、ナビゲーション機能を有する車載ナビゲーション装置、又は、それらハンズフリー機能とナビゲーション機能との双方を有するハンズフリー機能付き車載ナビゲーション装置であっても良いし、これら車両に搭載される車載装置に限らず、例えば室内に設置される情報処置装置等であっても良い。又、機器は、携帯情報端末であっても良いし、これら携帯可能な機器に限らず、例えば室内に設置される情報処置装置等であっても良い。即ち、車載装置と携帯電話機とに限らず、例えば室内に設置される情報処置装置同士であっても良い。
【0043】
車載装置と携帯電話機との間でBT通信回線を接続することでフォルダアイテム取得要求やフォルダアイテム取得応答をBT通信回線により送受信する構成に限らず、車載装置と携帯電話機との間でフォルダアイテム取得要求やフォルダアイテム取得応答を有線通信回線により送受信する構成であっても良い。
【0044】
リスト表示させているトラックが全トラック数に対してどの位置であるかを通知するためのバーと、再生中のトラックが全トラック数に対してどの位置であるかを通知するためのバーとが別々に設けられている構成に限らず、マークの形状や色彩を区別することで、リスト表示させているトラックが全トラック数に対してどの位置であるかを通知するためのマークと、再生中のトラックが全トラック数に対してどの位置であるかを通知するためのマークとが同一のバーに設けられている構成であっても良い。
【符号の説明】
【0045】
図面中、2は車載装置(表示制御装置)、3は携帯電話機(機器)、4は制御部(制御手段)、5はBT通信部(フォルダアイテム取得要求送信手段、フォルダアイテム取得応答受信手段、通信回線接続手段)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のスコープのうち何れかを指定したフォルダアイテム取得要求をインデックスとアイテムとを対応付けて保有している機器に送信するフォルダアイテム取得要求送信手段と、
機器からアイテムを含むフォルダアイテム取得応答を受信するフォルダアイテム取得応答受信手段と、
前記フォルダアイテム取得応答受信手段が機器から受信したフォルダアイテム取得応答に含まれるアイテムを表示手段にリスト表示可能な制御手段とを備えた表示制御装置であって、
前記制御手段は、特定のスコープ以外のスコープが指定されたフォルダアイテム取得要求を前記フォルダアイテム取得要求送信手段から機器に送信させる場合にインデックスを指定し、その指定したインデックスに対応付けられているアイテムを含むフォルダアイテム取得応答を機器から前記フォルダアイテム取得応答受信手段が受信したか否かの可否に基づいて機器が保有している全アイテム数の目安となる全アイテム数情報を取得し、リスト表示させる対象であるアイテムを前記表示手段にリスト表示させる場合に、当該リスト表示させる対象であるアイテムの全アイテム数に対する位置に関する情報をも併せて前記表示手段に表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載した表示制御装置において、
前記制御手段は、リスト表示させる対象であるアイテムを前記表示手段にリスト表示させる場合に、当該リスト表示させる対象であるアイテムのうち一度に表示可能なアイテムの全アイテム数に対する位置に関する情報をも併せて前記表示手段に表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載した表示制御装置において、
前記制御手段は、リスト表示させる対象であるアイテムを前記表示手段にリスト表示させる場合に、当該リスト表示させる対象であるアイテムのうち特定の処理を実行中にあるアイテムの全アイテム数に対する位置に関する情報をも併せて前記表示手段に表示させることを特徴とする表示制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載した表示制御装置において、
機器との間で近距離無線通信回線を接続可能な通信回線接続手段を備え、
前記フォルダアイテム取得要求送信手段は、前記通信回線接続手段と機器とが両者の間で近距離無線通信回線を接続している状態でフォルダアイテム取得要求を近距離無線通信により機器に送信し、
前記フォルダアイテム取得応答受信手段は、前記通信回線接続手段と機器とが両者の間で近距離無線通信回線を接続している状態でフォルダアイテム取得応答を機器から近距離無線通信により受信することを特徴とする表示制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−258957(P2010−258957A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−109152(P2009−109152)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】