説明

表示変更システム及び表示変更プログラム

【課題】
コンピュータ端末で使用される表示装置を用いた画像の拡大表示において、周囲の状況に応じて画像の拡大倍率を自動的に判定し、ユーザの操作に関する負担を軽減することを目的とする。
【解決手段】
本システムは、授業を実施する際に表示装置を用いて画像を拡大して表示させる指示端末から、拡大する対象となる画像に関する情報と、拡大指示に関する情報を取得する。そして、拡大指示が出された時点において実施されている授業のカリキュラム情報に基づいて画像の拡大倍率を判定し、その判定した拡大倍率に基づいて画像を拡大して表示装置に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置を用いた画像の表示に関し、特に画像の倍率を自動的に変更して表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、授業や講演等のプレゼンテーションを行う際に、講演者が聴衆に分かりやすく説明するために、モニタやプロジェクタ等の表示装置で拡大表示した画像を使いながら説明するという方法が用いられる。しかし、拡大表示される画像に関して、講演者が設定する倍率が適切なものになっていないと、かえって聴衆にとって分かりづらいプレゼンテーションになってしまうという問題がある。例えば、設定した倍率が小さすぎたり、大きすぎたりした場合、表示装置に表示された細かい文字や表示を認識できない人や、表示されている画像の全体像を把握できない人が、聴衆の中から多数出てくるという問題である。
【0003】
上記の問題を解決する手段として、コンピュータ端末の分野では、表示装置に表示される文章の種類に応じて、拡大表示の形式を変更するという技術がある。この技術において、表示装置に表示された文章の種類が縦書きか横書きかを判断し、その結果に応じて一方向のみに拡大するという手段が用いられている。具体的には、文章の種類が縦書きであった場合は横方向のみに拡大し、横書きであった場合は縦方向のみに拡大するという手段を用いている。これにより、表示される文章の種類に応じて、閲覧者が文章の全体像を把握しやすい形式で、自動的に拡大表示することができる。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−215281(第5−7頁、第2、4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術を用いると、表示装置が表示する文章の種類という、表示している画像の内容に応じて、自動的に拡大形式を設定することができる。しかし、閲覧者にとって見やすい倍率で拡大表示されているかどうかは判定できない。このため、プレゼンテーションを行う際に本技術を用いた場合、画像の閲覧者の数や画像が閲覧されている場所といった、周囲の状況に応じて適宜手動で倍率を調整しなければならず、ユーザにとって新たな負担が生じてしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消することを課題とする。具体的には、表示装置を用いて画像を拡大表示する場合において、画像が閲覧される周囲の状況に応じて拡大倍率を自動的に決定することにより、プレゼンテーションを行うユーザの負担を軽減するシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の表示変更システムは、授業を実施する際に表示装置を用いて画像の所定領域を拡大して表示させる指示端末を有する形で構成されており、所定領域の画像情報を取得する画像情報取得部と、画像の拡大を指示する拡大指示情報を取得する拡大指示情報取得部と、拡大指示情報の取得時において実施されている授業のカリキュラム情報を取得するカリキュラム情報取得部と、カリキュラム情報に基づいて前記画像情報の拡大倍率を判定する倍率判定部と、拡大倍率に基づいて画像情報を拡大して表示装置に表示させる表示制御部と、を備えている。
【0008】
本発明のように構成することにより、指示端末によって画像の拡大指示が出された日時を把握することができる。さらに、その日時において実施中の授業に関するカリキュラム情報を取得することにより、どういう状況で画像が閲覧されるのかを判定することができる。この判定結果に基づいて倍率を決定することにより、周囲の状況に応じた画像の拡大表示が可能となる。
【0009】
本発明における授業とは、学校における授業だけではなく、講演者が聴衆に対して行うプレゼンテーションも含む概念のことをいう。具体的には、大学における講義、その他の講演、及び企業や特定のグループ内で行う報告会などが一例として考えられる。
【0010】
本発明における表示装置とは、指定された画像を画面やスクリーン等に表示する装置のことをいう。具体的には、ディスプレイやプロジェクタなどが一例として考えられる。
【0011】
本発明における所定領域とは、画像のうち拡大を要求する部分のことをいい、画像全体であっても、指示端末において指示した範囲であってもよい。
【0012】
本発明におけるカリキュラム情報とは、授業の実施内容及び計画について示す情報のことをいう。具体的には、授業の内容、実施場所、実施日時、実施者、参加者人数、及び授業を受ける受講組織に関する情報などが一例として考えられる。
【0013】
本発明の表示変更システムは、また、授業を実施する際に表示装置を用いて画像の所定領域を拡大して表示させる指示端末と管理サーバとがネットワークで接続されているという形で構成されており、その管理サーバには、所定領域の画像情報を取得する画像情報取得部と、画像の拡大を指示する拡大指示情報を取得する拡大指示情報取得部と、拡大指示情報の取得時においてネットワークに接続している端末に関する情報を取得する端末情報取得部と、端末情報に基づいて生成された授業のカリキュラム情報を取得するカリキュラム情報取得部と、カリキュラム情報に基づいて画像情報の拡大倍率を判定する倍率判定部と、拡大倍率に基づいて画像情報を拡大して表示装置に表示させる表示制御部と、を備えるという構成としてもよい。
【0014】
本発明のように構成することにより、画像の拡大指示が出された時点においてネットワークに接続されている端末の情報を利用してカリキュラム情報を生成することができる。これにより、刻々と変化する周囲の状況に応じて、その時点において最適の倍率で拡大表示をすることが可能となる。
【0015】
本発明の表示変更システムにおけるカリキュラム情報取得部は、カリキュラム情報として授業の内容、実施場所、受講人数、及び受講組織のいずれか一つ以上を含む情報を取得する、という構成としてもよい。
【0016】
本実施例のように構成することにより、カリキュラム情報として授業に関する多様な情報を取得して利用することができるため、周囲の状況として様々な情報に対応した拡大倍率を決定することが可能となる。
【0017】
また、本発明のプログラムを端末に読み込ませて実行することで、上述の本発明を実現させることも可能である。つまり、授業を実施する際に表示装置を用いて画像の所定領域を拡大して表示させる指示端末を有する表示変更システムにおいて、所定領域の画像情報を取得する画像情報取得機能と、画像の拡大を指示する拡大指示情報を取得する拡大指示情報取得機能と、拡大指示情報の取得時において実施されている授業のカリキュラム情報を取得するカリキュラム情報取得機能と、カリキュラム情報に基づいて画像情報の拡大倍率を判定する倍率判定機能と、拡大倍率に基づいて画像情報を拡大して表示装置に表示させる表示制御機能と、をコンピュータに実現させる表示変更プログラムとして構成してもよい。
【0018】
この表示変更プログラムも、上述の表示変更システムと同様の作用効果を伴うものであり、上述した種々の特徴構成を備えることもできる。
【0019】
また、本発明のプログラムを以下のように構成して端末に読み込ませて実行することで、上述の本発明を実現させることも可能である。つまり、授業を実施する際に表示装置を用いて画像の所定領域を拡大して表示させる指示端末と管理サーバとがネットワークに接続されている拡大表示システムにおいて、所定領域の画像情報を取得する画像情報取得機能と、画像の拡大を指示する拡大指示情報を取得する拡大指示情報取得機能と、拡大指示情報の取得時においてネットワークに接続している端末に関する情報を取得する端末情報取得機能と、端末情報に基づいて生成された授業のカリキュラム情報を取得するカリキュラム情報取得機能と、カリキュラム情報に基づいて画像の拡大倍率を判定する倍率判定機能と、拡大倍率に基づいて画像情報を拡大して表示装置に表示させる表示制御機能と、を管理サーバに実現させる表示変更プログラムとして構成してもよい。
【0020】
この表示変更プログラムも、上述の表示変更システムと同様の作用効果を伴うものであり、上述した種々の特徴構成を備えることもできる。
【発明の効果】
【0021】
上述のように構成された本発明によれば、表示装置を用いて画像を拡大表示する場合において、指示端末から拡大指示が出された日時における周囲の状況に応じた倍率で、画像を拡大表示することができる。これにより、授業を行うユーザの負担を軽減することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1におけるシステム構成の一例を示す概念図。
【図2】本発明の管理サーバのハードウェア構成の一例を示す概念図。
【図3】本発明の実施例1におけるシステム構成の一例を示す機能ブロック図。
【図4】本発明の実施例1における処理プロセスの一例を示すフローチャート。
【図5】本発明の拡大指示情報の一例を示す図。
【図6】本発明の画像情報の一例を示す図。
【図7】本発明のカリキュラム情報記憶部14に記憶されている情報の一例を示す図。
【図8】本発明の判定テーブル16に記憶されている情報の一例を示す図。
【図9】本発明の表示制御情報の一例を示す図。
【図10】本発明の拡大表示装置Cで表示する画像の一例を示すイメージ図。
【図11】本発明の実施例2におけるシステム構成の一例を示す概念図。
【図12】本発明の実施例2におけるシステム構成の一例を示す機能ブロック図。
【図13】本発明の実施例3におけるシステム構成の一例を示す概念図。
【図14】本発明の実施例3におけるシステム構成の一例を示す機能ブロック図。
【図15】本発明の実施例3における処理プロセスの一例を示すフローチャート。
【図16】本発明の端末情報の一例を示す図。
【図17】本発明の端末情報記憶部18bに記憶されている情報の一例を示す図。
【図18】本発明のカリキュラム情報記憶部14に記憶されている情報の一例を示す図。
【図19】本発明の実施例4におけるシステム構成の一例を示す概念図。
【図20】本発明の実施例4におけるシステム構成の一例を示す機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0023】
〔実施例1−構成〕
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。図1に、本発明の表示変更システムの全体構成の一例を概念的に示す。本発明は図1に示すように、情報管理サーバA(以下、「管理サーバA」という)が、指示端末B(以下、「端末B」という)及び拡大表示用表示装置C(以下、「拡大表示装置C」という)と、通信ネットワークN(以下、「ネットワークN」という)を介して接続されるという形で構成されている。
【0024】
ネットワークNは、企業や学校等の限られた施設内において情報を物理的に送るケーブルと、LANスイッチやハブ等でなる中継機器を備えたCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access With Collision Detection)方式のイーサネット(登録商標)型のLANとして構成されたものであるが、このネットワークNとしてイーサネット型のLAN以外に、インターネットの技術を用いたイントラネットで構築されたものや、WAN(Wide Area Network)の技術によって構築されるものでもよい。
【0025】
図2に、管理サーバA又は端末Bのハードウェア構成の一例を概念的に示す。
【0026】
管理サーバAは、プログラムの演算処理を実行するCPU等の演算装置1と、情報を記憶するRAMやハードディスク等の記憶装置2と、演算装置1の処理結果や記憶装置2に記憶する情報をインターネットやLAN等のネットワークを介して送受信する通信装置3とを少なくとも有している。端末上で実現する各機能(各手段)は、その処理を実行する手段(プログラムやモジュール等)が演算装置1に読み込まれることでその処理が実行される。各機能は、記憶装置2に記憶した情報をその処理において使用する場合には、該当する情報を当該記憶装置2から読み出し、読み出した情報を適宜、演算装置1における処理に用いる。
【0027】
管理サーバAは、必要に応じてキーボード、マウス又はテンキー等の入力装置4と、ディスプレイ(画面)等の表示装置5を備えた構成としてもよい。ここでいう「表示装置5」は、管理サーバAに直接接続される、又は管理サーバAとハードウェア構成上一体となっているディスプレイ(画面)のことを示しており、「拡大表示装置C」とは異なるものである。また、管理サーバAは、複数の端末又はサーバにその機能が分散配置されていてもよい。
【0028】
端末Bのハードウェア構成も管理サーバAとほぼ同様で、図2に示したとおり、演算装置1、記憶装置2、通信装置3、入力装置4及び表示装置5を有している。
【0029】
図3に、本発明の表示変更システムを構成する管理サーバA、端末B及び拡大表示装置Cの機能ブロック図を示す。本発明における各構成部及び各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上同一の領域を為していてもよい。
【0030】
また、図3は、本発明において必要となる最小限度の機器、構成部及び手段等のみを記載しており、その他の機器、構成部及び手段等についてはその記載を省略する。
【0031】
管理サーバAは、ネットワークNを介して端末B及び拡大表示装置Cと様々な情報を送受信するためのネットワークI/F10、端末Bにおいて出力された拡大表示の指示を示す拡大指示情報を取得する拡大指示情報取得部11、端末Bの表示装置5に表示された画像のうち拡大表示の対象となる領域の画像情報を取得する画像情報取得部12、拡大指示情報を取得した時点において実施されている授業のカリキュラム情報を取得するカリキュラム情報取得部13、授業に関するカリキュラム情報を記憶しているカリキュラム情報記憶部14、取得したカリキュラム情報を利用して画像を拡大する倍率を判定する倍率判定部15、倍率判定の基準となる情報を記憶する判定テーブル16、判定した倍率に基づいて取得した画像を拡大して表示するための表示制御情報を生成して拡大表示装置Cに送信する表示制御部17を備えている。
【0032】
端末Bは、ネットワークNを介して管理サーバA及び拡大表示装置Cと様々な情報を送受信するためのネットワークI/F20、端末Bにおける各種動作を実行する端末制御部21、端末Bにおいて実行された拡大指示に関する拡大指示情報を生成し管理サーバAに送信する拡大指示情報生成部22、端末Bの表示装置5に表示された画像のうち拡大表示の対象として指定された領域に関する画像情報を生成して管理サーバAに送信する画像情報生成部23、端末Bに対して情報を入力する入力装置4、端末制御部21によって指示された情報を表示する表示装置5を備えている。
【0033】
拡大表示装置Cは、ネットワークNを介して管理サーバA及び端末Bと様々な情報を送受信するためのネットワークI/F30、管理サーバAから出力された表示制御情報を受信する表示制御情報受信部31、拡大表示装置Cの各種動作を実行する表示装置制御部32、表示装置制御部32からの指示に応じて画像を表示する画像表示部33を備えている。ここでいう拡大表示装置Cとは、指定された画像を画面やスクリーン等に拡大して表示する装置のことをいう。具体的には、ディスプレイやプロジェクタなどが一例として考えられる。また、表示装置を備えた端末自体が、拡大装置Cの役割を果たしていても良い。
【0034】
以下、図3に記載した本発明を構成する機能ブロック図に基づいて、各構成部の動作について説明する。
【0035】
拡大指示情報生成部22は、端末Bのユーザが入力装置4を用いて拡大指示を行ったことを端末制御部21から取得し、拡大指示情報を生成する。更に生成した拡大指示情報をネットワークI/F20を介して管理サーバAに送信する。
【0036】
上記の拡大指示情報とは、端末Bの表示装置5で表示されている画像に対して、拡大表示を行わせるための操作指示がいつ出力されたかということを示す情報であって、拡大指示を行った端末Bを一義的に識別することができる端末識別情報、端末Bを操作しているユーザ(ログインユーザ)を一義的に識別することができるユーザ識別情報、拡大指示が出された日時を示す日時情報、又は、拡大する画像の中心位置を示す座標情報のいずれか一以上を少なくとも含むものをいう。
【0037】
上記の座標情報とは、拡大の対象となる画像のうち、どの位置を中心に拡大処理を行うのかを示す情報のことをいう。この場合、拡大指示情報を生成した時点における表示装置5中に表示されているマウスカーソルの位置を座標情報とすると好適である。また、ユーザが別途座標位置を指定し、その指定した座標位置を座標情報としてもよい。
【0038】
画像情報生成部23は、端末Bの表示装置5に表示された画像のうち、ユーザが拡大指示の対象として指定した領域に表示されている画像に関する情報を端末制御部21から取得し、画像情報を生成する。更に生成した画像情報をネットワークI/F20を介して管理サーバAに送信する。
【0039】
上記の画像情報とは、端末Bのユーザによって指定された領域に表示されている画像データと、その領域指定がいつ行われたのかを示す情報であって、領域指定を行った端末Bを一義的に識別することができる端末識別情報、端末Bを操作しているユーザ(ログインユーザ)を一義的に識別することができるユーザ識別情報、領域指定が行われた日時を示す日時情報、及び指定された領域内に表示されている画像データを少なくとも含むものをいう。
【0040】
上記のユーザによって指定された領域とは、端末Bの表示装置5における全表示領域でもよいし、ユーザが任意に矩形で囲った範囲内の表示領域であってもよい。
【0041】
拡大指示情報取得部11は、ネットワークNに接続されている端末Bの拡大指示情報をネットワークI/F10を介して取得し、取得した拡大指示情報をカリキュラム情報取得部13に送信する。
【0042】
画像情報取得部12は、ネットワークNに接続されている端末Bの画像情報をネットワークI/F10を介して取得し、取得した画像情報を表示制御部17に送信する。
【0043】
カリキュラム情報取得部13は、拡大指示情報取得部11から取得した拡大指示情報に基づいて、カリキュラム情報記憶部14に記憶されているカリキュラム情報の中から、拡大指示情報が出された時点(拡大指示時刻)において端末Bが行っている授業に該当するカリキュラム情報を抽出して取得する。そして、カリキュラム情報取得部13は、取得したカリキュラム情報と拡大指示情報をあわせて倍率判定部15に送信する。
【0044】
カリキュラム情報記憶部14には、端末Bを用いて実施される各授業に関するカリキュラム情報が記憶される。その際の記憶形式は、カリキュラム情報に含まれる授業の実施日時を示す日時情報を利用して、日時情報毎に関連づける形で保存しても良いし、授業の実施者を示すユーザ識別情報や端末識別情報を利用して関連付けて保存する形式でも良い。また、授業の実施日時と実施者との両方の情報を用いた形で関連付けて保存する形式としても構わない。
【0045】
上記におけるカリキュラム情報とは、実施されている授業に関する実施内容及び計画について示す情報のことをいう。具体的には、授業の内容、実施場所、実施日時、実施者、参加者人数、又は授業を受ける受講組織に関する情報など、授業に関する様々な情報をまとめて、ここではカリキュラム情報として定義している。
【0046】
倍率判定部15は、カリキュラム情報取得部13から取得したカリキュラム情報に基づいて、画像の拡大倍率を決定する。その際、倍率判定部15は、判定テーブル16に記憶されている倍率判定の基準となる情報を参照し、拡大倍率を判定する。そして、判定した拡大倍率と拡大指示情報とをあわせて表示制御部17に送信する。
【0047】
判定テーブル16には、カリキュラム情報に含まれる所定の情報と倍率とが関連付けられた情報が、予め記憶されている。倍率と関連付けられるカリキュラム情報に含まれる所定の情報は、授業の内容、実施場所、実施日時、実施者、参加者人数、及び授業を受ける受講組織に関する情報など、どのような情報であっても構わない。
【0048】
表示制御部17は、画像情報取得部12から画像情報を取得し、さらに倍率判定部15から拡大倍率を取得する。そして、取得した画像情報に対して、拡大指示情報に含まれる座標情報を中心として、取得した拡大倍率と拡大表示装置Cの解像度(拡大表示装置Cの画角サイズ)に応じて拡大させた画像データを生成し、その拡大した画像データを含む表示制御情報を生成し、ネットワークI/F10を介して拡大表示装置Cに対して送信する。
【0049】
表示制御情報受信部31は、表示制御部17から出力された表示制御情報をネットワークI/F30を介して受信し、表示装置制御部32に送信する。
【0050】
表示装置制御部32は、表示制御情報受信部31から取得した表示制御情報に基づき、表示制御情報に含まれる画像データを画像表示部33によって表示させる。
【0051】
上述の処理について、管理サーバAの表示制御部17は、生成した表示制御情報をネットワークI/F10を介して、端末Bに対して送信するという構成としてもよい。この場合、端末Bの端末制御部21は、ネットワークI/F20を介して表示制御情報を受信し、受信した表示制御情報に含まれる画像データを、同じく表示制御情報に含まれる拡大倍率に基づいて拡大処理し、端末Bの表示装置5に表示させるという処理を行う。
【0052】
上記の処理を行うことにより、端末Bのユーザは、拡大表示装置Cによって拡大表示された画像と同じ画像を、端末Bの表示装置5でも閲覧することが可能となる。
【0053】
〔実施例1−処理プロセス〕
次に、本発明の表示変更システムにおける処理プロセスの一例を、図3の機能ブロック図及び図4のフローチャート等を用いて説明する。なお、以下の説明では、中学校における授業において本システムを用いた場合を例に説明する。また、拡大倍率を決定するカリキュラム情報として授業を受講する生徒数を用いる場合を例に説明する。
【0054】
端末Bの拡大指示情報生成部22は、端末制御部21の情報から拡大指示操作が行われたことを検出すると、その内容に基づき拡大指示情報を生成し、その生成した拡大指示情報をネットワークI/F20を介して管理サーバAに送信する。生成される拡大指示情報の一例を図5に示す。
【0055】
上記について、拡大指示情報が図5の通りに生成された場合を例に具体的に説明する。拡大指示情報は、日時情報、端末識別情報、ユーザ識別情報、及び座標情報の4つの情報を含んでおり、図5では、日時「2010/2/5 10:45」に、端末「A001」を使用するユーザ「TC012」が、表示装置5に表示されている画像を指定して拡大指示を行ったということを示している。
【0056】
端末Bの画像情報生成部23は、端末制御部21の情報から、ユーザが拡大指示の対象として指定した領域に表示されている画像に関する情報を取得して画像情報を生成し、その生成した画像情報をネットワークI/F20を介して管理サーバAに送信する。生成される画像情報の一例を図6に示す。
【0057】
上記について、画像情報が図6の通りに生成された場合を例に具体的に説明する。画像情報は、日時情報、端末識別情報、ユーザ識別情報、及び画像データの4つの情報を含んでおり、図6では、日時「2010/2/5 10:45」に、端末「A001」を使用するユーザ「TC012」が、表示装置5の指定領域に表示されている画像(画像データに示す画像)を指定して拡大指示を行ったということを示している。本実施例では、表示装置5に表示されている全範囲内を指定領域とすることとする。
【0058】
管理サーバAの拡大指示情報取得部11は、端末Bから送信された拡大指示情報をネットワークI/F10を介して取得する(S101)。さらに、取得した拡大指示情報をカリキュラム情報取得部13に送信する。
【0059】
管理サーバAの画像情報取得部12は、端末Bから送信された画像情報をネットワークI/F10を介して取得する(S102)。さらに、取得した画像情報を表示制御部17に送信する。
【0060】
カリキュラム情報取得部13は、拡大指示情報取得部11から取得した拡大指示情報に基づいて、カリキュラム情報記憶部14を検索し、端末Bにおいて現在実施されている授業に関するカリキュラム情報を抽出して取得する(S103)。そして、取得したカリキュラム情報と拡大指示情報とをあわせて倍率判定部15に送信する。
【0061】
上記のカリキュラム情報記憶部14について、具体的に説明する。カリキュラム情報記憶部14には、授業に関する各種情報が体系別に保存されている。本実施例では、中学校において実施される授業の情報が記憶されるので、授業の内容として科目情報、実施日時情報として時間割情報、実施場所として教室情報、受講人数としてクラス人数、受講組織としてクラス情報、などが関連付けて記憶されることとする。カリキュラム情報記憶部14に記憶される情報の一例を、図7に示す。
【0062】
上記について、カリキュラム情報が図7の通りに記憶されている場合を例に具体的に説明する。カリキュラム情報は、日時情報に基づいて体系別に記憶されており、日時情報(日付情報・時間帯情報)、クラス情報、クラス人数、科目情報、担当教師情報、及び教室情報の7つの情報を含んでいる。記憶されている情報の一例を紹介すると、日付「2010/2/5」の時間帯「9:00〜10:50(1時間目)」において、クラス情報「1−A」・クラス人数「25」人が、科目情報「理科」の授業を、担当教師「TC104」より教室「理科室」で受講する、などということが記憶されている。さらに、受講者の年齢や年齢層といった情報を含んで記憶しておくとしてもよい。これらの情報は必ず含まれていなければならないものではなく、本システムが動作する上で必要となる情報が含まれていればよい。
【0063】
次に、上記のカリキュラム情報取得部13における処理について具体的に説明する。拡大指示情報取得部11から取得した拡大指示情報が図5の通りであり、カリキュラム情報記憶部14に記憶されているカリキュラム情報が図7の通りである場合において、カリキュラム情報取得部13は、拡大指示情報に含まれる日時情報「2010/2/5 10:45」とユーザ識別情報「TC105」を利用して、カリキュラム情報記憶部14を検索し、現在行われている授業に関する情報をカリキュラム情報として抽出して取得する。その結果、クラス情報「1−A」・クラス人数「25」・科目情報「社会」・教室情報「視聴覚室」という情報が、現在実施されているカリキュラム情報として取得される。そして、カリキュラム情報取得部13は、取得したカリキュラム情報を倍率判定部15に送信する。
【0064】
倍率判定部15は、カリキュラム情報13から取得したカリキュラム情報と、判定テーブル16に記憶されている倍率判定の基準となる情報とに基づいて、拡大倍率を判定する(S104)。そして、判定した拡大倍率と拡大指示情報とをあわせて表示制御部17に送信する。
【0065】
上記の判定テーブル16について、具体的に説明する。判定テーブル16には、カリキュラム情報に含まれる所定の情報と倍率とを関連付けた、倍率判定に用いる基準となる情報が予め定められ記憶されている。判定テーブル16に記憶されている情報の一例を、図8に示す。
【0066】
上記について、判定テーブル16に記憶されている情報が図8の通りであった場合を例に具体的に説明する。判定テーブルには、カリキュラム情報に含まれる所定の情報毎に、その内容と倍率とが関係付けられて設定されている。図8では、人数、科目情報、及び教室情報の3つの内容と倍率の関係が設定されている。判定テーブル16に記憶される情報はこれらに限らず、例えば、クラス情報(学年情報)、教師情報(ユーザ識別情報)、年齢や年齢層の内容と倍率との関係を設定して記憶しても良い。また、カリキュラム情報に含まれる二つ以上の情報を組み合わせたものと倍率との関係が設定してあっても構わない。
【0067】
次に、上記の倍率判定部15における処理について具体的に説明する。本実施例では、カリキュラム情報取得部13から取得したカリキュラム情報に含まれる各種情報のうち、クラス人数「25」を用いて拡大倍率を判定することとする。倍率情報判定部15は、判定テーブル16に記憶されている情報を利用し、クラス人数「25」に対応する拡大倍率を判定する。その結果、拡大倍率「6倍」と判定される。そして、判定した拡大倍率と拡大指示情報とをあわせて表示制御部17に送信する。
【0068】
表示制御部17は、画像情報取得部12から取得した画像情報と、倍率判定部15から取得した拡大倍率及び拡大指示情報を用いて、表示制御情報を生成する(S105)。そして、生成した表示制御情報を、ネットワークI/F10を介して拡大表示装置Cに対して送信する。
【0069】
上記の表示制御部17における処理について具体的に説明する。画像情報12から取得した画像情報が図6の通りであり、倍率判定部15から取得した拡大倍率が「6倍」である場合において、表示制御部17は、拡大指示情報に含まれる座標情報を中心として、画像情報に含まれる画像データを6倍に拡大した画像データを生成し、その拡大割いた画像データを含む表示制御情報を生成する。生成した表示制御情報の一例を、図9に示す。
【0070】
表示制御情報受信部31は、表示制御部17から出力された表示制御情報をネットワークI/F30を介して受信し、表示装置制御部32に送信する。
【0071】
表示装置制御部32は、表示制御情報受信部から取得した表示制御情報に基づき、画像データを画像表示部33に表示する(S106)。画像表示部33が表示する画像の一例を、図10に示す。
【0072】
上述の実施形態とすることにより、授業を行うユーザ(本実施例では「教師」)が拡大指示を行った時点で実施されていた授業の受講者(本実施例では「生徒」)の数に応じて、適切な倍率での拡大を簡単に行うことが可能となる。これにより、授業を行うユーザの負担を軽減することができる。
【0073】
その他、上述の実施形態において、拡大倍率を判定する際に用いるカリキュラム情報に含まれる所定の情報を、受講者の数(本実施例では「クラス人数」)以外の情報に設定することによって、様々な周囲の状況に応じた拡大倍率を判定することができ、その判定した倍率で拡大表示を行うことが可能となる。
【実施例2】
【0074】
〔実施例2−構成〕
次に、図面を用いて本発明の第二実施形態について説明する。図11に、本発明の表示変更システムの全体構成の一例を概念的に示す。本発明は図11に示すように、端末Bと拡大表示装置Cとが、直接接続又は通信ネットワークN(以下、「ネットワークN」という)を介して接続されるという形で構成されている。端末Bと拡大表示装置Cとの接続形式は、直接接続でもネットワークNを介した接続でも、そのどちらであっても構わない。
【0075】
次に、図12の機能ブロック図を用いて、本発明の表示変更システムの第二実施形態を説明する。なお、実施例1と同一の構成部には同一の符号を付しており、実施例1と同じ動作をする場合にはその詳細な説明は省略する。
【0076】
本発明の表示変更システムの第二実施形態は、端末Bの内部に、カリキュラム情報取得部13、カリキュラム情報記憶部14、倍率判定部15、判定テーブル16、及び表示制御部17を有し、さらに、端末Bと拡大表示装置Cとは、接続I/F40及び接続I/F50を介して接続されているという点において、実施例1の実施形態と異なっている。
【0077】
本実施例は、実施例1のように管理サーバAを設けず、端末Bと拡大表示装置Cのみで本発明を実現することができるという点に特徴がある。
【0078】
以下、各構成部の動作について説明する。なお、実施例1と同様の構成部又は同様の動作については、詳細な説明を省略する。
【0079】
拡大指示情報生成部22は、端末Bのユーザが入力装置4を用いて拡大指示を行ったことを端末制御部21から取得し、拡大指示情報を生成する。更に生成した拡大指示情報をカリキュラム情報取得部14に送信する。
【0080】
画像情報生成部23は、端末Bの表示装置5に表示された画像のうち、ユーザが拡大指示の対象として指定した領域に表示されている画像に関する情報を端末制御部21から取得し、画像情報を生成する。更に生成した画像情報を表示制御部17に送信する。
【0081】
カリキュラム情報取得部13は、拡大指示情報生成部11から取得した拡大指示情報に基づいて、カリキュラム情報記憶部14に記憶されているカリキュラム情報の中から、拡大指示情報に含まれている日時情報及び端末識別情報に基づいて、拡大指示情報が出された時点において端末Bが行っている授業に該当するカリキュラム情報を抽出して取得する。そして、カリキュラム情報取得部13は、取得したカリキュラム情報を倍率判定部15に送信する。
【0082】
表示制御部17は、画像情報生成部12から画像情報を取得し、さらに倍率判定部15から拡大倍率を取得する。そして、取得した画像情報と拡大倍率とを関連付けた表示制御情報を生成し、接続I/F10を介して拡大表示装置Cに対して送信する。
【0083】
表示制御情報受信部31は、表示制御部17から出力された表示制御情報を接続I/F30を介して受信し、表示装置制御部32に送信する。
【0084】
上記のように構成することにより、管理サーバAを設けない場合であっても、端末Bと拡大表示装置Cのみで本発明を実施することが可能である。これにより、本発明のシステム構成に関わる作業や費用を削減することができる。
【実施例3】
【0085】
〔実施例3−構成〕
次に、図面を用いて本発明の第三実施形態について説明する。図13に、本発明の表示変更システムの全体構成の一例を概念的に示す。本発明は図13に示すように、管理サーバA、端末B、拡大表示装置C、及び複数のクライアント端末D(以下、「従属端末D」という)が、通信ネットワークN(以下、「ネットワークN」という)を介して接続されるという形で構成されている。
【0086】
従属端末Dのハードウェア構成は、管理サーバA及び端末Bとほぼ同様で、図2に示したとおり、演算装置1、記憶装置2、通信装置3、入力装置4及び表示装置5を有している。
【0087】
次に、図14の機能ブロック図を用いて、本発明の表示変更システムの第三実施形態を説明する。なお、実施例1と同一の構成部には同一の符号を付しており、実施例1と同じ動作をする場合にはその詳細な説明は省略する。
【0088】
本発明の表示変更システムの第三実施形態は、管理サーバAの内部に、ネットワークNに接続されている従属端末に関する情報を取得する端末情報取得部18aと、取得した端末情報を記憶する端末情報記憶部18bと、記憶された端末情報からカリキュラム情報を生成するカリキュラム情報生成部19とを備えているという点において、実施例1の実施形態と異なっている。
【0089】
さらに、従属端末Dの内部には、ネットワークNを介して管理サーバA及び拡大表示装置Cと様々な情報を送受信するためのネットワークI/F60、従属端末Dにおける各種動作を実行する従属端末制御部61、従属端末に関する情報を生成する端末情報生成部62、従属端末Dに対して情報を入力する入力装置4、従属端末制御部21によって指示された情報を表示する表示装置5が備えられている。
【0090】
本実施例は、実施例1及び実施例2のように、予め記憶されたカリキュラム情報に基づいて拡大倍率を判定するのではなく、ネットワークに接続されている従属端末に関する情報を取得し、その情報を利用してカリキュラム情報を作り出して拡大倍率を判定するという点に特徴がある。
【0091】
以下、各構成部の動作について説明する。なお、実施例1と同様の構成部又は同様の動作については、詳細な説明を省略する。
【0092】
従属端末Dの端末情報生成部62は、ユーザが従属端末Dをネットワークに接続して使用している情報を従属端末制御部61から取得し、端末情報を生成する。更に生成した端末情報をネットワークI/F60を介して管理サーバAに送信する。
【0093】
上記の端末情報とは、ネットワークNに接続された従属端末Dがユーザによって使用されているかどうかを示す情報のことをいう。具体的には、従属端末Dの電源が入っているか否かを示す情報、ユーザが従属端末Dを介してネットワークNにログインしたことを示す情報(ユーザ識別情報)、ネットワークNに接続されている従属端末Dを一義的に示すことのできる端末識別情報、などが端末情報として考えられる。また、従属端末Dにおいて行われた操作内容を示す操作ログ情報を生成し、端末情報として管理サーバAに送信しても良い。
【0094】
端末情報取得部18aは、ネットワークNに接続されている従属端末Dの端末情報をネットワークI/F10を介して取得し、取得した端末情報を端末情報記憶部18bに記憶する。端末情報取得部18aは、新たな端末情報を取得する都度、端末情報記憶部18bに記憶されている内容を更新する。
【0095】
カリキュラム情報生成部19は、端末情報記憶部18bに記憶されている端末情報を用いて、拡大指示情報が出された時点において端末Bが行っている授業に該当するカリキュラム情報を生成する。具体的には、拡大指示情報が出された時点において行われていた授業に参加している参加者人数や、授業を受けている受講組織などに関する情報を生成する。そして、生成したカリキュラム情報をカリキュラム情報記憶部14に記憶する。
【0096】
上記のカリキュラム情報の生成方法について具体的に説明する。例えば、カリキュラム情報として、現在行われている授業に参加している参加者数を算出する場合は、ネットワークに接続されている従属端末Dの電源情報を取得し、電源ON状態となっている端末が何台あるかを計数することにより、授業に参加している参加者数を算出するという方法がある。その他、ネットワークに接続されている従属端末Dのログイン情報を取得し、ログイン者数を計数することで、授業に参加している参加者数を算出するという方法も考えられる。また、現在行われている授業を受講している受講組織を判定する場合は、ネットワークに接続されている従属端末Dのログイン情報に含まれるユーザ識別情報や、操作ログ情報に含まれるユーザ識別情報を取得し、ユーザ情報データベース(図示せず)を用いて当該取得したユーザの所属する組織を特定することにより、受講組織を判定するという方法が考えられる。なお、ユーザ情報データベースには、ユーザ識別情報とユーザの属性情報(たとえば、学年、クラス、性別、視力、学力など)とが関連付けて記憶されている。
【0097】
カリキュラム情報記憶部14は、カリキュラム情報生成部19において生成されたカリキュラム情報を記憶する。その記憶形式は、日時情報と関連付けて記憶されることとし、カリキュラム情報生成部19において生成されたカリキュラム情報を新たに受信する都度、記憶している情報の内容が更新されるという形式で記憶すると好適である。
【0098】
カリキュラム情報取得部13は、拡大指示情報取得部11から取得した拡大指示情報に基づいて、カリキュラム情報記憶部14から、拡大指示情報に含まれている日時情報に基づいて、拡大指示情報が出された時点において端末Bが行っている授業に該当するカリキュラム情報を抽出して取得する。そして、カリキュラム情報取得部13は、取得したカリキュラム情報を倍率判定部15に送信する。
【0099】
〔実施例3−処理プロセス〕
次に、本実施例の表示変更システムにおける処理プロセスの一例を、図14の機能ブロック図及び図15のフローチャート等を用いて説明する。なお、以下の説明では、中学校における授業において本システムを利用した場合について説明する。また、拡大倍率を決定するカリキュラム情報として、授業を受講する生徒数を用いる場合を例に説明する。
【0100】
図15のフローチャートにける(S303)から(S304)、(S307)から(S308)の動作については、〔実施例1−処理プロセス〕と同様のため、その説明を省略する。
【0101】
従属端末Dの属性情報生成部62は、従属端末制御部61の情報から、ネットワークNに対するログイン操作が行われたことを検出すると、その内容に基づき端末情報を生成し、その生成した端末情報をネットワークI/F60を介して管理サーバAに送信する。生成される端末情報の一例を図16に示す。
【0102】
上記について、端末情報が図16の通りに生成された場合を例に具体的に説明する。端末情報は、日時情報、操作内容、端末識別情報、ユーザ識別情報の3つの情報を含んでおり、図16では、日時「2010/2/5 10:30」に、ユーザ「1A015」が、端末「B004」を使用してネットワークNにログインしたということを示している。
【0103】
管理サーバAの端末情報取得部18aは、従属端末Dから送信された端末情報をネットワークI/F10を介して取得する。さらに、取得した端末情報を端末情報記憶部18bに記憶する(S301)。端末情報記憶部18bに記憶されている情報の一例を、図17に示す。
【0104】
上記について、端末情報が図17の通りに記憶されている場合を例に具体的に説明する。端末情報は、日時情報順に関連付けて記憶されており、日時情報、操作内容、端末識別情報、及びユーザ識別情報の4つの情報を含んでいる。これらの情報は必ず含まれていなければならないものではなく、本システムが動作する上で必要となる情報が含まれていればよい。端末情報記憶部18bに記憶されている情報は、端末情報取得部18aにおいて新たに端末情報が出力される都度更新されるため、現在どの従属端末がネットワークNにログイン操作を行っているのかという情報を把握することが可能となる。
【0105】
カリキュラム情報生成部19は、端末情報記憶部18bに記憶されている端末情報を解析し、現在時点において実施されている授業に関するカリキュラム情報を生成する。そして生成したカリキュラム情報は、カリキュラム情報記憶部14に随時記憶する(S302)。カリキュラム情報記憶部14に記憶されている情報の一例を、図18に示す。
【0106】
上記について、端末情報が図17の通りに記憶されている場合を例に具体的に説明する。カリキュラム情報生成部19は、端末情報記憶部18bに記憶されている端末情報のうち、ログイン状態にある端末数を算出する。現在日時が「2010/2/5 10:35」であった場合、ログイン状態にある端末数は「19」と算出される。そして、そのログイン状態にある端末数が、現在授業に参加している生徒の人数であると判定する。そして、現在日時情報とログイン状態にある端末数を組み合わせてカリキュラム情報を生成し、カリキュラム情報記憶部14に記憶する。
【0107】
カリキュラム情報取得部13は、拡大指示情報取得部11から取得した拡大指示情報に基づいて、カリキュラム情報記憶部14から、端末Bにおいて現在実施されている授業に関するカリキュラム情報を取得する(S305)。そして、取得したカリキュラム情報を倍率判定部15に送信する。
【0108】
上記について、拡大指示情報取得部11から取得した拡大指示情報が図5の通りであった場合について具体的に説明する。カリキュラム情報取得部13は、拡大指示情報に含まれる日時情報「2010/2/5 10:45」を利用して、カリキュラム情報記憶部14を検索し、現在行われている授業に関する情報をカリキュラム情報として抽出して取得する。その結果、ログイン端末数(生徒数)「19」という情報が、現在実施されているカリキュラム情報として取得される。そして、カリキュラム情報取得部13は、取得したカリキュラム情報を倍率判定部15に送信する。
【0109】
倍率判定部15は、カリキュラム情報13から取得したカリキュラム情報と、判定テーブル16に記憶されている倍率判定の基準となる情報とに基づいて、拡大倍率を判定する(S306)。そして、判定した拡大倍率を表示制御部17に送信する。
【0110】
上記について、判定テーブル16に記憶されている情報が図8の通りであった場合を例に具体的に説明する。倍率判定部15は、ログイン端末数(生徒数)「19」を用いて拡大倍率を判定する。倍率情報判定部15は、判定テーブル16に記憶されている情報を利用し、人数「19」に対応する拡大倍率を判定する。その結果、拡大倍率「5倍」と判定される。そして、判定した拡大倍率を表示制御部17に送信する。
【0111】
上述の実施形態とすることにより、授業を行うユーザ(本実施例では「教師」)が拡大指示を行った時点で実施されていた授業の受講者(本実施例では「生徒」)の数のうち、予め定められている人数(例えばクラスの総人数など)ではなく、実際にその時点において授業に参加していた人数に応じて、適切な倍率での拡大を簡単に行うことが可能となる。これにより、よりリアルタイムで周囲の状況を判定し、最適な倍率で拡大表示を行うことが可能となる。
【実施例4】
【0112】
〔実施例4−構成〕
次に、図面を用いて本発明の第四実施形態について説明する。図19に、本発明の表示変更システムの全体構成の一例を概念的に示す。本発明は図19に示すように、端末B、拡大表示装置C、及び従属端末Dが、直接接続又は通信ネットワークN(以下、「ネットワークN」という)を介して接続されるという形で構成されている。端末Bと拡大表示装置Cとの接続形式は、直接接続でもネットワークNを介した接続でも、そのどちらであっても構わない。
【0113】
次に、図20の機能ブロック図を用いて、本発明の表示変更システムの第四実施形態を説明する。なお、実施例1又は実施例3と同一の構成部には同一の符号を付しており、実施例1又は実施例3と同じ動作をする場合にはその詳細な説明は省略する。
【0114】
本発明の表示変更システムの第四実施形態は、端末Bの内部に、カリキュラム情報取得部13、カリキュラム情報記憶部14、倍率判定部15、判定テーブル16、及び表示制御部17、端末情報取得部18a、端末情報記憶部18b、カリキュラム情報生成部19を有しているという点において、実施例1及び実施例3の実施形態と異なっている。
【0115】
本実施形態では、実施例1及び実施例3のように管理サーバAを設けず、端末B、拡大表示装置C、及び従属端末Dのみで本発明を実現することができるという点に特徴がある。
【0116】
本実施形態のように構成することにより、管理サーバAを設けない場合であっても本発明を実施することが可能である。これにより、本発明のシステム構成に関わる作業や費用を削減することができる。
【符号の説明】
【0117】
A:管理サーバ
B:端末
C:拡大表示装置
D:従属端末
1:演算装置
2:記憶装置
3:通信装置
4:入力装置
5:表示装置
10:ネットワークI/F
11:拡大指示情報取得部
12:画像情報取得部
13:カリキュラム情報取得部
14:カリキュラム情報記憶部
15:倍率判定部
16:判定テーブル
17:表示制御部
18a:端末情報取得部
18b:端末情報記憶部
19:カリキュラム情報生成部
20:ネットワークI/F
21:端末制御部
22:拡大指示情報生成部
23:画像情報生成部
30:ネットワークI/F
31:表示制御情報受信部
32:表示装置制御部
33:画像表示部
40:接続I/F
50:接続I/F
60:ネットワークI/F
61:従属端末制御部
62:端末情報生成部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
授業を実施する際に、表示装置を用いて画像の所定領域を拡大して表示させる指示端末を有する表示変更システムにおいて、前記所定領域の画像情報を取得する画像情報取得部と、前記画像の拡大を指示する拡大指示情報を取得する拡大指示情報取得部と、前記拡大指示情報の取得時において実施されている前期授業のカリキュラム情報を取得するカリキュラム情報取得部と、前記カリキュラム情報に基づいて前記画像情報の拡大倍率を判定する倍率判定部と、前記拡大倍率に基づいて前記画像情報を拡大して前記表示装置に表示させる表示制御部と、を備えることを特徴とする表示変更システム。
【請求項2】
授業を実施する際に、表示装置を用いて画像の所定領域を拡大して表示させる指示端末と管理サーバとがネットワークで接続されている表示変更システムにおいて、前記管理サーバは、前記所定領域の画像情報を取得する画像情報取得部と、前記画像の拡大を指示する拡大指示情報を取得する拡大指示情報取得部と、前記拡大指示情報の取得時において前記ネットワークに接続している端末に関する情報を取得する端末情報取得部と、前記端末情報に基づいて生成された前記授業のカリキュラム情報を取得するカリキュラム情報取得部と、前記カリキュラム情報に基づいて前記画像情報の拡大倍率を判定する倍率判定部と、
前記拡大倍率に基づいて前記画像情報を拡大して前記表示装置に表示させる表示制御部と、を備えることを特徴とする表示変更システム。
【請求項3】
前記カリキュラム情報取得部は、前記カリキュラム情報として前記授業の内容、実施場所、受講人数、及び受講組織のいずれか一つ以上を含む情報を取得することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の表示変更システム。
【請求項4】
授業を実施する際に、表示装置を用いて画像の所定領域を拡大して表示させる指示端末を有する表示変更システムにおいて、前記所定領域の画像情報を取得する画像情報取得機能と、前記画像の拡大を指示する拡大指示情報を取得する拡大指示情報取得機能と、前記拡大指示情報の取得時において実施されている前記授業のカリキュラム情報を取得するカリキュラム情報取得機能と、前記カリキュラム情報に基づいて前記画像情報の拡大倍率を判定する倍率判定機能と、前記拡大倍率に基づいて前記画像情報を拡大して前記表示装置に表示させる表示制御機能と、をコンピュータに実現させる表示変更プログラム。
【請求項5】
授業を実施する際に、表示装置を用いて画像の所定領域を拡大して表示させる指示端末と管理サーバとがネットワークで接続されている拡大表示システムにおいて、前記所定領域の画像情報を取得する画像情報取得機能と、前記画像の拡大を指示する拡大指示情報を取得する拡大指示情報取得機能と、前記拡大指示情報の取得時において前記ネットワークに接続している端末に関する情報を取得する端末情報取得機能と、前記端末情報に基づいて生成された前記授業のカリキュラム情報を取得するカリキュラム情報取得機能と、前記カリキュラム情報に基づいて前記画像の拡大倍率を判定する倍率判定機能と、前記拡大倍率に基づいて前記画像情報を拡大して前記表示装置に表示させる表示制御機能と、を管理サーバに実現させる表示変更プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−170500(P2011−170500A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32334(P2010−32334)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(599108242)Sky株式会社 (257)
【Fターム(参考)】