説明

表示媒体制御装置、表示媒体制御システムおよび表示媒体制御方法

【課題】 電子ペーパー等の表示媒体の閲覧状況を検知する技術を提供する。
【解決手段】 電子ペーパーユニット100には、圧力を測定する圧力センサ200Pと、光量を測定する光センサ200Lとが設けられている。制御装置300の制御部310は、ワイヤレスセンサ200から電波信号を受信すると、その電波信号に基づいて、その電子ペーパーがどのように扱われているか(例えば手で把持されているか、机の上に置かれているか、等)を判定し、その判定内容によって、電子ペーパーユニット100の閲覧者または電子ペーパーユニット100に表示されている電子データの管理者に対して有用な制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ペーパー等の表示媒体の閲覧状況を検知するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、紙の扱いやすさと電子表示の便利さを併せ持った表示媒体として、電子ペーパーと呼ばれる画像表示機能を持った表示媒体が注目されている。この電子ペーパーは、表示内容を消去して何回でも書き換えることができ、表示された内容は無電源で長時間にわたり維持できるという特徴を有する。例えば特許文献1に記載されている光書き込み型の電子ペーパーでは、表示装置などで画像等を表示する際に表示光を用いて情報を繰り返し書き込むことができ、一旦書き込んだ情報は消去または新たな情報が書き込まれない限り半永久的に維持される。同様に、特許文献2に記載される白黒粒子を用いた表示装置でも、一旦書き込んだ情報は消去または新たな情報が書き込まれない限り半永久的に維持される。従って、電子ペーパーとはメモリ性があり繰り返し書き換え可能な表示媒体と定義する。
【特許文献1】特開2002−90716号公報
【特許文献2】特開2001−312225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、電子ペーパーの閲覧者は、電子ペーパーを手で把持したり、あるいは机の上に置いたりして電子ペーパーを閲覧する。また、複数の電子ペーパーを重ねて把持し、重ねた電子ペーパーを順番に閲覧する場合もある。
【0004】
電子ペーパーが閲覧されているか否かを判定したり、複数の電子ペーパーが把持されている場合にそのうちのどの電子ペーパーが閲覧されているかを判定したりすることによって、その閲覧状況に応じて各種のサービスを提供することができれば便利である。例えば秘匿性の高い情報が表示されている電子ペーパーについて、閲覧する権限をもたない者がその電子ペーパーを把持して閲覧しようとした場合に、表示されている情報を消去するようにすれば、閲覧する権限をもたない者はその情報を確認することができず、情報の漏洩を防止することができる。また他の例としては、把持されている電子ペーパーに対して電子メール等のデータを送信するようにすれば、閲覧者が把持している電子ペーパーに自動的に電子メール等を表示させることができ、ユーザの利便性を高めることが可能となる。
【0005】
電子ペーパーの閲覧状況を判定するために、例えば電子ペーパーの閲覧者をビデオ撮影し、そのビデオ画像から特徴抽出を行うことによって判定するという方法が考えられるが、この場合、この方法を用いるシステムの規模が大きいほどその処理時間が多くかかってしまい、サービスを提供するのに間に合わないという問題が懸念される。
【0006】
本発明は上述した背景に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子ペーパー等の表示媒体の閲覧状況を検知する技術を提供すること、またその検知された内容に応じて各種の制御を行う技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するために、本発明は、シート状の表示媒体に設けられ、所定の電波信号が供給されると、これをエネルギー源として周囲の物理量を反映した属性と識別情報を有する電波信号を生成して出力するワイヤレス測定手段を複数有するシート状の表示媒体に対して制御を行う表示媒体制御装置であって、前記複数のワイヤレス測定手段に所定の電波信号を送信する送信手段と、前記複数のワイヤレス測定手段から出力される電波信号を受信する受信手段と、前記複数のワイヤレス測定手段の位置と識別情報との対応関係を各々記憶した記憶手段と、前記受信手段によって受信された各々の電波信号から前記物理量を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された物理量の分布を前記識別情報に基づき前記記憶手段の記憶内容を参照して認識する認識手段と、前記認識手段によって認識された物理量の分布に基づいて前記表示媒体が把持されているか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする表示媒体制御装置を提供する。
なお、本発明における「シート状の表示媒体」とは、カード状の表示媒体も含む。
【0008】
本発明の好ましい態様においては、前記表示媒体の周囲の物理量の分布を示す照合データを記憶する記憶手段を備え、前記判定手段は、前記認識手段によって認識された物理量の分布と、前記記憶手段に記憶された照合データが示す物理量の分布とを照合し、その一致度に基づいて前記表示媒体が把持されているか否かを判定することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の別の好ましい態様においては、前記算出手段は、前記受信手段が受信した電波信号に基づいて前記表示媒体が複数あるか否かを認識し、複数の表示媒体が認識された場合には、各表示媒体毎に識別して前記物理量を算出し、前記認識手段は、前記算出手段によって算出された物理量の分布を前記識別情報に基づき前記記憶手段の記憶内容を参照して前記表示媒体毎に認識し、前記判定手段は前記認識手段によって認識された前記表示媒体毎の物理量の分布に基づいて、前記各表示媒体が重ねられた状態で把持されているか否かを判定するとともに最上部に位置している表示媒体を特定することを特徴とする。
本発明の更に好ましい態様においては、前記判定手段は前記認識手段によって認識された前記表示媒体毎の物理量の分布に基づいて、前記各表示媒体が重ねられた状態で把持されているか否かを判定するとともに前記各表示媒体について重ね順位を特定することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の別の好ましい態様においては、前記判定手段によって前記表示媒体が把持されていると判定された場合に、前記表示媒体で表示される所定の情報を、前記表示媒体に対して送信する送信手段を備えることを特徴とする。
また、本発明の別の好ましい態様においては、前記判定手段によって前記表示媒体が把持されていると判定された場合に、所定の情報を出力する出力手段を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の別の好ましい態様においては、前記判定手段によって前記表示媒体が重ねられた状態で把持されていると判定された場合に、表示順位を有する複数の表示情報を、その表示情報の表示順位と対応する重ね順位が特定された表示媒体に対して送信する送信手段を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の別の好ましい態様においては、前記表示媒体を識別する媒体識別情報と、通知先情報とを対応付けて記憶する通知先情報記憶手段と、前記判定手段によって把持されていないと判定された表示媒体について、その表示媒体の媒体識別情報と対応する前記通知先情報を前記通知先情報記憶手段から検索し、検索された通知先情報が示す装置に対して、前記媒体識別情報を含む通知情報を送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の別の好ましい態様においては、前記表示媒体は、表示情報を送信する表示情報送信手段を備え、前記表示媒体制御装置は、前記ワイヤレス測定手段から出力される電波信号に基づいて、前記表示媒体までの距離を特定する距離特定手段と、前記表示媒体から送信される表示情報を受信する表示情報受信手段と、前記判定手段によって前記表示媒体が把持されていると判定され、かつ、前記距離特定手段によって特定された距離が所定値以下である場合に、前記表示情報受信手段によって前記表示媒体から前記表示情報を受信し、受信した表示情報に対して所定の処理を実行する処理実行手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の別の好ましい態様においては、前記ワイヤレス測定手段から出力される電波信号に基づいて、前記表示媒体までの距離を特定する距離特定手段と、前記判定手段によって前記表示媒体が把持されていると判定され、かつ、前記距離特定手段によって特定された距離が所定値以下である場合に所定の処理を実行する処理実行手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、シート状の表示媒体に設けられ、所定の電波信号が供給されると、これをエネルギー源として送信用の電波信号を生成して出力するワイヤレス測定手段を複数有するシート状の表示媒体に対して制御を行う表示媒体制御装置であって、前記複数のワイヤレス測定手段に所定の電波信号を送信する送信手段と、前記表示媒体を載置可能な載置部と、前記載置部に設けられ、前記複数のワイヤレス測定手段から出力される電波信号を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された各々の電波信号から前記表示媒体と前記受信手段との距離を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された距離に基づいて、前記載置部材に対する前記表示媒体の位置を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された位置に基づいて、前記表示媒体が前記載置部材に載置されているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって載置されていると判定された場合は、前記表示媒体に対して予め定められた制御を行う制御手段とを備えることを特徴とする表示媒体制御装置を提供する。
【0014】
本発明の好ましい態様においては、前記制御手段は、前記判定手段によって載置されていると判定された場合に、前記表示媒体で表示される所定の情報を、前記表示媒体に対して送信する送信手段を備えることを特徴とする。
また、本発明の別の好ましい態様においては、前記制御手段は、前記判定手段によって載置されていると判定された場合に、所定の情報を出力する出力手段を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の別の好ましい態様においては、前記表示媒体を識別する媒体識別情報と、前記判定手段の判定結果とを対応付けて各々記憶する判定結果記憶手段を備えることを特徴とする。
また、本発明の別の好ましい態様においては、前記表示媒体を識別する媒体識別情報と、前記判定手段の判定結果とを対応付けて所定の装置に送信する送信手段を備えることを特徴とする。
また、本発明の別の好ましい態様においては、前記表示媒体を識別する媒体識別情報と、通知先情報とを対応付けて記憶する通知先情報記憶手段と、前記判定手段によって前記載置部材に載置されていないと判定された表示媒体について、その表示媒体の媒体識別情報と対応する前記通知先情報を前記通知先情報記憶手段から検索し、検索された通知先情報が示す装置に対して、前記媒体識別情報を含む通知情報を送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、シート状の表示媒体に設けられ、所定の電波信号が供給されると、これをエネルギー源として周囲の物理量を反映した属性と識別情報を有する電波信号を生成して出力するワイヤレス測定手段を複数有するとともに、表示情報を送信する表示情報送信手段を有するシート状の表示媒体に対して制御を行う表示媒体制御装置であって、前記複数のワイヤレス測定手段に所定の電波信号を送信する送信手段と、前記複数のワイヤレス測定手段から出力される電波信号を受信する受信手段と、前記複数のワイヤレス測定手段の位置と識別情報との対応関係を各々記憶した記憶手段と、前記表示媒体から送信される表示情報を受信する表示情報受信手段と、前記表示情報受信手段によって受信された表示情報を記憶する表示情報記憶手段と、前記受信手段によって受信された各々の電波信号から前記物理量を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された物理量の分布を前記識別情報に基づき前記記憶手段の記憶内容を参照して認識する認識手段と、ユーザが前記表示媒体に物理量の変化を与えることによって該表示媒体の所定の領域を指定した場合に、前記認識手段によって認識された物理量の分布の変化に基づいて、前記領域を検出する領域検出手段と、前記領域検出手段によって前記領域が検出された場合に、前記表示情報受信手段によって前記表示媒体から表示情報を受信し、受信した表示情報のうちの前記領域と対応するものを前記表示情報記憶手段に記憶させる表示情報記憶制御手段とを備えることを特徴とする表示媒体制御装置を提供する。
また、本発明の好ましい態様においては、前記物理量は、圧力、温度、光量の少なくともいずれかひとつであることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、表示情報を目視可能な状態にして表示するシート状の表示媒体と、前記表示媒体に対して制御を行う表示媒体制御装置を備える表示媒体制御システムであって、前記表示媒体は、所定の電波信号が供給されると、これをエネルギー源として周囲の物理量を反映した属性と識別情報を有する電波信号を生成して出力するワイヤレス測定手段を複数備え、前記表示媒体制御装置は、前記複数のワイヤレス測定手段に所定の電波信号を送信する送信手段と、前記複数のワイヤレス測定手段から出力される電波信号を受信する受信手段と、前記複数のワイヤレス測定手段の位置と識別情報との対応関係を各々記憶した記憶手段と、前記受信手段によって受信された各々の電波信号から前記物理量を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された物理量の分布を前記識別情報に基づき前記記憶手段の記憶内容を参照して認識する認識手段と、前記認識手段によって認識された物理量の分布に基づいて前記表示媒体が把持されているか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする表示媒体制御システムを提供する。
【0018】
本発明の好ましい態様においては、前記表示媒体は、電子ペーパーであることを特徴とする。
また、本発明の別の好ましい態様においては、前記ワイヤレス測定手段は、電波信号を受信して機械振動を発生させる励振部と、前記励振部が発生した機械振動が伝達されて弾性表面波を発生するとともに、前記弾性表面波の属性が前記物理量によって変化する振動媒体部と、前記弾性表面波を電気信号に変換して電波信号として出力する送信部とを備えることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、シート状の表示媒体に設けられ、所定の電波信号が供給されると、これをエネルギー源として周囲の物理量を反映した属性と識別情報を有する電波信号を生成して出力するワイヤレス測定手段を複数有するシート状の表示媒体に対して制御を行う表示媒体制御装置の表示媒体制御方法であって、前記複数のワイヤレス測定手段に所定の電波信号を送信するステップと、前記複数のワイヤレス測定手段から出力される電波信号を受信するステップと、受信された各々の電波信号から前記物理量を算出するステップと、算出された物理量の分布を、前記識別情報に基づき、前記複数のワイヤレス測定手段の位置と識別情報との対応関係を各々記憶した記憶手段の記憶内容を参照して認識するステップと、認識された物理量の分布に基づいて前記表示媒体が把持されているか否かを判定するステップとを備えることを特徴とする表示媒体制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、電子ペーパー等の表示媒体の閲覧状況を検知することができ、その検知された内容に応じて各種の制御を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(1)第1実施形態
以下、図面を参照しつつ本発明の第1実施形態について説明する。
(1−1)構成
(1−1−1)電子ペーパーユニットの構成
まず、本発明の第1実施形態に係る電子ペーパーユニットの構成について、図1を参照しながら説明する。図1において、100は、電子ペーパー110と、複数のワイヤレスの圧力センサが並べて配置されたセンサシート120とが積層されて構成された電子ペーパーユニットである。
【0022】
電子ペーパー110は、画像等を無電源で保持することができるシート状(カード状も含む)の表示媒体である。111は、複写機で利用されているトナー等の着色粒子によって画像が形成される表示部である。この表示部111は、異なる極性に摩擦帯電させた図示せぬ二色の着色粒子が、図示せぬ二枚の電極間に封入された構造となっており、電極間に電圧が印加されることによって帯電した着色粒子が移動して画像が形成されるようになっている。
【0023】
112は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算装置や、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの各種メモリを備えた制御部である。113は、アンテナ等を備えた無線LAN(Local Area Network)通信部である。電子ペーパー110は、この無線LAN通信部113を介してパーソナルコンピュータ等の通信装置と無線LANによるデータ伝送を行うことができるようになっている。制御部112は、この無線LAN通信部113を介して他の装置から各種の指示情報や画像データなどを受信するようになっており、受信した指示情報に基づいて処理を行ったり、受信した画像データが示す画像を表示部111に表示させたりする。例えば、表示画像を消去する旨の指示情報を受信すると、制御部112は、表示部111に電圧を印加させて表示部に表示された画像を消去する。また、画像データとその表示を指示する旨の指示情報とを受信した場合は、受信した画像データに基づいて表示部111に電圧を印加させ、受信したデータが示す画像等を表示部111に表示させる。
【0024】
次に、図2を参照しながら、センサシート120の構成について説明する。図示のように、センサシート120には、複数のワイヤレスの圧力センサ200P〜200Pと、複数のワイヤレスの光センサ200L〜200Lとが、センサシート120の一面を均一に覆うように交互に並べて設けられている。このセンサシート120の形状はシート状であるため、このセンサシート120を電子ペーパー110に積層させた状態であっても、ユーザは電子ペーパー110を紙のように扱うことができる。
【0025】
圧力センサ200P〜200Pは、電子ペーパー110にかかる圧力を測定するためのワイヤレスセンサであり、200L〜200Lは、電子ペーパー110にあたる光量を測定するためのワイヤレスセンサである。圧力センサ200P〜200P,光センサ200L〜200Lは、所定の電波信号を受信すると、受信した電波信号の応答信号として検知した圧力または光量を示す電波信号を送信する。これらのワイヤレスセンサ(圧力センサ200P〜200P,光センサ200L〜200L)の構造については、後に詳細に説明するため、ここではその説明を省略する。圧力センサ200P〜200P,光センサ200L〜200Lを備えたセンサシート120を電子ペーパー110に積層させて用いることによって、電子ペーパー110表面の圧力または光量を測定することが可能となる。
【0026】
また、センサシート120に設けられた圧力センサ200P〜200P,光センサ200L〜200Lは、それぞれで電波信号の周波数が異なっており、周波数を識別することによって、圧力センサ200P〜200P,光センサ200L〜200Lをそれぞれ一意に識別できるようになっている。
【0027】
また、それぞれのセンサシート120に設けられた圧力センサ200P〜200P,光センサ200L〜200Lの周波数の組み合わせは、それぞれのセンサシート120毎に異なっており、電波信号の周波数を識別することによって、センサシート120を一意に識別できるようになっている。
【0028】
なお、以下の説明では、圧力センサ200P〜200Pを各々区別する必要がない場合には、説明の便宜上、圧力センサ200P〜200Pを「圧力センサ200P」と称することとする。光センサ200L〜200Lについても同様であり、光センサ200L〜200Lを各々区別する必要がない場合には、これらをまとめて光センサ200Lと称することとする。また、圧力センサ200Pと光センサ200Lとを各々区別する必要がない場合には、圧力センサ200Pと光センサ200Lとをまとめて「ワイヤレスセンサ200」と称して説明する。
【0029】
(1−1−2)制御装置の構成
次に、本実施形態である制御装置の構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、本実施形態である制御装置の全体構成の一例を示したブロック図である。図において、300は、例えばプリンタや複写機、或いはこれらの複数の機能を兼ね備えた複合機や、パーソナルコンピュータ等の制御装置である。この制御装置300は、上述したワイヤレスセンサ200からの電波信号に基づいて電子ペーパーユニット100の閲覧状態を判定する装置である。310は、例えばCPUなどの演算装置や、ROMやRAMなどの各種メモリを備えた制御部である。320は、例えばハードディスクなどの大容量記憶装置で構成された不揮発性の記憶部であり、制御装置300の各部を動作させるためのプログラムを記憶している。制御部310の演算装置は、記憶部320に記憶されているコンピュータプログラムを読み出して実行することにより、制御装置300の各部を制御する。
【0030】
また、記憶部320には、ワイヤレスセンサ200が検出した結果に基づいて圧力や光量を示す値を算出するためのテーブル(または算出式)等が記憶されている。制御部310は、このテーブルに基づいて、ワイヤレスセンサ200から受信する電波信号の周波数の変化分から圧力または光量を示す値を算出する。若しくは、これらの処理機能を制御部122に持たせる事もできる。
また、記憶部320には、ワイヤレスセンサ200の周波数の組み合わせに基づいてシートIDを特定するためのテーブル(または算出式)が記憶されている。それぞれのセンサシート120に設けられたワイヤレスセンサ200の周波数の組み合わせは、それぞれのセンサシート120毎に異なっており、制御装置300の制御部310は、このテーブルを参照することによって、受信した電波信号の周波数からシートIDを特定する。シートIDによってセンサシート120が識別されることにより、電子ペーパーユニット100が一意に識別されるようになっている。
【0031】
330は、ワイヤレスセンサ200に電波信号を発信するとともに、ワイヤレスセンサ200(圧力センサ200P〜200P,光センサ200L〜200L)から発信される電波信号を受信するアンテナ等を備えたセンサ通信部である。上述したように、センサシート120のそれぞれに設けられたワイヤレスセンサ200は、それぞれでその周波数が異なっているため、制御装置300の制御部310は、センサ通信部330を介して受信した電波信号の周波数を識別することによって、ワイヤレスセンサ200を一意に識別できるようになっている。
【0032】
なお、図3では1つの電子ペーパーユニット100のみを例示しているが、電子ペーパーユニット100の数はこれに限定されるものではなく、実際には複数の電子ペーパーユニット100が用いられる。
【0033】
次に、340は、アンテナ等を備えた無線LAN通信部である。制御装置300は、この無線LAN通信部340を介して電子ペーパーユニット100と無線LANによるデータ伝送を行うことができるようになっている。350は、ユーザが各種の操作を行うためのユーザインタフェース部である。このユーザインタフェース部350は、キーボードや表示ディスプレイ等を備えており、ユーザはキーボード等を操作することによって、制御装置300に対して各種操作を行うことができる。
【0034】
次に、記憶部320に記憶されているテーブルの構成について説明する。記憶部320には、圧力照合データテーブルTBL1と、光量照合データテーブルTBL2と、測定結果管理テーブルTBL3とが記憶されている。これらの各テーブルは、制御装置300の制御部310が、後述する「手持ち判定処理」や「重ね順位判定処理」を行う際に用いられるテーブルである。
【0035】
図4は、圧力照合データテーブルTBL1のデータ構成を示す図である。このテーブルには、ユーザが電子ペーパーユニット100を把持している状態で検知される圧力の分布を示す圧力照合データが複数記憶されている。図示のように、圧力照合データテーブルTBL1には、「圧力照合データID」と「圧力センサ200P」〜「圧力センサ200P」の各項目が互いに関連付けられている。圧力照合データテーブルTBL1の各項目のうち、「圧力照合データID」には、圧力照合データを識別するための識別情報が記憶されている。「圧力センサ200P」〜「圧力センサ200P」には、圧力の大きさを示す情報が記憶されている。
【0036】
ここで、圧力照合データテーブルTBL1に記憶された圧力照合データが示す圧力分布の一例について、図5を参照しながら説明する。図5は、電子ペーパーユニット100が把持されている状態で検知される圧力の分布の一例を示す図である。図において、130は、電子ペーパーユニット100を把持するユーザの手の形状を示すものであり、ユーザの親指とその他の指との間に挟まれて電子ペーパーユニット100が把持されている。なお、本実施形態に係るセンサシート120には、圧力センサ200Pと光センサ200Lとの2種類のワイヤレスセンサ200が設けられているが、図5においては、説明を簡略にするため、光センサ200Lを図示せず圧力センサ200Pのみを図示している。
【0037】
図5では、圧力センサ200P〜200Pで検知される圧力を3段階に分けて図示している。図において、右上がりのハッチングで示す圧力センサ200Paは、圧力を3段階に分けた場合の1番高い圧力が検知される圧力センサ200Pを示している。次に、右下がりのハッチングで示す圧力センサ200Pbは、3段階に分けた場合の2番目に大きい圧力が検知される圧力センサ200Pを示している。その他の圧力センサ200Pcは、圧力が検知されない圧力センサ200Pを示している。図示のように、ユーザの親指やその他の指の先端部分付近で大きい圧力が検知され、指の先端部分以外で手と電子ペーパーユニット100が接触する部分では中程度の圧力が検知される。ユーザの手が接触しない部分では圧力は検知されない。
【0038】
圧力照合データテーブルTBL1には、図5に例示したような、電子ペーパーユニット100が把持された場合の圧力分布を示す圧力照合データが複数記憶されている。制御装置300の制御部310は、このテーブルに記憶されている圧力照合データと、電子ペーパーユニット100に設けられた圧力センサ200Pから検知された圧力データとを照合し、一致するか否かを判定することによって、電子ペーパーユニット100が把持されているか否かを判定する。
【0039】
次に、記憶部320に記憶されている光量照合データテーブルTBL2のデータ構成について、図6を参照しつつ説明する。図6は、光量照合データテーブルTBL2のデータ構成を示す図である。このテーブルには、ユーザが電子ペーパーユニット100を把持している状態で検知される光量の分布を示す光量照合データが複数記憶されている。図示のように、光量照合データテーブルTBL2には、「光量照合データID」と「光センサ200L」〜「光センサ200L」の各項目が互いに関連付けられている。光量照合データテーブルTBL2の各項目のうち、「光量照合データID」には、光量照合データを識別するための識別情報が記憶されている。「光センサ200L」〜「光センサ200L」には、光量を示す情報が記憶されている。
【0040】
ここで、光量照合データテーブルTBL2に記憶された光量照合データが示す光量分布の一例について、図7を参照しながら説明する。図7は、電子ペーパーユニット100が把持されている状態で検知される光量の分布の一例を示す図である。図において、電子ペーパーユニット100は、ユーザの親指とその他の指との間に挟まれて把持されている。なお、本実施形態に係るセンサシート120には、圧力センサ200Pと光センサ200Lとの2種類のワイヤレスセンサが設けられているが、図7においては、説明を簡略にするため、圧力センサ200Pを図示せず光センサ200Lのみを図示している。
【0041】
図において、ハッチングで示す光センサ200Laは、光が検知されない光センサ200Lを示している。その他の光センサ200Lbは、光が検知される光センサ200Lを示している。図示のように、ユーザの親指に覆われる部分では光が検知されず、それ以外の部分では光が検知される。
【0042】
記憶部320の光量照合データテーブルTBL2には、図7に例示したような、電子ペーパーユニット100が把持された場合の光量分布を示す光量照合データが複数記憶されている。制御装置300の制御部310は、このテーブルに記憶されている光量照合データと、電子ペーパーユニット100に設けられた光センサ200Lから検知された光量データとを照合し、一致するか否かを判定することによって、電子ペーパーユニット100が閲覧されているか否かを判定する。例えば、複数の電子ペーパーユニット100が重ねられて把持されているような場合、一番上に位置する電子ペーパーユニット100では図7に示したような光量分布が検知され、それ以外の電子ペーパーユニット100では、他の電子ペーパーユニット100がその上に重ねられているために光が検知されない。若しくは、媒体が光を透過する場合には光量が低下する。そのため、上述した照合判定を行うことによって、一番上に位置する電子ペーパーユニット100を特定することができる。
【0043】
続けて、測定結果管理テーブルTBL3のデータ構成について説明する。図8は、測定結果管理テーブルTBL3のデータ構成を示す図である。このテーブルは、電子ペーパーユニット100のそれぞれで検知される圧力および光量を記憶するためのテーブルである。このテーブルには、電子ペーパーユニット100に設けられた圧力センサ200Pおよび光センサ200Lで検知される圧力と光量が、電子ペーパーユニット100毎に記憶される。図示のように、測定結果管理テーブルTBL3は、「シートID」と「圧力センサ200P」〜「圧力センサ200P」と「光センサ200L」〜「光センサ200L」と「圧力照合結果」と「光量照合結果」と「重ね順位」の各項目が互いに関連付けられている。
【0044】
測定結果管理テーブルTBL3の各項目のうち、「シートID」は、電子ペーパーユニット100の各々を識別するための情報である。制御装置300の制御部310は、ワイヤレスセンサ200の周波数を識別することによって、センサシート120を識別するためのシートIDを特定する。シートIDによってセンサシート120が識別されることにより、電子ペーパーユニット100が一意に識別されるようになっている。
【0045】
測定結果管理テーブルTBL3における「圧力センサ200P」〜「圧力センサ200P」の項目には、センサシート120に設けられた圧力センサ200P〜200Pで検知される圧力を示す情報が記憶される。制御装置300の制御部310は、圧力センサ200P〜200Pから電波信号を受信すると、その電波信号から圧力を算出し、算出された圧力をこのテーブルに記憶させる。「光センサ200L」〜「光センサ200L」の項目には、センサシート120に設けられた光センサ200L〜200Lで検知される光量を示す情報である。制御装置300の制御部310は、光センサ200L〜200Lから電波信号を受信すると、その電波信号から光量を算出し、算出された光量をこのテーブルに記憶させる。なお、以下では、説明の便宜上、「圧力センサ200P」〜「圧力センサ200P」の項目に記憶されているデータをまとめて「圧力データ」と称し、「光センサ200L」〜「光センサ200L」の項目に記憶されている情報をまとめて「光量データ」と称して説明する。
【0046】
次に、「圧力照合結果」と「光量照合結果」の項目には、後述する「手持ち判定処理」の判定結果を示す情報が記憶される。制御装置300の制御部310は、圧力照合データテーブルTBL1に記憶されている圧力照合データと、この測定結果管理テーブルTBL3に記憶された圧力データとを照合し、一致するか否かを判定することによって、電子ペーパーユニット100が把持されているか否かを判定し、その判定結果を「圧力照合結果」の項目に記憶させる。一致する圧力照合データがある場合には、判定結果として「一致」が記憶され、一致する圧力照合データがない場合には、判定結果として「不一致」が記憶される。
また、制御部310は、光量照合データテーブルTBL2に記憶されている光量照合データと、この測定結果管理テーブルTBL3に記憶された光量データとを照合し、一致するか否かを判定することによって、電子ペーパーユニット100が閲覧されているか否かを判定し、その判定結果を「光量照合結果」の項目に記憶させる。一致する光量照合データがある場合には、判定結果として「一致」が記憶され、一致する光量照合データがない場合には、判定結果として「不一致」が記憶される。
「重ね順位」の項目には、後述する「重ね順位判定処理」の判定結果を示す情報が記憶される。
【0047】
(1−2)動作
次に、電子ペーパーユニット100と制御装置300の一連の動作について、図9のフローチャートを参照しつつ説明する。
制御装置300の制御部310は、電子ペーパーユニット100に設けられている複数の圧力センサ200Pおよび光センサ200Lに対して、所定の電波信号を送信する。圧力センサ200Pは、電波信号を受信すると、受信した電波信号の応答信号として検知した圧力を示す電波信号を送信する。また、光センサ200Lは、電波信号を受信すると、受信した電波信号の応答信号として検知した光量を示す電波信号を送信する。
【0048】
制御装置300の制御部310は、圧力センサ200Pおよび光センサ200Lからセンサ通信部330を介して電波信号を受信すると、受信した電波信号から圧力や光量といった物理量を算出する(ステップS1)。
【0049】
(1−2−1)物理量算出処理
ここで、図9のステップS1に示す物理量算出処理について、図10のフローチャートを参照しながらその詳細を説明する。
図10は、制御部310が行う物理量算出処理を示すフローチャートである。制御部310は、センサ通信部330を介してワイヤレスセンサ200からの電波信号を受信する(ステップS21)。受信される電波信号は、複数のワイヤレスセンサ200から送信された異なる周波数の電波信号である。制御部310は図示しないカウンタを「n=0」に設定する(ステップS22)。
制御部310は、所定の周波数近傍を抽出するBPF(バンドパスフィルタ)処理を行う(ステップS23)。続けて、ワイヤレスセンサ200の種別を判定する(ステップS24)。ワイヤレスセンサ200の種別が圧力センサである場合は、予め記憶部320に記憶されたテーブルからワイヤレスセンサ200によって計測された圧力を算出する(ステップS25)。ワイヤレスセンサ200の種別が光センサである場合は、予め記憶部320に記憶されたテーブルからワイヤレスセンサ200によって計測された光量を算出する(ステップS26)。さらに、これらの算出結果を測定結果管理テーブルTBL3に記憶させる(ステップS27)。
【0050】
ステップS27の処理が終了すると、制御部310はカウンタを歩進して「n=n+1」とし(ステップS28)、このnがワイヤレスセンサ200の総数以上になったか否かを判定する(ステップS29)。この判定で、カウンタ値が「ワイヤレスセンサ200の総数」未満の場合には(ステップS29;No)、各センサからの換算が終了していないために、ステップS23以降の処理を続行し、カウンタ値が「ワイヤレスセンサ200の総数」に達した場合には(ステップS29;Yes)、すべてのワイヤレスセンサ200に対しての測定結果が算出されたものとして処理を終了する。この使用例においては、周波数に応じてワイヤレスセンサ200を識別することにより、個々のワイヤレスセンサ200からの測定結果を得ることができる。
以上のようにしてワイヤレスセンサ200で検知した圧力と光量が算出され、それらが測定結果管理テーブルTBL3に記憶される。
【0051】
図9の説明に戻る。ワイヤレスセンサ200で検知した圧力と光量が算出され、算出された圧力と光量とが測定結果管理テーブルTBL3に記憶されると(ステップS1)、制御部310は、ステップS2からステップS5の処理を行うことによって、各々の電子ペーパーユニット100について、ユーザに把持されているか否かの判定処理を行う。
【0052】
まず、制御部310は、図示しないカウンタを「i=0」に設定する(ステップS2)。続けて、電子ペーパーユニット100がユーザに把持されているか否かを判定する「手持ち判定処理」を行い、記憶部320の測定結果管理テーブルTBL3に判定結果を記憶する(ステップS3)。ステップS3の処理が終了すると、制御部310はカウンタを歩進して「i=i+1」とし(ステップS4)、このiが電子ペーパーユニット100の総数以上になったか否かを判定する(ステップS5)。この判定で、カウンタ値が「電子ペーパーユニット100の総数」未満の場合には(ステップS5;No)、各電子ペーパーユニット100に対する判定が終了していないために、ステップS3以降の処理を続行し、カウンタ値が「電子ペーパーユニット100の総数」に達した場合には(ステップS5;Yes)、すべての電子ペーパーユニット100に対しての測定結果が算出されたものとして、ステップS6以降の処理に進む。
【0053】
(1−2−2)手持ち判定処理
ここで、図9のステップS3に示した手持ち判定処理について、図11のフローチャートを参照しつつ説明する。図11は、制御装置300の制御部310が行う手持ち判定処理を示すフローチャートである。この処理では、制御部310は、算出された圧力に基づいて、その電子ペーパーが把持されているか否かを判定する。
まず、制御部310は、図示しないカウンタを「i=0」に設定する(ステップS31)。前述した物理量算出処理(図9のステップS1の処理)によって算出された圧力データを測定結果管理テーブルTBL3から読み出し、読み出した圧力データと、圧力照合データテーブルTBL1に記憶された圧力照合データとを照合し(ステップS32)、一致するか否かを判定する(ステップS33)。一致しない場合は(ステップS33;No)、制御部310はカウンタを歩進して「i=i+1」とし(ステップS34)、このiが圧力照合データの総数以上になったか否かを判定する(ステップS35)。この判定で、カウンタ値が「圧力照合データの総数」未満の場合には(ステップS35;No)、すべての圧力照合データに対する照合が終了していないために、ステップS32以降の処理を続行する。カウンタ値「圧力照合データの総数」に達した場合には(ステップS35;Yes)、すべての圧力照合データに対して照合を行ったが一致する圧力照合データがなかったものとして、電子ペーパーユニット100が把持されていないと判断され、測定結果管理テーブルTBL3の「圧力照合結果」の項目に、「不一致」を記憶する(ステップS36)。
ステップS33において、圧力照合データと圧力データとが一致する場合は(ステップS33;Yes)、測定結果管理テーブルTBL3の「圧力照合結果」の項目に、「一致」を記憶し(ステップS37)、ステップS38以降の処理に進む。
【0054】
このような照合判定処理を行うことによって、各々の電子ペーパーユニット100についてその電子ペーパーユニット100が把持されているか否かを判定することが可能となる。
【0055】
続けて、制御部310は、ステップS38からステップS44の処理を行うことによって、算出された光量に基づいてその電子ペーパーユニット100が閲覧されているか否かを判定する。例えば、複数の電子ペーパーユニット100が重ねられて把持されているような場合は、一番上に位置する電子ペーパーユニット100では、図7に示したような光量分布が検知され、それ以外の電子ペーパーユニット100は他の電子ペーパーユニットがその上に重ねられているために光が検知されない。そのため、光量データによる照合判定を行うことによって、一番上に位置する電子ペーパーユニット100を特定することができる。
【0056】
まず、制御装置300の制御部310は、図示しないカウンタを「i=0」に設定する(ステップS38)。次に、前述した物理量算出処理によって算出された光量データを、測定結果管理テーブルTBL3から読み出し、読み出した光量データと、光量照合データテーブルTBL2に記憶された光量照合データとを照合し(ステップS39)、一致するか否かを判定する(ステップS40)。一致しない場合は(ステップS40;No)、制御部310はカウンタを歩進して「i=i+1」とし(ステップS41)、このiが光量照合データの総数以上になったか否かを判定する(ステップS42)。この判定で、カウンタ値が「光量照合データの総数」未満の場合には(ステップS42;No)、すべての光量照合データに対する照合が終了していないために、ステップS39以降の処理を続行する。カウンタ値が「光量照合データの総数」に達した場合には(ステップSS42;Yes)、すべての光量照合データに対して照合が行われたものとして、一致する光量照合データがなかったために電子ペーパーユニット100が閲覧されていないと判断され、測定結果管理テーブルTBL3の「光量照合結果」の項目に「不一致」を記憶する(ステップS43)。
ステップS40において、光量照合データと光量データとが一致する場合は(ステップS40;Yes)、測定結果管理テーブルTBL3に、「一致」を記憶させ(ステップS44)、そのまま処理を終了する。
【0057】
これにより、複数の電子ペーパーユニット100が把持されている場合であっても、一番上に位置する電子ペーパーユニット100、つまり閲覧されている電子ペーパーユニットを特定することが可能となる。
【0058】
図9の説明に戻る。すべての電子ペーパーユニット100に対して上述した手持ち判定処理が行われると(ステップS2〜ステップS5)、制御装置300の制御部310は、測定結果管理テーブルTBL3を参照して複数の電子ペーパーユニット100が把持されているか否かを判定する(ステップS6)。複数の電子ペーパーユニット100が把持されている場合は(ステップS6;Yes)、それら把持されている電子ペーパーユニット100のその重ね順位を判定する(ステップS7)。1枚のみ把持されている場合または把持されている電子ペーパーユニット100がない場合には(ステップS6;No)、重ね順位を判定する必要がないため、ステップS7の重ね順位判定処理を行わない。
【0059】
(1−2−3)重ね順位判定処理
ここで、制御装置300の制御部310が行う重ね順位判定処理(図9のステップS7で示した処理)について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、制御部310は、記憶部320に記憶されている測定結果管理テーブルTBL3の「圧力照合結果」に「一致」が記憶されているレコードの圧力データを読み出し(ステップS71)、その圧力に基づいてソートする(ステップS72)。そして、ソートされることによって特定された電子ペーパーユニット100の重ね順位を測定結果管理テーブルTBL3に記憶する(ステップS73)。
【0060】
ここで、図12のステップS72に示したソート処理の処理内容の一例について、図13を参照しながら説明する。図13は、4枚の電子ペーパーユニット100a,100b,100c,100dについて、それぞれの圧力センサ200Pで検知される圧力を3段階で示した図である。なお、図13においては、あるユーザが4枚の電子ペーパーユニット100a,100b,100c,100dをこの順番で把持しているものとする。即ち、重ねられた4枚のうち、一番上が電子ペーパーユニット100aであり、その次が電子ペーパーユニット100b,その次に電子ペーパーユニット100c,そして一番下が電子ペーパーユニット100dである。なお、以下の説明では、上のほうに重ねられている電子ペーパーユニット100が重ね順位が「高い」とし、下にいくにつれて重ね順位が「低い」とみなすものとする。
【0061】
図において、圧力センサ200Pa,200Pb,200Pcは、検知される圧力を3段階に分けて表したものであり、図5と同様であるため、ここではその説明を省略する。これら4枚の電子ペーパーユニット100a〜100dは、ユーザの親指とその他の指との間に挟んで把持されているため、ユーザの親指付近で検知される圧力は、一番上に位置する電子ペーパーユニット100aが最も大きく、重ね順位が下にいくにつれて小さくなる。図示のように、電子ペーパーユニット100c,100dでは、ユーザの親指付近の圧力は検知されない。逆に、親指以外の指の先端付近は、一番下に位置する電子ペーパーユニット100dで最も大きい圧力が検知され、上にいくほど小さい圧力になる。図示のように、電子ペーパーユニット100a,100bでは、親指以外の指の先端付近では圧力は検知されない。
【0062】
このように、重ね順位によって検知される圧力分布が異なるため、例えば親指付近で検知された圧力についてソートしたり、親指以外の指の先端部分の圧力でソートしたり、あるいはこれらのソートを組み合わせて用いたりすることによって、電子ペーパーユニット100の重ね順位を判定することができる。
【0063】
図9の説明に戻る。図9に示したステップS1からステップS7の処理を行うことによって、制御部310は、電子ペーパーユニット100の閲覧状態を検知することができる。制御部310は、その検知結果に基づいて、例えば電子データの表示や消去、ログの取得といった各種の制御処理を行う(ステップS8)。
【0064】
(1−2−4)未読メール出力処理
ここで、制御装置300の制御部310が行う制御処理の一例として、未読メール出力処理について図14を参照しつつ説明する。この処理は、把持されている電子ペーパーユニット100に未読の電子メールを表示させるという処理である。なお、電子ペーパーユニット100の閲覧状態の検知結果に基づく処理は、以下に説明する未読メール出力処理に限らず、例えば電子データの表示や消去、ログの取得といった各種の処理が可能である。
【0065】
制御装置300のユーザは、ユーザインタフェース部350を操作して、電子ペーパーユニット100に未読の電子メールを表示させる旨の指示情報を入力する。制御装置300の制御部310は、ユーザインタフェース部350から表示指示情報が入力されたことを検知すると(ステップS81;Yes)、記憶部320に記憶されている測定結果管理テーブルTBL3の「圧力照合結果」の項目を参照して、把持されている電子ペーパーユニット100があるか否かを判定する(ステップS82)。把持されている電子ペーパーユニット100がないと判定された場合は(ステップS82;No)、データ送信処理を行わず、そのまま処理を終了する。把持されている電子ペーパーユニット100があると判定された場合は(ステップS82;Yes)、電子メールのフォーマットを電子ペーパーユニット100で表示可能なフォーマットに変換する(ステップS83)。そして、変換した電子メールデータを、フォントサイズ,行数,文字数などの1ページの単位に基づいて、1枚の電子ペーパー110に表示可能なページ単位に分割し、その電子メールデータのページ数が複数であるか否かを判定する(ステップS84)。ページ数が1枚であると判定された場合は(ステップS84;No)、把持されている電子ペーパーユニット100が2枚以上あるか否かを判定する(ステップS85)。把持されている電子ペーパーユニット100が1枚である場合は(ステップS85;No)、把持されている電子ペーパーユニット100に対して、無線LAN通信部340を介して、ステップS83で変換された電子メールデータを送信する(ステップS86)。
【0066】
電子ペーパーユニット100の制御部112は、無線LAN通信部113を介して電子メールデータを受信すると、そのデータに基づいて表示部111に駆動信号を印加して電子メールを表示させる。
【0067】
これにより、ユーザは、電子ペーパーユニット100を把持して制御装置300に表示指示情報を入力するだけで、その電子ペーパーユニット100に電子メールを表示させることが可能となる。
【0068】
また、制御装置300は、把持されている電子ペーパーユニット100に対して電子メールデータを送信するため、ユーザが電子ペーパーユニット100を複数所有している場合であっても、どの電子ペーパーユニット100に電子メールを表示させるかといった指示を入力する必要がなく、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0069】
図14のステップS85において、電子ペーパーユニット100が2枚以上把持されていると判断された場合は(ステップS85;Yes)、測定結果管理テーブルTBL3の「光量照合結果」を参照して一番上に位置する電子ペーパーユニット100を特定し、特定された電子ペーパーユニット100に対して電子メールデータを送信する(ステップS87)。
【0070】
これにより、ユーザが複数の電子ペーパーユニット100を重ねて把持している場合であっても、重ねられた電子ペーパーユニット100のうちの一番上の電子ペーパーユニット100に電子メールを表示させることが可能となる。
【0071】
図14のステップS84において、電子メールデータのページ数が複数であると判定された場合は(ステップS84;Yes)、把持されている電子ペーパーユニット100が2枚以上あるか否かを判定する(ステップS88)。把持されている電子ペーパーユニット100が1枚であると判断された場合は(ステップS88;No)、1ページ目のみのデータを送信する(ステップS89)。把持されている電子ペーパーユニット100が2枚以上であると判断された場合は(ステップS88;Yes)、測定結果管理テーブルTBL3の「重ね順位」の項目から把持されている電子ペーパーユニット100の重ね順位を読み出し、その順番に電子メールが表示されるように、それぞれの電子ペーパーユニット100に対して対応する電子メールデータを送信する(ステップS90)。
【0072】
これにより、電子メールが1枚の電子ペーパー110で表示しきれないような場合であっても、複数の電子ペーパー110に、適切な順序で電子メールを表示させることができる。このため、長い電子メールの場合であっても、ユーザは、重ねて把持した電子ペーパーユニット100を上から順番に見ていくことによって、電子メールの内容を確認することが可能となる。
【0073】
(2)第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
(2−1)構成
まず、本発明の第2実施形態に係るシステムの全体構成について、図15を参照しつつ説明する。図15において、400は、例えばデスクなどの載置部材である。この載置部材400は、第1実施形態に係る電子ペーパーユニット100や制御装置300等を載置することが可能であり、ユーザは、この載置部材400に電子ペーパーユニット100等を載置して所望する作業を行うことができるようになっている。
【0074】
次に、図15に示す電子ペーパーユニット100´が、図1に示した第1実施形態に係る電子ペーパーユニット100と異なる点は、位置を測定するためのワイヤレスの位置センサ200Cを備えている点であり、その他の構成要素やおおよその処理については、電子ペーパーユニット100と同様である。そこで、以下においては、電子ペーパーユニット100と同様の構成要素や処理については、同じ番号を付与して適宜その説明を省略する。
【0075】
電子ペーパーユニット100´に設けられている位置センサ200Cは、載置部材400に対する電子ペーパーユニット100´の位置を測定するためのワイヤレスセンサである。位置センサ200Cは、所定の電波信号を受信すると、その応答信号として電波信号を送信する。送信される電波信号の強度によって、位置センサ200Cまでの距離が特定できるようになっている。
【0076】
図15において、500a,500b,500c,500d,500e,500fは、位置センサ200Cに電波信号を発信するとともに、位置センサ200Cから発信される電波信号を受信するセンサ通信装置である。センサ通信装置500a〜500fは、位置センサ200Cからの電波信号を受信し、受信した電波信号に基づいて、センサ通信装置500a〜500fと位置センサ200Cとの距離を算出し、算出された距離を示す距離情報を制御装置300´に対して送信する。
【0077】
なお、以下では、説明の便宜上、センサ通信装置500a〜500fを各々区別する必要がない場合には、センサ通信装置500a〜500fをまとめて「センサ通信装置500」と称することとする。
【0078】
図15において、600は、電子ペーパーユニット100´や制御装置300´等を操作するユーザである。ユーザ600には、電子ペーパーユニット100´の位置センサ200Cと同様の位置センサ200Cが設けられている。これは例えばユーザ600が普段着用する名札等に位置センサ200Cが付与されている。ユーザ600に付与された位置センサ200Cからの電波信号によって、載置部材400に対するユーザ600の位置が特定できるようになっている。
【0079】
電子ペーパーユニット100´およびユーザ600に設けられた位置センサ200Cについても、第1実施形態で示した圧力センサ200Pや光センサ200Lと同様に、それぞれで電波信号の周波数が異なっており、その周波数を識別することによって、位置センサ200Cを一意に識別できるようになっている。
【0080】
次に、図15に示す制御装置300´が、図3に示した第1実施形態の制御装置300と異なる点は、センサ通信装置500から距離情報を受信する点と、電子ペーパーユニット100´の位置を管理するためのテーブルを記憶部320に記憶している点と、センサ通信装置500から受信した位置情報に基づいて、電子ペーパーユニット100´の位置を特定する点であり、その他の構成要素やおおよその処理については、制御装置300と同様である。そこで、以下においては、制御装置300と同様の構成要素や処理については、同じ番号を付与して適宜その説明を省略する。
【0081】
図16は、制御装置300´の記憶部320に記憶されている距離管理テーブルのデータ構成を示す図である。このテーブルは、センサ通信装置500から受信する距離情報を管理するためのテーブルである。図示のように、距離管理テーブルは、「シートID」と「距離a」と「距離b」と「距離c」と「距離d」と「距離e」と「距離f」と「机上閲覧判定結果」との各項目が互いに関連付けられている。このテーブルは、制御装置300´の制御部310が、電子ペーパーユニット100´が載置部材400に載置されているか否かを判定する際に用いるテーブルである。
【0082】
距離管理テーブルの各項目のうち、「シートID」の項目には、センサシート120を識別するための識別情報が記憶される。「距離a」〜「距離f」の項目には、センサ通信装置500a〜500bと電子ペーパーユニット100´との距離を示す距離情報が記憶される。制御装置300´の制御部310は、センサ通信装置500から距離情報を受信すると、受信した距離情報をこの距離管理テーブルに記憶する。「机上閲覧判定結果」の項目には、制御装置300´の制御部310が行う後述する「机上閲覧判定処理」の判定結果が記憶される。制御装置300´の制御部310は、電子ペーパーユニット100´が載置部材400に載置されており、かつユーザが載置部材400から所定距離以内の場所にいる場合に、その電子ペーパーユニット100´が「机上閲覧」されていると判断する。
【0083】
次に、図17に示すブロック図を参照しながら、本実施形態に係るセンサ通信装置500の構成について説明する。図において、510は、例えばCPUなどの演算装置や、ROMやRAMなどの各種メモリを備えた制御部である。530は、ワイヤレスセンサ200に電波信号を発信するとともに、ワイヤレスセンサ200から発信される電波信号を受信するアンテナ等を備えたセンサ通信部である。520は、アンテナ等を備えた無線LAN通信部であり、センサ通信装置500は、この無線LAN通信部113を介して制御装置300´と無線LANによるデータ伝送を行うことができるようになっている。センサ通信装置500の制御部510は、位置センサ200Cからの電波信号を受信し、受信情報に基づいて距離情報を算出して制御装置300´に送信する。
【0084】
(2−2)動作
次に、本実施形態である制御装置300´の動作について、図18に示すフローチャートを参照しつつ説明する。図18は、制御装置300´が行う一連の処理を示したフローチャートである。図18に示すフローチャートが、図9に示すフローチャートと異なる点は、物理量算出処理(ステップS1)の後に距離情報受信処理(ステップS9)を行う点と、手持ち判定処理(ステップS3)の後に、机上閲覧されているか否かを判定する(ステップS10〜ステップS11)点であり、それ以外の処理については図9に示したフローチャートと同様である。そのため、図9に示したフローチャートと同様の処理については、同じ符号を付与してその説明を省略する。
【0085】
図18のフローチャートにおいて、物理量算出処理(ステップS1)が終了すると、制御部310は、センサ通信装置500から距離情報を受信する(ステップS9)。なお、図18では、説明の便宜上、ステップS1の物理量算出処理が終了した後に距離情報を受信するようにしたが、ワイヤレスセンサ200からの電波信号の受信とセンサ通信装置500からの距離情報の受信の順序をこれに限定するものではなく、距離情報を先に受信してもよく、また、電波信号の受信処理と距離情報の受信処理とが別プロセスで並列に処理されるようにすることももちろん可能である。
【0086】
ステップS9に示した距離情報受信処理が終わると、制御部310は、図示しないカウンタを「i=0」に設定する(ステップS2)。続けて、制御部310は、ユーザに把持されているか否かを判定し、記憶部320の測定結果管理テーブルTBL3に判定結果を記憶する(ステップS3)。
【0087】
ステップS3の処理が終了すると、制御装置300´の制御部310は、測定結果管理テーブルTBL3を参照して、その電子ペーパーユニット100´が把持されているか否かを判定する(ステップS10)。ここで、把持されていると判断された場合は(ステップS10;Yes)、第1実施形態と同様にステップS4以降の処理に進む。把持されていないと判断された場合は(ステップS10;No)、机上で閲覧されている可能性があるために机上閲覧されているか否かを判定する(ステップS11)。
【0088】
ここで、図18のステップS11で示した机上閲覧判定処理について、図19に示すフローチャートを参照しつつ説明する。制御装置300´の制御部310は、距離管理テーブルに記憶されている距離情報に基づいて、載置部材400に対する電子ペーパーユニット100´の位置を算出する(ステップS101)。そして、電子ペーパーユニット100´が載置部材400に載置されているか否かを判定する(ステップS102)。載置されていないと判断された場合は(ステップS102;No)、机上閲覧されていないと判断され、その結果を距離管理テーブルに記憶する(ステップS103)。載置されていると判断された場合は(ステップS102;Yes)、ユーザがその電子ペーパーユニット100´を閲覧中であるか否かを判定するために、ユーザの位置を算出する(ステップS104)。そして、ユーザと載置部材400との距離が所定値以内であるか否かを判定する(ステップS105)。ユーザと載置部材400との距離が所定値以内である場合には(ステップS105;Yes)、ユーザがその電子ペーパーユニット100´を閲覧中であると判断され、その判定結果を距離管理テーブルに記憶する(ステップS106)。所定値より大きい場合には(ステップS105;No)、机上閲覧中でないと判断され、その結果を距離管理テーブルに記憶する(ステップS103)。このようにして机上閲覧されているか否かが判定される。これにより、机上閲覧されているか否かが判定できる。
【0089】
図18の説明に戻る。ステップS11の机上閲覧判定処理が終了すると、制御部310は、第1実施形態と同様にステップS4からステップS7の処理を行い、その検知結果に基づいて、例えば電子データの表示や消去、ログの取得といった各種の制御処理を行う(ステップS8)。
【0090】
ここで、制御装置300´の制御部310が行う制御処理の一例として、未読メール出力処理について、図20を参照しつつ説明する。なお、電子ペーパーユニット100の机上閲覧の検知結果に基づく制御処理は、以下に説明する未読メール出力処理に限らず、例えば電子データの表示や消去、ログの取得といった各種の制御処理が可能である。
【0091】
図20に示すフローチャートが、図14に示すフローチャートと異なる点は、電子ペーパーユニット100が把持されているか否かを判定する処理(ステップS82)の判定条件に、机上閲覧されているか否かの判定条件が追加される点であり、それ以外の処理については図14に示したフローチャートと同様である。そのため、図14に示したフローチャートと同様の処理については、同じ符号を付与してその説明を省略する。
【0092】
制御装置300´のユーザは、ユーザインタフェース部350を操作して、電子ペーパーユニット100´に未読の電子メールを表示させる旨の指示情報を入力する。制御装置300´の制御部310は、ユーザインタフェース部350から表示指示情報が入力されたことを検知すると(ステップS81;Yes)、記憶部に記憶されている測定結果管理テーブルTBL3の「圧力照合結果」を参照して、把持されている電子ペーパーユニット100´があるか否かを判定するとともに、距離管理テーブルに記憶されている「机上閲覧判定結果」を参照して、机上閲覧されている電子ペーパーユニット100´があるか否かを判定する(ステップS82´)。手持ち閲覧されている電子ペーパーユニット100´があるか、または机上閲覧されている電子ペーパーユニット100´があると判定された場合には(ステップS82´;Yes)、第1実施形態と同様にステップS83以降の処理を実行し、手持ち閲覧されている電子ペーパーユニット100´はなく、かつ机上閲覧されている電子ペーパーユニット100´もないと判定された場合には(ステップS82´;No)、第1実施形態と同様に、データ送信処理を行わずそのまま処理を終了する。
【0093】
これにより、電子ペーパーユニット100´を載置部材400に載置した場合であっても、ユーザは、制御装置300´に表示指示情報を入力するだけで、その電子ペーパーユニット100´に未読の電子メールを表示させることが可能となる。
【0094】
(3)変形例
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。以下にその一例を示す。
(3−1)
上述した実施形態では、ワイヤレスセンサ200からの電波信号を受信して各種の処理を実行する表示媒体制御装置としてパーソナルコンピュータ等の制御装置300を用いたが、表示媒体制御装置をパーソナルコンピュータに限定するものではなく、例えばプリンタや複写機、或いはこれらの複数の機能を兼ね備えた複写機等であってもよい。
【0095】
また、上述した実施形態では、電子ペーパーユニット100の閲覧状態の検知結果に基づく処理として、未読メール出力処理について説明したが、電子ペーパーユニット100に表示させる電子データは、未読の電子メールに限らず、例えば電子メールや文書ファイル、画像データなど、どのような形式の電子データであってもよい。
また、閲覧状態の検知結果に基づく制御処理は、電子ペーパーユニット100に電子データを表示させる処理に限定されるものではなく、例えば電子データの消去や閲覧履歴の管理など、さまざまな制御処理を行うことが可能である。閲覧状態の検知結果に基づく制御処理として、その一例を以下に説明する。
【0096】
(3−1−1)電子データの消去
例えば、閲覧が許可されていない者がその電子ペーパーユニット100を把持したり、机上閲覧しようとした場合に、電子ペーパーユニット100に表示されているデータを消去するようにしてもよい。この場合、例えば電子ペーパーユニット100を識別するシートIDと閲覧許可者のユーザIDとを対応付けてテーブルに記憶させておき、その対応関係を参照してそのユーザに閲覧が許可されているか否かを判定するようにすればよい。
また、画像形成がされているにも関わらず閲覧されていない電子ペーパーユニット100について、一定時間経過後にその表示内容を消去するようにしてもよい。
閲覧状況に応じて電子ペーパーユニット100に表示されている表示データを消去することによって、情報の漏洩を防止する効果が期待できる。
【0097】
(3−1−2)閲覧履歴情報管理
また、画像形成が行われているにも関わらず閲覧されていない電子ペーパーユニット100を集計するようにしてもよい。具体的には、電子ペーパーユニット100を識別するシートIDと閲覧されたか否かの判定結果を示す判定結果情報とを対応付けて記憶部に記憶するようにすればよい。これにより、どの電子ペーパーユニット100が閲覧されたかを管理することができる。なお、上述した判定結果を管理する管理サーバを別途設け、判定結果をその管理サーバに送信するようにし、管理サーバがそれらの判定結果を管理するようにしてもよい。
また、閲覧されていない電子ペーパーユニット100がある場合は、その電子ペーパーユニット100の所有者にメール等で通知するようにしてもよい。具体的には、電子ペーパーユニット100を識別するシートIDと、その電子ペーパーユニット100の所有者のメールアドレス等を対応付けて記憶しておき、必要に応じて電子ペーパーユニット100のシートIDと対応するメールアドレスを読み出して、その電子ペーパー100の所有者に電子メール等で通知するようにすれば、ユーザはどの電子ペーパーユニット100に表示させたドキュメントが未読であるかを把握することができる。
【0098】
また、電子ペーパーユニット100に表示されている電子データの所有権を、閲覧履歴に応じて管理するようにしてもよい。例えば、電子ペーパーユニット100の閲覧履歴がユーザAからユーザBに替わった時点で、ユーザAからユーザBに電子ペーパーユニット100が手渡され、表示されている電子データの使用権がユーザAからユーザBに移ったものと判断するようにすればよい。また、その電子データをユーザBの指定フォルダに格納するようにしてもよい。
【0099】
(3−1−3)
また、制御装置300がプリンタや複写機等の画像形成装置である場合は、手持ちされた電子ペーパーユニット100と画像形成装置との距離が一定以下になると、表示されている電子データの印刷出力等の指示が入力されることを予測し、プリンタや複写機の起動や電子データの変換を行い、指示入力待ち状態にするようにしてもよい。具体的には、画像形成装置は、電子ペーパーユニット100のワイヤレスセンサ200の電波信号の電波強度に基づいて、その電子ペーパーユニット100までの距離を特定する。そして、その電子ペーパー100までの距離が所定値以内であり、かつその電子ペーパーが把持されていると判断された場合に、画像形成装置は装置の起動を行い、電子ペーパーユニット100に表示されている電子データを受信し、受信した電子データの変換処理を行う。このようにすれば、電子ペーパーユニット100の所有者は、電子データの変換処理等が終了するのを待機する必要なく、好適に画像形成を行うことが可能となる。
なお、手持ちされた電子ペーパーユニットと制御装置との距離が一定以下になった場合に制御装置が実行する処理は、上述した装置の起動や電子データの変換処理に限定されるものではなく、例えば電子データを液晶ディスプレイに表示する表示処理等、他の様々な処理を制御装置に実行させることが可能である。
【0100】
また、閲覧状態で電子ペーパーユニット100の表示部111のある領域をなぞる等の方法で指定すると、その領域の電子データを制御装置300に送信し、制御装置300でその電子データを保持するようにしてもよい。具体的には、電子ペーパーユニット100に設けられているワイヤレスセンサ200で測定された圧力とその経時変化に基づいて、電子ペーパーユニット100がなぞられた軌跡を検出するようにし、なぞられた軌跡の内側(領域)に表示されている表示内容に対応する電子データを、例えばクリップボード等に記憶するようにする。この電子データをクリップボードに貼り付ける事で容易に電子ペーパー上に表示された電子データを活用しやすくなる。
【0101】
(3−2)
上述した実施形態では、電子ペーパーユニットに圧力センサを設け、圧力の分布によって電子ペーパーユニットが把持されているか否かを判定するようにしたが、電子ペーパーユニットに設けるワイヤレスセンサは、圧力センサに限定されるものではなく、例えば温度センサや加速度センサなど、電子ペーパーユニットが把持されているか否かを好適に判断できるものであればどのようなワイヤレスセンサであってもよい。
【0102】
また、上述した実施形態では、電子ペーパーユニットが把持されているか否かを判定する方法として、電子ペーパーユニットから検知される圧力データと、圧力照合データとが一致するか否かによって判定するようにしたが、電子ペーパーユニットが把持されているか否かを判定する方法は、これに限定されるものではなく、把持されているか否かを好適に判定できる方法であればどのような方法でもよい。例えば圧力データと圧力照合データとが完全に一致していなくても、一致率が所定値以上の場合に把持されていると判定するようにしてもよい。また、例えば圧力照合データを用いずに、電子ペーパーユニットの表面をいくつかの区画に区切り、それぞれの区画において圧力を検知した圧力センサの個数をカウントし、その個数に基づいて判定するようにしてもよい。
また、重ね順位を判定する方法は、上述した実施形態で用いた方法に限定されるものではなく、例えばワイヤレスセンサの電波信号の強度から重ね順位を判定するようにしてもよい。
【0103】
また、上述した第2の実施形態では、位置センサ200Cの電波信号の強度によって電子ペーパーユニットまたはユーザの位置を特定するようにしたが、位置の特定方法はこれに限定されるものではなく、好適に位置を特定できるものであればどのようなものであってもよい。例えば、GPS(Global Positioning System)等の測位システムを用いて位置を特定するようにしてもよい。
また、センサ通信装置が電波信号を位置情報に変換して制御装置に送信するようにしたが、受信した電波信号をそのまま制御装置に送信するようにし、制御装置が電波信号から位置情報を算出するようにしてもよい。
【0104】
(3−3)
上述した実施形態では、実施形態に係るシステムが複数のユーザによって使用される場合については説明していないが、複数のユーザによって使用されることももちろん可能である。この場合は、例えばユーザを識別するユーザIDと、電子ペーパーユニットを識別するシートIDとを、対応付けて記憶させておき、その対応関係を参照することによって各種の制御処理を行うようにすればよい。この場合は、第2実施形態で用いたワイヤレスの位置センサ200Cを各々のユーザに付与してユーザを識別するようにすればよい。また、ユーザを識別する方法は、ワイヤレスセンサではなく例えばRFID(Radio Frequency Identification)等を用いて識別するようにしてもよい。
【0105】
(3−4)
上述した実施形態では、センサシート120に圧力センサ2000Pと光センサ200Lとが交互に配置されているようにしたが、ワイヤレスセンサの配置方法はこれに限定されるものではなく、好適に圧力や光量を検知できる配置であればどのようなものであってもよい。例えば、光センサが設けられたセンサシートと圧力センサが設けられたセンサシートとを2枚積層させて用いるようにしてもよい。また、2種類のワイヤレスセンサを用いずに、どちらか1種類のワイヤレスセンサのみを用いることももちろん可能である。
【0106】
(3−5)
また、上述した実施形態では、トナー等の着色粒子を帯電させて封入し、電圧を印加することによって着色粒子を移動させて画像を形成する電子ペーパーを用いたが、電子ペーパーをこれに限定するものではなく、電気的な手段でデータの表示や消去が可能なものであればどのようなものであってもよい。例えば、光を照射することによって画像を記録する電子ペーパーを用いるようにしてもよい。
【0107】
(3−6)
また、上記実施形態では、ワイヤレスセンサの周波数を各々異ならせ、その周波数を判別することによって複数のワイヤレスセンサを一意に識別するようにしたが、ワイヤレスセンサの識別方法はこれに限定されるものではなく、ワイヤレスセンサの応答信号を識別できる方法であればどのような方法であってもよい。
【0108】
(4)ワイヤレスセンサ200の構造と動作
最後に、本実施形態で用いたワイヤレスセンサ200について、その構成と動作の一例を以下に説明する。なお、ワイヤレスセンサ200の構成をこれに限定するものではなく、電子ペーパーの周囲の環境状態(圧力、光量等)を好適に検知できるものであればどのような構成であってもよい。
【0109】
(4−1)ワイヤレスセンサ200の構成
まず、本実施形態で用いるワイヤレスセンサ200の構成について、図21を参照しながら説明する。
図21は、本発明の実施の形態に係るワイヤレスセンサ200の構成を示す図である。このワイヤレスセンサ200は、基台となる基板1と、該基板1上に酸化膜1Aを介して形成され、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)が伝播する誘電体薄膜2と、誘電体薄膜2上に形成され、電気信号から弾性表面波又は弾性表面波から電気信号に変換する変換部としての一対の櫛型電極(IDT:Inter-digital Transducer)3A,3Bと、この一対の櫛型電極3A,3Bの一方にインピーダンスマッチング部5A,5Bを介して接続され、外部の送・受信機との間で電波信号の授受を行う送受信部としてのアンテナ4A,4Bと、一対の櫛型電極3A,3Bの他方に接続されたグランド6A,6Bと、基板1の裏面に形成され、グランド6A,6Bにスルーホール(図示しない)を介して接続されたグランド電極7とを具備して構成されている。
【0110】
このワイヤレスセンサ200における弾性表面波の周波数は、櫛型電極3A,3Bおよびインピーダンスマッチング部5A,5Bの形状で設定される。
基板1の材料としては、Si,Ge,ダイヤモンド等の単体半導体、ガラス、AlAs,AlSb,AIP,GaAs,GaSb,InP,InAs,InSb,AlGaP,AlLnP,AlGaAs,AlInAs,AlAsSb,GaInAs,GaInSb,GaAsSb,InAsSb等のIII-V系の化合物半導体、ZnS,ZnSe,ZnTe,CaSe,CdTe,HgSe,HgTe,CdS等のII−VI系の化合物半導体、導電性或いは半導電性の単結晶基板としてはNb,La等をドープしたSrTiO,AlをドープしたZnO,In,RuO,BaPbO,SrRuO,YBaCu7−X,SrVO,LaNiO,La0.5Sr0.5CoO,ZnGa,CdGa,MgTiO4,MgTi等の酸化物、またはPd,Pt,Al,Au,Ag等の金属等が挙げられるが、既存の半導体プロセスとの適合性やコスト面から、Si,GaAs、ガラス等の材料を用いることが好ましい。
【0111】
誘電体薄膜2の材料としては、SiO,SrTiO,BaTiO,BaZrO,LaAlO,ZrO,Y8%−ZrO,MgO,MgAl,LiNbO,LiTaO,Al,ZnO等の酸化物、ABO型のペロブスカイト型としてBaTiO,PbTiO,Pb1−XLa(ZrTi1−y1−X/4(x,yの値によりPZT,PLT,PLZT),Pb(Mg1/3Nb2/3)O,KNbO等の正方系、斜方系或いは擬立方晶系材料、擬イルメナイト構造体としてLiNbO,LiTaO等に代表される強誘電体等、またはタングステンブロンズ型として、SrBa1−XNb,PbBa1-XNb等が挙げられる。この他に、BiTi12,PbKNb15,KLiNb15、さらに以上列挙した強誘電体の置換誘電体等から選択される。さらに、鉛を含むABO型のペロブスカイト型酸化物が好適に用いられる。特に、これらの材料のうちLiNbO,LiTaO,ZnO等の材料は、弾性表面波の表面速度、圧電定数等の変化が顕著でより好ましい。誘電体薄膜2の膜厚は、目的に応じて適宜選択されるが、通常は0.1μmから10μmの間に設定される。
【0112】
櫛型電極3A,3B、アンテナ4A,4B、インピーダンスマッチング部5A,5Bおよびグランド6A,6Bは、導電パターンにより一体的に形成される。この導電パターンの材料としては、Ti,Cr,Cu,W,Ni,Ta,Ga,In,Al,Pd,Pt,Au,Ag等の金属、またはTi−Al,Al−Cu,Ti−N,Ni−Cr等の合金を、単層もしくは2層以上の多層構造に積層することが好ましく、特に金属としてはAu,Ti,W,Al,Cuが好ましい。また、この金属層の膜厚は、1nm以上10μm未満とすることが好ましい。
【0113】
(4−2)ワイヤレスセンサ200の基本動作
次に、ワイヤレスセンサ200の基本的な動作について、図21を参照しながら説明する。なお、図21(a)に示すワイヤレスセンサ200の平面図において、便宜上、信号が図面向かって左側から右側に移動するものとするが、実際には信号の流れには方向性がある訳ではない。
【0114】
このワイヤレスセンサ200は、外部の発信機との間、受信機との間で電波信号の授受を行う。発信機から送信される電波信号はアンテナ4Aで受信され、この信号により櫛型電極3Aが誘電体薄膜2を励振して機械振動を発生させる。この機械振動は、誘電体薄膜2表面に弾性表面波を発生させる。この弾性表面波は、櫛型電極3Aから櫛型電極3Bに向けて移動し、櫛型電極3Bに到達した弾性表面波は、櫛型電極3Bで電気信号に変換されてアンテナ4Bを経由して送信される。受信機は、ワイヤレスセンサ200からの電波信号を受信する。
【0115】
誘電体薄膜2の表面に発生する弾性表面波は、この誘電体薄膜2に加わった物理量(圧力、光量等)の変化によって、振幅、位相差、周波数等の属性が変化する。この弾性表面波の変化を電気信号として受信機で受信し、この受信機において、電気信号における属性の変化を解析する。これにより、受信機側では、ワイヤレスセンサ200に加わる物理量を計測することが可能となる。
【0116】
(4−3)複数のワイヤレスセンサ200への対応
以上が、1つの周波数に対応したワイヤレスセンサの説明であったが、次に複数の周波数に対応できるワイヤレスセンサについて説明する。
図22に示すように、形状の異なる櫛型電極3A−1,3B−1…3A−4,3B−4が形成されたワイヤレスセンサ200´においては、外部から送信される電波の周波数により複数の周波数に対応した弾性表面波が誘電体薄膜2上に発生する。
【0117】
例えば、櫛型電極3A−1,3B−1およびインピーダンスマッチング部5A,5Bで設定される弾性表面波の周波数をf1、櫛型電極3A−2,3B−2およびインピーダンスマッチング部5A,5Bで設定される弾性表面波の周波数をf2、櫛型電極3A−3,3B−3およびインピーダンスマッチング部5A,5Bで設定される弾性表面波の周波数をf3、櫛型電極3A−4,3B−4およびインピーダンスマッチング部5A,5Bで設定される弾性表面波の周波数をf4とする。
なお、図22では、グランドおよびグランド電極の図示は省略して描いている。
【0118】
ここで、外部の発信機から周波数f1の電波信号が送信されると、櫛型電極3Aでは、この周波数f1に対応した電極3A−1が機械振動を発生し、この機械振動によって誘電体薄膜2上に弾性表面波が発生する。この弾性表面波が電極3B−1に伝達される。電極3B−1に伝達される弾性表面波は、物理量の影響を受けてその属性が変化する。一方、他の櫛型電極3A−2,3B−2〜3A−4,3B−4においては、周波数f1に同調していないので、弾性表面波の発生やこれに基づく電波信号の送信は行われない。即ち、これらの櫛型電極3A−2,3B−2〜3A−4,3B−4は、各々周波数f2,f3,f4に同調するように設定されており、このため、周波数f2の電波をワイヤレスセンサ200´に送信した場合には、櫛型電極3A−2→3B−2という経路で弾性表面波が伝達され、この弾性表面波に対応した電波信号がアンテナ4Bを経由して出力される。
【0119】
同様に、周波数f3の電波信号をワイヤレスセンサ200´に送信した場合には、櫛型電極3A−3→3B−3という経路で弾性表面波が伝達されてアンテナ4Bを経由して出力され、周波数f4の電波信号をワイヤレスセンサ200´に送信した場合には、櫛型電極3A−4→3B−4という経路で弾性表面波が伝達されてアンテナ4Bを経由して出力される。
従って、周波数f1,f2,f3,f4の順でワイヤレスセンサ200´に電波を送信すれば、これらに対応する応答信号を得ることができる。またこの場合、櫛型電極3B−1,3B−2,3B−3,3B−4(出力側)から出力される信号の変化帯域(物理量による変化の幅)を重複しないように設定しておけば、周波数f1〜f4を同時にワイヤレスセンサ200´に出力しても、その応答信号として出力される4つの信号を分離して解析することができる。
【0120】
ここで、上述した本発明の実施形態で用いられるワイヤレスセンサ200の具体的な動作について説明する。電子ペーパーユニット100に設けられた4つのワイヤレスセンサ200を、ワイヤレスセンサ200−1,200−2,200−3,200−4とすると、具体的には、ワイヤレスセンサ200は、弾性表面波の周波数が櫛型電極3A,3Bの形状で設定されるため、ワイヤレスセンサ200−1には、図22に示したワイヤレスセンサ200´の櫛型電極3A−1,3B−1が形成され、ワイヤレスセンサ200−2にはワイヤレスセンサ200´の櫛型電極3A−2,3B−2が形成され、ワイヤレスセンサ200−3にはワイヤレスセンサ200´の櫛型電極3A−3,3B−3が形成され、ワイヤレスセンサ200−4にはワイヤレスセンサ200´の櫛型電極3A−4,3B−4が形成されるものとする。これにより、ワイヤレスセンサ200−1〜200−4の誘電体薄膜に発生する弾性表面波の周波数が、ワイヤレスセンサ200−1がf1、ワイヤレスセンサ200−2がf2、ワイヤレスセンサ200−3がf3、ワイヤレスセンサ200−4がf4となる。即ち、受信する電波信号の周波数f1〜f4によってワイヤレスセンサ200−1〜200−4が特定されることになる。
【0121】
そして、周波数f1の電波信号ではワイヤレスセンサ200−1による測定が、周波数f2の電波信号ではワイヤレスセンサ200−2による測定が、周波数f3の電波信号ではワイヤレスセンサ200−3による測定が、周波数f4の電波信号ではワイヤレスセンサ200−4による測定が可能となる。
【0122】
ワイヤレスセンサ200−1,200−2,200−3および200−4(以下、総称としてワイヤレスセンサ200として使用する)は、制御装置300のセンサ通信部330からの電波信号を受けて個々の櫛型電極で設定された周波数の弾性表面波を誘電体薄膜2上に発生させ、物理量に応じて弾性表面波の周波数を変化させてセンサ通信部330に向けて物理量の変化に対応した周波数の信号を送信する。そして、制御装置300の制御部310は、センサ通信部330を介して受信した電波信号を解析して個々のセンサが設置された位置の周囲の物理量を得る。
【0123】
前述した如く、ワイヤレスセンサ200は、弾性表面波の周波数が櫛型電極3A,3Bの形状で設定される。この動作例に用いられるワイヤレスセンサ200−1には、図22に示したワイヤレスセンサ200´の櫛型電極3A−1,3B−1が形成され、ワイヤレスセンサ200−2にはワイヤレスセンサ200´の櫛型電極3A−2,3B−2が形成され、ワイヤレスセンサ200−3にはワイヤレスセンサ200´の櫛型電極3A−3,3B−3が形成され、ワイヤレスセンサ200−4にはワイヤレスセンサ200´の櫛型電極3A−4,3B−4が形成されている。これにより、ワイヤレスセンサ200の誘電体薄膜に発生する弾性表面波の周波数が、ワイヤレスセンサ200−1がf1、ワイヤレスセンサ200−2がf2、ワイヤレスセンサ200−3がf3、ワイヤレスセンサ200−4がf4となる。即ち、ワイヤレスセンサ200が受信する電波の周波数f1〜f4によってワイヤレスセンサ200−1〜200−4が特定されることになる。
【0124】
制御部310は、センサ通信部330を介して周波数f1,f2,f3,f4の矩形状波を合わせた電波信号を発信する。また、制御部310は、ワイヤレスセンサ200から電波信号を受信すると、受信した電波信号をデジタル化し、デジタル化された情報に基づいて解析・演算を行う。
なお、ワイヤレスセンサに送信する波形は矩形状波に限らず、測定が行えるのであれば、三弦波や三角波等、任意の波形を用いてもよい。
【0125】
なお、この例では、各センサを識別する手段として、櫛型電極3A,3Bの形状及び大きさを異ならせて、誘電体薄膜2に発生する表面弾性波の周波数を個々に設定し、この周波数で識別させるようにしている。センサを識別する手段はこれに限らず、櫛型電極の形状及び大きさを同形状にして櫛型電極間の離間距離を異ならせることによっても実現することができる。
具体的には、櫛型電極間の離間距離を異ならせることで、誘電体薄膜上に発生する表面弾性波の時間が異なる。この点に着目して発信機の信号発信から受信機での信号受信までの時間を計測することによりセンサの識別化をはかっても良い。
【0126】
(4−4)温度センサの構成
次に、ワイヤレスセンサを温度センサとして用いた場合について説明する。温度センサとして使用するためには、図21に示した誘電体薄膜2の材料にLiNbOを使用する。このLiNbOの結晶は、弾性表面波の伝搬速度が温度変化に対して敏感に変化する材質でその温度係数は約75×10−6/℃となる。この温度における伝搬速度の変化は、弾性表面波の周波数を変化させることになる。例えば、実験においては、温度が約100℃変化することにより、弾性表面波の中心周波数f0に対して約0.2〜0.3%程度周波数が変化する結果を得ている。
【0127】
(4−5)圧力センサの構成
次に、ワイヤレスセンサを圧力センサとして用いた場合について説明する。図23は圧力センサ200Pの構成を示す図である。この圧力センサ200Pは、基台となるSiを材料とする基板21と、該基板21上に酸化膜21Aを介して形成され、弾性表面波が伝播する誘電体薄膜22と、誘電体薄膜22上に形成され、電気信号から弾性表面波又は弾性表面波から電気信号に変換する変換部としての一対の櫛型電極23A,23Bと、この一対の櫛型電極23A,23Bの一方にインピーダンスマッチング部25A,25Bを介して接続され、外部の送・受信機との間で電波信号の授受を行う送受信部としてのアンテナ24A,24Bと、一対の櫛型電極23A,23Bの他方に接続されたグランド26A,26Bと、基板21の裏面に形成され、グランド26A,26Bにスルーホール(図示しない)を介して接続されたグランド電極27と、受圧部28とを具備している。この受圧部28は、起端が前記誘電体薄膜22に当接し先端が圧力センサ200Pから若干突出するように設けられる。この受圧部28の先端に外部から圧力が加わることによって誘電体薄膜22が歪んで弾性表面波の周波数が変化する。
【0128】
また、基板21の裏面側には異方性エッチングにより54.75度のテーパ面をなして凹部が形成されており、この底の部分が脆弱部となって外部からの圧力に反応するダイヤフラム21Bとなる。図面では、酸化膜21Aは便宜上厚く描写しているが、実際には基板21と誘電体薄膜22との間での絶縁を確保できる厚さであればよい。
【0129】
この圧力センサ200Pの場合は、図2に示した誘電体薄膜22の材料にLiTaOを使用する。このLiTaOの結晶は、弾性表面波の伝搬速度が温度変化に対して変化が少ない材質で、その温度係数は約18.0×10−6/℃となる。LiNbOの結晶に対して温度係数は約1/4と小さく10℃の温度変化に対して弾性表面波の変化率は0.005%程度となる。
【0130】
ダイヤフラム21B上には酸化膜21Aを介して誘電体薄膜22が配置されるため、このダイヤフラム21Bに外部から例えば2barの圧力が加わると、ダイヤフラム21Bが変形し、櫛型電極23A,23Bの電極間の幅を変えると共に、弾性表面波の速度が変化して中心周波数f0に対して周波数を0.2%程度変化させる。また、測定対象物の温度変化が著しい場合、温度センサとの併用で補正することも可能となる。
以上のように、この圧力センサ200Pは、中心周波数f0に対して約0.2%程度周波数が変化することが検知されている。
【0131】
また、櫛型電極23A,23Bの形状及び大きさは、外部の発信機から送信される電波の中心周波数f0の機械振動を発生させるため、受信機により受信した電波の強度は、周波数の変化によりシフトされることになる。このワイヤレスセンサでは、圧力変化に応じて受信機における受信信号の強度が線形的に変化するワイヤレスセンサを実現する。
なお、この圧力センサ200Pでは、基板21に凹部を形成して底部をダイヤフラム21Bとしているが、酸化膜21Aのみでダイヤフラムとしてもよく、外部から加わる圧力が誘電体薄膜22に直接的或いは間接的に作用する形状であればよい。
【0132】
また、この誘電体薄膜22は、櫛型電極23における電気機械結合係数/圧電係数、或いはアンテナ24の誘電損失等の観点から、エピタキシャルまたは単一配向性を有することが好ましい。また、誘電体薄膜22上にGaAS等のIII−V族半導体或いはダイヤモンド等の炭素を含有する薄膜を形成してもよい。これにより、弾性表面波の表面速度、結合係数、圧電定数等が向上できる。
【0133】
(4−6)加速度センサの構成
次に、ワイヤレスセンサを加速度センサとして用いた場合について説明する。図24は加速度センサ30の構成を示している。図24に示す加速度センサ30の構成が、図21に示したワイヤレスセンサ200の構成と異なる点は、矩形状の基板1の一方に、他方を浮かせる台座31が設けられている点である。そのため、図21に示したワイヤレスセンサ200と同様の構成要素については、同じ符号を付与してその説明を省略する。
【0134】
基板1の一方に台座31が設けられることにより、加速度センサ30は片持ち支持の構造となり、図24(b)に示すように力F(F=m×α(m:質量、α:加速度))が基板1の他方に加わると、この加速度に対応して基板1に撓みが発生し、この撓みを誘電体薄膜2で測定するようになる、所謂歪みゲージとして構成される。
加速度センサとして使用するためには、図24に示した誘電体薄膜2の材料にLiTaOを使用する。
【0135】
加速度(例えば、980m/s)が基板1の他方に加わると、この加速度に対応して基板1に撓みが生じ、この撓みが誘電体薄膜2に伝わり、櫛型電極3A,3Bの電極間の幅を変えると共に、SAWの速度が変化して中心周波数を対して周波数を0.1%程度変化させる。また、測定対象物の温度変化が著しい場合、温度センサとの併用で補正することも可能となる。
以上のように、加速度センサ30は、中心周波数f0に対して約0.1%程度周波数が変化することが検知されている。
【0136】
(4−7)光センサの構成
次に、ワイヤレスセンサを光センサとして用いた場合について説明する。
図25は光センサ200Lの構成を示している。図25に示す光センサ200Lの構成が、図21に示したワイヤレスセンサ200の構成と異なる点は、受光素子(例えば、フォトダイオード等)48とインピーダンス変換器49とが設けられている点である。光センサ200Lは、櫛型電極3Bの一方に、インピーダンス変換器49及び受光素子48が設けられている。この光センサ200Lは、誘電体薄膜2の材料にLiTaOを使用する。
【0137】
ある照度(例えば、1000lx)を持った光が受光素子48に加わると、この光量に対応して受光素子48のインピーダンスが変化し、このインピーダンスの変化は櫛型電極3Bのインピーダンスとマッチングさせるインピーダンス変換器49を通して櫛型電極3Bに伝わる。ここで、櫛型電極3Bにおけるインピーダンス変化は、入力側の櫛型電極3Aから伝搬してきた弾性表面波を櫛型電極3Bで反射させる際の反射強度を変化させる。櫛型電極3Aは、この反射弾性表面波を再び受信し電磁波として外部に送信する。このように構成された光センサ200Lにおいては、標準電界強度に対して約0.1%程度変化する。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電子ペーパーユニット100の構成を示す図である。
【図2】同実施形態で用いるセンサシート120の構成を示す図である。
【図3】同実施形態である制御装置300の構成を示すブロック図である。
【図4】同実施形態の圧力照合データテーブルTBL1のデータ構成を示す図である。
【図5】電子ペーパーユニット100が把持されている状態で検知される圧力の分布の一例を示す図である。
【図6】同実施形態の光量照合データテーブルTBL2のデータ構成を示す図である。
【図7】電子ペーパーユニット100が把持されている状態で検知される光量の分布の一例を示す図である。
【図8】同実施形態の測定結果管理テーブルTBL3のデータ構成を示す図である。
【図9】同実施形態の制御部310が行う一連の処理を示すフローチャートである。
【図10】同実施形態の制御部310が行う物理量算出処理を示すフローチャートである。
【図11】同実施形態の制御部310が行う手持ち判定処理を示すフローチャートである。
【図12】同実施形態の制御部310が行う重ね順位判定処理を示すフローチャートである。
【図13】4枚の電子ペーパーユニット100a,100b,100c,100dについて、それぞれの圧力センサ200Pで検知される圧力を3段階で示した図である。
【図14】同実施形態の制御部310が行う未読メール出力処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第2施形態に係るシステムの全体構成を示す図である。
【図16】同実施形態の距離管理テーブルのデータ構成を示す図である。
【図17】同実施形態のシステムの全体構成を示すブロック図である。
【図18】同実施形態の制御部310が行う一連の処理を示すフローチャートである。
【図19】同実施形態の制御部310が行う机上閲覧判定処理を示すフローチャートである。
【図20】同実施形態の制御部310が行う未読メール出力処理を示すフローチャートである。
【図21】ワイヤレスセンサ200の構造を示す図である。
【図22】複数の周波数に対応したワイヤレスセンサ200の構造を示す図である。
【図23】圧力センサ200Pの構造を示す図である。
【図24】加速度センサの構造を示す図である。
【図25】光センサ200Lの構造を示す図である。
【符号の説明】
【0139】
100…電子ペーパーユニット、110…電子ペーパー、120…センサシート、111…表示部、112…制御部、113,340…無線LAN通信部、200…ワイヤレスセンサ、200P…圧力センサ、200L…光センサ、300…制御装置、310…制御部、320…記憶部、330…センサ通信部、350…ユーザインタフェース部、400…載置部材、500…センサ通信装置、1…基板、2,22…誘電体薄膜、3A,3B,23A,23B…櫛型電極、5A,5B,25A,25B…インピーダンスマッチング部、4A,4B,24A,24B…アンテナ、6A,6B,26A,26B…グランド、7…グランド電極、28…受圧部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の表示媒体に設けられ、所定の電波信号が供給されると、これをエネルギー源として周囲の物理量を反映した属性と識別情報を有する電波信号を生成して出力するワイヤレス測定手段を複数有するシート状の表示媒体に対して制御を行う表示媒体制御装置であって、
前記複数のワイヤレス測定手段に所定の電波信号を送信する送信手段と、
前記複数のワイヤレス測定手段から出力される電波信号を受信する受信手段と、
前記複数のワイヤレス測定手段の位置と識別情報との対応関係を各々記憶した記憶手段と、
前記受信手段によって受信された各々の電波信号から前記物理量を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された物理量の分布を前記識別情報に基づき前記記憶手段の記憶内容を参照して認識する認識手段と、
前記認識手段によって認識された物理量の分布に基づいて前記表示媒体が把持されているか否かを判定する判定手段と
を備えることを特徴とする表示媒体制御装置。
【請求項2】
前記表示媒体の周囲の物理量の分布を示す照合データを記憶する記憶手段を備え、
前記判定手段は、前記認識手段によって認識された物理量の分布と、前記記憶手段に記憶された照合データが示す物理量の分布とを照合し、その一致度に基づいて前記表示媒体が把持されているか否かを判定する
ことを特徴とする請求項1記載の表示媒体制御装置。
【請求項3】
前記算出手段は、前記受信手段が受信した電波信号に基づいて前記表示媒体が複数あるか否かを認識し、複数の表示媒体が認識された場合には、各表示媒体毎に識別して前記物理量を算出し、
前記認識手段は、前記算出手段によって算出された物理量の分布を前記識別情報に基づき前記記憶手段の記憶内容を参照して前記表示媒体毎に認識し、
前記判定手段は前記認識手段によって認識された前記表示媒体毎の物理量の分布に基づいて、前記各表示媒体が重ねられた状態で把持されているか否かを判定するとともに最上部に位置している表示媒体を特定することを特徴とする請求項1に記載の表示媒体制御装置。
【請求項4】
前記判定手段は前記認識手段によって認識された前記表示媒体毎の物理量の分布に基づいて、前記各表示媒体が重ねられた状態で把持されているか否かを判定するとともに前記各表示媒体について重ね順位を特定することを特徴とする請求項3に記載の表示媒体制御装置。
【請求項5】
前記判定手段によって前記表示媒体が把持されていると判定された場合に、前記表示媒体で表示される所定の情報を、前記表示媒体に対して送信する送信手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の表示媒体制御装置。
【請求項6】
前記判定手段によって前記表示媒体が把持されていると判定された場合に、所定の情報を出力する出力手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の表示媒体制御装置。
【請求項7】
前記判定手段によって前記表示媒体が重ねられた状態で把持されていると判定された場合に、表示順位を有する複数の表示情報を、その表示情報の表示順位と対応する重ね順位が特定された表示媒体に対して送信する送信手段を備えることを特徴とする請求項4記載の表示媒体制御装置。
【請求項8】
前記表示媒体を識別する媒体識別情報と、通知先情報とを対応付けて記憶する通知先情報記憶手段と、
前記判定手段によって把持されていないと判定された表示媒体について、その表示媒体の媒体識別情報と対応する前記通知先情報を前記通知先情報記憶手段から検索し、検索された通知先情報が示す装置に対して、前記媒体識別情報を含む通知情報を送信する送信手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の表示媒体制御装置。
【請求項9】
前記表示媒体は、表示情報を送信する表示情報送信手段を備え、
前記表示媒体制御装置は、
前記ワイヤレス測定手段から出力される電波信号に基づいて、前記表示媒体までの距離を特定する距離特定手段と、
前記表示媒体から送信される表示情報を受信する表示情報受信手段と、
前記判定手段によって前記表示媒体が把持されていると判定され、かつ、前記距離特定手段によって特定された距離が所定値以下である場合に、前記表示情報受信手段によって前記表示媒体から前記表示情報を受信し、受信した表示情報に対して所定の処理を実行する処理実行手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の表示媒体制御装置。
【請求項10】
前記ワイヤレス測定手段から出力される電波信号に基づいて、前記表示媒体までの距離を特定する距離特定手段と、
前記判定手段によって前記表示媒体が把持されていると判定され、かつ、前記距離特定手段によって特定された距離が所定値以下である場合に所定の処理を実行する処理実行手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の表示媒体制御装置。
【請求項11】
シート状の表示媒体に設けられ、所定の電波信号が供給されると、これをエネルギー源として送信用の電波信号を生成して出力するワイヤレス測定手段を複数有するシート状の表示媒体に対して制御を行う表示媒体制御装置であって、
前記複数のワイヤレス測定手段に所定の電波信号を送信する送信手段と、
前記表示媒体を載置可能な載置部と、
前記載置部に設けられ、前記複数のワイヤレス測定手段から出力される電波信号を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された各々の電波信号から前記表示媒体と前記受信手段との距離を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された距離に基づいて、前記載置部材に対する前記表示媒体の位置を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された位置に基づいて、前記表示媒体が前記載置部材に載置されているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって載置されていると判定された場合は、前記表示媒体に対して予め定められた制御を行う制御手段と
を備えることを特徴とする表示媒体制御装置。
【請求項12】
前記制御手段は、前記判定手段によって載置されていると判定された場合に、前記表示媒体で表示される所定の情報を、前記表示媒体に対して送信する送信手段を備えることを特徴とする請求項11記載の表示媒体制御装置。
【請求項13】
前記制御手段は、前記判定手段によって載置されていると判定された場合に、所定の情報を出力する出力手段を備えることを特徴とする請求項11記載の表示媒体制御装置。
【請求項14】
前記表示媒体を識別する媒体識別情報と、前記判定手段の判定結果とを対応付けて各々記憶する判定結果記憶手段
を備えることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の表示媒体制御装置。
【請求項15】
前記表示媒体を識別する媒体識別情報と、前記判定手段の判定結果とを対応付けて所定の装置に送信する送信手段
を備えることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の表示媒体制御装置。
【請求項16】
前記表示媒体を識別する媒体識別情報と、通知先情報とを対応付けて記憶する通知先情報記憶手段と、
前記判定手段によって前記載置部材に載置されていないと判定された表示媒体について、その表示媒体の媒体識別情報と対応する前記通知先情報を前記通知先情報記憶手段から検索し、検索された通知先情報が示す装置に対して、前記媒体識別情報を含む通知情報を送信する送信手段と
を備えることを特徴とする請求項11記載の表示媒体制御装置。
【請求項17】
シート状の表示媒体に設けられ、所定の電波信号が供給されると、これをエネルギー源として周囲の物理量を反映した属性と識別情報を有する電波信号を生成して出力するワイヤレス測定手段を複数有するとともに、表示情報を送信する表示情報送信手段を有するシート状の表示媒体に対して制御を行う表示媒体制御装置であって、
前記複数のワイヤレス測定手段に所定の電波信号を送信する送信手段と、
前記複数のワイヤレス測定手段から出力される電波信号を受信する受信手段と、
前記複数のワイヤレス測定手段の位置と識別情報との対応関係を各々記憶した記憶手段と、
前記表示媒体から送信される表示情報を受信する表示情報受信手段と、
前記表示情報受信手段によって受信された表示情報を記憶する表示情報記憶手段と、
前記受信手段によって受信された各々の電波信号から前記物理量を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された物理量の分布を前記識別情報に基づき前記記憶手段の記憶内容を参照して認識する認識手段と、
ユーザが前記表示媒体に物理量の変化を与えることによって該表示媒体の所定の領域を指定した場合に、前記認識手段によって認識された物理量の分布の変化に基づいて、前記領域を検出する領域検出手段と、
前記領域検出手段によって前記領域が検出された場合に、前記表示情報受信手段によって前記表示媒体から表示情報を受信し、受信した表示情報のうちの前記領域と対応するものを前記表示情報記憶手段に記憶させる表示情報記憶制御手段と
を備えることを特徴とする表示媒体制御装置。
【請求項18】
前記物理量は、圧力、温度、光量の少なくともいずれかひとつであることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の表示媒体制御装置。
【請求項19】
表示情報を目視可能な状態にして表示するシート状の表示媒体と、前記表示媒体に対して制御を行う表示媒体制御装置を備える表示媒体制御システムであって、
前記表示媒体は、
所定の電波信号が供給されると、これをエネルギー源として周囲の物理量を反映した属性と識別情報を有する電波信号を生成して出力するワイヤレス測定手段を複数備え、
前記表示媒体制御装置は、
前記複数のワイヤレス測定手段に所定の電波信号を送信する送信手段と、
前記複数のワイヤレス測定手段から出力される電波信号を受信する受信手段と、
前記複数のワイヤレス測定手段の位置と識別情報との対応関係を各々記憶した記憶手段と、
前記受信手段によって受信された各々の電波信号から前記物理量を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された物理量の分布を前記識別情報に基づき前記記憶手段の記憶内容を参照して認識する認識手段と、
前記認識手段によって認識された物理量の分布に基づいて前記表示媒体が把持されているか否かを判定する判定手段と
を備えることを特徴とする表示媒体制御システム。
【請求項20】
前記表示媒体は、電子ペーパーであることを特徴とする請求項19記載の表示媒体制御システム。
【請求項21】
前記ワイヤレス測定手段は、電波信号を受信して機械振動を発生させる励振部と、
前記励振部が発生した機械振動が伝達されて弾性表面波を発生するとともに、前記弾性表面波の属性が前記物理量によって変化する振動媒体部と、
前記弾性表面波を電気信号に変換して電波信号として出力する送信部と
を備えることを特徴とする請求項19記載の表示媒体制御システム。
【請求項22】
シート状の表示媒体に設けられ、所定の電波信号が供給されると、これをエネルギー源として周囲の物理量を反映した属性と識別情報を有する電波信号を生成して出力するワイヤレス測定手段を複数有するシート状の表示媒体に対して制御を行う表示媒体制御装置の表示媒体制御方法であって、
前記複数のワイヤレス測定手段に所定の電波信号を送信するステップと、
前記複数のワイヤレス測定手段から出力される電波信号を受信するステップと、
受信された各々の電波信号から前記物理量を算出するステップと、
算出された物理量の分布を、前記識別情報に基づき、前記複数のワイヤレス測定手段の位置と識別情報との対応関係を各々記憶した記憶手段の記憶内容を参照して認識するステップと、
認識された物理量の分布に基づいて前記表示媒体が把持されているか否かを判定するステップと
を備えることを特徴とする表示媒体制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2006−268527(P2006−268527A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−86543(P2005−86543)
【出願日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】