説明

表示情報生成装置、プログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】 権限毎の操作可能な項目を容易に変更することが可能なアプリケーションを実現する。
【解決手段】 機能やボタン、メニューなどの一覧と権限ごとに操作可能な機能が記述された機能MarkerFile6を設け、これを修正(編集)するだけでユーザが有する権限に応じて操作できる機能をユーザに提供する。図2(a)は上記機能MarkerFileにおけるRole1という権限を有するユーザがログインしたときの表示情報が表示された画面を示す。2つの選択可能な機能1,2と、FileとEditのメニューが表示されると共に、機能MarkerFileの管理リストが表示される。図2(b)はRole1権限とRole1権限2を有するユーザがログインしたときの表示情報が表示された画面を示す。3つの選択可能な機能1,2,3と、File、Editのメニューと、機能MarkerFileの管理リストが表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示情報を生成する表示情報生成装置、この装置で用いられるプログラム及びこのプログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近のUIを作成するアプリケーションは、従来のクライアントサーバタイプのアプリケーションに代わって、Webベースのアプリケーションが主流になってきている。Webベースのアプリケーションはセキュリティを高めるために、各クライアントユーザがそのアプリケーションを使用する際にユーザアカウントやパスワードを使ったログイン認証を行うのが一般的である。また、認証による管理を行えば、一般ユーザと管理者などの権限を各ユーザに与えることにより、ログインしたユーザごとに可能な操作を切り替えるような実装を行っている。尚、GUIに関する従来技術として、例えば、特許文献1に開示されるソフトウェア設計支援方法及びソフトウェア設計支援装置がある。また、プログラムの自動作成に関しては、特許文献2の技術が提案されている
【特許文献1】特開平10−105389号公報
【特許文献2】特開2001−75792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、これまでの実装方法ではその実装をいったん行うと権限毎に操作可能な項目を変更したり、新たな権限を追加したい場合の変更作業が大変であった。
本発明ではコンパイルレスで、権限毎の操作可能な項目を変更することが可能なアプリケーションを実現することを課題とする。
また、一人のユーザが複数の権限をもつことが可能なアプリケーションにおいては、あるユーザが操作可能な操作は保有している権限に対応している操作がすべて操作可能となるアプリケーションを実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明による表示情報生成装置は、機能やボタン、メニュー等の一覧を表示する表示情報と権限毎に操作可能な機能を示す情報を管理する情報管理手段と、ユーザの認証を行うと共に、ユーザが保有する権限を管理する認証手段と、前記情報管理手段が管理する前記各情報を生成するのに必要なデータを保持するデータ保持手段と、前記操作可能な機能を編集する編集手段と、前記認証されたユーザからの取得要求に応じて前記情報管理手段で管理される情報を参照し、対応する表示情報及び前記権限を生成するのに必要なデータを前記データ保持手段から取得して表示情報及び前記ユーザが保有する権限毎に操作可能な機能情報を生成する生成手段とを有することを特徴とするものである。
【0005】
請求項2の発明による表示情報生成装置は、請求項1において、前記編集手段は、前記認証されたユーザが複数の権限を保有している場合には、保有しているすべての権限で操作可能な機能をユーザに提供することを特徴とするものである。
【0006】
請求項3の発明による表示情報生成装置は、請求項2において、前記編集手段は、前記認証されたユーザが複数の権限を保有している場合には、前記すべての権限の論理和をとることを特徴とする
【0007】
請求項4の発明によるプログラムは、機能やボタン、メニュー等の一覧を表示する表示情報と権限毎に操作可能な機能を示す情報を管理する情報管理処理と、ユーザの認証を行うと共に、ユーザが保有する権限を管理する認証処理と、前記操作可能な機能を編集する編集処理と、前記認証されたユーザからの取得要求に応じて前記情報管理処理で管理される情報を参照し、対応する表示情報及び前記権限を生成するのに必要なデータをデータ保持手段から取得して表示情報及び前記ユーザが保有する権限毎に操作可能な機能情報を生成する生成処理とをコンピュータに実行させるものである。
【0008】
請求項5の発明によるプログラムは、請求項4において、前記認証されたユーザが複数の権限を保有している場合には、保有しているすべての権限で操作可能な機能をユーザに提供する編集処理をコンピュータに実行させるものである。
【0009】
請求項6の発明によるプログラムは、請求項5において、前記保有しているすべての権限で操作可能な機能の論理和をとる編集処理をコンピュータに実行させることを特徴とするものである。
【0010】
請求項7の発明によるコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、請求項4から6のいずれか1項に記載のプログラムを記録したものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1,3の発明によれば、情報管理手段の情報を修正するだけで容易に権限毎の操作の変更や、権限そのものの追加/削除が可能となる。
請求項2,5の発明によれば、権限を複数保有しているユーザには、その権限で操作可能な操作すべてを提供することが可能となる。
請求項4,6の発明によれば、簡単な演算により権限を複数保有しているユーザに提供する操作のすべてを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は本発明の実施形態による表示情報生成装置のシステム構成を示すブロック図である。
図1において、1はクライアントであり、表示用アプリケーションを使うユーザが使用するPCである。本実施形態では特にWebブラウザを使用する。2は表示情報生成装置である。
【0013】
表示情報生成装置2において、3はhttpd(Hyper Text Transfer Protocol Deamon)であり、Webサーバ上のデーモンプログラムで、ブラウザからの要求を受け付ける。4はWebページ生成部であり、httpd3からの要求に応じてブラウザ上に表示させるためのWebページを生成する。5は機能Manager部であり、複数の機能MarkerFile6を管理し、その情報をWebページ生成部4に提供する。機能MarkerFile6は、表示装置で表示される機能やボタン、メニュー等の表示情報の一覧を記述すると共に、ユーザの権限毎に操作可能な機能を記述したものである。
【0014】
7はユーザ認証部であり、ユーザのアカウントやパスワード、権限等を管理し、アプリケーションを使うユーザの認証を行う。8はFront End部であり、Webページ生成部4でWebページを生成するのに必要なデータを機能Service群9から情報を取得して、必要に応じてページ生成用のデータに加工する。9は機能Service群であり、各種機能を実現するため、情報の管理や検索、各種操作等を提供しているServiceの集まりで、機能Service1,2,3…を有する。本実施の形態では特にWebService群である。
【0015】
本実施形態は、GUI上で表示する機能やボタン、メニューなどの表示情報一覧を記述した機能MarkerFile6を用意し、アプリケーションをシステムにインストールする際に、その機能MarkerFile6を特定の場所にインストールし、さらに機能MarkerFile6がどのような機能を持っているかの情報をアプリケーションに返す機能Manager5が配置され、機能Manager5からの情報を元にUI(User Interface)を作成することを特徴とするアプリケーションにおいて、MarkerFileには、権限ごとに操作可能な機能が記述されていて、アプリケーションは使用するユーザが保有する権限に応じた機能をユーザに提供することを特徴とするものである。
【0016】
次に機能MarkerFile6の構造例を示す。
[Package]
;;本Markerが適用されるPackageを記述;;
PackageName=Normal Application

[Services]
;;本Packageで接続するServiceを羅列する;;
Service=機能Service1,機能Service2,機能Service3,機能Service4

[Functions]
;;本Packageで実現する機能を羅列する;;
Function=機能1,機能2,機能3,機能4

[Role]
;;権限毎に操作可能な機能を羅列する;;
Admin=機能1,機能2,機能3,機能4
Role1=機能1,機能2
Role2=機能1,機能3
ClientUser=機能1

;;これ以降は機能毎にSectionを区切って記述;;
;;IsExistList:本機能がListを持つか機能かどうかを示す;;
;;Menu:表示するMenuを羅列する;;

[機能1]
IsExistList=true
Menu=File

[機能2]
IsExistList=true
Menu=File,Edit
: (以下省略)
【0017】
図2(a)は機能MarkerFile6の上記構造例におけるRole1権限を有するユーザがログインしたときの表示情報が表示された画面を示す。図示のように2つの選択可能な機能1,2と、FileとEditのメニューが表示される。また、機能MarkerFile6の管理リストが表示される。
【0018】
図2(b)はRole1権限とRole1権限2を有するユーザがログインしたときの表示情報が表示された画面を示す。図示のように3つの選択可能な機能1,2,3と、File、Editのメニューと、機能MarkerFile6の管理リストが表示される。
【0019】
図3(a)はAdmin権限を有するユーザがログインしたときの表示情報が表示された画面を示す。図示のように4つの選択可能な機能1,2,3,4と、File、Editのメニューと、機能MarkerFile6の管理リストが表示される。
【0020】
図3(b)はClientUser権限を有するユーザがログインしたときの表示情報が表示された画面を示す。図示のように1つの選択可能な機能1と、Fileのメニューと機能MarkerFile6の管理リストが表示される。
【0021】
図4は本実施形態の動作を示すシーケンスチャートである。
クライアント1が起動すると(1)、httpd3はWebページ生成部4に対してログイン画面表示を依頼する(2)。Webページ生成部4はログイン画面を生成してhttpd3に渡し(3)、httpd3はクライアント1にログイン画面を表示させる(4)。次に、クライアント1はアカウント/パスワードを入力して(5)、ログインする(6)。httpd3はWebページ生成部4に対して初期画面表示を依頼する(7)。
【0022】
Webページ生成部4は、認証部7に対して入力されたアカウント/パスワードによる認証を依頼する(8)。認証部7は認証を行い(9)、認証を確認すると共にユーザが持つ権限をWebページ生成部4に渡す(10)。Webページ生成部4は機能Manager部5に対してユーザが持つ権限に対する機能一覧の取得を要求する(11)。機能Manager部5は機能MarkerFile6内の情報を取得する(12)。このとき複数の権限があれば、それらのOR(論理和)をとることにより、機能一覧情報が得られる(13)。この機能一覧情報はWebページ生成部4に渡される(14)。Webページ生成部4は、各機能Treeを画面に生成し(16)、各Menuを画面に生成する(16)。
【0023】
次に、Webページ生成部4はFront End部8に対して最初の管理リストの取得を要求し(17)、Front End部8は機能Service群8に対して管理リストを要求して(18)これを取得し(19)、Webページ生成部4に渡す(20)。Webページ生成部4はその管理リストを画面に生成する(21)。そしてWebページ生成部4は初期表示画面をhttpd3に渡し(22)、httpd3はクライアント1に図2、図3等の初期表示画面を表示させる(23)。
【0024】
以上のように本実施形態によれば、機能やボタン、メニューなどの表示情報一覧が記述されると共に、ユーザが保有する権限ごとに操作可能な機能が記述された機能MarkerFile6を設け、その機能MarkerFile6を修正するだけで容易に権限毎の操作の変更や、権限そのものの追加/削除が可能となる。また、権限を複数保有しているユーザには、それらの権限のORを取ることにより、保有しているすべての権限で操作可能な機能をユーザに提供することができる。
【0025】
尚、図4のシーケンスチャートに基づく処理を、表示情報生成装置のコンピュータシステムにおけるCPUが実行するためのプログラムは本発明によるプログラムを構成する。また、このプログラムを記録する記録媒体は、本発明によるコンピュータ読み取り可能な記録媒体を構成する。この記録媒体としては、半導体記憶装置や光学的及び/又は磁気的な記憶装置等を用いることができる。このようなプログラム及び記録媒体を、前述した実施の形態とは異なる構成のシステム等で用い、そこのCPUで上記プログラムを実行させることにより、本発明と実質的に同じ効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態による表示情報生成装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】ある権限を有するユーザがログインしたときのアプリケーションによる表示画面の例を示す構成図である。
【図3】他の権限を有するユーザがログインしたときのアプリケーションによる表示画面の例を示す構成図である。
【図4】本発明の実施形態による動作を示すシーケンスチャートである。
【符号の説明】
【0027】
1 クライアント
2 表示情報生成装置
3 httpd
4 Webページ生成部
5 機能Manager部
6 機能MarkerFile
7 認証部
8 Front End部
9 機能Service群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機能やボタン、メニュー等の一覧を表示する表示情報と権限毎に操作可能な機能を示す情報を管理する情報管理手段と、
ユーザの認証を行うと共に、ユーザが保有する権限を管理する認証手段と、
前記情報管理手段が管理する前記各情報を生成するのに必要なデータを保持するデータ保持手段と、
前記操作可能な機能を編集する編集手段と、
前記認証されたユーザからの取得要求に応じて前記情報管理手段で管理される情報を参照し、対応する表示情報及び前記権限を生成するのに必要なデータを前記データ保持手段から取得して表示情報及び前記ユーザが保有する権限毎に操作可能な機能情報を生成する生成手段とを有することを特徴とする表示情報生成装置。
【請求項2】
前記編集手段は、前記認証されたユーザが複数の権限を保有している場合には、保有しているすべての権限で操作可能な機能をユーザに提供することを特徴とする請求項1記載の表示情報生成装置。
【請求項3】
前記編集手段は、前記認証されたユーザが複数の権限を保有している場合には、前記すべての権限の論理和をとることを特徴とする請求項2記載の表示情報生成装置。
【請求項4】
機能やボタン、メニュー等の一覧を表示する表示情報とユーザが保有する権限毎に操作可能な機能を示す情報を管理する情報管理処理と、
ユーザの認証を行うと共に、前記ユーザが保有する権限を管理する認証処理と、
前記操作可能な機能を編集する編集処理と、
前記認証されたユーザからの取得要求に応じて前記情報管理処理で管理される情報を参照し、対応する表示情報及び前記権限を生成するのに必要なデータをデータ保持手段から取得して表示情報及び前記ユーザが保有する権限毎に操作可能な機能情報を生成する生成処理とをコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項5】
前記認証されたユーザが複数の権限を保有している場合には、保有しているすべての権限で操作可能な機能をユーザに提供する編集処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項4記載のプログラム。
【請求項6】
前記保有しているすべての権限で操作可能な機能の論理和をとる編集処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項5記載のプログラム。
【請求項7】
請求項4から6のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−301858(P2006−301858A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−121123(P2005−121123)
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】