表示装置、乗物、表示方法、表示プログラムおよびその記録媒体
表示部に、外周に沿って速度目盛が配置された略円形形状からなる速度メーターを表示する。そして、その瞬間の速度を示す速度目盛が配置された速度メーターの外周上の点と、その瞬間における加速度で加速した場合に所定時間後(例えば0.5秒後)に到達する速度を算出し、算出した速度を示す速度目盛と速度メーターの中心とを結ぶ直線の中点と、速度メーターの中心とを通る円弧状の針を表示する。これにより、速度メーターを表示する表示装置において、速度とその変化の度合い(加速度)とを、運転者が容易に認識できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理量の値とその変化の度合いとを表示する表示装置、それを備えた乗物、表示方法、表示プログラムおよびその記録媒体に関する
【背景技術】
【0002】
通常、自動車等の乗物(移動体)には、速度やエンジンの回転数などを検知する検知手段と、それらの検知結果を表示する速度計(速度メーター)やエンジン回転数計(タコメーター)などの計器類が備えられている。
【0003】
運転者は、これらのメーター類の表示状態を参照することによって、その瞬間における走行速度やエンジンの回転数などを把握し、それによって適切な運転操作を行えるようになっている。
【0004】
また、例えば特許文献1には、車両に設けられ、加速度センサーによって検知した加速度を、座標の原点を中心とし、かつその中心から半径方向に伸びる指針の大きさを加速度の大きさに一致させて表示する加速度表示装置が開示されている。
【0005】
しかしながら、速度メーターやタコメーターによって表示されるのは、その瞬間における速度および回転数であり、それらの変化の度合いについては表示されない。したがって、運転者は、これらの変化の度合いについては、例えば、車両周囲の風景の変化やエンジン音の変化などから感覚的にしか把握することができない。
【0006】
また、特許文献1の技術では、加速度表示装置を設ける車両に、速度メーター、タコメーターに加えて、加速度メーター(加速度表示用の表示部)を新たに備えることになる。
【0007】
このため、運転者が参照すべき計器類の数が増加してしまい、運転者が視線を移動させる方向、あるいは頻度が増加してしまう。したがって、運転者の負担が増大するとともに、運転者がこれらの各メーターの表示を認識しにくくなる。
【特許文献1】実開平2−124559号公報(1990年10月15日公開)
【発明の開示】
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、物理量の値とその変化の度合いを、ユーザーが容易に認識できる表示装置、それを備えた乗物、表示方法、表示プログラム及びそれを記録した記録媒体を提供することにある。
【0009】
本発明の表示装置は、上記の課題を解決するために、画像を表示する表示手段と、上記表示手段に表示する画像を制御する制御手段とを備え、上記表示手段に物理量の値を示すメーター画像を表示する表示装置であって、上記制御手段は、上記物理量の値を示すメーター画像に、当該物理量の値とともに、当該物理量の所定時間あたりの変化量を表示させることを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、物理量の値とその所定時間あたりの変化量とが、同一のメーター画像に表示される。このため、ユーザーは、このメーター画像によって、物理量の値とその変化の度合いを容易に認識できる。
【0011】
なお、上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記メーター画像の形状を変化させることによって表示するものであってもよい。
【0012】
上記の構成によれば、物理量の値とその所定時間あたりの変化量とが、同一のメーター画像とその形状によって表示される。このため、ユーザーは、このメーター画像とその形状とによって、物理量の値とその変化の度合いを容易に認識できる。
【0013】
また、上記メーター画像は、複数のパーツ画像によって構成され、上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記パーツ画像の形状を変化させることによって表示する構成としてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、物理量の値とその所定時間あたりの変化量とが、同一のメーター画像とそれに含まれるパーツ画像の形状によって表示される。このため、ユーザーは、このメーター画像とそれに含まれるパーツ画像の形状とによって、物理量の値とその変化の度合いを容易に認識できる。
【0015】
また、上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記パーツ画像の表示面積を変化させることによって表示するようにしてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、物理量の値とその所定時間あたりの変化量とが、同一のメーター画像とそれに含まれるパーツ画像の表示面積によって表示される。このため、ユーザーは、このメーター画像とそれに含まれるパーツ画像の表示面積とによって、物理量の値とその変化の度合いを容易に認識できる。
【0017】
また、上記メーター画像は、上記パーツ画像として、表示する物理量の値に対応する位置を指し示す針画像を含み、上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記針画像の形状を変化させることによって表示する構成としてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、物理量の値とその所定時間あたりの変化量とが、同一のメーター画像に含まれる針画像が指し示す位置と、その針画像の形状とによって表示される。このため、ユーザーは、この針画像の指し示す位置と針画像の形状とによって、物理量の値とその変化の度合いを容易に認識できる。なお、針画像の形状を変化させる方法は、例えば、針画像の婉曲状態を変化させるものであってもよい。この場合、ユーザーは、針画像の婉曲状態を見ることで、物理量の所定時間あたりの変化量を容易に認識できる。なお、針画像とは、値を指示するのに適する棒状の画像をいい、より詳しくは、メーター一般に用いられ各種の値を示すための針に類似した形状をいう。
【0019】
また、上記メーター画像は、上記パーツ画像として、当該パーツ画像の少なくとも一部が立体的に表示された立体画像を含み、上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記立体画像における一方向の長さを変化させることによって表示する構成としてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、物理量の値とその所定時間あたりの変化量が、同一のメーター画像とそれに含まれる立体画像における一方向の長さによって表示される。このため、ユーザーは、メーター画像とそれに含まれる立体画像の一方向の長さ(例えば当該立体画像の高さ)によって、物理量の値とその変化の度合いを容易に認識できる。
【0021】
また、上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記メーター画像の色を変化させることによって表示してもよい。
【0022】
上記の構成によれば、物理量の値とその所定時間あたりの変化量が、同一のメーター画像とそのメーター画像の色とによって表示される。このため、ユーザーは、メーター画像とその色とによって、物理量の値とその変化の度合いを容易に認識できる。
【0023】
また、上記メーター画像は、複数のパーツ画像によって構成され、上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記パーツ画像の色を変化させることによって表示する構成としてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、物理量の値とその所定時間あたりの変化量が、同一のメーター画像とそのメーター画像に含まれるパーツ画像の色とによって表示される。このため、ユーザーは、メーター画像とそのパーツ画像の色とによって、物理量の値とその変化の度合いを容易に認識できる。
【0025】
また、上記制御手段は、複数の上記メーター画像に、それぞれ異なる物理量とその所定時間あたりの変化量とを表示させる構成としてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、複数種類の物理量の値とその所定時間あたりの変化量とが、同一のメーター画像によって表示される。このため、ユーザーは、各メーター画像によって、複数の物理量の値とその変化の度合いとを容易に認識できる。
【0027】
また、上記制御手段は、複数種類の物理量と当該各物理量の所定時間あたりの変化量とを、1つのメーター画像に表示させる構成としてもよい。
【0028】
上記の構成によれば、複数種類の物理量と当該各物理量の所定時間あたりの変化量とが、1つのメーター画像に表示される。このため、ユーザーは、上記1つのメーター画像を見るだけで、複数種類の物理量と当該各物理量の所定時間あたりの変化量とを容易に認識できる。
【0029】
また、上記メーター画像は、当該メーター画像内における背景である計器板画像と、上記計器板画像上に表示され、上記計器板画像における特定の位置を軸として回転する針画像と、上記計器板画像を立体的に表示するための立体画像とからなり、上記制御手段は、上記針画像が指し示す位置と、上記針画像の形状と、上記立体画像の形状と、上記メーター画像における少なくとも一部の色と、を変化させることにより、異なる2種類の物理量と当該各物理量の所定時間あたりの変化量とを1つのメーター画像に表示させる構成としてもよい。
【0030】
上記の構成によれば、異なる2種類の物理量と当該各物理量の所定時間あたりの変化量とを1つのメーター画像に表示できる。このため、ユーザーは、上記1つのメーター画像を見るだけで、異なる2種類の物理量と当該各物理量の所定時間あたりの変化量とを、容易に認識できる。
【0031】
また、上記物理量を検出する物理量検出手段と、上記物理量の所定時間あたりの変化量を検出する変化量検出手段とを備え、上記制御手段は、上記メーター画像に、上記物理量検出手段および上記変化量検出手段による検出結果を表示する構成としてもよい。
【0032】
上記の構成によれば、上記表示装置に備えられる物理量検出手段および上記変化量検出手段による検出結果を表示することが可能となる。したがって、ユーザーは、上記物理量検出手段および上記変化量検出手段によって検出した物理量とその変化の度合いを即座に把握できる。
【0033】
本発明の乗物は、上記の課題を解決するために、上記したいずれかの表示装置を備えていることを特徴としている。
【0034】
上記の構成によれば、上記乗物において必要とする物理量とその変化の度合いとを、同一のメーター画像に表示させることができる。このため、ユーザーは、このメーター画像によって、物理量の値とその変化の度合いを容易に認識できる。
【0035】
また、本発明の乗物は、速度を検出する速度検出手段と、上記速度の所定時間あたりの変化量を検出する加速度検出手段とを備え、上記制御手段は、上記メーター画像に、上記速度検出手段および上記加速度検出手段による検出結果を表示させる構成としてもよい。
【0036】
上記の構成によれば、ユーザーは、上記乗物における速度とその変化の度合いとを、容易に認識できる。
【0037】
また、本発明の乗物は、上記乗物に駆動力を供給するための回転駆動手段と、上記回転駆動手段の回転数を検出する回転数検出手段と、上記回転数の所定時間あたりの変化量を検出する回転数変化量検出手段とを備え、上記制御手段は、上記メーター画像に、上記回転数検出手段および上記回転数変化量検出手段による検出結果を表示させる構成であってもよい。
【0038】
上記の構成によれば、ユーザーは、上記乗物における回転駆動手段の回転数とその変化の度合いとを、容易に認識できる。
【0039】
本発明の表示方法は、上記の課題を解決するために、画像を表示する表示手段に、物理量の値を示すメーター画像を表示する表示方法であって、上記物理量の値を示すメーター画像に、当該物理量の値とともに、当該物理量の所定時間あたりの変化量を表示させることを特徴としている。
【0040】
上記の方法によれば、物理量の値とその所定時間あたりの変化量とを、同一のメーター画像に表示できる。このため、ユーザーは、このメーター画像によって、物理量の値とその変化の度合いを容易に認識できる。
【0041】
また、本発明の表示方法は、乗物に搭載される表示装置に、上記乗物の速度を表示する表示方法であって、上記速度を示す速度メーター画像に、速度とともに、速度の所定時間あたりの変化量を表示させる構成としてもよい。
【0042】
上記の方法によれば、速度とその所定時間あたりの変化量とを、上記速度メーター画像に表示できる。このため、ユーザーは、この速度メーター画像によって、速度とその変化の度合いを容易に認識できる。
【0043】
また、本発明の表示方法は、乗物に搭載される表示装置に、上記乗物に駆動力を供給するための回転駆動手段の回転数を表示する表示方法であって、上記回転数を示すタコメーター画像に、回転数とともに、回転数の所定時間あたりの変化量を表示させる構成としてもよい。
【0044】
上記の方法によれば、上記回転駆動手段の回転数とその所定時間あたりの変化量とを、上記タコメーター画像に表示できる。このため、ユーザーは、このタコメーター画像によって、速度とその変化の度合いを容易に認識できる。
【0045】
本発明の表示プログラムは、上記の課題を解決するために、表示装置に備えられたコンピューターを、上記したいずれかの表示装置の制御手段として機能させるためのものである。
【0046】
上記のようなコンピューターにこれらのプログラムを読み取らせることで、上記したいずれかの表示装置における制御手段の処理を、そのコンピューターによって実現することが可能となる。
【0047】
また、これらのプログラムをコンピューターによって読取可能な記録媒体に記録させておくことで、プログラムの保存・流通を容易に行えるようになる。さらに、この記録媒体を読み込ませることで、コンピューターによって、上記した表示装置における制御手段の処理を実施できる。
【0048】
本発明のさらに他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十分わかるであろう。また、本発明の利益は、添付図面を参照した次の説明で明白になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
本発明の一実施形態について説明する。
【0050】
図2は、本実施形態にかかる表示装置1の概略構成を示すブロック図である。表示装置1は、自動車(移動体)のインストルメントパネルに搭載され、速度計(速度メーター)やエンジン回転数計(タコメーター)などのメーター類を表示するものである。また、表示装置1は、速度およびエンジン回転数の変化の度合い(所定時間あたりの変化量)を、上記速度計およびエンジン回転数計に、速度およびエンジン回転数とともに表示するようになっている。
【0051】
図2に示すように、表示装置1は、表示部11、速度検出部12、加速度検出部13、回転数検出部14、回転数変化量検出部15、パーツDB(パーツ画像DB)16、制御部17、入力部18、色対応テーブル19を備えている。
【0052】
表示部(表示手段)11は、制御部17の指示に応じた画像を表示するものである。なお、本実施形態にかかる表示部11は、表示領域のアスペクト比(表示領域の縦横比)が3:7(縦方向の長さに対して横方向の長さが7/3倍)という超ワイド画面を備えた液晶パネル(液晶表示素子からなる表示パネル)であり、速度計、エンジン回転数計などの計器類の表示を行うインストルメントパネルとして搭載されている。
【0053】
速度検出部(速度検出手段、物理量検出手段)12は、表示装置1が備えられる自動車の速度(物理量)を検出するものであり、加速度検出部(加速度検出手段、変化量検出手段)13は、その自動車の加速度を検出するものである。なお、本実施形態における加速度とは、進行方向に対する速度の変化の度合い(単位時間当たりの速度の変化量)を意味する。加速度検出部13では、速度検出部12からの信号を基に速度を時間で微分して演算するか、或いは所定時間(例えば0.01秒)毎の速度の変化量を加速度と擬制することにより加速度を算出する。
【0054】
回転数検出部(回転数検出手段、物理量検出手段)14は、エンジンの回転数(物理量)を検出するものである。回転数変化量検出部15は、エンジン回転数の変化の度合い(単位時間あたりのエンジン回転数の変化量)を検出するものである。回転数変化量検出部(回転数変化量検出手段、変化量検出手段)15では、回転数検出部14からの信号を基に回転数を微分して演算するか、或いは所定時間(例えば0.01秒)毎の回転数の変化量を回転数変化量と擬制することにより加速度を算出する。
【0055】
パーツDB(データベース)16は、メーター類の表示に用いる各パーツ画像の画像データを記憶するものである。すなわち、パーツDB16には、速度メーターやタコメーターなどのメーター画像を構成する、計器板(計器板画像)、針(針画像)、数字、文字、目盛、これらを立体的に表示するための立体画像などの各パーツについての画像データが多数記憶されている。
【0056】
入力部18は、ユーザーからの入力を受け付け、制御部17に伝達するものである。入力部18は、複数の入力キーからなり、ユーザーは、これらの入力キーを介して制御部17に各種指示を与えることができるようになっている。
【0057】
色対応テーブル19は、速度やエンジン回転数の所定時間あたりの変化量と、それを表示するための色の濃さおよび色味(諧調)が記憶されている。
【0058】
制御部(制御手段)17は、CPU17aと、フレームメモリー17bとを含む。CPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置、制御手段)17aは、表示装置1における全てのデータ処理、制御、判断などを行う、表示装置1の中枢部である。フレームメモリー17bは表示部11に表示させる画像の画像データを、一時記憶しておくものである。
【0059】
ここで、表示装置1における速度およびエンジン回転数と、それらの変化の度合いとを表示する処理について、図3を用いて説明する。図3は、表示装置1における表示処理の流れを示すフロー図である。
【0060】
この図に示すように、制御部17(CPU17a)は、まず、速度検出部12に、自車の速度を検出させる(S1)。また、制御部17は、回転数検出部14に、エンジン回転数を検出させる(S2)。
【0061】
次に、制御部17は、速度メーター(メーター画像、速度メーター画像)21、タコメーター(メーター画像、タコメーター画像)22、および第2速度メーター23(後述する図1(a),図1(b)参照)を表示部11に表示させる(S3)。より詳細には、制御部17は、パーツDB16から速度メーター21、タコメーター22、および第2速度メーター23を表示するための各パーツの画像データを検出し、検出した画像データを合成してフレームメモリー17bに一旦記憶させる。そして、フレームメモリー17bに記憶させた画像データを、表示部11に表示させる。
【0062】
次に、制御部17は、加速度表示モードが選択されているか否かを判断する(S4)。なお、本実施形態において、加速度表示モードとは、速度メーター21に、速度およびその所定時間あたりの変化量(加速度)を表示させ、タコメーター22に、エンジン回転数およびその所定時間あたりの変化量を表示する表示方法である。なお、本実施形態では、加速度表示モードを選択するか否かを、ユーザーが入力部18を介してあらかじめ指定するようになっており、制御部17はこのユーザーからの指定に基づいて、S4の判断を行う。
【0063】
加速度表示モードが選択されていない場合(S4がNoの場合)、制御部17は、通常表示モードを選択し、S1で検出した速度値を速度メーター21および第2速度メーター23に表示し、S2で検出した回転数値(エンジン回転数値)をタコメーター22に表示する(S5)。また、制御部17は、S5の処理を行った後、後述するS9の処理を行う。
【0064】
図1(a)に、通常表示モードにおける表示部11の表示状態(速度メーター21、タコメーター22、および第2速度メーター23の表示状態)の一例を示す。
【0065】
速度メーター21は、外周に沿って速度の目盛(ここでは図示せず)が配置された略円形形状からなり、この略円形形状の中心を軸として円周方向に回転する針(指針)を表示することによって、S1で検出した速度値に対応する速度の目盛を指し示し、速度を表示するようになっている。なお、通常表示モードでは、上記針を、直線状の針として表示する。
【0066】
タコメーター22は、速度メーター21と同様、外周に沿ってエンジン回転数の目盛(ここでは図示せず)が配置された略円形形状からなり、この略円形形状の中心を軸として円周方向に回転する針を表示することによって、S2で検出した回転数値に対応するエンジン回転数の目盛を指し示し、エンジン回転数を表示するようになっている。
【0067】
第2速度メーター23は、速度メーター21と同様、S1で検出した速度値を表示するものである。すなわち、本実施形態おける表示装置1では、2つの速度メーターを備えており、これによって、検出した速度値を運転者に確実に通知できるようになっている。なお、図1(a)に示すように、第2速度メーター23には、S1で検出した速度値を示す数字を表示するようになっている。
【0068】
一方、加速度表示モードが選択されている場合(S4がYesの場合)、制御部17は、速度および回転数(エンジン回転数)の毎秒あたり(所定時間あたり)の変化量を算出する(S6)。より詳細には、制御部17は、加速度検出部13に、S1で検出した速度とその直前または直後に検出した速度とをもとに、毎秒あたりの速度の変化量(加速度)を計算させる。また、制御部17は、回転数変化量検出部15に、S2で検出した回転数とその直前または直後に検出した回転数とをもとに、毎秒あたりの回転数の変化量を計算させる。
【0069】
次に、制御部17は、速度メーター21、タコメーター22における中心(針の回転軸)と、S1およびS2で検出した速度値および回転数値に対応する目盛とを結ぶ直線に対して、現在の変化量(速度値および回転数値の変化量)に応じた点をプロットする(S7)。また、この際、制御部17は、第2速度メーター23にS1で検出した速度値を表示する。
【0070】
例えば、速度メーター21については、S1で測定した速度値とS6で算出した加速度とをもとに、その加速度で加速した場合に0.5秒後(所定時間後)に到達する速度を算出し、速度メーター21の中心(針の回転軸)と上記のように算出した速度に対応する速度の目盛とを結ぶ直線の中点をプロットする。これにより、例えば、加速度を1Gとすれば、S1で検出した速度値に対して、約17.6km/h速い速度を示す目盛と、速度メーター21の中心(針の回転軸)とを結ぶ直線の中点をプロットすることになる。
【0071】
また、タコメーター22については、例えば、S2で測定した回転数値とS6で算出した回転数値の毎秒当たりの変化量とをもとに、その変化量で加速した場合に0.3秒後(所定時間後)に到達する回転数を算出し、タコメーター22の中心(針の回転軸)と上記のように算出した回転数に対応するエンジン回転数の目盛とを結ぶ直線の中点をプロットする。このように、エンジン回転数の変化は、加速度の変化よりも変化速度が速い場合が多いので、回転数の変化量の表示に用いる、実際に検知した回転数値とそれをもとに算出する回転数との時間間隔(上記の例では0.3秒)は、加速度の表示に用いる、検出した速度値とそれをもとに算出する速度との時間間隔(上記の例では0.5秒)よりも短くしてもよい。
【0072】
次に、制御部17は、速度メーター21およびタコメーター22の中心と、S7でプロットした点と、S1およびS2で検出した速度値および回転数値を示す目盛に対応する両メーターの外周側の点とを結ぶ円弧(円弧形状の針(指針))を表示する(S8)。
【0073】
図1(b)に、この場合の表示状態の一例を示す。この図に示すように、速度メーター21における円弧形状の針(婉曲した針)の先端はS1で検出した速度値に対応(一致)する目盛(ここでは50km/h)を指し示しており、かつ、この円弧形状の針における腹の部分によって、加速度が表示されるようになっている。また、タコメーター22についても同様に、円弧形状の針の先端はS2で検出した回転数値に対応(一致)する目盛(ここでは3000rpm)を指し示しており、かつ、この円弧形状の針における腹の部分によって、回転数の変化の度合い(所定時間あたりの変化量)が表示されるようになっている。
【0074】
S5またはS8における表示を行った後、制御部17は、表示装置1における表示を終了させるか否かを判断する(S9)。なお、この判断は、例えば、運転が終了したか、すなわち、ユーザーがエンジンの停止指示を行ったか否かによって行えばよい。
【0075】
そして、表示を終了させないと判断した場合(S9がNoの場合)、制御部17は、S1からの処理を繰り返す。また、表示を終了させると判断した場合(S9がYesの場合)、制御部17は、表示に係る処理を終了する。
【0076】
以上のように、本実施形態の表示装置1は、速度とその所定時間当たりの変化量、および、エンジン回転数とその所定時間当たりの変化量を、速度メーター21およびタコメーター22にそれぞれ表示する。
【0077】
これにより、速度とその変化の度合い、および、エンジン回転数とその変化の度合いを表示できるので、運転者は、運転中の車の状況をより適切に把握することができる。
【0078】
また、これらの物理量とその変化の度合いが、同一の計器に表示されるので、これらの表示を確認するために、運転者が視線を移動させる方向や頻度が増加することがない。したがって、運転者は、負担が増大することなく、容易かつ適切にこれらの情報を認識できる。
【0079】
なお、図1(b)では、加速度(所定時間あたりの速度の変化量)が正の場合、すなわち加速している際の表示状態を示したが、これに限るものではなく、減速時の加速度を表示させることもできる。減速時の加速度を表示する場合、針の婉曲方向は、図1(b)に示した例と逆になる。また、定速走行時の加速度を表示させることもできる。この場合、図1(a)に示した通常表示モードにおける表示と同様、速度および加速度を表す針は、直線形状となる。
【0080】
同様に、エンジン回転数についても、図1(b)では回転数が増加中の場合を示したが、これに限らず、減少中である場合、あるいは一定の回転数である場合の表示を行うこともできる。なお、一定の回転数の場合には、図1(a)に示した通常表示モードにおける表示と同様、回転数およびその変化の度合いを表す針は、直線形状となる。
【0081】
また、上記の説明では、加速度検出部13および回転数変化量検出部15は、速度検出部12および回転数検出部14の検出結果に基づいて、それらの所定時間あたりの変化量を算出するものとしたが、これに限るものではなく、加速度検出部13および回転数変化量検出部15の検出結果を参照しない方法で、速度およびエンジン回転数の所定時間あたりの変化量を算出するものであってもよい。
【0082】
また、上記の説明では、速度メーター21およびタコメーター22における針の婉曲状態を変形させることによって、速度およびエンジン回転数の変化の度合いを表示する構成について説明したが、速度およびエンジン回転数の変化の度合いを表示する構成は、これに限るものではない。
【0083】
例えば、針の婉曲で表現するのではなく、針の太さで表現するようにしてもよい。あるいは、針の婉曲と太さとを組み合わせて表現してもよい。
【0084】
また、例えば、両メーター21,22における計器板部分の色を変化させることによって、速度およびエンジン回転数の変化の度合いを表示してもよい。
【0085】
あるいは、両メーター21,22における針の形状と計器板部分の色とを変化させることによって、速度およびエンジン回転数の変化の度合いを表示してもよい。
【0086】
図4は、両メーター21,22における針の婉曲状態と計器板部分の色とを変化させることによって、速度およびエンジン回転数の変化の度合いを表示する場合の、表示装置1における表示処理の流れを示すフロー図である。この図を用いて、速度およびエンジン回転数の変化の度合いを、針の形状と、計器板部分の色を変化させることによって表示する処理について説明する。
【0087】
この図に示すように、制御部17(CPU17a)は、速度検出部12に、自車の速度を検出させる(S11)。また、制御部17は、回転数検出部14に、エンジン回転数を検出させる(S12)。
【0088】
次に、制御部17は、速度メーター21、タコメーター22、および第2速度メーター23を表示部11に表示させる(S13)。より詳細には、制御部17は、パーツDB16から速度メーター21、タコメーター22、および第2速度メーター23を表示するための各パーツの画像データを検出し、検出した画像データを合成してフレームメモリー17bに一旦記憶させる。なお、上記したパーツの画像データには、速度メーター21およびタコメーター22における計器板(メーターの内側)部分の基準色が含まれている。そして、フレームメモリーに記憶させた画像データを、表示部11に表示させる。
【0089】
次に、制御部17は、加速度表示モードが選択されているか否かを判断する(S14)。
【0090】
そして、加速度表示モードが選択されていない場合(S14がNoの場合)、制御部17は、通常表示モードを選択し、S11およびS12で検出した速度値および回転数値(エンジン回転数値)を、速度メーター21,第2速度メーター23、およびタコメーター22にそれぞれ表示する(S15)。また、制御部17は、S15の処理を行った後、後述するS21の処理を行う。
【0091】
図5(a)に、通常表示モードにおける速度メーター21、タコメーター22、および第2速度メーター23の表示状態の一例を示す。
【0092】
速度メーター21における、メーター内部(計器板)の領域は、通常表示モードでは、薄い青色になっている。また、タコメーター22における、メーター内部(計器板)の領域は、通常表示モードでは、薄い赤色になっている。
【0093】
なお、速度メーター21およびタコメーター22における針の表示方法、および、第2速度メーター23における表示方法については、図3で説明した方法と同様である。
【0094】
一方、加速度表示モードが選択されている場合(S14がYesの場合)、制御部17は、図3の場合と同様、速度および回転数(エンジン回転数)の毎秒あたり(所定時間あたり)の変化量を算出する(S16)。
【0095】
次に、制御部17は、速度メーター21およびタコメーター22における中心(針の回転軸)と、S11およびS12で検出した速度値および回転数値に対応する目盛とを結ぶ直線に対して、現在の変化量(速度値および回転数値の変化量)に応じた点をプロットする(S17)。また、制御部17は、S11で検出した速度値を第2速度メーター23に表示する。なお、S17における処理は、図3におけるS7の処理と同様に行えばよい。
【0096】
次に、制御部17は、速度メーター21およびタコメーター22の中心(針の回転軸)と、S17でプロットした点と、S11およびS12で検出した速度値および回転数値を示す目盛に対応する両メーターの外周側の点とを結ぶ円弧(円弧形状の針(指針))を表示する(S18)。
【0097】
さらに、制御部17は、速度および回転数の変化量に応じた色を選択する(S19)。なお、速度および回転数の変化量に応じた色は、色対応テーブル19にあらかじめ記憶されており、制御部17は、色対応テーブル19から、速度および回転数の変化量に応じた色を検索(選択)する。
【0098】
そして、速度メーター21およびタコメーター22の内側の領域(計器板)に、S19で選択した色を配色し、表示する(S20)。
【0099】
図5(b)に、加速時における表示部11の表示状態の一例を示す。この図に示すように、速度メーター21における円弧形状の針によってS11で検出した速度値、およびS16で算出した加速度が表示されている。さらに、図5(b)では、加速度は増加中であるので、計器板の色が、定速走行時の計器板の色(通常表示モードにおける計器板の色と同じであり、本実施形態では薄い青色)よりも濃い色(濃い青色)に配色されている。また、エンジン回転数についても、その変化量は増加中であるので、定回転時の計器板の色(通常表示モードにおける計器板の色と同じであり、本実施形態では薄い赤色)よりも濃い色(濃い赤色)に配色されている。
【0100】
そして、S15またはS20における表示を行った後、制御部17は、表示装置1における表示を終了させるか否かを判断する(S21)。なお、この判断は、例えば、運転が終了したか、すなわち、ユーザーがエンジンの停止指示を行ったか否かによって行えばよい。
【0101】
そして、表示を終了させないと判断した場合(S21がNoの場合)、制御部17は、S11からの処理を繰り返す。また、表示を終了させると判断した場合(S21がYesの場合)、制御部17は、表示に係る処理を終了する。
【0102】
このように、速度およびエンジン回転数の所定時間あたりの変化量に応じて、針の婉曲状態および両メーター21,22におけるメーター内の領域の色を変化させることにより、運転者は、加速度およびエンジン回転数の変化の度合いを、より適切に把握することができる。
【0103】
なお、図5(b)では、加速時かつエンジン回転数増加時における表示処理について説明したが、これに限らず、減速時、およびエンジン回転数減少時の表示を行うこともできる。この場合、例えば、減速時およびエンジン回転数減少時には、両メーター21,22内の領域に、通常表示モードにおける表示色とは異なる色を、速度またはエンジン回転数の変化量に応じて濃度(諧調)を変えて表示させる。あるいは、両メーター21,22内の領域における色を、加速時と減速時、あるいはエンジン回転数増加時と減少時で、異なる色とせずに同色とし、その濃度(諧調)を変化させるようにしてもよい。つまり、減速時およびエンジン回転数減少時には、定速走行時または定回転数時における色(通常表示モードにおける色)よりも薄い色に配色するようにしてもよい。
【0104】
また、上記の説明では、針の婉曲状態と速度メーター21およびタコメーター22の計器板部分の色を変化させることによって、速度およびエンジン回転数の所定時間あたりの変化量を表示させているが、これに限るものではない。例えば、針の婉曲状態を用いずに速度メーター21およびタコメーター22の計器板部分の色を変化させてもよく、さらには、針の婉曲状態によって、速度およびエンジン回転数の所定時間あたりの変化量を表示し、計器板の色を変化させることによって、例えば、各種油圧系統の油圧、油温、エンジン冷却水の水温などの物理量、あるいはこれらの物理量の変化の度合いを表示するようにしてもよい。
【0105】
また、上記の説明では、両メーター21,22における計器板部分の色を変化させることによって、速度およびエンジン回転数の変化の度合いを表示する構成について説明したが、これに限るものではない。例えば、両メーター21,22内の図形(パーツ)の色を、速度およびエンジン回転数の変化の度合いに応じて変化させるようにしてもよい。ここで、両メーター21,22内の図形(パーツ)としては、特に限定されるものではないが、例えば針や目盛線、メーターの輪郭などを用いることができる。あるいは、これとは別に両メーター21,22内に図形を表示し、この図形の色を変化させるようにしてもよい。
【0106】
また、両メーター21,22内の計器板あるいはその他の図形の色に限らず、例えば、表示部11における両メーター21,22以外の領域の色を変化させるようにしてもよい。また、針の婉曲、針の太さ、計器板の色、その他の図形の色、表示部11における両メーター21,22以外の領域の色などを、適宜組み合わせて表示するようにしてもよい。
【0107】
また、例えば、両メーター21,22における針の形状と、計器板部分において着色する領域の面積(範囲)とを変化させることによって、速度およびエンジン回転数の変化の度合いを表示してもよい。図6は、この場合の、表示装置1における表示処理の流れを示すフロー図である。この図を用いて、速度およびエンジン回転数の変化の度合いを、針の形状と、計器板部分において着色する領域の面積とによって表示する処理について説明する。
【0108】
なお、図6におけるS31〜S38までの処理は、図4におけるS11〜S18までの処理と略同様であるので、説明を省略する。
【0109】
S38において、図6におけるS18と同様に円弧形状の針(指針)した後、制御部17は、速度および回転数の変化量に応じた着色範囲を選択する(S39)。
【0110】
なお、速度および回転数の変化量に応じた表示範囲および着色する色は、色対応テーブル19にあらかじめ記憶されており、制御部17は、色対応テーブル19から、速度および回転数の変化量に応じた着色範囲および色を検索(選択)する。
【0111】
そして、速度メーター21およびタコメーター22の内側の領域(計器板)における、S39で選択した着色範囲を選択した色に配色し、表示する(S40)。
【0112】
図7(a)および図7(b)に、このときの表示状態の例を示す。図7(a)は、速度および回転数が一定のとき、すなわち、速度および回転数の所定時間あたりの変化量がゼロのときにおける表示状態の一例を示している。この図に示すように、速度および回転数が一定の場合、あらかじめ定めた着色範囲(基準着色範囲)が、計器板における他の領域の色と異なる色で着色される。
【0113】
図7(b)は、加速時かつエンジン回転数増加時における表示状態の一例を示している。この図に示すように、速度メーター21における円弧形状の針によってS31で検出した速度値、およびS36で算出した加速度が表示されている。さらに、図7(b)では、計器板における着色領域が、定速走行時の計器板における着色領域(基準着色領域)よりも広くなっている。なお、この図に示す例では、着色領域は針の回転軸を中心とする円形となっており、加速度の大きさに応じて、この円の半径が変化するようになっている。また、エンジン回転数についても、その変化量は増加中であるので、定回転時の計器板の着色領域(基準着色領域)よりも広くなっている。すなわち、タコメーター22における針の回転軸を中心とする円形の着色領域を、回転数の変化の度合いに応じて円の半径を増減させることによって変化させている。
【0114】
なお、図7(b)では、加速時かつ回転数増加時の表示状態を示したが、減速時および回転数減少時には、基準着色領域よりも円の半径が小さくなるように、着色領域を変化させればよい。
【0115】
そして、S35またはS40における表示を行った後、制御部17は、表示装置1における表示を終了させるか否かを判断する(S41)。なお、この判断は、例えば、運転が終了したか、すなわち、ユーザーがエンジンの停止指示を行ったか否かによって行えばよい。
【0116】
そして、表示を終了させないと判断した場合(S41がNoの場合)、制御部17は、S31からの処理を繰り返す。また、表示を終了させると判断した場合(S41がYesの場合)、制御部17は、表示に係る処理を終了する。
【0117】
このように、速度およびエンジン回転数の所定時間あたりの変化量に応じて、針の婉曲状態および両メーター21,22におけるメーター内の着色領域を変化させることにより、運転者は、加速度およびエンジン回転数の変化の度合いを、容易かつ適切に把握することができる。
【0118】
なお、上記の説明では、速度および回転数が一定の場合、基準着色領域を着色するものとしたが、これに限るものではない。例えば、速度および回転数が一定の場合には、着色せず(着色領域の面積をゼロにし)、加速時と減速時、および、回転数増加時と減少時、における着色する色を異なる色としてもよい。この場合、速度およびエンジン回転数における所定時間あたりの変化量の絶対値に基づいて、着色領域の背景を決定すればよい。
【0119】
また、上記の説明では、針の回転軸を中心とする円形の着色領域によって、速度およびエンジン回転数の所定時間あたりの変化量を表示したが、着色領域の形状および位置はこれに限るものではない。例えば、両メーター21,22の外周側から針の回転軸方向に向かって、着色領域が増加していくようにしてもよい。また、例えば、両メーター21,22のなす円周の最下点を基準として、両メーター21,22内の領域における、速度およびエンジン回転数の所定時間あたりの変化量に応じた高さ以下の領域を着色するようにしてもよい。
【0120】
また、上記の説明では、針の婉曲と着色領域の面積とによって、速度およびエンジン回転数の所定時間あたりの変化量を表示しているが、これに限らず、着色領域の面積のみで表示するようにしてもよい。
【0121】
また、上記の説明では、速度メーター21とタコメーター22とを表示する例について説明したが、これに限るものではない。例えば、一つのメーターによって、速度およびエンジン回転数と、それらの所定時間あたりの変化量とを表示するようにしてもよい。例えば、針の先端が指し示す目盛によって速度を表示し、この針の婉曲状態によって加速度を表示するとともに、メーターを立体的に表示させ、この立体形状の高さによってエンジン回転数を表示し、メーターの色を変化させることによってエンジン回転数の所定時間あたりの変化量を表示するようにしてもよい。
【0122】
図8は、このような表示を行う場合の処理の流れを示すフロー図である。この図を参照して、このような表示を行う処理について説明する。
【0123】
この図に示すように、制御部17(CPU17a)は、速度検出部12に、自車の速度を検出させる(S51)。また、制御部17は、回転数検出部14に、エンジン回転数を検出させる(S52)。
【0124】
次に、制御部17は、速度・タコメーター31(後述する図9(a)および図9(b)参照)および第2速度メーター23を表示部11に表示させる(S53)。より詳細には、制御部17は、パーツDB16から速度・タコメーター(メーター画像)31および第2速度メーター23を表示するための各パーツの画像データを検出し、検出した画像データを合成してフレームメモリー17bに一旦記憶させる。なお、速度・タコメーター31は、略円形の計器板部分と、この計器板部分を立体的に表示する立体表示部分とからなり、各部分の色を変更することができるようになっている。また、上記したパーツの画像データには、これらの各部分の画像データおよびその基準色のデータが含まれている。そして、制御部17は、フレームメモリーに記憶させた画像データを、表示部11に表示させる。
【0125】
次に、制御部17は、加速度表示モードが選択されているか否かを判断する(S54)。
【0126】
そして、加速度表示モードが選択されていない場合(S54がNoの場合)、制御部17は、通常表示モードを選択し、S51およびS52で検出した速度値および回転数値(エンジン回転数値)を、速度・タコメーター31および第2速度メーター23に表示する(S55)。また、制御部17は、S55の処理を行った後、後述するS62の処理を行う。
【0127】
図9(a)に、通常表示モードにおける表示部11の表示状態(速度・タコメーター31および第2速度メーター23の表示状態)の一例を示す。
【0128】
速度・タコメーター31は、外周に沿って速度の目盛(ここでは図示せず)が配置された略円形形状の計器板部分を含み、この略円形形状の計器板部分の中心を軸として円周方向に回転する針(指針)を表示することによって、S51で検出した速度値に対応する速度の目盛を指し示し、速度を表示するようになっている。なお、通常表示モードでは、上記針を、直線状の針として表示する。
【0129】
また、速度・タコメーター31は、この計器板部分を立体的に表示する立体表示部分を含み、制御部17は、S52で検出した回転数値(エンジン回転数値)に応じて、この高さを決定する。すなわち、立体表示部分の高さによって、エンジン回転数を表示する。
【0130】
また、通常表示モードでは、制御部17は、計器板部分および立体表示部分の色(針、目盛を除く)を、あらかじめ定められた基準色(例えば薄い赤色)で表示する。
【0131】
なお、第2速度メーター23における表示方法については、図3で説明した方法と同様である。
【0132】
一方、加速度表示モードが選択されている場合(S54がYesの場合)、制御部17は、速度および回転数(エンジン回転数)の毎秒あたり(所定時間あたり)の変化量を算出する(S56)。
【0133】
次に、制御部17は、速度・タコメーター31における計器板部分の中心(針の回転軸)と、S51で検出した速度値に対応する目盛とを結ぶ直線に対して、現在の加速度(現在の速度の、所定時間あたりの変化量)に応じた点をプロットする(S57)。なお、この処理は、図3におけるS7の処理と同様に行えばよい。
【0134】
次に、制御部17は、速度・タコメーター31における計器板部分の中心(針の回転軸)と、S57でプロットした点と、S51で検出した速度値を示す目盛に対応する計器板部分の外周側の点とを結ぶ円弧(円弧形状の針(指針))を表示する(S58)。これにより、針の指し示す目盛によって速度が表示され、針の婉曲状態によって加速度が表示される。
【0135】
次に、制御部17は、S52で検出した回転数値に基づいて、立体表示部分の高さを算出し、算出した高さに基づいて立体表示部分の高さを変更する(S59)。
【0136】
次に、制御部17は、S56で算出した回転数の所定時間あたりの変化量に応じた色を選択する(S60)。なお、回転数の変化量に応じた色は、色対応テーブル19にあらかじめ記憶されており、制御部17は、色対応テーブル19から、回転数の変化量に応じた色を検索(選択)する。なお、変化量に応じて異なる色を用いるようにしてもよく、あるいは、濃度のみを異ならせるようにしてもよい。
【0137】
そして、速度・タコメーター31の計器板部分および立体表示部分内側に、S60で選択した色を配色し、表示する(S61)。
【0138】
図9(b)に、加速時における表示部11の表示状態(速度・タコメーター31の表示状態)の一例を示す。この図に示すように、速度・タコメーター31における円弧形状の針によってS51で検出した速度値、およびS56で算出した加速度が表示されている。さらに、図9(b)では、立体表示部分の高さ(図中h2)が、S52で算出した回転数値を表しており、計器板部分および立体表示部分の色(例えば濃い赤色)によって、S56で算出したエンジン回転数の所定時間あたりの変化量が表示されている。
【0139】
そして、S55またはS61における表示を行った後、制御部17は、表示装置1における表示を終了させるか否かを判断する(S62)。なお、この判断は、例えば、運転が終了したか、すなわち、ユーザーがエンジンの停止指示を行ったか否かによって行えばよい。
【0140】
そして、表示を終了させないと判断した場合(S62がNoの場合)、制御部17は、S51からの処理を繰り返す。また、表示を終了させると判断した場合(S62がYesの場合)、制御部17は、表示に係る処理を終了する。
【0141】
このように、針の先端が指し示す目盛によって速度を表示し、この針の婉曲状態によって加速度を表示するとともに、メーターを立体的に表示させ、この立体形状の高さによってエンジン回転数を表示し、メーターの色を変化させることによってエンジン回転数の所定時間あたりの変化量を表示することにより、1つのメーター表示で、速度およびエンジン回転数と、それらの所定時間あたりの変化量とを表示することができる。
【0142】
これにより、運転者が、これらの情報を参照するために、視線を移動させる方向および範囲をより少なくすることができる。
【0143】
なお、一つのメーターによって、速度およびエンジン回転数と、それらの所定時間あたりの変化量とを表示させる方法は、上記の方法に限るものではない。例えば、針の指し示す目盛、針の婉曲状態、立体表示部分の高さ、計器板部分および立体表示部分の色、によって表示される各物理量の組み合わせを、上記した例とは異ならせてもよい。あるいは、上記した計器板部分や立体表示部分とは異なるパーツ画像を用い、それらの形状や色によって表示するようにしてもよい。
【0144】
また、上記の説明では、略円形形状の計器板と、この計器板上に表示される針とを用いて、速度やエンジン回転数、およびそれらの所定時間あたりの変化量を表示する構成について説明したが、各メーターの表示方法はこれに限るものではない。
【0145】
例えば、針によって速度やエンジン回転数を表示するのではなく、目盛線などに沿って着色する領域を変化させることによって、速度やエンジン回転数を表示し、着色する領域の幅の変化によって速度や回転数の所定時間あたりの変化量を表示するようにしてもよい。
【0146】
図10は、このような表示を行う場合の処理の一例を示したフロー図である。
【0147】
この図に示すように、制御部17(CPU17a)は、まず、速度検出部12に、自車の速度を検出させる(S71)。また、制御部17は、回転数検出部14に、エンジン回転数を検出させる(S72)。
【0148】
次に、制御部17は、速度メーター(メーター画像、速度メーター画像)21a、タコメーター(メーター画像、タコメーター画像)22a、および第2速度メーター23(後述する図11(a),図11(b)参照)を表示部11に表示させる(S73)。より詳細には、制御部17は、パーツDB16から速度メーター21a、タコメーター22a、および第2速度メーター23を表示するための各パーツの画像データを検出し、検出した画像データを合成してフレームメモリー17bに一旦記憶させる。そして、フレームメモリーに記憶させた画像データを、表示部11に表示させる。
【0149】
次に、制御部17は、加速度表示モードが選択されているか否かを判断する(S74)。ここで、加速度表示モードとは、速度メーター21aに、速度およびその所定時間あたりの変化量(加速度)を表示させ、タコメーター22aに、エンジン回転数およびその所定時間あたりの変化量を表示する表示方法である。なお、本実施形態では、加速度表示モードを選択するか否かを、ユーザーが入力部18を介してあらかじめ指定するようになっており、制御部17はこのユーザーからの指定に基づいて、S74の判断を行う。
【0150】
そして、加速度表示モードが選択されていない場合(S74がNoの場合)、制御部17は、通常表示モードを選択し、S71で検出した速度値を速度メーター21aおよび第2速度メーター23に表示し、S72で検出した回転数値(エンジン回転数値)をタコメーター22aに表示する(S75)。また、制御部17は、S75の処理を行った後、後述するS79の処理を行う。
【0151】
図11(a)に、通常表示モードにおける表示部11の表示状態(速度メーター21a、タコメーター22a、および第2速度メーター23の表示状態)の一例を示す。
【0152】
この図に示す例では、表示部11内に目盛板24が表示されており、この目盛板24の周囲に速度メーター21aおよびタコメーター22aが表示されている。
【0153】
目盛板24は略楕円形状からなり、その外縁部には、速度メーター21aに対応する速度目盛、および、タコメーター22aに対応する回転数目盛(いずれも図示せず)が表示されている。なお、この図に示す例では、略楕円形状からなる目盛板24の上部やや左側の部分に速度0km/hに対応する速度目盛が表示され、そこから目盛板24の外周に沿って反時計回りに、表示する速度が増加していくように速度目盛が表示されている。また、略楕円形状からなる目盛板24の上部やや右側の部分にエンジン回転数0rpmに対応する回転数目盛が表示され、そこから目盛板24の外周に沿って時計回りに、表示するエンジン回転数が増加していくように回転数目盛が表示されている。
【0154】
速度メーター21aは、目盛板24における速度目盛の周囲に表示され、表示する速度に応じた速度目盛の外周側を着色することによって、速度を表示するようになっている。例えば、図11(a)に示すように、速度40km/hを表示する場合、目盛板24の外周側における領域のうち、速度0km/hを表す速度目盛から速度40km/hを表す速度目盛までに対応する領域を着色する。なお、着色する部分の幅(線幅)は、通常表示モードではあらかじめ定められた幅(図中、W1)に設定される。また、着色する色は特に限定されるものではないが、ここでは青色で表示するようになっている。
【0155】
タコメーター22aは、目盛板24における回転数目盛の周囲に表示され、表示する回転数に応じた回転数目盛の外周側を着色することによって、回転数を表示するようになっている。例えば、図11(a)に示すように、回転数2000rpmを表示する場合、目盛板24の外周側における領域のうち、回転数0rpmを表す回転数目盛から回転数2000rpmを表す回転数目盛までに対応する領域を着色する。なお、着色する部分の幅は、通常表示モードではあらかじめ定められた幅(図中、W2)に設定される。また、着色する色は特に限定されるものではないが、ここでは赤色で表示するようになっている。
【0156】
第2速度メーター23は、速度メーター21aと同様、S71で検出した速度値を表示するものである。なお、図11(a)に示すように、第2速度メーター23には、S71で検出した速度値を示す数字を表示するようになっている。
【0157】
一方、加速度表示モードが選択されている場合(S74がYesの場合)、制御部17は、速度および回転数(エンジン回転数)の毎秒あたり(所定時間あたり)の変化量を算出する(S76)。
【0158】
次に、制御部17は、S76で算出した速度および回転数の毎秒あたりの変化量を、速度メーター21a、タコメーター22aにおける着色する部分の幅に変換する(S77)。すなわち、両メーター21a,22aにおける着色する部分の幅を、S76で算出した速度および回転数の毎秒あたりの変化量に応じて算出する。例えば、通常表示モードにおける幅(W1,W2)を定速度時、定回転数時の幅とし、変化量に応じて、この幅を増減させる。つまり、加速時・回転数増加時にはW1・W2よりも広い幅とし、減速時・回転数減少時にはW1・W2よりも狭い幅とする。また、この幅の増減量は、速度および回転数の所定時間あたりの変化量に比例するように設定する。
【0159】
次に、制御部17は、S71およびS72で検出した速度値および回転数値と、S77で算出した着色する領域の幅とに応じて、速度メーター21aおよびタコメーター22aの表示を行う(S78)。
【0160】
図11(b)に、この場合の表示状態の一例を示す。この図に示すように、速度メーター21aでは、S71で検出した速度値(ここでは50km/h)に対応する目盛板24の速度目盛(ここでは0km/h〜50km/h)の外周側の領域が着色される。また、着色領域の幅(図中、W3)は、S77において、S76で算出した加速度に応じて設定した幅とされる(図11(b)ではW1<W3となっており、図11(b)は加速中の状態であることを示している)。
【0161】
また、タコメーター22aでは、S72で検出した回転数値(ここでは2000rpm)に対応する目盛板24の回転数目盛(ここでは0rpm〜2000rpm)の外周側の領域が着色される。また、着色領域の幅(図中、W4)は、S77において、S76で算出したエンジン回転数の所定時間あたりの変化量に応じて設定した幅とされる(図11(b)ではW2<W4となっており、図11(b)はエンジン回転数が増加中の状態であることを示している)。
【0162】
S75またはS78における表示を行った後、制御部17は、表示装置1における表示を終了させるか否かを判断する(S79)。なお、この判断は、例えば、運転が終了したか、すなわち、ユーザーがエンジンの停止指示を行ったか否かによって行えばよい。
【0163】
そして、表示を終了させないと判断した場合(S79がNoの場合)、制御部17は、S71からの処理を繰り返す。また、表示を終了させると判断した場合(S79がYesの場合)、制御部17は、表示に係る処理を終了する。
【0164】
このように、針によって速度やエンジン回転数を表示するのではなく、目盛線に沿って着色する領域を変化させることによって、速度やエンジン回転数を表示し、着色する領域の幅の変化によって速度や回転数の所定時間あたりの変化量を表示するようにしてもよい。
【0165】
なお、上記の説明では、目盛線(目盛板24)の形状を略楕円形状としたが、目盛線の形状は特に限定されるものではなく、例えば円形状、直線状、矩形状、"く"の字状("<"形状)、U字状などとしてもよい。また、平面的な表示に限らず、立体的に表示するようにしてもよい。
【0166】
また、上記の説明では、着色する領域の幅を変化させることによって、速度および回転数の所定時間あたりの変化量を表示しているが、これに限るものではなく、例えば、着色する領域の形状、色などを変化させて表示してもよい。
【0167】
また、着色する領域は、例えば線の組み合わせによって表現されるものであってもよい。例えば、目盛板24における略楕円形状の各焦点を中心として放射状に伸びる直線上の線分を組み合わせることによって、速度または回転数を表示するようにしてもよい。この場合、上記線分の長さを変化させることによって、速度および回転数の所定時間あたりの変化量を表示することができる。
【0168】
また、上記の説明では、目盛線(目盛板24の外周)の外側に、速度メーター21aおよびタコメーター22aを表示するものとしたが、これに限らず、目盛線の内側、あるいは、目盛線上に、両メーター21a,22aを表示してもよい。
【0169】
また、上記の説明では、1つの目盛板24に、速度目盛および回転数目盛を表示し、速度メーター21aおよびタコメーター22aをこの1つの目盛板24の周囲に表示しているが、これに限らず、例えば2つの目盛板(目盛線)を設け、速度メーター21aおよびタコメーター22aをそれぞれ異なる目盛板(目盛線)に対応させて表示してもよい。また、上記の各説明において、目盛線とは、必ずしも線で表示されるものに限らず、画面上には表示されない線上に、複数の目盛が表示されてなるものであってもよい。また、両メーター21a,22aにおける着色する領域の周囲に、速度値および回転数値を数字で表示してもよく、その場合、上記の目盛を必ずしも表示しなくてもよい。
【0170】
また、両メーター21aおよび22aにおいて、着色する領域を立体的に表示し、その高さを変化させることによって、速度および回転数の所定時間あたりの変化量を表示してもよい。
【0171】
図12は、このような表示を行う場合の処理の一例を示したフロー図である。
【0172】
この図に示すように、制御部17(CPU17a)は、まず、速度検出部12に、自車の速度を検出させる(S81)。また、制御部17は、回転数検出部14に、エンジン回転数を検出させる(S82)。
【0173】
次に、制御部17は、速度メーター21a、タコメーター22a、および第2速度メーター23(後述する図13(a),図13(b)参照)を表示部11に表示させる(S83)。より詳細には、制御部17は、パーツDB16から速度メーター21a、タコメーター22a、および第2速度メーター23を表示するための各パーツの画像データを検出し、検出した画像データを合成してフレームメモリー17bに一旦記憶させる。そして、フレームメモリーに記憶させた画像データを、表示部11に表示させる。
【0174】
次に、制御部17は、加速度表示モードが選択されているか否かを判断する(S84)。ここで、加速度表示モードとは、速度メーター21aに、速度およびその所定時間あたりの変化量(加速度)を表示させ、タコメーター22aに、エンジン回転数およびその所定時間あたりの変化量を表示する表示方法である。なお、本実施形態では、加速度表示モードを選択するか否かを、ユーザーが入力部18を介してあらかじめ指定するようになっており、制御部17はこのユーザーからの指定に基づいて、S84の判断を行う。
【0175】
そして、加速度表示モードが選択されていない場合(S84がNoの場合)、制御部17は、通常表示モードを選択し、S81で検出した速度値を速度メーター21aおよび第2速度メーター23に表示し、S82で検出した回転数値(エンジン回転数値)をタコメーター22aに表示する(S85)。また、制御部17は、S85の処理を行った後、後述するS89の処理を行う。
【0176】
図13(a)に、通常表示モードにおける表示部11の表示状態(速度メーター21a、タコメーター22a、および第2速度メーター23の表示状態)の一例を示す。
【0177】
この図に示す例では、表示部11内に目盛板24が表示されており、この目盛板24の周囲に速度メーター21aおよびタコメーター22aが表示されている。
【0178】
目盛板24については、図11(a)および図11(b)における目盛板24と同様であるので説明を省略する。
【0179】
速度メーター21aは、目盛板24における速度目盛の周囲に配置され、表示する速度に応じた速度目盛の外周側に立体指標(立体画像)を表示することによって、速度を表示するようになっている。例えば、図13(a)に示すように、速度40km/hを表示する場合、目盛板24の外周側における領域のうち、速度0km/hを表す速度目盛から速度40km/hを表す速度目盛までに対応する領域に立体指標が表示される。なお、この立体指標の高さは、通常表示モードではあらかじめ定められた高さ(図中、h3)に設定される。なお、立体指標の色は特に限定されるものではないが、ここでは青色で表示するようになっている。
【0180】
タコメーター22aは、目盛板24における回転数目盛の周囲に配置され、表示する回転数に応じた回転数目盛の外周側に立体指標(立体指標)を表示することによって、回転数を表示するようになっている。例えば、図13(a)に示すように、回転数2000rpmを表示する場合、目盛板24の外周側における領域のうち、回転数0rpmを表す回転数目盛から回転数2000rpmを表す回転数目盛までに対応する領域に立体指標が表示される。なお、着色する色は特に限定されるものではないが、ここでは赤色で表示するようになっている。
【0181】
第2速度メーター23は、速度メーター21aと同様、S81で検出した速度値を表示するものである。なお、図13(a)に示すように、第2速度メーター23には、S81で検出した速度値を示す数字を表示するようになっている。
【0182】
一方、加速度表示モードが選択されている場合(S84がYesの場合)、制御部17は、速度および回転数(エンジン回転数)の毎秒あたり(所定時間あたり)の変化量を算出する(S86)。
【0183】
次に、制御部17は、S86で算出した速度および回転数の毎秒あたりの変化量を、速度メーター21a、タコメーター22aにおける立体指標の高さに変換する(S87)。すなわち、両メーター21a,22aにおける立体指標の高さを、S86で算出した速度および回転数の毎秒あたりの変化量に応じて算出する。例えば、通常表示モードにおける幅(h3,h4)を定速度時、定回転数時の高さとし、変化量に応じて、この高さを増減させる。つまり、加速時・回転数増加時には立体指標の高さをh3・h4よりも高くし、減速時・回転数減少時には立体指標の高さをh3・h4よりも低くする。また、この高さの増減量は、速度および回転数の所定時間あたりの変化量に比例するように設定する。
【0184】
次に、制御部17は、S81およびS82で検出した速度値および回転数値と、S87で算出した立体指標の高さとに応じて、速度メーター21aおよびタコメーター22aの表示を行う(S88)。
【0185】
図13(b)に、この場合の表示状態の一例を示す。この図に示すように、速度メーター21aでは、S81で検出した速度値(ここでは50km/h)に対応する目盛板24の速度目盛(ここでは0km/h〜50km/h)の外周側の領域に立体指標が表示される。また、立体指標の高さ(図中、h5)は、S87において、S86で算出した加速度に応じて設定した高さとされる(図13(b)ではh3<h5となっており、図13(b)は加速中の状態であることを示している)。
【0186】
また、タコメーター22aでは、S82で検出した回転数値(ここでは2000rpm)に対応する目盛板24の回転数目盛(ここでは0rpm〜2000rpm)の外周側の領域に立体指標が表示される。また、立体指標の高さ(図中、h6)は、S87において、S86で算出したエンジン回転数の所定時間あたりの変化量に応じて設定した高さされる(図13(b)ではh4<h6となっており、図13(b)はエンジン回転数が増加中の状態であることを示している)。
【0187】
S85またはS88における表示を行った後、制御部17は、表示装置1における表示を終了させるか否かを判断する(S89)。なお、この判断は、例えば、運転が終了したか、すなわち、ユーザーがエンジンの停止指示を行ったか否かによって行えばよい。
【0188】
そして、表示を終了させないと判断した場合(S89がNoの場合)、制御部17は、S81からの処理を繰り返す。また、表示を終了させると判断した場合(S89がYesの場合)、制御部17は、表示に係る処理を終了する。
【0189】
このように、立体指標を用いて速度および加速度とそれらの所定時間あたりの変化量を表示することにより、運転者がこれらの情報をより認識しやすくなる。
【0190】
なお、上記の説明では、各立体指標の高さを変化させることによって、速度および回転数の所定時間あたりの変化量を表示しているが、これに限らず、各立体指標の幅、形状、色などを変化させることによって表示してもよい。また、これらを組み合わせて表示してもよい。
【0191】
また、図13(a)および図13(b)では、各立体指標をそれぞれ1つの画像で表示しているが、これに限らず、複数のパーツを組み合わせることによって、立体的な指標(立体指標)を表示するようにしてもよい。ここで、上記パーツそれぞれが、立体的に表示された画像であってもよく、平面的に表示されるパーツを組み合わせることによって、全体として立体的に表示するものであってもよい。
【0192】
なお、本実施形態にかかる表示部11は、速度メーターおよびタコメーターの表示を行うとしたが、これに限るものではない。例えば、いずれか一方のメーターのみを表示するようにしてもよい。あるいは、速度メーターおよびタコメーターの表示に加えて、燃料残量、冷却水の水温、バッテリーの充電量、タイヤの空気圧、各種油圧や油温、車内・車外の温度、湿度、などの各種物理量を示すメーターを表示するようにしてもよい。
【0193】
また、これらのメーターにおいて、各物理量とその変化の度合いを、上記した速度メーターおよびタコメーターと同様に表示するようにしてもよい。すなわち、上記の説明では、速度メーターに速度とその所定時間当たりの変化量(加速度)を表示し、タコメーターに、エンジン回転数とその所定時間あたりの変化量を表示させる構成について説明したが、検出および表示する対象(物理量)は、これらに限るものではなく、定量的に評価できるものであればよい。本発明の表示装置によれば、あらゆる物理量と、その所定時間当たりの変化量とを、共通のメーター(メーター表示、計器表示)を用いて表示できる。
【0194】
また、これらの計器類の表示に加えて、表示部11に、ナビゲーション情報や、テレビ放送の受信画像などを表示するようにしてもよい。なお、本実施形態における表示部11は、アスペクト比が3:7の表示領域を備えるとしたが、この場合、従来の表示装置のアスペクト比である3:4の表示領域を差し引いても、3:3の正方形形状の表示領域を残すことができる。そこで、表示部11の表示領域における3:3の正方形形状の部分に速度メーター等の計器類を表示し、残りの領域にナビゲーション情報等を表示するようにしてもよい。
【0195】
また、表示部11は、上記した表示領域のアスペクト比が3:7の構成に限るものではない。例えば、これよりアスペクト比が小さくてもよく、あるいは、さらに大きなアスペクト比の表示領域を備える表示部11をもちいてもよい。
【0196】
また、表示部11における表示領域は、必ずしも矩形形状である必要はない。例えば、楕円形状や円形状、台形状などであってもよい。また、表示部11の表示面は平面であっても、曲面であってもよい。
【0197】
また、本実施形態では、表示部11として液晶パネルを用いているが、これに限るものではない。例えば、有機EL(Electro Luminescence)パネルや、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode Ray Tube)などを用いてもよい。
【0198】
また、本実施形態における入力部18は、複数の入力キーからなるとしたが、これに限るものではない。例えば、入力部18として、表示部11を兼用してもよい。つまり、表示部11に、運転者による入力が可能な項目を表示し、運転者が、所望する項目が表示されている表示領域に触れることにより、制御部17に指示を与える、いわゆるタッチパネル方式としてもよい。あるいは、入力部18として、マウスやスティック状の操作装置などを設けてもよい。また、オーディオシステムなどにおける入力部を兼用するようにしてもよい。また、ドアミラー(フェンダーミラー)の角度等を電動で調整できるシステムを備える場合、これらの操作手段を兼用してもよい。あるいは、赤外線や電波などによってユーザーから入力された指示情報を無線通信する操作入力・送信手段と、送信された情報を受信する受信手段からなる、いわゆるリモコンを用いたものであってもよい。
【0199】
また、表示装置1は、車両に搭載されるものとしたが、本実施形態における車両とは、自動車に限らず、自動二輪車、自転車、電車などを含む。また、表示装置1は、車両に限らず、例えばヘリコプターや航空機、船舶など、人が搭乗するあらゆる乗物(移動体)に搭載することができる。また、表示装置1は、必ずしもこれらの乗物に固定して装着されるものでなくてもよく、例えば、これらの乗物に脱着可能に備えられてもよい。
【0200】
また、本実施形態では、表示装置1が備えられる自動車におけるエンジン回転数(回転駆動手段の回転数)およびその所定時間あたりの変化量を検出し、表示するものとしたが、表示装置1が備えられる乗物における駆動力を発生する手段は、エンジンに限るものではない。たとえば、電力を回転力に変換するモーター(回転駆動手段)であってもよい。この場合、モーターの回転数およびその所定時間あたりの変化量を検出し、その検出結果を表示するようにしてもよい。
【0201】
また、表示装置1が備えられる乗物における駆動力を発生する手段は、例えば、空気や水、燃焼ガスなどを噴射することによって推力を得るものであってもよく、磁力によって駆動力を発生するものであってもよい。また、人力、あるいは、馬、牛、犬などの動物の力、風や波、熱、重力などを用いて移動するものであってもよい。
【0202】
また、表示装置1は、必ずしも乗物に搭載されるものでなくてもよい。例えば、上記した乗物に、走行中(移動中)の速度やエンジン回転数、およびそれらの変化量を記憶する記憶手段を備え、走行終了後あるいはユーザーからの指示に応じて、これらの記憶手段に記憶されている情報を読み出して、表示装置1で再現するようにしてもよい。これにより、走行中の運転操作のタイミングや、そのときの操作量などを後から把握することも可能である。また、この際、速度とその変化量およびエンジン回転数とその変化量が、それぞれ同一の計器表示によって表示されるので、走行中の運転操作を容易に把握できる。また、この場合、上記した乗物に周囲の状況を撮影する撮影手段と、撮影した画像を記憶する画像記憶手段とをさらに備え、速度やエンジン回転数、およびそれらの変化量と、走行中の周囲の画像とを同時に表示するようにしてもよい。これにより、走行中の状況をよりリアルに(現実的に)再現できる。
【0203】
また、表示装置1は、必ずしも乗物に搭載されるものでなくてもよく、例えば、上記した乗物における運転中の状態を模擬した運転模擬装置(シミュレーター)に搭載されるものであってもよい。すなわち、表示装置1は、実際に速度センサーやエンジン回転数センサーなどによって検知されたデータに限らず、模擬入力されたデータを表示させるものであってもよい。
【0204】
また、本実施形態では、表示装置1における全ての処理を、制御部17(CPU17a)の制御により行うとしている。しかしながら、これに限らず、これらの処理を行うためのプログラムを記録媒体に記録し、このプログラムを読み出すことのできる情報処理装置を、制御部17(CPU17a)に代えて用いるようにしてもよい。
【0205】
この構成では、情報処理装置の演算装置(CPUやMPU)が、記録媒体に記録されているプログラムを読み出して処理を実行する。従って、このプログラム自体が処理を実現するといえる。
【0206】
ここで、上記の情報処理装置としては、一般的なコンピューター(ワークステーションやパソコン)の他に、コンピューターに装着される、機能拡張ボードや機能拡張ユニットを用いることができる。
【0207】
また、上記のプログラムとは、処理を実現するソフトウェアのプログラムコード(実行形式プログラム,中間コードプログラム,ソースプログラム等)のことである。このプログラムは、単体で使用されるものでも、他のプログラム(OS等)と組み合わせて用いられるものでもよい。また、このプログラムは、記録媒体から読み出された後、装置内のメモリー(RAM等)にいったん記憶され、その後再び読み出されて実行されるようなものでもよい。
【0208】
また、プログラムを記録させる記録媒体は、情報処理装置と容易に分離できるものでもよいし、装置に固定(装着)されるものでもよい。さらに、外部記憶機器として装置に接続するものでもよい。
【0209】
このような記録媒体としては、ビデオテープやカセットテープ等の磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM,MO,MD,DVD,CD−R等の光ディスク(光磁気ディスク)、ICカード,光カード等のメモリーカード、マスクROM,EPROM,EEPROM,フラッシュROM等の半導体メモリーなどを適用できる。
【0210】
また、ネットワーク(イントラネット・インターネット等)を介して情報処理装置と接続されている記録媒体を用いてもよい。この場合、情報処理装置は、ネットワークを介するダウンロードによりプログラムを取得する。すなわち、上記のプログラムを、ネットワーク(有線回線あるいは無線回線に接続されたもの)等の伝送媒体(流動的にプログラムを保持する媒体)を介して取得するようにしてもよい。なお、通信路(ネットワーク)を介して伝送する場合、通信路を構成する各種の伝送媒体が、プログラムを示す信号列を伝搬し合うことによって、当該通信路を介して、上記プログラムが伝送される。また、上記信号列を伝送する際、送信装置が、プログラムを示す信号列により搬送波を変調することによって、上記信号列を搬送波に重畳してもよい。この場合、受信装置が搬送波を復調することによって、信号列が復元される。一方、上記信号列を伝送する際、送信装置が、デジタルデータ列としての信号列をパケット分割してもよい。この場合、受信装置は、受信したパケット群を連結して、上記信号列を復元する。また、送信装置が、信号列を送信する際、時分割/周波数分割/符号分割などの方法で、信号列を他の信号列と多重化して伝送しても良い。この場合、受信装置は、多重化された信号列から、ここの信号列を抽出して復元する。いずれの場合であっても、通信路を介してプログラムを伝送できれば、同様の効果を得られる。なお、ダウンロードを行うためのプログラムは、装置内(あるいは送信側装置・受信側装置内)にあらかじめ記憶されていることが好ましい。
【0211】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0212】
すなわち、発明を実施するための最良の形態の項においてなした具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と特許請求の範囲内で、いろいろと変更して実施することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0213】
本発明は、物理量の変化と、その物理量の変化の度合い(所定時間あたりの変化量)とを表示する表示装置に適用できる。また、例えば、自動車、自動二輪車、自転車、ヘリコプター、航空機、船舶など、あらゆる乗物(移動体)に搭載することができ、これらの乗物における速度などの物理量と、その変化の度合いとを表示する表示装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0214】
【図1(a)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、通常表示モード時の表示状態の一例を示す図である。
【図1(b)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、加速度表示モード時の表示状態の一例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、表示処理の一例を示すフロー図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、表示処理の他の例を示すフロー図である。
【図5(a)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、通常表示モード時の表示状態の他の例を示す図である。
【図5(b)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、加速度表示モード時の表示状態の他の例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、表示処理のさらに他の例を示すフロー図である。
【図7(a)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、加速度表示モード時であって速度およびエンジン回転数が一定の場合の表示状態の一例を示す図である。
【図7(b)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、加速度表示モード時であって、加速時かつエンジン回転数増加時の表示状態の一例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、表示処理のさらに他の例を示すフロー図である。
【図9(a)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、通常表示モード時の表示状態のさらに他の例を示す図である。
【図9(b)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、加速度表示モード時の表示状態のさらに他の例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、表示処理のさらに他の例を示すフロー図である。
【図11(a)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、通常表示モード時の表示状態のさらに他の例を示す図である。
【図11(b)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、加速度表示モード時の表示状態のさらに他の例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、表示処理のさらに他の例を示すフロー図である。
【図13(a)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、通常表示モード時の表示状態のさらに他の例を示す図である。
【図13(b)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、加速度表示モード時の表示状態のさらに他の例を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理量の値とその変化の度合いとを表示する表示装置、それを備えた乗物、表示方法、表示プログラムおよびその記録媒体に関する
【背景技術】
【0002】
通常、自動車等の乗物(移動体)には、速度やエンジンの回転数などを検知する検知手段と、それらの検知結果を表示する速度計(速度メーター)やエンジン回転数計(タコメーター)などの計器類が備えられている。
【0003】
運転者は、これらのメーター類の表示状態を参照することによって、その瞬間における走行速度やエンジンの回転数などを把握し、それによって適切な運転操作を行えるようになっている。
【0004】
また、例えば特許文献1には、車両に設けられ、加速度センサーによって検知した加速度を、座標の原点を中心とし、かつその中心から半径方向に伸びる指針の大きさを加速度の大きさに一致させて表示する加速度表示装置が開示されている。
【0005】
しかしながら、速度メーターやタコメーターによって表示されるのは、その瞬間における速度および回転数であり、それらの変化の度合いについては表示されない。したがって、運転者は、これらの変化の度合いについては、例えば、車両周囲の風景の変化やエンジン音の変化などから感覚的にしか把握することができない。
【0006】
また、特許文献1の技術では、加速度表示装置を設ける車両に、速度メーター、タコメーターに加えて、加速度メーター(加速度表示用の表示部)を新たに備えることになる。
【0007】
このため、運転者が参照すべき計器類の数が増加してしまい、運転者が視線を移動させる方向、あるいは頻度が増加してしまう。したがって、運転者の負担が増大するとともに、運転者がこれらの各メーターの表示を認識しにくくなる。
【特許文献1】実開平2−124559号公報(1990年10月15日公開)
【発明の開示】
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、物理量の値とその変化の度合いを、ユーザーが容易に認識できる表示装置、それを備えた乗物、表示方法、表示プログラム及びそれを記録した記録媒体を提供することにある。
【0009】
本発明の表示装置は、上記の課題を解決するために、画像を表示する表示手段と、上記表示手段に表示する画像を制御する制御手段とを備え、上記表示手段に物理量の値を示すメーター画像を表示する表示装置であって、上記制御手段は、上記物理量の値を示すメーター画像に、当該物理量の値とともに、当該物理量の所定時間あたりの変化量を表示させることを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、物理量の値とその所定時間あたりの変化量とが、同一のメーター画像に表示される。このため、ユーザーは、このメーター画像によって、物理量の値とその変化の度合いを容易に認識できる。
【0011】
なお、上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記メーター画像の形状を変化させることによって表示するものであってもよい。
【0012】
上記の構成によれば、物理量の値とその所定時間あたりの変化量とが、同一のメーター画像とその形状によって表示される。このため、ユーザーは、このメーター画像とその形状とによって、物理量の値とその変化の度合いを容易に認識できる。
【0013】
また、上記メーター画像は、複数のパーツ画像によって構成され、上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記パーツ画像の形状を変化させることによって表示する構成としてもよい。
【0014】
上記の構成によれば、物理量の値とその所定時間あたりの変化量とが、同一のメーター画像とそれに含まれるパーツ画像の形状によって表示される。このため、ユーザーは、このメーター画像とそれに含まれるパーツ画像の形状とによって、物理量の値とその変化の度合いを容易に認識できる。
【0015】
また、上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記パーツ画像の表示面積を変化させることによって表示するようにしてもよい。
【0016】
上記の構成によれば、物理量の値とその所定時間あたりの変化量とが、同一のメーター画像とそれに含まれるパーツ画像の表示面積によって表示される。このため、ユーザーは、このメーター画像とそれに含まれるパーツ画像の表示面積とによって、物理量の値とその変化の度合いを容易に認識できる。
【0017】
また、上記メーター画像は、上記パーツ画像として、表示する物理量の値に対応する位置を指し示す針画像を含み、上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記針画像の形状を変化させることによって表示する構成としてもよい。
【0018】
上記の構成によれば、物理量の値とその所定時間あたりの変化量とが、同一のメーター画像に含まれる針画像が指し示す位置と、その針画像の形状とによって表示される。このため、ユーザーは、この針画像の指し示す位置と針画像の形状とによって、物理量の値とその変化の度合いを容易に認識できる。なお、針画像の形状を変化させる方法は、例えば、針画像の婉曲状態を変化させるものであってもよい。この場合、ユーザーは、針画像の婉曲状態を見ることで、物理量の所定時間あたりの変化量を容易に認識できる。なお、針画像とは、値を指示するのに適する棒状の画像をいい、より詳しくは、メーター一般に用いられ各種の値を示すための針に類似した形状をいう。
【0019】
また、上記メーター画像は、上記パーツ画像として、当該パーツ画像の少なくとも一部が立体的に表示された立体画像を含み、上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記立体画像における一方向の長さを変化させることによって表示する構成としてもよい。
【0020】
上記の構成によれば、物理量の値とその所定時間あたりの変化量が、同一のメーター画像とそれに含まれる立体画像における一方向の長さによって表示される。このため、ユーザーは、メーター画像とそれに含まれる立体画像の一方向の長さ(例えば当該立体画像の高さ)によって、物理量の値とその変化の度合いを容易に認識できる。
【0021】
また、上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記メーター画像の色を変化させることによって表示してもよい。
【0022】
上記の構成によれば、物理量の値とその所定時間あたりの変化量が、同一のメーター画像とそのメーター画像の色とによって表示される。このため、ユーザーは、メーター画像とその色とによって、物理量の値とその変化の度合いを容易に認識できる。
【0023】
また、上記メーター画像は、複数のパーツ画像によって構成され、上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記パーツ画像の色を変化させることによって表示する構成としてもよい。
【0024】
上記の構成によれば、物理量の値とその所定時間あたりの変化量が、同一のメーター画像とそのメーター画像に含まれるパーツ画像の色とによって表示される。このため、ユーザーは、メーター画像とそのパーツ画像の色とによって、物理量の値とその変化の度合いを容易に認識できる。
【0025】
また、上記制御手段は、複数の上記メーター画像に、それぞれ異なる物理量とその所定時間あたりの変化量とを表示させる構成としてもよい。
【0026】
上記の構成によれば、複数種類の物理量の値とその所定時間あたりの変化量とが、同一のメーター画像によって表示される。このため、ユーザーは、各メーター画像によって、複数の物理量の値とその変化の度合いとを容易に認識できる。
【0027】
また、上記制御手段は、複数種類の物理量と当該各物理量の所定時間あたりの変化量とを、1つのメーター画像に表示させる構成としてもよい。
【0028】
上記の構成によれば、複数種類の物理量と当該各物理量の所定時間あたりの変化量とが、1つのメーター画像に表示される。このため、ユーザーは、上記1つのメーター画像を見るだけで、複数種類の物理量と当該各物理量の所定時間あたりの変化量とを容易に認識できる。
【0029】
また、上記メーター画像は、当該メーター画像内における背景である計器板画像と、上記計器板画像上に表示され、上記計器板画像における特定の位置を軸として回転する針画像と、上記計器板画像を立体的に表示するための立体画像とからなり、上記制御手段は、上記針画像が指し示す位置と、上記針画像の形状と、上記立体画像の形状と、上記メーター画像における少なくとも一部の色と、を変化させることにより、異なる2種類の物理量と当該各物理量の所定時間あたりの変化量とを1つのメーター画像に表示させる構成としてもよい。
【0030】
上記の構成によれば、異なる2種類の物理量と当該各物理量の所定時間あたりの変化量とを1つのメーター画像に表示できる。このため、ユーザーは、上記1つのメーター画像を見るだけで、異なる2種類の物理量と当該各物理量の所定時間あたりの変化量とを、容易に認識できる。
【0031】
また、上記物理量を検出する物理量検出手段と、上記物理量の所定時間あたりの変化量を検出する変化量検出手段とを備え、上記制御手段は、上記メーター画像に、上記物理量検出手段および上記変化量検出手段による検出結果を表示する構成としてもよい。
【0032】
上記の構成によれば、上記表示装置に備えられる物理量検出手段および上記変化量検出手段による検出結果を表示することが可能となる。したがって、ユーザーは、上記物理量検出手段および上記変化量検出手段によって検出した物理量とその変化の度合いを即座に把握できる。
【0033】
本発明の乗物は、上記の課題を解決するために、上記したいずれかの表示装置を備えていることを特徴としている。
【0034】
上記の構成によれば、上記乗物において必要とする物理量とその変化の度合いとを、同一のメーター画像に表示させることができる。このため、ユーザーは、このメーター画像によって、物理量の値とその変化の度合いを容易に認識できる。
【0035】
また、本発明の乗物は、速度を検出する速度検出手段と、上記速度の所定時間あたりの変化量を検出する加速度検出手段とを備え、上記制御手段は、上記メーター画像に、上記速度検出手段および上記加速度検出手段による検出結果を表示させる構成としてもよい。
【0036】
上記の構成によれば、ユーザーは、上記乗物における速度とその変化の度合いとを、容易に認識できる。
【0037】
また、本発明の乗物は、上記乗物に駆動力を供給するための回転駆動手段と、上記回転駆動手段の回転数を検出する回転数検出手段と、上記回転数の所定時間あたりの変化量を検出する回転数変化量検出手段とを備え、上記制御手段は、上記メーター画像に、上記回転数検出手段および上記回転数変化量検出手段による検出結果を表示させる構成であってもよい。
【0038】
上記の構成によれば、ユーザーは、上記乗物における回転駆動手段の回転数とその変化の度合いとを、容易に認識できる。
【0039】
本発明の表示方法は、上記の課題を解決するために、画像を表示する表示手段に、物理量の値を示すメーター画像を表示する表示方法であって、上記物理量の値を示すメーター画像に、当該物理量の値とともに、当該物理量の所定時間あたりの変化量を表示させることを特徴としている。
【0040】
上記の方法によれば、物理量の値とその所定時間あたりの変化量とを、同一のメーター画像に表示できる。このため、ユーザーは、このメーター画像によって、物理量の値とその変化の度合いを容易に認識できる。
【0041】
また、本発明の表示方法は、乗物に搭載される表示装置に、上記乗物の速度を表示する表示方法であって、上記速度を示す速度メーター画像に、速度とともに、速度の所定時間あたりの変化量を表示させる構成としてもよい。
【0042】
上記の方法によれば、速度とその所定時間あたりの変化量とを、上記速度メーター画像に表示できる。このため、ユーザーは、この速度メーター画像によって、速度とその変化の度合いを容易に認識できる。
【0043】
また、本発明の表示方法は、乗物に搭載される表示装置に、上記乗物に駆動力を供給するための回転駆動手段の回転数を表示する表示方法であって、上記回転数を示すタコメーター画像に、回転数とともに、回転数の所定時間あたりの変化量を表示させる構成としてもよい。
【0044】
上記の方法によれば、上記回転駆動手段の回転数とその所定時間あたりの変化量とを、上記タコメーター画像に表示できる。このため、ユーザーは、このタコメーター画像によって、速度とその変化の度合いを容易に認識できる。
【0045】
本発明の表示プログラムは、上記の課題を解決するために、表示装置に備えられたコンピューターを、上記したいずれかの表示装置の制御手段として機能させるためのものである。
【0046】
上記のようなコンピューターにこれらのプログラムを読み取らせることで、上記したいずれかの表示装置における制御手段の処理を、そのコンピューターによって実現することが可能となる。
【0047】
また、これらのプログラムをコンピューターによって読取可能な記録媒体に記録させておくことで、プログラムの保存・流通を容易に行えるようになる。さらに、この記録媒体を読み込ませることで、コンピューターによって、上記した表示装置における制御手段の処理を実施できる。
【0048】
本発明のさらに他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十分わかるであろう。また、本発明の利益は、添付図面を参照した次の説明で明白になるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
本発明の一実施形態について説明する。
【0050】
図2は、本実施形態にかかる表示装置1の概略構成を示すブロック図である。表示装置1は、自動車(移動体)のインストルメントパネルに搭載され、速度計(速度メーター)やエンジン回転数計(タコメーター)などのメーター類を表示するものである。また、表示装置1は、速度およびエンジン回転数の変化の度合い(所定時間あたりの変化量)を、上記速度計およびエンジン回転数計に、速度およびエンジン回転数とともに表示するようになっている。
【0051】
図2に示すように、表示装置1は、表示部11、速度検出部12、加速度検出部13、回転数検出部14、回転数変化量検出部15、パーツDB(パーツ画像DB)16、制御部17、入力部18、色対応テーブル19を備えている。
【0052】
表示部(表示手段)11は、制御部17の指示に応じた画像を表示するものである。なお、本実施形態にかかる表示部11は、表示領域のアスペクト比(表示領域の縦横比)が3:7(縦方向の長さに対して横方向の長さが7/3倍)という超ワイド画面を備えた液晶パネル(液晶表示素子からなる表示パネル)であり、速度計、エンジン回転数計などの計器類の表示を行うインストルメントパネルとして搭載されている。
【0053】
速度検出部(速度検出手段、物理量検出手段)12は、表示装置1が備えられる自動車の速度(物理量)を検出するものであり、加速度検出部(加速度検出手段、変化量検出手段)13は、その自動車の加速度を検出するものである。なお、本実施形態における加速度とは、進行方向に対する速度の変化の度合い(単位時間当たりの速度の変化量)を意味する。加速度検出部13では、速度検出部12からの信号を基に速度を時間で微分して演算するか、或いは所定時間(例えば0.01秒)毎の速度の変化量を加速度と擬制することにより加速度を算出する。
【0054】
回転数検出部(回転数検出手段、物理量検出手段)14は、エンジンの回転数(物理量)を検出するものである。回転数変化量検出部15は、エンジン回転数の変化の度合い(単位時間あたりのエンジン回転数の変化量)を検出するものである。回転数変化量検出部(回転数変化量検出手段、変化量検出手段)15では、回転数検出部14からの信号を基に回転数を微分して演算するか、或いは所定時間(例えば0.01秒)毎の回転数の変化量を回転数変化量と擬制することにより加速度を算出する。
【0055】
パーツDB(データベース)16は、メーター類の表示に用いる各パーツ画像の画像データを記憶するものである。すなわち、パーツDB16には、速度メーターやタコメーターなどのメーター画像を構成する、計器板(計器板画像)、針(針画像)、数字、文字、目盛、これらを立体的に表示するための立体画像などの各パーツについての画像データが多数記憶されている。
【0056】
入力部18は、ユーザーからの入力を受け付け、制御部17に伝達するものである。入力部18は、複数の入力キーからなり、ユーザーは、これらの入力キーを介して制御部17に各種指示を与えることができるようになっている。
【0057】
色対応テーブル19は、速度やエンジン回転数の所定時間あたりの変化量と、それを表示するための色の濃さおよび色味(諧調)が記憶されている。
【0058】
制御部(制御手段)17は、CPU17aと、フレームメモリー17bとを含む。CPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置、制御手段)17aは、表示装置1における全てのデータ処理、制御、判断などを行う、表示装置1の中枢部である。フレームメモリー17bは表示部11に表示させる画像の画像データを、一時記憶しておくものである。
【0059】
ここで、表示装置1における速度およびエンジン回転数と、それらの変化の度合いとを表示する処理について、図3を用いて説明する。図3は、表示装置1における表示処理の流れを示すフロー図である。
【0060】
この図に示すように、制御部17(CPU17a)は、まず、速度検出部12に、自車の速度を検出させる(S1)。また、制御部17は、回転数検出部14に、エンジン回転数を検出させる(S2)。
【0061】
次に、制御部17は、速度メーター(メーター画像、速度メーター画像)21、タコメーター(メーター画像、タコメーター画像)22、および第2速度メーター23(後述する図1(a),図1(b)参照)を表示部11に表示させる(S3)。より詳細には、制御部17は、パーツDB16から速度メーター21、タコメーター22、および第2速度メーター23を表示するための各パーツの画像データを検出し、検出した画像データを合成してフレームメモリー17bに一旦記憶させる。そして、フレームメモリー17bに記憶させた画像データを、表示部11に表示させる。
【0062】
次に、制御部17は、加速度表示モードが選択されているか否かを判断する(S4)。なお、本実施形態において、加速度表示モードとは、速度メーター21に、速度およびその所定時間あたりの変化量(加速度)を表示させ、タコメーター22に、エンジン回転数およびその所定時間あたりの変化量を表示する表示方法である。なお、本実施形態では、加速度表示モードを選択するか否かを、ユーザーが入力部18を介してあらかじめ指定するようになっており、制御部17はこのユーザーからの指定に基づいて、S4の判断を行う。
【0063】
加速度表示モードが選択されていない場合(S4がNoの場合)、制御部17は、通常表示モードを選択し、S1で検出した速度値を速度メーター21および第2速度メーター23に表示し、S2で検出した回転数値(エンジン回転数値)をタコメーター22に表示する(S5)。また、制御部17は、S5の処理を行った後、後述するS9の処理を行う。
【0064】
図1(a)に、通常表示モードにおける表示部11の表示状態(速度メーター21、タコメーター22、および第2速度メーター23の表示状態)の一例を示す。
【0065】
速度メーター21は、外周に沿って速度の目盛(ここでは図示せず)が配置された略円形形状からなり、この略円形形状の中心を軸として円周方向に回転する針(指針)を表示することによって、S1で検出した速度値に対応する速度の目盛を指し示し、速度を表示するようになっている。なお、通常表示モードでは、上記針を、直線状の針として表示する。
【0066】
タコメーター22は、速度メーター21と同様、外周に沿ってエンジン回転数の目盛(ここでは図示せず)が配置された略円形形状からなり、この略円形形状の中心を軸として円周方向に回転する針を表示することによって、S2で検出した回転数値に対応するエンジン回転数の目盛を指し示し、エンジン回転数を表示するようになっている。
【0067】
第2速度メーター23は、速度メーター21と同様、S1で検出した速度値を表示するものである。すなわち、本実施形態おける表示装置1では、2つの速度メーターを備えており、これによって、検出した速度値を運転者に確実に通知できるようになっている。なお、図1(a)に示すように、第2速度メーター23には、S1で検出した速度値を示す数字を表示するようになっている。
【0068】
一方、加速度表示モードが選択されている場合(S4がYesの場合)、制御部17は、速度および回転数(エンジン回転数)の毎秒あたり(所定時間あたり)の変化量を算出する(S6)。より詳細には、制御部17は、加速度検出部13に、S1で検出した速度とその直前または直後に検出した速度とをもとに、毎秒あたりの速度の変化量(加速度)を計算させる。また、制御部17は、回転数変化量検出部15に、S2で検出した回転数とその直前または直後に検出した回転数とをもとに、毎秒あたりの回転数の変化量を計算させる。
【0069】
次に、制御部17は、速度メーター21、タコメーター22における中心(針の回転軸)と、S1およびS2で検出した速度値および回転数値に対応する目盛とを結ぶ直線に対して、現在の変化量(速度値および回転数値の変化量)に応じた点をプロットする(S7)。また、この際、制御部17は、第2速度メーター23にS1で検出した速度値を表示する。
【0070】
例えば、速度メーター21については、S1で測定した速度値とS6で算出した加速度とをもとに、その加速度で加速した場合に0.5秒後(所定時間後)に到達する速度を算出し、速度メーター21の中心(針の回転軸)と上記のように算出した速度に対応する速度の目盛とを結ぶ直線の中点をプロットする。これにより、例えば、加速度を1Gとすれば、S1で検出した速度値に対して、約17.6km/h速い速度を示す目盛と、速度メーター21の中心(針の回転軸)とを結ぶ直線の中点をプロットすることになる。
【0071】
また、タコメーター22については、例えば、S2で測定した回転数値とS6で算出した回転数値の毎秒当たりの変化量とをもとに、その変化量で加速した場合に0.3秒後(所定時間後)に到達する回転数を算出し、タコメーター22の中心(針の回転軸)と上記のように算出した回転数に対応するエンジン回転数の目盛とを結ぶ直線の中点をプロットする。このように、エンジン回転数の変化は、加速度の変化よりも変化速度が速い場合が多いので、回転数の変化量の表示に用いる、実際に検知した回転数値とそれをもとに算出する回転数との時間間隔(上記の例では0.3秒)は、加速度の表示に用いる、検出した速度値とそれをもとに算出する速度との時間間隔(上記の例では0.5秒)よりも短くしてもよい。
【0072】
次に、制御部17は、速度メーター21およびタコメーター22の中心と、S7でプロットした点と、S1およびS2で検出した速度値および回転数値を示す目盛に対応する両メーターの外周側の点とを結ぶ円弧(円弧形状の針(指針))を表示する(S8)。
【0073】
図1(b)に、この場合の表示状態の一例を示す。この図に示すように、速度メーター21における円弧形状の針(婉曲した針)の先端はS1で検出した速度値に対応(一致)する目盛(ここでは50km/h)を指し示しており、かつ、この円弧形状の針における腹の部分によって、加速度が表示されるようになっている。また、タコメーター22についても同様に、円弧形状の針の先端はS2で検出した回転数値に対応(一致)する目盛(ここでは3000rpm)を指し示しており、かつ、この円弧形状の針における腹の部分によって、回転数の変化の度合い(所定時間あたりの変化量)が表示されるようになっている。
【0074】
S5またはS8における表示を行った後、制御部17は、表示装置1における表示を終了させるか否かを判断する(S9)。なお、この判断は、例えば、運転が終了したか、すなわち、ユーザーがエンジンの停止指示を行ったか否かによって行えばよい。
【0075】
そして、表示を終了させないと判断した場合(S9がNoの場合)、制御部17は、S1からの処理を繰り返す。また、表示を終了させると判断した場合(S9がYesの場合)、制御部17は、表示に係る処理を終了する。
【0076】
以上のように、本実施形態の表示装置1は、速度とその所定時間当たりの変化量、および、エンジン回転数とその所定時間当たりの変化量を、速度メーター21およびタコメーター22にそれぞれ表示する。
【0077】
これにより、速度とその変化の度合い、および、エンジン回転数とその変化の度合いを表示できるので、運転者は、運転中の車の状況をより適切に把握することができる。
【0078】
また、これらの物理量とその変化の度合いが、同一の計器に表示されるので、これらの表示を確認するために、運転者が視線を移動させる方向や頻度が増加することがない。したがって、運転者は、負担が増大することなく、容易かつ適切にこれらの情報を認識できる。
【0079】
なお、図1(b)では、加速度(所定時間あたりの速度の変化量)が正の場合、すなわち加速している際の表示状態を示したが、これに限るものではなく、減速時の加速度を表示させることもできる。減速時の加速度を表示する場合、針の婉曲方向は、図1(b)に示した例と逆になる。また、定速走行時の加速度を表示させることもできる。この場合、図1(a)に示した通常表示モードにおける表示と同様、速度および加速度を表す針は、直線形状となる。
【0080】
同様に、エンジン回転数についても、図1(b)では回転数が増加中の場合を示したが、これに限らず、減少中である場合、あるいは一定の回転数である場合の表示を行うこともできる。なお、一定の回転数の場合には、図1(a)に示した通常表示モードにおける表示と同様、回転数およびその変化の度合いを表す針は、直線形状となる。
【0081】
また、上記の説明では、加速度検出部13および回転数変化量検出部15は、速度検出部12および回転数検出部14の検出結果に基づいて、それらの所定時間あたりの変化量を算出するものとしたが、これに限るものではなく、加速度検出部13および回転数変化量検出部15の検出結果を参照しない方法で、速度およびエンジン回転数の所定時間あたりの変化量を算出するものであってもよい。
【0082】
また、上記の説明では、速度メーター21およびタコメーター22における針の婉曲状態を変形させることによって、速度およびエンジン回転数の変化の度合いを表示する構成について説明したが、速度およびエンジン回転数の変化の度合いを表示する構成は、これに限るものではない。
【0083】
例えば、針の婉曲で表現するのではなく、針の太さで表現するようにしてもよい。あるいは、針の婉曲と太さとを組み合わせて表現してもよい。
【0084】
また、例えば、両メーター21,22における計器板部分の色を変化させることによって、速度およびエンジン回転数の変化の度合いを表示してもよい。
【0085】
あるいは、両メーター21,22における針の形状と計器板部分の色とを変化させることによって、速度およびエンジン回転数の変化の度合いを表示してもよい。
【0086】
図4は、両メーター21,22における針の婉曲状態と計器板部分の色とを変化させることによって、速度およびエンジン回転数の変化の度合いを表示する場合の、表示装置1における表示処理の流れを示すフロー図である。この図を用いて、速度およびエンジン回転数の変化の度合いを、針の形状と、計器板部分の色を変化させることによって表示する処理について説明する。
【0087】
この図に示すように、制御部17(CPU17a)は、速度検出部12に、自車の速度を検出させる(S11)。また、制御部17は、回転数検出部14に、エンジン回転数を検出させる(S12)。
【0088】
次に、制御部17は、速度メーター21、タコメーター22、および第2速度メーター23を表示部11に表示させる(S13)。より詳細には、制御部17は、パーツDB16から速度メーター21、タコメーター22、および第2速度メーター23を表示するための各パーツの画像データを検出し、検出した画像データを合成してフレームメモリー17bに一旦記憶させる。なお、上記したパーツの画像データには、速度メーター21およびタコメーター22における計器板(メーターの内側)部分の基準色が含まれている。そして、フレームメモリーに記憶させた画像データを、表示部11に表示させる。
【0089】
次に、制御部17は、加速度表示モードが選択されているか否かを判断する(S14)。
【0090】
そして、加速度表示モードが選択されていない場合(S14がNoの場合)、制御部17は、通常表示モードを選択し、S11およびS12で検出した速度値および回転数値(エンジン回転数値)を、速度メーター21,第2速度メーター23、およびタコメーター22にそれぞれ表示する(S15)。また、制御部17は、S15の処理を行った後、後述するS21の処理を行う。
【0091】
図5(a)に、通常表示モードにおける速度メーター21、タコメーター22、および第2速度メーター23の表示状態の一例を示す。
【0092】
速度メーター21における、メーター内部(計器板)の領域は、通常表示モードでは、薄い青色になっている。また、タコメーター22における、メーター内部(計器板)の領域は、通常表示モードでは、薄い赤色になっている。
【0093】
なお、速度メーター21およびタコメーター22における針の表示方法、および、第2速度メーター23における表示方法については、図3で説明した方法と同様である。
【0094】
一方、加速度表示モードが選択されている場合(S14がYesの場合)、制御部17は、図3の場合と同様、速度および回転数(エンジン回転数)の毎秒あたり(所定時間あたり)の変化量を算出する(S16)。
【0095】
次に、制御部17は、速度メーター21およびタコメーター22における中心(針の回転軸)と、S11およびS12で検出した速度値および回転数値に対応する目盛とを結ぶ直線に対して、現在の変化量(速度値および回転数値の変化量)に応じた点をプロットする(S17)。また、制御部17は、S11で検出した速度値を第2速度メーター23に表示する。なお、S17における処理は、図3におけるS7の処理と同様に行えばよい。
【0096】
次に、制御部17は、速度メーター21およびタコメーター22の中心(針の回転軸)と、S17でプロットした点と、S11およびS12で検出した速度値および回転数値を示す目盛に対応する両メーターの外周側の点とを結ぶ円弧(円弧形状の針(指針))を表示する(S18)。
【0097】
さらに、制御部17は、速度および回転数の変化量に応じた色を選択する(S19)。なお、速度および回転数の変化量に応じた色は、色対応テーブル19にあらかじめ記憶されており、制御部17は、色対応テーブル19から、速度および回転数の変化量に応じた色を検索(選択)する。
【0098】
そして、速度メーター21およびタコメーター22の内側の領域(計器板)に、S19で選択した色を配色し、表示する(S20)。
【0099】
図5(b)に、加速時における表示部11の表示状態の一例を示す。この図に示すように、速度メーター21における円弧形状の針によってS11で検出した速度値、およびS16で算出した加速度が表示されている。さらに、図5(b)では、加速度は増加中であるので、計器板の色が、定速走行時の計器板の色(通常表示モードにおける計器板の色と同じであり、本実施形態では薄い青色)よりも濃い色(濃い青色)に配色されている。また、エンジン回転数についても、その変化量は増加中であるので、定回転時の計器板の色(通常表示モードにおける計器板の色と同じであり、本実施形態では薄い赤色)よりも濃い色(濃い赤色)に配色されている。
【0100】
そして、S15またはS20における表示を行った後、制御部17は、表示装置1における表示を終了させるか否かを判断する(S21)。なお、この判断は、例えば、運転が終了したか、すなわち、ユーザーがエンジンの停止指示を行ったか否かによって行えばよい。
【0101】
そして、表示を終了させないと判断した場合(S21がNoの場合)、制御部17は、S11からの処理を繰り返す。また、表示を終了させると判断した場合(S21がYesの場合)、制御部17は、表示に係る処理を終了する。
【0102】
このように、速度およびエンジン回転数の所定時間あたりの変化量に応じて、針の婉曲状態および両メーター21,22におけるメーター内の領域の色を変化させることにより、運転者は、加速度およびエンジン回転数の変化の度合いを、より適切に把握することができる。
【0103】
なお、図5(b)では、加速時かつエンジン回転数増加時における表示処理について説明したが、これに限らず、減速時、およびエンジン回転数減少時の表示を行うこともできる。この場合、例えば、減速時およびエンジン回転数減少時には、両メーター21,22内の領域に、通常表示モードにおける表示色とは異なる色を、速度またはエンジン回転数の変化量に応じて濃度(諧調)を変えて表示させる。あるいは、両メーター21,22内の領域における色を、加速時と減速時、あるいはエンジン回転数増加時と減少時で、異なる色とせずに同色とし、その濃度(諧調)を変化させるようにしてもよい。つまり、減速時およびエンジン回転数減少時には、定速走行時または定回転数時における色(通常表示モードにおける色)よりも薄い色に配色するようにしてもよい。
【0104】
また、上記の説明では、針の婉曲状態と速度メーター21およびタコメーター22の計器板部分の色を変化させることによって、速度およびエンジン回転数の所定時間あたりの変化量を表示させているが、これに限るものではない。例えば、針の婉曲状態を用いずに速度メーター21およびタコメーター22の計器板部分の色を変化させてもよく、さらには、針の婉曲状態によって、速度およびエンジン回転数の所定時間あたりの変化量を表示し、計器板の色を変化させることによって、例えば、各種油圧系統の油圧、油温、エンジン冷却水の水温などの物理量、あるいはこれらの物理量の変化の度合いを表示するようにしてもよい。
【0105】
また、上記の説明では、両メーター21,22における計器板部分の色を変化させることによって、速度およびエンジン回転数の変化の度合いを表示する構成について説明したが、これに限るものではない。例えば、両メーター21,22内の図形(パーツ)の色を、速度およびエンジン回転数の変化の度合いに応じて変化させるようにしてもよい。ここで、両メーター21,22内の図形(パーツ)としては、特に限定されるものではないが、例えば針や目盛線、メーターの輪郭などを用いることができる。あるいは、これとは別に両メーター21,22内に図形を表示し、この図形の色を変化させるようにしてもよい。
【0106】
また、両メーター21,22内の計器板あるいはその他の図形の色に限らず、例えば、表示部11における両メーター21,22以外の領域の色を変化させるようにしてもよい。また、針の婉曲、針の太さ、計器板の色、その他の図形の色、表示部11における両メーター21,22以外の領域の色などを、適宜組み合わせて表示するようにしてもよい。
【0107】
また、例えば、両メーター21,22における針の形状と、計器板部分において着色する領域の面積(範囲)とを変化させることによって、速度およびエンジン回転数の変化の度合いを表示してもよい。図6は、この場合の、表示装置1における表示処理の流れを示すフロー図である。この図を用いて、速度およびエンジン回転数の変化の度合いを、針の形状と、計器板部分において着色する領域の面積とによって表示する処理について説明する。
【0108】
なお、図6におけるS31〜S38までの処理は、図4におけるS11〜S18までの処理と略同様であるので、説明を省略する。
【0109】
S38において、図6におけるS18と同様に円弧形状の針(指針)した後、制御部17は、速度および回転数の変化量に応じた着色範囲を選択する(S39)。
【0110】
なお、速度および回転数の変化量に応じた表示範囲および着色する色は、色対応テーブル19にあらかじめ記憶されており、制御部17は、色対応テーブル19から、速度および回転数の変化量に応じた着色範囲および色を検索(選択)する。
【0111】
そして、速度メーター21およびタコメーター22の内側の領域(計器板)における、S39で選択した着色範囲を選択した色に配色し、表示する(S40)。
【0112】
図7(a)および図7(b)に、このときの表示状態の例を示す。図7(a)は、速度および回転数が一定のとき、すなわち、速度および回転数の所定時間あたりの変化量がゼロのときにおける表示状態の一例を示している。この図に示すように、速度および回転数が一定の場合、あらかじめ定めた着色範囲(基準着色範囲)が、計器板における他の領域の色と異なる色で着色される。
【0113】
図7(b)は、加速時かつエンジン回転数増加時における表示状態の一例を示している。この図に示すように、速度メーター21における円弧形状の針によってS31で検出した速度値、およびS36で算出した加速度が表示されている。さらに、図7(b)では、計器板における着色領域が、定速走行時の計器板における着色領域(基準着色領域)よりも広くなっている。なお、この図に示す例では、着色領域は針の回転軸を中心とする円形となっており、加速度の大きさに応じて、この円の半径が変化するようになっている。また、エンジン回転数についても、その変化量は増加中であるので、定回転時の計器板の着色領域(基準着色領域)よりも広くなっている。すなわち、タコメーター22における針の回転軸を中心とする円形の着色領域を、回転数の変化の度合いに応じて円の半径を増減させることによって変化させている。
【0114】
なお、図7(b)では、加速時かつ回転数増加時の表示状態を示したが、減速時および回転数減少時には、基準着色領域よりも円の半径が小さくなるように、着色領域を変化させればよい。
【0115】
そして、S35またはS40における表示を行った後、制御部17は、表示装置1における表示を終了させるか否かを判断する(S41)。なお、この判断は、例えば、運転が終了したか、すなわち、ユーザーがエンジンの停止指示を行ったか否かによって行えばよい。
【0116】
そして、表示を終了させないと判断した場合(S41がNoの場合)、制御部17は、S31からの処理を繰り返す。また、表示を終了させると判断した場合(S41がYesの場合)、制御部17は、表示に係る処理を終了する。
【0117】
このように、速度およびエンジン回転数の所定時間あたりの変化量に応じて、針の婉曲状態および両メーター21,22におけるメーター内の着色領域を変化させることにより、運転者は、加速度およびエンジン回転数の変化の度合いを、容易かつ適切に把握することができる。
【0118】
なお、上記の説明では、速度および回転数が一定の場合、基準着色領域を着色するものとしたが、これに限るものではない。例えば、速度および回転数が一定の場合には、着色せず(着色領域の面積をゼロにし)、加速時と減速時、および、回転数増加時と減少時、における着色する色を異なる色としてもよい。この場合、速度およびエンジン回転数における所定時間あたりの変化量の絶対値に基づいて、着色領域の背景を決定すればよい。
【0119】
また、上記の説明では、針の回転軸を中心とする円形の着色領域によって、速度およびエンジン回転数の所定時間あたりの変化量を表示したが、着色領域の形状および位置はこれに限るものではない。例えば、両メーター21,22の外周側から針の回転軸方向に向かって、着色領域が増加していくようにしてもよい。また、例えば、両メーター21,22のなす円周の最下点を基準として、両メーター21,22内の領域における、速度およびエンジン回転数の所定時間あたりの変化量に応じた高さ以下の領域を着色するようにしてもよい。
【0120】
また、上記の説明では、針の婉曲と着色領域の面積とによって、速度およびエンジン回転数の所定時間あたりの変化量を表示しているが、これに限らず、着色領域の面積のみで表示するようにしてもよい。
【0121】
また、上記の説明では、速度メーター21とタコメーター22とを表示する例について説明したが、これに限るものではない。例えば、一つのメーターによって、速度およびエンジン回転数と、それらの所定時間あたりの変化量とを表示するようにしてもよい。例えば、針の先端が指し示す目盛によって速度を表示し、この針の婉曲状態によって加速度を表示するとともに、メーターを立体的に表示させ、この立体形状の高さによってエンジン回転数を表示し、メーターの色を変化させることによってエンジン回転数の所定時間あたりの変化量を表示するようにしてもよい。
【0122】
図8は、このような表示を行う場合の処理の流れを示すフロー図である。この図を参照して、このような表示を行う処理について説明する。
【0123】
この図に示すように、制御部17(CPU17a)は、速度検出部12に、自車の速度を検出させる(S51)。また、制御部17は、回転数検出部14に、エンジン回転数を検出させる(S52)。
【0124】
次に、制御部17は、速度・タコメーター31(後述する図9(a)および図9(b)参照)および第2速度メーター23を表示部11に表示させる(S53)。より詳細には、制御部17は、パーツDB16から速度・タコメーター(メーター画像)31および第2速度メーター23を表示するための各パーツの画像データを検出し、検出した画像データを合成してフレームメモリー17bに一旦記憶させる。なお、速度・タコメーター31は、略円形の計器板部分と、この計器板部分を立体的に表示する立体表示部分とからなり、各部分の色を変更することができるようになっている。また、上記したパーツの画像データには、これらの各部分の画像データおよびその基準色のデータが含まれている。そして、制御部17は、フレームメモリーに記憶させた画像データを、表示部11に表示させる。
【0125】
次に、制御部17は、加速度表示モードが選択されているか否かを判断する(S54)。
【0126】
そして、加速度表示モードが選択されていない場合(S54がNoの場合)、制御部17は、通常表示モードを選択し、S51およびS52で検出した速度値および回転数値(エンジン回転数値)を、速度・タコメーター31および第2速度メーター23に表示する(S55)。また、制御部17は、S55の処理を行った後、後述するS62の処理を行う。
【0127】
図9(a)に、通常表示モードにおける表示部11の表示状態(速度・タコメーター31および第2速度メーター23の表示状態)の一例を示す。
【0128】
速度・タコメーター31は、外周に沿って速度の目盛(ここでは図示せず)が配置された略円形形状の計器板部分を含み、この略円形形状の計器板部分の中心を軸として円周方向に回転する針(指針)を表示することによって、S51で検出した速度値に対応する速度の目盛を指し示し、速度を表示するようになっている。なお、通常表示モードでは、上記針を、直線状の針として表示する。
【0129】
また、速度・タコメーター31は、この計器板部分を立体的に表示する立体表示部分を含み、制御部17は、S52で検出した回転数値(エンジン回転数値)に応じて、この高さを決定する。すなわち、立体表示部分の高さによって、エンジン回転数を表示する。
【0130】
また、通常表示モードでは、制御部17は、計器板部分および立体表示部分の色(針、目盛を除く)を、あらかじめ定められた基準色(例えば薄い赤色)で表示する。
【0131】
なお、第2速度メーター23における表示方法については、図3で説明した方法と同様である。
【0132】
一方、加速度表示モードが選択されている場合(S54がYesの場合)、制御部17は、速度および回転数(エンジン回転数)の毎秒あたり(所定時間あたり)の変化量を算出する(S56)。
【0133】
次に、制御部17は、速度・タコメーター31における計器板部分の中心(針の回転軸)と、S51で検出した速度値に対応する目盛とを結ぶ直線に対して、現在の加速度(現在の速度の、所定時間あたりの変化量)に応じた点をプロットする(S57)。なお、この処理は、図3におけるS7の処理と同様に行えばよい。
【0134】
次に、制御部17は、速度・タコメーター31における計器板部分の中心(針の回転軸)と、S57でプロットした点と、S51で検出した速度値を示す目盛に対応する計器板部分の外周側の点とを結ぶ円弧(円弧形状の針(指針))を表示する(S58)。これにより、針の指し示す目盛によって速度が表示され、針の婉曲状態によって加速度が表示される。
【0135】
次に、制御部17は、S52で検出した回転数値に基づいて、立体表示部分の高さを算出し、算出した高さに基づいて立体表示部分の高さを変更する(S59)。
【0136】
次に、制御部17は、S56で算出した回転数の所定時間あたりの変化量に応じた色を選択する(S60)。なお、回転数の変化量に応じた色は、色対応テーブル19にあらかじめ記憶されており、制御部17は、色対応テーブル19から、回転数の変化量に応じた色を検索(選択)する。なお、変化量に応じて異なる色を用いるようにしてもよく、あるいは、濃度のみを異ならせるようにしてもよい。
【0137】
そして、速度・タコメーター31の計器板部分および立体表示部分内側に、S60で選択した色を配色し、表示する(S61)。
【0138】
図9(b)に、加速時における表示部11の表示状態(速度・タコメーター31の表示状態)の一例を示す。この図に示すように、速度・タコメーター31における円弧形状の針によってS51で検出した速度値、およびS56で算出した加速度が表示されている。さらに、図9(b)では、立体表示部分の高さ(図中h2)が、S52で算出した回転数値を表しており、計器板部分および立体表示部分の色(例えば濃い赤色)によって、S56で算出したエンジン回転数の所定時間あたりの変化量が表示されている。
【0139】
そして、S55またはS61における表示を行った後、制御部17は、表示装置1における表示を終了させるか否かを判断する(S62)。なお、この判断は、例えば、運転が終了したか、すなわち、ユーザーがエンジンの停止指示を行ったか否かによって行えばよい。
【0140】
そして、表示を終了させないと判断した場合(S62がNoの場合)、制御部17は、S51からの処理を繰り返す。また、表示を終了させると判断した場合(S62がYesの場合)、制御部17は、表示に係る処理を終了する。
【0141】
このように、針の先端が指し示す目盛によって速度を表示し、この針の婉曲状態によって加速度を表示するとともに、メーターを立体的に表示させ、この立体形状の高さによってエンジン回転数を表示し、メーターの色を変化させることによってエンジン回転数の所定時間あたりの変化量を表示することにより、1つのメーター表示で、速度およびエンジン回転数と、それらの所定時間あたりの変化量とを表示することができる。
【0142】
これにより、運転者が、これらの情報を参照するために、視線を移動させる方向および範囲をより少なくすることができる。
【0143】
なお、一つのメーターによって、速度およびエンジン回転数と、それらの所定時間あたりの変化量とを表示させる方法は、上記の方法に限るものではない。例えば、針の指し示す目盛、針の婉曲状態、立体表示部分の高さ、計器板部分および立体表示部分の色、によって表示される各物理量の組み合わせを、上記した例とは異ならせてもよい。あるいは、上記した計器板部分や立体表示部分とは異なるパーツ画像を用い、それらの形状や色によって表示するようにしてもよい。
【0144】
また、上記の説明では、略円形形状の計器板と、この計器板上に表示される針とを用いて、速度やエンジン回転数、およびそれらの所定時間あたりの変化量を表示する構成について説明したが、各メーターの表示方法はこれに限るものではない。
【0145】
例えば、針によって速度やエンジン回転数を表示するのではなく、目盛線などに沿って着色する領域を変化させることによって、速度やエンジン回転数を表示し、着色する領域の幅の変化によって速度や回転数の所定時間あたりの変化量を表示するようにしてもよい。
【0146】
図10は、このような表示を行う場合の処理の一例を示したフロー図である。
【0147】
この図に示すように、制御部17(CPU17a)は、まず、速度検出部12に、自車の速度を検出させる(S71)。また、制御部17は、回転数検出部14に、エンジン回転数を検出させる(S72)。
【0148】
次に、制御部17は、速度メーター(メーター画像、速度メーター画像)21a、タコメーター(メーター画像、タコメーター画像)22a、および第2速度メーター23(後述する図11(a),図11(b)参照)を表示部11に表示させる(S73)。より詳細には、制御部17は、パーツDB16から速度メーター21a、タコメーター22a、および第2速度メーター23を表示するための各パーツの画像データを検出し、検出した画像データを合成してフレームメモリー17bに一旦記憶させる。そして、フレームメモリーに記憶させた画像データを、表示部11に表示させる。
【0149】
次に、制御部17は、加速度表示モードが選択されているか否かを判断する(S74)。ここで、加速度表示モードとは、速度メーター21aに、速度およびその所定時間あたりの変化量(加速度)を表示させ、タコメーター22aに、エンジン回転数およびその所定時間あたりの変化量を表示する表示方法である。なお、本実施形態では、加速度表示モードを選択するか否かを、ユーザーが入力部18を介してあらかじめ指定するようになっており、制御部17はこのユーザーからの指定に基づいて、S74の判断を行う。
【0150】
そして、加速度表示モードが選択されていない場合(S74がNoの場合)、制御部17は、通常表示モードを選択し、S71で検出した速度値を速度メーター21aおよび第2速度メーター23に表示し、S72で検出した回転数値(エンジン回転数値)をタコメーター22aに表示する(S75)。また、制御部17は、S75の処理を行った後、後述するS79の処理を行う。
【0151】
図11(a)に、通常表示モードにおける表示部11の表示状態(速度メーター21a、タコメーター22a、および第2速度メーター23の表示状態)の一例を示す。
【0152】
この図に示す例では、表示部11内に目盛板24が表示されており、この目盛板24の周囲に速度メーター21aおよびタコメーター22aが表示されている。
【0153】
目盛板24は略楕円形状からなり、その外縁部には、速度メーター21aに対応する速度目盛、および、タコメーター22aに対応する回転数目盛(いずれも図示せず)が表示されている。なお、この図に示す例では、略楕円形状からなる目盛板24の上部やや左側の部分に速度0km/hに対応する速度目盛が表示され、そこから目盛板24の外周に沿って反時計回りに、表示する速度が増加していくように速度目盛が表示されている。また、略楕円形状からなる目盛板24の上部やや右側の部分にエンジン回転数0rpmに対応する回転数目盛が表示され、そこから目盛板24の外周に沿って時計回りに、表示するエンジン回転数が増加していくように回転数目盛が表示されている。
【0154】
速度メーター21aは、目盛板24における速度目盛の周囲に表示され、表示する速度に応じた速度目盛の外周側を着色することによって、速度を表示するようになっている。例えば、図11(a)に示すように、速度40km/hを表示する場合、目盛板24の外周側における領域のうち、速度0km/hを表す速度目盛から速度40km/hを表す速度目盛までに対応する領域を着色する。なお、着色する部分の幅(線幅)は、通常表示モードではあらかじめ定められた幅(図中、W1)に設定される。また、着色する色は特に限定されるものではないが、ここでは青色で表示するようになっている。
【0155】
タコメーター22aは、目盛板24における回転数目盛の周囲に表示され、表示する回転数に応じた回転数目盛の外周側を着色することによって、回転数を表示するようになっている。例えば、図11(a)に示すように、回転数2000rpmを表示する場合、目盛板24の外周側における領域のうち、回転数0rpmを表す回転数目盛から回転数2000rpmを表す回転数目盛までに対応する領域を着色する。なお、着色する部分の幅は、通常表示モードではあらかじめ定められた幅(図中、W2)に設定される。また、着色する色は特に限定されるものではないが、ここでは赤色で表示するようになっている。
【0156】
第2速度メーター23は、速度メーター21aと同様、S71で検出した速度値を表示するものである。なお、図11(a)に示すように、第2速度メーター23には、S71で検出した速度値を示す数字を表示するようになっている。
【0157】
一方、加速度表示モードが選択されている場合(S74がYesの場合)、制御部17は、速度および回転数(エンジン回転数)の毎秒あたり(所定時間あたり)の変化量を算出する(S76)。
【0158】
次に、制御部17は、S76で算出した速度および回転数の毎秒あたりの変化量を、速度メーター21a、タコメーター22aにおける着色する部分の幅に変換する(S77)。すなわち、両メーター21a,22aにおける着色する部分の幅を、S76で算出した速度および回転数の毎秒あたりの変化量に応じて算出する。例えば、通常表示モードにおける幅(W1,W2)を定速度時、定回転数時の幅とし、変化量に応じて、この幅を増減させる。つまり、加速時・回転数増加時にはW1・W2よりも広い幅とし、減速時・回転数減少時にはW1・W2よりも狭い幅とする。また、この幅の増減量は、速度および回転数の所定時間あたりの変化量に比例するように設定する。
【0159】
次に、制御部17は、S71およびS72で検出した速度値および回転数値と、S77で算出した着色する領域の幅とに応じて、速度メーター21aおよびタコメーター22aの表示を行う(S78)。
【0160】
図11(b)に、この場合の表示状態の一例を示す。この図に示すように、速度メーター21aでは、S71で検出した速度値(ここでは50km/h)に対応する目盛板24の速度目盛(ここでは0km/h〜50km/h)の外周側の領域が着色される。また、着色領域の幅(図中、W3)は、S77において、S76で算出した加速度に応じて設定した幅とされる(図11(b)ではW1<W3となっており、図11(b)は加速中の状態であることを示している)。
【0161】
また、タコメーター22aでは、S72で検出した回転数値(ここでは2000rpm)に対応する目盛板24の回転数目盛(ここでは0rpm〜2000rpm)の外周側の領域が着色される。また、着色領域の幅(図中、W4)は、S77において、S76で算出したエンジン回転数の所定時間あたりの変化量に応じて設定した幅とされる(図11(b)ではW2<W4となっており、図11(b)はエンジン回転数が増加中の状態であることを示している)。
【0162】
S75またはS78における表示を行った後、制御部17は、表示装置1における表示を終了させるか否かを判断する(S79)。なお、この判断は、例えば、運転が終了したか、すなわち、ユーザーがエンジンの停止指示を行ったか否かによって行えばよい。
【0163】
そして、表示を終了させないと判断した場合(S79がNoの場合)、制御部17は、S71からの処理を繰り返す。また、表示を終了させると判断した場合(S79がYesの場合)、制御部17は、表示に係る処理を終了する。
【0164】
このように、針によって速度やエンジン回転数を表示するのではなく、目盛線に沿って着色する領域を変化させることによって、速度やエンジン回転数を表示し、着色する領域の幅の変化によって速度や回転数の所定時間あたりの変化量を表示するようにしてもよい。
【0165】
なお、上記の説明では、目盛線(目盛板24)の形状を略楕円形状としたが、目盛線の形状は特に限定されるものではなく、例えば円形状、直線状、矩形状、"く"の字状("<"形状)、U字状などとしてもよい。また、平面的な表示に限らず、立体的に表示するようにしてもよい。
【0166】
また、上記の説明では、着色する領域の幅を変化させることによって、速度および回転数の所定時間あたりの変化量を表示しているが、これに限るものではなく、例えば、着色する領域の形状、色などを変化させて表示してもよい。
【0167】
また、着色する領域は、例えば線の組み合わせによって表現されるものであってもよい。例えば、目盛板24における略楕円形状の各焦点を中心として放射状に伸びる直線上の線分を組み合わせることによって、速度または回転数を表示するようにしてもよい。この場合、上記線分の長さを変化させることによって、速度および回転数の所定時間あたりの変化量を表示することができる。
【0168】
また、上記の説明では、目盛線(目盛板24の外周)の外側に、速度メーター21aおよびタコメーター22aを表示するものとしたが、これに限らず、目盛線の内側、あるいは、目盛線上に、両メーター21a,22aを表示してもよい。
【0169】
また、上記の説明では、1つの目盛板24に、速度目盛および回転数目盛を表示し、速度メーター21aおよびタコメーター22aをこの1つの目盛板24の周囲に表示しているが、これに限らず、例えば2つの目盛板(目盛線)を設け、速度メーター21aおよびタコメーター22aをそれぞれ異なる目盛板(目盛線)に対応させて表示してもよい。また、上記の各説明において、目盛線とは、必ずしも線で表示されるものに限らず、画面上には表示されない線上に、複数の目盛が表示されてなるものであってもよい。また、両メーター21a,22aにおける着色する領域の周囲に、速度値および回転数値を数字で表示してもよく、その場合、上記の目盛を必ずしも表示しなくてもよい。
【0170】
また、両メーター21aおよび22aにおいて、着色する領域を立体的に表示し、その高さを変化させることによって、速度および回転数の所定時間あたりの変化量を表示してもよい。
【0171】
図12は、このような表示を行う場合の処理の一例を示したフロー図である。
【0172】
この図に示すように、制御部17(CPU17a)は、まず、速度検出部12に、自車の速度を検出させる(S81)。また、制御部17は、回転数検出部14に、エンジン回転数を検出させる(S82)。
【0173】
次に、制御部17は、速度メーター21a、タコメーター22a、および第2速度メーター23(後述する図13(a),図13(b)参照)を表示部11に表示させる(S83)。より詳細には、制御部17は、パーツDB16から速度メーター21a、タコメーター22a、および第2速度メーター23を表示するための各パーツの画像データを検出し、検出した画像データを合成してフレームメモリー17bに一旦記憶させる。そして、フレームメモリーに記憶させた画像データを、表示部11に表示させる。
【0174】
次に、制御部17は、加速度表示モードが選択されているか否かを判断する(S84)。ここで、加速度表示モードとは、速度メーター21aに、速度およびその所定時間あたりの変化量(加速度)を表示させ、タコメーター22aに、エンジン回転数およびその所定時間あたりの変化量を表示する表示方法である。なお、本実施形態では、加速度表示モードを選択するか否かを、ユーザーが入力部18を介してあらかじめ指定するようになっており、制御部17はこのユーザーからの指定に基づいて、S84の判断を行う。
【0175】
そして、加速度表示モードが選択されていない場合(S84がNoの場合)、制御部17は、通常表示モードを選択し、S81で検出した速度値を速度メーター21aおよび第2速度メーター23に表示し、S82で検出した回転数値(エンジン回転数値)をタコメーター22aに表示する(S85)。また、制御部17は、S85の処理を行った後、後述するS89の処理を行う。
【0176】
図13(a)に、通常表示モードにおける表示部11の表示状態(速度メーター21a、タコメーター22a、および第2速度メーター23の表示状態)の一例を示す。
【0177】
この図に示す例では、表示部11内に目盛板24が表示されており、この目盛板24の周囲に速度メーター21aおよびタコメーター22aが表示されている。
【0178】
目盛板24については、図11(a)および図11(b)における目盛板24と同様であるので説明を省略する。
【0179】
速度メーター21aは、目盛板24における速度目盛の周囲に配置され、表示する速度に応じた速度目盛の外周側に立体指標(立体画像)を表示することによって、速度を表示するようになっている。例えば、図13(a)に示すように、速度40km/hを表示する場合、目盛板24の外周側における領域のうち、速度0km/hを表す速度目盛から速度40km/hを表す速度目盛までに対応する領域に立体指標が表示される。なお、この立体指標の高さは、通常表示モードではあらかじめ定められた高さ(図中、h3)に設定される。なお、立体指標の色は特に限定されるものではないが、ここでは青色で表示するようになっている。
【0180】
タコメーター22aは、目盛板24における回転数目盛の周囲に配置され、表示する回転数に応じた回転数目盛の外周側に立体指標(立体指標)を表示することによって、回転数を表示するようになっている。例えば、図13(a)に示すように、回転数2000rpmを表示する場合、目盛板24の外周側における領域のうち、回転数0rpmを表す回転数目盛から回転数2000rpmを表す回転数目盛までに対応する領域に立体指標が表示される。なお、着色する色は特に限定されるものではないが、ここでは赤色で表示するようになっている。
【0181】
第2速度メーター23は、速度メーター21aと同様、S81で検出した速度値を表示するものである。なお、図13(a)に示すように、第2速度メーター23には、S81で検出した速度値を示す数字を表示するようになっている。
【0182】
一方、加速度表示モードが選択されている場合(S84がYesの場合)、制御部17は、速度および回転数(エンジン回転数)の毎秒あたり(所定時間あたり)の変化量を算出する(S86)。
【0183】
次に、制御部17は、S86で算出した速度および回転数の毎秒あたりの変化量を、速度メーター21a、タコメーター22aにおける立体指標の高さに変換する(S87)。すなわち、両メーター21a,22aにおける立体指標の高さを、S86で算出した速度および回転数の毎秒あたりの変化量に応じて算出する。例えば、通常表示モードにおける幅(h3,h4)を定速度時、定回転数時の高さとし、変化量に応じて、この高さを増減させる。つまり、加速時・回転数増加時には立体指標の高さをh3・h4よりも高くし、減速時・回転数減少時には立体指標の高さをh3・h4よりも低くする。また、この高さの増減量は、速度および回転数の所定時間あたりの変化量に比例するように設定する。
【0184】
次に、制御部17は、S81およびS82で検出した速度値および回転数値と、S87で算出した立体指標の高さとに応じて、速度メーター21aおよびタコメーター22aの表示を行う(S88)。
【0185】
図13(b)に、この場合の表示状態の一例を示す。この図に示すように、速度メーター21aでは、S81で検出した速度値(ここでは50km/h)に対応する目盛板24の速度目盛(ここでは0km/h〜50km/h)の外周側の領域に立体指標が表示される。また、立体指標の高さ(図中、h5)は、S87において、S86で算出した加速度に応じて設定した高さとされる(図13(b)ではh3<h5となっており、図13(b)は加速中の状態であることを示している)。
【0186】
また、タコメーター22aでは、S82で検出した回転数値(ここでは2000rpm)に対応する目盛板24の回転数目盛(ここでは0rpm〜2000rpm)の外周側の領域に立体指標が表示される。また、立体指標の高さ(図中、h6)は、S87において、S86で算出したエンジン回転数の所定時間あたりの変化量に応じて設定した高さされる(図13(b)ではh4<h6となっており、図13(b)はエンジン回転数が増加中の状態であることを示している)。
【0187】
S85またはS88における表示を行った後、制御部17は、表示装置1における表示を終了させるか否かを判断する(S89)。なお、この判断は、例えば、運転が終了したか、すなわち、ユーザーがエンジンの停止指示を行ったか否かによって行えばよい。
【0188】
そして、表示を終了させないと判断した場合(S89がNoの場合)、制御部17は、S81からの処理を繰り返す。また、表示を終了させると判断した場合(S89がYesの場合)、制御部17は、表示に係る処理を終了する。
【0189】
このように、立体指標を用いて速度および加速度とそれらの所定時間あたりの変化量を表示することにより、運転者がこれらの情報をより認識しやすくなる。
【0190】
なお、上記の説明では、各立体指標の高さを変化させることによって、速度および回転数の所定時間あたりの変化量を表示しているが、これに限らず、各立体指標の幅、形状、色などを変化させることによって表示してもよい。また、これらを組み合わせて表示してもよい。
【0191】
また、図13(a)および図13(b)では、各立体指標をそれぞれ1つの画像で表示しているが、これに限らず、複数のパーツを組み合わせることによって、立体的な指標(立体指標)を表示するようにしてもよい。ここで、上記パーツそれぞれが、立体的に表示された画像であってもよく、平面的に表示されるパーツを組み合わせることによって、全体として立体的に表示するものであってもよい。
【0192】
なお、本実施形態にかかる表示部11は、速度メーターおよびタコメーターの表示を行うとしたが、これに限るものではない。例えば、いずれか一方のメーターのみを表示するようにしてもよい。あるいは、速度メーターおよびタコメーターの表示に加えて、燃料残量、冷却水の水温、バッテリーの充電量、タイヤの空気圧、各種油圧や油温、車内・車外の温度、湿度、などの各種物理量を示すメーターを表示するようにしてもよい。
【0193】
また、これらのメーターにおいて、各物理量とその変化の度合いを、上記した速度メーターおよびタコメーターと同様に表示するようにしてもよい。すなわち、上記の説明では、速度メーターに速度とその所定時間当たりの変化量(加速度)を表示し、タコメーターに、エンジン回転数とその所定時間あたりの変化量を表示させる構成について説明したが、検出および表示する対象(物理量)は、これらに限るものではなく、定量的に評価できるものであればよい。本発明の表示装置によれば、あらゆる物理量と、その所定時間当たりの変化量とを、共通のメーター(メーター表示、計器表示)を用いて表示できる。
【0194】
また、これらの計器類の表示に加えて、表示部11に、ナビゲーション情報や、テレビ放送の受信画像などを表示するようにしてもよい。なお、本実施形態における表示部11は、アスペクト比が3:7の表示領域を備えるとしたが、この場合、従来の表示装置のアスペクト比である3:4の表示領域を差し引いても、3:3の正方形形状の表示領域を残すことができる。そこで、表示部11の表示領域における3:3の正方形形状の部分に速度メーター等の計器類を表示し、残りの領域にナビゲーション情報等を表示するようにしてもよい。
【0195】
また、表示部11は、上記した表示領域のアスペクト比が3:7の構成に限るものではない。例えば、これよりアスペクト比が小さくてもよく、あるいは、さらに大きなアスペクト比の表示領域を備える表示部11をもちいてもよい。
【0196】
また、表示部11における表示領域は、必ずしも矩形形状である必要はない。例えば、楕円形状や円形状、台形状などであってもよい。また、表示部11の表示面は平面であっても、曲面であってもよい。
【0197】
また、本実施形態では、表示部11として液晶パネルを用いているが、これに限るものではない。例えば、有機EL(Electro Luminescence)パネルや、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode Ray Tube)などを用いてもよい。
【0198】
また、本実施形態における入力部18は、複数の入力キーからなるとしたが、これに限るものではない。例えば、入力部18として、表示部11を兼用してもよい。つまり、表示部11に、運転者による入力が可能な項目を表示し、運転者が、所望する項目が表示されている表示領域に触れることにより、制御部17に指示を与える、いわゆるタッチパネル方式としてもよい。あるいは、入力部18として、マウスやスティック状の操作装置などを設けてもよい。また、オーディオシステムなどにおける入力部を兼用するようにしてもよい。また、ドアミラー(フェンダーミラー)の角度等を電動で調整できるシステムを備える場合、これらの操作手段を兼用してもよい。あるいは、赤外線や電波などによってユーザーから入力された指示情報を無線通信する操作入力・送信手段と、送信された情報を受信する受信手段からなる、いわゆるリモコンを用いたものであってもよい。
【0199】
また、表示装置1は、車両に搭載されるものとしたが、本実施形態における車両とは、自動車に限らず、自動二輪車、自転車、電車などを含む。また、表示装置1は、車両に限らず、例えばヘリコプターや航空機、船舶など、人が搭乗するあらゆる乗物(移動体)に搭載することができる。また、表示装置1は、必ずしもこれらの乗物に固定して装着されるものでなくてもよく、例えば、これらの乗物に脱着可能に備えられてもよい。
【0200】
また、本実施形態では、表示装置1が備えられる自動車におけるエンジン回転数(回転駆動手段の回転数)およびその所定時間あたりの変化量を検出し、表示するものとしたが、表示装置1が備えられる乗物における駆動力を発生する手段は、エンジンに限るものではない。たとえば、電力を回転力に変換するモーター(回転駆動手段)であってもよい。この場合、モーターの回転数およびその所定時間あたりの変化量を検出し、その検出結果を表示するようにしてもよい。
【0201】
また、表示装置1が備えられる乗物における駆動力を発生する手段は、例えば、空気や水、燃焼ガスなどを噴射することによって推力を得るものであってもよく、磁力によって駆動力を発生するものであってもよい。また、人力、あるいは、馬、牛、犬などの動物の力、風や波、熱、重力などを用いて移動するものであってもよい。
【0202】
また、表示装置1は、必ずしも乗物に搭載されるものでなくてもよい。例えば、上記した乗物に、走行中(移動中)の速度やエンジン回転数、およびそれらの変化量を記憶する記憶手段を備え、走行終了後あるいはユーザーからの指示に応じて、これらの記憶手段に記憶されている情報を読み出して、表示装置1で再現するようにしてもよい。これにより、走行中の運転操作のタイミングや、そのときの操作量などを後から把握することも可能である。また、この際、速度とその変化量およびエンジン回転数とその変化量が、それぞれ同一の計器表示によって表示されるので、走行中の運転操作を容易に把握できる。また、この場合、上記した乗物に周囲の状況を撮影する撮影手段と、撮影した画像を記憶する画像記憶手段とをさらに備え、速度やエンジン回転数、およびそれらの変化量と、走行中の周囲の画像とを同時に表示するようにしてもよい。これにより、走行中の状況をよりリアルに(現実的に)再現できる。
【0203】
また、表示装置1は、必ずしも乗物に搭載されるものでなくてもよく、例えば、上記した乗物における運転中の状態を模擬した運転模擬装置(シミュレーター)に搭載されるものであってもよい。すなわち、表示装置1は、実際に速度センサーやエンジン回転数センサーなどによって検知されたデータに限らず、模擬入力されたデータを表示させるものであってもよい。
【0204】
また、本実施形態では、表示装置1における全ての処理を、制御部17(CPU17a)の制御により行うとしている。しかしながら、これに限らず、これらの処理を行うためのプログラムを記録媒体に記録し、このプログラムを読み出すことのできる情報処理装置を、制御部17(CPU17a)に代えて用いるようにしてもよい。
【0205】
この構成では、情報処理装置の演算装置(CPUやMPU)が、記録媒体に記録されているプログラムを読み出して処理を実行する。従って、このプログラム自体が処理を実現するといえる。
【0206】
ここで、上記の情報処理装置としては、一般的なコンピューター(ワークステーションやパソコン)の他に、コンピューターに装着される、機能拡張ボードや機能拡張ユニットを用いることができる。
【0207】
また、上記のプログラムとは、処理を実現するソフトウェアのプログラムコード(実行形式プログラム,中間コードプログラム,ソースプログラム等)のことである。このプログラムは、単体で使用されるものでも、他のプログラム(OS等)と組み合わせて用いられるものでもよい。また、このプログラムは、記録媒体から読み出された後、装置内のメモリー(RAM等)にいったん記憶され、その後再び読み出されて実行されるようなものでもよい。
【0208】
また、プログラムを記録させる記録媒体は、情報処理装置と容易に分離できるものでもよいし、装置に固定(装着)されるものでもよい。さらに、外部記憶機器として装置に接続するものでもよい。
【0209】
このような記録媒体としては、ビデオテープやカセットテープ等の磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM,MO,MD,DVD,CD−R等の光ディスク(光磁気ディスク)、ICカード,光カード等のメモリーカード、マスクROM,EPROM,EEPROM,フラッシュROM等の半導体メモリーなどを適用できる。
【0210】
また、ネットワーク(イントラネット・インターネット等)を介して情報処理装置と接続されている記録媒体を用いてもよい。この場合、情報処理装置は、ネットワークを介するダウンロードによりプログラムを取得する。すなわち、上記のプログラムを、ネットワーク(有線回線あるいは無線回線に接続されたもの)等の伝送媒体(流動的にプログラムを保持する媒体)を介して取得するようにしてもよい。なお、通信路(ネットワーク)を介して伝送する場合、通信路を構成する各種の伝送媒体が、プログラムを示す信号列を伝搬し合うことによって、当該通信路を介して、上記プログラムが伝送される。また、上記信号列を伝送する際、送信装置が、プログラムを示す信号列により搬送波を変調することによって、上記信号列を搬送波に重畳してもよい。この場合、受信装置が搬送波を復調することによって、信号列が復元される。一方、上記信号列を伝送する際、送信装置が、デジタルデータ列としての信号列をパケット分割してもよい。この場合、受信装置は、受信したパケット群を連結して、上記信号列を復元する。また、送信装置が、信号列を送信する際、時分割/周波数分割/符号分割などの方法で、信号列を他の信号列と多重化して伝送しても良い。この場合、受信装置は、多重化された信号列から、ここの信号列を抽出して復元する。いずれの場合であっても、通信路を介してプログラムを伝送できれば、同様の効果を得られる。なお、ダウンロードを行うためのプログラムは、装置内(あるいは送信側装置・受信側装置内)にあらかじめ記憶されていることが好ましい。
【0211】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0212】
すなわち、発明を実施するための最良の形態の項においてなした具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と特許請求の範囲内で、いろいろと変更して実施することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0213】
本発明は、物理量の変化と、その物理量の変化の度合い(所定時間あたりの変化量)とを表示する表示装置に適用できる。また、例えば、自動車、自動二輪車、自転車、ヘリコプター、航空機、船舶など、あらゆる乗物(移動体)に搭載することができ、これらの乗物における速度などの物理量と、その変化の度合いとを表示する表示装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0214】
【図1(a)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、通常表示モード時の表示状態の一例を示す図である。
【図1(b)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、加速度表示モード時の表示状態の一例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、表示処理の一例を示すフロー図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、表示処理の他の例を示すフロー図である。
【図5(a)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、通常表示モード時の表示状態の他の例を示す図である。
【図5(b)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、加速度表示モード時の表示状態の他の例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、表示処理のさらに他の例を示すフロー図である。
【図7(a)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、加速度表示モード時であって速度およびエンジン回転数が一定の場合の表示状態の一例を示す図である。
【図7(b)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、加速度表示モード時であって、加速時かつエンジン回転数増加時の表示状態の一例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、表示処理のさらに他の例を示すフロー図である。
【図9(a)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、通常表示モード時の表示状態のさらに他の例を示す図である。
【図9(b)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、加速度表示モード時の表示状態のさらに他の例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、表示処理のさらに他の例を示すフロー図である。
【図11(a)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、通常表示モード時の表示状態のさらに他の例を示す図である。
【図11(b)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、加速度表示モード時の表示状態のさらに他の例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、表示処理のさらに他の例を示すフロー図である。
【図13(a)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、通常表示モード時の表示状態のさらに他の例を示す図である。
【図13(b)】本発明の一実施形態にかかる表示装置における、加速度表示モード時の表示状態のさらに他の例を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示手段と、上記表示手段に表示する画像を制御する制御手段とを備え、上記表示手段に物理量の値を示すメーター画像を表示する表示装置であって、
上記制御手段は、上記物理量の値を示すメーター画像に、当該物理量の値とともに、当該物理量の所定時間あたりの変化量を表示させることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記メーター画像の形状を変化させることによって表示することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
上記メーター画像は、複数のパーツ画像によって構成され、
上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記パーツ画像の形状を変化させることによって表示することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記パーツ画像の表示面積を変化させることによって表示することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
上記メーター画像は、上記パーツ画像として、表示する物理量の値に対応する位置を指し示す針画像を含み、
上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記針画像の形状を変化させることによって表示することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
上記メーター画像は、上記パーツ画像として、当該パーツ画像の少なくとも一部が立体的に表示された立体画像を含み、
上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記立体画像における一方向の長さを変化させることによって表示することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項7】
上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記メーター画像の色を変化させることによって表示することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
上記メーター画像は、複数のパーツ画像によって構成され、
上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記パーツ画像の色を変化させることによって表示することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
上記制御手段は、複数の上記メーター画像に、それぞれ異なる物理量とその所定時間あたりの変化量とを表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
上記制御手段は、複数種類の物理量と当該各物理量の所定時間あたりの変化量とを、1つのメーター画像に表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
上記メーター画像は、当該メーター画像内における背景である計器板画像と、上記計器板画像上に表示され、上記計器板画像における特定の位置を軸として回転する針画像と、上記計器板画像を立体的に表示するための立体画像とからなり、
上記制御手段は、
上記針画像が指し示す位置と、上記針画像の形状と、上記立体画像の形状と、上記メーター画像における少なくとも一部の色と、を変化させることにより、
異なる2種類の物理量と当該各物理量の所定時間あたりの変化量とを1つのメーター画像に表示させることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
上記物理量を検出する物理量検出手段と、上記物理量の所定時間あたりの変化量を検出する変化量検出手段とを備え、
上記制御手段は、上記メーター画像に、上記物理量検出手段および上記変化量検出手段による検出結果を表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
画像を表示する表示手段と、上記表示手段に表示する画像を制御する制御手段とを備え、上記表示手段に物理量の値を示すメーター画像を表示する表示装置であって、
上記制御手段が、上記物理量の値を示すメーター画像に、当該物理量の値とともに、当該物理量の所定時間あたりの変化量を表示させる表示装置、を備えていることを特徴とする乗物。
【請求項14】
速度を検出する速度検出手段と、上記速度の所定時間あたりの変化量を検出する加速度検出手段とを備え、
上記制御手段は、上記メーター画像に、上記速度検出手段および上記加速度検出手段による検出結果を表示させることを特徴とする請求項13に記載の乗物。
【請求項15】
上記乗物に駆動力を供給するための回転駆動手段と、
上記回転駆動手段の回転数を検出する回転数検出手段と、上記回転数の所定時間あたりの変化量を検出する回転数変化量検出手段とを備え、
上記制御手段は、上記メーター画像に、上記回転数検出手段および上記回転数変化量検出手段による検出結果を表示させることを特徴とする請求項13に記載の乗物。
【請求項16】
画像を表示する表示手段に、物理量の値を示すメーター画像を表示する表示方法であって、
上記物理量の値を示すメーター画像に、当該物理量の値とともに、当該物理量の所定時間あたりの変化量を表示させることを特徴とする表示方法。
【請求項17】
乗物に搭載される表示装置に、上記乗物の速度を表示する表示方法であって、
上記速度を示す速度メーター画像に、速度とともに、速度の所定時間あたりの変化量を表示させることを特徴とする表示方法。
【請求項18】
乗物に搭載される表示装置に、上記乗物に駆動力を供給するための回転駆動手段の回転数を表示する表示方法であって、
上記回転数を示すタコメーター画像に、回転数とともに、回転数の所定時間あたりの変化量を表示させることを特徴とする表示方法。
【請求項19】
画像を表示する表示手段を備え、上記表示手段に物理量の値を示すメーター画像を表示する表示装置に備えられたコンピューターを、
上記物理量の値を示すメーター画像に、当該物理量の値とともに、当該物理量の所定時間あたりの変化量を表示させるための制御手段として機能させるための表示プログラム。
【請求項20】
請求項19に記載の表示プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
画像を表示する表示手段と、上記表示手段に表示する画像を制御する制御手段とを備え、上記表示手段に物理量の値を示すメーター画像を表示する表示装置であって、
上記制御手段は、上記物理量の値を示すメーター画像に、当該物理量の値とともに、当該物理量の所定時間あたりの変化量を表示させることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記メーター画像の形状を変化させることによって表示することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
上記メーター画像は、複数のパーツ画像によって構成され、
上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記パーツ画像の形状を変化させることによって表示することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記パーツ画像の表示面積を変化させることによって表示することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
上記メーター画像は、上記パーツ画像として、表示する物理量の値に対応する位置を指し示す針画像を含み、
上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記針画像の形状を変化させることによって表示することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
上記メーター画像は、上記パーツ画像として、当該パーツ画像の少なくとも一部が立体的に表示された立体画像を含み、
上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記立体画像における一方向の長さを変化させることによって表示することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項7】
上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記メーター画像の色を変化させることによって表示することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
上記メーター画像は、複数のパーツ画像によって構成され、
上記制御手段は、上記物理量の所定時間あたりの変化量を、上記パーツ画像の色を変化させることによって表示することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
上記制御手段は、複数の上記メーター画像に、それぞれ異なる物理量とその所定時間あたりの変化量とを表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
上記制御手段は、複数種類の物理量と当該各物理量の所定時間あたりの変化量とを、1つのメーター画像に表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
上記メーター画像は、当該メーター画像内における背景である計器板画像と、上記計器板画像上に表示され、上記計器板画像における特定の位置を軸として回転する針画像と、上記計器板画像を立体的に表示するための立体画像とからなり、
上記制御手段は、
上記針画像が指し示す位置と、上記針画像の形状と、上記立体画像の形状と、上記メーター画像における少なくとも一部の色と、を変化させることにより、
異なる2種類の物理量と当該各物理量の所定時間あたりの変化量とを1つのメーター画像に表示させることを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
上記物理量を検出する物理量検出手段と、上記物理量の所定時間あたりの変化量を検出する変化量検出手段とを備え、
上記制御手段は、上記メーター画像に、上記物理量検出手段および上記変化量検出手段による検出結果を表示させることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項13】
画像を表示する表示手段と、上記表示手段に表示する画像を制御する制御手段とを備え、上記表示手段に物理量の値を示すメーター画像を表示する表示装置であって、
上記制御手段が、上記物理量の値を示すメーター画像に、当該物理量の値とともに、当該物理量の所定時間あたりの変化量を表示させる表示装置、を備えていることを特徴とする乗物。
【請求項14】
速度を検出する速度検出手段と、上記速度の所定時間あたりの変化量を検出する加速度検出手段とを備え、
上記制御手段は、上記メーター画像に、上記速度検出手段および上記加速度検出手段による検出結果を表示させることを特徴とする請求項13に記載の乗物。
【請求項15】
上記乗物に駆動力を供給するための回転駆動手段と、
上記回転駆動手段の回転数を検出する回転数検出手段と、上記回転数の所定時間あたりの変化量を検出する回転数変化量検出手段とを備え、
上記制御手段は、上記メーター画像に、上記回転数検出手段および上記回転数変化量検出手段による検出結果を表示させることを特徴とする請求項13に記載の乗物。
【請求項16】
画像を表示する表示手段に、物理量の値を示すメーター画像を表示する表示方法であって、
上記物理量の値を示すメーター画像に、当該物理量の値とともに、当該物理量の所定時間あたりの変化量を表示させることを特徴とする表示方法。
【請求項17】
乗物に搭載される表示装置に、上記乗物の速度を表示する表示方法であって、
上記速度を示す速度メーター画像に、速度とともに、速度の所定時間あたりの変化量を表示させることを特徴とする表示方法。
【請求項18】
乗物に搭載される表示装置に、上記乗物に駆動力を供給するための回転駆動手段の回転数を表示する表示方法であって、
上記回転数を示すタコメーター画像に、回転数とともに、回転数の所定時間あたりの変化量を表示させることを特徴とする表示方法。
【請求項19】
画像を表示する表示手段を備え、上記表示手段に物理量の値を示すメーター画像を表示する表示装置に備えられたコンピューターを、
上記物理量の値を示すメーター画像に、当該物理量の値とともに、当該物理量の所定時間あたりの変化量を表示させるための制御手段として機能させるための表示プログラム。
【請求項20】
請求項19に記載の表示プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
【図1(a)】
【図1(b)】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図6】
【図7(a)】
【図7(b)】
【図8】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図10】
【図11(a)】
【図11(b)】
【図12】
【図13(a)】
【図13(b)】
【図1(b)】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図6】
【図7(a)】
【図7(b)】
【図8】
【図9(a)】
【図9(b)】
【図10】
【図11(a)】
【図11(b)】
【図12】
【図13(a)】
【図13(b)】
【公表番号】特表2007−538227(P2007−538227A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545829(P2006−545829)
【出願日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【国際出願番号】PCT/JP2005/010545
【国際公開番号】WO2005/120881
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【国際出願番号】PCT/JP2005/010545
【国際公開番号】WO2005/120881
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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