説明

表示装置、及び画面サイズの変更制限方法

【課題】周囲の状況に応じた画面サイズでの使用を促し、周囲への影響を低減することができる表示装置、及び画面サイズの変更制限方法を提供する。
【解決手段】画像を表示する画面15のサイズ変更に伴い空間内での占有スペースが増減する表示装置11であって、画面15のサイズ情報と周囲情報とを取得すると共に、取得した周囲情報に応じて画面15の拡大可能サイズを設定し、画面15のサイズが拡大可能サイズよりも小さくなるように画面15の拡大方向へのサイズ変更を制限する制御部を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図や画像を表示する画面のサイズを変更可能な表示装置、及びそのような表示装置における画面サイズの変更制限方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リールに巻き付けられた電子ペーパを巻き解くことによって画面を出現させると共に、巻き解かれた電子ペーパを再びリールに巻き取ることによって画面のサイズを変更可能な表示装置が知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
すなわち、特許文献1の表示装置では、利用者が書き込みボタンを押すと、リールが回転して巻物状の電子ペーパを画面サイズが拡大するように巻き解くと共に、該電子ペーパの画面上に情報を表示する。そして、利用者が消去ボタンを押すと、リールが逆回転して電子ペーパを画面サイズが縮小するように巻き取ると共に、該電子ペーパの画面上から情報を消去するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−279774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の表示装置の場合は、電子ペーパを巻き解くことにより、画面サイズを利用者が任意に大きく変更することができる。そして、そのように画面サイズが拡大すると、空間内での表示装置の占有スペースも大きくなる。そのため、例えば車内や混雑した場所で、電子ペーパを利用者が画面サイズを大きく拡げた状態で使用すると、表示装置の占有スペースが大きくなってしまい、周囲に影響を及ぼす虞がある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、周囲の状況に応じた画面サイズでの使用を促し、周囲への影響を低減することができる表示装置、及び画面サイズの変更制限方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、本発明の表示装置は、画像を表示する画面のサイズ変更に伴い空間内での占有スペースが増減する表示装置であって、前記画面のサイズ情報を取得するサイズ情報取得手段と、周囲の情報を取得する周囲情報取得手段と、該周囲情報取得手段が取得した周囲情報に応じて前記画面の拡大可能サイズを設定する設定手段と、前記サイズ情報取得手段が取得する前記画面のサイズが前記設定手段により設定された前記拡大可能サイズよりも小さくなるように前記画面の拡大方向へのサイズ変更を制限する拡大制限手段とを備えたことを要旨とする。
【0008】
この発明によれば、周囲情報に応じて画面の拡大可能サイズを設定し、拡大制限手段が拡大可能サイズよりも画面のサイズが小さくなるように画面の拡大方向へのサイズ変更を制限する。したがって、例えば車内や人混みで使用する場合でも、周囲の状況に応じた相対的に小さな画面サイズでの使用を促し、周囲への影響を低減することができる。
【0009】
本発明の表示装置において、前記拡大制限手段は、前記周囲情報取得手段が取得した前記周囲情報に基づいて前記表示装置が車内で使用されていると判断した場合には、少なくとも鉛直方向に対する拡大方向への前記画面のサイズ変更を制限することを要旨とする。
【0010】
この発明によれば、表示装置を車内で使用する場合に少なくとも鉛直方向への画面の拡大変更を制限することができるため、運転者の視界を確保することができる。
本発明の表示装置において、前記拡大制限手段は、前記周囲情報取得手段が取得した前記周囲情報に基づいて前記表示装置が助手席で使用されていると判断した場合には、さらに運転席と前記助手席とを結ぶ方向に対する拡大方向への前記画面のサイズ変更を制限することを要旨とする。
【0011】
この発明によれば、表示装置を助手席で使用する場合には、運転席と助手席とを結ぶ方向への画面の拡大変更を制限することにより、表示装置と運転者との衝突を抑制することができる。
【0012】
本発明の表示装置は、周囲の物との許容間隔を記憶した記憶手段と、周囲の物との間隔を検出可能な間隔検出手段とをさらに備え、前記周囲情報取得手段は、前記間隔検出手段が検出した間隔情報を前記周囲情報として取得し、前記設定手段は、前記間隔情報に基づいて前記周囲の物との間隔が前記許容間隔よりも大きくなるように前記拡大可能サイズを設定することを要旨とする。
【0013】
この発明によれば、間隔検出手段によって表示装置と周囲の物との間隔を検出することにより、画面を拡大する際に表示装置が周囲の物に衝突してしまう虞を低減することができる。
【0014】
また、上記問題点を解決するために、本発明の画面サイズの変更制限方法は、画像を表示可能であると共にサイズ変更に伴い空間内での占有スペースが増減する表示装置の画面のサイズ情報を取得するサイズ情報取得段階と、前記表示装置の周囲の情報を取得する周囲情報取得段階と、該周囲情報取得段階において取得した周囲情報に基づいて前記画面の拡大可能サイズを設定する設定段階と、前記拡大可能サイズよりも前記画面のサイズが小さくなるように前記画面の拡大方向へのサイズ変更を制限する拡大制限段階とを備えることを要旨とする。
【0015】
この発明によれば、上記表示装置に係る発明と同様の作用効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(a)、(b)は第1の実施形態における表示装置の模式平面図。
【図2】表示装置のブロック図。
【図3】拡大制限ルーチンのフローチャート。
【図4】表示装置を左右方向へ拡大する場合の車内の模式平面図。
【図5】表示装置を前後方向へ拡大する場合の車内の模式平面図。
【図6】第2の実施形態における表示装置のブロック図。
【図7】拡大制限ルーチンのフローチャート。
【図8】第3の実施形態における表示装置のブロック図。
【図9】拡大制限ルーチンのフローチャート。
【図10】(a)、(b)は、変形例1の表示装置の斜視図。
【図11】(a)、(b)は、変形例2の表示装置の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明を画面に地図などの画像を表示する表示装置に具体化した第1の実施形態を図1〜図5に従って説明する。
【0018】
図1に示すように、表示装置11は、軸方向の両端が閉塞された筒状のケース12の内部にケース12の軸方向に沿う棒状のリール13を回転自在に支持するとともに、そのリール13に対して可撓性を有する帯状の電子ペーパ14を巻着している。電子ペーパ14は、公知のマイクロカプセル型電気泳動方式によって画面15の表示内容を電気的に書き換え可能なフィルム積層構造の電子ペーパ14であり、ケース12の側壁には電子ペーパ14の通過を許容するスリット12aがケース12の軸方向に沿って延びるように形成されている。そして、電子ペーパ14は、その長さ方向の基端がリール13に固着される一方、その自由端である先端がケース12のスリット12aを介してケース12外へ引き出し可能とされている。
【0019】
すなわち、リール13が電子ペーパ14を巻き解くように正回転した場合には、ケース12内に巻物状に収容されていた電子ペーパ14の先端側が図1(a)に示すようにケース12外へ繰り出され、利用者によって画面15の視認が可能になる。そして、図1(a)に示す状態からさらにリール13が正回転すると、図1(b)に示すように、さらに電子ペーパ14の先端側がケース12外へ繰り出され、ケース12外に位置して利用者が視認可能な画面15のサイズが大きくなる。すなわち、電子ペーパ14が巻き解かれてケース12外へ繰り出されるほど画面15のサイズは拡大し、表示装置11が空間内で占有するスペースが増加する。
【0020】
また、図1(b)に示す状態からリール13が電子ペーパ14を巻き取るように逆回転した場合には、電子ペーパ14がリール13に巻き取られることにより、図1(a)に示す状態のように視認可能な画面15のサイズは小さくなる。そして、リール13がさらに逆回転すると、電子ペーパ14の自由端である先端がスリット12aを介してケース12へ引き入れられ、電子ペーパ14はケース12内に巻物状に収容される。したがって、電子ペーパ14がリール13に巻き取られるほど画面15のサイズは縮小し、表示装置11の空間内での占有スペースが減少する。
【0021】
図2に示すように、表示装置11は、車両に搭載されて目的地までの経路を案内するナビゲーション装置17と通信可能に接続されている。すなわち、ナビゲーション装置17は、ナビゲーションECU18によって出力する車両情報(周囲情報)を決定し、ナビゲーションECU18に接続された出力手段としての出力部19から車両情報を表示装置11に出力している。
【0022】
なお、車両情報とは、表示装置11が使用される周囲の様子を表す情報であり、本実施形態における車両情報には、ナビゲーション装置17が搭載された車両が走行中であるか停止中であるかを示す走行情報と、車内において表示装置11が使用される位置を示す位置情報とが含まれている。また出力部19は、無線通信器によって構成され、車内に対して車両情報を表す無線信号を出力するようになっている。
【0023】
そして、図2に示すように、表示装置11は、受信手段としての受信部21、サイズ検出センサ22、加速度センサ23、操作部24、画面15、記憶部25、読取部26、モータ27が、制御部28に対して通信可能にそれぞれ接続されている。そして、制御部28は、受信部21、サイズ検出センサ22、加速度センサ23、操作部24、記憶部25、読取部26から取得した各情報に基づいて、画面15の表示制御を行うと共に、モータ27の駆動制御を行うようになっている。
【0024】
具体的には、受信部21は、ナビゲーション装置17の出力部19から出力された車両情報を受信すると共に、受信した車両情報(周囲情報)を制御部28に出力する。したがって、この点で、制御部28は周囲情報取得手段としても機能している。
【0025】
そして、サイズ検出センサ22は、ケース12から繰り出された電子ペーパ14における画面15のサイズを検出し、検出した画面15のサイズを表すサイズ情報を制御部28に出力する。したがって、この点で、制御部28は、サイズ情報取得手段としても機能している。
【0026】
また、加速度センサ23は、表示装置11が使用されるときの姿勢向きを検出し、電子ペーパ14の拡大可能な方向を拡大方向情報として制御部28に出力する。すなわち、電子ペーパ14は、ケース12の側面に形成されたスリット12aから出し入れされるため、加速度センサ23が検出した拡大方向情報に基づいて画面15の拡大方向(電子ペーパ14が繰り出される方向)を算出することができる。
【0027】
そして、操作部24は、利用者によって操作されることにより、画面15に表示される画像の選択や、画面15の拡大及び縮小指示の入力が可能になっている。さらに、記憶部25には、表示装置11が使用されるときの姿勢向きと対応付けて画面15の拡大制限閾値が記憶されている。また、読取部26には、メモリカード30を差込可能なカードスロット31が接続されている。この読取部26は、カードスロット31にメモリカード30が差し込まれることにより、メモリカード30に記憶された地図や画像、動画、文字などの情報を読み取り可能になっている。
【0028】
そして、モータ27は、制御部28の制御によって正転駆動及び逆転駆動可能であって、正転駆動されることによりリール13を正回転させると共に、逆転駆動されることによりリール13を逆回転させる。すなわち、制御部28は、操作部24が操作されて拡大指示が入力された場合には、モータ27を正転駆動させることにより電子ペーパ14の先端側をケース12外へ送り出し、さらに画面15に画像を表示する。一方、操作部24が操作されて縮小指示が入力された場合には、制御部28はモータ27を逆転駆動させることにより電子ペーパ14の先端側をケース12内に回収し、画面15の表示を消去する。
【0029】
次に、周囲の状態に応じて画面15のサイズを制限する拡大制限ルーチン(画面サイズの変更制限方法)について、図3に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、本実施形態の表示装置11は、電源がオンされている間、操作部24の操作に伴って画面サイズの変更が可能となっているため、このフローチャートは、表示装置11の電源がオン状態の間、繰り返し実行される。
【0030】
ただし、以下における明細書中の説明において、「左右方向」、「上下方向」、「前後方向」をいう場合は、図4に矢印で示した方向を基準として示すものとする。すなわち、左右方向は運転席33と助手席34とを結ぶ方向、上下方向は鉛直方向、前後方向は車両の進行方向をそれぞれ示すものとする。
【0031】
図3に示すように、ステップS101において、制御部28は、受信部21が出力部19と通信可能な状態であるか否かを判断する。なお、出力部19からは、車内に対して車両情報が出力されている。そのため、制御部28は、受信部21が車両情報を受信することができない場合には、出力部19と通信不能であると判断する(ステップS101:NO)。すなわち、この場合には、利用者が車両の外で表示装置11を使用しており、表示装置11が車両の運転操作に影響を与える虞がない。そこで、ステップS102において、制御部28は、画面15の拡大可能サイズを全ての方向において最大に設定する。
【0032】
その一方、ステップS101において、受信部21が車両情報を受信することができる場合には、制御部28は、出力部19と通信可能であると判断する(ステップS101:YES)。すなわち、この場合には、利用者が車両の中で表示装置11を使用している。そこで、ステップS103において、制御部28は、出力部19から出力されて受信部21が受信した車両情報を取得する(周囲情報取得段階)。
【0033】
さらに、ステップS104において、制御部28は、取得した車両情報に基づいて車両が走行中であるか否かを判断する。すなわち、出力部19から出力された車両情報には、走行情報が含まれているため、該走行情報に基づいて車両が走行中であるのか停止中であるのかを判断することができる。
【0034】
そして、制御部28は、車両が停止中である(ステップS104:NO)と判断した場合には、表示装置11が運転操作に影響を及ぼさないため、ステップS102に移行して、電子ペーパ14の拡大可能サイズを全ての方向において最大に設定する(設定段階)。したがって、この点で、制御部28は、設定手段としても機能している。
【0035】
一方、車両が走行中である(ステップS104:YES)と判断した場合には、ステップS105において、制御部28は、取得した車両情報に含まれる位置情報に基づいて表示装置11が使用される場所が助手席34であるか否かを判断する。
【0036】
そして、表示装置11が助手席34で使用されている(ステップS105:YES)と判断した場合には、ステップS106において、制御部28は、左右方向に対する画面15の拡大可能サイズを記憶部25に左右方向と対応付けて記憶された拡大制限閾値に設定する(設定段階)。さらに、ステップS107において、制御部28は、上下方向に対する画面15の拡大可能サイズを記憶部25に上下方向と対応づけて記憶された拡大制限閾値に設定する(設定段階)。
【0037】
なお、本実施形態における左右方向に対応付けて記憶された拡大制限閾値は、表示装置11のサイズが助手席34の幅程度になるように設定されている(図4参照)。また、上下方向に対応付けて記憶された拡大制限閾値は、表示装置11のサイズが座席からダッシュボードの高さ程度になるように設定されている。
【0038】
一方、先のステップS105において、表示装置11の使用場所が助手席34ではない(ステップS105:NO)と判断した場合には、ステップS108において、制御部28は、車両情報(位置情報)に基づいて表示装置11が使用される場所が後部座席(図示略)であるか否かを判断する。
【0039】
そして、表示装置11が後部座席で使用されていない(ステップS108:NO)と判断した場合には、制御部28は、表示装置11が運転席33で使用されていると判断する。そして、次のステップS109において、制御部28は、画面15の表示内容を制御することにより、走行中の運転席33での表示装置11の使用は禁止である旨の使用禁止メッセージを画面15に表示し、ステップS101に移行する。
【0040】
一方、表示装置11が後部座席で使用されている(ステップS108:YES)と判断した場合には、制御部28は、ステップS107に移行して上下方向に対する拡大可能サイズを設定する(設定段階)。
【0041】
さて、画面15の拡大可能サイズが設定されると、続くステップS110において、制御部28は、サイズ検出センサ22が検出した画面15のサイズ情報を取得する(サイズ情報取得段階)。さらに、ステップS111において、制御部28は、加速度センサ23から拡大方向情報を取得する。
【0042】
そして、ステップS112において、制御部28は、左右方向と上下方向の各方向に対する画面15のサイズが拡大可能サイズ以下となっているか否かを判断する。なお、車内および車外での使用に係わらず、前後方向に対する拡大可能サイズは最大になっている。また、表示装置11が左右方向もしくは上下方向に対して斜めに傾いた状態で使用されている場合には、制御部28は、拡大方向情報に基づいて各方向における実質的な占有スペースを算出し、算出結果と各方向における拡大可能サイズとをそれぞれ比較する。
【0043】
そして、制御部28は、全方向において画面15のサイズが拡大可能サイズ以下である(ステップS112:YES)と判断した場合には、ステップS113において、操作部24の操作に基づいて表示指示された画像などを画面15に表示した後、本拡大制御ルーチンを終了する。
【0044】
一方、少なくとも1方向において、画面15のサイズが拡大可能サイズよりも大きい(ステップS112:NO)と判断した場合には、ステップS114において、制御部28は、画面15に縮小案内メッセージを表示する(拡大制限段階)。なお、縮小案内メッセージとは、利用者に画面15のサイズをさらに縮小するように促すメッセージである。すなわち、1方向でも画面15のサイズが拡大可能サイズよりも大きい場合には、その方向に対する拡大方向への画面15のサイズ変更が制限されるようになっている。したがって、この点で、制御部28は、拡大制限手段としても機能している。
【0045】
そして、制御部28は、ステップS110に移行し、画面15のサイズが全方向において拡大可能サイズ以下となるまでステップS110〜S112、及びステップS114を繰り返し実行する。
【0046】
次に、図4及び図5に基づいて、表示装置11を助手席34で使用する場合を例に画面15の拡大制限について説明する。
図4に示すように、表示装置11が実線で示す拡大可能サイズよりも大きな状態(例えば、点線で示す状態)で使用された場合には、画面15には縮小案内メッセージが表示される。そのため、利用者が縮小案内メッセージに従って操作部24を操作して縮小指示を入力すると、電子ペーパ14の基端側(図4では左端側)の部分がケース12に回収され、表示装置11の占有スペースが小さくなる。そして、画面15のサイズが実線で示す拡大可能サイズとなると、画面15には縮小案内メッセージに代わり、地図などの表示が可能となる。
【0047】
また、上下方向に拡大可能に使用する場合(図示略)にも、左右方向に拡大可能に使用する場合と同様に拡大可能サイズよりも大きな状態で使用された場合には、画面15には縮小案内メッセージが表示される。そして、画面15が縮小されてそのサイズが拡大可能サイズとなると、画面15には地図などの表示が可能となる。
【0048】
さらに、前後方向への拡大は運転操作に影響を及ぼさないため、前後方向の拡大可能サイズは最大に設定される。そのため、図5に示すように、表示装置11が前後方向に拡大可能に使用される場合には、画面15のサイズに係わらずに画面15には地図などの表示が可能となる。
【0049】
上記第1の実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)車両情報に応じて画面15の拡大可能サイズを設定し、画面15のサイズが拡大可能サイズよりも大きい場合には、画面15に縮小案内メッセージが表示することにより、画面15の拡大方向へのサイズ変更を抑制することができる。したがって、例えば表示装置11を車内で使用する場合でも、使用する位置に対応した画面15のサイズでの使用を促し、運転操作への影響を低減することができる。
【0050】
(2)表示装置11を車内で使用する場合に上下方向への画面15の拡大変更を制限することができるため、運転者の視界を確保することができる。
(3)表示装置を助手席34で使用する場合には、運転席33と助手席34とを結ぶ左右方向への画面15の拡大変更を制限することにより、表示装置11と運転者との衝突を抑制することができる。
【0051】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図6,図7に従って説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態とは受信部21の代わりにカメラ36を備えた点でのみ構成が相違しており、その他の構成は共通している。そのため、同様の構成部分については同一符号を付すことにして、その詳細な重複説明を省略する。
【0052】
図6に示すように、制御部28には、撮影手段としてのカメラ36が接続されている。なお、カメラ36は、表示装置11の周囲の様子を撮影し、撮影した画像情報(周囲情報)を制御部28に出力する。したがって、この点で、制御部28は、周囲情報取得手段としても機能している。
【0053】
また、本実施形態における記憶部25には、混雑する場所や車内などの画面15の拡大制限を行う条件ごとに、画面15の拡大を制限する方向と拡大制限閾値とがそれぞれ対応付けて記憶されている。
【0054】
すなわち、車内での使用に関しては、第1の実施形態と同様の拡大制限閾値が記憶されている。さらに、例えば電車内などの混雑した場所と対応付けた拡大制限閾値は、混雑度合に応じて段階的に記憶されている。
【0055】
拡大制限閾値の一例としては、人と接触する程の混雑状況と対応付けて、前後方向にはケース12の軸方向及び拡大方向と直交する方向(図1における奥行方向)に対するケース12の厚み程度の閾値、左右方向に人の肩幅の半分程度の閾値、さらに、上下方向に人の頭のサイズ程度の閾値と記憶されている。さらに一例として、人と接触しない程度の混雑状況と対応付けて、前後方向にはケース12の軸方向に対する電子ペーパ14の幅程度の閾値、左右方向に人の肩幅程度の閾値、さらに、上下方向へ最大となる閾値と記憶されている。
【0056】
次に、カメラ36が撮影した画像情報に基づいて画面15のサイズを制限する拡大制限ルーチン(画面サイズの変更制限方法)について、図7に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、このフローチャートは、表示装置11の電源がオン状態の間、繰り返し実行される。
【0057】
図7に示すように、ステップS201において、制御部28は、カメラ36が撮影した画像情報(周囲情報)を取得する(周囲情報取得段階)。そして、ステップS202において、制御部28は、画像情報を解析して表示装置11が使用されている場所が自動車の車内であるか否かを判断する。
【0058】
表示装置11が車両の外で使用されている(ステップS202:NO)と判断した場合には、制御部28は、さらにステップS203において、表示装置11が使用されている場所が混雑場所であるか否かを判断する。
【0059】
すなわち、例えば、撮影した画像に多くの人が写っていると判断した場合には、制御部28は、表示装置11が混雑場所で使用されている(ステップS203:YES)と判断し、ステップS204において、まず混雑状況を特定する。そして、制御部28は、特定された混雑状況と対応する拡大制限閾値を記憶部25から読み出し、拡大制限閾値に基づいて各方向の拡大可能サイズを設定する(設定段階)。したがって、この点で、制御部28は設定手段としても機能している。
【0060】
また、ステップS203において、表示装置11が使用される場所が混雑場所ではない(ステップS203:NO)と判断した場合には、ステップS205において、制御部28は、全方向の拡大可能サイズを最大に設定する(設定段階)。
【0061】
一方、先のステップS202において、利用者が車内で表示装置11を使用している(ステップS202:YES)と判断すると、ステップS206において、制御部28は、画像情報に基づいて表示装置11が使用される場所が助手席34であるか否かを判断する。
【0062】
そして、表示装置11が助手席34で使用されている(ステップS206:YES)と判断した場合には、ステップS207において、制御部28は、ステップS106と同様に左右方向への拡大可能サイズを記憶部25に記憶された拡大制限閾値に設定する(設定段階)。さらに、ステップS208において、制御部28は、ステップS107と同様に上下方向への拡大可能サイズを記憶部25に記憶された拡大制限閾値に設定する(設定段階)。
【0063】
また、ステップS206において、表示装置11の使用場所が助手席34ではない(ステップS206:NO)と判断した場合には、ステップS209において、制御部28は、画像情報に基づいて表示装置11が使用される場所が後部座席であるか否かを判断する。
【0064】
そして、表示装置11が後部座席で使用されていない(ステップS209:NO)と判断した場合には、制御部28は、表示装置11が運転席33で使用されていると判断する。そこで、ステップS210において、制御部28は、全方向の拡大可能サイズをゼロに設定する(設定段階)。
【0065】
一方、表示装置11が後部座席で使用されている(ステップS209:YES)、と判断した場合には、制御部28は、ステップS208に移行して上下方向に対する拡大可能サイズを設定する(設定段階)。
【0066】
さて、画面15の拡大可能サイズが設定されると、続くステップS211において、制御部28は、サイズ検出センサ22が検出した画面15のサイズ情報を取得する(サイズ情報取得段階)。したがって、この点で、制御部28は、サイズ情報取得手段としても機能している。
【0067】
さらに、ステップS212において、制御部28は、加速度センサ23から拡大方向情報を取得する。そして、ステップS213において、制御部28は、ステップS112と同様に各方向に対する画面15のサイズがそれぞれ拡大可能サイズ以下となっているか否かを判断する。
【0068】
そして、制御部28は、全方向において画面15のサイズが拡大可能サイズ以下である(ステップS213:YES)と判断した場合には、ステップS214において、操作部24の操作に基づいて表示指示された画像などを画面15に表示する。
【0069】
一方、少なくとも1方向において、画面15のサイズが拡大可能サイズよりも大きい(ステップS213:NO)と判断した場合には、ステップS215において、制御部28は、モータ27を逆転駆動して電子ペーパ14を強制的に巻き取ることにより、ケース12外に位置している画面15を縮小する(拡大制限段階)。したがって、この点で、制御部28は、拡大制限手段としても機能している。
【0070】
そして、制御部28は、ステップS211に移行し、ステップS211〜S213、及びステップS215を繰り返し実行することにより、画面15のサイズが拡大可能サイズ以下となるまで、モータ27を逆転駆動する。
【0071】
そこで次に、このような表示装置11の作用について説明する。
なお、カメラ36は、表示装置11の電源がON状態とされる間、常に周囲を撮影し、撮影した画像情報を制御部28に出力しているものとする。
【0072】
そのため、表示装置11の利用者が電子ペーパ14をケース12から大きく引き出した状態のまま混雑場所や車内に移動すると、使用場所に合わせた拡大可能サイズとなるように、電子ペーパ14が自動的にケース12内に回収される。なお、この状態で操作部24が操作され拡大指示が入力された場合であっても、画面15のサイズは維持される。
【0073】
そして、利用者によって、表示装置11の姿勢向きが変更されたり、混雑していない場所や車外へ移動した場合には、表示装置11の画面15は再び拡大可能となる。そのため、拡大指示の入力に伴って電子ペーパ14がケース12外に繰り出され、画面15のサイズが拡大される。
【0074】
上記第2の実施形態によれば、第1の実施形態における(1)〜(3)の効果に加えて、さらに以下のような効果を得ることができる。
(4)カメラ36が撮影した画像情報に基づいて画面15の拡大可能サイズを設定し、制御部28が拡大可能サイズよりも画面15のサイズが小さくなるようにモータ27の駆動を制御する。すなわち、拡大可能サイズよりも画面15のサイズが大きい場合には、制御部28がモータ27を逆転駆動することにより、電子ペーパ14がケース12内に回収されて画面15のサイズが縮小される。さらに、制御部28は、拡大可能サイズよりも画面15のサイズを大きくするような拡大指示が入力された場合にも、画面15の拡大方向へのサイズ変更を制限する。したがって、例えば表示装置11を車内や人混みで使用する場合でも、周囲の状況に応じた相対的に小さな画面サイズでの使用を促し、周囲への影響を低減することができる。
【0075】
(5)表示装置11は、自動的に画面15のサイズ変更をするため、利用者の手を煩わせることなく周囲の状態に合わせた適切な画面15のサイズでの使用を促すことができる。
【0076】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図8,図9に従って説明する。なお、第3の実施形態は、モータ27を用いずに利用者が手動で電子ペーパ14をケース12から出し入れする。そのため、第3の実施形態は、第2の実施形態とは制御部28に接続される部材構成が相違しており、その他の構成は共通しているため、同様の構成部分については同一符号を付すことにして、その詳細な重複説明を省略する。
【0077】
さて、図8に示すように、制御部28には、間隔検出手段としての測距センサ38、サイズ検出センサ22、操作部24、ロック機構39、画面15、記憶手段としての記憶部25、読取部26が接続されている。なお、本実施形態における記憶部25には、周囲の物と表示装置11との衝突を抑制するために、表示装置11と周囲の物との許容間隔が記憶されている。
【0078】
測距センサ38は、表示装置11の拡大方向(電子ペーパ14が引き出される方向)に対して、表示装置11の両端にそれぞれ設けられている。すなわち、測距センサ38は、電子ペーパ14において一番先にケース12外に引き出される先端部に設けられると共に、ケース12におけるスリット12aが設けられた側面とは反対側の側面に設けられている。そして、測距センサ38は、画面15及びケース12と周囲の物との距離(間隔)をそれぞれ測定し、間隔情報(周囲情報)を制御部28に出力する。したがって、この点で、制御部28は、周囲情報取得手段としても機能している。
【0079】
また、ロック機構39は、リール13の正回転方向への回転を制限することにより、電子ペーパ14が引き出されるのを制限する。ただし、ロック機構39は、リール13の正回転方向への回転のみを制限し、逆回転方向への回転は許容する。したがって、制御部28がロック機構39を制御してリール13がロックされると、画面サイズの拡大は制限されるのに対し、縮小は許容されるようになっている。したがって、この点で、制御部28及びロック機構39は、拡大制限手段としても機能している。
【0080】
次に、測距センサ38が検出した間隔情報に基づいて画面15のサイズを制限する拡大制限ルーチン(画面サイズの変更制限方法)について、図9に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、電子ペーパ14は、電源をオフした状態でも画面15の画像表示を残すことができるため、このフローチャートは、画面15に画像が表示されている間、繰り返し実行される。
【0081】
図9に示すように、ステップS301において、制御部28は、測距センサ38が検出した間隔情報(周囲情報)を取得する(周囲情報取得段階)。そして、ステップS302において、制御部28は、サイズ検出センサ22が検出した画面15のサイズ情報を取得する(サイズ情報取得段階)。したがって、この点で、制御部28は、サイズ情報取得手段としても機能している。
【0082】
さらに、ステップS303において、制御部28は、間隔情報、サイズ情報、及び記憶部25に記憶された間隔閾値に基づいて、拡大可能サイズを設定する(設定段階)。したがって、この点で、制御部28は、設定手段としても機能している。すなわち、制御部28は、サイズ情報に基づいて判断される現在の画面15のサイズと、間隔情報に基づいて現在の表示装置11と周囲の物との間隔を判断し、該間隔が間隔閾値となる画面15の拡大可能サイズを設定する。
【0083】
そして、ステップS304において、制御部28は、拡大方向に対する画面15のサイズが、拡大可能サイズ以下となっているか否かを判断する。
ステップS304において、拡大方向に対する画面15のサイズが拡大可能サイズよりも大きい(ステップS304:NO)と判断した場合には、ステップS305において、制御部28は、画面15の拡大を制限する(拡大制限段階)。すなわち、制御部28は、ロック機構39を制御してリール13の正回転方向の回転を制限する。さらに、ステップS306において、制御部28は、ステップS114と同様に画面15に縮小案内メッセージを表示して利用者に画面15を縮小するように促し、ステップS301へ移行する。
【0084】
一方、ステップS304において、拡大方向に対する画面15のサイズが拡大可能サイズ以下である(ステップS304:YES)と判断した場合には、ステップS307において、制御部28は、拡大規制を解除する。すなわち、制御部28は、ロック機構39によるリール13の回転制限を解除し、リール13の正回転方向への回転を許容する。さらに、ステップS308において、制御部28は、操作部24の操作に基づいて表示指示された画像などを画面15に表示する。
【0085】
そこで次に、このような表示装置11の作用について説明する。
なお、測距センサ38は、画面15に画像が表示されている間、周囲の物と表示装置11との間隔を検出すると共に、検出した間隔情報を制御部28に出力し、制御部28は周囲の物との間隔に基づいて画面15の拡大可能サイズを更新している。
【0086】
そのため、表示装置11の利用者が電子ペーパ14をケース12から引き出して画面15の拡大可能サイズとなると、電子ペーパ14の引き出しが制限されて画面15には縮小を促すメッセージが表示される。すなわち、画面15の拡大方向へのサイズ変更が制限される。
【0087】
また、画面15に利用者が指示した画像が表示された状態であっても、利用者によって表示装置11の向きや位置が変更されることにより、さらに拡大可能サイズが縮小された場合には、画面15に縮小案内メッセージが表示される。なお、この縮小案内メッセージは、利用者が電子ペーパ14をケース12内に戻して画面15のサイズを縮小することにより消えるようになっている。すなわち、画面15のサイズが拡大可能サイズよりも小さくなると、縮小案内メッセージに代わって利用者が表示指示した画像が画面15に表示される。
【0088】
また、電子ペーパ14の引き出しが制限された状態から、表示装置11の姿勢向きや位置が変更されることにより、拡大可能サイズが拡大した場合には、電子ペーパ14の引き出しが許容される。ただし、電子ペーパ14が引き出され、画面15のサイズが新たに設定された拡大可能サイズとなると、再び電子ペーパ14の引き出しが制限される。
【0089】
上記第3の実施形態によれば、第1,第2の実施形態における(1)〜(5)の効果に加えて、さらに以下のような効果を得ることができる。
(6)間隔情報に応じて画面15の拡大可能サイズを設定し、制御部28が拡大可能サイズよりも画面15のサイズが小さくなるようにロック機構39を制御することにより、画面15の拡大方向へのサイズ変更を制限する。したがって、例えば車内や人混みで使用する場合でも、周囲の状況に応じた相対的に小さな画面サイズでの使用を促し、周囲への影響を低減することができる。
【0090】
(7)測距センサ38によって表示装置11と周囲の物との間隔を検出することにより、画面15を拡大する際に表示装置11が周囲の物に衝突してしまう虞を低減することができる。
【0091】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図10(a)に示すように、表示装置41は、液晶などの可撓性を有しない複数(本変形例では3つ)の表示プレート42をスライド機構(図示略)によって連結して構成してもよい。すなわち、図10(b)に示すように、表示装置41は、積層方向の一面側に各々画面43を有した表示プレート42同士を互いにスライド移動させることにより、利用者が視認可能な画面43のサイズが拡大する。さらに、画面43の拡大に伴って表示装置41の空間内(図10では左右方向)の占有スペースが増加するようになっている(第1変形例)。
【0092】
・図11(a)に示すように、表示装置44は、液晶などの可撓性を有しない複数(本変形例では3つ)の表示プレート45を蝶番機構46によって連結して構成してもよい。すなわち、図11(b)に示すように、表示装置44は、蝶番機構46を中心として各表示プレート45の画面47同士を広げることにより、利用者が視認可能な画面47のサイズが拡大する。さらに、画面47の拡大に伴って表示装置44の空間内(図11では左右方向)の占有スペースが増加するようになっている(第2変形例)。
【0093】
・上記各実施形態及び上記各変形例の構成及び画面15の拡大を制限する方法は、任意に組み合わせることができる。すなわち、例えば、可撓性を有する画面15をスライド機構や蝶番機構で連結してもよい。また、例えば画面15,43,47が拡大可能サイズよりも大きい場合には、画面15,43,47に縮小案内メッセージを表示すると共に、強制的に画面サイズを縮小するようにしてもよい。さらに、例えば、受信部21、カメラ36、測距センサ38のうち、複数の構成を備えるようにしてもよい。
【0094】
・上規各実施形態及び上記各変形例において、サイズ検出センサ22を設けない構成としてもよい。すなわち、例えば制御部28がリール13の回転数やモータ27の駆動状態から画面15のサイズを取得するようにしてもよい。
【0095】
・上記各実施形態及び上記各変形例において、加速度センサ23を設けない構成としてもよい。すなわち、例えば制御部28が画面15にどの向きに画像を表示するかによって表示装置11が使用される向きを判断してもよい。
【0096】
・上規各実施形態及び上記各変形例において、音声、警告音を発するスピーカや、振動を発生させるバイブレータなどを拡大制限手段として備え、音声、警告音、振動などによって利用者に画面15の縮小を促すことにより、画面サイズの拡大を制限してもよい。
【0097】
・上記第1の実施形態において、出力部19は、運転席33、助手席34、後部座席に向けてそれぞれ異なる車両情報を出力してもよい。すなわち、例えば、運転席33に向けて表示装置11が運転席33で使用されているという位置情報を出力し、助手席34に向けて表示装置11が助手席34で使用されているという位置情報を出力する。すると、受信する位置によって位置情報が変化するため、車内において表示装置11が使用される位置を容易に推定することができる。また、ナビゲーション装置17にカメラを設け、該カメラが撮影した画像に基づいて表示装置11が使用される位置を判断するようにしてもよい。さらに出力部19は、表示装置11と通信で可能であれば、ナビゲーション装置17とは別に設けられていてもよい。
【0098】
・上記第1,第2の実施形態において、車内において表示装置11が使用される位置の特定を行わないようにしてもよい。すなわち、表示装置11が使用されるのが車内か否かを判断し、上下方向に対する拡大方向への画面15のサイズ変更のみを制限するようにしてもよい。
【0099】
・上記第1の実施形態において、読取部26及びカードスロット31を設けずに、画面15に表示する画像の情報もナビゲーション装置17から取得してもよい。また、記憶部25を設けずに拡大制限閾値もナビゲーション装置17から取得してもよい。
【0100】
次に、上記実施形態及び変形例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)車両に搭載された出力手段から車内に向けて出力された車両情報を受信可能な受信手段をさらに備え、前記周囲情報取得手段は、前記受信手段が受信した前記車両情報を前記周囲情報として取得し、前記設定手段は、前記車両情報に基づき前記画面の前記拡大可能サイズを設定することを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の表示装置。
【0101】
この発明によれば、受信手段が出力手段から出力された車両情報を受信した場合には、表示装置が車内で使用されていることを容易に判断することができる。したがって、表示装置が車内で使用される場合には、車内での使用に応じた拡大可能サイズを設定し、該拡大可能サイズよりも小さくなるように画面サイズを制限することにより、運転者への影響を低減することができる。
【0102】
(ロ)周囲を撮影可能な撮影手段をさらに備え、前記周囲情報取得手段は、前記撮影手段が撮影した画像情報を前記周囲情報として取得し、前記設定手段は、前記画像情報に基づいて前記拡大可能サイズを設定することを特徴とする請求項1〜請求項4及び技術的思想(イ)のうち何れか一項に記載の表示装置。
【0103】
この発明によれば、撮影手段によって周囲の様子を撮影すると共に撮影手段が撮影した画像情報に基づいて画面の拡大可能サイズを設定することができる。したがって、人混みや電車内など、周囲の混雑状況に応じて画面のサイズを制限することができるため、周囲への影響を低減することができる。
【符号の説明】
【0104】
11,41,44…表示装置、15,43,47…画面、19…出力部(出力手段)、21…受信部(受信手段)、25…記憶部(記憶手段)、28…(サイズ情報取得手段、周囲情報取得手段、設定手段、拡大制限手段)、33…運転席、34…助手席、36…カメラ(撮影手段)、38…測距センサ(間隔検出手段)、39…ロック機構(拡大制限手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する画面のサイズ変更に伴い空間内での占有スペースが増減する表示装置であって、
前記画面のサイズ情報を取得するサイズ情報取得手段と、
周囲の情報を取得する周囲情報取得手段と、
該周囲情報取得手段が取得した周囲情報に応じて前記画面の拡大可能サイズを設定する設定手段と、
前記サイズ情報取得手段が取得する前記画面のサイズが前記設定手段により設定された前記拡大可能サイズよりも小さくなるように前記画面の拡大方向へのサイズ変更を制限する拡大制限手段と
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記拡大制限手段は、前記周囲情報取得手段が取得した前記周囲情報に基づいて前記表示装置が車内で使用されていると判断した場合には、少なくとも鉛直方向に対する拡大方向への前記画面のサイズ変更を制限することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記拡大制限手段は、前記周囲情報取得手段が取得した前記周囲情報に基づいて前記表示装置が助手席で使用されていると判断した場合には、さらに運転席と前記助手席とを結ぶ方向に対する拡大方向への前記画面のサイズ変更を制限することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
周囲の物との許容間隔を記憶した記憶手段と、
周囲の物との間隔を検出可能な間隔検出手段と
をさらに備え、
前記周囲情報取得手段は、前記間隔検出手段が検出した間隔情報を前記周囲情報として取得し、
前記設定手段は、前記間隔情報に基づいて前記周囲の物との間隔が前記許容間隔よりも大きくなるように前記拡大可能サイズを設定することを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
画像を表示可能であると共にサイズ変更に伴い空間内での占有スペースが増減する表示装置の画面のサイズ情報を取得するサイズ情報取得段階と、
前記表示装置の周囲の情報を取得する周囲情報取得段階と、
該周囲情報取得段階において取得した周囲情報に基づいて前記画面の拡大可能サイズを設定する設定段階と、
前記拡大可能サイズよりも前記画面のサイズが小さくなるように前記画面の拡大方向へのサイズ変更を制限する拡大制限段階と
を備えることを特徴とする画面サイズの変更制限方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−113048(P2012−113048A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−260183(P2010−260183)
【出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】