説明

表示装置、表示ユニット、電子機器、携帯電話、及び撮像装置

【課題】老眼鏡が無くても焦点が合う表示装置、表示ユニット、電子機器、携帯電話、及び撮像装置を提供する。
【解決手段】複数の光射出点群と、光射出点群を投影する複数のレンズと、を備える表示装置において、光射出点群は少なくとも一つの光射出点を有し、それぞれのレンズが光射出点群の像を重ねて投影されるように配置されており、レンズにより投影され重なった光射出点群の中の光射出点の重なりを観察者の眼の瞳に入射させることにより複数のレンズの投影像を観察者の眼の網膜上に生じせしめ、レンズによって投影される光射出点の大きさが観察者の眼の瞳径より小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、並びに、この表示装置を備えた、表示ユニット、電子機器、携帯電話、及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
映像や文字を表示する表示装置(ディスプレイ)として、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイがある。しかし、これらの表示装置は視度の調節が出来ない。高齢化社会の進展に伴って老眼(老視)の高齢者が増えており、視度調節が可能な表示装置、特にフラットパネルディスプレイ(FPD)が望まれている。携帯電話の普及やデジタルカメラの普及により、屋外でFPDによる表示を見る機会が増えている。更に本の代わりに電子ブックの利用も増加している。このように携帯電話やデジタルカメラ等のモバイル機器のFPDを見るときに、いちいち老眼鏡を掛け外しするのは非常に煩わしい。
【0003】
携帯電話は、電話として使用するよりも、メールの使用、ゲーム等の場面でFPDを見る機会が多い。また、デジタル一眼レフカメラには、ライブビューモニターとしてFPDが用いられているが、このデジタル一眼レフカメラにおいて、遠方の被写体を見つつ、ライブビューモニターを見るのに、いちいち老眼鏡を掛けたり外したりするのは、実際的ではない。さらに、撮影モードの変更等、モニターを利用したGUI(グラフィカルユーザインターフェイス)を使用することが多くモニターを見る必要性は高い。
【0004】
また、カーナビゲーションシステムのモニターを見るときは、観察者は運転中である。このため、老眼鏡を掛け外しするのは危険であり、老眼鏡の掛け外しは事実上不可能である。それ以外の場面として、パソコン(PC)の液晶画面を観察する時も、いちいち老眼鏡を掛けるのは観察者にとって煩わしい。したがって、老眼鏡を掛け外しすることなくモニターを見ることのできる電子機器が望まれている。
【0005】
すなわち、従来、老眼鏡を掛けなくても焦点の合った画像を見ることの出来るFPDは存在していなかった。また、その様なモニターを搭載した電子機器は無かった。しかるに、最近ではこのような問題は指摘されつつあり、特許文献1には、エッジ強調をした補正画像を表示する方法が提案されている。また、特許文献2にはテプリッツ行列の逆行列で生成した事前補正画像を用いる方法が提案されている。更に特許文献3にはルーペを用いる方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3552413号公報
【特許文献2】特開2007−128355号公報
【特許文献3】特開2009−63624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1によるエッジ強調の手法では、表示情報を多少見易くはするものの、デフォーカス像を回復することは不可能である。特許文献1における補正は、像がボケる原因のデフォーカスの情報を用いた補正ではないためである。
【0008】
また、特許文献2では、眼の焦点調節不足による点広がり関数からなるテプリッツ行列を元にして補正している。この場合、補正画像データに複素数は生じないものの、その結果、特許文献1と同じエッジ強調程度の補正に留まり、実際の効果は少なく実用には至っていない。
【0009】
更に、特許文献3では、フレネルレンズをデジタルカメラのモニターであるFPDの手前に取り付け、ルーペのようにFPDを覗く例が示されている。しかし、老眼の補正をする為には、フレネルレンズをFPDから数cm距離離す必要があり、実用的ではない。
【0010】
本発明は、上記問題点に鑑みて考案したもので、焦点が容易に合う表示装置、表示ユニット、電子機器、携帯電話、及び撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る表示装置は、複数の光射出点群と、光射出点群を投影する複数のレンズと、を備える表示装置において、光射出点群は少なくとも一つの光射出点を有し、それぞれのレンズが光射出点群の像を重ねて投影されるように配置されており、レンズにより投影され重なった光射出点群の中の光射出点の重なりを観察者の眼の瞳に入射させることにより複数のレンズの投影像を観察者の眼の網膜上に生じせしめ、レンズによって投影される光射出点の大きさが観察者の眼の瞳径より小さいことを特徴としている。
【0012】
本発明に係る表示装置において、光射出点群の像とレンズとの距離Ffが次式(1)を満たすことが好ましい。
−L/2≦Ff≦∞・・・(1)
但し、
Lはレンズと観察者の眼のレンズとの距離、
である。
【0013】
本発明に係る表示装置において、光射出点群のピッチPpとレンズのピッチLpが次式(2)を満たすことが好ましい。
Lp/Pp=L/(L+Fb) ・・・(2)
但し、
Fbは光射出点群とレンズの距離、
Lはレンズと観察者の眼のレンズとの距離、
である。
【0014】
本発明に係る表示装置においては、複数のレンズがマイクロレンズアレイで構成されることが好ましい。
【0015】
本発明に係る表示装置においては、少なくとも三色の光を発する光射出点を有することが好ましい。
【0016】
本発明に係る表示装置においては、異なる色のサブ情報画素で構成される情報画素を有し、サブ情報画素に対応してレンズが設けられていることが好ましい。
【0017】
本発明に係る表示装置においては、異なる色のサブ情報画素の光射出点が投影像で重なるように複数のサブ情報画素で1つの光射出点群を形成し1つのレンズに対応させていることが好ましい。
【0018】
本発明に係る表示装置においては、三色が赤、緑、青を含んでいることが好ましい。
【0019】
本発明に係る表示装置においては、情報画素が同じ繰り返しの三色のサブ情報画素で構成され、光射出点群を形成するサブ情報画素の数が2つ或いは4つであることが好ましい。
【0020】
本発明に係る表示装置においては、情報画素が異なる順序の三色のサブ情報画素で構成され、光射出点群を形成するサブ情報画素の数が3つであることが好ましい。
【0021】
本発明に係る表示装置においては、マイクロレンズアレイの有効寸法が表示画素を有する表示デバイスの表示寸法に等しいか、或いは大きいことが好ましい。
【0022】
本発明に係る表示装置においては、サブ情報画素の形状が短冊状であることが好ましい。
【0023】
本発明に係る表示装置においては、サブ情報画素2つに対してレンズが1つ設けられていることが好ましい。
【0024】
本発明に係る表示装置においては、サブ情報画素3つに対してレンズが1つ設けられていることが好ましい。
【0025】
本発明に係る表示装置においては、サブ情報画素4つに対してレンズが1つ設けられていることが好ましい。
【0026】
本発明に係る表示装置においては、光射出点の像の大きさが0.5から2.8mmであることが好ましい。
【0027】
本発明に係る表示装置においては、マイクロレンズアレイのレンズの径が50μm以上であることが好ましい。
【0028】
本発明に係る表示装置においては、情報画素に液晶表示デバイスを用いることが好ましい。
【0029】
本発明に係る表示装置においては、液晶デバイスの光源がLED或いはLDであることが好ましい。
【0030】
本発明に係る表示装置においては、情報画素に有機ELデバイスを用いることが好ましい。
【0031】
本発明に係る表示ユニットは、複数の開口群と、開口群を投影する複数のレンズと、を備える表示ユニットにおいて、開口群は少なくとも一つの開口を有し、それぞれのレンズが開口群の像を重ねて投影されるように配置されており、レンズにより投影され重なった開口群の中の開口の重なりを観察者の眼の瞳に入射させることにより複数のレンズの投影像を観察者の眼の網膜上に生じせしめることを特徴とする。
【0032】
本発明に係る表示ユニットにおいて、開口群のピッチPpとレンズのピッチLpが次式(3)を満たすことが好ましい。
Lp/Pp=L/(L+Fb) ・・・(3)
但し、
Fbは開口群とレンズの距離、
Lはレンズと観察者の眼のレンズとの距離、
である。
【0033】
本発明に係る表示ユニットにおいて、複数のレンズがマイクロレンズアレイを構成することが好ましい。
【0034】
本発明に係る表示ユニットにおいて、開口群がマイクロレンズアレイと一体に作られていることが好ましい。
【0035】
本発明に係る表示ユニットにおいて、マイクロレンズアレイのレンズの大きさが50μm以上であることが好ましい。
【0036】
本発明に係る表示ユニットにおいて、開口群がマイクロレンズアレイの一つの面に印刷で形成されることが好ましい。
【0037】
本発明に係る電子機器は、上述のいずれかの表示装置を備えることを特徴としている。
【0038】
本発明に係る携帯用電子機器は、上述のいずれかの表示装置を備えることを特徴としている。
【0039】
本発明に係る携帯電話は、上述のいずれかの表示装置を備えることを特徴としている。
【0040】
本発明に係る携帯電話は、メール機能を備えることが好ましい。
【0041】
本発明に係る携帯電話は、カメラ機能を備えることが好ましい。
【0042】
本発明に係る撮像装置は、上述のいずれかの表示装置を備えることを特徴としている。
【0043】
本発明に係る撮像装置は、撮影条件を設定するスイッチが設けられたことが好ましい。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、老眼鏡が無くても焦点が合う表示装置、表示ユニット、電子機器、携帯電話、及び撮像装置を提供することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1実施形態に係る表示装置の構成を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態の表示装置の光学系を示す図である。
【図3】眼のレンズの瞳一杯に透過した光束による像と、瞳より小さい光射出点像による光束が形成する像と、を比較する図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る表示装置の構成を示す斜視図である。
【図5】複数の光射出点が観察者の瞳に投影された状態を示す図である。
【図6】第2実施形態の表示装置のマイクロレンズアレイと光射出点群を示す斜視図である。
【図7】本発明の第2実施形態の変形例に係る表示装置のマイクロレンズアレイと光射出点群を示す斜視図である。
【図8】(a)は、本発明の第4実施形態の表示ユニットのマイクロレンズアレイと光射出点群の構造を示す、レンズ側から見た斜視図、(b)は光射出点群側から見た斜視図である。
【図9】本発明の第5実施形態に係る表示装置の構成を示す図である。
【図10】第5実施形態の表示装置、及び、この表示装置によって観察される画像を示す図である。
【図11】本発明の第6実施形態に係る表示装置の構成を示す図である。
【図12】第6実施形態の表示装置、及び、この表示装置によって観察される画像を示す図である。
【図13】本発明の第7実施形態に係る表示装置の構成を示す図である。
【図14】第7実施形態の表示装置、及び、この表示装置によって観察される画像を示す図である。
【図15】本発明の第8実施形態に係るデジタルカメラを示す斜視図である。
【図16】本発明の第9実施形態に係る携帯電話を示す斜視図である。
【図17】本発明の第10実施形態に係るカラー表示のためのサブ情報画素の配置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下に、本発明に係る表示装置、表示ユニット、電子機器、携帯電話、及び撮像装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
カメラではレンズの絞りを絞ると被写界深度が拡大し、手前から奥まで焦点の合った写真を撮ることが出来ることが知られている。従って、眼の瞳を人為的に絞ることにより被写界深度を拡大して、老眼では焦点の合わせにくい近点にも焦点を合わせることが出来る。本発明は等価的に眼の瞳を絞ったことになる表示装置、或いは、それを搭載した表示ユニット、電子機器、携帯電話、及び撮像装置を提供する。
【0047】
(第1実施形態)
図1に本発明に係る表示方法の考え方を示す。図1は、第1実施形態に係る表示装置の構成を示す斜視図である。図1において、レンズ103は表示を観察する者(観察者)の眼のレンズ、103aは眼103の瞳である。もちろん、瞳103aとは、眼のレンズ103の開口のことである。また、101a、101b、101cは光射出点群を示している。光射出点群は、少なくとも1つの光射出点で構成されていればよい。図1では、光射出点群101a、101b、101cの各々は、1つの光射出点で構成されているので、光射出点と称して説明する。表示装置は101a、101b、101c、102a、102b、102cで構成されている。
光射出点101a、101b、101cから射出される光は、レンズ102a、102b、102cによって、瞳103aに、それぞれの像が重なるように投影される。そのため、レンズ102a、102b、102cのピッチ(間隔)は、光射出点101a、101b、101cから射出される光が瞳103aの位置で重なるように設定される。すなわち、図1から明らかなようにレンズのピッチと光射出点のピッチの比は、瞳103aからレンズ102bまでの距離と瞳103aから光射出点101bまでの距離との比に設定される。瞳103aに投影される光射出点101a、101b、101cの像の大きさ104は、瞳103aの径より小さく設定される。すなわち瞳103aを通過する光束(大きさ104)は瞳103aより小さい。
【0048】
また、レンズ102a、102b、102cは、眼のレンズ103によって、網膜105に投影され、レンズの像106a、106b、106cを形成する。レンズ102a、102b、102cを画素と考えるとレンズの像106a、106b、106cは画素の像となる。光射出点101a、101b、101cに画像の信号を与えると画像を見ることが出来る。
但し老眼の人の目の場合、焦点は網膜105上に合わない。しかし、画素であるレンズ102a、102b、102cの結像に関しては瞳103aより小さい光束(大きさ104)を用いているので、焦点深度の深い像が形成される。よって、観察者は、容易に焦点の合った画像を見ることが出来る。これに関しては図3を用いて後述する。
【0049】
図2を用いて、光射出点101と、レンズ102について、それぞれの結像関係を説明する。図2は、第1実施形態の表示装置の光学系の一部を示す図である。ここで、光射出点101は、光射出点101a、101b、101c(図1)の1つであり、レンズ102は、レンズ102a、102b、102c(図1)の1つである。
【0050】
図2において、光射出点101は、有限の面積を持つ微小領域として示されている。この光射出点101は、レンズ102によって眼のレンズ103に投影される。光射出点101上の点109aから射出された光は、レンズ102を通過後、光線107a、107b(実線)で示す光線となる。そして、これらの光線によって眼のレンズ103上に点109aの像110aが形成される。一方、光射出点101上の点109bから射出された光は、レンズ102を通過後、光線107c、107d(破線)で示す光線となる。そして、これらの光線によって、眼のレンズ103上に点109bの像110bが形成される。
【0051】
また、レンズ102は、眼のレンズ103により、網膜105の近傍105’に結像される。具体的には、レンズ102の点102aは、光線107a、108a、107c、108cで示されるように、近傍105aに結像する。また、レンズ102の点102bは、光線107b、108b、107d、108dで示されるように、近傍105bに結像する。このように、網膜105の近傍105’に、レンズ102の像106が形成される。
レンズ102と眼のレンズ103までの距離をFf、レンズ102と光射出点101との距離をFbとする。レンズ2の焦点距離をFとすると、次式(4)が成り立つ。
1/Ff+1/Fb=1/F ・・・(4)
【0052】
図1において、隣り合う光射出点101a、101b、101c(或いは後述する光射出点群)のピッチ(繰返しの間隔)をPp、隣り合うレンズ102a、102b、102c(後述するマイクロレンズアレイのレンズに相当する)のピッチをLpとすると、これらは次式(5)を満たす。
Lp/Pp=Ff/(Ff+Fb) ・・・(5)
【0053】
しかし、レンズ102の焦点距離は短く、観察者の眼の瞳103aに投影される光射出点の像104の焦点深度は深い。同じ結像距離で焦点距離が短い場合、倍率が高くなる。すると、像側のNAが非常に小さくなるので焦点深度が深くなる。例えば後述する第2実施形態の数値例では、レンズ102a、102b、102cの焦点距離が小さく、光射出点123a、123b、123c(光射出点群121a、121b、121c)の像を300mm先に投影する場合、無限遠に投影するのと等価である場合が示されている。
【0054】
また、瞳103a上で必ずしも焦点が正確に合っている必要はない。従って、図2に示すように、レンズ102と観察者の眼のレンズ103の瞳103aまでの距離Lがレンズ102と光射出点群の像との距離Ffに一致するのが理想であるが、一致する必要は無い。従って、理想的にはFf=L、すなわちLp/Pp=L/(L+Fb)であるが、次式(1)が許容される。
−L/2≦Ff≦∞ ・・・(1)
なお、このピッチは、表示装置の水平方向、垂直方向で異なる場合もある。第3実施形態で詳述する。
【0055】
瞳より小さい光射出点の像(大きさ104)を瞳位置に形成することが瞳を絞ることと同等の効果があることを、図3(a)、(b)、(c)を用いて説明する。観察者が点A、点Bを観察する場合を考える。老眼の場合、眼のレンズ103の屈折力が弱いので、網膜105上に焦点を結ぶことができない。従って、眼のレンズ103の瞳一杯に透過してきた光束111、112によって形成される点Aと点Bの像は、それぞれ網膜105上でA’、B’のように広がるので、焦点の合った像を見ることができない。しかも、A’とB’は一部が重なっているので、観察者はA’とB’を分離して認識することはできない。従って、観察者は解像された像を見ることができない。
【0056】
一方、瞳より小さい光束113、114によって形成される点Aと点Bの像は、それぞれ網膜6上でA”、B”のように小さくなるので、A’とB’に比べると焦点の合った像を見ることができる。さらに、A”とB”は全く重なっていないので、観察者はA”とB”を分離して認識することができる。すなわち、観察者は解像された像を見ることができる。本実施形態の表示方法は、瞳より細い光束を瞳に入射させることにより、等価的に瞳を絞った状態にすることで、被写界深度を増大させる方法である。
【0057】
図1において、光射出点101a、101b、101cとは、有機ELなどの自発光素子の場合は発光点そのものである。液晶パネルのようにバックライトによる透過型の場合は、光射出点は開口部によって制限された光透過点である。なお、光射出点及び光透過点は、必ずしも点ではなく、有限の面積を有している場合も含む。また、光射出点及び光透過点は、図1のように円形が好ましいが、必ずしも丸くなくても良い。
【0058】
本実施形態では、レンズ102a、102b、102cを画素と見なしている。よって、通常のLCD(液晶ディスプレイ)、有機EL等のフラットパネルディスプレイ(FPD)の画素を、第1実施形態の画素(レンズ)と区別して情報画素という。この情報画素は、光射出点に一対一に対応させても良いし、1つの情報画素に複数の光射出点を設けても良い。1つの情報画素に複数の光射出点を設ける例は、第3実施形態で示す。なお、以下の実施形態でもFPDの画素を情報画素という。
【0059】
通常のLCD、有機EL等のFPDは、1つの情報画素をR(赤)、G(緑)、B(青)のサブ情報画素で構成してカラー表示を行うことがある。光射出点101a、101b、101cをサブ情報画素に対応させてRGBのカラー表示が出来る。
【0060】
なお、第1実施形態の表示装置では、瞳103aより径が小さい光束(大きさ104)を瞳103aに入射させるので、光束径が小さい分だけ明るさが減少する。減少した明るさを補うには、情報画素、例えば有機ELの輝度を上げる、液晶パネルの輝度を上げる等の対応が望ましい。情報画素に液晶デバイスを用いた場合、バックライト光源にLED(Light Emitting Diode)、或いはLD(Laser Diode)を用いることが望ましい。
【0061】
第1実施形態に係る表示装置は、観察者の瞳103aに入射する光束104の径を瞳103aの径より小さくすることにより、観察者の眼の被写界深度を拡大するという特徴を備える。その結果、第1実施形態に係る表示装置は、観察者が容易に焦点の合った表示(絵だけでなく文字など、表示される全ての情報)を見ることが出来る、という効果を奏する。具体的には、老眼の人でも老眼鏡を掛ける(外す)ことなく、容易に焦点の合った表示を見ることが出来る。また、第1実施形態の表示装置は上記の効果を備えるので、観察者の眼の負担を軽減することができる。
【0062】
また、携帯電話、撮像装置(デジタルカメラ)、電子機器(電子ブックその他のモバイル機器や、カーナビゲーションシステム、PCのモニター画面等)に第1実施形態の表示装置を用いれば、これらの装置において、老眼の人で、老眼鏡の掛け外しすることなくも焦点が合った状態で表示を見ることが出来る。更に、遠視や近視の人でもメガネを用いることなく、焦点の合った表示を見ることが出来る。従って、第1実施形態に係る電子機器では、通常の電子機器では表示が見えづらい老眼あるいは近視、乱視等の人でも、焦点が合った表示を見ることができる。よって、その結果、表示内容を理解して、正確に電子機器の操作を行うことが出来る。
【0063】
(第2実施形態)
図4は第2実施形態に係る表示装置の構成を示す斜視図である。この表示装置は、レンズ102a、102b、102cと、光射出点群121a、121b、121cと、を有している。光射出点群121a、121b、121cは、それぞれ複数の光射出点123a、123b、123cを有する。また、光射出点群121a、121b、121cは、情報画素或いはサブ情報画素に該当する。光射出点群121a、121b、121cは、それぞれ、レンズ102a、102b、102cと一対一で対応しているようにみえるが、観察者の瞳が光射出点群像122aの位置にある場合は、光射出点群121a、121bがレンズ102b、102cに対応する。なお、各光射出点群に含まれる光射出点は、第1、第2実施形態のように1つであってもよい。また、第1実施形態に係る表示装置と同様の部材については同じ参照符号を使用し、その詳細な説明は省略する。
【0064】
光射出点群121a、121b、121cは、レンズ102bによってそれぞれ投影される。これにより、光射出点群像122a、122b、122cが、それぞれ形成される(図4)。また、レンズ102aによって、光射出点群121aは光射出点群像122bの位置に投影され、光射出点群121bは、光射出点群像122cの位置に投影される。また、レンズ102cによって、光射出点群121bは光射出点群像122aの位置に投影され、光射出点群121cは光射出点群像122bの位置に投影される。なお、本実施形態の表示装置においても、レンズ102a、102b、102cによって、瞳103aに、光射出点123a、123b、123cの像が重なるように投影される。また、レンズ102a、102b、102cについては、眼のレンズ103によって網膜上にこれらの投影像124a、124b、124cが形成される。光射出点群121a、121b、121c間のピッチPpとレンズ102a、102b、102cのピッチLpの関係も、次式(5)を満たす。
Lp/Pp=Ff/(Ff+Fb) ・・・(5)
Ffは、レンズ102bから光射出点群の像122bまでの距離、
Fbは、光射出点群121bとレンズ102bとの距離、
である。
なお、光射出点群121a、121b、121cをR(赤)、G(緑)、B(青)にそれぞれ対応させれば、観察者はカラー画像を観察できる。なお、光射出点群の間に隙間があるように描かれているが、説明の便宜上のもので、実際には不必要な隙間が無いのは、言うまでもない。
【0065】
図5は、光射出点(図4における123a、123b、123c)が観察者の瞳103aに投影されて、投影像を形成している状態を示す図である。図5では、図4の光射出点123aが投影されたものとして説明する。また、投影像125は、瞳103a上における光射出点123aの像である。
図5(a)に示すように、瞳103a上の投影像125が、観察者の眼の瞳103aに対して適切な大きさの場合は、瞳103aに1つの光射出点の像(瞳103aより小さい大きさの像)が形成される。この場合、瞳よりも小さい光束が入るので、被写界深度の拡大効果が生じる。図5(a)では、光射出点の瞳103a上での投影像125が、図3における瞳103a上での光束113、114の大きさに相当する共に、網膜105上での広がりに相当する。
【0066】
一方、投影像125の大きさと配置が適切でない場合は、複数の光射出点による光束が同時に瞳103aに入り、被写界深度の拡大効果が阻害される。図5(b)では、瞳に入射する光束(瞳に形成される光射出点の像)の数は4つであるが、完全に入射している光束は一つであり、被写界深度の拡大効果は阻害されない。従って、瞳103aに入射する光束(瞳に形成される光射出点の投影像の数は4つ以下になるように配置することが望ましい。なお、この光射出点群は、有機EL表示デバイスの場合、その情報画素の発光パターン、また、液晶表示デバイスの場合、その情報画素に設けられた光透過点群である。
【0067】
光射出点を投影するとき、少なくとも1つの光射出点が瞳103aの中に投影される。被写界深度を拡大する為には、観察者の瞳103aに入射する光束の径、すなわち投影像125の大きさは瞳103aの径より小さい径が望ましい。レンズによる光射出点の投影像が瞳径より小さければ、被写界深度を拡大する効果がある。通常の明るさのときの瞳103aの径が3mm程度とすると、被写界深度を拡大するには、光束径(光射出点の像の径、大きさ)は、2.8mm以下が好ましい。
【0068】
一方、光射出点からの光束の径が小さくなると眼の解像力が悪化する。
光束径をΦ、波長をλとすると、眼の角解像力θは、次式(6)で求められる。
【0069】
【数1】

【0070】
従って、光束径2mmの解像力(回折限界)は、ほぼ視力1.0に相当する(波長0.55μm)。これに対して、光束を1mmに絞ると視力は0.5に低下するが、300mm先で0.17mm程度の解像力があるので通常は問題が無い。光束径を0.5mmにまで絞ると視力が0.25相当まで低下する。300mm先での解像力は0.33mm程度にまで低下する。この程度なら3mm程度の文字は何とか見ることが出来る。しかし、光束径を0.2mmにまで絞ると視力は0.1相当にまで低下し、300mm先での解像力は0.9mmに低下する。従って、光束径を0.5mm程度に絞るのが下限である。
【0071】
なお、光射出点の投影像の強度分布が回折などによってはっきりしない場合がある。また、光射出点の明るさ分布をレーザーのようなガウス分布とすることも出来る。このように投影像の境界がはっきりしない場合には、投影像の大きさを等価的に半値全幅と考えることが出来る。
【0072】
老眼の人が物を見難い距離は、近距離が多い。そのため、300mm程度の距離が見やすくなるように、観察者までの距離を300mmと考えて、光射出点の像を300mm先に投影するのが好ましい。応用によってはより短距離も考えられる。被写界深度拡大効果を得るには、光射出点の投影された大きさは、瞳径以下が望ましい。通常の明るさの時の瞳径は3mm程度であるので、光射出点の像の大きさ(光束径は)それよりも小さい2.8mm以下が望ましい。
【0073】
また、レンズの径は、一つ一つが画素の大きさに相当するので、高精細の表示を行うには500μm以下が好ましい。更に、視力1.0の人が300mmはなれた物体を見るときの解像力は約0.1mmであり、レンズ(レンズ102a、102b、102c)の大きさ(直径、あるいは一辺の長さ)は、その半分の0.05mm、すなわち50μm程度が好ましい。しかし、一方で回折による光束の広がりも考慮する必要がある。
【0074】
回折による広がり角ψは、開口の大きさ(直径或いは一辺の長さ)をDとしておおよそ、次式(7)で表される。
【0075】
【数2】

【0076】
従って、距離Zで観察すると光束の大きさφは、次式(8)に示すように、広がることになる。
【0077】
【数3】

【0078】
よって、D=50μmの場合、φ=3.3mmとなり、瞳を光束で等価的に絞る効果がほとんどなくなることが分かる。従って、レンズの大きさは50μm以上であることが好ましい。また、光束の大きさを瞳上で1mmに保つ為のレンズの大きさは観察距離300mmのとき、165μmである。以上より、レンズの大きさは50〜500μmであることが望ましい。
【0079】
図6に、第2実施形態の表示装置の変形例を示す。図6は、図4におけるレンズ102a、102b、102cをマイクロレンズアレイで構成したものである。図6では、簡単の為に3×3の画素(レンズ)を示している。
変形例の表示装置は、マイクロレンズアレイ127と光射出点群128を備える。マイクロレンズアレイ127は、複数のレンズ127’で構成されている。光射出点群128は複数あり、それぞれが、レンズ127’に対応して設けられている。
【0080】
マイクロレンズアレイ127の各レンズ間のピッチLpx、Lpyは、光射出点群121a、121b、121c(通常情報画素に相当する)のピッチをPpx、Ppyとして、次の式(9)及び式(10)を満たす。
Lpx=PpxFf/(Ff+Fb) ・・・(9)
Lpy=PpyFf/(Ff+Fb) ・・・(10)
ここで、
Ffは、レンズ102bから光射出点群の像122bまでの距離、
Fbは、光射出点群128とレンズ127’との距離、
である。
【0081】
また、光射出点群128は上式(9)、(10)の条件を満たしていれば、マイクロレンズとの相対位置に制限はなく、左右に少しずれていても問題ない。但し、レンズ面内に傾きがあると、光射出点が観察者の眼の瞳近傍に投影されたときに、各投影像が重ならないので、傾きは少ないことが望ましい。
なお、表示デバイスとして液晶パネルを用いたときは、その各情報画素に各光射出点群128が対応する。有機ELデバイスの場合は、有機ELデバイスで各光射出点群128を形成することができる。
また、その他の構成、作用、効果については、第1実施形態と同様である。
【0082】
以下、第2実施形態の数値例を示す。なお、数値例におけるレンズは、図4の場合はレンズ102a、102b、102cを指し、図6の場合はレンズ127’を指す。
観察者までの距離をFf、レンズによる投影倍率をmとすると、レンズと光射出点との距離(後側焦点位置)Fbは、Fb=Ff/mとなり、レンズの焦点距離Fは、Fb×Ff/(Ff+Fb)となる。なお、レンズと眼のレンズまでの距離L、すなわち観察者までの距離Lがレンズと光射出点群の像までの距離Ffと等しい(Ff=L)理想的な場合を想定している。
光射出点の大きさを2μmとして、観察者の瞳に1mmの投影像を入射させるには、レンズの投射倍率は500倍となる。観察者までの距離を300mmとすると、レンズの焦点距離は0.599mmとなる。光射出点はレンズの後側焦点位置0.6mmに置かれる。レンズの焦点距離が小さいので300mm先に投影する場合、無限投影とほぼ同じになる。互いに最も近接する光射出点の間隔を6μmとすると、観察者の位置では3mm間隔となる。瞳を3mm移動すると隣の光射出点の投影像による光束で画像を見ることになる。
【0083】
光射出点の大きさを5μmとして、観察者の瞳に1.5mmの投影像を入射させるには、レンズの投射倍率は300倍となる。観察者までの距離を300mmとすると、レンズの焦点距離は0.997mmとなる。光射出点はレンズの後側焦点位置1.0mmに置かれる。互いに最も近接する光射出点の間隔を10μmとすると、観察者の位置では3mm間隔となる。瞳を3mm移動すると隣の光射出点の投影像による光束で画像を見ることになる。
【0084】
光射出点の大きさを10μmとして、観察者の瞳に2mmの投影像を入射させるには、レンズの投射倍率は200倍となる。観察者までの距離を300mmとすると、レンズの焦点距離は1.49mmとなる。光射出点はレンズの後側焦点位置1.5mmに置かれる。互いに最も近接する光射出点の間隔を15μmとすると、観察者の位置では3mm間隔となる。瞳を3mm移動すると隣の光射出点の投影像による光束で画像を見ることになる。
【0085】
光射出点の大きさが15μmとして、観察者の瞳に1.5mmの投影像を入射させるには、レンズの投射倍率は100倍となる。観察者までの距離を300mmとすると、レンズの焦点距離は2.97mmとなる。光射出点はレンズの後側焦点位置3.0mmに置かれる。互いに最も近接する光射出点の間隔を30μmとすると、観察者の位置では3mm間隔となる。瞳を3mm移動すると隣の光射出点の投影像による光束で画像を見ることになる。
【0086】
光射出点の大きさを10μmとして、観察者の瞳に1.25mmの投影像を入射させるには、レンズの投射倍率は125倍となる。観察者までの距離を250mmとすると、レンズの焦点距離は1.98mmとなる。光射出点はレンズの後側焦点位置2.0mmに置かれる。
【0087】
光射出点の大きさを20μmとして、観察者の瞳に1mmの投影像を入射させるには、レンズの投射倍率は50倍となる。観察者までの距離を300mmとすると、レンズの焦点距離は5.88mmとなる。光射出点は、レンズの後側焦点位置6.0mmに置かれる。
【0088】
(第3実施形態)
図7に、三色のR(赤)、G(緑)、B(青)カラー表示の表示装置構成の詳細を示す。図7は、第3実施形態に係る表示装置のマイクロレンズアレイと光射出点群を示す斜視図である。
図7において、1つの光射出点群132は、1つの情報画素135に対応している。情報画素135は、サブ情報画素134R、134G、134Gで構成されている。サブ情報画素134R、134G、134Gの各々は短冊状で、R,G,Bの色に対応している。このような構造(並び)は、LCD等のカラー表示でよく見られるストライプ型のカラー表示の色の並びと同じである。そしてサブ情報画素134R、134G、134Bの中には少なくとも1つの光射出点133が設けられている。本実施形態では、3つの光射出点133が各サブ情報画素に設けられている。また、その光射出点133の配置は、いずれのサブ情報画素134R、134G、134Bも同一の配置である。サブ情報画素134R、134G、134Bは、新たな光射出点群を形作っている。情報画素135は正方形が好ましく、短冊状のRGBのサブ情報画素134R、134G、134Bは横幅が縦幅の1/3となっている。
【0089】
マイクロレンズアレイ131のレンズもサブ情報画素に対応して3つの短冊状のレンズで構成されている。1つのサブ情報画素の複数の光射出点133からは、同じ色の光が射出される。また、サブ情報画素134R、134G、134Gからは、それぞれRGBの光が射出される。射出された各々の光はマイクロレンズアレイ131のレンズによって観察者の瞳に入射する。また、短冊状のレンズの各々は、眼のレンズによって結像され、網膜上に短冊状のRGB像(短冊状のレンズの像)が形成される。これによって、観察者はカラー画像を見ることが出来る。
なお、光射出点群のピッチとマイクロレンズアレイのレンズのピッチの関係は、先の実施形態と同様である。
【0090】
例えば、一辺180μmの情報画素135のLCD或いは有機ELを用いた場合、サブ情報画素に対応する短冊状のレンズの大きさは60×180μmとなる。情報画素135中の光射出点133の大きさを15μmとすると、観察者の瞳に1.5mmの投影像を入射させる場合には、レンズの投射倍率は100倍となる。観察者までの距離Ffを300mmとすると、レンズの焦点距離Fは2.97mmとなる。光射出点133はレンズの後側焦点位置Fb=3.0mmに置かれる。
【0091】
Lpx=PpxFf/(Ff+Fb) ・・・(9)
Lpy=PpyFf/(Ff+Fb) ・・・(10)
上式(9)、(10)より、短冊状のレンズの大きさは59.4×178.2μmとなる。短冊状のレンズによって投影される光射出点133の光束径は、回折によって広がり、約2.78mmとなる。この広がりは、通常の眼の瞳径3mmよりも小さいので被写界深度の拡大効果がある。
【0092】
240×320の情報画素135のLCD或いは有機EL等の表示デバイスを用いた場合、その表示領域の大きさは、43.2×57.6mmである。これらの情報画素135のサブ情報画素134R、134G、134Bにレンズを対応させると240×3(RGB)×320=720×320個のマイクロレンズアレイ131となり、その寸法は、42.8×57.03mmとなる。しかし、上述のようにレンズと情報画素135(光射出点群132)の位置関係に制限はない。したがって、もっと大きなマイクロレンズアレイ131にしても良い。
【0093】
例えば、表示デバイスと同じ大きさのマイクロレンズアレイ131を用いると表示デバイスの大きさを有効に活かすことができ望ましい。例えば、43.2×57.6mmのマイクロレンズアレイ131を用いるとするとレンズの数は、727×323個となる。すなわち、マイクロレンズアレイ131の有効寸法が表示画素を有する表示デバイスの表示寸法より大きいことが望ましい。
なお、色再現性を良くするためにR、G、Bにもう一色加えることも考えられる。
なお、その他の構成、作用、効果については、第1実施形態と同様である。
【0094】
(第4実施形態)
図8(a)は、第4実施形態に係る表示ユニットのマイクロレンズアレイと光射出点群の構造を示す、レンズ側から見た斜視図、(b)は光射出点群側から見た斜視図である。第4実施形態の表示ユニットは、2以上の任意の数のレンズを用いて構成できるが、ここではそのうち3×3個の例を示している。
【0095】
図8に示すように、マイクロレンズアレイ137の裏面に光射出点群138が設けられている。光射出点群138は、光射出点となる開口を備え、光射出点群138は開口群である。この開口群は、マイクロレンズアレイ137の一つの面を金属薄膜(例えば、クロム)で遮光し、この遮光薄膜の所望位置にエッチングなどで形成する。あるいは、マイクロレンズアレイ137の一つの面にブラックカーボンなどを含む遮光樹脂を塗布して、開口を開けても作ることが出来る。塗布の方法としては、凸版印刷、凹版印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷などの印刷方法が考えられる。さらに、遮光板に穴を開け、マイクロレンズアレイ137に付けることも可能である。
なお、その他の構成、作用、効果については、第1実施形態と同様である。
【0096】
(第5実施形態)
ところで、最近のLCDの高精細化に伴い、情報画素の大きさは一辺90μm程度になっている。この場合、サブ情報画素の大きさは30×90μmとなる。このようなサブ情報画素の微細化に対応させてレンズを小さくすると、光射出点の投影像の回折による広がりにより、眼の瞳より小さな径の投影像を形成できないという課題が生じる。
【0097】
この課題を解決する一例として、図9にサブ情報画素を2つ合わせて情報画素と、この情報画素に1つのレンズを対応させた例を示す。図9は、第5実施形態に係る表示装置の構成を示す図である。
LCDや有機EL等の情報画素141は、短冊状のサブ情報画素で構成されている。サブ情報画素のおのおのには、R、G、Bの色が割り当てられr、サブ情報画素R1、G1、B1、R2、G2、B2、R3、G3、B3、R4、G4、B4がこの順に並んでいる。これらのサブ情報画素はRGBの順の繰り返しとなっているが、RGB以外の並びの繰り返しでも良い。これらの各サブ情報画素上には、少なくとも1つの光射出点が設けられている。また、レンズの大きさ・形状は情報画素を構成する2つのサブ情報画素を合わせた大きさ・形状と同じにしている。
【0098】
本実施形態の表示装置では、2つの隣り合った、サブ情報画素B1、R2で1つの情報画素を構成し、この情報画素により1つの光射出点群を形成している。そして、この情報画素と対向する位置に、1つのレンズ144aを配置している。同様に、レンズ144bには、サブ情報画素G2、B2が対応し、レンズ144cには、サブ情報画素R3、G3が対応している。それ以外の対応は図9のとおりである。なお、実際にはもっと多くのサブ情報画素が二次元に配列されている。
【0099】
この表示装置では、レンズ144a、144b、144cを含むマイクロレンズアレイ142によって、光射出点の像は眼の瞳146の近傍145に投影される。レンズ144aによる投影像G2、R2、B1、G1の位置に対応して、レンズ144bによって投影像R3、B2、G2、R2が、レンズ144cによって投影像B3、G3、R3、B2が、それぞれ形成されている。すなわち、投影像は元のサブ情報画素の並びを2つずらして重ねている。この説明では、サブ情報画素単位で述べたが、実際にはサブ情報画素中にある光射出点の単位で、各色の並びを2つずつずらして重ねている。光射出点の投影像を2つずらして重ねることにより、1つの投影像の中にRGBを重ねている。異なる色のサブ情報画素が投影像で重なるように2つのサブ情報画素で1つの光射出点群を形成し1つのレンズに対応させている。従って、どの光射出点の投影像を瞳に入射させてもRGBの光束が入射することとなりカラー画像を見ることが出来る。
【0100】
例えば、眼の瞳146に投影される光射出点の投影像をR2、B2、G3とすると、図10で示す画像147が網膜上で観察される。先に述べたように網膜で観察する画素はレンズである。図10では、レンズ144a、144b、144cを、それぞれR2、B2、G3のサブ情報画素(より詳しくは光射出点)からの光束が通過する。そのため、レンズ144a、144b、144cが網膜上で結像されると、そこにR、G、Bの像が形成される。すなわち、観察者はRGBのカラー画像を見ることが出来る。例えば、高精細のLCDの情報画素の大きさを一辺90μmとするとRGBのサブ情報画素は30×90μmであるが、2つ合わせると60×90μmの複合画素となる。すなわちPpx=60、Ppy=90となる。これを先の実施形態と同様にF=2.97mmのレンズで300mm先の瞳146に投影する場合は、これに対応するレンズは59.4×89.1μmの矩形状のレンズである。レンズの開口径が大きくなったので回折による広がりは2.77mmに抑えられる。
【0101】
なお、本実施形態の表示装置では観察できる画素数が半減するが、レンズの径が小さくならないので明るさは減少しない。
以上により、既存のFPDのRGB配列を変更することなく、回折による光射出点の投影像の広がりを抑制し、被写界深度効果を維持できる。すなわち、既存のFPDを情報画素として用いることができる。
なお、その他の構成、作用、効果については、第1実施形態と同様である。
【0102】
(第6実施形態)
図11にサブ情報画素を4つ合わせて情報画素とし、この情報画素に1つのレンズを対応させた例を示す。図11は、第6実施形態に係る表示装置の構成を示す図である。
LCDや有機EL等の情報画素151は、短冊状のサブ情報画素で構成されている。サブ情報画素のおのおのには、R、G、Bの色が割り当てられ、サブ情報画素がR1、G1、B1、R2、G2、B2、R3、G3、B3、R4、G4、B4が、この順に並んでいる。このサブ情報画素上に少なくとも1つの光射出点が設けられている。また、レンズの大きさ・形状は情報画素を構成する4つのサブ情報画素を合わせたものと同じにしている。
【0103】
本実施形態の表示装置では、4つのサブ情報画素R1、G1、B1、R2で1つの情報画素を構成し、この情報画素により1つの光射出点群を形成している。そして、この情報画素と対向する位置に、1つのレンズ154aを配置している。同様に、レンズ154bには、サブ情報画素G2、B2、R3、G3が対応し、レンズ154cには、サブ情報画素B3、R4、G4、B4が対応している。情報画素151は、実際にはもっと多くのサブ情報画素が二次元に配列されている。
【0104】
光射出点の像は、レンズ154a、154b、154cを含むマイクロレンズアレイ152によって、眼の瞳156の近傍155に投影される。レンズ154aによる投影像R2、B1、G1、R1の位置に対応して、レンズ154bによって投影像G3、R3、B2、G2が形成され、レンズ154cによって投影像B4、G4、R4、B3が形成されている。すなわち、投影像は元になるサブ情報画素の並びを4つずらして重ねている。この説明では、サブ情報画素単位で述べたが、実際にはサブ情報画素中にある光射出点の単位で、各色の並びを4つずつずらして重ねている。光射出点の投影像を4つずらして重ねることにより、1つの投影像の中にRGBを重ねている。異なる色のサブ情報画素が投影像で重なるように4つのサブ情報画素で1つの光射出点群を形成し1つのレンズに対応させている。従って、どの光射出点の投影像を瞳に入射させてもRGBの光束が入射することとなりカラー画像を見ることが出来る。
【0105】
例えば、眼の瞳156に投影される光射出点の投影像をG1、B2、R4とすると、図12で示す画像157が網膜上で観察される。図12は、第6実施形態の表示装置、及び、この表示装置によって観察される画像を示す図である。
先に述べたように網膜で観察する画素はレンズの像である。図12では、レンズ154a、154b、154cを、それぞれG1、B2、R4のサブ情報画素(より詳しくは光射出点)からの光束が通過する。そのため、レンズ154a、154b、154cが網膜上で結像されると、そこにR、G、Bの像が形成される。すなわち、観察者は、RGBのカラー画像を見ることが出来る。例えば、高精細のLCDの情報画素の大きさを一辺90μmとするとRGBのサブ情報画素は30×90μmであるが、4つ合わせると120×90μmの複合画素となる。すなわちPpx=120、Ppy=90となる。これを先の実施形態と同様にF=2.97mmのレンズで300mm先の瞳156に投影する場合は、これに対応するレンズは118.8×89.1μmの矩形状のレンズである。レンズの開口径が大きくなったので回折による広がりは1.4mmに抑えられる。
【0106】
なお、観察者は観察できる画素数が1/4に減少するが、レンズの径が小さくならないので明るさは減少しない。
【0107】
(第7実施形態)
図13にサブ情報画素を3つ合わせて情報画素とし、この情報画素に1つのレンズを対応させた例を示す。すなわちR、G、Bのサブ情報画素を含む通常の情報画素にレンズを対応させる。ただし、情報画素内でのR、G、Bの並びを変化させる。ここで、図13は、第7実施形態に係る表示装置の構成を示す図である。図14は、第7実施形態の表示装置、及び、この表示装置によって観察される画像を示す図である。
【0108】
LCDや有機EL等の情報画素161は、短冊状のサブ情報画素で構成されている。サブ情報画素のおのおのには、R、G、Bの色が割り当てられ、サブ情報画素G0、R1、G1、B1、G2、B2、R2、B3、R3、G3、R4、G4、B4が、この順に並んでいる。このように、本実施形態では、サブ情報画素の並びがRGBの順の繰り返しになっていない。そのため、1つの情報画素が3つのサブ情報画素で構成されている場合、隣接する2つの情報画素を比べると、サブ情報画素の色の並びが異なる。また、これらのサブ情報画素上には、少なくとも1つの光射出点が設けられている。なお、レンズの大きさ・形状は情報画素を構成する3つのサブ情報画素を合わせた大きさ・形状、すなわち情報画素の大きさ・形状と同じにしている。
【0109】
本実施形態の表示装置では、3つのサブ情報画素R1、G1、B1で1つの情報画素を構成し、この情報画素により1つの光射出点群を形成している。そして、この情報画素と対向する位置に、1つのレンズ164aを配置している。同様に、レンズ164bにサブ情報画素G2、B2、R2が対応し、レンズ164cにはサブ情報画素B3、R3、G3が対応している。実際にはもっと多くのサブ情報画素が二次元に配列されている。
【0110】
光射出点の像は、レンズ164a、164b、164cを含むマイクロレンズアレイ162によって、眼の瞳166の近傍165に投影される。レンズ164aによる投影像G0、R1、G1、B1、G2の位置に対応して、レンズ164bによって投影像B1、G2、B2、R2、B3が形成され、レンズ164cによって投影像R2、B3、R3、G3、R4が形成されている。すなわち、投影像は元となるサブ情報画素の並びを3つずらして重ねている。この説明では、サブ情報画素単位で述べたが、実際にはサブ情報画素中にある光射出点の単位で、光射出点の投影像を3つずらして重ねることにより、1つの投影像の中にRGBを重ねている。
【0111】
情報画素中のサブ情報画素がRGBの同じ繰り返しの場合、同じ色が重なって投影されてしまう。そこで本実施形態では、情報画素中のサブ情報画素のRGBの繰り返しを、情報画素ごとで異なる順序にした。本実施形態の表示装置では、3つのサブ情報画素で1つの光射出点群を形成し、異なる色のサブ情報画素を投影した時にこれらの投影像が、重なるように1つの光射出点群に1つのレンズを対応させている。そして、光射出点の投影像を3つずらして重ねることにより、1つの投影像の中にR、G、Bの像を重ねることができる。従って、どの光射出点の投影像を瞳に入射させてもRGBの光束が入射することとなりカラー画像を見ることが出来る。
【0112】
例えば、眼の瞳166に投影される光射出点の投影像をB1、R2、G3とすると、図14で示す画像167が網膜上で観察される。先に述べたように網膜で観察する画素はレンズの像である。図13では、レンズ164a、164b、164cを、それぞれB1、R2、G3のサブ情報画素(より詳しくは光射出点)からの光束が通過する。そのため、レンズ164a、164b、164cが網膜上で結像されると、そこにR、G、Bの像が形成される。すなわち、観察者は、RGBのカラー画像を見ることが出来る。
【0113】
例えば、高精細のLCDの情報画素の大きさを一辺90μmとするとRGBのサブ情報画素は30×90μmであるが、3つ合わせると情報画素と同じ90×90μmの複合画素となる。これを先の実施形態と同様にF=2.97mmのレンズで300mm先の瞳166に投影する場合は、これに対応するレンズは89.1×89.1μmの矩形状のレンズである。レンズの開口径が大きくなったので回折による広がりは1.8mmに抑えられる。
なお、観察できる画素数が1/3に減少するが、レンズの径が小さくならないので明るさは減少しない。
なお、その他の構成、作用、効果については、第1実施形態と同様である。
【0114】
(第8実施形態)
図15には上述の表示装置を適用した撮像装置の一例であるデジタルカメラを示している。図15は、第8実施形態に係るデジタルカメラを示す斜視図である。
デジタルカメラ171は、その前面に図示しない撮像レンズを備えている。レリースボタン172、モードボタン173、表示装置174が設けられている。使用者(観察者)は撮像レンズを通して撮像された像を表示装置174で確認しながらレリースボタン172を押して撮影を行う。
【0115】
デジタルカメラ171の表示装置174には、図7等で示したマイクロレンズアレイと光射出点を有する画素構成の表示装置を用いる。従って、老眼や近眼、乱視の人でもメガネを掛け外しすることなく表示された像を確認することができる。ピントや構図を確認することができる。また、焦点の合った像を確認できるので、GUI(グラフィカルユーザインターフェイス)を確認することができ、モードボタン173で好みの撮影モードを選択して撮影することも可能となる。すなわち、老眼や遠視、近視、乱視の人でもメガネの掛け外しすることなく表示を確認できるモニター(表示装置174)を備えてこそ本来の機能を使用することができる。なお、モードボタンとは、撮影感度や風景モード、夜景モードなど、撮影条件を設定するスイッチ類のことであり、図示しないズームレバー(ズームの操作用スイッチ)も含む。ここでは、1つしか示していないが、複数設けてもよい。
なお、表示装置のその他の構成、作用、効果については、上述の実施形態と同様である。
【0116】
(第9実施形態)
図16に上述の表示装置を適用した携帯電子機器の一例として携帯電話を示している。図16は、第9実施形態に係る携帯電話を示す斜視図である。
携帯電話181は、通話スイッチや文字入力用のテンキー183や表示装置182を備えている。携帯電話181は、電話だけでなく、メールやインターネット接続による情報取得のため表示装置182を備えている。
【0117】
携帯電話181は、表示装置182として図6等に記載のマイクロレンズアレイと光射出点を有する画素構成の有機ELデバイスを用いており、老眼や近視、乱視の人でもメガネを掛け外しすることなく表示装置に表示した情報を焦点の合った状態で見ることが出来る。従って、通話だけでなくメールをすることができる。また、カメラモードスイッチ184を押すことによって、携帯電話181に一体的に設けられている図示しないカメラによって写真を撮影することも可能である。老眼や近視、乱視の人でも老眼鏡を掛け外しることなく構図やピントを確認して写真を撮影することができる。すなわち、老眼や遠視、近視、乱視の人でもメガネの掛け外しすることなく表示を確認できるモニター(表示装置182)を備えてこそ、携帯電話に付加された機能を使用することができるのである。なお、表示装置182としては、液晶デバイスを用いた、上述の実施形態に係る表示装置を使っても良い。
なお、表示装置のその他の構成、作用、効果については、上述の実施形態と同様である。
【0118】
(第10実施形態)
図17は、第10実施形態に係るカラー表示のためのサブ情報画素の配置例を示す図である。
カラー表示の画素配置には、上述の短冊状(ストライプ)のほかに、ダイアゴナル配置(図17(a))とデルタ配置(図17(b))がある。これらの場合もサブ情報画素192、197を4つ合わせて1つの情報画素191、196(光射出点群)として1つのレンズに対応させることができる。したがって、図17のように4つの画素192、197(サブ情報画素)を1つの画素レンズに対応させることにより観察者の瞳上でRGBを重ねることができる。レンズの開口径が大きくなったので回折による広がりを抑えられる。
なお、その他の構成、作用、効果については、第1実施形態と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0119】
以上のように、本発明に係る表示装置、並びに、それを備える表示ユニット、電子機器、携帯電話、及び撮像装置は、FPDを備えた携帯電話、デジタルカメラ、電子ブックなどのモバイル機器に有用である。
【符号の説明】
【0120】
101 光射出点
101a、101b、101c 光射出点
102 レンズ
102a、102b、102c レンズ
103 眼のレンズ
103a 瞳
104 光束
105 網膜
105a、105b 近傍
106a、106b、106c 像
107a、107b、107c、107d 光線
108a、108b、108c、108d 光線
109a、109b 光射出点
110a、110b 光束
111、112、113、114 光束
121a、121b、121c 光射出点群
122a、122b、122c 光射出点群像
123a、123b、123c 光射出点
124a、124b、124c 投影像
125 投影像
127 マイクロレンズアレイ
128 光射出点群
131 マイクロレンズアレイ
132 光射出点群
133 光射出点
134R、134G、134B サブ情報画素
135 情報画素
137 マイクロレンズアレイ
138 光射出点群
141 情報画素
142 マイクロレンズアレイ
144a、144b、144c 光射出点群
145 近傍
146 眼の瞳
147 画像
151 情報画素
152 マイクロレンズアレイ
154a、154b、154c レンズ
155 近傍
156 眼の瞳
157 画像
161 情報画素
162 マイクロレンズアレイ
164a、164b、164c レンズ
165 近傍
166 眼の瞳
167 画像
171 デジタルカメラ
172 レリースボタン
173 モードボタン
174 表示装置
181 携帯電話
182 表示装置
183 テンキー
184 カメラモードスイッチ
191 情報画素
192 サブ情報画素
196 情報画素
197 サブ情報画素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光射出点群と、
該光射出点群を投影する複数のレンズと、を備える表示装置において、
該光射出点群は少なくとも一つの光射出点を有し、
該それぞれのレンズが該光射出点群の像を重ねて投影されるように配置されており、
該レンズにより投影され重なった該光射出点群の中の光射出点の重なりを観察者の眼の瞳に入射させることにより該複数のレンズの投影像を観察者の眼の網膜上に生じせしめ、
該レンズによって投影される光射出点の大きさが観察者の眼の瞳径より小さいことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
該光射出点群の像と該レンズとの距離Ffが次式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
−L/2≦Ff≦∞・・・(1)
但し、
Lは該レンズと観察者の眼のレンズとの距離、
である。
【請求項3】
該光射出点群のピッチPpと該レンズのピッチLpが次式(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
Lp/Pp=L/(L+Fb) ・・・(2)
但し、
Fbは該光射出点群と該レンズの距離、
Lは該レンズと観察者の眼のレンズとの距離、
である。
【請求項4】
該複数のレンズがマイクロレンズアレイで構成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
少なくとも三色の光を発する光射出点を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
異なる色のサブ情報画素で構成される情報画素を有し、該サブ情報画素に対応してレンズが設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
異なる色のサブ情報画素の光射出点が投影像で重なるように複数のサブ情報画素で1つの光射出点群を形成し1つのレンズに対応させていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
該三色が赤、緑、青を含んでいる請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
該情報画素が同じ繰り返しの三色のサブ情報画素で構成され、光射出点群を形成するサブ情報画素の数が2つ或いは4つであることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項10】
該情報画素が異なる順序の三色のサブ情報画素で構成され、光射出点群を形成するサブ情報画素の数が3つであることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項11】
該マイクロレンズアレイの有効寸法が該表示画素を有する表示デバイスの表示寸法に等しいか、或いは大きいことを特徴とする請求項4から請求項10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
該サブ情報画素の形状が短冊状であることを特徴とする請求項6から請求項11のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項13】
該サブ情報画素2つに対して該レンズが1つ設けられていることを特徴とする請求項6から請求項12のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項14】
該サブ情報画素3つに対して該レンズが1つ設けられていることを特徴とする請求項6から請求項12のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項15】
該サブ情報画素4つに対して該レンズが1つ設けられていることを特徴とする請求項6から請求項12のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項16】
該光射出点の像の大きさが0.5から2.8mmであることを特徴とする請求項12から請求項15のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項17】
該複数のレンズはマイクロレンズアレイで構成され、該レンズの径が50μm以上であることを特徴とする請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
該情報画素に液晶表示デバイスを用いることを特徴とする請求項6から請求項17のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項19】
該液晶デバイスの光源がLED或いはLDであることを特徴とする請求項18に記載の表示装置。
【請求項20】
該情報画素に有機ELデバイスを用いることを特徴とする請求項6から請求項17のいずれか1項の表示装置。
【請求項21】
複数の開口群と、
該開口群を投影する複数のレンズと、を備える表示ユニットにおいて、
該開口群は少なくとも一つの開口を有し、
該それぞれのレンズが開口群の像を重ねて投影されるように配置されており、
該レンズにより投影され重なった該開口群の中の開口の重なりを観察者の眼の瞳に入射させることにより該複数のレンズの投影像を観察者の眼の網膜上に生じせしめることを特徴とする表示ユニット。
【請求項22】
該開口群のピッチPpと該レンズのピッチLpが次式(3)を満たすことを特徴とする請求項21に記載の表示ユニット。
Lp/Pp=L/(L+Fb) ・・・(3)
但し、
Fbは該開口群と該レンズの距離、
Lは該レンズと観察者の眼のレンズとの距離、
である。
【請求項23】
該複数のレンズがマイクロレンズアレイを構成することを特徴とする請求項21又は請求項22に記載の表示ユニット。
【請求項24】
該開口群が該マイクロレンズアレイと一体に作られていることを特徴とする請求項23に記載の表示ユニット。
【請求項25】
該マイクロレンズアレイのレンズの大きさが50μm以上であることを特徴とする請求項24に記載の表示ユニット。
【請求項26】
該開口群が該マイクロレンズアレイの一つの面に印刷で形成されることを特徴とする請求項24又は請求項25に記載の表示ユニット。
【請求項27】
請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項28】
請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の表示装置を備えることを特徴とする携帯用電子機器。
【請求項29】
請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の表示装置を備えることを特徴とする携帯電話。
【請求項30】
メール機能を備えることを特徴とする請求項28に記載の携帯電話。
【請求項31】
カメラ機能を備えたことを特徴とする請求項29に記載の携帯電話。
【請求項32】
請求項1から請求項20のいずれか1項に記載の表示装置を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項33】
撮影条件を設定するスイッチが設けられたことを特徴とする請求項32に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−191595(P2011−191595A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−58749(P2010−58749)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】