説明

表示装置および表示方法

【課題】 光を照射する指示装置によって画面に照射された光の位置を明示することができる表示装置および表示方法を提供する。
【解決手段】 受光波形判定部21は、発光指示装置30から出射される光の出射パターンを判定する。中央演算部15は、受光波形判定部21の判定結果がパルス状の出射パターンであると、形状が四角形、大きさが「中間」の基準座標データを、指示ポインタデータPointInfの座標データにコピーし、パルス状の出射パターンでないと、つまり連続状の出射パターンであると、形状が丸、大きさが「大きい」の基準座標データを、指示ポインタデータPointInfの座標データにコピーする。中央演算部15は、指示ポインタデータが示す色、大きさおよび形状の指示ポインタを、座標データが示す位置に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザポインタなどの指示装置によって画面に照射された光の位置を特定することができる表示装置および表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大型の画面を用いてプレゼンテーションを行う発表者は、レーザポインタなどの光を照射して、画面に表示される映像内の位置を指し示し、画面を見る人は、画面に照射されたレーザポインタなどの光の位置によって、発表者が指し示したい位置を認識する。
【0003】
特許文献1に記載されているポインティングデバイスは、レーザポインタによって指示ポインタが指示されている画面をCCDカメラで撮像し、CCDカメラによって撮像された画像の中の画面の辺を認識し、認識した画面の辺の位置から指示ポインタの座標位置を特定するものである。したがって、画面に対して斜めの位置から指示してもレーザポインタによって指示される位置を特定することができる。
【0004】
特許文献2に記載されている指示情報入力装置は、プロジェクタによって画像が表示された投影スクリーンをビデオカメラによって撮影し、ビデオカメラによって撮影された映像信号と、表示している映像信号との差分を抽出することによって、レーザポインタによって投射されている光の位置を特定する。
【0005】
特許文献3に記載されている視野角制御表示装置は、見る人と画面との角度に応じて異なる画面を表示装置に表示するものであり、画面を構成する各発光素子に対応して、その発光素子による画面を見ることのできる角度内からきた光のみを選択受光する受光素子を備える。視野角制御表示装置は、この受光素子によって、レーザポインタなどから照射される光を受光する。
【0006】
【特許文献1】特開2001−236181号公報
【特許文献2】特開平9−62444号公報
【特許文献3】特開平6−230896号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、液晶ディスプレイなど表示装置自体が発光する画面にレーザポインタなどで光を照射した場合、画面を見る人は、レーザポインタからの光が液晶ディスプレイに吸収されて、光が照射されている位置を判別し難い場合がある。特許文献3に記載されている視野角制御表示装置は、発光素子ごとに受光素子が設けられており、レーザポインタによって光が照射された位置の受光素子が光を受光するので、光が照射された位置を正確に把握することはできるが、画面を見る人に光が照射されている位置をわかりやすくすることはできない。
【0008】
本発明の目的は、光を照射する指示装置によって画面に照射された光の位置を明示することができる表示装置および表示方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、画像を表示画面上に表示する複数の画素と、前記表示画面には受光する光の強さを複数の位置ごとに検出する検出手段とを備える表示装置であって、
前記検出手段によって検出された光の強さが変化するパターンを判別する判別手段と、
前記判別手段によって判別されたパターンが予め定める第1のパターンであるとき、前記検出手段によって光が検出された位置を示す予め定める第1の表示形態のシンボル画像を表示させ、前記判別手段によって判別されたパターンが前記第1のパターンとは異なる予め定める第2のパターンであるとき、前記第1の表示形態とは異なり、かつ前記位置を示す第2の表示形態のシンボル画像を表示させる制御手段とを含むことを特徴とする表示装置である。
【0010】
また本発明は、画像を表示する複数の画素と、受光する光の強さを位置ごとに検出する検出部とを備える表示装置に画像を表示する表示方法であって、
前記検出部によって検出された光の強さが変化するパターンを判別する判別ステップと、
前記判別ステップで判別されたパターンが予め定める第1のパターンであるとき、前記検出部によって光が検出された位置を示す予め定める第1の表示形態のシンボル画像を表示させ、前記判別ステップで判別されたパターンが前記第1のパターンとは異なる予め定める第2のパターンであるとき、前記第1の表示形態とは異なり、かつ前記位置を示す予め定める第2の表示形態のシンボル画像を表示する制御ステップとを含むことを特徴とする表示方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像を表示画面上に表示する複数の画素と、前記表示画面には受光する光の強さを複数の位置ごとに検出する検出手段とを備える表示装置に画像を表示するにあたって、判別手段によって、前記検出手段によって検出された光の強さが変化するパターンが判別され、制御手段によって、前記判別手段によって判別されたパターンが予め定める第1のパターンであるとき、前記検出手段によって光が検出された位置を示す予め定める第1の表示形態のシンボル画像が表示され、前記判別手段によって判別されたパターンが前記第1のパターンとは異なる予め定める第2のパターンであるとき、前記第1の表示形態とは異なり、かつ前記位置を示す第2の表示形態のシンボル画像が表示される。
【0012】
したがって、光の強さが変化するパターンが異なる光を照射する2種類の指示装置によって指示された画面上の位置をそれぞれ明示することができる。
【0013】
また本発明によれば、画像を表示する複数の画素と、受光する光の強さを位置ごとに検出する検出部とを備える表示装置に画像を表示するにあたって、判別ステップでは、前記検出部によって検出された光の強さが変化するパターンを判別する。
【0014】
そして、制御ステップでは、前記判別ステップで判別されたパターンが予め定める第1のパターンであるとき、前記検出部によって光が検出された位置を示す予め定める第1の表示形態のシンボル画像を表示させ、前記判別ステップで判別されたパターンが前記第1のパターンとは異なる予め定める第2のパターンであるとき、前記第1の表示形態とは異なり、かつ前記位置を示す予め定める第2の表示形態のシンボル画像を表示する。
【0015】
したがって、本発明に係る表示方法を提供すれば、光の強さが変化するパターンが異なる光を照射する2種類の指示装置によって指示された画面上の位置をそれぞれ明示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明の実施の一形態である表示装置10を含む表示システム1の構成を示す図である。表示システム1は、表示装置10および発光指示装置30を含んで構成される。本発明に係る表示方法は、表示装置10によって処理される。
【0017】
表示装置10は、N個の映像入力端子11、表示用・表示処理用一時記憶部12、光センサ内蔵表示用デバイス13、表示処理部14、中央演算部15、内部記憶部16、リモートコントロール(以下「リモコン」という)受光部17、リモコン処理部18、受光箇所判定部19、指示ポインタ表示データ作成部20および受光波形判定部21を含んで構成される。
【0018】
映像入力端子11は、パーソナルコンピュータ(以下「パソコン」という)などからの映像信号が入力される端子であり、N個の入力端子が設けられている。Nは、自然数である。各映像入力端子11から入力された映像信号は、表示用・表示処理用一時記憶部12に送られる。表示用・表示処理用一時記憶部12は、半導体メモリあるいはハードディスク装置などによって構成される書き込みおよび読み出し可能な記憶装置であり、映像入力端子11から受け取る映像信号を表す画像情報、および中央演算部15によって表示処理および表示用加工処理が行われる画像情報を記憶する。表示用・表示処理用一時記憶部12に記憶される画像情報は、表示処理部14および中央演算部15から読み出し可能である。
【0019】
光センサ内蔵表示用デバイス13は、表示画像を構成する複数の画素、および受光する光の強さおよび色を検出する検出手段および検出部である光センサを画素ごとに内蔵する液晶ディスプレイである。さらに、光センサ内蔵表示用デバイス13は、各画素を構成する赤、緑および青のサブピクセルごとに光センサが設けられ、受光した光の色も画素ごとに検出することができる。光センサ内蔵表示用デバイス13は、表示処理部14から受け取る画像情報を表示し、各光センサが画素ごとに検出する光の強さ(以下「受光の強さ」という)および色(以下「受光色」という)を中央演算部15に送る。
【0020】
表示処理部14は、表示用・表示処理用一時記憶部12から読み出した画像情報を、中央演算部15から指示される形式、たとえば光センサ内蔵表示用デバイス13が表示可能な形式に変換して光センサ内蔵表示用デバイス13に送り表示させる。
【0021】
判別手段および制御手段である中央演算部15は、中央処理装置(以下「CPU」という)および表示装置10を制御するための制御プログラムを記憶するメモリを含んで構成され、CPUがメモリに記憶される制御プログラムを実行することによって、光センサ内蔵表示用デバイス13、表示処理部14およびリモコン処理部18を制御する。中央演算部15は、CPUおよびメモリの代わりに、プログラミングすることができるLSI(
Large Scale Integration)であるFPGA(Field Programmable Gate Array)、特定の用途のために設計、製造される集積回路であるASIC(Application Specific Integrated Circuit)、あるいはその他の演算機能を有する回路によって構成してもよい。
【0022】
内部記憶部16は、たとえば書き込みおよび読み出し可能な半導体メモリなどの記憶装置によって構成され、中央演算部15が制御プログラムを実行するときに用いる制御情報161を記憶する。制御情報161は、たとえば受光した光の色を表す受光色、受光した光の強さを表す受光の強さ、受光した光の数を表す受光数、指示ポインタの形状を表すポインタ形状、指示ポインタの色を表すポインタ表示色、指示ポインタの大きさを表すポインタサイズ、指示ポインタ表示の中心位置を表すポインタ表示位置、および指示ポインタの表示位置の基準を表すポインタ表示基準などの情報を含む。
【0023】
受光数は、光を受光している受光箇所の数であり、光が重なっていなければ、光を照射している発光指示装置30の数に一致する数である。受光箇所は、発光指示装置30によって光が照射されている少なくとも1つの画素からなる画素群である。シンボル画像である指示ポインタは、発光指示装置30によって光が照射されている位置を明示するための画像であり、受光箇所の代表点の位置を示す。ポインタ表示基準は、受光箇所の中心位置を基準とするか、受光箇所の最も明るい位置を基準とするかを示す。すなわち、代表点を受光箇所の中心位置とするか、受光箇所の最も明るい位置とするかの基準である。
【0024】
リモコン受光部17は、表示装置1を操作するための情報を表示装置1に送信する図示しないリモコンからの光を受光し、受光した光を電気信号に変換して、リモコン処理部18に送る。リモコン処理部18は、リモコン受光部17から受け取る電気信号をリモコンから指示された情報に変換して、中央演算部15に送る。
【0025】
受光箇所判定部19、指示ポインタ表示データ作成部20および受光波形判定部21は、中央演算部15が制御プログラムを実行することによって実現される機能である。受光箇所判定部19は、光センサ内蔵表示用デバイス13に照射されている光の箇所を判定する。具体的には、受光箇所判定部19は、光センサ内蔵表示用デバイス13の光センサから受け取る受光の強さが、予め定める基準強さ以上、たとえば0〜255の256段階で128以上の画素またはそれらの複数の画素が隣接している範囲を、発光指示装置30から照射されている光を受光している受光箇所と判定する。
【0026】
指示ポインタ表示データ作成部20は、受光箇所判定部19によって光を受光していると判定された受光箇所について、指示ポインタを表示する位置を決定するとともに、指示ポインタを表す指示ポインタデータを作成する。受光波形判定部21は、発光指示装置30から出射される光の出射パターンを判定する。具体的には、受光波形判定部21は、光センサ内蔵表示用デバイス13の光センサから受け取る受光の強さが、予め定める期間、たとえば2ミリ秒の期間予め定める基準強度以上であるとき、予め定める第1のパターンである連続する出射パターンであると判定し、予め定める期間に予め定める基準強度以上である状態と予め定める基準強度未満である状態とを繰り返すとき、予め定める第2のパターンであるパルス状の出射パターンであると判定する。パルス状の出射パターンは、繰り返されるパルスの周波数、パルス幅、パルス間隔などを変化させて組み合わせることによって、複数の出射パターンとして用いることも可能である。
【0027】
発光指示装置30は、レーザポインタ、LED(Light Emitting Diode)あるいは懐中電灯など光を画面に照射して位置を指示する指示装置である。発光指示装置30aは、光を発光する発光部31を含み、発光指示装置30bは、発光部31の他に、発光部31をパルス状に発光させる間欠駆動部32を含み、発光指示装置30cは、発光部31および間欠駆動部32の他に、発光をパルス状に照射するか連続して照射するかを切り換えるボタン33を含む。
【0028】
図2は、発光指示装置30の光が照射された画面40の例を示す図である。図2に示す発光指示装置30は、レーザポインタなど焦点の広がりが小さい指示装置であり、発光指示装置30からのレーザ光線39が画面40のうち、人物画像が表示されている領域41に照射されている。画面40の右側に引き出した画面41は、画素42の1つ1つがわかるように拡大した画面であり、画面41には、人物の表示画像43およびレーザ光線39が照射されているレーザポインタ照射箇所44が示されている。
【0029】
各画素42は、赤色のサブピクセル421、緑色のサブピクセル422および青色のサブピクセル423によって構成され、さらに各画素42には光センサ46が設けられる。光センサ46は、色を検出する3つの光センサ461〜463および光の強さを検出する図示しない光センサを含む。光センサ461は赤色を検出し、光センサ462は緑色を検出し、光センサ463は青色を検出する。
【0030】
図3は、光が照射された位置に表示される指示ポインタの例を示す図である。図3(a)は、レーザ光線39が光を照射して指し示している位置を赤色で表した指示ポインタ45aを表示する拡大画面41aを示す。図3(b)は、レーザ光線39が光を照射して指し示している位置を3×3の白色の画素で表した指示ポインタ45bを表示する拡大画面41bを示す。図3(c)は、レーザ光線39が光を照射して指し示している位置を5×5の緑色の画素で表した指示ポインタ45cを表示する拡大画面41cを示す。指示ポインタ45cは、図3(b)に示した指示ポインタ45bよりも大きさを大きくした指示ポインタである。図3(d)は、レーザ光線39が光を照射して指し示している位置を赤色の矢印の形状で示す指示ポインタ45dを表示する拡大画面41dを示す。矢印の先端は、たとえば光が照射されている画素の中心の画素の位置を示す。
【0031】
図4は、照射された光に広がりがある場合の指示ポインタの例を示す図である。図4(a)は、懐中電灯からの光が広がりのある領域44eに照射されていることを示している。図4(a)では、懐中電灯によって照射されている光は、領域44eの中心ほど光の強さが強い。指示ポインタ表示データ作成部20は、領域44eの中心の画素の位置、または領域44eに含まれる画素のうち最も受光の強さが強い画素の位置を、指示ポインタを表示する位置と決定する。図4(b)は、指示ポインタ表示データ作成部20が決定した位置に赤色の指示ポインタ45fを表示した拡大画面41fを示し、図4(c)は、指示ポインタ表示データ作成部20が決定した位置に赤色の矢印の形状の指示ポインタ45gを表示した拡大画面41gを示す。
【0032】
図5は、照射する光の色が異なる2種類の発光指示装置30a,30bの光が照射された画面40hの例を示す図である。発光指示装置30a,30bは、いずれもレーザポインタによって構成され、発光指示装置30aは赤色のレーザ光線を照射し、発光指示装置30bは黄色のレーザ光線を照射する。図5(a)は、発光指示装置30aからの赤色のレーザ光線および発光指示装置30bからの黄色のレーザ光線が画面40hに照射されていることを示している。拡大画面41hには、それぞれのレーザ光線が照射されている画素45h1,45h2が示されている。図5(b)は、発光指示装置30aからの赤色のレーザ光線が照射されている位置に、3×3画素からなる四角形の赤い指示ポインタ45j1が表示され、発光指示装置30bからの黄色のレーザ光線が照射されている位置に、黄色の矢印の形状の指示ポインタ45j2が表示されていることを示している。
【0033】
図6は、出射パターンが異なる2種類の発光指示装置30c,30dの光が照射された画面40kの例を示す図である。発光指示装置30c,30dは、いずれもレーザポインタによって構成され、発光指示装置30cはレーザ光線を連続する出射パターンで照射し、発光指示装置30dはレーザ光線をパルス状の出射パターンで照射する。図6は、発光指示装置30cからのレーザ光線および発光指示装置30dからのレーザ光線が画面40kに照射されていることを示しており、拡大画面41kには、それぞれのレーザ光線が照射されている画素45k1,45k2が示されている。
【0034】
図6に示した例では、受光波形判定部21は、画素45k1の光センサから受け取る受光の強さが、予め定める期間予め定める基準強度以上であるので、連続する出射パターンであると判定し、画素45k2の光センサから受け取る受光の強さが、予め定める期間に予め定める基準強度以上である状態と予め定める基準強度未満である状態とを繰り返すので、パルス状の出射パターンであると判定する。
【0035】
図7〜図12のフローチャートで用いる変数には、受光数Lcount、ポインタサイズLsize、ポインタ表示色Lcolor、ポインタ形状Lpattern、ポインタ表示基準Lbase、受光色PixelColor、受光の強さPixelValue、受光箇所の座標データLpos、および指示ポインタデータPointInfの変数がある。
【0036】
受光数Lcountは、光を受光している受光箇所の数であり、光が照射されている箇所が隣接する複数の画素から構成される場合は、その1つのまとまりを1箇所として数える。変数Lcountは、0からLMAXまでの整数であり、LMAXは、受光色の数の最大数、たとえば「3」である。
【0037】
ポインタサイズLsizeは、指示ポインタのサイズを表す値であり、値が「0」であると、大きいサイズを表し、値が「1」であると、中間のサイズを表し、値が「2」であると、小さいサイズを表す。ポインタ表示色Lcolorは、指示ポインタの色を表す値であり、値が「0」であると、赤色を表し、値が「1」であると、緑色を表し、値が「2」であると、青色を表し、値が「3」であると、受光した色を表す。ポインタ形状Lpatternは、指示ポインタの形状を表す値であり、値が「0」であると、四角形を表し、値が「1」であると、丸を表し、値が「2」であると、矢印を表す。
【0038】
ポインタサイズLsize、ポインタ表示色Lcolorおよびポインタ形状Lpatternは、それぞれK個、たとえば3個、すなわち受光色ごとに設定可能であり、それぞれを区別するときは、Lsize[K]、Lcolor[K]およびLpattern[K]と表す。以下、ポインタサイズLsize、ポインタ表示色Lcolorおよびポインタ形状Lpatternのデータを基本座標データともいう。ポインタサイズLsize、ポインタ表示色Lcolorおよびポインタ形状Lpatternは、予め定める表示形態である。
【0039】
ポインタ表示基準Lbaseは、懐中電灯などによって照射された光のように、照射された光に広がりがある場合、つまり光が照射されている箇所が隣接する複数の画素から構成される場合に、指示ポインタを表示する位置を、光が照射されている箇所の中心の位置を基準(以下「中央基準」という)にするか、照射されている光の強さが最も強い画素の位置を基準(以下「明るさ基準」という)にするかを示す変数であり、値が「0」であると、中央基準にすることを表し、値が「1」であると、明るさ基準にすることを表す。
【0040】
受光色PixelColorおよび受光の強さPixelValueは、受光した光についての受光色および受光の強さをそれぞれ画素ごとに表す画素データである。受光色PixelColorは、赤色のサブピクセル、緑色のサブピクセルおよび青色のサブピクセルに対応する3つの要素から構成され、それぞれ「0」〜「255」の256段階の階調で表わされる。各画素の画素データは、赤色のサブピクセルの階調、緑色のサブピクセルの階調、青色のサブピクセルの階調および受光の強さの4つの要素から構成される。4つの要素のうち、赤色のサブピクセルの階調、緑色のサブピクセルの階調および青色のサブピクセルの階調は、受光色PixelColorの画素データであり、受光の強さは、受光の強さPixelValueの画素データである。
【0041】
光センサ内蔵表示用デバイス13の画面は、横M個および縦N個の画素から構成され、画面に向かって左上の画素を原点とするXY座標で各画素の位置を表す。たとえばXY座標が(0,0)の画素の画素データは、(255,255,255,255)であり、XY座標が(0,1)の画素の画素データは、(255,250,255,252)であり、XY座標が(100,200)の画素の画素データは、(120,100,200,180)であり、XY座標が(100,201)の画素の画素データは、(122,98,210,190)であり、XY座標が(M−1,N−2)の画素の画素データは、(0,0,0,0)であり、XY座標が(M−1,N−1)の画素の画素データは、(0,0,0,0)である。各画素の受光色および受光の強さを表すときは、各画素のXY座標を用いて、それぞれPixelColor[x,y]およびPixelValue[x,y]と表す。
【0042】
受光箇所の座標データ(以下「受光データ」ともいう)Lposは、受光箇所に含まれる各画素の座標を、受光箇所ごとに表す。指示ポインタデータPointInfは、指示ポインタを表示する座標、色、大きさおよび形状を、受光箇所ごとに表すデータである。ポインタサイズLsize、ポインタ表示色Lcolor、ポインタ形状Lpatternおよびポインタ表示基準Lbaseの変数の設定は、図12に示す設定処理で詳述する。
【0043】
図7は、中央演算部15が行う第1の表示処理の一例を示すフローチャートである。第1の表示処理は、光を受光した画素に、受光した光の色つまり受光色と同じ色の指示ポインタを表示する処理である。中央演算部15が表示用・表示処理用一時記憶部12に記憶される画像情報を光センサ内蔵表示用デバイス(以下「パネル」ともいう)13に表示するように表示処理部14に指示した後、ステップA1に移る。
【0044】
ステップA1では、パネル13から各光センサが検出した画素ごとのデータ、具体的には受光色および受光の強さのデータを取得し、それぞれ画素ごとに受光色PixelColorおよび受光の強さPixelValueにセットする。ステップA2では、変数X,Yに「0」を代入して初期化する。変数X,Yの値は、自然数である。ステップA3では、変数Yの値がパネル13の垂直解像度、すなわち画面の縦方向の画素数未満であるか否かを判定する。Yの値がパネル13の垂直解像度未満であると、ステップA4に進み、Yの値がパネル13の垂直解像度以上であると、第1の表示処理を終了する。
【0045】
ステップA4では、変数Xに「0」を代入して初期化する。ステップA5では、変数Xの値がパネル13の水平解像度、すなわち画面の横方向の画素数未満であるか否かを判定する。変数Xの値がパネル13の水平解像度未満であると、ステップA6に進み、変数Xの値がパネル13の水平解像度以上であると、ステップA10に進む。ステップA6では、座標(X,Y)の画素のPixelValueつまり受光の強さを取得する。ステップA7では、取得したPixelValueの値が、所定の値、たとえば上述した予め定める基準強さより大きいか否か、すなわち光が照射されているか否かを判定する。PixelValueの値が所定の値より大きいと、ステップA8に進み、PixelValueの値が所定の値より大きくないと、ステップA9に進む。
【0046】
ステップA8では、座標(X,Y)の画素を、座標(X,Y)のPixelColorつまり受光色で表示する。具体的には、中央演算部15は、表示用・表示処理用一時記憶部12に記憶される画像情報のうち、座標(X,Y)の画素の色を、座標(X,Y)のPixelColorつまり受光色の色に置き換える。表示処理部14は、座標(X,Y)の画素の色が書き換えられた画像情報を表示用・表示処理用一時記憶部12から読み出し、所定の形式に変換してパネル13に表示させる。ステップA9では、変数Xに「1」を加算して、ステップA5に戻る。ステップA10では、変数Yに「1」を加算して、ステップA3に戻る。
【0047】
図8は、中央演算部15が行う第2の表示処理の一例を示すフローチャートである。第2の表示処理は、光を受光した受光箇所の位置に、予め設定されている色および形状の指示ポインタを表示する処理である。中央演算部15が表示用・表示処理用一時記憶部12に記憶される画像情報をパネル13に表示するように表示処理部14に指示した後、ステップB1に移る。
【0048】
ステップB1では、パネル13から各光センサが検出した画素ごとのデータ、具体的には受光色および受光の強さのデータを取得し、それぞれ画素ごとに受光色PixelColorおよび受光の強さPixelValueにセットする。ステップB2では、受光箇所検索処理を行う。ステップB3では、指示ポインタデータ作成処理を行う。ステップB4では、指示ポインタ表示処理を行って、ステップB1に戻る。
【0049】
図9は、第2の表示処理から呼び出される受光箇所検索処理の一例を示すフローチャートである。受光箇所検索処理は、受光箇所判定部19によって実行され、受光箇所判定部19は、図8に示した第2の表示処理から呼び出されると、ステップC1に移る。
【0050】
ステップC1では、変数X,Yおよび受光数の変数Lcountに「0」を代入して初期化する。ステップC2では、変数Yの値がパネル13の垂直解像度未満であるか否かを判定する。Yの値がパネル13の垂直解像度未満であると、ステップC3に進み、Yの値がパネル13の垂直解像度以上であると、受光箇所検索処理を終了する。ステップC3では、変数Xに「0」を代入して初期化する。ステップC4では、変数Xの値がパネル13の水平解像度未満であるか否かを判定する。変数Xの値がパネル13の水平解像度未満であると、ステップC5に進み、変数Xの値がパネル13の水平解像度以上であると、ステップC13に進む。
【0051】
ステップC5では、座標(X,Y)の画素のPixelValueつまり受光の強さを取得する。ステップC6では、取得したPixelValueの値が、所定の値より大きいか否か、すなわち光が照射されているか否かを判定する。PixelValueの値が所定の値より大きいと、ステップC7に進み、PixelValueの値が所定の値より大きくないと、ステップC11に進む。ステップC7では、受光データカウンタである変数Nに「0」を代入して初期化する。
【0052】
ステップC8では、変数Nの値がLcountの値つまりすでに検出されている受光数未満であるか否かを判定する。変数Nの値がLcountの値未満であると、ステップC9に進み、変数Nの値がLcountの値以上であると、ステップC14に進む。ステップC9では、N番目の受光データLposに、すでに光が照射されているとして検出された隣接する画素の座標(以下「隣接座標」という)があるか否かを判定する。N番目の受光データLposに隣接座標があると、ステップC10に進み、N番目の受光データLposに隣接座標がないと、ステップC12に進む。
【0053】
ステップC10では、座標(X,Y)の値を、N番目の受光データLposに追加する。ステップC11では、変数Xに「1」を加算して、ステップC4に戻る。ステップC12では、変数Nに「1」を加算して、ステップC8に戻る。ステップC13では、変数Yに「1」を加算して、ステップC2に戻る。ステップC14では、変数Lcountに「1」を加算、すなわち受光数をカウントアップして、ステップC10に進む。
【0054】
図10は、第2の表示処理から呼び出される指示ポインタデータ作成処理の一例を示すフローチャートである。指示ポインタデータ作成処理は、指示ポインタ表示データ作成部20によって実行され、指示ポインタ表示データ作成部20は、図8に示した第2の表示処理から呼び出されると、ステップD1に移る。
【0055】
ステップD1では、変数Nに「0」を代入して初期化する。ステップD2では、変数Nが受光数Lcount未満であるか否かを判定する。変数Nが受光数Lcount未満であると、ステップD3に進み、変数Nが受光数Lcount以上であると、ステップD113に進む。ステップD3では、N番目の受光箇所の受光色を、受光箇所の座標データつまり受光データLposと、各画素データの受光色PixelColorとに基づいて判定する。ステップD4では、ステップD3で判定した受光色に対応したポインタサイズLsizeおよびポインタ形状Lpatternの基本座標データを、指示ポインタデータPointInfの座標データにコピーする。基本座標データは、基準位置をXY座標(0,0)とした場合の指示ポインタの各画素のXY座標によって表される。
【0056】
ステップD5では、ステップD3で判定した受光色に対応したポインタ表示色Lcolorの値が「3」つまり受光した色であるか否かを判定する。ポインタ表示色Lcolorの値が「3」であると、ステップD11に進み、ポインタ表示色Lcolorの値が「3」でないと、ステップD6に進む。ステップD6では、指示ポインタデータPointInfの色データに、ポインタ表示色Lcolorの色を設定する。ポインタ表示色Lcolorの色は、たとえば赤色、緑色および青色のうちのいずれか1つの値である。
【0057】
ステップD7では、ポインタ表示基準Lbaseの値が「0」であるか否か、つまり表示基準が中央部分つまり中央基準か否かを判定する。ポインタ表示基準Lbaseの値が「0」であると、ステップD8に進み、ポインタ表示基準Lbaseの値が「0」でないと、ステップD12に進む。ステップD8では、N番目の受光箇所に含まれる画素のXY座標の平均値を求め、求めたX座標の平均値を変数Xbにセットし、求めたY座標の平均値を変数Ybにセットする。
【0058】
ステップD9では、ステップD4で指示ポインタデータPointInfの座標データにコピーした基本座標のX座標に変数Xbの値を加え、Y座標に変数Ybの値を加える。
【0059】
ステップステップD10では、変数Nに「1」を加算して、ステップD2に戻る。ステップD11では、指示ポインタデータPointInfの座標に対応する色データを、各画素データの受光色PixelColorから取り出して、指示ポインタデータPointInfの色データに設定し、ステップD7に進む。
【0060】
ステップD12では、N番目の受光箇所に含まれる画素のうち、受光の強さPixelValueの値が最も大きい画素を検索し、検索した画素のデータのX座標を変数Xbにセットし、Y座標を変数Ybにセットする。ステップD13では、指示ポインタデータPointInfのうち、座標の値が負、またはパネル13の解像度つまり画素数を超える値のデータを取り除く。ステップD14では、指示ポインタデータPointInfを座標順にソートつまり並べ替えて、指示ポインタデータ作成処理を終了する。
【0061】
図11は、第2の表示処理から呼び出される指示ポインタ表示処理の一例を示すフローチャートである。中央演算部15は、図8に示した第2の表示処理のステップB4を実行すると、ステップE1に移る。
【0062】
ステップE1では、変数X,Y,Zに「0」を代入して初期化する。ステップE2では、変数Yの値がパネル13の垂直解像度未満であるか否かを判定する。Yの値がパネル13の垂直解像度未満であると、ステップE3に進み、Yの値がパネル13の垂直解像度以上であると、指示ポインタ表示処理を終了する。ステップE3では、変数Xに「0」を代入して初期化する。ステップE4では、変数Xの値がパネル13の水平解像度未満であるか否かを判定する。変数Xの値がパネル13の水平解像度未満であると、ステップE5に進み、変数Xの値がパネル13の水平解像度以上であると、ステップE9に進む。
【0063】
ステップE5では、座標(X,Y)とZ番目のPointInfのデータの座標とが同じであるか否かを判定する。座標(X,Y)とZ番目のPointInfのデータの座標とが同じであると、ステップE6に進み、座標(X,Y)とZ番目のPointInfのデータの座標とが同じでないと、ステップE8に進む。
【0064】
ステップE6では、座標(X,Y)の画素を、Z番目のPointInfのデータの色で表示する。具体的には、中央演算部15は、表示用・表示処理用一時記憶部12に記憶される画像情報のうち、座標(X,Y)の画素の色を、Z番目のPointInfのデータの色に置き換える。表示処理部14は、座標(X,Y)の画素の色が書き換えられた画像情報を表示用・表示処理用一時記憶部12から読み出し、所定の形式に変換してパネル13に表示させる。ステップE8では、変数Xに「1」を加算して、ステップE4に戻る。ステップE9では、変数Yに「1」を加算して、ステップE2に戻る。
【0065】
図12は、中央演算部15が行う第3の表示処理の一例を示すフローチャートである。第3の表示処理は、複数の出射パターン、たとえば連続する出射パターンおよびパルス状の出射パターンの発光指示装置30が用いられる場合に、発光指示装置ごとに異なる色および形状の指示ポインタを表示する処理である。中央演算部15が表示用・表示処理用一時記憶部12に記憶される画像情報をパネル13に表示するように表示処理部14に指示した後、ステップF1に移る。ステップF1〜F4は、それぞれ図8に示したステップB1〜B4に対応し、重複を避けるために説明を省略する。
【0066】
図13は、第3の表示処理から呼び出される受光箇所検索処理の一例を示すフローチャートである。図14は、第3の表示処理から呼び出される指示ポインタデータ作成処理の一例を示すフローチャートである。図15は、第3の表示処理から呼び出される指示ポインタ表示処理の一例を示すフローチャートである。図13に示す受光箇所検索処理は、図9に示した受光箇所検索処理と同じであり、図15に示す指示ポインタ表示処理は、図11に示した指示ポインタ表示処理と同じであり、重複を避けるために説明は省略する。
【0067】
図14に示す指示ポインタデータ作成処理は、指示ポインタ表示データ作成部20によって実行され、指示ポインタ表示データ作成部20は、図12に示した第3の表示処理から呼び出されると、ステップH1に移る。ステップH1,H2は、それぞれ図10に示したステップD1,D2と同じであり、ステップH6〜H9は、それぞれ図10に示したステップD7〜D10と同じであり、ステップH12〜H14は、それぞれ図10に示したステップD12〜D14と同じであり、重複を避けるために説明は省略する。
【0068】
ステップH3では、受光波形判定部21の判定結果に基づいて、出射パターンがパルス状であるか否かを判定する。出射パターンがパルス状であると、ステップH4に進み、出射パターンがパルス状でないと、つまり連続状の出射パターンであると、ステップH10に進む。ステップH4では、形状が四角形、大きさが「中間」の基準座標データを、指示ポインタデータPointInfの座標データにコピーする。ステップH5では、指示ポインタデータPointInfの色データに、青色を設定する。
【0069】
ステップH10では、形状が丸、大きさが「大きい」の基準座標データを、指示ポインタデータPointInfの座標データにコピーする。ステップH11では、指示ポインタデータPointInfの色データに、赤色を設定し、ステップH6に進む。
【0070】
赤色は、予め定める第1の色であり、青色は、予め定める第2の色であり、大きさが大きい丸の形状は、予め定める第1の形状であり、大きさが中間の四角形の形状は、予め定める第2の形状である。図14に示したステップH3は、判別ステップである。図14に示したステップH1,H2およびステップH4〜14ならびに図15に示したステップJ1〜J9は、制御ステップである。
【0071】
図16は、中央演算部15が行う第4の表示処理の一例を示すフローチャートである。第4の表示処理は、複数の出射パターン、たとえば連続する出射パターンおよびパルス状の出射パターンの発光指示装置30が用いられる場合に、発光指示装置ごとに異なる色および形状の指示ポインタを表示するとともに、いずれか1つの発光指示装置については、
画面制御に係る制御を行う処理である。画面制御に係る制御は、たとえば画面のページをめくる制御であり、具体的には、画面のページをめくるコマンドを、映像信号を表示装置1に入力しているパソコンなどに送信することによって行う。中央演算部15が表示用・表示処理用一時記憶部12に記憶される画像情報をパネル13に表示するように表示処理部14に指示した後、ステップK1に移る。ステップK1〜K4は、それぞれ図8に示したステップB1〜B4に対応し、重複を避けるために説明を省略する。
【0072】
図17は、第4の表示処理から呼び出される受光箇所検索処理の一例を示すフローチャートである。図18は、第4の表示処理から呼び出される指示ポインタデータ作成処理の一例を示すフローチャートである。図19は、第4の表示処理から呼び出される指示ポインタ表示処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す受光箇所検索処理は、図9に示した受光箇所検索処と同じであり、図19に示す指示ポインタ表示処理は、図11に示した指示ポインタ表示処理と同じであり、重複を避けるために説明は省略する。
【0073】
図18に示す指示ポインタデータ作成処理は、指示ポインタ表示データ作成部20によって実行され、指示ポインタ表示データ作成部20は、図16に示した第4の表示処理から呼び出されると、ステップM1に移る。ステップM1〜M5は、それぞれ図14に示したステップH1〜H5と同じであり、ステップM9〜M12は、それぞれ図14に示したステップH8〜H11と同じであり、ステップM14,M15は、それぞれ図14に示したステップH13,H14と同じであり、重複を避けるために説明は省略する。
【0074】
ステップM6では、N番目の受光箇所に含まれる画素のXY座標の平均値を求め、求めたX座標の平均値を変数Xbにセットし、求めたY座標の平均値を変数Ybにセットする。ステップM7では、平均値のXY座標(Xb,Yb)から、入力信号の解像度に換算した平均値のXY座標(Xc,Yc)を算出する。具体的には、座標Xcの値は、式(1)によって算出し、座標Ycの値は、式(2)によって算出する。
Xc=Xb×(入力信号水平解像度/パネル水平解像度) …(1)
Yc=Yb×(入力信号垂直解像度/パネル垂直解像度) …(2)
【0075】
ステップM8では、画面のページをめくるコマンドを、XY座標(Xc,Yc)とともに、映像入力端子11に映像を入力するパソコンなどに送信する。ステップM13では、N番目の受光箇所に含まれる画素のXY座標の平均値を求め、求めたX座標の平均値を変数Xbにセットし、求めたY座標の平均値を変数Ybにセットし、ステップM9に進む。
【0076】
図20は、中央演算部15が行う設定処理の一例を示すフローチャートである。利用者は、パソコンなどからの映像信号をパネル13に表示させる前に、パネル13に表示される図示しない設定画面に応答して、ポインタサイズLsize、ポインタ表示色Lcolor、ポインタ形状Lpatternおよびポインタ表示基準Lbaseの変数を、受光色ごとに予め設定することができる。
【0077】
中央演算部15は、ポインタサイズLsize、ポインタ表示色Lcolor、ポインタ形状Lpatternおよびポインタ表示基準Lbaseの変数を設定するための設定画面の画像情報を生成して、表示用・表示処理用一時記憶部12に記憶させ、表示用・表示処理用一時記憶部12に記憶された画像情報を表示処理部14によってパネル13に表示させる。設定画面は、たとえばそれぞれの変数に設定する内容をリモコンによって選択することができる画面である。中央演算部15は、設定画面をパネル13に表示させた後、ステップP1に移る。
【0078】
ステップP1では、リモコンによって選択されたポインタ表示基準が「中央基準」であるのか「明るさ基準」であるのかを判定する。選択されたポインタ表示基準が「中央基準」であると、ステップP2に進み、選択されたポインタ表示基準が「明るさ基準」であると、ステップP14に進む。ステップP2では、変数Dに「0」を代入する。ステップP3では、表示基準Lbaseに変数Dの値を代入する。ステップP4では、受光色を選択するための変数Kに「0」つまり赤色を示す値を代入する。
【0079】
ステップP5では、変数Kの値が設定可能な受光色の数、たとえば赤色、青色および黄色の3色を表す値「3」未満であるか否かを判定する。変数Kの値が「3」未満であると、ステップP6に進み、変数Kの値が「3」以上であると、設定処理を終了する。変数Kは、赤色が「0」、青色が「1」および黄色が「2」である。設定を行っている受光色を設定画面に表示する。ステップP6では、まず、設定を行っている受光色、つまり変数Kの値によって決まる色が何かを設定画面に表示する。次に、リモコンによって選択されたポインタ形状が「四角形」であるのか「丸」であるのか「矢印」であるのかを判定する。選択されたポインタ形状が「四角形」であると、ステップP15に進み、選択されたポインタ形状が「丸」であると、ステップP7に進み、選択されたポインタ形状が「矢印」であると、ステップP16に進む。ステップP7では、変数Aに「1」を代入する。
【0080】
ステップP8では、リモコンによって選択されたポインタの大きさが「大」であるのか「中」であるのか「小」であるのかを判定する。選択されたポインタの大きさが「大」であると、ステップP17に進み、選択されたポインタの大きさが「中」であると、ステップP9に進み、選択されたポインタの大きさが「小」であると、ステップP18に進む。ステップP9では、変数Bに「1」を代入する。
【0081】
ステップP10では、リモコンによって選択されたポインタ色が「赤色」であるのか「青色」であるのか「緑色」であるのか「受光色」であるのかを判定する。選択されたポインタ色が「赤色」であると、ステップP19に進み、選択されたポインタ色が「緑色」であると、ステップP11に進み、選択されたポインタ色が「青色」であると、ステップP20に進み、選択されたポインタ色が「受光色」であると、ステップP21に進む。ステップP11では、変数Cに「1」を代入する。
【0082】
ステップP12では、設定した内容を記憶する。具体的には、変数Bの値をポインタの大きさLsize[K]に代入し、変数Cの値をポインタ色Lcolor[K]に代入し、変数Aの値をポインタ形状Lpattern[K]に代入する。ステップP13では、変数Kに「1」を加算して、ステップP5に戻る。ステップP14では、変数Dに「1」を代入して、ステップP3に進む。ステップP15では、変数Aに「0」を代入して、ステップP8に進む。ステップP16では、変数Aに「2」を代入して、ステップP8に進む。
【0083】
ステップP17では、変数Bに「0」を代入して、ステップP10に進む。ステップP18では、変数Bに「2」を代入して、ステップP10に進む。ステップP19では、変数Cに「0」を代入して、ステップP12に進む。ステップP20では、変数Cに「2」を代入して、ステップP12に進む。ステップP21では、変数Cに「3」を代入して、ステップP12に進む。
【0084】
このように、画像を表示画面上に表示する複数の画素と、前記表示画面には受光する光の強さを複数の位置ごとに検出する光センサとを備える表示装置10に画像を表示するにあたって、中央演算部15によって、光センサによって検出された光の強さが変化するパターンが判別され、中央演算部15によって、中央演算部15によって判別されたパターンが連続する出射パターンであるとき、光センサによって光が検出された位置を示す予め定める第1の表示形態のシンボル画像、たとえば赤色または大きさが大きい丸の形状の指示ポインタが表示され、中央演算部15によって判別されたパターンが連続する出射パターンとは異なるパルス状の出射パターンであるとき、前記第1の表示形態とは異なり、かつ前記位置を示す第2の表示形態のシンボル画像、たとえば青色または大きさが中間の四角形の形状の指示ポインタが表示される。
【0085】
したがって、光の強さが変化するパターンが異なる光を照射する2種類の指示装置によって指示された画面上の位置をそれぞれ明示することができる。
【0086】
さらに、前記第1の表示形態は、赤色であり、前記第2の表示形態は、赤色とは異なる青色であるので、光の強さが変化するパターンが異なる光を照射する2種類の指示装置によって指示された画面上の位置をそれぞれ異なる色によって明示することができる。
【0087】
さらに、前記第1の表示形態は、大きさが大きい丸の形状であり、前記第2の表示形態は、大きさが大きい丸の形状とは異なる大きさが中間の四角形の形状であるので、光の強さが変化するパターンが異なる光を照射する2種類の指示装置によって指示された画面上の位置をそれぞれ異なる形状によって明示することができる。
【0088】
さらに、画像を表示する複数の画素と、受光する光の強さを位置ごとに検出する光センサとを備える表示装置10に画像を表示するにあたって、図14に示したステップH3では、光センサによって検出された光の強さが変化するパターンを判別する。
【0089】
そして、図14に示したステップH1,H2およびステップH4〜14ならびに図15に示したステップJ1〜J9は、図14に示したステップH3で判別されたパターンが予め定める連続する出射パターンであるとき、光センサによって光が検出された位置を示す予め定める第1の表示形態のシンボル画像、たとえば赤色または大きさが大きい丸の形状の指示ポインタを表示させ、図14に示したステップH3で判別されたパターンが連続する出射パターンとは異なるパルス状の出射パターンであるとき、前記第1の表示形態とは異なり、かつ前記位置を示す予め定める第2の表示形態のシンボル画像、たとえば青色または大きさが中間の四角形の形状の指示ポインタを表示する。
【0090】
したがって、本発明に係る表示方法を提供すれば、光の強さが変化するパターンが異なる光を照射する2種類の指示装置によって指示された画面上の位置をそれぞれ明示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の実施の一形態である表示装置10を含む表示システム1の構成を示す図である。
【図2】発光指示装置30の光が照射された画面40の例を示す図である。
【図3】光が照射された位置に表示される指示ポインタの例を示す図である。
【図4】照射された光に広がりがある場合の指示ポインタの例を示す図である。
【図5】照射する光の色が異なる2種類の発光指示装置30a,30bの光が照射された画面40hの例を示す図である。
【図6】出射パターンが異なる2種類の発光指示装置30c,30dの光が照射された画面40kの例を示す図である。
【図7】中央演算部15が行う第1の表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】中央演算部15が行う第2の表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】第2の表示処理から呼び出される受光箇所検索処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】第2の表示処理から呼び出される指示ポインタデータ作成処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】第2の表示処理から呼び出される指示ポインタ表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】中央演算部15が行う第3の表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】第3の表示処理から呼び出される受光箇所検索処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】第3の表示処理から呼び出される指示ポインタデータ作成処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】第3の表示処理から呼び出される指示ポインタ表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】中央演算部15が行う第4の表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】第4の表示処理から呼び出される受光箇所検索処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】第4の表示処理から呼び出される指示ポインタデータ作成処理の一例を示すフローチャートである。
【図19】第4の表示処理から呼び出される指示ポインタ表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図20】中央演算部15が行う設定処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0092】
1 表示システム
10 表示装置
11 映像入力端子
12 表示用・表示処理用一時記憶部
13 光センサ内蔵表示用デバイス
14 表示処理部
15 中央演算部
16 内部記憶部
17 リモコン受光部
18 リモコン処理部
19 受光箇所判定部
20 指示ポインタ表示データ作成部
21 受光波形判定部
30 発光指示装置
31 発光部
32 間欠駆動部
33 ボタン
40 画面
41 拡大画面
42 画素
43 表示画像
44 レーザポインタ照射箇所
45 指示ポインタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示画面上に表示する複数の画素と、前記表示画面には受光する光の強さを複数の位置ごとに検出する検出手段とを備える表示装置であって、
前記検出手段によって検出された光の強さが変化するパターンを判別する判別手段と、
前記判別手段によって判別されたパターンが予め定める第1のパターンであるとき、前記検出手段によって光が検出された位置を示す予め定める第1の表示形態のシンボル画像を表示させ、前記判別手段によって判別されたパターンが前記第1のパターンとは異なる予め定める第2のパターンであるとき、前記第1の表示形態とは異なり、かつ前記位置を示す第2の表示形態のシンボル画像を表示させる制御手段とを含むことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第1の表示形態は、予め定める第1の色であり、
前記第2の表示形態は、前記予め定める第1の色とは異なる予め定める第2の色であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1の表示形態は、予め定める第1の形状であり、
前記第2の表示形態は、前記予め定める第1の形状とは異なる予め定める第2の形状であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
画像を表示する複数の画素と、受光する光の強さを位置ごとに検出する検出部とを備える表示装置に画像を表示する表示方法であって、
前記検出部によって検出された光の強さが変化するパターンを判別する判別ステップと、
前記判別ステップで判別されたパターンが予め定める第1のパターンであるとき、前記検出部によって光が検出された位置を示す予め定める第1の表示形態のシンボル画像を表示させ、前記判別ステップで判別されたパターンが前記第1のパターンとは異なる予め定める第2のパターンであるとき、前記第1の表示形態とは異なり、かつ前記位置を示す予め定める第2の表示形態のシンボル画像を表示する制御ステップとを含むことを特徴とする表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−265439(P2009−265439A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−116231(P2008−116231)
【出願日】平成20年4月25日(2008.4.25)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】