説明

表示装置および表示装置の製造方法

【課題】硬質材料からなるスペーサを用いた場合であっても発光素子を覆う保護膜の破壊を確実に防止することができ、これにより発光素子の特性を維持することが可能な表示装置、およびこの表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】発光素子ELが配列形成されると共にこれを覆う状態で保護膜15が設けられた第1基板1と、第1基板1における保護膜15側に対向配置された第2基板21と、第1基板1と第2基板21との間に狭持された柱状スペーサ29とを備えた表示装置35において、柱状スペーサ29の支持部a,b,cにおける保護膜15を最表面とする第1基板1側の表面硬さが、インデンテーション法による測定においての圧子の荷重−侵入深さ曲線が不連続となる点で2GPa以上となるように保護膜15が構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および表示装置の製造方法に関し、特には複数の発光素子を2枚の基板間に狭持してなる表示装置および表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フラットパネルディスプレイの一つとして、有機電界発光素子を配列形成してなる有機発光ディスプレイが注目されている。有機発光ディスプレイは、自発光型の有機電界発光素子を用いたことにより、視野角が広く消費電力が低いという特性を有し、また、高精細度の高速ビデオ信号に対しても十分な応答性を有するものと考えられており、実用化に向けて開発が進められている。
【0003】
有機電界発光素子は、2枚の電極間に、発光層を含む1層以上の有機層を狭持しており、発光層で生じた発生光を少なくとも1方の電極側から取り出す構成となっている。このような構成の有機電界発光素子を用いた表示装置は、例えば有機電界発光素子が配列形成された第1基板と第2基板とが、樹脂などを介して貼り合わせられている。
【0004】
以上のような表示装置においては、第1基板と第2基板との間にスペーサ(支柱)を狭持させることにより、第1基板と第2基板との貼り合わせ時およびその後の第1基板と第2基板との接触による有機電界発光素子の破壊を防止する構成が提案されている(以上、下記特許文献1,2参照)。
【0005】
また、スペーサを第2基板上に形成することにより、スペーサ形成プロセスによる有機電界発光素子へのダメージを回避できる構成も提案されている(以上、下記特許文献3〜5参照)。
【0006】
すなわち、第1基板上の有機電界発光素子を覆う状態で設けられた保護膜上において、第2基板上に形成されたスペーサが支持される構成において、この保護膜は、2H以上の膜硬度を有する材料で形成されることが好ましいとされている。また、スペーサに弾力性を持たせることにより、基板間に発生する応力が緩和されるとしている(以上、下記特許文献3,4参照)。
【0007】
【特許文献1】特開平11-297477号公報(第8段落および第17段落参照)
【特許文献2】特開2002-151252号公報(第11段落参照)
【特許文献3】特許第3501148号公報(第18段落、および第22段落参照)
【特許文献4】特開2003-243154号公報(第32段落、および53段落参照)
【特許文献5】特開2003-257658号公報(第7段落参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述したようなスペーサを設けた表示装置においては、スペーサが配置される位置により、保護膜の下地構成が著しく異なる。例えば、有機電界発光素子間であっても、保護膜の下地に弾力性を有する有機層が設けられる場合もある。そして、このような下地が弾力性を有する箇所にスペーサが配置された場合には、基板間に発生する応力がスペーサに集中することで保護膜にクラック(割れ)が発生し易くなる。
【0009】
一方、スペーサに弾力性を持たせることにより、基板間に発生する応力が緩和されて保護膜にクラックが発生し難くなる。このようなスペーサを構成する材料としては、単位構造の中に剛直基を含まない高分子材料やシリコーンゴム、各種合成ゴムが用いられる(上記特許文献3)。ところが、このような材料を用いてスペーサを構成した場合には、スペーサからの不純物成分の染み出しや、スペーサ形成時における硬化条件を甘くすることによって誘発される不純物成分の染み出しが発生し易くなる。そして、染み出した不純物成分は、表示装置内の汚染を汚染する要因となり、特に有機電界発光素子のシミやダークスポット等の表示不良の要因となり易い。
【0010】
そこで本発明は、硬質材料からなるスペーサを用いた場合であっても発光素子を覆う保護膜の破壊を確実に防止することができ、これにより発光素子の特性を維持することが可能な表示装置、およびこの表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上のような目的を達成するための本発明の表示装置は、発光素子が配列形成されると共にこれを覆う状態で保護膜が設けられた第1基板と、この第1基板の保護膜側に対向配置された第2基板と、当該第1基板と第2基板との間に狭持されたスペーサとを備えている。そして特に、スペーサが配置される各位置での保護膜を最表面とする第1基板の表面硬さが、インデンテーション法による測定においての圧子の荷重−侵入深さ曲線が不連続となる点で2GPa以上であることを特徴としている。
【0012】
このような構成の表示装置においては、スペーサの支持により保護膜が破壊されることはなく、保護膜によって発光素子を保護し、発光素子の特性を維持することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように本発明の表示装置によれば、下地の状態やスペーサの材質によらずに保護膜の破壊を防止でき、これにより不純物の染みだしの無いスペーサを用いることで汚染を防止しつつ、発光素子を保護膜で完全に保護することが可能となるため、発光素子の特性を維持して信頼性の高い表示を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明の表示装置およびその製造方法の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。各実施形態においては、発光素子として有機電界発光素子を用いた上面発光型の表示装置について、その構成を製造工程順に説明する。
【0015】
<第1実施形態>
図1は第1実施形態の表示装置の製造工程を示す断面工程図である。また図2は、ここで作製する表示装置の主要構成部材を示した一部切り欠き平面図である。以下、図1に基づき図2を参照しつつ第1実施形態の表示装置の製造方法を説明する。
【0016】
先ずは、以下のように通常の工程を行う。すなわち、図1(1)に示すように、ガラス、プラスチック、石英などからなる絶縁性基板を用意し、これを第1基板1とする。尚、図3に示すように、この第1基板1は、複数の装置領域Aが設定された大型の基板であっても良い。
【0017】
次に、ここでの図示は省略したが、この第1基板1に設定された複数の装置領域A上に、薄膜トランジスタ(thin film transistor:TFT)を備えた発光素子の駆動回路を形成し、これらの駆動回路を覆う状態で平坦化絶縁膜を形成する。平坦化絶縁膜は、例えばポリイミドからなり、スピンコート法により形成する。その後、この平坦化絶縁膜に対して、パターン露光と現像処理を行うことにより、TFTに達する接続孔(図示省略)を形成する。
【0018】
続いて先の図1(1)に示すように、上記平坦化絶縁膜で覆われた第1基板1上に下部電極7を形成する。この場合、例えば蒸着法またはスパッタ法により、上記接続孔を埋め込む状態で導電膜を形成し、この導電膜をパターニングすることにより、接続孔を介してTFTに接続された下部電極7を形成する。この下部電極7は、ここで作製する発光素子の陽極として用いられるものであり、CrやAl合金及びAg合金等の反射膜上に、ITO膜を積層した層構造を有して画素毎にパターン形成されていることとする。尚、ここでの図示は省略したが、下部電極7の形成と同一工程で、隣接する下部電極7間に補助電極を形成する。この補助電極は、下部電極7と絶縁された状態で、例えば格子状に配置されることとする。また下部電極7は、各装置領域の中央に設定された表示領域1aに配列形成される。
【0019】
次に、各下部電極7の周縁を覆う状態で、例えば酸化シリコン(SiO2)からなる素子分離膜9を形成する。この素子分離膜9は、下部電極7の中央を露出する状態で形成され、この露出部分が画素開口9aとなる。また、この素子分離膜9は、補助電極の表面も露出させる形状にパターン形成される。このような形状の素子分離膜9は、先ず、例えばCVD法により酸化シリコン膜を成膜した後、この酸化シリコン膜に開口部を形成するパターンエッチングすることにより形成される。
【0020】
以上の後、画素開口9a内に露出する下部電極7を覆う状態で、表示領域1aに有機層11を形成する。この有機層11は、少なくとも有機発光層を備えたものであり、必要に応じてこの有機発光層の下部電極7側に正孔注入層、正孔輸送層が積層され、また有機発光層の上面側に電子輸送層が積層された層構造となっている。このような有機層11は、例えば蒸着成膜により形成され、白色発光する発光素子であれば図示したように表示領域1aの全面に同一膜として成膜されて良い。また、各画素開口9aに対応させて、赤色発光用の有機層、緑色発光用の有機層、さらには青色発光用の有機層を個別に蒸着成膜しても良い。
【0021】
尚、補助電極上の全面を覆う状態で有機層11が形成された場合には、有機層11の一部をパターンエッチングすることにより補助電極の一部を露出させる工程を行うこととする。
【0022】
次に、有機層11を覆う状態で、各表示領域1aに上部電極13を形成する。この上部電極13は、各発光素子に共通の陰極として形成される。この上部電極13は、ここで作成する発光素子が微量共振器として構成される場合には半反射半透明性のあるMgやAg合金が用いられる。また400から800nmの波長領域で50%以上の透過性を有する透明性電極であるIZOやITO等の電極や、MgAg等の合金の積層膜でも構わない。一例としては、無機材料のフッ化リチウムからなる電子注入層(図示省略)を約1nmの膜厚で形成した後、この電子注入層上に例えばマグネシウム(Mg)と銀(Ag)とを10:1の比率で混合した半透過性のMgAg合金からなる上部電極13を約10nmの膜厚で形成する。
【0023】
以上のようにして、各画素開口部9aに、陽極となる下部電極7と、陰極となる上部電極13との間に有機層11を狭持してなる発光素子(有機電界発光素子)ELを形成する。
【0024】
そして、このような構成の発光素子ELを形成した後、これらの発光素子ELを覆う状態で、第1基板1上の全面に保護膜15を形成する。この保護膜15は、400から800nmの波長領域で50%以上の透過性を有する材料のうち、防湿性に優れた材料を用いて構成されることが好ましい。このような材料として、例えば窒化シリコン(SiN)膜が用いられる。そして本発明においては、この保護膜15が、次に説明する表面硬さによって規定されているところに特徴がある。
【0025】
つまり、この保護膜15は、第1基板1側の最表面を構成する層となり、この保護膜15表面が、後述する第2基板側に設けた柱状スペーサを支持する面となる。このため、保護膜15は、柱状スペーサの支持部における保護膜15を最表面とする第1基板1側の表面硬さが所定値となるように、層構造や膜厚が設定されているのである。ここでの表面硬さは、インデンテーション法による圧子の荷重−侵入深さ曲線が不連続となる点で2GPa以上であることとする。尚、ここでは、厚さ数μmの保護膜15を最表面とする表面硬さを測定するため、圧子の侵入量をナノメートル(nm)単位の精度で制御できる装置を用いる。
【0026】
ここで、保護膜15を設けた状態での第1基板1側における柱状スペーサの支持部は、発光素子ELが設けられていない部分に設定される。具体的には、表示領域1a内における発光素子EL間(画素間a)、表示領域1aを囲む額縁領域1bにおける内周部b、および額縁領域1bにおける最外周部cである。これらの各部分a〜cは、保護膜5の下地状態がそれぞれ異なる。このため、同一の保護膜15を形成した場合であっても、下地状態に左右されて表面硬さに差が生じる。
【0027】
そこで、保護膜15の構成を決定する前には、上述した各部分a〜cと同様の下地構造を有する部分上に、保護膜15を形成したサンプルを実験的に作製する。ここでは、サンプルとして、実際の表示装置と同様の製造工程を経て第1基板1上に保護膜15までを形成したものを用いることとする。そして、各サンプルにおける各部分a〜cの保護膜15の表面硬さをインデンテーション法によって測定する。この測定結果から、各部分a〜cの圧子の荷重−侵入深さ曲線が不連続となる点で2GPa以上となっていることが確認された場合に、確認された構成の保護膜15を本表示装置における保護膜15の構成として採用する。
【0028】
ここで、保護膜15を構成する材料として採用される窒化シリコン膜は、通常CVD法によって成膜されるが、このようにして得られる窒化シリコン膜は、窒素(N)/シリコン(Si)組成の化学量論比1.33(Si34)とすると、N/Si組成比1.33以上の窒素リッチな膜は、膜強度および防湿性に優れるがカバレッジ性が劣る。一方、N/Si組成比1.33未満のシリコンリッチな膜はカバレッジ性能に優れるが膜強度および防湿性が劣る。このため、N/Si組成比1.33未満のシリコンリッチな窒化シリコン膜の上部に、N/Si組成比1.33以上の窒素リッチな窒化シリコン膜を積層した保護膜15を形成することとする。このような積層構造の保護膜15は、同一CVD成膜装置内で成膜条件を変更した成膜を行うことで形成される。
【0029】
また、窒化シリコン膜からなる保護膜15を形成する場合、その厚みが薄ければ上部電極13直上の微小異物等のカバレッジが悪くなり、異物起因のシミ不良を誘発の可能性が高い。一方、保護膜15の厚みを厚くすると、応力やCVD等のダメージによって発光素子ELの素子特性悪化を引き起こす。このような理由により、窒化シリコン膜からなる保護膜15の総膜厚は、1μm〜10μmが適当である。そして以上の観点から、N/Si組成比が1.33未満の窒化シリコン膜1μm上に、N/Si組成比が1.33以上の窒化シリコン膜1μmを積層し、総膜厚を2μmとした構成の窒化シリコン膜を、保護膜15として設計する。
【0030】
そして、以上のように設計された上記積層構造の窒化シリコン膜を保護膜15として成膜した上記サンプルを実験的に作製する。そして、このサンプルにおいて、上述した各部分a〜cについてインデンテーション法による膜評価を行う。この結果から、各部分a〜cの圧子の荷重−侵入深さ曲線が不連続となる点で、表面硬さが2GPa以上となっていれば、上記層構造の窒化シリコン(SiN)膜を保護膜15として採用し、第1基板1上に成膜する。
【0031】
尚、保護膜15としては、上述した2層構造の窒化シリコン膜に限定されることはない。すなわち、保護膜15は、上述した測定方法による表面硬さを有していれば、N/Si組成比1.33未満のシリコンリッチな膜を、窒素リッチな膜でサンドイッチした窒化シリコン膜の積層構造膜であっても良い。また、同一組成比の窒化シリコン膜からなる単層膜や、窒化シリコン膜で樹脂膜をサンドイッチ構造にした積層膜であっても良い。
【0032】
ここで図4には、上記サンプルにおける画素開口9aについて、インデンテーション法による膜評価を行った結果として、圧子の荷重−侵入深さ曲線のグラフを示す。
【0033】
尚、上記インデンテーション法の測定条件は、例えば下記の通りである。
測定装置 ;Hysitron社製 TriboIndenter
圧子 ;Berkovich(三角錐形)
測定モード ;単一押し込み測定
圧子の侵入深さ;200nm/400nm/600nm/800nm/1000nm
【0034】
このグラフに示すように、インデンテーション法において圧子を押し込んでいくと、荷重−侵入深さ曲線が不連続となる点が発生する。この点は、最表面を構成する保護膜が破壊された点であり、本グラフにおいては400nmの押し込み位置において保護膜(窒化シリコン膜)の破壊が生じている。この結果は、柱状スペーサを支持する部分a,b、cでほぼ同様であった。尚、図4は、圧子の侵入深さ(Displacement)0nmから600nmまでと、さらに連続して600nmから150nm付近までの荷重(Force)を示している。
【0035】
また図5には、上記サンプルの各部分a〜cについて、上記設計の保護膜15を最表面としたインデンテーション法による測定結果から算出した、各圧子の侵入深さ位置における弾性率(Er)と表面硬さ(Haedness)を示す。尚、比較として、画素開口9aについて保護膜15の表面硬さを算出した結果も、合わせて示す。
【0036】
各部分a〜c,9aにおいては、保護膜15の膜厚2μmの1/5である400nm以上に圧子の侵入深さが達した位置において、荷重−侵入深さ曲線が不連続となる点が発生し、膜破壊が生じている。そして図5を参照し、各部分a〜cにおける圧子の侵入深さ400nmにおける表面硬さ(Haedness)は、全て2GPa以上となっている。したがって、上述のように設計の窒化シリコン膜の積層構造からなる保護膜15は、本表示装置の保護膜15として適する構造であると判断される。これにより上記の保護膜15を実際の表示装置における保護膜15の構成として採用し、第1基板1上に形成する。
【0037】
尚、図4の荷重〜侵入深さ曲線の不連続点から、保護膜(窒化シリコン膜)の耐荷重を求めることが出来る。すなわち、荷重=5500μN、変位=400nmで破壊点に達したので、今回使用したダイアモンド圧子は先端120°であったため、保護膜にめり込んだ跡についた円錐は半径約680nmになる。よって単位面積あたり、5500μN÷(680×680×円周率)=3800μN/μm2の耐圧をもっている。このため、各柱状スペーサ1本あたりに、この耐圧以上の圧力が掛からなければ、窒化シリコン膜は破壊されることはない。
【0038】
一方、上述した第1基板1側とは別に、ガラス、プラスチック、石英などの透明材料からなり、第1基板1とほぼ同一形状の第2基板21を用意する。
【0039】
次に、この第2基板21に設定された複数の装置領域上に、ブラックマトリックス23を形成する。このブラックマトリックス23は、表示領域1aにおいては画素間に対応して設けられ、また額縁領域1bにおいてはその全面を覆う状態で設けられる。このようなブラックマトリックス23の形成は、先ず、第2基板21上に、感光性の黒色樹脂をスピンコート法等により塗布し、この塗布膜を露光、現像、焼成処理することにより形成する。また、ブラックマトリックス23は、黒色樹脂を用いたものに限定されることはなく、クロム(Cr)等の400〜800nmの波長域で透過率50%以下の材料であれば、特に制限無く用いることができる。ただし、クロムを用いる場合には、蒸着成膜したクロム膜をパターンエッチングすることでブラックマトリックス23が形成される。
【0040】
次に、ブラックマトリックス23が形成された第2基板21上に、各色のカラーフィルタ25R、25G、25Bを形成する。ここでは、例えば赤色の顔料を分散させたレジストをスピンコート法等を用いて第2基板21上全面に塗布し、赤を着色したい部分に光が照射されるようなフォトマスクを介して照射し、現像することにより赤のカラーフィルタ25Rを形成する。同様に、緑のカラーフィルタ25Gと、青のカラーフィルタ25Bとを順次形成した後、これらのカラーフィルタ25R,25G,25Bを焼成する。
【0041】
次いで、ブラックマトリックス23、およびカラーフィルタ25R,25G,25Bが形成された第2基板21上に、オーバーコート膜27を形成する。このオーバーコート膜27は、ブラックマトリックス23、およびカラーフィルタ25R,25G,25Bが形成された第2基板21上の平坦化と、カラーフィルタ材からの脱ガス等による発光素子ELのダメージ軽減のために形成される。このようなオーバーコート膜27は、例えば透明樹脂をスピンコート法により第2基板21の全面に塗布成膜し、さらに露光・焼成等によって硬化させて形成する。ここでの透明樹脂とは、400〜800nmの波長域で透過率が50%以上であれば良い。また、このような透過率を有していれば、窒化シリコン等の無機材料からなるオーバーコート膜27を形成しても良い。ただし、表面の平坦性を確保するためには、成膜方法に制限はないが、ブラックマトリックス23の2倍程度の膜厚で形成することが好ましい。
【0042】
以上の後、オーバーコート膜27上に、ブラックマトリックス23に重なる状態で複数の柱状スペーサ29を形成する。
【0043】
柱状スペーサ29の形成箇所は、表示領域1a内においては、画素間aに相当する部分の全てに配置するのではなく、数画素毎に配置することが好ましい。また、表示領域1a内における柱状スペーサ29の配置状態は、配置間隔が等間隔ではなくランダムであっても良い。例えば、表示領域1aが大画面化されている場合には、表示領域1aの中央部において特に第1基板1−第2基板21の基板間隔が狭くなりやすい。したがって、表示領域1aの中央部に偏って多くの柱状スペーサ29を配置することが、表示領域の全域において第1基板1−第2基板21の基板間隔を均一化する上で有利となる。また、柱状スペーサ29は、額縁領域1bの内周部bのみならず、額物領域1bの最外周部にも配置することで、表示領域の全域において第1基板1および第2基板21の基板間隔のバラツキが抑制される。
【0044】
これらの柱状スペーサ29を構成する材料は、ダイアモンド以下の硬度であれば限定されることはなく、有機材料でも無機材料でも良い。有機材料であれば、例えばレジスト材料であっても良く、ゴム系フォトレジスト、環化ポリイソブレン系フォトレジスト、ポリイミド系フォトレジスト等が用いられる。環化ポリイソブレン系フォトレジストとしては、OMR−83[東京応化(株)製]やCBR−M901[JSR社製]等が例示される。ポリイミド系レジストであれば、HTPR−1100[東レ(株)製]等が例示される。一方、無機材料であれば、SiO2等が好適に用いられる。
【0045】
また柱状スペーサ29は、例えば黒色顔料により黒色に着色したNN700(JSR社製)により形成しても構わない。これにより、柱状スペーサ29は黒色となり、ブラックマトリックス23から外れた位置に柱状スペーサ29が形成されたとしても、外観上の表示品位に与える影響を抑えることが出来る。
【0046】
以上のような材質からなる柱状スペーサ29の形状は、第2基板21と平行方向における断面形状が、四角形や三角形等の多角形、円、楕円、ストライプ状等で形状に制限はない。また、以降に説明する第1基板1と第2基板21との貼り合わせ時の位置精度出しを考慮した場合には、柱状スペーサ29の径が第2基板21側から先端に向かって細くなる順テーパー形状であることが望ましい。一方、上記貼り合わせ時およびその後に第1基板1側に生じる応力を考慮した場合には、柱状スペーサ29の径が第2基板21側から先端に向かって太くなる逆テーパーであることが、第1基板1側に与える応力を小さく抑える上で望ましい。また、柱状スペーサ29が表示に対して影響を与えることがないように、ブラックマトリックス23上からはみ出さないように、柱状スペーサ29を形成することが好ましい。
【0047】
さらに柱状スペーサ29の高さは、上記貼り合わせ時およびその後における第1基板1側と第2基板21側の接触回避のため、5μm以上であることが好ましい。また、第1基板1と第2基板21との基板間隔が離れすぎると、貼り合わせ精度によっては発光素子ELで発生した光の光漏れ不良が発生するため、100μm以下である必要がある。ここでは、上記2つの不良が発生しないことを考慮し、第1基板1側の最上部と第2基板21側の最上部との間隔が15μm程度となるように、各柱状スペーサ29の高さが設定されることする。この場合、表示領域1a内よりも、額縁領域1bに配置される柱状スペーサ29を高くすることにより、柱状スペーサ29を発光素子EL側で狭持した状態で第1基板1と第2基板21とを貼り合わせた状態で、第1基板1と第2基板21とが平行となるようにする。
【0048】
次に、図1(2)に示すように、以上のように柱状スペーサ29を設けた第2基板21と、発光素子ELを保護膜15で覆ってなる第1基板1との貼り合わせを行う。
【0049】
この際先ず、第1基板1の保護膜15上または第2基板21のオーバーコート膜27上に、各表示領域1aをそれぞれ囲む状態で、粘度の高い未硬化の封止樹脂を土手状に形成した封止樹脂層31を形成する。この封止樹脂層31は、エポキシやアクリル等を主材とする熱硬化もしくは光硬化性の樹脂を、ディスペンサー方式もしくは、シルクスクリーン方式等により表示領域1aを囲むように額物領域1bに供給することで形成する。尚、この樹脂中には、額縁部においても第1基板1と第2基板21との間隔を均一に保つため、スペーサを分散させても良い。スペーサとしては、ガラス繊維や、ガラスビーズもしくは、シリカ等の無機ビーズ、もしくはミクロパールSP(積水化学製)等の有機系ビーズが用いられる。ここでは例えば、シリカタイプのミクロパールSI(積水化学製)が用いられる。
【0050】
次に、封止樹脂層31で囲まれた第1基板1上の全面に、400〜800nmの波長域で50%以上の透過性を有する粘度の低い未硬化の熱硬化性樹脂もしくは光硬化性樹脂からなる接着剤層33を塗布する。
【0051】
その後、第1基板1の保護膜15側と、第2基板21側に形成した柱状スペーサ29側とを対向配置した状態で、第1基板と第2基板21とを位置合わせしながら、これらの基板1,21を貼り合わせる。この際、第1基板1と第2基板21が接触した状態で、これらの位置合わせを実施すると、第2基板21側に形成した柱状スペーサ29で保護膜15に傷をつけ、ダークスポット等の表示不良発生を誘発する。よって、第1基板1と第2基板21とを500μm程度離間させた状態で第1回目の位置合わせを行い、次に第1基板1と第2基板21とを所定の圧力で押圧して貼り合わせた状態で、最終的な位置合わせを行う。尚、この状態においては、第2基板21側に形成した柱状スペーサ29は、第1基板1における保護膜15上において、画素間a、額縁領域1bの内周部b、および額縁領域1bの最外周部cで支持された状態となる。
【0052】
上記貼り合わせの後、加熱もしくは露光を行うことにより、封止樹脂層31と接着剤層33とを硬化させ、これにより第1基板1と第2基板21とを、この間に発光素子ELを狭持させた状態で完全固体封止する。
【0053】
尚、本実施例では、額縁領域1bを封止樹脂層31を設ける構成としたが、水蒸気等の外的ダメージに対する信頼性に問題がないのであれば、封止樹脂層31を設けずに透過性を有する樹脂だけで、全面固体封止しても構わない。
【0054】
そして、以上のように第1基板1と第2基板21とを貼り合わせて完全固体封止を行った後、第1基板1と第2基板21とを、図3に示した装置領域A毎に分割して表示装置35を完成させる。
【0055】
このようにして得られた表示装置35は、柱状スペーサ29の支持部における保護膜15を最表面とする第1基板1側の表面硬さが、インデンテーション法による測定においての圧子の荷重−侵入深さ曲線が不連続となる点で2GPa以上となるように保護膜15が構成されたものとなる。
【0056】
このような構成の表示装置35においては、保護膜15の下層に弾力性を有する有機層などの材料層が設けられている場合であっても、保護膜15の下地状態を考慮してその表面硬さが規定されていることになる。そして、インデンテーション法による測定値で規定される保護膜15を最表面とする第1基板1の表面硬さは、圧子の荷重−侵入深さ曲線が不連続となる点の硬度を2GPa以上と規定している。このような表面硬さが2GPa以上であれば、以下に示すように、保護膜15によって発光素子ELが完全に保護され、発光素子ELに表示不良が生じることはない。
【0057】
下記表1には、インデンテーション法によって測定した保護膜の表面硬度と、発光素子の表示不良の一つである、「シミ不良」との関係を示す。尚、表面硬度は、インデンテーション法による測定においての圧子の荷重−侵入深さ曲線が不連続となる点(侵入深さ400nm)で算出した値である。また測定は、保護膜の表面硬度が最も弱くなると考えられる下地構造の上部(すなわち発光素子部)で測定した値である。
【表1】

【0058】
上述したように、保護膜の表面硬度は、当該保護膜が同一の膜硬度であっても、その下地構造によって異なる値となるが、この表1に示されるように、表面硬度2GPa以上に保たれている保護膜であれば、スペーサの支持により保護膜が破壊されることはなく、この保護膜によって発光素子が保護され、その結果として表示不良の発生が抑えられることが確認された。
【0059】
したがって、下地の状態やスペーサ(ここでは柱状スペーサ29)の材質によらずに保護膜15の破壊を防止でき、これにより不純物の染みだしの無い柱状スペーサ29を用いることで汚染を防止しつつ、発光素子ELを保護膜15で完全に保護することが可能となるため、発光素子ELの特性を維持して信頼性の高い表示を行うことが可能となる。
【0060】
また、硬質の柱状スペーサ29を用いても保護膜15の破壊を防止できるため、柱状スペーサ29によって第1基板1と第2基板21との間隔を維持することも可能になる。
【0061】
尚、図6には、シリコン基板上に成膜したそれぞれの膜厚(2μm、5μm)の窒化シリコン膜について、インデンテーション法による測定結果から得られた圧子の侵入深さと表面硬さとの関係を示す。これらの窒化シリコン膜は、ラザフォード後方散乱法によってN/Si組成比が1.33の化学量論比であることが確認された膜である。図6のグラフに示すように、窒化シリコン膜の下地が、シリコン基板のような硬質材料からなる場合には、圧子の押し込み深さが膜厚の1/5を越えても、表面硬さはほとんど変化しない。このことからも、表面硬さは、最表面層の下地の構成によって左右されるのであり、上述したように、柱状スペーサが支持される各部の表面硬さにより、保護膜の構成を規定することの重要性が分かる。
【0062】
尚、上記インデンテーション法の測定条件は、下記の通りである。
測定装置 ;MTS社製、Nanoindenter XP
圧子 ;Berkovich(三角錐形)
測定モード ;単一押し込み測定
圧子の侵入深さ;最大押し込み深さ1μm
最大荷重 ;700mN
測定条件 ;連続剛性測定(MTS社システムズ社特許技術)
【0063】
<第2実施形態>
図7は第2実施形態の表示装置の製造工程を示す断面工程図である。この図に示す第2実施形態が、上述した第1実施形態と異なるところは、第2基板21側にオーバーコート膜を設けず、ブラックマトリックス23上に直接、柱状スペーサ29を設けるところにあり、他の構成は同様である。
【0064】
すなわち、図7(1)に示すように、第1実施形態と同様にして、第1基板1側に、発光素子ELを形成してこれを保護膜15で覆う。保護膜15は、第1実施形態と同様に、柱状スペーサの支持部における保護膜15を最表面とする第1基板1側の表面硬さが、インデンテーション法による測定においての圧子の荷重−侵入深さ曲線が不連続となる点で2GPa以上となることが確認された構成で形成される。
【0065】
一方、第2基板21側には、第1実施形態と同様にブラックマトリックス23を形成し、次いでカラーフィルタ25R,25G,25Bを形成した後、オーバーコート膜を設けずに柱状スペーサ29を形成する。この柱状スペーサ29は、第1実施形態と同様に形成される。
【0066】
その後、図7(2)に示すように、第1実施形態と同様にして、第1基板1と第2基板21とを貼り合わせる工程、および各装置領域を分割する工程を行う。これにより表示装置35’を完成させる。
【0067】
以上のようにして得られた構成の表示装置35’であっても、保護膜15が第1実施形態と同様に構成されていることから、第1実施形態と同様に、下地の状態やスペーサ(ここでは柱状スペーサ29)の材質によらずに保護膜15の破壊を防止でき、これにより不純物の染みだしの無い柱状スペーサ29を用いることで汚染を防止しつつ、発光素子ELを保護膜15で完全に保護することが可能となるため、発光素子ELの特性を維持して信頼性の高い表示を行うことが可能となる。
【0068】
<第3実施形態>
図8は第3実施形態の表示装置の製造工程を示す断面工程図である。この図に示す第3実施形態が、上述した第1実施形態と異なるところは、第2基板側に設けた柱状スペーサの構成にあり、第1基板1側の構成は同様である。
【0069】
すなわち、第2基板21側には、第1実施形態と同様のカラーフィルタ25R,25G,25Bが設けられていると共に、これらのカラーフィルタ25R,25G,25Bを積層してなる疑似ブラックマトリックスが柱状スペーサを兼ねて設けられているのである。
【0070】
ここでは先ず図8(1)に示すように、第2基板21上に、ブラックマトリックスを形成せずに、第1実施形態で説明したと同様の手順で各色のカラーフィルタ25R,25G,25Bを形成し、これらを焼成する。この際、画素開口に対応する領域以外の領域には、全色のカラーフィルタ25R,25G,25Bを重ねて形成する。これにより、画素間aおよび額縁領域1bには、全色のカラーフィルタ25R,25G,25Bを重ねた疑似ブラックマトリックス41が設けられる。
【0071】
そして、この疑似ブラックマトリックス41の部分が、全色のカラーフィルタ25R,25G,25Bを重ねたことにより他の部分よりも高く形成されるため、柱状スペーサの役割も果たすものとして形成される。
【0072】
その後、図8(2)に示すように、第1実施形態と同様にして、第1基板1と第2基板21とを貼り合わせる工程、および各装置領域を分割する工程を行う。これにより表示装置43を完成させる。
【0073】
このような構成の表示装置43であっても、保護膜15が第1実施形態と同様に構成されていることから、第1実施形態と同様に、下地の状態やスペーサ(ここでは疑似ブラックマトリックス41を兼ねる柱状スペーサ)の材質によらずに保護膜15の破壊を防止でき、これにより不純物の染みだしの無い柱状スペーサを用いることで汚染を防止しつつ、発光素子ELを保護膜15で完全に保護することが可能となるため、発光素子ELの特性を維持して信頼性の高い表示を行うことが可能となる。
【0074】
<第4実施形態>
図9は第4実施形態の表示装置の製造工程を示す断面工程図である。この図に示す第4実施形態が、上述した第3実施形態と異なるところは、全色のカラーフィルタ25R,25G,25Bを重ねた疑似ブラックマトリックス41の上部に、柱状スペーサ29を設けたところにあり、第1基板1側の構成は同様である。
【0075】
すなわち先ず、図9(1)に示すように、第3実施形態において図8(1)を用いて説明したと同様にして、第2基板21上に各色のカラーフィルタ25R,25G,25Bを形成し、これらを重ねた疑似ブラックマトリックス41を形成する。
【0076】
その後、この疑似ブラックマトリックス41上に、柱状スペーサ29を形成する。柱状スペーサ29の形成は、第1実施形態と同様であることとする。尚、柱状スペーサ29の高さは、疑似ブラックマトリックス41の高さを引いた高さであっても良い。尚、擬似ブラックマトリックス41を形成した後、これを覆う状態で平坦化のためのオーバーコート膜を形成しても良い。オーバーコート膜の上部に第1実施形態と同様に柱状スペーサ29を形成する。
【0077】
以上の後、図9(2)に示すように、第1実施形態と同様にして、第1基板1と第2基板21とを貼り合わせる工程、および各装置領域を分割する工程を行う。これにより表示装置43’を完成させる。
【0078】
このような構成の表示装置43’であっても、保護膜15が第1実施形態と同様に構成されていることから、第1実施形態と同様に、下地の状態やスペーサ(ここでは柱状スペーサ29)の材質によらずに保護膜15の破壊を防止でき、これにより不純物の染みだしの無い柱状スペーサを用いることで汚染を防止しつつ、発光素子ELを保護膜15で完全に保護することが可能となるため、発光素子ELの特性を維持して信頼性の高い表示を行うことが可能となる。
【0079】
以上説明した第1〜第4実施形態のようにして得られた表示装置については、−30から80℃を反復するヒートサイクル試験を実施したが、第1基板1側に形成したTFT等の素子欠陥もなく、保護膜15の破壊によるダークスポットの発生もないことが確認された。
【0080】
尚、上述した第1実施形態〜第4実施形態においては、第1基板1と第2基板との間隔を規定するためのスペーサとして、柱状スペーサを設けた構成を説明した。しかしながら、本発明の表示装置は、これに限定されることはなく、ビーズ状のスペーサを封止樹脂中に分散させて用いても良い。この場合、画素開口内にスペーサが配置される可能性もあるため、画素開口における保護膜の表面硬さも、上述のように規定した値となるように保護膜を構成することが重要である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】第1実施形態を説明する断面工程図である。
【図2】表示装置の平面図である。
【図3】第1基板の構成図である。
【図4】窒化シリコン膜を最表面としたインデンテーション法による測定を行った結果として得られた圧子の荷重−侵入深さ曲線のグラフである。
【図5】保護膜を最表面としたインデンテーション法による測定結果から算出した圧子の侵入深さ位置における弾性率(Er)と表面硬さ(Haedness)を示すフラ府である。
【図6】シリコン基板上に成膜した窒化シリコン膜についてインデンテーション法による測定結果から得られた圧子の侵入深さと表面硬さとの関係を示すグラフである。
【図7】第2実施形態を説明する断面工程図である。
【図8】第3実施形態を説明する断面工程図である。
【図9】第4実施形態を説明する断面工程図である。
【符号の説明】
【0082】
1…第1基板、15…保護膜、21…第2基板、29…柱状スペーサ(スペーサ)、31…封止樹脂層、33…接着剤層、35,35’,43,43’…表示装置、EL…発光素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子が配列形成されると共にこれを覆う状態で保護膜が設けられた第1基板と、当該第1基板における前記保護膜側に対向配置された第2基板と、当該第1基板と第2基板との間に狭持されたスペーサとを備えた表示装置において、
前記スペーサの支持部における前記保護膜を最表面とする前記第1基板の表面硬さが、インデンテーション法による測定においての圧子の荷重−侵入深さ曲線が不連続となる点で2GPa以上となるように前記保護膜が構成されている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1記載の表示装置において、
前記インデンテーション法による測定において、圧子の侵入深さが前記保護膜の膜厚の1/5までの範囲では荷重−侵入深さ曲線が連続するように当該保護膜が構成されている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1記載の表示装置において、
前記スペーサは、前記発光素子間、および当該発光素子が配列形成された表示領域の外側の少なくとも一方に配置される
ことを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項1記載の表示装置において、
前記第1基板と第2基板との間には、接着剤層が充填されている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項1記載の表示装置において、
前記第1基板と前記第2基板との間には、前記発光素子が配列形成された表示領域の外側を囲んで封止樹脂層が設けられ、
前記スペーサは、前記封止樹脂層の外側における前記第1基板と前記第2基板との間に設けられている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項1記載の表示装置において、
前記保護膜は、組成の異なる窒化シリコン膜を積層してなる
ことを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項1記載の表示装置において、
前記第1基板と第2基板との間は、前記スペーサによって所定間隔に保たれている
ことを特徴とする表示装置。
【請求項8】
第1基板上に発光素子を配列形成する工程と、前記発光素子を覆う状態で前記第1基板上に保護膜を形成する工程と、前記第1基板における前記保護膜の成膜面側にスペーサを介して第2基板を貼り合わせる工程とを行う半導体装置の製造方法において、
前記スペーサが配置された各位置での前記保護膜を最表面とする前記第1基板の表面硬さが、インデンテーション法による測定においての圧子の荷重−侵入深さ曲線が不連続となる点で2GPa以上となるように、当該保護膜を形成する
ことを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項9】
請求項8記載の表示装置の製造方法において、
前記第1基板と第2基板とを貼り合わせる工程では、当該第1基板と第2基板とを互いに押し圧する
ことを特徴とする表示装置の製造方法。
【請求項10】
請求項8記載の表示装置の製造方法において、
前記第1基板と第2基板とを貼り合わせる前に、前記第2基板上にスペーサを立設する工程を行う
ことを特徴とする表示装置の製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−42467(P2007−42467A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−226178(P2005−226178)
【出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】